特許第6346295号(P6346295)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6346295無線通信システムにおいて装置対装置端末の制御チャネル送信方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6346295
(24)【登録日】2018年6月1日
(45)【発行日】2018年6月20日
(54)【発明の名称】無線通信システムにおいて装置対装置端末の制御チャネル送信方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 56/00 20090101AFI20180611BHJP
   H04L 27/26 20060101ALI20180611BHJP
   H04W 92/18 20090101ALI20180611BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20180611BHJP
   H04W 74/08 20090101ALI20180611BHJP
【FI】
   H04W56/00 130
   H04L27/26 111
   H04W92/18
   H04W72/04 136
   H04W74/08
   H04W72/04 131
【請求項の数】9
【全頁数】36
(21)【出願番号】特願2016-548738(P2016-548738)
(86)(22)【出願日】2015年1月28日
(65)【公表番号】特表2017-510151(P2017-510151A)
(43)【公表日】2017年4月6日
(86)【国際出願番号】KR2015000904
(87)【国際公開番号】WO2015115794
(87)【国際公開日】20150806
【審査請求日】2016年7月27日
(31)【優先権主張番号】61/932,741
(32)【優先日】2014年1月28日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/936,848
(32)【優先日】2014年2月6日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/938,684
(32)【優先日】2014年2月11日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/973,824
(32)【優先日】2014年4月1日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/001,617
(32)【優先日】2014年5月21日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/002,174
(32)【優先日】2014年5月22日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/027,233
(32)【優先日】2014年7月21日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/034,761
(32)【優先日】2014年8月7日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/055,643
(32)【優先日】2014年9月25日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/063,390
(32)【優先日】2014年10月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】チェ ヒョクチン
(72)【発明者】
【氏名】ソ ハンピョル
(72)【発明者】
【氏名】キム ハクソン
(72)【発明者】
【氏名】キム ピョンフン
【審査官】 望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】 ETRI,On the D2DSS and PD2DSCH[online],3GPP TSG-RAN WG1#75 R1-135277,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_75/Docs/R1-135277.zip>,2013年11月 2日
【文献】 Intel Corporation,On D2D Discovery Transmission Timing[online],3GPP TSG-RAN WG1#75 R1-135955,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_75/Docs/R1-135955.zip>,2013年11月13日
【文献】 InterDigital Communications,MAC Timing Advance Command Control Element for SCells[online],3GPP TSG-RAN WG2#77 R2-120636,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_77/Docs/R2-120636.zip>,2012年 1月31日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00−H04W99/00
H04B7/24−H04B7/26
H04L27/26
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムにおいて、モード1コミュニケーションD2D(Device−to−Device)端末がD2D制御チャネルを送信する方法であって、
タイミングアドバンス命令を受信するステップと、
前記タイミングアドバンス命令により指示されるタイミングアドバンス(TA)から、上りリンク無線フレームと下りリンク無線フレームとの間のタイミングオフセットを指示する値(NTA)を決定するステップと、
前記タイミングオフセットを指示する値(NTA)を用いて、D2D信号受信タイミング調整値(TA’)を指示するを設定するステップと、
D2D信号受信タイミング調整値(TA‘)を指示する前記値を含むD2D制御チャネルを送信するステップと、
前記D2D制御チャネルにより指示されたリソースを用いてD2Dデータを送信するステップと
を含み、
前記D2D制御チャネルは、D2D信号受信タイミング調整値を指示する前記値に拘わらず、下りリンクタイミングで送信され
前記D2Dデータは、D2D信号受信タイミング調整値を指示する前記値から決定されたタイミングで送信される、制御チャネル送信方法。
【請求項2】
前記D2D信号受信タイミング調整値(TA’)の粒度は、拡張CP(Cyclic prefix)基本時間ユニットの係数と等しい、請求項1に記載の制御チャネル送信方法。
【請求項3】
前記タイミングアドバンス(TA)を指示するフィールドのサイズは前記D2D信号受信タイミング調整値(TA’)を指示するフィールドのサイズ異なる、請求項1に記載の制御チャネル送信方法。
【請求項4】
前記タイミングアドバンス(TA)を指示するフィールドは11ビットであり、
前記D2D信号受信タイミング調整値(TA’)を指示するフィールドは6ビットである、請求項3に記載の制御チャネル送信方法。
【請求項5】
前記タイミングアドバンス命令はランダムアクセス手順で取得される、請求項1に記載の制御チャネル送信方法。
【請求項6】
タイミングオフセットを指示する値(NTA、D2D信号受信タイミング調整値(TA’)n対1対応でマッピングされる、請求項1に記載の制御チャネル送信方法。
【請求項7】
前記タイミングオフセットを指示する値(NTA)は、前記タイミングアドバンス(TA)に16を乗じて計算される、請求項1に記載の制御チャネル送信方法。
【請求項8】
前記D2D端末は、基地局への上りリンク信号の送信時に、前記タイミングオフセットを指示する値(NTA)を用いる、請求項1に記載の制御チャネル送信方法。
【請求項9】
無線通信システムにおいてD2D(Device−to−Device)制御チャネルを送信するD2D端末であって、
受信モジュールと、
プロセッサとを含み、
前記プロセッサは、タイミングアドバンス命令を受信し、前記タイミングアドバンス命令指示されたタイミングアドバンス(TA)から、上りリンク無線フレームと下りリンク無線フレームとの間のタイミングオフセットを指示する値(NTA)を決定し、前記タイミングオフセットを指示する値(NTA)を用いて、D2D信号受信タイミング調整値(TA’)を指示するを設定し、D2D信号受信タイミング調整値(TA‘)を指示する前記値を含むD2D制御チャネルを送信し、前記D2D制御チャネルにより指示されるリソースを用いてD2Dデータを送信するように構成され
前記D2D制御チャネルは、D2D信号受信タイミング調整値を指示する前記値に拘わらず、下りリンクタイミングで送信され
前記D2Dデータは、D2D信号受信タイミング調整値を指示する前記値から決定されたタイミングで送信される、D2D端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の説明は、無線通信システムに関し、より詳細には、装置対装置通信においてタイミングアドバンスに関連する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムが音声やデータなどのような様々な通信サービスを提供するために広範囲に展開されている。一般に、無線通信システムは、利用可能なシステムリソース(帯域幅、送信電力など)を共有して複数ユーザとの通信を支援できる多元接続(multiple access)システムである。多元接続システムの例には、CDMA(code division multiple access)システム、FDMA(frequency division multiple access)システム、TDMA(time division multiple access)システム、OFDMA(orthogonal frequency division multiple access)システム、SC−FDMA(single carrier frequency division multiple access)システム、MC−FDMA(multi carrier frequency division multiple access)システムなどがある。
【0003】
装置対装置(Device−to−Device;D2D)通信とは、端末(User Equipment;UE)間に直接的なリンクを設定し、基地局(evolved NodeB;eNB)の介入無しで端末間に音声、データなどを直接やり取りする通信方式のことをいう。D2D通信は、端末−対−端末(UE−to−UE)通信、ピア−対−ピア(Peer−to−Peer)通信などの方式を含むことができる。また、D2D通信方式は、M2M(Machine−to−Machine)通信、MTC(Machine Type Communication)などに応用することができる。
【0004】
D2D通信は、急増しているデータトラフィックによる基地局の負担を解決可能な一つの方案として考慮されている。例えば、D2D通信によれば、既存の無線通信システムと違い、基地局の介入無しで装置間にデータをやり取りするので、ネットワークの過負荷が減る。また、D2D通信を導入することによって、基地局における手順の減少、D2Dに参加する装置の消費電力の低減、データ伝送速度の増加、ネットワークの収容能力の増大、負荷の分散、セルカバレッジの拡大などの効果を期待することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、D2D通信においてタイミングアドバンスの適用、関連情報の伝達を技術的課題とする。
【0006】
本発明で達成しようとする技術的課題は、以上で言及した技術的課題に制限されず、言及していない他の技術的課題は、以下の記載から、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施例は、無線通信システムにおいてD2D(Device−to−Device)端末がD2D制御チャネルを送信する方法であって、タイミングアドバンス命令を受信するステップと、前記タイミングアドバンス命令が指示するタイミングアドバンス(TA)から、上りリンク無線フレームと下りリンク無線フレームとの間のタイミングオフセットを指示する値(NTA)を決定するステップと、前記タイミングオフセットを指示する値(NTA)を用いて、D2D信号受信タイミング調整値(TA’)を指示するタイミングアドバンス指示子(ITAI)を設定するステップと、前記タイミングアドバンス指示子を含むD2D制御チャネルを送信するステップを含み、前記タイミングアドバンス指示子(ITAI)を設定するとき、前記タイミングオフセットを指示する値(NTA)は、前記D2D信号受信タイミング調整値(TA’)として可能な値のうち最も近い値にマッピングされる、制御チャネル送信方法である。
【0008】
本発明の一実施例は、無線通信システムにおいてD2D(Device−to−Device)制御チャネルを送信するD2D端末において、受信モジュールと、プロセッサを含み、前記プロセッサは、タイミングアドバンス命令を受信し、前記タイミングアドバンス命令が指示するタイミングアドバンス(TA)から、上りリンク無線フレームと下りリンク無線フレームとの間のタイミングオフセットを指示する値(NTA)を決定し、前記タイミングオフセットを指示する値(NTA)を用いて、D2D信号受信タイミング調整値(TA’)を指示するタイミングアドバンス指示子(ITAI)を設定し、前記タイミングアドバンス指示子を含むD2D制御チャネルを送信し、前記タイミングアドバンス指示子(ITAI)を設定するとき、前記タイミングオフセットを指示する値(NTA)は、前記D2D信号受信タイミング調整値(TA’)のフィールドで指示可能な値のうち最も近い値にマッピングされる、D2D端末である。
【0009】
前記一実施例は、次の事項の全部/一部を含むことができる。
【0010】
前記D2D信号受信タイミング調整値(TA’)の粒度は、拡張CP(Cyclic prefix)において基本時間ユニットの係数と同一であってもよい。
【0011】
前記タイミングアドバンス(TA)を指示するフィールドと、D2D信号受信タイミング調整値(TA’)を指示するフィールドとのサイズは異なっていてもよい。
【0012】
前記タイミングアドバンス(TA)を指示するフィールドは11ビットであり、D2D信号受信タイミング調整値(TA’)を指示するフィールドは6ビットであってもよい。
【0013】
前記設定されたタイミングアドバンス指示子(ITAI)は、D2D制御情報を介して送信されてもよい。
【0014】
前記設定されたタイミングアドバンス指示子(ITAI)は、前記D2D制御情報が送信されるリソース領域を基地局が指示する送信モードである場合にのみ、前記D2D制御情報に含まれてもよい。
【0015】
前記タイミングアドバンス命令はランダムアクセス手順で取得されてもよい。
【0016】
前記タイミングオフセットを指示する値(NTA)とD2D信号受信タイミング調整値(TA’)とはn対1対応であってもよい。
【0017】
D2D信号受信タイミング調整値(TA’)と前記タイミングアドバンス指示子(ITAI)とは1対1対応であってもよい。
【0018】
前記nは、前記タイミングオフセットを指示する値(NTA)に16を乗じた値の最大値を、前記D2D信号受信タイミング調整値(TA’)を指示するフィールドで表現可能な値の個数で割った値よりも小さくてもよい。
【0019】
前記タイミングオフセットを指示する値(NTA)は、前記タイミングアドバンス(TA)に16を乗じた値であってもよい。
【0020】
前記端末は、基地局に上りリンク信号の送信時に、前記タイミングオフセットを指示する値(NTA)を用いることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、タイミングアドバンスと関連して基地局から受信したフィールドと、情報伝達が可能なフィールドとのサイズが異なる場合にも、誤りを大幅に低減しながらタイミングアドバンスを伝達することができる。
【0022】
本発明から得られる効果は、以上で言及した効果に制限されず、言及していない他の効果は、以下の記載から、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本明細書に添付された図面は、本発明に対する理解を提供するためのもので、本発明の様々な実施形態を示し、明細書の記載と共に本発明の原理を説明するためのものである。
図1】無線フレームの構造を示す図である。
図2】下りリンクスロットにおけるリソースグリッド(resource grid)を示す図である。
図3】下りリンクサブフレームの構造を示す図である。
図4】上りリンクサブフレームの構造を示す図である。
図5】本発明の実施例によるタイミングアドバンスマッピングを説明するための図である。
図6】本発明の実施例によるタイミングアドバンスマッピングを説明するための図である。
図7】本発明の実施例による信号送信の優先順位に関連する図である。
図8】本発明の実施例によるタイミングアドバンスの伝達を説明するための図である。
図9】本発明の実施例によるタイミングアドバンスの伝達を説明するための図である。
図10】本発明の実施例によるタイミングアドバンスの伝達を説明するための図である。
図11】送受信装置の構成を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下の実施例は、本発明の構成要素及び特徴を所定の形態で結合したものである。各構成要素又は特徴は、別に明示しない限り、選択的なものとして考慮されてもよい。各構成要素又は特徴は、他の構成要素や特徴と結合しない形態で実施されてもよく、また、一部の構成要素及び/又は特徴は結合されて本発明の実施例を構成してもよい。本発明の実施例で説明される動作の順序は変更されてもよい。ある実施例の一部の構成や特徴は、他の実施例に含まれてもよく、他の実施例の対応する構成又は特徴に代えてもよい。
【0025】
本明細書では、本発明の実施例を、基地局と端末間におけるデータ送受信の関係を中心に説明する。ここで、基地局は、端末と直接に通信を行うネットワークの終端ノード(terminal node)としての意味を有する。本文書で、基地局により行われるとした特定動作は、場合によっては、基地局の上位ノード(upper node)により行われてもよい。
【0026】
すなわち、基地局を含む複数のネットワークノード(network nodes)で構成されるネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局、又は基地局以外の他のネットワークノードにより行われるということは明らかである。「基地局(BS:Base Station)」は、固定局(fixed station)、NodeB、eNodeB(eNB)、アクセスポイント(AP:Access Point)などの用語に代えてもよい。中継機は、Relay Node(RN)、Relay Station(RS)などの用語に代えてもよい。また、「端末(Terminal)」は、UE(User Equipment)、MS(Mobile Station)、MSS(Mobile Subscriber Station)、SS(Subscriber Station)などの用語に代えてもよい。また、以下の説明において、「基地局」とは、スケジューリング実行ノード、クラスターヘッダー(cluster header)などの装置を指す意味としても使用可能である。もし、基地局やリレーも、端末が送信する信号を送信すれば、一種の端末と見なすことができる。
【0027】
以下に記述されるセルの名称は、基地局(base station、eNB)、セクタ(sector)、リモート無線ヘッド(remote radio head,RRH)、リレー(relay)などの送受信ポイントに適用され、また、特定送受信ポイントで構成搬送波(component carrier)を区分するための包括的な用語で使われてもよい。
【0028】
以下の説明で使われる特定用語は、本発明の理解を助けるために提供されたもので、これらの特定用語の使用は、本発明の技術的思想から逸脱することなく他の形態に変更されてもよい。
【0029】
場合によっては、本発明の概念が曖昧になることを避けるために、公知の構造及び装置を省略したり、各構造及び装置の核心機能を中心にしたブロック図の形式で示すこともできる。また、本明細書全体を通じて同一の構成要素には同一の図面符号を付して説明する。
【0030】
本発明の実施例は、無線接続システムであるIEEE802システム、3GPPシステム、3GPPLTE及びLTE−A(LTE−Advanced)システム、及び3GPP2システムの少なくとも一つに開示された標準文書でサポートすることができる。すなわち、本発明の実施例において本発明の技術的思想を明確にするために説明していない段階又は部分は、上記の標準文書でサーポートすることができる。なお、本文書で開示している全ての用語は、上記の標準文書によって説明することができる。
【0031】
以下の技術は、CDMA(Code Division Multiple Access)、FDMA(Frequency Division Multiple Access)、TDMA(Time Division Multiple Access)、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)、SC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)などのような種々の無線接続システムに用いることができる。CDMAは、UTRA(Universal Terrestrial Radio Access)やCDMA2000のような無線技術(radio technology)によって具現することができる。TDMAは、GSM(Global System for Mobile communications)/GPRS(General Packet Radio Service)/EDGE(Enhanced Data Rates for GSM Evolution)のような無線技術によって具現することができる。OFDMAは、IEEE802.11(Wi−Fi)、IEEE802.16(WiMAX)、IEEE802−20、E−UTRA(Evolved UTRA)などのような無線技術によって具現することができる。UTRAは、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)の一部である。3GPP(3rd Generation Partnership Project)LTE(long term evolution)は、E−UTRAを用いるE−UMTS(Evolved UMTS)の一部であり、下りリンクでOFDMAを採用し、上りリンクでSC−FDMAを採用する。LTE−A(Advanced)は、3GPPLTEの進展である。WiMAXは、IEEE802.16e規格(WirelessMAN−OFDMA Reference System)及び進展したIEEE802.16m規格(WirelessMAN−OFDMA Advanced system)によって説明することができる。明確性のために、以下では、3GPPLTE及びLTE−Aシステムを中心に説明するが、本発明の技術的思想はこれに制限されない。
【0032】
LTA/LTA−Aリソース構造/チャネル
図1を参照して無線フレームの構造について説明する。
【0033】
セルラーOFDM無線パケット通信システムにおいて、上り/下りリンク信号パケット送信はサブフレーム(subframe)単位に行われ、1サブフレームは、複数のOFDMシンボルを含む一定の時間区間と定義される。3GPP LTE標準では、FDD(Frequency Division Duplex)に適用可能なタイプ1無線フレーム(radio frame)構造と、TDD(Time Division Duplex)に適用可能なタイプ2無線フレーム構造を支援する。
【0034】
図1(a)は、タイプ1無線フレームの構造を例示する図である。下りリンク無線フレームは10個のサブフレームで構成され、1個のサブフレームは時間領域(time domain)において2個のスロット(slot)で構成される。1個のサブフレームを送信するためにかかる時間をTTI(transmission time interval)という。例えば、1サブフレームの長さは1msであり、1スロットの長さは0.5msであってよい。1スロットは時間領域において複数のOFDMシンボルを含み、周波数領域において複数のリソースブロック(Resource Block;RB)を含む。3GPP LTEシステムでは、下りリンクでOFDMAを用いているため、OFDMシンボルが1シンボル区間を表す。OFDMシンボルは、SC−FDMAシンボル又はシンボル区間と呼ぶこともできる。リソースブロック(RB)はリソース割当て単位であり、1スロットにおいて複数個の連続した副搬送波(subcarrier)を含むことができる。
【0035】
1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は、CP(Cyclic Prefix)の構成(configuration)によって異なってもよい。CPには、拡張CP(extended CP)及び一般CP(normal CP)がある。例えば、OFDMシンボルが一般CPによって構成された場合、1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は7個であってよい。OFDMシンボルが拡張CPによって構成された場合、1OFDMシンボルの長さが増加するため、1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は、一般CPの場合に比べて少ない。拡張CPの場合に、例えば、1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は6個であってもよい。端末が速い速度で移動する場合などのようにチャネル状態が不安定な場合は、シンボル間干渉をより減らすために、拡張CPを用いることができる。
【0036】
一般CPが用いられる場合、1スロットは7個のOFDMシンボルを含み、1サブフレームは14個のOFDMシンボルを含む。このとき、各サブフレームにおける先頭2個又は3個のOFDMシンボルはPDCCH(physical downlink control channel)に割り当て、残りのOFDMシンボルはPDSCH(physical downlink shared channel)に割り当てることができる。
【0037】
図1(b)は、タイプ2無線フレームの構造を示す図である。タイプ2無線フレームは、2ハーフフレーム(half frame)で構成される。各ハーフフレームは、5サブフレーム、DwPTS(Downlink Pilot Time Slot)、保護区間(Guard Period;GP)、及びUpPTS(Uplink Pilot Time Slot)で構成され、ここで、1サブフレームは2スロットで構成される。DwPTSは、端末での初期セル探索、同期化又はチャネル推定に用いられる。UpPTSは、基地局でのチャネル推定と端末の上り送信同期を取るために用いられる。保護区間は、上りリンク及び下りリンク間に下りリンク信号の多重経路遅延によって上りリンクで生じる干渉を除去するための区間である。一方、無線フレームのタイプにかかわらず、1個のサブフレームは2個のスロットで構成される。
【0038】
無線フレームの構造は例示に過ぎず、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームに含まれるスロットの数、又はスロットに含まれるシンボルの数は様々に変更されてもよい。
【0039】
図2は、下りリンクスロットにおけるリソースグリッド(resource grid)を示す図である。同図で、1下りリンクスロットは時間領域で7個のOFDMシンボルを含み、1リソースブロック(RB)は周波数領域で12個の副搬送波を含むとしたが、本発明はこれに制限されない。例えば、一般CP(normal−Cyclic Prefix)では1スロットが7OFDMシンボルを含むが、拡張CP(extended−CP)では1スロットが6OFDMシンボルを含んでもよい。リソースグリッド上のそれぞれの要素をリソース要素(resource element)と呼ぶ。1リソースブロックは12×7個のリソース要素を含む。下りリンクスロットに含まれるリソースブロックの個数NDLは、下り送信帯域幅による。上りリンクスロットは下りリンクスロットと同一の構造を有することができる。
【0040】
図3は、下りリンクサブフレームの構造を示す図である。1サブフレーム内で第1のスロットにおける先頭部の最大3個のOFDMシンボルは、制御チャネルが割り当てられる制御領域に該当する。残りのOFDMシンボルは、物理下り共有チャネル(Physical Downlink Shared Chancel;PDSCH)が割り当てられるデータ領域に該当する。3GPP LTEシステムで用いられる下り制御チャネルには、例えば、物理制御フォーマット指示子チャネル(Physical Control Format IndicatorChannel;PCFICH)、物理下り制御チャネル(Physical Downlink Control Channel;PDCCH)、物理HARQ指示子チャネル(Physical Hybrid automatic repeat request Indicator Chanel;PHICH)などがある。PCFICHは、サブフレームの最初のOFDMシンボルで送信され、サブフレーム内の制御チャネル送信に用いられるOFDMシンボルの個数に関する情報を含む。PHICHは、上り送信の応答としてHARQ ACK/NACK信号を含む。PDCCHで送信される制御情報を、下りリンク制御情報(Downlink Control Information;DCI)という。DCIは、上りリンク又は下りリンクスケジューリング情報を含んだり、任意の端末グループに対する上り送信電力制御命令を含む。PDCCHは、下り共有チャネル(DL−SCH)のリソース割当て及び送信フォーマット、上り共有チャネル(UL−SCH)のリソース割当て情報、ページングチャネル(PCH)のページング情報、DL−SCH上のシステム情報、PDSCH上で送信されるランダムアクセス応答(Random Access Response)のような上位層制御メッセージのリソース割当て、任意の端末グループ内の個別端末に対する送信電力制御命令のセット、送信電力制御情報、VoIP(Voice over IP)の活性化などを含むことができる。複数のPDCCHが制御領域内で送信されてもよく、端末は複数のPDCCHをモニタすることができる。PDCCHは一つ以上の連続する制御チャネル要素(Control Channel Element;CCE)の組み合わせ(aggregation)で送信される。CCEは、無線チャネルの状態に基づくコーディングレートでPDCCHを提供するために用いられる論理割当て単位である。CCEは、複数個のリソース要素グループに対応する。PDCCHのフォーマットと利用可能なビット数は、CCEの個数とCCEによって提供されるコーディングレート間の相関関係によって決定される。基地局は、端末に送信されるDCIによってPDCCHフォーマットを決定し、制御情報に巡回冗長検査(Cyclic Redundancy Check;CRC)を付加する。CRCは、PDCCHの所有者又は用途によって無線ネットワーク臨時識別子(Radio Network Temporary Identifier;RNTI)という識別子でマスクされる。PDCCHが特定端末に対するものであれば、端末のcell−RNTI(C−RNTI)識別子をCRCにマスクすることができる。又は、PDCCHがページングメッセージに対するものであれば、ページング指示子識別子(Paging Indicator Identifier;P−RNTI)をCRCにマスクすることができる。PDCCHがシステム情報(より具体的には、システム情報ブロック(SIB))に対するものであれば、システム情報識別子及びシステム情報RNTI(SI−RNTI)をCRCにマスクすることができる。端末のランダムアクセスプリアンブルの送信に対する応答であるランダムアクセス応答を示すために、ランダムアクセス−RNTI(RA−RNTI)をCRCにマスクすることができる。
【0041】
図4は、上りリンクサブフレームの構造を示す図である。上りリンクサブフレームは、周波数領域で制御領域とデータ領域とに区別できる。制御領域には上りリンク制御情報を含む物理上り制御チャネル(Physical Uplink Control Channel;PUCCH)が割り当てられる。データ領域には、ユーザーデータを含む物理上り共有チャネル(Physical uplink shared channel;PUSCH)が割り当てられる。単一搬送波特性を維持するために、一つの端末はPUCCHとPUSCHを同時に送信しない。一つの端末のPUCCHは、サブフレームにおいてリソースブロック対(RB pair)に割り当てられる。リソースブロック対に属するリソースブロックは、2スロットに対して互いに異なった副搬送波を占める。これを、PUCCHに割り当てられるリソースブロック対がスロット境界で周波数−ホップ(frequency−hopped)するという。
【0042】
D2D端末の同期取得
OFDMシステムでは、時間/周波数同期が取られていない場合、セル間干渉(Inter−Cell Interference)により、OFDM信号において互いに異なる端末間にマルチプレクシングが不可能となり得る。同期を取るためにD2D端末が直接同期信号を送受信し、全ての端末が個別的に同期を取ることは非効率的である。したがって、D2Dのような分散ノードシステムでは、特定のノードが代表同期信号を送信し、残りのUEがこれに同期を取ることができる。言い換えると、D2D信号送受信のために、一部のノードが(このとき、ノードは、eNB、UE、SRN(synchronization reference node又はsynchronization sourceと呼ぶこともできる)であってもよい。)D2D同期信号(D2DSS、D2D Synchronization Signal)を送信し、残りの端末がこれに同期を取って信号を送受信する方式を使用することができる。
【0043】
D2D同期信号としては、PD2DSS(Primary D2DSS)、SD2DSS(Secondary D2DSS)があり得る。PD2DSSは、所定長さのザドフチューシーケンス(Zadoff−chu sequence)又はPSSと類似/変形/反復された構造などであってもよい。SD2DSSは、M−シーケンス又はSSSと類似/変形/反復された構造などであってもよい。もし、端末がeNBから同期を取る場合、SRNはeNBとなり、D2DSSはPSS/SSSとなる。PD2DSCH(Physical D2D synchronization channel)は、D2D信号の送受信の前に端末が最も先に知らなければならない基本となる(システム)情報(例えば、D2DSSに関連する情報、デュプレックスモード(Duplex Mode、DM)、TDD UL/DL構成、リソースプール関連情報、D2DSSに関連するアプリケーションの種類など)が送信される(放送)チャネルであってもよい。PD2DSCHは、D2DSSと同じサブフレーム上で又は後行するサブフレーム上で送信されてもよい。
【0044】
SRNは、D2DSS、PD2DSCH(Physical D2D synchronization channel)を送信するノードであってもよい。D2DSSは特定のシーケンスの形態であってもよく、PD2DSCHは、特定の情報を示すシーケンスであるか、又は事前に定められたチャネルコーディングを経た後のコードワードの形態であってもよい。ここで、SRNは、eNB又は特定のD2D端末となり得る。部分ネットワークカバレッジ(partial network coverage)又はカバレッジ外の(out of network coverage)場合には、端末がSRNとなり得、セル間ディスカバリー(intercell discovery)の場合にも、隣接セル端末がタイミングを知るようにするために、端末がSRNから受信したタイミングに一定のオフセットを加えた時点で、端末がD2DSSをリレーすることができる。すなわち、D2DSSは、多重ホップを介してリレーされ得る。もし、D2DSSをリレーした端末が複数であるか、又は周辺に複数のクラスターがある場合、D2DSSを受信する端末は、複数のD2DSSを観察することができ、異なるホップを有するD2DSSを受信することができる。
【0045】
以下では、上述した説明に基づいて、D2D通信においてD2D信号(D2Dコミュニケーション、ディスカバリーなど)を送受信するタイミング、そのタイミングによる信号受信方法、D2D通信でのタイミングアドバンス、D2D端末の信号送信と優先順位などに関連する本発明の実施例について説明する。以下で、D2D通信はサイドリンク(sidelink)と呼ぶこともできる。また、以下の説明において、SA(Scheduling Assignment)は、D2D信号送信の前にD2D信号の送信リソースの時間、及び/又は周波数リソースの位置、MCS(modulation and coding scheme)などを示す物理層信号(即ち、D2D制御情報を伝達する信号)であってもよい。
【0046】
D2D通信でのタイミングアドバンス
a.物理層信号を介してタイミングアドバンスを知らせる方式
D2D通信においても、送信UEは、タイミングアドバンス(Timing Advance、以下、‘TA’という)を使用/適用して送信することができる。このとき、送信UEのTA情報(又はセル内のD2D Tx UEの平均(又は最大)TA、又はセル間UEのTAレンジ(又は最大TA)など)は、物理層信号、上位層信号などを介してD2D受信UEにシグナリングされてもよい(又はPD2DSCHに送信UEのTA情報、TA関連情報を含めて受信UEにシグナリングしてもよい。又は、D2D信号送信UEが、データと別途の物理層信号でTA値を含めて送信することができる。)。‘タイミングアドバンスの適用’の部分で後述するように、D2D送信UEがTAを適用してD2D信号を送信する場合、受信するUEにTA情報を知らせなければ、受信UEがD2D信号を正しく受信できないためである。ここで、D2D送信UEが使用する送信タイミングが、タイミングアドバンス命令が指示するTAから決定され、D2D送信UEが、物理層信号/上位層信号などを介してD2D受信UEにTA情報を知らせるとき、eNBから指示されたTAビット数と、D2D受信UEへのTA情報の送信のためのビット数とが異なる場合に対する定義が必要である。UEは、eNBからランダムアクセス過程で11ビットのタイミングアドバンス命令(timing advance command)を受信することができるが、D2D送信UEがTA情報を11ビットよりも小さい数のビット(例えば、6ビットのTAフィールドがSAに含まれて送信)で知らせる場合、適切な調整が必要となる。以下、これについて詳細に説明する。
【0047】
第一の方法として、SAにあるTAフィールドで表現できるTA値として、eNBから受信したTA命令値に最も近い値を定めてシグナリングすることができる。より詳細には、D2D送信UEは、タイミングアドバンス命令を受信し、タイミングアドバンス命令が指示するタイミングアドバンス(TA)から、上りリンク無線フレームと下りリンク無線フレームとの間のタイミングオフセットを指示する値(NTA)を決定することができる。
【0048】
次いで、タイミングオフセットを指示する値(NTA)を使用して、D2D信号受信タイミング調整値(TA’)を指示するタイミングアドバンス指示子(ITAI)を設定することができる。D2D信号受信UEは、D2D制御情報、SA、PD2DSCHなどを介して送信されるタイミングアドバンス指示子(ITAI)を介して、D2D送信UEが使用する送信タイミングを決定し、D2D信号を受信することができる。ここで、タイミングアドバンス指示子(ITAI)を設定するとき、前記タイミングオフセットを指示する値(NTA)は、前記D2D信号受信タイミング調整値(TA’)のフィールドで指示可能な値のうち最も近い値にマッピングされ得る。設定されたタイミングアドバンス指示子(ITAI)は、SA及び/又はD2D制御情報を介して送信されてもよい。
【0049】
より詳細に説明すると、タイミングオフセットを指示する値(NTA)は、TA*16であってもよく、TAは、0,1,…,1282のうち1つであってもよい。すなわち、NTAは、0,16,32,…,20512のうち1つであって、計1238個であり得る。もし、D2D送信UEがTA情報の伝達に使用可能なビット数が6ビットであれば、表現できる場合の数は64通りであるので、結局、6ビットで伝達できるようにするためには、eNBから受信した値(TA又はこれから変換されたNTA)を、6ビットで表現可能な値のうち特定の値にマッピング/変換しなければならない。具体的に、TA’の粒度を512と前提した図5を参照すると、NTA値0,16,…,240は、最も近い値であるTA’値0にマッピングされ、NTA値256,272,…,752は、最も近い値であるTA’値512にマッピングされてもよい。図5を説明すると、タイミングオフセットを指示する値(NTA)とD2D信号受信タイミング調整値(TA’)は、n対1に対応することができる。そして、nは、タイミングオフセットを指示する値(NTA)に16を乗じた値の最大値(20512)を、D2D信号受信タイミング調整値(TA’)を指示するフィールドで表現可能な値の個数(64)で割った値よりも小さい値を有することができる。また、D2D信号受信タイミング調整値(TA’)と前記タイミングアドバンス指示子(ITAI)は1対1対応する。
【0050】
このような方式で、タイミングアドバンス(TA)を指示するフィールド(例えば、11ビット)と、D2D信号受信タイミング調整値(TA’)を指示するフィールド(例えば、6ビット)とのサイズが異なる場合、eNBからのTA命令を、できる限り類似した値にUEがSAを介してシグナリングすることができ、受信UEの平均誤りを低減することができる。
【0051】
第二の方式として、SAにあるTAフィールドで表現できるTA値として、eNBから受信したTA命令値よりも大きいながら、最も近い値を定めてシグナリングすることができる。この方式は、受信UEがCPを除去する過程でOFDMシンボルの前部においてCP長だけを除去する場合、意図的に前のタイミングを知らせることでISI(inter symbol interference)を防止するためである。
【0052】
第三の方式として、SAにあるTAフィールドで表現できるTA値として、eNBから受信したTA命令値よりも小さいながら、最も近い値を定めてシグナリングすることができる。この方式は、受信UEがCPを除去する過程でOFDMシンボルの後部においてCP長だけを除去する場合、意図的に後のタイミングを知らせることでISIを防止するためである。
【0053】
図6には、上述した3つの方式が全て示されている。図6で、数字1,2,3は、それぞれ、1番目、2番目、3番目の方式を用いた場合にSAでシグナリングされるTA値の位置を示す。すなわち、図6で、1は、実際(eNBがシグナリングした)のTA命令と最も近い位置のTA値、2は、実際のTA命令よりも大きいながら、最も近い位置のTA値、3は、実際のTAよりも小さいながら、最も近い位置のTA値をSAを介して送信するケースに該当する。
【0054】
上述した方式の組み合わせも可能であり、一例として、実際のTAと、SAにあるTAフィールドで表現できる最も近い値との間の差が一定水準以下であれば、最も近い値を選択してシグナリングし、一定水準以上であれば、受信UEのCP除去過程で発生するISIを防止するために、2番目又は3番目の方法を適用することができる。前記提案した方式のうち、各リソースプールに半静的(semi static)オフセットが設定されている場合、このオフセットを考慮して、前記方式のうち一つを適用してシグナリングする。一方、後述するeNBで設定したTAと意図的に異なる値をシグナリングする場合には、その異なる値が、前記提案した方法のうち一つを用いてSAでTAビットフィールドを設定して送信することができる。
【0055】
以上の説明のように、送信UEのTAを、物理層信号などを介して知らせる方式以外に、以下の説明のようにコミュニケーション中に知らせる方式もある。送信UEのTAをどのように知らせるかによって、D2DSSが、コミュニケーションとディスカバリーが分離されなければならないこともあり、これによって、D2D受信UEは、2つのD2DSSを別々にトラッキングしなければならない。(特に、タイミング及び周波数は、用途に関係なくトラッキング可能)
【0056】
b.コミュニケーション中にTAを知らせる方式
初期パケットは、DLタイミングで送信し、その後、送信UEが、データパケットにeNBから受信したTA値を含めて送信し、これを送信した以降はTAを適用して送信することができる。この場合、初期送信パケットのフォーマットはTAによって影響を受けることがある。D2Dコミュニケーションサブフレームフォーマットを、DLタイミングの時とPUSCHタイミングの時とに分けることができる。具体的に、DLタイミングの時のフォーマットは(以降にPUSCH又はPUCCHが送信されれば)、サブフレームの後部にTAだけの領域は信号マッピングに使用せずにガードとして空にしておく。この領域のサイズは構成可能(configurable)である。簡単には、シール(ceil)又はフロア(floor)(TA値/シンボル長)を取って、当該OFDMシンボルは使用しないことである。このとき、RRCアイドル(idle)UEであり、且つ最初にコミュニケーションパケットを送信するUEは、自身のTAを知らない可能性が高い。したがって、この場合には、セルの最大TA情報が、事前にRRCのような上位層信号又は物理層信号でUEにシグナリングされ得る。これを受信したUEは、前記言及した初期パケットを送信するとき、又は、TAなしにD2Dコミュニケーション信号を送信するとき、ガード区間を最大TAを基準として設定することができる。すなわち、サブフレームにおける最後の一部のサブフレームは、ガード区間として使用せずに空にしておくことができる。
【0057】
TDDの場合、TAを知らせるためのサブフレームは、特定のULサブフレーム(例えば、DLサブフレームの前のULサブフレーム)に制限されてもよい。又は、TDDでは、D2Dコミュニケーションサブフレームは、DLサブフレームの前の連続したULサブフレームのみに制限されてもよい。この場合には、TAを知らせるためのサブフレームは、DLタイミングに従ったり、固定値のオフセット(624Ts〜20us)を有したりすることができ、DLタイミングを有する場合に、サブフレームの最後の領域にTx/Rxスイッチングのためのガード区間を、624Tsの固定オフセットを有する場合に、ガード区間なしに送信されてもよい。TDDにおいて、TAを知らせるためのサブフレームが624Tsのオフセットを持って送信される場合、SAフィールドで送信されるTA値は、eNBから受信したTA命令の値又はTA命令値の累積値のみを基準として設定することができる。すなわち、PUSCH及びD2Dデータに適用するTAに対応するTA命令の値とオフセットの和から624Tsのオフセットは除いて、TA命令値、TA命令値の累積値、またはその値をSAで送信できる粒度に合わせて変形した値がSAを介して送信され、これを受信したUEは、同期ソースからD2D同期信号受信時点でSAに含まれたTA値を適用した時点を基準として受信ウィンドウを設定し、D2D信号を受信するようになる。これを通じて、D2D同期信号もまた、624Tsのオフセットを有する場合にも、D2Dデータが開始される時点を正確に把握することができる。
【0058】
TAを知らせるパケットが、D2DSSのように周期的に送信される必要がある。場合によって、さらに高い周期で送信される必要もある。なぜなら、コミュニケーション中にD2Dパケットを聞くUEがTAを知らない場合、正しく受信することができないためである。TA値を知らせるパケットは、D2DSSと同じフォーマットで送信されてもよい。例えば、サブフレームフォーマットのうちDLタイミングを使用するフォーマットにおいてガード区間を除いた領域にD2DSSを送信することである(一例として、特定のD2D信号リソースプールの最初のサブフレームは、D2DSSが送信されるサブフレームとして設定されてもよい。)。このとき、PD2DSCHに、ディスカバリーのD2DSSと用途が異なるということを示すフィールドが含まれるか、又は、ディスカバリーのD2DSSと異なるシーケンス又は構造(繰り返しパターン/回数又はPD2DSSとSD2DSSの配置がディスカバリーのためのD2DSSと異なる)を使用するD2DSSが送信されてもよい。
【0059】
送信UEがTAを直接知らせるものではなく、TA又はTAに関連する情報(セル内の平均TAや、最大TA又は最小TA、TAレンジ)をeNBがD2D送受信UEに物理層あるいは上位層信号でシグナリングすることもできる。前記言及したものと同様に、TA/TA関連情報を受信する前までは、DLタイミングを基準に送信し、そのときのサブフレームフォーマットは、最大TAを基準に設定されてもよい。その後、eNBによってTA情報が受信されると、受信された時点で、+nのサブフレーム以降からは、TAを適用した時点で送信が行われ得る。このときは、フォーマットは、TAを適用したときのフォーマットを使用することができる。これを受信するUEも、当該時点からは変更されたフォーマットで受信を行うことができる。
【0060】
c.TAレゾリューション
図6の説明において、11ビットのTAを、それより小さいビットのフィールドでSAを介して送信するとき、粒度は512として例示された。ただし、TAレゾリューション(resolution、TAビットが指示する最小限の時間粒度)は、以下の説明のように多様であり、これについて説明する。すなわち、以下の説明は、D2D送信UEが受信されたTAをD2D受信UEに送信するとき、eNBから受信されたTAビット数とSAに含まれるビット数とが異なる場合、SAに含まれたビットを解釈する方法として見なすことができる。
【0061】
既存の11ビットのTAのレゾリューションは約0.521μsに該当し、SAに含まれるビットが指示する値は、既存の11ビットのTAのレゾリューションに従うことができる。もし、SAにxビット(x<11)が含まれるとしても、既存のレゾリューションに従うことができる。この場合、SAによって指示されたTAがセルレンジ全体をカバーできなくなるため、PD2DSCH又はD2Dデータに概略の(例えば、TAを、nビットのレゾリューションで再び他の別途のチャネルを介して送信)TA情報が含まれて送信されてもよい。又は、概略のTA情報がeNBによってシグナリングされてもよい。又は、SAが送信されるパターンが特定のTAステート(TA state)を指示する用途に使用されてもよい。例えば、SAが送信される時間/周波数パターンがN個あると仮定するとき、[log2N]個のTAステートを表示することができる。このTAステートは、概略のTA値を知らせる用途に使用され、SAに含まれたビットを介して正確なTAを推定するようになる。
【0062】
これとは異なり、新たに定義されたレゾリューションを使用することもできる。このとき、最大セル半径又はセル内の最大のTA値が、UEに物理層又は上位層信号でシグナリングされたり、事前に定められていてもよい。D2D送信UEは、この最大半径に該当するTA値を2xで割った値だけのレゾリューションを使用することができる。受信UEは、自身のDLタイミングで、SAに指示されたビットを新たに定義されたレゾリューションを使用して、受信ウィンドウを移動してFFTを行うことができる。
【0063】
他の例示として、SAに含まれるビットが指示するTAのレゾリューションは、CP長の単位又はCP長に連動する値であってもよい。例えば、ノーマルCP又は拡張CPの長さのレゾリューション(又はノーマルCP/拡張CPの長さのa倍、aは、0〜1の間の事前に設定された値、例えば、aは0.5)で、TAがSAを介して指示されてもよい。このとき、レゾリューションがどのようなCP長を使用するかは、eNBからの物理層又は上位層信号(例えば、SIB、(E)PDCCH、上位層信号(RRC))によって指示されるか、又は、事前に特定のCP長(例えば、拡張CP)で定められていてもよい。例えば、xビットのTAがSAに含まれて送信される場合、これを受信したUEは、自身のDL受信タイミングで、SAに含まれたビットを介してCP長のレゾリューションで受信ウィンドウを移動してFFTを行うことができる。
【0064】
もし、SAに含まれるビットがTAレンジを十分にカバーできない場合、SAが送信されるパターンが、特定のTAステートを指示する用途に使用されてもよい。例えば、SAが送信される時間/周波数パターンがn個あると仮定するとき、[log2N]個のTAステートを表示することができる。このTAステートは、概略のTA値を知らせる用途に使用され、SAに含まれたビットを介して正確なTAを推定するようになる。
【0065】
上述した方法において、SAに含まれるTAの時間レゾリューションは、前記提案した方法の全体又は一部を用いて設定されてもよい。このとき、TAレゾリューションのセットは、事前に定められていたり、RRCのような上位層信号や物理層信号でシグナリングされてもよい。このTAレゾリューションセット内で特定の値に設定されてもよく、具体的に、事前に特定の値に設定されたり、eNBの物理層又は上位層信号(例えば、SIB、(E)PDCCH、RRCシグナリング)でシグナリングされてもよい。例えば、既存のTAレゾリューション(16*Ts、例えば、0.52μs)、ノーマルCP長の単位のレゾリューション(144*Ts、例えば、4.69μs)、拡張CP長の単位のレゾリューション(512*Ts、例えば、16.7μs、又は、CP長に所定のスケーリングファクターaを適用した値、このとき、aは、0〜1の間の事前に設定された定数)が設定可能なレゾリューションセットとして事前に定められていてもよい。そして、このセットのうち、事前に特定の値としてUEに設定されていたり、eNBのシグナリングで事前に定められたセット内で特定の値が指示されてもよい。他の例示として、TAレゾリューション(16*Ts、例えば、0.52μs)、ノーマルCP長の単位のレゾリューション(144*Ts、例えば、4.69μs、又はCP長にスケーリングファクターaを適用した値、このとき、aは、0〜1の間に事前に定められた定数)が設定可能なTAレゾリューションセットとして事前に設定されており、eNBは、1ビットシグナリングで、このうちの特定の値を指示することができる。他の実施例として、TAレゾリューション(16*Ts、例えば、0.52μs)、第3のレゾリューション(例えば、前記言及したセルの最大TAに基づいて設定されたレゾリューション)を設定可能なTAレゾリューションセットとして設定し、このうちの特定の値をeNBがシグナリングすることができる。このとき、第3のレゾリューション値は、事前にRRCやSIBのようなシグナリングでUEに伝達されてもよい。
【0066】
SAに含まれるTAの時間レゾリューションがどのような値を使用するかは、eNBの物理層又は上位層信号によって直接指示されてもよく、このような場合、互いに異なるセルで異なるレゾリューション値を使用する場合又は部分ネットワークカバレッジにおいてカバレッジ外のUEに伝達しなければならない場合、これを伝達する方法が必要である。これに対する解決方法として、D2D同期信号(D2DSS)を送信するUEが、PD2DSCHのようなD2D物理層信号にTAの時間レゾリューション値を含めて送信することができる。又は、D2Dデータチャネルに上位層信号でTAの時間レゾリューション値を含めて送信することができる。
【0067】
TAの時間レゾリューションセット値は、D2DのためのCP長と別個の値に設定されてもよく(例えば、16Ts)、このような場合は、D2DのためのCP長の設定に対するシグナリングと別途に、TAレゾリューションに関する情報がeNBの物理層又は上位層信号によってシグナリングされてもよい。
【0068】
一方、TAビット数が制限された場合、最大セル半径を制限されたビット数で表現できるように、TAレゾリューションが、構成可能な(configurable)TA値のうちの1つとして含まれてもよい。一例として、TAビット数が6ビットであり、最大セル半径が100Kmであるとき、6ビットで100Kmのセル半径をカバーするTAレゾリューションは320Tsとなり、この値がTA値のうちの1つとして含まれてもよい。最大セル半径がx(m)であるとき、最大のTA値は、y=2x/(3*10^8)であり、これをBビットでシグナリングすれば、レゾリューションは、z=y/(2^B)であり、これをTs単位で表現すると、r=z/(1/(15000*2048))となる。これに、B=6、x=100000を入れると、rは320である。これをCP長で表現する場合、0.625(5/8)*拡張CP長(512Ts)で表現することができる。これを変形すると、特定のセル半径に対して、SAでシグナリングするビット数でTAレゾリューションを決定することができ、ネットワークは、TAレゾリューションをシグナリングするものではなく、現在のeNBのセル半径をシグナリングしてUEがTAレゾリューションを類推できる方法も可能である。これを変形して、サポートするセル半径のセットが事前に設定されており、現在のeNBのセル半径に応じて指示できるセル半径セット内の特定の値を物理層又は上位層信号でUEにシグナリングすることができる。又は、サポートするセル半径のセットに対するTAレゾリューションセットが事前に設定されており、現在のeNBのセル半径に応じて指示できるTAレゾリューションセット内の特定の値を物理層又は上位層信号でUEにシグナリングすることができる。
【0069】
一方、送信UEが、TAを使用してD2D信号を送信し、SAを介してTA値を送信するとき、TAを受信したUEは、自身のRRCステートに応じて動作が変わり得る。RRCアイドルモードの受信UEは、送信UEがSAを介して送信したTA値として、上述したTAレゾリューション値のうちの1つを使用して、概略の受信タイミング位置を見つけ、DMRSをコリレーションを取ることで、正確な受信タイミングを推定することができる。しかし、RRC接続(connected)モードのUEは、送信UEが送信したTAではなく、自身のTAを基準としてDMRSコリレーションを取ることで正確なFFTウィンドウタイミングを推定することができる。又は、自身のTAと送信UEが送信したTA値をいずれも使用して(例えば、平均を取って)FFTウィンドウ時点を概略的に定め、これを基準としてDMRSコリレーションを取ることで正確なFFTウィンドウ時点を推定することができる。又は、RRC接続モードのUEの場合は、送信UEが送信したTAではなく、自身のTA値と送信UEから指示されたタイミング値とを平均して受信時点を概略的に設定することができる。D2D信号受信UEがいずれもRRC接続モードであることが確実な場合は、送信UEは、別途のTA値をSAで送信せず、SAにおいてTAビットフィールドは他の用途に使用されてもよい。例えば、ユニキャスト、送受信UEがいずれもRRC接続モードである場合は、TAビットフィールドにHARQのRV情報やD2D UE間のTPC情報が含まれて送信されてもよい。送信UEがTAを使用しない場合には、1)SAにTAフィールドが送信されないか、又は、2)TAフィールドが特定のステート(例えば、all zero又はall one)に設定され、仮想CRCの用途に使用されてもよい。又は、3)TAフィールドを使用しない場合(送受信UEがいずれもTAを使用するモードであるか、又は送受信UEがいずれもTAを使用しないモードの送信の場合)、TAフィールドは、他の情報を送信する用途、又は既存に送信された情報をコンファームする用途に使用されてもよい。例えば、リダンダンシーバージョンをSAにTAフィールドを用いて送信することができる。RVを指示して残ったTAフィールドは、他の情報を送信する用途に使用したり、特定のステートに固定して仮想CRCの用途に使用したりすることができる。
【0070】
一方、TA値の範囲によってTAレゾリューションを適応的に使用することができる。例えば、SAに6ビットのTAフィールドが含まれて送信される場合、計64ステップのTA範囲を設定することができる。このとき、TA値が64*16Ts以内である場合は、16TsをTAレゾリューションとして使用し、TA値が64*16Tsよりも大きく、144Ts*64である場合は、144TsをTAレゾリューションとして使用し、TA値が144*64Txよりも大きい場合は、512TsをTAレゾリューションとして使用する。このような適応的なTAレゾリューション変更の動作は、セル特定に設定されたり、UE特定に設定されてもよい。言い換えると、セル特定の場合は、eNBは、セル内の最大TAを基準としてTAレゾリューションを設定してUEにシグナリングすることができ、UE特定の場合は、送信又は受信UEが自身のTA値によってレゾリューションを適応的に変更して使用することができる。
【0071】
一方、TA粒度が各TAステート別に異なって設定されてもよい。例えば、TAがXビットで表現される場合、X1ビットまではA Tsの粒度に設定され、残りのX2=X−X1ビットはB Ts(例えば、B>A)の粒度に設定されてもよい。ただし、このような、ステートによって粒度を異ならせる方法は、この例示のように2つのステップのみに限定されるものではなく、一般に、各ステート別に、粒度が事前にテーブルのような形態で定められていてもよい。このような各TAステート別粒度設定は、事前に定められていてもよく、ネットワークによって物理層又は上位層信号でUEにシグナリングされてもよい。このような方式は、実際的な(practical)セルサイズ(例えば、2km以内)では、細かな(fine)粒度で正確にTAを指示し、あまり使用されないセルサイズ(例えば、2km以上)では、概略のTAを指示することで、受信UEが、指示された時点で正確な受信タイミングを推定できるように助けるためである。このとき、UEが概略のタイミングから正確な受信タイミングを探索する能力があるか否かによって、X1,X2,A,B値(ステート別粒度)などが設定され得、ネットワークがこのような値をシグナリングするために、各UEは、自身のケーパビリティ(capability)をネットワークにシグナリングすることができる。又は、ネットワークは、UEのケーパビリティによって性能低下を予想し、再送信回数をさらに増加させたり、送信電力を増加させるなどの動作を行うことができる。もし、セル内にほとんどのUEが探索能力がない場合、ネットワークは細かい粒度をより多く設定するようになり、セル内にUEが広いレンジで受信タイミングを探索する能力がある場合には、ネットワークは、粗い(coarse)粒度をさらに増加させ、さらに広いセルサイズをサポートすることができる。前記言及したSAで指示されたTAを基準に正確なタイミングを探索できるか否かのUEケーパビリティは、指示されたTAを基準にタイミング探索ウィンドウサイズの形態で表現されてもよい。例えば、一部のUEは、TAを基準にして+−A Tsを探索し、他の一部のUEは、TAを基準にして+−B Tsを探索できる場合、各UEは、このウィンドウサイズA、B値をネットワークにシグナリングすることもできる。このとき、ウィンドウサイズは、極端に0であってもよく、このようなUEは、指示されたTAを基準に追加探索を行わないUEであると仮定し得る。ネットワークは、UEのケーパビリティやUEの探索ウィンドウサイズに基づいてTAステートによる粒度を適切に設定するか、又は他の形態の変化動作(Tx電力増加又は再送信回数増加)を行うことができる。
【0072】
タイミングアドバンスの適用
上述したようなタイミングアドバンスがD2D通信において使用され得る。ただし、その適用は選択的である。TAが適用されるか否かは、例えば、送信モード、eBNからの距離などによるが、以下、これについて説明する。
【0073】
a.送信モードによるTA適用
D2DコミュニケーションにおいてD2Dコミュニケーションリソース構成を受信したUEは、D2Dコミュニケーションリソース構成に基づいてD2Dコミュニケーション信号を送信することができる。ここで、UEは、(D2D)送信モード1又は(D2D)送信モード2のいずれかであってもよい。送信モード1は、UEが、eNBから指示されたリソースを介してD2Dコミュニケーション信号を送信する場合(即ち、コミュニケーションリソースに対するUEの選択がない場合)であり、送信モード2は、UEが、コミュニケーション信号を送信するリソースを選択する場合であってもよい。このような送信モードのいずれであるかによって、TAが適用されるか否かが変わり得る。具体的には、UEが、eNBから指示されたリソースを介して前記D2Dコミュニケーション信号を送信する場合、D2Dコミュニケーション信号は、上りリンク無線フレームと下りリンク無線フレームとの間のタイミングオフセットを指示する値(NTA)から決定された第1タイミングで送信され、UEが、前記D2Dコミュニケーション信号を送信するリソースを選択する場合、前記D2Dコミュニケーション信号は、上りリンク無線フレームと下りリンク無線フレームとの間のタイミングオフセットを指示する値(NTA)と関係なく決定された第2タイミングで送信され得る。ここで、第1タイミングは、NTAから決定されたものであるため、言い換えると、TAから決定されたものであるといえる。したがって、第1タイミングは、タイミングアドバンス命令の受信が必須である。上述したように、NTAは、TAから決定(NTA=TA*16)され、第1タイミングは、NTA及び固定タイミングアドバンスオフセット(NTAoffset)から決定され得る。すなわち、第1タイミングは(NTA+NTAoffset)*Tsであり、NTAoffsetは、TDDにおいて624、FDDにおいて0である。第1タイミングは、UEの上りリンクタイミング(特に、D2DにおいてTAを適用するにおいて基準となる無線フレームが下りリンクサブフレームである場合、例えば、PUSCHタイミング)であってもよい。
【0074】
次いで、第2タイミングはタイミングアドバンス命令と無関係であり得る。第2タイミングは、NTAと関係なく決定されるため、タイミングアドバンスを知らない場合(例えば、カバレッジ外のUEなど)にも適用可能である。第2タイミングは予め定められていてもよく、0に予め定められている場合、第2タイミングはNTAoffset*Tsである。第2タイミングは下りリンクタイミングであってもよい。
【0075】
整理すると、スケジューリング方法によってD2D信号送信タイミングが変わり得る。eNB承認(granted)リソースを使用する場合にはTAが適用され、UEオートノマスセレクション(autonomous selection)を行う場合にはTAが適用されない。
【0076】
上述したように、D2Dコミュニケーションにおいて、送信モードに応じて、送信タイミングとしてPUSCHタイミング又は下りリンクタイミングが決定され得、それぞれの送信タイミングは、次のような利点があり、したがって、上記の構成によれば、このような利点が得られる。まず、PUSCHタイミングに従う場合、WANとの共存性が良い。言い換えると、WANとのタイミングが同一であるため、PUSCHとタイミングミスアラインメント(misalignment)によるガード区間を最も小さく設定することができる。また、TAを使用してD2D信号を送信する場合、WANへの干渉があまり発生(シンボル間干渉(inter symbol interference)が発生しないため、キャリア(carrier)間の直交性(orthogonality)が維持)しないという利点がある。
【0077】
TAを適用せず、DLタイミングを使用してD2D信号を送信する場合、セル半径が大きいとき、D2D送信端末とD2D受信端末との間のタイミングの差が小さいため、D2D信号の送受信が円滑になるという利点がある。DLタイミングを使用する場合、セル半径が非常に大きいとき、RRCアイドルUEもD2D信号の送受信が円滑になるという利点がある。分散的スケジューリング(リソースプールを構成し、D2D送信UEが分散マナー(manner)でD2D信号送信)の場合、RRCアイドルUEもコミュニケーション信号を送信するようになる可能性がある。この場合には、TAを知ることが難しいため、D2Dコミュニケーション信号はDLタイミングで送信するようになる。分散的スケジューリングの場合でも、初期にはTAなしに送信し、その後RRC接続モードに切り替わった後には、TA又はTAに連動するオフセット値を適用して送信することもできる。この場合、前記で言及したように、DLタイミングで送信されるフォーマットと、TA又はTAに連動するオフセットを適用して送信するフォーマットとは異なっていてもよい。(ガード区間やRS位置)
【0078】
上述したような構成のために、eNBは、リソース選択方式によって別途のリソースプールを構成することができる。各リソースプールは、時間及び/又は周波数領域に分けられていてもよい。周波数領域に分けられている場合、タイミングの差による搬送波間干渉(inter carrier interference)が発生し得るため、リソースプールの境界の一部の搬送波はガードバンドとして使用するように設定されてもよい。このガードバンドでは、データをマッピングしないか、又は受信機でパンクチャリングを行うことができる。インターセルや部分ネットワークの場合、隣接セルやクラスターがどのようなスケジューリング方式を使用するかによって送信タイミングが変わり得る。したがって、隣接セルやクラスターがどのような方式を適用するかをシグナリングする必要がある。どのようなプールがどのようなスケジューリング方式を適用しているか、また、基準となるD2DSSはどのようなものであるか(D2DSS IDはどのようなものを使用するか、送信されるD2DSSはどのようなものであるか、ディスカバリーとの共有が可能であるか)に対する指示が、eNBシグナリングやPD2DSCH、又はD2DSSシーケンスなどを介して伝達されてもよい。eNBシグナリングである場合、隣接セルのスケジューリング方式、TA情報、リソースプール情報などが事前にバックホールで共有され、これを上位層信号又は物理層信号でUEにシグナリングすることができる。PD2DSCHに各リソースプールのスケジューリング方式、D2DSSの用途、D2DSSに適用されたTA値、TA値、またはTA値に関連する値などの全体又は一部が含まれてもよい。D2DSSシーケンスをスケジューリング方式によって区分することもできる。このとき、ディスカバリーの場合はUEがリソースを自ら決定するため、コミュニケーションが分散方式である場合、これら2つの間にはタイミングの共有が可能である。したがって、特定のD2DSSシーケンス又はフォーマットが受信されると、これは、ディスカバリー又は分散的スケジューリング方式にタイミングとして使用されるように設定することができる。
【0079】
b.距離、信号強度などによるTA適用
前記言及したスケジューリング方式によるD2D信号送信タイミング、リソースプールの選択に対する動作は、eNBからの信号強度(RSRP/RSRQ、(E)PDCCH BLER、同期信号受信性能など)、eNBとの接続状態、eNBとの距離、(C)RSがディテクト(detect)されたか否かなどによって決定されてもよい。例えば、eNBの信号の強度が一定臨界以上である場合には、eNBが指示したTA又はタイミングオフセットによって、eNBが指示したリソースでD2D信号を送信することができる。もし、eNBの信号の強度が臨界以下である場合、eNBが指示したリソースプール又は予め構成されたリソースプールでTA適用なしに(DLタイミングで又はDLタイミングに一定のオフセットを適用した時点で)D2D信号を送信することができる。もし、TAを適用するリソースプール及び/又はTAを適用しないプールが多数個である場合、各プールは、eNBからの信号強度によって区分されたり、事前に各プール別に送信電力強度が設定されているため、UEは、同じプールでは、同じ送信電力又は事前に設定された送信電力範囲以内でのみ送信するように設定されてもよい。そのために、各プールで使用する送信電力又はeNBからの信号強度に対する閾値が、eNBからUEに物理層又は上位層信号でシグナリングされてもよい。具体的な一例として、eNBの信号の強度が一定臨界以上である場合には、eNBがPUSCHの送信のために指示したTA値を再利用して(又はPUSCH送信時点を基準に一定のオフセットを適用して)D2D信号の送信タイミングを決定し、eNBの信号の強度が一定臨界以下である場合には、eNBが安定したTA値を個別UEに指示することが難しいため、当該条件で適用する代表的なTA値をブロードキャストし、この値を基準として、UEはD2D信号の送信タイミングを決定することができる。代表的なTA値は、eNBの信号強度が一定臨界以下である位置に位置するUEのD2D送信信号が、一般的なPUSCH送信信号と、eNBに到達する時間がほぼ同様になるようにする値となるように、eNBが設定することが好ましい。一例として、当該セルにおいて、PUSCH送信信号に適用される可能性がある最大のTA値から決定されてもよい。もし、UEが、既存のeNBの信号強度が一定閾値以上であるため、PUSCH送信時点をD2D送信時点として決定し、状況が変わってeNBの信号強度が一定閾値以下になる場合にも、相変らず一定時間の間は、D2D信号の送信時点として既存のPUSCH送信時点を使用するように動作することも可能である。これは、即ち、少なくともこの一定時間の間にはUEの位置変化、そして、それによって必要なTA値の変化が大きくないものと判断し、たとえ、UEが個別のUEのための安定したTA指示を受信できなくても、過去のTA値を再利用して最大限PUSCHとの送信時点を整列させることである。
【0080】
c.RRC接続状態によるTA適用及びリソース領域(プール)設定
eNBとの接続状態によってリソース及びタイミングの選択が変わり得る。例えば、RRC接続UEがD2D信号を送信しようとする場合には、常にeNBが指示したリソースにおいてTA又はeNBが指示したオフセットに従って送信を行い、eNBとの接続状態がRRCアイドルモードである場合には、eNBが指示したリソースプールにおいてTA又はeNBが指示したオフセットを適用せず(タイミングオフセットの場合は、RRCアイドルモードでは指示できないことが当然である。)、当該リソースプールでD2D信号を送信することができる。このとき、分散スケジューリングに使用されるリソース領域は、eNBによって承認されたスケジューリング(eNB granted scheduling)リソース領域と分離又は一部がオーバーラップし得、当該リソース領域は、個別に構成されたり、一方が他方の補集合で構成されてもよい。例えば、分散リソース領域又はサブフレームがビットマップの形態でシグナリングされる場合、その補集合は、eNBによって承認されたスケジューリングリソース領域と見なし、当該領域にはD2D信号を送信しないか、又は当該領域の干渉を保護するために送信電力を一定水準以下に送信する動作を行うことができる。この場合の具体的な一例として、eNBとの接続が維持された場合には、eNBがPUSCHの送信のために指示したTA値を再利用して(又はPUSCH送信時点を基準として一定のオフセットを適用して)D2D信号の送信タイミングを決定し、eNBとの接続が維持されていない場合には、eNBが安定したTA値を個別UEに指示することが難しいため、当該条件で適用する代表的なTA値をブロードキャストし、この値を基準として、UEはD2D信号の送信タイミングを決定することができる。この代表的なTA値は、eNBとの接続が維持されていないUEのD2D送信信号が、一般的なPUSCH送信信号と、eNBに到達する時間がほぼ同様になるようにする値となるように、eNBが設定することが好ましく、一例として、当該セルにおいて、PUSCH送信信号に適用される可能性がある最大のTA値から決定されてもよい。もし、UEが既存のeNBとの接続が維持された状況であるため、PUSCH送信時点をD2D送信時点として決定し、状況が変わってeNBとの接続が維持されていない場合にも、相変らず一定時間の間は、D2D信号の送信時点として既存のPUSCH送信時点を使用するように動作することも可能である。これは、即ち、少なくともこの一定時間の間には、UEの位置変化、そして、それによって必要なTA値の変化が大きくないものと判断し、たとえ、UEが個別UEのための安定したTA指示を受信できなくても、過去のTA値を再利用することで、できる限りPUSCHとの送信時点を整列させることである。
【0081】
一方、前記言及したeNBからの信号強度(RSRP/RSRQ、(E)PDCCH BLER、同期信号受信性能など)によるD2D信号送信タイミング及びリソース選択動作において、eNBからの信号強度が事前にシグナリングされた閾値以下で受信されるとしても、eNBとの接続状態がRRC−接続(connected)モードである場合には、続けてeNBが指示したリソースでTA値を使用して送信することができる。このとき、eNBからの信号強度が臨界値以下で受信された場合、この事実をeNBに報告し、現在、eNBとの接続状態が不安定であるという事実を知らせることができる。この信号を受信したeNBは、当該UEに、これ以上eNBが指示したリソースでTAを適用して送信せず、eNBが設定した又は事前に設定されたリソースプールでTA=0で送信できるように(又はeNBが指定したリソースをリリースするように)シグナリングすることができる。又は、この信号を送信したUEは、事前に約束された時間(タイマー)が経過した後、(eNBの直接的な指示信号がなくても)これ以上eNBが指示したリソース及びTAを使用せず、eNBが指示した(又は予め構成された)リソースプールでTAを適用せずに送信するように約束されてもよい。ここで、約束された時間の大きさは、事前に設定されたり、eNBが上位層信号でD2D UEにシグナリングしてもよい。なお、このような動作変更を行う(予定であるか、又は可能性がある)D2D UEは、このような事実をD2D受信UEに知らせるために、スケジューリング割り当て(SA)に動作を変更するという事実を直接的又は間接的にシグナリングすることができる。例えば、直接的方式は、動作変更予告フラグのようなビットをSAに含めて継続して同じ動作で送信する場合にはフラグを0、変更が予想される場合には1を送信することで、D2D受信UEがこれを予測するようにすることができる。間接的方式は、SAの物理層の形式を異ならせることで(例えば、DMRSシーケンス/CS/OCCをフラグに応じて異なって使用)、これを受信するUEが予測できるようにする。このようなD2D UEが送信リソース設定及びタイミングを変更する(又は変更する可能性がある)動作のためのeNB信号の閾値は、事前に物理層又は上位層信号でD2D UEにシグナリングされてもよく、カバレッジ外のUEの場合には、カバレッジ内のUEから物理層又は上位層信号でシグナリングを受けたり、事前に設定された閾値を使用したりすることができる。
【0082】
一方、前記言及したeNBからの信号強度(RSRP/RSRQ、(E)PDCCH BLER、同期信号受信性能など)によるD2D信号送信タイミング及びリソース選択動作において、eNBからの信号強度が事前にシグナリングされた閾値以上に受信されたUEがRRC−アイドルモードである場合、eNBとの接続及びD2D信号送信リソースの割り当てを受けるために、接続(connected)モードへの切り替えを試みることができる。このとき、一定時間の間接続に失敗した場合、当該UEは、臨界以上であるにもかかわらず、eNBが事前に指示したリソース又は予め構成されたリソースでTAなしにD2D信号を送信することができる。また、このUEが、後でeNBとの接続に成功する場合、臨界を超えたにもかかわらずeNBとの接続が不可能であったという事実に関する情報をeNBに報告して、eNBが、後でD2D動作及びタイミング変更に対するeNB信号の強度に対する臨界を設定するときに参考となるようにすることができる。
【0083】
一方、前記言及したeNBからの信号強度(RSRP/RSRQ、(E)PDCCH BLER、同期信号受信性能など)によるD2D信号送信タイミング及びリソース選択動作のために、D2D送信UEは、eNBに、信号受信強度が臨界を超えたか否か及び受信した信号強度情報(RSRP/RSRQ、(E)PDCCH BLER、Synch信号受信性能)の全体又は一部を物理層又は上位層信号で報告することができる。このような報告に基づいて、eNBは、閾値を設定することができ、D2D UEの送信モード(eNBの指示による送信であるか、UE自体が送信を決定できるか、どのようなリソースで送信するか、リソースプールで送信するか)及び信号送信タイミング(TAベースで送信するか、DL受信タイミングを基準として送信するか)を設定することができる。
【0084】
また、前記言及したeNBからの信号強度によるD2D信号送信タイミング及びリソース選択動作のためのeNB信号の強度の閾値は、各モード別に異ならせて設定することができる。例えば、eNBの指示下でTAを適用して送信するモードでのeNB信号の強度の閾値はX dB以上に設定し、eNBが定めたリソースプールでTAを適用せずに送信するモードに対してはY dB以下に設定する。このとき、Xは、Yよりも大きいか又は同一に設定されてもよい。
【0085】
前記言及したeNBからの信号強度によるD2D信号送信タイミング及びリソースプールの選択動作において、当該動作を選択するためのタイマーを設定することができる。例えば、eNBの信号の強度が所定の閾値を超えていないと判断される場合、又は一定時間以内にeNB信号の強度が臨界値を超えていない回数が一定水準以下である場合、又はPDCCHの検出失敗の連続した回数が一定回数以上である場合、当該時点からタイマーを動作させ、タイマーが満了するまでeNBの強度が閾値を超えないと、分散スケジューリングベースのリソースプール及び当該プールで使用するD2D信号送信タイミング(例えば、DLタイミング)を適用する。これは、セル境界にあるUEが、eNBからの信号が閾値を超えていない場合、直ちに動作を切り替えるものではなく、一定時間以降、ガード時間及び確実な動作の切り替えのためのものである。類似の目的のタイマーが、分散スケジューリングベースのリソースプールの使用から、eNBスケジューリングベースのリソースプールの使用に切り替わる場合にも存在し得る。しかし、このような切り替えは、すなわち、UEが以前よりもeNBに近くなるため干渉を強く誘発するということを意味するので、反対の場合よりも迅速な切り替えが必要である。すなわち、このような切り替えにおいては、反対の切り替えに比べて使用するタイマーの値を小さく設定したり、最初からそのようなタイマーなしに、eNB信号の強度が臨界を超える瞬間直ちに分散スケジューリングベースのリソースプールからeNBスケジューリングベースのリソースプールに切り替えるように動作することもできる。
【0086】
類似の動作は、カバレッジ外のUEがリソースプールに関する情報をD2DSSよりも遅く受信した場合にも必要な動作であり、例えば、カバレッジ外のUEがカバレッジ外で使用するリソースのプールはまだ受信する前であり、他のUEからリレイされた同期信号は受信した場合、一定時間以内にリソースプールに関する情報が受信されると予想できるので、直ちに分散スケジューリングモードに切り替えるものではなく、一定時間を待った後、カバレッジ外で使用するリソースプールに関する情報が構成される場合に当該リソースでD2D送信を行うことである。特に、この動作は、D2DSSがネットワークに接続されたUEから送信されて、当該カバレッジ外のUEが相対的にネットワークに近い場合に適用されると効果的であり、これは、そのようなカバレッジ外のUEのD2D送信から起因する干渉をeNBが調節するようにするためである。このとき、カバレッジ外のUEがリソースプール情報の伝達を待つ一定時間の間には、リソースプールに対する情報を把握できない状況であるため、D2D信号の送信を禁止したり、低い電力で送信するように動作することができる。もし、一定時間が経過したが、カバレッジ外で使用するリソースプールがネットワークに接続されたUEから受信されていない状況であれば、当該カバレッジ外のUEは、自身が任意に定めたリソース、又はこのような場合に使用するように事前に指定されたリソースを用いてD2D信号を送信することが許容され得る。
【0087】
一方、前記言及したUEのリソース及びタイミング設定動作は別途に設定されてもよい。例えば、タイミングは、常にeNBが構成したもの(又は常にDLタイミング)を使用し、リソースは、前記言及した特定の条件(例えば、eNBの信号の強度)を満足する場合、特定のリソースプールを使用するように設定されてもよい。他の例として、前記言及した特定の条件を満足するか否かによって、リソースプールはそのまま使用するが、タイミングは、eNBが設定した方式によって別々に適用することができる。このようなタイミングとリソース選択が分離される場合、タイミングを別々に適用することと、リソースを選択することに対する別途の閾値が設定されてもよい。例えば、タイミングを変更する動作は、x閾値を基準としてその動作が変更され、リソースプールを選択する動作は、y閾値を基準としてその動作が変更されてもよい。
【0088】
一方、前記言及したUEのリソースプール及びタイミング設定の動作は、TA値の有無又はTA値の大きさによってリソースプールを別々に選択することができる。そのためには、事前に特定のリソースプールに対するタイミング情報、例えば、当該リソースプールの代表又は平均TA、又はTAが適用されるか否か、又はリソースプールで共通に適用されるタイミングオフセットが、eNBからUEに物理層又は上位層信号でシグナリングされていてもよく、D2D信号送信UEは、自身が設定したTA値の範囲によってリソースプールを選択し、D2D信号を送信することができる。言い換えると、各リソースプール別にリソースプール特定タイミングオフセット(又はTA)又はそのプールを使用するUEのTAレンジが事前に設定されていたり、eNBから物理層/上位層信号でシグナリングされていてもよく、送信UEは、自身の送信タイミングに応じて送信リソースプールを選択する。これは、送信タイミングの著しく異なるUEが周波数領域で多重化を行う場合、直交性が破壊されて性能を低下させることがあるため、時間領域でリソースを区分するためである。前記動作は、送信UEの同期リファレンスの種類によってリソースプールを区分するものと解釈されることもあるが、例えば、同期リファレンスがeNBである場合(同期リファレンスがeNBであり、且つULタイミングを送信タイミングとして使用するモード)にはリソースプールAを使用し、同期リファレンスがUE(同期信号がカバレッジ外のUEから起因する場合)である場合にはリソースプールBを使用する。このように、リソースプール別に同期リファレンスタイプ(eNBであるか、UEであるか、又はeNBから起因する同期信号であるか、UEから起因する同期リファレンスであるか)が事前に定められていたり、物理層又は上位層信号でシグナリングされてもよい。又は、各リソースプールは、同期リファレンスタイプだけでなく、同期ソースIDによって区分されてもよい。そのために、上位層信号で各リソースプールに同期ソースIDがシグナリングされ得る。一例として、特定のリソースプールは独立的同期ソースID Aを使用し、他の特定のリソースプールは独立的同期ソースID Bを使用するように、eNBからUEに物理層又は上位層信号でシグナリングされてもよい。又は、同期リファレンスIDをリソースプールの個数でモジュロ演算を行って得た値を選択するように事前に規則が定められてもよい。このとき、eNB(又はeNBから起因する)を同期リファレンスとするプールと、UE(又はUEから起因する)を同期リファレンスとするプールとは互いに時間領域で区分され、各プールに対応するSAは、プールの同期リファレンスのタイプ(eNBから起因するものであるか、又はUEから起因するものであるか)によって、TAが含まれるか否か又はTA値が(TAとして)活用されるか否かが決定され得る。すなわち、UEが同期リファレンスであるプールでは、TAを含まずに送信したり、TAフィールドが含まれて送信されるとしても特定の値に固定されたり、他の用途に活用される一方、eNBが同期リファレンスであるプールのSAは、TAを含めて送信し、そのとき、TAは、eNBから受信されたTA命令から誘導された値を送信するようになる。
【0089】
D2D端末の信号送信と優先順位
a.優先順位
D2Dディスカバリー周期とコミュニケーションの周期は異なっていてもよい。例えば、ディスカバリーは、1秒に1回ずつ、数個〜数十個のサブフレームが構成され、コミュニケーションは、10msの周期で1〜2個のサブフレームに構成されてもよい。この場合、ディスカバリーとコミュニケーションが重なるサブフレームが発生し得る。また、UEが上りリンク送信を行わなければならないサブフレーム(例えば、サウンディング参照信号を送信しなければならない場合、DL割り当てでPUSCH送信が指示された場合、ACK/NACKを送信しなければならない場合など)が、D2Dディスカバリー又はコミュニケーション信号を送信しなければならないサブフレームと重なり得る。より一般的に説明すると、D2Dディスカバリー、コミュニケーション信号又はD2D同期信号は、eNBから設定された又は予め設定されたリソース領域(リソースプール)で送信することができる。このとき、多数個のリソース領域が異なる周期に設定され、それぞれのリソース領域には互いに異なるタイプのD2D信号が送信され、各タイプには互いに異なる送信タイミングが事前に設定されていると仮定する。ここで、タイプは、ディスカバリーにも多数個のタイプが存在し得、コミュニケーションにも多数個のタイプが存在し得る。また、特定のタイプはTA又はTA/2で送信し、他の特定のタイプはDL受信タイミングで送信するように設定することができる。このとき、各タイプのリソースが互いに異なる周期を有している場合には、図7に示したように、互いに異なるタイプのD2D信号を同時に送信するようになる場合が発生する。もし、各タイプのリソース領域が互いに異なる周波数領域に分離されている場合、同時送信時に単一の搬送波特性(single carrier property)を満足できなくなる。又は、同じサブフレーム(subframe)で同じ周波数リソースに送信しなければならない場合、送信端末が多重アンテナを有していない限り、互いに異なるタイプ、種類の信号の同時送信は不可能である。又は、各タイプに互いに異なるタイミングが設定されている場合にも、同時送信が不可能である。このような場合、どのような信号を送信するかに対する優先順位の設定が必要である。
【0090】
D2D UEがD2Dディスカバリーリソース構成を受信すると、D2Dディスカバリーリソース構成に基づいてD2Dディスカバリー信号を送信する時間リソースを決定することができる。ディスカバリー信号を送信する時間リソースの決定は、ディスカバリータイプがタイプ1であるか又はタイプ2Bであるかによって異なっていてもよい。ディスカバリータイプ1は、ディスカバリーリソースと関連して前記UEの選択が許容されたディスカバリー信号送信であり、ディスカバリータイプ2Bは、eNBの指示によってディスカバリーリソースが決定されるディスカバリー信号送信方法である。次いで、D2Dディスカバリー信号を送信する時間リソースが上りリンク送信のための時間リソース又はD2Dコミュニケーション信号のための時間リソースとオーバーラップする場合、時間リソースで送信される信号は、a)上りリンク信号、b)D2Dコミュニケーション信号、c)D2Dディスカバリー信号の優先順位で決定されてもよい。ここで、D2Dコミュニケーション信号はパブリックセーフティ(Public safety)に関連するものであってもよい。パブリックセーフティ状況(例えば、自然災害、火災などの緊急状況)において、ディスカバリー信号よりもコミュニケーション信号の送信が優先しなければならない。自然災害状況の発生時に、緊急待避メッセージなどがコミュニケーションで送信される場合(特に、eNBが災害により本来の機能を行うことができないときは、上記のメッセージなどは、必ずD2Dコミュニケーションを介して送信されなければならない)、送信リソースがオーバーラップするディスカバリー信号をドロップさせることが妥当であるためである。WAN信号(例えば、上りリンク信号)を送信するリソースとD2D信号を送信するリソースとがオーバーラップする場合、上りリンク信号がリソース使用の効率性などの観点で優先しなければならない。すなわち、D2D信号とWAN信号を同じ時点で送信しなければならない場合には、WAN信号を常に優先して送信することができる。例えば、UEが、下りリンク信号に対するACK/NACKを送信しなければならないサブフレームにD2D信号を送信する場合、eNBは、DTXとして見なし、再送信を行う。これは、不必要な再送信であって、リソースの浪費であり、再送信に使用されるリソースを他のUEのための送信に使用できないため、非効率的である。
【0091】
優先順位において順位が異なる信号の送信は同時に発生しない。ただし、例外的に、上りリンク信号がサウンディング参照信号である場合、前記優先順位において順位が異なる信号の送信が許容可能な場合があり得る。ただし、例外的に、上りリンク信号がサウンディング参照信号であり、D2D信号のスケジューリング方式がeNBの指示による方式であり、D2D信号の送信タイミングがTAを適用した方式であり、D2D信号とWANのCP長が同一である場合には、SRSとD2D信号の同じサブフレームでの送信が可能である。SRSの場合には、一つのシンボルであるので、D2D信号に一定の領域(例えば、最後のシンボル)をパンクチャリングする場合には、SRSとD2D信号が同じサブフレームで送信可能である。
【0092】
他の例として、互いに異なるタイプの信号が同じ時点で送信されなければならない場合、周期が短いタイプの信号をドロップすることができる。このような動作は、周期が長い信号の場合、再送信するのに長時間がかかるため、優先的に送信するようにするものである。ディスカバリー信号とコミュニケーション信号のサブフレームが重なる場合、ディスカバリー信号が優先権を持って送信されてもよい。これは、通常、ディスカバリーは、周期がコミュニケーション信号よりも長く設定されるため、重なったときにディスカバリーをドロップする場合、長い周期を待たなければならないため、ディスカバリーに優先権を付与したものである。
【0093】
互いに異なるタイプの信号が同じ時点で送信されなければならない場合、タイミングがPUSCHタイミングである(TAを適用してD2D信号を送信する)信号又はeNBから送信するように指示された信号を先に送信することができる。このような動作は、UEが自律的に送信を決定した信号とeNBが指示した信号との間に同時送信が発生するとき、eNBが指示した信号に優先権を付与するものである。このとき、eNBが指示した信号は、WAN信号であってもよく、D2Dコミュニケーション信号又は特定のD2D信号(例えば、eNBが専用リソースを割り当てたディスカバリー信号)であってもよい。実施例として、タイプ1のディスカバリー信号とタイプ2Bのディスカバリー信号が同じサブフレームで送信されるように指示された場合、eNBが送信するように指示したタイプ2Bのディスカバリー信号を優先して送信し、タイプ1のディスカバリー信号は送信しない。
【0094】
互いに異なるタイプの信号が同じ時点で送信されなければならない場合、事前に定められた優先順位で送信することができる。このとき、優先順位は、eNBが事前に指定しておき、UEにSIBやRRCなどを介してシグナリングしてもよく、又は事前に定められていてもよい。例えば、D2D同期信号が他のD2D信号と同時に送信されなければならない場合が発生する場合、D2D同期信号を最も優先して送信するように規則が定められてもよい。このとき、特定のタイプの信号を送信できなかった場合、これに対する補償として、同じリソースプールの異なる時点で送信したり、異なるタイプのリソースプールで送信するように規則が定められてもよい。具体的な例示として、タイプ1のディスカバリーで他のタイプの信号と衝突して送信機会を失う場合、他のタイプのリソースで(例えば、タイプ2B)送信したり、同じタイプのリソースの異なる時点でもう一度送信するように規則が定められてもよい。
【0095】
D2D信号のうちパブリックセーフティ(public safety)D2D信号は、他のD2D信号よりも高い優先権を持って送信することができる。例えば、同じディスカバリー信号でも、同じ時点でパブリックセーフティディスカバリー信号、及びパブリックセーフティディスカバリー信号ではない信号を送信する場合、パブリックセーフティディスカバリー信号をさらに高い優先順位で送信(又は非パブリックセーフティディスカバリー信号をドロップ)するよう規則が定められてもよい。
【0096】
前記で言及した方式は、それらの組み合わせで規則が設定されてもよい。例えば、D2D信号の周期が短いものを優先して送信するものの、特定のタイプやeNBが専用リソースを割り当てた信号の場合は、どの場合よりも優先して送信するように規則が定められてもよい。
【0097】
b.搬送波併合(集成)の場合
UEの観点で複数個のD2D信号を互いに異なる搬送波で送信する場合を考慮し得る。このとき、2つの搬送波のうち特定の搬送波のD2D信号のみを送信しなければならない場合には、前記提案された方法を用いることができる。例えば、特定の搬送波は、eNBが指示したリソースで送信するD2D信号であり、他の搬送波は、UEが選択したリソースで送信するD2D信号である場合、eNBが指示したリソースを先に送信することができる。このような優先ルール(prioritization rule)は、事前に特定の搬送波に付与することができ、例えば、D2D信号の搬送波併合送信が行われるか、又は両搬送波で個別的なD2D信号送信が発生する場合に、特定の構成搬送波に優先権を与えることができる。便宜上、このような搬送波をD2Dプライマリ搬送波又はD2Dプライマリセルと呼ぶ。D2Dプライマリ搬送波は、事前にネットワークによって指示されてもよく、UEが選択した搬送波であってもよい。又は、事前に特定の規則によってプライマリ搬送波を選択する規則が定められていてもよい。一例として、周波数の低い搬送波やパブリックセーフティバンドの搬送波をプライマリ搬送波として選択するように規則が定められていてもよい。このようなプライマリ搬送波は、様々な搬送波でD2D信号の同時送信が許容される場合に送信電力を優先的に割り当てる搬送波としても指示することができる。例えば、UEが2つの構成搬送波でD2D信号を同時に送信しなければならない場合、優先的にプライマリCCに送信電力を割り当て、残りの電力を他の搬送波に割り当てる。一方、イントラバンドCAの場合には、CC間の送信電力の差に制限が発生し得、これは、周波数が近いため他の隣接CCの信号が干渉を起こすため、2つのCC間の送信電力を類似に設定することである。このときは、もし、プライマリ搬送波に電力を割り当てた後、他のCCに使用する残りの電力が、2つのCC間の送信差制限条件を満足しない場合、プライマリ搬送波ではない搬送波のD2D信号はドロップするように規則が定められていてもよい。
【0098】
CC1はコマーシャル(commercial)(又はパブリックセーフティ)バンドであり、パブリックセーフティ又は緊急コール(emergency call)要求はCC2で送信されることを前提とする。そして、状況1)は、CC1でD2Dモード1コミュニケーション(commercial)又はWAN信号送信中に、CC2で緊急コールが発生してD2D送信(又は受信)を行わなければならない場合を、状況2)は、CC1でD2Dタイプ1ディスカバリー(又はモード2コミュニケーション)送信(又は受信)中に、CC2で緊急コールが発生してD2D送信(又は受信)を行わなければならない場合を、そして、状況3)は、CC1でパブリックセーフティのためのディスカバリー信号又はコミュニケーション信号の送信(又は受信)中に、CC2で緊急コールが発生してD2D送信(又は受信)を行わなければならない場合を仮定する。このような状況は、CC1で(主にコマーシャルの目的)D2D信号又はWAN信号の送信(又は受信)中に、CC2でパブリックセーフティのためのD2D信号送信(又は受信)を行わなければならない場合に関するものである。このような状況でのUEの動作が定義されなければならない。特に、UEが単一の送信(又は受信)回路のみを有していたり、多数個のCCで同時送信が不可能な状況である場合には、特定のCCでの動作を優先するように規則が定められなければならない。具体的に、次のような動作を定義することができる。
【0099】
動作1として、CCの用途によって優先順位を付与(prioritization)することができる。CCのうちパブリックセーフティバンドのCCを優先してD2D信号送信(又は受信)を行うことができる。一例として、CC1がコマーシャルバンドであり、CC2がパブリックセーフティバンドである場合に、CC2でのD2D信号送信を優先的に行う。このとき、CC別の優先順位は事前に定められていてもよく、ネットワークからUEに物理層又は上位層信号でシグナリングされてもよい。
【0100】
動作2として、D2D信号の種類によって優先順位を付与(prioritization)することができる。パブリックセーフティD2D信号送信(又は受信)が他のコマーシャルD2D信号送信よりも常に優先して動作する。動作1と異なる点は、CCに関係なく又はCCの用途が同一である場合、D2D信号の種類によって優先順位を決定することである。一例として、CC1とCC2はいずれもコマーシャル/パブリックセーフティD2D信号の送受信が許容されるバンドであり、特定のCCでパブリックセーフティD2D信号を送信(又は受信)する場合には、常にパブリックセーフティD2D信号送信(又は受信)を他のCCでのコマーシャルD2D信号送信(又は受信)動作よりも優先する。より具体的には、パブリックセーフティとコマーシャルD2D信号(信号タイプ:コミュニケーション又はディスカバリー、スケジューリングタイプ:eNB指示又はUEオートノマス(autonomous)、サービスタイプ:パブリックセーフティ又はコマーシャル)の優先順位は事前に定められていたり、D2D信号送信の優先順位はネットワークによって物理層又は上位層信号でシグナリングされてもよい。一例として、パブリックセーフティモード1コミュニケーション>パブリックセーフティタイプ2ディスカバリー>パブリックセーフティモード2コミュニケーション>パブリックセーフティタイプ1ディスカバリー>コマーシャルモード1コミュニケーション>コマーシャルタイプ2ディスカバリー>コマーシャルモード2コミュニケーション>コマーシャルタイプ1ディスカバリーのように優先順位が事前に定められていてもよい。他の一例として、D2D信号に対する優先順位の条件(prioritization condition)には、1)信号タイプ:コミュニケーション>ディスカバリー、2)スケジューリングタイプ:eNB指示>UEオートノマス、3)サービスタイプ:パブリックセーフティ>コマーシャル、4)スケジューリングの周期:長周期(long period)>短周期(short period)のように条件が定められており、他の条件が同一である場合には、当該条件が優先する信号を送信するように規則が定められてもよい。そして、前記条件において他の条件よりも優先する条件が事前に定められていたり、ネットワークによって条件の優先順位がシグナリングされてもよい。一例として、条件3(パブリックセーフティ又はコマーシャル)は、他の条件に比べて常に優先するように事前に定められていてもよい。ただし、前記条件は例示に過ぎず、反対の条件で事前に定められていたり、他の追加条件が設定されたり、ネットワークの設定によって条件の優先順位又はD2D信号の優先順位が定められてもよい。
【0101】
動作3の場合、eNBにシグナリングが行われてもよい。もし、CC1でeNBの指示によるコマーシャル又はパブリックセーフティD2D信号又はWAN信号の送信を行う中、CC2で他の(パブリックセーフティ)D2D信号の送信を行わなければならない場合、CC1でeNBに、CC2での動作のためD2D信号の送信を行うことができないことを知らせる信号を送信することができる。一例として、CC1でD2D UEは、物理層又は上位層信号によりCC1で今後又は一定時間の間にD2D信号を送信(又は受信)できないということをシグナリングすることができる。ネットワークは、特定のUEからこれに対して報告を受け、当該リソースが(一定時間の間又は今後)当該特定のUEによって使用されないということを認知し、他の用途に当該リソースを使用することができる。他の方式として、UEが、D2Dに使用する送信電力値をeNBにシグナリングすることができる。この場合、eNBは、UEの電力クラス(power class)(又は最大送信電力)を考慮して、WAN送信電力を調節し、残りがD2Dに使用されるようにすることができる。
【0102】
前記動作の組み合わせによって優先順位が設定されてもよい。前記動作のうち動作1と動作2を組み合わせて優先順位が設定されてもよい。例えば、特定のCCで特定のD2D信号送信(又は受信)が最も高い優先順位を有することができる。他の一例として、特定のCCが他のCCよりも優先順位が高く(ここで、優先順位が高いということは、相対的に優先順位において特定のCCの信号に所定のオフセットを適用できるという意味であってもよく、特定のCCでの一部のD2D信号は他のCCでのD2D信号よりも常に高い優先順位を有するという意味であってもよい。)、且つD2D信号別の優先順位条件(prioritization condition)又は規則が事前に定められていたり、ネットワークによって優先順位の規則(prioritization rule)が指示されてもよい。
【0103】
前記の説明の具体的な例示として、CC1でコマーシャルD2D信号送信(又は受信)が行われ、モード1コミュニケーションやタイプ2ディスカバリーのようにeNBの指示によるリソース設定である場合、CC2でパブリックセーフティ信号送信が発生しても、CC1でのD2D信号送信を優先して送信する。この規則は、eNBのリソース指示を最も優先して適用する原理によるものである。もし、eNBがリソースを割り当てたが、前記言及した状況にあるUEが、eNBが割り当てたリソースでD2D信号を送信せず、CC2での動作を優先する場合、CC1でeNBが割り当てたリソースが使用されずに浪費される結果を招く。このようなUEの数が少ない場合には大きな問題とならないこともあるが、UEの数が多くなる場合、浪費されるリソースの量が増加してしまい、リソースの非効率的な使用を招くことがある。
【0104】
もし、CC1でのD2D信号送信方式はモード1コミュニケーションやタイプ2ディスカバリーであり、CC2でもパブリックセーフティD2D信号送信がモード1コミュニケーションやタイプ2ディスカバリーである場合、動作2に基づいて、パブリックセーフティ信号送信を優先して送信する。
【0105】
もし、CC1は、コマーシャル用途であると共に、eNB指示によるリソース割り当て方式のD2D信号送信であり、CC2は、パブリックセーフティ用途であると共に、UEが自らリソースを決定するD2D信号送信方式(モード2コミュニケーションやタイプ1ディスカバリー)である場合、パブリックセーフティを優先する条件に基づいて、CC2での動作を優先するか、又は、eNBリソース指示の条件に基づいて、CC1での動作を優先するように規則が定められてもよい。
【0106】
もし、CC1でモード2コミュニケーションやタイプ1ディスカバリー信号を送信している状況で、相対的にさらに優先順位が高い(一例として、緊急コール)D2D信号送信(又は受信)がCC2で要求される場合、UEが、事前に定められた優先順位に従ってさらに高い優先順位を有するCC2での動作を行うことができる。
【0107】
D2D信号を受信する端末のためのタイミングアドバンス
送信UEは、TAを適用してPUSCHタイミングで送信することでガード区間の大きさを最小化し、受信UEがこれを受信できるように、TA、平均(又は最大、最小)TA値又はTAレンジ値を受信UEに知らせることができる。受信UEは、TAに基づいて自身のDL受信タイミング、又はD2DSS受信タイミングでTAを適用した時点でD2Dコミュニケーション信号を探索した後、信号受信を行うことができる。又は、D2D受信UEは、送信UEのSAが受信されるタイミングを基準としてSAで指示されたTA値を適用することができる。そのために、D2D受信UEは、SAのDMRSを用いてSAの受信時点を推定することができる。又は、他の方式として、D2D信号送信UEは、常にD2DSSを送信するように規則が定められてもよい。この場合、D2D信号受信UEは、送信UEが送信したD2DSS受信時点を基準としてSAで指示したTA位置にFFTウィンドウを設定することができる。このとき、D2DSSの送信タイミングとしてDLタイミングを使用すると仮定する。
【0108】
一例として、D2D信号送信UEは、TAを適用して送信し、D2D受信UEにセル内の最大のTAをシグナリングした場合を考える。このとき、送受信UE間の最大のタイミングエラーは、図8の2つの場合において最大のタイミングエラーが発生する。最大のタイミングエラーは、図8(a)のように、タイミングエラーが、2つのUEがセル中心にある場合に発生し、図8(b)のように、最大のタイミングエラーが、一方のUEはセル境界(edge)に、他方のUEはセル中心にある場合に発生する。図8(b)の場合には、UEがセル内で遠く離れている場合に該当するため、受信信号の強度が弱く、したがって、相対的に前者の場合よりはあまり問題とならない。一方、図8(a)の場合は、最も近くに位置しているUE間に大きなタイミングエラーが発生するため、もし、CP長がTA長よりも小さい場合、タイミングエラーによってISIが発生し、信号検出能力が著しく低下することがある。
【0109】
このような問題を解決するために、eNBからの信号の強度又は距離によって異なるD2D受信信号オフセットを設定することができる。eNBは、D2D受信UEに一つの受信オフセットのみを設定するものではなく、多数個を設定することができる。また、eNBが一つのD2D受信信号を設定した場合には、D2D受信UEが特定の条件を満足する場合、所定のオフセット又はスケーリングファクターを導入することで、eNBが指示したものと異なるD2D受信信号オフセットを適用することができる。このとき、特定の条件とは、eNBからの距離、信号品質(RSRP、RSRQ)などが一定臨界値以上又は以下である場合であってもよい。すなわち、eNBとの距離又は受信信号の品質によって、UEが選択的に受信タイミングオフセットを設定して受信動作を行うことができる。例えば、eNBは、最大のTA値をD2D信号受信タイミングオフセットとして設定した場合、eNBからの距離又は信号品質が一定臨界値以下であるUEは、最大のTA/2又は0のオフセットを適用し、そうでないUEは、既存にeNBが設定したタイミングオフセットをそのまま設定する。そのために、eNBからの信号品質又は距離を判別する条件の閾値は、事前に定められていてもよく、eNBから構成された値であってもよい。eNBから構成された場合には、これを物理層又は上位層信号でD2D UEにシグナリングすることができる。
【0110】
一方、送信UEのTAを受信UEに必ずしもそのまま知らせる必要はない。送信UEはTAを使用して送信し、受信UEには、使用されたTAよりも小さい値(TA/2又はDLタイミングなど)を知らせてもよい。このような場合、最大のタイミングエラーは、図9に示されたように、タイミングソースから最も遠いUEが送信し、これをタイミングソースから近いUEが受信するときに発生する。この場合、伝搬遅延差(Propagation delay difference)の2倍だけタイミングが開くことになり得る(2次元平面視で同期ソースから遠く離れたUEが送信する確率が、同期ソースの近くに位置するUEが送信する確率よりも大きい)。
【0111】
最悪の場合においてタイミングエラーを低減するために、送信タイミングと受信UEに指示するタイミングとが異なるように設定することができる。具体的には、言及したTA又はTA関連情報を知らせるとき、eNBは、意図的に(最悪の場合においてエラーを低減するために)TAよりも小さい値を設定してD2D受信UEにシグナリングしたり、TA又はTA関連情報に所定のオフセットを追加でシグナリングしてもよい。送信UEのWANインパクト(impact)を低減するためには、送信タイミングとしてPUSCHタイミングを使用することが利用可能なREの数を極力増加させることができる。受信UEに指示タイミングとしてTAよりも小さい値を割り当てる場合、最悪の場合においてタイミングエラーを低減することができる。このとき、指示タイミングは、極端に0であってもよく、この場合、D2Dコミュニケーションのための別途の同期信号送信は必要でない(ディスカバリーと共有可能)。
【0112】
指示されたタイミングが0ではない場合、これは、RRCのような上位層信号で構成された値であってもよく(セル内の最大のTAに基づいてeNBが設定)、D2D送信UEのTA値又はTA値によって誘導された値であってもよい。D2D送信UEのTA値によって誘導された値である場合、これは、eNBがシグナリングしてもよく、D2D送信UEが直接コミュニケーションデータに含めて送信してもよく(このとき、初期送信又は周期的にタイミング情報を搬送するパケットが存在しなければならない)、D2Dコミュニケーションのための別途のD2DSSが送信されてもよい。
【0113】
カバレッジ内でのD2DSSの送信はeNBが指示することができ、D2DコミュニケーションのためのD2DSSの送信タイミングは、ディスカバリーのためのD2DSSと区分されて送信され得る。このとき、コミュニケーションのためのD2DSSの送信タイミングは、D2Dコミュニケーション送信UEのTA値に基づいて設定してもよく、セル内の送信UEの平均TA値として設定してもよく、最大のTA値に基づいて設定してもよい。eNBは、特定のUEにD2DコミュニケーションのためのD2DSSを送信するように指示するとき、D2DSSの送信タイミング(TA又はTAに連動する値)を共に指示することができる。指示方法は、物理層信号又は上位層信号でシグナリングされてもよい。これを受信したD2DSS送信UEは、eNBが指示したタイミングでD2DSSを送信したり、PD2DSCHに当該タイミング情報を含めて送信することができる。
【0114】
D2D送信UEは、TAをそのまま適用せず、一定のオフセットや一定の比率を適用して送信時点を決定することができる。例えば、eNBからTA値を受信したD2D送信UEは、これにaだけのオフセットを適用し、TAより以降の時点で送信することができる。又は、TAに/bだけの比率を適用してD2D信号の送信時点を定める。これは、受信UEが別途のシグナリングなしにD2D信号を受信する場合に、TAとの差が大きいため、正しく受信できなくなるおそれがあるためである。このようなタイミングに従う場合、送信UEは、そのフォーマットとして、TAを適用したものと異なるフォーマットを使用することができる。例えば、TAとD2D信号の送信時点の差によってD2Dサブフレームの最後の一部の領域をパンクチャリングしたフォーマットを使用することができる。このとき、D2D受信UEは、別途の受信時点(DL受信時点からオフセット)が、eNBからRRCのような上位層信号でシグナリングされてもよく、別途のシグナリングなしにDL受信時点でD2D信号の受信を行うことができる。送信UEの時点に対する別途のシグナリングがない場合、受信UEはガード区間の大きさを正確に把握できなくなり、そのために、受信UEは、シンボルに対してエネルギー検出を行った後、一定臨界以上検出される場合にのみ当該シンボルをデコーディングに含むこともできる。又は、ガード区間には参照信号のみがマッピングされていてもよく、この場合には、RS受信品質が一定臨界以上である場合にのみ当該RSを復調に使用することができる。
【0115】
前記言及した実施例において、D2D信号送信UEが、TAに所定のオフセットやスケーリングファクターを適用してD2D信号を送信する場合、D2D受信UEには、当該TAに適用されたオフセットやスケーリングファクターに関する情報又はその情報が含まれた(反映された)特定のオフセット値がシグナリングされてもよい。例えば、図10に示されたように、送信UEがTA/2のタイミングでD2D信号を送信する場合、受信UEには、eNBが最大TA/2だけのオフセット値を指示することができる。これは、D2D信号の送信時点によって最も早い時間の到着時点を指示するためであり、送信UEに適用されたオフセットやスケーリングによって最も早い時間の信号到着時点が変わり得るためである。他の一例として、送信UEが、TAに所定のオフセットを設定して送信する場合、eNBは、D2D受信UEに、最大のTAに当該オフセットを適用した値を指示することができる。
【0116】
本発明の実施例による装置の構成
図11は、本発明の実施形態に係る送信ポイント装置及び端末装置の構成を示した図である。
【0117】
図11を参照すると、本発明に係る送信ポイント装置10は、受信モジュール11、送信モジュール12、プロセッサ13、メモリ14及び複数個のアンテナ15を含むことができる。複数個のアンテナ15は、MIMO送受信をサポートする送信ポイント装置を意味する。受信モジュール11は、端末からの上りリンク上の各種信号、データ及び情報を受信することができる。送信モジュール12は、端末への下りリンク上の各種信号、データ及び情報を送信することができる。プロセッサ13は、送信ポイント装置10全般の動作を制御することができる。
【0118】
本発明の一実施例に係る送信ポイント装置10のプロセッサ13は、上述した各実施例において必要な事項を処理することができる。
【0119】
送信ポイント装置10のプロセッサ13は、その他にも、送信ポイント装置10が受信した情報、外部に送信する情報などを演算処理する機能を行い、メモリ14は、演算処理された情報などを所定時間格納することができ、バッファー(図示せず)などの構成要素で代替されてもよい。
【0120】
次いで、図11を参照すると、本発明に係る端末装置20は、受信モジュール21、送信モジュール22、プロセッサ23、メモリ24及び複数個のアンテナ25を含むことができる。複数個のアンテナ25は、MIMO送受信をサポートする端末装置を意味する。受信モジュール21は、基地局からの下りリンク上の各種信号、データ及び情報を受信することができる。送信モジュール22は、基地局への上りリンク上の各種信号、データ及び情報を送信することができる。プロセッサ23は、端末装置20全般の動作を制御することができる。
【0121】
本発明の一実施例に係る端末装置20のプロセッサ23は、上述した各実施例において必要な事項を処理することができる。
【0122】
端末装置20のプロセッサ23は、その他にも、端末装置20が受信した情報、外部に送信する情報などを演算処理する機能を行い、メモリ24は、演算処理された情報などを所定時間格納することができ、バッファー(図示せず)などの構成要素で代替されてもよい。
【0123】
以上のような送信ポイント装置及び端末装置の具体的な構成は、前述した本発明の様々な実施例で説明した事項が独立して適用されたり、又は2つ以上の実施例が同時に適用されるように具現することができ、重複する内容は明確性のために説明を省略する。
【0124】
また、図11に対する説明において、送信ポイント装置10についての説明は、下りリンク送信主体又は上りリンク受信主体としての中継機装置に対しても同一に適用することができ、端末装置20についての説明は、下りリンク受信主体又は上りリンク送信主体としての中継機装置に対しても同一に適用することができる。
【0125】
上述した本発明の実施例は、様々な手段を通じて具現することができる。例えば、本発明の実施例は、ハードウェア、ファームウェア(firmware)、ソフトウェア又はそれらの結合などによって具現されてもよい。
【0126】
ハードウェアによる具現の場合、本発明の実施例に係る方法は、一つ又はそれ以上のASICs(Application Specific Integrated Circuits)、DSPs(Digital Signal Processors)、DSPDs(Digital Signal Processing Devices)、PLDs(Programmable Logic Devices)、FPGAs(Field Programmable Gate Arrays)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどによって実現されてもよい。
【0127】
ファームウェアやソフトウェアによる具現の場合、本発明の実施例に係る方法は、以上で説明した機能又は動作を実行するモジュール、手順又は関数などの形態で具現することができる。ソフトウェアコードはメモリユニットに格納され、プロセッサによって駆動されてもよい。前記メモリユニットは、前記プロセッサの内部又は外部に設けられ、公知の様々な手段によってプロセッサとデータを授受することができる。
【0128】
上述したように開示された本発明の好適な実施形態に関する詳細な説明は、当業者が本発明を具現し、実施できるように提供されている。以上では、本発明の好適な実施形態を参照して説明したが、当該技術分野における熟練した当業者は、本発明の領域から逸脱しない範囲内で本発明を様々に修正及び変更させることができるということが理解できる。例えば、当業者は、上述した実施例に記載された各構成を互いに組み合わせる方式で用いることができる。したがって、本発明は、ここに開示された実施形態に制限されるものではなく、ここに開示された原理及び新規な特徴と一致する最も広い範囲を与えるためのものである。
【0129】
本発明は、本発明の精神及び必須の特徴から逸脱しない範囲で、他の特定の形態として具体化することができる。そのため、上記の詳細な説明はいずれの面においても制限的に解釈してはならず、例示的なものとして考慮しなければならない。本発明の範囲は、添付した請求項の合理的解釈によって定められなければならず、本発明の等価的範囲内における変更はいずれも本発明の範囲に含まれる。本発明は、ここに開示されている実施形態に制限されるものではなく、ここに開示されている原理及び新規な特徴と一致する最も広い範囲を付与するためのものである。また、特許請求の範囲で明示的な引用関係を有しない請求項を結合して実施例を構成してもよく、出願後の補正によって新しい請求項として含めてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0130】
上述したような本発明の実施形態は、様々な移動通信システムに適用可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11