(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記防水層全体100重量部に対して、前記鎖状低密度ポリエチレン44〜47重量部、着色剤0.5〜1.5重量部、紫外線安定剤1〜3重量部、及び抗菌剤1〜3重量部を含有し、残部がエチレン酢酸ビニールからなる、請求項1に記載の防水シート。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。しかし、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、様々な形態に変形実施できるのはもちろんである。
【0025】
図面では、本発明を明確かつ簡潔に説明するために、説明と関係のない部分の図示を省略した。明細書全体において、同一または極めて類似する部分に対しては同一の図面参照符号を使用する。そして、図面では説明をより明確にするために厚さ、広さなどを拡大または縮小して示したので、本発明の厚さ、広さなどは図示されているところに限定されない。
【0026】
明細書全体において、ある部分が他の部分を「含む」とするとき、これは、特に反対される記載がない限り、他の部分を排除するのではなく、他の部分をさらに含むことができる。また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上に」あるとするとき、これは他の部分の「真上に」ある場合だけでなく、それらの間に他の部分が位置する場合も含む。層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「真上に」あるとするときは、それらの間に他の部分が位置していないことを意味する。
【0027】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態に係る防水シート及びこれを用いた防水ライニング施工方法を詳細に説明する。
【0028】
図1は本発明の実施形態に係る防水シートを示す斜視図である。
図1を参照すると、本実施形態に係る防水シート10は、繊維布12と、繊維布12の一面に位置する防水層14と、繊維布12の他面に固定され、メッシュ構造を持つメッシュ層16とを含んでなる。これをより詳細に説明する。
【0029】
繊維布12は、両面にそれぞれ位置する防水層14とメッシュ層16を支持しながら防水シート10の引張性能や延伸率などを向上させる役割をすることができる。一例として、繊維布12が不織布からなると、防水層14が含浸やコーティングなどの方法によって繊維布12に安定的に形成でき、メッシュ層16がニードルパンチングなどによって安定的に固定できる。メッシュ層16のメッシュ構造の間から露出する繊維布12の不織布が作業面に密着して滑ることを防止することができる。このような繊維布12は、天然繊維、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンなどの様々な繊維で構成できる。しかし、本発明は、これに限定されるものではなく、繊維布12として様々な形態、物質などを有することができる。
【0030】
繊維布12の一面に形成される防水層14は、防水機能をする様々な物質を含むことができる。本実施形態において、防水層14は、高分子樹脂を主成分として含む(一例として、50wt%以上含む)ことができる。高分子樹脂としては、エチレン酢酸ビニール(ethylenevinylacetate、EVA)、鎖状低密度ポリエチレン(linear low density polyethylene、LLDPE)、ポリエチレン(polyethylene、PE)、エチレンコポリマービチューメン(ethylene copolymerized bitumen、ECB)、酢酸ビニル(vinylacetate、VA)などを含むことができる。
【0031】
一例として、本実施形態では、防水層14がEVA及びLLDPEを一緒に含むことで優れた防水特性及び抗菌特性を持つことができる。例えば、防水層14は、全体100重量部に対してEVAとLLDPEをそれぞれ40〜60重量部で含むことができる。このとき、EVAが40重量部未満であるか或いはLLDPEが60重量部を超える場合には、抗菌特性が十分でないおそれがある。EVAが60重量部を超えるか或いはLLDPEが40重量部未満である場合には、防水特性に優れないおそれがある。しかし、本発明は、これに限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0032】
一方、前記エチレン酢酸ビニールは、再生エチレン酢酸ビニールが40〜60の割合で使用できる。
【0033】
防水層14は様々な特性を向上させることが可能な添加剤を含むことができる。例えば、紫外線安定剤、抗菌剤、着色剤などの様々な添加剤を含むことができる。このように紫外線安定剤、抗菌剤、着色剤などの添加剤を含む場合、例えば、防水層14全体100重量部に対して、前記鎖状低密度ポリエチレン44〜47重量部、着色剤0.5〜1.5重量部、紫外線安定剤1〜3重量部及び抗菌剤1〜3重量部を含有し、残部はエチレン酢酸ビニールからなってもよい。一例として、エチレン酢酸ビニールを防水層全体100重量部に対して45〜50重量部で含むことができる。
【0034】
このような防水層14は、上述した高分子樹脂、紫外線安定剤、抗菌剤などを含む組成物に繊維布12を含浸することにより、繊維布12に形成できる。しかし、本発明は、これに限定されるものではなく、防水層14がその他の様々な方法によって形成できる。
【0035】
図示してはいないが、防水層14上には保護フィルム、離型フィルムなどが形成できる。保護フィルムは、防水層14を保護する物質からなり、蒸着やコーティングなどによって形成できる。保護フィルムによって防水層14を保護すると、防水層14の損傷を防止して防水特性を優秀に維持することができ、防水ライニング施工の後に清掃などを行っても、損傷しないようにすることができる。離型フィルムは、運搬及び保管過程で防水層14の損傷を防止するためのもので、ライニング施工の後に剥離して除去することができる。保護フィルムと離型フィルムが一緒に形成される場合には、保護フィルムが防水層14上に形成され、保護フィルム上に離型フィルムが形成できる。その他の様々な層が防水層14上に位置することができる。
【0036】
繊維布12の他面には、メッシュ構造を持つメッシュ層16が固定される。メッシュ層16は、互いに離隔する複数の緯糸162と、緯糸162と交差しながら互いに離隔する複数の経糸164とを含む。メッシュ層16は、互いに離隔する複数の緯糸162同士の間、及び互いに離隔する複数の経糸164同士の間に開口部166が位置してメッシュ構造を形成する。メッシュ層16に形成された開口部166を介して繊維布12が露出する。
【0037】
メッシュ構造を持つメッシュ層16が位置する繊維布12の他面は、作業面に塗布された接着剤に接触する面である。このような面にメッシュ構造のメッシュ層16が位置すると、接着剤との接触面積を増加させることができ、緯糸162と経糸164によって形成された開口部166内に接着剤が安定的に位置して防水シート10と作業面との接着力を向上させることができる。これにより、防水シート10を作業面に安定的に接着して接着特性を向上させることができ、亀裂防止にも役立てて防水特性も向上させることができる。
【0038】
このとき、緯糸162と経糸164とが互いに直交してメッシュ層16が平織り構造を持つことができる。すると、緯糸162と経糸164との交差点が多いため、メッシュ層16の仕組みが堅固であってメッシュ層16による強度の向上、密着性の向上などの効果を高めることができる。ところが、本発明は、これに限定されるものではなく、メッシュ層16が様々な織物構造を持ってもよい。
【0039】
メッシュ層16の緯糸162または経糸164は、綿繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維、ジュート繊維、ヤシ繊維などを含むことができる。ガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維、ジュート繊維、ヤシ繊維などは、薄い厚さでも優れた強度を持つことができる。したがって、開口部166を十分な面積に形成することができ、防水シート10の強度を向上させ、作業面と防水シート10との接着特性を向上させることができる。しかし、本発明は、これに限定されるものではなく、メッシュ層16の緯糸162または経糸164がその他の様々な物質を含むことができる。
【0040】
メッシュ層16の厚さ(または緯糸162または経糸164の厚さ)は0.1mm〜5mmでありうる。メッシュ層16の厚さが0.1mm未満であれば、メッシュ層16による効果が十分ではなく、メッシュ層16の強度が十分でないおそれがある。メッシュ層16の厚さが5mmを超えると、メッシュ層16による材料費用が増加し、或いはメッシュ層16のため接着特性がむしろ低下するおそれがある。しかし、本発明は、これに限定されるものではなく、メッシュ層16の厚さがこれとは異なる値を持ってもよい。
【0041】
または、メッシュ層16の厚さは防水層14の厚さと同じかそれより小さくてもよい。これは、防水層14が防水のために十分な厚さを有し、メッシュ層16は接着特性を向上させることができる程度の厚さを有するとよいためである。
【0042】
複数の緯糸162間の距離L1または複数の経糸164間の距離L2がメッシュ層16の厚さよりも大きくてもよい。一例として、複数の緯糸162間の距離L1または複数の経糸164間の距離L2が2mm〜30mmであってもよい。複数の緯糸162間の距離L1または複数の経糸164間の距離L2が2mm未満である場合には、開口部166の面積が十分でないため、メッシュ層16の製造費用が高いおそれがある。複数の緯糸162間の距離L1または複数の経糸164間の距離L2が30mmを超える場合には、作業面との接触面積を向上させて接着特性を向上させるメッシュ層16の効果が十分でないおそれがある。しかし、本発明は、これに限定されるものではなく、複数の緯糸162間の距離L1または複数の経糸164間の距離L2がこれとは異なる値を持ってもよい。
【0043】
一例として、メッシュ層16の面積を100%としたときに、メッシュ層16の面積に対する開口部166の総面積の割合が50%〜99%でありうる。前記割合が50%未満である場合には、開口部166の面積が十分でないため、メッシュ層16の製造費用が高いおそれがある。前記割合が99%を超える場合には、作業面との接触面積を向上させて接着特性を向上させるメッシュ層16の効果が十分ではないおそれがある。しかし、本発明は、これに限定されるものではなく、メッシュ層16の面積に対する開口部166の総面積の割合がこれとは異なる値を持ってもよい。
【0044】
防水層14の100重量部に対してメッシュ層16が3〜8重量部でありうる。このような重量部内で防水層14の特性を低下させることなくメッシュ層16の効果を実現することができる。しかし、本発明は、これに限定されるものではなく、メッシュ層16の重量部がこれとは異なる値を持ってもよい。
【0045】
メッシュ層16は様々な方法によって繊維布12の他面に一体に固定できる。例えば、繊維布12とメッシュ層16を針付き広い板で圧着するニードルパンチングによって固定することができる。すると、別個の接着剤などを使用しなくても、繊維布12とメッシュ層16とが互いに接触した状態で固定され、メッシュ層16を備える防水シート10の製造工程を単純化し、工程費用を削減することができる。このとき、繊維布12が不織布からなると、ニードルパンチングを用いた場合に繊維布12とメッシュ層16の固定安定性をさらに向上させることができる。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。一例として、繊維布12とメッシュ層16を別個の接着剤などを用いて固定することもできる。この場合、繊維布12とメッシュ層16との間には、これらに接触する接着剤が位置してもよい。
【0046】
本実施形態では、繊維布12の他面に別の層なしでメッシュ層16が位置することを例示した。これにより、繊維布12がメッシュ層16の開口部166に露出して繊維布12とメッシュ層16を安定的に固定し、防水シート10が作業面で滑らないようにすることを例示した。しかし、本発明は、これに限定されるものではなく、繊維布12の他面とメッシュ層16との間に、防水層14と同一又は異なる物質または組成で構成される別の防水層が位置してもよい。これにより防水特性をさらに向上させることができる。その他の様々な変形が可能である。
【0047】
本実施形態に係る防水シート10によれば、作業面に接着される繊維布12の他面にメッシュ層16が位置して作業面と防水シート10との接着特性を向上させることができ、これにより防水シート10の防水特性を向上させることができる。また、水溶性接着剤を用いて防水シート10を作業面に付着させることにより、作業面が乾燥していない状態でも防水ライニング施工が可能である。これにより、防水シート10を用いた防水ライニングの施工時間及び費用を低減することができる。これについては、後述の防水ライニング施工方法を説明した後、さらに詳細に説明する。
【0048】
以下、本実施形態に係る防水シート10を用いた防水ライニング施工方法を詳細に説明する。
【0049】
図2は本発明の実施形態に係る防水ライニング施工方法を示すフローチャートである。
図3a〜
図3gは本発明の実施形態に係る防水ライニング施工方法を示す断面図である。
図2を参照すると、本実施形態に係る防水ライニング施工方法は、大きく前処理段階(S10)と防水シート付着段階(S20)で構成される。
【0050】
まず、前処理段階(S10)は、チッピング段階(S11)、洗浄段階(S12)、浸透強化剤塗布段階(S13)、止水剤塗布段階(S14)及びプライマー塗布段階(S15)を含むことができる。
【0051】
図3aに示すように、前処理段階(S10)では、作業面110の異物を除去する作業を行う。防水ライニング施工方法の施される作業面110は、補修作業を要する場合がほとんどなので、作業面110自体に汚染や腐食などがある場合、汚染物質を除去し、腐食した部分の錆を除去しなければならないのである。
【0052】
ここで、作業面110は、水タンク、取水場、配水池、浄水場、塩田、化学工場、廃棄物処理場、ガソリンスタンド、洗車トンネルなどの各種土木または建築構造物で防水または防食を必要とするすべての面でありうる。
【0053】
さらに具体的に、前処理段階(S10)はチッピング段階(S11)及び洗浄段階(S12)を含むことができる。チッピング段階(S11)では、作業面110をグラインダーを用いて研磨する。洗浄段階(S12)は、チッピング段階(S11)の後に行われ、高圧洗浄機を用いて作業面110を洗浄することができる。チッピング段階(S11)及び洗浄段階(S12)は作業面110の状態に応じて省略してもよい。
【0054】
洗浄段階(S12)の後、浸透強化剤塗布段階(S13)をさらに実行することができる。浸透強化剤塗布段階(S13)では、コンクリート浸透強化剤を塗布して作業面に全体的に浸透強化剤層111を形成することができる。コンクリート浸透強化剤は、劣化したコンクリートに浸透し、未水和された水酸化カルシウムと結合して超硬質ケイ酸カルシウムを形成するか、或いは空気または湿気中の二酸化炭素と結合してシリケート化合物を形成することによりコンクリート強度を強化させ、粗密化させて耐水性を増加させる役割をする。コンクリート浸透強化剤としては公知の様々な物質を使用することができる。
【0055】
浸透強化剤塗布段階(S13)の後、止水剤塗布段階(S14)をさらに実行することができる。止水剤塗布段階(S14)では、作業面110に大きな亀裂110aがあって漏水するおそれのある部位などにおける大きな亀裂110aの内部を埋めて水漏れを防止するように止水剤112を塗布することができる。止水剤112としては、亀裂110aを埋めることができる公知の様々な物質を使用することができる。
【0056】
その後、
図3bに示すように、プライマー塗布段階(S15)で作業面110にプライマーを塗布してプライマー層120を形成する。
【0057】
次に、防水シート付着段階(S20)について説明する。
【0058】
防水シート付着段階(S20)は、接着剤1次塗布段階(S21)、接着板付着段階(S22)、接着剤2次塗布段階(S23)、防水シート付着段階(S24)、防水シート固定段階(S25)及び継手部融着段階(S26)を含む。
【0059】
図3cに示すように、接着剤1次塗布段階(S21)で接着剤を塗布して1次接着層130を形成する。簡略な図示のために、
図3b〜
図3eでは亀裂110a、浸透強化剤層111、止水剤112などの図示を省略した。
【0060】
プライマー層120を形成するためのプライマーとしては公知の様々な物質を使用することができる。そして、1次接着層130を形成するための接着剤としては水溶性接着剤を使用することができる。本実施形態では、湿気のある状態でも防水ライニング施工が可能となるように、水溶性接着剤を用いて1次接着層130を形成する。このように1次接着層130を形成する理由は、復旧すべき面が平らでない場合が多いので面をならすためであり、後述の接着板20を接着するためである。もちろん、復旧すべき面が平らである場合、1次接着層130を形成せず直ちに接着板20を付着させることもできる。
【0061】
水溶性接着剤は、60〜80重量%の粉末と20〜40重量%の液状アクリルポリマーエマルジョンとを混合したものでありうる。このとき、粉末とアクリルポリマーエマルジョンは、互いにそれぞれ別々に製造された後、現場で配合して使用できる。
【0062】
このとき、粉末は、粉末全体100重量部に対して、10〜75重量部のカルシウムスルホアルミネート(3CaO・Al
2O
3・CaSO
4)微粉末及び20〜60重量部の珪砂微粉末を含む無機質バインダー混合物に、10〜25重量部の無水石膏と、0〜30重量部の1種ポルトランドセメント、促進剤、凝結遅延剤、シルリカヒューム、防水パウダー、シリカパウダー、補強繊維などが含まれているものであってもよい。
【0063】
カルシウムスルホアルミネート微粉末は、優れた耐酸性を有し、収縮補償によって焼成収縮ひび割れを防止する役割をすることができる。珪砂微粉末は、接着剤の作業性を向上させる役割をすることができる。カルシウムスルホアルミネート微粉末が10重量部未満で含まれるか或いは珪砂微粉末が60重量部超過で含まれる場合、カルシウムスルホアルミネートによる効果が十分でないおそれがある。カルシウムスルホアルミネート微粉末が75重量部超過で含まれるか或いは珪砂微粉末が20重量部未満で含まれる場合、珪砂微粉末の含有量が十分でないため作業性が低下するおそれがある。1種ポルトランドセメントは環境調和特性が多く要求されるときには含まないこともあり、その分だけ、カルシウムスルホアルミネートが含まれてもよい。
【0064】
または、粉末はポルトランドセメント、珪砂微粉末、酸化カルシウム、硫酸カルシウムなどを混合したものでありうる。このとき、例えば、珪砂微粉末を他の構成物質よりも多く含むことができる。一例として、珪砂微粉末を水溶性接着剤全体100重量部に対して45〜55重量部で含むことができ、ポルトランドセメントを10〜20重量部で含むことができ、酸化カルシウムを5〜10重量部で含むことができ、硫酸カルシウムを5〜10重量部で含むことができる。
【0065】
上述した粉末の構成物質及び重量部は、水溶性接着剤の接着特性を向上させ且つ粉末を安定的に混合することができるように限定されたものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0066】
アクリルポリマーエマルジョンは、アクリルポリマー樹脂を含むエマルジョンであってもよく、例えば、アクリルポリマー樹脂、エチレン酢酸ビニール及び水を含むことができる。このとき、アクリルポリマー樹脂をエチレン酢酸ビニール及び水よりも多く含むことができる。一例として、水溶性接着剤全体100重量部に対して、アクリルポリマー樹脂は6〜8重量部、エチレン酢酸ビニールは4〜6重量部、水は4〜6重量部含むことができる。このようなアクリルポリマーの構成物質及び含有量は、水溶性接着剤の接着特性を向上させ且つ粉末を安定的に混合することができるように限定されたものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0067】
水溶性接着剤は、微粉末形態を含めて小さな溝、クラックまたは亀裂によく浸透できる。水溶性接着剤は、壁体から流下せずに十分な厚さで塗布できるため、亀裂、クラック、溝などを別途補修することなく直ちに水溶性接着剤を適用することができる。カルシウムスルホアルミネート及び/または1種ポルトランドセメントは、水と水硬性反応をし、接着剤が超速硬なので、反応の際に発熱が起こり、残りの水分が表面に長く留まる前に除去する原理のため、湿気があっても作業を行うことができる。
【0068】
このとき、カルシウムスルホアルミネート微粉末及び珪砂微粉末それぞれは、6,000〜12,000cm
3/gの比表面積(または粉末度)を有することができる。このような比表面積を有する場合には、超微粒子粉末で構成されるため、防水処理の際に凝結速度が速くなる。これにより、湿気のある状態でも作業面110と1次接着層130とが優れた結着特性を持つことができるため、湿式防水ライニング施工が可能である。
【0069】
促進剤は、凝結を促進する役割を果たすことができる。一例として、促進剤としては、硫化ナトリウム(Na
2S・9H
2O)、炭酸ナトリウム(Na
2CO
3)、炭酸リチウム(Li
2CO
3)、水酸化リチウム(LiOH・H
2O)及び酸化アルミニウム(Al
2O
3)のいずれか1種または2種以上を含むことができる。例えば、促進剤は、無機質バインダー混合物100重量部に対して0.1〜3.0重量部で含むことができる。促進剤を0.1重量部未満で含む場合には、促進剤による効果が十分でないおそれがある。促進剤を3重量部超過で含む場合には、凝結速度があまり大きくなって作業面110との接着特性がむしろ低下するおそれがある。しかし、本発明では、促進剤の物質、含有量などが限定されるものではない。
【0070】
凝結遅延剤としては、促進剤と一緒に凝結速度を調節する役割をすることができる。凝結遅延剤としては、酒石酸、クエン酸及びホウ酸のいずれか1つまたは2つ以上を使用することができる。例えば、凝結遅延剤は無機質バインダー混合物100重量部に対して0.1〜3.0重量部で含むことができる。凝結遅延剤を0.1重量部未満で含む場合には、凝結遅延剤による効果が十分でないおそれがある。凝結遅延剤を3重量部超過で含む場合には、凝結速度が遅くなって施工時間が長くなるおそれがある。しかし、本発明では、凝結遅延剤の物質や含有量などが限定されるものではない。
【0071】
防水パウダーは、防水特性を向上させるためのもので、例えば、金属塩(金属せっけん(metal soaps))とステアリン酸塩とオレイン酸塩系粉末との混合物、及びこの混合物の分散を容易にするための成分としての炭酸カリウムまたは消石灰が混合されたものである。しかし、本発明は、これに限定されるものではなく、防水パウダーとして様々な物質を含むことができる。例えば、防水パウダーは混合物100重量部に対して0.07〜1重量部で含むことができる。防水パウダーを0.07重量部未満で含む場合には、防水パウダーによる防水効果が十分でないおそれがある。防水パウダーを1重量部超過で含む場合には、圧縮強度の低下や白化現象などの問題が発生するおそれがある。しかし、本発明では防水パウダーの含有量が限定されない。
【0072】
シリカヒュームは、防水パウダーの粘度を高め、ステアリン酸塩系粉末が表面に浮かぶことを防止し、防水パウダーの使用による圧縮強度の低下現象を補償し、防水性能を向上させる役割をする。例えば、シリカヒュームは混合物100重量部に対して0.072〜2重量部含むことができる。シリカヒュームを0.072重量部未満で含む場合には、シリカヒュームによる効果が十分でないおそれがある。シリカヒュームを2重量部超過で含む場合には、材料間の結着を低下させるおそれがある。しかし、本発明ではシリカヒュームの含有量が限定されない。
【0073】
シリカパウダーは、収縮防止及び強度増強剤としての役割をすることができる。例えば、シリカパウダーは混合物100重量部に対して0.08〜0.18重量部で含むことができる。シリカパウダーを0.08重量部未満で含む場合には、収縮防止及び強度増強剤の役割が十分でないおそれがある。シリカパウダーを0.18重量部超過で含む場合には、むしろ材料間の結着を弱化させて強度を低下させるおそれがある。しかし、本発明ではシリカパウダーの含有量が限定されない。
【0074】
補強繊維は、防水ライニング施工が施される部分での引張強度を向上させる役割をすることができる。補強繊維としては、様々な物質を使用することができ、例えば、ポリプロピレン(polypropylene、PP)、ポリエチレン(polyethylene、PE)及びナイロンのいずれか1種または2種以上を含むことができる。
【0075】
このように、本実施形態では、水溶性接着剤を使用するので、別個の乾燥工程を経ることなく、湿気のある湿潤状態の作業面110に直接プライマー及び/または接着剤を塗布してプライマー層120及び/または1次接着層130を形成する。したがって、乾燥のための時間を減らして施工時間を短縮することができ、乾燥のための製品などの使用に伴う費用を削減して施工費用を減らすことができる。
【0076】
次いで、
図3dに示すように、接着板付着段階(S22)で接着板20を付着させる。
【0077】
図4を参照して接着板20の構造についてさらに詳細に説明すると、次のとおりである。
【0078】
接着板20は、ステンレス鋼材質などの金属材質からなる板状を有する。
図4には正方形状の接着板20の例を示したが、接着板20は円形または多角形などの多様な形状にすることがきる。
【0079】
接着板20は、作業面110側に付着する作業面付着部21、及び防水シート10側に付着する防水シート付着部22を備える。
【0080】
作業面付着部21は接着板の縁部分に備えられる。防水シート付着部22は、接着板の中央に備えられ、作業面付着部21から一側に突出して設けられる。一方、防水シート付着部22の突出した反対側には接着板固定用防水シート23が付着できる。
【0081】
作業面付着部21は、作業面110側に上手く付着できるように歯車の如く形成できる。防水シート付着部22は、作業面付着部21から一側に突出した形態を有する。防水シート付着部22には、ボルトなどを用いて作業面110に接着板を固定することができるように形成されたボルト締結孔22aと、接着板固定用防水シート23が高周波などにより溶融したときに流出するようにする流出孔22bとを備える。よって、高周波を用いて接着板固定用防水シート23を溶かすと、流出孔22bを介して防水シートの一部が流出し、流出した接着板固定用防水シート23が防水シート10と接着されることにより、防水シート10と作業面110との接着力を向上させることができる。
【0082】
次に、
図3eに示すように、接着剤2次塗布段階(S23)で接着板20上に接着剤を2次塗布する。このとき、使用される接着剤は、接着剤1次塗布時に使用した接着剤と同様のものなので、それについての詳細な説明は省略する。
【0083】
次いで、
図3fに示すように、防水シート付着段階(S24)で2次塗布された接着剤上にシート10を付着させる。
【0084】
図3fに示すように、防水シート10を2次接着層140の前に位置させ、防水シート10を2次接着層140に固定する。このとき、メッシュ層16の位置した繊維布12の一面が2次接着層140の塗布された側に位置するように固定する。
【0085】
上述したように、防水シート10におけるメッシュ層16の位置した面が2次接着層140の前に位置するので、防水シート10におけるメッシュ層16の位置した面と2次接着層140とが互いに付着する。このとき、2次接着層140がメッシュ層16の開口部(
図1の参照符号166)を埋めながら形成され、2次接着層140と防水シート10との接着面積が広い。これにより、2次接着層140と防水シート10との接着特性を向上させることができる。
【0086】
次に、
図3gに示すように、防水シート固定段階(S25)では、防水シート10が2次接着層140に完全に接着されるまで固定する。防水シート10が2次接着層140に完全に接着されるまで固定しなければ、防水シート10が弛んだり皺寄ったりするおそれがあるため、防水シート10と2次接着層140との接着力が完全になるまで防水シート10を固定しなければならないのである。
【0087】
防水シート10を固定する装置または方法としては、公知の様々な方法が使用できる。本実施形態では、強力磁石30を用いて防水シートを固定する方法を例示した。強力磁石30を上述の接着板20に対応する位置に取り付けると、防水シート10は接着板20と強力磁石30との間に介在するので固定される。この状態で、防水シート10が2次接着層140に完全に接着されるまで固定できる。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0088】
続いて、継手部融着段階(S26)では、防水シート10と防水シート10との間の継手部を融着させる。本実施形態では、継手部に超音波、高周波、レーザーなどを用いて防水シート10が溶融しながら互いに接着されることにより、防水シート10を融着させることができる。このように別個の接着剤を使用することなく熱融着によって継ぎ目を接合して施工工程を単純化し、防水シート10を安定的に一体化することができる。
【0089】
本実施形態に係る防水ライニング施工方法によれば、超微粒子からなる無機質バインダー混合物を含む接着層130、140を用いて接着層130、140と作業面110とを緊密に結着することができる。これにより、接着層130、140と作業面110との付着強度及び水密性に優れた状態で防水シート10を接着することができる。これにより、外部の温度や湿度の変化または外部の衝撃によっても二次亀裂がほとんど発生せず、別の補強措置をしなくても防水ライニング施工部位の強度を向上させることができる。
【0090】
防水シート10の防水層14の物質が安定的であるため施工が便利であり、施工中に有害ガスが発生しないため安全事故を防止することができる。そして、メッシュ層16によって接着層130と防水シート10との接着特性をさらに向上させることができるため、防水特性をさらに向上させることができる。また、メッシュ層16による物理的強度を向上させることができるため、外部の衝撃などによる防水シート10の剥離などの問題を最小限に抑えることができる。
【0091】
また、水溶性接着剤を含む1次接着層130を用いて作業面110に1次接着層130を形成する前に、作業面を乾燥させる工程を省略することができる。これにより、乾燥工程による時間及び費用を削減することができる。
【0092】
上述したところによる特徴、構造、効果などは、本発明の少なくとも一つの実施形態に含まれ、必ずしも一つの実施形態のみに限定されるものではない。さらに、各実施形態で例示された特徴、構造、効果などは、実施形態の属する分野における通常の知識を有する者によって他の実施形態に対しても組み合わせまたは変形を加えて実施可能である。よって、このような組み合わせ及び変形に関する内容は本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。