(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記セットアップテーブルは、前記ステータバーの長手方向に沿ってそれぞれ配置された複数個の装着部をさらに備える請求項1に記載の発電機用ステータバーの加工ユニット。
前記複数個の装着部の位置は、正面から眺める時、前記セットアップテーブルの上側に延びた延長バーの上端に備えられ、前記ステータバーが挿入されるように上部に向かって開口した載置部と、
前記載置部で互いに対向する状態で設けられ、前記載置部に位置した前記ステータバーに向かって前進または後退する第1シリンダ部とを含む
請求項2に記載の発電機用ステータバーの加工ユニット。
前記ティルティング部は、ティルティングを行う前に前記セットアップテーブルを水平状態に維持し、前記セットアップテーブルを前記ピットに向かってティルティングさせる場合、前記セットアップテーブルを前記水平状態に対して90度の角度になるまでティルティングさせる
請求項1に記載の発電機用ステータバーの加工ユニット。
前記複数のステータバーが前記セットアップテーブルに備えられた装着部に装着されるステップは、前記複数のステータバーの各々に対する位置が最終的に固定される前に、前記複数のステータバーが長手方向においてそれぞれ同一位置に位置するように前記複数のステータバーのそれぞれの位置を調整するステップを含む請求項9に記載の発電機用ステータバーの加工ユニットを用いた溶接方法。
前記複数のステータバーがスイングされるステップは、前記複数のステータバーがすべて同じ角度で一側方向に向かってスイングされる請求項9または請求項10に記載の発電機用ステータバーの加工ユニットを用いた溶接方法。
前記複数のステータバーがスイングされるステップは、前記セットアップテーブルを正面から眺める時、象限基準で第3象限と第4象限に相当する180度の角度中の任意の角度範囲以内でスイングされる請求項9または請求項10に記載の発電機用ステータバーの加工ユニットを用いた溶接方法。
前記セットアップテーブルがピットに向かってティルティングされた後に前記複数のステータバーの前記水平状態を維持するステップは、前記ピットに向かって90度の角度でティルティングされる請求項9から請求項12の何れか一項に記載の発電機用ステータバーの加工ユニットを用いた溶接方法。
前記水平状態の前記セットアップテーブルを前記ピットの内部で垂直状態になるまでロテーティングさせるステップは、前記セットアップテーブルが回転して垂直状態になった後に、それ以上ロテーティングされないようにロックキングするステップを含む請求項9から請求項13の何れか一項に記載の発電機用ステータバーの加工ユニットを用いた溶接方法。
【背景技術】
【0002】
一般的に、発電機とは、機械的エネルギーを電気的エネルギーに変換する機器であって、発電機の基本原理は、電磁誘導作用を利用して起電力を発生させる。
【0003】
例えば、2つの磁石の間にコイルを入れて、コイルを回転させるとコイル中に磁場の変化が生じ、この時、コイルの両端に誘導起電力が発生して誘導電流が流れる。こうして生じた電流は強度と方向が周期的に変化する交流である。
【0004】
前記発電機は、多様な産業分野で幅広く用いられており、一例として、発電所に備えられたスチームタービンから回転力を受ける。前記スチームタービンエンジンは、ファーネスで発生した蒸気が高圧タービンに供給されて前記高圧タービンに対する作動を図り、前記高圧タービンを経由した蒸気が低圧タービンに供給されて前記低圧タービンに対する作動を図る。
【0005】
前記スチームタービンエンジンは、軸方向に回転力が伝達されるように配置され、前記低圧タービンと隣り合って軸結合した発電機に回転力を伝達する。
【0006】
前記発電機は、円筒状のケーシング内部に軸方向に回転可能に配置され、回転子コイルにより生成された磁束によって電磁石の役割を果たすロータと、前記ロータの軸方向を取り囲む固定子巻線と、前記ロータの先端部と後端部にそれぞれ設けられたリテインリングと、前記ロータの軸方向外側で磁束を生成し電流が流れる通路の役割を果たすロータコイルとを含んで構成される。
【0007】
前記発電機は、ステータバーが備えられ、前記ステータバーは、先端部と後端部に対するブレージング溶接を実施するために、別のブレージング設備に装着した後に溶接を実施していた。
【0008】
前記ブレージング設備を用いたステータバーに対する溶接作業のために、別のトランスポート装備を用いて実施しているが、作業性が低下してこれに対する対策が必要になった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の実施形態は、複数のステータバーがスイングされた状態でティルティングおよびロテーティングが可能で、安全に溶接作業を実施することができる発電機用ステータバーの加工ユニットおよびこれを用いた溶接方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一側面によれば、一実施形態に係る発電機用ステータバーの加工ユニットは、発電機に装着されるステータバー(stator bar)の両端に対する溶接のために、前記ステータバーが固定される複数の装着部が備えられたセットアップテーブルと、前記セットアップテーブルの下側に連結されたベースフレームと、前記ベースフレームに位置した第1駆動部とによって、前記セットアップテーブルをピット(PIT)に向かって特定角度でティルティングさせるためのティルティング部と、前記セットアップテーブルに対向する状態で前記セットアップテーブルに向かって移動するための第2駆動部と、作業台の前面に位置し、前記ステータバーに対する溶接のための溶接部とが備えられたワークステーションと、前記セットアップテーブルと前記ティルティング部との間に備えられ、前記セットアップテーブルが前記ピットで第1角度で回転するように備えられたロテーティング部と、前記セットアップテーブルの下側に備えられ、前記ピットの縦方向で前記セットアップテーブルをスライディングさせるためのスライディング部とを含む。
【0011】
前記装着部は、前記ステータバーの長手方向に沿って複数個が配置される。
前記装着部は、正面から眺める時、前記セットアップテーブルの上側に延びた延長バーの上端に備えられ、前記ステータバーが挿入されるように上部に向かって開口した載置部と、前記載置部で互いに対向する状態で設けられ、前記載置部に位置したステータバーに向かって前進または後進する第1シリンダ部とを含む。
【0012】
前記載置部は、前記延長バーの上端に前記ステータバーが装着された状態で時計方向または時計反対方向に回転するように、後面下側に半円状に形成された歯形部と、前記歯形部に回転力を提供するために備えられた第1モータ部とを含む。
【0013】
前記第1モータ部は、複数個がすべて同時に同じ回転角度で回転することを特徴とする。
前記第1駆動部は、一端が前記ベースフレームの上面に位置し、他端が前記セットアップテーブルの下側面に向かって延びた第2シリンダ部と、前記第2シリンダ部の上端に連結され、ヒンジ部を介して特定角度範囲以内で回転する第1アームと、前記第2シリンダ部の回転力を前記セットアップテーブルに伝達するリンク部材とを含む。
【0014】
前記ティルティング部は、ティルティング前に前記セットアップテーブルを水平状態に維持させ、前記セットアップテーブルが前記ピットに向かってティルティングされる場合、前記セットアップテーブルを90度の角度でティルティングさせることを特徴とする。
【0015】
前記セットアップテーブルのティルティングによる衝撃をダンピングするために、前記セットアップテーブルの側面に位置した第1ストッパと、前記ティルティング部の側面に位置し、前記セットアップテーブルがティルティングされる場合、前記第1ストッパと接触した状態が維持される第2ストッパとを含む。
【0016】
本発明の一実施形態に係る発電機用ステータバーの加工ユニットに対する溶接方法は、複数のステータバー(stator bar)がセットアップテーブルに備えられた装着部に水平状態に装着されるステップと、前記ステータバーが前記装着部に装着された後に周辺構造物と干渉しないようにスイングされるステップと、前記セットアップテーブルがピット(Pit)に向かってティルティングされた後に前記水平状態を維持するステップと、前記セットアップテーブルがピットに位置した状態で前記ステータバーの両端部に対する溶接作業中に一端部に対する溶接のために、前記水平状態のセットアップテーブルを前記ピットの内部で垂直状態にロテーティングさせるステップと、前記ロテーティングされたセットアップテーブルが前記ピットの下側にスライディングされるステップと、前記下降したセットアップテーブルに向かって溶接ユニットが備えられたワークステーションが移動して、前記ステータバーの一端部に対する溶接を実施するステップと、前記セットアップテーブルの他端部に対する溶接のために前記ワークステーションが前記ピットから後退し、前記セットアップテーブルが前記ピットの内部で垂直状態にロテーティングされるステップと、前記ロテーティングされたセットアップテーブルが前記ピットの内部で下側にスライディングされるステップと、前記下降したセットアップテーブルに向かって溶接ユニットが備えられたワークステーションが移動して、前記ステータバーの他端部に対する溶接を実施するステップと、前記ステータバーの両端に対する溶接がすべて終了した後に前記ワークステーションが後退し、前記セットアップテーブルが前記ピット内で水平状態に回転するステップと、前記セットアップテーブルが最初の位置に再びティルティングされるステップとを含む。
【0017】
前記ステータバー(stator bar)がセットアップテーブルに備えられた装着部に装着されるステップは、複数のステータバーに対する位置が最終的に固定される前に、前記ステータバーを長手方向でそれぞれ同一位置に位置するように調整するステップを含む。
【0018】
前記ステータバーがスイングされるステップは、すべて同じ角度で一側方向に向かってスイングされるステップを含む。
前記ステータバーがスイングされるステップは、前記セットアップテーブルを正面から眺める時、象限基準で第3象限と第4象限に相当する180度の角度中の任意の角度範囲以内でスイングされることを特徴とする。
【0019】
前記セットアップテーブルがピット(Pit)に向かってティルティングされた後に前記水平状態を維持するステップは、前記ピットに向かって90度の角度でティルティングされることを特徴とする。
【0020】
前記水平状態のセットアップテーブルを前記ピットの内部で垂直状態にロテーティングさせるステップは、前記セットアップテーブルが垂直状態に回転した後に、それ以上ロテーティングされないようにロックキングするステップを含む。
【0021】
前記ステータバーの一端部に対する溶接を実施するステップは、前記ワークステーションが前記ステータバーに向かって移動した距離が表示されるステップと、前記ワークステーションが前記ステータバーに向かって移動する間と、前記ステータバーに対する溶接が行われている間に、作業者に映像情報を提供するステップと、前記複数のステータバーがすべて同時に溶接が行われるステップとを含む。
【発明の効果】
【0022】
本発明の実施形態は、ステータバーに対する溶接を実施する時、セットアップテーブル上に装着した後にスイングおよびティルティングが可能で、作業者の作業性の向上と安全管理上の事故を事前に予防することができる。
【0023】
本発明の実施形態は、複数のステータバーに対する装着が可能で、垂直状態にロテーティングさせた後にワークステーションが接近して手軽に溶接が行われ、複数のステータバーに対して一度に溶接が可能で、溶接による作業性の向上と前記ステータバーの左右両端部に対する容易な溶接作業を実施することができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の一実施形態に係る発電機用ステータバーの加工ユニットの構成について、図面を参照して説明する。参照として、
図1は、本発明の一実施形態に係る発電機用ステータバーの加工ユニットを示す図であり、
図2は、本発明の一実施形態に係るセットアップテーブルとティルティング部の構成を示す図であり、
図3は、本発明の一実施形態に係る発電機用ステータバーの加工ユニットにステータバーがスイングされた状態を示す図である。
【0026】
添付した
図1〜
図3を参照すれば、本発明の一実施形態に係る発電機用ステータバーの加工ユニットは、作業者が複数のステータバー2に対して溶接をより容易に行うために備えられる。特に、この実施形態は、複数のステータバーに対する安定的なスイングとピット(pit)に向かってティルティングにより前記ステータバーの両端部に対する溶接を手軽に実施しようとするものである。
【0027】
このために、本発明は、複数のステータバー2が装着されるセットアップテーブル100と、装着部110の下側に位置したティルティング部200と、前記ティルティング部200を臨む場所に位置し、作業者が搭乗するワークステーション300と、セットアップテーブル100をロテーティングするためのロテーティング部400(
図8参照)と、スライディング部500(
図8参照)とを含む。
【0028】
ワークステーション300は、作業者が搭乗した状態でピット3に向かって前進移動または後退移動しながら、ステータバー2に対する溶接または全般的な作業状況に応じて特定位置に移動する。また、前記ワークステーション300には、作業者が搭乗できるように作業台302が位置し、ステータバー2に対する溶接のための溶接部303が前面に備えられる。
【0029】
ステータバー2は、長さが10メートル以内の長さに延びているので、作業者が手作業でセットアップテーブル100には装着しにくいので、クレーン(図示せず)のような重装備を用いてセットアップテーブル100に備えられた装着部110に装着される。
【0030】
本実施形態に係るセットアップテーブル100は、発電機に装着されるステータバー(stator bar)2の両端に対する溶接のために複数個が格子状に配置され、前記ステータバー2が固定される複数の装着部110が備えられる。
【0031】
前記ステータバー2は、装着部110に3つ装着されるので、作業者がより迅速にステータバー2に対する溶接を実施することができる。参照として、上記の個数は説明の理解のために限定して示したもので、増加または減少してもよい。
【0032】
前記ステータバー2は、溶接の行われる位置が軸方向を基準として左側一端部Aと右側他端部Bにそれぞれ溶接が実施される。この場合、1つのステータバー2は溶接ポイントが左右両側端部を含めて計2箇所であり、3つのステータバー2に対する溶接ポイントは計6箇所に相当する。
【0033】
本実施形態は、3つのステータバー2が装着部110に装着された後に、左側一端部Aに位置した3つのステータバー2に対して一度に溶接が実施され、右側他端部Bに対しても一度に3つのステータバー2に対する溶接が手軽に実施可能で、作業者の作業性が向上する。
【0034】
セットアップテーブル100は、上面に複数の装着部110が備えられるが、前記装着部110は、正面から眺める時、前記セットアップテーブル100の上側に延びた延長バー111の上端に備えられ、前記ステータバー2が挿入されるように上部に向かって開口した載置部112と、前記載置部112で互いに対向する状態で設けられ、前記載置部112に位置したステータバー2に向かって前進または後退する第1シリンダ部114とを含む。
【0035】
前記装着部110は、ステータバー2の軸方向に沿って複数個が配置される。本実施形態では、1つのステータバー2を基準として左側端部および右側端部の付近にそれぞれ1つずつ位置し、中央に4つが所定の間隔で配置されるので、1つのステータバー2に計6つの装着部110が備えられる。したがって、ステータバー2は安定的に固定され、ティルティングまたは回転させられる場合でも、前記装着部110から離脱しない。
【0036】
載置部112は、正面から眺める時、U字状に形成されたプレートで構成され、第1シリンダ部114が図面の上方向を基準として11時方向と1時方向にそれぞれ設けられる。載置部112は、ステータバー2に対するスイングのために、正面から眺める時、中央を基準として回転可能に回転軸(図示せず)が備えられる。
【0037】
前記第1シリンダ部114が前記方向に設けられる理由は、ステータバー2がクレーンにより12時方向から下側に移動して挿入されやすい位置に相当するからである。
【0038】
第1シリンダ部114は、一例として、ピストンが備えられたエアシリンダが用いられるが、他のタイプのシリンダが用いられてもよく、前記載置部112に向かって前記ピストンが前進可能または後退可能で、ステータバー2に対する固定または固定解除を手軽に実施することができる。
【0039】
参照として、最初のステータバー2が前記載置部112に挿入される場合、前記ステータバー2の端部は6時方向に位置する。前記位置は地面に向かう位置であるので、作業者が周りで点検または移動をする場合でも、前記ステータバー2の端部との衝突または接触による安全管理上の事故の発生を予防することができる。
【0040】
ステータバー2は、ピストンが前進する場合、固定位置が左右側端部2箇所の位置と、中央部分に4箇所を含めて計6箇所で固定されるので、スイングまたはティルティングされる場合でも、ステータバー2が離脱せずに安定的に固定された状態が維持される。
【0041】
前記ピストンの先端部には、ステータバー2との直接的な接触によって前記ステータバー2の表面が変形しないように弾性力を有するゴムが備えられていて、固定力を向上させることができる。
また、ステータバー2が溶接されるまで固定維持される間に、前記ゴムと接触したステータバー2の外周面が変形せず正常状態が維持可能である。
【0042】
前記載置部112は、前記延長バー111の上端に前記ステータバー2が装着された状態で時計方向または反時計方向に回転するように、後面下側に半円状に形成された歯形部112aと、前記歯形部112aに回転力を提供するために備えられた第1モータ部112bとを含む。
歯形部112aは、載置部112に載置されたステータバー2に対するスイングのために備えられ、前記載置部112が特定角度以内でスイングされるので、半円状となる。
【0043】
第1モータ部112bは、ステップモータが用いられ、前記ステータバー2に対するスイングのために特定角度範囲以内で回転して前記載置部112のスイングを図る。
前記第1モータ部112bは、複数個がすべて同時に同じ回転角度で回転するので、ステータバー2が固定されまたはスイングされる場合、複数個がすべて同じ角度で固定されまたはスイングされる。
【0044】
添付した
図2〜
図6を参照すれば、本発明の一実施形態に係るティルティング部200は、前記セットアップテーブル100の下側に連結されたベースフレーム202と、前記ベースフレーム202に位置した第1駆動部210とによって、前記セットアップテーブル100をピット(PIT)3に向かって特定角度でティルティングさせるために備えられる。
参照として、ピット3は、ステータバー2の回転に必要な空間を提供するために地面に向かって形成される。
【0045】
前記ティルティング部200は、ティルティング前には前記セットアップテーブル100全体を水平状態に維持させ、前記セットアップテーブル100が前記ピット3に向かってティルティングされる場合、前記セットアップテーブル3を前記ピット3に向かって90度の角度でティルティングさせる。
【0046】
ここで、前記セットアップテーブル100が90度の角度でティルティングされる理由は、ピット3の開口した領域を用いて複数のステータバー2が装着された前記セットアップテーブル100のロテーティングまたはスライディングを実施する時、作業者または設備品が位置した地上で実施せず、前記ピット3の内部でセットアップテーブル100に対するロテーティングまたはスライディングを安定的に実施するためである。
【0047】
例えば、前記ステータバー2がピット3の外側でティルティングまたは回転する場合、周辺に位置した設備品または構造物あるいは作業者との衝突による事故が発生し得るため、前記ピット3の内部で回転することが安全であり得る。
また、前記ステータバー2によって発生し得る安全管理上の事故から前記作業者または設備品を保護するためである。
【0048】
ピット3は、セットアップテーブル100がティルティングされて内部に位置した場合でも、ステータバー2が前記ピット3の内側と直接的に干渉しない深さと幅に形成される。すなわち、前記ピット3は、セットアップテーブル100の装着部110に装着されたステータバー2の安定的な溶接のためにロテーティングまたはスライディングが行われる空間を提供し、この場合、前記ステータバー2が作業者または設備品と直接的に接触しないように独立した空間を提供する構成に相当する。
【0049】
第1駆動部210は、一端が前記ベースフレーム202の上面に位置し、他端が前記セットアップテーブル100の下側面に向かって延びた第2シリンダ部212と、前記第2シリンダ部212の上端に連結され、ヒンジ部213を介して特定角度範囲以内で回転する第1アーム214と、前記第2シリンダ部212の回転力を前記セットアップテーブル100に伝達するリンク部材216とを含む。
【0050】
前記セットアップテーブル100は、ピット3でロテーティングまたはスライディングされるために、水平状態から前記ピット3に向かってティルティングされる。ここで、ティルティングの意味は、特定角度で前記セットアップテーブル100が回転することを意味する。
【0051】
第2シリンダ部212は、ピストンの端部にヒンジ部213が連結されていて、前記ピストンの前進または後進によって第1アーム214を機械方向または反時計方向に回転させることができる。
【0052】
また、前記第1アーム214の上側にリンク部材216が備えられていて、前記第1アーム214の回転と連動して、前記セットアップテーブル100全体を図面に示されているようにティルティングさせることができる。
【0053】
一例として、前記ティルティング部200は、第2シリンダ部212に備えられたピストンが前進方向または後退方向に移動すると、前記第1アーム214が前記第2シリンダ部212の位置まで引き寄せられ、リンク部材216によってセットアップテーブル100全体が図面の上方向を基準として右側方向にティルティングされる。
【0054】
前記セットアップテーブル100のティルティングによる衝撃をダンピングするために、
図2の上方向を基準として前記セットアップテーブル100の下側面に位置した第1ストッパ10と、前記第2シリンダ部212と離隔してティルティング部200の側面に位置し、前記セットアップテーブル100がティルティングされる場合、前記第1ストッパ10と接触した状態が維持される第2ストッパ12とを含む。
【0055】
図4に示されているように、第2ストッパ12は、前記セットアップテーブル100がステータバー2に対する作業のために矢印方向に回転する場合、前記第1ストッパ10と接触して、意図された位置に前記セットアップテーブル100の回転位置を維持させる。
【0056】
セットアップテーブル100は、自重とステータバー2の装着による重量が加えられ、ティルティングによる衝撃を最小化するために、前記第1、第2ストッパ10、12が備えられる。
【0057】
前記第2ストッパ12は、ダンピングのために、ベースフレーム202の一側面にブラケットを介して上部に向かって延びた延長台の上端にダンピング可能な構成からなるが、一例として、ゴム(図示せず)で構成される。また、前記ゴムの下側にスプリング(図示せず)が設けられ、前記第2ストッパ12の軸方向に加えられる荷重をダンピングすることができる。この場合、荷重が前記ゴムに加えられる場合、ゴムとスプリングによって荷重が支持分散し、第1、第2ストッパ10、12の直接的な接触による衝撃がダンピングされる。
【0058】
ワークステーション300は、作業者が搭乗可能な空間と前記ステータバー2に対する溶接のための操作のために備えられ、前記ステータバー2に向かって移動可能に構成される。
【0059】
ワークステーション300は、前記セットアップテーブル100がティルティングされる前を基準として対向する状態に位置し、前記セットアップテーブル100に向かって移動するための第2駆動部310と、前記セットアップテーブル100の上部に位置した作業台302の前面に位置し、前記ステータバーに対する溶接のための溶接部303とを含む。
【0060】
第2駆動部310は、ワークステーション300の移動のために備えられ、通常のモータとギヤとの組み合わせで構成されるか、ガソリンエンジンまたはディーゼルエンジンのいずれか1つの構成が用いられる。また、第2駆動部310は、ワークステーション300の下側に備えられた複数のホイールに回転力を伝達して、セットアップテーブル100に向かって前進または後退を可能にする。
【0061】
作業台302は、作業者がステータバー2に対する溶接のための空間を提供し、前記ワークステーション300の移動のための運転台と溶接部303に対する調整のための複数のボタン(図示せず)またはレバーが備えられる。
【0062】
前記溶接部303は、ステータバー2に対するブレージング溶接のために前面に位置し、ステータバー2が前記溶接部303に対向する状態になる場合、ワークステーション300が前記ステータバー2に向かって移動して溶接が行われる。
【0063】
溶接部303は、自動溶接機が用いられてもよいし、溶接自体が本発明の要旨でないので、簡略に説明する。
【0064】
ロテーティング部400(
図7参照)は、セットアップテーブル100と前記ティルティング部200(
図8参照)との間に備えられ、前記セットアップテーブル100が前記ピット3内において第1角度で回転するように備えられる。ロテーティング部400は、モータと減速ギヤとを含んで構成される。
【0065】
スライディング部500は、前記セットアップテーブル100の下側に備えられ、前記ピット3の縦方向に前記セットアップテーブル100をスライディングさせるために備えられる。
スライディング部500は、ラックギヤとモータとギヤユニットとを含んで構成され、セットアップテーブル100を昇降または下降させてステータバー2の溶接位置を調整する。
【0066】
本発明の一実施形態に係る発電機用ステータバーの加工ユニットを用いた溶接方法について、図面を参照して説明する。
【0067】
添付した
図5〜
図7を参照すれば、本実施形態に係る発電機用ステータバーの加工ユニットを用いた溶接方法は、複数のステータバー(stator bar)がセットアップテーブルに備えられた装着部に水平状態に装着されるステップST100と、前記ステータバーが前記装着部に装着された後に周辺構造物と干渉しないようにスイングされるステップST200と、前記セットアップテーブルがピット(Pit)に向かってティルティングされた後に前記水平状態を維持するステップST300と、前記セットアップテーブルがピットに位置した状態で前記ステータバーの両端部に対する溶接作業中に一端部に対する溶接のために、前記水平状態のセットアップテーブルを前記ピットの内部で垂直状態にロテーティングさせるステップST400と、前記ロテーティングされたセットアップテーブルが前記ピットの下側にスライディングされるステップST500と、前記下降したセットアップテーブルに向かって溶接ユニットが備えられたワークステーションが移動して、前記ステータバーの一端部に対する溶接を実施するステップST600と、前記セットアップテーブルの他端部に対する溶接のために前記ワークステーションが前記ピットから後退し、前記セットアップテーブルが前記ピットの内部で垂直状態にロテーティングされるステップST700と、前記ロテーティングされたセットアップテーブルが前記ピットの内部で下側にスライディングされるステップST800と、前記下降したセットアップテーブルに向かって溶接ユニットが備えられたワークステーションが移動して、前記ステータバーの他端部に対する溶接を実施するステップST900と、前記ステータバーの両端に対する溶接がすべて終了した後に前記ワークステーションが後退し、前記セットアップテーブルが前記ピットで水平状態に回転するステップST1000と、前記セットアップテーブルが最初の位置に再びティルティングされるステップST1100とを含む。
【0068】
前記ステータバー(stator bar)がセットアップテーブルに備えられた装着部に装着されるステップST100は、複数のステータバーに対する位置が最終的に固定される前に、前記ステータバーを長手方向でそれぞれ同一位置に位置するように調整するステップST110を含む。
【0069】
ステータバーは、クレーンにより装着部に装着されるので、複数個が同一位置に正確に位置せず、長手方向で互いに異なる位置に位置することができる。この場合、それぞれのステータバーに対する位置を長手方向で一定に調整してこそ、スイングされる場合でも、作業者または周辺に位置した設備品との直接的な接触による安全事故を事前に予防することができる。
【0070】
したがって、ステータバーのスイングによる安全管理上の事故の発生または破損を予防することができる。
【0071】
添付した
図5を参照すれば、ステータバーがスイングされる場合(ST200)、すべて同じ角度で一側方向に向かってスイングされるが(ST210)、この場合、溶接が実施される時、追加的に特定位置に位置したステータバーに対する追加スイングを実施する必要がなく、作業者の作業性と作業速度が同時に向上できる。
【0072】
前記ステータバーがスイングされる場合(ST200)、移動した角度に応じた位置は、前記セットアップテーブルを正面から眺める時、象限基準で第3象限と第4象限の区間に相当する角度を計算すると180度の角度範囲に相当する。そして、前記ステータバーは、前記180度の範囲中の任意の角度範囲以内でスイングされる。一例として、本実施形態は、第3象限および第4象限中の45度方向に向かってスイングされる。
【0073】
添付した
図8を参照すれば、セットアップテーブルがティルティングされた後には水平状態が維持されるが、容易な溶接のためには、前記ステータバーの一端部がワークステーションを臨む位置に来るように位置しなければならない。前記セットアップテーブルがピット(Pit)に向かってティルティングされた後に上記水平状態を維持するために(ST300)、前記ステータバーが前記ピットに向かって90度の角度でティルティングされる。前記角度は、セットアップテーブルがピットに向かって垂直状態にロテーティングされやすい角度に相当する。
【0074】
添付した
図9を参照すれば、セットアップテーブルは、ピットの内部で垂直状態にロテーティングされるが(ST400)、この場合、溶接が行われるステータバーの一端部または他端部がピットの上側を向くように位置する。
【0075】
前記セットアップテーブルが垂直状態に回転した後に(ST400)、それ以上ロテーティングされないようにロックキングされる(ST410)。したがって、重量体のセットアップテーブルがピットの下側に落下する現象が発生せず、ステータバーに対する安定的な溶接作業を実施することができる。
【0076】
添付した
図10を参照すれば、セットアップテーブルに対するスライディング(ST500)は、ワークステーションに対向する位置が溶接の行われるステータバーの一端部Aまたは他端部Bに位置するように、セットアップテーブルがピットの下側に下降する。ここで、溶接順序は、一端部Aが優先的に実施され、他端部Bが後で実施される。
【0077】
この場合、ワークステーションのみ前進して、前記ステータバーの一端部Aまたは他端部Bに対する溶接を実施すればよいので、作業者の作業性が向上する(ST600)。
【0078】
添付した
図11を参照すれば、前記ステータバーの一端部Aに対する溶接を実施する時(ST600)、前記ワークステーションが前記ステータバーに向かって移動した距離が、作業者が認知できるように表示される(ST610)。作業者は、肉眼と距離情報を用いて溶接部とステータバーの安定的な溶接が行われる最適の位置を調整することができる。
【0079】
また、作業者がステータバーに対するより安定的な溶接作業のためにワークステーションが前記ステータバーに向かって移動する間と、前記ステータバーに対する溶接が行われている間に、作業者に映像情報が提供される(ST620)。映像情報は、作業者がステータバーに対する溶接を肉眼で直接確認しない場合でも、容易に溶接を実施することができる。
【0080】
さらに、前記複数のステータバーに対してすべて同時に溶接が行われるので(ST630)、前記溶接部とステータバーの位置のみ安定的に維持する場合、一度の作業でステータバーの一端部と他端部に対して手軽に溶接作業が行われるので、作業者の作業性が向上し、溶接作業も安全に行われる。
【0081】
添付した
図12〜
図14を参照すれば、前記ステータバーの一端部Aに対する溶接が行われた後には(ST600)、他端部に対する溶接のためにワークステーションは後進し、セットアップテーブルのみピットの内部で180度ロテーティングされる(ST700)。
【0082】
この場合、ステータバーの他端部Bは、ワークステーションに備えられた溶接部の位置より高い位置に位置するので、前記セットアップテーブルがピットの下側に下降するようにスライディングさせる(ST800)。そして、前記ワークステーションがステータバーに向かって前進し、溶接部により前記ステータバーの他端部Bに対する溶接が行われる(ST900)。
【0083】
ステータバーに対する一端部Aと他端部Bに対する溶接作業がすべて行われた後には、セットアップテーブルがピットの内部で水平状態に回転し(ST1000)、最初の位置に向かって再びティルティングされると、前記ステータバーに対する溶接作業が終了する(ST1100)。