(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、現在では運転用の表示部(例えば、運転者正面の計器盤もしくは表示画面、ナビゲーション用画面など)に、運転用の情報(車速、燃料残量、地図、進行方向等の誘導案内など)が表示され、運転用の表示部にそれ以外のコンテンツ(テレビなど)を表示したり、他の情報機器や画面を運転者が使用することは禁止されている。
【0005】
しかし、将来、十分な信頼性で自動運転が実現し、前方を中心とした車外や車両の計器盤もしくは表示画面から目を離すこと(eyes off)が普通になると、自動運転車両に備わる表示画面にコンテンツが表示されたり、自動運転車両に装備される以外の情報機器(例えば乗員が持ち込んだスマートフォンやタブレットPCなど)にコンテンツが表示されたり、そのようなコンテンツに乗員が注意を没入している状況も考えられる。
【0006】
この場合、危険通知を音声のみで行ったり自動運転装置の表示装置のみで行うと、乗員が向き合っている情報機器とは異なる経路からの報知となる。この結果、報知が適切に乗員に届かなかったり、報知に対する咄嗟の応答操作をどの経路で行うか迷ったり、運転用の表示部に向き直ってから応答操作するなど、応答にタイムラグが生じるなど問題がある。このため、コンテンツの利用を前提とした表示装置や車両に備わる装置以外の情報機器に危険通知行う場合の制御が潜在的に求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、上記課題を解決するために本発明において、下記の要通知情報提示装置などを提供する。すなわち、車両の乗員に情報を提示することができる情報提示部と、車両の運行に関して情報提示部を介して乗員に通知すべき情報である要通知情報を取得する要通知情報取得部と、前記乗員の前記情報提示部に対する態様を人感センサ、視線センサ、圧力センサ、カメラのいずれかによって判別する乗員態様判別部と、前記乗員態様判別部により判別された乗員の態様に応じてその乗員に要通知情報を提示するよう情報提示部を制御する提示制御部と、を有する要通知情報提示装置を提供する。
【0008】
また、車両の乗員に情報を提示することができる情報提示部と、車両の運行に関して情報提示部を介して乗員に通知すべき情報である要通知情報を取得する要通知情報取得部と、前記乗員の前記情報提示部に対する態様を判別する乗員態様判別部と、前記乗員態様判別部により判別された乗員の態様に応じてその乗員に要通知情報を提示するよう情報提示部を制御する提示制御部と、を有し、前記乗員の態様は、前記情報提示部と乗員との位置関係、前記情報提示部に対する乗員の姿勢、前記情報提示部が乗員に対して提示している情報の内容、乗員の体温、他の乗員との会話の有無、会話の内容、喫食をしているか否か、喫食している飲食物のいずれか一以上である要通知情報提示装置を提供する。
【0009】
また、上記いずれかの構成を備え、情報提示部を複数有し、前記乗員態様判別部は、乗員が複数の情報提示部のうちいずれの情報提示部を利用しているかを特定する情報提示部特定手段を有し、提示制御部は、特定された情報提示部が要通知情報を提示するよう制御する特定提示制御手段を有する要通知情報提示装置を提供する。
【0010】
また、上記いずれかの構成を備え、要通知情報取得部は、要通知情報の乗員に対する通知すべき度合いである通知レベルを取得する通知レベル取得手段を有し、提示制御部は、通知レベルに応じてその要通知情報を情報提示部が提示するよう制御する通知レベル依存提示制御手段を有する要通知情報提示装置を提供する。
【0011】
また、上記いずれかの構成を備え、乗員態様判別部は、情報提示部により乗員が提示されている情報である提示情報の種別である提示情報種別を取得する提示情報種別取得手段を有し、提示制御部は、取得した提示情報種別に応じて要通知情報をその情報提示部が提示するよう制御する提示情報依存提示制御手段を有する要通知情報提示装置を提供する。
【0012】
また、上記いずれかの構成を備え、提示制御部は、情報提示部が提示している情報に対して、要通知情報を相対的に強調表示するよう情報提示部を制御する強調表示手段と、要通知情報として乗員からの車両の操作制御受付用GUIパーツを表示するように情報提示部を制御する操作制御受付用GUIパーツ表示手段と、を有する要通知情報提示装置を提供する。
【0013】
また、車両の乗員に情報を提示することができる情報提示部を有する要通知情報提示装置における要通知情報提示方法であって、車両の運行に関して情報提示部を介して乗員に通知すべき情報である要通知情報を取得する要通知情報取得ステップと、前記乗員の前記情報提示部に対する態様を人感センサ、視線センサ、圧力センサ、カメラのいずれかによって判別する乗員態様判別ステップと、前記乗員態様判別ステップにて判別された乗員の態様に応じてその乗員に要通知情報を提示するよう情報提示部を制御する提示制御ステップと、を有する要通知情報提示方法を提供する。
【0014】
また、車両の乗員に情報を提示することができる情報提示部を有する要通知情報提示装置における要通知情報提示方法であって、車両の運行に関して情報提示部を介して乗員に通知すべき情報である要通知情報を取得する要通知情報取得ステップと、前記乗員の前記情報提示部に対する態様を判別する乗員態様判別ステップと、前記乗員態様判別ステップにて判別された乗員の態様に応じてその乗員に要通知情報を提示するよう情報提示部を制御する提示制御ステップと、を有し、前記乗員の態様は、前記情報提示部と乗員との位置関係、前記情報提示部に対する乗員の姿勢、前記情報提示部が乗員に対して提示している情報の内容、乗員の体温、他の乗員との会話の有無、会話の内容、喫食をしているか否か、喫食している飲食物のいずれか一以上である要通知情報提示方法を提供する。
【0015】
また、車両の乗員に情報を提示することができる情報提示部を有する要通知情報提示装置を動作させるプログラムであって、車両の運行に関して情報提示部を介して乗員に通知すべき情報である要通知情報を取得する要通知情報取得ステップと、前記乗員の前記情報提示部に対する態様を人感センサ、視線センサ、圧力センサ、カメラのいずれかによって判別する乗員態様判別ステップと、前記乗員態様判別ステップにて判別された乗員の態様に応じてその乗員に要通知情報を提示するよう情報提示部を制御する提示制御ステップと、を計算機に実行させるプログラムを提供する。
【0016】
また、車両の乗員に情報を提示することができる情報提示部を有する要通知情報提示装置を動作させるプログラムであって、車両の運行に関して情報提示部を介して乗員に通知すべき情報である要通知情報を取得する要通知情報取得ステップと、前記乗員の前記情報提示部に対する態様を判別する乗員態様判別ステップと、前記乗員態様判別ステップにて判別された乗員の態様に応じてその乗員に要通知情報を提示するよう情報提示部を制御する提示制御ステップと、を計算機に実行させるプログラムであって、前記乗員の態様は、前記情報提示部と乗員との位置関係、前記情報提示部に対する乗員の姿勢、前記情報提示部が乗員に対して提示している情報の内容、乗員の体温、他の乗員との会話の有無、会話の内容、喫食をしているか否か、喫食している飲食物のいずれか一以上であるプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、様々な態様の乗員に対して適切に通知すべき情報を通知することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を用いて説明する。なお、本発明は、これら実施形態に何ら限定されるべきものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得る。
<実施形態1>
<概要>
【0020】
図1は、本実施形態の要通知情報提示装置が採用されている自動運転が可能な車両の車内態様の一例を示す概念図である。図示するように前列に座る乗員は進行方向に背を向け手元のタブレットPCを利用している。そして、後列に座る乗員はラップトップPCを利用している。なお、この車両には、運転するための情報やナビゲーション情報などを表示するための表示装置がダッシュボードに備わっている。
【0021】
このような状況において、例えば、燃料の残量が減少して補給しなければならない場合、その旨を乗員に通知する必要が生じる。かかる通知をダッシュボードに備わる表示装置を介して行ったとしても、背を向けている乗員に適切にその通知が届くか否かは疑わしい。そこで、本装置では、背を向けている乗員に対しては、その乗員が利用しているタブレットPCを介して、残燃料の減少を通知する。これにより乗員に対して通知すべき情報を的確に伝えることが可能になる。
<構成>
【0022】
図2は、本実施形態の要通知情報提示装置の機能ブロックの一例を示すブロック図である。なお、以下に記載する本装置の機能ブロックは、ハードウェア及びソフトウェアの組み合わせとして実現され得る。具体的には、コンピュータを利用するものであれば、CPU(中央演算装置)や主メモリ、システムバス、あるいは二次記憶装置(ハードディスクドライブや不揮発性メモリ、CDやDVDなどの記憶メディアとそれらメディアの読取ドライブなど)、情報入力に利用される入力デバイス、表示装置、その他の外部周辺装置などのハードウェア構成部、またその外部周辺装置用のインターフェース、通信用インターフェース、それらハードウェアを制御するためのドライバプログラムやその他アプリケーションプログラム、ユーザ・インターフェース用アプリケーションなどが挙げられる。
【0023】
そして主メモリ上に展開したプログラムに従ったCPUの演算処理によって、入力デバイスやその他インターフェースなどから入力され、メモリやハードディスク上に保持されているデータなどが加工、蓄積されたり、上記各ハードウェアやソフトウェアを制御するための命令が生成されたりする。あるいは本装置の機能ブロックは専用ハードウェアによって実現されてもよい。また、本装置は一つのハードウェアやソフトウェアにより構成される場合に限られず、複数のハードウェアやソフトウェアの組み合わせによって構成されてもよく、ネットワークを介在したサーバ装置を含んで構成されてもよい。
【0024】
また、この発明は装置として実現できるのみでなく、方法としても実現可能である。また、このような発明の一部をソフトウェアとして構成することができる。さらに、そのようなソフトウェアをコンピュータに実行させるために用いるプログラム、及びプログラムを固定した記録媒体も、当然にこの発明の技術的な範囲に含まれる(本明細書の全体を通じて同様である)。
【0025】
図2に示すように、本実施形態における要通知情報提示装置0200は、情報提示部0201と、要通知情報取得部0202と、乗員態様判別部0203と、提示制御部0204と、広告提示制御部0205を有する。なお、広告提示制御部0205は、本実施形態の要通知情報提示装置の必須の構成ではない。
【0026】
本装置は、上述の通り自動運転可能な車両の乗員に対して要通知情報を提示することを想定するものであるが、自動運転のレベル(個別運転支援、半自動運転、準自動運転、完全自動運転などの段階的に定義されるレベル)を特定するものではなく、ADAS(Advanced Driver Assistance System:先進運転支援システム)を採用する自動車においても有効に作用する。
【0027】
また、車両には自家用車のみならず商用車、工事等用車両なども含まれ四輪車(六輪や八輪などの多輪車を含む)のほか三輪車や二輪車(立ち乗り二輪車を含む)が含まれ、また、船舶や飛行機を含むものとしてもよい。
【0028】
情報提示部0201は、車両の乗員に情報を提示することができる。例えば、車速度や燃料などの車両走行に関する情報を示すディスプレイや音響装備や空調装備などの状態を示すとともにそれらを操作するためのタッチスクリーンや、ナビゲーション装置などが該当するほか、車両の操作とは関係なく映像コンテンツなどを表示するために車内に備わるディスプレイ(例えば後席乗員のためのディスプレイ)などが該当する。
【0029】
また、乗員が車内に持ち込んだスマートフォンやタブレットPCなどの情報処理装置も該当する。なお、情報の提示とは、乗員の視覚、聴覚、触覚などに訴え何らかの情報を示すことをいう。例えば、像や光などにより視覚に訴え、音などにより聴覚に訴え、振動などにより触覚に訴えることにより情報を示す。このように情報提示部は複数存在し得る。
【0030】
要通知情報取得部0202は、車両の運行に関して情報提示部を介して乗員に通知すべき情報である要通知情報を取得する。要通知情報としては、例えば、燃料の残量低下、タイヤの空気圧低下、パンク、各種装備の故障(故障のおそれも含む)、避けられない衝突などの車両自体に関して通知すべき情報がある。また、事故や災害による通行止めや通行規制、渋滞、緊急車両や障害物の接近、降雪や路面凍結などの車両運行と関連する周辺環境に関して通知すべき情報がある。
図3は、取得した要通知情報の一例を示す概念図である。図示するように要通知情報の内容のほか情報の種別や取得日時などと併せて取得してもよい。また、情報の取得先、通知に対する乗員からの応答の有無、再度の通知の要否などを併せて取得及び保持してもよい。
【0031】
これらの要通知情報の取得は、例えば、車両自体に関する情報であれば、車両が備える各種検知手段により取得することができ、また、周辺環境に関する情報であれば、VICS(登録商標)(道路交通情報通信システム)、による情報を受信したり、インターネットを利用して取得したり、レーダー、LIDAR、GPS、カメラなどにより取得することができる。
【0032】
乗員態様判別部0203は、前記乗員の前記情報提示部に対する態様を判別する。情報提示部に対する乗員の態様は、様々に規定することができる。例えば、ナビゲーションのための情報や車両に関する情報を示す車両に備わる情報提示部に対する乗員の態様としては、それら情報提示部と乗員との位置関係、情報提示部に対する乗員の姿勢、情報提示部が乗員に対して提示している情報の内容などがある。また、乗員の体温、他の乗員との会話の有無、会話の内容、喫食をしているか否か、喫食している飲食物などを判別してもよい。
【0033】
このような乗員の態様については、情報提示部が人感センサや視線センサを備えたりカメラを備えたりすることで判別することができる。また、情報提示部に対する操作の有無から近傍の乗員の存否を判別することができる。また、車両の座席に圧力センサを備えたり車内を赤外線カメラにより撮影したりすることで車内における乗員の位置を判別することができる。
【0034】
また、スマートフォンなどの携帯端末やタブレットPCなどのように乗員が車内に持ち込んだ情報提示部に対する乗員の態様としては、情報提示部が乗員によって操作されているか否か、情報提示部がどんな情報を提示しているかなどといったことが挙げられる。また、ディスプレイ全体のうちどの領域に乗員の視線が向いているかなどを判別してもよい。
【0035】
これらの乗員の態様の判別は、情報提示部が振動センサや人感センサなどを備えることで情報提示部を手元に置く乗員の存否を検知するとともに、情報提示部の動作状況(動画コンテンツの表示、音楽コンテンツの再生、インターネットの利用など)を取得することなどにより行う。併せて、乗員の車両内での位置を検知し、その乗員が車両内のどこで、どの情報提示部をどのように利用しているかを判別してもよい。
【0036】
情報提示部が検知した情報や情報提示部の動作状況を示す情報などの取得は、車両自体の種々の情報の取得、保持及び表示等の各種処理やナビゲーションのために車両に備わる情報処理装置(以下、車載情報処理装置とも称する)によって行い得る。また、情報提示部からの各種情報の取得は、車両に持ち込まれた情報提示部と上記の車載情報処理装置との通信を確立することにより実現される。なお、かかる通信は、近距離無線通信、無線LAN、インターネットなどを介して実現される。
【0037】
図4に、乗員態様判別部が判別した乗員の態様の一例を示す図である。本例においては、情報提示部は計4つ設定されている。「位置」は、乗員001の位置を示し、ここでは前席右に位置している。「位置関係」は、各情報提示部と乗員001との位置関係及び姿勢などを示すものである。図示するように、乗員001は運転用ディスプレイの近くにいるものの背面を向けている。一方、携帯端末は乗員の手元にあることが示されている。また、「提示内容」は、各情報提示部が提示している内容を示す。運転用ディスプレイには運転用情報が提示され、ナビ用ディスプレイには地図が提示されているが経路案内は行われていない。また、携帯端末はゲームを提示している。
【0038】
以上のように、乗員態様判別部は、乗員が複数の情報提示部のうちいずれの情報提示部を利用しているかを特定することもでき、かかる機能を果たす手段として情報提示部特定手段を有しているといえる。
【0039】
提示制御部0204は、前記乗員態様判別部により判別された乗員の態様に応じてその乗員に要通知情報を提示するよう情報提示部を制御する。
図5は、
図4の例における乗員の態様に応じて各情報提示部を制御する一例を示す図である。例えば、運転用ディスプレイに対しては運転用情報と併せて要通知情報を表示し注意喚起のための音声出力も行うよう制御する。また、ナビゲーション用のディスプレイには地図の表示に換えて要通知情報を表示するように制御する。また、乗員の手元にある携帯端末に対してはゲーム画面に換えて要注意情報を表示し、注意喚起のための音声を出力するとともに携帯端末を振動させるよう制御する。一方、タブレットPCには要通知情報を表示させるための制御は行わない。
【0040】
このように、乗員の近くに存在し乗員の注意が向けられていることが推測し得る情報提示部が他に優先して要通知情報を乗員に提示するよう制御する。そして、提示された要注意情報に応答するための操作等を行うことが推測し得る運転用ディスプレイやナビ用ディスプレイに対しても要注意情報の提示を行うよう制御する。また、タブレット端末に対しては乗員の注意が向けられていないことが推測できること及び要通知情報を提示する情報提示部が分散して存在することでかえって乗員を混乱させたり的確に対応することの妨げになりかねないので提示させないという制御を行う。なお、上述のとおり、提示の制御には提示させないことも含まれる。
【0041】
また、要通知情報を提示した後に提示した情報の確認を乗員に求めるためのボタンを表示したり、音声返答を受付けるための処理を行うなどしてもよい。また、確認の操作や返答、通知された情報に応答する操作等が乗員によりなされるまで、継続して要通知情報の提示を行うように制御してもよい。
【0042】
以上のように、通知制御部は、乗員が利用していると特定された情報提示部が要通知情報を提示するよう制御することができ、かかる機能を果たす手段として特定提示制御手段を有しているといえる。
【0043】
以上のように、乗員の情報提示部に対する態様を判別し、判別した態様に応じてその乗員に要通知情報を提示するよう情報提示部を制御することにより、通知すべき情報を的確に通知することができる。
【0044】
広告提示制御部0205は、前記乗員態様判別部により判別された乗員の態様または車両に関する条件の少なくとも一方に応じて広告を提示するよう情報提示部を制御する。乗員に対する広告の提示も、乗員の態様や車両の走行状況や周辺環境などに応じて行うことで、より有効に作用すると考えられる。
【0045】
乗員の態様は上述の通りである。「車両に関する条件」とは、車両自体に関する条件や車両を取り巻く周囲や環境などの条件、車両内の情報提示部により提示されている情報の種類など多種多様な条件が該当する。例えば、車検の有効期限、車両の形状、燃料の残量、自動運転のレベル、天気、気候、走行速度、現在地、一般道か高速道路か、周囲の交通量、周囲の車両の自動運転の態様(隊列走行や、隊列を構成する車両数など)、目的地、走行履歴などの諸条件が該当する。
【0046】
これの諸条件は、車両が備える情報処理装置やナビゲーション装置に保持されていたり、車両が備える各種センサにより取得したり、乗員による操作により入力されたり、放送やインターネットを介して取得したり、GPSにより取得したりするなどにより取得及び保持等することができる。
【0047】
広告提示制御部による制御の例としては、燃費の累積データを表示している運転用ディスプレイに対面している乗員に対して自動車用品店の広告を提示するよう運転用ディスプレイを制御する。また、ナビゲーション装置で周辺の飲食店の検索を行っている乗員に対して飲食店の広告を提示するようナビゲーション装置を制御する。また、タブレット端末で観光地の情報を閲覧している乗員に対して旅行の広告を提示するようタブレット端末を制御する。また、車両が県境を越えたときには新たに入った県の特産物の広告を提示するようにいずれかの情報提示部を制御する。また、狭い道や通行人が多い道を走行しているときには広告を提示しないよう情報提示部を制御する。なお、広告の提示をさせないことも情報提示部に対する制御に含まれる。
【0048】
また、広告の提示の態様を乗員の態様や車両に関する条件に応じたものとなるよう情報提示部を制御してもよい。例えば、運転用ディスプレイに対面している乗員に対しては音声出力によってのみ広告を提示するよう制御する。また、渋滞中のオートパイロット走行のときには音声を含む動画の広告を相対的に長時間提示するよう制御し、曲がりくねった山間路を走行しているときは、静止画に商品名の音声出力を合わせたような簡略な広告を提示するよう制御する。
【0049】
また、広告提示制御部は、広告の提示を要通知情報の提示に劣後させるよう情報提示部を制御する劣後広告制御手段を有してもよい。要通知情報は広告よりも乗員に提示する優先度が高いからである。本手段による制御は、例えば、要通知情報が提示されているときは広告の提示を行わないよう情報提示部を制御する。また、広告の提示を行っているときに、要通知情報取得部が要通知情報を取得した場合に、映像による広告の提示を中止し文字のみによる広告を表示画面の隅に表示するよう情報提示部を制御する。
<ハードウェア構成>
【0050】
図6は、上記機能的な各構成要件をハードウェアとして実現した際の、要通知情報提示装置の構成の一例を表す概略図である。この図を利用して要通知情報提示装置に係るそれぞれのハードウェア構成の働きについて説明する。
【0051】
この図にあるように、要通知情報提示装置は、各種演算処理を実行するためのCPU0601と、主メモリ0602と、二次記憶装置0603と、通信インターフェース0604と、各種の検知手段0605と、ディスプレイ0606と、スピーカ0607などを備える。二次記憶装置には検知データ、提示制御プログラムをはじめとする各種プログラムなどが格納されている。CPUはこれら各種プログラムを主メモリに展開したうえで実行する。前記の各ハードウェア構成はシステムバスなどのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
【0052】
まず、CPUは、要通知情報取得プログラムを実行し、格納されている検知データを読出し、さらに通信インターフェースを介して各種の情報を取得し、要通知情報を取得する。そして、乗員態様判別プログラムを実行し、格納されている検知データを読出し乗員の態様を判別する。なお、検知データには、通信インターフェースを介して接続される携帯端末0608やPC装置0609などの機器から取得した検知データも含まれる。
【0053】
そして、提示制御プログラムを実行し、ディスプレイ及びスピーカによる要通知情報の提示を制御する。また、通信インターフェースを介して接続される携帯端末0608やPC装置0609に対して要通知情報を送信するとともにそれらの機器による要通知情報の提示を制御する。
【0054】
また、広告提示制御プログラムを実行し、ディスプレイ及びスピーカの広告の提示や携帯端末などによる広告の提示を制御する。あるいは、広告の提示を要通知情報の提示に劣後させるようディスプレイなどを制御する。
<処理の流れ>
【0055】
図7は、本実施形態の要通知情報提示装置における処理の流れの一例を表すフロー図である。なお、以下に示すステップは、上記のような計算機の各ハードウェア構成によって実行されるステップであっても良いし、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。
【0056】
図示するように、まず、車両の運行に関して情報提示部を介して乗員に通知すべき情報である要通知情報を取得する(要通知情報取得ステップ:S0701)。そして、乗員の前情報提示部に対する態様を判別する(乗員態様判別ステップ:S0702)。そして、乗員態様判別ステップにて判別された乗員の態様に応じてその乗員に要通知情報を提示するよう情報提示部を制御する(提示制御ステップ:S0703)。
【0057】
図8は、本実施形態において広告の提示を制御する処理の流れの一例を表わすフロー図である。図示するように、まず、乗員の前情報提示部に対する態様を判別する(乗員態様判別ステップ:S0801)。そして、乗員態様判別ステップにて判別された乗員の態様または車両に関する条件の少なくとも一方に応じて広告を提示するよう情報提示部を制御する(広告提示制御ステップ:S0802)。
<効果>
【0058】
本実施形態の要通知情報提示装置により、乗員に対して適切に通知すべき情報を通知することができる。
<実施形態2>
<概要>
【0059】
本実施形態の要通知情報提示装置は、実施形態1を基本とし、要通知情報の通知すべき度合いに応じた要通知情報の提示をするよう情報提示部を制御することを特徴とする。
<構成>
【0060】
図9は、本実施形態の要通知情報提示装置の機能ブロックの一例を示すブロック図である。
図9に示すように、本実施形態における要通知情報提示装置0900は、情報提示部0901と、要通知情報取得部0902と、乗員態様判別部0903と、提示制御部0904を有し、要通知情報取得部は通知レベル取得手段0905を有し、提示制御部0904は通知レベル依存提示制御手段0906を有する。なお、広告提示制御部については図示及び説明を省略する。また、情報提示部0901及び乗員態様判別部0903は実施形態1と同様であるので説明を省略する。
【0061】
通知レベル取得手段0905は、要通知情報の乗員に対する通知すべき度合いである通知レベルを取得する。
図10は、通知レベル取得手段により取得された通知レベルが付された要通知情報の例を示す図である。通知レベルは10段階で示し、レベル10が最も通知すべき度合いが高いものとしている。通知レベルの取得は、例えば、要通知情報の内容とその通知レベルとを対応付けたテーブルを保持することなどにより行うことができる。
【0062】
通知レベル依存提示制御手段0906は、通知レベルに応じてその要通知情報を情報提示部が提示するよう制御する。例えば、通知レベルの高い要通知情報についてはその提示に際し注意喚起のための警告音を大きな音量で出力してから提示したり、乗員の視覚に訴えるためにディスプレイを点滅発光させたり、携帯端末を振動させるなどの態様がある。また、要通知情報の提示を繰り返すなどして提示する時間を長くするなどしてもよい。
【0063】
また、通知レベルが低い要通知情報については、例えば動画コンテンツを表示しているディスプレイの隅に文字をスクロール表示させコンテンツ視聴の妨げにならないようにしてもよい。また、要通知情報の概略のみを提示し、詳細な情報の提示を求める操作を乗員から受付けない場合には、概略の提示で止めるよう制御してもよい。
【0064】
本実施形態の要通知情報提示装置は、実施形態1のハードウェア構成に準じて実現することができる。また、処理の流れについては、要通知情報取得ステップにおいて要通知情報の通知レベルを取得する処理を含み、提示制御ステップにおいて取得した通知レベルに応じて提示制御部を制御する処理を含むことのほかは実施形態1における処理の流れと同様である。
<効果>
【0065】
要通知情報の通知レベルに応じた要通知情報の提示をすることがで、とくに通知すべき情報を乗員に的確に通知することができる。
<実施形態3>
<概要>
【0066】
本実施形態の要通知情報提示装置は、実施形態1又は2を基本とし、情報提示部により乗員が提示されている情報の種別に応じて要通知情報を提示することを特徴とする。
<構成>
【0067】
図11は、本実施形態における要通知情報提示装置の機能ブロックの一例を示すブロック図である。
図11に示すように、本実施形態における要通知情報提示装置1100は、情報提示部1101と、要通知情報取得部1102と、乗員態様判別部1103と、提示制御部1104を有し、乗員態様判別部は提示情報種別取得手段1105を有し、提示制御部は提示情報依存提示制御手段1106を有する。なお、広告提示制御部については図示及び説明を省略する。また、情報提示部1101及び要通知情報取得部1102は実施形態1又は2と同様であるので説明を省略する。
【0068】
提示情報種別取得手段1105は、情報提示部により乗員が提示されている情報である提示情報の種別である提示情報種別を取得する。提示情報の種別は、例えば、車両走行のための情報、経路案内、テレビ放送、媒体に記録された動画コンテンツ、インターネットの利用、ゲーム、各種アプリケーションの実行など種々あげることができる。さらに、放送されている番組、動画コンテンツの内容、利用しているサイトやサービスの種別(例えば、SNS、検索、ニュースの別など)などのようにより詳細な種別を提示情報種別として取得してもよい。また、乗員態様判別部1103が、そのような提示情報すなわち閲覧情報に対する乗員の操作情報(例えば、スワイプ中、文字列などのクエリ入力中等)を取得してもよい。などのようにより詳細な種別を提示情報種別として取得してもよい。
【0069】
提示情報依存提示制御手段1106は、取得した提示情報種別及び操作情報の少なくとも一方に応じて要通知情報をその情報提示部が提示するよう制御する。例えば、取得した提示情報種別がテレビ放送のワイドショー番組である場合には、テレビ放送の提示に換えて要通知情報を提示するよう情報提示部を制御する。また、提示情報種別がインターネットでの株など金融商品の取引サイトであって、売買注文寸前の画面である場合には、提示されている情報を乗員が見ることの妨げにならないよう表示画面の隅にテキストのみで表示したり、通知レベルが所定以上であるよう通知情報を提示するよう制御する。あるいは、売買のためなどの操作が行われている間や、スワイプ中、文字列などのクエリ入力中等は要通知情報の提示をせず、所定時間操作が行われなくなってから要通知情報を提示するよう制御してもよい。
【0070】
また、複数の要通知情報を取得した場合に、いずれの要通知情報を優先して提示させるかを、取得した提示情報種別に応じて定めるようにしてもよい。例えば、取得した提示情報種別が「給油所までの経路案内」であるとき、要通知情報として「前照灯の故障」と「進路上の渋滞」とを取得した場合、「進路上の渋滞」を優先して提示するよう制御するといった具合である。
【0071】
本実施形態の要通知情報提示装置は、実施形態1又は2のハードウェア構成に準じて実現することができる。また、処理の流れについては、乗員態様判別ステップにおいて提示情報の種別を取得する処理を含み、提示制御ステップにおいて取得した提示情報種別に応じて提示制御部を制御する処理を含むことのほかは実施形態1又は2における処理の流れと同様である。
<効果>
【0072】
本実施形態の要通知情報提示装置により、乗員が提示されている提示情報の種別に応じた要通知情報の提示をすることができる。
<実施形態4>
<概要>
【0073】
本実施形態の要通知情報提示装置は、実施形態1から3のいずれかを基本とし、要通知情報を提示されている情報よりも強調して提示し、また、車両の操作等を行うためのGUIパーツを要通知情報として表示することを特徴とする。
<構成>
【0074】
図12は、本実施形態の要通知情報提示装置の機能ブロックの一例を示すブロック図である。
図12に示すように、本実施形態における要通知情報提示装置1200は、情報提示部1201と、要通知情報取得部1202と、乗員態様判別部1203と、提示制御部1204を有し、提示制御部1204は強調表示手段1205と、操作制御受付用GUIパーツ表示手段1206を有する。なお、広告提示制御部については図示及び説明を省略する。また、情報提示部1201、要通知情報取得部1202及び乗員態様判別部1203は実施形態1から3のいずれかと同様であるので説明を省略する。
【0075】
強調表示手段1205は、情報提示部が提示している情報に対して、要通知情報を相対的に強調表示するよう情報提示部を制御する。
図13は、要通知情報を相対的に強調表示する一例を示す概念図である。
【0076】
図示するように、情報提示部である携帯端末には、あるコンテンツの要素として、花のひまわりの画像(以下「ひまわり画像」)が表示されているとする。ここで、要通知情報を取得すると「ひまわり画像」を薄く表示する一方、「Warning! 燃料が減っています」という要通知情報をひまわり画像に重畳して表示することで強調表示している。この例のように要通知情報を提示することで乗員に対して要通知情報を的確に通知することができる。
【0077】
操作制御受付用GUIパーツ表示手段1206は、要通知情報として乗員からの車両の操作制御受付用GUIパーツを表示するように情報提示部を制御する。
図14は、操作制御受付用GUIパーツの一例を表示した概念図である。
【0078】
図示するように、「Warning! 燃料が減っています」という要通知情報を表示するとともに、「給油所を検索する」というGUIパーツを表示する。このGUIパーツを乗員が押すことで周辺の給油所の検索や経路案内の操作が受付けられる。なお、GUIパーツの表示は、例示したほか、例えば、自動運転のモード変更や自動運転から手動運転への切り替えなど種々の操作制御を受付けるためのものが表示される。
【0079】
本実施形態の要通知情報提示装置は、実施形態1から3のいずれかのハードウェア構成に準じて実現することができる。また、処理の流れについては、提示制御ステップにおいて情報提示部が提示している情報に対して要通知情報を相対的に強調表示するよう情報提示部を制御する処理や、要通知情報として乗員からの車両の操作制御受付用GUIパーツを表示するように情報提示部を制御する処理を含むことのほかは実施形態1から3のいずれかにおける処理の流れと同様である。
<効果>
【0080】
本実施形態の要通知情報提示装置により、要通知情報を乗員に適切に通知できるとともに、要通知情報に対する応答操作などを乗員が行いやすくすることができる。