(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6346465
(24)【登録日】2018年6月1日
(45)【発行日】2018年6月20日
(54)【発明の名称】日焼け止め化粧料
(51)【国際特許分類】
A61K 8/29 20060101AFI20180611BHJP
A61K 8/89 20060101ALI20180611BHJP
A61K 8/27 20060101ALI20180611BHJP
A61K 8/06 20060101ALI20180611BHJP
A61Q 17/04 20060101ALI20180611BHJP
【FI】
A61K8/29
A61K8/89
A61K8/27
A61K8/06
A61Q17/04
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-43773(P2014-43773)
(22)【出願日】2014年3月6日
(65)【公開番号】特開2015-168642(P2015-168642A)
(43)【公開日】2015年9月28日
【審査請求日】2017年3月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000113470
【氏名又は名称】ポーラ化成工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126505
【弁理士】
【氏名又は名称】佐貫 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100131392
【弁理士】
【氏名又は名称】丹羽 武司
(74)【代理人】
【識別番号】100100549
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 嘉之
(74)【代理人】
【識別番号】100151596
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100168996
【弁理士】
【氏名又は名称】諌山 雅美
(72)【発明者】
【氏名】本間 茂継
【審査官】
駒木 亮一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2015−117190(JP,A)
【文献】
特開2010−184912(JP,A)
【文献】
特開2013−216583(JP,A)
【文献】
特開2007−238645(JP,A)
【文献】
特開2004−169015(JP,A)
【文献】
特開2010−173863(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00−8/99
A61Q 1/00−90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分A及びBを含有することを特徴とする日焼け止め化粧料。
A)微粒子二酸化チタン
B)粒径が0.1〜2.0μmであり90%以上が1.0μm以下の粒径を有する球状ポリメチルシルセスキオキサン粉末
【請求項2】
微粒子二酸化チタンの含有量が化粧料全体に対して1.0〜15.0質量%であることを特徴とする請求項1記載の日焼け止め化粧料。
【請求項3】
粒径が0.1〜2.0μmであり90%以上が1.0μm以下の粒径を有する球状ポリメチルシルセスキオキサン粉末の含有量が化粧料全体に対して0.1〜15.0質量%であることを特徴とする請求項1または2記載の日焼け止め化粧料。
【請求項4】
さらに、微粒子酸化亜鉛を含有することを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の日焼け止め化粧料。
【請求項5】
乳化剤形であることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載の日焼け止め化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は日焼け止め化粧料に関し、さらに詳細には紫外線に対する防御能が高く、かつ透明感ある自然な仕上がりを与える紫外線防御化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
紫外線の肌に対する影響はよく知られており、肌を紫外線から防御する化粧料、いわゆる、日焼け止め化粧料が多用されるようになっている。化粧料に紫外線防御能を付与する手段として、紫外線A領域、紫外線B領域に吸収を持つ、いわゆる紫外線吸収剤が古くから用いられてきた。しかしながら、これら紫外線吸収剤の多くは高粘の油剤であり、高い紫外線防御能を得るために、化粧料へ高濃度で配合すると使用性が著しく低下するという課題を有していた。
【0003】
これら、紫外線吸収剤の課題を解決するために、サブミクロンの一次粒子径を有する、いわゆる無機酸化物微粒子が利用されるようになってきた。A領域の紫外線に対する防御能を付与するためには微粒子酸化亜鉛が、B領域の紫外線に対する防御能を付与するためには微粒子二酸化チタンが用いられ、これらを併用することでA、B両領域の紫外線に対する防御能が付与されている。(例えば特許文献1,特許文献2参照)
【0004】
しかしながら、微粒子二酸化チタンは微粒子に起因するブルーシフトが強いため、これらの化粧料には、肌上に化粧料を塗布した場合に青白く不自然な外観を与えるという課題があった。これらの課題を解決するために、紫外線吸収剤と微粒子無機酸化物を併用する化粧料(例えば特許文献3,4参照)、微粒子二酸化チタンと反射干渉色がオレンジ乃至黄色または金色である粉体を併用する化粧料(例えば特許文献5参照)、などが試みられているが、その効果は未だ充分ではない。さらに、微粒子二酸化チタンと一定の色相の有色顔料を併用し、顔料級の二酸化チタンの配合量を低減させた化粧料(例えば特許文献6参照)も試みられているが、この技術においては、顔料級の二酸化チタンの含有量が少ないためカバー力が不足する場合があるという課題があった。
【0005】
したがって、紫外線に対する防御能が高く、カバー力が充分でベースメークとしても使用可能な、塗布時に透明感ある仕上がりが得られる日焼け止め化粧料が求められていた。一方、微粒子二酸化チタンと特定の粒度分布を有する球状のポリメチルシルセスキオキサン粉末との含有する日焼け止め化粧料が上記要求を満たすことは知られていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−208044号公報
【特許文献2】特開2009−155332号公報
【特許文献3】特開2007−145722号公報
【特許文献4】特開2010―222349号公報
【特許文献5】特開2000−319156号公報
【特許文献6】特開2013−18766号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、紫外線に対する防御能が高く、カバー力が充分でベースメークとしても使用可能な、塗布時に透明感ある仕上がりが得られる日焼け止め化粧料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような状況に鑑み、本紫外線に対する防御能が高く、カバー力が充分でベースメークとしても使用可能な、塗布時に透明感ある仕上がりが得られる日焼け止め化粧料をもとめて鋭意研究した結果、微粒子二酸化チタン及び特定の粒度分布をを有する球状ポリメチルシルセスキオキサン粉末を含有する日焼け止め化粧料が課題を解決することを見出し、本発明に至った。すなわち本発明は以下に示す通りである。
(1)下記成分A及びBを含有することを特徴とする日焼け止め化粧料。
A)微粒子二酸化チタン
B)粒径が0.1〜2.0μmであり90%以上が1.0μm以下の粒径を有する
球状ポリメチルシルセスキオキサン粉末
(2)微粒子二酸化チタンの含有量が1.0〜15.0質量%であることを特徴とする(1)記載の日焼け止め化粧料。
(3)粒径が0.1〜2.0μmであり90%以上が1.0μm以下の粒径を有する球状ポリメチルシルセスキオキサン粉末の含有量が0.1〜15.0質量%であることを特徴とする(1)または(2)記載の日焼け止め化粧料。
(4)さらに、微粒子酸化亜鉛を含有することを特徴とする(1)〜(3)いずれかに記載の日焼け止め化粧料。
(5)乳化剤形であることを特徴とする(1)〜(4)いずれかに記載の日焼け止め化粧料。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば紫外線に対する防御能が高く、カバー力が充分でベースメークとしても使用可能な、塗布時に透明感ある仕上がりが得られる日焼け止め化粧料が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(1)本発明の日焼け止め化粧料の必須成分である微粒子二酸化チタン。
本発明の日焼け止め化粧料は必須成分として微粒子二酸化チタンを含有する。ここでいう微粒子とは一次粒子径(電子顕微鏡観察による。)が約10〜60nmの範囲にあるものを指す。また、本発明の微粒子二酸化チタンは、シリカ、アルミナ等の無機化合物或いは、脂肪酸金属石鹸、シリコーン等の有機化合物によりその表面が被覆されていても良い。本発明の微粒子二酸化チタンは、四塩化チタン等の気相中での熱分解等の常法により調製されうるが、多くの市販品も存在するので、市販品をそのまま用いることもできる。このような市販品としては、具体的には「MTY−110M3S」(テイカ株式会社製)、「MTY−02」(テイカ株式会社製)、「MT−100TV」(テイカ株式会社製)、「MT−500HSA」(テイカ株式会社製)、「MT−100T」(テイカ株式会社製)、「MT−01」(テイカ株式会社製)、「MT−10EX」(テイカ株式会社製)、「MT−05」(テイカ株式会社製)、「MT−100Z」(テイカ株式会社製)、「MT−150EX」(テイカ株式会社製)、「MT−100AQ」(テイカ株式会社製)、「MT−100WP」(テイカ株式会社製)、「MT−100SA」(テイカ株式会社製)、「MT−500B」(テイカ株式会社製)、「MT−500SA」(テイカ株式会社製)、「MT−600B」(テイカ株式会社製)、「MT−500SAS」(テイカ株式会社製)、「タイペークCR−50」(石原産業株式会社製)、「タイペークTTO−M−1」(石原産業株式会社製)「タイペークTTO−V4」(石原産業株式会社製)、「ST−455」(チタン工業株式会社製)、「STT−65C−S」(チチタン工業株式会社製)、「STT−30EHS」(チタン工業株式会社製)、「バイエルチタンR−KB−1」(バイエル社製)等が挙げられる。本発明において、微粒子二酸化チタンを日焼け止め化粧料に含有せしめる場合、日焼け止め化粧料を構成する他成分と直接混合するより、予め微粒子二酸化チタンを油剤中に分散させてペーストとなし、該ペーストと日焼け止め化粧料を構成する他成分と混合する工程をとることが好ましい。このような工程をとることにより、微粒子二酸化チタンを日焼け止め化粧料中により均一に含有させることが可能となる。
【0011】
本発明の日焼け止め化粧料における、微粒子二酸化チタンの含有量は化粧料全体に対して1.0〜15.0質量%であることが好ましく、2.0〜10.0質量%であることがより好ましい。含有量が下限以下では、紫外線に対する防御効果が不十分な場合があり、また、上限以上では、含有量を増加させても紫外線に対する防御効果が頭打ちになり、日焼止め化粧料を肌上に塗布した際に青白い外観が目立つ場合があり好ましくない。
【0012】
以下、微粒子二酸化チタンの油剤分散ペーストの製造例を示す。
<製造例1>
微粒子二酸化チタン「MT−100TV」(テイカ株式会社製)50g、デカメチルシクロペンタシロキサン46g、セスキイソステアリン酸ソルビタン4gをコボールミル(神鋼パンテック(株)製)にとり、8時間混合粉砕を行い、微粒子二酸化チタンペースト1を得た。
【0013】
<製造例2>
製造例1における微粒子に酸化チタンを「タイペークTTO−M−1」(石原産業株式会社製に代え、製造例1と同様の操作を行って、微粒二酸化チタンペースト2を得た。
【0014】
(2)本発明の日焼け止め化粧料の必須成分である球状ポリメチルシルセスキオキサン粉末
本発明の日焼け止め化粧料は粒径が0.1〜2.0μmであり90%以上が1.0μm以下の粒径を有する球状ポリメチルシルセスキオキサン粉末(以下 球状シリコーン粉末と称する)を必須成分として含有する。かかる、球状シリコーン粉末は、例えば、通常の球状ポリメチルシルセスキオキサンの製法により調製した後、分級等の操作を行って得ることもできるが、市販品が存在するので、そのような市販品を入手して用いることも可能である。市販品としては、具体的に、「シリコーンパウダーMSP−N050」(日興リカ株式会社製)等が挙げられる。
【0015】
本発明の日焼け止め化粧料における球状シリコーン粉末乾燥粉の含有量は化粧料全量に対して、0.1〜15.0質量%であることが好ましく、より好ましくは、0.5〜10.0質量%である。このような範囲とすることで、充分なカバー力と透明感ある仕上がりが得られる
【0016】
<3>本発明の微粒子酸化亜鉛
本発明の日焼け止め化粧料は、紫外線防御効果がよりに高まることから、微粒子酸化亜鉛を有することが好ましい。ここでいう微粒子とは一次粒子径(電子顕微鏡観察による。)が約10〜60nmの範囲にあるものを指す。また、本発明の微粒子酸化亜鉛は、シリカ、アルミナ等の無機化合物或いは、脂肪酸金属石鹸、シリコーン等の有機化合物によりその表面が被覆されていても良い。このような微粒子酸化亜鉛は、常法により製造されうるが、多くの市販品も存在するので、市販品をそのまま用いることもできる。このような市販品としては、具体的には「MZ−300」(テイカ株式会社製)、「MZY−303S」(テイカ株式会社製)、「MZ−306X」(テイカ株式会社製)、「MZ−500」(テイカ株式会社製)、「MZY−505S」(テイカ株式会社製)、「MZ−506X」(テイカ株式会社製)、「MZ−510HPSX」(テイカ株式会社製)、「WSX−MZ−700」(テイカ株式会社製)、「SANT−UFZO−450」(テイカ株式会社製)、「SANT−UFZO−500」(三好化成株式会社製)、「FZO−50」(石原産業株式会社製)、「マックスライトZS−032」(昭和電工株式会社製)、「マックスライトZS−032D」(昭和電工株式会社製)等が挙げられる。本発明において、微粒子酸化亜鉛を日焼け止め化粧料に含有せしめる場合、日焼け止め化粧料を構成する他成分と直接混合するより、予め微粒子酸化亜鉛を油剤中に分散させてペーストとなし、該ペーストと日焼け止め化粧料を構成する他成分と混合する工程をとることが好ましい。このような工程をとることにより、微粒子酸化亜鉛を日焼け止め化粧料中により均一に含有させることが可能となる。
【0017】
本発明の日焼け止め化粧料における、微粒子酸化亜鉛の含有量は化粧料全体に対して1.0〜15.0質量%であることが好ましく、2.0〜10.0質量%であることがより好ましい。含有量が下限以下では、紫外線に対する防御効果を向上させる添加効果が不充分な場合があり、また、上限以上では、含有量を増加させても添加効果が頭打ちになり、日焼止め化粧料を肌上に塗布した際に白っぽさが目立つ場合があり好ましくない
以下、微粒子酸化亜鉛の油剤分散ペーストの製造例を示す。
【0018】
<製造例3>
製造例1における微粒子二酸化チタンを微粒子酸化亜鉛「マックスライトZS−032」(昭和電工株式会社製)に代え、製造例1と同様の操作を行って、微粒酸化亜鉛ペースト1を得た。
【0019】
<製造例4>
製造例1における微粒子二酸化チタンを微粒子酸化亜鉛「FZO50」(石原産業株式会社製)に代え、製造例1と同様の操作を行って、微粒酸化亜鉛ペースト2を得た。
<4>本発明の日焼け止め化粧料。
本発明の日焼け止め化粧料は、必須成分として、微粒子二酸化チタン及び球状シリコーン粉末を含有し、場合に応じて微粒子酸化亜鉛を含有することを特徴とする。
【0020】
さらに、本発明の日焼け止め化粧料は上記必須成分以外に通常化粧料で使用される任意成分を発明の効果を損なわない範囲で含有することができる。かかる任意成分としては、例えば、マカデミアナッツ油、アボガド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワックス類、流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類、オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール等、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコーン油等の油剤類、脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等のアニオン界面活性剤類、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類、イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類、ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2−オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類、ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ヘキシレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等の多価アルコール類、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類、グアガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、ペクチン、マンナン、デンプン、キサンタンガム、カードラン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、グリコーゲン、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、ムコイチン硫酸、ヒドロキシエチルグアガム、カルボキシメチルグアガム、デキストラン、ケラト硫酸,ローカストビーンガム,サクシノグルカン,カロニン酸,キチン,キトサン、カルボキシメチルキチン、寒天、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ベントナイト等の増粘剤、表面を処理されていても良い、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類、表面を処理されていても良い、酸化コバルト、群青、紺青、酸化亜鉛の無機顔料類、表面処理されていても良い、酸化鉄二酸化チタン焼結体等の複合顔料、表面を処理されていても良い、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類、表面処理されていても良い、微粒子酸化亜鉛、レーキ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類、ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類、パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤等のB領域の紫外線吸収剤、ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB6塩酸塩,ビタミンB6トリパルミテート,ビタミンB6ジオクタノエート,ビタミンB2又はその誘導体,ビタミンB12,ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類、α−トコフェロール,β−トコフェロール,γ−トコフェロール,ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類などが例示できる。
【0021】
また、本発明の日焼け止め化粧料としては、パウダーファンデーション等の粉末化粧料、オイルゲル等の油性化粧料、油中水形或いは水中油形の乳化化粧料と、その形態は、特に限定されないが、日焼け止め化粧料が多用される夏に、さっぱりとした使用感が求められることから、乳化化粧料であることが好ましい。本発明の化粧料は上記必須成分と任意成分とを常法により処理することにより得られる。
【実施例】
【0022】
以下、実施例に基づき、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明が以下の実施例に限定されるものではない。
【0023】
<実施例1〜5、比較例1〜4>
表1に示す処方に従って、本発明の日焼け止め化粧料である、ファンデーション及び比較例のファンデーションを調製した。すなわち、成分(イ)を75℃に加熱し、攪拌混合した。次に、成分(イ)に成分(ロ)を添加し、加熱を続けながら、ディスパーを用いて攪拌し、成分(イ)に成分(ロ)を均一に分散させた。さらに、成分(ハ)を75℃に加熱、攪拌混合し、75℃を保ちながら、成分(イ)と成分(ロ)の混合物に成分(ハ)を攪拌下、添加し乳化を行った。その後、室温まで冷却し、ファンデーションを得た。なお表中の数字は質量%を表す。
【0024】
【表1】
*1)「ダーマリアルリーフJ」 日揮触媒株式会社製
*2)電子顕微鏡観察による粒径が0.1〜1.0μmの二酸化チタン
*3)「シリコーンパウダーMSP−N050」 日興リカ株式会社製
【0025】
<試験例1>SPF値の測定
ISO24444の方法により実施例1〜5、比較例1〜4のファンデーションを塗布した場合のSPF値を測定した。結果を表2に示す。
【0026】
<試験例2>PA値の評価
JCiA1995PFAの試験方法により実施例1〜5、比較例1〜4のファンデーションを塗布した場合のPA値を評価した。結果を表2に示す。
【0027】
<試験例3>塗布時の仕上がりの評価
熟練評価者5名により実施例1〜5、比較例1〜4のメークアップベースを塗布した場合の仕上がりについての官能評価を行った。評価項目及び評価基準は以下の通りである。評価では、5名の平均値を求めそのファンデーションの評点とした。結果を表2に示す。
塗布化粧膜の透明感が比較例1と比較して
かなりある・・・・・・・・・5点
ある・・・・・・・・・・・・4点
同等・・・・・・・・・・・・3点
ややない・・・・・・・・・・2点
ほとんどない・・・・・・・・1点
塗布時のカバー力(肌欠点の隠ぺい力)が比較例1と比較して
かなりある・・・・・・・・・5点
ある・・・・・・・・・・・・4点
同等・・・・・・・・・・・・3点
ややない・・・・・・・・・・2点
ほとんどない・・・・・・・・1点
【0028】
【表2】
表2の結果から、明らかなように本発明の日焼け止め化粧料は高い紫外線防御効果を有し、透明感とカバー力を併せ持つ仕上がりが得られることが確認された。
【0029】
<実施例6〜10、比較例5〜8>
表3の処方に従って、本発明の日焼け止め化粧であるサンスクリーンパウダー及び比較例のサンスクリーンパウダーを作成した。すなわち、表3(イ)成分をヘンシェルミキサーで混合した後、パルベライザーで粉砕した。その後、再びヘンシェルミキサーでこの混合物を攪拌しながら(ロ)成分を添加し、混合を続け、得られた混合物をヘンシェルミキサーから取り出した後、再びパルベライザーで粉砕し、常法により、金型を用いて半自動プレス機にてアルミナ中皿への充填し、サンスクリーンパウダーを得た。なお、表中の数字は質量%を表す。られた実施例6〜10、及び比較例5〜8のサンスクリーンパウダーのSPF値,PA値及び塗布時の仕上がりの評価を、試験例1〜3と同様に行った。結果を表4に示す。
【0030】
【表3】
*1)「MT−100SA」 テイカ株式会社製
*2)電子顕微鏡観察による粒径が0.1〜1.0μmの二酸化チタン
*3)「ダーマリアルリーフJ」 日揮触媒株式会社製
*4)「シリコーンパウダーMSP−N050」 日興リカ株式会社製
【0031】
【表4】
表4の結果から、本発明の効果が粉末化粧料においても確認された。