(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記商品見本保持部は、前記前面部材の後側においてシート状の価格表示ラベルを保持する価格表示ラベル保持部材を更に有しており、前記商品見本保持部は、前記価格表示ラベルも前記扉体の後側より出し入れ可能となるよう構成されており、前記前面部材と前記価格表示ラベル保持部材との間には前記価格表示ラベルの少なくとも側縁部が着脱自在に嵌入される隙間が形成されている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の商品見本展示装置。
前記商品見本保持部の底部には係合部が設けられており、前記保持機構の上面には前記商品見本保持部の前記係合部が着脱自在に係合される被係合部が設けられている、請求項6記載の商品見本展示装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の自動販売機では、前扉の前面に設けられる透明な窓板から商品見本や価格表示ラベルを視認可能に陳列する商品見本陳列部が設けられており、この商品見本陳列部に、シート状の商品見本や価格表示ラベルを保持する商品見本保持部が陳列されるようになっていた。より詳細には、商品見本や価格表示ラベルを保持する商品見本保持部を自動販売機の前扉や中扉に取り付けていたが、このような商品見本保持部において商品見本や価格表示ラベルは前扉や中扉の前側から出し入れ可能となっていた。しかしながら、商品見本保持部が自動販売機の前扉に取り付けられている場合には、商品見本や価格表示ラベルを出し入れする際や前扉の前面に設けられる透明な窓板を掃除する際に、メンテナンス員は前扉を開いた後に商品見本保持部を前扉から取り外す必要があり、メンテナンス員の作業負担が大きいという問題があった。また、自動販売機に展示される商品見本の数が増えた場合には、前扉から取り外さなければならない商品見本保持部の数も増えてしまい、メンテナンス員の作業負担が益々大きくなってしまうという問題があった。また、商品見本保持部が自動販売機の中扉に取り付けられている場合には、メンテナンス員は前扉を開いた後に商品見本保持部を中扉から取り外さなくても商品見本や価格表示ラベルの交換が可能となるが、前扉や中扉を閉じて自動販売機が販売待機状態となった際に商品見本や価格表示ラベルを前扉の前面に設けられる透明な窓板の近傍に配置する必要があるため、商品見本保持部は中扉の前面からの飛び出しが大きくなってしまい、オペレート作業やメンテナンス作業の邪魔になってしまったり、あるいは商品見本保持部に引っ掛けたり物をぶつけたりして破損してしまったりするおそれがあった。
【0005】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、商品見本保持部を扉体から取り外さなくても商品見本の交換を直接行うことができ、このためメンテナンス員の作業負担を軽減することができる商品見本展示装置およびこのような商品見本展示装置を備えた自動販売機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の商品見本展示装置は、自動販売機本体前面に設けられた扉体と、前記扉体に設けられ、シート状の商品見本を陳列する商品見本陳列部と、前記商品見本陳列部に陳列される前記商品見本を保持する商品見本保持部であって、前記商品見本を前記扉体の後側より出し入れ可能となるよう構成された商品見本保持部と、を備え
、前記商品見本保持部は、透明または半透明の材料からなり前記商品見本保持部により保持された前記商品見本の前面に位置する前面部材と、前記前面部材の後側において前記商品見本を保持する商品見本保持部材とを有しており、前記前面部材と前記商品見本保持部材との間には前記商品見本の少なくとも側縁部が着脱自在に嵌入される隙間が形成されていることを特徴とする。
【0007】
このような商品見本展示装置によれば、商品見本を扉体の後側より出し入れ可能となるよう商品見本保持部が構成されていることにより、商品見本保持部を扉体から取り外さなくても商品見本の交換を直接行うことができ、このためメンテナンス員の作業負担を軽減することができる。
【0008】
本発明の商品見本展示装置においては、前記商品見本保持部は、複数の前記商品見本を横方向に並んだ状態で保持するよう構成されていてもよい。
【0010】
この場合、前記商品見本保持部には、1または複数の前記前面部材が横方向に並んだ状態で設けられていてもよい。
【0011】
また、前記商品見本保持部は、前記前面部材の後側においてシート状の価格表示ラベルを保持する価格表示ラベル保持部材を更に有しており、前記商品見本保持部は、前記価格表示ラベルも前記扉体の後側より出し入れ可能となるよう構成されており、前記前面部材と前記価格表示ラベル保持部材との間には前記価格表示ラベルの少なくとも側縁部が着脱自在に嵌入される隙間が形成されていてもよい。
【0012】
この場合、前記商品見本保持部において前記価格表示ラベル保持部材は前記商品見本保持部材の上方または下方に設けられていてもよい。
【0013】
本発明の商品見本展示装置は、
自動販売機本体前面に設けられた扉体と、前記扉体に設けられ、シート状の商品見本を陳列する商品見本陳列部と、前記商品見本陳列部に陳列される前記商品見本を保持する商品見本保持部であって、前記商品見本を前記扉体の後側より出し入れ可能となるよう構成された商品見本保持部と、前記扉体に着脱自在に取り付けられ、1または複数の前記商品見本保持部を横方向に並べた状態で保持する保持機構と
、を備え、前記商品見本保持部は他の前記商品見本保持部から独立して前記保持機構に対して着脱自在となってい
ることを特徴とする。
【0014】
この場合、前記商品見本保持部の底部には係合部が設けられており、前記保持機構の上面には前記商品見本保持部の前記係合部が着脱自在に係合される被係合部が設けられていてもよい。
【0015】
本発明の自動販売機は、上述した商品見本展示装置を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の商品見本展示装置およびこの商品見本展示装置を備えた自動販売機によれば、商品見本保持部を扉体から取り外さなくても商品見本の交換を直接行うことができ、このためメンテナンス員の作業負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施の形態による自動販売機の商品見本展示装置を後側から見たときの構成を示す斜視図である。
【
図2】
図1に示す商品見本展示装置における2つの商品見本保持部およびこれらの商品見本保持部を保持する保持機構(ブラケット)の構成を示す斜視図である。
【
図3】
図2に示す各商品見本保持部が保持機構から取り外された時の状態を示す斜視図である。
【
図4】
図2に示す各商品見本保持部および保持機構の背面図である。
【
図5】
図2に示す各商品見本保持部および保持機構を下方から見たときの構成を示す下面図である。
【
図6】
図1に示す商品見本展示装置において参照符号Aで示される領域を拡大して示す拡大斜視図である。
【
図7】
図2に示す商品見本保持部を商品見本展示装置の前側から見たときの構成を示す斜視図である。
【
図8】
図7に示す商品見本保持部を後側上方から見たときの構成を示す斜視図である。
【
図9】
図7に示す商品見本保持部を後側下方から見たときの構成を示す斜視図である。
【
図10】
図7に示す商品見本保持部を後側から見たときの背面図である。
【
図11】
図10に示す商品見本保持部のA−A矢視による断面図である。
【
図13】
図2に示す商品見本保持部にシート状の商品見本や価格表示ラベルを保持させる際の動作を示す斜視図である。
【
図14】従来技術の自動販売機の商品見本展示装置を後側から見たときの構成を示す斜視図である。
【
図15】
図14に示す商品見本展示装置の商品見本保持部にシート状の商品見本や価格表示ラベルを保持させる際の動作を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1乃至
図13は、本実施の形態による自動販売機の商品見本展示装置を示す図である。このうち、
図1は、本実施の形態による自動販売機の商品見本展示装置を後側から見たときの構成を示す斜視図であり、
図2は、
図1に示す商品見本展示装置における2つの商品見本保持部およびこれらの商品見本保持部を保持する保持機構(ブラケット)の構成を示す斜視図であり、
図3は、
図2に示す各商品見本保持部が保持機構から取り外された時の状態を示す斜視図である。また、
図4は、
図2に示す各商品見本保持部および保持機構の背面図であり、
図5は、
図2に示す各商品見本保持部および保持機構を下方から見たときの構成を示す下面図であり、
図6は、
図1に示す商品見本展示装置において参照符号Aで示される領域を拡大して示す拡大斜視図である。また、
図7乃至
図12は、
図2に示す商品見本保持部の構成を示す斜視図や背面図等である。また、
図13は、
図2に示す商品見本保持部にシート状の商品見本や価格表示ラベルを保持させる際の動作を示す斜視図である。
【0019】
本実施の形態に係る商品見本展示装置10は、たばこ等のパッケージ商品の自動販売機により販売されるべき商品の種類に対応するシート状の商品見本および価格表示ラベルを展示するものであり、このような商品見本展示装置10は自動販売機における縦長の略直方体形状の販売機本体の前面に設置されている。
図1は、商品見本展示装置10を後側から見たときの構成を示す斜視図である。
図1に示すように、商品見本展示装置10は、自動販売機本体前面に設けられた前扉としての扉体12と、扉体12に設けられ、シート状の商品見本および価格表示ラベルを陳列する商品見本陳列部14と、商品見本陳列部14に陳列される商品見本および価格表示ラベルを保持する商品見本保持部30とを備えている。より詳細には、商品見本陳列部14は、前扉(扉体12)の前面に設けられる透明な窓板16から商品見本や価格表示ラベルを視認可能に陳列するようになっており、この商品見本陳列部14に、シート状の商品見本や価格表示ラベルを保持する商品見本保持部30が陳列されるようになっている。なお、
図1に示す商品見本展示装置10では、扉体12は自動販売機の前扉として機能するようになっているが、扉体12として自動販売機の前扉ではなく中扉が用いられるようになっていてもよい。
【0020】
図1および
図2に示すように、商品見本保持部30は、複数の商品見本を横方向に並んだ状態で保持するよう構成されている。また、本実施の形態では、1または複数の商品見本保持部30を横方向に並んだ状態で保持する保持機構(ブラケット)20が扉体12に着脱自在に取り付けられている。このような保持機構20は扉体12の上下方向における各段に1本ずつ設けられている。以下、このような保持機構20および商品見本保持部30の構成の詳細について説明する。
【0021】
図1乃至
図4は、1つの保持機構20に2つの商品見本保持部30が保持される態様について示している。ここで、
図1乃至
図4に示される左右2つの商品見本保持部30のうち、左側の商品見本保持部30は3つの商品見本および各商品見本に対応する3つの価格表示ラベルを保持するようになっており、右側の商品見本保持部30は5つの商品見本および各商品見本に対応する5つの価格表示ラベルを保持するようになっている。また、各商品見本保持部30は他の商品見本保持部30から独立して保持機構20に対して着脱自在となっている。
【0022】
図7乃至
図12は、
図1乃至
図4に示される左右2つの商品見本保持部30のうち左側の商品見本保持部30の構成の詳細を示す図である。具体的には、
図7は、商品見本保持部30を商品見本展示装置10の前側(すなわち、扉体12の前側)から見たときの構成を示す斜視図であり、
図8は、
図7に示す商品見本保持部30を後側上方から見たときの構成を示す斜視図であり、
図9は、
図7に示す商品見本保持部30を後側下方から見たときの構成を示す斜視図である。また、
図10は、
図7に示す商品見本保持部30を後側から見たときの背面図であり、
図11は、
図10に示す商品見本保持部30のA−A矢視による断面図であり、
図12は、
図10に示す商品見本保持部30の底面図である。
【0023】
図7乃至
図12に開示される商品見本保持部30は、透明または半透明の材料からなり商品見本保持部30により保持された商品見本や価格表示ラベルの前面に位置する3つの前面部材32と、前面部材32の後側において商品見本を保持する商品見本保持部材34と、前面部材32の後側において価格表示ラベルを保持する価格表示ラベル保持部材35と、底部36とを有している。ここで、透明または半透明の材料からなる3つの前面部材32は横方向に並んだ状態で配設されている。また、価格表示ラベル保持部材35は商品見本保持部材34の下方に設けられている。また、前面部材32と商品見本保持部材34との間には、商品見本の少なくとも両側縁部が着脱自在に嵌入される隙間が
図8において参照符号Cで示す箇所に形成されている。このような前面部材32と商品見本保持部材34との間の隙間は、
図11において参照符号Eで示されている。ここで、前面部材32と商品見本保持部材34との間の隙間に嵌入された商品見本は、その下縁部が価格表示ラベル保持部材35の上面に受けられるようになっている。また、前面部材32と価格表示ラベル保持部材35との間には、価格表示ラベルの少なくとも両側縁部が着脱自在に嵌入される隙間が
図8において参照符号Dで示す箇所に形成されている。このような前面部材32と価格表示ラベル保持部材35との間の隙間は、
図11において参照符号Fで示されている。ここで、前面部材32と価格表示ラベル保持部材35との間の隙間に嵌入された価格表示ラベルは、その下縁部が底部36の上面に受けられるようになっている。
図11に示すように、商品見本保持部30において商品見本および価格表示ラベルは略同一平面上で保持されるようになっている。
【0024】
本実施の形態では、前述したように、商品見本保持部30において、商品見本および価格表示ラベルはそれぞれ扉体12の後側より出し入れ可能となっている。このような商品見本保持部30にシート状の商品見本や価格表示ラベルを保持させる際の動作を
図13に示す。
図13に示すように、商品見本(
図13において参照符号40で表示)は、扉体12の後側より当該商品見本の両側縁部を前面部材32と商品見本保持部材34との間の隙間に嵌入することにより前面部材32と商品見本保持部材34との間で保持させることができるようになっている。また、価格表示ラベル(
図13において参照符号42で表示)は、扉体12の後側より当該価格表示ラベルの両側縁部を前面部材32と価格表示ラベル保持部材35との間の隙間に嵌入することにより前面部材32と価格表示ラベル保持部材35との間で保持させることができるようになっている。なお、本実施の形態では、商品見本保持部30において商品見本および価格表示ラベルの交換を行う際に、まず商品見本を扉体12の後側より前面部材32と商品見本保持部材34との間の隙間から取り外し、次に価格表示ラベルを扉体12の後側より前面部材32と価格表示ラベル保持部材35との間の隙間から取り外す。また、新たな商品見本および価格表示ラベルを商品見本保持部30に保持させる際には、まず価格表示ラベルを扉体12の後側より前面部材32と価格表示ラベル保持部材35との間の隙間に嵌入し、次に、商品見本を扉体12の後側より前面部材32と商品見本保持部材34との間の隙間に嵌入する。
【0025】
図3等に示すように、保持機構20は、その断面が逆L字形状となっており扉体12の幅方向に沿って延びる棒状部材21を有しており、この棒状部材21の上面に1または複数の商品見本保持部30が横方向に並んだ状態で保持されるようになっている。このような保持機構20の構成の詳細について
図3乃至
図6を用いて説明する。ここで、
図3は、
図2に示す各商品見本保持部30が保持機構20から取り外された時の状態を示す斜視図であり、
図4は、
図2に示す各商品見本保持部30および保持機構20の背面図である。また、
図5は、
図2に示す各商品見本保持部30および保持機構20を下方から見たときの構成を示す下面図であり、
図6は、
図1に示す商品見本展示装置10において参照符号Aで示される領域を拡大して示す拡大斜視図である。
【0026】
図3や
図4等に示すように、扉体12を後側から見たときの保持機構20の棒状部材21の前面には化粧ネジ22が設けられているとともに、棒状部材21の一方の端部には扉体12への差込部24が形成されている。また、
図6に示すように、扉体12の内側面において参照符号Bで示す箇所には、棒状部材21の端部に設けられた差込部24が差し込まれるスリット12aが形成されている。このような保持機構20を扉体12に取り付ける際には、まず扉体12の内側面に形成されたスリット12aに差込部24を差し込み、次に化粧ネジ22を回すことにより、当該化粧ネジ22のネジ部分(図示せず)が扉体12に設けられた雌ねじ孔(図示せず)に差し込まれるようになり、このことにより保持機構20が扉体12に取り付けられるようになる。
【0027】
また、
図9に示すように、商品見本保持部30の底部36の底面には、保持機構20への係合部として差込爪38および嵌め込み凸部材39がそれぞれ形成されている。ここで、商品見本保持部30の底部36はプラスチック等の弾性のある部材から形成されており、底部36における嵌め込み凸部材39の周囲には切り込み(
図9や
図12等参照)が設けられることによって嵌め込み凸部材39の周囲の底部36を撓ませることができるようになっている。また、
図3等に示すように、保持機構20の棒状部材21の上面には、商品見本保持部30の係合部が着脱自在に係合される被係合部として貫通穴26、27がそれぞれ形成されている。ここで、
図3に示すように、貫通穴26の形状は凸形状となっているのに対し、貫通穴27の形状は長方形形状となっている。このような商品見本保持部30を保持機構20の棒状部材21の上面に取り付ける際には、まず差込爪38を貫通穴26に挿入した後に当該差込爪38を棒状部材21の長手方向に沿ってスライドさせることによりこの差込爪38を貫通穴26に差し込ませ、次に嵌め込み凸部材39を貫通穴27に挿入させる。この際に、嵌め込み凸部材39の周囲の底部36を撓ませながら嵌め込み凸部材39を貫通穴27に挿入することにより、嵌め込み凸部材39が貫通穴27に嵌まった後はこの嵌め込み凸部材39を貫通穴27から取り出しにくくなる。このようにして、保持機構20の上面に1または複数の商品見本保持部30が着脱自在に取り付けられるようになる。
【0028】
以上のような構成からなる本実施の形態の商品見本展示装置10によれば、商品見本陳列部14に陳列される商品見本を保持する商品見本保持部30が、商品見本を扉体12の後側より出し入れ可能となるよう構成されている(
図13参照)。このように、商品見本を扉体12の後側より出し入れ可能となるよう商品見本保持部30が構成されていることにより、商品見本保持部30を扉体12から取り外さなくても商品見本の交換を直接行うことができ、このためメンテナンス員の作業負担を軽減することができる。
【0029】
比較例として、従来技術の商品見本展示装置60を
図14および
図15に示す。
図14に示すように、従来技術の商品見本展示装置60は、自動販売機本体前面に設けられた前扉としての扉体62と、この扉体62に設けられ、シート状の商品見本および価格表示ラベルを陳列する商品見本陳列部64と、商品見本陳列部64に陳列される商品見本および価格表示ラベルを保持する商品見本保持部70とを備えている。より詳細には、商品見本陳列部64は、前扉の前面に設けられる透明な窓板から商品見本や価格表示ラベルを視認可能に陳列するようになっており、この商品見本陳列部64に、シート状の商品見本や価格表示ラベルを保持する商品見本保持部70が陳列されるようになっている。ここで、従来技術の商品見本展示装置60では、
図15に示すように、商品見本保持部70において、商品見本(参照符号40で表示)および価格表示ラベル(参照符号42で表示)はそれぞれ扉体62の前側より出し入れ可能となっている。また、従来技術の商品見本展示装置60には、商品見本保持部70を保持する保持機構は設けられていない。このような従来技術の商品見本展示装置60を有する自動販売機において、商品見本や価格表示ラベルを交換する際や前扉の前面に設けられる透明な窓板を掃除する際には、自動販売機の前扉(すなわち扉体62)を開いた後に商品見本保持部70を扉体62から取り外す必要があり、メンテナンス員にとって大変手間がかかり面倒であるという問題があった。また、
図14等に示すような従来技術の商品見本展示装置60において扉体62を自動販売機の前扉ではなく中扉として用いた場合には、商品見本保持部70を扉体62から取り外さなくても商品見本や価格表示ラベルの交換が可能となるが、前扉や中扉を閉じて自動販売機が販売待機状態となった際に商品見本や価格表示ラベルを前扉の前面に設けられる透明な窓板の近傍に配置する必要があるため、このような商品見本保持部70は扉体62の前面からの飛び出しが大きくなってしまい、オペレート作業やメンテナンス作業の邪魔になってしまったり、あるいは商品見本保持部70に引っ掛けたり物をぶつけたりして破損してしまったりするおそれがあった。
【0030】
これに対し、本実施の形態の商品見本展示装置10によれば、上述したように商品見本を扉体12の後側より出し入れ可能となるよう商品見本保持部30が構成されていることにより、商品見本保持部30を扉体12から取り外さなくても商品見本の交換を直接行うことができ、このためメンテナンス員の作業負担を軽減することができる。
【0031】
また、本実施の形態の商品見本展示装置10においては、上述したように、商品見本保持部30は、複数の商品見本を横方向に並んだ状態で保持するよう構成されている。このことにより、商品見本陳列のレイアウトを変更する際に、商品見本保持部30を交換するだけで複数の商品見本の交換を行うことができるため、商品見本陳列のレイアウト変更を容易に行うことができるようになる。
【0032】
また、本実施の形態の商品見本展示装置10においては、上述したように、商品見本保持部30は、透明または半透明の材料からなり商品見本保持部30により保持された商品見本の前面に位置する前面部材32と、前面部材32の後側において商品見本を保持する商品見本保持部材34とを有しており、前面部材32と商品見本保持部材34との間には商品見本の少なくとも側縁部が着脱自在に嵌入される隙間(
図11における参照符号E参照)が形成されている。また、商品見本保持部30には、複数の前面部材32が横方向に並んだ状態で設けられている。なお、本実施の形態では、商品見本保持部30において複数の前面部材32が横方向に並んだ状態で設けられるような態様に限定されることはなく、他の態様として、商品見本保持部30において1つの前面部材32のみが設けられるようになっていてもよい。
【0033】
また、本実施の形態の商品見本展示装置10においては、上述したように、商品見本保持部30は、前面部材32の後側においてシート状の価格表示ラベルを保持する価格表示ラベル保持部材35を更に有している。そして、商品見本保持部30は、価格表示ラベルも扉体12の後側より出し入れ可能となるよう構成されており、前面部材32と価格表示ラベル保持部材35との間には価格表示ラベルの少なくとも側縁部が着脱自在に嵌入される隙間(
図11における参照符号F参照)が形成されている。また、商品見本保持部30において価格表示ラベル保持部材35は商品見本保持部材34の下方に設けられている。なお、本実施の形態ではこのような態様に限定されることはなく、他の態様として、商品見本保持部30において価格表示ラベル保持部材35は商品見本保持部材34の上方に設けられていてもよい。この場合には、価格表示ラベルは商品見本の下方ではなく上方に表示されるようになる。
【0034】
本実施の形態の商品見本展示装置10においては、上述したように、1または複数の商品見本保持部30を横方向に並べた状態で保持する保持機構20が扉体12に着脱自在に取り付けられており、商品見本保持部30は他の商品見本保持部30から独立して保持機構20に対して着脱自在となっている。この場合には、商品見本保持部30を保持機構20に取り付けたり保持機構20から取り外したりすることによって商品見本のレイアウト変更を容易に行うことができるようになる。また、商品見本保持部30の底部36には係合部として差込爪38および嵌め込み凸部材39が設けられており、保持機構20の上面には商品見本保持部30の係合部が着脱自在に係合される被係合部として貫通穴26、27が設けられている。このような構成によれば商品見本保持部30を保持機構20の上面に容易に着脱することができるようになる。
【0035】
なお、本実施の形態による商品見本展示装置10やこの商品見本展示装置10を備えた自動販売機は、上述したような態様に限定されることはなく、様々な変更を加えることができる。
【0036】
例えば、上述した商品見本展示装置10では、商品見本保持部30は保持機構20により保持されるようになっているが、このような態様に限定されることはなく、扉体12に対して商品見本保持部30が直接的に着脱自在となっていてもよい。このような態様からなる商品見本展示装置10でも、商品見本保持部30において、商品見本および価格表示ラベルがそれぞれ扉体12の後側より出し入れ可能となっている場合には、商品見本保持部30を扉体12から取り外さなくても商品見本の交換を直接行うことができ、このためメンテナンス員の作業負担を軽減することができるようになる。
【0037】
また、商品見本保持部30は、複数の商品見本を横方向に並んだ状態で保持するような構成のものに限定されることはない。変形例に係る商品見本展示装置において、各商品見本保持部30が1つのみの商品見本を保持するような構成となっていてもよい。また、上述した商品見本展示装置10では、商品見本保持部30が商品見本のみならず価格表示ラベルも保持するようになっているが、このような態様に限定されることはない。変形例に係る商品見本展示装置において、商品見本保持部30が価格表示ラベルを保持しないような構成となっていてもよい。
【0038】
また、上述の実施形態で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。