【実施例1】
【0022】
[1 遊技機全体の概要]
実施例1のパチンコ機Pは、
図1に示す様に、外枠A、中枠B、遊技盤1、前枠D、上の球受け皿E、下の球受け皿F及び打球発射装置Gを備えている。外枠Aはパチンコ機Pの外郭を構成する縦長方形の枠である。中枠Bは、各種の遊技用構成部材をセットするための縦長方形の枠であって、外枠Aの前面側に開閉可能かつ着脱可能に組み付けられる。遊技盤1は、中枠Bの開口部に取り付けられる。前枠Dは遊技盤1の透視保護窓であって、施錠装置Hの操作によって開閉可能な様に中枠Bの前面側に組み付けられる。上の球受け皿Eは、貸し球や賞球の受け皿で、本実施例においては前枠Dの下部と一体に構成されている。従って、前枠Dを中枠Bに対して開閉するときに上の球受け皿Eも共に開閉される。下の球受け皿Fは、上の球受け皿Eが一杯になったときに排出される遊技球や打ち損じの遊技球等を受ける受け皿であって、中枠Bの下部に固定されている。打球発射装置Gは、上の球受け皿Eから発射レールに送り込まれた遊技球をハンドル操作に対応する強さで打ち出すための装置であって、中枠Bの右下部に装備される。
【0023】
中枠Bは、上縁をなす上枠部材B1と、下縁をなし打球発射装置G等が設置された下枠部材B2と、左側縁をなす左枠部材B3と、右側縁をなす右枠部材B4とから構成されて、これら上下左右の枠部材B1〜B4を組み付けた際に、全体が外枠Aの開口に整合する矩形枠状に形成される。そして、上下左右の枠部材B1〜B4を組み付けた際に開口する開口部分が、遊技盤1を設置する遊技盤保持部B5として機能する。ここで、中枠Bは、外枠Aの左上端部及び左下端部に設けられた支軸を介して枢支され、左側端部を中心として中枠Bを回転させることで外枠Aに対して中枠Bを開閉し得るようになっている。
【0024】
遊技盤1は、ベニヤ板、透明合成樹脂板などの板部材1aによって形成され、障害釘などが前面側に取り付けられている。板部材1aの裏面側には裏ユニット3が取り付けられる。裏ユニット3には、液晶表示装置LCDをはじめ、電飾装置、可動体役物などが組み付けられる。裏ユニット3は、板部材1aの裏面と液晶表示装置LCDの前面との間で可動体役物が出没等の動作を行うためのスペースを確保できる様に、板部材1aの裏面に取り付けられる。また、可動体等が取り付けられるセンター役物5が、板部材1aの中央開口1bを取り囲み、液晶表示装置LCDの視認領域を形成する。さらに、実施例のパチンコ機Pでは、上の球受け皿Eの右側上面に、プッシュボタンPBとカーソルボタンCBが備えられている。
【0025】
遊技盤1について説明すると、
図2(A)に示す様に、センター役物5は、障害釘11や風車12が植設された遊技領域10の中央に位置する様に取り付けられ、センター役物5の中央直下に始動入賞装置7が備えられる。また、この始動入賞装置7の右斜め下方に大入賞口15が設置され、センター役物5の右上から右下にかけての部分には、右打ち通路20が備えられた構成となっている。遊技盤1には、この他、誘導レール17、普通入賞口18,18,…、アウト口19等も設置されている。
【0026】
センター役物5は、大型装飾体31、ステージ32、ワープ通路33を備えるリング状を呈している。右打ち通路20は、遊技球を整列させながら流下させる通路幅に構成され、その下方に広がる右側遊技領域40へと遊技球を放出する。右側遊技領域40には、ゲート37が備えられると共に、第2始動入賞装置27及び普通入賞口18が設置されている。この第2始動入賞装置27は、ゲート37を遊技球が通過したことを契機に実行される普通図柄抽選結果に基づいて開閉動作される電動式チューリップを備えている。本実施例においては、大入賞口15も右側遊技領域40に位置させ、右打ち通路20を経由させて入賞させる大当たり遊技の方式を採用している。また、大当たり遊技終了後に確変や変短が付与された場合には、ゲート37の通過による普通図柄抽選の当選確率を「ほぼ0%の状態」から「ほぼ100%の状態」へと変更し、大当たり後も所定期間に渡って右打ち遊技を楽しませる構成も採用している。
【0027】
[2 可動体の概要]
また、
図2(B)に示す様に、裏ユニット3の前面側には、演出用の上部可動体110、左可動体120、右下可動体130、右上可動体140が組み付けられている。これら各可動体110〜140は、
図2(A)に示す様に、動作を行う前の待機位置においては大型装飾体31と一体化している。そして、各可動体110〜140は、
図2(B)に矢印で示す様に、待機位置と動作位置との間を回動動作する。これにより、
図3(A)に示す様に、液晶表示装置LCDの前面に出現して可動体演出を実行する。この際、右下可動体130は、
図3(B)に示す様に、シャッタ羽根135を開いてシャッタ窓136を開放するシャッタ開閉動作をも実行する。以下、右下可動体130をシャッタ付可動体130という。
【0028】
これら各可動体110〜140は、上部可動体回動モータMT110、左可動体回動モータMT120、シャッタ付可動体回動モータMT130、シャッタ開閉モータMT135、右上可動体ソレノイドSOL140によって動作され、可動体演出を実行する。なお、上部可動体110の小可動部品115は、上部可動体110の回動動作に伴い、内蔵されているカム・フォロア機構によって機械的に揺動する。
【0029】
本実施例では、これら回動動作やシャッタ開閉動作を精度よく実行するため、上部可動体110、左可動体120、及びシャッタ付可動体130の回動動作位置を検出する回動位置検出センサSE110,SE120,SE130が備えられている。これら回動位置検出センサSE110,SE120,SE130は、裏ユニット3側に取り付けられた透過型フォトセンサと、可動体110,120,130側に備えられた遮蔽板とによって位置検出を行うフォトインタラプタで構成されている。
【0030】
また、シャッタ付可動体130には、シャッタ開閉の原位置を検出するためのシャッタ開閉位置検出センサSE135がリング枠部分の根元辺りに内蔵されている。このシャッタ開閉位置検出センサSE135も、回動位置検出スイッチSE110等と同じく透過型フォトセンサと遮蔽板とを用いたフォトインタラプタで構成されている。
【0031】
なお、右上可動体140は、右上可動体ソレノイドSOL140を駆動源とするON→OFFの動作を行うだけなので、位置検出は行っていない。
【0032】
なお、、
図2(B)に示す様に、裏ユニット3には、液晶表示装置LCDおよび可動体110〜140を配設させるための箱状部からなる基本土台3aが備えられ、その前面側には、左普通入賞口用玉通路部41、右普通入賞口用玉通路部42、および始動入賞口用玉通路部43が備えられている。
【0033】
[3 光出力手段の概要]
また、本実施例のパチンコ機Pには、
図4に示す様に、LEDを用いた発光演出を行うためのLED基板が備えられている。
【0034】
まず、大型装飾体31の発光演出用LED基板から説明する。
図4(A)に示す様に、大型装飾体31には、カナタイトル左LED基板501、カナタイトル中LED基板502、サブタイトルLED基板503、右上隅LED基板504、ローマ字タイトル上LED基板505、ローマ字タイトル下LED基板506、左下隅LED基板507が設置されている。これらLED基板501〜507は、大型装飾体31の裏面側から取り付けられている。そして、これらLED基板501〜507が取り付けられた部分は、光透過性を有する合成樹脂を部分的に用いた装飾部品として大型装飾体31が構成されている。
【0035】
また、裏ユニット3には、
図4(B)に示す様に、左上可動体裏LED基板511、上部可動体裏LED基板512、右上可動体裏LED基板513、右下可動体裏LED基板514、ステージ裏LED基板515、ワープ通路裏LED基板516が設置されている。これらLED基板511〜516は、裏ユニット3の基本土台3aの前面側から取り付けられている。そして、これらLED基板511〜516が取り付けられた部分の前面は、光透過性を有する合成樹脂を全体にあるいは部分的に用いた装飾部品でカバーされている。特に、右下可動体裏LED基板514の前面カバーは、表面がダイヤカットされていて、発光色によって当該部分が輝く様な印象となる様に構成してある。
【0036】
さらに、
図4(C)に示す様に、可動体110,120,140には、左上可動体内LED基板521、上部可動体内LED基板522a,522b、右下可動体内LED基板523が設置されている。これらLED基板521〜523は、各可動体110,120,140の裏面側から取り付けられている。そして、各可動体110,120,140において、これらLED基板521〜523が取り付けられた部分は、光透過性を有する合成樹脂を全体にあるいは部分的に用いた装飾部品として構成されている。
【0037】
なお、前枠Dにも、透視保護窓の周囲を取り囲む枠飾り内に電飾部材(LED基板)が設置されている。
【0038】
[4 制御装置]
[4.1 制御装置全体]
次に、本実施例のパチンコ機Pのゲーム性等について説明する。まず、制御系統について
図5に基づいて説明する。CPU,ROM,RAM,クロック等を備えた主制御基板310に対して、始動入賞装置7に備えられている特
図1スイッチSW1、第2始動入賞装置27に備えられている特
図2スイッチSW2、ゲート37に備えられている普図スイッチSW3、大入賞口15に備えられた入賞検知スイッチSW7、普通入賞装置18,18,…に備えられた入賞検知スイッチSW11,SW12からの検知信号、及び球排出通路に備えられた排出球検知スイッチSW21の検知信号が入力される様になっている。
【0039】
また、主制御基板310からは、演出制御基板320、払出制御基板330、発射制御基板340、特図表示器TKZ、大入賞口15の開閉用ソレノイドSOL7、第2始動入賞装置27の普通電動役物開閉用ソレノイドSOL27へとコマンドが出力される様になっている。インタフェース基板350は、払出制御基板330との間でコマンドのやり取りを行う構成となっている。なお、電源基板360は、電源中継基板380を介して主制御基板310への電源供給を行う構成となっている。そして、演出制御基板320は、表示制御基板370へとコマンドを出力する構成となっている。また、貸し玉ボタンQ、カード取り出しボタンRからの押下信号は、球貸し操作基板390へと入力され、この球貸し操作基板390からインタフェース基板350を経由して払出制御基板330へと入力される構成となっている。インタフェース基板350はまた、カードユニット500との間でもコマンドをやり取りする構成となっている。また、払出制御基板330を介してホールコンピュータ400へと賞球払出数等のホール管理用のデータやエラー報知等も行うことができる様に構成されている。
【0040】
演出制御基板320は、主制御基板310からの指令信号に基づいて、表示制御基板370へと表示演出のための指令信号を出力行する。また、演出制御基板320は、主制御基板310からの指令信号に基づいて、音声演出、発光演出、可動体演出を実行させるための指令信号を信号中継基板410へと出力する。信号中継基板410は、演出制御基板320からの指令信号を発光演出を実行するためのランプ制御基板420、音声演出を実行するための音声制御基板430、及び可動体演出を実行するためのモータ制御IC510,520,530,535、ソレノイド制御IC540へと出力する。
【0041】
演出制御基板320には、さらに、プッシュボタンPB及びカーソルボタンCBからの操作信号も入力される様に構成されている。プッシュボタンPBは、メニュー表示をしたり、演出中の指令に対応してプッシュ・連打・長押しなどの遊技参加型の操作をしたりするための操作ボタンである。カーソルボタンCBは、メニュー表示によって音量調節モードや光量調節モードが選択されているときに、音量や光量の増減による調節をカーソル送りによって実施するための操作ボタンである。カーソルボタンCBは、この他、背景モードの切り換えや、BGMの切り換えなどにも用いられる。
【0042】
[4.2 演出に係る制御装置の概要]
図6に示す様に、主制御基板310は、特図スイッチSW1,SW2からの始動入賞検知信号が入力されると、所定の抽選処理を実行して変動パターンを決定したら、特図表示器TKZを制御して特図変動表示を実行する。このとき、主制御基板310は、特図変動表示の開始タイミングに合わせて表示演出等を開始させ、特図変動表示の確定タイミングに合わせて表示演出を確定させるため、変動パターン及び変動指令信号を演出制御基板320に対して出力する。
【0043】
主制御基板310から変動指令を入力された演出制御基板320は、表示演出指令信号を表示制御基板370に対して出力する。この表示演出指令信号は、表示制御基板370によって実行される液晶表示装置LCDにおける飾り図柄変動表示の開始タイミング及び確定タイミングを、特図表示器TKZにおける特図変動表示の開始タイミング及び確定タイミングと同期させる様に、主制御基板310からの変動指令信号に同期した信号として出力される。
【0044】
主制御基板310から変動指令を入力された演出制御基板320はまた、音演出指令信号、光演出指令信号、及び可動体演出指令信号を信号中継基板410に対して出力する。可動体演出指令信号は、信号中継基板410からモータ制御IC、ソレノイド制御ICへと入力され、可動体110〜140を動作させる可動体演出を実行させる。
【0045】
光演出指令信号は、信号中継基板410からランプ制御基板420へと出力される。ランプ制御基板420は、この光演出指令信号に対応するLED基板に発光・点滅等を実行させるための制御電流を出力する。この制御電流は、光量増幅回路425で増幅された後、対応するLED基板へと入力され、光演出が実行される。
【0046】
音演出指令信号は、信号中継基板410から音声制御基板430へと出力される。音声制御基板430は、この音演出指令信号に対応する音声出力を実行させるための制御電流を出力する。この制御電流は、音量増幅回路435で増幅された後、スピーカSPへと入力され、音演出が実行される。
【0047】
ここで、本実施例においては、遊技者が音量及び光量を調節することができる様に構成されている。遊技者は、プッシュボタンPBを押下してメニュー表示を行い、音量調節又は光量調節を選択した上で、カーソルボタンCBを操作して増減させることにより、複数段階の設定の中から所望の音量や光量を設定することができる。この設定の結果は、光量調節信号として光量増幅回路425へと入力され、音量調節信号として音量増幅回路435へと入力され、増幅率の変更が行われる。例えば、光量及び音量のそれぞれについて、「1」を最小レベル、「5」を最大レベルとする5段階の設定の中で所望の設定を選択することが可能に構成する。この場合、例えば、初期設定においては、基準レベルの「3」が設定されることとする。遊技者は、[光量=基準レベル、音量=基準レベル以下]としたり、[光量=基準レベル以上、音量=基準レベル以上」とするなど、好みに応じた種々の設定が可能となっている。
【0048】
本実施例においては、さらに、光量増幅回路425とLED基板との間に音演出反映用IC620を備え、音量増幅回路435とスピーカSPとの間に光演出反映用IC630を備えると共に、これらIC620,630と信号中継基板410との間に音・光相関用IC610を備えている。
【0049】
音・光相関用IC610には、ランプ制御基板420及び音声制御基板430のそれぞれから制御電流が入力されると共に、信号中継基板410からの音・光相関指令信号が入力される様に構成されている。音・光相関用IC610は、音演出反映用IC620及び光演出反映用IC630へと信号を出力する様にも構成されている。
【0050】
[4.3 制御基板の構成]
主制御基板310は、
図7(A)に示す様に、主制御用CPU310a、主制御用ROM310b、及び主制御用RAM310cを組み込んだワンチップマイコンと、入出力回路310dと、その他図示省略した水晶発振回路等を備えている。入出力回路310dは、特図スイッチSW1,SW2、普図スイッチSW3、入賞検知スイッチSW7,SW11,SW12、球排出球検知スイッチSW21からの信号を主制御CPU310aに対して信号を入力し、演出制御基板320、払出制御基板330、発射制御基板340、特図表示器TKZ、大入賞口開閉用ソレノイドSOL7、第2始動入賞装置開閉用ソレノイドSOL27に対して、主制御CPU310aから信号を出力する様に、ワンチップマイコンに接続されている。主制御用CPU310aは、前述の各種スイッチからの入力を受けて主制御用ROM310b及び主制御用RAM310cとの間で情報をやり取りしながら、賞球払出、特別図柄抽選等のパチンコ機の中枢となる各種の処理を実行する。
【0051】
このため、主制御用ROM310bには、主制御用CPU310aが遊技に関する処理を実行するためのプログラムを記憶するプラグラム記憶部310e、このプログラムに基づいた演算処理の際に用いる「当たり判定値」などのデータ等を記憶するデータ等記憶部310fが備えられている。主制御用ROM310bには、さらに、特別図柄抽選によって選択され得る複数種類の変動パターンを記憶した変動パターン記憶部310gも備えられている。変動パターンは、特別図柄の変動表示が開始されてから特別図柄が確定停止表示されるまでの間の遊技演出(表示演出等)のベースとなるパターンを示すものである。本実施例における変動パターンは、特別図柄の変動表示が開始されてから特別図柄が確定停止表示されるまでの変動時間(演出時間)、及び当該変動時間中の飾り図柄変動ゲームの変動内容(演出内容)を特定できるものとなっている。
【0052】
また、主制御用RAM310cには、主制御用CPU310aが各種処理を実行する際のワークメモリとなる一時記憶部310hと共に、特に、特別図柄抽選の結果、普通図柄抽選の結果を所定個数を限度として保留記憶しておく保留記憶部310iが備えられている。
【0053】
演出制御基板320は、
図7(B)に示す様に、演出制御用CPU320a、演出制御用ROM320b、及び演出制御用RAM320cを組み込んだワンチップマイコンと、入出力回路320dと、その他図示省略した水晶発振回路等を備えている。入出力回路320dは、主制御基板310、プッシュボタンPB、及びカーソルボタンCBから演出制御CPU320aに対して信号を入力し、表示制御基板370、信号中継基板410に対して信号を出力する様に、ワンチップマイコンに接続されている。演出制御CPU320aは、主制御基板310から入力される信号に基づいて、遊技演出を実行するための処理を行う。また、プッシュボタンPB、カーソルボタンCBからの入力信号に基づいて、遊技演出に変化を与える処理を行う。
【0054】
このため、演出制御用ROM320bには、演出制御用CPU320aが遊技演出に関する処理を実行するためのプログラムを記憶するプラグラム記憶部320e、このプログラムを用いた演算処理において用いる「演出内容選択のための判定値」などのデータ等を記憶するデータ等記憶部320fが備えられている。主制御用ROM320bには、さらに、主制御基板310から入力された変動パターンに対応して選択される各種演出のための複数種類の演出データを記憶した演出データ記憶部320gも備えられている。また、演出制御用RAM320cには、演出制御用CPU320aが各種処理を実行する際のワークメモリとなる一時記憶部320hと共に、特に、特別図柄抽選の結果を先読みによって記憶しておく先読み記憶部320iが備えられている。
【0055】
本実施例のパチンコ機Pにおいては、主制御基板310において、主制御用CPU310aが、入出力回路310dを介して信号が入力されることを契機として、主制御用ROM310bに予め記憶しておいたプログラムやデータ等を用いて、主制御用RAM310cに一時記憶や保留記憶を行い、入出力回路310dを介して演出制御基板320等に対して信号を出力する処理を実行することにより、本実施例における主制御手段として機能している。
【0056】
本実施例のパチンコ機Pにおいては、演出制御基板320において、演出制御用CPU320aが、入出力回路320dを介して信号が入力されることを契機として、演出制御用ROM320bに予め記憶しておいたプログラムやデータ等を用いて、演出制御用RAM320cに一時記憶や保留記憶を行い、入出力回路320dを介して、演出表示制御基板370等に対して信号を出力する処理を実行することにより、本実施例における演出信号出力手段として機能している。
【0057】
本実施例においては、払出制御基板330、発射制御基板340、演出表示制御基板370、信号中継基板410、ランプ制御基板420、音声制御基板430、音・光相関用IC610、音演出反映用IC620、光演出反映用IC630等も、主制御基板310や演出制御基板320と同様にワンチップマイコンで構成する。なお、これら主制御基板310等を、ワンチップマイコンで構成せず、CPU,ROM,RAM等を基板上の適当な位置に配置・配線したものとして構成することもできる。
【0058】
[4.4 主制御基板の記憶部の構成]
[4.4.1 特別図柄抽選関係]
主制御基板310は、
図8(A)に示す様に、特
図1用スイッチSW1からの検知信号の入力を契機として取得した特
図1判定用乱数に対応する情報(乱数値そのもの、乱数値に対応するフラグ情報やコード情報など)を最大4個、特
図2用スイッチSW2の検知信号入力を契機として取得した特
図2判定用乱数に対応する情報(乱数値そのもの、乱数値に対応するフラグ情報やコード情報など)を最大4個、それぞれ保留記憶しておくために、主制御用RAMの保留記憶部310i内の所定の記憶領域に、特
図1保留記憶部311、及び特
図2保留記憶部312を備えている。これら特
図1保留記憶部311,特
図2保留記憶部312には、それぞれ乱数取得順に従って始動保留情報が記憶される。
【0059】
特
図1判定用乱数及び特
図2判定用乱数は、それぞれ、「大当たり判定用乱数(乱数1)」、「特図振分判定用乱数(乱数2)」、「演出実行判定用乱数(乱数3)」、及び「変動パターン振分判定用乱数(乱数4)」から構成される。大当たり判定用乱数(乱数1)は、大当たりかはずれかを決定するための乱数である。特図振分判定用乱数(乱数2)は、特別遊技のラウンド数など、大当たり種別を振り分けるための乱数である。演出実行判定用乱数(乱数3)は、リーチ演出を行うか否かを決定するための乱数である。リーチ演出は、「当たり」の場合だけでなく、「はずれ」においても所定の割合で実行する構成となっている。変動パターン振分判定用乱数(乱数4)は、変動パターンを振り分けるための乱数である。
【0060】
乱数1と比較する「大当たり判定値」は、主制御基板310のROMに記憶されている。本実施例においては、大当り判定値は、非確変(低確率)の状態と、確変(高確率)の状態とで、異なる確率となる様に設定されている。この大当たり確率は、特
図1,特
図2に対して共通である。
【0061】
乱数1で「大当たり」となった場合、乱数2による大当たり種別振り分けにより、例えば、「2R通常」「2R確変」「15R通常」「15R確変」など、遊技者に対する有利さの異なる複数種類の当たり種別のいずれかに振り分けられる。「2R」「15R」とは、特別遊技のラウンド数を意味し、「確変」とは、特別遊技終了後の特別図柄抽選時の大当たり確率が高い遊技状態(「確率変動」ともいう)に変更された遊技状態を意味する。「通常」は、特別遊技終了後に「確変」にならない遊技状態を意味する。また、「2R」の場合、短時間だけ大入賞口を開閉する動作となっていて実質的な出玉は期待できない遊技状態となっている。
【0062】
この他、乱数2による振り分けでは、「大当たり」のラウンド数が15回であっても、(1)30秒間に渡って大入賞口15を開放する「長時間開放動作」を1ラウンドとして15回実行する特別遊技の態様、(2)途中のラウンド(例えば、7ラウンド)までを「長時間開放動作」のラウンドで構成し、残りラウンドは大入賞口15を短時間(例えば、数秒あるいは1秒以下)だけ開閉する「短時間開放動作」で構成した特別遊技の態様、(3)15ラウンドの全てを上述の「短時間開放動作」で構成した特別遊技の態様、のいずれかへと振り分ける構成とすることもできる。
【0063】
あるいは、規定回数の確変を付与する「STタイプ」としたり、全ての当たり図柄に確変を付与する一方で転落条件に当選した場合に「高確率」から「低確率(通常確率)」へと切り替わる「転落抽選タイプ」とすることもできる。この種の特別遊技において、さらに、特別遊技終了後の「時短ゲーム」における普通電動役物のサポート回数を20回、40回、60回、80回、100回と複数種類設定し、これらの中のいずれかへ振り分けるための「当たり種別判定」を行う構成にすることもできる。
【0064】
この様な乱数2によって振り分けられ得る大当たり種別(時短回数を含む)は、特
図1と特
図2とで異なる設定とすることができ、さらに、どの種類の大当たりへ振り分けられるかを定める「当たり種別の振り分け確率」を、特
図1と特
図2とで異ならせておくこともできる。
【0065】
本実施例においては、乱数1について、特
図2で「大当たり」となった場合の方が、特
図1で「大当たり」となった場合よりも、確変突入確率、時短の付与回数、ラウンド中の開放態様などがより有利となる様に振り分け確率が乱数2について設定されている。なお、乱数2は、乱数1が「はずれ」の場合には、実質的には意味のないものとなる。
【0066】
乱数3は、乱数1が「はずれ」の場合に、後述の特図開始処理において「はずれリーチ」の有無を決定するのに用いられる。乱数1が「当たり」の場合は、リーチ演出が実行されることとなっているので、この乱数3は、実質的には意味のないものとなる。
【0067】
乱数4によって振り分けられる「変動パターン」は、「変動時間の長さ」を決定するものとなる。本実施例においては、この変動パターンを決定するための変動パターンテーブルとして、
図8(B)に示す様に、通常遊技状態用の変動パターンテーブル313aと、時短状態(確変状態を含む)用の変動パターンテーブル313bが、主制用ROMの変動パターン記憶部310g内の所定の記憶領域に予め記憶されている。なお、
図8(A)においては、乱数1〜乱数4をそれぞれ記憶している様に記載しているが、乱数1〜乱数4によって定まる特別図柄抽選の結果を表すフラグ情報やコード情報が記憶されるものであっても構わない。
【0068】
[4.4.2 普通図柄抽選関係]
主制御基板310は、
図9(A)に示す様に、普図スイッチSW3の検知信号入力を契機として取得した普通図柄判定用乱数に対応する情報(乱数値そのもの、乱数値に対応するフラグ情報やコード情報など)を最大4個保留記憶しておくために普通図柄保留記憶部314を、主制御用RAMの保留記憶部310iの所定の記憶領域に備えている。
【0069】
普図判定用乱数は、「当たり判定用乱数(乱数5)」と「開閉パターン振分判定用乱数(乱数6)」から構成される。当たり判定用乱数(乱数5)は、当たりかはずれかを決定するための乱数である。開閉パターン振分判定用乱数(乱数6)は、「当たり」の場合に、開放時間、開閉回数を異ならせた複数の開閉パターンのいずれかを決定するための乱数である。
【0070】
乱数5と比較する「普図当たり判定値」は、主制御基板310のROMに記憶されている。この普図当り判定値は、通常状態(低確率・非時短)では当り確率≒0に設定され、時短状態では当り確率≒1に設定されている。なお、時短状態は、高確率状態においては次回大当たりまで継続し、低確率状態においては直前の大当たり対する大当たり種別の振り分けの際に決定されている回数の特図変動ゲームが完了するまで継続する。
【0071】
本実施例においては、乱数6によって振り分けられる「開閉パターン」として、
図9(B)に示す様に、通常状態開閉パターンテーブル315aと時短状態開閉パターンテーブル315bとが、主制用ROMの変動パターン記憶部310g内の所定の記憶領域に予め記憶されている。なお、時短状態における普図当たりの場合に選択され得る開閉パターン1b,2bの方が、通常状態における普図当たりの場合に選択され得る開閉パターン1a,2aよりも、開放時間が長く、開閉回数が多くなる設定とされている。
【0072】
この普通図柄抽選の契機は、遊技領域の右側に設置されたゲート37を遊技球が通過することによって与えられるが、上述の様に、通常状態においては普図当たり確率≒0であるから、右打ちしたとしても普通電動役物の開閉によるサポートはほとんど得ることができない。一方、時短状態にあるときは、普図当たり確率≒1であるから、右打ちすれば相当に高い確率で普通電動役物の開閉によるサポートを得ることができる。
【0073】
また、普通図柄変動時間についても、本実施例においては、通常状態に対しては10秒、時短状態に対しては1秒の変動時間短縮とする設定となっている。従って、時短状態においては普通図柄当選確率がほぼ100%であることに加えて、普通図柄変動ゲームにおける変動時間が短くなることにより、次々と普通図柄当選となり、普通電動役物によるサポートがほぼ継続的に発生する状態となり得る。なお、
図8(A)においては、乱数5,乱数6をそれぞれ記憶している様に記載しているが、乱数5,乱数6によって定まる普通図柄抽選の結果を表すフラグ情報やコード情報が記憶されるものであっても構わない。
【0074】
[4.5 演出制御基板の記憶部の構成]
演出制御基板320には、音声演出、表示演出、発光演出、及び可動体演出のための演出データが、演出用制御ROMの演出データ記憶部320gの所定領域に予め記憶されている。この演出データ記憶部320gには、
図10(A)に示す様に、演出データとして、特別図柄変動ゲーム中に実行する変動ゲーム中演出データDH、大当たり遊技中に実行する大当たり中演出データDVと、デモ中に実行するデモ中演出データDMとが記憶されている。また、特図変動ゲームにおいて実行される変動パターンに応じた飾り図柄変動ゲームを表示するための飾り図柄変動演出データDKZも記憶されている。
【0075】
変動ゲーム中演出データDHnは、
図10(B)に示す様に、背景表示用データ(DHn1)、キャラクタ表示用データ(DHn2)、発光演出用データ(DHn3)、音声演出用データ(DHn4)、及び可動体演出用データ(DHn5)の組み合わせとなっている。なお、変動ゲーム中演出データDHnにおいてDHn1〜DHn5の内、例えば、可動体演出を行わない場合はDHn5がブランクデータとなる。
【0076】
大当たり中演出データDVは、大当たり種別に応じてDV1,DV2,…が備えられている。同様に、デモ中演出データDMは、デモ1用(DM1)、デモ2用(DM2)、…と複数パターンを備えている。
【0077】
飾り図柄変動演出データDKZは、ノーマルはずれ、ノーマル当たり、リーチはずれ、リーチ当たり、スーパーリーチはずれ、スーパーリーチ当たりなど、主制御基板310による抽選の結果に基づいて指令される変動パターンに対応したデータとして記憶されている。このため、本実施例においては、主制御基板310の通常状態用変動パターンテーブル313aに対応する飾り図柄変動時間となる通常状態用飾り図柄変動演出データDKZaと、主制御基板310の時短状態用変動パターンテーブル313bに対応する飾り図柄変動時間となる時短状態用飾り図柄変動演出データDKZbとが、演出制御基板320の演出データ記憶部320gに記憶されている。
【0078】
表示制御基板370は、演出制御基板320から指令される背景表示用データDHn1に従って液晶表示装置LCDに表示した背景画像に対して重ね合わせる様にして、変動パターンに対応する飾り図柄変動演出データDKZを表示する。また、この表示演出においては、キャラクタ表示データDHn2が存在する場合はキャラクタ画像を重ねて表示する演出も実行される。
【0079】
ここで、本実施例においては、変動ゲーム中演出データDHは、変動パターンに対して1対1対応となっている訳ではなく、例えば、変動パターン1に対して演出1,演出2,…などと複数の中から振り分けによって演出制御基板側で決定する構成となっている。同じく、飾り図柄変動演出データDKZも、例えば、変動パターン1に対しては変動時間1と1対1の対応であるが、飾り図柄変動パターンについては、変動パターン1に対して飾
図1a,飾
図1b,…の様に、複数の中から振り分けによって演出制御基板側で決定する構成となっている。これら振り分け可能な演出データDHや飾り図柄変動パターンは、変動パターンが大当たりの場合に振り分けられ易く、はずれの場合に振り分けられ難いグループと、その逆のグループといった具合に、信頼度グループを構成する様に振り分け確率を設定している。
【0080】
[5 主制御基板の制御処理]
[5.1 賞球払出]
主制御基板310は、
図11(A)に示す制御系統により、特図スイッチSW1,SW2、入賞検知センサSW7,SW11,SW12からの入賞検知信号が入力されると、各スイッチに対応する賞球払出個数に対応する賞球払出コマンドを払出制御基板330に対して出力する賞球払出処理を実行している。これを受けて、払出制御基板330は、遊技球の入賞口に対応して予め定められた個数の賞球の払出動作を実行する。
【0081】
この賞球払出制御は、
図11(B)に示す様な演算処理ルーチンとして実行され、スイッチSW1等からの検知信号が入力されたか否かを判断し(S10)、「YES」と判定されたら、払出制御基板330に対してセンサを特定した賞球払出信号を出力する(S20)。
【0082】
[5.2 特図入力]
また、主制御基板310は、
図12(A)に示す制御系統により、特図スイッチSW1,SW2のいずれかからの検知信号が入力されると、特別図柄を決定するための乱数を取得し、その結果を始動保留情報としてRAMに記憶する特図入力処理を実行している。
【0083】
本実施例においては、始動保留情報として第1特図スイッチSW1による検知信号に基づく始動保留情報(以下、「特
図1始動保留情報」という。)を最大4個、第2特図スイッチSW2による検知信号に基づく始動保留情報(以下、「特
図2始動保留情報」という。)を最大4個記憶することができ、通常遊技状態においては最大8個の始動保留情報を貯めることができる構成となっている。
【0084】
本実施例における特図入力処理は、
図12(B)に示す様な演算処理ルーチンとして実行され、まず、特
図1スイッチSW1からの検知信号が入力されたか否かを判定する(S110)。特
図1スイッチSW1からの検知信号が入力された場合は(S110:YES)、特
図1始動保留情報の記憶数N1(以下、「特
図1保留数N1」という。)が4未満か否かを判定する(S120)。N1<4ならば(S120:YES)、特
図1保留数N1をインクリメントし(S130)、上述の乱数1〜乱数4を取得し、RAMの始動保留情報記憶領域へと記憶する(S140)。
【0085】
S110が「NO」の場合は、特
図2スイッチSW2からの検知信号が入力されたか否かを判定する(S150)。S150が「YES」となった場合は、特
図2始動保留情報の記憶数N2(以下、「特
図2保留数N2」という。)が4未満か否かを判定する(S160)。N2<4ならば(S160:YES)、特
図2保留数N2をインクリメントし(S170)、上述の乱数1〜乱数4を取得し、RAMの始動保留情報記憶領域へと記憶する(S180)。
【0086】
そして、今回の特図入力処理を反映した先読み保留記憶用の更新情報を演出制御基板320に対して出力する(S190)。この結果、始動保留情報は、演出制御基板320から表示制御基板370へと出力され、液晶表示装置LCDを介して実施される保留アイコン表示に反映される。なお、主制御基板310による制御処理として特図表示器TKZを介して実施されている保留表示にも反映される。この結果、遊技者は、保留個数が増加する様子を把握しながら遊技をすることができる。
【0087】
[5.3 特図開始]
次に、特図開始処理について説明する。主制御基板310は、
図13(A)に示す制御系統により、RAM内に記憶された始動保留情報を読み出し、「当たり/はずれ」に応じた特別図柄変動を特図表示器TKZに実行させると共に、演出制御基板320を介して表示演出(背景、キャラクタ等)、音声演出、発光演出、可動体演出、特殊演出等を実行させる。
【0088】
主制御基板310は、
図13(B)のフローチャートに示す様な特図開始処理を、所定の周期(実施例では4ms)毎に実行している。この処理においては、まず、遊技演出(図柄変動または特別遊技)の実行中であるか否かを判定し(S210)、遊技演出実行中であるときは(S210:YES)、今回の処理を終了する。一方、遊技演出実行中でないときは(S210:NO)、RAM内の所定の記憶領域に始動保留情報が記憶されているか否かを判定する(S220)。始動保留情報が記憶されていない場合は(S220:NO)、デモ演出実行中か否かを判定し(S230)、デモ演出実行中であるならば処理を終了し(S230:YES)、デモ演出実行中でない場合は(S230:NO)、デモ演出開始を演出制御基板320に対して指令する(S240)。
【0089】
始動保留情報の記憶がある場合は(S220:YES)、記憶順の一番早い始動保留情報が特
図1始動保留情報であるか否かを判定する(S250)。特
図1始動保留情報である場合は(S250:YES)、特
図1記憶数N1をデクリメントし(S260)、記憶順の一番早い始動保留情報(乱数1〜乱数4)を読み出す(S270)。これにより、RAM内の記憶領域における始動保留情報の記憶順が更新され、特図表示器TKZや液晶表示装置LCDを介して実施されている保留表示も更新される。
【0090】
こうして読み出した特
図1始動保留情報中の乱数1が、主制御基板310のROMに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定する(S310)。この大当たり判定値は、非確変の時(低確率の時)の大当り確率と、確変状態の時(高確率の時)の大当り確率とが、予め設定されている。
【0091】
大当り判定の判定結果が肯定の場合には(S310:YES)、大当りの変動であることを示す大当りフラグに「1」が設定される(S320)。そして、主制御基板310は、乱数2の値に基づき、特図表示器TKZに確定停止表示させる「大当り図柄」を決定する(S330)。ここで、乱数2の値には、特
図1始動保留情報に対する当たり種別の振り分け率に対応して大当り図柄が対応付けられている。従って、主制御基板310は、S330の処理においては、読み出した乱数2の値に対応付けられた大当り図柄を決定することになる。大当り図柄(特図)が決定されると、乱数4の値に基づいて複数個の「大当り演出用の変動パターン(変動時間)」の中から1つの変動パターン(変動時間)を決定する(S340)。
【0092】
一方、S310の大当り判定の判定結果が否定の場合には(大当りでない場合には)、主制御基板310は、S270で読み出した特
図1始動保留情報中の乱数3に基づいてリーチ演出を実行させるか否かを判定する(S350)。本実施例では、主制御基板310は、乱数3の値が、ROMに記憶してあるリーチ演出実行判定値と一致するか否かによりS315の判定を行う。S350の判定結果が肯定の場合には(リーチ演出を行う場合には)、主制御基板310は、特図表示器TKZに確定停止表示させる「はずれ図柄」を決定し(S335)、乱数4の値に基づいて複数個の「はずれリーチ演出用の変動パターン(変動時間)」の中から1つの変動パターン(変動時間)を決定する(S345)。
【0093】
また、S350におけるリーチ判定の判定結果が否定の場合には(リーチ演出を行わない場合には)、主制御基板310は、特図表示器TKZに確定停止表示させる「はずれ図柄」を決定する(S338)。次に、主制御基板310は、乱数4の値に基づいて複数個の「はずれ演出用の変動パターン(変動時間)」の中から1つの変動パターン(変動時間)を決定する(S348)。
【0094】
こうして変動パターン(変動時間)および最終停止図柄を決定した主制御基板310は、演出制御基板320に対し、所定の信号を所定のタイミングで出力する(S360)。具体的には、主制御基板310は、変動パターン及び飾り図柄変動開始を指示する変動パターン指定コマンドを出力すると共に、変動パターンで特定された演出時間の計測を開始する。これと同時に、主制御基板310は、特図変動表示を開始させるように特図表示器TKZを制御する。また、主制御基板310は、最終停止図柄となる特別図柄を指示するための特図指定コマンドを出力する。こうして、主制御基板310は、特図開始処理を終了する。その後、特図開始処理とは別の処理において、主制御基板310は、指定した変動パターンに定められている変動時間に対応する図柄変動を行った後に、決定した最終停止図柄を表示させるように特図表示器TKZの表示内容を制御する。また、主制御基板310は、指定した変動パターンに定められている変動時間に基づいて、演出制御基板320に対して飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。
【0095】
これに対し、記憶順の一番早い始動保留情報が特
図1始動保留情報でない場合は(S250:NO)、特
図2始動保留情報であるか否かを判定する(S255)。特
図2始動保留情報である場合は(S255:YES)、特
図2記憶数N2をデクリメントし(S265)、記憶順の一番早い始動保留情報を読み出す(S275)。その後は、特
図2変動表示用処理(S400)を実行する。S400の特
図2変動表示用処理は、S310〜S360と同様に構成されている。なお、S330に対応するステップでの乱数2に基づく大当たり種別の振り分け確率は、特
図1始動保留情報よりも遊技者に有利な設定となっている。
【0096】
この特図開始処理においては、記憶順の早いものから順番に記憶を消化していく。ここで、本実施例のパチンコ機Pは、通常遊技状態においては「普通図柄当選確率≒0」と設定され、大当たりとなったときの大当たり図柄の振り分けにより、特別遊技終了後に確変や時短が付与された場合には「普通図柄当選確率≒0」へと変更される。
【0097】
この結果、通常遊技状態において右打ちをしても特
図2始動保留情報を取得することが困難であることから、遊技者は左打ちで遊技を行い、特
図1始動保留情報を蓄積しながら遊技を実行する。この結果、通常遊技状態においては、特
図1始動保留情報が記憶順に従って読み出されて判定等が実行される態様で特図開始処理が進行する。
【0098】
一方、特図判定が大当たりとなり、大当たりに伴う特別遊技終了後の遊技状態について確変や時短が付与された場合は、いわゆる電チューサポートを利用して特
図2始動保留情報を蓄積し易い状態となる。本実施例のパチンコ機Pは、大当たり中の特別遊技は右打ちすることによって大入賞口15に入賞させ易い状態となり、液晶表示装置LCD等に右打ち示唆のナビゲーション表示を実行する。この右打ちナビゲーション表示に従って、特別遊技の実行中は、遊技者は右打ちで遊技する。そして、確変や時短が付与された場合は、特別遊技終了後も右打ちを示唆するナビゲーション表示に従って、遊技者は右打ちを続行することにより特
図2始動保留情報を蓄積しながら有利に遊技を実行することができる。この結果、確変や時短が付与された遊技状態においては、特別遊技の実行直前に保留されていた特
図1始動保留情報が最初に消化された後、特
図2始動保留情報が記憶順に従って読み出されて判定等が実行される態様で特図開始処理が進行することとなる。
【0099】
なお、確変や時短が付与された遊技状態を開始したときは、特
図2始動保留情報を優先して消化する様に構成することもできる。この場合は、通常遊技状態に戻ったとき、特
図2始動保留情報が存在しなくなってから特
図1始動保留情報が消化される態様で特図開始処理が進行することとなる。
【0100】
[5.4 普図入力・判定]
次に、普通図柄抽選について説明する。主制御基板310は、
図14(A)に示す制御系統により、普図スイッチSW3からの検知信号が入力されると普通図柄抽選を実行し、第2始動入賞装置27のソレノイドSOL27に対して開閉指令を実行する。普通図柄も4個を限度に保留記憶可能に構成されている。
【0101】
普通図柄入力処理は、
図14(B)のフローチャートに示す様に、普図スイッチSW3からの検知信号が入力されると起動され(S510)、普通図柄保留情報の記憶数N3(以下、「普通図柄保留記憶数N3」という。)が4未満か否かを判定する(S520)。N3<4ならば(S520:YES)、普通図柄保留憶数N3をインクリメントし(S530)、「NO」の場合は普通図柄判定用の乱数取得に進むことなく処理を終了する。乱数取得に進むと、「当たり/はずれ」を判定するための乱数5,乱数6を取得し(S540)、RAMの普通図柄保留記憶部313に記憶する(S550)。
【0102】
普通図柄判定処理は、
図14(C)のフローチャートに示す様に、RAM内に普通図柄保留情報の記憶があるか否かを判定し(S610)、普通図柄保留情報があるときは当該記憶内容を記憶順の早いものから一つ目の乱数5を読み出す(S620)。
【0103】
続いて、「当たり/はずれ」の判定を実行する(S630)。ここで、既に述べた様に、普通図柄抽選は、「通常状態」か「確変又は時短状態」かにより、当選確率が異なる設定となっている。また、当選時の普通電動役物の開閉パターンについても異なる設定となっており、さらに各遊技状態に対して複数パターンが設定されている。そこで、「当たり」と判定されると(S630:YES)、乱数6に基づいて当たり図柄抽選を行い(S640)、当たり図柄と、これに対応する開閉パターンとを決定する。その後、変動時間が経過するのを待って(S650:YES)、S640で決定した当たり図柄を普通図柄変動ゲームにおいて確定する(S660)。なお、この普通図柄変動ゲームは、特図表示器TKZに設けた普通図柄変動表示部において実行する。こうして当たり図柄が確定したら、S650で決定した開閉パターンに対応するソレノイド駆動信号を出力する(S670)。また、S630の判定が「NO」の場合は、普通図柄変動ゲームにおいて、変動時間が経過するのを待って(S680:YES)、はずれ図柄の確定をする(S690)。
【0104】
この普通図柄変動ゲームにおける普通図柄変動時間も、「通常状態」か「確変又は時短状態」かにより異なっている。例えば、「通常状態」は普通図柄変動時間を10秒とし、「確変又は時短状態」は普通図柄変動時間を1秒とする。
【0105】
[6 演出制御基板の制御処理]
[6.1 音量・光量調節]
次に、演出制御基板320が実行する音量・光量調節について説明する。演出制御基板320による音量・光量調節は、
図15(A)に示す制御系統により、遊技者がプッシュボタンPBを押下してメニュー画面表示をリクエストすると、表示制御基板370へとメニュー画面表示コマンドを出力し、液晶表示装置LCDにメニュー画面を表示させることによって開始される。「メニュー画面」には「音量」、「光量」、及び「戻る」の選択ボタンが表示される。遊技者は、このメニュー画面においてカーソルボタンCBの操作によって「音量」「光量」、「戻る」のいずれかにカーソルを合わせてプッシュボタンPBを押下することにより、所望の処理を選択することができる。
【0106】
「音量」が選択されると、演出制御基板20は、
図15(B)のフローチャートに示す様に、音量調節ルーチンを開始し、現在の音量設定値SVOLを読み出すと共に(S71
0)、音量調節画面を表示する(S720)。音量調節画面は、例えば、レベルゲージによって構成され、S710で読み出した現在の音量設定値に着色表示をする。
【0107】
演出制御基板320は、その後、カーソルボタンCBによるアップ操作が行われたか否かを判定し(S730)、アップ操作が行われた場合は(S730:YES)、音量設定値SVOLをインクリメントする(S740)。演出制御基板320は、また、カーソルボタンCBによるダウン操作が行われたか否かを判定し(S750)、ダウン操作が行われた場合は(S750:YES)、音量設定値SVOLをデクリメントする(S760)。なお、S740,S760の処理においては、液晶表示装置LCDに表示されたレベルゲージの着色位置を変更することにより、遊技者に対して音量レベルの変更を視覚的に認識させる。
【0108】
演出制御基板320による音量調節処理は、プッシュボタンPBが押下されるまで続行され(S770:NO→S730)、プッシュボタンPBが押下されたときの音量設定値SVOLを記憶して終了する(S770:YES→S780)。
【0109】
一方、「光量量」が選択されると、演出制御基板20は、
図15(C)のフローチャートに示す様に、光量調節ルーチンを開始し、現在の光量設定値LVOLを読み出すと共に(S810)、光量調節画面を表示する(S820)。光量調節画面は、例えば、レベルゲージによって構成され、S810で読み出した現在の光量設定値に着色表示をする。
【0110】
演出制御基板320は、その後、カーソルボタンCBによるアップ操作が行われたか否かを判定し(S730)、アップ操作が行われた場合は(S730:YES)、光量設定値LVOLをインクリメントする(S740)。演出制御基板320は、また、カーソルボタンCBによるダウン操作が行われたか否かを判定し(S750)、ダウン操作が行われた場合は(S750:YES)、光量設定値LVOLをデクリメントする(S760)。なお、S740,S760の処理においては、液晶表示装置LCDに表示されたレベルゲージの着色位置を変更することにより、遊技者に対して光量レベルの変更を視覚的に認識させる。
【0111】
演出制御基板320による光量調節処理は、プッシュボタンPBが押下されるまで続行され(S770:NO→S730)、プッシュボタンPBが押下されたときの音量設定値LVOLを記憶して終了する(S770:YES→S780)。
【0112】
こうして遊技者の好みに応じた音量調節及び光量調節の結果(SVOL,LVOL)は、音量増幅回路435及び光量増幅回路425に対して入力され、これらの回路における増幅率が設定・調節される。
【0113】
[6.2 変動演出]
次に、演出制御基板320が実行する変動演出について説明する。演出制御基板320による変動演出は、
図16(A)に示す制御系統により、主制御基板310からの変動コマンドを受信することによって実行される。
【0114】
変動演出処理は、
図16(B)のフローチャートに示す様に、特別遊技中でなく、デモ表示状態でもない状態ときに実行される(S910:NO,S920:NO)。
【0115】
変動コマンドを受信したら(S930:YES)、今回の表示演出に用いる飾り図柄変動演出データDKZと変動ゲーム中演出データDHとを決定する(S940)。
【0116】
ここで、本実施例においては、演出制御用ROMの演出データ記憶部320gには、各変動パターン(変動時間)に対して、それぞれ複数個の飾り図柄変動演出データDKZが記憶されている。S940の処理では、主制御基板310からの入力によって変動パターンが特定されたことにより、当該変動パターンについて選択し得る複数個のDKZの中から、今回の変動ゲーム中演出において使用する一つのDKZを抽選によって決定する。
【0117】
また、演出制御用ROMの演出データ記憶部320gには、各変動パターン(変動時間)に対して、それぞれ複数個の変動ゲーム中演出データDHが記憶されている。S940の処理では、主制御基板310からの入力によって変動パターンが特定されたことにより、当該変動パターンについて選択し得る複数個のDHの中から、今回の変動ゲーム中演出において使用する一つのDHを抽選によって決定する。
【0118】
こうして決定したDH,DKZに対応するデータを演出データ記憶部320gから読み出す(S950)。
【0119】
S950で変動ゲーム中演出データDHを読み出したら、次に、DHが、音声演出と発光演出との間に相関関係を形成すべきデータであるか否かを判定する(S960)。このS960の判定がYESの場合は、音・光相関演出フラグFSLRをONにすると共に音・光相関コードCSLRを設定する(S970)。これに対し、S960の判定がNOの場合は、音・光相関演出フラグFSLRをOFFにする(S980)。
【0120】
なお、本実施例においては、DHが「大当たり」又は「特定はずれ」に対応するデータであるときにS1960の判定がYESとなり、それら以外の場合はNOとなる様に設定されている。音・光相関コードCSLRは、音・光相関演出フラグFSLRがONの場合に実行する音・光相関演出において、「相関パターン1:音声演出に対して相関関係を有する様に発光演出を実行するパターン」、「相関パターン2:発光演出に対して相関関係を有する様に音声演出を実行するパターン」、「相関パターン3:最大出力の大きい方に対して相関関係を有する様に音声演出及び発光演出を実行するパターン」のいずれかを設定するコード情報である。本実施例においては、CSLRは、「大当たり」又は「特定はずれ」に対応するデータが存在する場合に音・光相関演出を実行するときは「相関パターン1」を設定することとし、それ以外の場合は、抽選によって「相関パターン1」〜「相関パターン3」のいずれかを設定する構成としている。
【0121】
こうして演出用データDH及び飾り図柄変動演出データDKZを読み出し、音・光相関演出フラグFSLR及び音・光相関演出コードCSLRの設定ができたら、変動演出を開始する(S990)。
【0122】
変動ゲーム中演出データDHによる演出(S1000)は、主制御基板310から全図柄停止コマンドを受信したときに(S1010:YES)、飾り図柄変動演出における確定図柄の停止を行って終了する(S1020)。この飾り図柄変動表示における確定図柄停止のタイミングは、主制御基板310による特図表示器TKZへの特別図柄確定のタイミングと同期している。
【0123】
なお、特別遊技中であるときは(S910:YES)、変動ゲーム中演出データDHではなく、大当たり中演出データDVを読み出して(S1050)、大当たり中演出ルーチンを実行する(S1060)。また、デモ表示タイミングであるときは(S920:YES)、デモ中演出データDMを読み出し(S1070)、デモ中演出ルーチンを実行する(S1080)。
【0124】
[6.3 大当たり中演出]
次に、演出制御基板320が実行する大当たり中演出について説明する。演出制御基板320による大当たり中演出は、
図17(A)に示す制御系統により、大当たり種別に従って、オープニング演出、特別遊技中演出、及びエンディング演出として実行される。特別遊技中演出は、主制御基板310による1ラウンド目の開始タイミングと同期して開始され、最終ラウンドの終了タイミングと同期して終了する。オープニング演出は、大当たり確定から特別遊技中演出開始までの間に、エンディング演出は、特別遊技中演出の終了から所定時間が経過するまでの間に、それぞれ実行される。これら大当たり中演出は、音声演出、表示演出、発光演出、及び可動体演出によって構成されている。
【0125】
この大当たり中演出は、
図18(B)のフローチャートの様に構成され、大当たり種別に対応する特別遊技中演出データDVを決定する(S1410)。続いて、音・光相関演出フラグFSLRをONにすると共に、音・光相関コードCSLRを「パターン1」に設定した上で、オープニング演出を開始する(S1420)。
【0126】
ここで、本実施例の遊技機においては、大当たり中のBGMを遊技者が選択することができる様に構成している。従って、大当たり中演出における音声演出は、遊技者が選択したBGMとの相関関係を重視したものとするために、CSLR=「パターン1」に設定することとしたものである。
【0127】
オープニング演出は特別遊技の1ラウンド目の開始タイミングとなるまで続行される(S1430:NO)。1ラウンド目の開始タイミングになると(S1430:YES)、オープニング演出を終了すると共に、S1410で読み出したDVに基づく特別遊技中演出を開始する(S1440)。この特別遊技中演出は特別遊技の最終ラウンドの終了タイミングとなるまで続行される(S1450:NO)。最終ラウンドの終了タイミングになると(S1450:YES)、特別遊技中演出を終了すると共に、エンディング演出を開始する(S1460)。このエンディング演出は時間によって実行期間が定められている。このため、所定時間が経過したとき(S1470:YES)、エンディング演出を終了すると共に、音・光相関演出フラグFSLRをOFFにして本ルーチンを抜ける(S1480)。
【0128】
ここで、本実施例の遊技機においては、特別遊技は、大入賞口7を所定時間開放するか、開放中の大入賞口7に所定個数の入賞があったときに一つのラウンドを終了する構成となっている。従って、特別遊技中演出の実行期間は、時間によって決定される訳ではない。これに対し、エンディング演出は大当たり種別によって定まる所定の内容の演出とされているので、時間によって実行期間を定めることができる。オープニング演出の実行期間についても大当たり種別に従って時間で定めることができるが、特別遊技中のラウンド昇格演出の様に、必ずしもオープニング演出の実行中には大当たり種別が遊技者に分からない様にする場合もある。従って、オープニング演出は、主制御基板310による1ラウンド目の開始タイミングによって終了時期を設定している。
【0129】
[6.4 音・光相関演出設定]
次に、音・光相関演出について説明する。音・光相関演出は、
図18(A)に示す様に、演出制御基板320が、信号中継基板410を経由して音・光相関用IC610へと音・光相関コードCSLRに対応するパターンを指令し、音演出反映用IC620又は光演出反映用IC630を有効化することによって設定する構成としている。
【0130】
演出制御基板320は、変動ゲーム中演出(S1000)及び大当たり中演出(S1060)を実行する際には、
図18(B)に示す様に、音・光相関演出フラグがONであるか否かを判定する処理を実行し(S1510)、音・光相関演出フラグがONであるときは(S1510:YES)、音・光相関コードCSLRに設定されたパターンに従って、音・光相関演出を実行するために、音演出反映用IC620又は光演出反映用IC630を有効化する指令を信号中継基板410に対して出力する処理を実行する(S1520〜S1560)。
【0131】
具体的には、音・光相関コードCSLRがパターン1ならば(S1520:YES)、音演出反映用IC620を有効化する指令を出力し(S1530)、パターン2ならば(S1520:NO,S1540:YES)、光演出反映用IC630を有効化する指令を出力し(S1550)、パターン1でもパターン2でもない場合は(S1520:NO,S1540:NO)、これから実行する演出用データDH(又はDHTZ、若しくはDV)における音声演出用データと発光演出用データの最大出力を比較し(S1560)、音声演出用データの方が大きい場合は音演出反映用IC620を有効化する指令を出力し(S1560:YES→S1530)、発光演出用データの方が大きい場合は光演出反映用IC630を有効化する指令を出力する(S1560:NO→S1550)。
【0132】
パターン1の場合、音・光相関用IC610は、演出制御基板320からの指令に従って、音演出反映用IC620を有効化し、ランプ制御基板420が出力する発光制御信号に応じた発光対象のLEDに対し、音声制御基板430が出力する音声信号に対応する波形の電流を供給する制御を実行する。これによって、音声の大小に対応してLEDを明滅させる発光演出が実行されることとなる。
【0133】
パターン2の場合、音・光相関用IC610は、演出制御基板320からの指令に従って、光演出反映用IC630を有効化し、音声制御基板430が出力する音声信号に対し、ランプ制御基板420が出力する発光制御信号の出力値に応じた増減補正を行った電流をスピーカに対して出力する制御を実行する。これによって、発光の強さに応じて音量が増減された音声演出が実行されることとなる。
【0134】
パターン3の場合は、パターン1の場合又はパターン2の場合のいずれかに対応する音・光相関演出が実行される。
【0135】
[7 構成・作用・効果]
本実施例は、図柄の変動表示が可能であって所定の抽選に当選したことを契機に特典が得られる遊技機(パチンコ機P)において、以下の構成を備えることを特徴とする。
(1A)音及び光による演出を、音出力手段(スピーカSP)及び光出力手段(LED)に実行させるための信号を出力する演出信号出力手段(演出制御基板320)を備えていること。
(1B)前記演出信号出力手段(演出制御基板320)と前記音出力手段(スピーカSP)及び前記光出力手段(LED)との間に、前記演出信号出力手段(演出制御基板320)からの信号に従いつつ、前記音出力手段(スピーカSP)及び前記光出力手段(LED)の一方に、他方に対して相関関係を有する演出を実行させる相関関係形成手段(音・光相関用IC610)を備えていること。
【0136】
本実施例の遊技機によれば、相関関係形成手段(音・光相関用IC610)が、音出力手段(スピーカSP)及び光出力手段(LED)の一方に、他方に対して相関関係を有する演出を実行させることにより、音と光のバランスのよい演出が可能である。そして、相関関係形成手段(音・光相関用IC610)は、こうした相関関係を有する演出を音出力手段(スピーカSP)及び光出力手段(LED)に対して実行させるに当たり、演出信号出力手段(演出制御基板320)からの信号に従いつつこれを実行するから、相関関係を有する演出が、大当たり信頼度報知等の目的とずれてしまうこともない。
【0137】
本実施例の遊技機は、さらに、以下の構成をも備えている。
(2A)前記音出力手段(スピーカSP)が入力信号に応じて音の出力態様を変化させる手段として構成され、前記光出力手段(LED)が入力信号に応じて光の出力態様を変化させる手段として構成されていること。
(2B)前記相関関係形成手段(音・光相関用IC610)が、前記音出力手段(スピーカSP)及び前記光出力手段(LED)の一方に対する入力信号に応じて他方に対する入力信号を変化させることにより、前記相関関係を有する演出を実行させる手段として構成されていること。
【0138】
この結果、本実施例の遊技機によれば、音と光の相関関係は、音出力手段(スピーカSP)及び光出力手段(LED)の一方に対する入力信号に応じて他方の入力信号を変化させるから、音による演出と光による演出の実行タイミングも同期させたものとすることができ、より一層、バランスのよい演出を音と光に相関関係を持たせて実施することができる。
【0139】
本実施例の遊技機は、さらに、以下の構成をも備えている。
(3A)前記音出力手段(スピーカSP)が、入力される電流値の変化に応じて音の出力態様を変化させる手段として構成され、前記光出力手段(LED)が、入力される電流値の変化に応じて光の出力態様を変化させる手段として構成されていること。
(3B)前記相関関係形成手段(音・光相関用IC610)が、前記音出力手段(スピーカSP)及び前記光出力手段(LED)の一方に入力される電流値に応じて他方に入力させる電流値を変化させることにより、前記相関関係を有する演出を実行させる手段として構成されていること。
【0140】
電流値の変化を対応させることにより、「音量が大きいときは光量を大きく」、「光量が大きいときは音量を大きく」といった出力のバランスをより一層一致させることができる。
【0141】
本実施例の遊技機は、さらに、以下の構成をも備えている。
(4A)前記音出力手段(スピーカSP)から出力する音量を調節する音量調節手段(カーソルボタンCB)を備えると共に、前記音出力手段(スピーカSP)と前記演出信号出力手段(演出制御基板320)との間に、前記音量調節手段(カーソルボタンCB)による音量の調節を反映させる音量増幅手段(音量増幅回路435)を備えていること。
(4B)前記相関関係形成手段(音・光相関用IC610)が、前記光出力手段(LED)によって実行すべき演出を前記音出力手段(スピーカSP)に対して反映させる様に前記相関関関係を有する演出を実行させる手段として構成されていること(パターン2)。
【0142】
この結果、本実施例の遊技機は、音量を下げる設定をしたり、逆に音量を上げる設定をすることができる。この場合、例えば、大当たり信頼度が高い程、音も光も強調した演出とする設定がなされていたとき、音量が下げられているために大当たり信頼度を十分に伝えることができない可能性があるが、光出力手段(LED)によって実行すべき演出を音出力手段(スピーカSP)に対して反映させることにより、大当たり信頼度が高い場合の情報伝達を的確に実施することができる。
【0143】
本実施例の遊技機は、さらに、以下の構成をも備えている。
(5A)前記光出力手段(LED)から出力する光量を調節する光量調節手段(カーソルボタンCB)を備えると共に、前記光出力手段(LED)と前記演出信号出力手段(演出制御基板320)との間に、前記光量調節手段(カーソルボタンCB)による光量の調節を反映させる光量増幅手段(光量増幅回路425)を備えていること。
(5B)前記相関関係形成手段(音・光相関用IC610)が、前記音出力手段(スピーカSP)によって実行すべき演出を前記光出力手段(LED)に対して反映させる様に前記相関関関係を有する演出を実行させる手段として構成されていること(パターン1)。
【0144】
この結果、本実施例の遊技機は、光量を下げる設定をしたり、逆に光量を上げる設定をすることができる。この場合、例えば、大当たり信頼度が高い程、音も光も強調した演出とする設定がなされていたとき、光量が下げられているために大当たり信頼度を十分に伝えることができない可能性があるが、音出力手段(スピーカSP)によって実行すべき演出を光出力手段(LED)に対して反映させることにより、大当たり信頼度が高い場合の情報伝達を的確に実施することができる。
【0145】
本実施例の遊技機は、さらに、以下の構成をも備えている。
(6)前記相関関係形成手段(音・光相関用IC610)は、所定条件が成立した場合に作動し、当該所定条件が成立していない場合には作動しない様に構成されていること(音・光相関用フラグFSLRのON/OFF)。
【0146】
相関関係形成手段(音・光相関用IC610)が有効に作動する条件を設定することにより、大当たり信頼度が高い場合については相関関係を有する音と光の演出を実行し、それ以外の場合は、遊技機における基準の設定、あるいは、ホールや遊技者が設定した音量や光量による演出を実行するといった様に、ホールや遊技者の方針や好みを尊重しつつ、所定条件が成立した場合にだけ、音と光に相関関係を持たせた演出を実行することができる。