特許第6346636号(P6346636)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エルエフ センテニアル リミテッドの特許一覧

特許6346636模造の木目調およびきめを有する接合薄板、接合薄板パネル、およびこれらを作製する方法
<>
  • 特許6346636-模造の木目調およびきめを有する接合薄板、接合薄板パネル、およびこれらを作製する方法 図000002
  • 特許6346636-模造の木目調およびきめを有する接合薄板、接合薄板パネル、およびこれらを作製する方法 図000003
  • 特許6346636-模造の木目調およびきめを有する接合薄板、接合薄板パネル、およびこれらを作製する方法 図000004
  • 特許6346636-模造の木目調およびきめを有する接合薄板、接合薄板パネル、およびこれらを作製する方法 図000005
  • 特許6346636-模造の木目調およびきめを有する接合薄板、接合薄板パネル、およびこれらを作製する方法 図000006
  • 特許6346636-模造の木目調およびきめを有する接合薄板、接合薄板パネル、およびこれらを作製する方法 図000007
  • 特許6346636-模造の木目調およびきめを有する接合薄板、接合薄板パネル、およびこれらを作製する方法 図000008
  • 特許6346636-模造の木目調およびきめを有する接合薄板、接合薄板パネル、およびこれらを作製する方法 図000009
  • 特許6346636-模造の木目調およびきめを有する接合薄板、接合薄板パネル、およびこれらを作製する方法 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6346636
(24)【登録日】2018年6月1日
(45)【発行日】2018年6月20日
(54)【発明の名称】模造の木目調およびきめを有する接合薄板、接合薄板パネル、およびこれらを作製する方法
(51)【国際特許分類】
   B32B 29/00 20060101AFI20180611BHJP
   B32B 21/06 20060101ALI20180611BHJP
   B32B 27/10 20060101ALI20180611BHJP
   B32B 27/40 20060101ALI20180611BHJP
   B27D 5/00 20060101ALI20180611BHJP
   B27M 3/00 20060101ALI20180611BHJP
【FI】
   B32B29/00
   B32B21/06
   B32B27/10
   B32B27/40
   B27D5/00
   B27M3/00 N
【請求項の数】12
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-120460(P2016-120460)
(22)【出願日】2016年6月17日
(65)【公開番号】特開2017-149127(P2017-149127A)
(43)【公開日】2017年8月31日
【審査請求日】2016年10月26日
(31)【優先権主張番号】62/300,205
(32)【優先日】2016年2月26日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/092,668
(32)【優先日】2016年4月7日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516181664
【氏名又は名称】エルエフ センテニアル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ガスタボ ヴァレーツ
【審査官】 伊藤 寿美
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−019066(JP,A)
【文献】 特開昭55−002042(JP,A)
【文献】 特開2011−173285(JP,A)
【文献】 特開2001−293703(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00−43/00
B44F 1/00−99/00
B27D 5/00
B27M 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の面および第二の面を有する木材パルプ紙基材と、
紙基材の該第二の面の上に重なる刻印可能な材料の層であって、該刻印可能な材料の層は、樹脂系接着剤と、散乱した木部繊維材料とを含む、刻印可能な材料の層と、
該紙基材の該第の面に刻印された木目調のきめと、
該紙基材の該第一の面に印刷された模造木目調パターン
を備え、該刻印可能な材料は、木材パネルに接着可能である、模造木材薄板製品。
【請求項2】
前記紙基材は、.3mm〜.4mmの厚さを有する請求項1に記載の模造木材薄板製品。
【請求項3】
前記接着剤はポリウレタンを含む、請求項1に記載の模造木材薄板製品。
【請求項4】
前記接着剤はポリウレタンを含む、請求項2に記載の模造木材薄板製品。
【請求項5】
前記刻印可能な材料はMDFのおがくずを含む、請求項に記載の模造木材薄板製品。
【請求項6】
前記刻印可能な材料は、.5mm〜.7mmの厚さである、請求項1に記載の模造木材薄板製品。
【請求項7】
木材パネルと、
該木材パネルの表面に接合された模造木材薄板製品
を備える模造木材薄板パネルであって、
該模造木材薄板製品は、
第一の面および第二の面を有する木材パルプ紙基材と、
紙基材の該第二の面の上に重なる刻印可能な材料の層であって、該刻印可能な材料の層は、樹脂系接着剤と、散乱した木部繊維材料とを含む、刻印可能な材料の層と、
該紙基材の該第の面に刻印された木目調のきめと、
該紙基材の該第一の面に印刷された模造木目調パターン
を備える、
模造木材薄板パネル。
【請求項8】
前記接着剤はポリウレタンを含む、請求項に記載の模造木材薄板パネル。
【請求項9】
前記木材パネルはMDFを備え前記木部繊維材料はMDFのおがくずを含む、請求項に記載の模造木材薄板パネル。
【請求項10】
模造木材薄板製品を作製する方法であって:
第一の面および第二の面を有する木材パルプ紙基材を得る工程と、
紙基材の該第二の面に刻印可能な材料を塗布する工程と、
印可能な材料を乾燥させて、刻印可能な材料の層を該基材の該第二の面に形成する工程であって、該刻印可能な材料の層は、樹脂系接着剤と、散乱した木部繊維材料とを含む、工程と、
木目調のきめを該紙基材の該第一の面に刻印する工程と、
模造木目調パターンを、該紙基材の該第一の面に印刷する工程
を包含する、方法。
【請求項11】
前記紙基材の前記第二の面に刻印可能な材料を塗布する工程は、該紙基材の該第二の面に接着剤を塗布することを包含する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記紙基材の前記第二の面に刻印可能な材料を塗布する工程は、前記接着剤上に前記木部繊維材料を散乱させることを包含する、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
1.発明の分野
本開示は一般に、家具において使用するための構造用木材製品、および構造用木材製品に貼り付けられる木製薄板に関し、そしてより特定すると、紙基材およびこの紙基材に接着された刻印可能な材料から作製された、模造薄板製品に関する。
【背景技術】
【0002】
2.関連分野の背景
木製薄板は、無垢の木材の木目調およびきめがあることにより、複合木材材料から作製された製品に無垢の木材の外観を与えるので、望ましい。木製薄板は、構造用または複合木材製品に貼り付けられる場合に、安定性および強度、ならびに改善された美的外観を与える。木製薄板の使用はまた、森林の持続可能性およびより低い材料費のために、望ましい。
【0003】
模造木材薄板製品はまた、より低い費用の家具製品において成功している。この点に関して、印刷された木目調パターンを有する紙製薄板が、市場においていくらか成功している。しかし、これらの模造の紙製薄板製品は、本物の木製薄板の深さおよびきめを欠く。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、例えば、以下を提供する:
(項目1)
第一の面および第二の面を有する紙基材;
該紙基材の該第二の面の上に重なる接着剤;
該接着剤の上に重なる刻印可能な材料の層;
該紙基材の該第二の面に刻印された木目調のきめ;ならびに
該紙基材の該刻印された第二の面に印刷された模造木目調パターン
を備える、模造木材薄板製品。
(項目2)
上記紙基材は、約0.3mm〜約0.4mmの厚さを有する木材パルプ紙製品である、上記項目に記載の模造木材薄板製品。
(項目3)
上記接着剤はポリウレタンを含む、上記項目のいずれかに記載の模造木材薄板製品。
(項目4)
上記接着剤はポリウレタンを含む、上記項目のいずれかに記載の模造木材薄板製品。
(項目5)
繊維性材料の上記層は、木部繊維材料である、上記項目のいずれかに記載の模造木材薄板製品。
(項目6)
上記刻印可能な材料はMDFのおがくずを含む、上記項目のいずれかに記載の模造木材薄板製品。
(項目7)
上記刻印可能な材料は木部繊維材料である、上記項目のいずれかに記載の模造木材薄板製品。
(項目8)
上記木部繊維材料はMDFのおがくずを含む、上記項目のいずれかに記載の模造木材薄板製品。
(項目9)
上記刻印可能な材料は、約0.5mm〜約0.7mmの厚さである、上記項目のいずれかに記載の模造木材薄板製品。
(項目10)
木材パネル;および
該木材パネルの表面に接合された模造木材薄板製品;
を備える模造木材薄板パネルであって、
該模造木材薄板製品は、
第一の面および第二の面を有する紙基材;
該紙基材の該第二の面の上に重なる接着剤;
該接着剤の上に重なる刻印可能な材料の層;
該紙基材の該第二の面に刻印された木目調のきめ;ならびに
該紙基材の該刻印された第二の面に印刷された模造木目調パターン
を備える、
模造木材薄板パネル。
(項目11)
上記接着剤はポリウレタンを含む、上記項目に記載の模造木材薄板パネル。
(項目12)
上記刻印可能な材料は木部繊維材料である、上記項目のいずれかに記載の模造木材薄板パネル。
(項目13)
上記木材パネルはMDFを備え、そして上記木部繊維材料はMDFのおがくずを含む、上記項目のいずれかに記載の模造木材薄板パネル。
(項目14)
模造木材薄板製品を作製する方法であって:
紙基材を得る工程:
該紙基材のウラ面に接着剤を塗布する工程;
該接着剤に刻印可能な材料を塗布する工程;
該接着剤および該刻印可能な材料を乾燥させて、刻印可能な材料の層を該基材の該ウラ面に形成する工程;
木目調のきめを該紙基材のオモテ面に刻印する工程;ならびに
模造木目調パターンを、該紙基材の該刻印されたオモテ面に印刷する工程
を包含する、方法。
【0005】
摘要
模造木材薄板製品が開示される。この模造木材薄板製品は、紙基材、およびこの紙基材の片面に塗布された刻印可能な木部繊維材料を備える。この刻印可能な木部繊維材料は、この紙基材に深さを与え、そしてこの紙が、刻印された木目調のきめを受け入れて保持することを可能にする。一旦刻印されると、この薄板製品は、模造木目調パターンを印刷されて、写実的な模造薄板製品を作製し、これは本明細書中で、「接合薄板」と称される。次いで、この接合薄板製品は、構造用または複合木材パネル(例えば、MDFパネル)に接着されて、模造木材薄板パネルを作製し得、この模造木材薄板パネルは、さらなる製品の構築において使用され得る。
【0006】
発明の要旨
従って、構造用木材パネルの安定性および強度を増強し、より深い三次元の木目調パターンを標準的な紙製薄板上で可能にし、費用を削減し、そして森林の持続可能性を提供する、改善された模造薄板製品の開発が、非常に望まれている。
【0007】
本明細書中に記載される薄板製品は、紙基材およびこの紙基材の片面に塗布された刻印可能な材料を備える模造薄板製品を提供することによって、先行技術の課題を解決する。この刻印可能な材料は、この紙基材に深さを与え、そしてこの紙基材が、刻印される木目調のきめを受け入れて保持することを可能にする。一旦刻印されると、この薄板製品は模造木目調パターンを印刷されて、非常に写実的な模造木材薄板製品を作製し、これは本明細書中で、「接合薄板」と称される。次いで、この接合薄板製品は、構造用または複合木材パネル(例えば、中密度繊維板(MDF)パネル)に接着されて、家具製品の構築に使用され得る薄板パネルを作製し得る。
【0008】
1つの実施形態において、この木目調のきめは、この接合薄板の紙基材の面に刻印され、そしてまた、この紙基材の面に印刷される。刻印可能な材料の面は、木材パネルに膠付けされる。
【0009】
別の実施形態において、この木目調のきめは、この刻印可能な材料の面に刻印され、そしてまた、この刻印可能な材料の面に印刷される。この実施形態において、紙基材の面は、木材パネルに膠付けされる。
【0010】
本発明のこれらおよび他の特徴、局面、および利点は、以下の説明、添付の特許請求の範囲、および添付の図面を参照して、よりよく理解される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、接合薄板製品の第一の例示的な実施形態の図示である。
図2図2は、図1の接合薄板製品を作製する方法の流れ図である。
図3図3は、図1の接合薄板製品が片面に貼り付けられた構造用木材パネルの図示である。
図4図4は、図3の接合薄板パネルを作製する方法の流れ図である。
図5図5は、接合薄板製品の第二の例示的な実施形態の図示である。
図6図6は、図5の接合薄板製品を作製する方法の流れ図である。
図7図7は、図5の接合薄板製品が片面に貼り付けられた構造用木材パネルの図示である。
図8図8は、図7の接合薄板パネルを作製する方法の流れ図である。
図9図9は、刻印された表面のきめおよび模造木目調印刷を示す、接合薄板材料の図示である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
好ましい実施形態の説明
図1を参照すると、接合薄板の第一の例示的な実施形態が図示されており、そして一般に100で示されている。接合薄板製品100は、基材112を備え、この基材は、好ましくは紙材料であるが、他の適切な基材材料(ポリマーまたはポリマーフィルム材料が挙げられるが、これらに限定されない)を含んでもよい。基材112は、接着剤材料114および刻印可能な材料116でコーティングされる。
【0013】
紙基材112は、好ましくは、広い形式のロール形態で供給される、従来の木材パルプ紙材料である。紙の重量および明るさは、特定の最終用途に依存して変わり得るが、紙は好ましくは、0.3mm〜0.4mmの厚さである。
【0014】
接着剤材料114のために適切な材料としては、尿素−ホルムアルデヒド樹脂(UF)、フェノールホルムアルデヒド樹脂(PF)、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂(MF)、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)またはポリウレタン(PU)樹脂が挙げられ得る。他の接着剤が、意図される目的に適切である場合、使用され得る。
【0015】
刻印可能な材料116は、全ての種々の針葉樹および広葉樹を含めた、種々の木部繊維材料から選択され得る。好ましくは、この刻印可能な材料は、中密度繊維板(MDF)を作製する際に使用される木部繊維材料と類似の、おがくず材料である。刻印可能な材料116はまた、竹繊維、ダイズ、コーンスターチ、または他の環境にやさしい材料などの、他の適切な材料から選択され得る。紙基材112に接着されるとき、木部繊維材料116は、紙基材112に、本物の木製薄板を模倣する、増大した厚さおよびきめを与える。木部繊維材料116は、好ましくは、およそ0.5mm〜約0.7mmである厚さで塗布される。木部繊維材料116は、別に塗布され得るか、または基材116への塗布の前に接着剤114と予め混合され得る(図示せず)。
【0016】
図2を参照すると、接合薄板100を作製する例示的な方法が記載されている。紙基材112は、好ましくは、連続製造プロセスのために、ロール形態で供給される。紙基材112は、接着剤コーターデバイス(例えば、ホットメルトコーター)を通して供給されて、接着剤114の層を塗布し、次いで、繊維散乱機を通り、この機械は、生の木部繊維材料116(おがくず)の層を、まだ湿っている接着剤114上に均一に分布させる。接着剤114および刻印可能なおがくず材料116のコーティング厚さは、意図される最終用途のために望ましいように、変更され得る。
【0017】
その後、コーティングされた基材112は、好ましくは、長い乾燥オーブンを通されて、接着剤114を乾燥させ、そして繊維材料116を固めて、完成した接合薄板製品100にする。次いで、接合薄板100は、さらなる加工のために、引取りロールに再度巻き取られる。
【0018】
この流れ図には示されないが、より厚い薄板材料が望ましい場合、接着剤および刻印可能な木部繊維材料の2回目の塗布が完了され得る。
【0019】
次いで、接合薄板製品100は、(紙基材の面に)木目調のきめ118(図9を参照のこと)を刻印されて、本物の木材の外観および手触りを模倣する。この刻印は、1つの滑らかなローラ、および隆起した木目調のきめを有する第二のローラを備える、ニップロール刻印デバイスで完了する。接合薄板がこのニップを通過するとき、木目調のきめ118が、接合薄板製品100に刻印される。接着剤114および繊維性のおがくず材料116は、紙基材112に、刻印ローラからの写実的な木目調のきめ118を受け入れて保持することが可能な厚さおよび柔軟さを与える。
【0020】
刻印後、この接合薄板は、後の印刷のために引取りロールに再度巻き込まれ得るか、またはこのプロセスの完了のために多段階印刷アセンブリに直接供給され得る。この多段階印刷アセンブリは、色を次々に下ろして、模造木目調パターン120を刻印された基材112上に作製する。例えば、接合薄板100は、6色印刷機を使用して印刷され得る。この印刷機の第一のシリンダは、この基材にベースコートを塗布する。この印刷機の第二〜第六のシリンダは、この基材に異なる色を塗布し、これらの色の組み合わせが、仕上げられた、または天然の木材製品の印刷された外観を与える。これらの色は、この印刷の色調および最終的な外観を変えるために、変更され得る。完了したら、この刻印および印刷された薄板製品100は、きめと外観との両方において、本物の木製薄板を模倣する。
【0021】
ここで図3および図4を参照すると、接合薄板100は接着剤220で構造用木材パネル218に貼り付けられて、接合薄板パネル200を形成し得る。接合薄板100はパネル218に、紙基材の面112が上に面する(模造木目調がパネル218の逆に面する)状態で貼り付けられる。接合薄板100は、パネル218の縁部を含めた1つまたはより多くの表面に、貼り付けられ得る。余分な接合薄板100がパネル218から切り取られて、仕上げられた接合薄板パネル200を作製し、次いで、この仕上げられた接合薄板パネルは、家具、棚、および他の製品(これらは以前には、本物の木材薄板パネルで構築されていた)を作製するために使用され得る。
【0022】
構造用木材パネル218のために適切な材料は、任意の平坦な構造用または複合木材材料であり得るが、より特定すると、エンジニアリングウッド材料(例えば、合板、ハードボード、中密度繊維板(「MDF」)、およびパーティクルボードなど)を含み得る。
【0023】
図5および図6を参照すると、接合薄板製品の第二の例示的な実施形態が図示されており、そして一般に300で示されている。接合薄板製品300は、第一の実施形態100と同じ層を備える。具体的には、接合薄板製品300は、接着剤314でコーティングされた基材312を備え、そして刻印可能な材料316が、接着剤314に塗布されている。刻印可能な材料316は、別に塗布され得るか、または基材316への塗布前に接着剤314と予め混合され得る。
【0024】
第一の実施形態とは対照的に、第二の実施形態においては、模造木目調パターンは、刻印可能な材料316の露出したウラ表面にエンボス加工および印刷されている。この点に関して、刻印可能な材料316は、その外観が本物の木製薄板を模倣する、外側表面のきめおよび外観を与える。
【0025】
第一の実施形態100と同様に、第二の実施形態300において接着剤314のために適切な材料としてはまた、尿素−ホルムアルデヒド樹脂(UF)、フェノールホルムアルデヒド樹脂(PF)、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂(MF)、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)またはポリウレタン(PU)樹脂が挙げられ得る。他の接着剤が使用されてもよい。
【0026】
図6を参照すると、接合薄板300を形成するためのプロセス工程は、以下の例外を除いて、図2に示されるものとほぼ同じである。接合薄板300が乾燥オーブンを出て再度巻き取られた後に、刻印可能な材料316の背面(外側表面)は、刻印される木目調のきめを受け入れ、そして印刷される木目調パターンをさらに受け入れることが可能な、滑らかな薄板表面を提供するために、やすり掛けされなければならない。従って、この巻き取られた材料は、研磨機を通過して、その背面に、さらなる加工のための適切な仕上げを与えられる。その後、材料316が刻印されたきめおよび印刷されたパターンを受け入れることを唯一の差異として、同じ刻印工程および印刷工程が完了される。
【0027】
図7および図8を参照すると、接合薄板製品300は、接着剤420を用いて、構造用または複合木材パネル418に貼り付けられ得る。接合薄板300は、パネル418に、紙基材の面がパネル418に面する(材料316および模造木目調のきめがパネル418の逆に外向きに面する)状態で、貼り付けられる。接合薄板300は、パネル418の縁部を含めた1つまたはより多くの表面に、貼り付けられ得る。余分な接合薄板300がパネル418から切り取られて、仕上げられた接合薄板パネル400を作製し、次いで、この仕上げられた接合薄板パネルは、家具、棚、および他の製品(これらは以前には、本物の木材薄板パネルで構築されていた)を作製するために使用され得る。
【0028】
第一の実施形態200と同様に、第二の実施形態400における構造用木材パネル418のために適切な材料としてはまた、エンジニアリングウッド材料(例えば、合板、ハードボード、中密度繊維板(「MDF」)、およびパーティクルボードなど)が挙げられる。
【0029】
1つまたはより多くの特性(例えば、耐久性、防カビ性、難燃性、UV保護)を改善する目的で、あるいは仕上げ外観(例えば、光沢またはつや消し仕上げコーティング)を改善する目的で、さらなるコーティングが、刻印可能な材料116の面または紙基材112の面に塗布され得る。
【0030】
従って、本発明は、環境にやさしく、安定かつ頑丈であり、材料費が低く、そして天然木材の使用を最小にする、新規な接合薄板製品を提供することがわかる。この接合薄板製品は、製造費用を削減するというさらなる利点を有する。
【0031】
種々の変更および改変が、本発明の趣旨から逸脱することなく、説明された実施形態に対してなされ得ることが当業者により理解される。全てのこのような改変および変更は、添付の特許請求の範囲の範囲によって限定される場合を除いて、本発明の範囲内であることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9