(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6346641
(24)【登録日】2018年6月1日
(45)【発行日】2018年6月20日
(54)【発明の名称】コークス炉ガスの増量システムおよびその増量方法
(51)【国際特許分類】
C10B 57/12 20060101AFI20180611BHJP
【FI】
C10B57/12
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-178374(P2016-178374)
(22)【出願日】2016年9月13日
(65)【公開番号】特開2017-115125(P2017-115125A)
(43)【公開日】2017年6月29日
【審査請求日】2016年9月13日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0184813
(32)【優先日】2015年12月23日
(33)【優先権主張国】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】592000691
【氏名又は名称】ポスコ
【氏名又は名称原語表記】POSCO
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】韓 眞 美
(72)【発明者】
【氏名】金 柄 鎰
(72)【発明者】
【氏名】文 己 顯
(72)【発明者】
【氏名】朴 京 兌
(72)【発明者】
【氏名】金 ギョン フン
【審査官】
森 健一
(56)【参考文献】
【文献】
特表2013−515834(JP,A)
【文献】
特開平03−212487(JP,A)
【文献】
特表2015−532934(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C10B 57/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファイネックス工場で発生する二酸化炭素を炭化室に供給する二酸化炭素供給装置(1)と、
前記二酸化炭素が供給された炭化室に加工された微粉炭を供給する微粉炭供給装置(2)と、
前記微粉炭を炭化室内で前記二酸化炭素と反応させる微粉炭/二酸化炭素反応装置(3)と、
前記微粉炭を炭化室内の前記二酸化炭素と反応させて、炭素および二酸化炭素をコークス炉ガス化するコークス炉ガス増量装置(4)と、を含み、
前記微粉炭供給装置(2)は、供給される微粉炭を、粒子径が3mm以下の大きさの微粉炭を選別する選別機(50)と、選別された微粉炭を乾燥する乾燥機(60)と、乾燥した微粉炭を破砕する破砕機(70)と、破砕された微粉炭を貯蔵する微粉炭貯蔵槽(80)と、を含むことを特徴とするコークス炉ガスの増量システム。
【請求項2】
前記二酸化炭素供給装置(1)は、二酸化炭素を供給する二酸化炭素投入ノズルをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のコークス炉ガスの増量システム。
【請求項3】
前記微粉炭供給装置(2)は、加工された微粉炭を供給する微粉炭投入管をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のコークス炉ガスの増量システム。
【請求項4】
前記微粉炭/二酸化炭素反応装置(3)は、前記二酸化炭素供給装置(1)から供給される二酸化炭素、および前記微粉炭供給装置(2)から供給される微粉炭が前記炭化室に投入されるように、炭化室の上部に設けられた投入配管をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のコークス炉ガスの増量システム。
【請求項5】
コークス炉の炭化室に二酸化炭素を供給する二酸化炭素供給段階(S1)と、
前記二酸化炭素が供給された炭化室に微粉炭を供給する微粉炭供給段階(S2)と、
前記微粉炭を炭化室内の二酸化炭素と反応させて、炭素および二酸化炭素をコークス炉ガス化するガス化段階(S3)と、を含み、
前記微粉炭供給段階(S2)において、前記微粉炭は、選別、加熱、破砕、および移送する段階を経て、コークス炉の炭化室内に供給されることを特徴とするコークス炉ガスの増量方法。
【請求項6】
前記微粉炭供給段階(S2)において、前記微粉炭は、前記二酸化炭素が炭化室内に供給された状態で1時間以上経過後に供給されることを特徴とする請求項5に記載のコークス炉ガスの増量方法。
【請求項7】
前記微粉炭供給段階(S2)で投入される微粉炭は、粒子径が3mm以下の大きさの微粉炭を選別することを特徴とする請求項5に記載のコークス炉ガスの増量方法。
【請求項8】
前記微粉炭供給段階(S2)で投入される微粉炭は、残留水分を除去するために乾燥させた後、大きさを一定に破砕させる段階を経て、常温で貯蔵した状態で移送させる過程を経ることを特徴とする請求項5に記載のコークス炉ガスの増量方法。
【請求項9】
前記二酸化炭素供給段階(S1)および微粉炭供給段階(S2)において、二酸化炭素投入ノズルと微粉炭投入管とを互いに連結して1つの投入配管に、コークス炉上部の装入ホールを通して二酸化炭素と微粉炭を投入することを特徴とする請求項5に記載のコークス炉ガスの増量方法。
【請求項10】
前記微粉炭供給段階(S2)において、前記微粉炭は、25℃の常温、1気圧の条件下、500℃の二酸化炭素(FTG)とコークス炉の上層部から投入されることを特徴とする請求項9に記載のコークス炉ガスの増量方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコークス炉ガスの増量システムおよびその増量方法に係り、より詳しくは、二酸化炭素と微粉炭をコークス炉の炭化室に共に投入するコークス炉ガスの増量システムおよびその増量方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、コークス炉は、高温の炭化室に石炭を装入し、燃料ガスから発生する熱を利用して石炭を乾留させるが、この時、副産物としてコークス炉ガスが生成される。
この生成されたコークス炉ガスのほとんどは、精製過程を通して製鉄所内で燃料として使用されているが、最近、コークス炉ガスの使用量が増加するにつれ、コークス炉ガスを増量させる方策が研究されている。特に、二酸化炭素問題の浮上によって水素の大量生産が重要な課題として浮上しており、このうち、水素を大量に生産可能な潜在的原料としてコークス炉ガスが注目されている。
しかし、未精製コークス炉ガスにはタール、H
2Sなどの物質が存在していて、高温コークス炉ガスの顕熱を熱交換装置を通してエネルギーとして回収するための問題がある。このような問題を解決するために、最近、日本では、高温未精製コークス炉ガスに含まれているタールを触媒を用いて分解したり、酸素を投入して高温で部分酸化させて可燃性ガスとして利用する研究が行われているが、触媒の再生と高い酸素消耗による技術的、経済的問題を抱えている(例えば、特許文献1参照)。
そして、炭素と二酸化炭素または水との反応により一酸化炭素および水素を得る研究が石炭ガス化の主な反応として注目されてきたが、ガス化のために高温の熱エネルギーが必要であるとの問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−212603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであってその目的とするところは、微粉炭を用い、反応炭素量を上昇させて二酸化炭素のコークス炉ガスへの変換率を高め、製鉄所のエネルギー源であるコークス炉ガスを増量させるコークス炉ガスの増量システムおよびその増量方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためになされた本発明のコークス炉ガスの増量システムは、ファイネックス工場で発生する二酸化炭素を炭化室に供給する二酸化炭素供給装置と、二酸化炭素が供給された炭化室に加工された微粉炭を供給する微粉炭供給装置と、微粉炭を炭化室内で二酸化炭素と反応させる微粉炭/二酸化炭素反応装置と、微粉炭を炭化室内の二酸化炭素と反応させて、炭素及び二酸化炭素をコークス炉ガス化するコークス炉ガス増量装置と、を含むことを特徴とする。
【0006】
二酸化炭素供給装置は、二酸化炭素を供給する二酸化炭素投入ノズルをさらに含むことが好ましい。
微粉炭供給装置は、加工された微粉炭を供給する微粉炭投入管をさらに含むことがよい。
【0007】
微粉炭供給装置は、供給される微粉炭を、粒子径が3mm以下の大きさの微粉炭を選別する選別機と、選別された微粉炭を乾燥する乾燥機と、乾燥した微粉炭を破砕する破砕機と、破砕された微粉炭を貯蔵する微粉炭貯蔵槽と、を含むことができる。
微粉炭/二酸化炭素反応装置は、二酸化炭素供給装置から供給される二酸化炭素、および微粉炭供給装置から供給される微粉炭が炭化室に投入されるように、炭化室の上部に設けられた投入配管をさらに含むことが好ましい。
【0008】
本発明のコークス炉ガスの増量方法は、コークス炉の炭化室に二酸化炭素を供給する段階と、二酸化炭素が供給された炭化室に微粉炭を供給する段階と、微粉炭を炭化室内の二酸化炭素と反応させて、炭素及び二酸化炭素をコークス炉ガス化する段階と、を含むことを特徴とする。
【0009】
微粉炭供給段階において、微粉炭は、二酸化炭素が炭化室内に供給された状態で1時間以上経過後に供給されることがよい。
微粉炭供給段階において、微粉炭は、選別、加熱、破砕、および移送する段階を経て、コークス炉の炭化室内に供給されることが好ましい。
微粉炭供給段階で投入される微粉炭は、粒子径が3mm以下の大きさの微粉炭を選別することができる。
【0010】
微粉炭供給段階で投入される微粉炭は、残留水分を除去するために乾燥させた後、大きさを一定に破砕させる段階を経て、常温で貯蔵した状態で移送させる過程を経ることがよい。
二酸化炭素供給段階および微粉炭供給段階において、二酸化炭素投入ノズルと微粉炭投入管とを互いに連結して1つの投入配管に、コークス炉上部の装入ホールを通して二酸化炭素と微粉炭を投入することができる。
微粉炭供給段階において、微粉炭は、25℃の常温、1気圧の条件下、500℃の二酸化炭素(FTG)とコークス炉の上層部から投入されることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、コークス炉ガスを生産する工程で微粉炭を追加投入することによって、二酸化炭素のコークス炉ガスへの変換率を高め、これにより、コークス炉ガスの増量が可能になって二酸化炭素の資源化を促進することができ、これは、二酸化炭素の排出減少で地球温暖化の低減効果だけでなく、製鉄産業の二酸化炭素資源化技術として産業競争力を確保することができる。
また、二酸化炭素のコークス炉ガス変換率を高めることで経済的な利益を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本実施形態に係るコークス炉ガスの増量システムの工程手順を示したフローチャートである。
【
図2】本実施形態に係るコークス炉ガスの増量システムの工程を概略的に示した図である。
【
図3】本実施形態に係るコークス炉ガスの増量システムに対する工程図を示した図である。
【
図4】本実施形態に係るコークス炉ガスの増量システムに対する固定概念を示した図である。
【
図5】本実施形態に係るコークス炉ガスの増量システムに対する細部工程構成図を示した図である。
【
図6】本実施形態に係るコークス炉ガスの増量方法の過程を示したフローチャートである。
【
図7】本実施形態に係る二酸化炭素と微粉炭の投入時点を示した図である。
【
図8】本実施形態に係る二酸化炭素と微粉炭を共に投入した場合を電算模写した図である。
【
図9】本実施形態に係る二酸化炭素と微粉炭を共に投入した場合と、二酸化炭素のみ投入した場合とを比較した図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付した図面を基に、本発明の実施形態を説明する。
図1は、本実施形態に係るコークス炉ガスの増量システムの工程手順を示したフローチャートである。
図2は、本実施形態に係るコークス炉ガスの増量システムの工程を概略的に示した図である。
図3は、本実施形態に係るコークス炉ガスの増量システムに対する工程図を示した図である。
図4は、本実施形態に係るコークス炉ガスの増量システムに対する固定概念を示した図である。
図5は、本実施形態に係るコークス炉ガスの増量システムに対する細部工程構成図を示した図である。
図1〜
図5に示したとおり、本発明は、コークス炉の炭化室10に二酸化炭素を投入して炭化室10内の高温炭素と反応させて、コークス炉ガス(Coke Oven Gas:COG)を生産させる工程で微粉炭を炭素触媒剤として追加投入して、発生コークス炉ガスを増量させるシステムである。
【0014】
本実施形態において、コークス炉ガスの増量システムは、ファイネックス工場で発生する二酸化炭素を炭化室10に供給する二酸化炭素供給装置1と、二酸化炭素が供給された炭化室10に加工された微粉炭を供給する微粉炭供給装置2と、微粉炭を炭化室10内で二酸化炭素と反応させる微粉炭/二酸化炭素反応装置3と、微粉炭を炭化室10内の炭素と反応させて、炭素をコークス炉ガス化するコークス炉ガス増量装置4とを含む。
そして、二酸化炭素供給装置1は、二酸化炭素を供給する二酸化炭素投入ノズル20をさらに含むことができる。
また、微粉炭供給装置2は、加工された微粉炭を供給する微粉炭投入管30をさらに含み、微粉炭供給装置2は、供給される微粉炭から、粒子径が3mm以下の大きさの微粉炭を選別する選別機50と、選別された微粉炭を乾燥する乾燥機60と、乾燥した微粉炭をさらに破砕する破砕機70と、破砕された微粉炭を貯蔵する微粉炭貯蔵槽80とを含むことができる。
【0015】
ここで、微粉炭/二酸化炭素反応装置3は、二酸化炭素供給装置1から供給される二酸化炭素、および微粉炭供給装置2から供給される微粉炭が炭化室10に投入されるように、炭化室10の上部に設けられた投入配管40をさらに含むことができる。
つまり、二酸化炭素の吹込みは、コークス炉上層部の装入ホールに二酸化炭素投入ノズル20を通して行われている。この二酸化炭素投入ノズル20を微粉炭投入管30と連結させて、装入ホールに微粉炭と二酸化炭素をコークス炉の上部から投入することができる。
そのため、微粉炭を選別し、通常6〜8wt%含まれている水分を加熱(Heating)により乾燥させた後、破砕、移送を経て、微粉炭を微粉炭貯蔵槽80に保管し、これを微粉炭投入管30を通して供給することができる。供給された微粉炭は、投入配管40を通して常温でコークス炉上層部の装入ホールに沿って投入される。
【0016】
二酸化炭素は、二酸化炭素投入ノズル20を通して供給された後、投入配管40を通してコークス炉上層部の装入ホールに沿って投入される。
図6は、本実施形態に係るコークス炉ガスの増量方法の過程を示したフローチャートである。
図7は、本実施形態に係る二酸化炭素と微粉炭の投入時点を示した図である。
図8は、本実施形態に係る二酸化炭素と微粉炭を共に投入した場合を電算模写した図である。
図9は、本実施形態に係る二酸化炭素と微粉炭を共に投入した場合と、二酸化炭素のみ投入した場合とを比較した図である。
図6に示したとおり、コークス炉ガスの増量方法は、コークス炉の炭化室10に二酸化炭素を供給する段階S1と、二酸化炭素が供給された炭化室10に微粉炭を供給する段階S2と、微粉炭を炭化室10内の二酸化炭素と反応させて、炭素及び二酸化炭素をコークス炉ガス化する段階S3とを含むことができる。
【0017】
微粉炭供給段階S2において、微粉炭は、二酸化炭素が炭化室10内に供給された状態で1時間以上経過した後に供給される。
上記のように微粉炭を追加投入することによって、二酸化炭素からコークス炉ガスに変換される二酸化炭素の変換率を向上させることができる。
このために、微粉炭供給段階S2において、微粉炭は、選別、加熱、破砕、および移送する段階を経て、コークス炉の炭化室10内に供給されることが好ましい。
つまり、微粉炭を選別、加熱、破砕、移送する段階と、二酸化炭素と共に微粉炭を炭化室10に投入する段階と、増量コークス炉ガスの分離段階を経ることにより、二酸化炭素と微粉炭を共に投入して高温炭素と反応させて、コークス炉ガスを増量させる工程の変換率を上昇させることができる。
【0018】
一方、二酸化炭素は、コークス炉の稼働から14時間後に投入されてはじめて、一定水準の滞留時間を確保できるのはもちろん、コークス炉に内蔵された石炭上部温度が800℃以上に達した時点ではじめて、投入される二酸化炭素とコークス炉の内部に付着したカーボンの吸熱反応が進行する。
このため、稼働14時間後に二酸化炭素を投入した後、炭化室10内に二酸化炭素が拡散した状態で1時間(稼働15時間後)後に微粉炭を投入することが好ましい。投入される微粉炭は、粒子径が3mm以下の大きさの微粉炭を選別し、残留水分を除去するために乾燥させた後、さらに大きさを一定に破砕させる段階を経て、常温で貯蔵した微粉炭を移送させる過程を経る。
また、二酸化炭素供給段階S1および微粉炭供給段階S2において、二酸化炭素投入ノズル20と微粉炭投入管30とを互いに連結して1つの投入配管40とし、コークス炉上部の装入ホールから二酸化炭素と微粉炭を投入することができる。
【0019】
微粉炭供給段階S2において、微粉炭は、25℃の常温、1気圧の条件下、500℃の二酸化炭素(FTG)にコークス炉の上層部から投入される。
図7に示したとおり、コークス炉上層部の炭化室10に投入される二酸化炭素と微粉炭の投入時期の場合、平均コークス炉の乾留時間は24時間であり、これを基準として、二酸化炭素は乾留開始から14時間後に投入する。二酸化炭素が炭化室10に投入されて内部に拡散して1時間後の乾留開始15時間後に微粉炭を投入して二酸化炭素と微粉炭との反応率を上昇させ、これにより、二酸化炭素の変換率を上昇させてコークス炉ガスを増量することができる。
図8に示したとおり、二酸化炭素および微粉炭の投入時、二酸化炭素の変換率を予測するために電算模写した図であって、この図は、二酸化炭素の濃度変化を示した。図中のA部分が二酸化炭素濃度が高いことを示している。コークス炉上層部の装入ホールを通して二酸化炭素と微粉炭を同時投入した後、二酸化炭素が一酸化炭素に変換されながら、最初の投入口よりガス通路(Gas way)を通して拡散して濃度が次第に低くなることを確認することができる。
【0020】
図9に示したとおり、二酸化炭素ガスのみ投入した時と、二酸化炭素ガスと微粉炭を投入した時の、4時間後の二酸化炭素の変換率を比較すると、二酸化炭素ガスと微粉炭を共に投入した場合、二酸化炭素の変換率89.3%、二酸化炭素ガスのみ投入した場合は二酸化炭素の変換率72.8%を示した。二酸化炭素ガスを微粉炭と共に投入することで、既存の二酸化炭素ガスのみを投入する方法より約17%程度二酸化炭素の変換率が上昇したことを確認することができる。
したがって、コークス炉ガスを生産する工程で微粉炭を追加投入することによって、二酸化炭素のコークス炉ガス変換率を高め、これにより、コークス炉ガスの増量が可能になって二酸化炭素の資源化を促進することができる。これは、二酸化炭素の排出減少で地球温暖化の低減効果だけでなく、製鉄産業の二酸化炭素資源化技術で産業競争力を確保することができ、また、二酸化炭素のコークス炉ガス変換率を高めて経済的な利益を図ることができる。
【0021】
以上、本発明に関する好ましい実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されず、本発明の属する技術的範囲を逸脱しない範囲での全ての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0022】
1:二酸化炭素供給装置
2:微粉炭供給装置
3:微粉炭/二酸化炭素反応装置
4:コークス炉ガス増量装置
10:炭化室
20:二酸化炭素投入ノズル
30:微粉炭投入管
40:投入配管
50:選別機
60:乾燥機
70:破砕機
80:微粉炭貯蔵槽