特許第6346730号(P6346730)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6346730
(24)【登録日】2018年6月1日
(45)【発行日】2018年6月20日
(54)【発明の名称】油中水型化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/25 20060101AFI20180611BHJP
   A61K 8/06 20060101ALI20180611BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20180611BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20180611BHJP
   A61K 8/31 20060101ALI20180611BHJP
   A61K 8/55 20060101ALI20180611BHJP
   A61K 8/68 20060101ALI20180611BHJP
   A61K 8/891 20060101ALI20180611BHJP
   A61K 8/19 20060101ALI20180611BHJP
   A61Q 1/02 20060101ALI20180611BHJP
   A61Q 17/04 20060101ALI20180611BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20180611BHJP
【FI】
   A61K8/25
   A61K8/06
   A61K8/73
   A61K8/37
   A61K8/31
   A61K8/55
   A61K8/68
   A61K8/891
   A61K8/19
   A61Q1/02
   A61Q17/04
   A61Q19/00
【請求項の数】5
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2013-73899(P2013-73899)
(22)【出願日】2013年3月29日
(65)【公開番号】特開2014-198672(P2014-198672A)
(43)【公開日】2014年10月23日
【審査請求日】2016年3月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000145862
【氏名又は名称】株式会社コーセー
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100181272
【弁理士】
【氏名又は名称】神 紘一郎
(72)【発明者】
【氏名】北村 三矢子
【審査官】 駒木 亮一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−257038(JP,A)
【文献】 特開2009−062332(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/105535(WO,A1)
【文献】 特開2012−211128(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00−8/99
A61Q 1/00−90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(a)〜(d);
(a)セルロース系物質と、リン脂質およびセラミドからなる群から選ばれる1種または2種の両親性物質である粉砕助剤とを機械的に乾式粉砕処理することにより得られる扁平セルロース粉体
(b)20℃の粘度が550mPa・s以下の不揮発性液体油
(c)有機変性粘土鉱物
(d)粉体
を含有することを特徴とする油中水型化粧料。
【請求項2】
前記成分(a)の扁平セルロース粉体が、平均粒径が1〜100μm、平均厚さが0.01〜10μm、かつ扁平度が4〜200であることを特徴とする請求項1に記載の油中水型化粧料。
【請求項3】
前記成分(a)の扁平セルロース粉体が、平均粒径が1〜100μm、平均厚さが0.01〜10μm、かつ扁平度が4〜10であること特徴とする請求項1または2に記載の油中水型化粧料。
【請求項4】
前記両親媒性物質が、セラミドである成分(a)の扁平セルロース粉体を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の油中水型化粧料。
【請求項5】
油中水型化粧料がメイクアップ用油中水型化粧料であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の油中水型化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、扁平状の結晶セルロース、20℃の粘度が550mPa・s以下の不揮発性液状油、有機変性粘土鉱物、粉体とを含有することにより、塗布時のずるつきのないなじみの良さ、塗布後のべたつきのなさとキメの整った明るい仕上がり、経時でのくすみの抑制効果、さらに経時安定性に優れる油中水型化粧料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
油中水型化粧料はファンデーションや化粧下地、チーク、アイシャドウ、マスカラなどのメイクアップ化粧料や、乳液、クリーム、ボディクリーム、ヘアワックス等に使用されている剤型である。このように、油中水型(W/型)化粧料は、水中油型(O/W型)化粧料と比較すると、肌や髪への親和性が高く、水分の蒸散を防ぎ、肌や髪を乾燥から保護し、トリートメント効果を付与する等の効果が高く、さまざまな化粧料に応用されている。しかし反面、塗布時にずるつきを感じやすく、塗布後も肌がべたつくといった使用感に劣るものが多く、その改善策として、平均粒40〜4000nmの固形油粉末とシリコーン油を組み合わせることによって、油っぽいべたつき感や塗布時での収まりの悪さ(ずるずるといつまでも伸び広がる感触)を解消し、肌や毛髪、睫等への付着性及び化粧膜の均一性に優れる油中水型メーキャップ化粧料の開発がされている例えば、特許文献1参照)しかし、べたつきやずるつきは改善されたものの、塗布後のキメの整った明るい仕上がり効果や経時でのくすみの抑制効果については改善されるものではなかった。
【0003】
また、特に油中水型化粧料は、経時安定性が悪くなるものが多く、種々の検討がされてきている。例えば、有機変性粘土鉱物とシリコーン鎖が分岐しているシリコーン化合物と特定のポリオキシアルキレン基を含有するシリコーン化合物とを配合することにより、液状の油性成分を安定に配合できる方法がある例えば、特許文献2参照)しかし、有機変性粘土鉱物を配合した油中水型化粧料は、安定性は向上するものの、有機変性粘土鉱物の配合量が多くなるほど伸びが重く肌なじみが悪くなるという問題点があった。また、安定性以外の問題点である、特に塗布後のキメの整った明るい仕上がり効果や経時でのくすみの抑制効果については改善されるものではなかった。
【0004】
一方、皮膚への付着性が良い扁平セルロース粉体の開発がされている。(例えば、特許文献3参照)化粧料に配合すると、塗布時になめらかさがあり、化粧膜の均一性に優れ、しかも化粧持ちの良いものが得られるとの記載はあるが、油中水型化粧料に配合した時のべたつきやずるつき、塗布後のキメの整った明るい仕上がり効果や経時でのくすみの抑制効果の改善や、更には経時安定性の改善についての記載はなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−257038号公報
【特許文献2】特開2012−12351号公報
【特許文献3】国際公開2011/105535号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、経時安定性に優れ、塗布時のずるつきを低減し、なじみを向上させ、塗布後のべたつきを低減した油中水型化粧料で、更にキメの整った明るい仕上がりが得られ、経時でのくすみが抑制された油中水型化粧料を開発することにある。
【0007】
かかる実情に鑑み、本発明者は、鋭意検討した結果、扁平状の結晶セルロース、粘度が550mPa・s以下の液状油、有機変性粘土鉱物及び粉体を含有することにより、液状油がずるつくことを抑え、塗布部になじみやすくし、有機変性粘土鉱物から生ずるべたつきを抑え経時安定性を飛躍的に向上させ、加えてキメの整った明るい仕上がりが得られ、経時でのくすみが抑制された油中水型化粧料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、
(a)セルロース系物質と、リン脂質およびセラミドからなる群から選ばれる1種または2種の両親性物質である粉砕助剤とを機械的に乾式粉砕処理することにより得られる扁平セルロース粉体
(b)20℃の粘度が550mPa・s以下の不揮発性液体油
(c)有機変性粘土鉱物
(d)粉体
を含有することを特徴とする油中水型化粧料を提供するものである。
【0009】
(2)また、前記成分(a)の扁平セルロース粉体が、平均粒径が1〜100μm、平均厚さが0.01〜10μm、かつ扁平度が4〜200であることを特徴とする(1)の油中水型化粧料を提供するものである。
(3)また、前記成分(a)の扁平セルロース粉体が、平均粒径が1〜100μm、平均厚さが0.01〜10μm、かつ扁平度が4〜10であることを特徴とする(1)の油中水型化粧料を提供するものである。
【0013】
(4)また、前記両親媒性物質が、セラミドである成分(a)の扁平セルロース粉体を含有することを特徴とする(1)(3)のいずれかに記載の油中水型化粧料を提供するものである。
【0014】
(5)また、油中水型化粧料がメイクアップ用油中型化粧料であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の油中水型化粧料を提供するものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の油中水型化粧料は、塗布時のずるつきのないなじみの良さ、塗布後のべたつきのなさとキメの整った明るい仕上がり、経時でのくすみの抑制効果、さらに経時安定性に優れる油中水型化粧料に関するものである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の油中水型化粧料に成分(a)として用いられる扁平セルロース粉体は、成分(b)の20℃の粘度が550mPa・s以下の不揮発性液体油、成分(c)の有機変性粘土鉱物および成分(d)の粉体と組合せることで、塗布時のずるつきのないなじみの良さ、塗布後のべたつきのなさとキメの整った明るい仕上がり、経時でのくすみの抑制効果、優れた経時安定性といった効果が得られるものである。
【0017】
成分(a)である扁平セルロース粉体は、平均粒径が1〜100μm、好ましくは1〜50μm、平均厚さが0.01〜10μm、好ましくは0.1〜5μmの薄片状のものであり、かつ扁平度が4〜200、好ましくは6〜150、更により好ましくは8〜100のものである。
【0018】
ここで平均粒径とは、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置等の粒度分布測定装置を用い、水中分散状態で測定された扁平セルロース粉体の幅と長さの装置上の平均値(積算体積50%の粒径値)をいう。また、平均厚さとは、走査型電子顕微鏡にて、上記で求められた平均粒径と同等の大きさの粒子を複数選択し、その厚さを測定し、それらを平均した値をいう。更に、扁平度は、上記のようにして求められた平均粒径/平均厚さである。
【0019】
本発明に用いられる成分(a)の扁平セルロース粉体の製造方法は特に限定されないが、セルロース系物質を粉砕助剤と共に機械的に粉砕処理することにより製造する方法が長径と短径の比(L/D)が適度になりやすく好ましい。また、その際に使用する粉砕助剤は両親媒性物質であることが好ましく、さらにリン脂質、セラミド、コレステロールもしくはその誘導体およびフィトステロールもしくはその誘導体からなる群から選ばれる一種または二種以上であると、扁平状セルロース粉末の分散性および肌への親和性が向上し、塗布時のなじみのよさや経時でのくすみの抑制効果、経時安定性に優れるためより好ましい。
【0020】
具体的に扁平セルロース粉体は、セルロース系物質に対して、水性成分や油性成分等の粉砕助剤を添加し、必要により混合等した後、これを機械的に粉砕することにより、ミクロフィブリルあるいはフィブリルが、ある大きさの集合単位で剥離しながら粉砕されることにより得ることができる。
【0021】
扁平状セルロースの原料として用いられるセルロース系物質としては、特に制限されないが、例えば、木材を起源とする繊維状または粉末状の木粉または木材パルプ、綿花を起源とする繊維状または粉末状の木綿またはリンター繊維、それらを精製した繊維状または粉末状のセルロース系物質を用いることが好ましく、また、これらのセルロース系物質は酸加水分解されていてもよい。なお、綿花を起源とするセルロース系物質としては、オーガニック認証をうけた綿花を起源とするものでもよい。なお、このセルロース系物質は風乾状態で吸着水分を5〜10%程度有している。効果的に扁平セルロース粉体を得るために、セルロース系物質を粉砕処理する前に熱風乾燥、真空乾燥、減圧乾燥等により予め乾燥することが好ましい。
【0022】
前述した粉砕処理の際に、粉砕助剤を使用する際はセルロース系物質100質量部に対して、0.1〜12質量部程度、好ましくは0.5〜6質量部程度になるように添加すればよい。また、粉砕助剤は一種または二種以上を用いることができる。更に、粉砕助剤を添加する時期としては、粉砕処理前であればいつでも良く、また、その添加方法も、粉砕助剤をそのままセルロース系物質に添加しても良いし、粉砕助剤を適当な溶媒に溶解した後、セルロース系物質に加えても良い。ここで粉砕助剤の溶解に使用される溶媒としては、例えば、ヘキサン等のアルカン、エタノール等のアルコール、アセトン等のケトン、テトラヒドロフラン等のエーテル、トルエン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。
【0023】
本発明において、粉砕処理の際に用いられる粉砕助剤のうち、両親媒性物質としては、例えば、リン脂質、セラミド、コレステロールまたはその誘導体、フィトステロールを挙げることができる。これらから選ばれる両親媒性物質を用いることにより、扁平状セルロース粉末の分散性および肌への親和性がさらに向上し、塗布時のなじみのよさや経時でのくすみの抑制効果、経時安定性に優れるため好ましい。
これらのセルロース系物質を処理するリン脂質、セラミド、コレステロールおよびフィトステロールは生体内の脂質であるかもしくはそれに近しい構造、すなわち長鎖アルキル構造と親水基を持つという共通の性質を有する両親媒性物質である。
これらの中でも、セラミドであると、キメの整った明るい仕上がりが最も改善されるため好ましい。
【0024】
の両親媒性物質のうち、リン脂質は構造中にリン酸エステル部位をもつ脂質の総称である。具体的なリン脂質としては、卵黄レシチン、大豆レシチン等の天然レシチンに水素添加した天然物由来のもの、リゾレシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴミエリン等を水素添加したもの等が挙げられる。これらのリン脂質の中でも、水素添加レシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、水素添加ホスファチジルグリセロールが好ましい。
【0025】
また、セラミドは分子中に1個以上の長鎖の直鎖および/もしくは分岐アルキルまたはアルケニル基、更に、少なくとも2個以上の水酸基、1個以上のアミド基(及び/またはアミノ基)を有する非イオン系両親媒性物質の総称である。具体的なセラミドとしては、スフィンゴシン、フィトスフィンゴシンの長鎖脂肪酸アミドであるセラミド1、セラミド2、セラミド3、セラミド3B、セラミド4、セラミド5、セラミド6、セラミド6I、セラミド6II等の天然セラミド類等が挙げられる。これらのセラミドの中でも、セラミド2、セラミド3が好ましい。また、これらのセラミドは、天然物由来のものであっても、合成したものであってもよい。
【0026】
更に、コレステロールは動物油脂をけん化した高級アルコール分や魚油から得られる留分を抽出・結晶化・乾燥して精製される白色ないし微黄色の固体であり、その分子式はC2746Oである。また、コレステロールの誘導体としては、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル等が挙げられる。これらコレステロールまたはその誘導体の中でも、コレステロールが好ましい。
【0027】
また更に、フィトステロールは植物から得られるステロール化合物の総称である。具体的なフィトステロールとしては、シトステロール、スチグマステロール、フコステロール、スピナステロール、ブラシカステロール等が挙げられる。また、フィトステロール誘導体としては、ヒドロキシステアリン酸フィトステリル、ポリオキシエチレンフィトステロール、ポリオキシエチレンフィトスタノール等が挙げられる。これらフィトステロールまたはその誘導体の中でもフィトステロールが好ましい。
【0028】
前述した両親媒性物質と、セルロース系物質とを機械的に粉砕する処理は、粉砕による圧力や剪断力が一定時間連続して加える必要がある。そのため、粉砕処理には振動ボールミル、回転ボールミル、遊星型ボールミル、ロールミル、メディアミル、ディスクミル、高速回転羽根による高速ミキサー、ホモミキサー等の粉砕装置を用いることが好ましく、特に遊星型ボールミルが好ましい。粉砕処理方法は、溶媒を用いない乾式粉砕処理が好ましい。なお、粉砕処理を行う場合に加える粉砕エネルギーは3〜20G(重力加速度)、好ましくは5〜15Gが適している。
【0029】
前述した扁平状セルロースを得るための好ましい態様を以下に示す。
精製した木材パルプ由来のセルロース粉末を30〜50℃で減圧乾燥を行い、吸着水分を0.1質量%以下まで十分に除去する。このセルロース粉末を、密閉可能なアルミナ製やジルコニア製粉砕容器に、アルミナ製やジルコニア製粉砕ボールとともに投入し、更に、粉砕助剤(例えばセラミド)をセルロース粉末100質量部に対して0.1〜12質量部となるように添加し、必要により混合等する。その後、上記粉砕容器を遊星型ボールミルに設置し、回転数100〜250rpmにて、粉砕処理を行う。粉砕処理は、5〜15分間粉砕−5〜15分間休止を1サイクルとし、連続して2〜72サイクル程度繰り返して行っても良いし、休止を入れずに連続して5〜120分間程度行っても良い。
【0030】
なお、粉砕処理の後は、更に、風乾、熱風乾燥、真空乾燥、減圧乾燥等の公知の乾燥手段により扁平セルロース粉体に付着した水分等を除去させてもよい。
【0031】
本発明の油中水型化粧料において、成分(a)はその一種または二種以上を用いることができ、成分(a)の含有量は特に限定されないが、0.1〜20質量%(以下、単に「%」と記す。)が肌への高い親和性による塗布時のなじみの良さ、および高い分散性によるくすみ抑制効果と安定性向上効果に優れるため好ましく、さらに1〜18%が好ましく、5〜15%であればその効果が特に顕著であるため好ましい。
【0032】
本発明の油中水型化粧料に成分(b)として用いられる20℃の粘度が550mPa・s以下の不揮発性液体油は、成分(a)の扁平セルロースと成分(c)の有機変性粘土鉱物と組合せることで、液状油がずるずるせずに伸び広がりが良く、塗布部へのなじみが向上し、(d)の粉体を塗布面に均一に塗布することができ、塗布後のキメの整った明るい仕上がり、経時でのくすみの抑制、優れた経時安定性といった効果が得られるものである。粘度が550mPa・sを超えると、成分(a)の扁平セルロースと成分(c)の有機変性粘土鉱物とを組合せて得られる効果が発揮されず、べたつきの改善は困難なものである。
【0033】
この成分(b)の20℃の粘度が550mPa・s以下の不揮発性液体油としては、化粧料に使用される液体油であれば特に限定されず、炭化水素類、油脂類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類等の油剤が挙げられる。また、伸び広がりやべたつきのなさの点において、20℃の粘度が1〜550mPa・sが好ましく、5〜550mPa・sの液体油が更に好ましい。本発明において、粘度は、外原規一般試験法 粘度測定法第2法を用いて測定したものである。
具体的には、流動パラフィン、スクワラン、α−オレフィンオリゴマー等の炭化水素類、オリーブ油、ヒマシ油、ホホバ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、乳酸オクチルドデシル、エチルヘキサン酸セチル、ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、トリエチルヘキサン酸グリセリル、トリエチルヘキサン酸エリスリチル、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ(カプリル酸/カプリン酸)プロパンジオール、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸エチルヘキシル、ジイソステアリン酸プロパンジオール、ジイソステアリン酸ジグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル、テトライソステアリン酸ジグリセリル、p−メトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、4−メトキシケイ皮酸−2−エトキシエチル、炭酸ジアルキル等のエステル類、低重合度ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーン油、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン等のフッ素系油剤類等が挙げられ、これらを一種または二種以上を用いることができる。
【0034】
本発明の油中水型化粧料における成分(b)の含有量は特に限定されないが、塗布時のずるつきのないなじみの良さ、経時安定性の点より、1〜50%が好ましく、さらに5〜40%であればそれらの効果が特に顕著であるため好ましい。
【0035】
本発明の油中水型化粧料に成分(c)として用いられる有機変性粘土鉱物は、成分(a)の扁平セルロース、成分(b)の20℃の粘度が550mPa・s以下の不揮発性液体油および(d)の粉体と組合せることで、経時安定性に寄与し、塗布時のなじみの良さ、塗布後のキメの整った明るい仕上がり、経時でのくすみの抑制といった効果が得られるものである。
【0036】
この成分(c)有機変性粘土鉱物としては、化粧料に一般に使用されるものであれば特に制限されず、いずれのものも使用することが可能である。具体的には、水膨潤性粘土鉱物をアルキル四級アンモニウム塩等のカチオン系界面活性剤でイオン交換して得られるものであり、本発明ではベンジルジメチルステアリルアンモニウムイオンで交換されたもの、ジメチルジステアリルアンモニウムイオンで交換されたものが経時安定性の点で特に好ましい。水膨潤性粘土鉱物としては三層構造を有するコロイド性含水ケイ酸アルミニウムの一種で、一般に下記一般式(1)
(X,Y)23(Si,Al)10(OH)Z・nHO・・・(1)
式中 X=Al,Fe,Mn,Cr
Y=Mg,Fe,Ni,Zn,Li
Z=K,Na,Ca
で表わされ、具体的にはモンモリロナイト、ラポナイト及びヘクトライト等の天然又は合成(この場合、上記一般式中の(OH)がフッ素で置換されたもの)のモンモリロナイト群、及びナトリウムシリシックマイカやナトリウム又はリチウムテニオライトの名で知られる合成雲母等が挙げられ、特にモンモリロナイト、ヘクトライトが経時安定性の点で好ましい。
かかる有機変性粘土鉱物の市販品としては、例えば、BENTONE 27 BC、BENTONE 38 BC、BENTONE 27V BC、BENTONE 38V BC(以上、エレメンティス社製)、ルーセンタイト SAN、ルーセンタイト SAN−P(以上、コープケミカル社製)が例示される
また、その他の水膨潤性粘土鉱物、例えばバーミキュライトとカチオン性化合物を処理し、任意の変性率の有機変性粘土鉱物としたのち本発明に応用したものであってもよい。さらに、これらの水膨潤性粘土鉱物とカチオン性化合物をそれぞれ別々に配合し、本発明の油中水型乳化化粧料の系内で有機変性粘土鉱物とせしめることも可能である。これら成分(c)の有機変性粘土鉱物は一種または二種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0037】
本発明に配合される成分(c)の有機変性粘土鉱物の含有量は特に限定されないが、塗布後のべたつきの抑制効果および高いチキソトロピー性による安定性向上効果の観点から、0.01〜10%が好ましく、さらに0.1〜5%であればそれらの効果が特に顕著であるため好ましい。
【0038】
本発明の油中水型化粧料に成分(d)として用いられる粉体は、成分(a)の扁平セルロース、成分(b)の20℃の粘度が550mPa・s以下の不揮発性液体油および(c)の有機変性粘土鉱物と組合せることで、塗布時のなじみが向上し、発色があがり、キメの整った明るい仕上がりが得られ、経時でのくすみの抑制、優れた経時安定性といった効果が得られるものである。
【0039】
この成分(d)の粉体としては、成分(a)は含まず、通常化粧料に使用される粉体であれば特に限定されず、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類等が挙げられる。
具体的には、酸化チタン、黒色酸化チタン、酸化セリウム、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、無水ケイ酸、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、合成マイカ、セリサイト、タルク、カオリン、炭化珪素、硫酸バリウム、ベントナイト、スメクタイト、窒化硼素等の無機粉体類、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆マイカ、酸化鉄被覆マイカ、酸化鉄被覆マイカチタン、有機顔料被覆マイカチタン、アルミニウムパウダー等の光輝性粉体類、ナイロンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体パウダー、塩化ビニリデン−メタクリル酸共重合体パウダー、ポリエチレンパウダー、ポリスチレンパウダー、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーパウダー、(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマーパウダー、(ジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン/シルセスキオキサン)クロスポリマーパウダー、ポリメチルシルセスキオキサンパウダー、ポリウレタンパウダー、ウールパウダー、シルクパウダー、N−アシルリジン等の有機粉体類、有機タール系顔料、有機色素のレーキ顔料等の色素粉体類、微粒子酸化チタン被覆マイカチタン、微粒子酸化亜鉛被覆マイカチタン、硫酸バリウム被覆マイカチタン、酸化チタン含有シリカ、酸化亜鉛含有シリカ等の複合粉体類等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を用いることができる。
これら粉体の粒子径、粒子形状は特に制限されず、フッ素化合物、シリコーン系化合物、金属石ケン、ロウ、油脂、炭化水素、界面活性剤、アミノ酸誘導体、水溶性高分子等を用いて公知の方法により表面処理を施したものであっても良い。
【0040】
本発明の油中水型化粧料における成分(d)の含有量は特に限定されないが、0.5〜50%が塗布後のべたつきの抑制およびキメを整える効果および経時安定性の観点から好ましく、更に1〜30%であればそれらの効果が特に顕著であるため好ましい。
【0041】
本発明の油中水型化粧料における水の配合量は、成分(a)〜(d)の配合量にも依存するが、概ね10〜80%が好ましい
【0042】
本発明の油中水型化粧料には、成分(a)〜(d)の他に、通常、化粧料に使用される成分、界面活性剤、油剤、紫外線吸収剤、油ゲル化剤、水溶性高分子やアルコール等の水性成分、トリメチルシロキシケイ酸等の油溶性被膜形成剤、パラオキシ安息香酸誘導体、フェノキシエタノール等の防腐剤、ビタミン類、美容成分、香料等を本発明の効果を損なわない範囲で適宜含有することができる。
【0043】
界面活性剤としては、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤等が挙げられ、これらを一種または二種以上用いることができる。具体的には、陰イオン性界面活性剤として、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸とナトリウム、カリウム、トリエタノールアミン等のアルカリ物質により形成される脂肪酸石鹸類、アシルグルタミン酸塩類、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレン付加アルキルリン酸塩等が挙げられる。陽イオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、アルキル四級アンモニウム塩等が挙げられる。両性界面活性剤としては、N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシルメチルアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキルアミノアルキレンカルボン酸、N,N,N−トリアルキル−N−スルフォアルキレンアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキル−N,N−ビス(ポリオキシエチレン硫酸)アンモニウムベタイン、2−アルキル−1−ヒドロキシエチル−1−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン、リン脂質等が挙げられる。非イオン性界面活性剤としては、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビトールの脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ラノリンのアルキレングリコール付加物、ポリオキシアルキレン変性オルガノシロキサン類等が挙げられ、これらを一種または二種以上を用いることができる。
【0044】
この中でも、乳化安定性の観点から、HLB2〜6の親油性界面活性剤がより好ましく、具体的には、モノステアリン酸ジグリセリル、モノオレイン酸ジグリセリル、ジオレイン酸ジグリセリル、モノイソステアリン酸ジグリセリル、モノステアリン酸テトラグリセリル、モノオレイン酸テトラグリセリル、トリステアリン酸ヘキサグリセリル、トリオレイン酸デカグリセリル、ペンタステアリン酸デカグリセリル、ペンタオレイン酸デカグリセリル、ペンタイソステアリン酸デカグリセリル、モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、ポリオキシエチレン(3)ヒマシ油、ポリオキシエチレン(10)ヒマシ油、ポリオキシエチレン(5)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(10)硬化ヒマシ油、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(1E.O.)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(2E.O.)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(4E.O.)、モノオレイン酸ポリエチレングリコール(2E.O.)、モノステアリン酸エチレングリコール、ステアリン酸ジエチレングリコール、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、メチルポリシロキサン・セチルメチルポリシロキサン・ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体、PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、ポリオキシエチレンメチルシロキサン・ポリオキシプロピレンオレイルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体などが挙げられ、これらを一種または二種以上用いることができる。
【0045】
更にこれらの中でも、経時安定性及びべたつきがない観点から、シリコーン系界面活性剤が好ましく、具体的には、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、メチルポリシロキサン・セチルメチルポリシロキサン・ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体、PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、ポリオキシエチレンメチルシロキサン・ポリオキシプロピレンオレイルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体などが例示できる。またこれらの市販品としては、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体は、KF−6015、KF−6016、KF−6017(信越化学工業社製)、メチルポリシロキサン・セチルメチルポリシロキサン・ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体は、ABIL−EM90(ゴールドシュミット社製)、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体は、ABIL−EM97(ゴールドシュミット社製)、PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンは、KF−6028(信越化学工業社製)、ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンはKF−6038(信越化学工業社製)、ポリオキシエチレンメチルシロキサン・ポリオキシプロピレンオレイルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体は、KF−6026(信越化学工業社製)などがそれぞれ例示できる。さらに、これらの中でも、経時安定性及び使用感向上効果の観点から、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンがより好ましい。
【0046】
油剤としては、成分(b)以外に、揮発性油や20℃の粘度が550mPa・sを超える液体油、ペースト油、固形油等を用いることができる。例えば、イソドデカン、イソヘキサデカン、パラフィンワックス、セレシンワックス、オゾケライト、マイクロクリスタリンワックス、モンタンワックス、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス、重質流動イソパラフィン、ワセリン、ポリイソブチレン、ポリブテン等の炭化水素系類、カルナウバロウ、ミツロウ、ラノリンワックス、キャンデリラ等の天然ロウ類、ジペンタエリトリット脂肪酸エステル、リンゴ酸ジイソステアリル、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)等のエステル類、ステアリン酸、ベヘニン酸、1,2−ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸類、セタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、メチルトリメチコン等のシリコーン類、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体類、N−ラウロイルL−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)等のアミノ酸誘導体類等が挙げられ、これらを一種又は二種以上を用いることができる。
【0047】
紫外線吸収剤としては、通常、化粧料に用いられるものであれば何れでもよく、例えば、ベンゾフェノン系としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,4,6−トリアニリノ−パラ−(カルボ−2’−エチルヘキシル−1’−オキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス[{4−(2−エチルヘキシロキシ)−2−ヒドロキシ}−フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−(1,3,5)−トリアジン、2−2‘−メチレン−ビス−{6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3、−テトラメチルブチル)フェノール}等が挙げられ、PABA系としては、p−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸エチル、p−アミノ安息香酸グリセリル、p−ジメチルアミノ安息香酸アミル、p−ジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシル、p−ジヒドロキシプロピル安息香酸エチル、2−{4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾイル}安息香酸ヘキシル等が挙げられ、サリチル酸系としてはサリチル酸−2−エチルヘキシル、サリチル酸フェニル、サリチル酸ホモメンチル等、ジベンゾイルメタン系としては、4−tert−4’−メトキシジベンゾイルメタン等、また、2−2‘−メチレン−ビス−{6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3、−テトラメチルブチル)フェノール}等が挙げられ、これらを一種又は二種以上を用いることができる。
【0048】
油ゲル化剤としては、通常、化粧料に用いられるものであれば何れでもよく、例えば、デキストリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸カルシウム等が挙げられ、これらを一種又は二種以上を用いることができる。
【0049】
水性成分としては、水に可溶な成分であれば何れでもよく、例えば、エチルアルコール、プロピルアルコール等の低級アルコール類、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、アロエベラ、ウイッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出液等が挙げられ、水溶性高分子としては、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体類、アルギン酸ソーダ、カラギーナン、クインスシードガム、寒天、ゼラチン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、ペクチン、ジェランガム等の天然高分子類、ポリビニルアルコール、カルボシキビニルポリマー、アルキル付加カルボシキビニルポリマー、ポリアクリル酸ソーダ、ポリメタクリル酸ソーダ、ポリアクリル酸グリセリンエステル,ポリビニルピロリドン等の合成高分子類等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を用いることができる。
【0050】
本発明の油中水型化粧料は、液状、半固形状、固形状いずれの形態でも実施することができる。その中でも、塗布時のずるつきのないなじみの良さ、塗布後のべたつきのなさとキメの整った明るい仕上がりといった効果を得やすいため、液状が好ましい。また、本発明の油中水型化粧料は、日焼け止め、化粧下地、ファンデーション、コンシーラー、コントロールカラー、頬紅、アイシャドウ、マスカラ、アイライナー、口紅、リップクリーム、乳液、クリーム、マッサージ料、クレンジング料、ヘアクリーム、ヘアワックス等の製品にて実施することができ、特にファンデーション、化粧下地、頬紅のメイクアップ化粧料や日焼け止め化粧料等に使用するものが好ましい。
【0051】
本発明の油中水型化粧料の製法としては、特に限定されないが、例えば、成分(b)、成分(c)を均一に混合し、成分(a)、成分(d)を均一分散させた後、水系成分を加えて容器に充填する方法が挙げられる。また、例えば、成分(a)、成分(b)、成分(c)を含む油性成分と界面活性剤及び成分(d)を混合したものに、同様に混合した水系成分を加え、乳化、脱泡して容器に充填することにより得ることができる。
【0052】
以下に製造例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
【0053】
製造例 1
セラミド処理扁平セルロース粉体の製造
原料としては精製した木材パルプ由来のセルロース粉末(W−400G/日本製紙ケミカル社製)を用いた。まず、40℃での減圧乾燥により吸着水分を0.1%以下まで十分に除去したセルロース粉末(49質量部)を、密閉可能なジルコニア製粉砕容器(容積500ml)に、ジルコニア製粉砕ボール(直径20mm)とともに投入し、更に、セラミド2(セラミドTIC−001/高砂香料工業社)を1質量部添加した。
【0054】
その後、遊星型ボールミル(P−5型/ドイツ・フリッチュ社製)を用い、回転数200rpm(約10G(重力加速度)の粉砕エネルギー)にて、10分粉砕、10分休止を1サイクルとし、36サイクルを行って、セラミド処理扁平セルロース粉体(2%処理)を得た。
【0055】
粒度分布測定は、得られた粉体の50mgを蒸留水10mlに分散させた懸濁液を、粒度分布測定装置の水を媒体とする試料循環槽に滴下し、適切な濃度になった後に測定した。その結果、粉体の平均粒径は20μmであった。
【0056】
走査型電子顕微鏡による観察では、得られた粉体の極少量を走査型電子顕微鏡の試料台に載せ、減圧にて乾燥後、金あるいは白金等の金属を蒸着して検鏡試料とした。この検鏡試料を加速電圧20〜25kVで拡大率500〜10,000倍にて観察して得た画像から、上記で測定した平均粒径と同等の大きさの粒子における厚さを測定し、それらから平均厚さを求めた。その結果、平均厚さは2μmであった。
【0057】
このようにして得られた粉体は、平均粒径が20μmで、平均厚さが2μm、扁平度(平均粒径/平均厚さ)が10の扁平なセルロース粒子(セラミド処理扁平セルロース粉体)であった。
【0058】
製造例 2
リン脂質処理扁平セルロース粉体の製造
製造例1と同様の方法で粉砕助剤としてセラミド1質量部の代わりに水添レシチン(レシノールS−10/日光ケミカルズ社製)1.5質量部とセルロース粉末48.5質量部を使用して、リン脂質処理扁平セルロース(3%処理)を製造した。
【0059】
このようにして得られた粉体は、平均粒径が17μmで、平均厚さが2μm、扁平度(平均粒径/平均厚さ)が8.5の扁平なセルロース粒子(リン脂質処理扁平セルロース粉体)であった。
【0060】
製造例 3
フィトステロール処理扁平セルロース粉体の製造
製造例1と同様の方法で粉砕助剤としてセラミド1質量部(2%)の代わりにフィトステロール2質量部とセルロース粉末48質量部を使用して、フィトステロール処理扁平セルロース(4%処理)を製造した。
【0061】
このようにして得られた粉体は、平均粒径が22μmで、平均厚さが2.5μm、扁平度(平均粒径/平均厚さ)が8.8の扁平なセルロース粒子(フィトステロール処理扁平セルロース粉体)であった。
【実施例】
【0062】
以下に実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
実施例1〜7及び比較例1〜4:油中水型化粧下地
表1に示す組成の油中水型化粧下地を下記製造方法により調製した。また、下記評価方法により塗布時のずるつきのないなじみの良さ、塗布後のべたつきのなさ、キメの整った明るい仕上がり、経時でのくすみの抑制効果、経時安定性について評価した。その結果を併せて表1に示した。
【0063】
【表1】
【0064】
*1:サラコス913(粘度:11mPa・s、日清オイリオグループ社製)
*2:コスモール43V(粘度:448mPa・s、日清オイリオグループ社製)
*3:KLEAROL WHITE MINERAL OIL
(粘度:22mPa・s、SONNEBORN.LLC社製)
*4:ACELAN SP−KS−LQ(クローダジャパン社製)
*5:チタン CR−50(石原産業社製)の2%ジメチルポリシロキサン処理物
*6:BENTONE 38V BC(エレメンティス社製)
*7:製造例1のセラミド処理扁平セルロース粉体
*8:アミホープ LL(味の素社製)
*9:板状硫酸バリウム HM−TE(堺化学工業社製)
*10:マツモトマイクロスフェアー M−305(松本油脂製薬社製)
【0065】
(製造方法)
A:成分1〜5を混合する。
B:成分6〜8をローラーにて混合する。
C:成分9〜11をローラーにて混合する。
D:AにB、Cおよび成分12〜16を添加し、混合する。
E:Dに成分17〜20を添加し、乳化し、脱泡後容器に充填して油中水型化粧下地を得た。
【0066】
(官能評価方法)
化粧料評価専門パネル20名に、表1に記載の実施例および比較例の油中水型化粧下地を使用してもらい、塗布時の「なじみの良さ」、塗布後の「べたつきのなさ」「キメの整った仕上がり」を評価した。くすみの抑制効果については、化粧料塗布5時間後の状態で、「くすみのなさ」について評価した。それぞれの項目について、各自が以下の評価基準に従って5段階評価し試料毎に評点を付し、更に全パネルの評点の平均点を以下の判定基準に従って判定した。
(評価項目)
イ.なじみの良さ
ロ.べたつきのなさ
ハ.キメの整った仕上がり
ニ.くすみのなさ
ホ.経時安定性
(評価基準)
[評価結果] :[評点]
非常に良好 :5点
良好 :4点
普通 :3点
やや不良 :2点
不良 :1点
判定基準:
[評点の平均点] :[判定]
4.5以上 :◎
3.5以上〜4.5未満:○
1.5以上〜3.5未満:△
1.5未満 :×
【0067】
(経時安定性評価方法)
各試料をガラス瓶に充填し、50℃の恒温槽に1ヶ月保管した後、調製直後の状態を基準として、分離や排液の状態について以下の3段階判定基準に従って判定した。
(評価基準)
[評価結果] :[判定]
変化なし :◎
軽微な変化があるが使用に問題なし :○
やや変化があり使用に多少支障がある:△
かなり変化があり使用に支障がある :×
【0068】
表1の結果から明らかなように、本発明の実施例1〜7の油中水型化粧下地は、塗布時の「なじみの良さ」、塗布後の「べたつきのなさ」「キメの整った仕上がり」、化粧料塗布5時間後の状態での「くすみのなさ」、および経時安定性の全ての項目に優れたものであった。
これに対して、成分(a)の扁平セルロースを含有しない比較例1は、塗布する際に肌への付着が不均一でなじみにくく、仕上がりも不均一に感じるなど、「なじみの良さ」や「キメの整った仕上がり」ついて劣っていた。また、塗布5時間後には顔色の変化が感じられ、「くすみのなさ」についても劣っていた。
また、(a)の扁平セルロースの代わりにN−ラウロイル−L−リジンを含有した比較例2では、「べたつきのなさ」について劣っており、また塗布5時間後には顔色の変化が感じられ、「くすみのなさ」についても劣っていた。
また、(b)の20℃の粘度が550mPa・s以下の不揮発性液体油の代わりに酢酸液状ラノリンを含有した比較例3では、塗布後のべたつきを感じ、伸び広がりが重く不均一な仕上がりになるなど、「べたつきのなさ」および「キメの整った仕上がり」について劣っていた。
さらに、(c)の有機変性粘土鉱物を含有しない比較例4では、塗布時および仕上がりに粉っぽさを感じ、「なじみの良さ」、「キメの整った仕上がり」について劣っていた。また、経時安定性についても排液傾向が見られ、「経時安定性」についても劣っていた。
【0069】
実施例8:油中水型リキッドファンデーション
(成分) (%)
1.ジメチルポリシロキサン3%処理酸化チタン *5 1.5
2.ジメチルポリシロキサン2%処理黒酸化鉄 0.1
3.ジメチルポリシロキサン2%処理黄酸化鉄 0.3
4.ジメチルポリシロキサン2%処理ベンガラ 0.1
5.ジメチルポリシロキサン3%処理セリサイト *11 15
6.ジメチルポリシロキサン2%処理雲母チタン *12 1
7.セスキオレイン酸ソルビタン 2
8.セチルPEG/PPG−10/1ジメチコン *13 5
9.トリイソステアリン酸ジグリセリル *2 5
10.ベンジルジメチルステアリル
アンモニウムヘクトライト *14 0.1
11.ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト*6 0.1
12.セチルPEG/PPG−10/1ジメチコン 0.1
13.ジプロピレングリコール 0.2
14.デカメチルシクロペンタシロキサン 20
15.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル *15 10
16.パラメトキシケイ皮酸2−エチルへキシル *16 5
17.イヌリンステアレート *17 0.5
18.1,3−ブチレングリコール 5
19.エチルアルコール 5
20.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
21.塩化ナトリウム 0.5
22.精製水 残量
23.製造例1の扁平セルロース粉体 5
24.香料 適量
*11:セリサイト FSE(三信鉱工業社製)の3%ジメチルポリシロキサン処理物
*12:チミロンスーパーゴールド(メルク社製)の2%ジメチルポリシロキサン処理物
*13:ABIL EM−90
(EVONIC GOLDSCHMIDT GMBH社製)
*14:BENTONE 27V(エレメンティス社製)
*15:T.I.O(粘度:40mPa・s、日清オイリオ社製)
*16:UVINUL MC80(粘度:85mPa・s、BASF社製)
*17:レオパール ISK(千葉製粉社製)
【0070】
(製造方法)
A:成分1〜9をローラーにて分散する。
B:成分10〜14をローラーにて分散する。
C:成分15〜17を加熱混合する。
D:A〜Cを混合する。
E:Dに成分18〜22を添加し、乳化する。
F:Eに成分23、24を添加混合し、油中水型リキッドファンデーションを得た。
本発明の実施例8の油中水型リキッドファンデーションについて、その効果を実施例1に準じて評価したところ、このものは、塗布時の「なじみの良さ」、塗布後の「べたつきのなさ」「キメの整った仕上がり」、化粧料塗布5時間後の状態での、「くすみのなさ」、および「経時安定性」において優れたものであった。
【0071】
実施例9:油中水型リキッドチーク
(成分) (%)
1.オクチルシリル化3%処理酸化チタン *18 2
2.ジメチルポリシロキサン2%処理赤色226号 1
3.ジメチルポリシロキサン2%処理黄色205号 0.5
4.オクチルシリル化2%処理セリサイト 8
5.窒化ホウ素 1
6.パルミチン酸デキストリン *19 1
7.トリイソステアリン酸ジグリセリル *2 2
8.2−エチルヘキサン酸セチル *20 5
9.炭酸ジアルキル(C15−16) *21 5
10.モノパルミチン酸ソルビタン 1
11.セスキステアリン酸ソルビタン 1
12.PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 5
13.重質流動イソパラフィン *22 5
14.デカメチルシクロペンタシロキサン 5
15.メタクリル酸メチルクロスポリマー(15μm) 2
16.架橋型・網状型シリコーンブロック共重合体(5μm) 2
17.製造例2の扁平セルロース粉体 15
18.エチルアルコール 5
19.1,3−ブチレングリコール 2
20.グリセリン 2
21.塩化ナトリウム 0.5
22.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
23.精製水 残量
24.ベンジルジメチルステアリル
アンモニウムヘクトライト *14 0.5
25.ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト *6 0.5
26.デカメチルシクロペンタシロキサン 10
27.エチルアルコール 0.5
28.香料 適量
*18:チタン JR−800(テイカ社製)の3%オクチルシリル化処理物
*19:レオパール KL2(千葉製粉社製)
*20:サラコス 816T(粘度:46mPa・s、日清オイリオ社製)
*21:LIALCARB SR−1000/R(粘度:36mPa・s、三井化学ファイン社製)
*22:パールリーム 18(日油社製)
【0072】
(製造方法)
A:成分6〜14をローラーにて分散する。
B:成分24〜27をローラーにて分散する。
C:成分1〜5とAを混合する。
D:Cに成分18〜23を添加し、乳化する。
E:DにB、成分15〜17、28、を添加混合し、
油中水型リキッドチークを得た。
本発明の実施例9の油中水型リキッドチークについて、その効果を実施例1に準じて評価したところ、このものは、塗布時の「なじみの良さ」、塗布後の「べたつきのなさ」「キメの整った仕上がり」、化粧料塗布5時間後の状態での、「くすみのなさ」、および「経時安定性」において優れたものであった。
【0073】
実施例10:油中水型リキッドアイカラー
(成分) (%)
1.メタクリル変性メチルポリシロキサン溶液 *23 10
2.2−エチルヘキサン酸セチル *20 5
3.8.セチルPEG/PPG−10/1ジメチコン 1
4.ベンジルジメチルステアリル
アンモニウムヘクトライト *14 1
5.デカメチルシクロペンタシロキサン 5
6.メタクリル変性メチルポリシロキサン溶液 *23 10
7.セチルPEG/PPG−10/1ジメチコン 1.5
8.ジメチルポリシロキサン3%処理酸化チタン *5 1
9.ジメチルポリシロキサン2%処理群青 1
10.ジメチルポリシロキサン2%処理黄酸化鉄 0.1
11.ジメチルポリシロキサン2%処理タルク *24 2
12.雲母チタン *25 5
13.ベンガラ被覆雲母酸化チタン *26 2
14.ジメチルポリシロキサン2%処理
酸化チタン被覆ガラスフレーク *27 5
15.ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・
エポキシ積層末 *28 2
16.合成金雲母 *29 2
17.製造例2の扁平セルロース粉体 10
18.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
19.エチルアルコール 5
20.1,3−ブチレングリコール 2
21.グリセリン 2
22.塩化ナトリウム 0.5
23.エチルアルコール 10
24.精製水 残量
*23:シリコン KP−545(信越化学工業社製)
*24:ハイフィラー K−5μ(松村産業社製)の2%ジメチルポリシロキサン処理物
*25:TIMICA EXTRA BRIGHT 1500(BASF社製)
*26:クロイゾネルージュフランベ(BASF社製)
*27:メタシャイン1080RC−Y(日本板硝子社製)の2%ジメチルポリシロキサン処理物
*28:アルミフレークシルバー0.15mm(角八魚燐箔社製)
*29:PDM−40L(トピー工業社製)
【0074】
(製造方法)
A:成分4、5をローラーにて分散する。
B:成分6〜11をローラーにて分散する。
C:成分1〜3、A、Bを混合する。
D:Cに成分18〜24を添加し、乳化する。
E:Dに成分12〜17を添加混合し、油中水型リキッドアイカラーを得た。
本発明の実施例10の油中水型リキッドアイカラーについて、その効果を実施例1に準じて評価したところ、このものは、このものは、塗布時の「なじみの良さ」、塗布後の「べたつきのなさ」「キメの整った仕上がり」、化粧料塗布5時間後の状態での、「くすみのなさ」、および「経時安定性」において優れたものであった。
【0075】
実施例11:油中水型日焼け止めクリーム
(成分) (%)
1.ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト*6 0.5
2.デカメチルシクロペンタシロキサン 5
3.PEG−9 ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 0.5
4.デカメチルシクロペンタシロキサン 20
5.イソノナン酸イソトリデシル *1 3
6.トリイソステアリン酸ジグリセリル *2 3
7.パラメトキシケイ皮酸2−エチルへキシル *15 5
8.PEG−9 ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 3
9.香料 適量
10.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
11.エチルアルコール 5
12.塩化ナトリウム 0.5
13.メチレンビスベンゾトリアゾリル
テトラメチルブチルフェノール *30 5
14.精製水 残量
15.製造例3の扁平セルロース粉体粉体 5
16.メチルシロキサン網状重合体 *31 2
*30:TINOSORB S(BASF社製)
*31:トスパール 2000B
(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)
【0076】
(製造方法)
A:成分1〜3を混合分散する。
B:成分4〜9にAを添加し、混合する。
C:Bに成分10〜14を添加し、乳化する。
D:Cに成分15、16を添加混合し、油中水型日焼け止めクリームを得た。
本発明の実施例11の油中水型日焼け止めクリームについて、その効果を実施例1に準じて評価したところ、このものは、塗布時の「なじみの良さ」、塗布後の「べたつきのなさ」「キメの整った仕上がり」、化粧料塗布5時間後の状態での、「くすみのなさ」、および「経時安定性」において優れたものであった。
【0077】
実施例12:油中水型クリーム
(成分) (%)
1.PEG−9 ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 1.5
2.メチルポリシロキサン *32 2
3.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル *15 5
4.流動パラフィン *3 2
5.ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール *33 2
6.メドウフォーム油 2
7.イソノナン酸イソトリデシル*1 1
8.香料 適量
9.無水ケイ酸 *34 1
10.製造例3の扁平セルロース粉体粉体 5
11.PEG−9 ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 2
12.ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト *6 1
13.デカメチルシクロペンタシロキサン 5
14.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
15.エチルアルコール 0.5
16.1,3−ブチレングリコール 15
17.グリセリン 15
18.塩化ナトリウム 0.5
19.精製水 残量
20.L−アスコルビン酸2−グルコシド 2
21.リン酸一水素ナトリウム 0.1
22.リン酸二水素ナトリウム 0.1
23.水酸化ナトリウム 0.25
24.精製水 10
*32:シリコン KF−96A(6CS)
(粘度:7mPa・s、信越化学工業社製)
*33:コスモール 525(粘度:14mPa・s、日清オイリオ社製)
*34:ゴッドボール D11−796C(鈴木油脂工業社製)
【0078】
(製造方法)
A:成分11〜13を混合分散する。
B:成分1〜10にAを添加し、混合する。
C:Bに成分14〜19を添加し、乳化する。
D:Cに成分20〜24を添加混合し、油中水型クリームを得た。
本発明の実施例12の油中水型クリームについて、その効果を実施例1に準じて評価したところ、このものは、塗布時の「なじみの良さ」、塗布後の「べたつきのなさ」「キメの整った仕上がり」、化粧料塗布5時間後の状態での、「くすみのなさ」、および「経時安定性」において優れたものであった。