【実施例】
【0154】
<略語の一覧>
上記で使用されるように、及び本発明の記載の全体にわたって、以下の略語が、他に明記されない限り、以下の意味を持つものであると理解される:
ACN アセトニトリル
Bn ベンジル
BOC又はBoc tert−ブチルカルバマート
BOP ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム
t−Bu tert−ブチル
Cbz ベンジルカルバマート
Cy シクロヘキシル
DBU 1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−オン
DCC ジシクロヘキシルカルボジイミド
DCM ジクロロメタン(CH
2CI
2)
DIC 1,3−ジイソプロピルカルボジイミド
DEAD アゾジカルボン酸ジエチル
DIAD アゾジカルボン酸ジイソプロピル
DIEA ジイソプロピルエチルアミン
DMAP 4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン
DMP試薬 デズ−マーティン・ペルヨージナン試薬
DMF ジメチルホルムアミド
DMA N,N−ジメチルアセトアミド
DME 1,2−ジメトキシ−エタン
DMSO ジメチルスルホキシド
Dppf 1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン
EDCI 1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドHCl
eq 同等物
Et エチル
Et
2O ジエチルエーテル
EtOH エタノール
EtOAc 酢酸エチル
HOAt 1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール
HOBT 1−ヒドロキシベンズトリアゾール
HOSu N−ヒドロキシスクシンアミド
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
LAH リチウムアルミニウム無水物
Me メチル
MeI ヨウ化メチル
MeOH メタノール
MOMCl メトキシメチルクロリド
MOM メトキシメチル
MS 質量分光法
NMP N−メチル−ピロリジン−2−オン
NMR 核磁気共鳴法
PyBOP ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシトリス−ピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロホスファート
SPHOS 2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル
TBD 1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]−dec−5−ene
RP−HPLC 逆相高圧液体クロマトグラフィー
TBS tert−ブチルジメチルシリル
TBSCl tert−ブチルジメチルシリル塩化物
TBTU O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム
TEOC 2−トリメチルシリルエチルカルバマート
TFA トリフルオロ酢酸
Tf
2O トリフラート無水物
TMG 1,1,3,3−テトラメチルグアニジン
THF テトラヒドロフラン
THP テトラヒドロピラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
XPHOS 2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル
【0155】
<本発明の化合物の調製の一般的な例>
本発明の化合物のための出発物質と中間体は、以下に記載される方法の適用又は順応、それらの明白な化学当量によって、又は、例えば、「The Science of Synthesis, Volumes 1−8. Editors E. M. Carreira et al. Thieme publishers (2001−2008)」などの文献に記載されるように、調製されてもよい。試薬と反応物の選択の詳細はまた、Scifinder(www.cas.org)又はReaxys(www.reaxys.com)など商用のコンピュータ調査エンジンを使用する、構造及び反応の検索によって、利用可能である。
【0156】
−78℃と0℃の間の温度で、ジクロロメタンなどの溶媒中で、BCl
3などのルイス酸による処置によって、本発明の特定の化合物(I)(模式
図1)を、対応する官能基で保護したボロン酸エステル(II)から調製して、続いて水性のクエンチを行う。
【0157】
【化15】
【0158】
代替的に、(I)を、室温と100℃の間の温度で、ジオキサン中で水性の塩酸(約3−5モル)による(II)の処置によって(II)から得る。
【0159】
必要なボロン酸エステル(II)を、アミン(III)と(カルボン又はスルホン)酸(IV)と結合することにより得た(模式
図2)。酸塩化物、無水物、又は反応的なエステル(Va、Vb、又はVc)として最初に酸官能性を活性化し、その後、通常は4−メチル−モルホリン、トリエチルアミン、又はジイソプロピルエチルアミンなどの非求核性塩基の存在下で、ほぼ室温で、DMF、DMA、NMP、THF、又はジクロロメタン(又はそれらの混合物)などの溶媒における(III)による活性化基質の処置によって、この形質転換が達成される。
【0160】
酸塩化物(Va)の形成は、略室温で、DMFなどの触媒の存在下で、ジクロロメタンなどの溶媒において、塩化チオニル、五塩化リン、又は塩化オキサリルなどの塩素化剤による(IV)の処置を含む。特定の場合には、DMFも共溶媒として使用される。無水物(Vb)の形成(ZはC=Oである)は、室温又はそれ以下で、トリエチルアミン又はジイソプロピルアミンなどの非求核性塩基の存在下で、ジクロロメタンなどの不活性溶媒において、トリメチルアセチル塩化物又はイソプロピルクロロホルメートなどの立体障害酸塩化物又はクロロホルメートによる(IV)の処理を含む。活性化エステル(Vc)の形成は、室温又はそれ以下で、DMF、DMA、NMP、又はジクロロメタン等の溶媒において、EDCI、DCC/HOBt、HATU、BOPの試薬、又はTBTUなどの活性化試薬系による(IV)の処置を含む(International Journal of Pharmaceutical Sciences Review and Research(2011),8(1),108−119)。
【0161】
必要な酸(IV)を、多くの異なる反応配列によって調製する。以下に列挙された典型的な実施例の中に共通のテーマと戦略が存在する一方で、適切な反応配列(保護基の必要条件を含む)の選択は、標的分子に存在する官能性の性質と配列によって指示され、それ故、特定の場合において適用するために、図示された方法の明白な順応を含んでもよい。
【0162】
【化16】
【0163】
Y
1=随意に置換した1,3−ジアミノ−プロピル又は1,4−ジアミノ−ブチル(模式
図3)である場合、必要な酸(IV)は、MgSO
4、CuSO
4、Ti(OEt)
4、又はモレキュラーシーブなどルイス酸又は乾燥剤の存在下で、及び幾つかの場合にはディーン・シュタルク・タイプの反応器システムにおいて、典型的にジクロロメタン、エーテル、ベンゼン、又はトルエンなどの溶媒中で、t−ブチルスルフィンアミン(Chemical Reviews, (2010), 110(6), 3600−3740)による適切なベンジルオキシ−アルキルで置換したベンズアルデヒド又はフェニル−ケトン(VIa VIb)の処理によって、調製される。その後、−60℃と0℃の間の温度で、THF、エーテル、ジクロロメタン、又はトルエン等の溶媒において、オレフィンで置換したアルキル・グリニャール等の適切な有機金属により、結果として生じるt−ブチルスルフィンアミン(butylsulphinimine)(VII)を凝縮して、スルフィンアミンで置換した芳香族(VIII)を得る。略室温で、ジクロロメタン等の溶媒におけるトリフルオロ酢酸、又はジオキサン中のHClなどの酸による(VIII)処置によってスルフィニル基の除去を達成することで、対応する第一級アミン(IX)を得る。
【0164】
【化17】
【0165】
第一級アミン(IX)は様々な手順を使用して更に官能化され得る。例えば、BOC又は他の適切な誘導体のような(IX)の保護は(Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis; 4th Edition: John Wiley & Sons, Inc., 2006)、カルバマート(X)を提供する。カルバマートは、0℃と約100℃の間の温度で、THF、DMF、DMA、又はアセトニトリルなどの溶媒において、水素化ナトリウム又は炭酸カリウムなどの塩基の存在下で、ハロゲン化アルキル又はアルキル−スルホナート等の、アルキル化剤で処理される。(XI)中のオレフィンの酸化開裂は、tert−ブタノール/水又はアセトン/水等の溶媒系において、N−メチルモルホリン・N−オキシドなどの共酸化剤の存在下で、触媒の量の四酸化オスミウム(Org. Synth. Oxid. Met. Compd.(1986), 633−93. : Plenum, New York)による処置によって達成され、それにより対応する近接のジ−ヒドロキシ−誘導体を得る。その後、略室温で、THF/水等の溶媒において、過ヨウ素酸ナトリウムを使用して、このジオールを開裂することで、(XII)を得る。
【0166】
第2アミノ官能性の架設は、ジクロロメタン、メタノール、1,4−ジオキサン、THF、又は酢酸(又はそれらの組み合わせ)などの溶媒において、NaBH
4、NaCNBH
3、又はNa(AcO)
3BHなどの還元剤の存在下で(Organic Reactions, Vol. 59, E. W. Baxter & A. B. Reitz, Wiley 2002)、第二級アミン(R
4R
5NH)による(XII)の処理によって達成され、それにより(XIII)を得る。(XIII)は、水素大気(1−5bar)下で、酢酸エチル、THF、メタノール、又は酢酸などの溶媒において、炭素上のパラジウムなどの不均一触媒を使用して、典型的に水素化分解反応による、最初にベンジル保護基を除去することによって、必要なカルボン酸に変換され、それにより第一級アルコールを得る。このアルコールは、2工程の手順を使用して対応する酸へと酸化する;Swern酸化(Organic Reactions.(1990), 39, 297−572.)などの、DMSOベースの酸化剤システムを使用する、又は、略室温でのジクロロメタンなどの溶媒に置ける過剰なデズ−マーティン・ペルヨージナンでの処置による、アルデヒドへの初期の酸化を含む(Journal of Organic Chemistry. (1983), 48, 4155)。略室温でt−ブタノール/水などの溶媒において、亜塩素酸ナトリウム/NaH
2PO
4及び2,3−ジメチル−ブト−2−エンによる処置によって、後のアルデヒドの酸化が達成される(Journal of Organic Chemistry, (1980), 45, 4825)。特定の場合において、略室温で、3/2/2の比率の水/CCl
4/CH
3CNの溶媒混合物において、NaIO
4及び触媒のRuCl
3などによる((Journal of Organic Chemistry, (1981), 46(19), 3936−8))、又は、略室温で、DMF中のピリジニウムジクロマートによる(Tetrahedron Letters, (1979). 20 (52), 399)、多くの酸化プロトコルの1つを使用することで、第一級アルコールはまた、(IV)へと直接酸化され得る。
【0167】
Y
1=随意に置換した1,2−ジアミノ−エチルである場合、必要な酸(IV)は、略室温乃至100℃で、水性の1,4−ジオキサン、DME、THFなどの溶媒において、Na
2CO
3、Cs
2CO
3、Na
3PO
4などの塩基、及び(Ph
3P)
4Pd、Dppf/Pd(OAc)
2又はPEPPSIの触媒系などのパラジウム触媒の存在下で、適切なビニル−ボロン(XV)酸による処理によって適切なハロゲン化アリール(M=I、Br、Cl)から調製され(模式
図4)、それによりで、オレフィン誘導体(XVI)を得た(Journal of Organometallic Chemistry,(1999), 576, 147−168)。−30℃と0℃の間の温度で、アセトニトリルなどの溶媒において、Mn(OAc)
3(H
2O)
2、及び、酢酸又はトリフルオロ酢酸などの酸などの、穏やかな酸化剤の存在下で、ナトリウムアジドにより(XVI)を処置することで、ジアジド((XVII)を得る(Synthetic Communications, 28(10), 1913−1922; 1998)。
【0168】
THF等の溶媒において、トリフェニルホスフィンなどの還元剤による処置によって後にビス−アジドを還元し、その後、過剰な水による中間体アザ−ホスホランのインサイツの加水分解により、ビス−アミン(XVIII)を得る。特定の例において、ビス−アジドの還元は、THF又はメタノールなどの溶媒において、炭素上のパラジウムなどの触媒の存在下で、水素ガスによる(XVII)の処置によって達成される。上に説明されるように、(XVIII)の後の官能化が達成され、それにより(XIX)を得る。特に、R4がピペラジン環構造の一部を構成する場合、(XVIII)は、略室温で、水性のTHF又はジクロロメタンなどの溶媒において、トリエチルアミンなどの塩基の存在下で、1,2−ジブロモエタンなどのアルキル二ハロゲン化物により処理され、それにより(XIXa)を得る。上に説明されるように、中間体(XIXa)は(XIXb)に変換される。必要な酸(IV)は、エステル官能性の形式上の加水分解によって、対応するエステル(XIX又はXIXb)から得られる。使用される反応条件は、使用されるエステルのタイプに依存する。メチル、エチル、又は他の単純なアルキルの場合、加水分解は通常、THF、水、及びメタノールの溶媒混合液において、ナトリウム又は水酸化リチウムなどの塩基水溶液による簡潔な処置によって達成される。しかし、ベンジル、2−トリメチルシリル−エチル、又は2,2,2−トリクロロエチルなどの、他の酸保護基も使用され得る。これらの場合、対応する酸へのエステルの転換は、文献(Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis. Fourth Edition. John Wiley & Sons, Inc. 2006)中の標準の脱保護手順を使用して達成される。
【0169】
【化18】
【0170】
代替的に、1,2−ジアミノ−エチルの下部構造は、(XX)などの適切なアリール−アルキルケトンから調製され得る(模式
図5)。例えば、トリエチルアミンの存在下で、約0℃の、エーテル中でのトリメチルシリル−トリフラートによる(XX)の処理により、シリル−エノールエーテル(XXI)を得る。−78℃と室温の間の温度で、ジクロロメタン又はシクロヘキサンなどの不活性溶媒において、臭素、NCS、又はピリジニウムトリブロミドなどのハロゲン化試薬により(XXI)を処理することで、α−ハロ−ケトン(XXII)を得る。(XXII)は、室温以上で、トルエン、THF、アセトニトリル、又はDMAなどの不活性溶媒においてアミン(NHR4R5)と共に濃縮され、それによりα−アミノ−ケトン(XXIII)を得る。上記のような(XXIII)の還元的アミノ化により、ジアミノ−エチル誘導体(XXIV)を得て、これを更に処理して(ベンジルエーテルの除去と酸化)、上記のような必要な酸(IV)を得る。
【0171】
【化19】
【0172】
Y
1が1,2−ジアミノ−置換−プロピル、又はブチル基である場合、前述の化学作用に必要なアルケン基質は、略室温で、THF等の溶媒において、CuBr:DMSなどの銅触媒の存在下で、適切なフェニル−ハロゲン化物(I、Br、Cl)又はトリフラート、及びアリル又はブテン−イル・グリニャールから調製される。
【0173】
1,2−ジアミノ系の変異体において、Y
1はアミノ−アルキルである。Y
2はアミノアルキルであり、それにより、Y
1のアミン含有炭素(amine bearing carbon)上の置換基と、Y
2のアミン含有炭素上の置換基が共に環を形成し、必要な酸(IV)は、適切なベンゾ融合環式アルケン(XXV)から調製される(模式
図6)。(XXV)ののビス−アジド化(azidination)により、必要な酸(IV)を得るために前述のように処理される環状ビスアジ化物(XXVI)を得る。
【0174】
【化20】
【0175】
Y
1=随意に置換したアミノ−アルキル−アミノである場合、必要な酸(IV)は、適切な臭化アリール(XXVII、M=Br)、アリール・ヨウ化物(XXVII;M=I)、塩化アリール(XXVII;M=Cl)、又はアリール−スルホン酸エステル(XXVII;M=O
3SR)を、ジアミン(又はモノ−N−保護−ジアミン)(XXVIII)とクロスカップリングすることによって調製され(模式
図7)(Metal−Catalyzed Cross Coupling Reactions, 2nd Ed., Wiley−VCH: 2004)、中間体(XXIX)を得た。この次に、エステル官能性の加水分解を行い、(IV)を得る。(XXVII)とアミンのクロスカップリングは一般的に、ナトリウムt−ブトキシド、リン酸カリウム、又はリチウムヘキサメチルジシラジドなどの塩基と、2,2’−ビス(ジフェニル−ホスフィノ)−1,1’−ビナフチレン、9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−キサンテン、トリ(tert−ブチル)−ホスフィン、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)−1,1’−ビフェニル、2,8,9−トリイソブチル−2,5,8,9−テトラアザ−1−ホスファビシクロ[3.3.3]ウンデカン,2−メチル−N,N’−ビス(イソブチル)−2−[[(イソブチル)アミノ]−メチル]−1,3−プロパンジアミン、又はPEPPSIシステムなどのリガンドの存在下で、80℃と110℃の間の温度で、トルエン、THF、DMF、又はDMAなどの溶媒において、パラジウム・ビス(ジベンジリデンアセトン(dibenzylidineacetone)、トリス(ジベンジリデンアセトニル)ビス−パラジウム、又はパラジウムジアセテートなどのパラジウムソースを使用して、パラジウム触媒作用の下で行われる(Chemical Society Reviews, (2011), 40, 5151−5169)。特定の場合には、(XXVII)と(XXVIII)のクロスカップリングは、室温と100℃の間の温度で、Cs
2CO
3などの塩基の存在下で、DMFにおいて、ヨウ化銅など銅触媒と、2−イソブチリル−シクロヘキサノンなどの1,3−ジカルボニル・リガンドを使用する。Mがノナフラートである場合、塩基は一般的に、DBU又はMTBDであり(7−メチル−1,5,7−トリアザ−ビシクロ−[4.4.0]−デカ−5−エン)、且つ、リガンドは、100−150℃の温度で、トルエンなどの溶媒において、2,4,6,−トリイソプロピル−2’ジシクロヘキシルホスフィノ−ビフェニル又は9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−キサンテンである(Journal of Organic Chemistry (2006), 71, 430)。
【0176】
(XXVIII)に使用されたN−保護基は一般的に、tert−ブチル、ベンジル、又は2−トリメチルシリル−エチルなどのカルバマートである。そのような基の除去は、文献(Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis, Fourth Edition, John Wiley & Sons, Inc., 2006)に記載される標準の条件を使用する。
【0177】
【化21】
【0178】
Y
1=随意に置換したアミノ−アルキルであり、且つY
2が独立して随意に置換したアミノアルキルである場合、必要な酸((IV)、
図1)は通常、対応するヒドロキシル又はオキソで置換した炭素スカホードの中へアミン官能性を連続して導入することによって、調製される。ヒドロキシル官能基のアミンへの転換は、文献(Comprehensive Organic Transformations, VCH publishers. 1989)において既知である、多くの反応シーケンスの1つによって達成される。これらは一般的に、ヨウ化物、臭化物、ベンゼンスルホナート、メシレート、又はトリフラートなどの脱離基へのアルコールの転換、そしてその後の、DMF、DMA DMSO、又はアセトニトリルなどの溶媒における、ナトリウムアジド又はテトラブチルアンモニウムアジドなどのアジドアニオン塩を使用する脱離基の置換を含む。アジドはその後、上述のように、水素添加又はシュタウディンガー反応によって対応する第一級アミンに還元される。代替的に、Mitsunobu条件(Chemical Reviews, (2009) 2551−2651)下でアルコール官能性を対応するフタラミドに転換し、その後、室温以上で、エタノールなどの溶媒において、過剰なヒドラジンによる処置によってフタラミドを脱保護することにより、第一級アミン官能性の導入が達成される。
【0179】
オキソ官能性の対応するアミンへの転換は、還元的アミノ化又はt−ブチルスルフィンイミドの形成及び水素化物の追加/イミンのC=N官能性のアルキル化によって達成される(Chemical Reviews, (2010), 110(6), 3600−3740)。オキソがカルボン酸基の一部である特殊な場合において、アミン官能性はクルチウス転位により導入され得る。(Tetrahedron (1974), 30 (14): 2151−2157)。
【0180】
【化22】
【0181】
適切なヒドロキシル又はオキソで置換した炭素スカホードは、文献において既知である広範囲のシーケンスの1つによって調製される。所定の場合において使用されるシーケンスは、必要とされるジアミン官能性の特異的な配列に依存する。例えば、p=0でありm=2((IV)、
図1)である場合、炭素スカホードは模式
図8に示されるように調製される。前述のように、水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤の存在下で、第二級アミン(R3R4NH)による3−ブロモ−4−ホルミル−ベンゾアート(XXX)の処理は、ベンジル型アミン(XXXI)を提供する。Heck反応の条件下でメチル−ビニルケトンにこの中間体を曝すことで、α,β−不飽和ケトン(XXXII)を得る。室温乃至70℃の温度で、トルエン、酢酸エチル、メタノール、又はTHF(又はそれらの混合物)等の溶媒において、水素ガス(1−4atm)の大気下で、Pd触媒、Rh触媒、又は炭素上の10%のPdなどのPt触媒、或いはウィルキンソン触媒を使用する(XXXII)の還元により、不飽和ケトン(XXXIII)を得る。代替的に、不飽和ケトン(XXXII)は、略室温で、メタノール等の溶媒における過剰マグネシウムによる処置によって還元される(Tetrahedron Letters, (1986); 2721), 24092410)。上述のように、第二級アミン(R4’R5’NH)による(XXXIII)の還元的アミノ化により、(XXXIV)を得る。最終的に、(XXXIV)におけるエステル官能性の加水分解により、必要な酸(IV)を得る。
【0182】
【化23】
【0183】
アルコール又はカルボニルの誘導体化に加えて、アミノ官能性も、潜在的な形態で(ニトロ、シアノ、又はアミドなど)、或いは、炭素骨格の構築に使用されたC−C結合成形反応の間に直接、導入されてもよい。例えば(模式
図9)、トルエンと水の溶媒混合物において、Pd(OAc)
2、SPhos又はXPhosなどのホスフィンリガンド、及び炭酸カリウムなどの塩基の存在下で、塩化アリール(XXXV)とカリウム(BOC−アミノメチル)−トリフルオロボラートとのカップリングにより、ベンジルアミン(benzyamine)誘導体(XXXVI)を得る(Organic Letters, (2011), 13(15), 3956−3959)。BOCアミンの官能基化は上述のように達成され、それにより(XXXVII)を得る。フッ化物イオンのソースの存在下でのこの中間体とシリル−ニトロナート(XXXVIII)とのカップリングにより、ニトロアルドール生成物(XXXIX)を得る(European Journal of Organic Chemistry, (2007), 16, 2561−2574)。THFにおける水素化アルミニウムリチウムによる(XXXIX)の還元により、ビス−アミン(XL)を得る。この中間体を再度、上述のように誘導体化して、(XLI)を得る。(XLI)はその後、上述のように対応する酸(IV)に転換される。
【0184】
【化24】
【0185】
Y
1=随意に置換したアミノ−アルキルでありY
2が随意に置換したアミノ基である場合、必要な酸(IV)は、模式
図7に図示されるように、上述のようなパラジウムを触媒とするアミノ化によって、対応する臭化物(XXVI)(模式
図10)から調製される(Metal−Catalyzed Cross Coupling Reactions, 2nd Ed., Wiley−VCH: 2004)。
【0186】
【化25】
【0187】
Y
1=置換したアミノ−アルキルでありY
2が置換したアミノ基であり、それによりY
1のアミン含有炭素上の置換基とY
2のN−置換基が共に環を形成するこのシステムの変形において、必要な酸(IV)(模式
図11)は、約0℃で、ジクロロメタンなどの溶媒において、ジアリールリン酸エステル(例えば、BINOLのリン酸エステル)などの酸の存在下で(Journal of the American Chemical Society, (2011), 133(37), 14804−14813)、適切に置換したアニリン(XLIII)、アルデヒド又はケトン(XLIV)、及びN−ビニルカルバマート(XLV)からポヴァロフ反応(Name Reactions in Heterocyclic Chemistry II, (2011), 385−399 Wiley)を使用して調製され、それにより(XLVI)を得る。前述のように、(XLVI)におけるアミン官能性の後の誘導体化、その後のエステル加水分解により、(IV)を得る。
【0188】
【化26】
【0189】
Y
1=随意にアミノで置換したピペリジンでありY
2がHである場合、必要な酸(IV)(模式
図12)は、前述のように、(XLIX)などのアリール・グリニャール試薬を(XLVIII)などの適切に保護したスルフィンイミド)と反応させることにより調整され、それにより中間体(L)を得る。ジクロロメタン中のTFA又はジオキサン中のHCl等の酸による(L)の処理によって、脱保護したアミノエステル(LI)を得る。標準分析法を用いる、(LI)のBoc保護、その後の第一級アルコールの対応するトシラートへの転換により、(LII)を得る。DMA、NMP、又はDMFなどの溶媒における、K
2CO
3、NaH、DBU、又はTMGなどの塩基による(LII)の処理により環化を達成し、(LIII)を得る。(LIII)を前述のように脱保護して誘導体化することで、必要な酸(IV)を得る。
【0190】
【化27】
【0191】
Y
1=ヘキサヒドロピリミニン(hexahydropyriminin)−2−イミンでありY
2がHである、このシステムの変形において、必要な酸(IV)(模式
図13)は、2−メチル−2−チオイソ尿素スルファート(LV)(Journal of Medicinal Chemistry, (1985), 28(6), 694−8)により2−フェニル−1,3ジアミノ−プロパン(LIV)を濃縮することで調製され、それにより(LVI)を得て、それを前述のように処理して(IV)を得る。必要な1,3ジアミン(LIV)は、ビス・アミド(LVII)のホフマン分解によって;前述のようなジアミン官能性の対応するヒドロキシルで置換した炭素スカホード(LVIII)への導入によって(Organic Letters, (2207), 9(21), 4203−4206)、又はTHF等の溶媒における水素化アルミニウムリチウムなどの水素化物ドナーによるジ−ニトロ誘導体(LIX)の還元によって、得られる。ジ−ニトロ誘導体は、室温でのアルミナの存在下のニトロメタンでの濃縮により(European Journal of Organic Chemistry, (2010), (3), 483−493)、又は、第四級アンモニウムフッ化物イオンのソースの存在下でのニトロ−アルケンシリル−ニトロナートの濃縮により(Angewandte Chemie International Edition, (2006), 45, 7606−7608)、適切なアルデヒド/ケトンから得られる。
【0192】
【化28】
【0193】
Y
1=随意にアミノ−アルキルで置換したピペリジンである場合、必要な酸(IV)(模式
図14)は、THF、DMSO、トルエン、又はDMFなどの溶媒において、水素化ナトリウム、カリウム・t−ブトキシド、又は水酸化ナトリウムなどの塩基の存在下で、ビス−(クロロアルキルアミン)による、(LX)などの適切に置換したフェニル−アセトニトリル、フェニル−アセトン、又はフェニル酢酸の誘導体のアルキル化によって調製される。水性のNaOHが塩基である場合、メチル−トリオクタニルアンモニウム塩化物などの相間移動触媒も使用することで(Journal of Heterocyclic Chemistry, (1986), 23(1), 73−5)、(LXI)を得る。
【0194】
(Ph
3P)
4Pdなどのパラジウム触媒の存在下での、DMF等の溶媒における、ビニル又はアリルスタンナンによる(LXI)中のヨウ化物/臭化物の官能基化により、オレフィンで官能化したピペリジン(LXII)を得る。THF又はグライム等の溶媒における、水素化アルミニウムリチウムなどの強力な還元剤による(LXII)の処理により、4,4−二置換ピペリジン(LXIII)を得る。既に記載したように、(LXIV)を得るためのアミン官能性の誘導体化を達成する。(IV)を得るためのカルボキシル官能性の架設は、対応する第一級アルコールを得るためのヒドロホウ素化/酸化によって、又は、1つの炭素で短縮した(carbon truncated)アルデヒドを得るためのオレフィン官能性の酸化的開裂によって達成され、その後、前述のような酸への更なる酸化を行う。
【0195】
【化29】
【0196】
Y
1=4−置換ピペリジンでありY
2が置換したアミンであり、それによりピペリジンの4位置上の置換基と(Y2)アミン上の置換基が共に環を形成する、このシステムの特定の変形において、必要な酸(IV)(模式
図15)は適切に置換した2−フルオロ−アリール/ヘテロアリールアセトニトリルから調製される(Tetrahedron, (2004), 60(22), 4874−4878)。例えば、上述のような、ビス−(2−クロロエチル)−アミン誘導体による、臭素置換又はヨード置換した2−フルオロ−アセトニトリル(LXV)の処理により、ピペリジン(LXVI)を得る。(Ph
3P)
4Pdなどのパラジウム触媒の存在下での、DMF等の溶媒における、ビニル又はアリルスタンナンによるヨウ化物/臭化物の官能基化により、オレフィンで官能化したピペリジン(LXVII)を得る。グライム等の溶媒における、水素化アルミニウムリチウム/エタノールなどの強力な還元剤による(LXVII)の処理により、スピロ−インドール(LXVIII)を得る。
【0197】
【化30】
【0198】
既に記載したように、(LXIX)を得るためのアミン官能性の誘導体化を達成する。(IV)を得るためのカルボキシル官能性の架設は、前述のようなオレフィン官能性の酸化によって達成される。
【0199】
このシステムの別の変形において、Y
1=4−置換ピペリジンであり、それにより、ピペリジンの4位置上の置換基と、共に得られたA上のオルトの置換基は、環状炭素を形成する。この例において、必要な酸(IV)(模式
図16)は、適切なアリールが融合したシクロペンタジエンから調製される。例えば、約0℃で、THF等の溶媒における、LHMDSなどの強塩基の存在下での、ビス−(2−クロロエチル)−アミン誘導体による(LXX)の処理により、スピロ−シクロペンタジエン(LXXI)を得る(Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters, (2012), 22(1), 363−366)。約0℃でのTHF中の9−BBNによるオレフィンのヒドロホウ素化、その後の酸化のワークアップにより(NaOH/H
2O
2)、提供した。
【0200】
【化31】
【0201】
ヒドロキシル誘導体(LXXII)。上述のようなアルコール官能性の誘導体化により、ジアミン誘導体(LXXIII)を得る。酸官能性の架設は、上述のように、臭化物とアリル又はビニルのスタンナンとのスティレ・カップリングを介して、その後、オレフィン基を酸化し、結果として生じるアルコール/アルデヒドを対応する酸へと更に酸化することによって達成される。
【0202】
Y
1がピペリジン−4−イル−置換C
1−C
3アルキルであり、Y
2がC1−アミノ−アルキル基であり、それによりY
1のピペリジンのC4とY
2のC1−アルキル基が、5、6、又は7員の環を形成するために単結合を介して連結される場合、必要な酸(IV)(模式
図17)は、適切に置換したアリール/ヘテロアリールを融合した炭素環式ケトンから調製される。例えば、約50℃で、DMF、DMA、又はNMPなどの溶媒において、NaHなどの塩基の存在下で、置換したビス−(ブロモエチル)−アミンによるケトン(LXXIV)の処理により(Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters, (2010) 20(2), 746−754)、スピロ−ピペリジン−ケトン(LXXV)を得る。第2アミノ官能性の架設は、室温と還流の間の温度で、ベンゼンなどの溶媒において、TiCl
n(OiPr)
4−n(n=0−4)などのルイス酸の存在下で、アミン(NHR4’R5’)による(LXXV)の処理によって達成され、それによりイミン(LXXVI)を得る(European Journal of Organic Chemistry, (2007), 18, 2945−2957. Journal of the Chemical Society, Perkin Transactions 1: Organic and Bio−Organic Chemistry (1988), 12, 3399−406)。イミン(LXXVI)は、THF、グライム、又はメタノールなどの溶媒においてNaBH
4又はLiBH
4などヒドリド還元剤により還元され、それにより(LXXVIII)を得る。代替的に、インサイツで(in situ)N−トリメチルシリルイミン(LXXVII)を形成するためのLHMDSによる(LXXV)の処理、その後のTHF等の溶媒におけるNaBH
4又はLiBH
4による還元により、第一級アミン(LXXIX)を得て、それをその後、既に記載したように誘導体化する。第3の方法は、アジド(LXXXI)を得るための、約0℃でベンゼン又はトルエンなどの溶媒における、その後50と100℃の間の温度での加熱の間の、DBUの存在下での、NaBH
4又はLiBH
4による(LXXV)の処理、その後の結果として生じるアルコール(LXXX)とジフェニルホスホルイルアジドとの反応を含む。アジドは還元され、結果として生じる第一級アミン(LXXIX)は前述のように誘導体化される。前述のように、(IV)を得るための(LXXXII)中のベンジルオキシアルキル側鎖の処理が、達成される。
【0203】
【化32】
【0204】
Y
1がアミノで置換したC2−C4アルキルであり、Y
2がピペリジン−4イル基であり、それによりY
2のピペリジン上のC−4置換基とY
1のアミノで置換した炭素が共に、5、6、又は7員の環を形成する、このシステムの変形において、必要なカルボン酸(IV)(模式
図18)は、上述のようなピペリジン環形成とアミン架設に関する同じ方法を本質的に使用して、適切な環状ケトン(LXXXIII)から調製される。
【0205】
【化33】
【0206】
Y
1が二塩基性又はカチオンのC3−C4アルキルであり、それにより、Y
1上のC2置換基と、Y
1からオルトまでに(ortho−to Y
1)位置付けられるArA上の置換基が、共に環を形成する、このシステムの特定の変形において、必要なカルボン酸(IV)(模式
図19)は、適切なアリール/ヘテロアリールが融合した炭素環式ケトン(LXXXIV)から調製される。例えば、標準条件下での(LXXXIV)のシリル−エノールエーテルの形成、その後の、ジクロロメタンなどの溶媒におけるTiClnOiPr4−n(n=0−4)などのルイス酸の存在下での適切なニトロ−アルケンによるシリル−エノールエーテルの濃縮により、ニトロ−エチル−置換ケトン(LXXXV)を得る(Journal of the American Chemical Society, (1984) 106(7), 2149−56)。THF中の水素化アルミニウムリチウムなどの水素化物ドナーによる(LXXXV)の還元により、アミノアルコール(LXXXVI)を得る。前述のような、(LXXXVI)の第一級アミノ基の誘導体化により、アルコール(LXXXVII)を得る。前述のような、アルコールのアジドへの転換、及びその後のアミンの誘導体化により、ジアミン(LXXXVIII)を得る。この中間体は、上述のように(IV)を得るために処理される。同様に、TMSOTfの存在下での、(LXXXIV)から得たシリル−エノールエーテルと、アミンアセタールとの反応により(Tetrahedron, (1988), 44(13), 4157−4172)、(LXXXIX)を得て、それを処理し、(XC)を介して上述のような(IV)を得る。
【0207】
【化34】
【0208】
Y
1がアミノ又はアミノメチル−置換ピロリジンである場合、必要なカルボン酸(IV)(模式
図20)は、0℃以上で、トルエン又はジクロロメタンなどの溶媒において、TFAなどの酸の存在下で、適切なシンナマート(XCI)とN−(メトキシメチル)−N−(トリメチルシリルメチル)−アミン誘導体(XCII)から調製され、それにより(XCIII)を得る。エステル(XCIII)は、(XCIV)を得るためのエステル加水分解とクルチウス転位を介して、又は、(XCV)を得るためのアミド形成と前述のような(XCVI)を得るためのアミドカルボニルの還元により、処理される。中間体(XCIV)を誘導体化して、(XCVII)を得る。中間体(XCV)と(XCVII)は、ベンジルエーテル除去、及び前述のような結果として生じる第一級アルコールの酸化によって、対応する酸(IV)に転換される。
【0209】
【化35】
【0210】
Y
1が3−アミノ又は3−アミノメチル−置換ピペリジン−5−イルの基である、このシステムの変形において、必要なカルボン酸(IV)(模式
図21)は、−78℃と0℃の間の温度で、THFなどの溶媒において、LDA又はLHMDSなどの強塩基による適切なフェニル酢酸エステル(XCVIII)の処理によって調製され、それによりエノラートを形成し、その後、この中間体と、適切な2−(N,N−ジベンジルアミノ)−メタクリル酸塩(XCIX)エステルとの反応により、(C)を得る。前述のような水素化分解による(C)の脱ベンジル化、その後の、室温と100℃の間の温度で、トルエンなどの溶媒における、DBU又はTMGなどの塩基の存在下で、結果として生じる第一級アミノエステルの環化により、ラクタム(CI)を得る。
【0211】
【化36】
【0212】
前述のような、(CI)におけるアミド窒素の誘導体化、及びアミドカルボニルの還元により、ピペリジン(CII)を得る。(CIII)を得るための(CII)におけるエステル官能性の処理を、前述のように実行する。標準条件下でのMOM保護基の除去、その後の結果として生じる第一級アルコールの酸化により、必要な酸(IV)を得る。
【0213】
Y
1がアミノで置換したアルコキシであり、Y
2が炭素を介してアリール環に結合されるアミジンである場合、必要な酸(IV)(模式
図22)は、Mitsunobu反応条件下で、THF等の溶媒において、DEAD又はDIADなどアゾジカルボキシラートエステル及びPh
3Pなどのホスフィンの存在下で、適切に官能化したアルコール(CVI)による処理によって適切なシアノ−置換−フェノール(CV)から調製され、それにより、(CVII)を得る。標準条件下での(CVII)における潜在的なカルボニル官能性の脱保護により、(CVIII)を得る。後に(CVIII)を処理することで、対応するアミン(CIX)を得る。(CIX)のアミジン(CX)への転換は、メタノール中のHClによる処理によって達成され、それにより対応するイミダートエステルを得て、その後、略室温で、メタノール又はTHF等の溶媒において、この中間体を適切なアミン(R
4R
5NH)と反応させる。更に、上記のR
4R
5NHがアンモニアである場合、アミジン官能性も、ヒドロキシルアミンによるニトリル(CIX)の処理によって導入され、それにより対応するN−ヒドロキシル−アミジンを得る。この後に、触媒の水素化分解(酢酸/無水酢酸における炭素上のPd)を行い、アミジン(CX)を得る。(CX)におけるアミジン官能性のアシル化、及びエステル官能性の選択的な加水分解により、(IV)を得る。
【0214】
【化37】
【0215】
Y
1がグアニジンである(又はそれを含む)場合、グアニジノ基は、室温以上で、DMF(Synthesis, (2004), 37−42)又はピリジン等の溶媒における、1,3−ジ−tert−ブチルオキシカルボニル−S−メチルイソチオ尿素などの試薬による処置により、又は、略室温で、DMF又はDMA等の溶媒における、ジイソプロピルエチルアミン等の塩基の存在下でのN,N’ビス−(BOC)−1H−ピラゾール−1−カルボキサミジンによる処置によって、適切な第一級アミン又は第二級アミン(CXI)(模式
図23)から派生させ、それにより(CXII)を得る。(CXII)におけるエステル官能性の選択的な開裂により、既に記載したように、対応する酸(IV)を得る。同様に、第一級又は第二級のアミン(CXI)は、0℃と室温の間の温度で、エタノール等の溶媒における、2−ナフチルメチルチオイミダート誘導体(XVI)などの適切なアルキルチオイミダートによる処理によって、アミジン官能性に転換され(Tetrahedron Letters, (1997), 38(2), 179−182)、それにより(CXIII)を得る。標準条件下でBOC又はCbz(CXIV)などのカルバマート誘導体としてのアミジン(CXIII)を保護し、その後、選択的なエステル加水分解により、酸(IV)を得る。
【0216】
特定の例において、芳香族複素環の形成前に、Y
1及び/又はY
2を集めることが、都合がよい。例えば、ArAが1,2,3−トリアゾールである場合、必要なカルボン酸(IV)(模式
図24)は、DMF/水などの溶媒において、硫酸銅/アスコルビン酸ナトリウムなどの銅触媒の存在下で(Chemical Society Reviews (2010), 39(4), 1302−1315)、適切に置換したアジド(CXVI)による適切に置換したアルキン(CXV)の濃縮によって調製され、それにより(CXVII)を得る。(CXVII)におけるエステル官能性の開裂により、前述のように、(IV)を得る。
【0217】
【化38】
【0218】
ArAがチアゾールである場合、必要なカルボン酸(IV)(模式
図25)は、室温と120℃の間の温度で、トルエンなどの溶媒において、適切に置換した第一級−チオアミド/チオ尿素(CXVIII)と適切に置換したα−ハロ−ケトン(CXIX)から調製し、それにより(CXX)を得る。(CXX)におけるエステル官能性の開裂により、前述のように、(IV)を得る。
【0219】
【化39】
【0220】
Zがスルホニル基である場合(模式
図26)、略室温で、ジクロロメタンなどの溶媒においてナトリウムヒドロキシチオピリドンによる処理によって、必要なスルホン酸を対応する活性カルボン酸(V)から調製して、バートンのエステル中間体(CXXI)を得る。略還流の温度で、タングステンUVランプの下で、(CXXI)をCCl
4中のヨードホルムで処理して、デ−カルボキシレート(carboxylative)−ヨウ素化の生成物(CXXII)を得る(Journal of Organic Chemistry, 75(19), 6489−6501; 2010)。代替的に、略還流の温度で、タングステンUVランプの下で、酸(IV)をCCl
4中のヨードソ−ベンゼン−ジアセテートとヨウ素により処理することで(Journal of Organic Chemistry, (1986), 51, 402)、直接(CXXII)を得る。60℃と90℃の間の温度で、水性エタノール、イソプロパノール、又はアセトン中で亜硫酸ナトリウムにより(CXXII)を処置して、その後酸性化を行うことで、スルホン酸(IV)を得る。代替的に、約60℃でアセトン中のチオ尿素により(CXXII)を処理することで、イソチオウロニウム塩の誘導体(CXXIII)を得る(Synthetic Letters, (2010), 7, 1037)。水性のチオ硫酸ナトリウムにより(CXXIII)を開裂することで、チオール(CXXIV)を得る。過ギ酸(約0℃乃至室温での、ギ酸と水性のH
2O
2)により(CXXIV)を処理することで、(IV)を得る。
【0221】
必要なアミン(III)は、文献中の方法(WO2010/130708)に従って調製される。
【0222】
<合成例>
以下における、式I又は式Iaの化合物と中間体の調製は、当業者が本発明をより明確に理解し且つ実施することが可能となるように提供される。それらは、本発明の範囲を制限するものではないが、単にその実例且つ典型であると、考慮されねばならない。
【0223】
実施例1:(R)−2−ヒドロキシ−3−(1−フェニルシクロプロパンカルボキサミド)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸
【0224】
【化40】
【0225】
工程1:tert−ブチル3−((2R)−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)−2−(1−フェニルシクロプロパンカルボキサミド)エチル)−2−メトキシベンゾアートの合成。
−100℃でアルゴンの下でTHF(20mL)中の無水CH
2Cl
2(0.61mL、9.4mmol))(MeOH/Liq.N
2)に、n−BuLi(2.7mL、ヘキサン中で2.5M)を滴下で加え、反応混合物を30分間、同じ温度で撹拌した。2−メトキシ−3−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イルメチル)−安息香酸tert−ブチルエステル(2.37g、5.92mmol)のTHF(5mL)溶液を、10分間にわたり加えた。20分後、冷却槽を取り除き、反応混合物を0℃までゆっくりと暖め、1時間、同じ温度で撹拌した。その後、反応混合物を−78℃にまで冷却し、LHMDS(8.0mL、THF中で1M)をゆっくり加え、結果として生ずる反応混合物を撹拌し、一方で一晩中、室温にまで徐々に暖めた。無水MeOH(0.29mL、7.1mmol)を−10℃で加え、反応物を1時間、同じ温度で撹拌し、その後1時間室温で撹拌した。
【0226】
1.1gの1−フェニルシクロプロパンカルボン酸(6.8mmol)を含むフラスコ中に、無水のCH
2Cl
2(15mL)を加えた。この反応混合物にNMM(0.92mL、8.4mmol)を加え、その後、HATU(2.66g、7.0mmol)を加えた。DMF(1mL)を加え、結果として生ずる溶液を1時間室温で撹拌し、その時点で、上記反応からの溶液をフラスコに加えて、反応物を2時間撹拌した。反応物を水(50mL)を追加することでクエンチし、水相をEtOAc(3×50mL)で抽出した。有機相をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、真空内で濃縮して、未精製の生成物を得て、それをシリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、生成物(1.0g、29%)を得た。
【0227】
工程2:(R)−2−ヒドロキシ−3−(1−フェニルシクロプロパンカルボキサミド)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸。
−78℃で、無水CH
2Cl
2中の、工程1からのtert−ブチル3−((2R)−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)−2−(1−フェニルシクロプロパンカルボキサミド)エチル)−2−メトキシベンゾアートの溶液に、BCl
3(2.5mL、DCM中で1M、2.5mmol)を加え、反応混合物を1時間、同じ温度で撹拌し、その時点で、反応混合物を0℃にまで暖め、更に1時間、同じ温度で撹拌した。反応物を、0℃で水(5mL)を追加することでクエンチした。水相をEtOAcで抽出した。有機相をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濃縮した。未精製の生成物をEtOAc/ヘキサン中で再結晶化して、白色固形物として生成物(35mg)を得た。ESI−MS m/z 352(MH)
+。
【0228】
実施例2:(R)−3−(2,2−ジフルオロ−2−フェニルアセトアミド)−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸
【0229】
【化41】
【0230】
(R)−3−(2,2−ジフルオロ−2−フェニルアセトアミド)−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸の合成
実施例1の工程1と工程2に記載される手順に従い、2−メトキシ−3−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イルメチル)−安息香酸tert−ブチルエステルと2,2−ジフルオロ−2−フェニル酢酸から調製し、白色固形物として生成物(5.5mg)を得た。ESI−MS m/z 362(MH)
+。
【0231】
実施例3:(R)−2−ヒドロキシ−3−(4−フェニルピペリジン−4−カルボキサミド)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸
【0232】
【化42】
【0233】
工程1:tert−ブチル4−((1R)−2−(3−(tert−ブトキシカルボニル)−2−メトキシフェニル)−1−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)エチルカルバモイル)−4−フェニルピペリジン−1−カルボキシラートの合成。
実施例1の工程1に記載される手順に従い、2−メトキシ−3−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イルメチル)−安息香酸tert−ブチルエステルと、1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−フェニルピペリジン−4−カルボン酸から調製した。未精製の生成物を、シリカゲル(ヘキサン/EtOAc、2:1乃至1:2)上のフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。ESI−MS m/z 717.1(MH)
+。
【0234】
工程2:(R)−2−ヒドロキシ−3−(4−フェニルピペリジン−4−カルボキサミド)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸の合成。
−78℃で、無水CH
2Cl
2(15mL)中の工程1からの生成物(460mg、0.64mmol)の溶液に、BCl
3(5.0mL、DCM中で1M、5.0mmol)を加えて、反応混合物を1時間同じ温度で撹拌し、その時点で、反応混合物を0℃にまで暖めて、更に1時間に同じ温度で撹拌した。反応物を、0℃で水(5mL)を追加することでクエンチした。相分離の後、水相中の生成物を、逆相分取HPLC[Phenomenex Luna, 5μm、30×75mm、5−100%のAcCN:H
2O(0.1%のTFAを備える)]によって精製し、凍結乾燥を使用して乾燥し、白色固形物として生成物(10mg)を得た。ESI−MS m/z 395(MH)
+。
【0235】
実施例4:(R)−2−ヒドロキシ−3−(4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[2,3−c]ピリジン−3−カルボキサミド)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸
【0236】
【化43】
【0237】
(R)−2−ヒドロキシ−3−(4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[2,3−c]ピリジン−3−カルボキサミド)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸の合成。
実施例3の工程1と工程2に記載される手順に従い、2−メトキシ−3−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イルメチル)−安息香酸tert−ブチルエステルと、6−(tert−ブトキシカルボニル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[2,3−c]ピリジン−3−カルボン酸から調製した。最終生成物を逆相分取HPLCによって精製して、凍結乾燥を使用して乾燥した。ESI−MS m/z 373(MH)
+。
【0238】
実施例5:(R)−3−(2−ボロノ−2−(1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド)エチル)−2−ヒドロキシ安息香酸
【0239】
【化44】
【0240】
(R)−3−(2−ボロノ−2−(1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド)エチル)−2−ヒドロキシ安息香酸の合成。
実施例3の工程1と工程2に記載される手順に従い、2−メトキシ−3−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イルメチル)−安息香酸tert−ブチルエステルと、2−(tert−ブトキシカルボニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボン酸から調製した。最終生成物を逆相分取HPLCによって精製して、凍結乾燥を使用して乾燥した。ESI−MS m/z 367(MH)
+。
【0241】
実施例6:(R)−2−ヒドロキシ−3−(6−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[2,3−c]ピリジン−3−カルボキサミド)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸
【0242】
【化45】
【0243】
(R)−2−ヒドロキシ−3−(6−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[2,3−c]ピリジン−3−カルボキサミド)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸の合成。
MeOH(5mL)中の(R)−3−(2−ボロノ−2−(4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[2,3−c]ピリジン−3−カルボキサミド)エチル)−2−ヒドロキシ安息香酸(実施例4から10.0mg)に、ホルムアルデヒド(1.0mL、37%の溶液)を、その後10%のPd/C(20mg)を加えた。反応混合物を3時間、H
2バルーン下で水素化した。反応混合物を濾過し、溶媒を真空下で除去した。最終生成物を逆相分取HPLCによって精製して、凍結乾燥を使用して乾燥した。ESI−MS m/z 387(MH)
+。
【0244】
実施例7:(R)−2−ヒドロキシ−3−(2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸
【0245】
【化46】
【0246】
(R)−2−ヒドロキシ−3−(2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸の合成。
実施例6に記載の手順を使用して、(R)−3−(2−ボロノ−2−(1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド)エチル)−2−ヒドロキシ安息香酸(実施例5からのもの)から調製した。最終生成物を逆相分取HPLCによって精製して、凍結乾燥を使用して乾燥した。ESI−MS m/z 381(MH)
+。
【0247】
実施例8:(R)−2−ヒドロキシ−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸
【0248】
【化47】
【0249】
(R)−2−ヒドロキシ−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸の合成。
実施例3の工程1と工程2に記載される手順に従い、2−メトキシ−3−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イルメチル)−安息香酸tert−ブチルエステルと、2−(tert−ブトキシカルボニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボン酸から調製した。最終生成物を逆相分取HPLCによって精製して、凍結乾燥を使用して乾燥した。ESI−MS m/z 352(MH)
+。
【0250】
実施例9:(R)−2−ヒドロキシ−3−(イソインドリン−5−カルボキサミド)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸
【0251】
【化48】
【0252】
工程1:ベンジル5−((1R)−2−(3−(tert−ブトキシカルボニル)−2−メトキシフェニル)−1−(2,9,9トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)エチルカルバモイル)イソインドリン−2−カルボキシラートの合成。
実施例3の工程1に記載の手順に従い、2−(ベンジルオキシカルボニル)イソインドリン−5−カルボン酸から調製した。未精製の生成物を、シリカゲル(ヘキサン/EtOAc、2:1乃至1:2)上のフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。ESI−MS m/z 709.1(MH)
+。
【0253】
工程2:tert−ブチル3−((2R)−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)−2−(イソインドリン−5−カルボキサミド)エチル)−2−メトキシベンゾアートの合成。
MeOH(10mL)中のベンジル5−((1R)−2−(3−(tert−ブトキシカルボニル)−2−メトキシフェニル)−1−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)エチルカルバモイル)イソインドリン−2−カルボキシラート(250mg)に、Cの上にあるPd(25mg、10%)を加え、反応混合物を4時間、水素バルーンの下で撹拌した。触媒を濾過し、溶媒を真空内で除去して、遊離アミン(180mg、89%)を得た。ESI−MS m/z 575.1(MH)
+。
【0254】
工程3:(R)−2−ヒドロキシ−3−(イソインドリン−5−カルボキサミド)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸の合成。
実施例3の工程2に記載の手順に従い、tert−ブチル3−((2R)−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)−2−(イソインドリン−5−カルボキサミド)エチル)−2−メトキシベンゾアートとBCl
3から調製した。未精製の生成物を、逆相分取HPLCによって精製して、凍結乾燥を使用して乾燥した。ESI−MS m/z 353(MH)
+。
【0255】
実施例10:(R)−2−ヒドロキシ−3−(2−メチルイソインドリン−5−カルボキサミド)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸
【0256】
【化49】
【0257】
(R)−2−ヒドロキシ−3−(2−メチルイソインドリン−5−カルボキサミド)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸の合成。
実施例6に記載の手順に従い、(R)−3−(2−ボロノ−2−(イソインドリン−5−カルボキサミド)エチル)−2−ヒドロキシ安息香酸から調製した。未精製の生成物を、逆相分取HPLCによって精製して、凍結乾燥を使用して乾燥した。ESI−MS m/z 367(MH)
+。
【0258】
実施例11:(R)−3−(2−(2−アミノエチル)イソインドリン−5−カルボキサミド)−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸
【0259】
【化50】
【0260】
工程1:tert−ブチル3−((2R)−2−(2−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)エチル)イソインドリン−5−カルボキサミド)−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)エチル)−2−メトキシベンゾアートの合成。
DMF(5mL)中の、実施例9の工程2からのtert−ブチル3−((2R)−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)−2−(イソインドリン−5−カルボキサミド)エチル)−2−メトキシベンゾアート(263mg、0.46mmol)に、K
2CO
3(252mg、1.84mmol)とtert−ブチル2−ブロモエチルカルバマート(122mg、0.54mmol)を加えた。結果として生じる反応物を一晩、室温で撹拌した。水(15mL)を加え、水相をEtOAcで抽出した。有機相を、1N HCl、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、真空内で濃縮した。未精製の生成物を、シリカゲル(ヘキサン/EtOAc、2:1乃至1:2)上のフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。ESI−MS m/z 718.1(MH)
+。
【0261】
工程2:(R)−3−(2−(2−アミノエチル)イソインドリン−5−カルボキサミド)−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸の合成。
実施例3の工程2に記載の手順に従い、tert−ブチル3−((2R)−2−(2−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)エチル)イソインドリン−5−カルボキサミド)−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)エチル)−2−メトキシベンゾアートと、BCl
3から調製した。未精製の生成物を、逆相分取HPLCによって精製して、凍結乾燥を使用して乾燥した。ESI−MS m/z 396(MH)
+。
【0262】
実施例12:(R)−2−ヒドロキシ−3−(2−(ピリジン−3−イルメチル)イソインドリン−5−カルボキサミド)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸
【0263】
【化51】
【0264】
工程1:tert−ブチル2−メトキシ−3−((2R)−2−(2−(ピリジン−3−イルメチル)イソインドリン−5−カルボキサミド)−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)エチル)ベンゾアートの合成。
1,2−ジクロロエタン(5mL)中の、実施例9の工程2からのtert−ブチル3−((2R)−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)−2−(イソインドリン−5−カルボキサミド)エチル)−2−メトキシベンゾアート(240mg、0.42mmol)に、ニコチンアルデヒド(90mg、0.84mmol)とNa(OAc)
3BH
4(211mg、1mmol)を加えた。反応混合物を6時間、室温で撹拌した。水(10mL)を0℃で加え、水相をEtOAcで抽出した。有機相をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、真空内で濃縮した。未精製の生成物を、更に精製することなく次の工程で使用した。ESI−MS m/z 666.1(MH)
+。
【0265】
工程2:(R)−2−ヒドロキシ−3−(2−(ピリジン−3−イルメチル)イソインドリン−5−カルボキサミド)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸の合成。
実施例3の工程2に記載の手順に従い、tert−ブチル2−メトキシ−3−((2R)−2−(2−(ピリジン−3−イルメチル)イソインドリン−5−カルボキサミド)−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)エチル)ベンゾアートと、BCl
3から調製した。未精製の生成物を、逆相分取HPLCによって精製して、凍結乾燥を使用して乾燥した。ESI−MS m/z 344(MH)
+。
【0266】
実施例13:(R)−2−ヒドロキシ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−イル)アセトアミド)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸
【0267】
【化52】
【0268】
(R)−2−ヒドロキシ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−イル)アセトアミド)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸の合成。
実施例3の工程1と工程2に記載される手順に従い、2−メトキシ−3−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イルメチル)−安息香酸tert−ブチルエステルと、2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−イル)酢酸から調製した。最終生成物を逆相分取HPLCによって精製して、凍結乾燥を使用して乾燥した。ESI−MS m/z 382(MH)
+。
【0269】
実施例14:(R)−3−(3,4−ビス(アミノメチル)ベンズアミド)−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸
【0270】
【化53】
【0271】
工程1:3,4−ビス((tert−ブトキシカルボニルアミノ)メチル)安息香酸の合成
【0272】
【化54】
【0273】
工程1a:メチル3,4−ビス(ブロモメチル)ベンゾアートの合成。
CCl
4(110mL)中の3,4−ジメチル安息香酸(10g)、NBS(23.6g)、及びAIBN(1.0g)の溶液を、10時間、還流で加熱した。冷却と濾過の後、溶媒を除去し、残留物をDCM(200mL)中で溶解し、有機相を水と水性の飽和NaHCO
3の溶液で洗浄した。有機相をNa
2SO
4で乾燥し、真空内で濃縮した。未精製の生成物(20g)を、更に精製することなく次の工程に直接使用した。
【0274】
工程1b:メチル3,4−ビス(アジドメチル)ベンゾアートの合成。
EtOH/THF/H
2O(100mL、4:2:1)中のメチル3,4−ビス(ブロモメチル)ベンゾアート(3.24g、10mmol)に、NaN
3(2.00g、30mmol)を加え、結果として生じる混合物を一晩、室温で撹拌した。水相(aqueous)をEtOAc(100mL×3)で抽出した。有機相を組み合わせ、ブラインで洗浄し、乾燥し、濃縮した。残留物(2.2g)を、更に精製することなく次の工程で直接使用した。
【0275】
工程1c:メチル3,4−ビス(アミノメチル)ベンゾアートの合成。
上記の工程からの未精製の材料(2.2g、20mmol)を、MeOH(200mL)中で溶解して、4時間、60psiでパーを使用して水素化した。反応混合物をセライト上で濾過し、真空内で濃縮して、生成物(1.5g)を得て、それを更に精製することなく次の工程に直接使用した。
【0276】
工程1d:メチル3,4−ビス((tert−ブトキシカルボニルアミノ)メチル)ベンゾアートの合成
DCM(10mL)中のメチル3,4−ビス(アミノメチル)ベンゾアート(1.0g、5.2mmol)に、TEA(2.9mL、20mmol)とジ−tert−ブチル重炭酸塩(3.4g、15.5mmol)を加えた。結果として生じる反応混合物を一晩、室温で撹拌した。有機相を、1N HCl、ブラインで洗浄し、乾燥し、真空内で濃縮した。残留物をシリカゲル上で精製して、生成物(1.0g)を得た。
【0277】
工程1e:3,4−ビス((tert−ブトキシカルボニルアミノ)メチル)安息香酸の合成。
上記の工程からのエステル(1.0g、2.5mmol)を、MeOH/THFの混合物(50mL、2:1)中で溶解した。1N NaOH(10mmol、10mL)を加え、反応混合物を一晩、室温で撹拌した。1N HClを加え 反応物のpHを3までに調整した。水層をEtOAcで抽出した。有機相を1N HCl、ブラインで洗浄し、乾燥し、真空内で濃縮して、浅黄色の固形物として生成物(0.55g)を得た。
【0278】
工程2:tert−ブチル3−((2R)−2−(3,4−ビス((tert−ブトキシカルボニルアミノ)メチル)ベンズアミド)−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)エチル)−2−メトキシベンゾアートの合成。
実施例3の工程1に記載される手順に従い、2−メトキシ−3−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イルメチル)−安息香酸tert−ブチルエステルと、3,4−ビス((tert−ブトキシカルボニルアミノ)メチル)安息香酸から調製した。未精製の生成物を、シリカゲル(ヘキサン/EtOAc、2:1乃至1:2)上のフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。ESI−MS m/z 792.1(MH)
+。
【0279】
工程3:(R)−3−(3,4−ビス(アミノメチル)ベンズアミド)−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸の合成。
実施例3の工程2に記載の手順に従い、tert−ブチル3−((2R)−2−(3,4−ビス((tert−ブトキシカルボニルアミノ)メチル)ベンズアミド)−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)エチル)−2−メトキシベンゾアートと、BCl
3から調製した。未精製の生成物を、逆相分取HPLCによって精製して、凍結乾燥を使用して乾燥した。ESI−MS m/z 370(MH)
+。
【0280】
実施例15:(R)−3−(2−アミノ−3,4−ジヒドロキナゾリン−7−カルボキサミド)−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸
【0281】
【化55】
【0282】
工程1:2−(2,4−ジメトキシベンジルアミノ)−3,4−ジヒドロキナゾリン−7−カルボン酸の合成
【0283】
【化56】
【0284】
工程1a:メチル4−(ブロモメチル)−3−ニトロベンゾアートの合成。
メチル4−(ブロモメチル)−3−ニトロベンゾアートを、実施例14の工程1aに記載される手順に従い調製した。
【0285】
工程1b:メチル4−(アジドメチル)−3−ニトロベンゾアート・ニトロベンゾアートの合成。
メチル4−(アジドメチル)−3−ニトロベンゾアート・ニトロベンゾアートを、実施例14の工程2に記載される手順に従い調製した。
【0286】
工程1c:メチル3−アミノ−4−(アミノメチル)ベンゾアートの合成。
メチル3−アミノ−4−(アミノメチル)ベンゾアートを、実施例14の工程3に記載される手順に従い調製した。
【0287】
工程1d:メチル2−チオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキナゾリン−7−カルボキシラートの合成。
二硫化炭素(1.36mL、22.6mmol)を、ピリジン(10mL)中のメチル3−アミノ−4−(アミノメチル)ベンゾアート(2.0g、11.3mmol)の溶液に加え、結果として生ずる反応混合物を60℃で一晩撹拌した。冷却後、水を反応混合物に加えた。形成された固形物を濾過して、2−チオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキナゾリン−7−カルボキシラート(2.2g)を得て、それを更に精製することなく次の工程に使用した。
【0288】
工程1e:メチル2−(メチルチオ)−3,4−ジヒドロキナゾリン−7−カルボキシラートの合成。
無水EtOH(5mL)中のメチル2−チオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキナゾリン−7−カルボキシラート(110mg、0.5mmol)の懸濁液に、MeI(0.125mL、2mmol)を加えた。反応混合物を1時間、還流で撹拌した。冷却後、固形物を濾過により分離し、2−(メチルチオ)−3,4−ジヒドロキナゾリン−7−カルボキシラート(100mg)を得た。
【0289】
工程1f:メチル2−(2,4−ジメトキシベンジルアミノ)−3,4−ジヒドロキナゾリン−7−カルボキシラートの合成。
メチル2−(メチルチオ)−3,4−ジヒドロキナゾリン−7−カルボキシラート(1.30g、4.2mmol)をtBuOH(10mL)中で溶解し、(2,4−ジメトキシフェニル)メタンアミン(2.8g、16.8mmol)を加えた。反応混合物を一晩、還流で加熱した。冷却後、固形物を濾過して、茶色の固形物として2−(2,4−ジメトキシベンジルアミノ)−3,4−ジヒドロキナゾリン−7−カルボキシラート(1.0g)を得た。
【0290】
工程1g:2−(2,4−ジメトキシベンジルアミノ)−3,4−ジヒドロキナゾリン−7−カルボン酸の合成。
エステルの酸への加水分解を、実施例14の工程1eに記載される手順に従い調製した。
【0291】
工程2:tert−ブチル3−((2R)−2−(2−(2,4−ジメトキシベンジルアミノ)−3,4−ジヒドロキナゾリン−7−カルボキサミド)−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)エチル)−2−メトキシベンゾアートの合成。
実施例3の工程1に記載される手順に従い、2−メトキシ−3−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イルメチル)−安息香酸tert−ブチルエステルと、2−(2,4−ジメトキシベンジルアミノ)−3,4−ジヒドロキナゾリン−7−カルボン酸から調製した。未精製の生成物を、シリカゲル(ヘキサン/EtOAc、2:1乃至1:4)上のフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。ESI−MS m/z 753.1(MH)
+。
【0292】
工程3:(R)−3−(2−アミノ−3,4−ジヒドロキナゾリン−7−カルボキサミド)−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸の合成。
実施例3の工程2に記載の手順に従い、tert−ブチル3−((2R)−2−(3,4−ビス((tert−ブトキシカルボニルアミノ)メチル)ベンズアミド)−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)エチル)2−メトキシベンゾアートと、BCl
3から調製した。未精製の生成物を、逆相分取HPLCによって精製して、凍結乾燥を使用して乾燥した。ESI−MS m/z 381(MH)
+。
【0293】
実施例16:(R)−3−(2−カルバムイミドイルイソインドリン−5−カルボキサミド)−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸
【0294】
【化57】
【0295】
(R)−3−(2−カルバムイミドイルイソインドリン−5−カルボキサミド)−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸の合成。
MeOH(2mL)中の実施例9からの(R)−3−(2−ボロノ−2−(イソインドリン−5−カルボキサミド)エチル)−2−ヒドロキシ安息香酸(15mg)に、tert−ブチル(1H−ピラゾール−1−イル)メタンジリデンジカルバマート(15mg)を加え、4時間撹拌した。溶媒を真空内で除去した。残留物をジオキサン(2mL)中の4N HClにおいて溶解し、2時間撹拌した。溶媒を真空内で除去し、未精製の生成物を、逆相分取HPLCによって精製して、凍結乾燥を使用して乾燥した。ESI−MS m/z 395(MH)
+。
【0296】
実施例17:(R)−3−(3−アミノ−4,5−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,3]ジアゼピン−7−カルボキサミド)−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸
【0297】
【化58】
【0298】
(R)−3−(3−アミノ−4,5−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,3]ジアゼピン−7−カルボキサミド)−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸の合成。
DMF(1mL)中の(R)−3−(2−(3,4−ビス(アミノメチル)ベンズアミド)−2−ボロノエチル)−2−ヒドロキシ安息香酸(10mg)に、BrCN(10mg)を加え、反応物を5時間撹拌した。未精製の生成物を、逆相分取HPLCによって精製して、凍結乾燥を使用して乾燥した。ESI−MS m/z 395(MH)
+。
【0299】
実施例18:(R)−3−(3−アミノ−4−((ジメチルアミノ)メチル)ベンズアミド)−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸
【0300】
【化59】
【0301】
工程1:4−((ジメチルアミノ)メチル)−3−ニトロ安息香酸の合成。
【0302】
工程1a:メチル4−(ブロモメチル)−3−ニトロベンゾアートの合成。
実施例14の工程1に記載される手順に従い、メチル4−メチル−3−ニトロベンゾアートから調製した。
【0303】
工程1b:メチル4−((ジメチルアミノ)メチル)−3−ニトロベンゾアートの合成。
THF(5mL)中のメチル4−(ブロモメチル)−3−ニトロベンゾアート(100mg)に、ジメチルアミン(2mL、THF中で2M)を加え、結果として生じる反応混合物を室温で一晩撹拌した。その後溶媒を除去して、メチル4−((ジメチルアミノ)メチル)−3−ニトロベンゾアートを得て、それを更に精製することなく次の工程に使用した。
【0304】
工程1s:4−((ジメチルアミノ)メチル)−3−ニトロ安息香酸の合成。
実施例14の工程1eに記載される手順を使用して、メチル4−((ジメチルアミノ)メチル)−3−ニトロベンゾアートから調製した。
【0305】
工程2:tert−ブチル3−((2R)−2−(4−((ジメチルアミノ)メチル−3−ニトロベンズアミド)−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)エチル)−2−メトキシベンゾアートの合成。
実施例3の工程1に記載される手順に従い、2−メトキシ−3−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イルメチル)−安息香酸tert−ブチルエステルと、4−((ジメチルアミノ)メチル)−3−ニトロ安息香酸から調製した。未精製の生成物を、シリカゲル(ヘキサン/EtOAc、2:1乃至1:2)上のフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
【0306】
工程3:tert−ブチル3−((2R)−2−(3−アミノ−4−((ジメチルアミノ)メチル)ベンズアミド)−2−(3a,6,6−トリメチルヘキサヒドロベンゾ[d][1,3,2]ジオキサボロール−2−イル)エチル)−2−メトキシベンゾアートの合成。
実施例9の工程2に記載される手順に従い調製した。ESI−MS m/z 606.1(MH)
+。
【0307】
工程4:(R)−3−(3−アミノ−4−((ジメチルアミノ)メチル)ベンズアミド)−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸の合成。
実施例3の工程2に記載の手順に従い、tert−ブチル3−((2R)−2−(3−アミノ−4−((ジメチルアミノ)メチル)ベンズアミド)−2−(3a,6,6−トリメチルヘキサヒドロベンゾ[d][1,3,2]ジオキサボロール−2−イル)エチル)−2−メトキシベンゾアートと、BCl
3から調製した。未精製の生成物を、逆相分取HPLCによって精製して、凍結乾燥を使用して乾燥した。ESI−MS m/z 384(MH)
+。
【0308】
実施例19:(R)−3−(3,4−ビス((メチルアミノ)メチル)ベンズアミド)−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸
【0309】
【化60】
【0310】
工程1:3,4−ビス((tert−ブトキシカルボニル(メチル)アミノ)メチル)安息香酸の合成。
THF(5mL)中の3,4−ビス((tert−ブトキシカルボニルアミノ)メチル)安息香酸(380mg、1mmol)に、NaH(200mg、60%)を加えた。20分間室温で撹拌した後、MeI(4eq)を加え、結果として生ずる溶液を室温で一晩撹拌した。水を加え、水相をEtOAcで抽出した。有機相をブラインで洗浄し、乾燥し、真空内で濃縮して、メチル3,4−ビス((tert−ブトキシカルボニルアミノ)メチル)ベンゾアート(368mg)を得た。実施例14の工程1eに記載の手順に従いエステルを加水分解して、3,4−ビス((tert−ブトキシカルボニル(メチル)アミノ)メチル)安息香酸(300mg)を得た。
【0311】
工程2:tert−ブチル3−((2R)−2−(3,4−ビス((tert−ブトキシカルボニル(メチル)アミノ)メチル)ベンズアミド)−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)エチル)−2−メトキシベンゾアートの合成。
実施例3の工程1に記載される手順に従い、2−メトキシ−3−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イルメチル)−安息香酸tert−ブチルエステルと、3,4−ビス((tert−ブトキシカルボニル(メチル)アミノ)メチル)安息香酸から調製した。未精製の生成物を、シリカゲル(ヘキサン/EtOAc、2:1乃至1:2)上のフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。ESI−MS m/z 820.1(MH)
+。
【0312】
工程3:(R)−3−(3,4−ビス((メチルアミノ)メチル)ベンズアミド)−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸の合成。
実施例3の工程2に記載の手順に従い、tert−ブチル3−((2R)−2−(3,4−ビス((tert−ブトキシカルボニル(メチル)アミノ)メチル)ベンズアミド)−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)エチル)−2−メトキシベンゾアートと、BCl
3から調製した。未精製の生成物を、逆相分取HPLCによって精製して、凍結乾燥を使用して乾燥した。ESI−MS m/z 398(MH)
+。
【0313】
実施例20:(R)−3−(2−(3,4−ビス(アミノメチル)フェニル)アセトアミド)−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸
【0314】
【化61】
【0315】
工程1:2−(3,4−ビス(アミノメチル)フェニル)酢酸の合成
CCl
4(10mL)中の2−(3,4−ジメチルフェニル)酢酸メチルエステル(1g)、NBS(2.2g)、及びAIBN(0.1g)を、10時間、還流で加熱した。冷却と濾過の後、溶媒を除去し、残留物をDCM中で溶解し、有機相を水と水性の飽和NaHCO
3の溶液で洗浄した。有機相をNa
2SO
4で乾燥し、真空内で濃縮した。未精製の生成物(1.90g)を、更に精製することなく次の工程に直接使用した。
【0316】
EtOH/THF/H
2O(70mL、4:2:1)中のメチル2−(3,4−ビス(ブロモメチル)フェニル)アセテート(1.9g)に、NaN
3(1.09g、17mmol)を加え、結果として生じる混合物を一晩、室温で撹拌した。水相をEtOAc(100mL×3)で抽出した。有機相を組み合わせ、ブラインで洗浄し、乾燥し、濃縮した。残留物を更に精製することなく次の工程で直接使用した。
【0317】
上記の工程からの未精製の材料をMeOH(150mL)中で溶解し、Cの上にあるPd(10%、100mg)を加えた。反応混合物を4時間、60psiでパーを使用して水素化した。反応混合物をセライト上で濾過し、真空内で濃縮して、生成物を得て、それを更に精製することなく次の工程に直接使用した。
【0318】
DCM(100mL)中の上記工程のメチル3,4−ビス(アミノメチル)ベンゾアート(2.6g)に、TEA(5mL)とジ−tert−ブチル重炭酸塩(4.5g)を加えた。結果として生じる反応混合物を一晩、室温で撹拌した。有機相を、1N HCl、ブラインで洗浄し、乾燥し、真空内で濃縮した。残留物をシリカゲル上で精製して、生成物(1.1g)を得た。
【0319】
メチル2−(3,4−ビス((tert−ブトキシカルボニルアミノ)メチル)フェニル)アセタート(1.1g)を、MeOH/THFの混合物(50mL、2:1)中で溶解した。1N NaOH(10mmol、10mL)を加え、反応混合物を一晩、室温で撹拌した。1N HClを加え 反応物のpHを3までに調整した。水層をEtOAcで抽出した。有機相を1N HCl、ブラインで洗浄し、乾燥し、真空内で濃縮して、黄色固形物として生成物(0.38g)を得た。
【0320】
工程2:tert−ブチル3−((2R)−2−(2−(3,4−ビス((tert−ブトキシカルボニルアミノ)メチル)フェニル)アセトアミド)−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)エチル)−2−メトキシベンゾアートの合成。
実施例3の工程1に記載される手順に従い、2−メトキシ−3−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イルメチル)−安息香酸tert−ブチルエステルと、2−(3,4−ビス(アミノメチル)フェニル)酢酸から調製した。未精製の生成物を、シリカゲル(ヘキサン/EtOAc、2:1乃至1:2)上のフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。ESI−MS m/z 806.1(MH)
+。
【0321】
工程3:(R)−3−(2−(3,4−ビス(アミノメチル)フェニル)アセトアミド)−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸の合成。
【0322】
実施例3の工程2に記載の手順に従い、tert−ブチル3−((2R)−2−(3,4−ビス((tert−ブトキシカルボニルアミノ)メチル)フェニル)アセトアミド)−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)エチル)−2−メトキシベンゾアートと、BCl
3から調製した。未精製の生成物を、逆相分取HPLCによって精製して、凍結乾燥を使用して乾燥した。ESI−MS m/z 384(MH)
+。
【0323】
実施例21:(R)−3−(3−((S)−2,3−ジアミノプロパンアミド)−4−((ジメチルアミノ)メチル)ベンズアミド)−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸
【0324】
【化62】
【0325】
工程1:tert−ブチル3−((2R)−2−(3−((S)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)プロパンアミド)−4−((ジメチルアミノ)メチル)ベンズアミド)−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)エチル)−2−メトキシベンゾアートの合成。
DCM/DMF(4mL、1/1)中の、実施例18の工程3からのtert−ブチル3−((2R)−2−(3−アミノ−4−((ジメチルアミノ)メチル)ベンズアミド)−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)エチル)−2−メトキシベンゾアート(130mg、0.22mol)と、(S)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)プロパン酸(85mg、0.25mol)に、NMM(1.2eq)、その後HATU(114mg、0.3mol)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。水を加え、水相をEtOAcで抽出した。有機相を、1N HCl、飽和NaOH
3、ブラインで洗浄し、乾燥し、真空内で濃縮して、茶色の油として生成物(0.130g)を得た。ESI−MS m/z 926.1(MH)
+。
【0326】
工程2:tert−ブチル3−((2R)−2−(3−((S)−2−アミノ−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)プロパンアミド)−4−((ジメチルアミノ)メチル)ベンズアミド)−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)エチル)2−メトキシベンゾアートの合成。
MeOH(20mL)中の tert−ブチル3−((2R)−2−(3−((S)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)プロパンアミド)−4−((ジメチルアミノ)メチル)ベンズアミド)−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)エチル)2−メトキシベンゾアート(130mg)に、10%のPd/C(20mg)を加えた。反応混合物を6時間、H
2バルーン下で撹拌した。触媒を濾過によって除去し、MeOHを減圧下で除去して、生成物(90mg)を得て、それを次の工程に使用した。
【0327】
工程3:(R)−3−(3−((S)−2,3−ジアミノプロパンアミド)−4−((ジメチルアミノ)メチル)ベンズアミド)−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸の合成。
【0328】
実施例3の工程2に記載の手順に従い、tert−ブチル3−((2R)−2−(3−((S)−2−アミノ−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)プロパンアミド)−4−((ジメチルアミノ)メチル)ベンズアミド)−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)エチル)2−メトキシベンゾアートと、BCl
3から調製した。未精製の生成物を、逆相分取HPLCによって精製して、凍結乾燥を使用して乾燥した。ESI−MS m/z 470(MH)
+。
【0329】
実施例22:(R)−3−(3−((S)−2,3−ジアミノプロパンアミド)−4−メチルベンズアミド)−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸
【0330】
【化63】
【0331】
(R)−3−(3−((S)−2,3−ジアミノプロパンアミド)−4−メチルベンズアミド)−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸の合成。
3−((R)−2−ボロノ−2−(3−((S)−2,3−ジアミノプロパンアミド)−4−メチルベンズアミド)エチル)−2−ヒドロキシ安息香酸を、実施例21の副産物として得た。ESI−MS m/z 427(MH)
+。
【0332】
実施例23:(R)−3−(3−アミノ−4−メチルベンズアミド)−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸
【0333】
【化64】
【0334】
(R)−3−(3−アミノ−4−メチルベンズアミド)−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸の合成。
(R)−3−(2−(3−アミノ−4−メチルベンズアミド)−2−ボロノエチル)−2−ヒドロキシ安息香酸を、実施例18の副産物として得た。ESI−MS m/z 341(MH)
+。
【0335】
実施例24:(R)−2−ヒドロキシ−3−(4−(ピリジン−2−イル)ベンズアミド)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸
【0336】
【化65】
【0337】
実施例3の工程1と工程2に記載の手順に従い、(R)−2−ヒドロキシ−3−(4−(ピリジン−2−イル)ベンズアミド)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸を、2−メトキシ−3−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イルメチル)−安息香酸tert−ブチルエステルと、4−(ピリジン−2−イル)安息香酸から調製した。最終生成物を逆相分取HPLCによって精製して、凍結乾燥を使用して乾燥した。ESI−MS m/z 389(MH)
+。
【0338】
実施例25:(R)−3−(3,4−ビス(グアニジノメチル)ベンズアミド)−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸
【0339】
【化66】
【0340】
実施例16に記載の手順を使用して、(R)−3−(3,4−ビス(グアニジノメチル)ベンズアミド)−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸を、(R)−3−(2−(3,4−ビス(アミノメチル)ベンズアミド)−2−ボロノエチル)−2−ヒドロキシ安息香酸(実施例14)から調製した。ESI−MS m/z 454(MH)
+。
【0341】
実施例26:(R)−2−ヒドロキシ−3−(1H−インドール−5−カルボキサミド)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸
【0342】
【化67】
【0343】
工程1:3−[2−[(1H−インドール−5−カルボニル)−アミノ]−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)−エチル]−2−メトキシ−安息香酸tert−ブチルエステルの合成。
実施例3の工程1に記載される手順に従い、2−メトキシ−3−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イルメチル)−安息香酸tert−ブチルエステルと、インドール−5−カルボン酸から調製した。未精製の生成物を、シリカゲル(EtOAc;ヘキサン、0−100%)上のフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。ESI−MS m/z 573.5(MH)
+。
【0344】
工程2:2−ヒドロキシ−3−[(1H−インドール−5−カルボニル)−アミノ]−3,4−ジヒドロ−2H−1−オキサ−2−ボラ−ナフタレン−8−カルボン酸の合成。
実施例3の工程2に記載される手順に従い、3−[[2−(1H−インドール−5−カルボニル)−アミノ]−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)−エチル]−2−メトキシ−安息香酸tert−ブチルエステルと、BCl
3から調製した。未精製の生成物を、逆相分取HPLCによって精製して、凍結乾燥を使用して乾燥した。ESI−MS m/z 351.0(MH)
+。
【0345】
実施例27:(R)−2−ヒドロキシ−3−(4−(ピリジン−4−イル)ベンズアミド)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸
【0346】
【化68】
【0347】
工程1:2−メトキシ−3−[2−(4−ピリジン−4−イル−ベンゾイルアミノ)−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)−エチル]−安息香酸tert−ブチルエステルの合成。
実施例3の工程1に記載される手順に従い、2−メトキシ−3−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イルメチル)−安息香酸tert−ブチルエステルと、4−(4−ピリジル)安息香酸から調製した。未精製の生成物を、シリカゲル(EtOAc;ヘキサン、0−100%)上のフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。ESI−MS m/z 611.5(MH)
+。
【0348】
工程2:2−ヒドロキシ−3−(4−ピリジン−4−イル−ベンゾイルアミノ)−3,4−ジヒドロ−2H−1−オキサ−2−ボラ−ナフタレン−8−カルボン酸の合成。
【0349】
実施例3の工程2に記載される手順に従い、2−メトキシ−3−[2−(4−ピリジン−4−イル−ベンゾイルアミノ)−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)−エチル]−安息香酸tert−ブチルエステルと、BCl
3から調製した。未精製の生成物を、逆相分取HPLCによって精製して、凍結乾燥を使用して乾燥した。ESI−MS m/z 389.0(MH)
+。
【0350】
実施例28:(R)−2−ヒドロキシ−3−(キノリン−6−カルボキサミド)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸
【0351】
【化69】
【0352】
工程1:2−メトキシ−3−[2−[(キノリン−6−カルボニル)−アミノ]−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)−エチル]−安息香酸tert−ブチルエステルの合成。
実施例3の工程1に記載される手順に従い、2−メトキシ−3−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イルメチル)−安息香酸tert−ブチルエステルと、6−キノリンカルボン酸から調製した。未精製の生成物を、シリカゲル(EtOAc;ヘキサン、0−100%)上のフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。ESI−MS m/z 585.5(MH)
+。
【0353】
工程2:2−ヒドロキシ−3−[(キノリン−6−カルボニル)−アミノ]−3,4−ジヒドロ−2H−1−オキサ−2−ボラ−ナフタレン−8−カルボン酸の合成。
実施例3の工程2に記載される手順に従い、2−メトキシ−3−[2−(キノリン−6−カルボニル)−アミノ]−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)−エチル]−安息香酸tert−ブチルエステルと、BCl
3から調製した。未精製の生成物を、逆相分取HPLCによって精製して、凍結乾燥を使用して乾燥した。ESI−MS m/z 363.0(MH)
+。
【0354】
実施例29:(R)−2−ヒドロキシ−3−(キノキサリン−6−カルボキサミド)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸
【0355】
【化70】
【0356】
工程1:2−メトキシ−3−[2−[(キノキサリン−6−カルボニル)−アミノ]−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)−エチル]−安息香酸tert−ブチルエステルの合成。
【0357】
実施例3の工程1に記載される手順に従い、2−メトキシ−3−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イルメチル)−安息香酸tert−ブチルエステルと、キノキサリン−6−カルボン酸から調製した。未精製の生成物を、シリカゲル(EtOAc;ヘキサン、0−100%)上のフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。ESI−MS m/z 586.5(MH)
+。
【0358】
工程2:2−ヒドロキシ−3−[(キノキサリン−6−カルボニル)−アミノ]−3,4−ジヒドロ−2H−1−オキサ−2−ボラ−ナフタレン−8−カルボン酸の合成。
実施例3の工程2に記載される手順に従い、2−メトキシ−3−[2−(キノキサリン−6−カルボニル)−アミノ]−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)−エチル]−安息香酸tert−ブチルエステルと、BCl
3から調製した。未精製の生成物を、逆相分取HPLCによって精製して、凍結乾燥を使用して乾燥した。ESI−MS m/z 364.0(MH)
+。
【0359】
実施例30:(R)−2−ヒドロキシ−3−(1H−インドール−6−カルボキサミド)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸
【0360】
【化71】
【0361】
(R)−2−ヒドロキシ−3−[(1H−インドール−6−カルボニル)−アミノ]−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸の合成。
実施例3の工程1と工程2に記載される手順に従い、2−メトキシ−3−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イルメチル)−安息香酸tert−ブチルエステルと、インドール−6−カルボン酸から調製した。最終生成物を逆相分取HPLCによって精製して、凍結乾燥を使用して乾燥した。ESI−MS m/z 351(MH)
+。
【0362】
実施例31:(R)−2−ヒドロキシ−3−(1H−インドール−7−カルボキサミド)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸
【0363】
【化72】
【0364】
(R)−2−ヒドロキシ−3−(1H−インドール−7−カルボキサミド)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸の合成。
実施例3の工程1と工程2に記載される手順に従い、2−メトキシ−3−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イルメチル)−安息香酸tert−ブチルエステルと、インドール−7−カルボン酸から調製した。最終生成物を逆相分取HPLCによって精製して、凍結乾燥を使用して乾燥した。ESI−MS m/z 351(MH)
+。
【0365】
実施例32:(R)−2−ヒドロキシ−3−[(1H−インドール−4−カルボニル)−アミノ]−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸
【0366】
【化73】
【0367】
(R)−2−ヒドロキシ−3−[(1H−インドール−4−カルボニル)−アミノ]−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸の合成。
実施例3の工程1と工程2に記載される手順に従い、2−メトキシ−3−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イルメチル)−安息香酸tert−ブチルエステルと、インドール−4−カルボン酸から調製した。最終生成物を逆相分取HPLCによって精製して、凍結乾燥を使用して乾燥した。ESI−MS m/z 351(MH)
+。
【0368】
実施例33:(R)−2−ヒドロキシ−3−[(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−カルボニル)−アミノ]−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸
【0369】
【化74】
【0370】
(R)−2−ヒドロキシ−3−[(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−カルボニル)−アミノ]−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸の合成。
実施例3の工程1と工程2に記載される手順に従い、2−メトキシ−3−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イルメチル)−安息香酸tert−ブチルエステルと、5−カルボキシオキシインドールから調製した。最終生成物を逆相分取HPLCによって精製して、凍結乾燥を使用して乾燥した。ESI−MS m/z 367(MH)
+。
【0371】
実施例34:(R)−3−[(3H−ベンゾイミダゾール−5−カルボニル)−アミノ]−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸
【0372】
【化75】
【0373】
(R)−3−[(3H−ベンゾイミダゾール−5−カルボニル)−アミノ]−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸の合成。
実施例3の工程1と工程2に記載される手順に従い、2−メトキシ−3−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イルメチル)−安息香酸tert−ブチルエステルと、1H−ベンズイミダゾール−6−カルボン酸から調製した。最終生成物を逆相分取HPLCによって精製して、凍結乾燥を使用して乾燥した。ESI−MS m/z 352(MH)
+。
【0374】
実施例35:(R)−2−ヒドロキシ−3−[(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボニル)−アミノ]−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸
【0375】
【化76】
【0376】
(R)−2−ヒドロキシ−3−[(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボニル)−アミノ]−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸の合成。
実施例3の工程1と工程2に記載される手順に従い、2−メトキシ−3−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イルメチル)−安息香酸tert−ブチルエステルと、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸から調製した。最終生成物を逆相分取HPLCによって精製して、凍結乾燥を使用して乾燥した。ESI−MS m/z 352(MH)
+。
【0377】
実施例36:(3R)−2−ヒドロキシ−3−[(2−イソインドリン−5−イルアセチル)アミノ]−3,4−ジヒドロ−1,2−ベンズオキサボリニン−8−カルボン酸
【0378】
【化77】
【0379】
工程1:4−ブロモ−1,2−ビス(ブロモメチル)ベンゼンの合成。
四塩化炭素(40mL)中の4−ブロモ−1,2−ジメチル−ベンゼン(3.7g、20mmol)の溶液に、N−ブロモ−スクシンアミド(7.83g、44mmol)を加えた。この混合物に、アゾ−ビス−イソブチロニトリル(AIBN、150mg)を加えた。結果として生じる懸濁液を還流にまで加熱し、3時間この温度で撹拌した。AIBNを更に一度で加え(75mg)、15時間撹拌を続けた。反応混合物を室温に冷却し、濾過して、濾液を真空下で濃縮した。残留物をシリカクロマトグラフィー(ヘキサンで溶出される50gのシリカ)によって精製して、半固体生成物を得た。この材料をヘキサンで粉末化し、濾過して、白色固形物として表題化合物を得た。
【0380】
工程2:5−ブロモ−2−(p−トリルスルホニル)イソインドリンの合成。
N,N−ジメチルアセトアミド(24mL)中の水素化ナトリウム(440mg、鉱油中で60%の分散液、11mmol)の懸濁液に、約5分にわたり、N,N−ジメチルアセトアミド(8mL)中のp−トルエンスルホンアミド(1.45g、8.5mmol)の溶液を滴下で加えた。泡状の溶液を室温で1時間撹拌し、その後、60℃に加熱し、0.5時間この温度で撹拌した。この混合物に、N,N−ジメチルアセトアミド(6mL)中の4−ブロモ−1,2−ビス(ブロモメチル)ベンゼン(2.9g、8.4mmol)の溶液を滴下で加えた。結果として生じる混合物を1時間撹拌し、その後、室温に冷却し、17時間撹拌した。その後、この混合物をエーテルで希釈し、水(2×)、そしてブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥して、濃縮した。この残留物を酢酸エチルで粉末化し、濾過して、白色固形物として表題化合物を得た。
【0381】
工程3:5−ブロモイソインドリンの合成。
水性臭化水素酸(16mL、水中で48%の溶液)、プロピオン酸(2.8mL)、及びフェノール(2g)の溶液に、5−ブロモ−2−(p−トリルスルホニル)イソインドリン(2.4g、6.8mmol)を加えた。結果として生じる混合物を還流にまで加熱し、10時間この温度で撹拌し、そして室温に冷却した。この混合物を水(20mL)で希釈し、エーテル(2×50mL)で抽出した。水性抽出物を、5M水酸化ナトリウム溶液によりpH14とした。この溶液をエーテル(3×)で抽出した。エーテル抽出物をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮して、油として表題化合物を得た。
【0382】
工程4:ベンジル5−ブロモイソインドリン−2−カルボキシラートの合成。
ジクロロメタン(15mL)中の5−ブロモイソインドリン(1.1g、5.5mmol)の冷却溶液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.16mL、6.6mmol)、その後クロロギ酸ベンジル(942μL、6.6mmol)を加えた。氷槽を取り除き、2時間撹拌を続けた。その後、反応混合物をジクロロメタンで希釈し、水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥して、真空下で濃縮した。残留物を、シリカクロマトグラフィー(ヘキサン中で0−50%の酢酸エチルで溶出する25gのシリカ)によって精製して、白色固形物として表題化合物を得た。
【0383】
工程5:ベンジル5−アリルイソインドリン−2−カルボキシラートの合成。
ベンジル5−ブロモイソインドリン−2−カルボキシラート(332mg、1mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(80mg、0.07mmol)、及びフッ化セシウム(604mg、4mmol)の混合物に、THF(7mL)を加えた。このシステムを脱気し、アルゴンで洗い流した。この混合物に、アリルボロン酸ピナコールエステル(285μL、1.5mmol)を加えた。結果として生じる混合物を72℃に加熱し、4時間この温度で撹拌し、そして室温に冷却した。混合物を酢酸エチルで希釈し、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥して、真空下で濃縮した。残留物を、シリカクロマトグラフィー(ヘキサン中で3−40%の酢酸エチルで溶出する25gのシリカ)によって精製して、白色固形物として表題化合物を得た。
【0384】
工程6:ベンジル5−(2,3−ジヒドロキシプロピル)イソインドリン−2−カルボキシラートの合成。
tert−ブタノール(2.5mL)と水(2.5mL)の中のベンジル5−アリルイソインドリン−2−カルボキシラート(294mg、1mmol)の懸濁液に、N−メチルモルホリン−N−酸化物(257mg、2.2mmol)、その後四酸化オスミウム溶液(水中で4重量%の0.1mL)を加えた。結果として生じる混合物を3時間(混合物は均質になる時間の間)撹拌した。この溶液を酢酸エチルで希釈し、飽和チオ硫酸ナトリウム溶液、その後ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥して、真空下で濃縮した。残留物を、シリカクロマトグラフィー(ヘキサン中で3−40%の酢酸エチルで溶出する25gのシリカ)によって精製して、白色固形物として表題化合物を得た。
【0385】
工程7:ベンジル5−(2−オキソエチル)イソインドリン−2−カルボキシラートの合成。
THF(7mL)と水(7mL)の中のベンジル5−(2,3−ジヒドロキシプロピル)イソインドリン−2−カルボキシラート(327mg、1mmol)の溶液に、過ヨウ素酸ナトリウム(426mg、2mmol)を加えた。結果として生じる混合物を20分間撹拌し、酢酸エチルで希釈し、水とブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮して、白色固形物として表題化合物を得た。この材料を更に精製することなく使用する。
【0386】
工程8:2−(2−ベンジルオキシカルボニルイソインドリン−5−イル)酢酸の合成。
tert−ブタノール(10mL)中のベンジル5−(2−オキソエチル)イソインドリン−2−カルボキシラート(290mg、1mmol)の溶液に、2,3−ジメチル−ブタ−2−エン(1.1mL)を加えた。この混合物に、リン酸二水素ナトリウム水和物(1.08g、8mmol)と亜塩素酸ナトリウム(1.08g、9.5mmol、技術等級(tech grade))を含む溶液を加えた。この混合物を20分間撹拌し、酢酸エチルで希釈し、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥して、真空下で濃縮した。残留物を、シリカクロマトグラフィー(ジクロロメタン中で3−20%のメタノールで溶出する25gのシリカ)によって精製して、白色固形物として表題化合物を得た。
【0387】
工程9:[(1S)−2−(3−tert−ブトキシカルボニル−2−メトキシ−フェニル)−1−クロロ−エチル]ボロン酸(+)ピナンジオールト(pinanediol)エステルの合成。
方法1:THF(44mL)中のジクロロメタン(2.27mL、35mmol)の冷却した(−100℃、外部温度)溶液に、45分にわたり、BuLi(8.88mL、ヘキサン中で2.5M、22mmol)を、フラスコの下部側面に滴下で加えた。約80%のBuLiの追加後、白色沈殿物が生じた。完全な追加後、反応混合物を30分間撹拌した。この混合物に、約30分にわたり、THF(20mL)中の2−メトキシ−3−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イルメチル)−安息香酸tert−ブチルエステル(8.0g、20mmol)を、フラスコの下部側面に滴下で加えた。完全な追加後、結果として生じる溶液を5分間撹拌した。この溶液に、約12分にわたり、ZnCl
2(22mL、エーテル中で1M)を、フラスコの下部側面に滴下で加えた。完全な追加後、氷槽を取り除き、−10℃の槽と交換した。反応混合物を1.25時間撹拌した。この溶液に、氷冷のエーテル(300mL)と、氷冷の飽和水性NH
4Cl(125mL)を加える。有機相をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残基を、シリカクロマトグラフィー(ヘキサン中で、2−20%の酢酸エチルで溶出する120gのシリカ)によって精製して、無色の油として表題化合物を得た。この材料を−10℃でゆっくりと結晶化した。
【0388】
方法2:THF(20mL)中の2−メトキシ−3−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イルメチル)−安息香酸tert−ブチルエステル(2.0g、5mmol)とジクロロメタン(1.6mL、25mmol)を30分間、−60℃で撹拌した。この溶液に、10分間にわたり、LDA(6.5mmol、Aldrichの2Mの溶液)を加えた。結果として生じる反応混合物を20時間、−60℃で撹拌する。ZnCl
2(8.75mmol、エーテル中で1Mの溶液)を、−60℃でゆっくり加えた。反応混合物を30分間、−50℃乃至−60℃で撹拌した。この結果として生じる混合物を1時間にわたり0℃にまで暖め、この時点で、10%のH
2SO
4溶液(10mL)を加えて、反応混合物を10分間撹拌した。相分離の後、有機相を水とブラインで洗浄した。その後、有機相を乾燥し、真空内で濃縮した。その後、残基をフラッシュシリカクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン:4/1)によって精製し、表題化合物を得た。
【0389】
工程10:tert−ブチル3−((2R)−2−(2−ベンジルオキシカルボニルイソインドリン−5−イル)2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)エチル)−2−メトキシベンゾアートの合成。
THF(3mL)中の[(1S)−2−(3−tert−ブトキシカルボニル−2−メトキシ−フェニル)−1−クロロ−エチル]ボロン酸(+)ピナンジオールエステル(450mg、1mmol)の冷却した(−78℃)溶液に、リチウム・ビス−トリメチルシリルアミド(1.0mL、THF中で1M、)の溶液を滴下で加えた。完全な追加後、氷槽を取り除き、19時間撹拌を続けて、THF中でおよそ0.25Mの、[(1R)−1−[ビス(トリメチルシリル)アミノ]−2−(3−tert−ブトキシカルボニル−2−メトキシ−フェニル)エチル]ボロン(+)ピナンジオールエステルを得た。この溶液を次の操作に直接使用した。
【0390】
別個のフラスコにおいて、2−(2−ベンジルオキシカルボニルイソインドリン−5−イル)−酢酸(311mg、1mmol)とHATU(418mg、1.1mmol)の混合物に、DMA(3mL)、その後N−メチルモルホリン(122μL、1.1mmol)を加えた。結果として生じる溶液を1.5時間撹拌し、その後、(上記で調製した)THF中の、上記で調製した[(1R)−1−[ビス(トリメチルシリル)アミノ]−2−(3−tert−ブトキシカルボニル−2−メトキシ−フェニル)エチル]ボロン(+)ピナンジオールの溶液を加えた。この混合物を4時間撹拌し、酢酸エチルで希釈し、水とブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥して、濃縮した。残基を、シリカクロマトグラフィー(ヘキサン中で40−100%の酢酸エチルで溶出される10gのシリカ)によって精製して、フォームとして表題化合物を得た。ESI−MS m/z 745(M+Na)
+。
【0391】
工程11:tert−ブチル3−((2R)−2−(インドリン−5−イル)アセトアミド)−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)エチル)−2−メトキシベンゾアートの合成。
メタノール(4mL)中のtert−ブチル3−((2R)−2−(2−ベンジルオキシカルボニルイソインドリン−5−イル)アセトアミド)−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)エチル)−2−メトキシベンゾアート(460mg、0.63mmol)の溶液に、炭素上のパラジウム(46mg、10重量%のパラジウム)を加えた。この混合物を水素ガスでフラッシングし、2.5時間この大気下で撹拌した。混合物を窒素でフラッシングし、ジクロロメタンで希釈し、濾過した。濾液を濃縮して、黄褐色の油として表題化合物を得て、それを更に精製することなく使用する。
【0392】
工程12:(3R)−2−ヒドロキシ−3−[(2−イソインドリン−5−イルアセチル)アミノ]−3,4−ジヒドロ−1,2−ベンズオキサボリニン−8−カルボン酸の合成。
ジオキサン(2mL)中のtert−ブチル3−((2R)−2−(イソインドリン−5−イル)アセトアミド)−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)エチル)−2−メトキシベンゾアート(150mg、0.25mmol)の溶液に、HCl(2mL、3M 水性)を加えた。結果として生じる溶液を還流に加熱し、2.5時間この温度で撹拌した。結果として生じる混合物を室温に冷却し、エーテル(2X)で抽出した。水性抽出物を約1/2の容積にまで濃縮し、残留物を逆相HPLCによって精製した。純粋な画分を凍結乾燥により濃縮して、白色固形物として表題化合物を得た。ESI−MS m/z 367(MH)
+。
【0393】
実施例37:(3R)−2−[[2−(2−カルバムイミドイルイソインドリン−5−イル)アセチル]アミノ]−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−1,2ベンズオキサボリニン−8−カルボン酸
【0394】
【化78】
【0395】
工程1:tert−ブチル(3R)−3−[[2−[2−[(Z)−N,N’−ビス(tert−ブトキシカルボニル)カルバムイミドイル]イソインドリン−5−イル]アセチル]アミノ]−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)エチル)−2−メトキシベンゾアートの合成。
メタノール(3mL)中のtert−ブチル3−((2R)−2−(イソインドリン−5−イル)アセトアミド)−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)エチル)−2−メトキシベンゾアート(190mg、0.31mmol)の溶液に、ビス−BOC−(ピラゾール−1−イル)−カルボキサミジン(124mg、0.4mmol)を加えた。結果として生じる溶液を3時間撹拌し、その後減圧下で濃縮した。残留物を、シリカクロマトグラフィー(ヘキサン中で20−100%の酢酸エチルで溶出される10gのシリカ)によって精製して、表題化合物を得た。
【0396】
工程2:(3R)−2−[[2−(2−カルバムイミドイルイソインドリン−5−イル)アセチル]アミノ]−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−1,2−ベンズオキサボリニン−8−カルボン酸の合成。
実施例1の工程2に記載の手順に従い、tert−ブチル(3R)−3−[[2−[2−[(Z)−N,N’−ビス(tert−ブトキシカルボニル)カルバムイミドイル]イソインドリン−5−イル]アセチル]アミノ]−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)エチル)−2−メトキシベンゾアートと、BCl
3から調製した。未精製の生成物を逆相HPLCによって精製した。純粋な画分を凍結乾燥により濃縮して、白色固形物として表題化合物を得た。ESI−MS m/z 409(MH)
+。
【0397】
実施例38:(R)−3−(2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)アセトアミド)−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸
【0398】
【化79】
【0399】
工程1:tert−ブチル3−((2R)−2−(2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)アセトアミド)−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)エチル)2−メトキシベンゾアートの合成。
実施例1の工程1に記載される手順に従い、2−メトキシ−3−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イルメチル)−安息香酸tert−ブチルエステルと、2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)酢酸から調製した。未精製の生成物を、シリカゲル(ヘキサン/EtOAc、4:1乃至1:2)上のフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。ESI−MS m/z 580.1(MH)
+。
【0400】
工程2:(R)−3−(2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)アセトアミド)−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸の合成。
tert−ブチル3−((2R)−2−(2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)アセトアミド)−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)エチル)2−メトキシベンゾアート(200mg)を、3mlの3N HClと混合し、反応混合物を1時間還流で加熱した。反応溶液を冷却し、ジクロロメタンで3回洗浄した。水相中の未精製の生成物を、逆相分取HPLCによって精製して、凍結乾燥を使用して乾燥した。ESI−MS m/z 358(MH)
+。
【0401】
実施例39:(R)−3−(3,4−ジヒドロキシベンズアミド)−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸
【0402】
【化80】
【0403】
工程1:3,4−ジアセトキシ安息香酸の合成。
0℃で、ピリジン(5mL)中の3,4−ジヒドロキシ安息香酸(0.84g)とDMAP(80mg)の溶液に、無水酢酸(1.2mL)を加えた。反応混合物を一晩中撹拌した。その後、反応混合物をクラッシュアイスに注いだ。溶液を酸性化し(pH<2)、EtOAcで抽出した。組み合わせた抽出物をNa
2SO
4で乾燥し、真空内で濃縮して、生成物(0.9g)を得た。
【0404】
工程2:(R)−3−(3,4−ジヒドロキシベンズアミド)−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸の合成。
実施例39の工程1と工程2に記載される手順に従い、2−メトキシ−3−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イルメチル)−安息香酸tert−ブチルエステルと、3,4−ジアセトキシ安息香酸から調製した。未精製の生成物を、逆相分取HPLCによって精製して、凍結乾燥を使用して乾燥した。ESI−MS m/z 344(MH)
+。
【0405】
実施例40:(R)−3−(4−(2−アミノエトキシ)−3−ヒドロキシベンズアミド)−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸
【0406】
【化81】
【0407】
工程1:tert−ブチル3−((2R)−2−(3−アセトキシ−4−ヒドロキシベンズアミド)−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)エチル)−2−メトキシベンゾアートの合成。
表題の生成物を、クロマトグラフィー中に実施例39の工程2の副産物として得た。
【0408】
工程2:tert−ブチル3−((2R)−2−(3−アセトキシ−4−(2−アミノエトキシ)ベンズアミド)−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)エチル)−2−メトキシベンゾアートの合成。
DMF(3mL)中のtert−ブチル3−((2R)−2−(3−アセトキシ−4−ヒドロキシベンズアミド)−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)エチル)−2−メトキシベンゾアート(工程1から100mg)に、K
2CO
3(100mg)、その後tert−ブチル2−ブロモエチルカルバマート(100mg)を加えた。結果として生じる反応混合物を一晩、室温で撹拌した。水を反応混合物に加え、EtOAcで3回抽出した。混合した有機相を乾燥し、濃縮して、未精製の生成物を得て、それを更に精製することなく次の工程に使用した。
【0409】
工程3:3−(R)−3−(4−(2−アミノエトキシ)−3−ヒドロキシベンズアミド)−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸の合成。
実施例38の工程2に記載の手順に従い、tert−ブチル3−((2R)−2−(3−アセトキシ−4−(2−アミノエトキシ)ベンズアミド)−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)エチル)−2−メトキシベンゾアートから調製した。未精製の生成物を、逆相分取HPLCによって精製して、凍結乾燥を使用して乾燥した。ESI−MS m/z 387(MH)
+。
【0410】
実施例41:(R)−3−{[1−(2−アミノ−エチル)−1H−インドール−6−カルボニル]−アミノ}−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸
【0411】
【化82】
【0412】
工程1:1H−インドール−6−カルボン酸メチルエステルの合成。
ヨードメタン(0.75mL、12.0mmol)を、アルゴンの下で、DMF(30mL)中のインドール−6−カルボン酸(1.68g、10.5mmol)と炭酸カリウム(2.16g、15.7mmol)の懸濁液に加えた。反応物を19時間、室温で撹拌した。反応物を飽和NH
4Clでクエンチし、酢酸エチル(2X)で抽出した。混合した有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、濃縮した。未精製の生成物を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(0−60%のEtOAc:ヘキサン)によって精製した。ESI−MS m/z 176(MH)
+。
【0413】
工程2:1−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−エチル)−1H−インドール−6−カルボン酸メチルエステルの合成。
アルゴンの下で、1H−インドール−6−カルボン酸メチルエステル(0.503g、2.87mmol)とDMF(9.0mL)の溶液を10分間、0℃に冷却した。水素化ナトリウム(〜48%、0.190g、3.80mmol)を加え、反応物を30分間室温にまで温めた。2−(Boc−アミノ)臭化エチル(0.787g、3.52mmol)を加え、反応物を17時間撹拌した。反応物をH
2Oでクエンチし、酢酸エチル(3×)で抽出した。混合した有機層をH
2Oとブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、濃縮した。未精製の生成物を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(0−50%のEtOAc:ヘキサン)によって精製した。ESI−MS m/z 319(MH)
+。
【0414】
工程3:1−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−エチル)−1H−インドール−6−カルボン酸の合成。
水酸化ナトリウム(1N、6.0mL、6.00mmol)を、メタノール(12mL)とTHF(4.0mL)中の1−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−エチル)−1H−インドール−6−カルボン酸メチルエステル(0.501g、1.57mmol)に加えた。反応物を68時間、室温で撹拌した。反応物を真空内で濃縮した。水性の残留物を1N HClでpH〜1にまで酸性化し、酢酸エチル(3×)で抽出した。組み合わせた有機質層をNa
2SO
4で乾燥し、濾過し、濃縮した。未精製の生成物を精製することなく次の工程に使用した。ESI−MS m/z 327(M+Na)
+。
【0415】
工程4:(R)−3−{[1−(2−アミノ−エチル)−1H−インドール−6−カルボニル]−アミノ}−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸の合成。
実施例3の工程1と工程2に記載される手順に従い、2−メトキシ−3−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イルメチル)−安息香酸tert−ブチルエステルと、1−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−エチル)−1H−インドール−6−カルボン酸から調製した。最終生成物を逆相分取HPLCによって精製して、凍結乾燥を使用して乾燥した。ESI−MS m/z 394(MH)
+。
【0416】
実施例42:(R)−3−{[1−(2−アミノ−エチル)−1H−インドール−4−カルボニル]−アミノ}−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸
【0417】
【化83】
【0418】
(R)−3−{[1−(2−アミノ−エチル)−1H−インドール−4−カルボニル]−アミノ}−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸の合成。
実施例40の工程1乃至4に記載の手順に従い、インドール−4−カルボン酸から調製した。最終生成物を逆相分取HPLCによって精製して、凍結乾燥を使用して乾燥した。ESI−MS m/z 394(MH)
+。
【0419】
実施例43:(R)−2−ヒドロキシ−3−[(1−メチル−1H−インドール−6−カルボニル)−アミノ]−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸
【0420】
【化84】
【0421】
工程1:1−メチル−1H−インドール−6−カルボン酸メチルエステルの合成。
ヨードメタン(2.3mL、36.9mmol)を、アルゴンの下で、DMF(32mL)中のインドール−6−カルボン酸(1.55g、9.62mmol)と炭酸カリウム(1.98g、14.3mmol)の懸濁液に加えた。反応物を24時間、室温で撹拌した。反応物を飽和NH
4Clでクエンチし、酢酸エチル(2X)で抽出した。混合した有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、濃縮した。未精製の生成物を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(0−60%のEtOAc:ヘキサン)によって精製した。ESI−MS m/z 190(MH)
+。
【0422】
工程2:(R)−2−ヒドロキシ−3−[(1−メチル−1H−インドール−6−カルボニル)−アミノ]−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸の合成。
実施例40の工程3と4に記載の手順に従い、1−メチル−1H−インドール−6−カルボン酸メチルエステルから調製した。最終生成物を逆相分取HPLCによって精製して、凍結乾燥を使用して乾燥した。ESI−MS m/z 365(MH)
+。
【0423】
実施例44:(R)−3−(3,5−ビス(アミノメチル)ベンズアミド)−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸
【0424】
【化85】
【0425】
工程1:3,5−ビス((tert−ブトキシカルボニルアミノ)メチル)安息香酸の合成。
実施例14の工程1a−1eに記載の手順に従い、3,5−ジメチル安息香酸から調製した。
【0426】
工程2:tert−ブチル3−((2R)−2−(3,4−ビス((tert−ブトキシカルボニルアミノ)メチル)ベンズアミド)−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)エチル)−2−メトキシベンゾアートの合成。
実施例36の工程10に記載の手順に従い、[(1S)−2−(3−tert−ブトキシカルボニル−2−メトキシ−フェニル)−1−クロロ−エチル]ボロン酸(+)ピナンジオールエステルと、3,5−ビス((tert−ブトキシカルボニルアミノ)メチル)安息香酸から調製した。未精製の生成物を、シリカゲル(ヘキサン/EtOAc、2:1乃至1:2)上のフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。ESI−MS m/z 792.1(MH)
+。
【0427】
工程3:(R)−3−(3,5−ビス(アミノメチル)ベンズアミド)−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸の合成。
実施例3の工程2に記載の手順に従い、tert−ブチル3−((2R)−2−(3,5−ビス((tert−ブトキシカルボニルアミノ)メチル)ベンズアミド)−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)エチル)2−メトキシベンゾアートと、BCl
3から調製した。未精製の生成物を、逆相分取HPLCによって精製して、凍結乾燥を使用して乾燥した。ESI−MS m/z 370(MH)
+。
【0428】
実施例45:(R)−3−(3,5−ビス(グアニジノメチル)ベンズアミド)−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸
【0429】
【化86】
【0430】
(R)−3−(3,5−ビス(グアニジノメチル)ベンズアミド)−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸の合成。
実施例16に記載の手順を使用して、(R)−3−(3,5−ビス(グアニジノメチル)ベンズアミド)−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸を、(R)−3−(2−(3,5−ビス(アミノメチル)ベンズアミド)−2−ボロノエチル)−2−ヒドロキシ安息香酸(実施例44)から調製した。生成物を逆相HPLCによって精製し、凍結乾燥を使用して乾燥した。ESI−MS m/z 454(MH)
+。
【0431】
実施例46:(R)−2−ヒドロキシ−3−(2−1H−インドール−6−イル−アセチルアミノ)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸
【0432】
【化87】
【0433】
工程1:3−[2−(2−1H−インドール−6−イル−アセチルアミノ)−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)−エチル]−2−メトキシ−安息香酸tert−ブチルエステルの合成。
実施例1の工程1に記載される手順に従い、2−メトキシ−3−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イルメチル)−安息香酸tert−ブチルエステルと、2−(1H−インドール−6−イル)酢酸から調製した。未精製の生成物を、シリカゲル(EtOAc;ヘキサン、25−100%)上のフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。ESI−MS m/z 587(MH)
+。
【0434】
工程2:(R)−2−ヒドロキシ−3−(2−1H−インドール−6−イル−アセチルアミノ)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸の合成。
実施例1の工程2に記載される手順に従い、3−[2−(2−1H−インドール−6−イル−アセチルアミノ)−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)−エチル]−2−メトキシ−安息香酸tert−ブチルエステルと、BCl
3から調製した。未精製の生成物を、逆相分取HPLCによって精製して、凍結乾燥を使用して乾燥した。ESI−MS m/z 365(MH)
+。
【0435】
実施例47:(R)−2−ヒドロキシ−3−[4−(1H−イミダゾール−2−イル)−ベンゾイルアミノ]−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸
【0436】
【化88】
【0437】
工程1:3−[2−[4−(1H−イミダゾール−2−イル)−ベンゾイルアミノ]−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)−エチル]−2−メトキシ−安息香酸tert−ブチルエステルの合成。
実施例1の工程1に記載される手順に従い、2−メトキシ−3−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イルメチル)−安息香酸tert−ブチルエステルと、4−(1H−イミダゾール−2−イル)安息香酸から調製した。未精製の生成物を、シリカゲル(CH
3OH;CH
2Cl
2、0−15%)上のフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。ESI−MS m/z 600(MH)
+。
【0438】
工程2:(R)−2−ヒドロキシ−3−[4−(1H−イミダゾール−2−イル)−ベンゾイルアミノ]−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸の合成。
実施例1の工程2に記載される手順に従い、3−[2−[4−(1H−イミダゾール−2−イル)−ベンゾイルアミノ]−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)−エチル]−2−メトキシ−安息香酸tert−ブチルエステルと、BCl
3から調製した。未精製の生成物を、逆相分取HPLCによって精製して、凍結乾燥を使用して乾燥した。ESI−MS m/z 378(MH)
+。
【0439】
実施例48:(R)−2−ヒドロキシ−3−[2−(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−アセチルアミノ]−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸
【0440】
【化89】
【0441】
工程1:ジ−プロプ−2−イニル−カルバミン酸tert−ブチルエステルの合成。
N−Boc−プロパルギルアミン(2.63g、16.9mmol)とDMF(35mL)の混合物をアルゴンの下で調製し、20分間0℃に冷却した。水素化ナトリウム(60%、0.714g、17.9mmol)を加え、反応物を30分間0℃で撹拌した。DMF(5mL)中の臭化プロパルギル(トルエン中で80%、2.7mL、24.2mmol)をゆっくり加え、反応物を5分間0℃で撹拌し、その後、室温に暖めて、更に17時間撹拌した。反応混合物を水でクエンチし、EtOAcで2回抽出した。混合した有機層を水(3×)とブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、濃縮した。未精製の生成物を、精製することなく次の反応で使用した。ESI−MS m/z 194(MH)
+。
【0442】
工程2:5−カルボキシメチル−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−カルボン酸tert−ブチルエステルの合成。
ジ−プロプ−2−イニル−カルバミン酸tert−ブチルエステル(4.78g、24.7mmol)とエタノール(120mL)の混合物を、アルゴンの下で調製し、15分間0℃に冷却した。3−ブチン酸(3.64g、43.3mmol)とトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)塩化物(1.14g、1.23mmol)を加え、反応物を1.3時間かけて、室温にまで徐々に暖めた。その後、反応物を17分間、45℃に加熱した。反応物を室温に冷却し、真空内で濃縮した。残留物を1N NaOHで希釈し、ジエチルエーテル(3×)で抽出した。水層を1N HClでpH〜1にまで酸性化し、EtOAc(3x)で抽出した。組み合わせたEtOAc層をNa
2SO
4で乾燥し、濾過し、濃縮した。未精製の生成物を、シリカゲル(EtOAc;ヘキサン、5−100%)上のフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。ESI−MS m/z 278(MH)
+。
【0443】
工程3:5−{[2−(3−tert−ブトキシカルボニル−2−メトキシ−フェニル)−1−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)−エチルカルバモイル]−メチル}−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−カルボン酸tert−ブチルエステルの合成。
実施例1の工程1に記載される手順に従い、2−メトキシ−3−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−5−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イルメチル)−安息香酸tert−ブチルエステルと、5−カルボキシメチル−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−カルボン酸tert−ブチルエステルから調製した。未精製の生成物を、シリカゲル(EtOAc;ヘキサン、30−100%)上のフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。ESI−MS m/z 689(MH)
+。
【0444】
工程4:3−[2−(2−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル−アセチルアミノ)−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)−エチル]−2−メトキシ−安息香酸の合成。
トリフルオロ酢酸(0.60mL、8.08mmol)を、アルゴンの下で、CH
2Cl
2(3.0mL)中の5−{[2−(3−tert−ブトキシカルボニル−2−メトキシ−フェニル)−1−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)−エチルカルバモイル]−メチル}−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.285g、0.414mmol)の溶液に加えた。反応物を2時間、室温で撹拌し、その後、真空内で濃縮し、精製することなく次の工程に使用した。ESI−MS m/z 533(MH)
+。
【0445】
工程5:2−メトキシ−3−[2−[2−(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−アセチルアミノ]−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)−エチル]−安息香酸の合成。
3−[2−(2−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル−アセチルアミノ)−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)−エチル]−2−メトキシ−安息香酸(0.110g、0.207mmol)、ホルムアルデヒド(H
2O中で37%、0.06mL、0.740mmol)、及びメタノール(2.5mL)の溶液を、アルゴンでパージした。炭素上のパラジウム(10%、0.049g)を加え、フラスコを空にし、反応物を18時間、水素下に置いた。反応混合物を、セライトを詰めたフィルタフリットに通して濾過し、CH
3OHとCH
2Cl
2で洗浄し、濃縮した。未精製の生成物を精製することなく次の工程に使用した。ESI−MS m/z 547(MH)
+。
【0446】
工程6:(R)−2−ヒドロキシ−3−[2−(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−アセチルアミノ]−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸の合成。
2−メトキシ−3−[2−[2−(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−アセチルアミノ]−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)−エチル]−安息香酸(0.113g、0.207mmol)と1,4−ジオキサン(2.0mL)の混合物に、3N HCl(1.7mL、5.10mmol)を加え、反応物を1時間100℃で加熱した。反応物を室温に冷却し、ジエチルエーテル(3×)で抽出した。生成物は水層中に残り、それを逆相分取HPLCによって精製して、凍結乾燥を使用して乾燥した。ESI−MS m/z 381(MH)
+。
【0447】
実施例49:(R)−3−{2−[2−(2−アミノ−エチル)−2,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸
【0448】
【化90】
【0449】
工程1:3−[2−{2−[2−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−エチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル]−アセチルアミノ}−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)−エチル]−2−メトキシ−安息香酸の合成。
3−[2−(2−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル−アセチルアミノ)−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)−エチル]−2−メトキシ−安息香酸(0.110g、0.207mmol)(実施例48の工程1−4の手順に従い調製)、N−Boc−2−アミノアセトアルデヒド(0.06g、0.427mmol)、及びメタノール(2.5mL)の溶液を、アルゴンでパージした。炭素上のパラジウム(10%、0.051g)を加え、フラスコを空にし、反応物を91時間、水素下に置いた。反応混合物を、セライトを詰めたフィルタフリットに通して濾過し、CH
3OHとCH
2Cl
2で洗浄し、濃縮した。未精製の生成物を精製することなく次の工程に使用した。ESI−MS m/z 676(MH)
+。
【0450】
工程2:(R)−3−{2−[2−(2−アミノ−エチル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−アセチルアミノ}−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸の合成。
実施例48の工程6に記載される手順に従い、3−[2−{2−[2−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−エチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル]−アセチルアミノ}−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)−エチル]−2−メトキシ−安息香酸と、HClから調製した。未精製の生成物を、逆相分取HPLCによって精製して、凍結乾燥を使用して乾燥した。ESI−MS m/z 410(MH)
+。
【0451】
実施例50:(3R)−3−(6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボニルアミノ)−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−1,2−ベンズオキサボリニン−8−カルボン酸
【0452】
【化91】
【0453】
工程1:5−ブロモ−2,3−ジメチル−ピリジンの合成。
水冷式の還流凝縮器と塩化カルシウムを入れた乾燥管を備える丸底フラスコの中で150℃で保持した発煙硫酸(80mL)中の2,3−ジメチル−ピリジン(6.79mL、60mmol)の撹拌溶液に、2時間にわたり、臭素(3.1mL、60mmol)を滴下で加えた。結果として生じる暗赤色の溶液を16時間撹拌し、その後、室温に冷却し、一晩静置させた(stand)。この混合物を、およそ400gの氷に注いだ。この混合物を氷槽中で冷却することでpH12とした。結果として生じる混合物をエーテルで希釈し、エーテル抽出物をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥して、減圧下で濃縮した。残留物を、シリカクロマトグラフィー(ヘキサン中で、2−20%の酢酸エチルで溶出する50gのシリカ)によって精製して、無色の油として表題化合物(8.3g)を得た。
【0454】
工程2:5−ブロモ−2,3−ビス(ブロモメチル)ピリジンの合成。
CCl
4(120mL)中の5−ブロモ−2,3−ジメチル−ピリジン(8.3g、44.6mmol)の溶液に、N−ブロモ−スクシンイミド(16.77g、93.7mmol)、その後AIBN(167mg、1mmol)を加えた。結果として生じる溶液を82℃に加熱し、2時間この温度で撹拌した。この混合物に、AIBN(167mg、1mmol)を加えた。この混合物を82℃で更に2時間撹拌し、その後、室温に冷却した。固形の沈殿物を濾過により取り除き、濾液を減圧下で濃縮した。残留物を、シリカクロマトグラフィー(ヘキサン中で、2−20%の酢酸エチルで溶出する50gのシリカ)によって精製して、出発物質と三臭素化(tri−brominated)誘導体との混合物として表題化合物を得た。
【0455】
工程3:3−ブロモ−6−トリチル−5,7−ジヒドロピロロ[3,4−b]ピリジンの合成。
DMF(40mL)中の5−ブロモ−2,3−ビス(ブロモメチル)ピリジン(上記の工程2、5.6g、約16.3mmol)の溶液に、トリチルアミン(5.3g、20.6mmol)、その後ジイソプロピルエチルアミン(8.6mL、49mmol)を加えた。結果として生じる溶液を60℃に加熱し、2.5時間この温度で撹拌した。その後、混合物を減圧下で濃縮し、残留物をシリカクロマトグラフィー(ヘキサン中で10−100%のジクロロメタンで溶出される50gのシリカ)によって精製して、フォームとして表題化合物を得た。
【0456】
工程4:3−ブロモ−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジンの合成。
クロロホルム(15mL)とメタノール(15mL)中の3−ブロモ−6−トリチル−5,7−ジヒドロピロロ[3,4−b]ピリジン(1.57g、3.66mmol)の冷却した(0℃)溶液に、1時間にわたりトリフルオロ酢酸(30mL)を加えた。完全な追加後、溶液を5分間撹拌し、その後、氷槽を取り除き、30分間撹拌を続けた。この溶液を減圧下で濃縮し、残留物をHCl(30mL、1M aq.)の中で取り上げた。この混合物をエーテル(2×20mL)で抽出し、その後、水相を水酸化ナトリウム(5M aq.)で塩基化した。この混合物をジクロロメタン(3×20mL)で抽出した。組み合わせたジクロロメタン抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮して、固形物として表題化合物を得た。
【0457】
工程5:tert−ブチル3−ブロモ−5,7−ジヒドロピロロ[3,4−b]ピリジン−6−カルボキシラートの合成。
ジクロロメタン(15mL)中の3−ブロモ−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン(755mg、3.79mmol)の溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(791μL、4.54mmol)、その後ジ−tert−ブチル重炭酸塩(989mg、4.54mmol)を加えた。結果として生じる溶液を1時間撹拌し、その後、エーテルで希釈し、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥して、濃縮した。残留物を、シリカクロマトグラフィー(ヘキサン中で5−40%の酢酸エチルで溶出される25gのシリカ)によって精製して、固形物として表題化合物を得た。
【0458】
工程6:tert−ブチル3−アリル−5,7−ジヒドロキシピロロ[3,4−b]ピリジン−6−カルボキシラートの合成。
THF(15mL)中のtert−ブチル3−ブロモ−5,7−ジヒドロピロロ[3,4−b]ピリジン−6−カルボキシラート(857mg、2.87mmol)、フッ化セシウム(1.7g、11.5mmol)、及びテトラキス−(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(229mg、0.2mmol)の混合物を、脱気し、窒素でフラッシングした。この混合物に、アリル−ボロン酸ピナコールエステル(820μL、4.3mmol)を加えた。結果として生じる混合物を還流に加熱し、2.5時間この温度で撹拌し、その後、室温に冷却し、エーテルで希釈し、水とブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥して、濃縮した。残留物を、シリカクロマトグラフィー(ヘキサン中で5−40%の酢酸エチルで溶出される25gのシリカ)によって精製して、固形物として表題化合物を得た。
【0459】
工程7:tert−ブチル3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−5,7−ジヒドロピロロ[3,4−b]ピリジン−6−カルボキシラートの合成。
tert−ブタノール(5mL)と水(5mL)の中のtert−ブチル3−アリル−5,7−ジヒドロピロロ[3,4−b]ピリジン−6−カルボキシラート(430mg、1.64mmol)の溶液に、N−メチル−モルホリン・N−オキシド(422mg、3.6mmol)、その後四酸化オスミウム(20μl、4%の水溶液)を加えた。結果として生じる溶液を48時間撹拌し、その後、エーテルで希釈し、10%のチオ硫酸ナトリウム溶液とブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮して、固形物として表題化合物を得た。
【0460】
工程8:6−tert−ブトキシカルボニル−5,7−ジヒドロピロロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボン酸と2−(6−tert−ブトキシカルボニル−5,7−ジヒドロピロロ[3,4−b]ピリジン−3−イル)酢酸の合成。
THF(4.5mL)と水(4.5mL)の中のtert−ブチル3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−5,7−ジヒドロピロロ[3,4−b]ピリジン−6−カルボキシラート(450mg、1.52mmol)の溶液に、過ヨウ素酸ナトリウム(648mg、3mmol)を加えた。結果として生じる混合物を20分間撹拌し、その後、酢酸エチルで希釈し、水とブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥して、濃縮した。残留物をtert−ブタノール(15mL)中で取り上げた。この溶液に、2,3−ジメチル−ブタ−2−エン(1.7mL)、その後、水(15mL)中に亜塩素酸ナトリウム(1.6g、技術等級、約14mmol)とリン酸水素2ナトリウム水和物(1.6g、12mmol)を含む溶液を加えた。結果として生じる混合物を20分間撹拌し、その後、酢酸エチルで希釈し、水とブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮して、固形物として表題化合物(およそ1:9の比率)を得た。この生成物を更に精製することなく使用した。
【0461】
工程9:[(1R)−2−(3−tert−ブトキシカルボニル−2−メトキシ−フェニル)−1−[(6−tert−ブトキシカルボニルオキシカルボニル−5,7−ジヒドロピロロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボニル)アミノ]エチル]ボロン酸(+)ピナンジオールエステルの合成。
2−(2−ベンジルオキシカルボニルイソインドリン−5−イル)−酢酸の代わりに6−tert−ブトキシカルボニル−5,7−ジヒドロピロロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボン、及び2−(6−tert−ブトキシカルボニル−5,7−ジヒドロピロロ[3,4−b]ピリジン−3−イル)酢酸を使用することを除き、実施例36の工程10に記載の本質的に同じ手順を使用して、表題化合物を調製した。
【0462】
工程10:(3R)−3−(6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボニルアミノ)−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−1,2−ベンズオキサボリニン−8−カルボン酸の合成。
[(1R)−2−(3−tert−ブトキシカルボニル−2−メトキシ−フェニル)−1−[(2−イソインドリン−5−イルアセチル)アミノ]エチル]ボロン酸の代わりに、[(1R)−2−(3−tert−ブトキシカルボニル−2−メトキシ−フェニル)−1−[(6−tert−ブトキシカルボニルオキシカルボニル−5,7−ジヒドロピロロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボニル)アミノ]エチル]ボロン酸(+)ピナンジオールエステルを使用することを除き、実施例36の工程12に記載される本質的に同じ手順を使用して、表題化合物を調製した。逆相HPLC(Phenomene×Luna;5ミクロン C18カラム;35×75mm;流量40ml/min 8分にわたり5−40%のCH
3CN/H
2O/0.1% TFAで溶出される)によって精製を行った。精製された画分を凍結乾燥によって分離した。ESI−MS m/z 354(MH)
+。
【0463】
実施例51:(R)−2−ヒドロキシ−3−(2−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル−アセチルアミノ)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸
【0464】
【化92】
【0465】
工程1:7−{[2−(3−tert−ブトキシカルボニル−2−メトキシ−フェニル)−1−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)−エチルカルバモイル]−メチル}−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸tert−ブチルエステルの合成。
実施例1の工程1に記載される手順に従い、2−メトキシ−3−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イルメチル)−安息香酸tert−ブチルエステルと、2−Boc−1,2,3,4−テトラヒドロ−7−イソキノリン酢酸から調製した。未精製の生成物を、シリカゲル(EtOAc;ヘキサン、25−100%)上のフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。ESI−MS m/z 703(MH)
+。
【0466】
工程2:(R)−2−ヒドロキシ−3−(2−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル−アセチルアミノ)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸の合成。
実施例48の工程6に記載される手順に従い、7−{[2−(3−tert−ブトキシカルボニル−2−メトキシ−フェニル)−1−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)−エチルカルバモイル]−メチル}−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸tert−ブチルエステルと、HClから調製した。未精製の生成物を、逆相分取HPLCによって精製して、凍結乾燥を使用して乾燥した。ESI−MS m/z 381(MH)
+。
【0467】
実施例52:(R)−2−ヒドロキシ−3−[(オキサゾール−5−カルボニル)−アミノ]−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸
【0468】
【化93】
【0469】
工程1:2−メトキシ−3−[2−[(オキサゾール−5−カルボニル)−アミノ]−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)−エチル]−安息香酸tert−ブチルエステルの合成。
実施例1の工程1に記載される手順に従い、2−メトキシ−3−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イルメチル)−安息香酸tert−ブチルエステルと、オキサゾール−5−カルボン酸から調製した。未精製の生成物を、シリカゲル(EtOAc;ヘキサン、10−100%)上のフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。ESI−MS m/z 525(MH)
+。
【0470】
工程2:(R)−2−ヒドロキシ−3−[(オキサゾール−5−カルボニル)−アミノ]−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸の合成。
塩化アルミニウム(0.132g、0.990mmol)を、CH
2Cl
2(3.0mL)中の2−メトキシ−3−[2−[(オキサゾール−5−カルボニル)−アミノ]−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)−エチル]−安息香酸tert−ブチルエステル(0.064g、0.122mmol)の溶液に加えた。反応物を16時間、室温で撹拌した。反応物をH
2OとCH
3OHでクエンチし、ヘキサン(2X)で抽出した。未精製の生成物は水層中に残り、それを逆相分取HPLCによって精製して、凍結乾燥を使用して乾燥した。ESI−MS m/z 303(MH)
+。
【0471】
実施例53:(R)−3−(2−カルボキシベンズアミド)−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸
【0472】
【化94】
【0473】
工程1:tert−ブチル3−((2R)−2−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)エチル)−2−メトキシベンゾアートの合成。
10mLのDMSO中の[(1S)−2−(3−tert−ブトキシカルボニル−2−メトキシ−フェニル)−1−クロロ−エチル]ボロン酸(+)ピナンジオールエステル(実施例36の工程9から1.3g)に、カリウムフタルイミド(1.2g)を加えた。結果として生じる反応混合物を4時間、室温で撹拌した。水を反応溶液に加え、EtOAcで抽出した。有機相を乾燥し、真空内で濃縮して、表題生成物(1.8g)を得た。
【0474】
工程2:(R)−3−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸の合成。
実施例3の工程2に記載の手順に従い、tert−ブチル3−((2R)−2−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)エチル)−2−メトキシベンゾアートと、BCl
3から調製した。ESI−MS m/z 338(MH)
+。
【0475】
工程3:(R)−3−(2−カルボキシベンズアミド)−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸の合成。
メタノールとH
2Oの混合物(2mL、1:1)中の、20mgの(R)−3−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸に、1N NaOH(0.5mL)を加え、結果として生じる反応混合物を3時間室温で撹拌した。1N HClを加え 溶液のpHを3までに調整した。その後、生成物を逆相HPLCによって精製し、凍結乾燥を使用して乾燥した。ESI−MS m/z 356(MH)
+。
【0476】
実施例54:(R)−3−(2−(2−アミノエチルカルバモイル)ベンズアミド)−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸
【0477】
【化95】
【0478】
工程1:tert−ブチル3−((2R)2−(2−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)エチルカルバモイル)ベンズアミド)−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)エチル)−2−メトキシベンゾアートの合成。
2mLのメタノール中のtert−ブチル3−((2R)−2−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)エチル)−2−メトキシベンゾアート(実施例53の工程1から100mg)に、tert−ブチル2−アミノエチルカルバマート(1.1eq)を加えた。結果として生じる反応混合物を2時間、還流で撹拌した。その後、メタノールを減圧下で除去した。未精製の生成物を、精製することなく次の工程で使用した。
【0479】
工程2:(R)−3−(2−(2−アミノエチルカルバモイル)ベンズアミド)−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸の合成。
実施例3の工程2に記載の手順に従い、tert−ブチル3−((2R)−2−(2−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)エチルカルバモイル)ベンズアミド)−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)エチル)−2−メトキシベンゾアートと、BCl
3から調製した。その後、生成物を逆相HPLCによって精製し、凍結乾燥を使用して乾燥した。ESI−MS m/z 398(MH)
+。
【0480】
実施例55:(R)−3−(4−(アミノエチル)−3−((イソプロピルアミノ)メチル)ベンズアミド)−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸
【0481】
【化96】
【0482】
(R)−3−(4−(アミノメチル)−3−((イソプロピルアミノ)メチル)ベンズアミド)−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸の合成。
メタノール(2mL)中の、実施例14の(R)−3−(3,4−ビス(アミノメチル)ベンズアミド)−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸(44.1mg)に、TEA4(0.042mL)、AcOH(0.050mL)、アセトン(0.030mL)、及びナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(70mg)を加えた。結果として生じる反応混合物を一晩、室温で撹拌した。溶媒の除去後、生成物を逆相分取HPLCによって精製して、凍結乾燥を使用して乾燥した。ESI−MS m/z 412(MH)
+。
【0483】
実施例56:(R)−3−(3,4−ビス((イソプロピルアミノ)メチル)ベンズアミド)−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸
【0484】
【化97】
【0485】
生成物を、実施例55に記載の同じ反応において調製した。生成物を逆相HPLCによって精製し、凍結乾燥を使用して乾燥した。ESI−MS m/z 454(MH)
+。
【0486】
実施例57:(R)−3−(2−(4−(2−アミノエチルアミノ)フェニル)アセトアミド)−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸
【0487】
【化98】
【0488】
工程1:2−(4−(tert−ブトキシカルボニル(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)エチル)アミノ)フェニル)酢酸の合成。
メタノール(10mL)中の2−(4−アミノフェニル)酢酸(600mg)に、tert−ブチル2−オキソエチルカルバマート(800mg)とナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(1.3g)を加えた。結果として生じる反応混合物を一晩、室温で撹拌した。その後、溶媒を減圧下で除去した。そして、水を加え、EtOAcで抽出した。有機相を乾燥し、濃縮した。残留物を、20mLのジオキサンと20mLのH
2Oの中で溶解した。この溶液に、ジ−tert−ブチル重炭酸塩(1.3g)とNa
2CO
3(936mg)を加えた。結果として生じる反応混合物を一晩、室温で撹拌した。溶媒の除去後、残留物を逆相クロマトグラフィーによって精製して、酸(0.5g)を得た。
【0489】
工程2:tert−ブチル3−((2R)−2−(2−(4−(tert−ブトキシカルボニル(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)エチル)アミノ)フェニル)アセトアミド)−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)エチル)−2−メトキシベンゾアートの合成。
実施例36の工程10に記載の手順に従い、[(1S)−2−(3−tert−ブトキシカルボニル−2−メトキシ−フェニル)−1−クロロ−エチル]ボロン酸(+)ピナンジオールエステルと、2−(4−(tert−ブトキシカルボニル(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ)エチル)アミノ)フェニル)酢酸から調製した。未精製の生成物を、シリカゲル(ヘキサン/EtOAc、2:1乃至1:2)上のフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。ESI−MS m/z 806.1(MH)
+。
【0490】
工程3:(R)−3−(2−(4−(2−アミノエチルアミノ)フェニル)アセトアミド)−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸の合成。
実施例3の工程2に記載の手順に従い、tert−ブチル3−((2R)−2−(2−(4−(tert−ブトキシカルボニル(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)エチル)アミノ)フェニル)アセトアミノ)−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)エチル)−2−メトキシベンゾアートと、BCl
3から調製した。未精製の生成物を、逆相分取HPLCによって精製して、凍結乾燥を使用して乾燥した。ESI−MS m/z 384(MH)
+。
【0491】
実施例58:(R)−3−(2−(3,4−ビス(2−アミノエトキシ)フェニル)アセトアミド)−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸
【0492】
【化99】
【0493】
工程1:2−(3,4−ビス(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)エトキシ)フェニル)酢酸の合成。
DMF(10mL)中のメチル2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)アセテート(1.0g)に、tert−ブチル2−ブロモエチルカルバマート(2.7g)とK
2CO
3(1.7g)を加えた。結果として生じる反応混合物を一晩、60℃で撹拌した。水を加え、水相をEtOAcで抽出した。その後、有機相を乾燥し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。生成物を、モノ−アルキル化とビス−アルキル化の混合物として得た。その後、混合物をMeOHとTHF(10mL、1:1)の中で溶解し、1N NaOHを加えた。結果として生じる反応混合物を一晩、室温で撹拌した。1N HClを加えて溶液を酸性化した。水相をEtOAc(3×)で抽出した。有機相を組み合わせ、乾燥し、濃縮した。表題生成物を、逆相クロマトグラフィー精製(0.5g)によって得た。
【0494】
工程2:tert−ブチル3−((2R)−2−(2−(3,4−ビス(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)エトキシ)フェニル)アセトアミド)−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)エチル)−2−メトキシベンゾアートの合成。
実施例36の工程10に記載の手順に従い、[(1S)−2−(3−tert−ブトキシカルボニル−2−メトキシ−フェニル)−1−クロロ−エチル]ボロン酸(+)ピナンジオールエステルと、2−(3,4−ビス(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)エトキシ)フェニル)酢酸から調製した。未精製の生成物を、シリカゲル(ヘキサン/EtOAc、2:1乃至1:2)上のフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
【0495】
工程3:(R)−3−(2−(3,4−ビス(2−アミノエトキシ)フェニル)アセトアミド)−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸の合成。
実施例3の工程2に記載の手順に従い、tert−ブチル3−((2R)−2−(2−(3,4−ビス(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)エトキシ)フェニル)アセトアミド)−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)エチル)−2−メトキシベンゾアートと、BCl
3から調製した。未精製の生成物を、逆相分取HPLCによって精製して、凍結乾燥を使用して乾燥した。ESI−MS m/z 444(MH)
+。
【0496】
実施例59:(R)−3−(2−(4−(2−アミノエトキシ)−3−ヒドロキシフェニル)アセトアミド)−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸
【0497】
【化100】
【0498】
(R)−3−(2−(4−(2−アミノエトキシ)−3−ヒドロキシフェニル)アセトアミド)−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸の合成。
2−(4−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)エトキシ)−3−ヒドロキシフェニル)酢酸を、実施例58の工程1に記載の反応から調製した。(R)−3−(2−(4−(2−アミノエトキシ)−3−ヒドロキシフェニル)アセトアミド)−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸を、実施例58の工程2と3に記載の手順に従って得た。生成物を逆相分取HPLCによって精製して、凍結乾燥を使用して乾燥した。ESI−MS m/z 401(MH)
+。
【0499】
実施例60:(R)−3−(2−(6−(2−アミノエチルアミノ)ピリジン−3−イル)アセトアミド)−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸
【0500】
【化101】
【0501】
工程1:メチル2−(6−クロロピリジン−3−イル)アセテートの合成。
MeOHの撹拌溶液(25mL)に、塩化アセチル(3.5mL)をゆっくり加えた。30分後、2−(6−クロロピリジン−3−イル)酢酸(2.5g)を加え、結果として生じる反応混合物を2時間室温で撹拌した。その後、溶媒を取り除いた。残留物をEtOAcの中で溶解し、10%のNaHCO
3で洗浄した。有機相を乾燥し、濃縮して、生成物(2.5g)を得た。
【0502】
工程2:2−クロロ−5−(2−メトキシ−2−オキソエチル)ピリジン 1−オキシドの合成。
DCM(100mL)中のメチル2−(6−クロロピリジン−3−イル)アセタート(2.5g)に、mCPBA(4.6g)を加えた。結果として生じる反応混合物を4時間、室温で撹拌した。有機相を飽和NaHCO
3で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濃縮した。未精製の生成物をフラッシュクロマトグラフィーで精製し、表題生成物(2.5g)を得た。
【0503】
工程3:2−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)エチルアミノ)−5−(2−メトキシ−2−オキソエチル)ピリジン 1−オキシドの合成。
t−BuOH(50mL)中の2−クロロ−5−(2−メトキシ−2−オキソエチル)ピリジン 1−オキシド(2.5g)に、DIEA(3.4mL)とtert−ブチル2−アミノエチルカルバマート(3.0g)を加えた。結果として生じる反応混合物を2日間、80℃で撹拌した。その後、溶媒を取り除き、残留物を逆相クロマトグラフィーによって精製して、所望の生成物(1.3g)を得た。
【0504】
工程4:2−(tert−ブトキシカルボニル(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)エチル)アミノ)−5−(2−メトキシ−2−オキソエチル)ピリジン 1−オキシドの合成。
DCM(20mL)中の2−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)エチルアミノ)−5−(2−メトキシ−2−オキソエチル)ピリジン 1−オキシド(1.3g)に、ジ−tert−ブチル重炭酸塩(1.7g)、TEA(1.2mL)、及びDMAP(0.1mg)を加えた。結果として生じる反応混合物を一晩、室温で撹拌した。溶媒を取り除き、残留物を更に精製することなく残基を次の工程で使用した。
【0505】
工程5:2−(tert−ブトキシカルボニル(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)エチル)アミノ)−5−(カルボキシメチル)ピリジン 1−オキシドの合成。
MeOH/THFの混合物(20mL、1:1)中の、工程4の2−(tert−ブトキシカルボニル(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)エチル)アミノ)−5−(2−メトキシ−2−オキソエチル)ピリジン 1−オキシドに、1N NaOHを加えた。反応混合物を一晩、室温で撹拌した。1N HClを加えて、溶液をpH4に酸性化した。水相をEtOAc(3×)で抽出した。組み合わせた有機相を乾燥し、濃縮した。その後、残留物を逆相クロマトグラフィーによって精製して、生成物(1.4g)を得た。
【0506】
工程6:2−(6−(tert−ブトキシカルボニル(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)エチル)アミノ)ピリジン−3−イル)酢酸の合成。
THF(10mL)と飽和NH
4Cl(10mL)の混合物の中の、2−(tert−ブトキシカルボニル(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)エチル)アミノ)−5−(カルボキシメチル)ピリジン 1−オキシド(0.78g)に、亜鉛末(0.65g)を加えた。反応混合物を一晩、室温で撹拌した。そして、EtOAcを加え、水で洗浄した。有機相を乾燥し、濃縮して、所望の生成物(0.5g)を得た。
【0507】
工程7:tert−ブチル3−((2R)−2−(2−(6−(tert−ブトキシカルボニル(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)エチル)アミノ)ピリジン−3−イル)アセトアミド)−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)エチル)−2−メトキシベンゾアートの合成。
実施例36の工程10に記載の手順に従い、[(1S)−2−(3−tert−ブトキシカルボニル−2−メトキシ−フェニル)−1−クロロ−エチル]ボロン酸(+)ピナンジオールエステルと、2−(6−(tert−ブトキシカルボニル(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ)エチル)アミノ)ピリジン−3−イル)酢酸から調製した。未精製の生成物をシリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。ESI−MS m/z 807.1(MH)
+。
【0508】
工程8:(R)−3−(2−(6−(2−アミノエチルアミノ)ピリジン−3−イル)アセトアミド)−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸の合成。
実施例3の工程2に記載の手順に従い、tert−ブチル3−((2R)−2−(2−(6−(tert−ブトキシカルボニル(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)エチル)アミノ)ピリジン−3−イル)アセトアミド)−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)エチル)−2−メトキシベンゾアートと、BCl
3から調製した。未精製の生成物を、逆相分取HPLCによって精製して、凍結乾燥を使用して乾燥した。ESI−MS m/z 385(MH)
+。
【0509】
実施例61:(R)−2−(2−アミノエチルアミノ)−5−(2−(8−カルボキシ−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−3−イルアミノ)−2−オキソエチル)ピリジン 1−オキシド
【0510】
【化102】
【0511】
(R)−2−(2−アミノエチルアミノ)−5−(2−(8−カルボキシ−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−3−イルアミノ)−2−オキソエチル)ピリジン 1−オキシドの合成。
実施例60の工程7と8に記載の同じ手順に従い、2−(tert−ブトキシカルボニル(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)エチル)アミノ)−5−(カルボキシメチル)ピリジン 1−オキシド(実施例60の工程5)から調製した。生成物を逆相分取HPLCによって精製して、凍結乾燥を使用して乾燥した。ESI−MS m/z 401(MH)
+。
【0512】
実施例62:(R)−3−(5,6−ビス(アミノメチル)ニコチンアミド)−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸
【0513】
【化103】
【0514】
工程1:5,6−ビス((tert−ブトキシカルボニルアミノ)メチル)ニコチン酸の合成。
フラスコ中のメチル5−ブロモ−6−クロロニコチナート(1.1g)に、カリウム・t−ブトキシカルボニル・アミノ・メチル・トリフルオロボラート(2.2g)、K
2CO
3(3.62g)、及びXPhos−Pd−G2(500mg)を加えた。混合物をアルゴンで3回フラッシングした。t−BuOHとH
2Oの混合物(18mL、1:1)を加えた。反応混合物を一晩、80℃で撹拌した。反応物をEtOAcで希釈した。有機相を水とブラインで洗浄し、乾燥し、濃縮した。生成物をシリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィーによって得て、メチル5,6−ビス((tert−ブトキシカルボニルアミノ)メチル)ニコチナート(0.1g)を得た。実施例60の工程5に記載の手順に従い、エステルを酸へと加水分解した。
【0515】
工程2:tert−ブチル3−((2R)−2−(5,6−ビス((tert−ブトキシカルボニルアミノ)メチル)ニコチンアミド)−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)エチル)−2−メトキシベンゾアートの合成。
tert−ブチル3−((2R)−2−(2−(6−(tert−ブトキシカルボニル(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)エチル)アミノ)ピリジン−3−イル)アセトアミド)−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)エチル)−2−メトキシベンゾアート。
実施例36の工程10に記載の手順に従い、[(1S)−2−(3−tert−ブトキシカルボニル−2−メトキシ−フェニル)−1−クロロ−エチル]ボロン酸(+)ピナンジオールエステルと、5,6−ビス((tert−ブトキシカルボニルアミノ)メチル)ニコチン酸から調製した。未精製の生成物をシリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。ESI−MS m/z 793.1(MH)
+。
【0516】
工程3:(R)−3−(5,6−ビス(アミノメチル)ニコチンアミド)−2−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,2]オキサボリニン−8−カルボン酸の合成。
実施例3の工程2に記載の手順に従い、tert−ブチル3−((2R)−2−(5,6−ビス((tert−ブトキシカルボニルアミノ)メチル)ニコチンアミド)−2−(2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0
2,6]デカ−4−イル)エチル)−2−メトキシベンゾアートと、BCl
3から調製した。未精製の生成物を、逆相分取HPLCによって精製して、凍結乾燥を使用して乾燥した。ESI−MS m/z 371(MH)
+。
【0517】
【表1-1】
【0518】
【表1-2】
【0519】
【表1-3】
【0520】
【表1-4】
【0521】
【表1-5】
【0522】
【表1-6】
【0523】
【表1-7】
【0524】
【表1-8】
【0525】
【表1-9】
【0526】
【表1-10】
【0527】
【表1-11】
【0528】
【表1-12】
【0529】
【表1-13】
【0530】
実施例86:式I又は式Iaの化合物の非経口組成物
注入による投与に適した非経口の医薬組成物を調製するために、100mgの式Iまたは式Iaの化合物、又はそれらの水溶性の薬学的に許容可能な塩を、DMSOで溶解し、その後、10mLの0.9%生理食塩水溶液と混合する。混合物を、注入による投与に適した投与量単位で組み込む。
【0531】
実施例87:式I又は式Iaの化合物の経口組成物
経口送達用の医薬組成物を調製するために、400mgの式I又は式Iaの化合物と、以下の成分をよく混合し、単一の分割錠(single scored tablets)に圧縮した。
【0532】
【表2】
【0533】
以下の成分をよく混合し、ハードシェルのゼラチンカプセルに充填する。
【0534】
【表3】
【0535】
生物学的実施例
実施例13:β−ラクタマーゼ酵素アッセイのための実験方法。
β−ラクタマーゼの分離
SHV−5、Kpc−2、p99AmpC、及びOXA−1のβ−ラクタマーゼに関して、個々のβ−ラクタマーゼについての発現プラスミド(天然のタグ付きでないタンパク質として発現させられる)を持つE.coli BL21(DE3)の細菌細胞を、18−20時間、35℃で、100μg/mlnoカナマイシン選抜及び1×5052(0.5%グリセロール、0.05%グルコース、及び0.2%α−ラクトース)で補われた1Lのスーパーブロス(Teknova社 Hollister、CA)において増殖させた。細胞を、遠心分離(4,000xg、4℃、20分)により回収し、50mlの10mM HEPES pH7.5(最初の量の1/20)の中で再懸濁した。細胞を氷の上で、45Wで超音波処理(45秒に5パルス)によって溶解した。溶解物を4℃で40分間、10,000xgでの遠心分離によって清澄化した(clarified)。サンプルを、50mMの酢酸ナトリウム pH5.0中で5倍に希釈し、4℃に一晩貯蔵し、その後、それらを30分間10,000xgで遠心分離することで清澄化し、0.45μmのフィルタを介して濾過した。サンプルを、50mMの酢酸ナトリウム pH5.0で予め平衡化した、5mlのCapto Sセファロース陽イオン交換カラム(GE Healthcare)上に載せた。カラムを、5カラム分の容積の50mMの酢酸ナトリウム pH5.0で洗浄して、それにより結合していないタンパク質を洗い流し、NaCl(0から500mM)の直線勾配を使用してカラムからタンパク質(16CV以上)を溶出した。Centa(Calbiochem、Gibbstown、NJ)又はNitrocefin(EMD Millipore chemicals、Darmstadt、Germany)を、単離された画分における活性に関するレポーターβ−ラクタマーゼ基質として使用して、画分をβ−ラクタマーゼ活性についてアッセイした。活性画分を貯え、濃縮し、50mM Hepes pH7.5、150mM NaClで予め平衡化されたSuperdex75 分取グレード・ゲル濾過カラム(GE Healthcare、Piscataway、NJ)でのゲル濾過クロマトグラフィーによって、更に精製した。活性画分を貯えて濃縮し、BCAタンパク定量(ThermoScientific、Rockford、IL)で定量化し、PBSに溶かし、使用するまで20%のグリセロール中に−80℃で冷凍した。
【0536】
Vim−2メタロβ−ラクタマーゼに関して、手順は以下の例外を除き同一であった:第1に、タンパク質が50mMの酢酸ナトリウムでpH5となるようにpH調整されず、第2に、クロマトグラフィー工程が、50mM Hepes pH7.5で予め平衡化された5mlのQセファロース陰イオン交換カラムに変更され、タンパク質の溶出がNaCl(0−600mM)の直線勾配によって達成された。最終的に、VIM−2の精製は、許容可能な純度(>90%)を達成するために、Qセファロース陰イオン交換カラム上で2回目の実行(3番目の工程)を必要とした。
【0537】
β−ラクタマーゼ阻害
β−ラクタマーゼ酵素の阻害のレベルを決定するために、化合物をpH7.4のPBS中で希釈して、それにより、96ウェル・マイクロタイタープレートにおいて100乃至0.00005μMの範囲の濃度を得た。希釈された酵素ストックの等容積を加えて、プレートを37℃で15分間インキュベートした。ニトロセフィンをp99 AmpC、VIM−2、及びOXA−1のために基質として使用し、100μMの終濃度で各ウェルに分注した。GEN5 ソフトウェアパッケージ(BiotekInstruments、Winooski VT)を用いる、Biotek Powerwave XS2マイクロプレート分光光度計を使用して、486nmの吸光度を、直ちに10分間モニターした。アナログの様式では、イミペネムをKpc−2のための基質として使用し、セフォタキシムをSHV−5のために使用し、その一方で、β−ラクタム環の加水分解後の吸光度の変化を、UV透過性の96−ウェル・マイクロタイターアッセイプレートにおいて、それぞれ300nmと260nmでモニターした。加水分解の最高速度を対照ウェル(阻害剤なし)のものと比較して、酵素阻害のパーセンテージを阻害剤の各濃度について計算した。基質の加水分解の初期速度を50%まで減少させるために必要とされる阻害剤の濃度(IC
50)を、GraFit バージョン7 キネティックス・ソフトウェア・パッケージ(Erithacus Software、Surrey、UK)を使用して、486nmでのβ−ラクタマーゼの残存活性として計算した。
【0538】
実施例II:典型的な化合物による多様なβ−ラクタマーゼの阻害
上に記載された方法を用いて、本発明の実施例を、4つすべてのアンブラー分類(Ambler classifications)(AからD)によって、β―ラクタマーゼ酵素を阻害する能力について評価した。これらのアッセイの結果は、異なるサブタイプにわたって代表的な酵素に関する表2に要約され(SHV−5はアンブラー分類Aの拡張したスペクトルのβ−ラクタマーゼを示し、KPC−2は分類Aのカルバペネマーゼを示し、P99は染色体の分類CのAmpCを示し、OXA−1は分類Dのオキサシリナーゼを示し、VIM−2は、カルバペネマーゼ活性も有する分類Bの亜鉛依存性のメタロ−β−ラクタマーゼを示すことに留意されたい)、ここでAは10〜100μMのIC
50を示し、Bは1〜10μMのIC
50を示し、Cは0.1〜1μMのIC
50を示し、Dは、<0.1μMのIC
50を示す。NT=試験せず。
【0539】
【表4-1】
【0540】
【表4-2】
【0541】
【表4-3】
【0542】
実施例III:インビトロのβ−ラクタマーゼ阻害の抗菌性アッセイ
試験化合物が、β−ラクタマーゼ酵素を作るバクテリア菌株の増殖の阻害を強める能力を判定するために、古典的な細胞ベースのブロスマイクロ希釈MICアッセイを用いた。β−ラクタマーゼ酵素を作る6つの細菌株を使用した:E. coliは、分類Aの拡張したスペクトルのβ−ラクタマーゼ(ESBL)CTXM−15を発現し、E. cloacaeは、分類CのP99を発現し、K. pneumoniaeは、分類AのカルバペネマーゼKPC−2を発現し、P.aeruginosaは、分類BのカルバペネマーゼVIM−2を発現し、K.pneumoniaeは、分類AのカルバペネマーゼKPC−2及び分類BのカルバペネマーゼVIM−4を発現し、S.aureusは、分類AのペニシリナーゼPC−1を作る。アッセイを、陽イオンを調整したミュラー・ヒントン・ブロス(CAMHB、BD#212322、BD Diagnostic Systems、Sparks、MD)において行った。細菌株をCAMBHブロスにおいて3−5時間増殖させた。試験化合物を、32μg/mLから0.25μg/mlの終濃度範囲で、CAMHB中の2倍の連続希釈によってマイクロタイタープレートに加えた。ベータ−ラクタムを含むCAMHBのオーバーレイ(overlay)を、4μg/mlの最終静的濃度(final static concentration)で化合物に加えた。セフタジジム(CAZ, Sigma#C3809−1G, Sigma−Aldrich, St. Louis, MO)を、アンブラー分類AのESBL CTXM−15を発現するE.coli(MIC単独>128μg/mL)、及び分類CのP99を発現するE.cloacae(MIC単独=128μg/mL)のための、パートナー抗生物質として使用した。メロペネム(Mero, USP#1392454, U.S. Pharmacopeia, Rockville, MD)を、アンブラー分類AのカルバペネマーゼKPC−3を発現するK.pneumoniae(MIC単独>128μg/mL)、分類AのカルバペネマーゼVIM−2を発現するP.aeruginosa(MIC単独=16μg/mL)、及びアンブラー分類AのカルバペネマーゼKPC−2とアンブラー分類BのカルバペネマーゼVIM−4を発現するK.pneumoniae(MIC単独=16μg/mL)のための、パートナー抗生物質として使用した。ピペラシリン(Pip, Fisher#ICN15626801, MPBiomidicals, Solon, OH)を、分類AのペニシリナーゼPC−1を作るS.aureus(MIC単独=64μg/mL)のためのパートナー抗生物質として使用した。MIC読み出しによる試験化合物の滴定は、β−ラクタマーゼ酵素活性を十分に阻害し、且つベータ−ラクタムの内因性の抗菌活性を保護するために必要とされる、試験物質の濃度を示す。試験化合物の滴定に加えて、対照のベータ−ラクタムのパネルのMICも、細菌株が試験間で一貫して動いているのを確認するために試験される。一旦試験化合物と抗生物質を加えると、プレートはCLSIブロス微量希釈法(CLSI broth microdilution method)に従って播種され得る。播種後、プレートを16−20時間、37℃でインキュベートし、その後、試験化合物の最小発育阻止濃度(MIC)を視覚的に判定した。
【0543】
実施例IV:典型的な化合物のインビトロの抗菌活性
実施例IIIで上述した方法を用いて、式I又は式Iaに関する典型的な化合物を、β−ラクタム系抗生物質の存在下で、β−ラクタマーゼ産生菌の成長を阻害する能力について評価した。
【0544】
代表的な結果を表3に示し、ここで、Aは、>32μg/mLの典型的な化合物のβ−ラクタマーゼ阻害剤の存在下での、固定されたβ−ラクタム系抗生物質のMICを示し、Bは、8と32μg/mLの間の典型的な化合物のβ−ラクタマーゼ阻害剤の存在下でのMICを示し、Cは、≦4μg/mLの典型的な化合物のβ−ラクタマーゼ阻害剤の存在下でのMICを示す。NT=試験せず。
【0545】
【表5-1】
【0546】
【表5-2】
【0547】
【表5-3】
【0548】
【表5-4】
【0549】
本発明の好ましい実施形態が、本明細書に示され記載されている一方で、このような実施形態が、ほんの一例として提供されることは当業者に明白であろう。多数の変形、変化、及び置換は、本発明から逸脱することなく、当業者によって現在想到される。本明細書に記載される本発明の実施形態の様々な代案が、本発明の実施において利用され得ることを理解されたい。以下の特許請求の範囲が本発明の範囲を定義するものであり、この特許請求の範囲及びそれらの同等物の範囲内の方法及び構成がそれによって包含されることが、意図される。