特許第6346952号(P6346952)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6346952改良された光対太陽利得熱比を示す光学膜
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6346952
(24)【登録日】2018年6月1日
(45)【発行日】2018年6月20日
(54)【発明の名称】改良された光対太陽利得熱比を示す光学膜
(51)【国際特許分類】
   B32B 9/00 20060101AFI20180611BHJP
   C23C 14/08 20060101ALI20180611BHJP
   C23C 14/34 20060101ALI20180611BHJP
   B32B 15/04 20060101ALI20180611BHJP
   B32B 15/01 20060101ALI20180611BHJP
【FI】
   B32B9/00 A
   C23C14/08 N
   C23C14/34 R
   B32B15/04 B
   B32B15/01 E
【請求項の数】13
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2016-542267(P2016-542267)
(86)(22)【出願日】2014年12月18日
(65)【公表番号】特表2017-501908(P2017-501908A)
(43)【公表日】2017年1月19日
(86)【国際出願番号】US2014071123
(87)【国際公開番号】WO2015102923
(87)【国際公開日】20150709
【審査請求日】2016年6月22日
(31)【優先権主張番号】61/921,790
(32)【優先日】2013年12月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500149223
【氏名又は名称】サン−ゴバン パフォーマンス プラスティックス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【弁理士】
【氏名又は名称】永川 行光
(74)【代理人】
【識別番号】100188857
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 智文
(72)【発明者】
【氏名】アントワーヌ・ディゲ
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ・レイダー
(72)【発明者】
【氏名】ファビアン・リーエンハルト
【審査官】 河島 拓未
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−214304(JP,A)
【文献】 特開2009−071146(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0212336(US,A1)
【文献】 特開2007−299672(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00−43/00
C23C 14/00−14/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
属酸化物ベース複合層と、銀ベース層と、前記金属酸化物ベース複合層と前記銀ベース層との間に配される金属ベース層と、を含む複合膜であって、前記金属酸化物ベース複合層が、酸化ニオブ層と金属酸化物層とを含み、前記金属ベース層が、金を含み、前記複合膜が、少なくとも65%の可視光透過率を有する、複合膜。
【請求項2】
a.ポリマーを含む透明基材層と;
b.1つ以上の金属ベース層と;
c.1つ以上の銀ベース層と;
d.1つ以上の金属酸化物ベース複合層とを含む複合膜であって、1つ以上の前記金属酸化物ベース複合層が、異なる金属酸化物の少なくとも2つの異なった層を含み
1つ以上の前記金属酸化物ベース複合層が、酸化ニオブ層を含み
1つ以上の前記金属ベース層が、金を含み;
前記複合膜が、少なくとも65%の可視光透過率を有する、複合膜。
【請求項3】
前記複合が、第1金属ベース層および第2金属ベース層を含み、前記第1金属ベース層および前記第2金属ベース層が、1つ以上の前記銀ベース層の1つと直接接触している、請求項1および2のいずれか1項に記載の複合
【請求項4】
前記複合が、第1銀ベース層、第2銀ベース層、第3金属ベース層および第4金属ベース層を含み、前記第3金属ベース層および前記第4金属ベース層が、前記第2銀ベース層と直接接触している、請求項1および2のいずれか1項に記載の複合
【請求項5】
前記複合が、AZOを含む1つ以上の酸化亜鉛ベース層を含む、請求項1およびのいずれか1項に記載の複合
【請求項6】
以上前記金属酸化物ベース複合層が、同じ金属酸化物ベース複合層に酸化ニオブを含む金属酸化物層および酸化亜鉛を含む金属酸化物層を含む、請求項2に記載の複合
【請求項7】
以上前記金属酸化物ベース複合層が、同じ金属酸化物ベース複合層に酸化チタンを含む金属酸化物層および酸化亜鉛を含む金属酸化物層を含む、請求項2に記載の複合
【請求項8】
以上前記金属酸化物ベース複合層が、同じ金属酸化物ベース複合層に酸化ニオブを含む金属酸化物層および酸化チタンを含む金属酸化物層を含む、請求項2に記載の複合
【請求項9】
以上前記金属酸化物ベース複合層が、同じ金属酸化物ベース複合層に酸化ニオブを含む金属酸化物層および酸化チタンを含む金属酸化物層を含み、前記酸化チタン層の厚さが、同じ金属酸化物ベース複合層における前記酸化ニオブ層の厚さより小さい、請求項2に記載の複合
【請求項10】
以上前記金属酸化物ベース複合層が、同じ金属酸化物ベース複合層に酸化亜鉛を含む金属酸化物層および酸化チタンまたは酸化ニオブを含む金属酸化物層を含み、前記酸化亜鉛層の厚さが、同じ金属酸化物ベース複合層における前記酸化ニオブまたは前記酸化チタン層の厚さより小さい、請求項2に記載の複合
【請求項11】
前記複合が、前記銀ベース層ごとに酸化亜鉛ベース層を含む、請求項1およびのいずれか1項に記載の複合
【請求項12】
前記複合が、前記金属ベース層に隣接して設けられている1つ以上の酸化亜鉛ベース層を含む、請求項1およびのいずれか1項に記載の複合
【請求項13】
前記複合が、基材層に隣接して設けられた酸化チタンベース層を含む、請求項1およびのいずれか1項に記載の複合
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、複合膜に関し、より詳細には、赤外反射性でありかつ光学的に透明な複合膜に関する。
【背景技術】
【0002】
可視スペクトルにおける放射線を透過しつつも赤外スペクトルにおける放射線を反射する複合体は、例えば、建造物または車両における窓に適用される被覆として重要な用途を有する。
【0003】
かかる複合膜では、可視光透過率が高くなければならず、また、反射率および吸収率が低くなければならない。米国では、例えば、自動車のフロントガラスが、少なくとも70%の可視光透過率を有さなければならない。しかし、赤外において、窓が高い反射率を有さなければならず、そのため、赤外における透過率および吸収率が低くなければならない。理想的には、反射率は、太陽光からの加熱を防止するためにスペクトルの近赤外部(780nm〜2500nm)において高く、また、冬期に車の内側に熱を保持するために遠赤外(8μm〜50μm)において高くなければならない。後者の特徴は、「低放射率」とも呼ばれる。これらの組み合わせ特徴は、特に温帯気候下で非常に重要である。
【0004】
赤外線放射を反射するために複合膜において薄銀層を使用することが知られている;しかし、銀層は、安定性が低く、耐久性が低く、耐湿性および耐候性が悪い。加えて、薄銀層の不利点に抵抗するために複合体に添加され得るさらなる層は、可視光透過率、ヘイズ、黄変などの他の特性に概して負の影響を及ぼす。
【0005】
米国特許第7,709,095号には、銀含有層が金金属層および酸化チタン誘電体層と接触している赤外反射性の層状構造が記載されている。これらの層は、スパッタリング技術によって堆積される。
【0006】
酸化チタン誘電体層の使用による1つの不利点は、回転式セラミックターゲットを使用するスパッタリング技術からの堆積速度の制限である。例えば、光学膜において使用されるスパッタ堆積酸化チタン層に典型的な堆積速度は、単一の回転式セラミックターゲットにおいて約1.5nm.m.分−1.kW−1である。堆積速度は、ターゲット長さおよび印加電力から独立していることに注意されたい。膜を生成するためのプロセスにおいて、酸化チタンの堆積速度は、複合体の全体の生成速度を大幅に低下させる。
【0007】
酸化チタンを他の材料で置き換えることによって生成速度を改良するための試みがなされている。しかし、透明度および反射率などの、複合膜の光学および太陽特性の一方または両方に負の影響を及ぼすことなく、どのようにして生成速度を改良するかについて、これまで知られていない。
【0008】
さらに、複合膜の光学および太陽特性を改良することも望まれている。しかし、TSERなどの太陽特性を改良するための試みは、光学性能、例えば可視光透過率(VLT)を阻害し、その逆もまた然りである。
【0009】
そのため、性能を犠牲にすることなく、さらには光学膜の性能を改良しつつも誘電体層の堆積速度を増加させる新規の材料および方法を開発する必要性が存在する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
実施形態を例によって示すが、添付の図において限定されるものではない。
図1図1は、本開示のある特定の実施形態による複合膜の図示を含む。
図2図2は、本開示のある特定の実施形態による複合膜の図示を含む。
図3図3は、本開示のある特定の実施形態による複合膜の図示を含む。
図4図4は、本開示のある特定の実施形態による複合膜の図示を含む。
図5図5は、本開示のある特定の実施形態による複合膜の図示を含む。
図6図6は、本開示のある特定の実施形態による複合膜の図示を含む。
図7図7は、本開示のある特定の実施形態による複合膜の図示を含む。
図8図8は、本開示のある特定の実施形態による複合膜の図示を含む。
図9図9は、本開示のある特定の実施形態による複合膜の図示を含む。
図10図10は、本開示のある特定の実施形態による複合膜の図示を含む。
【0011】
当業者は、図における要素が、簡潔さおよび明瞭さのために示されていること、ならびに必ずしもスケール通りに描かれていないことを認識する。例えば、図における要素のいくつかの寸法は、本発明の実施形態の理解の改善を助けるために他の要素と比較して誇張されている場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図と組み合わせた以下の詳細な説明を本明細書に開示の教示の理解を手助けするために提供する。以下の議論は、教示の具体的な実施および実施形態に焦点を合わせる。この焦合は、教示の説明を手助けするために提供されるものであり、開示の範囲または利用可能性に対する限定として解釈されるべきではない。しかし、本出願に開示されている教示に基づいて他の実施形態が使用されてよい。
【0013】
用語「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」、または任意の他の変形は、非排他的包含をカバーすることが意図される。例えば、特徴の列挙を含む方法、物品または装置は、必ずしもこれらの特徴のみに限定されないが、明確に列挙されていない、またはかかる方法、物品もしくは装置に固有の他の特徴を含んでいてもよい。さらに、反対であると明確に記述されていない限り、「または(or)」は、包括的な「または」を称し、排他的な「または」を称していない。例えば、条件AまたはBは、以下のうちいずれか1つによって満たされる:Aが真(または存在する)かつBが偽(または存在しない)、Aが偽(または存在しない)かつBが真(または存在する)、ならびにAおよびBの両方が真(または存在する)。
【0014】
また、「1つの(a)」または「1つの(an)」の使用は、本明細書に記載の要素および構成要素を記載するのに用いられる。このことは、単に、便宜上、かつ本発明の範囲の一般的な意味を付与するためになされるものである。この記載は、別のことが意味されていることが明確でない限り、複数形も含むとして、1つ、少なくとも1つ、または単数形を含むと読み取られるべきであり、または、その逆もまた然りである。例えば、単一の項目が本明細書において記載されているとき、1を超える項目が単一の項目の代わりに使用されてよい。同様に、1を超える項目が本明細書において記載されているとき、単一の項目が、かかる1を超える項目に置き換えられてよい。
【0015】
別途定義されていない限り、本明細書において使用されている全ての技術および科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般的に理解されているものと同じ意味を有する。材料、方法、および例は、単に説明目的であり、限定的であることは意図されていない。本明細書に記載されていない程度で、具体的な材料および処理作用に関する多くの詳細が従来的なものであり、光学膜分野の範囲内の教科書および他のソースにおいて見出され得る。
【0016】
本開示は、例えば、太陽特性、光学特性、および生成速度の相乗的改良を実証する改良されたIR反射性複合膜を対象とする。例えば、ある特定の実施形態は、TSERおよびVLTの組み合わされた相乗効果を実証する。また、複合体は、光学および太陽性能を犠牲にすることなく、さらには改良しつつ、改良された堆積速度を示すことができる。概念は、本発明の範囲を示しかつこれを限定しない以下に記載の実施形態を考慮して、より良好に理解される。
【0017】
図1は、ある特定の実施形態による複合膜10の代表的な断面を示す。複合膜10は、基材層20、1つ以上の金属ベース層30、32、34、36;もう1つの銀ベース層40、42;1つ以上の金属酸化物ベース複合層25、26、27;および対基材層22を含むことができる。図1に示されている複合膜10は説明的な実施形態であることが理解されるべきである。示されている層の全てが必要とされるわけではなく、任意数の追加の層、または示されている層よりも少ない層が本開示の範囲内である。
【0018】
基材層20および/または対基材層22は、任意数の異なる材料から構成されていてよい。ある特定の実施形態において、基材層20および/または対基材層22は、透明層であってよい。基材層20および/または対基材層22は、可撓性であってもよい。好適な透明材料として、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、三酢酸セルロース(TCAもしくはTAC)、ポリウレタン、フルオロポリマー、ガラス、またはこれらの組み合わせが挙げられる。特定の実施形態において、基材層20および/または対基材層22は、ポリエチレンテレフタレート(PET)を含有することができる。
【0019】
基材の厚さは、選択される材料および所望の用途に依ることができる。ある特定の実施形態において、基材層20および/または対基材層22は、少なくとも約0.1μm、少なくとも約1μm、またはさらには少なくとも約10μmの厚さ有することができる。さらなる実施形態において、基材層20および/または対基材層22は、約1000μm以下、約500μm以下、約100μm以下、またはさらには約50μm以下の厚さを有することができる。また、基材層20および/または対基材層22は、上記最大および最小値の任意の範囲、例えば、約0.1μm〜約1000μm、約1μm〜約100μm、またはさらには、約10μm〜約50μmの厚さを有することができる。他の実施形態において、剛性基材、例えば、ガラスが組み込まれるとき、基材層20は、より大きな厚さ、例えば、1mm〜50mm、またはさらには1mm〜20mm、またはさらには1〜10mmを有することができる。非常に特定的な実施形態において、基材層20の厚さは、対基材22の厚さを超えていてよい。例えば、非常に特定的な実施形態において、対基材22の厚さに対する基材層20の厚さの比は、少なくとも1、少なくとも1.5、少なくとも1.75、またはさらには少なくとも2であってよい。
【0020】
剛性表面、例えば、窓への適用のための複合膜として使用されるとき、基材層20が、膜によって被覆される表面に隣接して設けられるように適合され得る。例えば、基材層20は、例えば、窓(図示せず)に付着されるとき、銀ベース層よりも窓に近くてよい。また、以下により詳細に議論されているように、接着層が、基材層20に隣接して設けられて、複合体によって被覆される窓または他の表面と接触するように適合されていてよい。このように、上記の複合膜は、自立していて、例えば、窓などの建築部材または自動車部材において透明パネルに接着するように適合されていてよい。
【0021】
上記で議論されているように、複合体は、1つ以上の金属ベース層30、32、34、36を含むことができる。薄い金属ベース層は、安定性および耐久性が増大した銀含有層を付与し、銀ベース層と金属酸化物ベース層との界面でのインターミキシングを回避することができる。ある特定の実施形態において、唯一の金属ベース層が存在し得る。他の実施形態において、複合体は、多数の金属ベース層を含むことができる。一般に、金属ベース層は、銀ベース層の一方または両方の主面に直接隣接して設けられていてよい。したがって、1を超える銀ベース層が存在するとき、金属ベース層は、任意の銀ベース層の利用可能な主面ごとに設けられ得る。
【0022】
図1を再び参照すると、本開示の特定の実施形態において、複合体は、第1銀ベース層40の対向する主面と直接接触する第1金属ベース層30および第2金属ベース層32を含むことができる。図1にさらに示すように、複合体は、第2銀ベース層42の対向する主面と直接接触する第3金属ベース層34および第4金属ベース層36を含むことができる。
【0023】
本明細書に記載の任意の1つ以上の金属ベース層は、金属から本質的になっていてよい。本明細書において使用されているとき、句「金属から本質的になる」は、少なくとも95重量%の金属を称する。また、特定の実施形態において、本明細書に記載の任意の1つ以上の金属ベース層は、本質的に純粋な金属を含有し、または、他の実施形態において、金属合金を含有することができる。本明細書において使用されているとき、「本質的に純粋な金属」は、可能性のある不純物を約5重量%未満の量で有する金属を称する。他の実施形態において、任意の1つ以上の金属ベース層は、金属合金、例えば、金属ベース層の合計重量を基準にして、主金属を少なくとも約70重量%の濃度で、副金属を約30重量%未満の濃度で含有するものなどを含むことができる。
【0024】
本明細書に記載の任意のもう1つの金属ベース層は、金、チタン、アルミニウム、白金、パラジウム、銅、インジウム、亜鉛またはこれらの組み合わせを含めて選択される金属を含有することができる。特定の実施形態において、銀ベース層に隣接する金属ベース層のうち少なくとも1つ、1超、またはさらには全てが、金を含有し、またはさらには金から本質的になることができる。
【0025】
上記の任意の1つ以上の金属ベース層は、金属ベース層を実質的に透明にすることができる厚さを有し、銀ベース層に十分な保護を付与することができる。例えば、上記の任意の1つ以上の金属ベース層は、少なくとも約0.1nm、またはさらには少なくとも約0.3nmの厚さを有することができる。さらに、上記の任意の1つ以上の金属ベース層は、約50nm以下、約5nm以下、約2nm以下、またはさらには約1.5nm以下の厚さを有することができる。また、上記の任意の1つ以上の金属ベース層は、上記最大および最小値の任意の範囲、例えば、約0.1nm〜約5nm、またはさらには約0.3nm〜約1.5nmの厚さを有することができる。
【0026】
上記の任意の1つ以上の金属ベース層は、同じ厚さを有していても、異なる厚さを有していてもよい。特定の実施形態において、1つ以上の金属層は、それぞれ、実質的に同じ厚さを有する。本明細書において使用されているとき、「実質的に同じ厚さ」は、2つの比較される厚さの平均の20%以内である厚さを称する。
【0027】
任意の1つ以上の金属ベース層は、真空堆積技術によって、例えば、スパッタリングまたは蒸着によって形成され得る。
【0028】
本開示による複合体は、1つ以上の銀ベース層40、42を含有することができる。銀ベース層は、赤外線放射を反射する能力を有する複合体を提供することができる。特定の実施形態において、例えば、図1に示すように、複合体は、第1銀ベース層40を含有することができる。示すように、第1銀ベース層40は、1つ以上の金属ベース層、例えば、第1金属ベース層30および第2金属ベース層32と直接接触することができる。
【0029】
さらに、ある特定の実施形態において、複合体は、さらなる銀ベース層、例えば、第2銀ベース層42を含有することができる。さらなる銀ベース層は、それぞれ、存在するとき、さらなる銀ベース層の主面に直接接触する金属ベース層を有することができる。例えば、図1に示すように、第2銀ベース層42は、第3金属ベース層34および第4金属ベース層36と直接接触することができる。さらに、第2銀ベース層42は、第1銀ベース層40よりも基材から遠くにあってよい。
【0030】
上記の任意の1つ以上の銀ベース層は、銀を含有することができ、特定の実施形態において、銀から本質的になることができる。本明細書において使用されているとき、句「銀から本質的になる」は、少なくとも約95%の銀を含有する銀ベース層を称する。他の実施形態において、1つ以上の銀ベース層は、約30重量%以下、約20重量%以下、またはさらには約10重量%以下の別の金属、例えば、金、白金、パラジウム、銅、アルミニウム、インジウム、亜鉛、またはこれらの組み合わせを有することができる。
【0031】
任意の1つ以上の銀ベース層は、少なくとも約0.1nm、少なくとも約0.5nm、またはさらには少なくとも約1nmの厚さを有することができる。さらに、任意の1つ以上の銀ベース層40は、約100nm以下、約50nm以下、約25nm以下、またはさらには約20nm以下の厚さを有することができる。また、任意の1つ以上の銀ベース層40は、上記最大および最小値の任意の範囲、例えば、約0.5nm〜約25nm、またはさらには約1nm〜約20nmの厚さを有することができる。
【0032】
特定の実施形態において、第2銀ベース層42は、第1銀ベース層40より大きな厚さを有することができる。例えば、第2銀ベース層42の厚さ対第1銀ベース層40の厚さの比は、少なくとも約1、少なくとも約1.5、少なくとも約2、またはさらには少なくとも約3であり得る。
【0033】
特定の実施形態において、複合膜10は、3つ以下の銀ベース層、2つ以下の銀ベース層、またはさらには1つ以下の銀ベース層を含有することができる。非常に特定的な実施形態において、複合膜10は、2つ以下の銀ベース層を含有することができる。本開示のある特定の実施形態の特定の利点は、2つ以下の銀ベース層によって本明細書に記載の特性を得ることである。
【0034】
銀ベース層は、真空堆積技術によって、例えば、スパッタリングまたは蒸着によって形成され得る。特定の実施形態において、銀ベース層は、マグネトロンスパッタリング技術によって形成され得る。
【0035】
本開示の種々の実施形態によると、複合体は、1つ以上の金属酸化物ベース複合層25、26、27をさらに含有することができる。金属酸化物ベース複合層は、銀ベース層の反対側で金属ベース層の主面に隣接もしくはさらには直接接触して、かつ/または基材もしくは対基材層の主面に隣接もしくはさらには直接接触して設けられていてよい。
【0036】
上記で議論した任意の1つ以上の金属酸化物複合体ベース層は、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ニオブ、BiO、PbO、酸化亜鉛、AZO、MgZnO、MgO、MoO、またはこれらの組み合わせを含めた種々の金属酸化物の少なくとも1つ、少なくとも2つ、またはさらには少なくとも3つの別々の異なる層を含有することができる。
【0037】
上記に列挙した種々の金属酸化物を、屈折率の観点で説明することもできる。例えば、ルチル相から主に構成される酸化チタンは、510nmで約2.41の屈折率を有し、BiOは、550nmで約2.45の屈折率を有し、PbOは、550nmで約2.55の屈折率を有し、Nbは、550nmで約2.4の屈折率を有し、ZnOは、550nmで約2.0の屈折率を有する。したがって、非常に特定的な実施形態において、1つ以上の金属酸化物ベース複合層において層として使用される金属酸化物のうち少なくとも1つが、高い屈折率を有することができる。例えば、金属酸化物のうち少なくとも1つが、510nmまたは550nmのいずれかで、少なくとも約2.3、少なくとも約2.4、少なくとも約2.5の屈折率を有することができる。さらに、1つ以上の金属酸化物ベース複合層において層として使用される金属酸化物のうち少なくとも1つが、低い屈折率を有することができる。例えば、金属酸化物のうち少なくとも1つが、約2.4以下、約2.3未満、例えば、約2.2未満、約2.1未満、またはさらには約2.0未満の屈折率を有することができる。また、金属酸化物ベース複合層は、高屈折率材料をベースとする少なくとも1つの層と、低屈折率材料を有する少なくとも1つの層とを有することができる。例えば、金属酸化物ベース複合層は、少なくとも2.4の屈折率を有する金属酸化物と、2.4未満の屈折率を有する金属酸化物とをベースとする少なくとも1つの層を有することができる。
【0038】
上記の種々の金属酸化物を、1つの回転式セラミックターゲットによる堆積速度の観点で説明することもできる。例えば、酸化チタンは、1.5nm.m.分−1.kW−1の堆積速度を有することができ、酸化ニオブは、3nm.m.分−1.kW−1の堆積速度を有することができ、AZOは、7nm.m.分−1.kW−1の堆積速度を有することができる。したがって、非常に特定的な実施形態において、1つ以上の金属酸化物ベース複合層において層として使用される金属酸化物のうち少なくとも1つが、高い堆積速度を有することができる。例えば、ある特定の実施形態において、金属酸化物のうち少なくとも1つが、少なくとも1nm.m.分−1.kW−1、少なくとも1.5nm.m.分−1.kW−1、少なくとも2nm.m.分−1.kW−1、少なくとも3nm.m.分−1.kW−1、少なくとも4nm.m.分−1.kW−1、少なくとも5nm.m.分−1.kW−1、少なくとも6nm.m.分−1.kW−1、またはさらには少なくとも7nm.m.分−1.kW−1の堆積速度を有することができる。さらに、金属酸化物のうち少なくとも1つが、50nm.m.分−1.kW−1以下、またはさらには25nm.m.分−1.kW−1以下、8nm.m.分−1.kW−1以下、4nm.m.分−1.kW−1以下、またはさらには2nm.m.分−1.kW−1以下の堆積速度を有することができる。また、金属酸化物のうち少なくとも1つが、上記で付与した最小および最大値の任意の範囲、例えば、1nm.m.分−1.kW−1〜50nm.m.分−1.kW−1の範囲、またはさらには1.5nm.m.分−1.kW−1〜25nm.m.分−1.kW−1の範囲の堆積速度を有することができる。非常に特定的な実施形態において、1つ以上の金属酸化物ベース複合層において層として使用される金属酸化物のうち少なくとも2つが、異なる堆積速度を有することができる。例えば、1つ以上の金属酸化物ベース複合層において層として使用される金属酸化物のうち一方が、少なくとも約3nm.m.分−1.kW−1の堆積速度を有することができ、一方で、同じ金属酸化物ベース複合層において層として使用される別の金属酸化物が、3nm.m.分−1.kW−1以下の堆積速度を有することができる。金属酸化物ベース複合層において使用されるいずれか2つ、またはさらには3つの異なる金属酸化物が、上記に付与した任意の堆積速度を任意の組み合わせで有することができることが理解されるべきである。
【0039】
本開示のある特定の実施形態の特定の利点は、高い堆積速度を有する金属酸化物の使用である。常套的に、かかる金属酸化物層は、例えば、光学特性、IR特性などが劣るため、使用されていなかった。しかし、本発明者らは、重要な光学およびIR特性を犠牲にすることなく高い堆積速度を有する金属酸化物を使用することができるということを驚くべきことに発見した。
【0040】
図2をここで参照すると、ある特定の実施形態において、金属酸化物ベース複合層は、金属ベース層および/または銀ベース層の質を改良するように適合された層101、103を含有することができる。例えば、層101、103は、金属酸化物材料などの酸化物材料を含有することができる。特定の実施形態において、金属酸化物材料は、酸化亜鉛、例えばAZOまたはMgZnOを含有することができる。非常に特定的な実施形態において、酸化亜鉛は、AZOであり得る。他の実施形態において、層101、103は、酸化物材料、例えば、MgOまたはMoOを含有することができる。
【0041】
本開示のある特定の実施形態の特定の利点は、特定の金属酸化物ベース層、例えば、金属酸化物複合体ベース層25、26における層101、103が、金属ベース層の均一性を改良し、これにより、直後に堆積される金属ベース層の光学特性およびスタックの全体としての光学特性を改良することができるという発見である。理論によって拘束されることを望まないが、金属ベース層の均一性の改良は、ヘテロエピタキシー効果に少なくとも部分的に起因し得る。
【0042】
例えば、ある特定の実施形態において、複合体の性能の改良は、(金属酸化物複合体ベース層内の)金属酸化物ベース層の結晶構造が、隣接する、その後に堆積される金属ベース層の結晶構造と一致するまたは厳密に一致するときに、生じ得る。材料の結晶構造(所与のタイプの結晶内の原子の配置)を、格子定数と称されるユニットセルエッジ長a、bおよびcを有するユニットセルと称される最も簡単な繰り返しユニットの観点で説明することができる。結晶構造の一致の程度を定量化するために、第1層(a)および第2層(a)の格子定数が以下の式を満たすとき、第1層の結晶構造が第2層の結晶構造と厳密に一致する:
([sqrt(2)/2])/a=x,
式中、xは、0.65以上の値を表す。本明細書に記載の特定の実施形態において、例えば、金属酸化物ベース層と金属層および/または銀層との間で、xは、0.70以上、0.75以上、0.80以上、0.82以上、0.84以上、または0.86以上の値を表す。さらなる特定の実施形態において、xは、1.5以下、1.4以下、1.3以下、1.2以下、1.1以下、または1.0以下の値を表す。また、xは、上記最小および最大値の任意の範囲、例えば、0.75〜1.4、0.84〜1.2、またはさらには0.86〜1.0の範囲の値を表すことができる。
【0043】
例えば、金の結晶構造は面心立方(fcc)であり、その格子定数aは0.408nmである。金の結晶構造は、立方体であるため、唯一の格子定数を有することができる。周囲条件下で、ZnOは、ウルツ鉱型で主に結晶化する。ウルツ鉱型におけるZnOの格子定数は、a=0.325nmおよびc=0.520nmである。この型がいわゆる(002)方位で配向しているとき、表面は、金結晶がいわゆる(111)方位で配向しているときの金の原子間距離と同様の原子間距離を有することができる。すなわち、([sqrt(2)/2]xaAu)〜aZnOが、0.29nm〜0.33nmに相当する。AZO(=ZnO:Al)による効果は、Al原子がネットワーク内に挿入されているときでも、同様であり得る。
【0044】
一方で、Auが異なる金属酸化物ベース層、例えば、TiOxに堆積されるとき、ヘテロエピタキシー効果は、結晶構造間の不一致が高いため効果的でない。例えば、TiOxが熱処理を用いずマグネトロンスパッタリングによって堆積されるとき、材料は、アモルファスであっても(この場合、具体的な秩序は存在しない)、ルチル結晶構造を有していてもよい。ルチル結晶構造は、a=b=0.458nmかつc=0.295nmの体心正方ユニットセルを有する。ある特定の実施形態において、この構造から、TiOxは、方位に関係なく、Auユニットセルの結晶構造と厳密に一致する結晶構造を有しているようには見えない。したがって、非常に特定的な実施形態において、金属ベース層に直接隣接する金属酸化物層は、本質的に酸化チタン不含であり得る。
【0045】
非常に特定的な実施形態において、金属ベース層に直接隣接する金属酸化物ベース層は、AZOであってよい。なおさらに非常に特定的な実施形態において、金属酸化物ベース層に隣接する金属ベース層は、金であってよい。
【0046】
上記のように金属ベース層に直接隣接する金属酸化物ベース層を使用するとき、金属ベース層の後に直接堆積される銀ベース層もまた、改良されると理解されるべきである。したがって、上記と一致している同程度の格子定数は、金属酸化物ベース層と銀ベース層との間に存在し得、このとき、金属ベース層が、金属酸化物ベース層と銀ベース層との間に堆積される。
【0047】
図2を再び参照すると、ある特定の実施形態において、複合膜10は、金属ベース層および/または銀ベース層の質を改良するように適合された層101、103を各々が含有する少なくとも1つのまたはさらには少なくとも2つの金属酸化物ベース複合層25、26を含有することができる。
【0048】
層101、103は、金属ベース層30、34に直接隣接して接触するように、金属酸化物ベース複合層25、26内に堆積され得る。金属酸化物ベース複合層25、26内で、(層101、103以外の)他の金属酸化物層102、104が、例えば、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ニオブ、BiO、PbO、またはこれらの組み合わせを含んでいてよい。非常に特定的な実施形態において、金属酸化物ベース複合層25、26は、層101、103に加えて、酸化チタンベース層102、104を含有することができる。他の特定の実施形態において、金属酸化物ベース複合層25、26は、以下により詳細に記載されているように、層101、103に加えて、酸化ニオブベース層102、104を含有することができる。
【0049】
金属ベース層および/または銀ベース層の質を改良するように適合された層101、103が金属酸化物ベース複合層25、26に存在するとき、層101、103は、小さな厚さを有することができる。例えば、層101、103は、50nm以下、40nm以下、30nm以下、20nm以下、10nm以下、またはさらには7nm以下の厚さを有することができる。さらに、層101、103は、少なくとも1nm、少なくとも2nm、またはさらには少なくとも3nmの厚さを有することができる。また、層101、103は、上記で付与した最小および最大値の任意の範囲、例えば、1〜20nmの範囲、またはさらには2〜10nmの範囲の厚さを有することができる。また、ある特定の実施形態において、層101、103が金属酸化物ベース複合層25、26に存在するとき、層101、103は、金属酸化物ベース複合層25、26の残余の厚さより小さな厚さを有することができる。例えば、層101、103が金属酸化物ベース複合層25、26に存在するとき、層101、103の厚さ対金属酸化物ベース複合層102、104の残余の厚さの比は、1未満、例えば、0.8以下、0.7以下、0.6以下、0.5以下、0.3以下、0.2以下、またはさらには約0.15以下であってよい。さらに、層101、103が金属酸化物ベース複合層25、26に存在するとき、層101、103の厚さ対金属酸化物ベース複合層102、104の残余の厚さの比は、少なくとも0.01、少なくとも0.05、またはさらには少なくとも0.075であってよい。
【0050】
本開示のある特定の実施形態のなお別の特定の利点は、金属ベース層および/または銀ベース層の質を改良するように適合された層101、103と酸化ニオブ層との組み合わせを含有する金属酸化物複合体ベース層25、26、27である。本明細書においてより詳細に議論されているように、酸化ニオブの使用は、酸化ニオブの低い屈折率に部分的に起因して、酸化チタンの使用よりも好ましくなかった。しかし、本発明者らは、層101、103を、高い堆積速度を有する層、例えば、酸化ニオブと併用することによって、複合膜10が、以下の実施例においてより詳細に示されているように、生成速度または回線速度の大幅な改良を実現しながらも、光学および太陽特性の大幅かつ相乗的な改良を示すことを驚くべきことに発見した。
【0051】
図3をここで参照すると、本開示のある特定の実施形態のなお別の特定の利点は、酸化チタンベース層110、111、112と酸化ニオブベース層113、114、115、116との組み合わせを含有する金属酸化物複合体ベース層25、26、27である。本明細書においてより詳細に議論されているように、酸化ニオブの使用は、酸化ニオブの低い屈折率に部分的に起因して、酸化チタンの使用よりも好ましくなかった。しかし、本発明者らは、酸化チタン層を酸化ニオブ層と併用することによって、複合膜が、生成速度または回線速度の大幅な改良を実現しながらも、光学および太陽特性の大幅かつ相乗的な改良を示すことを驚くべきことに発見した。理論によって拘束されることを望まないが、基材層と特に直接隣接して接触して存在する酸化チタン層を有することによって、より良好な屈折率の一致、したがって改良された光学特性を付与することができ、また、酸化ニオブベース層の使用が、酸化チタンベース層の添加によって実現される改良を大幅に妨げないと考えられる。
【0052】
酸化チタンベース層110、111、112および酸化ニオブベース層113、114、115、116を含む金属酸化物ベース複合層25、26、27を組み込んだかかる実施形態において、酸化チタンベース層110、111、112は、金属酸化物ベース複合層25、26、27内で酸化ニオブベース層113、114、115、116の厚さより小さい厚さを有することができる。例えば、酸化ニオブベース層113、114、115、116の厚さ対酸化チタンベース層110、111、112の厚さの比は、1超、例えば、1.5以上、2以上、またはさらには2.5以上であってよい。さらなる実施形態において、酸化ニオブベース層113、114、115、116の厚さ対酸化チタンベース層110、111、112の厚さの比は、10以下、6以下、またはさらには5以下であってよい。また、酸化ニオブベース層113、114、115、116の厚さ対酸化チタンベース層110、111、112の厚さの比は、上記で付与した最小および最大値の任意の範囲、例えば、1.5〜10、またはさらには2.5〜5の範囲であってよい。
【0053】
さらにより特定的な実施形態では、酸化チタンベース層および酸化ニオブベース層を含む金属酸化物ベース複合層において、酸化チタンベース層が、少なくとも1nm、少なくとも2nm、またはさらには少なくとも3nmの厚さを有することができる。他の実施形態において、酸化チタンベース層は、30nm以下、20nm以下、またはさらには10nm以下の厚さを有することができる。また、酸化チタンベース層は、上記で付与した最小および最大厚さの任意の範囲、例えば、1〜50nmまたはさらには3〜20nmの範囲の厚さを有することができる。また、酸化チタンベース層および酸化ニオブベース層を含む金属酸化物ベース複合層において、酸化ニオブ層は、少なくとも1nm、少なくとも5nm、少なくとも10nm、またはさらには少なくとも15nmの厚さを有することができる。さらなる実施形態において、酸化ニオブベース層は、70nm以下、60nm以下、50nm以下、またはさらには40nm以下の厚さを有することができる。また、酸化チタンベース層は、上記で付与した最小および最大厚さの任意の範囲、例えば、5〜60nmまたはさらには10〜50nmの範囲の厚さを有することができる。
【0054】
全体で、上記で議論した任意の1つ以上の金属酸化物ベース複合層25、26、27は、少なくとも約1nm、少なくとも約2nm、またはさらには少なくとも約5nmの厚さを有することができる。さらに、上記で議論した任意の1つ以上の金属酸化物ベース複合層25、26、27は、約100nm以下、約80nm以下、またはさらには約70nm以下の厚さを有することができる。また、上記で議論した任意の1つ以上の金属酸化物ベース複合層25、26、27は、上記最大および最小値の任意の範囲、例えば、約1nm〜約100nm、またはさらには約2nm〜約60nmの厚さを有することができる。
【0055】
特定の実施形態において、1つ以上の金属酸化物ベース複合層25、26、27は、変動する厚さを有していてよい。例えば、1つの特定の実施形態において、第1金属酸化物ベース複合層25は、他の金属酸化物ベース複合層よりも基材層20の近くに設けられて、任意の他の金属酸化物ベース複合層、例えば、第2金属酸化物ベース複合層26または第3金属酸化物ベース複合層27より小さい厚さを有することができる。ある特定の実施形態において、第2金属酸化物ベース層26または第3金属酸化物ベース層27の厚さ対第1金属酸化物ベース層25の厚さの比は、少なくとも1、少なくとも1.5、少なくとも2、少なくとも2.5、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、またはさらには少なくとも6であってよい。
【0056】
さらなる実施形態において、複合膜10は、酸化チタンベース層111よりもむしろ酸化ニオブベース層114、115を含有することができる少なくとも1つの金属酸化物ベース複合層26を含有することができる。
【0057】
なおさらに特定の実施形態において、図3に示すように、酸化チタン層110、112は、基材層20および/または対基材層(存在する場合)22に直接隣接して設けられていてよい。他の実施形態において、酸化ニオブ層は、基材層および/または対基材層(存在する場合)に直接隣接して設けられていてよい。なおさらなる特定の実施形態において、酸化ニオブ層113、114、115、116は、1つ以上の金属ベース層30、32、34、36に直接隣接して設けられていてよい。他の実施形態において、酸化チタン層は、1つ以上の金属ベース層に直接隣接して設けられていてよい。
【0058】
本明細書において議論されている1つ以上の個々の金属酸化物ベース層、したがって、金属酸化物ベース複合層は、真空堆積技術によって、例えば、スパッタリングもしくは蒸着、または原子層堆積技術によって形成され得る。例えば、金属酸化物ベース層は、回転可能なセラミック金属酸化物ターゲットを使用してDCマグネトロンスパッタリングによって得られ得る。これらのターゲットは、DCマグネトロンスパッタリングプロセスにおいてカソードとして使用されるのに十分な電気伝導度を有することができる。
【0059】
基材層と最外層、例えば、対基材との間に設けられた全ての層を含めて、また、これらの層を含めて、複合体10は、全体として、少なくとも約25μm、少なくとも約50μm、少なくとも約60μm、またはさらには少なくとも約70μmの合計厚さを有することができる。さらに、複合体10全体は、約300μm以下、約200μm以下、約100μm以下、またはさらには約85μm以下の合計厚さを有することができる。また、複合体全体は、上記最大および最小値の任意の範囲、例えば、約25μm〜約300μm、またはさらには約50μm〜約100μmの合計厚さを有することができる。
【0060】
複合膜の特定の利点をその性能の観点からここで説明する。パラメータとして、可視光透過率、太陽エネルギー除去率、光対太陽利得比、可視光反射率、耐摩耗性評価、および回線速度が挙げられる。
【0061】
可視光透過率は、複合体を通して透過される可視スペクトル(380〜780nm)の割合を称する。可視光透過率は、ISO 9050に従って測定され得る。本開示の特定の利点は、特に、本明細書に記載されている他のパラメータと組み合わせて、本明細書に記載されかつ以下の実施例に示されている可視光透過率の値を得ることができるということである。本開示の実施形態において、複合体は、少なくとも約60%、少なくとも約65%、またはさらには少なくとも約70%の可視光透過率を有することができる。さらに、複合体は、100%以下、95%以下、またはさらには90%以下の可視光透過率を有することができる。また、複合体は、上記最大および最小値の任意の範囲、例えば、約60%〜約100%またはさらには約70%〜約100%の範囲の可視光透過率を有することができる。
【0062】
太陽エネルギー除去率は、太陽光直接反射率と外側に向かう二次伝熱の除去率の因子との和である、グレージングによって除去される合計エネルギーの測定値であり、後者は、複合体によって吸収された入射太陽放射線の部分の対流および長波長IR放射による伝熱から結果として得られる。太陽エネルギー除去率は、ISO 9050基準に従って測定され得る。本開示の特定の利点は、特に、本明細書に記載されている他のパラメータと組み合わせて、本明細書に記載されかつ以下の実施例に示されている太陽エネルギー除去率の値を得ることができるということである。本開示の特定の実施形態において、複合体は、少なくとも約50%、少なくとも約52%、少なくとも約55%、またはさらには少なくとも約59%の太陽エネルギー除去率を有することができる。さらに、複合体は、約90%以下、約80%以下、またはさらには約70%以下の太陽エネルギー除去率を有することができる。また、複合体は、上記最大および最小値の任意の範囲、例えば、約50%〜約90%の範囲、またはさらには約59%〜約90%の範囲の太陽エネルギー除去率を有することができる。
【0063】
光対太陽熱利得比は、熱利得を遮断しつつ日光を透過する種々の複合体タイプの相対効率の尺度を称する。比が大きいほど、過剰量の熱を添加することなく部屋が明るくなる。光対太陽熱利得比は、以下の式によって求めることができる:
LSHGR=(VLT)/(1−TSER)
式中、VLTは、上記で求めた可視光透過率である。本開示の特定の利点は、特に、本明細書に記載されている他のパラメータと組み合わせて、本明細書に記載されかつ以下の実施例に示されている光対太陽熱利得比を得ることができるということである。本開示の特定の実施形態において、複合体は、少なくとも約1.5、少なくとも約1.60、少なくとも約1.70、またはさらには少なくとも約1.80の光対太陽利得比を有することができる。さらに、複合体は、1.95以下、1.92以下、またはさらには1.90以下の光対太陽利得比を有することができる。また、複合体は、上記最大および最小値の任意の範囲、例えば、約1.60〜約1.95、またはさらには1.80〜約1.90の光対太陽利得比を有することができる。
【0064】
可視光反射率は、膜によって反射される合計の可視光の測定値である。可視光反射率は、ISO 9050に従って測定され得る。本開示の特定の利点は、特に、本明細書に記載されている他のパラメータと組み合わせて、本明細書に記載されかつ以下の実施例に示されている可視光反射率の値を得ることができるということである。本開示の特定の実施形態において、複合体は、少なくとも約0.5%、少なくとも約1%、またはさらには少なくとも約2%の可視光反射率を有することができる。さらに、複合体は、約12%以下、約10%以下、約8%以下、またはさらには約6%以下の可視光反射率を有することができる。また、複合体は、上記最大および最小値の任意の範囲、例えば、約0.5%〜約12%またはさらには約2%〜約6%の範囲の可視光反射率を有することができる。
【0065】
本開示は、当該分野の状況からの発展を示す。例えば、IR反射性膜である上記複合膜は、TSERおよびVLTの組み合わせの相乗的改良ならびにこれによる改良された選択率(光対太陽熱利得比(LSHGR)としても知られている)を実証することができる。本開示のある特定の実施形態において、本発明者らは、酸化ニオブベース誘電体層を酸化亜鉛ベース層などの金属酸化物層と組み合わせて組み込むことによって、膜複合体がTSERおよびVLTの相乗的増大を驚くべきことに示すということを驚くべきことに発見した。実用では酸化チタン誘電体を使用して高VLTを提供していたが、酸化チタンの使用はその堆積速度によって制限されるため、製造には、より多くのコストがかかった。さらに、酸化ニオブ単独の使用はTSERを改良するが、酸化チタンと比較してVLTを減少させる。理論によって拘束されることを望まないが、銀層の下に酸化亜鉛層を形成することで、銀層のより良好な結晶化を誘発し、結果として改良されたVLTを生じると考えられる。酸化ニオブ層と酸化亜鉛層との組み合わせがTSERを相乗的に改良しかつVLTを改良または維持することにより、達成可能であったよりも大幅に改良された選択率を生ずることが実現された。さらに、複合膜を形成するための全体としての回転速度が、複合膜の光学および太陽特性を犠牲にすることなく、高い堆積速度材料、例えば、酸化ニオブの使用によって改良され得ることが発見された。
【実施例】
【0066】
サンプルAは、図4に概要を示すように膜スタックを含有する。この膜スタックは、商品名SOLMOXでLX70として市販されており、SolarGard Corporationから得ることができる。
【0067】
サンプルBは、図5に概要を示すように同様の膜スタックを含有し、酸化チタン層が酸化ニオブ層で置き換えられているという点においてサンプルAの膜スタックと異なる。サンプルCは、図6に概要を示すように同様の膜スタックを含有し、酸化チタン層がAZO層で置き換えられているという点においてサンプルAの膜スタックと異なる。
【0068】
サンプルDは、図7に概要を示すように同様の膜スタックを含有し、二酸化チタン層が酸化ニオブ層およびAZO層を含む金属酸化物ベース複合層で置き換えられているという点においてサンプルAの膜スタックと異なる。
【0069】
サンプルEは、図8に概要を示すように同様の膜スタックを含有し、二酸化チタン層が酸化チタン層およびAZO層を含む金属酸化物ベース複合層で置き換えられているという点においてサンプルAの膜スタックと異なる。
【0070】
サンプルFは、図9に概要を示すような膜スタックを含有し、二酸化チタン層が酸化チタン層および酸化ニオブ層を含む金属酸化物ベース複合層で置き換えられているという点においてサンプルAの膜スタックと異なる。
【0071】
サンプルGは、図10に概要を示すような膜スタックを含有し、酸化チタン層および酸化ニオブ層の順序が交換されている点においてサンプルFの膜スタックと異なる。
【0072】
膜の各々について、酸化物材料用の回転式のセラミックターゲットを用いて、層をロールツーロール(R2R)マグネトロン堆積によって堆積する。TiOおよびNbの透明度を調整するために少量の酸素が必要である。
【0073】
次いで、サンプルを、太陽膜に関連する特性について試験し、結果を表1において以下に報告する。
【0074】
【表1】
【0075】
多くの異なる態様および実施形態が可能である。これらの態様および実施形態のいくつかを以下に記載する。当業者は、本明細書を読んだ後、これらの態様および実施形態が単に説明目的のみであり、本発明の範囲を限定しないことを認識する。実施形態は、以下に列挙する項のいずれか1つ以上によることができる。
【0076】
項1.酸化ニオブ層と、金属ベース層の均一性を改良するように適合された金属酸化物層とを含む金属酸化物ベース複合層を含む複合膜であって、複合膜が、銀ベース層を含み、複合膜が、少なくとも65%の可視光透過率を有する、複合膜。
【0077】
項2.金属酸化物ベース複合層を含む複合膜であって、金属酸化物ベース複合層が、異なる金属酸化物の少なくとも2つの異なった層を含む、複合膜。
【0078】
項3.
a.ポリマーを含む透明基材層と;
b.1つ以上の金属ベース層と;
c.1つ以上の銀ベース層と;
d.1つ以上の金属酸化物ベース複合層とを含む複合膜であって、
1つ以上の金属酸化物ベース複合層が、異なる金属酸化物の少なくとも2つの異なった層を含み;
複合膜が、少なくとも65%の可視光透過率を有する、複合膜。
【0079】
項4.2つ以下の銀ベース層を有し、55%超の太陽エネルギー除去率(TSER)および少なくとも70%の可視光透過率(VLT)を有する複合膜。
【0080】
項5.2つ以下の銀ベース層を有し、少なくとも1.6の光対太陽熱利得比を有する複合膜。
【0081】
項6.単一の回転式セラミックターゲットへのスパッタリング堆積速度が1.5nm.m.分−1.kW−1である金属酸化物ベース層を含み、少なくとも1.6の光対太陽熱利得比を有する、複合膜。
【0082】
項7.
a.基材層と;
b.少なくとも第1金属酸化物ベース層および第2金属酸化物ベース層を含む金属酸化物ベース複合層と
c.第2金属酸化物ベース層に隣接する金属ベース層と;
d.金属ベース層に隣接する銀ベース層と
を含む複合膜であって、第2金属酸化物ベース層が、格子定数aを有する金属酸化物を含み;金属ベース層が、格子定数aを有する金属を含み、または銀ベース層が、格子定数aを有する銀ベース化合物を含み;aおよびaが、以下の式:
([sqrt(2)/2])/a=x,
式中、xが0.65以上の値を示す;を満たす、複合膜。
【0083】
項8.複合膜を形成する方法であって:
a.ポリマーを含む透明基材層を付与することと;
b.1つ以上の金属酸化物ベース層をスパッタリングによって形成することと;
c.1つ以上の金属ベース層を形成することと;
d.1つ以上の銀ベース層を形成することと;
e.1つ以上の金属酸化物ベース層をスパッタリングによって形成することにおいて、堆積速度が、単一の回転式セラミックターゲットにおいて1.5nm.m.分−1.kW−1であることと
を含む方法。
【0084】
項9.ポリマーを含む透明基材層を含む、上記項のいずれか1項に記載の複合体または方法。
【0085】
項10.透明基材層が、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリエステル、三酢酸セルロース(TCAもしくはTAC)、ポリウレタン、またはこれらの組み合わせを含む、上記項のいずれか1項に記載の複合体または方法。
【0086】
項11.透明基材層が、ポリエチレンテレフタレート(PET)を含む、上記項のいずれか1項に記載の複合体または方法。
【0087】
項12.透明基材層が、少なくとも約0.1μm、少なくとも約1μm、もしくはさらには少なくとも約10μmの厚さ;約1000μm以下、約500μm以下、約100μm以下、もしくはさらには約50μm以下;または約0.1μm〜約1000μmの範囲、もしくはさらには約10μm〜約50μmの範囲の厚さを有する、上記項のいずれか1項に記載の複合体または方法。
【0088】
項13.透明対基材をさらに含む、上記項のいずれか1項に記載の複合体または方法。
【0089】
項14.複合体の最外層として対基材をさらに含み、これにより、少なくとも1つ以上の銀ベース層、1つ以上の金属酸化物ベース層、および1つ以上の銀ベース層が、基材層と対基材層との間に挟持されるようになっている、上記項のいずれか1項に記載の複合体または方法。
【0090】
項15.透明対基材層が、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリエステル、三酢酸セルロース(TCAもしくはTAC)、ポリウレタン、またはこれらの組み合わせを含む、上記項のいずれか1項に記載の複合体または方法。
【0091】
項16.透明対基材層が、ポリエチレンテレフタレート(PET)を含む、上記項のいずれか1項に記載の複合体または方法。
【0092】
項17.透明基材層が、少なくとも約0.1μm、少なくとも約1μm、もしくはさらには少なくとも約10μmの厚さ;約1000μm以下、約500μm以下、約100μm以下、もしくはさらには約50μm以下の厚さ;または約0.1μm〜約1000μmの範囲、もしくはさらには約10μm〜約50μmの範囲の厚さを有する、上記項のいずれか1項に記載の複合体または方法。
【0093】
項18.複合体が、1つ以上の金属ベース層を含む、上記項のいずれか1項に記載の複合体または方法。
【0094】
項19.複合体が、第1金属ベース層および第2金属ベース層を含み、第1金属ベース層および第2金属ベース層が、1つ以上の銀ベース層の1つと直接接触している、上記項のいずれか1項に記載の複合体または方法。
【0095】
項20.複合体が、第1銀ベース層、第2銀ベース層、第3金属ベース層および第4金属ベース層を含み、第3金属ベース層および第4金属ベース層が、第2銀ベース層と直接接触している、上記項のいずれか1項に記載の複合体または方法。
【0096】
項21.1つ以上の金属ベース層が、金属から本質的になる、上記項のいずれか1項に記載の複合体または方法。
【0097】
項22.1つ以上の金属ベース層が、本質的に純粋な金属または金属合金を含む、上記項のいずれか1項に記載の複合体または方法。
【0098】
項23.1つ以上の金属ベース層が、金、チタン、アルミニウム、白金、パラジウム、銅、インジウム、亜鉛およびこれらの組み合わせからなる群から選択される金属を含む、上記項のいずれか1項に記載の複合体または方法。
【0099】
項24.1つ以上の金属ベース層が、少なくとも約0.1nmの厚さを有し;金属を含む層が、約50nm以下、約5nm以下、約2nm以下、もしくはさらには約1nm以下の厚さを有し;または、金属を含む層が、約0.1nm〜約50nmの範囲、もしくはさらには約0.1nm〜約2nmの範囲の厚さを有する、上記項のいずれか1項に記載の複合体または方法。
【0100】
項25.複合体が、1つ以上の銀ベース層を含む、上記項のいずれか1項に記載の複合体または方法。
【0101】
項26.1つ以上の銀ベース層が、第1銀ベース層および第2銀ベース層を含む、上記項のいずれか1項に記載の複合体または方法。
【0102】
項27.1つ以上の銀ベース層が、第1銀ベース層および第2銀ベース層からなる、上記項のいずれか1項に記載の複合体または方法。
【0103】
項28.1つ以上の銀ベース層が、2つの別々の異なる銀ベース層からなる、上記項のいずれか1項に記載の複合体または方法。
【0104】
項29.1つ以上の銀ベース層が、銀から本質的になる、上記項のいずれか1項に記載の複合体または方法。
【0105】
項30.もう1つの銀ベース層が、少なくとも約0.5nm、もしくはさらには少なくとも約1nmの厚さ;約100nm以下、約50nm以下、約25nm以下、もしくはさらには約20nm以下の厚さ;または約0.5nm〜約100nmの範囲、もしくはさらには約1nm〜約20nmの範囲の厚さを有する、上記項のいずれか1項に記載の複合体または方法。
【0106】
項31.もう1つの銀ベース層の全ての組み合わせ厚さが、少なくとも約0.1nm、少なくとも約1nm、もしくはさらには少なくとも約2nmであり;約200nm以下、約100nm以下、約50nm以下、もしくはさらには約40nm以下、約30nm以下、もしくはさらには約25nm以下の厚さであり;または約0.1nm〜約100nmの範囲、もしくはさらには約2nm〜約25nmの範囲の厚さである、上記項のいずれか1項に記載の複合体または方法。
【0107】
項32.複合体が、1つ以上の金属酸化物ベース複合層を含む、上記項のいずれか1項に記載の複合体または方法。
【0108】
項33.金属酸化物ベース複合層が、異なる金属酸化物の少なくとも2つの異なった層を含む、上記項のいずれか1項に記載の複合膜または方法。
【0109】
項34.金属酸化物ベース複合層が、異なる金属酸化物の少なくとも3つの異なった層を含む、上記項のいずれか1項に記載の複合膜または方法。
【0110】
項35.1つ以上の金属酸化物ベース複合層の少なくとも1つが、金属ベース層と直接接触している、上記項のいずれか1項に記載の複合体または方法。
【0111】
項36.1つ以上の金属酸化物ベース層の少なくとも1つが、基材層と直接接触している、上記項のいずれか1項に記載の複合体または方法。
【0112】
項37.複合体が、第1金属酸化物ベース複合層および第2金属酸化物ベース複合層を含む、上記項のいずれか1項に記載の複合体または方法。
【0113】
項38.複合体が、第1金属酸化物ベース複合層、第2金属酸化物ベース複合層、および第3金属酸化物ベース複合層を含む、上記項のいずれか1項に記載の複合体または方法。
【0114】
項39.もう1つの金属酸化物ベース複合層が、酸化アルミニウム、酸化チタン、BiO、PbO、酸化ニオブ、酸化亜鉛、酸化マンガン、酸化モリブデン、またはこれらの組み合わせを含む金属酸化物ベース層を含む、上記項のいずれか1項に記載の複合体または方法。
【0115】
項40.もう1つの金属酸化物ベース複合層が、酸化ニオブを含む金属酸化物層を含む、上記項のいずれか1項に記載の複合体または方法。
【0116】
項41.もう1つの金属酸化物ベース複合層が、酸化亜鉛を含む金属酸化物層を含む、上記項のいずれか1項に記載の複合体または方法。
【0117】
項42.複合体が、AZOを含む1つ以上の酸化亜鉛ベース層を含む、上記項のいずれか1項に記載の複合体または方法。
【0118】
項43.もう1つの金属酸化物ベース複合層が、同じ金属酸化物ベース複合層に酸化ニオブを含む金属酸化物層および酸化亜鉛を含む金属酸化物層を含む、上記項のいずれか1項に記載の複合体または方法。
【0119】
項44.もう1つの金属酸化物ベース複合層が、同じ金属酸化物ベース複合層に酸化チタンを含む金属酸化物層および酸化亜鉛を含む金属酸化物層を含む、上記項のいずれか1項に記載の複合体または方法。
【0120】
項45.もう1つの金属酸化物ベース複合層が、同じ金属酸化物ベース複合層に酸化ニオブを含む金属酸化物層および酸化チタンを含む金属酸化物層を含む、上記項のいずれか1項に記載の複合体または方法。
【0121】
項46.もう1つの金属酸化物ベース複合層が、同じ金属酸化物ベース複合層に酸化ニオブを含む金属酸化物層および酸化チタンを含む金属酸化物層を含み、酸化チタン層の厚さが、同じ金属酸化物ベース複合層における酸化ニオブ層の厚さよりも小さい、上記項のいずれか1項に記載の複合体または方法。
【0122】
項47.もう1つの金属酸化物ベース複合層が、同じ金属酸化物ベース複合層に酸化亜鉛を含む金属酸化物層および酸化チタンまたは酸化ニオブを含む金属酸化物層を含み、酸化亜鉛層の厚さが、同じ金属酸化物ベース複合層における酸化ニオブまたは酸化チタン層の厚さより小さい、上記項のいずれか1項に記載の複合体または方法。
【0123】
項48.1つ以上の金属酸化物ベース複合層が、少なくとも約0.5nm、少なくとも約1nm、少なくとも約2nm、もしくはさらには少なくとも約20nmの厚さ;約100nm以下、約50nm以下、約20nm以下、もしくはさらには約10nm以下の厚さ;または約0.5nm〜約100nmの範囲、約2〜50nmの範囲、もしくはさらには約20〜100nmの範囲の厚さを有する、上記項のいずれか1項に記載の複合体または方法。
【0124】
項49.複合体が、銀ベース層ごとに酸化亜鉛ベース層を含む、上記項のいずれか1項に記載の複合体または方法。
【0125】
項50.複合体が、2つ以下の酸化亜鉛ベース層を含む、上記項のいずれか1項に記載の複合体または方法。
【0126】
項51.複合体が、金属ベース層に隣接して設けられている1つ以上の酸化亜鉛ベース層を含む、上記項のいずれか1項に記載の複合体または方法。
【0127】
項52.複合体が、基材層に隣接して設けられた酸化チタンベース層を含む、上記項のいずれか1項に記載の複合体または方法。
【0128】
項53.複合体が、金属ベース層に隣接して設けられている酸化チタンベース層を含む、上記項のいずれか1項に記載の複合体または方法。
【0129】
項54.複合体が、少なくとも0.1nm、少なくとも0.5nm、もしくは少なくとも1nmの厚さ;100nm以下、50nm以下、20nm以下、もしくはさらには10nm以下の厚さ;または0.1nm〜100nm、0.5nm〜50nm、もしくはさらには1nm〜10nmの範囲の厚さを有する1つ以上の酸化亜鉛ベース層を含む、上記項のいずれか1項に記載の複合体または方法。
【0130】
項55.複合体が、少なくとも約60%、少なくとも約65%、またはさらには少なくとも約70%の可視光透過率を有する、上記項のいずれか1項に記載の複合体または方法。
【0131】
項56.複合体が、100%以下、95%以下、またはさらには90%以下の可視光透過率を有する、上記項のいずれか1項に記載の複合体または方法。
【0132】
項57.複合体の太陽エネルギー除去率が、少なくとも50%、少なくとも約52%、少なくとも約55%、約55%超、少なくとも約56%、少なくとも約57%、少なくとも約58%、少なくとも約59%、またはさらには少なくとも約60%である、上記項のいずれか1項に記載の複合体または方法。
【0133】
項58.複合体の太陽エネルギー除去率が、90%以下、80%以下、またはさらには70%以下である、上記項のいずれか1項に記載の複合体または方法。
【0134】
項59.複合体が、少なくとも約1.60、約1.60超、少なくとも約1.61、少なくとも約1.62、少なくとも約1.63、少なくとも約1.64、少なくとも約1.65、少なくとも約1.66、少なくとも約1.67、少なくとも約1.68、少なくとも約1.69、またはさらには少なくとも約1.70の光対太陽利得比を有する、上記項のいずれか1項に記載の複合体または方法。
【0135】
項60.複合体が、1.95以下、1.92以下、またはさらには1.90以下の光対太陽利得比を有する、上記項のいずれか1項に記載の複合体または方法。
【0136】
項61.複合体が、少なくとも0.5%、少なくとも1%、またはさらには少なくとも2%の可視光反射率を有する、上記項のいずれか1項に記載の複合体または方法。
【0137】
項62.複合体が、12%以下、10%以下、8%以下、またはさらには6%以下の可視光反射率を有する、上記項のいずれか1項に記載の複合体または方法。
【0138】
項63.複合体が、少なくとも第1金属酸化物ベース層および第2金属酸化物ベース層を含む金属酸化物ベース複合層を含み、複合体が、第2金属酸化物ベース層に隣接する金属層をさらに含み、第2金属酸化物ベース層が、格子定数aを有する金属酸化物を含み;金属ベース層が、格子定数aを有する金属を含み、または銀ベース層が、格子定数aを有する銀ベース化合物を含み;aおよびaが、以下の式:
([sqrt(2)/2])/a=x,
式中、xが、0.70以上、0.75以上、0.80以上、0.82以上、0.84以上、または0.86以上の値を示す;を満たす、上記項のいずれかに記載の複合体または方法。
【0139】
項64.複合体が、少なくとも第1金属酸化物ベース層および第2金属酸化物ベース層を含む金属酸化物ベース複合層を含み、複合体が、第2金属酸化物ベース層に隣接する金属層をさらに含み、第2金属酸化物ベース層が、格子定数aを有する金属酸化物を含み;金属ベース層が、格子定数aを有する金属を含み、または銀ベース層が、格子定数aを有する銀ベース化合物を含み;aおよびaが、以下の式:
([sqrt(2)/2])/a=x,
式中、xが、1.5以下、1.4以下、1.3以下、1.2以下、1.1以下、または1.0以下の値を示す;を満たす、上記項のいずれかに記載の複合体または方法。
【0140】
項65.複合体が、少なくとも第1金属酸化物ベース層および第2金属酸化物ベース層を含む金属酸化物ベース複合層を含み、複合体が、第2金属酸化物ベース層に隣接する金属層をさらに含み、第2金属酸化物ベース層が、格子定数aを有する金属酸化物を含み;金属ベース層が、格子定数aを有する金属を含み、または銀ベース層が、格子定数aを有する銀ベース化合物を含み;aおよびaが、以下の式:
([sqrt(2)/2])/a=x,
式中、xが、0.75〜1.4、0.84〜1.2、または0.86〜1.0の範囲の値を示す;を満たす、上記項のいずれかに記載の複合体または方法。
【0141】
項66.複合体が、少なくとも第1金属酸化物ベース層および第2金属酸化物ベース層を含む金属酸化物ベース複合層を含み、複合体が、第2金属酸化物ベース層に隣接する金属層をさらに含み、第2金属酸化物ベース層が、本質的に酸化チタン不含である、上記項のいずれかに記載の複合体または方法。
【0142】
項67.1つ以上の金属ベース層、1つ以上の銀ベース層、および/または1つ以上の金属酸化物ベース層を形成することが、スパッタリングプロセスを含む、上記項のいずれか1項に記載の方法。
【0143】
項68.1つ以上の金属酸化物ベース層を形成することが、スパッタリングプロセスを含み、少なくとも1つの金属酸化物ベース層が、単一の回転式セラミックターゲットにおいて1.5nm.m.分−1.kW−1超の堆積速度で形成される、上記項のいずれか1項に記載の方法。
【0144】
項69.1つ以上の金属酸化物ベース層を形成することが、スパッタリングプロセスを含み、少なくとも1つの金属酸化物ベース層が、単一の回転式セラミックターゲットにおいて3nm.m.分−1.kW−1超の堆積速度で形成される、上記項のいずれか1項に記載の方法。
【0145】
項70.1つ以上の金属酸化物ベース層を形成することが、スパッタリングプロセスを含み、少なくとも1つの金属酸化物ベース層が、単一の回転式セラミックターゲットにおいて1.5nm.m.分−1.kW−1〜10nm.m.分−1.kW−1の範囲の堆積速度で形成される、上記項のいずれか1項に記載の方法。
【0146】
項71.複合体が、自立しており、複合体が、透明材料に接着されるように適合されている、上記項のいずれか1項に記載の複合体または方法。
【0147】
項72.透明パネルと、透明パネルに接着された上記項のいずれか1項に記載の複合体とを含む窓。
【0148】
項73.透明パネルと、透明パネルに接着された上記項のいずれか1項に記載の複合体とを含む建築部材または自動車部材。
【0149】
詳細な説明全体または例における上記のアクティビティの全てが必要とされるわけではないこと、特定のアクティビティの一部が必要とされない場合があること、および1つ以上のさらなるアクティビティが上記に加えて実施されてよいことに注意されたい。さらにまた、アクティビティが列挙されている順序は、必ずしもこれらが実施される順序ではない。
【0150】
課題に対する利益、他の利点および解決手段が、具体的な実施形態に関して上記に記載されている。しかし、かかる課題に対する利益、他の利点および解決手段、ならびに任意の利益、利点または解決手段を生じさせ得またはより顕著にし得る任意の特徴は、任意または全ての特許請求の範囲の、厳密な、必要とされる、または必須の特徴であると解釈されてはならない。
【0151】
本明細書に記載されている実施形態の詳述および図示は、種々の実施形態の構造の全体的な理解を提供することが意図されている。かかる詳述および図示は、本明細書に記載されている構造または方法を使用する装置およびシステムの要素の全ての包括的かつ総合的な記載として機能することは意図されていない。別々の実施形態が、単一の実施形態において組み合わされて提供されてもよく、反対に、簡潔のために単一の実施形態の文脈で記載されている種々の特徴が、別々にまたは任意のサブ組み合わせにおいて提供されてもよい。さらに、範囲で記述されている値への言及は、当該範囲内のありとあらゆる値を含んでいる。多くの他の実施形態は、本明細書を読んだ後にのみ当業者に明らかとなり得る。他の実施形態が本開示から使用および誘導されてよく、これにより、本開示の範囲から逸脱することなく構造的置換、論理的置換、または別の変更がなされ得ることとなる。したがって、本開示は、制限的であるよりもむしろ例示的であるとみなされる。
図1
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