(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1トランスデューサスタック及び前記第2トランスデューサスタックはそれぞれ、前記撮像コアの長手方向軸に平行な方向で測定された等しい幅を有する請求項3のシステム。
前記第1トランスデューサアレイ及び前記第2トランスデューサアレイはそれぞれ、前記撮像コアの長手方向軸に平行な方向で測定された等しい幅を有する請求項8のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、心エコーシステム及びカテーテルのハイレベルブロック図を示す。前記システムは、撮像エンジン3100と、患者用インタフェースモジュール(PIM)2000とを含む。撮像エンジン3100は、前記システムの中心的な構成要素であり、すべての画像生成、表示及びシステム構成要素の制御を実行する。撮像エンジン3100は、汎用処理ユニット3110、デジタル信号処理(DSP)モジュール3120及びPIMインタフェースモジュール3130から成る。PIM2000は、心エコーカテーテル1000と機械的及び電気的に連通している。
【0019】
カテーテルは、近位端及び遠位端を有する柔軟な管状体から成る一般的な医療器具である。本発明の実施例に従って構成されたカテーテルは、近位端を有する外方チューブと、該外方チューブ内に滑動可能に受け入れられ、前記外方チューブから遠位へ延在する内方シースと、前記外方チューブの前記近位端から前記内方シースに該内方シース内を伸長する回転軸(又は駆動ケーブル)とを含むことができる。前記回転軸は、前記外方チューブに関して軸方向に固定されており、前記内方シースに関して該内方シース内を軸方向に可動である。入れ子式部分を含むそのようなカテーテルの近位部の実施例は、例えば、米国特許出願番号第12/336,441明細書に詳細に開示されており、参照によってその全体が本明細書に含まれる。
【0020】
図2は、超音波撮像コア11が配置される撮像ルーメン5を有する遠位シャフト3から成るカテーテルの遠位部を示す。前記遠位部は、一般的にポリエチレン又はナイロンなどの熱可塑性物質の押し出し成形によって形成される。前記遠位シャフトは、また熱可塑性物質の多層で形成することができる。前記遠位部は、さらに、隔壁15と、組織を傷つけない遠位先端17と、隔壁穿刺ポート19とを含む。隔壁15は、室温硬化型(RTV)シリコーンなどのポリマー材料で作ることができる。超音波を透過する無菌食塩水などの流体で遠位シースルーメン5を満たすために、注射針(図示せず)が、隔壁穿刺ポート19を通って挿入され、隔壁15を突き刺す。前記注射針が引き抜かれると、隔壁15は自己封止する。自己封止の隔壁の使用は、超音波撮像コア11が前記近位端に向けて並進するとき、前記遠位シース内への血液や空気などの流体の引き込みを防止する。
【0021】
超音波撮像コア11は、遠位ハウジング組立体101に取り付けられた駆動ケーブル91を含む。遠位ハウジング組立体101は、遠位ハウジング111、トランスデューサ121及び伝送線131を含む。そのような遠位ハウジング111は、またトランスデューサスタック121の面を横切る流体の流れを促進する遠位開口113を含む。前記遠位ハウジングは、米国特許出願第12/330,308明細書に詳細に開示されており、ここに参照によってその全体が本明細書に含まれる。
【0022】
遠位シャフト3は、少なくとも1つの層を有する細長い管から成る。前記遠位シャフトは、先細りにするか、又は直線状とすることができる。例えば、前記遠位シャフトは、心内経食道のカテーテルのために、0.080インチから0.350インチ(約2.03mm〜約8.89mm)の範囲の外径を有する直管とすることができる。前記外径は、心臓カテーテルのためには、より一般的に10Fr(0.131インチ)あるいはそれより小さいかもしれない。外径が8Fr(0.105インチ)以下の心臓カテーテルは、右心房からよりもAFアブレーション誘導に結像性能が良い場合がある左心房への経中隔ルート経由で送る方がよい。前記外径は、より一般的には、経鼻で送ることができる経食道カテーテルのために12Fr(0.158インチ)と、25Fr(0.328インチ)との間にあるかもしれない。
【0023】
駆動ケーブル91は、一般的に少なくとも1つの単一又は多数の糸状ステンレス鋼又は同様な材料で、外形が一般的に0.10mmから3.50mmの範囲の丸、四角あるいは平らなワイヤを含む。正確な位置決めを確実にするために、加速中の駆動ケーブル91の伸び縮みは、最小化されなければならない。駆動ケーブル91は、また超音波撮像コア11の不均一な回転を最小化するべきである。
【0024】
トランスデューサスタック121は、5MHzから60MHz、心内経食道撮像のためには一般的に5MHzから20MHzの間の周波数範囲で動作する。トランスデューサスタック121は、少なくとも圧電層を含む。トランスデューサスタック121は、さらに、一般的に、伝導層、少なくとも1つのマッチング層及びバッキング層を含む。撮像カテーテルのためのトランスデューサスタックは、当業者によく知られている。8Fr(フレンチ)の寸法のカテーテルのための典型的なトランスデューサは、約1.6mm×2.4mmの開口を有し、1cmと4cmとの間、一般的には2cmと3cmとの間に焦点距離を有する。トランスデューサの合焦方法は、トランスデューサ製造の当業者によく知られている。伝送線131は、前記患者用インタフェースモジュールに収納されたトランシーバ電子機器に、トランスデューサスタック121を電気的に接続する。
【0025】
次に
図3から6を参照するに、経食道心エコーカテーテルの遠位部のいくつかの実施例が図示されている。
図3は、バルーンエンベロープ70、膨張ルーメン60、膨張ポート62及び超音波撮像コア10を含むカテーテルの遠位部の実施例の側面図を示す。超音波撮像コア10は駆動ケーブル90及び遠位ハウジング組立体100を含み、該遠位ハウジング組立体は、また、遠位ハウジング110、トランスデューサスタック120及び伝送線130を含む。遠位ハウジング110は、また、前記トランスデューサスタックの面を横切る流体の流れを促進する遠位開口112を含む。トランスデューサスタック120は、焦点を合わせ、あるいは焦点が合っていないようにすることができる。15Fr(フレンチ)の寸法のカテーテルのための典型的なトランスデューサは、最大約4.2mmの円形のアパーチャーを有し、1cmと4cmとの間、一般的には2cmと3cmとの間に焦点距離を有する。トランスデューサの合焦方法は、トランスデューサ製造の当業者によく知られている。
【0026】
前記バルーン撮像カテーテルの前記遠位部は、また、シース2、遠位シースルーメン4、隔壁15、組織を傷つけない遠位先端16及び隔壁穿刺ポート18を含む。隔壁15は、室温硬化型(RTV)シリコーンなどのポリマー材料で作ることができる。使用に際し、超音波を透過する無菌食塩水などの流体で遠位シースルーメン4を満たすために、注射針(図示せず)が、隔壁穿刺ポート18を通って挿入され、隔壁15を突き刺す。前記注射針が引き抜かれると、隔壁15は自己封止する。自己封止の隔壁の使用は、超音波撮像コア10が前記近位端に向けて並進するとき、前記遠位シース内への空気などの流体の引き込みを防止する。
【0027】
前記バルーンカテーテルは、一般的に15Frであるか、それより小さく、経鼻ルートで食道へアクセスされるように十分に小さい。バルーンエンベロープ70は、ポリエチレン/EVAなどの柔軟なポリマーブレンドで形成することができ、前記遠位カテーテルシースの、前記膨張ポートの近位及び遠位の部分に、一般的に、接合又は溶融によって取り付けられている。前記バルーン組合せ体は、長さが2cmから10cmとすることができ、一般的に6cmである。バルーンエンベロープ70は、超音波を透過する無菌食塩水など流体を使って膨らませることができる。前記バルーンは、最大4cm、一般的には2cmと3cmとの間の直径に膨らませることができる。膨らんだ前記バルーンは、食道壁及び心臓構造の撮像を容易にする。
【0028】
次に
図4を参照するに、経食道心エコー検査カテーテルの遠位部の代替実施例の側面図が示されている。前記遠位部は、バルーンエンベロープ70、膨張ルーメン60、膨張ポート62、収縮ルーメン61、収縮ポート63及び超音波撮像コア10を含む。超音波撮像コア10は駆動ケーブル90及び遠位ハウジング組立体100を含み、該遠位ハウジング組立体はさらに、遠位ハウジング110、トランスデューサスタック120及び伝送線130を含む。遠位ハウジング110は、また前記トランスデューサスタックの面を横切る流体の流れを促進する遠位開口112を含む。トランスデューサスタック120は、焦点を合わせ、あるいは焦点が合っていないようにすることができる。15Fr(フレンチ)の寸法のカテーテルのための典型的なトランスデューサは、最大約4.2mmの円形のアパーチャーを有し、1cmと4cmとの間、一般的には2cmと3cmとの間に焦点距離を有する。トランスデューサの合焦方法は、トランスデューサ製造の当業者によく知られている。
【0029】
前記バルーン撮像カテーテルの前記遠位部はさらに、シース2、遠位シースルーメン4、隔壁15、組織を傷つけない遠位先端16及び隔壁穿刺ポート18を含む。隔壁15は、室温硬化型(RTV)シリコーンなどのポリマー材料で作ることができる。超音波を透過する無菌食塩水などの流体で遠位シースルーメン4を満たすために、注射針(図示せず)が、隔壁穿刺ポート18を通って挿入され、隔壁15を突き刺す。前記注射針が引き抜かれると、隔壁15は自己封止する。自己回復作用の隔壁の使用は、超音波撮像コア10が前記近位端に向けて並進するとき、前記遠位シース内への空気などの流体の引き込みを防止する。
【0030】
前記バルーンカテーテルは、一般的に15Frであるか、それより小さく、経鼻ルートで食道へアクセスされるように十分に小さい。バルーンエンベロープ70は、ポリエチレン/EVAなどの柔軟なポリマーブレンドで形成されており、前記遠位カテーテルシースの、前記膨張ポート62の近位及び遠位の部分に、一般的に、接合又は溶融によって取り付けられている。前記バルーン組合せ体は、長さが2cmから10cmとすることができ、一般的に6cmである。バルーンエンベロープ70は、超音波を透過する無菌食塩水など流体を使って膨らませることができる。前記バルーンは、最大4cm、一般的には2cmと3cmとの間の直径に膨らませることができる。膨らんだ前記バルーンは、食道壁及び心臓構造の撮像を容易にする。敏活な膨張/収縮の繰り返しは、無菌食塩水の循環を可能にする。循環する前記塩水は、潜在的に、食道壁で熱を取り除き、心房食道瘻の形成を防止するのに使用することができる。
【0031】
次に
図5を参照するに、経食道心エコー検査カテーテルの遠位部の他の実施例の側面図が示されている。前記遠位部は、バルーンエンベロープ70、膨張ルーメン60、膨張ポート62及び超音波撮像コア10を含む。超音波撮像コア10は駆動ケーブル90及び遠位ハウジング組立体100を含み、該遠位ハウジング組立体は、また遠位ハウジング110、トランスデューサスタック120及び伝送線130を含む。遠位ハウジング110は、また前記トランスデューサスタックの面を横切る流体の流れを促進する遠位開口112を含む。トランスデューサスタック120は、焦点を合わせ、あるいは焦点が合っていないようにすることができる。15Fr(フレンチ)の寸法のカテーテルのための典型的なトランスデューサは、最大約4.2mmの円形のアパーチャーを有し、1cmと4cmとの間、一般的には2cmと3cmとの間に焦点距離を有する。トランスデューサの合焦方法は、トランスデューサ製造の当業者によく知られている。
【0032】
前記バルーン撮像カテーテルの前記遠位部はさらに、シース2、遠位シースルーメン4、隔壁15、組織を傷つけない遠位先端16及び隔壁穿刺ポート18を含む。隔壁15は、室温硬化型(RTV)シリコーンなどのポリマー材料で作ることができる。超音波を透過する無菌食塩水などの流体で遠位シースルーメン4を満たすために、注射針(図示せず)が、隔壁穿刺ポート18を通って挿入され、隔壁15を突き刺す。前記注射針が引き抜かれると、隔壁15は自己封止する。自己封止の隔壁の使用は、超音波撮像コア10が前記近位端に向けて並進するとき、前記遠位シース内への空気などの流体の引き込みを防止する。
【0033】
前記バルーンカテーテルは、一般的に15Frであるか、それより小さく、経鼻ルートで食道へアクセスされるように十分に小さい。バルーンエンベロープ70は、ポリエチレン/EVAなどの柔軟なポリマーブレンドで形成することができ、前記遠位カテーテルシースの、前記膨張ポートの近位及び遠位の部分に、一般的に、接合又は溶融によって取り付けられている。前記バルーン組合せ体は、長さが2cmから10cmとすることができ、一般的に6cmである。バルーンエンベロープ70は、超音波を透過する無菌食塩水など流体を使って膨らませることができる。前記バルーンは、最大4cm、一般的には2cmと3cmとの間の直径に膨らませることができる。膨らんだ前記バルーンは、食道壁及び心臓構造の撮像を容易にする。遠位シースルーメン4と前記バルーンエンベロープの内面との間の流体交換ポート64、66、68は、超音波撮像コア10の進行及び後退に伴い、超音波を透過する流体の交換を可能にする。前記流体交換ポートは、超音波撮像コア10が遠位シース2の範囲内で後退するとき、負圧ポテンシャルの発生を有効に防止する液溜めを提供する。
【0034】
次に
図6を参照するに、経食道心エコー検査カテーテルの遠位部のさらに他の実施例の側面図が示されている。前記遠位部は、バルーンエンベロープ72、膨張ルーメン60、膨張ポート62及び超音波撮像コア10を含む。超音波撮像コア10は駆動ケーブル90及び遠位ハウジング組立体100を含み、該遠位ハウジング組立体はさらに、遠位ハウジング110、トランスデューサスタック120及び伝送線130を含む。遠位ハウジング110はさらに、前記トランスデューサスタックの面を横切る流体の流れを促進する遠位開口112を含む。トランスデューサスタック120に焦点を合わせることも、あるいは焦点を合わせないこともできる。15Fr(フレンチ)の寸法のカテーテルのための典型的なトランスデューサは、最大約4.2mmの円形のアパーチャーを有し、1cmと4cmとの間、一般的には2cmと3cmとの間に焦点距離を有する。トランスデューサの合焦方法は、トランスデューサ製造の当業者によく知られている。
【0035】
前記バルーン撮像カテーテルの前記遠位部はさらに、シース2、遠位シースルーメン4、隔壁15、組織を傷つけない遠位先端16及び隔壁穿刺ポート18を含む。隔壁15は、室温硬化型(RTV)シリコーンなどのポリマー材料で作ることができる。超音波を透過する無菌食塩水などの流体で遠位シースルーメン4を満たすために、注射針(図示せず)が、隔壁穿刺ポート18を通って挿入され、隔壁15を突き刺す。前記注射針が引き抜かれると、隔壁15は自己封止する。自己封止の隔壁の使用は、超音波撮像コア10が前記近位端に向けて並進するとき、前記遠位シース内への空気などの流体の引き込みを防止する。
【0036】
遠位シース2は、超音波ゲル伝達媒質などの超音波伝達媒質を使用して食道壁につながれる(coupled)。前記カテーテルは、食道壁に関する適所位置に前記バルーンの膨張によって保持される。前記バルーンは、一般的に、前記カテーテルの心臓から遠位側に拡大する。前記バルーンカテーテルは、一般的に15Frであるか、それより小さく、経鼻ルートで食道へアクセスされるように十分に小さい。バルーンエンベロープ72は、ポリエチレン/EVAなどの柔軟なポリマーブレンドで形成することができ、前記遠位カテーテルシースの、前記膨張ポート62の近位及び遠位の部分に、一般的に、接合又は溶融によって取り付けられている。前記バルーン組合せ体は、長さが2cmから10cmとすることができ、一般的に6cmである。バルーンエンベロープ72は、放射線不透過性の造影剤、無菌食塩水又はその混合物などの流体を使って膨らませることができる。膨らんだ前記バルーンは前記撮像コア及び食道壁より後にあるので、前記流体は超音波を透過する必要はない。膨らんだ前記バルーンは食道壁と心臓の構造との撮像を容易にする。
【0037】
次に
図7から9を参照するに、前記患者用インタフェースモジュールのいくつかの実施例が示されている。前記患者用インタフェースモジュールは、前記カテーテル及び前記撮像エンジン間の電気−機械インタフェースである。前記患者用インタフェースモジュールは、超音波発生器、受け入れ器及びスキャンニング機構を含む。
図7は、患者用インタフェースモジュール2000の一実施例の側面図を示す。患者用インタフェースモジュール2000は、前記撮像カテーテルの超音波撮像コア(図示せず)と機械的及び電気的に連通している。患者用インタフェースモジュール2000は、前記超音波撮像コアの直線並進及び回転のための手段を含む。前記カテーテルの入れ子式部分の前記近位端は、アンカーマウント2032に取り付けられる。回転装置2602は、機械的及び電気的に前記カテーテル撮像コアの前記近位端に結合し、該カテーテル撮像コアの回転及び直線並進の双方を可能にする。
【0038】
患者用インタフェースモジュール2000は、さらに、電力回路基板2100、トランシーバ(XCVR)回路基板2200、動作制御(M/C)モジュール2300及び直線位置感知アレイ2420を含む。電力回路基板2100は、トランシーバ回路基板2200、動作制御モジュール2300及び直線位置感知アレイ2420と電気通信する(図示せず)。
【0039】
動作制御モジュール2300は、直線圧電モータ2402、直線位置感知アレイ2420、回転モータ2502及び回転エンコーダリーダ2516と電気通信(2302、2304、2306、2308)された電子機器を含む。動作制御モジュール2300は、さらに、前記撮像エンジン(図示せず)と電気通信(2310、3050)されており、位置情報を提供する。動作制御モジュール2300は、さらに、前記患者用インタフェースモジュールの外面に配置される一組の患者用インタフェースモジュール運転制御ボタン(図示せず)と電気通信することができる。
【0040】
前記直線圧電モータは、モータハウジング2402、ロッド2406及び板ばね2408、2410を含む。圧電モータの利点は、低質量、急な加速及び減速、双方向の並進(又は循環運動)及び高速度(最高450mm/秒)にある。圧電モータハウジング2402、並進ステージ2490、回転モータ2502及び取付けブロック2510は剛的に固定される。圧電モータハウジング2402と並進ステージ2490などの剛的に固定された構成要素とは、ロッド2406に沿って動く。
【0041】
回転モータ2502は、第1及び第2の歯車2506、2508に機械的に結合される。代替的に、回転モータ2502は、第1及び第2のプーリに機械的に結合することができる。回転モータ2502は、前記超音波撮像コアの連続回転を可能にする。回転モータは、少なくとも8000回/分(RPM)まで動作する。第2の歯車2508は、駆動軸2604に固定的に取付けられている。前記駆動軸は、また回転装置2602を含む。
【0042】
駆動軸2604は取付けブロック2510内に収納されている。前記取付けブロックは、アルミニウム又はチタンなどの軽量材料で機械加工するか、鋳造することができ、さらに電気的遮蔽を提供することができる。また、エンコーダホイール2514は、駆動軸2604に固定的に取り付けられており、その結果、エンコーダリーダ2516がエンコーダホイール2514の位置を読むことができる。エンコーダホイール2514及びエンコーダリーダ2516は、駆動軸2604の回転位置の追跡を可能にする。
【0043】
前記直線位置感知装置は、異方性磁気抵抗(AMR)センサー2422〜2450のアレイ2420と、永久磁石2404とを含む。永久磁石2404は、圧電モータハウジング2402に固定的に取り付けられている。アレイ2420は、正確かつ精密な永久磁石2404の位置感知を可能にする。前記カテーテル撮像コアが圧電モータハウジング2402及び永久磁石2404に機械的に結合されるので、前記カテーテル撮像コアの遠位ハウジング及びトランスデューサスタックの相対的な軸方向位置を決めることができる。前記AMRセンサーは、磁石の移動範囲に沿って周期的にかつ該磁石からずれて置かれている。前記AMRセンサーの間隔は8mmにまですることができる。前記AMRセンサーは、位置感知の移動範囲を拡張するために追加することができる。前記センサーの前記永久磁石との離隔距離は、該永久磁石の磁極面での電界の強さに依存する。前記離隔距離は、セラミック及びアルニコの磁石については最高0.25インチ(約6ミリメートル)まで、またネオジムタイプなどの希土類磁石については最高0.5インチ(約13ミリメートル)とすることができる。位置解像度は、8mmのAMRセンサー間隔では1%よりも良好な精度で約0.002インチ(50μm)である。解像度及び精度は、センサー間隔を小さくすることによって改善することができる。
【0044】
トランシーバ回路基板2200は、超音波信号の送受信のためのアナログ電子機器を含む。トランシーバ回路基板2200は、前記撮像エンジン(図示せず)と電気通信(2022、3050)する。さらに、トランシーバ回路基板2200は、液体金属ロータリカプラー2610及び駆動軸2604と電気通信2202する。駆動軸2604の電気部品は、電気ジャック2608、変圧器2606及び回転装置2602内の電気接触子組立体(図示せず)を含む。前記電気接触子組立体は、前記カテーテル撮像コアの前記伝送線と電気通信する。
【0045】
次に
図8を参照するに、患者用インタフェースモジュール2000の他の実施例の側面図が示されている。患者用インタフェースモジュール2000は、前記撮像カテーテルの超音波撮像コア(図示せず)と機械的及び電気的に連通する。患者用インタフェースモジュール2000は、前記超音波撮像コアの直線並進及び回転のための手段を含む。前記カテーテルの入れ子式部分の前記近位端は、アンカーマウント2032に取り付けられている。回転装置2602は、前記カテーテル撮像コアの前記近位端に機械的に結合され、前記カテーテル撮像コアの回転及び直線並進の双方を可能にする。
【0046】
患者用インタフェースモジュール2000は、さらに、電力回路基板2100、トランシーバ(XCVR)回路基板2200及び動作制御(M/C)モジュール2300を含む。電力回路基板2100は、トランシーバ回路基板2200及び動作制御モジュール2300と電気通信(図示せず)する。
【0047】
動作制御モジュール2300は、直線圧電モータ及びエンコーダ装置2460、回転モータ2502及び回転エンコーダリーダ2516と電気通信2305、2306、2308する電子機器を含む。動作制御モジュール2300は、さらに、前記撮像エンジン(図示せず)と電気通信2310、3050して位置情報を提供する。動作制御モジュール2300は、さらに、前記患者用インタフェースモジュールの外面に置かれた一組の患者用インタフェースモジュール操作制御ボタン(図示せず)と電気通信する。
【0048】
前記直線圧電モータは、モータハウジング2460、ロッド2406及び板ばね2408、2410を含む。圧電モータの利点は、低質量、急な加速及び減速、双方向の並進(又は循環運動)及び高速度(最高450mm/秒)にある。直線圧電モータ及びエンコーダ装置のハウジング2460、並進ステージ2490、回転モータ2502及び取付けブロック2510は剛的に固定される。直線圧電モータ及びエンコーダ装置のハウジング2460と、並進ステージ2490などの剛的に固定された構成要素とは、ロッド2406に沿って動く。回転モータ2502は、第1及び第2の歯車2506、2508に機械的に結合される。代替的に、回転モータ2502は、第1及び第2のプーリに機械的に結合することができる。
【0049】
回転モータ2502は前記超音波撮像コアの連続回転を可能にする。回転モータは、少なくとも最高8000回/分(RPM)で動作する。第2の歯車2508は駆動軸2604に固定的に取り付けられている。前記駆動軸は、さらに回転装置2602を含む。前記直線エンコーダ装置は、駆動軸2604の軸線方向位置の追跡を可能にする。
【0050】
駆動軸2604は,取付けブロック2510内に収納されている。前記取付けブロックは、アルミニウム又はチタンなどの軽量材料で機械加工されるか、鋳造することができ、さらに電気的遮蔽を提供することができる。また、エンコーダホイール2514は、駆動軸2604に固定的に取り付けられており、その結果、エンコーダリーダ2516がエンコーダホイール2514の位置を読むことができる。エンコーダホイール2514及びエンコーダリーダ2516は、駆動軸2604の回転位置の追跡を可能にする。
【0051】
トランシーバ回路基板2200は、超音波信号の送受信のためのアナログ電子機器を含む。トランシーバ回路基板2200は、前記撮像エンジン(図示せず)と電気通信(2022、3050)する。さらに、トランシーバ回路基板2200は、液体金属ロータリカプラー2610及び駆動軸2604と電気通信2202する。駆動軸2604の電気部品は、電気ジャック2608、変圧器2606及び回転装置2602内の電気接触子組立体(図示せず)を含む。前記電気接触子組立体は、前記カテーテル撮像コアの前記伝送線と電気通信する。
【0052】
次に
図9を参照するに、患者用インタフェースモジュール2000のさらに他の実施例の側面図が示されている。患者用インタフェースモジュール2000は、前記撮像カテーテルの超音波撮像コア(図示せず)と機械的及び電気的に連通する。患者用インタフェースモジュール2000は、前記超音波撮像コアの直線並進及び回転のための手段を含む。前記カテーテルの入れ子式部分の前記近位端は、アンカーマウント2032に取り付けられている。駆動軸2603及び回転装置260は、前記カテーテル撮像コアの前記近位端に機械的及び電気的に結合され、前記カテーテル撮像コアの回転及び直線並進の双方を可能にする。
【0053】
患者用インタフェースモジュール2000は、さらに、電力回路基板2100、トランシーバ(XCVR)回路基板2200及び動作制御(M/C)モジュール2300を含む。電力回路基板2100は、トランシーバ回路基板2200及び動作制御モジュール2300と電気通信(図示せず)されている。
【0054】
動作制御モジュール2300は、回転モータ2502及び回転エンコーダリーダ2516と電気通信2306、2308する電子機器を含む。動作制御モジュール2300は、さらに、前記撮像エンジン(図示せず)と電気通信2310、3050されており、位置情報を提供する。動作制御モジュール2300は、さらに、前記患者用インタフェースモジュールの外面に置かれた一組の患者用インタフェースモジュール操作制御ボタン(図示せず)と電気通信する。低摩擦並進ステージ2478及びカテーテル撮像コアの相対的な直線位置は、回転位置から決定される。代替的に
図3で示すように直線位置感知装置などの直線位置センサーは、前記カテーテル撮像コアの長手方向位置の曖昧さを低減するために含ませ得る。
【0055】
回転モータ2502は、第1のピニオン歯車2505に機械的に結合されている。前記第1のピニオン歯車は、第1の歯車2476に噛合する。第1の歯車2476は第2のピニオン歯車2507に噛合する。第1の歯車2476は、またリンクアーム2472の第1の端部2473に固定的に取り付けられている。リンクアーム2472の第2の端部2471は、リンクアームマウント2470に固定的に取り付けられている。第1の歯車2476及び回転モータ2502は、低摩擦並進ステージ2478に固定的に取り付けられている。第2のピニオン歯車2507は、第2の歯車2509に固定的に取り付けられている。第2の歯車2509は、駆動軸2603に固定的に取り付けられた第3の歯車2511に噛合する。代替的に、第2及び第3の歯車2507、2509に代えて第1及び第2のプーリを使うことができる。
【0056】
回転モータ2502は、超音波撮像コアの連続回転及び並進を可能にする。第1のピニオン歯車2505が回転するに伴い、リンクアーム2472の第1の歯車2476及び第1の端部2473は、第1の歯車2476の回転軸のまわりで回転する。リンクアーム2472の周期的な運動は、低摩擦並進ステージ2478を前後に滑らせる。低摩擦並進ステージ2478の前記前後の運動は、前記撮像コアを対応して前後に並進させる、すなわち長手方向へ反復させる。直線並進の範囲は、リンクアーム2472の第1の端部2473から第1の歯車2476の回転軸までの距離で決まる。歯車及びリンクアーム系の利点は、直線並進モータから成っている実施例に比較して、ある程度、より簡素な構造、低重量及び低コストにある。
【0057】
駆動軸2603は取付けブロック2511内に収納されている。前記取付けブロックは、アルミニウム又はチタンなどの軽量材料で機械加工するか、鋳造することができ、さらに電気的遮蔽を提供することができる。また、エンコーダホイール2514は、駆動軸2603に固定的に取り付けられており、その結果、エンコーダリーダ2516がエンコーダホイール2514の位置を読むことができる。エンコーダホイール2514及びエンコーダリーダ2516は、駆動軸2604の回転位置の追跡を可能にする。
【0058】
トランシーバ回路基板2200は、超音波信号の送受信のためのアナログ電子機器を含む。トランシーバ回路基板2200は、前記撮像エンジン(図示せず)と電気通信(2022、3050)する。さらに、トランシーバ回路基板2200は、液体金属ロータリカプラー2610及び駆動軸2603と電気通信2202する。駆動軸2604の電気部品は、電気ジャック2608、変圧器2606及び回転装置2602内の電気接触子組立体(図示せず)を含む。前記電気接触子組立体は、前記カテーテル撮像コアの前記伝送線と電気通信する。
【0059】
前記超音波撮像コアの高速直線並進及び回転と正確な位置感知との組合せは、心臓構造などの動く構造体の容積測定のスキャンを可能にする。周期的な直線並進は、関心容積の連続するリアルタイム撮像を可能にする。代わりのトランスデューサ構造は、心臓のアブレーション手術の画像誘導のためにさらなる利点を提供することができる。
【0060】
次に
図10を参照するに、多重トランスデューサ組立体を含む経食道心エコー検査カテーテルの遠位部の実施例が部分的に破断して示されている。前記遠位部は、バルーンエンベロープ70、膨張ルーメン60、膨張ポート62及び超音波撮像コア40を含む。超音波撮像コア40は駆動ケーブル490及び遠位ハウジング組立体400を含む。遠位ハウジング組立体400は、4つのトランスデューサハウジング412、414、416、418、4つのトランスデューサスタック422、424、426、428及び可撓性を有する3つのハウジング継ぎ手404、406、408を含む。前記4つのトランスデューサハウジングは、さらに、前記トランスデューサスタックの面を横切る流体の流れを促進する遠位開口442、444、446、448を含む。前記個々のトランスデューサ及びハウジングは、
図2に示されたと実質的に類似の構造である。
【0061】
前記多重トランスデューサ組立体は、いくつかの技術に従って組み立てることができる。典型的な構造では、前記多重のトランスデューサハウジング及び継ぎ手は、単一のステンレス鋼ハイポチューブから組み立てることができる。前記トランスデューサハウジングは、適合したスロットによって個々の前記トランスデューサ組立体に剛的支持を提供する。前記継ぎ手は、前記ハイポチューブを渦巻状に切断した部分であり、前記多重トランスデューサ組立体のために軸方向の剛性と曲げの柔軟性とを釣り合わせる。渦巻状の切断ピッチは、一定に、あるいは目標とする剛性に応じて変化させることができる。前記ピッチは、柔軟性を下げるために増大するか、柔軟性を上げるために減少させることができる。ある柔軟性は、カテーテルの経鼻位置決めを容易にする。典型的な構造では、前記トランスデューサハウジングは長さ約4mmであり、前記トランスデューサ継ぎ手は長さ約6mmであり、前記トランスデューサの直径は2.5mmである。渦巻状に切断した前記継ぎ手のピッチは典型的には1mmであり、100ミクロンの切り口幅を有する。前記多重トランスデューサ組立体の代わりの実施例では、前記トランスデューサハウジング継ぎ手は、前記トランスデューサハウジングに取り付けられたステンレス鋼駆動ケーブルなどの別個の素材とすることができる。
【0062】
図10に示されているように、相互に最も近接するトランスデューサの方向は、互いに90°だけずれている。第1のトランスデューサスタック422は図面の頂部に向き、第2のトランスデューサスタック424は紙背方向へ向き、第3のトランスデューサスタック426は図面の底部に向き、第4のトランスデューサスタック428は図面から出る方向へ向く。前記複数のトランスデューサの回転オフセットは、トランスデューサ間での、組織からの散乱した超音波エネルギーの潜在的な相互干渉を最小化する。多重トランスデューサ組立体の利点は、増大した3D画像撮像フレームレートにある。前記トランスデューサ組立体の周期的な直線並進移動範囲は、前記トランスデューサの数と、トランスデューサ離隔距離とに応じて減少することができる。完全な3D画像は、個々のトランスデューサからのより小さな3D画像から形成することができる。
図10に示された典型的な構造で4cmの高さの画像容積のために、約1cmの移動経路が必要とされる。これは、1つの要素トランスデューサ組立体のそれに比べての約4倍のフレームレートの増加をもたらす。
【0063】
前記バルーン撮像カテーテルの前記遠位部はさらに、シース2、遠位シースルーメン4、隔壁15、組織を傷つけない遠位先端16及び隔壁穿刺ポート18を含む。隔壁15は、室温硬化型(RTV)シリコーンなどのポリマー材料で作られる。超音波を透過する無菌食塩水などの流体で遠位シースルーメン4を満たすために、注射針(図示せず)が、隔壁穿刺ポート18を通って挿入され、隔壁15を突き刺す。前記注射針が引き抜かれると、隔壁15は自己封止する。自己封止の隔壁の使用は、超音波撮像コア10が前記近位端に向けて並進するとき、前記遠位シース内への空気などの流体の引き込みを防止する。
【0064】
前記バルーンカテーテルは、一般的に15Frであるか、それより小さく、経鼻ルートで食道へアクセスされるように十分に小さい。バルーンエンベロープ70は、ポリエチレン/EVAなどの柔軟なポリマーブレンドで形成され、前記遠位カテーテルシースの、前記膨張ポート62の近位及び遠位の部分に、一般的に、接合又は溶融によって取り付けられている。前記バルーン組合せ体は、長さが2cmから10cmであり、一般的に6cmである。バルーンエンベロープ70は、超音波を透過する無菌食塩水など流体を使って膨らませられる。前記バルーンは、最大4cm、一般的には2cmと3cmとの間の直径に膨らませることができる。膨らんだ前記バルーンは、食道壁及び心臓構造の撮像を容易にする。
【0065】
ここで
図11を参照するに、これまでに記載された経食道心エコー検査カテーテル及びシステムによって左心房壁の感受性基質を識別する例示的な一組の処理段階が示される。ステップ3200で最初に画像データが取得される。次に、ステップ3202で、心臓壁は、例えば左心房室の血液、食道壁、脂肪体及びアブレーション機器を含む周辺の組織及び機器から分けられる。次に、分けられた画像データは、ステップ3204で、レンジに依存する振幅及び周波数変化を含むシステム及びトランスデューサ効果を補償される。次に、ステップ3206で、左心房壁に一致する分けられた画像データから組織分類子(tissue classifier)が計算される。組織分類子は画像データの分析によって計算することができ、時間領域解析と称されている。組織分類子は、また画像データのスペクトル特性の分析によって計算することができ、周波数領域分析と称されている。典型的な組織分類子は、超音波の組織分類技術の当業者に知られている積分後方散乱(integrated backscatter)と減衰傾斜(slope−of−attenuation)を含むことができる。当業者に知られている組織分類への一つのアプローチは、サンプルから成る容積測定の関心領域(ROI)を近隣の画像ベクトルから選ぶことである。サンプルの数とベクトルの数は、機器とアプリケーションとに依存する。例えば
図10に示されたような多重トランスデューサ組立体から2cmの範囲で約1mm×1mm×1mmの容積の画像データからのROIは、0.7°の面内ベクトル間隔、100×106サンプル/秒のサンプリングレート及び2mmの厚みのスライスを仮定すると、5ベクトル×129サンプル×1スライスを必要とする。組織分類子は、次に、補償された画像データから計算される。左心房壁の感受性基質は、ステップ3208で、計算された組織分類子によって識別される。感受性基質は、増大した間質線維症の容積によって特徴付けられることが知られている。間質性線維症の主要成分はコラーゲンであり、コラーゲンはその超音波特性によって識別することができる。正常な左心房壁からの感受性基質を区別は、経験的に決定される。積分後方散乱、減衰傾斜及び音速などの典型的な超音波組織分類子は、コラーゲン含有量に相関する。洞律動の患者にとって、心臓の拍動サイクルでの組織分類子の変化は、また、感受性基質を識別するために使うことができる。
【0066】
図12は、アブレーションの滴定、潜在的有害事象の表示、心臓のアブレーション手術の結果として生じる左心房壁の壊死組織の識別のための典型的な一組の処理段階を示す。ステップ3402のアブレーションに先立って、ステップ3400で左心房壁のベースライン画像データが取得される。組織は、RFアブレーション及び冷凍アブレーションを含む複数の技術によって除去することができる。アブレーション後の画像データは、ステップ3404で取得され、アブレーション箇所毎で評価される。アブレーション前後の画像データは、同じ組織ボリュームが分析されることを保証するために、共同で登録される。動きに対する補償は、共同登録の前に必要に応じて画像収集間にステップ3406で提供される。次に、ステップ3408で、左心房壁は、例えば左心房室の血液、食道壁、脂肪体及びアブレーション機器を含む周辺の組織及び機器から分けられる。次に、分けられた画像データは、ステップ3410で、レンジに依存する振幅及び周波数変化を含むシステム及びトランスデューサ効果を補償される。次に、ステップ3412で、左心房壁に一致する分けられた画像データから組織分類子(tissue classifier)が計算される。積分後方散乱、熱歪み及び減衰傾斜の計算が当業者に知られている。潜在的な有害事象は、計算された組織分類子によってステップ3414で示される。有害事象の表示は、微小な泡形成、食道壁などの組織の過熱及び血栓形成を含むことができる。例えば、無脂肪の組織の温度上昇は、エコー輝度の増大、より大きな熱歪み及び減衰傾斜の減少に相関する。潜在的な有害事象と一致する組織分類子のレンジは、経験的に決定される。また、左心房壁の壊死組織は、計算された組織分類子によって、ステップ3416で識別される。壊死組織は、エコー輝度の増大によって、ある程度、特徴付けられることが知られている。洞律動の患者にとって、心臓の拍動サイクルでの組織分類子の変化は、また、感受性基質を識別するために使うことができる。生存する左心房壁からの壊死組織の区別は経験的に決定される。
【0067】
複数のトランスデューサを含む超音波撮像コアの高速直線並進及び回転は、容積測定の撮像レートを増大させることができる。特定の画像処理アルゴリズムは、心臓アブレーション手術のための画像誘導を容易にする。複数のトランスデューサ及びアレイのさらに他の構成は、合成開口が複数の物理的(すなわち現実の)開口の組み合わせから成るリアルタイムの合成開口撮像を可能にする。合成開口撮像は、画質を高めることを可能にする。周期的な直線並進は、関心容積の連続するリアルタイムの3D合成開口撮像を可能にする。
【0068】
次に
図13を参照するに、2個式トランスデューサ組立体の撮像コア20の実施例の側面図が示されている。撮像コア20は、駆動ケーブル290及び遠位ハウジング組立体200を含む。遠位ハウジング組立体200は、トランスデューサハウジング210、第1のトランスデューサスタック222及び第2のトランスデューサスタック224を含む。トランスデューサハウジング210は、さらに、第2のトランスデューサスタック224の面を横切る流体の流れを促進する遠位開口212を含む。典型的なレイアウトでは、トランスデューサハウジング210は、第1及び第2のトランスデューサスタック222、224が反対方向に向いて配置される、レーザカットのステンレス鋼ハイポチューブを含む。端と端との素子間隔は、トランスデューサ幅、直線並進速度、回転速度及び送信シーケンスに依存する合成開口撮像要件を満たすように、設計される。
【0069】
次に
図14Aから14Dを参照するに、
図13に示された前記2個式トランスデューサ撮像コアのための送信及び運動シーケンスの一実施例が示されている。第1及び第2のトランスデューサスタック222、224は、開口寸法及び撮像周波数を含めてほぼ同じ物理特性を有する。合成開口220は、前記送信及び運動シーケンスが前記撮像コアの回転毎にトランスデューサ開口幅を追加するように、形成される。前記撮像コアの完全な360°の回転は時間ΔTで生じる。前記素子間の間隔はトランスデューサ開口幅の半値である。
図14Aに見られるように、第2のトランスデューサスタック224が最初に起動(fired)される(224−1)。前記撮像コアは、180°(πラジアン)回転した後、
図14Bに見られるようにトランスデューサ開口幅の半値だけ遠位側へ並進する。次に、第1のトランスデューサスタック222が起動し始める(222−1)。前記撮像コアは、さらに180°回転し、
図14Cに示されている位置へトランスデューサ開口幅の半値だけ遠位側へ並進する。完全な一回転で、前記撮像コアはトランスデューサ幅を並進する。
図14Dに見られるように、前記遠位側のトランスデューサは、次に第2の起動シーケンスを開始する(224−2)。前記撮像コアのそれぞれのさらなる回転は、トランスデューサ幅だけ合成開口の幅を増大させ、サブ開口の重複のための信号平均を可能にする。開口の広がりに伴い、合成開口の有効方位分解能は改善する。前記トランスデューサ幅、素子間隔、直線並進速度、回転速度及び送信シーケンスは、合成開口寸法、合成開口の要素数及びサブ開口重複範囲を修正するために、変更することができる。
【0070】
AFアブレーションの画像誘導にとって、4cmの視野は心内経食道の撮像に適するであろう。血管内への超音波適用に使われる機械的に回転する撮像カテーテルに適するように、
図13及び14の前記撮像コアの前記2個式トランスデューサ構成は、完全な360°のセクタというよりも180°のセクタにわたる撮像が適している。各送受信シーケンスのために約50μ秒を必要とする。180°セクタ(角度幅)及び256のベクトルから成る画像フレームは、その取得のために約13m秒を必要とする。1.6mm幅のトランスデューサ及び0.8mmの素子間隔を有する2つのトランスデューサ構成では、20mm/秒の並進速度及び1800RPMの回転速度は、1秒あたり60個の2Dフレームを実現する。それぞれのさらなる回転は、約25ミリ秒以内に2つの画像フレームを取得し、合成開口の幅を1.6mm分だけ拡張する。4cmの移動距離では、前記急速な周期的並進は、1秒あたり約2個の3D画像の連続的な3D画像フレームレートを可能にする。3D画像フレームレートは、画像範囲と移動距離とを低減することによって、増大することができる。
【0071】
次に
図15を参照するに、4個式トランスデューサ組立体を含む撮像コア50の実施例の側面図が示されている。撮像コア50は、駆動ケーブル590及び遠位ハウジング組立体500を含む。前記遠位ハウジング組立体は、トランスデューサハウジング510及び4個のトランスデューサスタック522、524、526、528を含む。前記4個のトランスデューサ組立体のレイアウトは、一般的に、90°セクタフレームを表示する撮像応用によく適している。前記トランスデューサ幅、素子間隔、直線並進速度、回転速度及び送信シーケンスは、合成開口寸法、合成開口の要素数及びサブ開口重複範囲を修正するために、変更することができる。5個分のトランスデューサ幅を合わせた幅を有しサブ開口の重複のない合成開口は、前記素子間隔がトランスデューサ幅の半値であるとき達成され、前記撮像コアは90°回転毎に前記素子間隔を並進し、また前記トランスデューサは、第1のトランスデューサスタック(最遠位)528から、第2のトランスデューサスタック526、第3のトランスデューサスタック524、その次に第4のトランスデューサスタック(最近位)522の順で起動(fire)する。
【0072】
次に
図16を参照するに、2列のトランスデューサアレイを含む撮像コア90の実施例の側面図が示されている。撮像コア90は、駆動ケーブル990及び遠位ハウジング組立体900を含む。遠位ハウジング組立体900は、トランスデューサハウジング910、第1の4要素のトランスデューサアレイ920及び第2の4要素のトランスデューサアレイ930を含む。第1のトランスデューサアレイ920は、切り口により実質的に機械的に分離された4個の独立な素子922、924、926、928を含む。トランスデューサアレイ930は、切り口により実質的に機械的に分離された4個の独立な素子932、934、936、938を含む。各トランスデューサ素子は、一般的に、はんだ付けするか、導電性接着剤によって、伝送線(図示せず)に取り付けられている。各トランスデューサアレイの前記トランスデューサ素子は独立して作動することができる。前記撮像エンジンに十分な数の信号チャンネルがあれば、第1及び第2のトランスデューサアレイ920、930をさらに独立して作動させることができる。前記撮像エンジンの信号チャンネルを共有する必要がある場合、第1及び第2のトランスデューサアレイ920、930を多重化することができる。
【0073】
前記トランスデューサアレイは、背合わせに配置される。各トランスデューサは、別個の基材を有することができる。背合わせのトランスデューサは、共通基材を共有することもできる。2つのトランスデューサアレイ組立体900は、連続するリアルタイムの3D合成開口撮像のための
図13に示された2個式トランスデューサ組立体200と同様に作動することができる。トランスデューサアレイの利点には、動的送信フォーカス(dynamic transmit focusing)も含まれる。
【0074】
図17Aから17Cは、前記撮像コアの一回転で取得されるトランスデューサアレイ幅の3倍の幅を有する合成開口940を生成するための撮像シーケンスを示す。前記撮像コアの完全な360°の回転は時間ΔTで生じる。第1のトランスデューサアレイ920が、
図17Aに見られるように180°セクタにわたって、最初に起動(fired)される(920−1)。前記撮像コアは、180°(πラジアン)回転した後、トランスデューサアレイ開口幅だけ遠位側へ並進する。次に、第2のトランスデューサアレイ930が
図17Bに見られるように180°セクタにわたって起動し始める(222−1)。前記撮像コアは、さらに180°回転し、またトランスデューサアレイ開口幅だけ遠位側へ並進する。完全な一回転で、前記撮像コアは、2トランスデューサアレイ幅を並進する。
図17Cに見られるように、次に遠位トランスデューサはその第2の起動シーケンス(920−2)を開始する。
【0075】
典型的な心内カテーテル撮像コアでは、心臓構造の連続するリアルタイムの3D合成開口撮像に適当なトランスデューサ組立体は、0.485mmの素子幅と、20μmの切り口寸法とを有する、4個のトランスデューサのアレイを含む。トランスデューサアレイ幅は2mmである。1秒あたり約1つの3D画像の連続する3D画像フレームレートは、1200RPMの回転速度と、40mm/秒の直線並進速度とによって達成される。12個の素子から成る6mmの合成開口幅は、50ミリ秒以内に取得され得る。
【0076】
典型的な経食道カテーテル撮像コアでは、心臓構造の連続するリアルタイムの3D合成開口撮像に適当なトランスデューサ組立体は、約4.2mmの高さ×0.5mmの幅の素子寸法及び20μmの切り口寸法を有する4個式のトランスデューサアレイを含む。前記トランスデューサアレイの大きさは、カテーテル寸法にある程度は拘束される。15Frのカテーテル内のトランスデューサアレイの最大高さは約4.2mmである。前記トランスデューサアレイの幅は、1mmから6mm、一般的に2mmまで変えることができる。切り口幅は、5μm程度の狭さとすることができ、一般的には20μmである。約4.2mm高さ×0.5mm幅の素子寸法及び20μmの切り口寸法を有するアレイでは、該アレイの寸法は約4.2mm高さ×2mm幅である。
【0077】
次に
図18を参照するに、8個式トランスデューサアレイの撮像コア80の実施例の側面図が示されている。撮像コア80は、駆動ケーブル890及び遠位ハウジング組立体800を含む。遠位ハウジング組立体800は、遠位トランスデューサハウジング810及びトランスデューサアレイ820を含む。トランスデューサアレイ820は、切り口によって実質的に機械的に分離された8個のトランスデューサ素子822、824、826、828、830、832、834、863を含む。各トランスデューサ素子は、一般的に、はんだ付けするか、導電性接着剤によって、伝送線(図示せず)に取り付けられている。前記各トランスデューサアレイのトランスデューサ素子は、独立して作動することができる。前記8個素子のトランスデューサアレイ組立体のレイアウトは、一般的に、
図2に示された単一素子トランスデューサと同様な360°セクタフレームを表示する撮像応用によく適している。各トランスデューサ素子の独立な動作は、単一素子トランスデューサ又は合成開口撮像に比較して優れた画質を提供できる動的送信フォーカスを可能とする。
【0078】
図19は、合成開口画像を生成するための典型的なプロセスを示す。超音波エネルギーの生成及び検出は、当業者によく知られている。得られるサブ開口数は、部分的にトランスデューサアレイの寸法及び目標とされる合成開口寸法及び組織運動による潜在的な時間制約に依存する。2mm幅及び4mmの目標合成開口幅を有するトランスデューサアレイには2つのサブ開口が必要とされる。
図19のプロセスは、サブ開口アレイ画像が取得されるステップ3100で開始する。これが合成開口の像を映すプロセスの開始であり、追加のサブ開口アレイ画像データが取得されることになっているなら、他のサブ開口アレイ画像が追加されるべきであることは、決定ブロック3102で決定される。次に、前記撮像コアは、ステップ3104で回転され、ステップ3106で並進される。第2のサブ開口がステップ3100の反復によって取得される。前記回転速度及び並進速度は、ある程度、トランスデューサアレイ構成、最大の撮像範囲、ベクトル密度及び目標とするフレームレートに依存する。動作速度は、さらに組織運動に依存する。2mmのアレイ幅を有する2個式トランスデューサアレイ組立体900の
図14に示された典型的な場合では、4cmの最大撮像範囲、180°画像スイープ毎に256本の走査線ベクトル密度及び1200RPMの回転速度を仮定して、1秒あたり40フレームを達成できる。追加のサブ開口アレイ画像の取得が全く必要とされないなら、追加のサブ開口アレイ画像が合成開口に追加されないことを決定ブロック3102で決定する。次に、サブ開口画像がステップ3108で生成される。サブ開口の取得の間に起こる組織運動は、ステップ3110で補償される。運動補償技術は、当業者に知られており、ブロック相関手法から成る。次に、合成開口画像は、ステップ3112で、両サブ開口画像データセットから生成される。像形成は、当業者に知られているアポディゼーション及び遅延和ビームフォーミング法(delay−and−sum beamforming techniques)でなされる。
【0079】
図20を参照するに、2列トランスデューサアレイから作られた
図16の8素子合成開口撮像コア90のための超音波信号遅延プロフィール940が示されている。超音波信号は、最初に、第1のトランスデューサアレイ920の4つの素子922、924、926、928によって生成され、検出される。第1のトランスデューサアレイ920からの超音波信号は、その後の分析のためにコンピュータが読み込み可能な媒体に記憶される。次に、超音波信号は、第2のトランスデューサアレイ930の4つの素子932、934、936、938によって生成され、検出される。第2のトランスデューサアレイ930からの超音波信号は、また、その後の分析のためにコンピュータが読み込み可能な媒体に記憶される。第1及び第2のトランスデューサアレイ920、930からの前記記憶された信号は、次に、予め決められた焦点950に信号の焦点を合わせるように処理される。第1及び第2のトランスデューサアレイ920、930の端から端までの位置決めは、高速直線並進及び回転による前記撮像コアの精密な位置決めによって達成される。
図20は、合成開口の平面と直角な方向への超音波信号の合焦を示す。
【0080】
空間合成撮像技術は、アブレーション手術中に起こる温度差に起因する画像アーチファクトを減らすために使うことができる。標準のビーム形成アルゴリズムは音の定速を仮定するので、アブレーションカテーテルによる組織の加熱又は冷却による音速の局部的変化は、超音波画像アーチファクトを引き起こす。複数の方向から組織の関心容積を撮像することによって、空間合成撮像技術は、熱音響レンズ像アーチファクトを和らげる。より少ない熱的変動を有する超音波伝播経路を含む撮像方向は、画像アーチファクトをより少なくする。
【0081】
次に
図21を参照するに、
図16の撮像コア90のような8素子合成開口のための超音波信号遅延プロフィール942は、合成開口面の垂線から超音波信号を20°ずらすように操縦するために使われる。超音波信号は、最初に、第1のトランスデューサアレイ920の4つの素子922、924、926、928によって生成され、検出される。第1のトランスデューサアレイ920からの超音波信号は、その後の分析のためにコンピュータが読み込み可能な媒体に記憶される。次に、超音波信号は、第2のトランスデューサアレイ930の4つの素子932、934、936、938によって生成され、検出される。第2のトランスデューサアレイ930からの超音波信号は、また、その後の分析のためにコンピュータが読み込み可能な媒体に記憶される。第1及び第2のトランスデューサアレイ920、930からの前記記憶された超音波信号は、次に、所定の焦点952に信号の焦点を合わせるように処理される。第1及び第2のトランスデューサアレイ920、930の端から端までの位置決めは、高速直線並進及び回転による前記撮像コアの精密な位置決めによって達成される。前記撮像コアの高速直線並進及び回転と組み合わされた空間合成は、関心容積が複数の方向から高周波音波を当てられることを可能にする。典型的な空間合成画像の取得は、8素子合成開口面の垂線から−10°、−5°、0°、+5°、+10°の5つの撮像方向を含む。次に、異なる撮像方向で取得された複数の画像は、1つの空間合成画像に統合される。空間合成撮像技術は当業者に知られている。心臓のアブレーション監視のための空間合成角度及び開口寸法の最適な値は、経験的に決定される。
【0082】
代替的なカテーテル形態は、AFアブレーション手術の画像誘導のために利点をもたらすことができる。次に
図22及び23を参照するに、代替的な実施例は、関心解剖学的部位へのカテーテルの搬送を容易にするために、ガイドワイヤ受け入れルーメンを含む。
【0083】
図22はシース51、遠位先端50及び撮像コア11を含む心エコー検査カテーテルの遠位部を示す。遠位シース51は、遠位先端50と接合する。遠位先端50は、ガイドワイヤGWを受け入れるように適合された短い単軌条(又は高速交換)構成である。遠位先端50の長手方向軸は、遠位シャフト51の長手方向軸線にほぼ平行であり、該軸線からずれている。撮像コア11は、遠位ハウジング111、トランスデューサスタック121及び伝送線131を含む遠位ハウジング組立体101に取り付けられた駆動ケーブル91を含む。遠位ハウジング111は、さらに、トランスデューサスタック121の面を横切る流体の流れを促進する遠位開口113を含む。前記遠位先端は、参照により本書に含まれる米国特許出願番号12/547,972号に記載されている。
【0084】
図23は、長い単軌条又はワイヤ通しの構成を含む心エコー検査カテーテルの遠位部を示す。前記遠位部は、超音波撮像コア11が配置された撮像ルーメン5を有する遠位シャフト3を含む。前記遠位部は、さらに、隔壁15、組織を傷つけない遠位先端17及び隔壁穿刺ポート19を含む。隔壁15は、室温硬化型(RTV)シリコーンなどのポリマー材料で作ることができる。隔壁15を突き刺し、超音波を透過する無菌食塩水などの流体で遠位シースルーメン5を満たすために、注射針(図示せず)を隔壁穿刺ポート19を通って挿入することができる。前記注射針が引き抜かれると、隔壁15は自己封止する。自己封止の隔壁の使用は、撮像コア11が前記近位端に向けて並進するとき、前記遠位シース内への空気のような流体の引き込みを防止する。
【0085】
撮像コア11は、遠位ハウジング111、トランスデューサスタック121及び伝送線131を含む遠位ハウジング組立体101に取り付けられた駆動ケーブル91を含む。遠位ハウジング111は、さらに、トランスデューサスタック121の面を横切る流体の流れを促進する遠位開口113を含む。前記遠位部は、さらに、またガイドワイヤGWを受け入れるように適合された追加のルーメン59を含む。
【0086】
心エコーカテーテルの代替の実施例は、操舵機能を含む。次に
図24を参照するに、操舵可能のカテーテルの遠位部が示されている。
図24Aは、操舵可能のカテーテルの操舵リング80でのカテーテルの断面図を示す。操舵リング80は、前記カテーテルシースの前記遠位部の操舵部分30内の第1及び第2の熱可塑性層70、72間に埋設されている。前記操舵部分は、一般的に前記バルーン及び前記カテーテルの撮像窓の近位にある。前記操舵リングは、ステンレス鋼ハイポチューブをレーザー切断して形成することができる。ステンレス鋼操舵コード86、88が、前記カテーテルの近位端(図示せず)から操舵コードルーメン6、8を通って操舵リング80に伸長する。前記操舵コードは、ユーザによる前記カテーテル先端の操舵を可能にする操舵制御機構(図示せず)に結合される。前記操舵コードは、一般的に、はんだ付け、ろう付け、又はレーザ溶接により、操舵リング80に取り付けられる。前記カテーテルの操舵部分30は、前記カテーテルの前記遠位部の曲がりを可能とする、より硬い近位部分(図示せず)に取り付けられている。操舵可能のカテーテルの構成及び動作は当業者に知られている。
【0087】
次に
図25を参照するに、心内心エコーカテーテルの遠位部の実施例の側面図が示されている。前記遠位部は、撮像コア11及びワーキングルーメン45を含む。ワーキングルーメン45は、電気解剖学的マッピング及びアブレーションカテーテルなどの追加の機器の使用を可能にする。前記ワーキングルーメンの出口47は、撮像ルーメンの前記撮像窓の近位に位置する。撮像コア11は、遠位ハウジング111、トランスデューサスタック121及び伝送線131を含む遠位ハウジング組立体101に取り付けられた駆動ケーブル91を含む。遠位ハウジング111は、さらに、トランスデューサスタック121の面を横切る流体の流れを促進する遠位開口113を含む。前記撮像カテーテルの前記遠位部は、さらに、シース3、遠位シースルーメン5、隔壁15、組織を傷つけない遠位先端17及び隔壁穿刺ポート19を含む。隔壁15は、室温硬化型(RTV)シリコーンなどのポリマー材料で作ることができる。注射針(図示せず)が、超音波を透過する無菌食塩水などの流体で遠位シースルーメン5を満たすために、隔壁穿刺ポート19を通って挿入され、隔壁15を突き刺す。前記注射針が引き抜かれると、隔壁15は自己封止する。自己封止の隔壁の使用は、撮像コア11が前記近位端に向けて並進するとき、前記遠位シース内への血液のような流体の引き込みを防止する。
【0088】
前記撮像カテーテルは、左心房が経中隔ルートによってアクセスされるように十分に小さく、一般的に8Fr以下である。追加のワーキングルーメンを有する心内心エコー検査カテーテルは、潜在的に、AFアブレーション手術の画像誘導のために必要とされている経中隔穿刺の数を減らすことができる。
【0089】
次に
図26を参照するに、経食道心エコー検査カテーテルの遠位部の他の実施例の側面図が示されている。前記カテーテルの前記遠位部は、バルーンエンベロープ72、超音波撮像コア10及びワーキングルーメン44を含む。ワーキングルーメン44は、アブレーション手術中にアブレーションカテーテルに関する食道の再配置に有益であろう操舵探り針などの追加の機器の使用を可能にする。食道を再配置する能力は、潜在的に心房食道瘻の形成などの有害事象を和らげることができる。前記ワーキングルーメンの出口46は、前記撮像ルーメンの前記撮像窓の近位に位置する。超音波撮像コア10は駆動ケーブル90及び遠位ハウジング組立体100を含み、該遠位ハウジング組立体は、また遠位ハウジング110、トランスデューサスタック120及び伝送線130を含む。遠位ハウジング110は、また前記トランスデューサスタックの面を横切る流体の流れを促進する遠位開口112を含む。トランスデューサスタック120は、焦点を合わせ、あるいは焦点が合っていないようにすることができる。
【0090】
前記バルーン撮像カテーテルの前記遠位部は、また、シース2、遠位シースルーメン4、隔壁15、組織を傷つけない遠位先端16及び隔壁穿刺ポート18を含む。隔壁15は、室温硬化型(RTV)シリコーンなどのポリマー材料で作ることができる。隔壁15を突き刺し、超音波を透過する無菌食塩水などの流体で遠位シースルーメン4を満たすために、隔壁穿刺ポート18を通って注射針(図示せず)を挿入することができる。前記注射針が引き抜かれると、隔壁15は自己封止する。自己封止の隔壁の使用は、超音波撮像コア10が前記近位端に向けて並進するとき、前記遠位シース内への空気などの流体の引き込みを防止する。
【0091】
遠位シース2は、超音波ゲル伝達媒質などの超音波の伝達媒質によって食道の壁に結合される。前記カテーテルは、食道壁に関する適所位置に前記バルーンの膨張によって保持される。前記バルーンは、一般的に、前記カテーテルの心臓から遠位側に拡大する。前記バルーンカテーテルは、一般的に15Fr以下であり、経鼻ルートで食道へアクセスできるように十分に小さい。バルーンエンベロープ72は、ポリエチレン/EVAなどの柔軟なポリマーブレンドで形成されており、前記遠位カテーテルシースの、前記膨張ポート62の近位及び遠位の部分に、一般的に、接合又は溶融によって取り付けられている。前記バルーン組立体は、長さが2cmから10cmであり、一般的に6cmである。バルーンエンベロープ70は、超音波を透過する無菌食塩水など流体を使って膨らませられる。膨らんだ前記バルーンは、食道壁及び心臓構造の撮像を容易にする。
【0092】
次に
図27を参照するに、経食道カテーテルの遠位部のさらに他の実施例が示されている。前記遠位部は、バルーンエンベロープ70、膨張ルーメン60、膨張ポート62及び超音波撮像コア14を含む。超音波撮像コア14は、駆動ケーブル90及び遠位ハウジング組立体104を含み、該遠位ハウジング組立体は、また、遠位ハウジング110、トランスデューサスタック120及び伝送線130を含む。遠位ハウジング114はさらに、前記トランスデューサスタックの前記面を横切る流体の流れを促進する遠位開口112を含む。トランスデューサスタック120は、焦点を合わせ、あるいは焦点が合っていないようにすることができる。15Fr(フレンチ)の寸法のカテーテルのための典型的なトランスデューサは、最大約4.2mmの円形のアパーチャーを有し、1cmと4cmとの間、一般的には2cmと3cmとの間に焦点距離を有する。トランスデューサの合焦方法は、トランスデューサ製造の当業者によく知られている。遠位ハウジング組立体104は、さらに磁気センサー54を含む。磁気センサー54は、相互に直角な巻線を備える1軸、2軸又は3軸のコイルを含む。前記センサーは、外部のトランスミッター(図示せず)によって発生させられたAC又はDC磁場を検出する。前記センサーの出力は、外部の磁気追跡システム(図示せず)によって、前記カテーテル撮像コアの追跡を可能にする。
【0093】
前記バルーン撮像カテーテルの前記遠位部は、さらに、シース2、遠位シースルーメン4、隔壁15、組織を傷つけない遠位先端16、隔壁穿刺ポート18及び放射線不透過性マーカーバンド50を含む。隔壁15は、室温硬化型(RTV)シリコーンなどのポリマー材料で作ることができる。隔壁15を突き刺し、超音波を透過する無菌食塩水などの流体で遠位シースルーメン5を満たすために、隔壁穿刺ポート19を通って注射針(図示せず)を挿入することができる。前記注射針が引き抜かれると、隔壁15は自己封止する。自己封止の隔壁の使用は、撮像コア14が前記近位端に向けて並進するとき、前記遠位シース内への空気のような流体の引き込みを防止する。
【0094】
前記バルーンカテーテルは、一般的に15Fr以下であり、経鼻ルートで食道へアクセスされるように十分に小さい。バルーンエンベロープ70は、ポリエチレン/EVAなどの柔軟なポリマーブレンドで形成され、前記遠位カテーテルシースの、前記膨張ポート62の近位及び遠位の部分に取り付けられている。前記バルーン組合せ体は、長さが2cmから10cmであり、一般的に6cmである。バルーンエンベロープ70は、超音波を透過する無菌食塩水など流体を使って膨らませられる。前記バルーンは、最大4cm、一般的には2cmと3cmとの間の直径に膨らませることができる。膨らんだ前記バルーンは、食道壁及び心臓構造の撮像を容易にする。放射線不透過性マーカーバンド50は、バルーンエンベロープ70よりも遠位側に置かれる。放射線不透過性マーカーバンド50は、エックス線透視法で、カテーテル位置の確認を可能にする。
【0095】
本発明の特定の実施例を示し、説明したが、部分修正がなされてもよく、添付の特許請求の範囲には、これにより定義される発明の精神及び範囲に含まれる変更及び修正のすべてが含まれる。