(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記蓄電素子に含浸された電解液の重量を電解液重量、電解液の含浸前の蓄電素子の重量を素子重量とし、前記制御された電解液の蓄電素子への搭載率が、電解液重量/素子重量=0.70〜0.85の範囲に設定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の蓄電デバイスの製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、蓄電デバイスとしてたとえば、コンデンサの安全弁はケースを封じる封口板に備えられている。このようなコンデンサでは、通常の実装形態では、安全弁が上側であるため、電解液がケースの底側に移動する。このため、電解液が安全弁から遠ざけられ、流動性を有する電解液であっても、斯かる電解液でガス放出機能が妨げられることはない。
【0007】
しかしながら、このようなコンデンサが安全弁のある封口板を下側に向けられて配置されると、電解液が安全弁に近づくことになる。コンデンサは安全弁を上側にした実装形態が理想的ではあるが、このような理想的な実装形態が常に維持されるとは限らない。実装環境によっては、ケースを寝かせた横配置や傾斜配置を避けることができない。このような配置では、流動性のある電解液が安全弁に近づき、電解液の付着でガス放出機能が損なわれる場合がある。
【0008】
安全弁が電解液から離れていても、振動を伴う場合には流動性のある電解液がケース底部側から跳ね上がり、ケース内壁に付着した電解液が安全弁に到達し、電解液の付着でガス放出機能が損なわれる場合がある。
【0009】
安全弁などのガス放出機構は、ガス透過経路と弁機能部とを備えている。ガス透過経路に電解液が侵入すると、電解液でガス透過経路が遮断されることになる。また、弁機能部に電解液が付着すると、弁機能部にケース内のガス圧を直接作用させることができない。弁機能部が電解液で覆われると、ガス透過性の悪化による弁機能が低下し、圧力上昇に対してガス放出量が低下して開弁にいたるなどのガス放出機能が低下することになる。
【0010】
また、コンデンサの長寿命化を図るため、ケース内に必要以上に電解液が封入される場合がある。斯かる場合には流動性のある電解液はケース内を流動することになる。
【0011】
そこで、本発明の目的は上記課題に鑑み、蓄電デバイスの電解液によるガス放出機能の低下防止にある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するため、本発明の蓄電デバイスの製造方法は、電解液を含浸した蓄電素子がケースに収納され、該ケースがガス放出機構を備える封口部材で封止されている蓄電デバイスの製造方法であって、該蓄電デバイスを傾斜配置として振動を付与し、所定時間放置した後、蓄電素子から流出する余剰電解液量が所定範囲となる電解液量に前記蓄電素子の電解液量を制御することで、ガス放出機構への余剰電解液の付着を抑制する。
【0017】
前記蓄電デバイスの製造方法において、前記蓄電デバイスは30度を含む傾斜範囲で傾斜配置とし、5〔Hz〕以上200〔Hz〕以下の振動を付与し、24時間以上を放置し、前記蓄電素子から流出する電解液量を1〔グラム〕未満に制御してもよい。
前記蓄電デバイスの製造方法において、前記ガス放出機構に付着する余剰電解液を、1〔ミリグラム〕以下としてもよい。
前記蓄電デバイスの製造方法において、前記蓄電素子に含浸された電解液の重量を電解液重量、電解液の含浸前の蓄電素子の重量を素子重量とし、前記制御された電解液の蓄電素子への搭載率が、電解液重量/素子重量=0.70〜0.85の範囲に設定してもよい。
【0018】
前記蓄電デバイスの製造方法において、蓄電素子に電解液を含浸した後、前記蓄電素子から所定量の電解液を除去する工程とを含んでもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、次の効果が得られる。
【0021】
(1) コンデンサ素子から流出してケース内に滞留する電解液を抑制したので、電解液の付着によるガス放出機能が損なわれるのを防止できる。
【0022】
(2) コンデンサの横配置、傾斜配置などの自由な配置態様が可能になるとともに、ケース内に滞留する電解液によるガス放出機構の機能低下を防止できる。
【0023】
そして、本発明の他の目的、特徴および利点は、添付図面および各実施の形態を参照することにより、一層明確になるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、本発明の一実施の形態に係る蓄電デバイスの製造工程の一例を示している。この製造工程は、蓄電デバイスの製造方法の一例である。この製造工程に係る蓄電デバイスはたとえば、電気二重層コンデンサであり、電解コンデンサ、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンキャパシタなど、他の蓄電デバイスであってもよい。
【0027】
この製造工程にはコンデンサ素子形成工程(S1)、第1の素子重量測定工程(S2)、電解液含浸工程(S3)、第2の素子重量測定工程(S4)、余剰電解液吸引工程(S5)、第3の素子重量測定工程(S6)、電解液量判定工程(S7)およびケース収納・封止工程(S8)が含まれる。
【0028】
コンデンサ素子形成工程(S1)では、蓄電素子の一例であるコンデンサ素子を形成する。この形成工程は、陽極側および陰極側の各電極箔の間にセパレータを介在させて巻回する。
【0029】
素子重量測定工程(S2)では、コンデンサ素子形成工程で得られたコンデンサ素子の素子重量を測定する。この素子重量は電解液含浸前のコンデンサ素子の重量である。この重量に対し、電解液含浸後のコンデンサ素子重量Wrefを設定する。この素子重量Wrefを中央値に許容範囲±ΔWを想定した基準値として設定値:Wref±ΔWを決定する。許容範囲±ΔWは、不都合の生じないばらつきを想定すればよい。
【0030】
この設定値の決定の後、電解液含浸工程(S3)では、コンデンサ素子に電解液を含浸する。
【0031】
素子重量測定工程(S4)では、電解液含浸工程を経たコンデンサ素子の素子重量を測定する。この素子重量は電解液含浸後のコンデンサ素子の重量であり、電解液含浸前のコンデンサ素子の重量に含浸した電解液重量が加わった値である。
【0032】
電解液吸引工程(S5)は、電解液を含浸したコンデンサ素子から電解液を吸引し、コンデンサ素子から余剰となる電解液量を除去する。
【0033】
電解液含浸前の素子重量をW1、電解液含浸後の素子重量をW2とすると、これら素子重量W1、W2から電解液含浸量Waは、
W2−W1=Wa ・・・(1)
となる。そこで、電解液含浸量Waに対し、予定含浸量をWfと定義すると、S5で吸引される除去電解液量ΔWは、
ΔW=Wa−Wf ・・・(2)
となる。この除去電解液量ΔWがコンデンサからの理想的な電解液吸引量となる。
【0034】
素子重量測定工程(S6)は、電解液吸引量で電解液が除去された後の素子重量を測定する。この素子重量をW3とする。
【0035】
電解液量判定工程(S7)は、コンデンサ素子中の含浸電解液量を判定する。素子重量測定工程(S6)で求めた素子重量W3が設定値Wref±ΔWと比較して設定値Wref±ΔWから外れているか否かを判定する(S71)。
【0036】
そこで、S72では、Wref−ΔW≦W3を判定する。Wref−ΔW≦W3でなければ(S72のNO)、含浸電解液量が少ないため、再度コンデンサ素子に電解液の含浸を行い(S3)、S4、S5、S6を経てS7に遷移する。
【0037】
Wref−ΔW≦W3であれば(S72のYES)、S73に移行する。このS73ではW3≦Wref+ΔWであるかを判断する(S73)。W3≦Wref+ΔWでなければ(S73のNO)、含浸電解液量が過多であるから、再度コンデンサ素子から電解液の吸引を行い(S5)、S6を経てS7に遷移する。
【0038】
Wref−ΔW≦W3≦Wref+ΔWであれば、電解液を含浸したコンデンサ素子の素子重量が設定値Wref±ΔWの範囲であり、適正である。
【0039】
そして、ケース収納・封止工程(S8)は、電解液の含浸量が適正値に制御されたコンデンサ素子をケースに収納し、該ケースを封口部材で封止する。これにより、コンデンサが完成する。
【0040】
このような製造工程によれば、コンデンサ素子の電解液量はたとえば、コンデンサ素子から流出する余剰電解液量を1.0〔g〕未満に制御する。このような余剰電解液量の制御により、コンデンサ素子内の電解液量を適正量に制御することができ、コンデンサ素子から流出してケース内に滞留し、流動する余剰電解液を抑制することができる。
【0041】
図2は、コンデンサの余剰電解液の測定方法を示している。この余剰電解液の測定方法は、コンデンサ2から余剰の電解液4を採取し、その電解液量を測定する方法である。
【0042】
この測定方法に供するコンデンサ2は、電解液4を含浸したコンデンサ素子6をケース8に収納し、このケース8を封口部材10で封止している。封口部材10はガス放出機構12を備えている。このガス放出機構12は、封口部材10にガス放出孔14を備え、このガス放出孔14に安全弁16が設置されている。この安全弁16は、ガス透過性材料で形成され、ケース8内のガスを放出する。
【0043】
コンデンサ2は、封口部材10を下側にして傾斜角度θで設置されている。コンデンサ素子6に含浸された電解液4は流動性を有し、ケース8内には余剰の電解液4が滞留している。この場合、封口部材10にある安全弁16は、余剰の電解液4から離れるように、たとえば封口部材10の中心位置より上方に来るようにコンデンサ2が維持されている。
【0044】
このコンデンサ2の余剰の電解液4の測定方法として、傾斜角度θを30〔°〕の傾斜配置とする。この状態に維持させたコンデンサ2に振動を加える。振動周波数fは、下限周波数fminをたとえば、5〔Hz〕、上限周波数fmaxをたとえば、200〔Hz〕とし、この周波数範囲の振動を与える。コンデンサ2には重力として20〔G〕を付与する。この状態で一定の環境温度たとえば、60〔℃〕中に放置し、この放置時間は所定時間たとえば、24〔時間〕とする。
【0045】
このような条件で放置されたコンデンサ2のケース8に電解液排出孔18を形成する。この電解液排出孔18に排出パイプ20を取り付け、ケース8から排出パイプ20によりケース8外に流出させた余剰の電解液4を測定容器22に採取する。この測定容器22に溜められた電解液4を秤量計24で測定する。この測定値が余剰電解液量である。電解液量は重量で求められるが、この重量と電解液4の比重とから体積が求められる。
【0046】
図3は、電解液吸引装置の一例を示している。コンデンサ素子6に含浸されている電解液4を吸引装置28に設置して吸引し、コンデンサ素子6における電解液量を適正量に制御する。
【0047】
この吸引装置28には、載置部30および吸引部32が備えられている。載置部30には電解液4を含浸したコンデンサ素子6が設置される。この載置部30の底面側には吸引部32が取り付けられている。載置部30上の各コンデンサ素子6から電解液4を吸引部32に吸引し、コンデンサ素子6から電解液4を排出させる。これにより、コンデンサ素子6に含まれる電解液量を適正量に制御できる。
【0048】
<一実施の形態の特徴事項および効果>
【0049】
(1) 上記実施の形態では、電解液重量としてコンデンサ素子6に含浸された電解液4の重量、素子重量として電解液4の未含浸のコンデンサ素子6の重量を設定し、上記製造方法では、未含浸の素子重量を測定し、搭載率を基準に電解液4を含浸しその過剰分を除去している。
【0050】
コンデンサ素子6において素子重量が重いほど電極やセパレータが長く、コンデンサ素子6に保持できる電解液量が多くなる。つまり、素子重量が軽いものは保持できる電解液量が少ない。コンデンサ素子6の製造時、この素子重量がばらつき、含浸後の電解液量もコンデンサ素子6ごとに異なる。コンデンサ素子6に含まれる電解液量が異なれば、除去できる電解液量も異なることになる。そこで、製造工程では電解液量を素子重量で割った搭載率で電解液量を管理することができる。つまり、既述の予定含浸量(Wf)の算出基準に搭載率を適用すればよい。
【0051】
具体的には、蓄電素子に含浸された電解液の重量を電解液重量、電解液の含浸前の蓄電素子の重量を素子重量とすれば、電解液の蓄電素子への搭載率が、電解液重量/素子重量=0.70〜0.85の範囲とすることが好ましい。
【0052】
(2) 余剰電解液量を一例として1.0〔g〕未満とするには、電解液の搭載率を制御すればよい。また、ガス放出機構に付着する余剰電解液を、1〔ミリグラム〕以下とするには、同じく電解液の搭載率を制御すればよい。この場合、所定の搭載率に設定することにより、電解液4の流出を抑制することができる。
【0053】
(3) 斯かる処理により、コンデンサ素子6の電解液4の含浸量を適正値に制御できる。この結果、コンデンサ2を横置きや傾斜置きした場合であっても、コンデンサ素子6から流出する電解液4がガス放出機構である安全弁16に到達するのを防止でき、安全弁16が電解液4で塞がれ、電解液4の付着でガス放出機能の低下などの不都合を防止できる。
【0054】
(4) 振動を伴う車両用機器に搭載され、エンジン起動時の激しい振動が加わっても、ケース8内で流動する電解液4が低減されているので、電解液4の跳ね上がりなどを防止でき、電解液4の安全弁16への付着を防止できる。
【0055】
(5) コンデンサ素子6に含浸する電解液量について、コンデンサ2を斜めたとえば、30度の勾配に配置(横置き)し、振動周波数たとえば、5〔Hz〕〜200〔Hz〕、重力20〔G〕、24時間の経過後の余剰の電解液量をたとえば、1.0〔g〕以下に設定する。この場合、安全弁16は、横置きした際に封口部材10の上方側に設置し、除去する電解液量は、2〔g〕〜8〔g〕の範囲でよい。このようにすれば、安全弁16への電解液の付着を抑制でき、安全弁に付着する電解液を1〔ミリグラム〕以下に制御することができる。
【0056】
(6) 電解液4の除去は上記実施の形態に既述の通り、電解液4を含む素子重量の基準値を設定し、電解液含浸後の重量から余剰の電解液4を特定し、所定量に制御する。
【0057】
(7) このように余剰の電解液量に制御すれば、安全弁16に対する電解液4の付着などの影響を回避でき、ガス透過機能を維持することができるなど、信頼性の高いコンデンサ2を実現できる。
【0059】
図4は、コンデンサの試験方法を示す図である。この試験方法は、コンデンサに含まれる電解液がコンデンサのガス放出機構に付着する状況を検査する。
【0060】
供試コンデンサには既述のコンデンサ2が用いられる。このコンデンサ2は、φ45mm、135mmの高さを有する。このコンデンサ2の製造工程には電解液4の含浸、電解液4の除去、ケース封入、加締めおよびエージングが含まれる。
【0061】
図4のAに示すように、コンデンサ素子6に電解液4の含浸を行う。
図4のBは、電解液含浸後のコンデンサ素子6を示している。このコンデンサ素子6から
図4のCに示すように、余剰の電解液4の除去を行い、電解液4の除去量を一例として、a:0〔g〕、b:−2〔g〕、c:−4〔g〕、d:−5〔g〕、e:−6〔g〕、f:−8〔g〕とする。この場合、電解液4の除去量を異ならせ、電解液の搭載率を一例として、a:0.90、b:0.86、c:0.80、d0.77、e:0.75、f:0.70に設定したコンデンサ素子6を含む複数のコンデンサを作成する。
【0062】
各コンデンサ素子6はケース8に封入し、封口部材10でケース8を封口する。この場合、ケース8は封止のため加締めを行う。
図4のDは、加締め後のコンデンサ2を示している。ケース8には加締め部34が形成されている。
【0063】
図4のEに示すように、コンデンサ2のケース8に横加締めを施し、所定時間のエージング処理を行う。
図4のFは、エージング後のコンデンサ2を示している。ケース8には既述の横加締めによる帯状に複数の加締め部34が形成されている。
【0064】
図4のGは、一つのコンデンサ2の配置状態を示している。この実験では、各コンデンサ2を基準面36から傾斜角度θに維持し、この傾斜角度θはたとえば、θ=30〔°〕に静置した。コンデンサ2の周囲温度は一例として、60〔℃〕に設定した。安全弁16は、
図2に示したコンデンサと同様に、コンデンサ2の封口板の上側に配置されている。
【0065】
このような環境下で静置した各コンデンサ2に対し、振動試験を施した。この振動試験は下限周波数fminたとえば、5〔Hz〕から上限周波数fmaxたとえば、200〔Hz〕の範囲で変化させ、20〔G〕の重力を付与し、一定時間たとえば、24〔時間〕放置する。これにより、
図5および
図6に示す試験結果を得た。
【0066】
図5は、安全弁16の電解液付着状況を示している。試験後の各コンデンサ2から安全弁16を取り出し、安全弁への電解液の付着状況を観察したものである。また、安全弁16への電解液の付着量をそれぞれ測定した。また、試験後の各コンデンサ2のコンデンサ素子から流出した余剰電解液量を測定し、またコンデンサ素子への電解液の搭載率も記載した。
【0067】
aおよびbでは安全弁16への電解液4の付着量が多い。このような付着量は、安全弁16のガス放出機能が低下する。特に、安全弁16の中央で窪んでいるガス透過部位に電解液4が付着してしまっている。
【0068】
cでは電解液の搭載率が低く、また安全弁16への電解液4の付着量が少なく、しかも安全弁16のガス透過部位にも電解液4の付着が極めて少なく、良好である。d、eおよびfでは電解液の搭載率は低く電解液4がほとんど付着していない。
【0069】
図6は、静電容量の変化特性を示している。なお、測定条件は、2.5〔V〕の電圧印加、70度環境下にて測定している。
図6から分かるように、電解液4の多寡について、静電容量の変化率に顕著な差異は認められない。ただし、図示しないが、電解液の搭載率が0.70未満のコンデンサにおいては、長時間使用時にドライアップ等による静電容量等の性能劣化が生じてしまう。
【0070】
コンデンサ素子6から除去する電解液量は、コンデンサ素子6の大きさによって調整する。巻回タイプ(φ20〜φ100〔mm〕程度)のコンデンサであれば、除去量や余剰電解液量は、既述の範囲とすればよい。φによって形成される安全弁16の大きさも変化する。この安全弁16はたとえば、φ2〜φ10〔mm〕程度である。また、コンデンサ素子から流出する余剰電解液量は、コンデンサ素子6の大きさに依存するものの、コンデンサ素子6への電解液の搭載率を設定することで既述の一定の範囲に抑制される。余剰電解液量が1.0〔g〕以上であれば、安全弁16への付着領域や付着量が多く、安全弁16のガス透過機能の低下を引き起こすこととなる。
【0071】
また、コンデンサ素子6に含浸されている電解液量やその状態が、振動などが加わってもコンデンサ素子6から電解液4が流出しない程度に、しかも、その電解液4が静電容量などの電気的特性を維持できる程度にコンデンサ素子6に含まれていることが必要である。上記試験結果では、電解液4の上記削減量が静電容量の変化に影響しておらず、安全弁16の機能低下を防止する程度の削減量では信頼性の高い値として静電容量が維持されることが確認されている。
【0073】
上記実施の形態では、コンデンサ素子6の素子重量に基準値を設定しているが、この基準値は理論値であってもよく、測定値を総合的に判断し、適正な統計値や測定値であってもよい。
【0074】
以上説明したように、本発明の最も好ましい実施の形態等について説明した。本発明は、上記記載に限定されるものではない。特許請求の範囲に記載され、または発明を実施するための形態に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能である。斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。