特許第6347117号(P6347117)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6347117ガラスパネル装置における縦枠と端フレームの連結構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6347117
(24)【登録日】2018年6月8日
(45)【発行日】2018年6月27日
(54)【発明の名称】ガラスパネル装置における縦枠と端フレームの連結構造
(51)【国際特許分類】
   E04B 2/72 20060101AFI20180618BHJP
   E04B 2/78 20060101ALI20180618BHJP
【FI】
   E04B2/72 A
   E04B2/78
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-36851(P2014-36851)
(22)【出願日】2014年2月27日
(65)【公開番号】特開2015-161112(P2015-161112A)
(43)【公開日】2015年9月7日
【審査請求日】2016年12月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000139780
【氏名又は名称】株式会社イトーキ
(74)【代理人】
【識別番号】100074561
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 隆生
(74)【代理人】
【識別番号】100124925
【弁理士】
【氏名又は名称】森岡 則夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141874
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 久由
(74)【代理人】
【識別番号】100163577
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 正人
(72)【発明者】
【氏名】今 健一
【審査官】 西村 隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−322201(JP,A)
【文献】 米国特許第04967531(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 2/72
E04B 2/74
E04B 2/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス板の周縁を両縦枠の上下端に横枠を連結して構成した枠体で保持し、少なくとも該枠体の両側に端フレームを連結してなるガラスパネル装置において、前記縦枠は、外側面に開放した凹溝を備えた断面略コ字形の長尺部材で、内側面の幅方向中央部に該内側面の一部を前記凹溝内に向けて膨出させて膨出部を設けることで前記ガラス板の側縁を保持する保持溝を形成したものであり、前記端フレームは、前記縦枠の凹溝内に収容される柱部と前記縦枠の外側面を閉塞する化粧板部とを備えたものであり、前記縦枠の凹溝内で前記膨出部の上下端の少なくとも上端部に端部固定金具を固定するとともに、上下中間部に中間固定金具を固定する一方、前記端フレームの柱部に、上端部の前記端部固定金具と中間固定金具とに係止するフック片を備えた係止金具をそれぞれ固定し、前記係止金具のフック片を前記端部固定金具と中間固定金具に係止した状態で前記縦枠と端フレームの上下相対変位を規制したことを特徴とするガラスパネル装置における縦枠と端フレームの連結構造。
【請求項2】
前記縦枠の凹溝内で前記膨出部の上端部に固定する前記端部固定金具と中間固定金具は、前記縦枠の凹溝幅に相当する基板を有し、該基板の中央部を前記膨出部の頂面に固定するとともに、該基板の下縁に前記膨出部の横幅よりも広い切欠部を形成し、前記係止金具は、前記端フレームの柱部の頂面に固定する固定板の両側に上向きの前記フック片を形成し、両フック片で下方から前記膨出部を抱き込むように前記端部固定金具と中間固定金具の基板の切欠部に係止してなる請求項1記載のガラスパネル装置における縦枠と端フレームの連結構造。
【請求項3】
前記縦枠はスチール板を折曲形成したものであり、前記端部固定金具と中間固定金具の基板を前記膨出部の頂面に溶接して固定し、前記端フレームはアルミ押出し型材であり、前記係止金具の固定板を前記柱部の頂面にネジ止めして固定してなる請求項1又は2記載のガラスパネル装置における縦枠と端フレームの連結構造。
【請求項4】
前記縦枠の凹溝内で前記膨出部上端部に前記端部固定金具を固定し、下端部に前記端部固定金具を上下反転させて固定するとともに、前記横枠の両端部にそれぞれ連結金具を固定し、前記端部固定金具の基板の端部を前記連結金具に凹溝内でネジ止め連結して枠体を形成すると同時に、前記縦枠と横枠の内周面に形成した前記保持溝に前記ガラス板の周縁を保持してなる請求項1〜3いずれか1項に記載のガラスパネル装置における縦枠と端フレームの連結構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラスパネル装置における縦枠と端フレームの連結構造に係わり、更に詳しくはガラス板を保持する縦枠と化粧機能を備えた端フレームとの連結構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、両縦枠の上下部に横枠を渡設して形成したフレームでパネルを保持するとともに、隣接するフレームの縦枠同士を直接又は連結部材を介して連結し、端部に位置する縦枠には化粧カバーを兼ねた端フレームを取付ける構造の間仕切パネルは各種提供されている。ここで、前記端フレームを縦枠に取付ける構造として、端フレームの一部を縦枠の凹溝内に嵌合するとともに、外側から端フレームを縦枠にネジ止めする構造が一般的であるが、ネジの頭部が露出し若しくは見える位置にあるため外観性を損なうことになる。
【0003】
特許文献1には、フレームの表裏両面にパネルを取付けるタイプの間仕切パネルに関するものであるが、左右方向を向く間仕切パネルの側端面に、上下方向を向く凹溝を設けるとともに、前記凹溝の上下方向の中間部における前後の縁より前後方向に凹入する切欠きを設け、前記間仕切パネルの側端面を覆うエンドカバーの裏面に、前記凹溝に嵌合しうる上下方向の凸条を設けるとともに、前記凸条の前後面に、前記切欠きの下縁に係合しうる下向き鉤形の係止突部を設け、前記凸条を凹溝に嵌合し、かつ前記係止突部を切欠きの下縁に係合させることにより、エンドカバーを、間仕切パネルの側端面に係止した間仕切パネルへのエンドカバーの取付構造が開示されている。ここで、前後方向を向く基片の前後の端部より外側方を向く前後1対の係合片が連設された、平面視外向きコ字状の係止部材を、エンドカバーにおける凸条の裏面より嵌合し、前記係止部材を凸条にねじ止めすることによって、係止部材の前後の係合片により、係止突部を形成している。
【0004】
また、特許文献2には、全高にわたって一枚の透光性パネル板を有する自立型の透明パネル装置において、アルミ押出し型材からなり、外側に係合溝と、表裏一側に透光性パネル板の縁部を嵌合保持する内向き保持溝とを有し、更に内側に凹溝を形成した枠部材から、両側の縦枠部材と上下の横枠部材を形成し、それらを連結金具にて連結して四角形の枠体を形成すると同時に前記保持溝で透光性パネル板の周囲を保持して一体化し、両側の縦杆と上下の横杆をそれぞれ前記枠体の係合溝内に係合するとともに、両縦杆の上下端部に横杆の両端を締結してフレームを形成した構造の透明パネル装置が開示されている。尚、特許文献2では、透光性パネル板を保持した枠体を支持してパネル装置を構成する縦杆と、側端面を化粧する側カバーとは別部材となっており、端部に位置する縦杆の外側面に適宜側カバーを装着するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−322201号公報
【特許文献2】特開2007−303224号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1は、枠体でガラス板の周囲を保持するものではなく、それ自体で強度を備えたフレームの表裏両面にパネル板を係着する通常構造の非透光性の間仕切パネルに関するものであり、フレームの縦杆の外側面に設けた凹溝を利用し、化粧機能のみを備えたエンドカバーを係止するというものである。また、特許文献2は、枠体でガラス板の周囲を保持するものであるが、枠体を構成する縦枠部材の凹溝内に、支柱の機能を備えた縦杆を嵌合するとともに、両縦杆の上下部間を横杆でネジ止め連結してガラスパネルを構成するので、縦杆と横杆を連結するためのネジの頭部が露出し、従来と同様な外観性を損なうといった課題を有している。
【0007】
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、ガラス板の周縁を両縦枠の上下端に横枠を連結して構成した枠体で保持し、少なくとも該枠体の両側に端フレームを連結してなるガラスパネル装置において、縦枠と端フレームを連結する構造が側面に露出しないガラスパネル装置における縦枠と端フレームの連結構造を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前述の課題解決のために、ガラス板の周縁を両縦枠の上下端に横枠を連結して構成した枠体で保持し、少なくとも該枠体の両側に端フレームを連結してなるガラスパネル装置において、前記縦枠は、外側面に開放した凹溝を備えた断面略コ字形の長尺部材で、内側面の幅方向中央部に該内側面の一部を前記凹溝内に向けて膨出させて膨出部を設けることで前記ガラス板の側縁を保持する保持溝を形成したものであり、前記端フレームは、前記縦枠の凹溝内に収容される柱部と前記縦枠の外側面を閉塞する化粧板部とを備えたものであり、前記縦枠の凹溝内で前記膨出部の上下端の少なくとも上端部に端部固定金具を固定するとともに、上下中間部に中間固定金具を固定する一方、前記端フレームの柱部に、上端部の前記端部固定金具と中間固定金具とに係止するフック片を備えた係止金具をそれぞれ固定し、前記係止金具のフック片を前記端部固定金具と中間固定金具に係止した状態で前記縦枠と端フレームの上下相対変位を規制したことを特徴とするガラスパネル装置における縦枠と端フレームの連結構造を構成した(請求項1)。
【0009】
ここで、前記縦枠の凹溝内で前記膨出部の上端部に固定する前記端部固定金具と中間固定金具は、前記縦枠の凹溝幅に相当する基板を有し、該基板の中央部を前記膨出部の頂面に固定するとともに、該基板の下縁に前記膨出部の横幅よりも広い切欠部を形成し、前記係止金具は、前記端フレームの柱部の頂面に固定する固定板の両側に上向きの前記フック片を形成し、両フック片で下方から前記膨出部を抱き込むように前記端部固定金具と中間固定金具の基板の切欠部に係止してなることが好ましい(請求項2)。
【0010】
更に、前記縦枠はスチール板を折曲形成したものであり、前記端部固定金具と中間固定金具の基板を前記膨出部の頂面に溶接して固定し、前記端フレームはアルミ押出し型材であり、前記係止金具の固定板を前記柱部の頂面にネジ止めして固定してなることも好ましい(請求項3)。
【0011】
そして、前記縦枠の凹溝内で前記膨出部上端部に前記端部固定金具を固定し、下端部に前記端部固定金具を上下反転させて固定するとともに、前記横枠の両端部にそれぞれ連結金具を固定し、前記端部固定金具の基板の端部を前記連結金具に凹溝内でネジ止め連結して枠体を形成すると同時に、前記縦枠と横枠の内周面に形成した前記保持溝に前記ガラス板の周縁を保持してなることも好ましい(請求項4)。
【発明の効果】
【0012】
以上にしてなる請求項1に係る発明のガラスパネル装置における縦枠と端フレームの連結構造は、ガラス板の周縁を両縦枠の上下端に横枠を連結して構成した枠体で保持し、少なくとも該枠体の両側に端フレームを連結してなるガラスパネル装置において、前記縦枠は、外側面に開放した凹溝を備えた断面略コ字形の長尺部材で、内側面の幅方向中央部に該内側面の一部を前記凹溝内に向けて膨出させて膨出部を設けることで前記ガラス板の側縁を保持する保持溝を形成したものであり、前記端フレームは、前記縦枠の凹溝内に収容される柱部と前記縦枠の外側面を閉塞する化粧板部とを備えたものであり、前記縦枠の凹溝内で前記膨出部の上下端の少なくとも上端部に端部固定金具を固定するとともに、上下中間部に中間固定金具を固定する一方、前記端フレームの柱部に、上端部の前記端部固定金具と中間固定金具とに係止するフック片を備えた係止金具をそれぞれ固定し、前記係止金具のフック片を前記端部固定金具と中間固定金具に係止した状態で前記縦枠と端フレームの上下相対変位を規制したので、縦枠と端フレームを連結する構造が側面に露出せず、外観性に優れたものとなり、また縦枠と端フレームの連結作業が簡単で連結強度も高い。
【0013】
請求項2によれば、前記縦枠の凹溝内で前記膨出部の上端部に固定する前記端部固定金具と中間固定金具は、前記縦枠の凹溝幅に相当する基板を有し、該基板の中央部を前記膨出部の頂面に固定するとともに、該基板の下縁に前記膨出部の横幅よりも広い切欠部を形成し、前記係止金具は、前記端フレームの柱部の頂面に固定する固定板の両側に上向きの前記フック片を形成し、両フック片で下方から前記膨出部を抱き込むように前記端部固定金具と中間固定金具の基板の切欠部に係止してなるので、端部固定金具と中間固定金具に対して係止金具を安定に係止することができ、支持強度も高い。
【0014】
請求項3によれば、前記縦枠はスチール板を折曲形成したものであり、前記端部固定金具と中間固定金具の基板を前記膨出部の頂面に溶接して固定し、前記端フレームはアルミ押出し型材であり、前記係止金具の固定板を前記柱部の頂面にネジ止めして固定してなるので、枠体をスチール製で安価に製造でき、また端部固定金具と中間固定金具の基板を膨出部の頂面に溶接することで縦枠の凹溝内に強固に固定することができ、また端フレームはアルミ押出し型材で作製することにより、外観性に優れたものとなる。
【0015】
請求項4によれば、前記縦枠の凹溝内で前記膨出部上端部に前記端部固定金具を固定し、下端部に前記端部固定金具を上下反転させて固定するとともに、前記横枠の両端部にそれぞれ連結金具を固定し、前記端部固定金具の基板の端部を前記連結金具に凹溝内でネジ止め連結して枠体を形成すると同時に、前記縦枠と横枠の内周面に形成した前記保持溝に前記ガラス板の周縁を保持してなるので、前記端部固定金具を用いて縦枠の上下端に横枠を連結して枠体を構成することができ、端フレームの連結に供する部品と共用することでコストダウンが図れる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に係るガラスパネル装置の一部破断して示した省略正面図である。
図2】同じくガラスパネル装置の縦断側面図である。
図3】同じくガラスパネル装置の横断平面図である。
図4】同じくガラスパネル装置の底面図である。
図5】縦枠の固定金具と端フレームの係止金具の関係を示す省略分解斜視図である。
図6】縦枠の固定金具に端フレームの係止金具を係止する状態を示した部分斜視図である。
図7】同じく縦枠の固定金具に端フレームの係止金具を係止した状態を示した部分縦断正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、添付図面に示した実施形態に基づき、本発明を更に詳細に説明する。図1図4は本発明に係るガラスパネル装置を示し、図5図7はその部分的な詳細を示し、図中符号1はガラス板、2は枠体、3は縦枠、4は横枠、5は端フレーム、6は上フレーム、7は端部固定金具、8は中間固定金具、9は係止金具をそれぞれ示している。
【0018】
本発明に係るガラスパネル装置は、ガラス板1の周縁を両縦枠3,3の上下端に横枠4,4を連結して構成した枠体2で保持し、少なくとも該枠体2の両側に端フレーム5,5を連結してなるものであり、更には前記両端フレーム5,5の上端間を上フレーム6で連結し、前記ガラス板1を保持した枠体2を両側の端フレーム5,5と上フレーム6とからなる門型のフレームで保持した構造である。
【0019】
ここで、前記縦枠3は、外側面に開放した凹溝10を備えた断面略コ字形の長尺部材で、内側面の幅方向中央部に該内側面の一部を前記凹溝10内に向けて膨出させて膨出部11を設けることで前記ガラス板1の側縁を保持する保持溝12を形成したものである。また、前記端フレーム5は、前記縦枠3の凹溝10内に収容される柱部13と前記縦枠3の外側面を閉塞する化粧板部14とを備えている。前記膨出部11は、断面略コ字形であり、内部は前記保持溝12となっている。そして、前記縦枠3の凹溝10内で前記膨出部11の上下端の少なくとも一方に端部固定金具7を固定するとともに、上下中間部に中間固定金具8を固定する一方、前記端フレーム5の柱部13に、前記端部固定金具7と中間固定金具8とに係止するフック片15を備えた係止金具9,9をそれぞれ固定し、前記係止金具9,9のフック片15,15を前記端部固定金具7と中間固定金具8に係止した状態で前記縦枠3と端フレーム5の上下相対変位を規制して両部材を連結するのである。
【0020】
更に詳しくは、前記端部固定金具7は、図5に示すように、前記縦枠3の凹溝10の横幅に相当する基板16を有し、該基板16の下縁に前記膨出部11の横幅よりも広い切欠部17を形成し、更に基板16の両側には補強片18,18を直角に折曲形成している。また、前記端部固定金具7の基板16で、前記切欠部17を設けた側とは反対側の端部に複数の通孔19,19を形成している。そして、前記縦枠3の上端部の膨出部11には、前記端部固定金具7を切欠部17が下向きになるように、前記基板16の中央部を前記膨出部11の頂面に固定し、前記縦枠3の下端部の膨出部11には、前記端部固定金具7を切欠部17が上向きになるように、前記基板16の中央部を前記膨出部11の頂面に固定する。
【0021】
また、前記中間固定金具8は、図5及び図6に示すように、前記縦枠3の凹溝10の横幅に相当する基板20を有し、該基板20の下縁に前記膨出部11の横幅よりも広い切欠部21を形成し、更に基板20の両側には補強片22,22を直角に折曲形成している。ここで、前記基板20の上縁にも切欠部21を上下対称に形成している。そして、前記縦枠3の上下中間部の膨出部11には、前記基板20の中央部を前記膨出部11の頂面に固定する。前記中間固定金具8は、上下反転対称であるから、上下どちらの向きに取付けても良いようにしている。また、前記端部固定金具7の切欠部17と前記中間固定金具8の切欠部21は同形である。
【0022】
前記係止金具9は、図5及び図6に示すように、前記端フレーム5の柱部13の頂面に固定する固定板23の両側に前記フック片15,15を形成したものである。ここで、前記フック片15は、正面視倒T字形とし、係止金具9を上下対称形としたので、上下どちらの向きに取付けても良いようにしている。そして、前記縦枠3の上部の端部固定金具7と中間固定金具8の位置に合わせて、前記係止金具9の固定板23を前記端フレーム5の柱部13の頂面に固定する。前記端フレーム5の上端部と上下中間部にそれぞれ前記係止金具9を固定した状態で、前記柱部13を縦枠3の凹溝10内に挿入し、上向きの両フック片15,15で前記膨出部11を抱き込むように前記端部固定金具7の基板16の切欠部17と中間固定金具8の基板20の切欠部21に係止すると同時に、前記化粧板部14で前記縦枠3の外側面を閉塞し、凹溝10を隠蔽するのである。この状態で、後述のように前記縦枠3と端フレーム5の上下相対変位を規制して、前記フック片15が基板16,20から外れないようにする。
【0023】
更に、前記縦枠3は、スチール板を折曲形成したものであり、前記端部固定金具7と中間固定金具8の基板16,20を前記膨出部11の頂面に溶接して固定する。前記端部固定金具7の基板16の中央上下部と、前記中間固定金具8の基板20の中央上下部には、位置決めのための孔24,24を形成するとともに、前記縦枠3の膨出部11の頂面所定位置にダボ25,25をプレス形成し、前記孔24,24とダボ25,25を係合させた状態で、基板16,20を前記膨出部11の頂面にスポット溶接する。また、前記端フレーム5と上フレーム6は、アルミ押出し型材を所定長さに切断し、端部を切削加工して作製したものである。そして、前記係止金具9は、前記固定板23に形成した取付孔26,26を用いてネジ27,27を前記柱部13の頂面の下穴28,28に螺合して固定する。
【0024】
次に、更に詳細に各部を説明する。前記縦枠3及び横枠4の断面形状は同一である。前記縦枠3及び横枠4は、図2図3図5及び図6に示すように、内側面となる底板29の両側に側板30,30を直角に折曲形成し、内部に外側面に開放した凹溝10を有する断面略コ字形であり、前記底板29の幅方向中央部を前記凹溝10内に向けて膨出させて膨出部11を設けることで前記ガラス板1の周縁を保持する保持溝12を形成し、更に前記両側板30,30の端部は内側に断面L字状に折り返して補強縁31,31を形成したものである。前記縦枠3は、図5及び図6に示すように、上下端部で前記底板29及びそれに連続する膨出部11を切除して前記横枠4の端部を接合する開口部32を形成し、更に両側板30,30の下端を内向きに折曲して支持片33,33を形成し、該支持片33にはスリット孔34を形成している。
【0025】
そして、前記縦枠3の上下端部には、前記端部固定金具7,7を固定するが、該端部固定金具7の通孔19,19を有する前記基板16の端部を前記開口部32に臨ませて取付けている。一方、前記横枠4の両端部で凹溝10内には連結金具35を固定する。前記連結金具35は、前記凹溝10の横幅に相当する基板36を有し、該基板36の両側に側面板37,37を直角に折曲形成し、該側面板37は前記縦枠3の開口部32から進入し、縦枠3の両側板30,30から補強縁31に至るように側方へ延出されており、また前記基板36の端部に側面板37とは反対側に直角に連結片38を折曲形成し、該連結片38には適宜下穴を形成している。そして、前記連結金具35の基板36の中央部を前記横枠4の膨出部11の頂面に、端部固定金具7と同様に位置決めしてスポット溶接する。この状態で、前記横枠4の端部から前記連結金具35の側面板37,37の延長部と連結片38が露出している。
【0026】
そして、前記縦枠3の凹溝10内の上下端にそれぞれ前記端部固定金具7,7を固定するとともに、前記横枠4の両端部にそれぞれ連結金具35,35を固定し、前記端部固定金具7の基板16の端部を前記連結金具35の連結片38に凹溝10内でネジ止め連結して枠体2を形成すると同時に、前記縦枠3と横枠4の内周面に形成した前記保持溝12にパッキン39を介して前記ガラス板1の周縁を保持する。ここで、前記縦枠3に固定した端部固定金具7の基板16の端部に、前記横枠4に固定した連結金具35の連結片38を接合し、基板16の通孔19,19に挿通したネジ40,40を連結片38の下穴に螺合して連結する。
【0027】
また、前記端フレーム5は、図3図5及び図6に示すように、アルミ押出し型材で作製し、前記柱部13と化粧板部14とからなり、前記柱部13は中空杆体で強度を備え、頂面の内側部分と中間仕切部との二箇所に断面C字形の下穴部41,41を形成し、前記化粧板部14の両側縁は前記縦枠3の補強縁31,31を外嵌する保持部42,42を形成し、そして前記柱部13の上端部の柱部13を切除して接合部43を形成するとともに、該接合部43に対応する化粧板部14の中央部を切除して連結具44の引出し部45を形成している。ここで、前記連結具44は、隣接するパネル同士を引き付け連結するためのものであり、例えば本出願人の先願に係る特開2001−227090号公報において開示されているものである。
【0028】
また、前記上フレーム6は、図2に示すように、アルミ押出し型材で作製し、筒部46と化粧板部47とからなり、前記筒部46は単純な筒状であり、前記化粧板部47も単純な平板状であり、両端部の前記化粧板部47の中央部には前記連結具44を挿脱するために開口48を形成し、該開口48には合成樹脂製のキャップ49を着脱可能に設けている。尚、前記化粧板部47の両側縁には、前記同様に横枠4の補強縁31,31を外嵌する保持部42,42を形成している。
【0029】
前記端フレーム5の下端には、アジャスター受板50が前記下穴部41,41を利用してネジ51,51で固定され、上端には、前記接合部43に前記上フレーム6の端部を接合した状態で、上フレーム6の筒部46の底面を、前記下穴部41,41を利用してネジ52,52で端フレーム5の柱部13に連結している。前記アジャスター受板50は、図1図2図4及び図7に示すように、前記縦枠3及び端フレーム5の下端及び下側の横枠4の端部の両補強縁31,31に接合する広さの基板53の両側に前記縦枠3の支持片33に形成したスリット孔34,34に係合する突片54,54を上向きに形成するとともに、内側寄り位置にアジャスターボルト55を螺合する螺孔56をバーリング加工して形成している。
【0030】
そして、前記端フレーム5の上端部と上下中間部に取付けた前記係止金具9,9の上向きフック片15,15を、前記縦枠3の上端部に固定した前記端部固定金具7と上下中間部に固定した中間固定金具8のそれぞれの下縁に位置する切欠部17,21に、下方からスライドさせて係止させると、端フレーム5の下端に固定した前記アジャスター受板50が縦枠3の下端支持片33,33に当接し且つスリット孔34,34に突片54,54が係合する。更に、前述のように、端フレーム5の上端部に上フレーム6の端部を連結することにより、前記縦枠3に対して端フレーム5の上下相対変位が規制されるので、前記係止金具9,9が前記端部固定金具7と中間固定金具8から外れることがなくなる。このように構成することで、前記端フレーム5で縦枠3、つまりはガラス板1を保持した枠体2の荷重を受け、最終的にアジャスター受板50を介してアジャスターボルト55で全荷重を受けることができるのである。また、アルミ押出し型材からなる前記端フレーム5の化粧板部14によって、スチール製の縦枠3の外側面が全て隠蔽されるので、外観性に優れたものになる。
【0031】
尚、前記縦枠3に端フレーム5を連結するだけであれば、前記端フレーム5の下端部と上下中間部に取付けた前記係止金具9,9の下向きフック片15,15を、前記縦枠3の下端部に固定した前記端部固定金具7と上下中間部に固定した中間固定金具8のそれぞれの上縁に位置する切欠部17,21に、上方からスライドさせて係止させるとともに、前記縦枠3に対して端フレーム5の上下相対変位を規制することも可能である。しかし、前記端フレーム5で前記ガラス板1を保持した枠体2の荷重を受けるという意味では、前述の構成の方が好ましい。
【0032】
更に、前記端フレーム5と枠体2との連結強度を高めるために、図1図2及び図4に示すように、下側の横枠4の端部に固定した前記連結金具35の両側面板37,37間に平面視コ字形の補強金具57の両翼板58,58を溶接して固定し、該補強金具57の垂直板59を前記端フレーム5の柱部13の頂面にネジ60,60にてネジ止め連結する。
【符号の説明】
【0033】
1 ガラス板、 2 枠体、
3 縦枠、 4 横枠、
5 端フレーム、 6 上フレーム、
7 端部固定金具、 8 中間固定金具、
9 係止金具、 10 凹溝、
11 膨出部、 12 保持溝、
13 柱部、 14 化粧板部、
15 フック片、 16 基板、
17 切欠部、 18 補強片、
19 通孔、 20 基板、
21 切欠部、 22 補強片、
23 固定板、 24 孔、
25 ダボ、 26 取付孔、
27 ネジ、 28 下穴、
29 底板、 30 側板、
31 補強縁、 32 開口部、
33 支持片、 34 スリット孔、
35 連結金具、 36 基板、
37 側面板、 38 連結片、
39 パッキン、 40 ネジ、
41 下穴部、 42 保持部、
43 接合部、 44 連結具、
45 引出し部、 46 筒部、
47 化粧板部、 48 開口、
49 キャップ、 50 アジャスター受板、
51 ネジ、 52 ネジ、
53 基板、 54 突片、
55 アジャスターボルト、 56 螺孔。
57 補強金具、 58 翼板、
59 垂直板、 60 ネジ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7