(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面に基づき本発明を実現するにあたっての好適な一実施の形態の例を説明する。
図1は、本実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図を示している。
なお、モジュールとは、一般的に論理的に分離可能なソフトウェア(コンピュータ・プログラム)、ハードウェア等の部品を指す。したがって、本実施の形態におけるモジュールはコンピュータ・プログラムにおけるモジュールのことだけでなく、ハードウェア構成におけるモジュールも指す。それゆえ、本実施の形態は、それらのモジュールとして機能させるためのコンピュータ・プログラム(コンピュータにそれぞれの手順を実行させるためのプログラム、コンピュータをそれぞれの手段として機能させるためのプログラム、コンピュータにそれぞれの機能を実現させるためのプログラム)、システム及び方法の説明をも兼ねている。ただし、説明の都合上、「記憶する」、「記憶させる」、これらと同等の文言を用いるが、これらの文言は、実施の形態がコンピュータ・プログラムの場合は、記憶装置に記憶させる、又は記憶装置に記憶させるように制御するの意である。また、モジュールは機能に一対一に対応していてもよいが、実装においては、1モジュールを1プログラムで構成してもよいし、複数モジュールを1プログラムで構成してもよく、逆に1モジュールを複数プログラムで構成してもよい。また、複数モジュールは1コンピュータによって実行されてもよいし、分散又は並列環境におけるコンピュータによって1モジュールが複数コンピュータで実行されてもよい。なお、1つのモジュールに他のモジュールが含まれていてもよい。また、以下、「接続」とは物理的な接続の他、論理的な接続(データの授受、指示、データ間の参照関係等)の場合にも用いる。「予め定められた」とは、対象としている処理の前に定まっていることをいい、本実施の形態による処理が始まる前はもちろんのこと、本実施の形態による処理が始まった後であっても、対象としている処理の前であれば、そのときの状況・状態に応じて、又はそれまでの状況・状態に応じて定まることの意を含めて用いる。「予め定められた値」が複数ある場合は、それぞれ異なった値であってもよいし、2以上の値(もちろんのことながら、全ての値も含む)が同じであってもよい。また、「Aである場合、Bをする」という意味を有する記載は、「Aであるか否かを判断し、Aであると判断した場合はBをする」の意味で用いる。ただし、Aであるか否かの判断が不要である場合を除く。
また、システム又は装置とは、複数のコンピュータ、ハードウェア、装置等がネットワーク(一対一対応の通信接続を含む)等の通信手段で接続されて構成されるほか、1つのコンピュータ、ハードウェア、装置等によって実現される場合も含まれる。「装置」と「システム」とは、互いに同義の用語として用いる。もちろんのことながら、「システム」には、人為的な取り決めである社会的な「仕組み」(社会システム)にすぎないものは含まない。
また、各モジュールによる処理毎に又はモジュール内で複数の処理を行う場合はその処理毎に、対象となる情報を記憶装置から読み込み、その処理を行った後に、処理結果を記憶装置に書き出すものである。したがって、処理前の記憶装置からの読み込み、処理後の記憶装置への書き出しについては、説明を省略する場合がある。なお、ここでの記憶装置としては、ハードディスク、RAM(Random Access Memory)、外部記憶媒体、通信回線を介した記憶装置、CPU(Central Processing Unit)内のレジスタ等を含んでいてもよい。
【0024】
本実施の形態である情報処理装置100は、型(以下、テンプレートともいう)を用いて文書を作成し、文書へのアクセスを型へのアクセスログとして記録するものであって、
図1の例に示すように、文書ID管理モジュール110、リンク情報生成モジュール120、可変情報管理モジュール130、文書作成モジュール140、テンプレート管理モジュール150、テンプレート記憶モジュール155、アクセスログ処理モジュール185、Webサーバー190、通信モジュール195を有している。
なお、テンプレートとは、文書の雛型のことである。編集可能である領域(以下、可変情報ともいう)と編集不可の領域が指定されており、文書作成者は編集可の領域のみを編集して文書を作成する。雛型から作成することで、ブランドルールや文書作成ルール(例えば、ある欄は、縦書きのみが許可されているが、横書きは許されない等)を守りながら、カスタマイズした文書を作成することができる。
情報処理装置100は、主にテンプレートパブリッシングと呼ばれるサービスに提供されるものである。テンプレートパブリッシングでは、テンプレートから作成された文書(例えば、PDF(Portable Document Format)等)の利用状況をテンプレートを管理しているサーバーや作成元のテンプレートに反映し、テンプレートの改廃や、文書作成時に情報を利用したい。しかし、一般的には、テンプレートからPDF等の文書作成した後の利用情報は、サーバーが直接管理収集できない。
【0025】
文書ID管理モジュール110は、文書作成モジュール140と接続されている。文書ID管理モジュール110は、本実施の形態において、文書作成モジュール140によって作成される作成文書145を一意に識別する文書識別情報を生成し、その文書識別情報を管理する。また、作成文書145を文書識別情報とともに管理するようにしてもよい。つまり、文書ID管理モジュール110は、作成された文書のIDを採番管理する。
リンク情報生成モジュール120は、可変情報管理モジュール130、文書作成モジュール140と接続されており、文書に埋め込むリンク情報を生成する。リンク情報生成モジュール120は、アクセスログ取得可能なアドレスである第2のアドレスを生成する。ここでのアドレスとは、情報が記憶されている場所を示す情報であって、具体的には、URI(Uniform Resource Identifier、なお、URL:Uniform Resource Locatorを含む)が該当する。この第2のアドレスは、操作者の操作に基づいて、文書作成モジュール140によって作成される作成文書145内に埋め込まれる第1のアドレスを置換するものである。第1のアドレスは、操作者の操作によって生成されたアドレスであって、本来、そのアドレスにアクセスして欲しいと希望しているアドレスである。第2のアドレスは、情報処理装置100がアクセスログ取得可能なアドレスであればよい。
図1の例の場合、第2のアドレスは、情報処理装置100(Webサーバー190)を示すアドレスであるが、アクセスログ処理モジュール185を情報処理装置100以外の情報処理装置に組み込んでもよい。その場合、第2のアドレスは、アクセスログ処理モジュール185を組み込んだ情報処理装置のアドレスである。つまり、第2のアドレスは、アクセスログ取得可能なアクセスログ処理モジュール185を示すものであればよい。
なお、第2のアドレスは、作成文書145に埋め込まれたアドレスであり、作成文書145が配信された先で、その埋め込まれたアドレスに対するアクセスがあった場合に、情報処理装置100(Webサーバー190)へのアクセスがあり、リンク情報解析モジュール180がアクセスログを取得する。第1のアドレスは、第2のアドレスへのアクセスがあった場合に、後述するようにHTTPリダイレクト(HTTP redirect)機能によって、アクセス元へ送信されるアドレスであって、アクセス元のブラウザによって、自動的に第1のアドレスにアクセスが行われる。つまり、第1のアドレスにアクセスするのに、いったん第2のアドレスを経由することになる。この第2のアドレスを経由することによって、文書内のアドレスにアクセスがあったこと、すなわち、その文書を作成する際に用いたテンプレートへのアクセスログとしてカウントするものである。
【0026】
可変情報管理モジュール130は、リンク情報生成モジュール120、文書作成モジュール140、テンプレート管理モジュール150と接続されている。可変情報管理モジュール130は、テンプレート管理モジュール150から受け取ったテンプレート内の可変情報を管理するものである。ここで、可変情報とは、操作者の操作によって変更することができる箇所である。例えば、テンプレート内の商品名の欄、その説明を記載する欄、アドレスを埋め込む箇所等が該当する。つまり、操作者が入力するテンプレートの可変情報や埋め込みリンク情報を管理する。
文書作成モジュール140は、文書ID管理モジュール110、リンク情報生成モジュール120、可変情報管理モジュール130、アクセスログ処理モジュール185のリンク情報管理モジュール160、Webサーバー190と接続されている。文書作成モジュール140は、テンプレート記憶モジュール155内のテンプレートを用いて作成文書145を作成し、Webサーバー190にその作成文書145を渡す。また、文書作成モジュール140は、操作者の操作に基づいて、文書作成モジュール140によって作成される作成文書145内に埋め込まれる第1のアドレスを、アクセスログ取得可能なアドレスである第2のアドレスに置換する。そして、文書作成モジュール140は、文書作成モジュール140によって作成された作成文書145に用いられたテンプレートを識別するテンプレート識別情報と、第1のアドレスと、第2のアドレスを対応させた情報を生成し、リンク情報管理モジュール160に渡す。なお、操作者の操作は、Webサーバー190、通信モジュール195を介して、外部の情報処理装置(後述する
図2の例に示す文書作成者使用端末230)から行われる。つまり、文書作成モジュール140は、テンプレート、可変情報、埋め込みリンク情報、文書識別情報から実際に文書を作成する。文書識別情報は、文書ID管理モジュール110から取得する。埋め込みリンク情報は、リンク情報生成モジュール120から取得する。作成文書145は、テンプレートから操作者の操作によって作成された文書である。
テンプレート管理モジュール150は、可変情報管理モジュール130、テンプレート記憶モジュール155、アクセスログ処理モジュール185のリンクアクセスログ情報記憶モジュール175、Webサーバー190と接続されている。テンプレート管理モジュール150は、テンプレート記憶モジュール155内のテンプレートを管理し、操作者の操作によって選択されたテンプレートを可変情報管理モジュール130に渡す。具体的には、テンプレート記憶モジュール155内のテンプレートの追加、削除、編集、一覧等の管理と、文書作成を行う場合に、用いるテンプレートを抽出する。
また、テンプレート管理モジュール150は、リンクアクセスログ情報記憶モジュール175内に記録されたログの結果を表示する。また、該当テンプレートから作成された文書に埋め込まれたリンク情報がどれだけ利用されているかをリンクアクセスログ情報管理モジュール170から取得し、テンプレート一覧表示、編集の際に表示する。例えば、テンプレートを選択させるために一覧を表示する場合に、そのテンプレートの情報(そのテンプレートを用いて作成された文書では、どれだけのアクセスがあるかということを示す情報等)として、リンクアクセスログ情報記憶モジュール175から抽出したアクセスログを表示する。また、テンプレートを用いて文書を作成する場合に、可変情報として埋め込まれたアドレス情報の利用状況を取得して表示する。例えば、
図9、
図10の例を用いて後述する。
テンプレート記憶モジュール155は、テンプレート管理モジュール150と接続されている。テンプレート記憶モジュール155は、予め作成されたテンプレートを記憶している。このテンプレートを用いて作成文書145が作成される。
【0027】
アクセスログ処理モジュール185は、リンク情報管理モジュール160、リンク情報記憶モジュール165、リンクアクセスログ情報管理モジュール170、リンクアクセスログ情報記憶モジュール175、リンク情報解析モジュール180を有している。アクセスログ処理モジュール185は、アクセスログを管理するものであり、作成文書145内に埋め込まれた第2のアドレスへのアクセスによって、アクセスされるものである。
リンク情報管理モジュール160は、文書作成モジュール140、リンク情報記憶モジュール165、リンク情報解析モジュール180と接続されている。リンク情報管理モジュール160は、文書作成モジュール140によって生成された、文書作成に用いられたテンプレートを識別するテンプレート識別情報と第1のアドレスと第2のアドレスを対応させて、リンク情報記憶モジュール165に記憶させる。
リンク情報記憶モジュール165は、リンク情報管理モジュール160と接続されている。リンク情報記憶モジュール165は、文書作成に用いられたテンプレートを識別するテンプレート識別情報と第1のアドレスと第2のアドレスを対応させた情報を記憶している。例えば、
図6の例に示すリンク情報テーブル600を用いて後述する。
リンクアクセスログ情報管理モジュール170は、リンクアクセスログ情報記憶モジュール175、リンク情報解析モジュール180と接続されている。リンクアクセスログ情報管理モジュール170は、第2のアドレスへのアクセスが検知された場合は、その第2のアドレスに対応するテンプレート識別情報が示すテンプレートへのアクセスログとして、リンクアクセスログ情報記憶モジュール175に記録する。この場合、リンク情報管理モジュール160を介して得たリンク情報記憶モジュール165内の情報を用いて、第2のアドレスからテンプレート識別情報を抽出する。
リンクアクセスログ情報記憶モジュール175は、テンプレート管理モジュール150、リンクアクセスログ情報管理モジュール170と接続されている。リンクアクセスログ情報記憶モジュール175は、作成文書145内に埋め込まれたアドレスへのアクセスログを記憶している。例えば、
図8の例に示すリンクアクセスログ情報テーブル800を用いて後述する。
リンク情報解析モジュール180は、リンク情報管理モジュール160、リンクアクセスログ情報管理モジュール170、Webサーバー190と接続されている。リンク情報解析モジュール180は、第2のアドレスへのアクセスが検知された場合は、その第2のアドレスに対応する第1のアドレスを、その第2のアドレスにアクセスしてきたアクセス元へ送信する。いわゆるHTTPリダイレクト機能を有する。この場合、リンク情報管理モジュール160を介して得たリンク情報記憶モジュール165内の情報を用いて、第2のアドレスから第1のアドレスへの変換を行う。また、リンク情報解析モジュール180は、情報処理装置100へアクセスされたURLの引数(文書識別情報等)を使って、リンク情報管理モジュール160へ問い合わせて、実際にアクセスするURLを取得するようにしてもよい。
【0028】
Webサーバー190は、文書作成モジュール140、テンプレート管理モジュール150、リンク情報解析モジュール180、通信モジュール195と接続されている。Webサーバー190は、一般的なWebサーバーである。具体的には、Webサーバー190は、情報処理装置100を文書作成のサービスを提供するWebとして機能させ、また、その文書作成サービスによって作成された文書に埋め込まれたアドレスへのアクセスに対してHTTPリダイレクト機能を提供するためのものである。
通信モジュール195は、Webサーバー190と接続されている。通信モジュール195は、外部(後述する
図2の例に示す閲覧者使用モバイル端末210、閲覧者使用端末220、文書作成者使用端末230等)との通信を行うものであり、例えば、文書作成者使用端末230からのテンプレートを用いた文書作成の指示を受け付けたり、作成した作成文書145を文書作成者使用端末230へ送信したり、作成文書145内に埋め込まれたアドレスへの閲覧者使用モバイル端末210等からのアクセスを受信し、また、閲覧者使用モバイル端末210に対してHTTPリダイレクト機能によるアドレスの返信を行う。
【0029】
また、文書作成モジュール140は、第2のアドレスを、文書作成モジュール140によって作成される作成文書145を識別する文書識別情報に基づいて生成してもよい。ここで、「基づいて」として、例えば、文書識別情報そのものを含むような形態の第2のアドレスであってもよいし、文書識別情報を変換した情報を含むような形態の第2のアドレスであってもよい。文書識別情報を変換した情報を用いる場合は、その変換した情報から文書識別情報を復元できる情報であればよい。また、文書作成モジュール140は、リンク情報管理モジュール160に渡す第2のアドレスの代わりに文書識別情報とするようにしてもよい。つまり、テンプレート識別情報と第1のアドレスと第2のアドレスを対応させた情報の代わりに、テンプレート識別情報と第1のアドレスと文書識別情報を対応させた情報を生成することとなる。
この場合、リンク情報管理モジュール160は、文書作成モジュール140から渡される情報として、第2のアドレスの代わりに文書識別情報を記憶することとなる。つまり、テンプレート識別情報と第1のアドレスと第2のアドレスを対応させた情報の代わりに、テンプレート識別情報と第1のアドレスと文書識別情報を対応させた情報を記憶することとなる。
そして、リンクアクセスログ情報管理モジュール170は、第2のアドレスへのアクセスが検知された場合は、その第2のアドレスから文書識別情報を抽出し、その文書識別情報に対応するテンプレート識別情報のテンプレートへのアクセスログとして記録するようにしてもよい。
また、リンク情報解析モジュール180は、第2のアドレスへのアクセスが検知された場合は、その第2のアドレスから文書識別情報を抽出し、その文書識別情報に対応する第1のアドレスを、その第2のアドレスにアクセスしてきたアクセス元へ送信するようにしてもよい。
【0030】
また、文書作成モジュール140は、第2のアドレスを、文書識別情報と文書内に埋め込まれる第2のアドレスを識別するアドレス識別情報に基づいて生成してもよい。ここで、「基づいて」として、例えば、文書識別情報とアドレス識別情報の組み合わせそのものを含むような形態の第2のアドレスであってもよいし、文書識別情報とアドレス識別情報の組み合わせを変換した情報を含むような形態の第2のアドレスであってもよい。文書識別情報とアドレス識別情報の組み合わせを変換した情報を用いる場合は、その変換した情報から文書識別情報とアドレス識別情報の組み合わせを復元できる情報であればよい。また、文書作成モジュール140は、第2のアドレスの代わりに、文書識別情報とアドレス識別情報の組み合わせとするようにしてもよい。つまり、テンプレート識別情報と第1のアドレスと第2のアドレスを対応させた情報の代わりに、テンプレート識別情報と第1のアドレスと文書識別情報とアドレス識別情報を生成することとなる。
この場合、リンク情報管理モジュール160は、文書作成モジュール140から渡される情報として、第2のアドレスの代わりに文書識別情報とアドレス識別情報の組み合わせを記憶することとなる。つまり、テンプレート識別情報と第1のアドレスと第2のアドレスを対応させた情報の代わりに、テンプレート識別情報と第1のアドレスと文書識別情報とアドレス識別情報を対応させた情報を記憶することとなる。
そして、リンク情報解析モジュール180は、第2のアドレスへのアクセスが検知された場合は、その第2のアドレスから文書識別情報とアドレス識別情報を抽出し、その文書識別情報とそのアドレス識別情報に対応する第1のアドレスを、その第2のアドレスにアクセスしてきたアクセス元へ送信するようにしてもよい。
なお、リンクアクセスログ情報管理モジュール170は、第2のアドレスへのアクセスが検知された場合は、その第2のアドレスから文書識別情報とアドレス識別情報を抽出し、その文書識別情報とそのアドレス識別情報に対応するテンプレート識別情報のテンプレートへのアクセスログとして記録してもよい。また、テンプレート内のアドレス識別情報のアドレスへのアクセスログとして記録してもよい。この場合は、テンプレートのアクセスログだけでなく、テンプレート内のアドレス情報へのアクセスログとしても記録することとなる。
なお、文書を配布後に埋め込んだアドレス(操作者が本来意図したアドレス)を変えたい場合にも対応できる。つまり、文書には、本来のアドレスが直接埋め込まれているわけではないので、リンク情報記憶モジュール165内の情報を書き換えることによって、配布した文書を書き換えることなく、アクセスしてもらいたいアドレスを変更することができる。
【0031】
図2は、本実施の形態を実現するシステム構成例を示す説明図である。
情報処理装置100、閲覧者使用モバイル端末210A、閲覧者使用モバイル端末210B、閲覧者使用端末220A、閲覧者使用端末220B、文書作成者使用端末230A、文書作成者使用端末230B、リンク先Webサーバー240A、リンク先Webサーバー240Bは、通信回線290を介してそれぞれ接続されている。例えば、文書作成者使用端末230Aからテンプレートを用いた文書作成の指示が、情報処理装置100に対して行われる。情報処理装置100は、その指示にしたがってアドレス情報が埋め込まれた文書を作成し、その文書が文書作成者使用端末230Aに送信される。文書作成者使用端末230Aは、閲覧者使用モバイル端末210A、閲覧者使用端末220A等に、その文書を配布する。閲覧者使用モバイル端末210A等で、その文書を閲覧した閲覧者の操作によって、文書内に埋め込まれたアドレスへのアクセスが行われ、情報処理装置100を介して、リンク先Webサーバー240A等へアクセスが行われる。情報処理装置100を介したアクセスが行われた場合に、情報処理装置100は、その文書を作成したテンプレートへのアクセスログとして記録する。通信回線290は、無線、有線、これらの組み合わせであってもよく、例えば、通信インフラとしてのインターネット等であってもよい。
【0032】
図3、
図4を用いて、情報処理装置100の処理の概要を説明する。なお、この説明は、本実施の形態の理解を容易にすることを目的とするものである。
図3は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。テンプレート310から文書(PDF等)を作成する際、操作者が可変情報として設定したURL情報(URL−A)ではなく、情報処理装置100のURLを埋め込み、情報処理装置100上で操作者設定URLと作成された文書の対応情報を管理する。具体的には、以下のようになる。
ステップS302では、情報処理装置100が、文書作成者使用端末230からの操作者の操作にしたがって、テンプレート310にURL−Aのリンクを埋め込み、配布文書(電子)320の作成を開始する。
ステップS304では、情報処理装置100が、情報処理装置100で作成された配布文書(電子)320と埋め込みURLを管理する。つまり、配布文書(電子)320とURL−Aを対応させる。
ステップS306では、URL−S(情報処理装置100へアクセスするためのアドレス)が埋め込まれた配布文書(電子)320が作成され、配布される。
【0033】
図4は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。配布文書(電子)320や配布文書(紙)430に埋め込まれたURL情報にアクセスすると、情報処理装置100に対して、配布文書(電子)320、配布文書(紙)430の識別情報と共にアクセスが行われる。情報処理装置100では、アクセスさせるURL(操作者設定URL)と配布文書(電子)320、配布文書(紙)430の識別情報との対応情報を用いて、テンプレートへのアクセスログを記録管理し、アクセスさせるURL(操作者設定URL)にアクセスさせる。
ステップS402では、配布文書(電子)320、配布文書(紙)430の埋め込みURL情報によって、いったん情報処理装置100へアクセスする。
ステップS404では、情報処理装置100上でURLの対応を確認し、ログを記録する。
ステップS406では、実際にアクセスするURLへアクセスする。
【0034】
図5は、本実施の形態による処理例(文書作成処理例)を示すフローチャートである。
ステップS502では、文書作成者使用端末230からWebブラウザを用いた文書作成者の操作にしたがって、情報処理装置100にアクセスする。以下、本フローにおいて、文書作成者の操作は、文書作成者使用端末230からWebブラウザを用いた操作である。
ステップS504では、情報処理装置100は、テンプレート一覧を表示する。
ステップS506では、文書作成者の操作にしたがって、テンプレートの選択が行われる。
ステップS508では、文書作成モジュール140は、文書作成者の操作にしたがって、文書作成が開始され、文書を作成する。
ステップS510では、文書作成モジュール140は、文書ID管理モジュール110から、作成する文書の文書IDを取得する。
【0035】
ステップS512では、文書作成モジュール140は、リンク情報生成モジュール120から埋め込みリンク情報を取得する。文書作成者が指定するリンクとして、例えば、「http://www.ffffxxxxx.co.jp」がある。
ステップS514では、リンク情報生成モジュール120は、文書作成者によって記載された埋め込みリンク情報と文書IDに基づいて、文書に埋め込むリンク情報を生成する。例えば、実際に埋め込むリンクとして、「http://<情報処理装置100のURL>/home.html?DocID=1021&LinkID=1」がある。なお、この例では、「DocID=1021」の部分が文書ID(文書識別情報)を指定している箇所であり、「LinkID=1」の部分がリンクID(アドレス識別情報)を指定している箇所である。なお、リンク毎のアクセスログが不要であれば、リンクIDの指定を省略してもよい。
ステップS516では、文書作成モジュール140は、ステップS514で生成された埋め込みリンク情報を文書に埋め込む。
ステップS518では、テンプレートから作成された文書を文書作成者使用端末230へ送信する。
【0036】
この処理によって、リンク情報記憶モジュール165内にリンク情報テーブル600が記憶される。
図6は、リンク情報テーブル600のデータ構造例を示す説明図である。リンク情報テーブル600は、文書ID欄610、作成日時欄620、リンクID欄630、リンク情報欄640、テンプレートID欄650を有している。
文書ID欄610は、本実施の形態において、文書を一意に識別するための情報(文書ID:IDentification)を記憶している。作成日時欄620は、その文書を作成した日時(年、月、日、時、分、秒、秒以下、又はこれらの組み合わせであってもよい)を記憶している。リンクID欄630は、本実施の形態又はその文書において、その文書内に埋め込まれているリンクを一意に識別するための情報(リンクID)を記憶している。リンク情報欄640は、リンク情報(具体的には、URL)を記憶している。テンプレートID欄650は、本実施の形態において、テンプレートを一意に識別するための情報(テンプレートID)を記憶している。
なお、リンク情報テーブル600は、テンプレートID欄650とリンク情報欄640(第1のアドレス)と第2のアドレス(情報処理装置100(アクセスログ処理モジュール185)にアクセスするためのアドレスであるが、少なくともテンプレートIDに対応する情報が付加したアドレス)を記憶している欄で構成してもよい。また、リンク情報テーブル600は、テンプレートID欄650とリンク情報欄640と文書ID欄610で構成してもよい。また、リンク情報テーブル600は、テンプレートID欄650とリンク情報欄640と文書ID欄610とリンクID欄630で構成してもよい。
【0037】
図7は、本実施の形態による処理例(配布された文書内のリンクからのアクセス処理例)を示すフローチャートである。
ステップS702では、閲覧者使用モバイル端末210からWebブラウザを用いた閲覧者の操作にしたがって情報処理装置100にアクセスする。つまり、文書に埋め込まれたリンク情報(例えば、「http://<情報処理装置100のURL>/home.html?DocID=1021&LinkID=1」)を用いて、情報処理装置100へアクセスする。
ステップS704では、リンク情報解析モジュール180は、アクセスされたURLの引数の文書IDとリンクIDを抽出する。前述の例では、アクセスしたURLの引数の文書ID(DocID=1021)とリンクID(LinkID=1)を抽出する。
ステップS706では、リンク情報管理モジュール160は、文書IDとリンクIDの組に対応するURL(実際にアクセスするURL)を抽出する。前述の例の場合、文書IDは1021、リンクIDは1であるので、リンク情報テーブル600の1行目が抽出され、1行目のリンク情報欄640に記憶されている「http://xxx.aaa.ccc/test.html」を抽出する。
ステップS708では、リンク情報解析モジュール180は、ステップS706で抽出したURLをリダイレクト情報として閲覧者使用モバイル端末210へ返す。
ステップS710では、リンクアクセスログ情報管理モジュール170は、アクセスしたログを記録する。
【0038】
この処理によって、リンクアクセスログ情報記憶モジュール175内にリンクアクセスログ情報テーブル800が記憶される。
図8は、リンクアクセスログ情報テーブル800のデータ構造例を示す説明図である。リンクアクセスログ情報テーブル800は、ログID欄810、アクセス日時欄820、文書ID欄830、リンクID欄840、クライアント識別情報欄850を有している。
ログID欄810は、本実施の形態において、アクセスログを一意に識別するための情報(ログID)を記憶している。アクセス日時欄820は、そのアクセスの日時を記憶している。文書ID欄830は、そのアクセスするために利用された文書の文書IDを記憶している。前述の例では、文書IDとして、「1021」が記憶される。リンクID欄840は、リンクIDを記憶している。前述の例では、リンクIDとして、「1」が記憶される。クライアント識別情報欄850は、クライアント識別情報を記憶している。アクセスしてきた閲覧者使用モバイル端末210等の識別情報を記憶している。このリンクアクセスログ情報テーブル800内の文書ID欄830が記憶している文書IDから、リンク情報テーブル600を用いて、その文書IDに対応するテンプレートIDを抽出可能となっており、テンプレートへのアクセスログとして記録したことになる。
また、リンクアクセスログ情報テーブル800は、文書IDからリンク情報テーブル600を用いて、その文書IDに対応するテンプレートIDだけをアクセスログとして記憶するようにしてもよい。さらに、リンクID欄840を設けるようにしてもよい。さらに、文書ID欄830を設けるようにしてもよい。その他、アクセス日時欄820、クライアント識別情報欄850等を設けるようにしてもよい。
【0039】
埋め込んだリンクの利用状況(ログ)を参考にしてテンプレートを選択するために、又は、テンプレート改廃を行ったりするために、テンプレート管理モジュール150は、テンプレート一覧を表示する場合に、各テンプレートから作成された文書に埋め込まれたリンクが、どれだけクリックされたかを表示する。
図9は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。
テンプレート選択のためのテンプレート一覧画面900には、表示条件指定欄910、新規作成ボタン920、テンプレート一覧表示領域930を表示する。
表示条件指定欄910内では、テンプレート検索条件として、カテゴリ(
図9の例では3つ)、キーワードを指定できるようになっている。
新規作成ボタン920は、文書を新規に作成することを指示するためのボタンである。
テンプレート一覧表示領域930は、サンプル欄932、テンプレート名/No.欄934、カテゴリ欄936、登録日欄938、文書作成回数欄940、利用状況欄942、説明欄944を有している。サンプル欄932には、サンプル(テンプレートのサムネイル画像(縮小画像))を表示する。テンプレート名/No.欄934には、そのテンプレートのテンプレート名及び番号を表示する。カテゴリ欄936には、そのテンプレートのカテゴリを表示する。登録日欄938には、そのテンプレートの登録日を表示する。文書作成回数欄940には、そのテンプレートを用いて作成された文書の作成回数を表示する。利用状況欄942には、そのテンプレートの利用状況(そのテンプレートに対するアクセス回数、つまり、そのテンプレートを用いて作成された文書内に埋め込まれたアドレスへのアクセス回数)を表示する。説明欄944には、そのテンプレートの説明を表示する。
【0040】
また、文書作成時により利用されやすい可変情報にリンクを埋め込むことができるようにするために、テンプレート管理モジュール150は、テンプレートから文書を作成する場合に、該当テンプレート内の各可変情報に埋め込まれたリンクが、どれだけクリックされたかを表示する。
図10は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。
文書作成のための文書作成画面1000には、テンプレート一覧へ戻るボタン1010、編集ボタン1020、埋め込みリンク情報一覧表示領域1030、文書表示領域1040、拡大ボタン1050、縮小ボタン1060を表示する。
テンプレート一覧へ戻るボタン1010は、テンプレート一覧(テンプレート一覧画面900)に戻ることを指示するためのボタンである。
編集ボタン1020は、選択したテンプレートを編集して文書を作成することを指示するためのボタンである。
埋め込みリンク情報一覧表示領域1030は、ID欄1032、種類欄1034、内容欄1036、利用状況欄1038を有している。ID欄1032には、操作者が変更可能な欄(可変情報)のIDを表示する。種類欄1034には、その可変情報の種類を表示する。内容欄1036には、その可変情報の現在の内容を表示する。利用状況欄1038には、その可変情報の利用状況(アドレスが埋め込まれている可変情報である場合は、そのアドレス(文書内のリンク)へのアクセス回数)を表示する。
【0041】
なお、本実施の形態としてのプログラムが実行されるコンピュータのハードウェア構成は、
図11に例示するように、一般的なコンピュータであり、具体的にはパーソナルコンピュータ、サーバーとなり得るコンピュータ等である。つまり、具体例として、処理部(演算部)としてCPU1101を用い、記憶装置としてRAM1102、ROM1103、HD1104を用いている。HD1104として、例えばハードディスクを用いてもよい。文書ID管理モジュール110、リンク情報生成モジュール120、可変情報管理モジュール130、文書作成モジュール140、テンプレート管理モジュール150、リンク情報管理モジュール160、リンクアクセスログ情報管理モジュール170、リンク情報解析モジュール180、アクセスログ処理モジュール185、Webサーバー190、通信モジュール195等のプログラムを実行するCPU1101と、そのプログラムやデータを記憶するRAM1102と、本コンピュータを起動するためのプログラム等が格納されているROM1103と、補助記憶装置(フラッシュメモリ等であってもよい)であるHD1104と、キーボード、マウス、タッチパネル等に対する利用者の操作に基づいてデータを受け付ける受付装置1106と、CRT、液晶ディスプレイ等の出力装置1105と、ネットワークインタフェースカード等の通信ネットワークと接続するための通信回線インタフェース1107、そして、それらをつないでデータのやりとりをするためのバス1108により構成されている。これらのコンピュータが複数台互いにネットワークによって接続されていてもよい。
【0042】
前述の実施の形態のうち、コンピュータ・プログラムによるものについては、本ハードウェア構成のシステムにソフトウェアであるコンピュータ・プログラムを読み込ませ、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働して、前述の実施の形態が実現される。
なお、
図11に示すハードウェア構成は、1つの構成例を示すものであり、本実施の形態は、
図11に示す構成に限らず、本実施の形態において説明したモジュールを実行可能な構成であればよい。例えば、一部のモジュールを専用のハードウェア(例えばASIC等)で構成してもよく、一部のモジュールは外部のシステム内にあり通信回線で接続しているような形態でもよく、さらに
図11に示すシステムが複数互いに通信回線によって接続されていて互いに協調動作するようにしてもよい。また、特に、パーソナルコンピュータの他、情報家電、複写機、ファックス、スキャナ、プリンタ、複合機(スキャナ、プリンタ、複写機、ファックス等のいずれか2つ以上の機能を有している画像処理装置)などに組み込まれていてもよい。
【0043】
前述の実施の形態においては、文書に埋め込むアドレスとして、主にURI(URLを含む)へのリンクを例示したが、アドレス情報が表現されている情報画像を印刷してもよい。なお、情報画像とは、機械可読な態様で電子データを表すために体系的に作られた画像コードをいい、具体的には、1次元バーコード、2次元コード等がある。2次元コードとして、例えば、QRコード(Quick Response code:登録商標)がある。また、情報画像とすることによって、電子の文書だけでなく、紙の文書であっても、アクセスログを取得することが可能となる。つまり、作成文書145を受け取った文書作成者使用端末230で作成文書145を印刷し、その印刷した紙文書を配布する。そして、カメラ付きの閲覧者使用モバイル端末210等によって、その紙文書内の情報画像を読み取って、その情報画像内に表現されている情報処理装置100のアドレスを抽出し、情報処理装置100へのアクセスを介して、文書作成者が本来意図していたリンク先Webサーバー240へのアクセスが行われる。
【0044】
なお、説明したプログラムについては、記録媒体に格納して提供してもよく、また、そのプログラムを通信手段によって提供してもよい。その場合、例えば、前記説明したプログラムについて、「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」の発明として捉えてもよい。
「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、プログラムのインストール、実行、プログラムの流通等のために用いられる、プログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体をいう。
なお、記録媒体としては、例えば、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)であって、DVDフォーラムで策定された規格である「DVD−R、DVD−RW、DVD−RAM等」、DVD+RWで策定された規格である「DVD+R、DVD+RW等」、コンパクトディスク(CD)であって、読出し専用メモリ(CD−ROM)、CDレコーダブル(CD−R)、CDリライタブル(CD−RW)等、ブルーレイ・ディスク(Blu−ray(登録商標) Disc)、光磁気ディスク(MO)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ、ハードディスク、読出し専用メモリ(ROM)、電気的消去及び書換可能な読出し専用メモリ(EEPROM(登録商標))、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、SD(Secure Digital)メモリーカード等が含まれる。
そして、前記のプログラム又はその一部は、前記記録媒体に記録して保存や流通等させてもよい。また、通信によって、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、インターネット、イントラネット、エクストラネット等に用いられる有線ネットワーク、あるいは無線通信ネットワーク、さらにこれらの組み合わせ等の伝送媒体を用いて伝送させてもよく、また、搬送波に乗せて搬送させてもよい。
さらに、前記のプログラムは、他のプログラムの一部分であってもよく、あるいは別個のプログラムと共に記録媒体に記録されていてもよい。また、複数の記録媒体に分割して
記録されていてもよい。また、圧縮や暗号化等、復元可能であればどのような態様で記録されていてもよい。