(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
この種の電力計測装置として、電力線を介して負荷に供給される電流に応じたアナログ信号を発生し、このアナログ信号のA/D変換を行い、その結果得られるA/D変換値に基づいて電力を算出する装置がある(例えば特許文献1参照)。また、この種の電力計測装置の中には、計測対象の電力線に流れる電流に応じた電流を電磁誘導により発生し、この電流を2次電池やスーパーキャパシタ等のキャパシタに充電し、このキャパシタを電源として使用する構成のものがある。この電力計測装置によれば、商用電源やバッテリ等の電源からの電力供給を受けることなく、電力計測を行うことができる。
【0003】
このような電力計測装置は、キャパシタを電源としているため、電力計測中の消費電力量をなるべく少なくすることが求められる。そこで、従来の電力計測装置では、
図8に示すように、計測周期に同期して間欠的に電力の計測を行う。
図8に示すように、計測周期は、電力計測装置が電力線に流れる電流値をサンプリングして電力計測を行う計測期間と、電力計測を行うことなく電力線からの電磁誘導より得られる電流をキャパシタに充電する充電期間とからなる。ここで、計測周期は、カレントトランスから又は電力線からの電磁誘導より供給可能な電流の下限値により決定される。また、従来の電力計測装置では、カレントトランスから又は電力線からの電磁誘導より供給可能な電流の下限値が減少すると、充電期間を長くして計測周期を長くする制御が行われる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施形態について説明する。
図1は、この発明の一実施形態である電力計測装置100の構成を示すブロック図である。この電力計測装置100は、カレントトランス101と、スイッチング素子102と、計測回路103と、A/D変換器104と、MCU(Micrо Contrоller Unit;マイクロコントローラユニット)105と、通信回路106と、充電回路107と、2次電池108とを有している。なお、
図1では、電力計測装置100の電圧測定に関する回路等は図示を省略している。
【0011】
カレントトランス101は、電力線109に流れる電流に応じた電流を出力するトランスである。スイッチング素子102は、MCU105からの制御指令に従い、カレントトランス101の出力電流の供給先を計測回路103または充電回路107に切り換えるスイッチング素子である。
【0012】
計測回路103は、抵抗等から構成されており、カレントトランス101からスイッチング素子102を介して供給される交流電流に比例した交流電圧をA/D変換器104に出力する。A/D変換器104は、MCU105による制御の下、計測回路103から供給される交流電圧をサンプリングしてA/D変換し、その結果得られるA/D変換値をMCU105に出力する。
【0013】
充電回路107は、カレントトランス101からスイッチング素子102を介して供給される交流電流を整流して直流電流を発生し、この直流電流により2次電池108を充電する回路である。電力計測装置100を構成する計測回路103、A/D変換器104、MCU105および通信回路106は、この2次電池108を電源として動作する。なお、2次電池108に代えてスーパーキャパシタを電力計測装置100の電源としてもよい。
【0014】
MCU105は、各種のプログラムを記憶したROMと、ワークエリアとして使用するRAMと、EEPROM等の書き換え可能な不揮発性メモリを有する。MCU105は、ROM内のプログラムを実行することにより、電力計測装置100内の各部を制御するとともに、A/D変換器104から供給されるA/D変換値に基づいて電力線109に流れる電流値を算出し、この電流値と図示しない電圧測定回路から得られる電圧値を乗算して電力値を算出し、この電力値を通信回路106に出力する。通信回路106は、MCU105から入力された電力値を図示しないサーバに送信する。このサーバは、多くの電力計測装置100から送信される電力値を管理する装置である。
【0015】
MCU105によって行われる電力計測装置100内の各部の制御の概略を説明すると次の通りである。まず、MCU105は、予め設定された計測周期に同期して、カレントトランス101をスイッチング素子102により計測回路103に接続し、予め設定された計測期間だけ計測回路103の出力電圧のA/D変換をA/D変換器104に実行させる。そして、各計測周期において、計測期間が終了すると、残りの時間を充電期間とする。この充電期間では、カレントトランス101をスイッチング素子102により充電回路107に接続し、充電回路107に2次電池108の充電を行わせる。
図2に示すように、MCU105は、各計測周期において、通常計測またはリファレンス計測を実行する。さらに詳述すると、MCU105は、計測周期の整数倍の周期であるリファレンス計測周期に同期してリファレンス計測を実行する。そして、MCU105は、リファレンス計測を実行しない各計測周期において通常計測を実行する。リファレンス計測周期は、不揮発性メモリに記憶されたサンプリングテーブルを参照することにより設定される。なお、このサンプリングテーブルについては後述する。
【0016】
通常計測において、MCU105は、A/D変換器104のA/D変換値に応じて定まるサンプリング周期でA/D変換器104にA/D変換を行わせ、A/D変換値を取得する。この通常計測において、A/D変換器104のA/D変換値に応じて定まるサンプリング周期を採用する理由は次の通りである。
【0017】
まず、A/D変換器104が出力するA/D変換値の振幅が大きい場合、電力線109を介して供給される電力が大きく、充電回路107から2次電池108に供給される充電電流も大きい。このような場合、2次電池108が電力計測装置100内の各部に供給可能な電流の下限値が大きいので、A/D変換器104のサンプリング周期を短くしてA/D変換器104の消費電力を増やすことが可能である。
【0018】
一方、A/D変換器104が出力するA/D変換値の振幅が小さい場合、電力線109を介して供給される電力が小さく、充電回路107から2次電池108に供給される充電電流も小さい。このような場合、2次電池108が電力計測装置100内の各部に供給可能な電流の下限値が小さいので、A/D変換器104のサンプリング周期を短くするのが困難である。
【0019】
そこで、本実施形態において、MCU105は、A/D変換器104のA/D変換値が大きい場合は通常計測におけるサンプリング周期を短くし、A/D変換器104のA/D変換値が小さい場合は通常計測におけるサンプリング周期を長くする制御を行うのである。この制御は不揮発性メモリに記憶されたサンプリングテーブルを参照して行われる。
【0020】
リファレンス計測において、MCU105は、2次電池108から供給可能な電流値が十分に大きい場合に採用されるサンプリング周期で、A/D変換器104にA/D変換を行わせ、A/D変換値を取得する。このリファレンス計測におけるサンプリング周期は、通常計測において採用されるサンプリング周期よりも短い。
【0021】
本実施形態において、MCU105は、各計測周期において電力線109を介して伝送される電力を算出する。しかし、通常計測はサンプリング周期が長くなることが多いので、この通常計測において得られたA/D変換値を用いて電力線109が供給する電力を求めると、電力計測精度が劣化する可能性がある。そこで、本実施形態では、
図3に示す方法により、電力線109が供給する電力を算出する。
【0022】
まず、本実施形態において、MCU105は、リファレンス計測を行った場合、このリファレンス計測において得られた各A/D変換値を用いて電力線109が供給する電力を算出する。
【0023】
次に通常計測を行った場合、MCU105は、通常計測において得られた各A/D変換値の合計値とリファレンス計測において得られた各A/D変換値の合計値とを比較する。合計値の比較の際は、通常計測のサンプリングに合わせてリファレンス計測時のデータを一部間引く。そして、両A/D変換値の合計値が一定の誤差範囲内で一致した場合、MCU105は、リファレンス計測において算出した電力を通常計測時の電力とみなすのである。このように取り扱うことで、通常計測時は、A/D変換値から電力を算出する演算処理が不要となり、電力の計測精度の劣化を防止しつつ、MCU105の消費電力を節約することができる。
以上が、本実施形態による電力計測装置100の構成である。
【0024】
次に本実施形態の動作を説明する。
図4は、本実施形態において行われる電力計測装置100の初期設定の手順を示す図である。この初期設定は、電力計測装置100の出荷前に行われる。まず、カレントトランス101の接続された電力線109に既知の交流電力を伝送させる。そして、スイッチング素子102によりカレントトランス101の接続先を計測回路103とし、このときA/D変換器104から得られるA/D変換値を取得する。次に同じ交流電力が電力線109を介して伝送されている状態において、スイッチング素子102によりカレントトランス101の接続先を充電回路107とし、このとき充電回路107から2次電池108に供給される電流値を取得し、この電流値に基づいて、通常計測における最適なサンプリング周期、リファレンス計測周期、計測周期を求める。電力線109を介して伝送する電力を各種変更して、このような処理を繰り返し、各処理におけるA/D変換器104のA/D変換値の代表値と、最適なサンプリング周期、リファレンス計測周期および計測周期とを対応付けるサンプリングテーブルを作成し、不揮発性メモリに書き込む。A/D変換器104のA/D変換値の代表値をどのように定めるかに関しては、各種の態様が考えられるが、例えば一定時間内のA/D変換値の実効値を代表値としてもよい。
以上が、電力計測装置100の初期設定である。
【0025】
次に、電力計測装置100の計測動作について説明する。計測対象の電力線109に電力計測装置100が設置され、カレントトランス101が電力線109に接続されると、電力線109の電流に応じた電流がカレントトランス101に流れる。ここで、初期状態においてスイッチング素子102はカレントトランス101を充電回路107に接続している。このため、充電回路107は、カレントトランス101からの電流の供給を受けて、2次電池108に充電電流を流す。この結果、2次電池108の充電電圧(すなわち、電力計測装置100の電源電圧)が立ち上がる。これによりMCU105は、
図5に示すメインプログラムの実行を開始する。
【0026】
MCU105は、プログラムカウンタをRESETし(ステップS101)、ROM内の所定アドレスに格納されたイニシャル処理プログラムを実行して、RAM内に各種の制御用レジスタ、タイマ等を設定する(ステップS102)。次にMCU105は、不揮発性メモリからサンプリングテーブルを読み出してRAMに格納する(ステップS103)。
【0027】
次に、MCU105は、リファレンス計測を行う(ステップS104)。さらに詳述すると、MCU105は、スイッチング素子102に制御指令を与え、カレントトランス101の接続先を充電回路107から計測回路103に切り換える。そして、MCU105は、A/D変換器104のサンプリング周期をリファレンス計測用のサンプリング周期に設定し、所定回数だけ計測回路103の出力電圧のA/D変換をA/D変換器104に行わせ、A/D変換値を取得する。そして、取得した所定個数のA/D変換値を用いて電力線109が供給する電力を算出する。
【0028】
次にMCU105は、ステップS104において取得した所定個数のA/D変換値から求められる例えば所定期間内の実効値を求め、RAM内のサンプリングテーブルからこの実効値に対応付けられたサンプリング周期、リファレンス計測周期および計測周期を読み出す。そして、この読み出した各周期を通常計測のサンプリング周期、リファレンス計測周期および計測周期として初期設定する(ステップS105)。
【0029】
次にMCU105は、通常モードでの処理を実行する(ステップS106)。そして、MCU105は、この通常モードでの処理中にRESET操作が行われたか否かを判断する(ステップS107)。この判断結果が「YES」である場合、MCU105は、ステップS101からS106の処理を繰り返す。一方、ステップS107の判断結果が「NO」である場合、MCU105は、通常モードでの処理(ステップS106)を継続する。なお、RESET操作とは、具体的には、電力計測装置100の筐体に設けられたRESETボタンの押下またはサーバからのRESET信号の受信である。
【0030】
図6(a)は、
図5のステップS106において実行される通常モードのプログラムの処理内容を示すフローチャートである。この通常モードのプログラムにおいて、MCU105は、まず、
図6(b)に示すSleepモードへの移行処理に進む(ステップS201)。この移行処理では、まず、スイッチング素子102に制御指令を与え、カレントトランス101の接続先を計測回路103から充電回路107に切り換える(ステップS211)。次にMCU105は、2次電池108から計測回路103への電源供給を遮断する(ステップS212)。なお、この処理は、計測回路103の消費電力が大きい場合に実行すればよく、そうでない場合は必ずしも実行する必要はない。次にMCU105は、図示しないクロックジェネレータがMCU105に供給するクロックを周波数の高いメインクロックから周波数の低いサブクロックに切り換え、Sleepモードに移行する(ステップS213)。そして、SleepモードにおいてMCU105は、タイマからのインターバル割り込みが発生するのを待つ。
【0031】
タイマのタイマ値が予めコンペアレジスタに設定されたタイマコンペア値に到達すると、タイマのインターバル割り込みが発生する。これによりMCU105は、
図6(a)のステップS202の処理に進み、クロックジェネレータのクロックをサブクロックからメインクロックに戻し、計測モードの処理を実行する。そして、計測モードの処理を終えると、MCU105は、計測モードの処理において求めた計測周期をタイマコンペア値としてコンペアレジスタに書き込み、タイマをスタートさせる(ステップS203)。そして、ステップS201に戻る。従って、通常モードでは、ステップS202においてタイマコンペア値として設定される計測周期で、ステップS201〜S203の処理が繰り返される。
【0032】
図7は
図6(a)のステップS202において実行される計測モードのプログラムの処理内容を示すフローチャートである。この計測モードのプログラムは、計測周期毎に1回起動される。まず、MCU105は、スイッチング素子102に制御指令を与え、カレントトランス101の接続先を充電回路107から計測回路103に切り換える(ステップS301)。次にMCU105は、現在の計測周期がリファレンス計測を行う計測周期か否かを判断する(ステップS302)。この判断結果が「NO」である場合は、ステップS311に進み、現在の計測周期が通常計測を行う計測周期か否かを判断する。この判断結果が「NO」である場合は計測モードの処理を終了し、
図6(a)のステップS203に戻る。
【0033】
一方、現在の計測周期が通常計測を行う計測周期である場合は、ステップS311の判断結果が「YES」となってステップS312へ進む。次にステップS312に進むと、MCU105は、通常計測用のサンプリング周期(この例では
図5のステップS105において初期設定したサンプリング周期)をA/D変換器104に設定する。次にステップS313に進み、MCU105は、A/D変換器104に計測回路103の出力電圧のA/D変換を行わせることにより通常計測を行う。次にステップS314に進み、MCU105は、直前のリファレンス計測(計測モードのプログラムを最初に実行する場合はメインプログラムのステップS104において行われたリファレンス計測)において得られたA/D変換値の合計値と、ステップS313の通常計測により得られたA/D変換値の合計値とを比較し、両A/D変換値の合計値が一致しているか否かを判断する。
【0034】
そして、両A/D変換値の合計値が一定の誤差範囲内で一致している場合、MCU105は、直前のリファレンス計測(計測モードのプログラムを最初に実行する場合はメインプログラムのステップS104において行われたリファレンス計測)において算出された電力値をステップS313の通常計測での測定電力とする(ステップS315)。そして、計測モードの処理を終了し、
図6(a)のステップS203に戻る。
【0035】
これに対し、ステップS314において、両A/D変換値の合計値が一定の誤差範囲内で一致していない場合、MCU105は、RAM内に設定された不一致FLAGを“1”とし、リファレンス計測周期に計測周期を上書きする(ステップS316)。そして、計測モードの処理を終了し、
図6(a)のステップS203に戻る。
【0036】
リファレンス計測を行うべき計測周期では、計測モードのプログラムにおいて、ステップS301を介してステップS302に進んだとき、このステップS302の判断結果が「YES」となってステップS321へ進む。次にステップS321へ進むと、MCU105は、リファレンス計測用のサンプリング周期をA/D変換器104に設定し、A/D変換器104に計測回路103の出力電圧のA/D変換を行わせることによりリファレンス計測を行う。そして、A/D変換器104から得られるA/D変換値を用いて電力線109が供給する電力を算出する。次にステップS322に進み、MCU105は、ステップS321のリファレンス計測において取得したA/D変換値の実効値を求め、RAM内のサンプリングテーブルにおいて、この実効値に対応付けられたサンプリング周期、リファレンス計測周期および計測周期を読み出す。そして、この読み出した各周期を通常計測のサンプリング周期、リファレンス計測周期および計測周期として再設定する。
【0037】
次にMCU105は、不一致FLAGが“1”か否かを判断する(ステップS323)。この判断結果が「NO」である場合、MCU105は、計測モードの処理を終了し、
図6(a)のステップS203に戻る。これに対し、ステップS323の判断結果が「YES」である場合、ステップS324へ進む。このステップS324において、MCU105は、前回のリファレンス計測(ステップS104またはステップS321)において求めた電力と今回のリファレンス計測(ステップS321)において求めた電力の平均値を測定電力とし、不一致FLAGを“0”とする。そして、計測モードの処理を終了し、
図6(a)のステップS203に戻る。
【0038】
その後、再び計測モードのプログラムが起動された場合、ステップS314の処理では、ステップS321のリファレンス計測により得られたA/D変換値が通常計測(ステップS313)において得られたA/D変換値との比較の対象になる。また、ステップS321のリファレンス計測により得られた電力が、ステップS315においてリファレンス計測により算出された電力として使用される。
【0039】
以上説明した計測モードの処理において、通常計測(ステップS313)におけるA/D変換値と、その直前のリファレンス計測により得られたA/D変換値とが一定の誤差範囲内で一致する状況が継続する場合、サンプリングテーブルに基づいて設定されたリファレンス周期に到達するまでの間、ステップS311からS315の処理が繰り返される。この場合、ステップS302の判断結果が「YES」となり、ステップS321、S322を介してステップS323に進んだとき、その判断結果が「NO」になる。従って、この場合には、サンプリングテーブルに定義されたリファレンス計測周期に同期してリファレンス計測が行われ、このリファレス計測が行われる都度、測定電力が更新される。
【0040】
これに対し、通常計測(ステップS313)におけるA/D変換値と、その直前のリファレンス計測により得られたA/D変換値とが一定の誤差範囲内で一致しないと、不一致FLAGが“1”とされ、かつ、リファレンス計測周期に計測周期が上書きされる(ステップS316)。従って、その次の計測周期において、
図7の計測モードのプログラムが起動されたとき、当該計測周期はステップS316の処理によりリファレンス計測周期とされたため、ステップS302の判断結果が「YES」となって、リファレンス計測が実行される(ステップS321)。そして、ステップS323の判断結果が「YES」となるため、今回のリファレンス計測により得られた電力と前回のリファレンス計測により得られた電力との平均値が測定電力とされる(ステップS324)。
【0041】
このように通常計測におけるA/D変換値とリファレンス計測におけるA/D変換値との誤差が大きい状況では、サンプリングテーブルに定義されたリファレンス計測周期よりも短い周期で、リファレンス計測が繰り返され、今回のリファレンス計測により得られた電力と前回のリファレンス計測により得られた電力により測定電力が更新される。従って、電力線109を介して供給される電力の変動が激しい状況においても高い精度で電力の測定を行うことができる。
【0042】
以上のように、本実施形態によれば、A/D変換器104から得られるA/D変換値に基づいて、A/D変換のサンプリング周期が制御されるため、電力線109を介して供給される電力の変動が激しい状況においても、高い精度で電力の計測を行うことができる。また、本実施形態では、A/D変換値に依存したサンプリング周期でA/D変換器104にA/D変換を行わせる通常計測を計測周期に同期して行うとともに、この計測周期の整数倍の周期で、十分に長いサンプリング周期でA/D変換器104にA/D変換を行わせるリファレンス計測を実行した。そして、本実施形態では、通常計測でのA/D変換値とリファレンス計測でのA/D変換値とが十分に近似している場合には、リファレンス計測でのA/D変換値から算出した電力を通常計測時の測定電力とした。従って、本実施形態によれば、電力の計測精度を高く維持しつつ、MCU105の演算量を減らし、電力計測装置100の消費電力を減らすことができる。