特許第6347209号(P6347209)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6347209
(24)【登録日】2018年6月8日
(45)【発行日】2018年6月27日
(54)【発明の名称】印面の加工方法
(51)【国際特許分類】
   B41K 1/50 20060101AFI20180618BHJP
   B41C 1/055 20060101ALI20180618BHJP
【FI】
   B41K1/50 A
   B41K1/50 B
   B41C1/055
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-252814(P2014-252814)
(22)【出願日】2014年12月15日
(65)【公開番号】特開2016-112762(P2016-112762A)
(43)【公開日】2016年6月23日
【審査請求日】2017年10月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】390017891
【氏名又は名称】シヤチハタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078101
【弁理士】
【氏名又は名称】綿貫 達雄
(74)【代理人】
【識別番号】100085523
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 文夫
(74)【代理人】
【識別番号】230117259
【弁護士】
【氏名又は名称】綿貫 敬典
(72)【発明者】
【氏名】阿部 栄次
(72)【発明者】
【氏名】内田 成俊
【審査官】 藏田 敦之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−25488(JP,A)
【文献】 特開2007−331172(JP,A)
【文献】 特開2002−170126(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41K 1/00−99/00
B41C 1/00−3/08
B41D 1/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印面加工装置により印字体のセットから印面の加工までの一連の工程を行うようにした印字体の印面の加工方法であって、
印面加工装置の記憶装置に書き込まれているメモリ情報を印面加工装置に接続した端末装置に転送するメモリ情報読み込み工程と、
前記印面加工装置内において、前記印字体に予め設けておいた偽造防止用の識別部の真偽の判別を行い、該判別の結果として真信号または偽信号のいずれかを出力するセキュリティチェック工程と、
前記偽信号を前記印面加工装置に接続した端末装置に入力し、端末装置内においてその偽信号の回数の累積値が閾値に達したか否かの判定を行い、累積値が閾値に達した場合は印面加工装置の稼働を停止するように指示し、閾値未満の場合は最終のメモリ情報を印面加工装置の記憶装置に書き込むとともに印面の加工を行うように指示する基準回数の判定工程と、
を設けたことを特徴とする印面の加工方法。
【請求項2】
閾値を2以上に設定した請求項1に記載の印面の加工方法。
【請求項3】
印面加工装置に対して複数台の端末装置を接続した請求項1または2に記載の印面の加工方法。
【請求項4】
識別部は、近赤外線又は赤外線インキを塗布して形成されており、前記近赤外線又は赤外線インキの有無によって識別部の真偽を判別するようにした請求項1から3のいずれかに記載の印面の加工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、偽造パーツの使用の防止を図ることができる印面の加工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、多孔質印面の加工方法としてサーマルヘッド式の印面加工装置を用いたものが公知である。また、本件特許出願人はサーマルヘッド式の印面加工装置を利用し、かつデータ処理を行うことにより高精度に印面を製作する方法を開発し、先に特許出願している(特許文献1を参照)。
【0003】
一方、本件特許出願人は消費者が印判キットを購入後、印面の文字情報等を端末装置に入力し前記印面加工装置に印字体をセットしたのち、前記印面加工装置に送信した印面加工データに基づいてサーマルヘッドにより印面を作製し、これをキットの本体部に組み付ければ消費者自身が簡単にスタンプを完成させることができるという新しいスタンプの供給形態の構築を図っている。
【0004】
しかしながら、前記印判キットの偽物が出回るおそれもあり、低品質で安価な偽造パーツが使用されると製品イメージの低下を発生して、売り上げの低下につながるという問題がある。また、粗悪な偽造パーツが使用されると印面加工装置が故障する原因になるという問題もあった。そこで、偽造パーツの使用を的確に防止することができるセキュリティシステムを組み込んだ印面の加工方法の開発が必要になってきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−153102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記のような問題点を解決して、消費者が印判キットを購入し印面の文字情報等を入力すれば、その場で迅速かつ正確に印面を製作することができ、しかも、この際に偽造パーツが使用されたときは的確に検出して、不正使用の防止を図ることができる印面の加工方法を提供することを目的として完成されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためになされた本発明の印面の加工方法は、印面加工装置により印字体のセットから印面の加工までの一連の工程を行うようにした印字体の印面の加工方法であって、
印面加工装置の記憶装置に書き込まれているメモリ情報を印面加工装置に接続した端末装置に転送するメモリ情報読み込み工程と、
前記印面加工装置内において、前記印字体に予め設けておいた偽造防止用の識別部の真偽の判別を行い、該判別の結果として真信号または偽信号のいずれかを出力するセキュリティチェック工程と、
前記偽信号を前記印面加工装置に接続した端末装置に入力し、端末装置内においてその偽信号の回数の累積値が閾値に達したか否かの判定を行い、累積値が閾値に達した場合は印面加工装置の稼働を停止するように指示し、閾値未満の場合は最終のメモリ情報を印面加工装置の記憶装置に書き込むとともに印面の加工を行うように指示する基準回数の判定工程と、を設けたことを特徴とするものである。
【0008】
また閾値を2以上に設定したものが好ましく、これを請求項2に係る発明とする。
【0009】
印面加工装置に対して複数台の端末装置を接続することもでき、これを請求項3に係る発明とする。
【0010】
また識別部は、近赤外線又は赤外線インキを塗布して形成されており、前記近赤外線又は赤外線インキの有無によって識別部の真偽を判別するようにしたものが好ましく、これを請求項4に係る発明とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明では、印面加工装置により印字体のセットから印面の加工までの一連の工程を行うようにした印字体の印面の加工方法であって、
印面加工装置の記憶装置に書き込まれているメモリ情報を印面加工装置に接続した端末装置に転送するメモリ情報読み込み工程と、
前記印面加工装置内において、前記印字体に予め設けておいた偽造防止用の識別部の真偽の判別を行い、該判別の結果として真信号または偽信号のいずれかを出力するセキュリティチェック工程と、
前記偽信号を前記印面加工装置に接続した端末装置に入力し、端末装置内においてその偽信号の回数の累積値が閾値に達したか否かの判定を行い、累積値が閾値に達した場合は印面加工装置の稼働を停止するように指示し、閾値未満の場合は最終のメモリ情報を印面加工装置の記憶装置に書き込むとともに印面の加工を行うように指示する基準回数の判定工程と、を設けたので、偽造パーツが継続的に使用されている場合を特定して印面加工装置の稼働を強制的に停止させることができ、また、そこで販売されている印判キットやパーツが偽造品の可能性が高いことを突き止めることも容易となる。
【0012】
請求項2に係る発明では、閾値を2以上に設定したので、不良品が混入等して突発的に偽信号がでた場合などには印面加工装置の稼働停止に至ることがなく、そのまま稼働を継続することができる。
【0013】
請求項3に係る発明では、印面加工装置に対して複数台の端末装置を接続したので、例えば一つの店舗に納入された印判キットやパーツの全ロットを対象に偽造品のチェックを行えることとなる。
【0014】
請求項4に係る発明では、識別部は、近赤外線又は赤外線インキを塗布して形成されており、前記近赤外線又は赤外線インキの有無によって識別部の真偽を判別するようにしたので、外観上は識別部の認識が不可能で第三者が模倣することはできず、偽造パーツであるあるか否かの判別を第三者に知られることなく高精度に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の加工工程の一例を示すフロー図である。
図2】印面加工装置の全体を示す斜視図である。
図3】印字体を示す斜視図である。
図4】印字体を示す分解断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、図面を参照しつつ本発明の好ましい実施の形態を示す。
図1は、本発明の一例としてサーマルヘッド式の印面加工装置を用いた場合の加工工程の概略を示すフロー図であり、図2は印面加工装置の全体を示す斜視図である。図2において、1はサーマルヘッド式の印面加工装置、2は印面加工装置1に接続されるパーソナルコンピュータ等の端末装置である。3はアタッチメント装着用のトレイ、4は操作手順や進行状況やエラーメッセージ等を表示する表示部、5は印字体6の装着用アタッチメントであり、これらについては後述する。
【0017】
本発明による印判の加工方法は、一例として印判キットを購入した消費者が店頭において、本人が直接に、あるいは店員指導のもとで端末装置2から印面の文字情報等の必要情報を入力すると、印面加工装置1によって印面が成形され、これをキットの本体部に組み付けて簡単にスタンプを完成させる場合を示す。
ただし、その他にも種々の形態があり、これに限定されないことは勿論である。例えば、客から依頼を受けた店員が本人に代わって全てを操作することもできる。また、前記端末装置2は印面加工装置1の外部に接続した構成となっているが、外観上両者が分離しておらず一体化した装置の場合も、機能的には本発明の装置と同様である。
【0018】
先ず、印判キットを購入した消費者あるいは店員(以下、ユーザという)は端末装置2により、画面の指示に従って印面の文字や図柄等の情報を入力する。端末装置2の画面には、作成したいスタンプの種類に応じて種々のデザインパターンや配列や文字等が準備されているので、消費者等は使用目的や好みにより任意のものを選択し、また自由にメッセージや住所氏名等を入力することができる。入力した情報は、印面加工データとして端末装置2の記憶装置に保存される。
【0019】
ユーザにより加工開始の操作が行われると、最初に、印面加工装置1内に保存されている偽判別履歴の情報(メモリ情報)が端末装置2に読み込まれる。(「メモリ情報の読み込み」工程)。次いで、端末装置2の搬送制御手段に制御されて印面加工装置1内に収納されていたトレイ3が排出位置まで搬送され、アタッチメント5の装着部をオープン状態にする。ここで、ユーザは印判キットの中から印字体6を取り出してアタッチメント5の所定位置にセットし、アタッチメント5とともにトレイ3内に装填する。印字体6の装填を示す操作がユーザにより行われて印字体6の装填が確認されると、トレイ3は前記搬送制御手段に制御されて印面加工装置1内の所定位置に再び収納されクローズの状態となる。
【0020】
前記印字体6は、図3図4に示すように、印面が形成される多孔質印材7を樹脂製の枠体8の前端面に密閉接着したものである。また、前記多孔質印材7が密閉接着される枠体8は四角形状であり、また枠体8の断面形状は略L字型を有する。この略L字型の幅広端を前端面とし、該前端面の周縁から側壁を垂下させて前記前端面の全周にわたり前記多孔質印材7の周縁部を密閉接着させてある。なお、前記枠体8の形状は四角形状に限らず、その他の多角形状や円形状や楕円形状等、何れでもよい。
【0021】
次に、前記印面加工装置1内において、印字体に予め設けておいた偽造防止用の識別部の真偽の判別を行い、該判別の結果として真信号または偽信号のいずれかを出力するセキュリティチェック工程を経る。
なお、識別部の真偽の判別はトレイ3が前記搬送制御手段に制御されて印面加工装置1内の所定位置に収納された時点で行われるが、トレイ3の搬送中で行ってもよいことは勿論である。
【0022】
前記識別部としては、例えば印字体6の目立たない箇所に近赤外線又は赤外線インキを塗布して形成されており、前記近赤外線又は赤外線インキの有無によって識別部の真偽を判別するようにすることができる。具体的には、先端から近赤外線又は赤外線を放射するように設計された近赤外線又は赤外線発光器と、反射される近赤外線又は赤外線放射強度に応答するように設計された近赤外線又は赤外線受光器を組み込んだ近赤外線又は赤外線検出器が用いられる。
【0023】
その他、微小な無線チップを利用して識別する技術(RFID)や、紫外線インキを塗布しておいてその有無を識別する技術や、一定の反射光を生ずる特定の突起、あるいは逆に反射光を生じさせない孔部などを利用して識別する技術を利用することもできる。要は、メーカーサイドで純正パーツに予め設けておくことができて、偽造パーツと識別できるものであれば何でもよい。ただし、模倣防止の点から、識別部の認識が表面上からは困難であり第三者に簡単に気づかれないものすることが好ましい。
なお上記したように、前記識別部を枠体8側に形成するだけでなく、識別物質を多孔質印材7中に練り込んでおくことや、前記近赤外線又は赤外線インキを印材表面に塗布することもできる。
【0024】
次に、判定工程について詳細に説明する。
前記セキュリティチェック工程によって真と判別されたときは、「メモリ情報の読み込み」工程において、最初にメモリ情報として読み込んだ真偽の判別の履歴(偽の累積回数)がそのまま、印面加工装置1内の記憶装置に書き込まれる(「メモリ情報の書き込み」工程)。具体的には、メモリ情報としては識別部が偽りと判別した累積回数を意味しているので、真信号が出力された場合は、偽り回数が加算されることはなく前回と同じ回数が記憶されることとなる。
【0025】
なお印面加工装置1内へのメモリ情報の書き込みは、端末装置2からの指示により行われる。前記真偽の判別の履歴をメモリ情報として印面加工装置1内の記憶装置に書き込むのは、複数の端末装置2で1台の印面加工装置1を作動させる場合があるため、真偽の判別の履歴は印面加工装置1内で保存するのが好ましいからである。
その後は、端末装置2からの印面加工データに基づき印字体6に所望のサーマル加工処理が施され、次いで、印字体6を印面加工装置1から取り出した後、キットの本体部に組み付けてスタンプが完成する。
【0026】
一方、前記セキュリティチェック工程によって偽と判別されたときは、端末装置2内において、最初にメモリ情報として読み込んだ真偽の判別の履歴(偽の累積回数)に、今回の偽判別を1プラスした回数(累積値)が閾値に達したか否かの判定を行い、累積値が閾値に達した場合は印面加工装置1の稼働を停止するように指示し、閾値未満の場合は前記印面加工装置1に印面の加工に進むことを指示するという基準回数の判定が行われる。
【0027】
累積値が閾値に達し、端末装置2から印面加工装置1の稼働を停止するように指示された場合は、直ちに装置停止の出力がされて加工工程が終了する。この場合、印面加工装置1の表示部4にエラーメッセージ等を表示する。
一方、累積値が閾値未満で印面加工装置1に対し印面の加工を行うように指示された場合は、最初にメモリ情報として読み込んだ真偽の判別の履歴(偽の累積回数)に、今回の偽判別を1プラスした回数(累積値)が新たなメモリ情報として印面加工装置1内の記憶装置に書き込まれる(「メモリ情報の書き込み」工程)。その後は、端末装置2からの印面加工データに基づき印字体6に所望のサーマル加工処理が施され、次いで、印字体6を印面加工装置1から取り出した後、キットの本体部に組み付けてスタンプが完成する。
【0028】
このように本発明は、印面加工装置1内において偽造防止用の識別部の真偽の判別を行うセキュリティチェック工程と、端末装置2内において偽信号の回数の累積値が閾値に達したか否かの判定を行う基準回数の判定工程を経るようにして、偽信号の回数の累積値が閾値に達した場合のみ印面加工装置1の稼働を停止するようにしたので、偽造パーツが連続的に使用された場合は的確に検出できる。
例えば、識別部が偽りと判別してその都度、印面加工装置1の稼働を停止するようにすると、パーツの中に近赤外線又は赤外線インキの塗布ミスがあったような場合も全て停止することとになる。一方、偽造パーツが使用される場合は、1個だけ混入している訳でなく、そのロット全部が偽造品であるため複数個連続して検出される傾向がある。従って、偽りの判別が閾値に達した場合(例えば、5回とか20回とか、任意に設定)は偽造パーツが使用されていると推定して印面加工装置1の稼働を停止するようにする。また、1回のみの偽りの判別で偽造パーツと特定することは難しいが、複数回カウントすることで販売されている印判キットやパーツが偽造品である可能性が高いとの特定は可能で、偽造パーツの推定を容易に行えるようになる。
【0029】
なお以上の説明は、前記閾値を2以上として、偽信号の回数が複数回以上の場合に印面加工装置1の稼働を停止するようにした場合につき述べたが、閾値を1とすることも可能であり、この場合は偽信号が判別されると、判定工程を経て印面加工装置1の稼働が停止されることとなる。
【0030】
また、前記偽りの判別回数の累積値をカウントする方法は、連続的なカウント方法と非連続的なカウント方法の2通りがある。
前記セキュリティチェック工程によって真と判別された場合で、連続的なカウント方法の際は、最初にメモリ情報として読み込んだ真偽の判別の履歴(偽の累積回数)を「0」にリセットしてから、新たなメモリ情報として印面加工装置1内の記憶装置に書き込まれる。一方、前記セキュリティチェック工程によって真と判別された場合で、非連続的なカウント方法の際は、最初にメモリ情報として読み込んだ真偽の判別の履歴(偽の累積回数)が印面加工装置1内の記憶装置にそのまま書き込まれる。
また、前記セキュリティチェック工程によって偽と判別されたときは、カウント方法が連続的、非連続的に係らず、メモリ情報の書き込み工程は既に述べた通りである。
すなわち、累積値が閾値未満の際は、最初にメモリ情報として読み込んだ真偽の判別の履歴(偽の累積回数)に、今回の偽判別を1プラスした回数(累積値)が新たなメモリ情報として印面加工装置1内の記憶装置に書き込まれる。また、累積値が閾値に達した際は、端末装置2から印面加工装置1の稼働を停止するように指示され、直ちに装置停止の出力がされて加工工程が終了する。
【0031】
なお、以上の説明においては、サーマルヘッド式の印面加工装置を用いて印面の加工を行う場合について述べたが、その他、印面の加工方法としてはキセノンフラッシュランプなどによって赤外線を照射して加工する方法等も用いることができる。
【0032】
以上の説明からも明らかなように、本発明は印面加工装置により印字体のセットから印面の加工までの一連の工程を行うようにした印字体の印面の加工方法であって、印面加工装置の記憶装置に書き込まれているメモリ情報を印面加工装置に接続した端末装置に転送するメモリ情報読み込み工程と、前記印面加工装置内において、前記印字体に予め設けておいた偽造防止用の識別部の真偽の判別を行い、該判別の結果として真信号または偽信号のいずれかを出力するセキュリティチェック工程と、前記偽信号を前記印面加工装置に接続した端末装置に入力し、端末装置内においてその偽信号の回数の累積値が閾値に達したか否かの判定を行い、累積値が閾値に達した場合は印面加工装置の稼働を停止するように指示し、閾値未満の場合は最終のメモリ情報を印面加工装置の記憶装置に書き込むとともに印面の加工を行うように指示する基準回数の判定工程を設けたので、偽造パーツが使用されたときは的確に検出し、不正使用の防止を図ることができることとなる。また、これにより消費者が印判キットを購入し、印面加工装置を操作して消費者自身が簡単にスタンプを完成させられるという新しいスタンプの供給形態の実現を可能にすることができる。
【符号の説明】
【0033】
1 印面加工装置
2 端末装置
3 トレイ
4 表示部
5 アタッチメント
6 印字体
7 多孔質印材
8 枠体
図1
図2
図3
図4