特許第6347275号(P6347275)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ グリーン プラス カンパニー,リミテッドの特許一覧 ▶ パク,ヨンファンの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6347275
(24)【登録日】2018年6月8日
(45)【発行日】2018年6月27日
(54)【発明の名称】植物の栽培装置
(51)【国際特許分類】
   A01G 9/00 20180101AFI20180618BHJP
   A01G 9/02 20180101ALI20180618BHJP
   A01G 31/04 20060101ALI20180618BHJP
【FI】
   A01G9/00 C
   A01G9/02 101S
   A01G9/02 103S
   A01G31/04 B
【請求項の数】1
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-135414(P2016-135414)
(22)【出願日】2016年7月7日
(65)【公開番号】特開2017-209099(P2017-209099A)
(43)【公開日】2017年11月30日
【審査請求日】2016年7月13日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0063950
(32)【優先日】2016年5月25日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2016-0069465
(32)【優先日】2016年6月3日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】513068403
【氏名又は名称】グリーン プラス カンパニー,リミテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】516013262
【氏名又は名称】パク,ヨンファン
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】パク,ヨンファン
【審査官】 中村 圭伸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−013047(JP,A)
【文献】 特開2014−083051(JP,A)
【文献】 特開2004−033034(JP,A)
【文献】 特開2006−254890(JP,A)
【文献】 特開2000−014250(JP,A)
【文献】 特開平07−031306(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 9/00− 9/10
A01G 9/14− 9/26
A01G 31/00−31/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
温室の柱の上部を水平に横切るトラス(12)に配設され、モーターと駆動軸及びウォームギア減速機と従動軸(24)を有する駆動手段(20)と、前記駆動手段(20)により昇降するように配設される複数の昇降手段(30)及び前記各昇降手段(30)に配設されて昇降する栽培ガター(40)、(40’)を備えてなる植物の栽培装置において、
前記昇降手段(30)は、各従動軸(24)に前後所定間隔で固定され、外周面に巻取溝(311)が螺旋状に形成された複数のドラム(31)と、中間部分を前記ドラム(31)の各巻取溝(311)の中間に数回巻き戻し、左側部分(32a)は前側の左側において下向きになり、且つ、右側部分(32b)は後側の右側において下向きになるように配設するワイヤー(32)と、前記各ドラム(31)が固定された位置から左右等間隔で離れるように当該トラスの下面にそれぞれ上端を取り付けて垂直に配設される左右支持台(33)、(33’)と、前記左右支持台の下端部である「П」状を呈する各軸受け部(331)に前後方向に貫通するように固設される案内軸(332)にそれぞれ結合されて前記軸受け部(331)の前片と後片の間隔内で前後に移動しながらワイヤー(32)の下向きになる左右側部分(32a)、(32b)をドラム(31)の下方の左右においてそれぞれ懸架する左右側の案内プーリー(34)、(34’)と、を備えてなり、
前記栽培ガター(40)は、ワイヤー(32)の左側部分(32a)の下端に結束して配設し、栽培ガター(40’)は、ワイヤー(32’)の右側部分(32b)の下端に結束して配設してなることを特徴とする植物の栽培装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物の栽培装置に係り、さらに詳しくは、温室面積の全体を植物が栽培可能な空間として用いることにより、量産が可能になる植物の栽培装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来には、温室において土壌栽培や水耕栽培などを行うとき、播種や栽培管理または収穫をする作業者の通路として少なくとも温室面積の約半分を用いる必要があったため、栽培面積が半減され、これに伴い、生産量が大幅に減って、生産コストはもとより、消費物価の上昇が招かれ、その結果、生産者及び消費者の費用負担が増えてしまうなどの問題があった。
【0003】
この理由から、本願出願人は、このような問題を解消するために、温室の上部を水平に横切るトラスに固設されるモーターと、前記モーターにより回転可能なように配設される駆動軸及び前記駆動軸と噛合するように水平に配設されるウォームギア減速機を有する駆動手段と、トラスの所定の位置に固設される複数のローラーハンガーと、前記ローラーハンガーの各下部に軸配設される上下ローラーと、前記上下ローラーの間を水平に貫通するように支持されて配設され、ウォームギア減速機の左端を右端に嵌着する左側移動パイプ及び前記上下ローラーの間を水平に貫通するように支持されて配設され、ウォームギア減速機の右端を左端に嵌着する右側移動パイプを有する移動部材と、前記左右側移動パイプが上側を通過するようにトラスに所定の間隔で固設される複数のハンガーと、前記ハンガーの各下端に軸配設されるスプロケットやプーリー及び前記ハンガーのうち隣り合う2つのハンガーを1組にして各組2つのハンガーの中間に相当する部分を左側または右側移動パイプに結束して固定し、結束して固定した部分を基準として下端に栽培ガターを付設する左側部分は左側位置ハンガーのスプロケットやプーリーの左側を経て下向きになるように懸架し、下端に栽培ガターを付設する右側部分は右側位置ハンガーのスプロケットやプーリーの右側を経て下向きになるように懸架する昇降チェーンやワイヤーを有する昇降部材と、を備えてなり、平常時には複数の栽培ガターがいずれも地面から所定の高さに位置するように所定の間隔で水平を維持するようにぶら下がっていて、播種や栽培管理または収穫をするために作業者の移動が必要になるときには、駆動手段を稼働して昇降部材を左側や右側に移動させると、複数の昇降部材が交互に一つは上昇し、次の一つは下降して、各昇降部材にぶら下がるように付設された複数の栽培ガターが一つずつ交互に上昇及び下降をするため、下降した栽培ガターの間には上昇した栽培ガターにより作業者が移動可能な通路が生成されることにより、温室の面積の全てが栽培面積として使用可能になって生産量が倍加される植物の大量栽培装置(特許文献1)を提案した。
【0004】
しかしながら、このような先登録の植物の大量栽培装置は、左右の栽培ガターを交互に上昇及び下降させて、上昇した栽培ガターにより作業者が移動可能な通路を生成するために、複数のプーリーハンガーと左右側移動パイプ及びスプロケットやプーリーと昇降チェーンやワイヤーを用いるため、その構造が複雑であり、設置及びメンテナンスを行うことが非常に困難且つ煩雑であるという問題があるだけではく、昇降チェーンやワイヤーを複数のハンガーの各下端に軸配設されるスプロケットやプーリー及び前記ハンガーのうち隣り合う2つのハンガーを1組にして各組2つのハンガーの中間に相当する部分を左側または右側移動パイプに結束して固定し、結束して固定した部分を基準として下端に栽培ガターを付設する左側部分は左側位置ハンガーのスプロケットやプーリーの左側を経て下向きになるように懸架し、下端に栽培ガターを付設する右側部分は右側位置ハンガーのスプロケットやプーリーの右側を経て下向きになるように懸架するため、長尺な昇降チェーンやワイヤーを用いることを余儀なくされ、その結果、ガターの荷重による長さの変形などにより寿命の短縮が招かれてしまうという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国登録特許第10−1251903号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、設置及びメンテナンスを行い易く、関連コストの負担が大幅に減るとともに、寿命の短縮を招かないことから長期に亘って使用可能な植物の栽培装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、このような目的を達成するために、温室の上部を水平に横切るトラスに配設され、モーターと、駆動軸と、複数の従動軸及びウォームギア減速機を有する駆動手段と、前記駆動手段により昇降するように配設され、従動軸に前後所定間隔で固定され、外周面に巻取溝が螺旋状に形成された複数のドラムと、中間部分を巻取溝の中間に数回巻き戻し、左側部分は前側の左側において下向きになり、且つ、右側部分は後側の右側において下向きになるように配設するワイヤーと、前記ドラムが固定された位置から左右等間隔で離れるように当該トラスの下面にそれぞれ上端を取り付けて垂直に配設される左右支持台及びドラムよりも下方の左右に位置するように支持台の下端部に軸配設されてワイヤーの下向きになる左右側部分をそれぞれ懸架する左右側の案内プーリーを有する昇降手段と、前記ワイヤーの左右側部分にそれぞれ結束して配設して昇降する栽培ガターと、を備えてなり、平常時には複数の栽培ガターがいずれも地面から所定の高さに位置するように所定の間隔で水平を維持するようにぶら下がっていて、播種や栽培管理または収穫をするために作業者の移動が必要になるときには、駆動手段を稼働して昇降手段が複数の栽培ガターを一つずつ交互に上昇及び下降させて、下降した栽培ガターの間には上昇した栽培ガターにより作業者が移動可能な通路が生成されることにより、温室の面積の全てが栽培面積として使用可能になって生産量が倍加される植物の栽培装置を提供する。
【発明の効果】
【0008】
このような本発明の実施形態による植物の栽培装置は、温室の面積を全て栽培面積として用いるところに特徴があり、設置及びメンテナンスを行い易く、関連コストの負担が大幅に減るとともに、寿命の短縮を招かないことから長期に亘って使用可能になるなどの効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1の実施形態による植物の栽培装置が配設された温室の一部を概略的に示す正面図である。
図2図1の植物の栽培装置を概略的に示す側面図である。
図3図1の植物の栽培装置を概略的に示す平面図である。
図4図1の一部を抜粋して拡大して示す正面図である。
図5a図4に示す一つの昇降手段を抜粋して拡大して示す正面図である。
図5b図4に示す一つの昇降手段を抜粋して拡大して示す平面図である。
図5c図4に示す一つの昇降手段を抜粋して拡大して示す側面図である。
図6図1に示す一つの昇降手段及びウォームギア減速機を抜粋して拡大して示す図である。
図7】本発明の第2の実施形態による植物の栽培装置が配設された温室の一部を概略的に示す正面図である。
図8図7の植物の栽培装置を概略的に示す側面図である。
図9図7の植物の栽培装置を概略的に示す平面図である。
図10図7の一部を抜粋して拡大して示す正面図である。
図11図8に示す駆動及び一つの昇降手段を抜粋して拡大して示す平面図である。
図12図11の駆動及び昇降手段の側面図である。
図13】本発明の第3の実施形態による植物の栽培装置の一部を抜粋して拡大して示す正面図である。
図14a図13に示す一つの昇降手段を抜粋して拡大して示す正面図である。
図14b図13に示す一つの昇降手段を抜粋して拡大して示す平面図である。
図15a図14a及び図14bに示す昇降手段の作動状態を示す側面図である。
図15b図14a及び図14bに示す昇降手段の作動状態を示す側面図である。
図15c図14a及び図14bに示す昇降手段の作動状態を示す側面図である。
図16】本発明の第4の実施形態による植物の栽培装置が配設された温室の一部を概略的に示す側面図である。
図17図16の植物の栽培装置を概略的に示す平面図である。
図18図17の一部を抜粋して拡大して示す正面図である。
図19a図18に示す一つの昇降手段を抜粋して拡大して示す正面図である。
図19b図18に示す一つの昇降手段を抜粋して拡大して示す平面図である。
図19c図18に示す一つの昇降手段を抜粋して拡大して示す側面図である。
図20図16に示す一つの昇降手段及びウォームギア減速機を抜粋して拡大して示す側面図である。
図21】本発明の第5の実施形態による植物の栽培装置が配設された温室の一部を概略的に示す側面図である。
図22図21の植物の栽培装置を概略的に示す平面図である。
図23図22の一部を抜粋して拡大して示す正面図である。
図24図21に示す一つの駆動及び昇降手段を抜粋して拡大して示す平面図である。
図25図24の駆動及び昇降手段の側面図である。
図26図24に示す昇降手段を抜粋して拡大して示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面に基づき、本発明の実施形態による植物の栽培装置について詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明の第1の実施形態による植物の栽培装置が配設された温室の一部を概略的に示す正面図であり、図2は、図1の植物の栽培装置を概略的に示す側面図であり、図3は、図1の植物の栽培装置を概略的に示す平面図であり、図4は、図1の一部を抜粋して拡大して示す正面図であり、図5a〜図5cは、図4に示す昇降手段を抜粋して拡大して示す正面図と、平面図及び側面図であり、図6は、図1に示す昇降手段及びウォームギア減速機を抜粋して拡大して示す側面図である。
【0012】
図1から図6の本発明の第1の実施形態による植物の栽培装置は、一般的に汎用されている屋根構造をそのまま適用する温室の柱11の上部を水平に横切るトラス12に配設される駆動手段20と、前記駆動手段により昇降するように配設される複数の昇降手段30及び前記昇降手段の各左右にそれぞれぶら下がるように付設される栽培ガター40、40’を備えてなることを特徴とする。
【0013】
駆動手段20は、モーター21と駆動軸22及びウォームギア減速機23と従動軸24を備えてなる。
【0014】
駆動軸22は、温室10の内部の上側を左右に横切るようにトラス12の下側に配設されてモーター21により回転され、ウォームギア減速機23は、前記駆動軸と直交するようにトラスの下側に左右所定間隔で前後を横切るように軸受け13により設けられる複数の従動軸24が互いに直交する個所にそれぞれ配設されて前記駆動軸の回転力を減速して伝達して従動軸を同時に回転させる。
【0015】
ウォームギア減速機23は、駆動軸22と従動軸24が互いに直交する個所にそれぞれ噛合するように固定されるウォームギア231、232と、前記ウォームギアが取り外されないように緊合するケース233と、を備えてなる。
【0016】
このため、駆動軸22及び従動軸24は、各直交個所がウォームギア231とともにウォームギア減速機23のケース232により取り囲まれるように緊合されるため、モーター21及び前記駆動軸は従動軸とともに軸受け13によりトラス12に安定的に配設される。
【0017】
昇降手段30は、各従動軸24に前後所定間隔で固定され、外周面に巻取溝311が螺旋状に形成された複数のドラム31と、中間部分を前記ドラムの各巻取溝の中間に数回巻き戻し、左側部分32aは、前側の左側において下向きになり、且つ、右側部分32bは、後側の右側において下向きになるように配設する所定の長さのワイヤー32と、前記各ドラムが固定された位置から左右等間隔で離れるように当該トラス12の下面にそれぞれ上端を取り付けて垂直に配設される左右支持台33、33’と、前記ドラムよりも下方の左右に位置するように支持台の各下端部に軸配設されてワイヤーの下向きになる左右側部分をそれぞれ懸架する左右側の案内プーリー34、34’と、を備えてなる。
【0018】
また、各ワイヤー32の左側部分32aの下端は、左側に配設される栽培ガター40に結束し、右側部分32bの下端は、右側に配設される栽培ガター40’に結束する。
【0019】
このような構成を有する本発明による植物の栽培装置は、温室の面積の全てを栽培面積として用いるように設置するものであり、平常時には、左右の栽培ガター40、40’を同じ高さに水平に位置させて、全ての植物に日光を均一に当てる。
【0020】
このような状態で、播種や栽培管理または収穫などのための作業者の移動通路が必要になるときには、モーター21を正駆動させてその回転力が駆動軸22及びウォームギア減速機23を経て従動軸24に伝達されてドラム31を正回転させると、ワイヤー32の左側部分32aが巻取溝311に巻き戻されて下端が結束された左側の栽培ガター40は上昇するのに対し、前記ワイヤーの右側部分23bは繰り出されるため右側の栽培ガター40’は下降する。
【0021】
このようになると、それぞれの上昇する栽培ガター40と下降する栽培ガター40’との間には、作業者が移動可能な通路が生成される。
【0022】
このとき、それぞれの栽培ガター40が上昇する高さは、作業者が立って移動するのに差し支えがないほどになり、下降するそれぞれの栽培ガター40’の高さは、作業者が楽な姿勢で播種や栽培管理または収穫などが行えるほどに調節すればよい。
【0023】
また、播種や栽培管理または収穫などを終えた後に、作業者が温室から出た後にモーター21を逆駆動してドラム31を逆回転させると、各ワイヤー32の左側部分32aは前記ドラムから繰り出されるのに対し、右側部分32bは巻き戻されるため、左側の栽培ガター40は下降し、右側の栽培ガター40’は上昇する。
【0024】
このようにして、左右の栽培ガター40、40’の高さが等しい水平状態になると、モーター21の駆動を止めることにより、全ての植物に日光が均一に当たって生長する。
【0025】
図7は、本発明の第2の実施形態による植物の栽培装置が配設された温室の一部を概略的に示す正面図であり、図8は、図7の植物の栽培装置を概略的に示す側面図であり、図9は、図7の植物の栽培装置を概略的に示す平面図であり、図10は、図7の一部を抜粋して拡大して示す正面図であり、図11は、図8に示す駆動及び昇降手段を抜粋して拡大して示す平面図であり、図12は、図11の駆動及び昇降手段の側面図である。
【0026】
図7から図12の本発明の第2の実施形態による植物の栽培装置は、前記第1の実施形態でのように、一般に汎用されている屋根構造をそのまま適用する温室10の柱11の上部を水平に横切るトラス12に配設される駆動手段20と、前記駆動手段により昇降するように配設される複数の昇降手段30及び前記昇降手段の各左右にそれぞれぶら下がるように付設される栽培ガター40、40’を備えてなることを特徴とする。
【0027】
駆動手段20は、モーター21と、駆動軸22及び前記モーターに付設されて駆動力を変速させて駆動軸に伝達する変速機211を備えてなる。
【0028】
駆動軸22は、温室10の内部の上側を前後に横切るようにトラス12の下側に左右所定間隔でそれぞれ軸受け13により設けられ、モーター21は、前記駆動軸を正逆転させるように駆動軸ごとにそれぞれ配設される。
【0029】
昇降手段30は、各駆動軸22に前後所定間隔で固定され、外周面に巻取溝311が螺旋状に形成された複数のドラム31と、中間部分を前記ドラムの各巻取溝の中間に数回巻き戻し、左側部分32aは、前側の左側において下向きになり、且つ、右側部分32bは、後側の右側において下向きになるように配設する所定の長さのワイヤー32と、前記各ドラムが固定された位置から左右等間隔で離れるように当該トラス12の下面にそれぞれ上端を取り付けて垂直に配設される左右支持台33、33’と、前記ドラムよりも下方の左右に位置するように支持台の各下端部に軸配設されてワイヤーの下向きになる左右側部分をそれぞれ懸架する左右側の案内プーリー34、34’と、を備えてなる。
【0030】
また、各ワイヤー32の左側部分32aの下端は、左側に配設される栽培ガター40に結束し、ワイヤー32’の右側部分32bの下端は、右側に配設される栽培ガター40’に結束する。
【0031】
このような構成を有する本発明の第2の実施形態による植物の栽培装置は、温室の面積の全てを栽培面積として用いるように設置するものであり、平常時には、左右の栽培ガター40、40’を同じ高さに水平に位置させて、全ての植物に日光を均一に当てる。
【0032】
このような状態で、播種や栽培管理または収穫などのための作業者の移動通路が必要になるときには、モーター21を正駆動させてその回転力が駆動軸22と変速機211を経て従動軸24に伝達されてドラム31を正回転させると、ワイヤー32の左側部分32aが巻取溝311に巻き戻されて下端が結束された左側の栽培ガター40は上昇するのに対し、前記ワイヤーの右側部分23bは繰り出されるため右側の栽培ガター40’は下降する。
【0033】
このようになると、それぞれの上昇する栽培ガター40と下降する栽培ガター40’との間には、作業者が移動可能な通路が生成される。
【0034】
このとき、それぞれの栽培ガター40が上昇する高さは、作業者が立って移動するのに差し支えがないほどになり、下降するそれぞれの栽培ガター40’の高さは、作業者が楽な姿勢で播種や栽培管理または収穫などが行えるほどに調節すればよい。
【0035】
また、播種や栽培管理または収穫などを終えた後に、作業者が温室から出た後にモーター21を逆駆動してドラム31を逆回転させると、各ワイヤー32の左側部分32aは前記ドラムから繰り出されるのに対し、右側部分32bは巻き戻されるため、左側の栽培ガター40は下降し、右側の栽培ガター40’は上昇する。
【0036】
このようにして、左右の栽培ガター40、40’の高さが等しい水平状態になると、モーター21の駆動を止めることにより、全ての植物に日光が均一に当たって生長する。
【0037】
図13は、本発明の第3の実施形態による植物の栽培装置の一部を抜粋して拡大して示す正面図であり、図14a及び図14bは、図13に示す一つの昇降手段を抜粋して拡大して示す正面図及び平面図であり、図15a〜図15cは、図14a及び図14bに示す昇降手段の作動状態を示す側面図である。
【0038】
図13から図15a、図15bの本発明の第3の実施形態による植物の栽培装置は、前記第1の実施形態でのように、一般に汎用されている屋根構造をそのまま適用する温室の柱の上部を水平に横切るトラス12に配設され、モーターと駆動軸及びウォームギア減速機と従動軸24を有する駆動手段20と、前記駆動手段により昇降するように配設される複数の昇降手段30及び前記昇降手段の各左右にそれぞれぶら下がるように付設される栽培ガター40、40’を備えてなる。
【0039】
駆動手段20の駆動軸は、温室の内部の上側を左右に横切るようにトラス12の下側に配設されてモーターにより回転され、ウォームギア減速機は、前記駆動軸と直交するようにトラスの下側に左右所定間隔で前後を横切るように軸受け13により設けられる複数の従動軸24が互いに直交する個所にそれぞれ配設されて前記駆動軸の回転力を減速して伝達して従動軸を同時に回転させる。
【0040】
【0041】
このように左右側の案内プーリー34、34’を案内軸332にそれぞれ結合して各軸受け部331の前後片間の間隔内で前後移動するように配設することは、後述するように、ドラム31が正回転するときには、ワイヤー32の左側部分32aが前記ドラムの前側に巻き戻しながら上昇するのに対し、右側部分32bは前記ドラムの後側から繰り出されながら下降するため、巻き戻される位置と繰り出される位置は、ドラムの前後において同様に前方に移動するが、このとき、各左右側の案内プーリーに懸架されて上昇及び下降するワイヤーの左側部分及び右側部分によりそれぞれ前方に押されて案内軸から前方に移動することにより、ワイヤーの左右側部分は常に左右側の案内プーリーに安定的に懸架されて上昇及び下降することになる。
【0042】
このような各ワイヤー32の左側部分32aの下端は、左側に配設される栽培ガター40に結束し、右側部分32bの下端は、右側に配設される栽培ガター40’に結束する。
【0043】
このような構成を有する本発明による植物の栽培装置は、温室の面積の全てを栽培面積として用いるように設置するものであり、平常時には、左右の栽培ガター40、40’を同じ高さに水平に位置させて、全ての植物に日光を均一に当てる。
【0044】
このような状態で、播種や栽培管理または収穫などのための作業者の移動通路が必要になるときには、駆動手段20のモーターを正駆動させてその回転力が駆動軸及びウォームギア減速機を経て従動軸24に伝達されてドラム31を正回転させると、ワイヤー32の左側部分32aが巻取溝311に巻き戻されて下端が結束された左側の栽培ガター40は上昇するのに対し、前記ワイヤーの右側部分23bは繰り出されるため右側の栽培ガター40’は下降する。
【0045】
このようになると、それぞれの上昇する栽培ガター40と下降する栽培ガター40’との間には、作業者が移動可能な通路が生成される。
【0046】
このとき、それぞれの栽培ガター40が上昇する高さは、作業者が立って移動するのに差し支えがないほどになり、下降するそれぞれの栽培ガター40’の高さは、作業者が楽な姿勢で播種や栽培管理または収穫などが行えるほどに調節すればよい。
【0047】
また、播種や栽培管理または収穫などを終えた後に、作業者が温室から出た後にモーター21を逆駆動してドラム31を逆回転させると、各ワイヤー32の左側部分32aは前記ドラムから繰り出されるのに対し、右側部分32bは巻き戻されるため、左側の栽培ガター40は下降し、右側の栽培ガター40’は上昇する。
【0048】
このようにして、左右の栽培ガター40、40’の高さが等しい水平状態になると、モーター21の駆動を止めることにより、全ての植物に日光が均一に当たって生長する。
【0049】
図16は、本発明の第4の実施形態による植物の栽培装置が配設された温室の一部を概略的に示す側面図であり、図17は、図16の植物の栽培装置を概略的に示す平面図であり、図18は、図17の一部を抜粋して拡大して示す正面図であり、図19a〜図19cは、図18に示す一つの昇降手段を抜粋して拡大して示す正面図と、平面図及び側面図であり、図20は、図16に示す一つの昇降手段及びウォームギア減速機を抜粋して拡大して示す側面図である。
【0050】
図16から図20の本発明の第4の実施形態による植物の栽培装置は、前記第1の実施形態でのように、一般的に汎用されている屋根構造をそのまま適用する温室の柱の上部を水平に横切るトラス12に配設され、モーターと駆動軸及びウォームギア減速機と従動軸24を有する駆動手段20と、前記駆動手段により昇降するように配設される複数の昇降手段30及び前記昇降手段の各左右にそれぞれぶら下がるように付設される栽培ガター40、40’を備えてなることを特徴とする。
【0051】
また、駆動手段20が、モーター21と、温室10の内部の上側を左右に横切るようにトラス12の下側に配設されてモーター21により回転される駆動軸22と、前記駆動軸と直交するようにトラスの下側に左右所定間隔で前後を横切るように軸受け13により設けられる複数の従動軸24と、前記駆動軸と複数の従動軸が互いに直交する個所にそれぞれ配設されて駆動軸の回転力を減速して伝達して従動軸を同時に回転させるウォームギア減速機23と、を備えてなることも前記第1の実施形態と同様である。
【0052】
昇降手段30は、各従動軸24に前後所定間隔で固定される複数のメインスプロケット31’と、中間部分を前記メインスプロケットにそれぞれ懸架し、左側部分32aは、前記メインスプロケットの各左側において下向きになり、且つ、右側部分32bは、各右側において下向きになるように配設する所定の長さのチェーン32’と、前記各メインスプロケットが固定された位置から左右等間隔で離れるように当該トラス12の下面にそれぞれ上端を取り付けて垂直に配設される左右支持台33、33’と、前記メインスプロケットよりも下方の左右に位置するように支持台の各下端部に軸配設されてチェーンの下向きになる左右側部分をそれぞれ懸架する左右側の案内スプロケット34a、34bと、を備えてなる。
【0053】
また、チェーン32’の左側部分32aの下端は、左側に配設される栽培ガター40に結束し、右側部分32bの下端は、右側に配設される栽培ガター40’に結束する。
【0054】
このような構成を有する本発明の第4の実施形態による植物の栽培装置は、温室の面積の全てを栽培面積として用いるように設置するものであり、平常時には、左右の栽培ガター40、40’を同じ高さに水平に位置させて、全ての植物に日光を均一に当てる。
【0055】
このような状態で、播種や栽培管理または収穫などのための作業者の移動通路が必要になるときには、モーター21を正駆動させてその回転力が駆動軸22及びウォームギア減速機23を経て従動軸24に伝達されてメインスプロケット31’を正回転させると、その回転方向に応じて、各チェーン32’の左側部分32aは前記メインスプロケットに巻き戻されながら上昇するため、下端が結束された左側の栽培ガター40は上昇するのに対し、前記各チェーンの右側部分23bは繰り出されながら下降して右側の栽培ガター40’は下降することになる。
【0056】
このようになると、それぞれ上昇する栽培ガター40と下降する栽培ガター40’との間には、作業者が移動可能な通路が生成される。
【0057】
また、播種や栽培管理または収穫などを終えた後に、作業者が温室から出た後にモーター21を逆駆動してメインスプロケット31’を逆回転させると、各チェーン32’の左側部分32aは前記メインスプロケットから繰り出されながら下降するのに対し、右側部分32bは懸架されながら上昇することになり、左側の栽培ガター40は下降し、右側の栽培ガター40’は上昇するため、前記左右の栽培ガター40、40’の高さが等しい水平状態になると、モーター21の駆動を止めることにより、全ての植物に日光が均一に当たって生長する。
【0058】
図21は、本発明の第5の実施形態による植物の栽培装置が配設された温室の一部を概略的に示す側面図であり、図22は、図21の植物の栽培装置を概略的に示す平面図であり、図23は、図22の一部を抜粋して拡大して示す正面図であり、図24は、図21に示す一つの駆動及び昇降手段を抜粋して拡大して示す平面図であり、図25は、図24の駆動及び昇降手段の側面図であり、図26は、図24に示す昇降手段を抜粋して拡大して示す正面図である。
【0059】
図21から図26の本発明の第5の実施形態による植物の栽培装置は、前記第1の実施形態でのように、一般に汎用されている屋根構造をそのまま適用する温室10の柱11の上部を水平に横切るトラス12に配設される駆動手段20と、前記駆動手段により昇降するように配設される複数の昇降手段30及び前記昇降手段の各左右にそれぞれぶら下がるように付設される栽培ガター40、40’を備えてなることを特徴とする。
【0060】
駆動手段20は、モーター21と、駆動軸22及び前記モーターに付設されて駆動力を変速させて駆動軸に伝達する変速機211を備えてなる。
【0061】
駆動軸22は、温室10の内部の上側を前後に横切るようにトラス12の下側に左右所定間隔でそれぞれ軸受け13により設けられ、モーター21は、前記駆動軸を正逆転させるように駆動軸ごとにそれぞれ配設される。
【0062】
昇降手段30は、各従動軸24に前後所定間隔で固定される複数のメインスプロケット31’と、中間部分を前記メインスプロケットにそれぞれ懸架し、左側部分32aは、前記メインスプロケットの各左側において下向きになり、且つ、右側部分32bは、右側において下向きになるように配設する所定の長さのチェーン32’と、前記各メインスプロケットが固定された位置から左右等間隔で離れるように当該トラス12の下面にそれぞれ上端を取り付けて垂直に配設される左右支持台33、33’と、前記メインスプロケットよりも下方の左右に位置するように支持台の各下端部に軸配設されてチェーンの下向きになる左右側部分をそれぞれ懸架する左右側の案内スプロケット34a、34bと、を備えてなる。
【0063】
また、各チェーン32’の左側部分32aの下端は、左側に配設される栽培ガター40に結束し、前記チェーンの右側部分32bの下端は、右側に配設される栽培ガター40’に結束する。
【0064】
このような構成を有する本発明の第5の実施形態による植物の栽培装置は、温室の面積の全てを栽培面積として用いるように設置するものであり、平常時には、左右の栽培ガター40、40’を同じ高さに水平に位置させて、全ての植物に日光を均一に当てる。
【0065】
このような状態で、播種や栽培管理または収穫などのための作業者の移動通路が必要になるときには、モーター21を正駆動させてその回転力が変速機211により変速されて駆動軸22に伝達されてメインスプロケット31’を正回転させると、チェーン32’の左側部分32aが前記メインスプロケットに懸架されながら上昇することになり、下端が結束された左側の栽培ガター40は上昇するのに対し、前記チェーンの右側部分23bは繰り出されながら下降して右側の栽培ガター40’は下降することになる。
【0066】
このようになると、それぞれの上昇する栽培ガター40と下降する栽培ガター40’との間には、作業者が移動可能な通路が生成される。
【0067】
このとき、それぞれの栽培ガター40が上昇する高さは、作業者が立って移動するのに差し支えがないほどになり、下降するそれぞれの栽培ガター40’の高さは、作業者が楽な姿勢で播種や栽培管理または収穫などが行えるほどに調節すればよい。
【0068】
また、播種や栽培管理または収穫などを終えた後に、作業者が温室から出た後にモーター21を逆駆動してメインスプロケット31’を逆回転させると、各チェーン32’の左側部分32aは前記メインスプロケットから繰り出されながら下降するのに対し、右側部分32bは懸架されながら上昇するため、左側の栽培ガター40は下降し、右側の栽培ガター40’は上昇することになる。
【0069】
このようにして、左右の栽培ガター40、40’の高さが等しい水平状態になると、モーター21の駆動を止めることにより、全ての植物に日光が均一に当たって生長する。
【0070】
このようにして作動する本発明第1乃至第5の実施形態による植物の栽培装置は、その構造が非常に簡単であり、設置及びメンテナンスを行い易く、関連コストの負担が大幅に減るとともに、寿命の短縮を招かないことから長期に亘って使用可能になり、しかも、温室の面積の全てが植物の栽培面積として使用可能になることから収穫量が倍加されるという特徴を有する。
【符号の説明】
【0071】
10:温室
20:駆動手段
21:モーター
22:駆動軸
23:ウォームギア減速機
30:昇降手段
31:ドラム
31’:メインスプロケット
32:ワイヤー
32’:チェーン
33、33’:支持台
34、34’:左右側の案内プーリー
34a、34b:案内スプロケット
40、40’:栽培ガター
332:案内軸
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図5c
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14a
図14b
図15a
図15b
図15c
図16
図17
図18
図19a
図19b
図19c
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26