(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
製造ライン末端から、複数台の遊技機を収容する収容部を有する搬送ラックに遊技機を立て置き状態で積み込む遊技機搬送方法において、リフタを備えた製造ライン末端で、ローラコンベア部を有する枠体と、ワイヤクランプ機構を備え、搬送台車を製造ライン末端に位置決め機構によりドッキングさせ、遊技機をリフタで上昇させ、前記ローラコンベア部の上を移動させて前記搬送台車に移し、前記ワイヤクランプ機構を使用した遠隔操作により、前記遊技機を前記搬送台車にクランプする工程と、前記ドッキングを解除する工程と、遊技機を固定した搬送台車を搬送ラックに位置決め機構によりドッキングさせる工程と、前記ワイヤクランプ機構を使用した遠隔操作により、遊技機の前記クランプを解除する工程と、前記遊技機を搬送台車から前記ローラコンベア部の上を移動させて搬送ラックの2段目以上の収容部に立て置き状態に収納する工程と、を備えた遊技機搬送方法。
製造ライン末端から、複数台の遊技機を収容する収容部を有する搬送ラックに遊技機を立て置き状態で積み込む遊技機搬送方法において、ローラコンベア部を有する昇降体と、該昇降体を昇降させるためバランスウェイト機構と、遠隔操作により昇降体を上位置と下位置とで、それぞれ、ロックと解除を行うワイヤロック機構と、を備えた搬送台車において、前記ワイヤロック機構により、上位置で昇降体をロックする工程と、製造ライン末端で、位置決め機構により前記搬送台車をリフタにドッキングさせる工程と、前記遊技機を前記昇降体のローラコンベア部の上に移動させて搬送台車に移す工程と、位置決め機構により前記搬送台車を前記リフタから離脱させる工程と、前記ワイヤロック機構により、上位置での昇降体のロックを解除し、バランスウェイト機構を利用して手動で昇降体を遊技機とともに自動下降させる工程と、前記ワイヤロック機構により、下位置で昇降体をロックする工程と、位置決め機構により前記搬送台車を搬送ラックにドッキングさせる工程と、前記遊技機を前記昇降体のローラコンベア部の上から搬送ラックの収容部に移動させ遊技機を搬送ラックの1段目の収容部に立て置き状態に収納する工程と、前記ドッキングを解除する工程と、を備えた遊技機搬送方法。
製造ライン末端から、複数台の遊技機を収容する収容部を有する搬送ラックに遊技機を立て置き状態で積み込む遊技機搬送台車において、ローラコンベア部を有する枠体と、滑車とワイヤと揺動自在のレバーとクランプを有するワイヤクランプ機構を備え、製造ラインと搬送ラックに対する位置決め機構を備え、前記ワイヤクランプ機構を使用した遠隔操作により、遊技機を枠体にクランプ及び解除することを特徴とする遊技機搬送台車。
製造ライン末端から、複数台の遊技機を収容する収容部を有する搬送ラックに遊技機を立て置き状態で積み込む遊技機台車において、ローラコンベア部を有する昇降体と、該昇降体の昇降速度を制御するバランスウェイト機構と、遠隔操作により昇降体を上位置と下位置とで、それぞれ、ロックと解除を行うワイヤロック機構と、製造ラインと搬送ラックに対する位置決め機構を備え、前記ワイヤロック機構により、上位置と下位置で前記昇降体をロック及び解除することにより、前記バランスウェイト機構を作動させることを特徴とする遊技機搬送台車。
【背景技術】
【0002】
遊技機は、製造ライン末端で人手により搬送ラックヘ積み込まれ、複数台の遊技機が一括で移動されたり、保管されている。この搬送ラックについては特許文献1、2に示す発明が提案されている。
【0003】
特許文献1に記載の発明は、電子化・精密化によって取り扱いに細心の注意を要する遊技機の搬送保管作業において、容易で安全にそして一度に多くの遊技台を効率的に運搬および保管できる専用台車を提供する。遊技台搬送用台車に棚割り構造の収納スペースを複数設け、遊技台を立て置き状態で差し入れると共に、運搬時の衝撃から遊技台を保護する保持固定の機構を備えて落下破損事故を防ぐ構造を特徴とする。パチンコ遊技機の組立や解体を行なう場合、重いパチンコ遊技機の位置を何度も変える必要があり、作業性が悪かった。パチンコ遊技機用治具310外フレーム312に対して回転180度、回転可能な内フレーム320を設け、この内フレーム320にロック機構315を利用してパチンコ遊技機80の内枠30を固定する。この状態で、パチンコ遊技機用治具310ごとレール72上を移動させ、作業位置で内フレーム320を回転して、内枠30に対して裏表から、自在に各種部品を取り外すことができる。パチンコ遊技機用治具310に車輪を設けて、自走可能とすることもできる。
【0004】
特許文献2に記載の発明は、複数機種の遊戯台に対する共用化、積載効率の向上、作業性の向上、および安全性の向上を併せて実現することができる遊戯台用輸送台車を提供する。遊戯台用輸送台車1は、台車本体3の収容空間14を上下に複数の収容部16に仕切る水平枠4と、水平枠4の上に取り付けられ、それぞれ遊戯台2が1台ずつ積載可能な複数の棚板5と、遊戯台2の背面枠側の端部の下部に後方から対向する後方規制具31と、遊戯台2の積込口側の端部の下部に前方から対向する前方規制具51と、遊戯台2の下部に側方から対向する第1の側方規制具31と、第1の側方規制具23とは反対側の側方から遊戯台2の下部に対向する第2の側方規制具52と、遊戯台2の背面枠側の端部の上部を保持する保持具32とを具備する。
【0005】
また一方、製造ライン末端から搬送ラックに積み込むためには人手によるが、遊技機を運搬する台車があれば便利である。この台車としては、特許文献3、4に記載の発明が提案されている。
【0006】
特許文献3に記載の発明は、多くの労力を必要とすることなく一人でも遊技機を載置台上に簡単に載せることができ、作業性が良い遊技機の運搬用台車を提供する。裏面にキャスター15が取着される水平な載置台1と、起立状態で載置される遊技機Pの下部が嵌まり込むように載置台1の上面に形成され、長手方向の少なくとも一端が載置台1の周端縁に達して開放される凹長溝2と、凹長溝2の開放する一端部に配置される回転自在なローラ5と、からなり、凹長溝2の長手方向の寸法は、遊技機Pの正面から見た横幅方向の一側下面aが凹長溝2の底壁2a上面に接地しかつその横幅方向の他側下面bがローラ5で支持されたとき、遊技機Pの重心G3が凹長溝2におけるローラ5よりも内側に位置するような長さに設定されている。
【0007】
特許文献4に記載の発明は、遊技機の転倒を防止しつつ載置して運搬可能な台車を提供する。背面が開放した筐体51を有するとともに、筐体51の底板52上面に嵌入部54を有する遊技機50を運搬する台車10であって、底板52がその後縁53から挿入されることで、底板52が上下から保持される断面コの字型の保持部20を備え、保持部20は、底板52の上面と接する保持上部21及び底板52の下面と接する保持下部22を備え、保持上部21の下面には、底板52が挿入される際には弾性変形により上方へ移動可能であるとともに、嵌入部54と一致した際には下方への復元力により嵌入部54へ係合可能な係合突起24を備え、保持下部22の下面には、複数の転動体43を備える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1、2の搬送ラックへの遊技機の積み込みに際して、手作業ではなく、特許文献3、4に示す台車を用いたとしても、搬送ラックの上段又は下段への積み込みは、依然として、重筋作業であることを免れることができず、かつ、安全性を確保する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで、本発明の第1の遊技機搬送方法は、製造ライン末端から、複数台の遊技機を収容する収容部を有する搬送ラックに遊技機を立て置き状態で積み込む遊技機搬送方法において、リフタを備えた製造ライン末端で、ローラコンベア部を有する枠体と、ワイヤクランプ機構を備え、搬送台車を製造ライン末端に位置決め機構によりドッキングさせ、遊技機をリフタで上昇させ、前記ローラコンベア部の上を移動させて前記搬送台車に移し、前記ワイヤクランプ機構を使用した遠隔操作により、前記遊技機を前記搬送台車にクランプする工程と、前記ドッキングを解除する工程と、遊技機を固定した搬送台車を搬送ラックに位置決め機構によりドッキングさせる工程と、前記ワイヤクランプ機構を使用した遠隔操作により、遊技機の前記クランプを解除する工程と、前記遊技機を搬送台車から前記ローラコンベア部の上を移動させて搬送ラックの2段目以上の収容部に立て置き状態に収納する工程と、を備えたものである。
【0011】
本発明の第2の遊技機搬送方法は、製造ライン末端から、複数台の遊技機を収容する収容部を有する搬送ラックに遊技機を立て置き状態で積み込む遊技機搬送方法において、ローラコンベア部を有する昇降体と、該昇降体を昇降させるためバランスウェイト機構と、遠隔操作により昇降体を上位置と下位置とで、それぞれ、ロックと解除を行うワイヤロック機構と、を備えた搬送台車において、前記ワイヤロック機構により、上位置で昇降体をロックする工程と、製造ライン末端で、位置決め機構により前記搬送台車をリフタにドッキングさせる工程と、前記遊技機を前記昇降体のローラコンベア部の上に移動させて搬送台車に移す工程と、位置決め機構により前記搬送台車を前記リフタから離脱させる工程と、前記ワイヤロック機構により、上位置での昇降体のロックを解除し、バランスウェイト機構を利用して手動で昇降体を遊技機とともに自動下降させる工程と、前記ワイヤロック機構により、下位置で昇降体をロックする工程と、位置決め機構により前記搬送台車を搬送ラックにドッキングさせる工程と、前記遊技機を前記昇降体のローラコンベア部の上から搬送ラックの収容部に移動させ遊技機を搬送ラックの1段目の収容部に立て置き状態に収納する工程と、前記ドッキングを解除する工程と、を備えたものである。
【0012】
本発明の第1の遊技機搬送台車は、製造ライン末端から、複数台の遊技機を収容する収容部を有する搬送ラックに遊技機を立て置き状態で積み込む遊技機搬送台車において、ローラコンベア部を有する枠体と、滑車とワイヤと揺動自在のレバーとクランプを有するワイヤクランプ機構を備え、製造ラインと搬送ラックに対する位置決め機構を備え、前記ワイヤクランプ機構を使用した遠隔操作により、遊技機を枠体にクランプ及び解除することを特徴とする。
【0013】
本発明の第2の遊技機搬送台車は、製造ライン末端から、複数台の遊技機を収容する収容部を有する搬送ラックに遊技機を立て置き状態で積み込む遊技機台車において、ローラコンベア部を有する昇降体と、該昇降体を昇降させるためのバランスウェイト機構と、遠隔操作により昇降体を上位置と下位置とで、それぞれ、ロックと解除を行うワイヤロック機構と、製造ラインと搬送ラックに対する位置決め機構を備え、前記ワイヤロック機構により、上位置と下位置で前記昇降体をロック及び解除することにより、前記バランスウェイト機構を作動させることを特徴とする。
【0014】
第1の遊技機搬送台車は、搬送ラックの上段の収容部に搬送する遊技機搬送台車である。ワイヤクランプ機構はワイヤと滑車とハンドルとレバーとクランプを備えることが好ましい。位置決め機構は、搬送台車とリフタとが手動でドッキングし、手動で分離できる構造を備えることが好ましい。位置決め機構に位置確認センサを備えてもよい。第2の遊技機搬送台車は、搬送ラックの1段目の収容部に搬送する遊技機搬送台車である。ワイヤロック機構はワイヤとハンドルとロックを備えることが好ましい。バランスウェイト機構は減速機構を含むことが好ましい。
【0015】
前記リフタは、遊技機を搬送するためのローラコンベアを備えることが好ましく、このローラコンベアは、昇降可能とすることが好ましい。例えば、リフタを下げた時に、製造ラインの搬送ラインと同じ高さに設定してある。例えば、搬送ラックの上段の収容部に遊技機を積むときには、前記第1の遊技機搬送台車を利用し、リフタを上昇させ、その位置で遊技機を遊技機搬送台車に移動させ、この遊技機搬送台車から搬送ラックに遊技機を移動させる。また一方、搬送ラックの下段の収容部に遊技機を積むときには、前記第2の遊技機搬送台車を利用し、リフタを下降させた定位置で遊技機を昇降体に移動させ、昇降体を下降させ、この遊技機搬送台車から搬送ラックに遊技機を移動させる。搬送台車から遊技機がなくなると、昇降体のロックを外し、自動的に初期位置に戻るようになっていることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
請求項1〜4の発明により、搬送ラックの上段又は下段への積み込み作業を軽筋作業かつ安全性なものにできる。エアー駆動源、電気駆動源等のパワーソースがなく手動式のため省エネと配管、配線工事がなくコストダウンが図れ、独立した軽量な台車のため、自由にかつ容易に移動でき、搬送ラックに遊技機を収納した状態で客先へ出荷できる等、機動性に富んでいる。また、パワーソースがないので、軽量である。パワーソースを使わないで配線の取り回しを気にせず移動できる。そして、移動式のため、離れた場所にある搬送ラックとのドッキングが容易にできる。ライン末端との簡易的な位置決め機構がありドッキングが確実、かつ容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明実施形態1の搬送台車と製造ライン末端の斜視図である。
【
図3】同じく遊技機をリフタで上昇させた状態の搬送台車と製造ライン末端の斜視図である。
【
図4】同じく遊技機をリフタから搬送台車に移動した状態の、搬送台車と製造ライン末端の斜視図である。
【
図5】同じく遊技機を搬送台車にクランプした状態の、搬送台車と製造ライン末端の斜視図である。
【
図6】同じくドッキングさせる前の第1位置決め機構を含む搬送台車と製造ライン末端の部分拡大斜視図である。
【
図7】(a)〜(c)は、同じく搬送台車とリフタとのドッキングを説明する斜視図である。
【
図9】同じく搬送ラックのロック状態を示す斜視図である。
【
図10】同じくドッキングさせた後の搬送台車と搬送ラックの第2位置決め機構の部分拡大斜視図である。
【
図11】(a)(b)は、同じく固定ロックの動作を示す斜視図である。
【
図12】同じくドッキングさせた後の第2位置決め機構を含む搬送台車と搬送ラックの斜視図である。
【
図13】同じくクランプを解除した後の搬送台車と搬送ラックの斜視図である。
【
図14】同じく遊技機を搬送ラックに移動した後の、搬送台車と搬送ラックの斜視図である。
【
図15】本発明実施形態2の搬送台車の斜視図である。
【
図16】同じく搬送台車の別の角度からの斜視図である。
【
図17】同じく搬送台車の昇降体が上限位置でロックされた状態を示す斜視図である。
【
図18】同じく搬送台車の昇降体が下限位置でロックされた状態を示す斜視図である。
【
図19】同じく搬送台車のクランプ機構を含む部分の斜視図である。
【
図20】同じく搬送台車と製造ライン末端の斜視図である。
【
図21】(a)〜(c)は、同じく搬送台車とリフタとのドッキングを説明する斜視図である。
【
図22】同じく遊技機をリフタから搬送台車に移動した状態の、搬送台車と製造ライン末端の斜視図である。
【
図23】同じく遊技機を搬送台車にクランプした状態の、搬送台車と搬送ラックの斜視図である。
【
図24】同じくドッキングさせた後の第2位置決め機構を含む搬送台車と搬送ラックの斜視図である。
【
図25】同じくクランプを解除した後の搬送台車と搬送ラックの斜視図である。
【
図26】同じく遊技機を搬送ラックに移動した後の、搬送台車と搬送ラックの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明実施形態の搬送台車1について
図1〜
図14を参照して説明する。この搬送台車1は、遊技機100の2台以上の高さ、2台以上の横幅、1台以上の長さを有するフレーム部2と、
図1矢印Aの通りにコンベア部201が昇降するリフタ200の昇降上限に対応した位置に配置されるローラコンベア部3と、ローラコンベア部3から少なくとも遊技機100の高さ以上の高さに位置する天井部4と、クランプ構造のワイヤクランプ機構5と、搬送台車1とリフタ200を
図6矢印Bに示す通りドッキング及び解除させる第1位置決め機構6と、搬送台車1と搬送ラック300(
図8参照)を
図10矢印Cに示す通りドッキング及び解除させる第2位置決め機構7と、搬送台車1の位置を確認する位置検出センサ8と、
図10等の矢印Dに示す通り搬送ラック300に搬送台車1を固定する固定レバー9と、を備えたものである。第1位置決め機構6と第2位置決め機構7は、同じ側に取り付けられている。第1位置決め機構6に対応して、リフタ200は、第1位置決め機構206(
図6参照)を備えている。第2位置決め機構7に対応して、搬送ラック300は、
図8、
図9に示す通り、上段と下段にそれぞれ第2位置決め機構307,307´を備えている。
【0019】
ワイヤクランプ機構5は、下部の滑車50、滑車50に巻き掛けられ、下部において両端部がハンドル52と連結し、天井部4まで延び出すワイヤ51と、ワイヤ51の下部における両端部51a,51bがそれぞれ連結し
図1矢印Eに示す通り揺動するハンドル52と、ハンドル52の中間部を揺動自在に支持する軸支部53と、金属製の筒体でありワイヤ51を挿通することで保護部54と、ワイヤ51が巻き掛けられる、複数(ここでは3個)の滑車55〜57と、天井部4のL字形状フレームにおいて、ワイヤ51の上部における両端部51c,51dに軸部を介して連結される
図2矢印Fに示す通り揺動自在なレバー58と、レバー58と連結し、レバー58の揺動に応答して
図2矢印Gに示す通り上下に駆動されるクランプ59と、を有する。
【0020】
図6、
図7に示す通り、第1位置決め機構6は、搬送台車1の本体下部に固定される。第1位置決め機構206は、リフタ200下部に固定される。
図7(a)に示す通り、リフタ200下部には、基板部206aと、基板部206aに固定されるセンサ保持部材206bと、センサ保持部材206bと離隔した位置の基板部206aから延び出す一対のガイド爪206c,206dと、を備えている。
図7(b)に示す通り、搬送台車1の下部における第1位置決め機構6は、フレーム部2から外方に伸び出すオーバーハング形状部6aと、オーバーハング形状部6aと離隔した位置にある検知部材6bと、を備えている。また、
図7(c)に示す通り、リフタと搬送台車1のドッキング時に、オーバーハング形状部6aがリフタ200下部のガイド爪206b,206cに差し込まれて嵌合するとともに、搬送台車1の検知部材6bがリフタ200下部のセンサ保持部材206bに螺嵌されている位置検出センサ8にて検知し、ドッキングの正規位置を確認する。なお、位置検出センサ8は近接センサ、フォトセンサ、タッチセンサ、マイクロセンサ等を使用する。
【0021】
第2位置決め機構7は、
図10、
図11に示す通り、ローラコンベア部3の端部に備えられ、本体上部に固定される基板部7aと、基板部7aから延び出す一対の爪7b,7cと、を備えている。第2位置決め機構307は、搬送ラック300の上段の下端レール302の端部に設けられ、爪7b,7cを受容するオーバーハング形状の一対の板材307aと、板材307aの外側に設けられ、爪7bを案内するとともに動きを規制する縦板材307bと、を備えている。板材307aは遊技機100を収容するための下端レール302の構造の一部となっている。同様の構造の第2位置決め機構307´が搬送ラック300の下段の下端レール302の端部に設けられているが、これについては実施形態2で説明する。
【0022】
固定レバー9は、
図10矢印D、
図11に示す通り、第2位置決め機構7の近傍のフレーム部2に軸により揺動自在に固定され、
図11(a),(b)に示す通り、略L字形状のフレーム材から構成され、先端にはフックが設けられ、搬送ラック300の本体部301に掛け止めされるものである。
【0023】
遊技機100はパチンコ遊技機であり、構造は従来技術に従うので、説明は割愛する。
【0024】
リフタ200は、
図1等に示す通り、遊技機100を載置可能なコンベア部201を下部に備えた枠体202をその高さ分を昇降させる複数のスイッチを有する昇降装置203と、備えたものであり、製造ライン400の末端に設けられる。製造ライン400はローラコンベア403(
図4参照)等を備えている。
【0025】
搬送ラック300は、
図8に示す通り、枠形状の本体部301と、複数台の遊技機100を収容する上下2段の収容部を有し、この収容部は、遊技機300の下端を固定する断面コ字形状またはL字形状の下端レール302と、断面コ字形状またはL字形状の上端レール303と、を有し、これらの下端レール302と上端レール303の間に遊技機100を挟んで、立て置き状態で積み込み、収容するものである。
図9に示す通り、縦板材307bには横棒材304がスライド可能な孔が上凸形状で形成され、横棒材304をこの孔に添って解除位置からロック位置までスライドさせ、板材307aの溝に嵌合させることで、遊技機100をロックできる。
【0026】
つぎに、本実施形態1の遊技機搬送方法は、無動力で遊技機100を搬送するものであり、製造ライン400の末端から、搬送ラック300に遊技機100を搬送する遊技機搬送方法である。まず、
図1に示す通り、リフタ200を備えた製造ライン400の末端に遊技機を移動させる。つぎに、
図6、7に示す通り、第1位置決め機構6,206により搬送台車1とリフタ200とをドッキングさせる。つぎに
図3に示す通り、遊技機100をリフタ200のコンベア部201に載置し、昇降装置203でコンベア部201を上昇させる。これにより、ローラコンベア部3とコンベア部201とが同じ面に位置する。つぎに、
図4に示す通り、遊技機100をローラコンベア部3に移動させて搬送台車1に移す。つぎに、
図1、
図5に示す通り、ワイヤクランプ機構5を使用した遠隔操作により、ハンドル52を上方に回動させ、クランプ59を下降させ、これで遊技機100の上面を押さえ付けて搬送台車1にクランプする。つぎに、第1位置決め機構6,206のドッキングを解除する。つぎに、
図10、
図12に示す通り、遊技機100を固定した搬送台車1を搬送ラック300に第2位置決め機構7,307によりドッキングさせる。ローラコンベア部3と下端レール302とが同じ面に位置する。つぎに、
図13に示す通り、ワイヤクランプ機構5を使用した遠隔操作により、ハンドル52を下方に回動して、押し下げ、遊技機100のクランプを解除する。つぎに、遊技機100を搬送台車1からローラコンベア部3の上を移動させて、
図14に示す通り、搬送ラック300の2段目以上の収容部に立て置き状態に収納する。
【0027】
また一方、搬送ラック300に積み込んだ遊技機100を搬送台車1へ積み下ろす作業、あるいは、搬送台車1から倉庫や遊技場への積み下ろし作業も可能である。
【0028】
以上説明したとおり、本実施形態によれば、製造ライン400から搬送台車1への積み込み作業、搬送ラック300の上段への積み込み作業、あるいは、搬送ラック300の上段からの積み下ろし作業、搬送台車1から倉庫や遊技場への積み下ろし作業等を、その他、様々な遊技機100の積み下ろし作業を軽筋作業かつ安全性を高めたものにできる。エアー駆動源、電気駆動源等のパワーソースがなく遠隔操作の手動式のため省エネとなり、配管、配線工事がなくコストダウンが図れ、独立した軽量な搬送台車1であるため、自由にかつ容易に移動でき、遊技機100を収納した状態で客先へ出荷できる等、機動性に富んでいる。また、パワーソースがないので、軽量である。パワーソースを使わないで配線の取り回しを気にせず移動できる。また、ワイヤクランプ機構5により遠隔操作でのクランプと解除を行うことができ作業効率が高くなる。そして、移動式のため、離れた場所にある製造ライン400あるいは搬送ラック300とのドッキングが、コンパクトな第1位置決め機構6,206、第2位置決め機構7,307により、確実、かつ容易に実現できる。
【0029】
つぎに、本発明実施形態2の搬送台車501について
図15〜
図26を参照して説明する。搬送台車501は、遊技機100の2台以上の高さ、2台以上の横幅、1台以上の長さ以上を有するフレーム部502と、リフタ200の昇降下限に対応した位置に停止可能に配置されるローラコンベア部503aを有し
図20中矢印Hで示す通り垂直に昇降する昇降体503と、
図16矢印I方向に示す通り起倒し遊技機100をクランプ及び解除するクランプ機構505(
図16、
図23等参照)と、搬送台車501とリフタ200を
図22矢印Jに示す通りドッキング及び解除させるとともに搬送ラック300をドッキングさせる位置決め機構506(
図16等参照)と、昇降体503のクランプと解除を行うための滑車とワイヤとクランプを有するワイヤクランプ機構520と、を備えたものである。
【0030】
なお、フレーム部502には実施形態1の天井部4はない。また、実施形態1の固定レバー9は省略したが、設けてもよい。
図21、
図22に示す通り、実施形態2では、実施形態1と同様に、搬送台車501の下部に設けた第2位置決め機構506とその下部に設けた第1位置決め機構507と、を異なる位置に設けている。この第1位置決め機構507に対応して、リフタ200は第1位置決め機構206を備え、また、同様に、搬送ラック300は実施形態1の第2位置決め機構7と同様の構造の構造を有し、それよりも、1段下に第2位置決め機構307´を備えている。また、リフタ200と搬送台車501のドッキング確認は実施形態1と同様のため、省略する。
【0031】
フレーム部502は、底部フレーム502aと、縦フレーム502bと、を備えている。
【0032】
昇降体503は、後述のワイヤクロック機構520によって、枠形状のフレーム体である昇降体503のロック及び解除を行い、ローラコンベア部503aを上面に固定した底部503bと、底部503bと連結し垂直方向に延び出す縦部503cと、縦部503cから水平方向の前方に延び出す天井部503dと、を備えている。天井部503dはローラコンベア部503から少なくとも遊技機100の高さ以上の高さに位置する。
【0033】
手動のクランプ機構505は、
図19等に示す通り、天井部503dに設けられ、レバーを起伏することで、下端のクランプが上下する構造であり、レバーを倒すことで、クランプが下降し、遊技機100を上方からクランプして、昇降体503に固定するものである。
【0034】
バランスウェイト機構510は、手動により、重力を利用して、昇降駆動される構成である。ウェイト511と、ウェイト511を減速する減速機構512と、ウェイト511と昇降体503とを連結する平行に位置した一対のチェーン513と、縦フレーム502bの上部に固定されチェーン513を巻き回し掛け下げるカバー内に取り付いている平行に位置した一対のスプロケット(図示略)を有するスプロケット部514(
図15、
図23参照)と、を備えている。
【0035】
チェーン513は、連続する1本のチェーンで構成されており、スプロケット部514の歯を半円状に巻回して一方に垂れ下がる側がチェーン513aとなっており、その下端がウェイト511と連結し、他方に垂れ下がる側がチェーン513bとなっており、その下端が昇降体503と連結している。図示及び説明の関係上、チェーン513のうち、ウェイト511側のチェーン513aと、昇降体503側のチェーン513bとに適宜分けて説明する。チェーン513aはチェーン513の吊り下げられた2本の内の片側のチェーンを構成し、スプロケット部514から下方に延在し、スプロケット部514の回転に伴ってウェイト511とともに上下に移動する。チェーン513bは他の側のチェーンを構成し、昇降体503と共に上下方向に移動する。したがって、ウェイト511と昇降体503とは移動方向が上下逆方向になる。遊技機100が昇降体503に積載されていない空の状態の昇降体503をスプロケット部514及びチェーン513を介して上方に移動可能な重さで、かつ、遊技機100が積載された有積の状態の昇降体503をスプロケット部514及びチェーン513を介して下方に移動可能にする重さに設定された構成となっている。
【0036】
ウェイト511と昇降体503は、それぞれ、両側に複数個の走行ローラ(図示略)を備え、上下方向に配置されたレール515、516(
図16参照)の上を走行するように構成されている。各レール515、516は、断面がコ字状に形成されており、対向する各内面でウェイト511と昇降体503の各ローラを回転自在に支持するようになっている。
【0037】
ウェイト511は、鋼等の比重の大きな金属で略四角形板状に形成されたものであり、オイルの粘性抵抗により発生する制動力(ブレーキ力)を利用した回転系の減速機構512によって昇降する際には減速し、昇降体503の急激な上昇下降が防止できるようになっている。さらに昇降体503上昇限近くで作動するショックアブソーバ530、下降限近くで作動するショックアブソーバ531を設けてあり、昇降体503の慣性による急激な停止を防止できるようになっている。
【0038】
減速機構512は、垂直方向に延在するラックを備えたガイド軸512aと、昇降体503の背面に固定された2つの歯車512b,512cと、を備え、ガイド軸512aのラックと2つの歯車512b,512cとが歯合された状態で、昇降体503が移動できるようになっている。このとき、歯車512bは時計回り、512cは反時計回りの一方向の回転時に、オイルの粘性抵抗により発生する制動力(ブレーキ力)が歯車512b又は512cを介して昇降体503に働き、これにより、昇降体503が制動減速される。
【0039】
上記のように構成されたバランスウェイト機構510においては、昇降体503が遊技機100を積載していない空の状態であれば、昇降体503がウェイト511の重さによって上方に移動し、ウェイト511が下方に移動することになる。この場合、ウェイト511が減速機構512の抵抗による制動力を受けることから、昇降体503が上昇する速度を一定の速度以下に抑えることができる。
【0040】
また一方、昇降体503が遊技機100を積載した状態であれば、昇降体503が遊技機100の重さによって下方に移動し、ウェイト511が上方に移動することになる。この場合、ウェイト511が減速機構512の抵抗による制動力を受けることから、昇降体503が下降する速度を一定の速度以下に抑えることができる。
【0041】
ワイヤ式ロック機構520は、
図17〜
図18等に示す通り、昇降体503のロックと解除を上方位置と下方位置とで、それぞれ、行うワンウエイ方式の爪とストッパによるロック機構であり、昇降体503に固定され2つの溝521a,521bを外周面に横方向に設け、ここでは、軸方向が水平に配置された円柱形状のストッパ521と、フレーム502bに設けたハンドル522と、ハンドル522を軸支する軸支部523と、上部ロック爪524と、下部ロック爪525と、ハンドル522と上部ロック爪524を結合するワイヤ526と、ハンドル522と下部ロック爪525を結合するワイヤ527と、ハンドル522から吊り下げられる環状ワイヤ528と、この環状ワイヤ528と係合し、方向変換する目的の滑車529と、を備え、上部ロック爪524と下部ロック爪525をハンドル522の1回動で両方を動作でき、上部ロック爪524と下部ロック爪525を、それぞれ、下側の溝521b、上側の溝521aにロックさせることが可能であり、ハンドル522を上方に回動するとロックが外れる機構となっている。
【0042】
ストッパ521は、2つの溝521a,521bを備え、それぞれ、上部ロック爪524、下部ロック爪525が嵌合することでロック可能、また、ハンドル522を回動することで、解除可能になっている。上部ロック爪524は下凸の形状であり、ストッパ521の下部領域の溝521aと嵌合することで、昇降体503が下方向に移動しないように規制する。また、下部ロック爪525は上凸の形状であり、ロック部521の上部領域の溝521bと嵌合することで、昇降体503が上方向に移動しないように規制する
【0043】
第1位置決め機構507は搬送台車501の本体最下部に固定され、
図16に示す通り、第1位置決め機構507に対応して、リフタ200は第1位置決め機構206を備え、両者の間で搬送台車501とリフタ200との間の位置決めを行う。
【0044】
第2位置決め機構307´は、第2位置決め機構7と同様の構造であるが位置が相違し、
図24に示す通り、搬送ラック300の下段に固定され、この第2位置決め機構307´と位置決め機構506で搬送台車501と搬送ラック300との間の位置決めを行う。
【0045】
クランプ機構505は、
図15〜
図16、
図19等に示す通り、天井部503dに揺動自在に固定されたものであり、昇降体503に遊技機100をクランプ又は解除するものである。
【0046】
ウェイト511の移動速度を制限する減速機構512を備えているので、有積の状態の昇降体503が降下する速度や、空の状態の昇降体503が上昇する速度を一定の速度以下に抑えることができる。またショックアブソーバ530、531により昇降体の慣性による急激な停止を防止できる。従って、昇降体503を常に安全な速度で昇降させることができる。
【0047】
ウェイト511は、遊技機100が積載されていない空の状態の昇降体503を上方に駆動可能な重さで、かつ遊技機100が積載された昇降体503を下方に移動可能にする重さに設定されている。ウェイト511を1つ設けているので、構造の簡素化、コストの低減等を図ることができる。
【0048】
スプロケット部514に代えてプーリを用い、上述したチェーン513に代えて上記プーリに巻回可能なワイヤ等を用いるようにしてもよい。
【0049】
ハンドル522の操作により、ワイヤロック機構520のロック及び解除を遠隔操作できるので、簡単に昇降体503のロック及び解除が可能である。
【0050】
つぎに、この実施形態2の遊技機搬送方法は、実施形態1と同様、製造ライン400末端から、複数台の遊技機100を収容する収容部を有する搬送ラック300に遊技機100を立て置き状態で積み込む遊技機搬送方法であるが、基本的には、実施形態1は遊技機100を搬送ラック300の2階の収容部に収容するものであるが、この実施形態2は遊技機100を搬送ラック300の1階の収容部に収容するものである。
【0051】
まず、
図20に示す通り、製造ライン400末端で、まずリフタ200を下降した位置とし、ワイヤロック機構520を使用した遠隔操作により、ストッパ溝521aに上部ロック爪524を噛合させて、昇降体503を上の位置でロックする。つぎに第1位置決め機構507をリフタ側の第1位置決め機構206に合わせることにより、
図21に示す通り、リフタ200に搬送台車501をドッキングさせ、ローラコンベア403の上に遊技機100を載置する。
図22に示す通り、遊技機100を製造ラインのローラコンベア403から搬送台車501のローラコンベア部503a上に移動させて搬送台車501に移す。つぎに、遊技機100をクランプ機構505によりクランプする。つぎにワイヤロック機構520を使用した遠隔操作により、ハンドル522を回動させて、ストッパ溝521aと上部ロック爪524の噛合を解除することでロックを解除する。そうすると、
図23に示す通り、自重で遊技機100と昇降体503は下降する。このとき、バランスウェイト機構510が作動し、遊技機100を自重により円滑に降下し、下部ロック爪がワンウエイ方式のため自動ロックする。つぎに第1位置決め機構507とリフタ側の第1位置決め機構206とのドッキングを解除することで、リフタ200から搬送台車501を離脱させる。つぎに
図24に示す通り、遊技機100を固定した搬送台車501を搬送ラック300に第2位置決め機構506によりドッキングさせる。つぎに、
図25に示す通り、遊技機100をクランプ機構505の操作によりクランプの解除を行う。
図26に示す通り、遊技機100を搬送台車501からローラコンベア部503aの上を移動させて搬送ラック300の1段目の収容部に立て置き状態に収納する。つぎにワイヤロック機構520を使用した遠隔操作により、ハンドル522を上方に回動させて、ストッパ溝521bと下部ロック爪525の噛合を解除することで、昇降体503をフレーム部502から離脱可能とし、バランスウェイト機構510により、昇降体503が自動的に安全な速度で上昇する。
【0052】
以上の実施形態2によれば、実施形態1と同様、搬送ラック300の下段への積み込み作業を軽筋作業かつ安全性なものにできる。エアー駆動源、電気駆動源等のパワーソースがなく手動式のため省エネと配線配管工事がなく、構造が極めて簡単になると共に、コストダウンが図れ、独立した軽量な搬送台車501のため、自由にかつ容易に移動でき、搬送ラック300に遊技機100を収納した状態で客先へ出荷できる等、機動性に富んでいる。また、パワーソースがないので、軽量である。パワーソースを使わないため、配線の取り回しを気にせず移動できる。また、ワイヤクランプ機構520により遠隔操作での昇降体503のクランプと解除を行うことができ搬送作業の効率が高くなる。さらにバランスウェイト機構510により昇降体503の円滑な昇降が可能となる。そして、移動式のため、離れた場所にある搬送ラック300とのドッキングが位置決め機構506と第2位置決め機構307´により確実、かつ容易にできる。製造ライン400の末端であるリフタ200の第1位置決め機構206と簡易なドッキングを行う第2位置決め機構506があり、ドッキングが確実、かつ容易にできる。
【0053】
以上の実施形態は、本発明の実施のための好ましい実施形態の例示である。また、当業者は、本発明の開示に鑑みて、本発明の要旨から離れることなく多数の改良、変更、置換、欠失、追加等が可能である。例えば、移動式遊技機搬送台車の適用例としてパチンコ機について説明したが、他の遊技機、例えば雀球遊技機やアレンジボール遊技機等に適用してもよい。