(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6347412
(24)【登録日】2018年6月8日
(45)【発行日】2018年6月27日
(54)【発明の名称】電気温水器
(51)【国際特許分類】
F24H 9/20 20060101AFI20180618BHJP
F24H 1/20 20060101ALI20180618BHJP
【FI】
F24H9/20 E
F24H1/20 F
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-197431(P2014-197431)
(22)【出願日】2014年9月26日
(65)【公開番号】特開2016-70523(P2016-70523A)
(43)【公開日】2016年5月9日
【審査請求日】2017年8月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100140486
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100170058
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 拓真
(74)【代理人】
【識別番号】100123641
【弁理士】
【氏名又は名称】茜ヶ久保 公二
(72)【発明者】
【氏名】平間 征一
(72)【発明者】
【氏名】角田 博文
【審査官】
渡邉 聡
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭63−183336(JP,A)
【文献】
特開2008−082692(JP,A)
【文献】
実開昭55−091471(JP,U)
【文献】
特開2013−072605(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 9/20
F24H 1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水道から供給される水を加熱して吐水する電気温水器において、
供給された水を貯留するタンクと、
前記タンク内に設けられ、前記タンクに貯留される水を加熱するヒータと、
前記タンク内の水の有無を検出するセンサと、
前記タンクに接続され、前記センサを収納するセンサ収納部と、
を備え、
前記センサ収納部は、前記センサが配置される第一空間と、前記タンクから送出される空気を貯留させる第二空間と、が形成された、
電気温水器。
【請求項2】
前記第二空間は、前記センサ収納部の空気排出経路において前記第一空間よりも下流側に形成された、
請求項1の電気温水器。
【請求項3】
前記第二空間は、排水管が接続された、
請求項2の電気温水器。
【請求項4】
前記第二空間は、前記第一空間の上方に形成された、
請求項1〜3のいずれか1項の電気温水器。
【請求項5】
前記第二空間は、前記第一空間よりも上方に突出させて形成した、
請求項1〜4のいずれか1項の電気温水器。
【請求項6】
前記センサ収納部の空気排出経路における前記第一空間の上流側には、前記タンクから前記センサ収納部に流入する空気を誘導する仕切りが形成された、
請求項1〜5のいずれか1項の電気温水器。
【請求項7】
前記仕切りは、前記センサと、前記センサ収納部に流入する空気の流入部との間に介在した、
請求項6の電気温水器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水道から供給される水を加熱して吐水する電気温水器に関する。
【背景技術】
【0002】
水道から供給される水を加熱して吐水する電気温水器として、電気ヒータを内部に有するタンクを備えた構造のものが知られている。このような電気温水器は、水道から供給された水を電気ヒータで加熱した状態でタンク内に貯えておくことにより、吐水を開始した直後から適切な温度の温水を吐水することができるものである。
【0003】
また、吐水を継続している間は、タンクには水道から冷水が供給され続けるが、吐水の継続中に供給される冷水も電気ヒータで加熱され温水となってから吐水される。このため、上記構造の電気温水器において、電気ヒータの加熱能力を大きいものにすると、タンクの容量を超える量の温水を連続して吐水し続けることができる。
【0004】
ところで、電気温水器のように連続して温水の吐水を行う装置においては、水の有無又は流れを検知するセンサを設けるのが一般的である。センサを設けることにより、電気温水器からの吐水が実際に行われているかどうかを確認することができる。そのため、吐水の開始及び停止を切り換える電磁弁の故障、水道の断水、配管からの水漏れなどの異常が発生した場合には直ちにそれを検知し、非常停止するなどの対応が可能となる。
【0005】
例えば、特許文献1の吐水装置では、タンクから吐水配管に向かって流れる温水は、まずセンサの下端からセンサの内部に流入し、センサの内部を下方から上方に向かって流れた後、センサの側面上部に対して接続された吐水配管に流入するように構成されている。センサの内部には、センサユニットが配置されている。センサユニットは、タンクに貯えられた水の水位を検知する水位検知センサと、センサの内部を上方に向かって流れる水の流れを検知する水流検知センサと、が一体に構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013−72605号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1の吐水装置では、タンクにおける温水の沸き上がり時には、温水とともに流入する空気(溶存酸素)が、タンク上部からセンサ内部に流入し、センサの容器内部、特に容器の上方に滞留することがある。この場合、水位を検知するセンサに設けられたフロートは、容器上方に滞留したエアによって沈み込んでしまう。吐水装置は、仮にタンクからの温水の供給が継続していたとしても、センサからの検出信号に基づいて、容器内が非満水状態であると判断する。すなわち、吐水装置は、タンクからの温水の供給が停止したと判断し、タンクに設けられた電気ヒータの加熱を停止する制御が行われ、結果として、温水が供給されなくなるといった不都合があった。
【0008】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、タンクからセンサ容器内へ空気が流入しても、センサの誤検知を防止して、安定した温水の提供が可能な吐水装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明に係る電気温水器は、水道から供給される水を加熱して吐水する電気温水器において、供給された水を貯留するタンクと、前記タンク内に設けられ、前記タンクに貯留される水を加熱するヒータと、前記タンク内の水の有無を検出するセンサと、前記タンクに接続され、前記センサを収納するセンサ収納部と、備え、前記センサ収納部は、前記センサが配置される第一空間と、前記タンクから送出される空気を貯留させる第二空間と、が形成されている。
【0010】
以上の本発明では、センサ収納部に、センサが配置される第一空間と、タンクから送出される空気を貯留させる第二空間とを形成することで、温水とともに流入する空気(溶存酸素)が、タンク上部からセンサ容器内部に流入したとしても、この空気を第二空間に貯留させることができる。したがって、空気によりセンサの検出に影響を与えることがなく、タンクが満水であるにも関わらず、非満水状態であるというようなセンサの誤検知を防止して、安定した温水の提供が可能な吐水装置を提供することが可能になる。
【0011】
特に、センサ収納部の容量が小さいような場合には、少しの空気の流入がセンサの誤検知に繋がってしまう。本発明によれば、第二空間に空気を貯留させることができることで、センサ収納部の容量が小さい場合において顕著な効果を奏し得る。
【0012】
好ましい態様では、前記第二空間は、前記センサ収納部の空気排出経路において前記第一空間よりも下流側に形成されている。この態様では、第二空間を、センサの設けられた第一空間よりも下流側に設けることで、第一空間に空気を貯留させずに水で充填させることができるとともに、第二空間に貯留した空気を排出するのが容易になる。
【0013】
また、好ましい態様では、前記第二空間は、排水管が接続されている。この態様では、第二空間に排水管が接続されているので、センサ収納部の空気排出経路において第一空間よりも下流側に形成された第二空間において、貯留した空気の排出がより容易になる。
【0014】
好ましい態様では、前記第二空間は、前記第一空間の上方に形成されている。この態様では、第二空間を第一空間よりも上方に形成したことで、第二空間に貯留した空気が下方の第一空間に流入することがなくなるので、より確実にセンサの誤検知を防止することができる。
【0015】
好ましい態様では、前記第二空間は、前記第一空間よりも上方に突出させて形成している。この態様では、第二空間を突出させて形成するという簡単な構成によることで、センサの誤検知を防止することができるようになる。
【0016】
好ましい態様では、前記センサ収納部の空気排出経路における前記第一空間の上流側には、前記タンクから前記センサ収納部に流入する空気を誘導する仕切りが形成されている。この態様では、センサ収納部に流入する空気を誘導する仕切りを形成することで、空気を第二空間に優先的に流すことができる。これにより、第一空間に空気が流入することを防ぐことができるので、空気の流入によるセンサの誤検知を確実に防止することができる。
【0017】
好ましい態様では、前記仕切りは、前記センサと、前記センサ収納部に流入する空気の流入部との間に介在する。この態様では、仕切りをセンサと空気流入部との間に設けることで、センサ収納部に流入した空気を仕切りに確実に当てることができる。これにより、センサへの空気の流入を確実に防止することが可能になる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、タンクからセンサ容器内へ空気が流入しても、センサの誤検知を防止して、安定した温水の提供が可能な吐水装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施形態の電気温水器が、水栓に接続された状態の外観を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態の電気温水器の内部構造の一部の外観を示す図である。
【
図3】本発明の実施形態の電気温水器のセンサ収納部の内部構造を示す横断面図である。
【
図4】本発明の実施形態の電気温水器のセンサ収納部の内部構造を示す縦断面図である。
【
図5】本発明の実施形態の電気温水器のセンサ収納部における流体の流れを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0021】
本発明の実施形態に係る電気温水器について、
図1及び
図2を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第一実施形態である電気温水器1が、水栓200に接続された状態の外観を示す図である。また、
図2は、電気温水器1の一部の構造を示す斜視図である。
【0022】
図1に示されるように、電気温水器1は、水道100と水栓200との間に設置される装置であって、水道100から供給される水を電気ヒータによって加熱して温水とし、この温水を水栓200に供給して水栓200から吐水させる装置である。
【0023】
電気温水器1は、ケーシング10と、給水配管20と、吐水配管30とによって構成されている。ケーシング10の内部には、給水配管20側から、定流量弁11と、ストレーナー12と、逆止弁13と、電磁弁14とが設けられ、その下流にタンク15が設けられている。タンク15には、自動温度調節器16が取り付けられている。タンク15の排水側には、継手17が設けられ、継手を介してセンサ収納容器40が設けられる。センサ収納容器40の下流側には排水管18が取り付けられ、排水管から湯水を混合させる混合弁19が設けられている。
【0024】
給水配管20は、水道100に接続され水の供給を受けるための配管である。電磁弁14は、その開閉動作によって、給水配管20からタンク15への水の供給及びその停止を切り換えるための弁である。タンク15に水が供給されると、吐水配管30を経由して水栓200から温水が吐水される。つまり、電磁弁14の開閉動作によって水栓200からの温水の吐水及びその停止が制御される。電磁弁14の開閉動作は、図示しない制御装置によって制御される。
【0025】
タンク15は、水栓200に接続された吐水配管30と給水配管20との間に設けられており、所定量の温水を貯えておくためのものである。タンク15の内部には図示しない電気ヒータが設けられており、電気ヒータによってタンク15に貯えられた水が加熱される。自動温度調節器16は電気ヒータの出力を制御しており、この制御によってタンク15内部の水温は一定に保たれる。すなわち、タンク15には常に所定温度の温水が貯えられた状態となっている。
【0026】
吐水配管30は、電気温水器1を流れる水の流路の最も下流側に位置する配管であって、吐水部として機能する。吐水配管30の下流側先端は水栓200に接続されている。電磁弁14が開状態となると、給水配管20を経由して水道100から水がタンク15に流入し、既にタンク15に貯えられていた温水が吐水配管30を経由して水栓200から吐水される。このように、温水を貯えておくためのタンク15を設けることによって、電磁弁14が開状態になった直後からすぐに所定温度の温水を吐水することが可能となっている。
【0027】
続いて、
図2を参照して、センサ収納容器40の構成と、その周辺の構成について具体的に説明する。
図2に示されるように、センサ収納容器40とタンク15とは、継手17を介して接続されている。すなわち、タンク15から供給される温水は継手17を介してセンサ収納容器40へ流入する。センサ収納容器40へ流入した温水は、センサ収納容器40内を通過して、排水管18から排出され、混合弁19に流入する。
【0028】
センサ収納容器40は、全体が円筒形状の容器本体41を備える。容器本体41は、上下面が開口している。容器本体41の底面の開口は、蓋部材42により閉塞され、上面の開口は、センサユニット43が容器本体41内に差し込まれることにより閉塞されている。センサユニット43は、タンク15に貯留された温水の水位を検知する水位検知センサ43aを備える。
【0029】
容器本体41には、継手17と接続され、容器本体41にタンク15から温水を受け入れる流入口となる流入部44と、排水管18と接続され、容器本体41から温水を排出する排出口となる排水部45とが形成されている。本実施形態において、流入部44は、容器本体41の底面寄りに形成されており、この流入部44と正面視対角線方向に排水部45が形成される。すなわち、タンク15からの温水は、センサ収納容器40に下方から流入し、容器本体41内を対角線方向に進んで上方から排出されるようになっている。
【0030】
ここで、センサ収納容器40には、センサユニット43が配置されるセンサ領域40A(第一空間)と、タンク15から送出される空気を貯留させる空気溜まり領域40B(第二空間)との2つの空間が形成されている。また、流入部44に対向する位置には、仕切り板46が設けられている。
【0031】
センサ領域40A、空気溜まり領域40B及び仕切り板46の構成について、
図3及び
図4を参照して具体的に説明する。
図3は、センサ収納容器40を縦方向に切った断面図であり、
図4は、センサ収納容器40を、流入部44の高さにおいて平断面で切った断面図である。
【0032】
図3に示されるように、センサ領域40Aは、センサユニット43が収納された円筒領域に形成されている。一方、空気溜まり領域40Bは、センサ領域40Aと、容器本体41の軸方向においてずれた位置に形成されている。また、空気溜まり領域40Bは、センサ領域40Aの上面よりも上方に突出して形成されている。すなわち、空気溜まり領域40Bの下端のラインが、センサ領域40Aの上端のラインとほぼ一致するように構成されている。
【0033】
図4に示されるように、仕切り板46は、流入部44からの温水の流れ方向(図中矢印参照)に対向する位置に形成されている。すなわち、この仕切り板46は、センサ領域40Aの上流側であって、タンク15からセンサ収納容器40に流入する空気及び水を誘導するように形成されている。言い換えれば、仕切り板46は、水位検知センサ43aと、流入部44との間に介在して形成されている。
【0034】
図3に示されるように、仕切り板46は、容器本体41の上面から底面を形成する蓋部材42に至るまで、高さ方向で全長にわたって形成されている。また、空気及び水の流れをスムースにするため、容器本体41の円筒形状の内周面と合わせて平面視で円弧状に形成される。このような仕切り板46は、
図3に示されるように、結果としてセンサ領域40Aの領域を画定する役割を果たしている。
【0035】
なお、上述のように、仕切り板46は、容器本体41の高さ方向で全長にわたって形成されているが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。すなわち、仕切り板は、容器本体41に温水とともに流入する空気が、センサ領域40Aに溜まらないようにするために、当該空気を空気溜まり40Bへ誘導する手段であるから、そのような効果を奏する限りは、容器本体41の高さ方向の一部に形成する態様も含む。また、仕切り板46は、センサ収納容器40に流入する空気又は水の流れをスムースにするため、平面視で円弧状に形成されているが、本発明はこのような態様に限られない。すなわち、上記同様、センサ収納容器40に流入する空気を空気溜まり40Bに誘導することができ、また、水位検知センサ43aと、流入部44との間に介在して形成されるものであれば、平面視で直線状に形成したり、平面視L字状に形成したりするなど、その形状は問わない。
【0036】
以上のような構成からなる電気温水器1のセンサ収納容器40における空気又は水の流れについて、
図5を用いて説明する。まず、電気温水器1において、タンク15におけるヒータの加熱により、水が温められると、水中の溶存酸素が気泡となって沸きだされる。このような空気(溶存酸素)は、タンク15から、継手17を通って、温水とともに流入部44を通過して、容器本体41へ流入する。
【0037】
容器本体41へ流入した空気と温水とは、図に破線の矢印で示すように、流入部44に対向して形成された仕切り板46に当たって、その平面視で円弧に沿って誘導されながら、センサ領域40Aには入らず、上方の排水部45の方向へ移動する。このとき、空気は、センサ領域40Aの上面よりも上側に突出した空気溜まり領域40B(
図5の想像線で示す領域)へ滞留することになる。なお、
図5からは明らかではないが、
図2から
図4を参照すればわかるとおり、空気溜まり領域40Bは、排水部45と、
図5の奥行方向でずれた位置に設けられている。すなわち、容器本体41へ流入した空気は、
図3において示される仕切り板46よりも左側の領域を流れ、空気溜まり領域40Bの上壁が排水部50に向かって斜めに傾斜しているため、一度、空気溜まり領域40Bを通過したあとで、
図3における右側に移動して、排水部45へ向かうものである。
図5における想像線で示す領域が図中において左端まで形成されているのは、排水部45が空気溜まり部40Bよりも奥行方向にずれて配置されているからである。
【0038】
以上の電気温水器1によれば、センサ収納容器40に、センサユニット43が配置されるセンサ領域40A(第一空間)と、タンク15から送出される空気を貯留させる空気溜まり領域40B(第二空間)とを形成することで、温水とともに流入する空気(溶存酸素)が、タンク15上部からセンサ収納容器40内部に流入したとしても、この空気を空気溜まり領域40Bに貯留させることができる。
【0039】
したがって、空気によりセンサユニット43における検出に影響を与えることがなく、タンク15が満水であるにも関わらず、非満水状態であるというようなセンサの誤検知を防止することができる。
【0040】
特に、センサ収納容器40の容量が小さいような場合には、少しの空気の流入がセンサの誤検知に繋がってしまう。電気温水器1によれば、空気溜まり領域40Bに空気を貯留させることができることで、センサ収納容器40の容量が小さい場合において顕著な効果を奏し得る。
【0041】
また、空気溜まり領域40Bを、センサユニット43の設けられたセンサ領域40Aよりも下流側に設けることで、センサ領域40Aに空気を貯留させずに水で充填させることができるとともに、空気溜まり領域40Bに貯留した空気を排出するのが容易になる。
【0042】
空気溜まり領域40Bに排水部45が接続されているので、センサ収納容器40の空気排出経路においてセンサ領域40Aよりも下流側に形成された空気溜まり領域40Bにおいて、貯留した空気の排出がより容易になる。
【0043】
また、空気溜まり領域40Bをセンサ領域40Aよりも上方に形成したことで、空気溜まり領域40Bに貯留した空気が下方のセンサ領域40Aに流入することがなくなるので、より確実にセンサの誤検知を防止することができる。また、センサ収容容器40を、空気溜まり領域40Bを突出させることで形成するという簡単な構成により形成可能である。
【0044】
また、センサ収納容器40に流入する空気を誘導する仕切り板46を形成することで、空気を空気溜まり領域40Bに優先的に流すことができる。これにより、センサ領域40Aに空気が流入することを防ぐことができるので、空気の流入によるセンサの誤検知を確実に防止することができる。
【0045】
仕切り板46をセンサユニット43と、流入部44との間に設けることで、センサ収納容器40に流入した空気を仕切りに確実に当てることができる。したがって、センサへの空気の流入を確実に防止することが可能になる。
【0046】
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、前述した各具体例が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0047】
1:電気温水器
10:ケーシング
11:定流量弁
12:ストレーナー
13:逆止弁
14:電磁弁
15:タンク
16:自動温度調節器
17:継手
18:排水管
19:混合弁
20:給水配管
30:吐水配管
40:センサ収納容器
40A:センサ部
40B:空気溜まり領域
41:容器本体
42:蓋部材
43:センサユニット
43a:水位検知センサ
44:流入部
45:排水部
46:仕切り板
100:水道
200:水栓