(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記複数の検出位置のうちの少なくとも1つの前記検出位置における手の検出の頻度を、他の前記検出位置における手の検出の頻度よりも高くすることを特徴とする請求項1記載の手乾燥装置。
前記手検出部は、前記手挿入部の横方向の中心である仮想中心線側の第1検出位置と、前記仮想中心線から前記第1検出位置よりも前記横方向に離れた第2検出位置と、を少なくとも有し、
前記制御部は、前記第1検出位置の手の検出の頻度を、前記第2検出位置の手の検出の頻度よりも高くすることを特徴とする請求項2記載の手乾燥装置。
前記手検出部は、前記手挿入部に挿入された手の検出を行う複数のセンサ部を有し、前記複数のセンサ部によって、前記複数の検出位置における手の検出を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の手乾燥装置。
前記手検出部は、所定の検出方向において前記手挿入部に挿入された手の検出を行うセンサ部と、前記センサ部の前記検出方向を変化させる方向変化部と、を有し、前記検出方向を変化させることによって、前記複数の検出位置における手の検出を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の手乾燥装置。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態にかかる手乾燥装置を表す斜視図である。
図2は、第1の実施形態にかかる手乾燥装置を表す縦断面図である。
図1及び
図2に表したように、手乾燥装置10は、本体部12を備える。本体部12は、使用者の手を挿入可能にした凹状の手挿入部14を有する。
図2は、手乾燥装置10(本体部12)の横方向の中央付近の縦断面を表している。また、
図2では、風(気体)の流れを矢印で示している。
【0031】
手乾燥装置10は、例えば、トイレ室の壁面などに取り付けて使用される。手乾燥装置10は、手挿入部14に挿入された手を検出し、手挿入部14内の手に風を吹き付ける。これにより、手乾燥装置10は、例えば、トイレ使用後の手洗いなどで濡れた手を乾燥させる。
【0032】
手挿入部14は、例えば、上方に開口する。本体部12は、例えば、上方に開口した開口箱状である。従って、使用者は、上方から下方に向かって手挿入部14に手を挿入する。手挿入部14の開口する向きは、上方に限ることなく、例えば、前方や前方側斜め上方などでもよい。手挿入部14の開口する向きは、使用者が手を挿入し易い任意の方向でよい。
【0033】
また、手挿入部14の開口形状は、横長である。手挿入部14の開口部の横方向の長さは、手挿入部14の開口部の前後方向の長さよりも長い。これにより、手乾燥装置10では、左右の手を横方向に並べた状態で、上方から手挿入部14に挿入することができる。すなわち、使用者は、両手を下方に垂らして手挿入部14に挿入すればよく、自然な姿勢で手の乾燥を行うことができる。
【0034】
本体部12は、前面部12aと、背面部12bと、一対の側面部12c、12dと、を有する。この例において、本体部12は、略矩形の箱状である。手挿入部14は、例えば、前面部12a、背面部12b、及び各側面部12c、12dによって、前方、後方、及び両側方を囲まれた略矩形の凹部である。
【0035】
手挿入部14は、前面部12aによって形成される前面側の内側面14aと、背面部12bによって形成される背面側の内側面14bと、各内側面14a、14bの下端に連続する底面14cと、を有する。また、内側面14a、14b及び底面14cのそれぞれの両側端は、各側面部12c、12dによって塞がれる。手挿入部14は、濡れた手から吹き飛ばされた水滴を各面で受ける。
【0036】
手挿入部14の開口部の横方向の幅は、例えば、30cm(25cm以上50cm以下)である。手挿入部14の開口部の前後方向の幅は、例えば、15cm(8cm以上20cm以下)である。これにより、例えば、どのような体格の使用者であっても、手挿入部14に両手を挿入して手を乾燥させることができる。
【0037】
本体部12及び手挿入部14の形状は、上記に限ることなく、手を挿入可能な任意の形状でよい。例えば、各側面部12c、12dは、省略してもよい。すなわち、手挿入部14は、上方及び両側方が開放された溝状の形状でもよい。このように、手挿入部14の形状は、手を挿入する開口部以外の一部が開放された形状でもよい。
【0038】
本体部12は、手挿入部14内に風を吹き出すための複数の吹き出し口15、16を有する。吹き出し口15は、内側面14aに設けられる。吹き出し口16は、内側面14bに設けられる。各吹き出し口15、16は、例えば、略円形の開口である。また、各吹き出し口15、16のそれぞれは、本体部12に複数設けられる。複数の吹き出し口15は、横方向(水平方向)に略一直線状に並べて内側面14aに設けられる。複数の吹き出し口16は、横方向に略一直線状に並べて内側面14bに設けられる。
【0039】
各吹き出し口15、16は、例えば、内側面14a、14bの上端(開口端)付近に設けられ、斜め下方に向けて風を吹き出す。すなわち、各吹き出し口15、16は、底面14c側に向けて水滴を吹き飛ばす。これにより、吹き飛ばされた水滴が、使用者にかかってしまうことを抑制することができる。
【0040】
吹き出し口15、16の形状は、任意の形状でよい。吹き出し口15、16の数は、任意の数でよい。例えば、横方向に延びるスリット状の1つの吹き出し口を本体部12に設けてもよい。吹き出し口は、手挿入部14に挿入された手に対して適切に風を吹き付けることができる任意の形状及び数でよい。
【0041】
本体部12は、例えば、各側面部12c、12dに設けられた一対の通気口18を有する。各通気口18は、各吹き出し口15、16から吹き出された風を手挿入部14の外部に抜けさせる。これにより、例えば、水滴を含んだ風が手挿入部14内で折り返され、使用者側に向かってしまうことを抑制することができる。換言すれば、吹き飛ばされた水滴が、使用者側に向かってしまうことを抑制することができる。また、各通気口18には、複数のルーバー18aが設けられている。各ルーバー18aは、例えば、水滴が各通気口18を介して外部に漏れ出てしまうことを抑制する。
【0042】
手乾燥装置10は、水受けトレー20と、ファンモータユニット22と、送風ダクト23、24と、フィンヒータ26と、フィルタ28と、吸気ダクト30と、吸音材32と、照明部34と、手検出部40と、をさらに備える。ファンモータユニット22、送風ダクト23、24、フィンヒータ26、フィルタ28、吸気ダクト30、吸音材32、照明部34、及び手検出部40の各部は、本体部12内に設けられる。
【0043】
水受けトレー20は、例えば、本体部12の底部に着脱自在に取り付けられる。本体部12は、図示を省略した排水溝を有し、手挿入部14の各面で受けた水滴を排水溝を介して水受けトレー20に送る。これにより、水受けトレー20は、手挿入部14内で吹き飛ばされた水滴を回収する。
【0044】
ファンモータユニット22は、各吹き出し口15、16のそれぞれに気体を供給し、各吹き出し口15、16から風を吹き出させる気体供給部である。ファンモータユニット22は、回転駆動軸22aを有する。ファンモータユニット22の回転駆動軸22aは、本体部12の前面部12a及び背面部12bに対して垂直な方向に延びるように配置されている。
【0045】
また、ファンモータユニット22のケーシングの上流端には、吸込口22bが設けられている。ファンモータユニット22の下流端には、吹き出し口22cが設けられている。吹き出し口22cは、上方に開口するように形成されている。各吹き出し口15、16への気体の供給は、ファンモータユニット22に限ることなく、気体の供給が可能な任意のファンやポンプなどを用いればよい。
【0046】
送風ダクト23は、本体部12の前面側に設けられ、ファンモータユニット22から供給された気体を前面側の各吹き出し口15に送る。送風ダクト24は、本体部12の背面側に設けられ、ファンモータユニット22から供給された気体を背面側の各吹き出し口16に送る。すなわち、送風ダクト23は、吹き出し口22cと各吹き出し口15との間を接続し、送風ダクト24は、吹き出し口22cと各吹き出し口16との間を接続する。これにより、ファンモータユニット22から供給された気体が各吹き出し口15、16に送られ、各吹き出し口15、16から吹き出す。
【0047】
各送風ダクト23、24は、例えば、手乾燥装置10の使用時において、前面側(掌側)に供給する風量が背面側(甲側)に供給する風量よりも大きくなるように、流路断面積が設定されている。流路断面積とは、送風ダクト23、24において、気体が通過する開口部分の断面積である。例えば、送風ダクト23の最小の流路断面積は、送風ダクト24の最小の流路断面積よりも大きい。これにより、送風ダクト23側に流れる気体の流量が、送風ダクト24側に流れる気体の流量よりも多くなり、前面側の風量が背面側の風量よりも大きくなる。
【0048】
フィンヒータ26は、ファンモータユニット22の吹き出し口22cに設けられている。フィンヒータ26は、吹き出し口22cから吹き出される気体(空気)を温める加熱部である。手乾燥装置10では、フィンヒータ26によって温められた温風を各吹き出し口15、16から吹き出すことができる。これにより、例えば、使用者の手の乾燥性能を向上させることができる。例えば、非加熱の風を吹き出す場合に比べて、より短時間で使用者の手を乾燥させることができる。フィンヒータ26は、必要に応じて設けられ、省略可能である。手乾燥装置10は、ファンモータユニット22から供給される非加熱の風を各吹き出し口15、16から吹き出してもよい。ファンモータユニット22から供給される気体を温める加熱部は、フィンヒータ26に限ることなく、気体を加熱可能な任意のヒータなどでよい。
【0049】
本体部12の底部には、前述のように、水受けトレー20が着脱自在に取り付けられる。また、本体部12の底部には、外部から気体を取り込むための吸気口12eが設けられている。吸気口12eは、本体部12の底部において、水受けトレー20の背面側に設けられている。フィルタ28は、吸気口12e内に設けられている。フィルタ28は、本体部12内への塵埃などの侵入を抑制する。
【0050】
吸気ダクト30は、吸気口12eに接続されている。吸気ダクト30の上流端30aは、吸気口12eのフィルタ28の上に配置されている。吸気ダクト30は、上流端30aと吸気口12eとを連通させ、上流端30aから本体部12の背面部12bに沿って上方にほぼ真っ直ぐ延びている。
【0051】
吸音材32は、吸気ダクト30内の上部において、ファンモータユニット22の吸込口22bに隣接して設けられている。吸音材32は、ファンモータユニット22の作動中に吸込口22bから漏出した音を吸収する。
【0052】
手乾燥装置10は、ファンモータユニット22を動作させることにより、本体部12の外部の空気を吸気口12eから取り込み、フィルタ28を介して吸気ダクト30に吸い込む。そして、吸い込んだ空気をファンモータユニット22から各送風ダクト23、24を介して各吹き出し口15、16に供給する。これにより、各吹き出し口15、16から風が吹き出される。
【0053】
照明部34は、手挿入部14内を照明する。照明部34は、例えば、手挿入部14内に手が挿入された際に、手挿入部14内に向けて光を照射し、手挿入部14内を照明する。また、照明部34は、例えば、所定のパターンで点滅することにより、手乾燥装置10の動作状態を表示する表示部として機能させることもできる。このように、照明部34に表示部としての機能も持たせる。これにより、例えば、手乾燥装置10の部品点数を削減することができるとともに、表示部の追加にともなう手乾燥装置10のデザイン性の低下なども抑制することができる。
【0054】
この例では、本体部12の背面部12bに2つの照明部34が設けられている(
図1参照)。2つの照明部34は、横方向に並べて背面部12bに配置されている。照明部34の数及び配置は、これに限ることなく、手挿入部14内を適切に照明可能な任意の数及び配置でよい。
【0055】
手検出部40は、手挿入部14に挿入された手を検出する。手検出部40は、例えば、発光部41と、受光部42と、を有する。発光部41は、前面部12aに設けられている。受光部42は、背面部12bに設けられている。例えば、発光部41は、各吹き出し口15の下方に配置され、受光部42は、各吹き出し口16の下方に配置される。発光部41及び受光部42は、手挿入部14を挟んで互いに対向する位置に配置される。発光部41及び受光部42の配置は、これに限ることなく、手を検出可能な任意の配置でよい。例えば、上記とは反対に、前面部12aに受光部42を設け、背面部12bに発光部41を設けてもよい。
【0056】
発光部41は、例えば、受光部42に向けて赤外光を検出光として照射する。受光部42は、発光部41から照射された赤外光を受光し、赤外光の受光量(輝度)に応じた電圧を出力する。発光部41には、例えば、発光ダイオードやレーザダイオードなどが用いられる。受光部42には、例えば、フォトダイオードが用いられる。発光部41の照射する検出光は、赤外光に限ることなく、可視光などでもよい。
【0057】
手検出部40は、受光部42の受光レベル(出力電圧)により、使用者の手を検出する。手検出部40においては、例えば、受光部42の受光レベルが閾値以上の時に、手が挿入されていないと検出することができる。そして、手挿入部14に挿入された手によって発光部41から照射された光が遮られ、受光部42の受光レベルが閾値未満になった時に、手が挿入されたと検出することができる。
【0058】
この例において、手検出部40は、いわゆる透過型の光センサ(フォトインタラプタ)である。手検出部40は、これに限ることなく、手挿入部14に挿入された手を検出可能な任意のセンサでよい。手検出部40は、例えば、反射型の光センサ、測距センサ、焦電センサ、静電容量センサ、超音波センサ、又はマイクロ波センサなどでもよい。
【0059】
図3は、第1の実施形態にかかる手乾燥装置を表す平面図である。
図3に表したように、この例において、手検出部40は、第1発光部41a〜第3発光部41cの3つの発光部41(センサ部)を有している。各発光部41a〜41cは、横方向に並ぶ。第1発光部41aは、前面部12aの横方向の中央付近に配置されている。第2発光部41bは、前面部12aの横方向の一端付近に配置されている。第3発光部41cは、前面部12aの横方向の他端付近に配置されている。第2発光部41bは、使用者側から見て前面部12aの左端付近に配置され、第3発光部41cは、前面部12aの右端付近に配置されている。
【0060】
各発光部41a〜41cは、受光部42と対向する。各発光部41a〜41cは、検出光を受光部42に入射させる。受光部42は、各発光部41a〜41cのそれぞれの検出光を受光する。手検出部40では、3つの各発光部41a〜41cのいずれかの検出光が遮られた際に、手挿入部14に手が挿入されたと検知する。
【0061】
このように、手検出部40に3つの発光部41a〜41cを設ける。これにより、横長の開口形状を有する手挿入部14への手の挿入を、より適切に検出することができる。この例では、前面部12aの左端付近に配置された第2発光部41b及び前面部12aの右端付近に配置された第3発光部41cが、背面部12bの中央付近に配置された受光部42に向けて斜めに検出光を照射する。これにより、手検出部40では、手挿入部14の略全体に亘って手の検出を行うことができる。手挿入部14のどの位置に手を挿入された場合でも、適切に使用者の手を検出することができる。また、手検出部40では、3つの各発光部41a〜41cに対して1つの受光部42を共通に用いる。これにより、挿入された手の検出性能を高めつつ、部品点数の増加を抑制することができる。
【0062】
手検出部40は、複数の発光部41によって、複数の検出位置における手の検出を行う。この例では、各発光部41a〜41cの3つの発光部41により、3箇所の検出位置において手の検出を行う。この例において、検出位置とは、発光部41と受光部42との間の経路上の位置である。手検出部40は、換言すれば、手挿入部14内の複数の検出エリアで手の検出を行う。検出エリアは、例えば、線状である。この例では、センサ部として発光部41を示している。センサ部は、これに限ることなく、手の検出が可能な任意のセンサなどでよい。また、センサ部及び検出位置の数は、3つに限ることなく、2つでもよいし、4つ以上でもよい。センサ部及び検出位置の数は、任意でよい。
【0063】
図4は、第1の実施形態にかかる手乾燥装置の電気的構成を表すブロック図である。
図4に表したように、手乾燥装置10は、制御部44と、電源回路46と、ゼロクロス検知部48と、をさらに備える。
【0064】
電源回路46は、一対の入力端子46a、46bを有し、各入力端子46a、46bを介して交流電源2に接続される。交流電源2は、例えば、商用電源である。交流電源2は、交流電力を手乾燥装置10に供給する。
【0065】
電源回路46は、電荷蓄積素子50と、整流部52と、電力変換部54と、を有する。電荷蓄積素子50は、各入力端子46a、46bの間に接続されている。電荷蓄積素子50は、例えば、ノイズカットフィルタとして機能し、交流電源2から供給された交流電力に含まれるノイズを抑制する。
【0066】
整流部52は、交流電源2から供給された交流電力を整流する。整流部52は、例えば、交流電源2の交流電力を脈流電力に変換する。電力変換部54は、整流部52によって整流された電力を制御部44などに対応した直流電力に変換し、変換後の直流電力を制御部44などに供給する。整流部52及び電力変換部54は、例えば、AC100V(実効値)の交流電力を5V〜15V程度の直流電力に変換する。制御部44は、電源回路46からの電力供給によって駆動される。
【0067】
制御部44には、EEPROM60と、ヒータ入切スイッチ61と、風量切替スイッチ62と、電源スイッチ63と、が接続されている。各スイッチ61〜63は、例えば、使用者が操作可能な操作部を有し、操作部を本体部12の外部に露呈させた状態で、本体部12に設けられる。
【0068】
EEPROM60には、手乾燥装置10の制御に必要な各種のプログラムやデータなどが記憶されている。制御部44は、例えば、EEPROM60から各種のプログラムを読み出し、逐次処理を行うことによって、手乾燥装置10の各部を統括的に制御する。
【0069】
ヒータ入切スイッチ61は、フィンヒータ26の使用の有無を示す信号を制御部44に入力する。制御部44は、フィンヒータ26の使用を示す信号がヒータ入切スイッチ61から入力された場合には、ファンモータユニット22を駆動する際に、フィンヒータ26を駆動し、各吹き出し口15、16から温風を吹き出す。一方、制御部44は、フィンヒータ26の非使用を示す信号がヒータ入切スイッチ61から入力された場合には、ファンモータユニット22を駆動する際にも、フィンヒータ26を駆動せず、各吹き出し口15、16から非加熱の風を吹き出す。
【0070】
風量切替スイッチ62は、各吹き出し口15、16から吹き出す風の風量の設定を示す信号を制御部44に入力する。制御部44は、例えば、風量切替スイッチ62の設定に応じて、ファンモータユニット22の駆動条件を変化させることにより、各吹き出し口15、16から吹き出す風の風量を段階的又は連続的に変化させる。
【0071】
電源スイッチ63は、手乾燥装置10への電源のオン・オフを切り替える。例えば、電源スイッチ63をオンに切り替えると、電源回路46が動作を介して制御部44に電力を供給し、制御部44が動作を開始する。すなわち、手乾燥装置10が使用可能な状態になる。なお、電源スイッチ63は、各入力端子46a、46bと電荷集積端子50の間に設けて交流電源2からの電力を直接オン、オフさせてもよい。
【0072】
ゼロクロス検知部48は、切替スイッチ70を介して各入力端子46a、46bの間に接続されている。換言すれば、ゼロクロス検知部48は、電源回路46に並列に接続されている。これにより、切替スイッチ70をオン状態にすることにより、交流電源2から供給された交流電力がゼロクロス検知部48に入力される。
【0073】
ゼロクロス検知部48は、交流電源2から供給された交流電力のゼロクロスを検知し、ゼロクロスの検知信号を制御部44に入力する。ゼロクロス検知部48は、例えば、入力された交流電圧の絶対値を所定の閾値と比較し、交流電圧の絶対値が閾値以下の時に、ゼロクロスを検知する。
【0074】
ファンモータユニット22は、切替スイッチ71を介して各入力端子46a、46bの間に接続されている。これにより、切替スイッチ71をオン状態にすることにより、交流電源2から供給された交流電力がファンモータユニット22に入力され、ファンモータユニット22が駆動される。すなわち、切替スイッチ71をオン状態にすることにより、各吹き出し口15、16から風が吹き出す。
【0075】
フィンヒータ26は、切替スイッチ72を介して各入力端子46a、46bの間に接続されている。これにより、切替スイッチ72をオン状態にすることにより、交流電源2から供給された交流電力がフィンヒータ26に入力され、フィンヒータ26が駆動される。
【0076】
照明部34は、切替スイッチ73を介して電力変換部54の出力に接続されている。これにより、切替スイッチ73をオン状態にすることにより、電力変換部54から出力された直流電力が照明部34に供給され、照明部34が点灯する。
【0077】
手検出部40は、切替スイッチ74を介して電力変換部54の出力に接続されている。これにより、切替スイッチ74をオン状態にすることにより、電力変換部54から出力された直流電力が手検出部40に供給され、手検出部40が駆動される。すなわち、切替スイッチ74をオン状態にすることにより、手検出部40が手挿入部14に挿入された手を検出可能な状態になる。また、手検出部40は、制御部44に接続されており、手挿入部14に挿入された手の検出結果(手検出信号)を制御部44に入力する。
【0078】
例えば、切替スイッチ74をオン状態にすることにより、各発光部41a〜41cに直流電力が供給され、各発光部41a〜41cから検出光が照射される。切替スイッチ74は、例えば、各発光部41a〜41c毎にオン・オフを切替可能なスイッチを有し、各発光部41a〜41cへの電力の供給を個別に切り替える。また、受光部42のフォトダイオードに逆バイアス電圧が印加される場合には、切替スイッチ74をオン状態にすることにより、受光部42に逆バイアス電圧が印加される。これにより、検出光の受光量に応じた電圧が、手検出信号として受光部42から制御部44に出力される。
【0079】
各切替スイッチ70〜74は、制御部44に接続されている。各切替スイッチ70〜74のオン・オフは、制御部44によって切り替えられる。制御部44は、切替スイッチ74の各スイッチのオン・オフを切り替えることにより、各発光部41a〜41cの点灯及び消灯を個別に制御する。
【0080】
図5(a)〜
図5(f)は、第1の実施形態にかかる制御部の動作の一例を表すタイミングチャート図である。
図5(a)〜
図5(f)は、制御部44による手検出部40の制御態様の一例を表している。
図5(a)、
図5(c)、
図5(e)では、手検出部40のオン状態及びオフ状態を表している。一方、
図5(b)、
図5(d)、
図5(f)では、手検出部40から制御部44に出力される手検出信号のオン状態及びオフ状態を表している。
【0081】
ここで、手検出部40のオン状態とは、手検出部40が手挿入部14に挿入された手を検出可能な状態である。この例では、切替スイッチ74をオン状態にし、手検出部40に直流電力が供給された状態である。より詳しくは、各発光部41a〜41cのいずれかに電力を供給して点灯させた状態である。そして、手検出部40のオフ状態とは、手検出部40が手挿入部14に挿入された手の検出機能を喪失した状態である。この例では、切替スイッチ74をオフ状態にし、手検出部40への直流電力の供給を停止した状態である。
【0082】
手検出部40のオフ状態は、例えば、発光部41への電力供給のみを停止し、受光部42は正常に動作している状態でもよい。反対に、受光部42への電力供給のみを停止し、発光部41は正常に動作している状態(検出光を照射している状態)でもよい。このように、手検出部40のオフ状態とは、手検出部40の少なくとも一部への電力供給を停止し、手の検出機能を喪失した状態であればよい。
【0083】
また、手検出信号のオン状態とは、手挿入部14に挿入された手が検出された状態である。手検出信号のオフ状態とは、手挿入部14に挿入された手が検出されていない状態である。すなわち、手検出信号のオン状態とは、手の検出状態であり、手検出信号のオフ状態とは、手の非検出状態である。
【0084】
この例では、各発光部41a〜41cのそれぞれの検出光を受光部42が受光している時に、手検出信号がオフ状態となり、各発光部41a〜41cのそれぞれの検出光のいずれかが遮られた時に、手検出信号がオン状態となる。また、手検出部40がオフ状態の時には、手検出信号はオフ状態である。このように、手検出部40は、手挿入部14に挿入された手の検出を行い、手の非検出を表すオフ状態(非検出状態)と、手の検出を表すオン状態(検出状態)と、を有する手検出信号を制御部44に出力する。
【0085】
図5(a)及び
図5(b)は、制御部44が通常時に行う通常モードの動作の一例を表している。
図5(a)及び
図5(b)に表したように、制御部44は、手検出信号がオフ状態の時には、手検出部40のオン状態とオフ状態とを周期的に繰り返す。これにより、手検出部40を常にオン状態にしている場合に比べて、手検出部40における消費電力を抑えることができる。
【0086】
制御部44は、手検出信号がオフ状態からオン状態に切り替わった場合、所定時間の計時を開始する。制御部44は、手検出信号のオン状態が所定時間継続された場合に、手挿入部14に手が挿入されたと判断する。換言すれば、手の検出を確定させる。制御部44は、手検出信号がオン状態になった場合、手検出信号がオフ状態になるまで、手検出部40のオン状態を継続させる。
【0087】
制御部44は、手検出信号のオン状態が所定時間継続された後、切替スイッチ71をオン状態にしてファンモータユニット22を駆動し、各吹き出し口15、16から風を吹き出すとともに、切替スイッチ73をオン状態にして照明部34を点灯させることにより、手挿入部14内を照明する。また、制御部44は、ヒータ入切スイッチ61でフィンヒータ26がオンに設定されている場合には、手検出信号のオン状態が所定時間継続された後、切替スイッチ72をオン状態にしてフィンヒータ26を駆動し、各吹き出し口15、16から温風を吹き出す。すなわち、制御部44は、手検出信号がオン状態に切り替わったタイミングから、ファンモータユニット22の駆動を所定時間遅らせる。
【0088】
制御部44は、手検出信号がオン状態からオフ状態に切り替わった場合に、ファンモータユニット22、フィンヒータ26、照明部34の各部の動作を停止させる。この後、制御部44は、手検出部40をオン状態とオフ状態とに周期的に切り替える動作に戻る。
【0089】
一方、制御部44は、所定時間の経過の前に手検出信号がオン状態からオフ状態に戻った場合、ファンモータユニット22などを駆動させることなく、手検出部40をオン状態とオフ状態とに周期的に切り替える動作に戻る。これにより、例えば、虫などの侵入にともなう誤検出を抑制することができる。例えば、手乾燥装置10の不要な動作を抑制することができる。
【0090】
ここで、通常モードにおいて手検出部40のオン・オフを繰り返す際の、オン状態の時間を第1オン時間T
ON1とし、オフ状態の時間を第1オフ時間T
OFF1とする。そして、通常モードにおいて、手検出信号がオフ状態からオン状態に切り替わった際に計時する所定時間を第1オンディレイ時間T
delay1とする。
【0091】
第1オン時間T
ON1は、例えば、20ms(ミリ秒)である。第1オフ時間T
OFF1は、例えば、200msである。第1オンディレイ時間T
delay1は、例えば、500msである。このように、第1オフ時間T
OFF1は、第1オン時間T
ON1よりも長い。第1オンディレイ時間T
delay1は、第1オン時間T
ON1よりも長い。第1オンディレイ時間T
delay1は、第1オフ時間T
OFF1よりも長い。
【0092】
例えば、手検出部40がオン状態にある状態において使用者が手挿入部14に手を挿入した場合、各吹き出し口15、16から風が吹き出るまでの使用者の待ち時間は、第1オンディレイ時間T
delay1のみである。
【0093】
一方、手検出部40がオフ状態にある状態において使用者が手挿入部14に手を挿入した場合、使用者の待ち時間は、第1オフ時間T
OFF1の残り時間と第1オンディレイ時間T
delay1との和となる。従って、通常モードにおける使用者の最大の待ち時間T
dmax1は、
図5(b)に表したように、手検出部40がオフ状態に切り替わったタイミングで手を挿入した時の、T
OFF1+T
delay1の値となる。最大の待ち時間T
dmax1は、例えば、700msである。
【0094】
図5(c)及び
図5(d)は、制御部44の第1低消費モードにおける動作の一例を表している。第1低消費モードは、手検出部40の動作に必要な消費電力を通常モードよりも低くした動作モードである。
【0095】
制御部44は、例えば、手乾燥装置10の前回の使用から所定時間経過した場合に、通常モードから第1低消費モードに切り替える。これにより、例えば、夜間など、手乾燥装置10の使用頻度の低い時間帯などにおいて、消費電力を抑えることができる。このように、制御部44は、手検出部40の動作に関し、通常モードと第1低消費モードとの2つの動作モードを有する。例えば、切替スイッチなどの操作部を設け、通常モードと第1低消費モードとを選択的に切り替えられるようにしてもよい。
【0096】
図5(c)及び
図5(d)に表したように、制御部44は、第1低消費モードにおいて、第2オン時間T
ON2と、第2オフ時間T
OFF2と、第2オンディレイ時間T
delay2と、を設定する。この例において、第2オン時間T
ON2は、第1オン時間T
ON1と同じである。一方、第2オフ時間T
OFF2は、第1オフ時間T
OFF1よりも長い。このように、第1低消費モードにおいては、第2オフ時間T
OFF2を第1オフ時間T
OFF1よりも長くする。すなわち、第1低消費モードにおいては、オフ時間の比率を通常モードよりも高くする。これにより、手検出信号がオフ状態で、手検出部40のオン・オフを周期的に繰り返す際の消費電力をより抑制することができる。
【0097】
また、第2オンディレイ時間T
delay2は、第1オンディレイ時間T
delay1よりも短い。このように、第1低消費モードにおいては、第2オンディレイ時間T
delay2を第1オンディレイ時間T
delay1よりも短くする。これにより、第2オフ時間T
OFF2を第1オフ時間T
OFF1よりも長くした場合においても、最大の待ち時間T
dmax2が長くなり過ぎてしまうことを抑制することができる。
【0098】
第2オン時間T
ON2は、例えば、20msである。第2オフ時間T
OFF2は、例えば、400msである。第2オンディレイ時間T
delay2は、例えば、400msである。この場合、第1低消費モードにおける最大の待ち時間T
dmax2は、T
OFF2+T
delay2の800msである。
【0099】
図5(e)及び
図5(f)は、制御部44の動作の参考例を表している。参考例の動作では、通常モードの動作からオフ時間のみを第2オフ時間T
OFF2に変更している。すなわち、参考例の動作は、オンディレイ時間を変更することなく、オフ時間のみを長くした動作である。この場合、最大の待ち時間T
dmaxは、T
OFF2+T
delay1となる。T
dmaxは、例えば、900msである。
【0100】
このように、オフ時間のみを長くした動作では、非使用時の待機状態における消費電力を抑えることができる反面、使用者が手挿入部に手を挿入してから実際に動作が開始されるまでの時間が長くなってしまう可能性がある。例えば、使用者に故障の疑いを抱かせてしまう恐れがある。このように、オフ時間のみを長くした動作では、使用者に違和感を与えてしまう可能性があり、手乾燥装置の使い勝手の低下を招いてしまう。
【0101】
これに対して、本実施形態に係る手乾燥装置10では、第1低消費モードにおいて、第2オフ時間T
OFF2を第1オフ時間T
OFF1よりも長くし、かつ第2オンディレイ時間T
delay2を第1オンディレイ時間T
delay1よりも短くする。これにより、手乾燥装置10では、オフ時間のみを長くする場合に比べて、最大の待ち時間T
dmax2を短くすることができる。従って、手乾燥装置10では、待機状態における消費電力を抑制し、かつ使い勝手の低下を抑制することができる。
【0102】
図6は、第1の実施形態にかかる制御部の動作の一例を表すタイミングチャート図である。
図6は、制御部44の第1低消費モードにおける動作の一例を表している。
図6に表したように、制御部44は、手検出信号がオフ状態で、手検出部40のオン状態とオフ状態とを周期的に繰り返す場合、各発光部41a〜41cのそれぞれのオン状態の期間が重ならないように、各発光部41a〜41cのオンのタイミングを制御する。すなわち、制御部44は、第1低消費モードにおいて、手の検出を行うタイミングが、複数の検出位置のそれぞれにおいて重ならないように手検出部40を制御する。制御部44は、手の検出の期間が、複数の検出位置のそれぞれにおいて重ならないように手検出部40を制御する。なお、各発光部41a〜41cの何れかがオンし、その後他の発光部がオンするまでの間隔、すなわちオフ状態の時間の間隔は同一とすることが好ましい。
【0103】
これにより、手検出部40に複数の発光部41a〜41cを設けた場合にも、消費電力の増加を抑えることができる。例えば、各発光部41a〜41cのそれぞれを同時にオン状態にする場合に比べて、消費電力の増加を抑制することができる。また、各発光部41a〜41cのそれぞれを順次オン状態にすることにより、使用者が手挿入部14のどの位置に手を挿入した場合でも、挿入された手を適切に検出することができる。すなわち、手乾燥装置10の使い勝手の低下を抑制することができる。
【0104】
また、各発光部41a〜41cのオン状態の期間が重ならないようにすることにより、例えば、瞬時的に必要となる電力を抑えることができる。例えば、電源回路46の負荷を軽くすることができる。例えば、電源回路46の故障などを抑制し、手乾燥装置10の信頼性を向上させることができる。
【0105】
制御部44は、例えば、左側の第2発光部41b、中央の第1発光部41a、右側の第3発光部41cの順に順次オン状態とし、第2発光部41bに戻って、これを繰り返す。この場合、各発光部41a〜41cのそれぞれのオン状態になる頻度は、実質的に同じである。
【0106】
また、制御部44は、各発光部41a〜41cのそれぞれのオン時間を第2オン時間T
ON2で実質的に同じにする。そして、制御部44は、各発光部41a〜41cのそれぞれのオフ時間を第2オフ時間T
OFF2で実質的に同じにする。各発光部41a〜41cのオン時間及びオフ時間は、それぞれ異なってもよい。但し、各発光部41a〜41cのオン時間及びオフ時間を異ならせる場合には、1つの発光部のオン時間及びオフ時間の合計の時間が、別の発光部の合計の時間の整数倍となるようにすることが好ましい。これにより、各発光部41a〜41cが同時にオン状態になってしまうことを抑制することができる。なお、各発光部41a〜41cが同時にオン状態になってしまう場合、何れか一方のオンを禁止する制御としてもよい。
【0107】
図6では、第1低消費モードを例に説明したが、制御部44は、通常モードにおいても第1低消費モードと同様に、手検出信号がオフ状態で、手検出部40のオン状態とオフ状態とを周期的に繰り返す場合、各発光部41a〜41cのそれぞれのオン状態の期間が重ならないように、各発光部41a〜41cのオンのタイミングを制御する。但し、通常モードにおいては、例えば、各発光部41a〜41cのそれぞれのオン状態の期間の少なくとも一部が重なるように、各発光部41a〜41cのオンのタイミングを制御してもよい。通常モードにおいては、各発光部41a〜41cのそれぞれを実質的に同時にオン状態にしてもよい。
【0108】
図7及び
図8は、第1の実施形態にかかる制御部の動作の一例を表すフローチャートである。
図7に表したように、手乾燥装置10の制御部44は、通常モードにおいて動作を開始すると、まず、手検出部40の第1発光部41aをオフ状態にする(ステップS101)。すなわち、第1発光部41aへの電力供給を停止した状態とし、第1発光部41aを消灯させる。第1発光部41aのオフ状態とは、換言すれば、第1発光部41aの消灯状態である。
【0109】
制御部44は、第1発光部41aをオフ状態にした後、内部のタイマやクロックなどを用いて計時を行い、第1発光部41aをオフ状態にしたタイミングから第1オフ時間T
OFF1が経過したか否かを判定する(ステップS102)。
【0110】
制御部44は、第1オフ時間T
OFF1が経過していないと判定した場合、第1発光部41aのオフ状態を継続させる。一方、制御部44は、第1オフ時間T
OFF1が経過したと判定した場合、第1発光部41aをオフ状態からオン状態に切り替える(ステップS103)。すなわち、第1発光部41aに電力を供給し、第1発光部41aを点灯させる。第1発光部41aのオン状態とは、換言すれば、第1発光部41aの点灯状態である。
【0111】
制御部44は、第1発光部41aをオン状態にした後、手検出信号がオン状態か否かを判定する(ステップS104)。
【0112】
制御部44は、手検出信号がオン状態であると判定した場合、続いて、手検出信号のオン状態が第1オンディレイ時間T
delay1継続されているか否かを判定する(ステップS105、S106)。また、制御部44は、手検出信号がオン状態であると判定した場合、第1発光部41aのオン状態を継続させる。
【0113】
制御部44は、第1オンディレイ時間T
delay1の経過の前に、手検出信号がオン状態からオフ状態に切り替わった場合、ステップS101の動作に戻り、第1発光部41aをオフ状態にする。このように、手検出信号がオン状態であると判定した場合には、手検出信号がオフ状態となるまで、第1発光部41aのオン状態を継続させる。
【0114】
一方、制御部44は、手検出信号のオン状態が第1オンディレイ時間T
delay1継続された場合、ファンモータユニット22の駆動を開始する(ステップS107)。続いて、制御部44は、フィンヒータ26の駆動を開始する(ステップS108)。これにより、制御部44は、各吹き出し口15、16から温風を吹き出し、使用者の手を乾燥させる。また、制御部44は、手検出信号のオン状態が第1オンディレイ時間T
delay1継続された場合、照明部34を点灯させ、手挿入部14内を照明する。
【0115】
制御部44は、ファンモータユニット22及びフィンヒータ26を駆動させた後、手検出信号がオフ状態に切り替わったか否かを判定し、手検出信号がオフ状態に切り替わるまでファンモータユニット22及びフィンヒータ26の駆動状態を継続させる(ステップS109)。すなわち、制御部44は、使用者が手挿入部14から手を引き抜くまで、ファンモータユニット22及びフィンヒータ26の駆動状態を継続させる。
【0116】
制御部44は、手検出信号がオン状態からオフ状態に切り替わったと判定すると、フィンヒータ26の動作を停止させるとともに、ファンモータユニット22の動作を停止させる(ステップS110、S111)。すなわち、各吹き出し口15、16からの風の吹き出しを停止させる。制御部44は、ファンモータユニット22及びフィンヒータ26を停止させた後、ステップS101の動作に戻り、第1発光部41aをオフ状態にする。
【0117】
制御部44は、ステップS104において手検出信号がオン状態ではないと判定した場合、手乾燥装置10の前回の使用からモード切替時間が経過したか否かを判定する(ステップS112)。なお、図示しないが、ステップS112は、ステップS101とステップS102との間に設けても良い。
【0118】
制御部44は、モード切替時間が経過していないと判定した場合、続いて、第1オン時間T
ON1が経過したか否かを判定する(ステップS113)。制御部44は、第1オン時間T
ON1が経過していないと判定した場合、ステップS104の動作に戻る。一方、制御部44は、第1オン時間T
ON1が経過したと判定した場合、ステップS101の動作に戻り、第1発光部41aをオフ状態にする。
【0119】
そして、制御部44は、ステップS112においてモード切替時間が経過したと判定した場合、動作モードを通常モードから第1低消費モードに切り替える(ステップS114)。
【0120】
図8に表したように、制御部44は、第1低消費モードの動作を開始すると、まず、手検出部40の第1発光部41aをオフ状態にする(ステップS201)。
【0121】
制御部44は、第1発光部41aをオフ状態にした後、第1発光部41aをオフ状態にしたタイミングから第2オフ時間T
OFF2が経過したか否かを判定する(ステップS202)。
【0122】
制御部44は、第2オフ時間T
OFF2が経過していないと判定した場合、第1発光部41aのオフ状態を継続させる。一方、制御部44は、第2オフ時間T
OFF2が経過したと判定した場合、第1発光部41aをオフ状態からオン状態に切り替える(ステップS203)。この際、第2オフ時間T
OFF2は、第1オフ時間T
OFF1よりも長い。これにより、第1低消費モードでは、通常モードに比べてオフ時間の比率を高くし、通常モードに比べて待機状態における消費電力を抑えることができる。
【0123】
制御部44は、手検出部40をオン状態にした後、手検出信号がオン状態か否かを判定する(ステップS204)。制御部44は、手検出信号がオン状態ではないと判定した場合、続いて、第2オン時間T
ON2が経過したか否かを判定する(ステップS205)。
【0124】
制御部44は、第2オン時間T
ON2が経過していないと判定した場合、ステップS204の動作に戻る。一方、制御部44は、第2オン時間T
ON2が経過したと判定した場合、ステップS201の動作に戻り、第1発光部41aをオフ状態にする。
【0125】
制御部44は、ステップS204において手検出信号がオン状態であると判定した場合、続いて、手検出信号のオン状態が第2オンディレイ時間T
delay2継続されているか否かを判定する(ステップS206、S207)。
【0126】
制御部44は、第2オンディレイ時間T
delay2の経過の前に、手検出信号がオン状態からオフ状態に切り替わった場合、ステップS201の動作に戻り、第1発光部41aをオフ状態にする。
【0127】
一方、制御部44は、手検出信号のオン状態が第2オンディレイ時間T
delay2継続された場合、上記と同様に、ファンモータユニット22及びフィンヒータ26の駆動を開始し、手検出信号がオフ状態に切り替わるまでファンモータユニット22及びフィンヒータ26の駆動状態を継続させる(ステップS208〜ステップS212)。この際、第2オンディレイ時間T
delay2は、第1オンディレイ時間T
delay1よりも短い。これにより、第2オフ時間T
OFF2を第1オフ時間T
OFF1よりも長くした場合においても、最大の待ち時間T
dmax2が長くなり過ぎてしまうことを抑制することができる。
【0128】
この後、制御部44は、動作モードを第1低消費モードから通常モードに戻し、通常モードのステップS101の動作を再開する(ステップS213)。
【0129】
図7及び
図8では、説明の簡単のため、第1発光部41aに関する動作についてのみ説明している。制御部44は、第2発光部41b及び第3発光部41cについても、上記第1発光部41aの場合と同様の処理を実施する。制御部44は、各発光部41a〜41cのいずれかで手検出信号がオフ状態からオン状態に切り替わった場合、当該発光部のオン状態を継続させ、オンディレイ時間が経過したか否かの判定を行う。この間、他の発光部については、オフ状態を継続させる。
【0130】
また、制御部44は、
図6に関して説明したように、手検出信号がオフ状態で、手検出部40のオン状態とオフ状態とを周期的に繰り返す場合、各発光部41a〜41cのそれぞれのオン状態の期間が重ならないように、各発光部41a〜41cのオンのタイミングを制御する。手の検出を行うタイミングが、複数の検出位置のそれぞれにおいて重ならないようにする。
【0131】
これにより、手検出部40に複数の発光部41a〜41cを設けた場合にも、消費電力の増加を抑えることができる。また、各発光部41a〜41cのそれぞれを順次オン状態にすることにより、使用者が手挿入部14のどの位置に手を挿入した場合でも、挿入された手を適切に検出することができる。
【0132】
このように、本実施形態に係る手乾燥装置10では、複数の発光部41a〜41cを設けた場合においても、待機状態における消費電力を抑制し、かつ使い勝手の低下を抑制することができる。手乾燥装置10では、低い消費電力と良好な使い勝手との両立を図ることができる。
【0133】
図7及び
図8では、手乾燥装置10の前回の使用からモード切替時間が経過した場合に、通常モードから第1低消費モードに切り替える例を示している。通常モードから第1低消費モードへの切り替えは、モード切替時間の経過に限定されるものではない。
【0134】
例えば、前述のように、操作部などを用いて各モードを選択的に切り替えられるようにしてもよい。上記の実施形態では、第1低消費モードの終了後、通常モードに戻るようにしている。例えば、操作部を用いて選択的に各モードを切り替える場合には、
図8のステップS212の実行後、ステップS201に戻り、第1低消費モードでの動作を繰り返してもよい。
【0135】
この例では、第2オン時間T
ON2を第1オン時間T
ON1と実質的に同じとしているが、第2オン時間T
ON2は、第1オン時間T
ON1と異なってもよい。例えば、第1低消費モードにおいては、第2オン時間T
ON2を第1オン時間T
ON1よりも短くしてもよい。これにより、例えば、待機状態における消費電力をより抑制することができる。
【0136】
(第2の実施形態)
図9は、第2の実施形態にかかる制御部の動作の一例を表すタイミングチャート図である。
図9は、第2の実施形態にかかる手乾燥装置10の第1低消費モード時の動作の一例を表している。
なお、上記第1の実施形態と機能・構成上実質的に同じものについては、同符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0137】
図9に表したように、この例において、制御部44は、中央の第1発光部41aをオン状態にする頻度を、左側の第2発光部41bをオン状態にする頻度、及び、右側の第3発光部41cをオン状態にする頻度よりも高くする。すなわち、この例において、制御部44は、手挿入部14の横方向に並ぶ3つの検出位置のうちの中央の検出位置の手の検出の頻度を、両側の検出位置の手の検出の頻度よりも高くする。
【0138】
制御部44は、第2発光部41b及び第3発光部41cをそれぞれ1回オン状態にする間に、第1発光部41aを2回オン状態にする。より具体的には、第1発光部41a、第2発光部41b、第1発光部41a、第3発光部41cの順にオン状態にし、第1発光部41aに戻って、以下これを繰り返す。すなわち、この例において、第1発光部41aがオン状態になる頻度は、第2発光部41b及び第3発光部41cがオン状態になる頻度の2倍である。
【0139】
比較的多くの使用者は、手挿入部14の中央側に手を挿入する傾向にある。従って、上記のように、中央付近に設けられた第1発光部41aをオン状態にする頻度を、左右に設けられた第2発光部41b及び第3発光部41cをオン状態にする頻度よりも高くする。これにより、例えば、
図6に示した例と実質的に同じ消費電力としたまま、中央付近における検出の頻度を高めることができる。
【0140】
例えば、第1発光部41aのオフ時間を第2オフ時間T
OFF2に設定する。この場合には、第2発光部41b及び第3発光部41cのオフ時間が、第2オフ時間T
OFF2よりも長くなる。これにより、例えば、中央部分における最大の待ち時間T
dmax2を長くすることなく、より消費電力を抑えることができる。かつ、左右部分においても、手の検出を行うことができる。
【0141】
反対に、第2発光部41b及び第3発光部41cのオフ時間を第2オフ時間T
OFF2に設定する。この場合には、第1発光部41aのオフ時間が、第2オフ時間T
OFF2よりも短くなる。これにより、例えば、消費電力の増加を抑えつつ、中央部分における最大の待ち時間T
dmax2をより短くすることができる。かつ、左右部分において最大の待ち時間T
dmax2が長くなってしまうことを抑制することもできる。
【0142】
このように、手挿入部14において手の挿入される可能性の高い位置の検出頻度を高くする。これにより、消費電力をより抑制したり、待ち時間をより短くしたりすることができ、手乾燥装置10の使い勝手をより向上させることができる。
【0143】
制御部44は、通常モードにおいては、
図9に表した制御で各発光部41a〜41cのオン・オフを切り替えても良いし、
図6に表した制御で各発光部41a〜41cのオン・オフを切り替えてもよい。すなわち、通常モードにおいては、
図6に表した制御で各発光部41a〜41cのオン・オフを切り替え、第1低消費モードにおいては、
図9に表した制御で各発光部41a〜41cのオン・オフを切り替えてもよい。
【0144】
この例では、中央付近の第1発光部41aの検出頻度を高くしている。例えば、手検出部40が、手挿入部14の横方向の中心である仮想中心線側の第1検出位置と、この仮想中心線から第1検出位置よりも横方向に離れた第2検出位置と、を少なくとも有している場合、制御部44は、第1検出位置の手の検出の頻度を、第2検出位置の手の検出の頻度よりも高くする。
【0145】
検出頻度を高くする位置は、中央付近に限ることなく、右側又は左側などでもよい。例えば、手乾燥装置10がトイレ室の側壁などに寄せて配置されている場合には、側壁と反対側の方向から手挿入部14に手が挿入される可能性が高い。従って、このような場合には、側壁と反対側に位置する第2発光部41b又は第3発光部41cの検出頻度を高くしてもよい。また、例えば、手挿入部14の開口形状が、左右非対称な形状である場合には、間口の広い側に手が挿入される可能性が高い。従って、このような場合には、間口の広い側に位置する第2発光部41b又は第3発光部41cの検出頻度を高くしてもよい。すなわち、制御部44は、複数の検出位置のうちの少なくとも1つの検出位置における手の検出の頻度を、他の検出位置における手の検出の頻度よりも高くするものでもよい。
【0146】
例えば、各発光部41a〜41cの検出頻度を選択的に切り替えるための切替部を設け、検出頻度を高くする位置を、切替部の設定に応じて選択的に切り替えられるようにしてもよい。また、上記のように、右側又は左側の検出頻度を高くする場合には、例えば、中央付近の検出位置を省略し、検出位置を右側及び左側の2箇所としてもよい。
【0147】
(第3の実施形態)
図10(a)〜
図10(d)は、第3の実施形態にかかる制御部の動作の一例を表すタイミングチャート図である。
図10(a)及び
図10(b)は、第3の実施形態にかかる手乾燥装置10の通常モード時の動作の一例を表している。
図10(c)及び
図10(d)は、第3の実施形態にかかる手乾燥装置10の第1低消費モード時の動作の一例を表している。
【0148】
図10(a)〜
図10(d)に表したように、この例において、制御部44は、第1低消費モードにおける最大の待ち時間T
dmax2が、通常モードにおける最大の待ち時間T
dmax1と実質的に同じとなるように、第1低消費モードの第2オン時間T
ON2と、第2オフ時間T
OFF2と、第2オンディレイ時間T
delay2と、を設定する。この例において、第1低消費モードの第2オフ時間T
OFF2と第2オンディレイ時間T
delay2との和は、通常モードの第1オフ時間T
OFF1と第1オンディレイ時間T
delay1との和と実質的に同じである。
【0149】
前述のように、第1オフ時間T
OFF1は、例えば、200msであり、第1オンディレイ時間T
delay1は、例えば、500msである。この場合、例えば、第2オフ時間T
OFF2を400msに設定し、第2オンディレイ時間T
delay2を300msに設定する。これにより、通常モードの最大の待ち時間T
dmax1、及び第1低消費モードの最大の待ち時間T
dmax2のそれぞれを700msで実質的に同じとすることができる。
【0150】
このように、第1低消費モードの最大の待ち時間T
dmax2が、通常モードの最大の待ち時間T
dmax1と実質的に同じとなるようにする。これにより、例えば、第1低消費モードにおける手乾燥装置10の使い勝手を、通常モードにおける使い勝手と実質的に同じとすることができる。例えば、使用者に与える違和感をより抑制することができる。使い勝手の低下をより抑制することができる。
【0151】
なお、通常モードの最大の待ち時間T
dmax1と第1低消費モードの最大の待ち時間T
dmax2とは、厳密に一致していなくてもよい。例えば、T
dmax1とT
dmax2との差の絶対値を10ms以下にする。これにより、T
dmax1とT
dmax2との差が使用者に体感されてしまうことを抑制することができる。すなわち、使用者に与える違和感を適切に抑制し、使い勝手の低下を適切に抑制することができる。
【0152】
(第4の実施形態)
図11は、第4の実施形態にかかる手乾燥装置の電気的構成を表すブロック図である。
図11に表したように、この例において、手乾燥装置100は、照度計64と、モード切替スイッチ65と、タイマ66と、をさらに有する。
【0153】
照度計64は、制御部44に接続されている。照度計64は、例えば、少なくとも一部が外部に露呈するように本体部12に設けられ、本体部12の外側の照度を計測する。照度計64は、例えば、手乾燥装置100が設置されたトイレ室などの照度を計測する。そして、照度計64は、照度の計測結果を制御部44に入力する。
【0154】
モード切替スイッチ65は、制御部44に接続されている。モード切替スイッチ65は、例えば、使用者が操作可能な操作部を有し、操作部の操作に応じた切替信号を制御部44に入力する。
【0155】
タイマ66は、制御部44に設けられている。タイマ66は、時刻の計時を行い、時刻情報を制御部44に入力する。タイマ66は、制御部44に外付けしてもよい。また、時刻情報は、例えば、外部の機器などから受信してもよい。
【0156】
図12(a)〜
図12(f)は、第4の実施形態にかかる制御部の動作の一例を表すタイミングチャート図である。
図12(a)〜
図12(f)に表したように、この例において、制御部44は、第2低消費モードをさらに有する。制御部44は、第2低消費モードにおいて、第3オン時間T
ON3と、第3オフ時間T
OFF3と、第3オンディレイ時間T
delay3と、を設定する。この例において、第3オン時間T
ON3は、第1オン時間T
ON1及び第2オン時間T
ON2と同じである。一方、第3オフ時間T
OFF3は、第2オフ時間T
OFF2よりも長い。第3オフ時間T
OFF3は、例えば、800ms〜1000ms程度である。
【0157】
第2低消費モードにおいては、第3オフ時間T
OFF3を第1低消費モードの第2オフ時間T
OFF2よりもさらに長くする。すなわち、第2低消費モードにおいては、オフ時間の比率を第1低消費モードよりもさらに高くする。これにより、第2低消費モードを設定した場合には、待機状態における消費電力を第1低消費モードよりもさらに抑制することができる。
【0158】
第3オンディレイ時間T
delay3は、例えば、第2オンディレイ時間T
delay2と同じである。この例において、第3オンディレイ時間T
delay3は、第1オンディレイ時間T
delay1よりも短い。従って、第2低消費モードでは、最大の待ち時間T
dmax3が、第1低消費モードの最大の待ち時間T
dmax2よりも長くなる。第2低消費モードは、例えば、待ち時間が長くなってしまうことを許容し、消費電力の抑制効果を高めた動作モードである。
【0159】
第3オンディレイ時間T
delay3は、第2オンディレイ時間T
delay2と異なってもよい。第3オンディレイ時間T
delay3は、第2オンディレイ時間T
delay2より長くてもよいし、短くてもよい。第3オンディレイ時間T
delay3は、例えば、第1オンディレイ時間T
delay1と同じでもよい。第3オン時間T
ON3は、第1オン時間T
ON1及び第2オン時間T
ON2と異なってもよい。
【0160】
モード切替スイッチ65は、第1低消費モードと第2低消費モードとの切り替えに用いられる。制御部44は、例えば、モード切替スイッチ65からの切替信号に応じて、第1低消費モードと第2低消費モードとを切り替える。モード切替スイッチ65は、例えば、通常モードをさらに選択できるようにしてもよい。
【0161】
例えば、オフィスビルのトイレ室に設置された手乾燥装置100では、深夜や休日など、使用頻度が極端に低下する時間帯がある。このような時間帯においては、モード切替スイッチ65の操作などにより、手乾燥装置100を第2低消費モードに設定する。これにより、手乾燥装置100の使い勝手の低下を抑制しつつ、消費電力をより抑制することができる。
【0162】
例えば、第2低消費モードが設定されていることを報知するための報知部を手乾燥装置100に設け、第2低消費モードが設定されている場合には、長めに手を挿入するように使用者に促してもよい。報知部は、文字などで報知を行うディスプレイや音声で報知を行うスピーカなど、報知が可能な任意の部材でよい。例えば、照明部34を報知部として用いてもよい。
【0163】
図13は、第4の実施形態にかかる制御部の動作の一例を表すフローチャートである。
図13において、ステップS301〜ステップS313は、上記第1の実施形態に関して説明したステップS101〜ステップS113と実質的に同じであるから、詳細な説明は省略する。
【0164】
図13に表したように、制御部44は、ステップS312においてモード切替時間が経過したと判定した場合、所定の切替条件を基に、第2低消費モードに切り替えるか否かの判定を行う(ステップS314)。なお、図示しないがステップS312およびステップS314、ステップS315、ステップS316は、ステップS301とステップS302との間に設けてもよい。
【0165】
制御部44は、例えば、モード切替スイッチ65の切替信号を切替条件として判定を行う。制御部44は、モード切替スイッチ65で第1低消費モードが設定されている場合には、第1低消費モードへの切り替えを判定する。一方、制御部44は、モード切替スイッチ65で第2低消費モードが設定されている場合には、第2低消費モードへの切り替えを判定する。
【0166】
制御部44は、第1低消費モードへの切り替えを判定した場合、動作モードを通常モードから第1低消費モードに切り替える(ステップS315)。制御部44は、例えば、
図8に関して説明した処理を第1低消費モードで実行する。
【0167】
一方、制御部44は、第2低消費モードへの切り替えを判定した場合、動作モードを通常モードから第2低消費モードに切り替える(ステップS316)。第2低消費モードの処理フローは、第1低消費モードの処理フローと実質的に同じであるから、詳細な説明は省略する。
【0168】
このように、制御部44に第2低消費モードをさらに設ける。これにより、例えば、手乾燥装置100の待機状態の消費電力をより抑制することができる。また、第1低消費モードと第2低消費モードとを切り替え可能とすることで、手乾燥装置100の使い勝手をより高めることができる。
【0169】
上記実施形態では、モード切替スイッチ65からの切替信号を、第2低消費モードに切り替えるか否かの切替条件としている。切替条件は、これに限ることなく、切り替えの判定が可能な任意の条件でよい。
【0170】
例えば、照度計64で計測された照度が所定値未満の場合には、夜間など、使用頻度の低い時間帯であることが考えられる。そこで、ステップS314における判定において、照度計64の計測結果を切替条件とし、照度が所定値以上の場合には、第1低消費モードへの切り替えを判定し、照度が所定値未満の場合には、第2低消費モードへの切り替えを判定してもよい。
【0171】
例えば、タイマ66の時刻情報を切替条件とし、日中などの第1の時間帯(例えば7時から21時)においては第1低消費モードへの切り替えを判定し、夜間などの第2の時間帯(例えば21時から翌日の7時)においては第2低消費モードへの切り替えを判定してもよい。
【0172】
例えば、タイマ66の時刻情報を基に、手乾燥装置100の使用頻度をEEPROM60などの記憶部に記憶し、使用頻度の高い時間帯や使用頻度の低い時間帯を自動的に学習するようにしてもよい。例えば、手乾燥装置100の使用毎に、制御部44が、使用時刻を手乾燥装置100の使用頻度に関する使用頻度情報として記憶部に蓄積する。この使用頻度情報を基に、第2低消費モードへの切り替えを判定してもよい。すなわち、第2低消費モードに切り替えるか否かの判定を行った時刻が、使用頻度情報における使用頻度の高い時刻である場合には、第1低消費モードへの切り替えを判定し、使用頻度情報における使用頻度の低い時刻である場合には、第2低消費モードへの切り替えを判定してもよい。例えば、タイマ66の時刻情報に日付や曜日の情報を含め、日付や曜日毎に使用頻度の高い時間帯などを判別できるようにしてもよい。
【0173】
例えば、第1モード切替時間と、第1モード切替時間よりも長い第2モード切替時間と、を用意し、前回の使用から第1モード切替時間が経過した場合に、第1低消費モードを設定し、前回の使用から第2モード切替時間が経過した場合に、第2低消費モードを設定してもよい。
【0174】
また、低消費モードの数は、2つに限ることなく、オン時間、オフ時間、及びオンディレイ時間の設定がそれぞれ異なる3つ以上の低消費モードを設けてもよい。
【0175】
(第5の実施形態)
図14及び
図15は、第5の実施形態にかかる制御部の動作の一例を表すフローチャートである。
図14は、第1低消費モードの動作の変形例を表す。
図15は、第2低消費モードの動作の変形例を表す。このように、
図14及び
図15では、第1低消費モード及び第2低消費モードの動作の変形例を第5の実施形態として表す。
【0176】
図14に表したように、制御部44は、手検出部40による手の検出及び第2オンディレイ時間T
delay2の経過に応じてファンモータユニット22及びフィンヒータ26を駆動し、手検出信号のオン状態からオフ状態への変化に応じてファンモータユニット22及びフィンヒータ26の駆動を停止させた後、ファンモータユニット22が動作を開始してから停止するまでの動作時間が所定時間以上か否かの判定を行う(ステップS413)。なお、
図14において、ステップS401〜ステップS412は、
図8に関して説明したステップS201〜ステップS212と実質的に同じであるから、詳細な説明は省略する。
【0177】
制御部44は、例えば、ステップS408におけるファンモータユニット22の駆動開始とともに計時を開始し、ステップS412におけるファンモータユニット22の駆動停止とともに計時を停止し、計時した時間と予め決められた所定時間とを比較する。これにより、制御部44は、ファンモータユニット22の動作時間が所定時間以上か否かを判定する。
【0178】
制御部44は、所定時間以上であると判定した場合、動作モードを第1低消費モードから通常モードに戻し、通常モードの動作を再開する(ステップS414)。一方、制御部44は、所定時間未満であると判定した場合、ステップS401に戻り、第1低消費モードの動作を継続する。
【0179】
ファンモータユニット22の動作時間が所定時間未満である場合には、例えば、虫などが手挿入部14内に侵入した誤動作であることが考えられる。従って、ファンモータユニット22の動作時間が所定時間未満である場合には、第1低消費モードを継続する。これにより、例えば、誤動作によって通常モードに戻り、消費電力が高くなってしまうことを抑制することができる。
【0180】
ファンモータユニット22の動作時間を判定する所定時間は、例えば、2秒である。制御部44は、ファンモータユニット22の動作時間が2秒以上である場合に、通常モードに戻り、ファンモータユニット22の動作時間が2秒未満である場合に、第1低消費モードを継続する。
【0181】
図15に表したように、制御部44は、第2低消費モードにおいても第1低消費モードと同様に、ファンモータユニット22及びフィンヒータ26の駆動を停止させた後、ファンモータユニット22が動作を開始してから停止するまでの動作時間が所定時間以上か否かの判定を行う。そして、制御部44は、所定時間以上である場合には、動作モードを第2低消費モードから通常モードに戻し、所定時間未満である場合には、第2低消費モードの動作を継続する。これにより、第2低消費モードにおいても、誤動作に起因する消費電力の増加を抑制することができる。
【0182】
例えば、前回の使用から第1モード切替時間が経過した場合に、第1低消費モードを設定し、第2モード切替時間が経過した場合に、第2低消費モードを設定するなどといったように、通常モードから第1低消費モードに、そして第1低消費モードから第2低消費モードに段階的に変化させることが考えられる。このような場合には、例えば、ファンモータユニット22の動作時間が所定時間以上であると判定した際に、第2低消費モードから第1低消費モードに戻るようにしてもよい。
【0183】
(第6の実施形態)
図16は、第6の実施形態にかかる手乾燥装置を表す斜視図である。
図17は、第6の実施形態にかかる手乾燥装置を表す縦断面図である。
図16及び
図17に表したように、手乾燥装置200は、本体部202を備える。本体部202は、機能部204と、機能部204の下方に設けられた水受部206と、機能部204と水受部206との間に設けられた手挿入部208と、を有する。手乾燥装置200は、例えば、背面をトイレ室等の壁面に当接させた状態で、トイレ室などに設置される。
【0184】
手挿入部208は、使用者の手を挿入可能にした凹状である。この例において、手挿入部208は、前方及び左右方向に開口した溝状である。従って、手乾燥装置200では、前方から後方(壁側)に向かって手挿入部204に手を挿入する。
【0185】
図17に表したように、機能部204は、内部に空間を形成する第1ケース210と、第1ケース210内に設けられた内部ケース212と、内部ケース212内に設けられた送風機214(気体供給部)及びヒータ216と、を有する。
【0186】
また、第1ケース210の内部には、手検出部220と、制御部222とが内部ケース212の下方に設けられており、内部ケース212の下部にはノズル部材224が設けられている。さらに、ノズル部材224の内部に挿入されるようにして、温度センサ226が配置されている。
【0187】
送風機214は、内部に配置されるモータ230と、そのモータ230の出力軸に接続されるファン(図示せず)を有している。モータ230は電力が供給されることによって駆動する電動機であり、この電力の供給は制御部222によって制御される。また、モータ230は、その出力軸を介してファンを回転させることで、送風機入口232から空気を吸引して内部に取り込む。取り込んだ空気はモータ230側に流れ、その外側に開設された送風機出口234から外部に吹き出される。
【0188】
手検出部220は、手挿入部208内に使用者の手が挿入されたことを検知するためのセンサである。手検出部220は、例えば、手挿入部208内に赤外線を照射するとともに、使用者の手が手挿入部208内に挿入された場合に、その使用者の手で反射した赤外線を受信することで、使用者の手を検出する。手検出部220は、例えば、赤外線が反射した反射対象物の距離に応じて使用者の手を検出する測距センサである。手検出部は、使用者の手の挿入を検出すると、手検出信号を制御部222に送信する。
【0189】
ノズル部材224は、内部ケース212の下端の内部ケース出口212aに、それぞれの内部が連通するよう接続されている。ノズル部材224の下端部にはスリット状の吹き出し口224aが設けられるとともに、第1ケース210の下面から手挿入部208内に臨出している。また、ノズル部材224は、上端部から下端部にかけて、その内部の断面積が漸次小さくなるよう形成されている。このノズル部材224の内部には温度センサ226が外部から挿入されており、空気の温度を検出可能に構成されている。
【0190】
ヒータ216は、内部ケース出口212aの近傍に設けられ、内部ケース出口212aからノズル部材224内へと流入する空気が、その内部を通過できるよう構成されている。また、ヒータ216は、電力の供給を受けて発熱し、その内部を通過する空気を熱伝達によって加熱することができる。この電力の供給は制御部222によって制御されており、供給される電力が大きいほどヒータ216の出力も大きくなり、通過する空気も高温となる。
【0191】
水受部206は、樹脂材料で一体的に形成された第2ケース240と、第2ケース240の下方に配置される水受けトレー250とを備えている。第2ケース240は、壁面に沿って伸びる背板241と、背板241の下端から前方に延びる底板242とを有する。また、背板241と底板242の両側及び前方の端部には、連なるようにして前方又は上方に突出する側板243を有している。このように構成された第2ケース240と、第1ケース210の下面により、前面及び左右両側面が開放された手挿入部208が区画形成される。また、
図16に示すように、底板242には上下方向に貫通する排水孔260が設けられている。この排水孔260から下方に排出された水は、底板242の下方に配置される水受けトレー250内に貯留されるよう構成されている。
【0192】
手乾燥装置200に電力が供給されると、手検出部220は手挿入部208内に赤外線を照射し、使用者の手の挿入に待機する。そして、手挿入部208内に使用者の濡れた手が挿入され、手検出部220がそれを検出すると、手検出部220は制御部222に手検出信号を送信する。手検出信号を受信した制御部222は、モータ230及びヒータ216への電力供給を開始し、それらの駆動及び出力を開始させる。
【0193】
モータ230が駆動を開始すると、その出力軸に接続されているファン(図示せず)が回転を開始する。このファンの回転により、機能部204、水受部206の背面寄りの側面にそれぞれ設けられた第1吸込口261、第2吸込口262から、矢印Faのように空気が吸い込まれる。
【0194】
第1吸込口261と第2吸込口262から吸い込まれた空気は、それぞれ機能部204の背面と壁面とで形成される第1背面風路271と、水受部206の背面と壁面とで形成される第2背面風路272を、機能部204の背面下部に設けられるフィルタ部材280に向けて流れる。フィルタ部材280は、空気が通過可能なメッシュ状の部材であり、通過の際に空気中に含まれる異物を除去することが可能に構成されている。
【0195】
フィルタ部材280を壁面側から前方側に通過した空気は、矢印Fbのようにその流れの向きを上方向に変えて、下流に設けられる吸気ダクト281内に流入する。そして、空気は吸気ダクト281内を流れ、壁面W側に向けて開設された内部ケース入口212bから、矢印Fcのようにその流れの向きを前方へと変え、内部ケース212内に流入する。
【0196】
内部ケース212内には、送風機214がその送風機入口232を内部ケース入口212bに対向させて収容されている。内部ケース入口212bを通過し、送風機入口232から送風機214の内部に流入した空気は、モータ230の近傍に至る。電力供給を受けて駆動しているモータ230は、その巻線等においてジュール熱が生じているため、このモータ230の近傍を流れる空気が加熱され、昇温する。この昇温した空気は、矢印Fdのように送風機出口234から外部に吹き出される。
【0197】
送風機出口234から吹き出された空気は、送風機214と内部ケース212との間を流れ、下方の内部ケース出口212aに至る。上記のように、内部ケース出口212aの近傍にはヒータ216が配置されており、空気はヒータ216の内部を通過してさらに下方のノズル部材224の上端へと流れる。ヒータ216は電力の供給を受けて発熱していることから、通過する空気は熱伝達により加熱され、さらに昇温してノズル部材224内に流入する。この際に温度センサ226が検知する温度は、モータ230及びヒータ216で加熱され、ノズル部材224内に流入してくる空気の温度である。
【0198】
上記のように、ノズル部材224は、上端部から下端部にかけて、その内部の断面積が漸次小さくなるよう形成されている。したがって、ノズル部材224の上端部から内部に流入した空気は、加速しながらその下端部へと向かい、吹き出し口224aから矢印Feのように手挿入部208内に向けて吹き出す。手挿入部208内に挿入された使用者の濡れた手(図示せず)に付着した水滴は、吹き出し口224aから吹き出す空気によって吹き飛ばされる。これにより、手挿入部208内に挿入された使用者の濡れた手が乾燥される。
【0199】
図18は、第6の実施形態にかかる手乾燥装置を表す正面図である。
図18に表したように、手検出部220は、センサ部290と、方向変化部294と、を有する。センサ部290は、所定の検出方向において手挿入部208に挿入された手を検出する。方向変化部294は、センサ部290の検出方向を変化させる。
【0200】
センサ部290は、例えば、発光部291と受光部292とを有する。発光部291は、例えば、赤外光を検出光として照射する。発光部291は、例えば、機能部204から水受部206に向けて検出光を照射する。受光部292は、例えば、水受部206や使用者の手などで反射した検出光の反射光を受光し、その受光量に応じた電圧を出力する。
【0201】
センサ部290は、例えば、測距センサである。センサ部290は、例えば、受光部292から出力される電圧から三角測距方式や位相差測距方式などに基づいて反射した対象物までの距離を測定する。センサ部290は、例えば、発光部291から水受部206までの距離を基準とし、この基準の距離よりも反射対象物の距離が近づいた場合に、手挿入部14に手が挿入されたと検出する。センサ部290は、測距センサに限ることなく、例えば、焦電センサや超音波センサなど所定の検出方向において手を検出することができる任意のセンサなどでよい。
【0202】
方向変化部294は、例えば、センサ部290を移動させることによって、検出方向の向きを変化させる。方向変化部294は、例えば、前後方向を軸にセンサ部290を回動させることにより、手挿入部14の中央付近、右端付近、及び左端付近の3つの向きに検出方向を変化させる。
【0203】
このように、この例において、手検出部220は、検出方向を変化させることによって、複数の検出位置における手の検出を行う。方向変化部294は、センサ部290を移動させることによって検出方向の向きを変化させるものに限ることなく、例えば、検出光の進行方向を光学的に変化させることによって検出方向を変化させるものなどでもよい。
【0204】
センサ部290及び方向変化部294は、例えば、制御部222に接続されている。発光部291のオン状態及びオフ状態は、制御部222によって制御される。方向変化部294によるセンサ部290の検出方向の変化は、制御部222によって制御される。
【0205】
制御部222は、例えば、方向変化部294を制御し、センサ部290の検出方向を各検出位置に順次変化させる。そして、各検出位置において発光部291をオン状態にすることにより、各検出位置で手の検出を行う。このように、手検出部220においても、手の検出を行うタイミングは、複数の検出位置のそれぞれにおいて重ならない。
【0206】
また、手検出部220では、例えば、中央付近、右端付近、中央付近、左端付近の順に検出位置を変化させ、これを繰り返しながら各検出位置で手の検出を行うことにより、中央付近の検出位置における手の検出の頻度を、両側の検出位置の手の検出の頻度よりも高くすることができる。
【0207】
上記のように構成された手乾燥装置200において、通常モードと第1低消費モードとを設ける。これにより、上記各実施形態と同様に、待機状態における消費電力を抑制し、かつ使い勝手の低下を抑制することができる。
【0208】
また、手乾燥装置200においても、複数の検出位置のそれぞれにおける手の検出のタイミングは重ならない。これにより、例えば、各検出位置のそれぞれにおいて同時に手の検出を行う場合などに比べて、消費電力の増加を抑制することができる。さらには、消費電力の増加を抑制しつつ、各検出位置において適切に手を検出することができる。従って、待機状態における消費電力を抑制し、かつ使い勝手の低下を抑制することができる。
【0209】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、手乾燥装置10、100、200などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。