(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、下記順序にて詳細に説明する。
1.保護テープ
2.半導体装置の製造方法
3.実施例
【0013】
<1.保護テープ>
本実施の形態に係る保護テープは、接着剤層と、熱可塑性樹脂層と、基材フィルム層とをこの順で有し、保護テープを貼付する貼付温度における接着剤層の貯蔵剪断弾性率と熱可塑性樹脂層の貯蔵剪断弾性率との弾性率比が、0.01以下、好ましくは0.00001以上0.005以下である。これにより、接着剤層を残して他の層を除去する際、バンプ上の樹脂残りが抑制されるため、優れた接続性を得ることができる。これは、接着剤層が熱可塑性樹脂層に比して極めて変形又は流動が良好なため、保護テープの貼付時にバンプ上への接着剤の付着が抑制されるからであると考えられる。
【0014】
図1は、保護テープの概略を示す断面図である。保護テープ10は、バックグラインドテープ(Back Grind Tape)と呼ばれるものであり、グラインド処理工程において、傷、割れ、汚染などからウエハを保護するものである。
図1に示すように、保護テープ10は、接着剤層11と、熱可塑性樹脂層12と、基材フィルム層12とがこの順に積層されている。
【0015】
接着剤層11の60℃での貯蔵剪断弾性率は、1.0E+01Pa以上1.0E+05Pa以下であることが好ましい。接着剤層11の貯蔵剪断弾性率が小さすぎると、ウエハに貼り付けた際に樹脂が流れてしまい、貯蔵剪断弾性率が大きすぎると、バンプを貫通することができない。
【0016】
また、接着剤層11の厚みは、ウエハに形成された突起電極の高さの10%以上80%以下、好ましくは、30%以上60%以下である。接着剤層11の厚みが小さすぎると突起電極の補強の効果が得られず、厚みが大きすぎると突起電極が貫通しないことがある。
【0017】
接着剤層11の樹脂組成としては、特に限定されず、例えば、熱アニオン硬化型、熱カチオン硬化型、熱ラジカル硬化型などの熱硬化型、光カチオン硬化型、光ラジカル硬化型などの光硬化型、又はこれらを併用して略同一に用いる熱/光硬化型のものを用いることができる。
【0018】
ここでは、接着剤層11として、膜形成樹脂と、エポキシ樹脂と、硬化剤と、硬化助剤とを含有する熱硬化型の接着剤組成物について説明する。
【0019】
膜形成樹脂としては、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の種々の樹脂を用いることができる。これらの膜形成樹脂は、1種を単独で用いても、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、膜形成状態、接続信頼性等の観点からフェノキシ樹脂が好適に用いられる。
【0020】
エポキシ樹脂としては、例えば、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、スピロ環型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、テルペン型エポキシ樹脂、テトラブロムビスフェノールA型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、α−ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂などを挙げることができる。これらのエポキシ樹脂は、1種を単独で用いても、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、高接着性、耐熱性の点から、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂が好適に用いられる。
【0021】
硬化剤としては、例えば、ノボラック型フェノール樹脂、脂肪族アミン、芳香族アミン、酸無水物などが挙げられ、これらの硬化剤は、1種を単独で用いても、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、硬化物の架橋密度の観点から、ノボラック型フェノール樹脂が好適に用いられる。
【0022】
硬化促進剤としては、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾールなどのイミダゾ−ル類、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7塩(DBU塩)、2−(ジメチルアミノメチル)フェノールなどの第3級アミン類、トリフェニルホスフィンなどのホスフィン類、オクチル酸スズなどの金属化合物などが挙げられる。
【0023】
また、接着剤組成物には、その他の成分として、無機フィラー、シランカップリング剤、アクリルゴムなどのエラストマー、カーボンブラックなどの顔料を、目的に応じて適宜配合するようにしてもよい。
【0024】
熱可塑性樹脂層12としては、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA:Ethylene Vinyl Acetate)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、フッ素樹脂、ポリフェニレンサルファイド、ポリスチレン、ABS樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリフェニレンオキサイドなどを挙げられ、これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0025】
また、熱可塑性樹脂層12の60℃での貯蔵剪断弾性率は、1.0E+07Pa以下であることが好ましい。熱可塑性樹脂層12の60℃での貯蔵剪断弾性率を1.0E+07Pa以下とすることにより、接着剤層11のバンプの埋め込み性を向上させることができる。
【0026】
基材フィルム層13としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルなどのプラスチックフィルムや、紙、布、不織布等からなる多孔質基材を用いることができる。
【0027】
なお、保護テープは、前述の構成に限られることなく、各層の表面や隣接する層間に他の層を形成してもよい。
【0028】
このような保護テープによれば、ウエハへの貼付時にバンプ上への接着剤の付着を抑制することができるため、優れた接続性を得ることができる。また、バンプ間へ接着剤層が良好な状態で埋め込まれるため、接着剤層の硬化により突起電極を補強することができる。
【0029】
<2.半導体装置の製造方法>
次に、前述の保護テープを用いた半導体装置の製造方法について説明する。本実施の形態に係る半導体装置の製造方法は、突起電極が形成されたウエハ面に接着剤層を有する保護テープを貼付する保護テープ貼付工程と、保護テープ貼付面の反対面をグラインド処理するグラインド処理工程と、接着剤層を残して保護テープを剥離し、他の層を除去する剥離工程とを有し、保護テープが、接着剤層と、熱可塑性樹脂層と、基材フィルム層とをこの順で有し、保護テープを貼付する貼付温度における接着剤層の貯蔵剪断弾性率と前記熱可塑性樹脂層の貯蔵剪断弾性率との弾性率比が、0.01以下である。ここで、接着層を硬化させる硬化工程は、グラインド処理工程、粘着テープ貼付工程、又はダイシング処理工程のいずれかの工程前に行われればよい。
【0030】
以下、具体的な半導体装置の製造方法について説明する。具体例として示す半導体装置の製造方法は、前述の保護テープを用い、硬化工程が、粘着テープ貼付工程とダイシング処理工程との間に行われるものである。すなわち、具体例として示す半導体装置の製造方法は、接着剤層を有する保護テープを貼付する保護テープ貼付工程(A)と、グラインド工程(B)と、粘着テープ貼付工程(C)と、保護テープ剥離工程(D)と、接着剤層を硬化させる硬化工程(E)と、ダイシング処理工程(F)と、エキスパンド工程(G)と、ピックアップ工程(H)と、実装工程(I)とを有する。
【0031】
[(A)保護テープ貼付工程]
図2は、保護テープ貼付工程の概略を示す断面図である。保護テープ貼付工程では、突起電極22が形成されたウエハ21面に保護テープ10を貼り付ける。保護テープ10を貼り付ける貼付温度は、ボイドの減少、ウエハ密着性の向上およびウエハ研削後の反り防止の観点から、25℃以上100℃以下、好ましくは40℃以上80℃以下である。
【0032】
ウエハ21は、シリコンなどの半導体表面に形成された集積回路と、バンプと呼ばれる接続用の突起電極22とを有する。ウエハ21の厚みは、特に限定されないが、好ましくは200μm以上1000μm以下である。
【0033】
突起電極22としては、特に限定はされないが、例えば、はんだによる低融点バンプ又は高融点バンプ、錫バンプ、銀−錫バンプ、銀−錫−銅バンプ、金バンプ、銅バンプなどが挙げられる。また、突起電極22の高さは、特に制限はされないが、好ましくは10μm以上200μm以下である。
【0034】
保護テープ10は、突起電極22の形成面と接着剤層11とが接する状態で貼り合わされる。保護テープ10の接着剤層11の厚みは、突起電極22の高さの10%以上80%以下であるため、突起電極22は、接着剤層11を突き抜け、熱可塑性樹脂層13に埋め込まれる。
【0035】
[(B)グラインド工程]
図3は、グラインド工程の概略を示す断面図である。グラインド工程では、保護テープ10貼付面の反対面をグラインド処理する。保護テープ10を貼り付けたウエハ21の反対面を研削装置に固定して研磨する。研磨は通常、ウエハ21の厚みが50μm以上600μm以下になるまで行うが、本実施の形態では、接着剤層11により突起電極22が補強されるため、50μm以下の厚さにまで研磨してもよい。
【0036】
[(C)粘着テープ貼付工程]
図4は、粘着テープ貼付工程の概略を示す断面図である。粘着テープ貼付工程では、グラインド処理面に粘着テープ30を貼付する。粘着テープ30は、ダイシングテープ(Dicing Tape)と呼ばれるものであり、ダイシング工程(F)において、ウエハ21を保護、固定し、ピックアップ工程(H)まで保持するためのテープである。
【0037】
粘着テープ30としては、特に限定されず、公知のものを使用することができる。一般に、粘着テープ30は、粘着剤層31と、基材フィルム層32とを有する。粘着剤層31としては、例えば、ポリエチレン系、アクリル系、ゴム系、ウレタン系などの粘着剤が挙げられる。また、基材フィルム層32としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルなどのプラスチックフィルムや、紙、布、不織布等からなる多孔質基材を用いることができる。また、粘着テープの貼付装置及び条件としては、特に限定されず、公知の装置及び条件が用いられる。
【0038】
[(D)保護テープ剥離工程]
図5は、保護テープ剥離工程の概略を示す断面図である。保護テープ剥離工程では、接着剤層11を残して保護テープ10を剥離し、他の層を除去する。すなわち、熱可塑性樹脂層12及び基材フィルム層13が除去され、ウエハ21上には接着剤層11のみが残る。
【0039】
[(E)硬化工程]
図6は、硬化工程の概略を示す断面図である。硬化工程では、接着剤層11を硬化させる。硬化方法及び硬化条件としては、熱硬化型の接着剤を硬化させる公知の方法を用いることができる。
【0040】
[(F)ダイシング処理工程]
図7は、ダイシング処理工程の概略を示す断面図である。ダイシング処理工程では、粘着テープ30が貼付されたウエハ21をダイシング処理し、個片の半導体チップを得る。ダイシング方法としては、特に限定されず、例えばダイシングソーでウエハ21を切削して切り出すなどの公知の方法を用いることができる。
【0041】
[(G)エキスパンド工程]
図8は、エキスパンド工程の概略を示す断面図である。エキスパンド工程では、例えば分割された複数個の半導体チップが貼着されている粘着テープ30を放射方向に伸長させ、個々の半導体チップの間隔を広げる。
【0042】
[(H)ピックアップ工程]
図9は、ピックアップ工程の概略を示す断面図である。ピックアップ工程では、粘着テープ30上に貼着固定された半導体チップを、粘着テープ30の下面より突き上げて剥離させ、この剥離された半導体チップをコレットで吸着する。ピックアップされた半導体チップは、チップトレイに収納されるか、またはフリップチップボンダーのチップ搭載ノズルへと搬送される。
【0043】
[(I)実装工程]
図10は、実装工程の概略を示す断面図である。実装工程では、例えば半導体チップと回路基板とをNCF(Non Conductive Film)などの回路接続材料を用いて接続する。回路基板としては、特に限定されないが、ポリイミド基板、ガラスエポキシ基板などのプラスチック基板、セラミック基板などを用いることができる。また、接続方法としては、加熱ボンダー、リフロー炉などを用いる公知の方法を用いることができる。
【0044】
このような半導体装置の製造方法によれば、ダイシング処理工程前に突起電極が形成されたウエハ面の接着剤層が硬化して突起電極が補強されるため、ダイシング、ピックアップ、実装などの後工程において、突起電極の破損を低減させることができる。また、優れた接続信頼性を有する半導体装置を歩留り良く得ることができる。また、得られる半導体装置は、突起電極と突起電極形成面に形成された接着剤層とを有する半導体チップと、突起電極に対向する電極を有する回路基板とを備え、半導体チップの突起電極形成面に接着剤層11が形成されているため、優れた接続信頼性を得ることができる。
【実施例】
【0045】
<2.実施例>
以下、本発明の実施例について説明する。本実施例では、接着剤層と、熱可塑性樹脂層とを積層させた保護テープを作製した。保護テープを用いて、保護テープ貼付工程(A)と、グラインド工程(B)と、粘着テープ貼付工程(C)と、保護テープ剥離工程(D)と、硬化工程(E)と、ダイシング処理工程(F)と、エキスパンド工程(G)と、ピックアップ工程(H)と、実装工程(I)とを順次行い、半導体装置を作製した。そして、半導体装置のはんだ接合性、及びバンプ埋め込み性について評価した。なお、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0046】
[保護テープの作製]
表1に示すように、接着剤層A1〜A3を作製した。接着剤層A1は、膜形成樹脂13.0質量部と、エポキシ樹脂54.8質量部と、硬化剤32.4質量部と、硬化助剤0.3質量部とを配合して接着剤組成物を調製し、これを、乾燥後の厚みが30μmとなるように剥離処理されたPET(Polyethylene terephthalate)にバーコーターを用いて塗布し、オーブンで乾燥させて作製した。接着剤層A1の60℃での貯蔵剪断弾性率は、3.3E+03Paであった。
【0047】
接着剤層A2は、膜形成樹脂13.0質量部と、エポキシ樹脂54.8質量部と、硬化剤32.4質量部と、硬化助剤0.3質量部と、フィラー25.0質量部とを配合して接着剤組成物を調製し、これを、乾燥後の厚みが30μmとなるように剥離処理されたPET(Polyethylene terephthalate)にバーコーターを用いて塗布し、オーブンで乾燥させて作製した。接着剤層A2の60℃での貯蔵剪断弾性率は、3.4E+04Paであった。
【0048】
接着剤層A3は、膜形成樹脂2.0質量部と、エポキシ樹脂54.8質量部と、硬化剤32.4質量部と、硬化助剤0.3質量部とを配合して接着剤組成物を調製し、これを、乾燥後の厚みが30μmとなるように剥離処理されたPET(Polyethylene terephthalate)にバーコーターを用いて塗布し、オーブンで乾燥させて作製した。接着剤層A3の60℃での貯蔵剪断弾性率は、3.6E+01Paであった。
【0049】
【表1】
【0050】
膜形成樹脂:フェノキシ樹脂(PKHH、ユニオンカーバイド(株))
エポキシ樹脂:ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(HP7200H、DIC(株))
硬化剤:ノボラック型フェノール樹脂(TD−2093、DIC(株))
硬化助剤:2−エチル−4−メチルイミダゾール(2E4MZ)
フィラー:シリカ(アエロジルRY200、日本アエロジル(株))
【0051】
また、熱可塑性樹脂層B1〜B3を次のように作製した。PET基材(厚み75μm)に下記熱可塑性樹脂を乾燥後の厚みが500μmとなるように押し出し溶融成形した。熱可塑性樹脂層B1の60℃での貯蔵剪断弾性率は1.2E+06Pa、熱可塑性樹脂層B2の60℃での貯蔵剪断弾性率は1.4E+05Pa、熱可塑性樹脂層B3の60℃での貯蔵剪断弾性率は1.7E+07Paであった。
【0052】
熱可塑性樹脂層B1:プロピレン・オレフィン共重合体樹脂(Notio PN0040、三井化学(株))
熱可塑性樹脂層B2:α−オレフィン共重合体(TAFMER P0275、三井化学(株))
熱可塑性樹脂層B3:直鎖状低密度ポリエチレン(ノバテック UF943、日本ポリエチレン(株))
【0053】
そして、接着剤層A1〜A3と熱可塑性樹脂層B1〜B3とそれぞれ選択してラミネートし、保護テープを作製した。
【0054】
60℃における貯蔵剪断弾性率G’は、粘弾性測定装置を用いて算出した。測定条件は、測定温度域0〜120℃、昇温速度5℃/分、振動数1Hz、歪み0.1%に設定した。
【0055】
[半導体装置の作製]
保護テープの接着剤層面を、はんだバンプ(φ=250μm、H=200μm、ピッチ=250μm)が形成されたウエハ(サイズ:5cm×5cm×725μmt)に貼り付け、真空式ラミネータを用いて60℃の温度でラミネートした。
【0056】
次に、DISCO製DFG8560にてウエハの厚みを300μmまでバックグラインド処理した。その後、接着剤層を残して保護テープを剥離し、他の層を除去し、ウエハ上の接着剤層を130℃のオーブンで2時間硬化させた。そして、ウエハをダインシングし、チップに個片化した後、マウンターにて基板(フラックス付金電極)に搭載し、最大260℃のリフロー炉にてチップと基板とをはんだ接合させた。
【0057】
[はんだ接合性の評価]
基板の金電極上にフラックスを塗布し、最大260℃のリフロー温度ではんだ接合した際に、はんだが濡れ広がった面積を計測し、バンプサイズの面積を100%として算出した。
【0058】
[バンプ埋め込み性の評価]
マイクロスコープ(100倍)による観察を行い、接着剤層のバンプ間に空隙のないものを「○」、空隙があるものを「△」とした。なお、バンプ埋め込み性の評価は、はんだ接続性の評価が80%以上のサンプルのみ行った。
【0059】
<実施例1>
表2に示すように接着剤層A1と熱可塑性樹脂層B1とをラミネートし、接着剤層と熱可塑性樹脂層との弾性率比が2.8E−03である保護テープを作製した。この保護テープを用い、前述の方法で半導体装置を作製したところ、はんだ接合性は105%、バンプ埋め込み性の評価は○であった。
【0060】
<実施例2>
表2に示すように接着剤層A2と熱可塑性樹脂層B3とをラミネートし、接着剤層と熱可塑性樹脂層との弾性率比が2.1E−03である保護テープを作製した。この保護テープを用い、前述の方法で半導体装置を作製したところ、はんだ接合性の評価は85%、バンプ埋め込み性の評価は△であった。
【0061】
<実施例3>
表2に示すように接着剤層A3と熱可塑性樹脂層B1とをラミネートし、接着剤層と熱可塑性樹脂層との弾性率比が3.0E−05である保護テープを作製した。この保護テープを用い、前述の方法で半導体装置を作製したところ、はんだ接合性の評価は110%、バンプ埋め込み性の評価は○であった。
【0062】
<比較例1>
表2に示すように接着剤層A1と熱可塑性樹脂層B2とをラミネートし、接着剤層と熱可塑性樹脂層との弾性率比が2.4E−02である保護テープを作製した。この保護テープを用い、前述の方法で半導体装置を作製したところ、はんだ接合性の評価は12%であった。
【0063】
<比較例2>
表2に示すように接着剤層A2と熱可塑性樹脂層B1とをラミネートし、接着剤層と熱可塑性樹脂層との弾性率比が3.0E−02である保護テープを作製した。この保護テープを用い、前述の方法で半導体装置を作製したところ、はんだ接合性の評価は3%であった。
【0064】
【表2】
【0065】
比較例1,2のように60℃での弾性率比(A/B)が0.01を超える場合、良好なはんだ接合性が得られなかった。一方、実施例1〜3のように60℃での弾性率比(A/B)が0.01以下の場合、良好なはんだ接合性が得られた。また、実施例1,3のように熱可塑性樹脂層の60℃での貯蔵剪断弾性率を1.0E+07Pa以下とすることにより、良好なバンプの埋め込み性が得られることが分かった。