(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
収穫した玉ねぎは、玉ねぎ本体部分に、上部側に長い葉と下部側に多数本の根がそれぞれ連続していて、出荷時には葉及び根を切除する必要があるが、従来では、玉ねぎの葉及び根の切除作業は一般に1個ずつハサミによる手作業で行っているのが現状である。
【0003】
ところで、玉ねぎの出荷時期には、短期間のうちに大量の玉ねぎの葉・根切除作業を行う必要があり、上記したハサミ(手作業)による葉・根切除作業では、作業能率が非常に悪いとともにその切除作業を長時間継続することは非常に疲れる作業となる。
【0004】
そこで、本件出願人は、葉・根付き玉ねぎ類を機体の投入部に投入するだけで、玉ねぎの葉と根を自動的(機械的)に切断し得るようにした「玉ねぎ類の葉・根連続除去機」を特願2013−263629号(特許文献1)で既に提案している。
【0005】
この既出願(特願2013−263629号)の玉ねぎ類の葉・根連続除去機には、本願の実施例である
図1〜
図7に示すものとほぼ同構造の各種装置類を用いているが、この既出願の玉ねぎ類の葉・根連続除去機の主要構成の概略を以下に説明する。
【0006】
この既出願(特願2013−263629号)の玉ねぎ類の葉・根連続除去機は、前部に葉・根付き玉ねぎ類を投入する投入部と後部に葉・根除去玉ねぎ類を排出する排出部を有した前後に長い本体ケースを有し、該本体ケース内に、葉・根付き玉ねぎ類の葉を切除する葉切除ユニットと、該葉切除ユニットで葉を切除した葉除去・根付き玉ねぎ類から根を切除する根切除ユニットと、葉切除ユニットと根切除ユニット間にあって葉除去・根付き玉ねぎ類を根が下向きとなる姿勢で根切除ユニット側に移乗させる上下反転装置とを設けている。
【0007】
上記葉切除ユニットは、2本の移送ロールを上面側が相互に内向きに回転するように駆動することで葉・根付き玉ねぎ類を葉が下向きとなる姿勢で後送させるようにした葉・根付き玉ねぎ類移送装置と、該移送装置の後端部において下向きに垂下している葉(茎)の付け根部分を切断する葉切断装置とを有し、さらに該移送装置の終端部近傍には葉・根付き玉ねぎ類を葉切断装置側に送り出すための送り出し装置を設けている。尚、葉切除ユニットの後端部付近には、葉切断装置の駆動装置(モータ、動力伝達部材等)や送り出し装置の駆動装置(モータ、動力伝達部材等)が配置されている。
【0008】
上記上下反転装置は、葉切断装置から根が上向き姿勢で排出される葉除去・根付き玉ねぎ類を根が下向きとなる上下反転姿勢にして根切除ユニット側に排出するためのものである。
【0009】
上記根切除ユニットは、2本の移送ロールを上面側が相互に内向きに回転するように駆動することで葉除去・根付き玉ねぎ類を根が下向きとなる姿勢で後送させるようにした葉除去・根付き玉ねぎ類移送装置と、該移送装置の後端部において下向きに垂下している根の付け根部分を切断する根切断装置とを有し、さらに該移送装置の終端部近傍には葉除去・根付き玉ねぎ類を根切断装置側に送り出すための送り出し装置を設けている。尚、根切除ユニットの前端部付近には、両移送ロールの駆動装置(モータ、動力伝達部材等)が配置されている。
【0010】
そして、この既出願の玉ねぎ類の葉・根連続除去機は、本体ケースの前部にある投入部に葉・根付き玉ねぎ類を投入するだけで、以下、自動的に玉ねぎ本体部分から葉と根を自動で除去できるようになっている。即ち、本体ケースの前部にある投入部に葉・根付き玉ねぎ類を投入すると、葉切除ユニットの移送装置(両移送ロール)により葉・根付き玉ねぎ類をその葉が下向きとなる姿勢で後送し、該移送装置(両移送ロール)の終端部において葉切除ユニットの送り出し装置で葉・根付き玉ねぎ類を保持して該玉ねぎ類を葉切断装置上に送り出し、該葉切断装置で葉・根付き玉ねぎ類の葉をその付け根部分で切除し、その葉除去・根付き玉ねぎ類を上下反転装置で根が下向きとなる姿勢で根切除ユニットの移送装置(両移送ロール)上に排出し、その根付き玉ねぎ類を根切除ユニットの移送装置により根を下向きにした姿勢で後送し、該移送装置の終端部において根切除ユニットの送り出し装置で葉除去・根付き玉ねぎ類を保持して該玉ねぎ類を根切断装置上に送り出し、該根切断装置で根付き玉ねぎ類の根をその付け根部分で切除した後、本体ケースの後部にある排出部から葉・根除去玉ねぎ類を排出させ得るようになっている。
【0011】
ところで、上記既出願の玉ねぎ類の葉・根連続除去機では、本体ケース内に、上記葉切除ユニットに関連する各種装置及び部材(移送装置となる両移送ロールとその駆動装置、送り出し装置、葉切断装置となる両円盤刃物とその駆動装置等)と、上記上下反転装置に関連する各種部材と、上記根切除ユニットに関連する各種装置及び部材(移送装置となる両移送ロールとその駆動装置、送り出し装置、根切断装置となる両円盤刃物とその駆動装置等)とが密集状態で配置されている。特に、前側の葉切除ユニットの後端部付近や後側の根切除ユニットの前端部付近には、移送ロールの軸受構造や、該移送ロールの駆動装置部分や、葉切除ユニットの送り出し装置部分が集約して配置されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ところで、上記特許文献1に係る既出願の「玉ねぎ類の葉・根連続除去機」は、1台で葉・根付き玉ねぎ類から葉及び根を自動で且つ連続して除去し得るものであるが、そのため(葉・根付き玉ねぎ類から葉及び根を連続して除去するため)には、本体ケース内に必要とする各種機能を行うための各種装置及び部材を集約して配置する必要がある。
【0014】
そして、このように一体化された本体ケース内に各種装置及び部材を集約して配置するものでは、それらの各装置及び部材を本体ケース内の狭い場所(障害物が多い場所)で組付ける必要があるので、その製作時の組付作業(駆動系の調整も含む)が面倒であるとともに、本体ケースが一体化されているので、後日行われる各種のメンテナンス作業も非常に面倒となる(狭い場所に工具を差し込んだり、手が入らない場所でのメンテナンス作業等が困難になる)という問題があった。
【0015】
そこで、本願発明は、葉・根付き玉ねぎ類を投入部から落とし込むだけで、後は自動的に玉ねぎ類の葉と根を順次きれいに且つ確実に切除し得るようにした玉ねぎ類の葉・根連続切除機において、製作時の組立作業やメンテナンス作業等を容易に行えるようにすることを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本願発明は、上記課題を解決するための手段として次の構成を有している。尚、本願発明は、玉ねぎ類の葉・根連続切除機を対象としたものであるが、本願発明において処理のの対象となる玉ねぎ類とは、玉ねぎ自体のほかに、ラッキョウ、ニンニク、ユリ根、球根等を含むものである。
【0017】
[本願発明の構成]
本願発明は、葉及び根の付いた葉・根付き玉ねぎ類の葉及び根を順次連続して切除するための玉ねぎ類の葉・根連続切除機を対象としている。尚、以下の説明では、本願発明の名称である「玉ねぎ類の葉・根連続切除機」を簡略化して「葉・根連続切除機」ということがある。
【0018】
そして、本願発明の葉・根連続切除機は、本体ケースを前側ケースと後側ケースとに分割し、上記前側ケース内に葉・根付き玉ねぎ類の葉を切除する葉切除ユニットを一体に組付けて葉切除用ブロック体としている一方、上記後側ケース内に葉除去・根付き玉ねぎ類の根を切除する根切除ユニットを一体に組付けて根切除用ブロック体としているとともに、上記前側ケースの後端部の一側縁と上記後側ケースの前端部の一側縁とをヒンジ部で連結して、平面視において上記ヒンジ部を中心にして上記葉切除用ブロック体の後面と上記根切除用ブロック体の前面とが、相互に接合する接合状態と相互に所定角度まで開放する開放状態との間で枢動開閉し得るようにしていることを特徴としている。
【0019】
尚、前側ケースの後端部と後側ケースの前端部におけるヒンジ結合部の対向位置には、前後両ケースの対向面を接合させた状態で枢動開放不能にするためのロック手段を設けておくとよい。
【0020】
本願発明の葉・根連続切除機における各種構成(前側ケース、葉切除ユニット、葉切除用ブロック体、後側ケース、根切除ユニット、根切除用ブロック体等)の詳細については、後述する実施例の項で詳しく説明するが、ここではそれらの各種構成の概要を説明しておく。
【0021】
(a)前側ケース
この前側ケースは、内部に葉切除ユニットを設置するためのもので、前部位置に葉・根付き玉ねぎ類を投入するための投入部を設けている。尚、この前側ケースには、複数本(例えば3〜4本)の支持脚が取付けられる。
【0022】
(b)葉切除ユニット
この葉切除ユニットは、上記投入部から投入された葉・根付き玉ねぎ類を、その葉が下向きとなる姿勢で後送する葉・根付き玉ねぎ類移送装置と、該移送装置の終端部付近において葉・根付き玉ねぎ類の葉の付け根部分を切断するための葉切断装置とを備えている。
【0023】
(c)葉切除用ブロック体
この葉切除用ブロック体は、上記前側ケース内に上記葉切除ユニットを一体に組付けたものである。尚、この葉切除用ブロック体の後端付近には、葉切断装置(両円盤刃物と、その駆動装置とを有している)や、両円盤刃物の上方に実施例の項で説明する送り出し装置等が配置されている。
【0024】
(d)後側ケース
この後側ケースは、内部に根切除ユニットを設置するためのもので、後部位置に葉・根除去玉ねぎ類を排出するための排出部を設けている。尚、この後側ケースには、少数本(1本又は多くても2本)の支持脚が取付けられる。尚、後側ケース側の支持脚は、キャスター付きのものが好ましい。
【0025】
(e)根切除ユニット
この根切除ユニットは、上記葉切除ユニットで葉を切除した葉除去・根付き玉ねぎ類を、その根が下向きとなる姿勢で後送する葉除去・根付き玉ねぎ類移送装置と、該移送装置の終端部付近において葉除去・根付き玉ねぎ類の根の付け根部分を切断するための根切断装置とを備えている。
【0026】
(f)根切除用ブロック体
この根切除用ブロック体は、上記後側ケース内に上記根切除ユニットを一体に組付けたものである。尚、この根切除用ブロック体の前端付近には、葉除去・根付き玉ねぎ類移送装置の両移送ロールを回転させるための駆動装置が配置されている。
【0027】
他方、本願発明の葉・根連続除去機は、前側ケースの後端部の一側縁と後側ケースの前端部の一側縁とをヒンジ部で枢支していて、前側に位置する葉切除用ブロック体と後側に位置する根切除用ブロック体とを平面視において相互に枢動開閉し得るようになっている。尚、葉切除用ブロック体の後面と根切除用ブロック体の前面との最大開放角度は、特に限定するものではないが、角度45°〜120°程度の範囲で適宜に設定できる。
【0028】
そして、この葉・根連続除去機を玉ねぎ類の葉・根除去作業に供するときには、前側に位置する葉切除用ブロック体の後面と後側に位置する根切除用ブロック体の前面とが相互に接合する接合状態にするが、この接合状態では葉切除用ブロック体の葉切除ユニットと根切除用ブロック体の根切除ユニットとが一列状態で連続することで、前側ケースの投入部から葉・根付き玉ねぎ類を投入するだけで、該根付き玉ねぎ類に対して葉切除ユニットによる葉の切除と根切除ユニットによる根の切除とを連続して行える。
【0029】
又、製造時の組付作業時やメンテナンス作業時には、葉切除用ブロック体の後面と根切除用ブロック体の前面とが相互に所定角度まで開放する開放状態にするが、この開放状態では葉切除用ブロック体の後面と根切除用ブロック体の前面との間に大きな作業用空間(作業員が入れる空間)ができる。
【0030】
尚、上記メンテナンス作業としては、各種部材の取り替えや、駆動系の調整や、掃除等が含まれる。
【発明の効果】
【0031】
本願発明の葉・根連続切除機は、次のような効果がある。
【0032】
まず、前側ケース内に葉切除ユニットを一体に組付けた葉切除用ブロック体と、後側ケース内に根切除ユニットを一体に組付けた根切除用ブロック体とを有しているので、1台の切断機で葉・根付き玉ねぎ類から葉と根を自動で切除することができるという効果がある。
【0033】
又、本願発明の葉・根連続切除機では、前側に位置する葉切除用ブロック体の後面と後側に位置する根切除用ブロック体の前面とが、ヒンジ部を中心にして枢動開閉し得るようになっているので、製造時の組付作業時やメンテナンス作業時には、葉切除用ブロック体(前側ケース)の後面と根切除用ブロック体(後側ケース)の前面との間を大きく開放させることで(その間に大きな作業用空間ができる)、上記組付作業やメンテナンス作業が容易に行えるという効果がある。
【発明を実施するための形態】
【0035】
[実施例]
以下、
図1〜
図8を参照して本願実施例の玉ねぎ類の葉・根連続切除機を説明する。尚、本願実施例の説明でも、本願の名称である「玉ねぎ類の葉・根連続切除機」を簡略化して「葉・根連続切除機」ということがあるとともに、本願で処理の対象となる玉ねぎ類とは、玉ねぎ自体のほかに、ラッキョウ、ニンニク、ユリ根、球根等を含むものである。
【0036】
本願で処理の対象となる玉ねぎ類は、収穫したままの形態であって、
図1〜
図3に示すように玉ねぎ本体(実の部分)Taの上部に葉Tbと下部に根Tcがそれぞれ連続している葉・根付き玉ねぎ類Tである。
【0037】
まず、この実施例の葉・根連続切除機の基本構成の概略を説明すると、この葉・根連続除去機は、
図1及び
図2に示すように、前後にかなりの長さを有した本体ケース1を前側ケース1Aと後側ケース1Bとに分割し、前側ケース1A内に葉・根付き玉ねぎ類Tの葉Tbを切除する葉切除ユニット2を一体に組付けて葉切除用ブロック体2Aとしている一方、後側ケース1B内に葉除去・根付き玉ねぎ類T1の根Tcを切除する根切除ユニット3を一体に組付けて根切除用ブロック体3Aとしている。
【0038】
葉切除用ブロック体2Aの後部位置には、葉切除ユニット2で葉Tbを切除した葉除去・根付き玉ねぎ類T1を根切除ユニット3側に上下反転姿勢で排出するための上下反転装置4(後で詳述する)を設けている。
【0039】
尚、この実施例では、本体ケース1内に葉切除ユニット2と上下反転装置4と根切除ユニット3とを1セットだけ設けているが、他の実施例では、単一の本体ケース1内に該葉切除ユニット2と上下反転装置4と根切除ユニット3とを2セット並列させたものでもよい。その場合は、前側ケース1A内に葉切除ユニット2と上下反転装置4を2セット並列させる一方、後側ケース1B内に根切除ユニット3を2セット並列させる。
【0040】
又、この実施例の葉・根連続除去機では、上記前側ケース1Aの後端部の一側縁と上記後側ケース1Bの前端部の一側縁とをヒンジ部9で連結して、平面視において上記ヒンジ部9を中心にして前側に位置する上記葉切除用ブロック体2Aの後面と後側に位置する上記根切除用ブロック体3Aの前面とが、相互に接合する接合状態(
図1の状態)と相互に所定角度まで開放する開放状態(
図8の状態)との間で枢動開閉し得るように構成している。
【0041】
葉切除用ブロック体2Aと根切除用ブロック体3Aとの枢動開閉角度は、特に限定するものではないが、最大開放角度が120°程度で、実質的な開放角度としては例えば
図8に示すように角度90°程度あればよい。尚、その場合でも、例えば角度45°程度の開放角度でも作業をすることができる。
【0042】
本体ケース1の前側ケース1Aと後側ケース1Bは、
図1及び
図2においてそれぞれ2点鎖線で四角囲いしたものである。そして、前側ケース1Aの前部には葉・根付き玉ねぎ類Tを投入するための投入部(投入シュート)11を設けている一方、後側ケース1Bの後部には、葉Tbと根Tcを切除した葉・根除去玉ねぎ類T2を排出するための排出部(排出シュート)12を設けている。
【0043】
前側ケース1A内に設けている葉切除ユニット2は、2本の移送ロール22,22を1組として葉・根付き玉ねぎ類Tの葉Tbを下向きに垂下させた姿勢で後送させ得るようにした葉・根付き玉ねぎ類移送装置21と、該葉・根付き玉ねぎ類移送装置21の終端部近傍位置において葉・根付き玉ねぎ類Tの葉Tbの付け根部分を切断する葉切断装置25とを備えている。
【0044】
葉・根付き玉ねぎ類移送装置21の両移送ロール22,22は、
図2及び
図3に示すように、モータ23及び動力伝達部材(プーリとベルト、又はスプロケットとチエン等)24からなる動力装置で、各ロール上面側が相互に内側に向けて回転されるように設定している。
【0045】
葉・根付き玉ねぎ類移送装置21の各移送ロール22,22は、回転胴22aの外周に玉ねぎ類を後送させる機能を持つコイル状の螺旋部22bを設けたものである。尚、この実施例では、回転胴22aの外周面に対して螺旋部22bを1条だけしか巻付けていないが、他の実施例では該回転胴22aの外周面に複数条(2〜3条)の螺旋部22bを巻付けたものでもよい。
【0046】
葉・根付き玉ねぎ類移送装置21の各移送ロール22,22は、
図1に示すように、螺旋部22bを右回転方向に進行するように螺旋巻付けしたものと、逆に螺旋部22bを左回転方向に進行するように螺旋巻付けしたものとを有している。
【0047】
葉・根付き玉ねぎ類移送装置21の各移送ロール22,22の太さは、玉ねぎを対象とするものでは10cm〜12cm程度のものが好適であるが、例えばラッキョウのような小形のものを対象とするものでは、該移送ロール22の直径を3cm〜4cm程度としたものが好適である。又、該各移送ロール22,22の長さは、玉ねぎ用のものであれば100〜120cm程度が適当である。尚、この移送ロール22の太さ及び長さは、それぞれ特に限定するものではない。
【0048】
この葉・根付き玉ねぎ類移送装置21の各移送ロール22,22は、
図1及び
図3に示すように、本体ケース1内における投入部11の直下位置から後方に向けて左右に近接(又は接触状態で)配置している。
【0049】
該両移送ロール22,22の上部側左右位置には、各移送ロール22,22の外周寄り上面に向かって下降傾斜する左右のガイド板13,13が設けられている(
図3参照)。尚、この各ガイド板13,13は、前側ケース1Aの上面部を構成するものであって葉・根付き玉ねぎ類Tが左右外側に脱落するのを防止するものである。
【0050】
そして、この葉・根付き玉ねぎ類移送装置21は、投入部11から葉・根付き玉ねぎ類Tを投入すると、該玉ねぎ類Tが両移送ロール22,22の始端部上に落下した後、両移送ロール22,22間の上面側谷部において前後に向く横倒し姿勢で転動し、そのとき両移送ロール22,22が相互に内向きに回転していることにより玉ねぎ類Tの葉Tbが両移送ロール22,22により下方に引き込まれ、且つ該葉・根付き玉ねぎ類Tが葉Tbを下向きに垂下させた姿勢で後送されるようになる。
【0051】
葉・根付き玉ねぎ類移送装置21の終端部近傍位置には、該葉・根付き玉ねぎ類移送装置21により葉Tbを下向きに垂下させた姿勢で後送されてくる葉・根付き玉ねぎ類Tにおける葉Tbの付け根部分を切断するための葉切断装置25が設けられている。
【0052】
この葉切断装置25は、
図1及び
図2に示すように、左右一対の円盤刃物26,26を葉・根付き玉ねぎ類移送装置21の終端部近傍位置における玉ねぎ類Tの葉Tbの付け根部分を切断し得る高さにセットし、該両円盤刃物26,26を
図4に示すようにモータ27及び動力伝達部材(プーリとベルト、又はスプロケットとチエン等)28からなる動力装置で回転せしめるようにしたものである。尚、この両円盤刃物26,26は、適宜の高速(限定するものではないが、例えば毎分800回転程度)で回転せしめられる。
【0053】
そして、この葉切断装置25は、葉・根付き玉ねぎ類移送装置21の終端部から葉Tbを下向きにした葉・根付き玉ねぎ類Tが排出されると、該玉ねぎ類Tの葉Tbの付け根部分を両円盤刃物26,26で切断するようになっている。尚、円盤刃物26,26で切断された葉Tbは、
図2に符号Tb′で示すように葉受シュート15に案内されて、その下方に配置している葉受容器16内に貯留される。
【0054】
葉切断装置25で葉Tbを切除された玉ねぎ類は、葉除去・根付き玉ねぎ類T1となるが、この状態では、葉の付け根部分が切断されたあとに小突出状態の葉付け根残部Td(
図4、
図5参照)が残っている。この小突出状態の葉付け根残部Tdは、後述する上下反転装置4となる衝合材41に衝合して、葉除去・根付き玉ねぎ類T1を上下に反転させる機能を発生させるものである。
【0055】
各円盤刃物26,26の上面には、上面が略球面状で小厚さの載せ台29,29が取付けられている。この両載せ台29,29間には、玉ねぎ類Tの葉Tbの付け根部分を後方に通過させ得る間隔を設けている。尚、この両載せ台29,29は、両円盤刃物26,26で葉Tbの付け根部分を切断した後の葉除去・根付き玉ねぎ類T1を安定した逆立姿勢で円盤刃物上を通過させ得るようにするためのものである。
【0056】
葉切断装置25の両円盤刃物26,26の上面側直近位置には、葉・根付き玉ねぎ類移送装置21の終端部から排出される葉・根付き玉ねぎ類Tの玉ねぎ本体Taを左右から弾性的に挟持して、両円盤刃物26,26で葉Tbを切除した葉除去・根付き玉ねぎ類T1を後方側に送り出すための送り出し装置5を設けている。
【0057】
この送り出し装置5は、
図4に拡大図示するように、左右一対の縦向き軸51,51の下端部にそれぞれ弾性ロール52,52を取付けているとともに、該各弾性ロール52,52をモータ53及び動力伝達部材(プーリとベルト、又はスプロケットとチエン等)54からなる動力装置で対向面が前側から後側に移動するように回転せしめるようにしたものである。尚、両弾性ロール52,52の回転スピードは、特に限定するものではないが、毎分40〜100回転の範囲で設定することができる。
【0058】
両弾性ロール52,52には、半径方向に圧縮・復帰する柔軟なスポンジ製のものが採用されている。この両弾性ロール52,52の対向部分の間隔は、玉ねぎの直径よりかなり小さくなるように設定されている(例えば、両弾性ロールの対向面が、ほぼ接触する状態まで近接させたものでもよいし、2〜3cm程度の間隔を持たせたものでもよい)。尚、この弾性ロール52は、スポンジロールに代えてブラシロールを使用することもできる。
【0059】
そして、この送り出し装置5は、
図4に示すように、両弾性ロール52,52間に玉ねぎ本体Ta部分が侵入すると、該弾性ロール52,52の対向面が符号52a,52aで示すように玉ねぎ本体Taの外形に沿って凹むとともに、該両弾性ロール52,52の対向面(凹み52a,52a部分)によって玉ねぎ本体Taを左右両側から弾性的に挟持しながら葉除去・根付き玉ねぎ類T1を後方に送り出すように機能する。尚、この両弾性ロール52,52の前後設置位置及び間隔は、それぞれ調整可能にすることがてきる。
【0060】
そして、この実施例の葉・根連続除去機における上記葉切除用ブロック体2Aは、上記前側ケース1A内に、葉・根付き玉ねぎ類移送装置21及び葉切断装置25を有した葉切除ユニット2と、上記送り出し装置5と、後述する上下反転装置4とを一体に組付けて構成されている。
【0061】
後側ケース1B内に設けている上記根切除ユニット3は、上記葉切断装置25(両円盤刃物26,26)の後側近傍位置に連続して設置されるもので、2本の移送ロール32,32を1組として葉除去・根付き玉ねぎ類T1を後送させるための葉除去・根付き玉ねぎ類移送装置31と、該葉除去・根付き玉ねぎ類移送装置31の終端部近傍位置において葉除去・根付き玉ねぎ類T1の根Tcの付け根部分を切断する根切断装置35とを備えている。
【0062】
葉除去・根付き玉ねぎ類移送装置31の各移送ロール32,32には、上記葉・根付き玉ねぎ類移送装置21側の各移送ロール22,22より細く且つ短いものが採用されている。例えば、該葉除去・根付き玉ねぎ類移送装置31の移送ロール32の太さ及び長さは、特に限定するものではないが、太さが7〜8cm、長さが30〜35cm程度のものを採用できる。
【0063】
葉除去・根付き玉ねぎ類移送装置31の各移送ロール32,32は、
図5及び
図6に示すように、回転軸32aの外周に玉ねぎ類を後送させる機能を持つコイル状の螺旋部32bと、葉除去・根付き玉ねぎ類T1の根Tcを下方に延ばすための螺旋状に配置したブラシ部32cを設けている。
【0064】
この実施例では、葉除去・根付き玉ねぎ類移送装置31の各移送ロール32,32として、
図5及び
図6に示すように、該移送ロール32の径方向を2分割して2つの半割りロール32A,32Aとし、該両半割りロール32A,32Aを回転軸32aの外側で円柱状に合体させたものを使用している。このように、移送ロール32として2つの半割りロール32A,32Aを合体させたものを使用していると、該移送ロール32部分のメンテナンス時に、その回転軸32aを機体(後側ケース1B)に残したまま両半割りロール32A,32Aを分解できるので、該移送ロール32部分のメンテナンス作業が容易となる。
【0065】
葉除去・根付き玉ねぎ類移送装置31の両移送ロール32,32は、
図6に示すように、モータ33及び動力伝達部材(プーリとベルト、又はスプロケットとチエン等)34からなる動力装置で、各ロール上面側が相互に内側に向けて回転されるように設定している。そして、両移送ロール32,32間の上面側谷部に葉除去・根付き玉ねぎ類T1が載った状態で、該両移送ロール32,32をそれぞれ内向きに回転させると、コイル状の螺旋部32bで該玉ねぎ類T1を後送させる一方で、螺旋状のブラシ部32cで葉除去・根付き玉ねぎ類T1の根Tcを下向き直線状に延ばす機能が発生する。尚、玉ねぎ類T1の根Tcを下向き直線状に延ばすのは、後述する根切断装置35での根切断を確実に行うためのものである。
【0066】
ところで、両移送ロール32,32の各ブラシ部32c,32cで葉除去・根付き玉ねぎ類T1の根Tcを下向き直線状に延ばすときに、該根Tcの一部が玉ねぎ本体Taから引き千切られて分離することがある。そして、玉ねぎ本体Ta部分から分離した分離根の一部は、左右のブラシ部32c,32cに絡み付き易くなる。
【0067】
そこで、この実施例では、
図1及び
図6に示すように各移送ロール32,32のそれぞれ外側近傍位置に、各ブラシ部32c,32cに接触して該各ブラシ部32c,32cに分離根が絡み付くのを阻止するスクレーパー7,7を設置している。
【0068】
このスクレーパー7,7は、
図1及び
図6に示すように、各移送ロール32,32のそれぞれ外側近傍位置において、移送ロール32のほぼ全長に亘る長さ範囲に弾性復帰力のあるブラシ(多数のブラシ束)71(
図6参照)をそのブラシ先端側が移送ロール32のブラシ部32cに対して所定深さ(長さ)だけ重合し得る状態で設置したものである。従って、葉除去・根付き玉ねぎ類T1が両移送ロール32,32間を後送される途中で、玉ねぎ本体から分離した分離根が移送ロール32のブラシ部32cに絡み付きそうになっても、該分離根をスクレーパー7(ブラシ71)で自動的に掻き落とすことができる。
【0069】
葉切除用ブロック体2Aと根切除用ブロック体3Aとが直線状に連続する状態(
図1及び
図2の状態)において、葉除去・根付き玉ねぎ類移送装置31(両移送ロール32,32)の始端部上面高さは、上記葉切断装置25の円盤刃物26の上面高さより所定高さ(例えば5〜10cm程度)だけ低位置に設定している。そして、葉切断装置25の両円盤刃物26,26で玉ねぎ類Tの葉Tbの付け根部分を切断した後の葉除去・根付き玉ねぎ類T1が該円盤刃物26,26側から葉除去・根付き玉ねぎ類移送装置31の始端部上に移動する際に、後述する上下反転動作がスムーズに行われるようにしている。
【0070】
この葉除去・根付き玉ねぎ類移送装置31の両移送ロール32,32の上部側左右位置には、各移送ロール32,32の外周寄り上面に向かって下降傾斜する左右のガイド板14,14が設けられている(
図6参照)。尚、この各ガイド板14,14は、後側ケース1Bの上面部を構成するものであって葉除去・根付き玉ねぎ類T1が左右外側に脱落するのを防止するものである。
【0071】
葉除去・根付き玉ねぎ類移送装置31の終端部近傍位置には、根Tcを下向きに垂下させた姿勢で後送されてくる葉除去・根付き玉ねぎ類T1における根Tcの付け根部分を切断するための根切断装置35が設けられている。
【0072】
この根切断装置35は、
図2及び
図7に示すように、左右一対の円盤刃物36,36を葉除去・根付き玉ねぎ類移送装置31の終端部近傍位置における玉ねぎ類T1の根Tcの付け根部分を切断し得る高さにセットし、該両円盤刃物36,36をモータ37及び動力伝達部材(プーリとベルト、又はスプロケットとチエン等)38からなる動力装置で回転せしめるようにしたものである。
【0073】
根切断装置35の両円盤刃物36,36の上面側直近位置には、葉除去・根付き玉ねぎ類移送装置31の終端部から排出される葉除去・根付き玉ねぎ類T1の玉ねぎ本体Taを左右から弾性的に挟持して、該葉除去・根付き玉ねぎ類T1を根Tcが下向きに垂下する安定姿勢で両円盤刃物36,36の切断部上を通過させるための送り出し装置6を設けている。
【0074】
この根切断装置35部分の送り出し装置6は、上記葉切断装置25上に設けた送り出し装置5と同じ構成及び同じ機能をするものであり、
図7に拡大図示するように、左右一対の縦向き軸61,61の下端部にそれぞれ弾性ロール62,62を取付けているとともに、該各弾性ロール62,62をモータ63及び動力伝達部材(プーリとベルト、又はスプロケットとチエン等)64からなる動力装置で対向面が前側から後側に移動するように回転せしめるようにしたものである。尚、この両弾性ロール62,62も、前後位置及び間隔をそれぞれ調整可能にすることがてきる。
【0075】
そして、この根切断装置35部分の送り出し装置6でも、
図7に示すように、両弾性ロール62,62間に玉ねぎ本体Ta部分が侵入すると、該弾性ロール62,62の対向面が符号62a,62aで示すように玉ねぎ本体Taの外形に沿って凹むとともに、該両弾性ロール62,62の対向面(凹み62a,62a部分)によって玉ねぎ本体Taを左右両側から弾性的に挟持して、該玉ねぎ類を姿勢保持しながら両円盤刃物36,36の切断部上を後方に通過させるように機能する。このように、両弾性ロール62,62により葉除去・根付き玉ねぎ類T1(根Tcが下向き姿勢となっている)の玉ねぎ本体Ta部分を挟持した状態では、該玉ねぎ類T1の姿勢が安定しているので、該玉ねぎ類T1の根Tcの付け根部分を両円盤刃物36,36で切断するときの切断作業が確実に行われる。
【0076】
尚、根切断装置35の両円盤刃物36,36で切断された根Tc′(
図2、
図7参照)は、根受シュート17(
図2)を通ってその下方に配置している根受容器18内に収容される。
【0077】
ところで、この実施例の葉・根連続切除機において、葉切除ユニット2部分は、玉ねぎ類Tの葉Tb部分を下向き(根Tcが上向き)にした状態で該葉Tbの付け根部分を切断するものである一方、根切除ユニット3部分は、玉ねぎ類T1の根Tcを下向きにした状態で該根Tcの付け根部分を切断するものである。そして、葉切除ユニット2の葉切断装置25で葉Tbを切断した状態では、葉除去・根付き玉ねぎ類T1は根Tcが上向き姿勢のままであるので、該葉除去・根付き玉ねぎ類T1をそのままの姿勢で根切除ユニット3の葉除去・根付き玉ねぎ類移送装置31上に移乗させると、該葉除去・根付き玉ねぎ類移送装置31上において玉ねぎ類T1の根Tc部分を確実に下向きに垂下させることが難しい。即ち、葉除去・根付き玉ねぎ類移送装置31上に移乗した葉除去・根付き玉ねぎ類T1が両移送ロール32,32の上面側谷部で回転しても、根Tc部分が両移送ロール32,32間にうまく挟み込まれないまま(根部分が下向きに垂下しないまま)で後送されることがあり、その場合には根切断装置35による根切りに失敗することになる(根が残ったままとなる)。
【0078】
そこで、この実施例の葉・根連続切除機では、葉切除ユニット2の葉切断装置25で葉Tbを切断した葉除去・根付き玉ねぎ類T1を根切除ユニット3の葉除去・根付き玉ねぎ類移送装置31の始端部上に移乗させる際に、根Tcが上向き姿勢であったものを該根Tcが下向きに上下反転させるための上下反転装置4を備えている。
【0079】
この実施例では、上下反転装置4として、葉切断装置25の両円盤刃物26,26で葉Tbの付け根部分を切断した直後の葉除去・根付き玉ねぎ類T1における下向きに小突出している葉付け根残部Tdを衝合させるための衝合材41を使用している。この衝合材41としては、単なる細棒状のものを使用できる。
【0080】
そして、この衝合材41は、
図5に拡大図示するように、葉切断装置25の両円盤刃物26,26の出口側上面に近接する位置(葉が切除された玉ねぎ類の葉付け根残部Tdの高さとほぼ同高さ位置)において、玉ねぎ類T1の移動方向とは水平直交方向(左右方向)に向けて設置している。
【0081】
又、この衝合材41の設置位置は、前後及び上下に微調整可能となっており、葉が除去された直後の玉ねぎ類T1の葉付け根残部Tdを適正位置及び適正タイミングで衝合させ得るようにしている。この衝合材41の位置調整は、具体的には
図4及び
図5に示すように、棒状の衝合材41の両端部にそれぞれ側板42,42を設け、該各側板42,42にそれぞれに前後に長穴43(
図5参照)を設けるとともに、該両側板42,42を本体ケース1側に固定した支持板44,44に対して各長穴43部分に止着材(ボルト・ナット)45,45を通して固定している。そして、該各止着材(ボルト・ナット)45,45を緩めることで、両側板42,42を前後移動できるとともに上下揺動可能としていることで、該衝合材41を前後及び上下に微調整できるようにしている。
【0082】
ところで、上下反転装置4部分を通過した葉除去・根付き玉ねぎ類T1は、根切除ユニット3の両移送ロール32,32の始端部上に排出されるが、そのとき該葉除去・根付き玉ねぎ類T1が両移送ロール32,32上の中心位置から左右にずれた位置に落下することがある。そして、そのように葉除去・根付き玉ねぎ類T1が両移送ロール32,32間の中心位置から左右にずれた位置に落下した場合には、該玉ねぎ類T1が根Tcを下向きにした状態で排出されても、該玉ねぎ類T1が両移送ロール32,32上で転動して姿勢(根Tcの下向き姿勢)が変わることがある。
【0083】
そこで、この実施例の葉・根連続除去機では、
図1、
図2、
図5、
図6に示すように、上記両移送ロール32,32の始端部の上方位置に、上記上下反転装置4部分から両移送ロール32,32上に排出された葉除去・根付き玉ねぎ類T1を該両移送ロール32,32間の中心位置に案内するためのガイド部材8を設けている。
【0084】
このガイド部材8は、前側ケース1Aの後面部分に取付けられていて、左右一対のガイド板81,81を下方が狭くなる逆ハ形に配置したものである。又、各ガイド板81,81の下部側には、ゴム板等の弾性体を使用しており、玉ねぎ類がその自重で両ガイド板81,81の下端部を外側に撓ませながら落下するようにしている。尚、この両ガイド板81,81間の間隔は、玉ねぎ類の大きさ(圃場単位でばらつきがある)によって調整し得るようにしている。
【0085】
このように、上記ガイド部材8(両ガイド板81,81)を設けていると、上下反転装置4から根を下向きにして排出される各葉除去・根付き玉ねぎ類T1が、それぞれ両ガイド板81,81に案内されて、常に両移送ロール32,32間の適正位置(中心位置)に収められるようになる。
【0086】
ところで、本願の葉・根連続除去機では、本体ケース1内に、上記葉切除ユニット2に関連する各種装置及び部材(移送装置21となる両移送ロール22,22とその駆動装置23,24、送り出し装置5、葉切断装置25となる両円盤刃物26,26とその駆動装置27,28等)と、上記上下反転装置4に関連する各種部材と、上記根切除ユニット3に関連する各種装置及び部材(移送装置31となる両移送ロール32,32とその駆動装置33,34、送り出し装置6、根切断装置35となる両円盤刃物36,36とその駆動装置37,38等)とが密集状態で配置されている。特に、前側の葉切除ユニット2の後端部付近には、葉切断装置25や送り出し装置5が設置されている一方、後側の根切除ユニット3の前端部付近には、移送ロール32,32の軸受構造や、該移送ロール32の駆動装置33,34部分が設置されていて、該葉切除ユニット2の後端部と該根切除ユニット3の前端部間の狭い場所内に、上記各種の装置や部材が密集状態で配置されている。従って、上記狭い場所での各種装置や部材の組付作業(製作時)、及び後日行われるメンテナンス作業等が非常に面倒となる、という背景がある。尚、上記メンテナンス作業としては、各種部材の取り替えや、駆動系の調整や、掃除等が含まれるが、それらのメンテナンス作業は、狭い場所に工具を差し込んだり、手が入らない場所での部材の交換等が含まれる。
【0087】
そこで、この実施例では、葉・根連続除去機において、製作時の組立作業やメンテナンス作業等を比較的容易に行えるようにするために、次の構成を有している。
【0088】
即ち、この実施例の葉・根連続除去機は、上記のように本体ケース1を前側ケース1Aと後側ケース1Bとに分割し、前側ケース1A内に上記葉切除ユニット2を一体に組付けて葉切除用ブロック体2Aとしている一方、後側ケース1B内に上記根切除ユニット3を一体に組付けて根切除用ブロック体3Aとしているとともに、前側ケース1Aの後端部の一側縁と後側ケース1Bの前端部の一側縁とをヒンジ部9で連結して、平面視において該ヒンジ部9を中心にして葉切除用ブロック体2Aの後面と根切除用ブロック体3Aの前面とが、相互に接合する接合状態(
図1の状態)と相互に所定角度まで開放する開放状態(
図8の状態)との間で枢動開閉し得るようにしている。
【0089】
前側ケース1Aと後側ケース1Bとのヒンジ部9は、
図1に示すように本体ケース1の右側面において
図2に示すように上下2箇所に設けている。
【0090】
他方、前側ケース1Aの後端部と後側ケース1Bの前端部におけるヒンジ結合部(符号9部分)の対向位置には、前側ケース1Aの後面と後側ケース1Bの前面とを接合させた状態で両者を枢動開放不能にするためのロック手段19(
図1及び
図8参照)を設けている。このロック手段19としては、前後両ケース1A,1Bを上記接合状態でロックし得るものであれば適宜構成のものでよいが、この実施例では、
図8に示すように後側ケース1B側に設けた係止片19aと前側ケース1A側に設けたネジ受部19bとをボルト19cで緊結するようにしたものを採用している。
【0091】
そして、この実施例の葉・根連続除去機では、葉切除用ブロック体2Aと根切除用ブロック体3Aとを、平面視において葉切除用ブロック体2Aの後面と根切除用ブロック体3Aの前面とが接合する接合状態(
図1の状態)から該葉切除用ブロック体2Aと該根切除用ブロック体3Aとが例えば角度90°程度の範囲(
図8の矢印の範囲)で枢動開閉させ得るようにしている。尚、図示例のものでは、葉切除用ブロック体2Aと根切除用ブロック体3Aとの最大開放範囲は、概略120°程度まで可能であるが、該開放角度は
図8に示すように90°程度あれば葉切除用ブロック体2Aの後面部分及び根切除用ブロック体3Aの前面部分をそれぞれメンテナンスするための作業空間として十分である。
【0092】
この実施例の葉・根連続除去機では、
図1に示すように、機体を支持するためのキャスター付きの支持脚10を、前側ケース1Aの左側面に2箇所と右側面に1箇所と、後側ケース1Bの右側面に1箇所の合計4箇所に設けている。尚、この支持脚10の使用本数は特に限定するものではない。
【0093】
そして、葉切除用ブロック体2Aに対して根切除用ブロック体3Aを枢動開閉するには、ロック手段19をロック解除した状態で、該根切除用ブロック体3Aを手押しによりヒンジ部9を中心に枢動させることで行える。
【0094】
この実施例の葉・根連続切除機は、次のように機能する。
【0095】
即ち、各駆動部分の各モータ23,27,33,37,53,63をそれぞれ作動させた状態で、本体ケース1の投入部11から葉・根付き玉ねぎ類Tを投入すると、
図1及び
図2に示すように、該葉・根付き玉ねぎ類Tが葉・根付き玉ねぎ類移送装置21の始端部寄り上面の谷間部分において前後に向く横倒し状態となる。続いて、両移送ロール22,22がそれぞれ内方側に回転していることにより、横倒し状態の葉・根付き玉ねぎ類Tの葉Tb部分が両移送ロール22,22間の隙間内に巻き込まれて、該葉・根付き玉ねぎ類Tが葉Tbを下向きにした姿勢で後送されるようになる。
【0096】
そして、葉・根付き玉ねぎ類Tが葉Tbを下向きにしたままで葉・根付き玉ねぎ類移送装置21の終端部から排出されると、直ちに該玉ねぎ類Tの玉ねぎ本体Ta部分を送り出し装置5の両弾性ロール52,52で挟持して該玉ねぎ類Tの姿勢を維持させる。続いて、該玉ねぎ類Tを姿勢維持状態で葉切断装置25の両円盤刃物26,26の切断部に送り出し、そのとき両円盤刃物26,26で玉ねぎ類Tの葉Tbの付け根部分を切断するようになる(
図4の符号Tb′)。尚、葉Tbの付け根部分を切断された直後の葉除去・根付き玉ねぎ類T1は、葉付け根残部Tdが下向きのままで両円盤刃物26,26上に載っている。
【0097】
続いて、葉Tbを切除した直後の葉除去・根付き玉ねぎ類T1は、送り出し装置5(両弾性ロール52,52)によりそのままの姿勢(根Tcが上向き姿勢)で後方に送り出されるが、そのとき
図5に示すように玉ねぎ本体Taの下面側に小突出している葉付け根残部Tdが上下反転装置4(衝合材41)に衝合し、該玉ねぎ類T1に蹴つまずき作用が発生して、該玉ねぎ類T1が符号T1′、T1″(
図5)の各姿勢を経て葉除去・根付き玉ねぎ類移送装置31(両移送ロール32,32)の始端部上に上下反転姿勢(根Tcが下向き姿勢)で着座するようになる。
【0098】
このとき、上下反転装置4から排出される葉除去・根付き玉ねぎ類T1は、ガイド部材8の両ガイド板81,81に案内されて、根Tcが下向き姿勢のまま両移送ロール32,32の中心位置に落下するようになる。
【0099】
次に、葉除去・根付き玉ねぎ類移送装置31の始端部上に葉除去・根付き玉ねぎ類T1が根Tcを下向きにした姿勢で着座すると、その両移送ロール32,32がそれぞれ内向きに回転していることで、ブラシ部32cにより根Tc部分を両移送ロール32,32間の隙間内に引き込みながら(根Tcが下向き直線状に延ばされる)、該葉除去・根付き玉ねぎ類T1を順次後送させる。
【0100】
そして、該葉除去・根付き玉ねぎ類T1が葉除去・根付き玉ねぎ類移送装置31の終端部から排出されると、該玉ねぎ類T1の玉ねぎ本体Ta部分を送り出し装置6の両弾性ロール62,62で挟持して該玉ねぎ類T1の姿勢を維持させた状態で、根切断装置35の両円盤刃物36,36の切断部に送り出し、そのとき両円盤刃物36,36で玉ねぎ類T1の根Tcの付け根部分を切断するようになる(
図7の符号Tc′)。
【0101】
その後、葉及び根をそれぞれ切除した葉・根除去玉ねぎ類T2は、根切断装置35部分から排出部12上に放出されて、図示しない玉ねぎ受容器に貯留される。
【0102】
このように、この実施例の葉・根連続切除機を使用すると、本体ケース1の投入部11から葉・根付き玉ねぎ類Tを投入するだけで、葉・根付き玉ねぎ類移送装置21において該玉ねぎ類Tをその葉Tb部分が下向きとなる姿勢で後送でき、葉切断装置25部分において下向きに垂下している葉Tbを付け根部分で切除し、上下反転装置(衝合材41)により葉除去・根付き玉ねぎ類T1を上下反転させて(根が下向きになる)葉除去・根付き玉ねぎ類移送装置31の始端部上に着座させ、該葉除去・根付き玉ねぎ類移送装置31部分を該玉ねぎ類T1の根Tcが下向き姿勢のままで後送し、根切断装置35部分において下向きに垂下している根Tcの付け根部分を切除する、という全工程を自動で連続して行うことができる。
【0103】
又、この実施例の葉・根連続除去機では、葉切除用ブロック体2Aと根切除用ブロック体3Aとが平面視においてヒンジ部9を中心に枢動開閉し得るようになっているので、製造時の組付作業時や後日行われるメンテナンス作業時には、
図8に示すように葉切除用ブロック体2Aの後面と根切除用ブロック体3Aの前面との間を大きく開放させることで(その間に大きな作業用空間ができる)、上記組付作業や各種メンテナンス作業が容易に行える。