(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記バリアパネルがその中点の線またはその近くで折り畳まれ、その第二の端部がその第一の端部に向かって引き寄せられるようになった後に、前記第一の縁および前記第三の縁の部分を互いにまたは前記内容物カバー領域の一部に固定する取り付け手段をさらに含む、請求項1に記載の滅菌組立品。
前記バリアパネル取り付け手段が、前記側面タブを互いにまたは前記内容物カバー領域の一部に固定するように構成されており、前記側面タブを互いからまたは前記内容物カバー領域の一部から取り外すために5〜400グラム重量の間の剥離力を必要とするようになる、請求項7に記載の滅菌組立品。
前記バリアパネル取り付け手段が、前記側面タブを互いにまたは前記内容物カバー領域の一部に固定するように構成されており、前記側面タブを互いからまたは前記内容物カバー領域の一部から取り外すために少なくとも1332グラム重量のせん断力を必要とするようになる、請求項7に記載の滅菌組立品。
前記バリアパネル取り付け手段が前記側面タブ上に位置し、前記バリアパネル取り付け手段が前記第一のプルタブと、前記第二のプルタブとの間の前記バリアパネル上の領域に取り付けられるようになる、請求項11に記載の滅菌組立品。
前記バリアパネルが、前記第一の端部分と前記第二の端部分との間に位置する中点の線を持ち、前記中点が前記バリアパネルを、およそ前記第一の端部分から前記中点の線まで延在する内容物受け入れ領域と、前記中点の線からおよそ前記第二の端部分まで延長する内容物カバー領域とに線引きする、請求項10に記載の滅菌組立品。
前記バリアパネルが、前記バリアパネルの前記第一の端部に概して平行に整列しており、前記バリアパネルの前記中点の線に向かう方向に前記第一の端部から離れて位置し、前記内容物受け入れ領域の上部境界を画定する印をさらに含み、
各側面タブが、前記バリアパネルの少なくとも1つの縁にまたはそれに隣接する近位タブ端部をさらに含み、各側面タブが前記近位タブ端部でタブ幅を画定する、請求項13に記載の滅菌組立品。
前記組立品が、前記側面タブを互いにまたは前記内容物カバー領域の一部に接合するために前記側面タブの一部上に位置する少なくとも1つのバリアパネル取り付け手段をさらに含み、少なくとも1つのバリアパネル取り付け手段が前記側面タブの一部の上に位置して、前記バリアパネル取り付け手段が、前記バリアパネルの前記中点の線と前記内容物受け入れ領域の前記上部境界の間の前記内容物カバー領域の上に位置付けられるようになる、請求項14に記載の滅菌組立品。
【図面の簡単な説明】
【0037】
本発明は、付随する図面を参照しながら発明の詳細な記述を読む事によってより良く理解されるが、類似の参照数字は類似の構造を示し、全体を通して類似の要素を指す。
【
図1】
図1は、模範的な従来技術の滅菌ラップシステムの図である。
【
図2】
図2は、模範的な従来技術の滅菌ラップシステムの図である。
【
図3】
図3は、模範的な従来技術の滅菌ラップシステムの図である。
【
図4】
図4A〜4Eは、従来的な封筒折りを使用して、模範的な従来技術の滅菌ラップシステムを折り畳む模範的順序の図である。
【
図5】
図5A〜5Eは、従来的な正方形折りを使用して、模範的な従来技術の滅菌ラップシステムを折り畳む模範的順序の図である。
【
図6】
図6Aは、側面タブを含む(上面図では非表示)模範的な柔軟複数パネル滅菌組立品の上面図である。
図6Bは、側面タブおよび間隔を置いた引張り場所を持つプルタブを含む模範的な柔軟複数パネル滅菌組立品の底面図である。
【
図7】
図7Aは、側面タブを含む(上面図には非表示)模範的な柔軟複数パネル滅菌組立品の上面図である。
図7Bは、側面タブを含む模範多岐な柔軟複数パネル滅菌組立品の底面図である。
図7Cは、側面タブおよび間隔を置いた引張り場所を持つプルタブを含む模範的な柔軟複数パネル滅菌組立品の底面図である。
図7Dは、側面タブおよび間隔を置いた引張り場所を持つプルタブを含む模範的な柔軟複数パネル滅菌組立品の底面図である。
【
図8】
図8Aは、側面タブを含む(上面図では非表示)模範的な柔軟複数パネル滅菌組立品の上面図である。
図8Bは、側面タブおよび間隔を置いた引張り場所を持つプルタブを含む模範的な柔軟複数パネル滅菌組立品の底面図である。
図8Cは、柔軟な複数パネル滅菌組立品上にある模範的側面タブの詳細図である。
図8Dは、開封時に組立品が平らになるのを妨げる跡のついたしわ、折り目およびその他の変形を強調した、開封中の滅菌組立品の図である。
図8Eは、組立品のその他の部分を開いている時に、組立品の部分的に開かれた側面が滅菌された物品に向かって折り畳まれる原因になる、跡のついたしわ、折り目およびその他の変形を強調した、開封中の滅菌組立品の図である。
【
図9】
図9A〜9Gは、側面タブおよび間隔を置いた引張り場所を持つプルタブを含む、模範的な使い捨ての柔軟複数パネル滅菌組立品の模範的な折り畳み順序の図である。
【
図10】
図10A〜10Dは、側面タブおよび間隔を置いた引張り場所を持つプルタブを含む、模範的な使い捨ての柔軟複数パネル滅菌組立品の模範的な折り畳み順序の図である。
【
図11】
図11A〜11Dは、模範的な補強要素を示す、模範的な柔軟複数パネル滅菌組立品の図である。
【
図13】
図13は、模範的な柔軟複数パネル滅菌組立品の模範的外観の展開または分解斜視図である。
【
図14】
図14は、模範的な柔軟複数パネル滅菌組立品の模範的外観の展開または分解断面図である。
【
図15】
図15Aは、模範的パネル取り付け手段、および模範的剥離試験手順の間にそれが取り付けられるバリアパネルの一部の図である。
図15Bは、模範的パネル取り付け手段、および模範的せん断試験手順の間にそれが取り付けられるバリアパネルの一部の図である。
【
図16】
図16Aは、模範的滅菌組立品の開封中の、模範的側面パネルおよびパネル取り付け手段の詳細図である。
図16Bは、模範的側面パネルおよびパネル取り付け手段の特徴を示す、
図16Aの詳細の垂直断面図である。
図16Cは、模範的滅菌組立品の開封中の、模範的側面パネルおよびパネル取り付け手段の特徴を示す、
図16Bの詳細の垂直断面図である。
図16Dは、模範的滅菌組立品の開封中の、模範的側面パネルおよびパネル取り付け手段の特徴を示す、
図16Bの詳細の垂直断面図である。
【0038】
(定義
)
本書で使用される場合、「基本重量」という用語は、指定され単位表面積あたりの材料の重量をさす。この測定値は通常、例えば、布、フィルム、紙、ウェブなど、比較的薄くて平らなシート様材料に関連する。本書に記述される材料の基本重量は、原則的に連邦試験方法標準規格第191A号の方法5041に従って決定された。基本重量は、ASTM D 3776-96試験手順またはTAPPI試験方法T-220を使用しても測定されうる。基本重量は、単位面積あたりの重量単位で表される(例えば、平方メートルあたりのグラムまたは平方ヤードあたりのオンス)。これらの単位は、それぞれ「gsm」または「osy」として省略されうる。
【0039】
本書で使用される時、「使い捨て」という用語は、安価であるために、1回だけ使用した後に経済的に廃棄されうる製品をさす。「使い捨て」製品は、通常、単回使用を目的としている。「単回使用」という用語は、1回だけ使用することを目的とし、その使用後に再使用、再調整、復元または修理することを目的としていない製品をさす。これらの製品は、交差汚染または感染の可能性を減らすことにより、臨床環境に利点を提供する。さらにこれらの製品は、再処理および再使用のために回収および組立されないので、ワークフローを向上させうる。
【0040】
本書で使用される時、「機械方向」またはMDとは、それが生産される方向の材料または布の長さを意味する。例えば、不織布ウェブの機械方向は、ウェブの形成中に繊維および/またはフィラメントが置かれる形成表面の進行方向の不織布ウェブの面積でありうる。「機械交差方向」またはCDという用語は、MDと概して垂直な方向を意味する(これはその長さに沿って機械方向を持つ布の幅となる)。例えば、不織布ウェブの機械交差方向は、ウェブの形成中に繊維および/またはフィラメントが置かれる形成表面の進行方向に垂直な方向の不織布ウェブの面積でありうる。
【0041】
本書で使用される時、「メルトブローン」という用語は、溶融熱可塑性材料を溶融糸またはフィラメントとして、通常円形の複数の細かいダイスキャピラリーを通して、高速ガス(例えば空気)流中に押出すことによって形成された繊維を意味するが、高速ガス流は溶融熱可塑性材料のフィラメントを希釈して、場合によってはマイクロ繊維の直径までその直径を小さくする。その後、これらの繊維は高速ガス流によって運ばれ、回収表面上に堆積されて無作為に分配されたメルトブローン繊維のウェブまたは布を形成する。メルトブローンプロセスはよく知られており、NRLレポート4364、「超微細有機繊維」(V.A. Wendt、E.L. BooneおよびC.D. Fluharty)、NRLレポート5265、「超微細熱可塑性繊維の形成のための改善装置」(K.D. Lawrence、R.T. LukasおよびJ.A. Young)、および米国特許第3,849,241号(Buntinら、1974年11月19日発行)を含む、さまざまな特許および出版物に記述されている。
【0042】
本書で使用される時、「複数パネル滅菌組立品」または「滅菌組立品」または「組立品」という用語は、滅菌前に非滅菌物品または非滅菌内容物の周りを包む、折り畳む、またはその他の方法で包み込む布および/または柔軟材料から成る柔軟な物品をさす。滅菌組立品は、包装、折り畳み、取り扱い、強度、滅菌、滅菌後の保管、および/または包みを開くまたは開封のために利点を提供する特定の物理的特性、機能的特徴および/または構造を提供する複数パネルおよび/またはセクションを持つ。
【0043】
本書で使用される時、「不織布」という用語は、特定可能な反復様式でない様式で挿入されている個別の繊維またはフィラメントの構造を持つウェブまたは布をさす。不織布は以前は、例えば、メルトブローン、スパンボンドおよび接着カードウェブプロセスなど、当業者に知られているさまざまなプロセスで形成されていた。
【0044】
本書で使用される時、「点接着」という用語は、布の1つ以上の層を複数の個別接着点で接着することを意味する。例えば、熱点接着には一般的に、例えば加熱カレンダーロールおよびアンビルロールなどの加熱ロール組立品の間に、接着する繊維の布またはウェブを通過させることを伴う。カレンダーロールは、布全体がその表面全体に渡って接着されないように、何らの方法で通常パターン形成されており、アンビルロールは通常滑らかである。結果として、機能的および/または審美的理由で、カレンダーロールのさまざまなパターンが開発されている。パターンの一例は、点を持ち、HansenおよびPenningsの米国特許第3,855,046号で教授されているように、約30%の接着面積および約200点の接着/平方インチ(31点の接着/平方センチメートル)を持つHansen Penningsまたは「H&P」パターンである。別の例が、Vogtの米国デザイン特許第239,566号に示されている。典型的には、接着面積パーセントは布積層ウェブの面積のおよそ5%からおよそ30%まで変動する。スポット接着は、積層板層を互いに保持し、布の通気性または効力をなくすことなく、各層内のフィラメントおよび/または繊維を接着することにより、それぞれの個別層に完全性を与える。
【0045】
本書で使用される時、「スパンボンド布」という用語は、溶融熱可塑性材料をフィラメントとして、押出しフィラメントの直径の紡糸口金中の通常円形の複数の細かいキャピラリーから押出し、次に例えば非引き出しまたは引き出し流体延伸またはその他のよく知られたスパンボンド機構で、急速に減少させることによって形成される、小さな直径の繊維および/またはフィラメントのウェブをさす。スパンボンド不織布の製造は、Appelらの米国特許第4,340,563号、Dorschnerらの米国特許第3,692,618号、Kinneyの米国特許第3,338,992および3,341,394号、Levyの米国特許第3,276,944号、Petersonの米国特許第3,502,538号、Hartmanの米国特許第3,502,763号、Doboらの米国特許第3,542,615号およびHarmonのカナダ特許第803,714号などの特許に示されている。
【0046】
本書で使用される時、「超音波接着」とは、例えば、Bornslaegerの米国特許第4,374,888号(その内容全体は参照により本書に組み込まれる)に示されるように、音響ホーンとアンビルロールの間に布を通過させることによって実施されるプロセスを意味する。
【発明を実施するための形態】
【0047】
本発明のさまざまな実施形態の記述において、本書の図および/または記述に示されるように、明確にするために特定の用語が使用されている。しかし、本発明は、そのように選択された特定の用語に限定されることを意図しておらず、当然ながら、各特定の要素は、同様の機能を達成するために同様の方法で作動するすべての技術的同等物を含む。
【0048】
ここで
図1を参照すると、従来的な物品の二重包装が可能な類似サイズの2つの重ね合わせパネル14および16を形成するために、滅菌ラップの1つ以上のシート12を一緒に接合することによって形成される複数層構成を持つ、模範的な従来型使い捨て滅菌ラップ10が示されている。1つのシートを折り畳んで複数層構造を提供しうるが、より典型的には2つの別々のシートが使用される。
【0049】
図2は、Robert T. Bayerによる米国特許出願公開第2001/0036519号に一般的に開示されるように、模範的な従来型使い捨て滅菌ラップ20の図である。従来型使い捨て滅菌ラップ20は、互いに接着される、類似サイズの2つの重ね合わせパネル24および26を形成するために折り畳まれる、滅菌ラップ材料の単一シート22から形成される2層滅菌ラップである。
【0050】
図3は、Steckleinらによる米国特許出願公開第2005/0163654号に一般的に開示されるように、従来型使い捨て滅菌ラップ30のまた別の例の図である。従来型使い捨て滅菌ラップ30は、第一のメインパネル32およびメインパネル32よりずっと小さな第二のパネル34を持つ。第二のパネル34は、メインパネル32を補強および/または付加的吸収性を提供するために、メインパネル32の中心部分36に重ね合わされ接着されている。
【0051】
一般的に、これらおよびその他の例では、従来型使い捨て滅菌ラップの大きなシートは、1つまたは2つの標準的折り畳み手法を使用して重なった材料の大きな面を作るために、一般的に使用される。これらの標準的手法およびその結果できる折り畳み構成では、包むおよび包みを開く過程で、余分な量の材料を扱う必要がある。これは、トレーまたは類似の物品を確実に素早くラップするために経験および最低レベルのスキルを必要とする。
【0052】
図4A〜4Eは、従来型滅菌ラップを使用して物品を包むステップの模範的順序を示す。
図4Aに示されるように、正方形または概して長方形のラップ40は平らに広げられ、包まれる物品42はラップ40の配向に対して概して斜めに、従来的に封筒折りと呼ばれるパターンでラップ40の中央領域44に配置される。
図4Bを参照すると、ラップの第一の端部46は、物品42の底辺で折り上げられ、物品42の上に引き寄せられる。一般的に、滅菌ラップは、最初の折り畳みで物品を実質的にカバーするのに十分な材料を提供するために十分な大きさの面積でなければならない。第一の折り畳まれた端部46は、逆に折り畳まれて小さな尾部48を作る。この順序は時間がかかり、作業者が尾部のサイズに慎重に注意を払う必要があり、残りの第二の端部50および第三の端部52のそれぞれに対して一般的に繰り返される。繰り返しになるが、滅菌ラップは、第二の端部50全体または実質的に全体が第三の端部52でカバーされるように、第二の端部50および第三の端部52が実質的に重なるために十分な材料を提供する十分なサイズの面積でなければならない。第四の端部54は、折り畳まれテープで留められて包まれたパッケージを形成する。
【0053】
図5A〜5Eは、従来型滅菌ラップを使用して物品を包むステップの模範的順序を示す。
図5Aに示されるように、正方形または概して長方形のラップ60は平らに広げられ、包まれる物品62はラップ60の配向に対して概して平行に、従来的に正方形折りと呼ばれるパターンでラップ60の中央領域64に配置される。
図5Bを参照すると、ラップの下部端部66は、物品62の底辺で折り上げられ、物品62の上に引き寄せられる。一般的に、滅菌ラップは、最初の折り畳みで物品を実質的にカバーするのに十分な材料を提供するために十分な大きさの面積でなければならない。折り畳まれた下部端部66は、逆に折り畳まれて、折り畳まれた縁68を作る。この順序は一般的に、残りの上部端部70および左側端部72に対して繰り返される。繰り返しになるが、滅菌ラップは、下部端部70全体または実質的に全体が左側端部72でカバーされるように、上部端部70および左側端部72が実質的に重なるために十分な材料を提供する十分なサイズの面積でなければならない。右側端部74は、折り畳まれ、テープで留められて包まれたパッケージを形成する。
【0054】
10インチ(25.4 cm)×20インチ(50.8 cm)×高さ5インチ(12.7 cm)の寸法の典型的な滅菌トレーは、包装および滅菌処理のために、それぞれの辺が45インチの正方形の滅菌布を一般的に必要とする。内容物がカバーされており、布が折り畳まれたままでまた開かないとトレーの準備者が確信できるように、いくらかの余分の材料を残してトレーの上部を横切って布の隅を折り畳めるように、この大きなサイズの布が必要となる。45インチの正方形の布を使用するということは、表面積がほんの700平方インチ(約4,516平方センチメートル)のトレーを包み込むために、2025平方インチの材料(約13,064平方センチメートル)が使用されていることを意味する。すなわち、この従来法は、手術器具のトレーの1平方インチをカバーするために概して3平方インチの材料を必要とする。
【0055】
本発明は、一般的に上述された問題に対処し、滅菌布の寸法が小さくなった時に発見される問題、具体的には、滅菌布の折り畳まれていない部分が、滅菌組立品のその他の部分を開いている間に部分的にまた折り畳まれる問題にも対処する、複数パネル滅菌組立品を包含する。範的複数パネル滅菌組立品100が、
図6に示されている。
【0056】
複数パネル滅菌組立品は、バリア特性を持つ透過性シート材料104(例えばバリア布)から成るバリアパネル102、バリアパネル102をパッケージに固定するためのパネル取り付け手段106(
図6には非表示)、および折り畳み
保護パネル108を含む。一般的に、「バリアパネル」は、滅菌を達成するために滅菌ガスがそれを通過できるように十分透過性があり、滅菌後に無菌状態で内容物を十分に維持できるバリア特性を持つ材料から形成される複数パネル滅菌組立品の部分である。バリアパネルは、滅菌すべき内容物を受け入れ、実質的に包むかまたは取り囲み、それによってパッケージを形成するために十分な柔軟性があるか、またはそのように適合されているべきでもある。一般的に、バリアパネルはバリア布でありうる。「折り畳み
保護パネル」は、バリアパネルの折り畳まれた縁の少なくとも一部をカバーおよび保護する材料で形成された、複数パネル滅菌組立品の部分である。折り畳み
保護パネルは、(滅菌される内容物の周りのバリアパネルによって形成される)パッケージの周りに折り畳まれる、または包まれる複数パネル滅菌組立品の最後のパネルまたは部分であり、また開かれる、または開封される複数パネル滅菌組立品の第一の部分である。バリアパネルおよび折り畳み
保護パネルは、それぞれ、必要な特性を提供し、それでも安価で単回使用後に経済的に排気またはリサイクルできる材料で作られることが望ましい。模範的材料は、ポリオレフィンベースの不織布材料である。前述のように、このような安価な材料は熱または蒸気滅菌の間に固まることがあり、開封に抵抗し、バリアパネルの部分をまた折り畳まれた位置に向かって促す可能性があり、パッケージの無菌開封に支障を来たしうるしわまたは折り目を持つようになる。
【0057】
バリアパネルは、第一の表面110および第二の反対表面112、先端または縁「E」を持つ第一の端部114、第一の端部114と反対の第二の端部118、第一の端部114に概して垂直な第一の縁120、第一の端部114と概して反対の第二の縁122、および第一の端部114に概して垂直な第三の縁124を含む。バリアパネル102は、先端「E」に向かって位置する印116を含みうるが、バリアパネルの第一の端部114内に位置しうる。バリアパネルは、長さ「L」に沿い、第一の縁120と第三の縁124の間に延長する中点「M」または、一部の実施形態では、バリアパネル102を、印116から中点「M」に延長する内容物受け入れ領域130と中点「M」から第二の縁122に延長する内容物カバー領域132とに一般的に線引きする追加的な縁も備える。もちろん、追加的な縁を追加するか、またはその縁は曲線をなすか、または曲線部分を含みうることが意図されている。
【0058】
印116は、バリアパネル102の第一の端部114の縁または先端「E」に概して平行に配列されうる。印116は、内容物受け入れ領域130の上部境界を画定するために、バリアパネルの中点「M」に向かう方向に、第一の端部114の先端「E」から離れて第一の表面110上にあることが望ましい。上部境界は、「所定の折線」とも呼ばれうる。一般的に、印116(所定の折線とも呼ばれる)は、第一の端部114の先端「E」からオフセットされているが、印または先端「E」が非線形の場合、印116は先端「E」と接触しうることが意図されている。先端「E」が、バリアパネル102と折り畳み保護パネル108との間の境界または移行部を画定するように、印116は、滅菌される内容物をバリアパネル102の第一の端部114内に配置するために、内容物受け入れ領域130の望ましい上部境界を特定する。印116に沿った物品(滅菌される内容物)の配置では、折り畳みの完了後、物品を完全に囲むのに十分な量のバリアパネルを提供するために、第一の端部114の先端「E」から物品がオフセットされる。印116は、バリアパネル102と折り畳み
保護パネル108との間の先端「E」によって画定される境界または移行部から、約0.5インチ(〜13 mm)〜約10.5インチ(〜270 mm)だけオフセットされうる。印116は、先端「E」で画定される境界または移行境界または移行部から少なくとも約1.5インチ(〜38 mm)だけオフセットされていることが望ましい。
【0059】
印はさまざまな形態を取りうる。印116は、例えば、縫い継ぎ目、超音波接合継ぎ目、接着接合継ぎ目、熱機械接合継ぎ目(例えばバーシール継ぎ目)またはその組み合わせなどの継ぎ目の形態でありえ、これはレイヤーまたは層を一緒に接合してバリアパネルおよび折り畳み
保護パネルを形成することによって生じるか、または継ぎ目は、バリアおよび折り畳み
保護パネルが個別の部品である場合は、部品を一緒に接合することによって生じうる。他の方法として、および/またはさらに、印116は、印刷の形態、または熱機械接合線(例えばバーシール線)またはパターンまたはその他のマークなどの跡によるものであるか、または目に見えるしわまたはその他の適切な顕著な特徴によって特定されうる。印116は、断続的な線でありえ、バリアパネル上に直接提供されてもよく、バリアパネルの一部または複数部分の上のみに提供されてもよく、1つ以上の補強要素またはそれが存在する場合その他の部品の上に提供されてもよい。
【0060】
上述のように、印116の重要な特徴は、包まれ、最終的に滅菌される内容物がどこに配置されるべきかを線引きするのを助けることである。つまり、包まれて滅菌される内容物は、印の片側にのみ隣接して配置されるべきである。後述するように、本発明のその他の特徴により、使用者は印のどちら側が内容物を配置するのに適切な側面であるかがわかる。印116のまた別の特徴は、ユーザーが滅菌される内容物を包む際、追加的境界、参照線、または限度を画定するのを助けることである。つまり、包む際、バリアパネルの一部(すなわち、第二の端部118)が、滅菌される内容物をカバーするように引き寄せられる時に、バリアパネルのこの部分は印116を実質的に横切るかまたは超えて延長してはならない。内容物が滅菌バリアの中央に配置される従来型滅菌ラップシステムとは対照的に、複数パネル滅菌組立品では、バリアパネルの第一の端部114の縁または先端「E」の近くではなく、印116から中点「M」に向かって内容物を配置する必要がある。これは使用者にとって最初は直感に反するもので、従来型滅菌ラップシステムとはかなり異なる。
【0061】
図6のバリアパネル102は、正方形の形状を持つとして一般的に示されているが、バリアパネル102は長方形でもよく、望ましくは非正方形または非長方形の形状を画定する追加的な縁を持ちうる。縁の部分は弓状であるか、またはそうでなければ非線形でありうる。別の方法としておよび/またはさらに、第一の縁120および第三の縁124は、これらの縁が平行でなく、それによってより台形の形状をもつバリアパネル102を画定するように、合流または分岐しうる。反対の縁のその他の組み合わせが合流または分岐しうることも意図されている。
【0062】
例えば、
図7Aを参照すると、バリアパネルは、非正方形または非長方形の形状を画定する第四の縁126を持ちうる。このような模範的構成では、2つの縁122および126は所定の折線116の概して反対で、第二の縁122および第四の縁126は頂点または頂上を形成するようになる。従って、バリアパネル102は、第一の表面110および第二の反対表面112、縁または先端「E」を持ち所定の折線116(印116とも呼ばれる)を含む第一の端部114、第一の端部114と反対の第二の端部118、所定の折線116に概して垂直な第一の縁120、所定の折線116に概して垂直な第二の縁122、所定の折線に概して垂直な第三の縁124、および第二の縁122と第三の縁124の間にある第四の縁126を持ちうる。
【0063】
図8Aおよび8Bを参照すると、バリアパネル102は、非正方形または非長方形の形状を画定する第四の縁126および第五の縁128を持ちえ、例えば、第四の縁126および第五の縁128は一般的に、バリアパネルの第二の端部118がバリアパネルの第一の端部114よりも狭くなるように、第二の端部226に向かって合流するようになる。従って、バリアパネル102は、第一の表面110および第二の反対表面112、縁または先端「E」を持ち所定の折線116を含む第一の端部114、第一の端部114と反対の第二の端部118、所定の折線に概して垂直な第一の縁120、所定の折線116に概して垂直な第二の縁122、所定の折線116に概して垂直な第三の縁124、第二の縁122と第三の縁124の間にある第四の縁126、および第一の縁120と第二の縁122の間にある第五の縁128を持ちうる。バリアパネルは、第一の端部114の第一の縁120から第三の縁124までの距離(例えば、所定の折線116に沿って測定することが好ましい)である第一の幅「W1」、および第二の縁122に沿った第四の縁126から第五の縁128までの距離(例えば、第四の縁126と第五の縁128が第二の縁122と合流する場所の間で測定するのが好ましい)である第二の幅「W2」を持つ。バリアパネルは、(例えば、第二の縁122の)第一の端部114の先端「E」から第二の端部の先端までの距離である全長も持つ。さらに、バリアパネルは、所定の折線116(または印116)から第二の端部118(例えば、第二の縁122の)の先端長さ「L」を持つ。およその中点「M」は、この長さ「L」に沿ってあり、第一の縁120および第三の縁124から、または一部の実施形態では第四の端126および第五の縁128から配向されて、バリアパネル102を、印116(所定の折線116とも呼ばれる)から中点「M」に延長する内容物受け入れ領域130と、中点「M」から第二の縁122に延長する内容物カバー領域132とに一般的に線引きする。もちろん、追加的な縁を追加するか、またはその縁は曲線をなすか、または曲線部分を含みうることが意図されている。
【0064】
図6Aを再び参照すると、バリアパネル102は、第一の縁120から第三の縁124までの距離である幅「W」、および第一の端部114の先端「E」から第二の端部118の先端(例えば、第二の縁122)までの距離である全長を持ちうる。バリアパネルは、所定の折線116(または印116)から第二の端部118(例えば、第二の縁122)の先端長さ「L」を持つ。この長さ「L」に沿ってあるおよその中点「M」は、第一の縁120および第三の縁124から配向されて、バリアパネル102を、所定の折線116から中点「M」に延長する内容物受け入れ領域130と、中点「M」から第二の縁122に延長する内容物カバー領域132とに一般的に線引きする。一般的に、内容物受け入れ領域は、滅菌されるトレーまたはその他の内容物が最初に配置されるバリアパネルの部分である。滅菌されるトレーまたは内容物が、滅菌ラップを形成するバリア剤亜量の中央部分に配置される従来型滅菌ラップとは異なり、内容物受け入れ領域は、印116(所定の折線116とも呼ばれる)とバリアパネルの中点「M」の間にある。バリアパネル上のこの非対称の配置は、直感的ではない。内容物カバー領域は、内容物が内容物受け入れ領域上に配置された後に、折り上げられて内容物の上に引き寄せられるバリアパネルの部分である。
図6A、7Aおよび8Aを参照すると、バリアパネルの第一の端部114の先端「E」が印116(所定の折線116とも呼ばれる)に合わない時、追加的な内容物カバー領域132'を、印116とバリアパネルの第一の端部114の「E」の間に提示しうる。つまり、本発明の別の態様では、バリアパネル102の内容物カバー領域は、所定の折線116(印116とも呼ばれる)と、バリアパネル102と折り畳み
保護パネル108の間の境界または移行部を画定する第一の端部114の先端「E」との間にあるバリアパネル132'の領域も含む。
【0065】
本発明の態様では、さまざまな例示構成のバリアパネルは、約12インチ(〜30 cm)から約50インチ(〜127 cm)の幅を持ちうる。望ましくは、バリアパネルは、約18インチ(〜46 cm)から約40インチ(〜102 cm)の幅を持ちうる。より望ましくは、バリアパネルは、約20インチ(〜51 cm)から約48インチ(〜122 cm)の幅を持ちうる。バリアパネルは、約7インチ(〜18 cm)から約70インチ(〜178 cm)の長さを持ちうる。望ましくは、バリアパネルは、約14インチ(〜36 cm)から約70インチ(〜178 cm)の長さを持ちうる。より望ましくは、バリアパネルは、約14インチ(〜36 cm)から約51インチ(〜130 cm)の長さを持ちうる。
【0066】
本発明の態様によると、内容物受け入れ領域130の表面積は、バリアパネル102の合計表面積の約25パーセントから約49パーセントでありうる。例えば、内容物受け入れ領域130の表面積は、バリアパネル102の合計表面積の約35パーセントから約45パーセントでありうる。これは、バリアパネルの内容物カバー領域は、内容物を適切にカバーする追加的表面積を提供するために大きめでなければならないので重要である。
【0067】
本発明の複数パネル滅菌組立品の重要な部分は、側面タブである。これらの側面タブは、バリアパネルを折り畳み、開くためのグリップ場所を提供する。重要なことには、これらの側面タブは、バリアパネルの開いた部分が、特に強化された蒸気滅菌または熱滅菌の後、滅菌組立品のその他の部分を開く間に、滅菌内容物に向かって折り畳まれることを防ぐのを助ける。これらの側面タブがない場合、バリアパネルの側縁は、滅菌内容物に向かって、またはその上に折り畳まれうる。
図8Dおよび8Eを参照すると、特定の熱可塑性ポリマーから作られた材料で構成される滅菌ラップまたは滅菌組立品は、蒸気滅菌または熱滅菌プロセスで使用され、その材料は、固まるか、または包まれた物品またはトレーの形の「跡がつく」ことがある。物品またはトレー200の開封中、
図8Dで「F」として特定されるこれらの跡のついたしわ、折り目またはその他の変形は、滅菌組立品が実質的に平らになるように、開封の際、克服されなければならない。滅菌組立品が実質的に平らにならない場合は、ラップのその他の部分を開いてい間に、滅菌組立品のそれまでに開かれた側面が滅菌物品またはトレーに向かって折り畳まれる可能性がある。この現象は、物品またはトレー200の滅菌性を損なう可能性がある。普通であれば、簡単に折り畳んだり開いたりすることができ、滅菌後の開封/展開中に平らになるよう、誰でも滅菌組立品またはラップの材料がを柔らかく、より柔軟で適合するようにしようとするであろう。しかし、材料をより柔らかくまたは柔軟にするのには追加費用がかかり、材料の強度を損なう可能性がある。あるいは、材料を補強して、より硬くするか、または例えば、バリアパネルの縁に沿った幅の広いストリップなど、さらなる材料を追加しようとすることもあるであろう。ところが、さらなる材料の追加は、しばしば、跡のついたしわ、折り目またはその他の変形が折り畳まれる傾向を強化または促進する傾向があることがわかっている。「F」の折り目、しわまたは変形の場所にさらなる材料を追加すると、より多くの材料が「熱固定」されて、開封に対する抵抗が増加すると考えられている。また、展開への抵抗を相殺するために十分な重量を提供するには非常に大量の材料が必要であり、このように大量の材料を使用するのは非経済的であり、製造および使用中に困難を生じるとも考えられる。また材料の追加重量は、ラップの通気性も低下させる。
【0068】
側面タブおよび/または間隔を置いた引張り場所を持つプルタブを滅菌組立品に追加すると、ラップのその他の部分を開いている間に、滅菌ラップのそれまでに開かれた側面が滅菌物品またはトレーの上に折り畳まれる可能性が大幅に低下または除外されることが、予想外に発見された。跡のついたしわ、折り目またはその他の変形が起こる場所に渡る部位で、側面タブおよび/またはプルタブをバリアパネルに接合することは、特に効果的であることがわかった。さらに、側面タブは、滅菌組立品の側面のより簡単で素早い折り畳みと開封を提供する。
【0069】
図6〜8Cを参照すると、バリアパネル102は、バリアパネルの第一の縁120および第三の縁124の位置に、またはそれに隣接してある側面タブ400を含む。これらの側面タブ400は、特に延長蒸気滅菌または熱滅菌の後に、バリアパネルを開く間、バリアパネルの第一および第三の縁が折り畳まれることを防ぐのに役立つ。側面タブ400は、バリアパネル102の内容物カバー領域132の第一および第三の縁(それぞれ120および124)に、またはそれに隣接して位置づけられうる。望ましくは、側面タブ400の大部分は、第一の端部の先端「E」とバリアパネルの中点
の線間で、第一の縁および第三の縁の所、またはそれに隣接して位置づけられ、タブ400が印116(所定の折線116とも呼ばれる)に渡るようにする。一般的に、側面タブ400は、
図6B、7B、7C、7Dおよび8Bに示されるように、バリアパネル102の第二の反対表面112上に位置づけられうる。他の方法として、および/またはさらに、側面タブ400は、バリアパネル102の第一の表面110上に位置付けられうる。例えば、側面タブ400は、側面タブの一部が第一の表面110に取り付けられ、別の部分が第二の反対表面112に取り付けられるように構成されうる。
【0070】
本発明の態様では、滅菌組立品は、間隔を置いた引っ張り場所500を提供する少なくとも1つのプルタブ300(またはプルタブシステム300)を含む。一般的に、プルタブシステム300は、
図6B、7B、7C、7Dおよび8Bに示されるように、バリアパネル102の第二の反対表面112上に位置づけられうる。他の方法として、および/またはさらに、プルタブシステム300は、バリアパネル102の第一の表面110上に部分的に位置付けられうる。例えば、プルタブシステム300は、プルタブの一部が第一の表面110に取り付けられ、別の部分が第二の反対表面112に取り付けられるように構成されうる。
【0071】
本発明の別の態様では、側面タブは、使用後に(すなわち、滅菌し、滅菌内容物を露出するために滅菌組立品を開いた後)、側面タブがバリアパネルから簡単に分離されうるように、側面パネルに取り付けられうる。その他の方法として、および/またはさらに、プルタブは、使用後に(すなわち、滅菌し、滅菌内容物を露出するために滅菌組立品を開いた後)、プルタブがバリアパネルから簡単に分離されうるように、バリアパネルに取り付けられうる。これは、パネル取り付け手段などの部品が側面タブ上にあり、パネル取り付け手段の部分が、滅菌組立品のその他の部分を形成する材料とのリサイクルに適合しない材料で作られている場合に、特に有利でありうる。側面タブは、バリアパネルと統一または統合されうることが意図されている(例えば、それらは単一の材料片から形成されうる)。このような場合、側面タブがバリアパネルから簡単に分離されうるように、側面タブは壊れやすい部分を含みうる。
【0072】
側面タブ(および/またはプルタブ)は、繊維ウェブ、不透過性フィルム、透過性または多孔性フィルム、開口フィルム、発泡体およびその組み合わせから選択される材料の1つ以上の層を含みうる。例えば、繊維ウェブは、織物および不織布のものを含みうる。織物ウェブは、天然または合成材料またはその混合物を含みうる。例として、天然材料は綿糸の織りである場合があり、合成材料はポリプロピレン、ポリエステル、またはナイロン糸などの織りである場合がある。不織布ウェブは、例えば、スパンボンド、メルトブローン、カードウェブ、湿式形成またはエアレイドウェブ、ハイドロエンタングルド布、またはその積層板(例えば、スパンボンド/メルトブローン/スパンボンド)を含みうる。このような不織布ウェブは、天然または合成材料またはその混合物も含みうる。側面タブは、透過性または不透過性フィルムまたはその積層板から選択される材料の1つ以上の層を含みうる。透過性フィルムは、開口部を備えるか、または微孔性でありうる。開口フィルムは、機械的開口、真空開口、またはその他の市販技術によって得られうる。微孔性フィルムおよびその他の類似のフィルムは、例えば、米国特許第5,695,868号、米国特許第5,698,481号、米国特許第5,855,999号、および米国特許6,277,479(その内容は参照により本書に組み込まれる)に一般的に記述されるとおりに製造しうる。不透過性フィルムは、単一層または共押出である場合があり、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、その共重合体、ビニール、金属ホイルなどを含むフィルム材料からなりうる。前記フィルムは、前述の繊維ウェブの積層板でもありうる。
【0073】
例えば、側面タブ(および/またはプルタブ)は、接着剤、熱接合、超音波接合またはその他の技術または技術の組み合わせによって、バリアパネルに接合された不織布材料の層でありうる。例えば、各側面タブは、例えば、メルトブローン繊維を挟んでいるスパンボンド布の2つの層の積層板などの不織布材料の層でありうる(一般的に「SMS」材料と呼ばれる)。各層は、バリアパネルの第一および第三の縁それぞれから直接または概してその近隣から延長しうる。例えば、側面タブは、縁またはその近隣から縁の数インチ内側まで延長しうる。
【0074】
各側面タブは、バリアパネルに直接接触する表面の一部のみで、バリアパネルに接合されうる。または、各側面タブは、バリアパネルに直接接触する表面の全体で、バリアパネルに接合されうる。例えば、側面タブは、接触表面全体または接触表面の一部への接着剤のスプレー、接着剤のスロットコート塗布、接着剤の渦巻パターンを使用して、特にバリアパネルの縁から内側の側面タブの部分を取り付けるために、バリアパネルに接合しうる。バリアパネルの縁の所またはそれにすぐ隣接する側面タブの部分は、上述のように接着剤を使用して、または超音波接合、熱接合、圧力接合またはその他の技術によって取り付けられうる。接着剤を使用する時、接着剤は滅菌条件に耐えなければならない。側面タブの重量および/または剛性に付加できる接着剤が望ましいことが意図されている。
【0075】
複数パネル滅菌組立品100は、パネル取り付け手段106を含みうる。側面タブが長方形の形状を持つ実施形態では、パネル取り付け手段は望ましくは
図8Cに一般的に示されるように側面タブ400上に位置付けられうる。各側面タブ400は、第一のタブ縁404および第二のタブ縁406が、近位タブ端部402でタブ幅「TW」を画定するように、バリアパネルの第一の縁または第三の縁それぞれに概して隣接する近位タブ端部402、近位タブ端部に概して垂直な第一のタブ縁404、および少なくとも第二のタブ縁406を含みうる。側面タブは、近位タブ端部402の反対の遠位タブ端部412も持ちうる。本発明の態様によると、タブの幅「TW」は、バリアパネルの第一の端部にあるまたはその近くの第一の場所(例えば、印116の上でバリアパネル102が折り畳み
保護パネル108に移行する場所またはその下で、
図8Cでは先端「E」として特定される所)から、少なくとも印116の下で内容物受け入れ領域内の第二の場所まで(例えば、バリアパネルの中点「M」に向かう方向に、印116の下にあるバリアパネル102上の第二の場所まで)の距離だけ延長すべきである。パネル取り付け手段106は、近位タブ端部402の一般的に近くの第一のタブ表面408上に位置することが望ましい(すなわち、バリアパネルの第一の縁120および/または第三の縁124の近く)。パネル取り付け手段は、
図7D、8Bおよび8Cに一般的に示されるように、印116(「所定の折線」)の下に位置すべきである。
【0076】
その他の方法としておよび/または追加的に、パネル取り付け手段106は、バリアパネルの第一の縁120および第三の縁124に、またはそれに隣接して位置しうる。つまり、パネル取り付け手段は、バリアパネル102の第一の表面110上に直接位置しうる。このような構成では、パネル取り付け手段106は、印116(「所定の折線」)の下に位置すべきである。
【0077】
発明者は特定の動作理論に縛られるべきではないが、滅菌の結果跡のついたしわ、折り目またはその他の変形が起こる場所である印116(所定の折線116とも呼ばれる)に及ぶ近位タブ端部402で側面タブのタブ幅「TW」を持つことで、側面タブがパッケージの開封中に力を分配して、ラップのその他の部分が開かれている間に滅菌組立品の開いた側面が滅菌物品またはトレーの上に折り畳まれることを効果的かつ確実に防ぐことが可能になると考えられる。
【0078】
パネル取り付け手段は、一つの大きな要素または多数の個別の要素でありうる。模範的パネル取り付け手段は、接着テープ、両面接着テープ、引き裂き可能なリリーステープ、層状リリーステープ、粘着性材料、面ファスナーシステム、スナップ、クリップ、磁石、留め金、スロットとタブを含むがこれに限定されない機械的締結システム、およびその組み合わせを含むがこれに限定されない。
【0079】
例えば、パネル取り付け手段は、バリアパネルに縫い合わせ、超音波接合、熱機械接合または接着または接着剤接合され少なくとも端部または一部を持つ接着テープの1つ以上の長さでありうる。パネル取り付け手段は、滅菌される内容物の周りに折り畳まれたバリアパネルの1つ以上の縁を接合するために使用される側面タブ上に位置するバリアパネル取り付け手段であることが望ましい。バリアパネル取り付け手段は、各面に同じまたは異なるレベルの接着剤または接着剤の粘着力を持つ、両面テープでありうることがわかっている。他の方法としておよび/またはさらに、パネル取り付け手段は、接着剤で挟まれた中央層が、分割可能な紙、分割可能な積層板、分割可能な発泡体、引き裂き可能な紙、引き裂き可能なリリース構造、引き裂き可能な発泡体またはその他の引き裂き可能なまたは分割可能な積層板などの分割可能または分離可能な材料である、両面テープ構造を持ちうる。模範的な分割可能または引き裂き可能な材料は、例えばCaudalらの米国特許第5,702,555号(1997年12月30日発行)、Fryeの米国特許第4,310,127号(1982年1月12日発行)、Sorrellの米国特許第3,675,844号(1972年7月11日発行)、およびHumphnerの米国特許第2,205,956号(1940年6月25日発行)に開示されており、この内容は参照によって組み込まれる。
【0080】
接着テープを含むまたは組み込む適切なパネル取り付け手段106は、おむつ、失禁用衣類および同様の製品でしばしば使用されるさまざまなタイプなど、接着締結タブまたはテープ閉鎖システムの形態でありうる。模範的なテープ閉鎖システムは、例えばLareの米国特許第4,410,325号(1983年10月18日発行)に見うけられ、その内容は参照により組み込まれる。本システムは、折り畳まれ、物品(例えば、衣類の一部)に取り付けられる第一の端部又は部分を持つ接着閉鎖システム(本書では「閉鎖システム」と称する)を使用する。使用中、閉鎖システムは開かれて、閉鎖システムの少なくとも第二の端部または部分で露出した接着表面をさらし、これは次に物品の異なる部分(例えば、衣類の第二の部分)に接着されて、衣類の2つの部分を望ましい構成に固定する。一般的に、閉鎖システムは(バリアパネル102上に直接使用されうるが)、第一の縁120および第三の縁124に位置する側面タブ400上に使用されることが望ましい。(閉鎖システムの形態の)パネル取り付け手段106の第一の端部は、第一のタブ表面408上に固定されるか、または側面タブ400の遠位タブ端部412またはその近くに固定され、パネル取り付け手段106の第二の端部は第一の端部の上に折り畳まれることになる。使用中、パネル取り付け手段106は、開かれてパネル取り付け手段106の少なくとも第二の端部の露出した接着表面を露出することになる。バリアパネルの第一の縁120および/または第三の縁124にある側面タブ400上のパネル取り付け手段の露出した接着表面は、バリアパネルが滅菌される内容物の周りに折り畳まれた後に、バリアパネルのこれらの部分を互いにおよび/またはバリアパネルのその他の部分に固定するために使用されることになる。
【0081】
任意選択の取り付けゾーンを使用しうることが意図されている。パネル取り付け手段に対して接着性または粘着性材料を使用する実施形態では、取り付けゾーンは、適用されたフィルム、不織布のさらにしっかりと接合された部分、材料の別の一片、コーティングまたは、折り畳まれたバリアパネルがそうなるべきでない時に「突如として」開いたり放出されたりしないように、接着剤がしっかりと接合するのに適切な表面を提供する同種の物でありうる。取り付けゾーンは、パネル取り付け手段を固定する適切な場所を使用者に知らせるように構成されうる。このような構成では、取り付けゾーンは、使用者に指示するために、色、質感、アルファベット文字または同種の物などの印と組み合わせるか、またはそれを組み込むことができる。さらに重要なことは、取り付けゾーンは、パネル取り付け手段106を解除するために必要な力が慎重に制御されて、無菌開封を保ち、バリア布の裂けまたは寸断を防ぎ、せん断力に対して満足のいくレベルの抵抗を提供し、および/または剥離力に対して満足のいくまたは制御されたレベルの抵抗を提供するように、適切な表面を提供するために構成できる。
【0082】
別の模範的なテープ閉鎖システムは、例えばRoschらの米国特許第4,585,450号(1986年4月29日発行)に見うけられ、その内容は参照により組み込まれる。本システムは、二次テープ要素および一次テープ要素を含む接着閉鎖システム(本明細書では「閉鎖システム」と呼ばれる)を使用する。閉鎖システムは、物品(例えば、衣類の一部)に取り付けられる第一の端部または部分を持つ。第二の端部または部分は、二次テープ要素および一次テープ要素を含む。使用中、一次テープ要素の接着表面が露出される。一次テープ要素の接着表面は、次に物品の異なる部分(例えば、衣類の第二の部分)に接着し、衣類の2つの部分を望ましい構成で固定する。一次テープ要素と二次テープ要素との間の接合が必要に応じて繰り返し確実に分離されうるように、一次テープ要素と二次テープ要素との間の接着接合は、一次テープ要素と衣類または物品の第二の部分との間の接着接合よりも力が小さい。
【0083】
一般的に、閉鎖システムは(バリアパネル102上に直接使用されうるが)、第一の縁120および第三の縁124に位置する側面タブ400上に使用されることが望ましい。(閉鎖システムの形態の)パネル取り付け手段106の第一の端部または第一の側面は、第一のタブ表面408上に固定されるか、または側面タブ400の遠位タブ端部412またはその近くに固定され、パネル取り付け手段106の第二の端部または第二の側面は第一の端部の上に折り畳まれるか、またはその他の方法でリリース要素によってカバーされることになる。使用中、(閉鎖システムの形態の)パネル取り付け手段106の一次テープ要素は、開かれるかまたはカバーを取られて、パネル取り付け手段106の少なくとも第二の端部または第二の側面の露出した接着表面をさらすことになる。バリアパネルの第一の縁120および/または第三の縁124にある側面タブ400上のパネル取り付け手段の露出した接着表面は、バリアパネルが滅菌される内容物の周りに折り畳まれた後に、バリアパネルのこれらの部分を互いにおよび/またはバリアパネルのその他の部分に固定するために使用されることになる。このような構成では、一次テープ要素と二次テープ要素との間の接合が必要に応じて繰り返し確実に分離されうるように、一次テープ要素と二次テープ要素との間の接着接合は、一次テープ要素とそれが接着される側面タブの部分との間の接着接合よりも力が小さい。いくつかの点で、一次テープ要素は取り付けゾーンとしての機能を果たしうる。つまり、一次テープ要素がバリアパネルに接着されてバリアパネルを折り畳まれた構成に固定した後、一次テープ要素は、一次テープ要素と二次テープ要素との間の接着接合に打ち勝つのに必要な力が慎重に制御されて、無菌開封を保ち、バリア布の裂けまたは寸断を防ぎ、せん断力に対して満足のいくレベルの抵抗を提供し、および/または剥離力に対して満足のいくまたは制御されたレベルの抵抗を提供するように、適切な表面を提供しうる。別の態様では、前述または一次テープ要素の形態の取り付けゾーンを使用して、作業者が滅菌の前の内容物の点検前に包まれたバリアパネルを再び開いて、その後、複数パネル滅菌組立品を壊すことなくパネル取り付け手段を再取り付けできるようにしうる。
【0084】
別の例として、パネル取り付け手段は、側面タブ(および/またはバリアパネルの一部)に接合された面ファスナーシステムのフックファスナー部品でありうる。バリア布自体は、Velcro Industries B.V.社製のVELCRO(登録商標)ブランドのファスナー製品として市販されている面ファスナーシステムなど、面ファスナーシステムのループ部品として機能しうることが意図されている。不織布ウェブなどの低コストのループ材料とかみ合うような小さな寸法のフックに関連するNestegardの米国特許第5,315,740号に記述されるフックシステムなどその他の模範的なフックシステムを使用しうる。
【0085】
パネル取り付け手段のさまざまな要素または部品は、任意の関連基材層と共に、成形、共押出しなどによって一体形成されうることが意図されている。例えば、個別のフック要素は、実質的に同じポリマー材料からの基部層とフック要素を共押出しすることによって、フック基部層と同時に一体形成しうる。
【0086】
パネル取り付け手段106は、その幅より大きな長さを持つ両面テープでありうる。例えば、パネル取り付け手段は、その幅の2倍の長さを持つ両面テープでありうる。別の例として、パネル取り付け手段は、その幅の4倍から8倍の長さを持つ両面テープでありうる。その他の方法として、および/またはさらに、パネル取り付け手段の構成は、側面タブ400の寸法に沿ってまたはその中に配置された一連の正方形のテープでありうる。
【0087】
本発明の態様によると、パネル取り付け手段106は、所定の折線116の近くではあるが、パネル取り付け手段106が所定の折線116に実質的に渡るまたは交差するのを避けるように、バリアパネル上または側面タブ(または両方の)上に位置しうる。つまり、パネル取り付け手段106は、望ましくは、複数パネル組立品を物品の周りにパッケージとして折り畳む間、しわになったり折り畳まれるような位置に配置されるのを避けるべきである。所定の折線116に最も近いパネル取り付け手段106の部分は、バリアパネル102の中点「M」に向かった方向に、所定の折線116から約3インチ以内であることが望ましい。所定の折線116に最も近いパネル取り付け手段106の部分は、所定の折線116から1〜3インチであることがより望ましい。例えば、所定の折線116に最も近いパネル取り付け手段106の部分は、所定の折線116から約1インチ〜約1/2インチでありうる。
【0088】
再び
図6Aを参照すると、複数パネル滅菌組立品100の折り畳み
保護パネル108は、バリアパネル102と
連接している。つまり、折り畳み
保護パネル108は、バリアパネル102と隣り合わせの関係かまたはそれに隣接する。一般的に、折り畳み
保護パネル108は、任意の適切な材料でありうるが、透過性シート材料で形成されることが望ましい。本発明によると、折り畳み
保護パネルは、バリアパネル102の第一の端部114の先端「E」に概して隣接する近位端142、近位端142と概して反対の遠位端144、および近位端142から遠位端144に向かって延長する少なくとも第一の縁146および第二の縁部分148を含む。本発明によると、折り畳み
保護パネルは追加的縁を持ちうる。例えば、
図7Aを参照すると、折り畳み
保護パネルは、遠位端144の所またはそれに沿って位置する少なくとも第三の縁150を含みうる。また別の例として
図8Aを参照すると、折り畳み
保護パネルは、遠位端144の所またはそれに沿って位置する少なくとも第三の縁150および第四の縁152および第五の縁154を含みうる。
【0089】
一般的に、折り畳み
保護パネルは、軽量スパンボンド不織布材料またはスパンボンド不織布材料およびメルトブローン不織布材料の軽量積層板など、軽量材料でありうる。このため、折り畳み
保護パネルは、バリアパネルを形成する材料のような高いレベルのバリア特性を提供する必要はない。折り畳み
保護パネルはバリア特性を持つように構成されうる。例えば、折り畳み
保護パネルは、バリアパネルと同じ材料で形成されうる。折り畳み
保護パネルは、スパンボンド不織布材料の単一層でありうることが意図されている。
【0090】
本発明の態様では、折り畳み
保護パネルは、第一の縁から第二の縁までの距離の幅および近位端から遠位端までの距離の長さを持つことが望ましい。折り畳み
保護パネルは、約12インチ(〜30 cm)から約50インチ(〜127 cm)の幅を持ちうる。望ましくは、折り畳み
保護パネルは、約18インチ(〜46 cm)から約40インチ(〜102 cm)の幅を持ちうる。より望ましくは、折り畳み
保護パネルは、約20インチ(〜51 cm)から約30インチ(〜76 cm)の幅を持ちうる。折り畳み
保護パネルは、約6インチ(〜15 cm)から約30インチ(〜76 cm)の長さを持ちうる。望ましくは、折り畳み
保護パネルは、約7インチ(〜18 cm)から約20インチ(〜51 cm)の長さを持ちうる。
【0091】
使用中、パネル取り付け手段106は、第二の端部118が第一の端部114の近くに引き寄せられるように、バリアパネル102がその中点「M」またはその近くで折り畳まれた後に、バリアパネルの第一の縁120および第三の縁124を内容物カバー領域132の一部にしっかりと位置付けるために使用される。一部の実施形態では、パネル取り付け手段106は、バリアパネルの第一の縁120および第三の縁124を互いにしっかりと位置付けるために使用されうることが意図されている。
【0092】
本発明の態様によると、パネル取り付け手段がバリアパネルのそれぞれの縁を内容物カバー領域または縁自体にしっかりと位置付ける接着力またはかみ合い力は、バリアパネルを内容物の周りに保持し、それによって滅菌の前後の通常の取り扱いに耐えられる堅固なパッケージを形成するのに十分であるべきことが重要である。
【0093】
模範的配置では、特に十分に高いレベルのかみ合いせん断力がパネル取り付け手段によって提供される場合、閉鎖かみ合いは、パネル取り付け手段とそれが一緒に固定するバリアパネルのその他の部分との間に、最低約5グラム重量(gmf)(約0.012ポンド重量)以上の剥離力値を提供しうる。一般的に、剥離力は、約500 gmf以下であるべきで、改善された利点をさらに提供するためには約400 gmf以下であることが望ましい。さらなる配置では、閉鎖かみ合いは、改善された利点を提供するために約6 gmf〜約50 gmfの間の剥離力値を提供しうる。望ましい構成では、閉鎖かみ合いは、パネル取り付け手段とそれが一緒に固定するバリアパネルのその他の部分との間に、約10 gmf〜約400 gmfの間の剥離値を提供しうる。さらに望ましくは、剥離力値は、約15 gmf〜約300 gmfの間でありうる。剥離力が約500 gmfより大きい時、滅菌された内容物を含む折り畳まれた組立品を、無菌方法で開く/開包するのが難しくなる。
【0094】
パネル取り付け手段とそれが一緒に固定するバリアパネルのその他の部分との間のかみ合い力は、望ましくは約1330 gmfより大きなせん断力値をさらに提供しうる。
【0095】
当然のことながら、パネル取り付け手段がバリアパネルのそれぞれの縁をバリアパネルの内容物カバー領域または縁自体にしっかり位置付ける接着力またはかみ合い力は、組立品の製造中にパネル取り付け手段を基礎バリアパネルまたは側面タブなどの部品に接合するために使用される接着の剥離力より小さいべきである。例えば、製造中にパネル取り付け手段を側面タブに接合するために使用される接合(例えば、接着性、機械的、熱機械的、超音波など)の剥離力は、パネル取り付け手段のバリアパネルからの分離力よりもずっと大きいべきである。約4インチ×1インチ(約10 cm×2.5 cm)の寸法を持つパネル取り付け手段では、パネル取り付け手段を側面タブに接合している接着は、少なくとも100 gmfの剥離力を持つべきである。望ましくは、製造中にパネル取り付け手段を側面タブに接合するために使用される接着の剥離力は、約400 gmfより大きいべきである。例えば、剥離力は、100 gmf/平方インチより大きいことがあり、4,000 gmf/平方インチより大きいことがある。パネル取り付け手段が側面タブ400に位置するかまたはそれに接合されている時、パネル取り付け手段がバリアパネルのそれぞれの縁をバリアパネルの内容物カバー領域または縁自体に接合する接着力またはかみ合い力は、側面タブとバリアパネルの間の接着の力より小さいべきである。
【0096】
ここで
図9A〜9G(およびさらに
図8A)を参照すると、複数パネル滅菌組立品の例が模範的折り畳み順序で示されている。
図9Aは、バリアパネル102が内容物200の周りに折り畳まれて(
図9Gおよび10Aに一般的に示されるパッケージ202などの)パッケージを形成できるように、折り畳み
保護パネル108および第一の表面110上のパネル取り付け手段106と協働するバリアパネル102から成る複数パネル滅菌組立品100を示す。バリアパネル102は、内容物202と接触しそれをカバーする柔軟な複数パネル滅菌組立品100の部分である。内容物200は内容物受け入れ130に配置される。
【0097】
図9Bに一般的に示されるように、バリアパネル102の第二の端部118は、中点「M」で折り上げられ、バリアパネル102の内容物カバー領域132が内容物200の上に延長するように第一の端部114に向かって引き寄せられる。
図9Bに示されるように、第二の端部118でのバリアパネルの幅は、第一の端部114でのバリアパネルの幅より小さい。これは、第二の端部118が第一の端部114まで引き寄せられた後、パネル取り付け手段106へのアクセスを可能にする第四の縁126および第五の縁128の構成を提供するので、パネル取り付け手段106が(側面タブ400上に位置するのではなく)バリアパネル上に直接位置するときに重要である。
【0098】
本発明の一部の実施形態では、プルタブシステム300が、包まれたパッケージの開封または包みを開く最終段階の間にアクセスできるように位置付けられるようにするため、プルタブシステム300および間隔を置いた引張り場所500は、第二の端部118から延長する。プルタブシステム300は、バリアパネル102の第二の反対表面112上のバリアパネルの第二の端部118から延長するかまたはそれに接合されることが望ましい。手短に
図7Dを参照すると、プルタブシステム300が、間隔を置いた引張り場所500を提供する単一タブである構成が示されている。プルタブシステム300は、バリアパネルと一体または統合されうることが意図されている。
図7Dも、プルタブシステム300がバリアパネル102の第二の反対表面112上に位置することを示している。プルタブシステム300の遠位端(すなわち、開放端)は、プルタブシステム300が包装中に不必要に動かず、包みを開く間に適切な位置にあるように、軽量接着剤または接着タブまたはステッカーでバリアパネルに固定されることが望ましい。
【0099】
ここで
図9Cを参照すると、図は、(第二の端部118が第一の端部114まで引き寄せられた後)バリアパネル102の第三の縁124が第二の端部118の上に折りたたまれていることを示す。必ずしも原寸に比例して示されてはいないが、折り畳み後のバリアパネル102の第三の縁124は、組立品の中央に向かってあまり遠くまで延長する必要はない。
【0100】
図9Dは、パネル取り付け手段106を使用してバリアパネルの第二の端部118(すなわち、内容物カバー領域)に対して第三の縁をしっかりと配置できるように、第三の縁124上の側面タブ400が配備されていることを示す。
図9Dに見られるように、パネル取り付け手段106は側面タブ400上に位置付けられており、それらがプルタブシステム300の間隔を置いた引張り場所500の間でバリアパネルの第二の端部118(すなわち、内容物カバー領域)に取り付けられるようになっている。
図9Eは、バリアパネル102の第一の縁120が第二の端部118の上に折り畳まれていることを示す。必ずしも原寸に比例して示されてはいないが、折り畳み後のバリアパネル102の第一の縁120は、組立品の中央に向かってあまり遠くまで延長する必要はない。従って、第三の縁124および第一の縁120は一般的に重ならない。
図4および5に一般的に示されるように、縁が意図的に重複する従来的な滅菌ラップとは異なり、バリアパネルの縁120および124は一定の距離で分離されている。この違いは、パネル取り付け手段106が、バリアパネル102の折り畳まれた縁120および124を内容物の周りの所定位置に保持することの重要性を強調している。さらに、これらの縁を一般的に露出させていることは、折り畳み
保護パネル108の重要性を強調している。
【0101】
図9Fは、第一の縁120の上の側面タブ400が配備され、本特許取り付け手段106を使用してこの縁をバリアパネルの第二の端部118(すなわち、内容物カバー領域)に接合できるようになっていることが示されている。
図9Fから推論されるように、パネル取り付け手段106は側面タブ400上に位置付けられており、それらがプルタブシステム300の間隔を置いた引張り場所500の間でバリアパネルの第二の端部118(すなわち、内容物カバー領域)に取り付けられるようになっている。
【0102】
再び
図9Dおよび9Fを参照すると、折り畳み
保護パネル108およびバリアパネルの第一の端部114の先端「E」と所定の折線116の間のバリアパネル102の部分は、折り曲げられて、折り畳み
保護パネル108の遠位端144をバリアパネルの第二の端部118の上に引き寄せる。一部の実施形態では、第一の縁120および第三の縁124に隣接する材料の一部が見えることがある。この構成では、バリアパネル102の実際の縁120および124は完全にカバーされており、パッケージの通常の取り扱いの間、縁自体が誤って引いて開けられたり破られたりする可能性が低くなる。折り畳み
保護パネルは、典型的には滅菌ラップと共に使用される従来型のテープを使用して固定される。折り畳み
保護パネルは、滅菌される内容物の周りに折り畳まれてパッケージを形成した後、バリア防止パネルの縁をカバーすることが望ましい。折り畳み
保護パネルは、これらの縁をカバーして、作業者が折り畳まれたバリア防止パネルを誤って開けることを防止する。さらに、折り畳み
保護パネルは、ほつれ、引き寄せまたはパネル取り付け手段が外れるような剥離力をこれらの縁に加えうるその他の現象から縁を保護する。つまり、複数パネル滅菌組立品の構成は、滅菌される内容物の周りにバリアパネルが折り畳まれてパッケージを形成した後、バリアパネルの露出した縁を保護するために折り畳み
保護パネルを使用する。
【0103】
複数パネル滅菌組立品がトレーまたは物品の周りに包まれて滅菌された後の開封順序は、
図10A〜10Dに一般的に示される折り畳み順序とは概して逆である。例えば、
図10Aは、包みを開くまたは開封準備のできたパッケージ202を示す。
図10Bに示されるように、折り畳み
保護パネル108を固定する従来型テープは破られ、折り畳み
保護パネル108が後方に引かれて側面タブ400を露出している。各側面タブの側面タブの遠位端部412(またはその他の便利な部分)をつかむことができ、第一の縁120および第三の縁124が
図10Cで一般的に示されるような構成に開かれるように、側面タブ400を上方および横に(中心から離れるように)引いてパネル取り付け手段を取り外しうる。このステップは、側面タブ400を同時または連続的に引くことによって実行されうる。重要なことに、側面タブ400の場所/位置、滅菌性を損なうことなく側面タブをつかむことができる能力、および延長された側面タブによって提供される力の影響力および分布は、折り畳み
保護パネル、バリアパネルの第一の縁120および第三の縁124が、内容物200の上に折り畳まれるのを防ぐ、概して平らで開いた構成のままでいることを助ける。
【0104】
手短かに
図8Cの図を参照すると、パネル取り付け手段106が近位タブ端部402の近くに位置する構成は、パネル取り付け手段106と遠位タブ端部412の間にグリップ領域「G」を提供する。遠位タブ端部412とパネル取り付け手段との間の距離は、約1/2インチ(例えば、使用者の指とパネル取り付け手段との間の有意な相互作用を避けるために十分な距離)から約6インチ以上の距離の範囲でありうる。例えば、距離は約3/4インチ〜約6インチでありうる。もちろん、側面タブ400が非長方形の形状を持つ場合(例えば、三角形または半円など)、側面タブの遠位端部からのパネル取り付け手段106の位置は、グリップ領域を提供することが望ましい。パネル取り付け手段106は、近位タブ端部402から分離されるように位置付けられることが望ましい。例えば、パネル取り付け手段106は、約1/4インチ〜3インチ以上の範囲の距離で近位タブ端部402から分離されるように、位置付けられうる。例えば
図10Bおよび10Cに示される複数パネル滅菌組立品の開封順序の間、分離距離が望ましいが、その理由はバリアパネルの縁を開く前に、それがパネル取り付け手段のバリアパネル(またはそれが取り付けられて滅菌組立品を折り畳まれた構成に維持するその他の部品)からの離脱を作り出すからである。
【0105】
これらの距離(すなわち、グリップ領域「G」およびパネル取り付け手段106と近位タブ端部402との間の分離を提供するため)は単独でまたは組み合わせで、パネル取り付け手段106を分離または離脱させるために、せん断力ではなく主に剥離力を提供する動きまたは配向によって、複数パネル滅菌組立品の開封の促進も助けると考えられている(例えば
図10Bおよび10Cを参照)。このような構成は、パネル取り付け手段を分離するために必要な剥離力がせん断力より小さいために、有利である。例えば面ファスターなどの機械的締結システムが使用される時、または接着剤がバリアパネルに直接塗布される接着締結システムが使用される時、剥離力によって分離を促進するこのような構成は、破断繊維の量を減らすと考えられ、これは汚染の可能性を減らすのに役立ちうる。本構成は、使用者が、パネル取り付け手段を、パッケージの縁が開かれてパッケージを開く前にそれが取り付けられている材料(例えば、第一の縁120および第三の縁124)から、離脱または分離することも可能にする。さらに、本構成は、使用者がパネル取り付け手段を離脱するために、縁(第一の縁120および第三の縁124)の下のパッケージの中に手を入れることを防止するのに役立つ。
図8Cに示される構成も、使用者がパネル取り付け手段を操作して、機械的ファスナーまたは接着剤と、折り畳み中にそれが取り付けられる材料との間のかみ合いを減らし、また折り畳み中に材料を引いてピンと張らせるためのいくらかの自由度を可能にする。
【0106】
図10Cに見られるように、側面タブ400を開くと、プルタブシステム300の間隔を置いた引張り場所500を露出させる。各引っ張り場所500は、便利な場所または、プルタブシステム300が接着タブまたはステッカーでバリアパネルに固定され、タブまたはステッカーが引き上げられる時の場所でつかまれる。プルタブシステム300およびバリアパネルの第二の端部118は、内容物200から引き離される。重要なことに、間隔を置いた引張り場所500は、バリアパネルの第一の縁120および第三の縁124が内容物200の上に折り畳まれることを防ぐ概して平らで開いた構成のままでいることを助ける。
【0107】
本発明によると、バリアパネルは、通気性のある不織布材料の少なくとも1つの層から成りうる。望ましくは、通気性のある不織布材料は、スパンボンドフィラメントの層、メルトブローン繊維の層、およびスパンボンドフィラメントの層から成る積層板で、いわゆるスパンボンド・メルトブローン・スパンボンド材料である。これらの層の製造方法は知られており、同一出願人による米国特許第4,041,203(Brockら)に記述されており、参照によりその全体を本書に組み込む。Brockらの材料は、一般的に略称「SMS」としても呼ばれるスパンボンド・メルトブローン・スパンボンド層の3層積層板である。SMSの2つの外層は、無作為なパターンに配置されてから互いに接着された、押出しポリオレフィン繊維、またはフィラメントから作られるスパンボンド材料である。内層は、これもスパンボンド層の繊維よりも一般的に小さな直径の押出しポリオレフィン繊維から作られるメルトブローン層である。結果として、メルトブローン層は、滅菌剤が布を通過するのを可能にする細繊維構造のために、細菌およびその他の汚染物質の通過を阻止する一方、向上したバリア特性を提供する。逆に、2つの外層は、積層板全体により大きな割合の強度要因を提供する。積層板は、積層板の表面上で実質的に定期的に繰り返されるパターンと共に使用されることが好ましい、断続的な接着パターンを使用して作成されうる。パターンは、接着が積層板の表面積の約5〜50%を占めるように選択される。望ましくは、接着は積層板の表面積の約10〜30%を占めうる。これらの材料のその他の組み合わせおよび変化も意図されている。非限定的例として、内層は、材料が「SMMS」と呼ばれるように、2つのメルトブローン層を含みうる。
【0108】
バリアパネルがSMS材料からなるか、またはそれを組み込む時、SMSの基本重量は、1オンス/平方ヤード(osy)(約33グラム/平方メートル(gsm))から約3 osy(100 gsm)まででありうる。例えば、SMS材料の基本重量は、1.2 osy(40 gsm)〜約2 osy(67 gsm)でありうる。別の例として、SMS材料の基本重量は、1.4 osy(47 gsm)〜約1.8 osy(60 gsm)でありうる。基本重量はASTM D3776-07に従って決定されうる。SMSの複数の積み重ねまたは層を使用して、約2 osy(67 gsm)〜約5 osy(167 gsm)の範囲の基本重量を提供しうる。
【0109】
バリアパネルのシート材料の透過性は、フレーザー透過性で特性化された時、25〜約500立方フィート/分(CFM)の範囲でありうる。例えば、バリアパネルのシート材料の透過性は、50〜約400立方フィート/分の範囲でありうる。また別の例では、バリアパネルのシート材料の透過性は、100〜約300立方フィート/分の範囲でありうる。他の方法として、および/またはさらに、バリアパネルのシート材料の透過性は、フレーザー透過性で特性化された時、25〜約500立方フィート/分(CFM)の範囲でありうる。例えば、バリアパネルの透過性は、50〜約400立方フィート/分の範囲でありうる。また別の例では、バリアパネルの透過性は、100〜約300立方フィート/分の範囲でありうる。材料の透過性を、水0.5インチ(または125 Pa)の圧力低下において1平方フィートの材料表面積を通る空気の立方フィート/分で表すフレーザー透過性は、Frazier Precision Instrument Companyから入手可能なFrazier空気透過性試験機を使用して決定され、連邦試験方法5450標準規格191Aに従って測定された。
【0110】
バリアパネルが、約1 osy(33 gsm)〜約2.6 osy(87 gsm)の範囲の基本重量を持つSMS材料から成るかまたはそれを組み込む時、バリアパネルの透過性は25立方フィート/分より低くなりうる。例えば、SMS材料が約1 osy(33 gsm)〜約2.6 osy(87 gsm)の範囲の基本重量を持つ時、バリアパネルの透過性は、一般的にISO 9237:1995に従って決定された時(試験圧力125 Paで、38 cm
2ヘッドを使用して自動空気透過性マシンで測定される。模範的空気透過性マシンはスイスのTEXTEST AGから入手可能なTEXTEST FX 3300である)約20立方フィート/分〜約75立方フィート/分の範囲でありうる。約2 osy(67 gsm)〜約5 osy(167 gsm)の範囲の基本重量を提供するためにSMS材料の複数の積み重ねまたは層が使用される場合、バリアパネルの透過性は、一般的にISO 9237:1995に従って決定される時、約10立方フィート/分〜役30立方フィート/分の範囲でありうる。
【0111】
上述のように、柔軟な複数パネル滅菌組立品100は、バリアパネル102の第二の端部118から延長する少なくとも1つのプルタブシステム300を含みうる。プルタブシステム300は、バリアパネルと同じ材料で形成してもよく、または1つ以上の異なる材料で形成してもよい。プルタブは、バリアパネルの開かれた内容物接触部分によって形成される滅菌野を損なうことなく、第二の端部118を開くために使用者がつかむことのできる機能である。プルタブシステム300は、バリアパネルに取り付けられうるか、またはバリアパネルと統一または一体化されうる。本発明の態様では、バリアパネルと取り付けられたプルタブシステム300の境界面または移行部は、接着または調整されて補強構成を生じうる。このような構成は、例えば、縫い継ぎ目、超音波接合継ぎ目、接着接合継ぎ目、熱機械接合継ぎ目(例えばバーシール継ぎ目)熱処理、またはその組み合わせなどの継ぎ目などの継ぎ目を使用して、十分な剛性、硬さまたは支持をバリアパネルのその部分に提供して、包みを開く間にプルタブシステム300に力が加えられた時にバリアパネルの折り曲げまたはしわが減少するかまたは除去されるようにしうる。これは、包みを開く間に内容物の滅菌性を保つために重要である。例えば、
図7Bに示される第二の縁122および第四の縁126は、このような構成を提供するように部分的または実質的に作られうる。別の例として、
図8Aに示される第二の縁122は、望ましい構成を提供するために部分的または実質的に接着されうる。また別の例として、
図8Aに示される第二の縁122および/または第四の縁126および第五の縁128は、望ましい構成を提供するために部分的または実質的に接着されうる。
【0112】
本発明の実施形態では、滅菌組立品は、内容物受け入れ領域に1つ以上の個別の補強要素をさらに含みうる。バリアパネルの補強に加えて、補強要素は、滅菌される内容物を受け入れるための区域を画定しうる。側面タブは、内容物受け入れ領域の中に延長して、バリアパネルを補強する、および/または滅菌される内容物を受け入れるための区域を画定することが意図されている。従って、その部品が、バリアパネルの開封中にバリアパネルの縁にグリップ領域を提供することに加えて、補強要素としての役割も果たすことが望ましい場合、以下の検討が適用されうる。補強要素は、繊維ウェブ、不透過性フィルム、透過性または多孔性フィルム、開口フィルム、発泡体およびその組み合わせから選択される材料の1つ以上の層を含みうる。例えば、繊維ウェブは、織物および不織布のものを含みうる。織物ウェブは、天然または合成材料またはその混合物を含みうる。例として、天然材料は綿糸の織りである場合があり、合成材料はポリプロピレン、ポリエステル、またはナイロン糸などの織りである場合がある。不織布ウェブは、例えば、スパンボンド、メルトブローン、カードウェブ、湿式形成またはエアレイドウェブ、またはその積層板(例えば、スパンボンド/メルトブローン/スパンボンド)を含みうる。このような不織布ウェブは、天然または合成材料またはその混合物も含みうる。補強要素は、透過性または不透過性フィルムまたはその積層板から選択される材料の1つ以上の層を含む。透過性フィルムは、開口部を備えるか、または微孔性でありうる。開口フィルムは、機械的開口、真空開口、またはその他の市販技術によって得られうる。
【0113】
補強要素は、内容物がバリアパネルの材料に対して力を集中させる可能性の高い場所において、バリアパネルが圧力切れ目、圧力穴、裂けなどによって損なわれる可能性を減らすための追加的材料または処理を含むバリアパネルの個別ゾーンでありうる。補強要素は、バリアパネルの材料と比べて熱風、気流、またはその他の滅菌ガスに対して透過性がより低いかまたは不透過性である一方、それでも適切な滅菌および滅菌剤ガスの除去を可能にすることが想定されている。許容可能な滅菌および滅菌剤ガスの除去は、バリアパネルの透過性がフレーザー透過性で特性化された時、一般的に約25立方フィート/分(cfm)の場合に起こることわかっている。そのため、バリアパネルが適切に透過性(例えば、約10 cfmより大きい、より望ましくは約25 cfmより大きい)である限り、不透過性またはバリアパネルよりも透過性の低い補強要素材料が許容される。
【0114】
補強要素は、バリアパネル102の内容物受入れ領域130を識別するようにも構成されうる。その他の方法として、および/またはさらに、補強要素は、パネル取り付け手段と協働してバリアパネル102の内容物受け入れ領域130を識別するように構成されうる。例えば、補強要素は、内容物受入れ領域内に位置する個別の形状の形態でありうる。
図11A〜11Dは、バリアパネル102および折り畳み
保護パネル108から成る模範的な柔軟複数パネル滅菌組立品100の図であり、これは補強要素302をさらに含む(側面タブ400およびプルタブシステム300は非表示)。
【0115】
図11Aは、4つの補強要素302が、一般的に滅菌トレーまたは類似の内容物の隅に対応する場所にある、バリアパネル102の内容物受け入れ領域130の間隔を置いた場所に位置付けられている、柔軟な複数パネル滅菌組立品100を示す。
図11Bは、2つの補強要素302が、所定の折線116から所定の折線116の概して反対のバリアパネル102の第四の縁126および第五の縁128まで延長するバリアパネル102上の間隔を置いた場所に位置付けられている、柔軟な複数パネル滅菌組立品100を示す。2つの補強要素302は、内容物受入れ領域130の、一般的に滅菌トレーまたは類似の内容物の隅に対応する場所に位置する。
図11Cは、2つの補強要素302が、第一の縁120および第三の縁124にあるまたはそれに隣接する2つのパネル取り付け手段106の間の所定の折線116に概して平行なバリアパネル102上の間隔を置いた場所に位置付けられている、柔軟な複数パネル滅菌組立品100を示す。2つの補強要素302は、内容物受入れ領域130の、一般的に滅菌トレーまたは類似の内容物の隅に対応する場所に位置する。補強要素302は、バリアパネルの縁を越えて延長してよく、補強要素302の延長部分はプルタブシステム300としての役割をするまたは機能することが意図されている。例えば、延長部分は、バリアパネル102の第二の反対側面112の上に折り畳まれうる(例えば、
図7Cおよび8Bを参照)。
【0116】
図11Dは、2つの補強要素302が、バリアパネル102および折り畳み
保護パネル108上の間隔を置いた場所に位置付けらている、柔軟な複数パネル滅菌組立品100を示す。2つの補強要素302は、折り畳み
保護パネル108の遠位端144からバリアパネル102の第四の縁126および第五の縁128まで概して平行の構成で延長する。2つの補強要素302は、内容物受入れ領域130の、一般的に滅菌トレーまたは類似の内容物の隅に対応する場所に位置する。
【0117】
もちろん、補強要素は、多種多様の形状、サイズおよびその他の構成を持ちうる。
図12Aおよび12Bは、模範的な補強要素302の図である。
図12Aは、一般的に三角形の構成を持つ補強要素302を示す。
図12Bは、いくつかの重なった三角形要素から成る模範的補強要素302を示す。他の方法として、および/またはさらに、
図12Bに示される補強要素302は、単一片の材料で形成されうる。例えば、「H」パターン、「X」パターンなど、その他の形状および構成が意図されている。
【0118】
本発明の実施形態では、使い捨ての柔軟な複数パネル滅菌組立品は、材料の2つの主な片に基づきうる。ここで
図13を参照すると、模範的な使い捨ての柔軟な複数パネル滅菌組立品100の展開または分解図で、材料の第一の片(層)304および材料の第二の片(層)306が見えている。この構成では、第一の層304と第二の層306の材料の重なりは、バリアパネル102を画定する。一般的に、これらの層は、接着剤、超音波接合、熱機械接合などで接合されうる。層は、縁の少なくとも2つでまたはそれに隣接した所で、第二の端部に沿って接合されることが望ましい。例えば、層は第一の縁120および第三の縁124に沿って接合されうる。接着は完全な継ぎ目であってもよく、または縁は縁の1つだけまたはいくつかの部分に沿って部分的に接着されてもよい。その他の方法として、および/またはさらに、接着は、それぞれの縁のすべてまたは一部に沿って断続的または不連続でありうる。もちろん、その他の縁も接着でき、または層はその表面積全体のすべてまたは一部にわたって一緒に接着されうる。材料の第一の層304と材料の第二の層306の重なりがない領域は、折り畳み
保護パネル108を形成する。一般的に、材料の第一の層304および材料の第二の層306は、同じ材料であるか、または異なる材料でありうる。例えば、材料の第一の層304は、スパンボンド不織布材料、軽量不織布積層板材料、またはバリアパネルに対して望ましいレベルのバリア特性(またはその他の特徴)を欠く材料の単一層または複数層でありうる。材料の第二の層306は、材料の第一の層304よりも高いレベルのバリア特性を持つことが望ましい。例えば、材料の第二の層306は、「SMS」材料などの不織布の積層板でありうる。材料の第二の層306は、材料の第一の層304とは異なる色および/またはパターンを持ちうる。例えば、材料の第一の層304は、第一の色(例えば、青色)、暗色、またはカラースケール上の特定の色を持つことがあり、材料の第二の層306は無色(例えば、白)、第二の色(例えば、淡色)、または第一の色と対照的なカラースケール上の特定の色を持ちうる。材料の第一の層304と材料の第二の層306の間の色の差別化またはコントラストは、バリアパネルのバリア特性が損なわれているインジケータとして機能するのに有用でありうることが意図されている。
【0119】
ここで
図14を参照すると、模範的な使い捨ての柔軟な複数パネル滅菌組立品100(側面タブ400は非表示)の展開または分解図で、材料の第一の層304および材料の第二の層306が見えている。この構成では、材料の第一の層304および材料の第二の層306は重なり合ってバリアパネル102を画定する。材料の第一の層304と材料の第二の層306の重なりがない領域は、折り畳み
保護パネル108を形成する。断面図は、材料の第二の層306の上に直接位置しうる補強要素302を示す。補強要素302は、望ましくはバリアパネル102の内容物受入れ領域130を識別するように、第一の表面110上に存在しうる。その他の方法として、および/またはさらに、補強要素302は、バリアパネルの第二の反対表面上に位置しうる。
【0120】
滅菌ラップは、裂け、切れ目、穿刺、穴またはその他の破損を伴うさまざまな種類の不具合を持つ。いかなる不具合も重大な結果を持ちうる。より一般的な種類の不具合は、従来型滅菌ラップ布で包まれるまたはその他の方法で取り囲まれる滅菌トレーまたはその他の内容物かを起点とする裂け、穴または切れ目を伴うと従来的には考えられている。つまり、裂け、切れ目または穴は、滅菌トレーまたはその他の内容物と滅菌ラップ布自体の間の境界面から始まり、滅菌ラップ布の内側から伝播して材料を通して外側に貫通し、最終的に破損を生じると考えられていた。そのため、コーナーガードおよび滅菌トレーまたは内容物と滅菌ラップの間に配置されるその他のタイプの保護を開発するために多くの努力が払われてきた。
【0121】
本発明の態様では、穴または切れ目に隣接する繊維が互いに溶解または「溶接」されたように見えるような圧力穴および圧力切れ目は、従来型滅菌ラップ布によって包まれるまたはその他の方法で取り囲まれる滅菌トレーまたはその他の内容物から伝播するのではなく、最も一般的にはパッケージ(すなわち、滅菌ラップ布で取り囲まれた内容物)の外側から伝播することが発見された。滅菌組立品の望ましい実施形態では、補強要素302がバリアパネルの第二の反対表面112上に位置して付加的な予想外の利点を提供するが、それはバリアパネル102の第二の反対表面112は、使い捨ての柔軟な複数パネル滅菌組立品100の内容物(例えば、滅菌トレー)に接触しない部分であり、これは典型的には包まれたパッケージの外側を形成するためである。圧力穴および圧力切れ目が包まれたパッケージの内側から伝播する傾向があるため、第二の反対表面112上に位置する補強要素302は、圧力穴および圧力切れ目に対してより効果的な保護を提供すると考えられる。発明者はいかなる特定の動作理論にも縛られるべきではないが、圧力切れ目および圧力穴は、滅菌ラップで取り囲まれた内容物が単一の接触事象または複数の接触事象の間に十分な力で不規則な表面と接触し、不規則な表面が力を集中させて不具合を生じるエネルギーを生成するようになる時により頻繁に生じると考えられている。
【0122】
本発明によると、バリアパネル、折り畳み
保護パネルおよび/または補強要素(ある場合)は、望ましくはリサイクルに適合する熱可塑性材料から作られうる。つまり、これらの部品の一部またはすべてが、一緒にリサイクルできるように、すべて同じまたは類似の材料から作られることが望ましい。例えば、これらの部品は、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンおよびその組み合わせ)から作られる不織布材料および/または複合材料(例えば、フィルムと不織布積層板)から成りうる。また、側面タブおよび/またはプルタブ(プルタブがある場合)は、その他の部品(すなわち、バリアパネル、折り畳み
保護パネルおよび補強要素(補強要素がある場合))と一緒にリサイクルできるように、同じまたは類似の材料から作られることも望ましい。しかし、1つ以上の部品(例えば、折り畳み
保護パネル、補強部品、側面タブ、パネル取り付け手段など)は、その他の部品と一緒にリサイクルするのに適合しない材料から作成されるかまたはそれから作られた部分を含みうる。本発明の態様によると、適合部品のみをリサイクルしうるように、このような不適合部品は適合部品から分離されうる。これは、1つ以上の不適合部品を取り外しうるように分離可能な構造用接着剤を使用する、および/または不適合部品を分離しうるように項割れやすい部分を組み込むことによって達成されうる。パネル取り付け手段は不適合材料を組み込みうることが意図されている。実施形態では、パネル取り付け手段は側面タブに位置しうる。このような構成では、適切なレベルの力(例えば、側面タブが、滅菌のために内容物の周りに折り畳まれた構成で、互いにまたは内容物カバー領域に固定されているよりも大きなレベルの力)で側面タブを取り外しうるように、側面タブは弱い接着剤を使用してバリアパネルに接合されうる。その他の方法として、および/またはさらに、側面タブがバリアパネルから簡単に分離されうるように、側面タブは分割ライン、ミシン目、または薄くなるように弱められた部分を含みうる。
【0123】
本発明は、柔軟な複数パネル滅菌組立品を、滅菌する物品の周りに解放可能なように固定するシステムまたは方法も包含する。システムは、一般的に上述したようなバリアパネルを含む。例えば、バリアパネルは、バリア特性を持つ透過性シート材料から成る。バリアパネルは、第一の表面および第二の反対表面、第一の端部および第一の端部と反対の第二の端部、それぞれの縁が第一の端部に概して垂直である第一の縁および第三の縁、および第一の端部とは概して反対の第二の縁を含む。バリアパネルは、およそ第一の縁からおよそ第三の縁まで一般的に延長する印も含み、これはバリアパネルおよび/またはバリアパネルと関連する任意選択の補強要素上にありうる。印は、バリアパネルの第一の端部の先端「E」に概して平行に整列しており、バリアパネルの中点に向かう方向にこの先端から離れて位置し、内容物受け入れ領域の上部境界を画定する。バリアパネルは、第一の縁から第三の縁までの距離である最大幅、および第一の端部から第二の端部までの距離である最大長さを持ち、バリアパネルはまた、長さに沿って中点を持ち、第一の縁と第三の縁との間に延長してバリアパネルを、概して第一の端部から中点に延長する内容物受け入れ領域と、中点から概して第二の端部まで延長する内容物カバー領域とに一般的に線引きする。
【0124】
システムは、バリアパネルから延長する、折り畳み
保護パネルを含む。バリアパネルの側面および末端部分を折り畳んだ後、折り畳み
保護パネルの遠位端がバリアパネルの1つ以上のパネル縁および側面タブをカバーするように、折り畳み
保護パネルは、バリアパネルに概して隣接する近位端、および近位端とは概して反対の遠位端を含む。
【0125】
システムは、バリアパネルの第一の端部と中点
の線間で、第一の縁および第三の縁にまたはその近くに位置する側面タブを含む。側面タブは、バリアパネルを包んだり開いたりするためのグリップ部分を含む。システムは、バリアパネル取り付け手段も含む。バリアパネル取り付け手段は、内容物受け入れ領域の上部境界とバリアパネルの中点
の線間に位置することが望ましい。バリアパネル取り付け手段は、側面タブの近位端から離れて側面タブ上に位置してグリップ部分を提供し、側面タブの遠位端から離れて、バリアパネルの縁を開く前に、パネル取り付け手段のバリアパネル(またはそれが取り付けられて滅菌組立品を折り畳まれた構成に保つその他の部品)からの解放を促進することがさらに望ましい。
【0126】
本発明のシステムによると、側面タブおよびパネル取り付け手段は、(i) バリアパネルが中点またはその近くで折り畳まれた後に、その第二の端部がその第一の端部の近くに引き寄せられるように、側面タブを互いにおよび/または内容物カバー領域の一部に接合し、(ii) 第一の縁および第三の縁が少なくとも約5グラム重量(gmf)であって400 gmf以下の力で分離されるように、滅菌のために内容物の周りに折り畳まれた構成で、側面タブを互いにおよび/または内容物カバー領域の一部に固定し、(iii) パネル取り付け手段を側面タブおよび/またはバリアパネルの縁を開く前にそれが取り付けられる内容物カバー領域の部分から解放するように構成されている。
【0127】
本発明の方法によると、側面タブおよびパネル取り付け手段は、(i) バリアパネルが中点またはその近くで折り畳まれた後に、その第二の端部がその第一の端部の近くに引き寄せられるように、側面タブで第一および第三の縁を上方および内容物受け入れ領域の上に折り畳むステップ、(ii) パネル取り付け手段で、側面タブを互いにまたは内容物カバー領域の一部に固定するステップ、(iii) パネル取り付け手段をバリアパネル(または滅菌組立品を折り畳まれた構成に保つためにそれが取り付けられるその他の部品)から、バリアパネルの縁を開く前に、約5グラム重量(gmf)であって400 gmf以下の力で解放するステップに対して組み合わせて使用される。側面タブ上のパネル取り付け手段の構成は、パネル取り付け手段の解放に、グリップ領域「G」をつかむこと、およびせん断力ではなく主に剥離力を生じるように引くことが伴うようになることが望ましい。
【0128】
ここで
図16A〜16Dを参照すると、本発明のシステムまたは方法の一部としての模範的滅菌組立品を開く際の、模範的側面パネルおよびパネル取り付け手段の詳細図が示されている。
【0129】
図16Aは、折り畳み
保護パネル108が後ろに引かれて、第一の縁120および第三の縁124と接合された側面タブ400が露出している組立品を示す上面図である(例えば、
図10Bを参照)。パネル取り付け手段106は、側面タブ400の真下に位置し、バリアパネル102の第二の端部118に固定されているので破線で示されている。
【0130】
図16Bは、模範的側面パネルおよびパネル取り付け手段の特徴を示す、
図16Aの詳細の垂直断面図である。
図16Bに示されるように、側面タブ400は、グリップ領域「G」を備える遠位端412および近位端402を持つ。近位端402は、バリアパネルの縁に接合されて示されている。非限定的例として意図されているこの図では、近位端402はバリアパネルの第三の縁124に接合されて示されている。側面タブ400は、側面タブ(およびバリアパネルの縁124)をバリアパネル102の第二の端部118に固定するパネル取り付け手段106を組み込む。
【0131】
図16Cは、使用者による模範的滅菌組立品の開封中の、模範的側面パネルおよびパネル取り付け手段の特徴を示す、
図16Bの詳細の垂直断面図である。使用者は、側面タブ400の遠位端412にあるグリップ領域Gをつかみ、側面タブを引き上げて、パネル取り付け手段106をバリアパネル102の第二の端部118から外し始める。
図16Dに示されるように、パネル取り付け手段106は、側面タブ400の遠位端412から分離されて、グリップ領域Gを形成するように位置付けられる。パネル取り付け手段の遠位縁と遠位タブ端部との間のこの距離は、約1/2インチから4インチ以上でありうる。本発明のシステムまたは方法のグリップ領域Gは、パネル取り付け手段106を分離または解放するためのせん断力ではなく主に剥離力を提供する動きまたは配向によって、複数パネル滅菌組立品の開封を促進するのに役立つと考えられる。このような構成は、パネル取り付け手段を分離するために必要な剥離力がせん断力より小さいために、有利である。
【0132】
さらに、パネル取り付け手段106は、約1/4インチ〜3インチ以上の範囲の距離で近位タブ端部402から分離されるように、位置付けられうる。本発明のシステムまたは方法の実施における複数パネル滅菌組立品の開封順序の間、分離距離が望ましいが、その理由はバリアパネルの縁を開く前に、それがパネル取り付け手段のバリアパネル(またはそれが取り付けられて滅菌組立品を折り畳まれた構成に維持するその他の部品)からの解放を可能にするからである。
【実施例】
【0133】
本発明は、以下の例によってさらに説明される。ただし、このような例は、本発明の精神または範囲のいずれかをいかなる方法でも制限するものとしては解釈されないものとする。
【0134】
剥離力およびせん断力の測定は、市販のフックファスナーで、2つの異なる不織布積層板布を持つLow Profile Hook Fastener 7334(ポリオレフィン、ミネソタ州セントポールの3M Corporationから入手可能)という名称のファスナーの取り付けに対して行なわれた。不織布積層板布のそれぞれは、スパンボンド不織布材料の2つの層の積層板で、メルトブローン不織布材料の層を挟んでおり、「SMS」布(ジョージア州ロズウェルのKimberly-Clark Corporationから入手可能)とも呼ばれる。
【0135】
同じフックファスナーのサンプルが試験されたが、3つの異なる寸法で、1つのセットは幅1インチ、長さ4インチのサンプル、第二のセットは幅1/2インチ、長さ4インチのサンプル、第三のセットは幅1インチ、長さ3インチのセットであった。3M(登録商標) Low Profile Hook Fastener 7334は、キノコのかさ型のフック要素を持つと考えられる。
【0136】
不織布積層板布は、複数パネル滅菌組立品の最も外側の層または重ねに相当し、1.85 osy(〜62 gsm)または2.57 osy(〜86 gsm)のいずれかの基本重量を持っていた。1.85 osy(〜62 gsm)および2.57 osy(〜86 gsm)SMS布へのフックファスナーのかみ合いに対する測定には、蒸気滅菌およびエチレンオキシド滅菌された布が含まれた。
【0137】
表AおよびBの測定は、剥離強度(剥離力とも呼ばれる)に対するASTM D5170-98(2010年)手順およびせん断強度(せん断ピーク強度、せん断力、またはせん断ピーク力とも呼ばれる)ASTM D5169-98(2012年)手順に従って行なわれ、これらの手順は以下に要約されている。剥離強度試験では、12インチ/分のクロスヘッド速度および1インチのゲージ長を使用した。せん断強度試験では、12インチ/分のクロスヘッド速度および3インチのゲージ長を使用した。
【0138】
測定は、1インチ寸法のフックをSMS布の機械交差方向と一致させて、SMS布の「パターン」(P)および「アンビル」(A)側面に取り付けたフックファスナーに対して行なわれた。便宜上、機械方向は組立品の「長さ方向」または「0度配向」と呼ばれ、機械交差方向は組立品の「幅方向」または組立品または材料の「90度配向」と呼ばれる。
図15Aは、剥離強度値を決定するために「0度」配向にあるSMS布に対するフックファスナーの配向を示す。
図15Bは、せん断強度値を決定するために「0度」配向にあるSMS布に対するフックファスナーの配向を示す。つまり、
図15Aおよび15Bでは、フックファスナーは矢印「A」の方向に引かれ、SMS布の機械方向または「0度配向」も矢印「A」に整列する。フックファスナーは、その4インチ長さの寸法が、クランプの動きの方向に整列し、布がもう一方のクランプに固定保持されるように、試験装置の一つのクランプ(動いた方)に保持された。
【0139】
測定は、SMS布のパターン側に2つの追加的な異なる配向で取り付けられたフックファスナーの1インチ幅に対しても行なわれた: (i) フックの1インチ寸法が布のCD方向(組立品の長さ方向または「90度」配向)に一致する、および (ii) 布のMDおよびCD方向に対して「45度」の配向の1インチ寸法。これらの非0度配向については、フックファスナーは、その4インチの寸法が、クランプの動きの方向に整列し、布がもう一方のクランプに固定保持されるように、試験装置の一つのクランプ(動いた方)に保持された。フックファスナーは、布のそれぞれの配向と整列する矢印「A」の方向に引かれる(例えば、「90度配向」または「45度配向」)。
【0140】
剥離試験手順
【0141】
1.1 本試験は、バリアパネルをパネル取り付けから分離するために必要な剥離強度を決定することを目的としている。
【0142】
1.2 試験試料は、パネル取り付け手段106およびそれを固定するバリアパネル102の一部から成る。試験試料は、バリアパネル部分の望ましい表面と直接相互作用するパネル取り付け手段を持つ。外部シートを少なくとも含むバリアパネルの一部は、少なくとも5インチの「長さ」および4インチの「幅」を持ち、バリアパネルの「長さ」は望ましい配向の方向に沿い、「幅」は「長さ」と垂直となるべきである。パネル取り付け手段とかみ合う側面であるバリアパネル部分の外部表面は、パネル取り付け手段の上にかぶさってカバーし、バリアパネル部分とパネル取り付け手段の長さが一致し、パネル取り付け手段はバリアパネル部分の幅に対して概して中央となる。パネル取り付け手段とバリアパネル部分の間の初期はめ合いは、ASTM D5170-98(2010年)に記述される方法によって達成される。試験を目的としてパネル取り付け手段とバリアパネル部分を一緒にかみ合わせるために、適切なローラーは、ローラーがパネル取り付け手段の幅の中央にある状態で、長さ方向の5つのサイクルによって、試験試料を横断する。適切なローラー装置は、4.5ポンドの重さで、ローラーの周りにゴムコーティングを含む。適切なローラーは、オハイオ州メンターにあるChemsultants Internationalから入手可能な部品番号HR-100である。サイクルを完了した後、長さ方向のパネル取り付け手段端部の約1インチがバリアパネル部分から分離される。
【0143】
1.3 パネル取り付け手段の分離端部およびバリアパネル部分の隣接(解放)端部は、剥離試験の
図15Aに示されるように、引張試験機の2つの対立する4インチ幅のグリップにそれぞれ固定される。グリップは1インチの間隔を置いている。クロスヘッド速度は12インチ/分である。パネル取り付け手段は動いているグリップの中央にあり、それに固定されている。バリアパネル部分をパネル取り付け手段から分離するために必要な力は、グリップが互いから矢印「A」の方向に遠ざかる時に測定される。結果はグラム重量の単位で示されており、数字が大きいほどかみ合いが大きいことを示す。
【0144】
せん断試験手順
【0145】
2.1 本試験は、バリアパネルをパネル取り付けから分離するために必要なせん断強度(グラム重量)を決定することを目的としている。
【0146】
2.2 試験試料は、パネル取り付け手段106およびそれを固定するバリアパネル102の部分から成る。外部シートを少なくとも含むバリアパネルの一部は、少なくとも5インチの「長さ」を持ち、バリアパネルの「長さ」は望ましい配向の方向に沿い、4インチの「幅」は「長さ」に垂直となるべきである。パネル取り付け手段とかみ合う側面であるバリアパネル部分の外部表面は、パネル取り付け手段の上に長さ方向が一致するようにかぶさって長さ方向のその2インチをカバーし、パネル取り付け手段はバリアパネル部分の幅に対して概して中央となる。パネル取り付け手段とバリアパネル部分の間の初期はめ合いは、ASTM D5169-98(2012年)に記述される方法によって達成される。試験を目的としてパネル取り付け手段とバリアパネル部分を一緒にかみ合わせるために、適切なローラーは、ローラーがパネル取り付け手段の幅の中央にある状態で、長さ方向の5つのサイクル(3サイクルはASTM D5169-98(2012年)に指定されていることに注意)によって、試験試料を横断する。
【0147】
2.3
図15Bに示されるように、パネル取り付け手段の取り付けられていない端部は、引張試験機の4インチの移動グリップの中央にあってそこに固定され、バリアパネル部分の反対端部は、引張試験機のもう一方の4インチグリップに固定される。グリップは3インチの間隔を置いている。クロスヘッド速度は12インチ/分である。バリアパネル部分をパネル取り付け手段から分離するための力は、グリップが互いから矢印「A」の方向に遠ざかる時に測定される。結果はグラム重量の単位で示されており、数字が大きいほどかみ合いが大きいことを示す。
【0148】
剥離およびピークせん断力の結果が表AおよびBに示されている。
【0149】
表AおよびBに報告されている結果は、フックファスナーがアンビル側面よりも布のパターン側面とかみ合うことを示している。(布のアンビル側面は、熱点接合の間に滑らかなカレンダーロールと接触する表面で、布のパターン側面は、3次元パターン化ロールと接触する布の表面で、従ってパターン側面はパターン化ロールの跡を持つようになる。)この側面性が剥離およびせん断値を決定するので、組立品の外側シートの外側表面を形成する布の表面は、フックファスナーをパネル取り付け手段として使用する時、重要な設計要因となる。布要因に加えて、フック要素および(アレイでの)その間隔は、十分な取り付けおよび取り外し基準をもたらすために重要である。
【0150】
その他のタイプのフックファスナーが適切なSMS布の範囲で評価された場合、特定の3Mフックファスナーは、1.85および2.57 osyのSMS布のパターン表面に対するシミュレーションしよう評価において、許容可能な取り付けおよび取り外しを与えた。剥離力については、最小力は4.91グラムである(表R)。せん断力については、最小力は1332グラムである。試験された両方の布に対する0度および90度の剥離力で最も明らかなように、フックファスナーに対する布の配向が差を示すので、これは、布とファスナーの組み合わせの選択および許容可能な組立品の使用に対するそれらの位置づけにおいて考慮すべきもう1つの影響要因でありうる。
【0151】
同じタイプの布(1.85 osyのSMS)へのフックファスナーのかみ合いは、1インチと1/2インチの幅では重複していると結論付けられる。試験のためにサンプルを準備する1つの手続きステップは、影響要因であると考えらる:ASTMによると、同じ予備重み付け装置がフックファスナー上を回転して、1/2および1インチの両方のストリップの布にそれを押し入れるので、1/2幅のストリップの方が1インチ幅のストリップよりも大きな圧縮圧力を受ける。1/2インチ幅のファスナーに対するこのより大きな圧力は、さらなる貫通力を与え、そのためせん断ピーク値によって最も明らかなように、1インチストリップよりもさらなる個別フック要素が布とかみ合う可能性が高い。再び、これは、フックファスナーと布の寸法およびパラメータにのみ注目するのではなく、ファスナーと布の間の十分なかみ合いを達成する重要性を強調している。
【0152】
追加的な剥離測定には、1インチの幅で4インチの長さおよび1インチの幅で3インチの長さの寸法のHook Fastener 7334に対して1.85 osyおよび2.57 osyのSMS布を使用した。SMS布には、蒸気およびエチレンオキシドによる滅菌処理に晒されたものが含まれた。剥離力測定は、同様の試料準備方法および剥離試験手順に記述されたクロスヘッド速度で実施されたが、フックファスナーは、ファスナーの非フック側面と側面タブの表面との間の接着接合を介して側面タブによって支持された(バリアパネル布が1.85 osyの時、側面タブは1.85 osyであり、バリアパネル布が2.57 osyの時、2.57 osy SMSであった)、SMS布からのフックの分離は、フックファスナーの1インチ寸法に渡るものであり、すなわちフックファスナーの1インチ寸法は
図15の矢印「A」に整列された、かみ合ったSMS(パターン側面)および支持側面タブは、試料準備の後、フックファスナーの4または3インチ寸法の4インチに切り取られた、ならびに試料のかみ合っていない端部は4インチのグリップに固定され、かみ合ったフックファスナーおよびSMS布はグリップ間の中央に位置したといった変更があった。
【0153】
表Cは結果を示すが、gmf値は30の個別試験の平均であり、「Std Dev」はこれらの30の試験の標準偏差である。「なし」と示される滅菌処理は、出来上がったままの布を示し、「H2O 1-3」は病院で使用されるそれぞれの従来的蒸気滅菌(すなわち、H2O 1 = 273°Fでの真空前蒸気3分間、H2O 2 = 270°Fでの真空前蒸気4分間、H2O 3 = 273°Fでの真空前蒸気30分)を示し、「EO」はエチレンオキシド滅菌条件への曝露を示す。表Uの布を外表面として、および表Uのパネル締結手段を持つ、包まれた滅菌組立品の開封(開包)の観察では、許容可能な無菌開封が示され、パネルバリアからフックファスナーを取り外すのに支障はなかった。このような観察は、表Uのすべての剥離力値、すなわち平均値および上限および下限(平均プラスまたはマイナス対応する標準偏差)を、エンドユーザーがパネル取り付け手段を支障なくバリアパネルから取り外すために許容可能な値を指し示す。
【0154】
追加的なせん断力測定は、4および3インチ長さ×1インチ幅のフックファスナーおよび表Cの1.85 osyおよび2.57 osyのSMS布を使用して行なわれた。SMS布は表Cに記述されたものと同じ滅菌処理に晒された。
【0155】
せん断力測定は、同様の試料準備方法およびせん断試験手順に記述されたクロスヘッド速度で実施されたが、フックファスナーは、表C値に記述されるようにファスナーの非フック側面と側面タブの表面との間の接着接合を介して側面タブによって支持された、側面タブ全体に重なったバリアパネル部分の布(SMS)の外部表面は、フックファスナーを支持し、バリアパネル布の機械方向はフックファスナーの長さ寸法に整列された、ならびにかみ合ったSMS布と支持されたフックファスナーの試験試料は、グリップ間の中央にフックファスナーの1インチ幅が来るように位置付けられ、SMSバリア布は不動グリップに固定され、フックファスナーを支持している側面タブは可動グリップに固定されたといった変更があった。
【0156】
結果得られる30の個別試験の平均値および対応する標準偏差(Std Dev)が表Dに示されている。前述の開封観察は、同様に、これらのせん断力値(上限および下限を含む)すべてが、エンドユーザーがパネル取り付け手段を本発明のバリアパネルから支障なく取り外すのに許容可能な値であることを指し示す。
【0157】
上述のように、バリアパネルとパネル取り付け手段との間の剥離力は、パネル取り付け手段をそのサポートに接合する接着の剥離強度より小さい必要がある。表Eは、(バリアパネルとのかみ合いに関与するのとは反対の表面上の)フックファスナーと支持側面タブの間の許容可能な剥離強度(グラム重量(gmf))を示す。剥離力として示されるこれらの接着値は、剥離試験手順に記述されるものと同様の方法で行なわれ、フックファスナーの長さと側面タブの布のMD方向は一致したが、各試験試料はフックファスナー7334および1.85または2.57 osyのSMSの支持する側面タブから成り、剥離力はファスナーの非フック側面とSMS布との間の接着接合の分離を測定し、フックファスナーは支持している側面タブから手で分離され、フックファスナーは4インチの寸法で可動グリップに固定され、側面タブは不動グリップに固定されたという例外があった。
【0158】
表Eでは、「布」は(表CおよびDにあるバリアパネルとは対照的に)支持している側面タブのSMS布を示す。側面タブに接合されているフックファスナーは、表Cに記述されているものと同じ滅菌処理に晒された。それぞれのバリアパネルと側面タブの組み合わせを比較して分かるように(すなわち、お互いに1.85 osyの布、お互いに2.57 osyの布)表Cの値は表Eの値よりも小さい。表Eの剥離力は、フックファスナーを側面タブに固定(接着)して、表Wの結果を与えたせん断力評価の間に分離しないことを確実にするのにも十分であった。
【0159】
このように、本発明の模範的実施形態が本書に提示されている。しかし、本発明は、当業者には明らかであるように、さまざまな代替的形態で具現化されうる。本発明の理解を助けるため、および請求項に対する基礎を提供するために、さまざまな図が説明に含まれている。図は、縮尺に比例して描かれておらず、本発明の新しい特徴を強調するために関連要素は省略されていることがある。図に示されている構造的および機能的詳細は、当業者に本発明の実践を教授する目的で提供されており、制限として見なされることは意図していない。
【0160】
本発明の特定の実施形態を本書で記述してきたが、当業者には明らかなように、添付の請求項の範囲を逸脱することなく、記述の実施形態に変更および修正を行いうる。