特許第6347772号(P6347772)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ▲れい▼達科技股▲ふん▼有限公司の特許一覧

<>
  • 特許6347772-マルチ電圧レベルの電力システム 図000002
  • 特許6347772-マルチ電圧レベルの電力システム 図000003
  • 特許6347772-マルチ電圧レベルの電力システム 図000004
  • 特許6347772-マルチ電圧レベルの電力システム 図000005
  • 特許6347772-マルチ電圧レベルの電力システム 図000006
  • 特許6347772-マルチ電圧レベルの電力システム 図000007
  • 特許6347772-マルチ電圧レベルの電力システム 図000008
  • 特許6347772-マルチ電圧レベルの電力システム 図000009
  • 特許6347772-マルチ電圧レベルの電力システム 図000010
  • 特許6347772-マルチ電圧レベルの電力システム 図000011
  • 特許6347772-マルチ電圧レベルの電力システム 図000012
  • 特許6347772-マルチ電圧レベルの電力システム 図000013
  • 特許6347772-マルチ電圧レベルの電力システム 図000014
  • 特許6347772-マルチ電圧レベルの電力システム 図000015
  • 特許6347772-マルチ電圧レベルの電力システム 図000016
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6347772
(24)【登録日】2018年6月8日
(45)【発行日】2018年6月27日
(54)【発明の名称】マルチ電圧レベルの電力システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20180618BHJP
   H02J 7/02 20160101ALI20180618BHJP
【FI】
   H02J7/00 302C
   H02J7/02 G
【請求項の数】10
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2015-235030(P2015-235030)
(22)【出願日】2015年12月1日
(65)【公開番号】特開2017-5971(P2017-5971A)
(43)【公開日】2017年1月5日
【審査請求日】2015年12月1日
(31)【優先権主張番号】104119233
(32)【優先日】2015年6月15日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】513077298
【氏名又は名称】▲れい▼達科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】LEADOT INNOVATION, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】王 鏗又
【審査官】 坂東 博司
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−284586(JP,A)
【文献】 特開2011−045183(JP,A)
【文献】 特開2004−254490(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
H02J 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力システムであって、
少なくとも2つの出力電圧を提供するように構成された電力コネクタと、
前記電力コネクタに結合され、前記少なくとも2つの出力電圧の電圧レベルを検出するように構成された電圧検出ユニットと、
前記電力コネクタに結合され、前記少なくとも2つの出力電圧のエネルギーを提供するように構成されたセルアレイであって、該セルアレイは、並列に結合されたM個のセルパックを含み、各セルパックは、
第1の端子、
第1の制御信号を受信するように構成された制御端子、及び
第2の端子、
を含む第1のトランジスタと、
前記第1のトランジスタの第1の端子に結合された第1の端子、
第2の制御信号を受信するように構成された制御端子、及び
第2の端子、
を含む第2のトランジスタと、
第1の端子、
第3の制御信号を受信するように構成された制御端子、及び
前記第2のトランジスタの第2の端子に結合された第2の端子
を含む第3のトランジスタと、
第2の高電圧端子に結合された第1の端子、
第4の制御信号を受信するように構成された制御端子、及び
前記第1のトランジスタの第2の端子に結合された第2の端子
を含む第4のトランジスタと、
前記第4のトランジスタの第2の端子に結合された第1の端子、
第5の制御信号を受信するように構成された制御端子、及び
第2の端子、
を含む第5のトランジスタと、
前記第5のトランジスタの第2の端子に結合された第1の端子、及び
前記第3のトランジスタの第2の端子に結合された第2の端子、
を含む電力貯蔵ユニットと、
前記電力貯蔵ユニットの第2の端子に結合された第1の端子、
第6の制御信号を受信するように構成された制御端子、及び
第2の低電圧端子に結合された第2の端子
を含む第6のトランジスタと、
を含む、セルアレイと、
前記電圧検出ユニット及び前記セルアレイに結合され、前記セルアレイのM個のセルパックの各トランジスタを制御するように構成されたマイクロコントローラと、
を含み、
Mは2より大きい正の整数であり、
前記電圧レベルは、前記第2の高電圧端子と前記第2の低電圧端子間の電圧であり、
前記出力電圧は、各セルパック内の各電力貯蔵ユニットを接続し、かつ放電することによる出力電圧であり、
前記セルアレイ内で、それぞれのセルパックの第2の高電圧端子が互いに結合され、それぞれのセルパックの第2の低電圧端子が互いに結合され、
前記M個のセルパックのうちの第1のセルパックの第1のトランジスタの第1の端子は、第1の高電圧端子に結合され、前記M個のセルパックのうちの第1のセルパックの第3のトランジスタの第1の端子は、第1の低電圧端子に結合され、
前記M個のセルパックのうちのm番目のセルパックの第1のトランジスタの第1の端子は、前記M個のセルパックのうちの(m−1)番目のセルパックの第4のトランジスタの第2の端子に結合され、前記M個のセルパックのうちのm番目のセルパックの第3のトランジスタの第1の端子は、前記M個のセルパックのうちの(m−1)番目のセルパックの電力貯蔵ユニットの第2の端子に結合され、mは正の整数であって2≦m≦Mであり、
前記電圧検出ユニットは、前記電圧レベルを示すメッセージを前記マイクロコントローラに送信し、
前記マイクロコントローラは、前記電圧検出ユニットから前記メッセージを受信し、前記メッセージに基づいて前記セルアレイの各セルパックの各トランジスタに対する制御信号を生成して、前記セルアレイ内の電力貯蔵ユニット間の直列接続又は並列接続を立する、
電力システム。
【請求項2】
前記電力コネクタはQ個の出力端子を含み、Qは1より大きい正の整数であり、前記Q個の出力端子は前記少なくとも2つの出力電圧を出力するように構成される、請求項1に記載の電力システム。
【請求項3】
前記M個のセルパックの各電力貯蔵ユニットが、Kボルトに等しい電気エネルギーを提供するとき、当該電力システムは、Kボルトと(M×K)ボルトとの間の電気エネルギーを提供することをサポートする、請求項1に記載の電力システム。
【請求項4】
前記の複数のトランジスタのうちの各トランジスタは、N型の金属酸化物半導体又はP型の金属酸化物半導体である、請求項1に記載の電力システム。
【請求項5】
前記の複数のトランジスタのうちの各トランジスタは、少なくとも1つの機械スイッチ又は少なくとも1つの電磁スイッチとして形成される、請求項1に記載の電力システム。
【請求項6】
電力システムであって、
少なくとも2つの入力電圧を受信するように構成された電力コネクタと、
前記電力コネクタに結合され、前記少なくとも2つの入力電圧の電圧レベルを検出するように構成された電圧検出ユニットと、
前記電力コネクタに結合され、前記少なくとも2つの入力電圧のエネルギーを蓄えるように構成されたセルアレイであって、該セルアレイは、並列に結合されたM個のセルパックを含み、各セルパックは、
第1の端子、
第1の制御信号を受信するように構成された制御端子、及び
第2の端子、
を含む第1のトランジスタと、
前記第1のトランジスタの第1の端子に結合された第1の端子、
第2の制御信号を受信するように構成された制御端子、及び
第2の端子、
を含む第2のトランジスタと、
第1の端子、
第3の制御信号を受信するように構成された制御端子、及び
前記第2のトランジスタの第2の端子に結合された第2の端子
を含む第3のトランジスタと、
第2の高電圧端子に結合された第1の端子、
第4の制御信号を受信するように構成された制御端子、及び
前記第1のトランジスタの第2の端子に結合された第2の端子
を含む第4のトランジスタと、
前記第4のトランジスタの第2の端子に結合された第1の端子、
第5の制御信号を受信するように構成された制御端子、及び
第2の端子、
を含む第5のトランジスタと、
前記第5のトランジスタの第2の端子に結合された第1の端子、及び
前記第3のトランジスタの第2の端子に結合された第2の端子、
を含む電力貯蔵ユニットと、
前記電力貯蔵ユニットの第2の端子に結合された第1の端子、
第6の制御信号を受信するように構成された制御端子、及び
第2の低電圧端子に結合された第2の端子
を含む第6のトランジスタと、
を含む、セルアレイと、
前記電圧検出ユニット及び前記セルアレイに結合され、前記セルアレイのM個のセルパックの各トランジスタを制御するように構成されたマイクロコントローラと、
を含み、
Mは2より大きい正の整数であり、
前記電圧レベルは、前記第2の高電圧端子と前記第2の低電圧端子間の電圧であり、
前記入力電圧は、各セルパック内の各電力貯蔵ユニットを接続し、かつ充電するための入力電圧であり、
前記セルアレイ内で、それぞれのセルパックの第2の高電圧端子が互いに結合され、それぞれのセルパックの第2の低電圧端子が互いに結合され、
前記M個のセルパックのうちの第1のセルパックの第1のトランジスタの第1の端子は、第1の高電圧端子に結合され、前記M個のセルパックのうちの第1のセルパックの第3のトランジスタの第1の端子は、第1の低電圧端子に結合され、
前記M個のセルパックのうちのm番目のセルパックの第1のトランジスタの第1の端子は、前記M個のセルパックのうちの(m−1)番目のセルパックの第4のトランジスタの第2の端子に結合され、前記M個のセルパックのうちのm番目のセルパックの第3のトランジスタの第1の端子は、前記M個のセルパックのうちの(m−1)番目のセルパックの電力貯蔵ユニットの第2の端子に結合され、mは正の整数であって2≦m≦Mであり、
前記電圧検出ユニットは、前記電圧レベルを示すメッセージを前記マイクロコントローラに送信し、
前記マイクロコントローラは、前記電圧検出ユニットから前記メッセージを受信し、前記メッセージに基づいて前記セルアレイの各セルパックの各トランジスタに対する制御信号を生成して、前記セルアレイ内の電力貯蔵ユニット間の直列接続又は並列接続を立する、
電力システム。
【請求項7】
前記電力コネクタはQ個の入力端子を含み、Qは1より大きい正の整数であり、前記Q個の入力端子は前記少なくとも2つの入力電圧を受信するように構成される、請求項に記載の電力システム。
【請求項8】
前記M個のセルパックの各電力貯蔵ユニットが、Kボルトに等しい電気エネルギーを蓄えるとき、当該電力システムは、Kボルトと(M×K)ボルトとの間の電気エネルギーを蓄えることをサポートする、請求項に記載の電力システム。
【請求項9】
前記の複数のトランジスタのうちの各トランジスタは、N型の金属酸化物半導体又はP型の金属酸化物半導体である、請求項に記載の電力システム。
【請求項10】
前記の複数のトランジスタのうちの各トランジスタは、少なくとも1つの機械スイッチ又は少なくとも1つの電磁スイッチとして形成される、請求項に記載の電力システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力システムを示し、より具体的には、マルチ電圧レベルを入力し及び/又はマルチ電圧レベルを出力する電力システムを示す。
【背景技術】
【0002】
技術の進化と共に、いくつものポータブル電子デバイスが我々の日常生活に広く取り入れられており、例えば、スマートフォン、パーソナルデジタルアシスタント、タブレット、マイクロデジタルカメラ、及びノートブックなどである。こうしたポータブル電子デバイスは、高い柔軟性及び高い利便性において利点を活かしている。詳細には、高い動作パフォーマンスを達成するために、マルチ機能処理コアと連動した処理スピード(すなわち、フローティング処理スピード)を強化することが、回路設計の主要な動向になっている。しかしながら、処理スピードの向上に伴い、それに従ってポータブル電子デバイスの電力消費が増加されなければならない。ゆえに、バッテリの容量(又は、例えばセルパック)が超小型化ボリュームを満たすように制約されるとき、ポータブル電子デバイスの作動時間(寿命)は低減される可能性がある。
【0003】
ポータブル電子デバイスの作動時間(寿命)を延ばすための一方法は、電力バンクを使用することである。具体的に、電力バンクは、大容量を有するポータブルバッテリと見なすことができる。電力バンクを使用してポータブル電子デバイスに充電することによって、ポータブル電子デバイスの作動時間(寿命)を延ばすことができる。電力バンクの標準によれば、出力電圧は5Vに固定される。出力電流は、1A又は2Aに固定される。ゆえに、ポータブル電子デバイスは、標準の電力バンクを使用することによって充電され得る。しかしながら、従来の電力バンクは、異なる標準によって設計された別のポータブル電子デバイス(例えば、スマートフォン又はノートブック)を、該電子デバイスが異なる充電電圧を必要とし得るとの理由で、充電することができない場合がある。換言すると、従来の電力バンクは、異なる標準によって設計されたポータブル電子デバイスに対して互換性がない場合がある。さらに、従来の電力バンクのセルアレイは、一般に、直列に接続される。ゆえに、セルアレイの一セル(又はいくつかのセル)が異常であるとき、出力電圧が不安定になり、電力バンクを不安全にする。
【0004】
こうして、マルチ電圧レベルで電圧を入力し及び/又は出力する能力のある安全な電力システムを開発することは重要である。
【発明の概要】
【0005】
本発明の一実施形態において、電力システムが開示される。電力システムは、電力コネクタ、電圧検出ユニット、セルアレイ及びマイクロコントローラを含む。電力コネクタは、少なくとも1つの出力電圧を提供することに使用される。電圧検出ユニットは、電力コネクタに結合されて、少なくとも1つの出力電圧の電圧レベルを検出する。セルアレイは、電力コネクタに結合されて、少なくとも1つの出力電圧のエネルギーを提供する。セルアレイは、並列に結合されたM個のセルパックを含む。各セルパックは、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、第3のトランジスタと、第4のトランジスタと、第5のトランジスタと、電力貯蔵ユニットと、第6のトランジスタとを含む。第1のトランジスタは、第1の端子と、第1の制御信号を受信する制御端子と、第2の端子とを含む。第2のトランジスタは、第1のトランジスタの第1の端子に結合された第1の端子と、第2の制御信号を受信する制御端子と、第2の端子とを含む。第3のトランジスタは、第1の端子と、第3の制御信号を受信する制御端子と、第2のトランジスタの第2の端子に結合された第2の端子とを含む。第4のトランジスタは、第2の高電圧端子に結合された第1の端子と、第4の制御信号を受信する制御端子と、第1のトランジスタの第2の端子に結合された第2の端子とを含む。第5のトランジスタは、第4のトランジスタの第2の端子に結合された第1の端子と、第5の制御信号を受信する制御端子と、第2の端子とを含む。電力貯蔵ユニットは、第5のトランジスタの第2の端子に結合された第1の端子と、第3のトランジスタの第2の端子に結合された第2の端子とを含む。第6のトランジスタは、電力貯蔵ユニットの第2の端子に結合された第1の端子と、第6の制御信号を受信する制御端子と、第2の低電圧端子に結合された第2の端子とを含む。マイクロコントローラは、電圧検出ユニット及びセルアレイに結合されて、セルアレイのM個のセルパックの各トランジスタを制御する。Mは1より大きい正の整数である。
【0006】
本発明の別の実施形態において、電力システムが開示される。電力システムは、電力コネクタ、電圧検出ユニット、セルアレイ及びマイクロコントローラを含む。電力コネクタは、少なくとも1つの入力電圧を受信することに使用される。電圧検出ユニットは、電力コネクタに結合されて、少なくとも1つの入力電圧の電圧レベルを検出する。セルアレイは、電力コネクタに結合されて、少なくとも1つの入力電圧のエネルギーを蓄える。セルアレイは、並列に結合されたM個のセルパックを含む。各セルパックは、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、第3のトランジスタと、第4のトランジスタと、第5のトランジスタと、電力貯蔵ユニットと、第6のトランジスタとを含む。第1のトランジスタは、第1の端子と、第1の制御信号を受信する制御端子と、第2の端子とを含む。第2のトランジスタは、第1のトランジスタの第1の端子に結合された第1の端子と、第2の制御信号を受信する制御端子と、第2の端子とを含む。第3のトランジスタは、第1の端子と、第3の制御信号を受信する制御端子と、第2のトランジスタの第2の端子に結合された第2の端子とを含む。第4のトランジスタは、第2の高電圧端子に結合された第1の端子と、第4の制御信号を受信する制御端子と、第1のトランジスタの第2の端子に結合された第2の端子とを含む。第5のトランジスタは、第4のトランジスタの第2の端子に結合された第1の端子と、第5の制御信号を受信する制御端子と、第2の端子とを含む。電力貯蔵ユニットは、第5のトランジスタの第2の端子に結合された第1の端子と、第3のトランジスタの第2の端子に結合された第2の端子とを含む。第6のトランジスタは、電力貯蔵ユニットの第2の端子に結合された第1の端子と、第6の制御信号を受信する制御端子と、第2の低電圧端子に結合された第2の端子とを含む。マイクロコントローラは、電圧検出ユニット及びセルアレイに結合されて、セルアレイのM個のセルパックの各トランジスタを制御する。Mは1より大きい正の整数である。
【0007】
本発明に係る上記及び他の目的が、疑いなく、様々な図及び図面に示される好適な実施形態についての下記の詳細な説明を読んだ当業者に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に従う電力システムのブロック図を示す。
図2図1における電力システムのセルアレイの一回路構造を示す。
図3図1における電力システムに係る、直列に結合された2つのセルパックの一構造を示す。
図4図1における電力システムに係る、並列に結合された2つのセルパックの一構造を示す。
図5図1における電力システムに係る、並列に結合された4つのセルパックの一構造を示す。
図6図1における電力システムに係る、直列に結合された4つのセルパックの一構造を示す。
図7図1における電力システムに係る、直列にペア単位結合されてから並列に結合された4つのセルパックの一構造を示す。
図8図1における電力システムに係る、並列にペア単位結合されてから直列に結合された4つのセルパックの一構造を示す。
図9図1における電力システムに係る、8つのセルパックの第1のレイアウト方法を示す。
図10図1における電力システムに係る、8つのセルパックの第2のレイアウト方法を示す。
図11図1における電力システムに係る、8つのセルパックを使用することによってマルチ電圧レベルを出力する第1の方法を示す。
図12図1における電力システムに係る、8つのセルパックを使用することによってマルチ電圧レベルを出力する第2の方法を示す。
図13図1における電力システムに係る、4つのセルパックの自動均衡エネルギーメカニズムを示す。
図14図1における電力システムに係る、ネスト構造ベースセルアレイを示す。
図15図1における電力システムに係る、マルチレベルのネスト構造ベースセルアレイを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本発明の一実施形態に従う電力システム100のブロック図を示している。図1に示されるとおり、電力システム100は、電力コネクタ10、電圧検出ユニット11、セルアレイ13、及びマイクロコントローラ12を含む。電力コネクタ10は、Q個の出力端子を含む。Q個の出力端子は、少なくとも1つの出力電圧を出力するように使用される。ここで、Qは、1より大きい正の整数である。電圧検出ユニット11は、電力コネクタ10に結合されて、少なくとも1つの出力電圧の電圧レベルを検出する。セルアレイ13は、電力コネクタ10に結合されて、少なくとも1つの出力電圧のエネルギーを提供する。マイクロコントローラ12は、電圧検出ユニット11及びセルアレイ13に結合されて、セルアレイ13を制御する。電力システム100において、マイクロコントローラ12は、任意タイプのプロセッサ、例えば、組み込み型処理チップ、CPU又は論理制御ユニットなどであり得る。セルアレイ13は、電力貯蔵ユニットを含む。電力貯蔵ユニットは、任意タイプの電力貯蔵ユニット、例えば、バッテリ、キャパシタ又はリチウムポリマーセルなどであり得る。電子デバイスの充電ラインがユーザによって電力コネクタ10に結合されたとき、電圧検出ユニット11は、電子デバイスの標準電圧レベルを検出することができる。それから、電圧検出ユニット11は、標準電圧レベルのメッセージ(又は、例えば情報)をマイクロコントローラ12に送信する。マイクロコントローラ12が標準電圧レベルのメッセージを受信した後、マイクロコントローラ12は、セルアレイ13の電力貯蔵ユニットの電気接続を制御する。このようにすることによって、電力システム100は、様々な電子デバイスを充電するように適切な標準電圧レベルを提供し、これにより、高い互換性を達成することができる。電力システム100のセルアレイ13の回路構造は、以下で例示される。
【0010】
図2は、電力システム100のセルアレイ13の回路構造を示している。図2に示されるとおり、セルアレイ13は、M個のセルパックCP乃至CP(すなわち、点線の範囲)を含む。M個のセルパックCP乃至CPは、並列に結合される。第1のセルパックCPは、第1のトランジスタT11、第2のトランジスタT12、第3のトランジスタT13、第4のトランジスタT14、第5のトランジスタT15、第6のトランジスタT16、及び電力貯蔵ユニットBを含む。第1のトランジスタT11は、第1の高電圧端子VHに結合される第1の端子と、第1の制御信号C11を受信する制御端子と、第2の端子とを含む。第2のトランジスタT12は、第1のトランジスタT11の第1の端子に結合された第1の端子と、第2の制御信号C12を受信する制御端子と、第2の端子とを含む。第3のトランジスタT13は、第1の低電圧端子VLに結合された第1の端子と、第3の制御信号C13を受信する制御端子と、第2のトランジスタT12の第2の端子に結合された第2の端子とを含む。第4のトランジスタT14は、第2の高電圧端子VHに結合された第1の端子と、第4の制御信号C14を受信する制御端子と、第1のトランジスタT11の第2の端子に結合された第2の端子とを含む。第5のトランジスタT15は、第4のトランジスタT14の第2の端子に結合された第1の端子と、第5の制御信号C15を受信する制御端子と、第2の端子とを含む。電力貯蔵ユニットBは、第5のトランジスタT15の第2の端子に結合された第1の端子と、第3のトランジスタT13の第2の端子に結合された第2の端子とを含む。第6のトランジスタT16は、電力貯蔵ユニットBの第2の端子に結合された第1の端子と、第6の制御信号C16を受信する制御端子と、第2の低電圧端子VLに結合された第2の端子とを含む。第2のセルパックCPは、第1のトランジスタT21、第2のトランジスタT22、第3のトランジスタT23、第4のトランジスタT24、第5のトランジスタT25、第6のトランジスタT26、及び電力貯蔵ユニットBを含む。第1のセルパックCPと第2のセルパックCPとにおける差は、第2のセルパックCPの第1のトランジスタT21の第1の端子が、第1のセルパックCPの第4のトランジスタT14の第2の端子に結合されることである。第2のセルパックCPの第3のトランジスタT23の第1の端子は、第1のセルパックCPの電力貯蔵ユニットBの第2の端子に結合される。同様にして、m番目のセルパックCPが、6つのトランジスタTm1乃至Tm6と電力貯蔵ユニットBとを含む。具体的に、m番目のセルパックCPの第1のトランジスタTm1の第1の端子は、(m−1)番目のセルパックCPm−1の第4のトランジスタT(m−1)4の第2の端子に結合される。m番目のセルパックCPの第3のトランジスタTm3の第1の端子は、(m−1)番目のセルパックCPm−1の電力貯蔵ユニットBm−1の第2の端子に結合される。ここで、mは正の整数であって、2≦m≦Mである。同様にして、M番目のセルパックCPが、6つのトランジスタTM1乃至TM6と電力貯蔵ユニットBとを含む。M番目のセルパックCPの第1のトランジスタTM1の第1の端子は、(M−1)番目のセルパックCPM−1の第4のトランジスタT(M−1)4の第2の端子に結合される。M番目のセルパックCPの第3のトランジスタTM3の第1の端子は、(M−1)番目のセルパックCPM−1の電力貯蔵ユニットBM−1の第2の端子に結合される。実施形態において、第1のセルパックCP乃至M番目のセルパックCPの各トランジスタは、N型の金属酸化物半導体又はP型の金属酸化物半導体であり得る。第1のセルパックCP乃至M番目のセルパックCPのすべての制御信号は、マイクロコントローラ12によって生成することができる。換言すると、マイクロコントローラ12は、第1のセルパックCP乃至M番目のセルパックCPの各トランジスタのON状態(すなわち、有効の状態)とOFF状態(すなわち、無効の状態)とを制御することができる。同等に、電力貯蔵ユニットB乃至Bの電気接続が、これに従って調整されることができる。下記では、電力システム100のいくつかの電気接続が示される。
【0011】
図3は、電力システム100に係る、直列に結合された2つのセルパックの一構造を示している。図3に示されるとおり、2つのセルパックCP及びCPが検討される。マイクロコントローラ12が、第1のセルパックCPの電力貯蔵ユニットBと第2のセルパックCPの電力貯蔵ユニットBとにおける電気接続を制御して直列接続を確立するように準備するとき、マイクロコントローラ12は、第1のセルパックCPに対応する制御信号C11乃至C16を生成する。マイクロコントローラ12は、第2のセルパックCPに対応する制御信号C21乃至C26を生成する。ここで、第1のセルパックCPの第5のトランジスタT15及び第6のトランジスタT16が、有効にされる。第1のセルパックCPの第1のトランジスタT11、第2のトランジスタT12、第3のトランジスタT13及び第4のトランジスタT14は、無効にされる。具体的に、第2のセルパックCPの第2のトランジスタT22、第4のトランジスタT24及び第5のトランジスタT25が、有効にされる。第2のセルパックCPの第1のトランジスタT21、第3のトランジスタT23及び第6のトランジスタT26は、無効にされる。こうして、電力貯蔵ユニットB及び電力貯蔵ユニットBは、直列接続を確立する。電流が、電力貯蔵ユニットBと電力貯蔵ユニットBとを通って第2の高電圧端子VHに(すなわち、図3における太線での矢印の方向のとおりに)出力されて、電子デバイスを充電することができる。
【0012】
図4は、電力システム100に係る、並列に結合された2つのセルパックの一構造を示している。図4に示されるとおり、2つのセルパックCP及びCPが検討される。マイクロコントローラ12が、第1のセルパックCPの電力貯蔵ユニットBと第2のセルパックCPの電力貯蔵ユニットBとにおける電気接続を制御して並列接続を確立するように準備するとき、マイクロコントローラ12は、第1のセルパックCPに対応する制御信号C11乃至C16を生成する。マイクロコントローラ12は、第2のセルパックCPに対応する制御信号C21乃至C26を生成する。ここで、第1のセルパックCPの第5のトランジスタT15及び第6のトランジスタT16が、有効にされる。第1のセルパックCPの第1のトランジスタT11、第2のトランジスタT12、第3のトランジスタT13及び第4のトランジスタT14は、無効にされる。具体的に、第2のセルパックCPの第1のトランジスタT21、第3のトランジスタT23、第4のトランジスタT24及び第5のトランジスタT25が、有効にされる。第2のセルパックCPの第2のトランジスタT22及び第6のトランジスタT26は、無効にされる。こうして、電力貯蔵ユニットB及び電力貯蔵ユニットBは、並列接続を確立する。電流が、電力貯蔵ユニットBと電力貯蔵ユニットBとを通って第2の高電圧端子VHに(すなわち、図4における太線での矢印の方向のとおりに)出力されて、電子デバイスを充電することができる。
【0013】
図5は、電力システム100に係る、並列に結合された4つのセルパックの一構造を示している。図5に示されるとおり、4つのセルパックCP乃至CPが検討される。マイクロコントローラ12が、第1のセルパックCPの電力貯蔵ユニットBと第2のセルパックCPの電力貯蔵ユニットBと第3のセルパックCPの電力貯蔵ユニットBと第4のセルパックCPの電力貯蔵ユニットBとにおける電気接続を制御して並列接続を確立するように準備するとき、マイクロコントローラ12は、第1のセルパックCPに対応する制御信号C11乃至C16を生成する。マイクロコントローラ12は、第2のセルパックCPに対応する制御信号C21乃至C26を生成する。マイクロコントローラ12は、第3のセルパックCPに対応する制御信号C31乃至C36を生成する。マイクロコントローラ12は、第4のセルパックCPに対応する制御信号C41乃至C46を生成する。具体的に、第1のセルパックCPの第5のトランジスタT15及び第6のトランジスタT16が、有効にされる。第1のセルパックCPの第1のトランジスタT11、第2のトランジスタT12、第3のトランジスタT13及び第4のトランジスタT14は、無効にされる。第2のセルパックCPの第1のトランジスタT21、第3のトランジスタT23及び第5のトランジスタT25が、有効にされる。第2のセルパックCPの第2のトランジスタT22、第4のトランジスタT24及び第6のトランジスタT26は、無効にされる。第3のセルパックCPの第1のトランジスタT31、第3のトランジスタT33及び第5のトランジスタT35が、有効にされる。第3のセルパックCPの第2のトランジスタT32、第4のトランジスタT34及び第6のトランジスタT36は、無効にされる。第4のセルパックCPの第1のトランジスタT41、第2のトランジスタT42、第3のトランジスタT43、第4のトランジスタT44及び第5のトランジスタT45が、有効にされる。第4のセルパックCPの第6のトランジスタT46は、無効にされる。こうして、電力貯蔵ユニットB、電力貯蔵ユニットB、電力貯蔵ユニットB及び電力貯蔵ユニットBは、並列接続を確立する。電流が、電力貯蔵ユニットBと電力貯蔵ユニットBと電力貯蔵ユニットBと電力貯蔵ユニットBとを通って第2の高電圧端子VHに(すなわち、図5における太線での矢印の方向のとおりに)出力されて、電子デバイスを充電することができる。
【0014】
図6は、電力システム100に係る、直列に結合された4つのセルパックの一構造を示している。図6に示されるとおり、4つのセルパックCP乃至CPが検討される。マイクロコントローラ12が、第1のセルパックCPの電力貯蔵ユニットBと第2のセルパックCPの電力貯蔵ユニットBと第3のセルパックCPの電力貯蔵ユニットBと第4のセルパックCPの電力貯蔵ユニットBとにおける電気接続を制御して直列接続回路になるように準備するとき、マイクロコントローラ12は、第1のセルパックCPに対応する制御信号C11乃至C16を生成する。マイクロコントローラ12は、第2のセルパックCPに対応する制御信号C21乃至C26を生成する。マイクロコントローラ12は、第3のセルパックCPに対応する制御信号C31乃至C36を生成する。マイクロコントローラ12は、第4のセルパックCPに対応する制御信号C41乃至C46を生成する。具体的に、第1のセルパックCPの第5のトランジスタT15及び第6のトランジスタT16が、有効にされる。第1のセルパックCPの第1のトランジスタT11、第2のトランジスタT12、第3のトランジスタT13及び第4のトランジスタT14は、無効にされる。第2のセルパックCPの第2のトランジスタT22及び第5のトランジスタT25が、有効にされる。第2のセルパックCPの第1のトランジスタT21、第3のトランジスタT23、第4のトランジスタT24及び第6のトランジスタT26は、無効にされる。第3のセルパックCPの第2のトランジスタT32及び第5のトランジスタT35が、有効にされる。第3のセルパックCPの第1のトランジスタT31、第3のトランジスタT33、第4のトランジスタT34及び第6のトランジスタT36は、無効にされる。第4のセルパックCPの第2のトランジスタT42、第4のトランジスタT44及び第5のトランジスタT45が、有効にされる。第4のセルパックCPの第1のトランジスタT41、第3のトランジスタT43及び第6のトランジスタT46は、無効にされる。こうして、電力貯蔵ユニットB、電力貯蔵ユニットB、電力貯蔵ユニットB及び電力貯蔵ユニットBは、直列接続になる。電流が、電力貯蔵ユニットBと電力貯蔵ユニットBと電力貯蔵ユニットBと電力貯蔵ユニットBとを通って第2の高電圧端子VHに(すなわち、図6における太線での矢印の方向のとおりに)出力されて、電子デバイスを充電することができる。
【0015】
図7は、電力システム100に係る、直列にペア単位(pair-wised)結合されてから並列に結合された4つのセルパックの一構造を示している。図7に示されるとおり、4つのセルパックCP乃至CPが検討される。マイクロコントローラ12が、第1のセルパックCPの電力貯蔵ユニットBと第2のセルパックCPの電力貯蔵ユニットBとにおける電気接続を制御して第1のペア単位直列接続回路になるように準備し、第3のセルパックCPの電力貯蔵ユニットBと第4のセルパックCPの電力貯蔵ユニットBとにおける電気接続を制御して第2のペア単位直列接続回路に、それから並列における結合された2つのペア単位直列接続回路になるように準備するとき、マイクロコントローラ12は、第1のセルパックCPに対応する制御信号C11乃至C16を生成する。マイクロコントローラ12は、第2のセルパックCPに対応する制御信号C21乃至C26を生成する。マイクロコントローラ12は、第3のセルパックCPに対応する制御信号C31乃至C36を生成する。マイクロコントローラ12は、第4のセルパックCPに対応する制御信号C41乃至C46を生成する。具体的に、第1のセルパックCPの第5のトランジスタT15及び第6のトランジスタT16が、有効にされる。第1のセルパックCPの第1のトランジスタT11、第2のトランジスタT12、第3のトランジスタT13及び第4のトランジスタT14は、無効にされる。第2のセルパックCPの第2のトランジスタT22、第4のトランジスタT24及び第5のトランジスタT25が、有効にされる。第2のセルパックCPの第1のトランジスタT21、第3のトランジスタT23及び第6のトランジスタT26は、無効にされる。第3のセルパックCPの第5のトランジスタT35及び第6のトランジスタT36が、有効にされる。第3のセルパックCPの第1のトランジスタT31、第2のトランジスタT32、第3のトランジスタT33及び第4のトランジスタT34は、無効にされる。第4のセルパックCPの第2のトランジスタT42、第4のトランジスタT44及び第5のトランジスタT45が、有効にされる。第4のセルパックCPの第1のトランジスタT41、第3のトランジスタT43及び第6のトランジスタT46は、無効にされる。こうして、電力貯蔵ユニットB及び電力貯蔵ユニットBは、直列接続(すなわち、第1のペア単位直列接続回路の構造)になる。電力貯蔵ユニットB及び電力貯蔵ユニットBは、直列接続(すなわち、第2のペア単位直列接続回路の構造)になる。具体的に、ペア単位直列接続回路の2つの構造は、並列に結合される。電流が、電力貯蔵ユニットBと電力貯蔵ユニットBと電力貯蔵ユニットBと電力貯蔵ユニットBとを通って第2の高電圧端子VHに(すなわち、図7における太線での矢印の方向のとおりに)出力されて、電子デバイスを充電することができる。
【0016】
図8は、電力システム100に係る、並列にペア単位結合されてから直列に結合された4つのセルパックの一構造を示している。図8に示されるとおり、4つのセルパックCP乃至CPが検討される。マイクロコントローラ12が、第1のセルパックCPの電力貯蔵ユニットBと第2のセルパックCPの電力貯蔵ユニットBとにおける電気接続を制御して第1のペア単位並列接続回路になるように準備し、第3のセルパックCPの電力貯蔵ユニットBと第4のセルパックCPの電力貯蔵ユニットBとにおける電気接続を制御して第2のペア単位並列接続回路に、それから直列における結合された2つのペア単位並列接続回路になるように準備するとき、マイクロコントローラ12は、第1のセルパックCPに対応する制御信号C11乃至C16を生成する。マイクロコントローラ12は、第2のセルパックCPに対応する制御信号C21乃至C26を生成する。マイクロコントローラ12は、第3のセルパックCPに対応する制御信号C31乃至C36を生成する。マイクロコントローラ12は、第4のセルパックCPに対応する制御信号C41乃至C46を生成する。具体的に、第1のセルパックCPの第5のトランジスタT15及び第6のトランジスタT16が、有効にされる。第1のセルパックCPの第1のトランジスタT11、第2のトランジスタT12、第3のトランジスタT13及び第4のトランジスタT14は、無効にされる。第2のセルパックCPの第1のトランジスタT21、第3のトランジスタT23及び第5のトランジスタT25が、有効にされる。第2のセルパックCPの第2のトランジスタT22、第4のトランジスタT24及び第6のトランジスタT26は、無効にされる。第3のセルパックCPの第2のトランジスタT32及び第5のトランジスタT35が、有効にされる。第3のセルパックCPの第1のトランジスタT31、第3のトランジスタT33、第4のトランジスタT34及び第6のトランジスタT36は、無効にされる。第4のセルパックCPの第1のトランジスタT41、第3のトランジスタT43、第4のトランジスタT44及び第5のトランジスタT45が、有効にされる。第4のセルパックCPの第2のトランジスタT42及び第6のトランジスタT46は、無効にされる。こうして、電力貯蔵ユニットB及び電力貯蔵ユニットBは、並列接続(すなわち、第1のペア単位並列接続回路の構造)になる。電力貯蔵ユニットB及び電力貯蔵ユニットBは、並列接続(すなわち、第2のペア単位並列接続回路の構造)になる。具体的に、ペア単位並列接続回路の2つの構造は、直列に結合される。電流が、電力貯蔵ユニットBと電力貯蔵ユニットBと電力貯蔵ユニットBと電力貯蔵ユニットBとを通って第2の高電圧端子VHに(すなわち、図8における太線での矢印の方向のとおりに)出力されて、電子デバイスを充電することができる。
【0017】
マイクロコントローラ12は電力システム100のM個のセルパックの電気接続を変更することができるので、調整可能な電気接続がいくつかの異常セルパックを回避するように(すなわち、いくつかの異常セルパックをフロートすること(floating)によって)適用され、これにより、動作安全性(security)レベルを向上させることができる。図9は、電力システム100に係る8つのセルパックの第1のレイアウト方法を示している。図9に示されるとおり、8つのセルパックCP乃至CPが検討される。図9において、第4のセルパックCPが、異常セルパックである。電力システム100が異常セルパックCPを使用する場合、安全性レベルが低減されるおそれがある。ゆえに、マイクロコントローラ12がセルパックCP乃至CPの電気接続を制御するとき、異常セルパックCPは、異常セルパックCPをアイソレートされた(isolated)セルパックとしてフロートすることによってルート変更される(rerouted)。実施形態において、マイクロコントローラ12は、第1のセルパックCPと第2のセルパックCPと第3のセルパックCPとにおける電気接続を、並列における接続として制御する。マイクロコントローラ12は、第5のセルパックCPと第6のセルパックCPと第7のセルパックCPと第8のセルパックCPとにおける電気接続を、並列における接続として制御する。具体的に、セルパックの並列接続回路の2セット(すなわち、セルパックCP乃至CPのセットと、セルパックCP乃至CPのもう1つのセット)が、直列に接続される。こうすることによって、セルパックCP乃至CPの電気接続がマイクロコントローラ12によって適切に調整された後、異常セルパックCPは、フローティングセルパックCPになる。同等に、異常セルパックCPは、エネルギーを充電し又は放電することについて無効にされる。こうして、電力システム100は、高い安全性レベルを提供することができる。
【0018】
図10は、電力システム100に係る8つのセルパックの第2のレイアウト方法を示している。図10に示されるとおり、8つのセルパックCP乃至CPが検討される。図10において、第4のセルパックCPが、異常セルパックである。電力システム100が異常セルパックCPを使用する場合、安全性レベルが低減される。ゆえに、マイクロコントローラ12がセルパックCP乃至CPの電気接続を制御するとき、異常セルパックCPは、異常セルパックCPをアイソレートされたセルパックとしてフロートすることによってルート変更される。実施形態において、マイクロコントローラ12は、第1のセルパックCPと第2のセルパックCPと第3のセルパックCPとにおける電気接続を、直列における接続として制御する。マイクロコントローラ12は、第5のセルパックCPと第6のセルパックCPと第7のセルパックCPと第8のセルパックCPとにおける電気接続を、直列における接続として制御する。具体的に、セルパックの直列接続回路の2セット(すなわち、セルパックCP乃至CPのセットと、セルパックCP乃至CPのもう1つのセット)が、並列に接続される。こうすることによって、セルパックCP乃至CPの電気接続がマイクロコントローラ12によって適切に調整された後、異常セルパックCPは、フローティングセルパックCPになる。同等に、異常セルパックCPは、エネルギーを充電し又は放電することについて無効にされる。こうして、電力システム100は、高い安全性レベルを提供することができる。
【0019】
上記で指摘されたとおり、電力システム100は、高い安全性レベルを提供することができる。さらに、電力システム100は、マルチ電圧レベル出力をサポートすることもできる。図11は、電力システム100に係る8つのセルパックを使用することによってマルチ電圧レベルを出力する第1の方法を示している。図11に示されるとおり、8つのセルパックCP乃至CPが検討される。実施形態において、異なる電圧レベルを有する3つの出力電圧が、電力システム100の電力コネクタ10の3つの出力端子によってそれぞれ提供されることができる。図11において、第1のセルパックCP及び第2のセルパックCPは、マイクロコントローラ12によって並列に結合される。こうして、電力コネクタ10の第1の出力端子は、低電圧端子VLと高電圧端子VH(A)とに結合されて第1の電圧レベルを出力することができる。第3のセルパックCP及び第4のセルパックCPは、マイクロコントローラ12によって直列に結合される。こうして、電力コネクタ10の第2の出力端子は、低電圧端子VLと高電圧端子VHとに結合されて第2の電圧レベルを出力することができる。第5のセルパックCP、第6のセルパックCP、第7のセルパックCP及び第8のセルパックCPは、マイクロコントローラ12によって並列に結合される。こうして、電力コネクタ10の第3の出力端子は、低電圧端子VLと高電圧端子VH(B)とに結合されて第3の電圧レベルを出力することができる。
【0020】
図12は、電力システム100に係る8つのセルパックを使用することによってマルチ電圧レベルを出力する第2の方法を示している。図12に示されるとおり、8つのセルパックCP乃至CPが検討される。実施形態において、異なる電圧レベルを有する3つの出力電圧が、電力システム100の電力コネクタ10の3つの出力端子によってそれぞれ提供されることができる。図12において、第1のセルパックCP、第2のセルパックCP及び第3のセルパックCPは、マイクロコントローラ12によって並列に結合される。こうして、電力コネクタ10の第1の出力端子は、低電圧端子VLと高電圧端子VH(A)とに結合されて第1の電圧レベルを出力することができる。第4のセルパックCP及び第5のセルパックCPは、マイクロコントローラ12によって直列に結合される。こうして、電力コネクタ10の第2の出力端子は、低電圧端子VLと高電圧端子VHとに結合されて第2の電圧レベルを出力することができる。第6のセルパックCP、第7のセルパックCP及び第8のセルパックCPは、マイクロコントローラ12によって直列に結合される。こうして、電力コネクタ10の第3の出力端子は、低電圧端子VLと高電圧端子VH(B)とに結合されて第3の電圧レベルを出力することができる。
【0021】
図11及び図12における電力システム100の実施形態は、8つのセルパックCP乃至CPを使用して3つの異なる出力電圧レベルを提供しているが、本発明は、8つのセルパックを用いることに限定されない。例えば、他の実施形態が、様々な出力電圧レベルを出力する任意量のセルパックを使用してもよい。さらに、M個のセルパックの各電力貯蔵がKボルトに等しい電気エネルギーを提供するとき、電力システム100は、Kボルトと(M×K)ボルトとの間の電気エネルギーを提供することをサポートする。下記において、電力システム100の寿命を増加させるように、すべてのセルパックのエネルギーを自動的に調整することによって、エネルギー均衡技法が電力システム100に対して使用される。電力システム100のエネルギー均衡技法が、以下で示される。
【0022】
図13は、電力システム100に係る4つのセルパックの自動均衡エネルギーメカニズムを示している。図13に示されるとおり、4つのセルパックCP乃至CPが検討される。具体的に、第3のセルパックCPの電力貯蔵ユニットBのエネルギーは、第1のセルパックCPの電力貯蔵ユニットBのエネルギーと第2のセルパックCPの電力貯蔵ユニットBのエネルギーと第4のセルパックCPの電力貯蔵ユニットBのエネルギーとより高い。自動均衡エネルギーメカニズムの発想は、すべてのセルパックCP乃至CPに等しいエネルギーを持たせることである。自動均衡エネルギーメカニズムを実行するために、マイクロコントローラ12は、閉ループ接続回路を満足するように4つのセルパックCP乃至CPの電気接続をリフォームする。実施形態において、第1のセルパックCPの第5のトランジスタT15が、マイクロコントローラ12によって有効にされる。第1のセルパックCPの第1のトランジスタT11、第2のトランジスタT12、第3のトランジスタT13、第4のトランジスタT14及び第6のトランジスタT16は、マイクロコントローラ12によって無効にされる。第2のセルパックCPの第1のトランジスタT21、第3のトランジスタT23及び第5のトランジスタT25が、マイクロコントローラ12によって有効にされる。第2のセルパックCPの第2のトランジスタT22、第4のトランジスタT24及び第6のトランジスタT26は、マイクロコントローラ12によって無効にされる。第3のセルパックCPの第1のトランジスタT31、第3のトランジスタT33及び第5のトランジスタT35が、マイクロコントローラ12によって有効にされる。第3のセルパックCPの第2のトランジスタT32、第4のトランジスタT34及び第6のトランジスタT36は、マイクロコントローラ12によって無効にされる。第4のセルパックCPの第1のトランジスタT41、第3のトランジスタT43及び第5のトランジスタT45が、マイクロコントローラ12によって有効にされる。第4のセルパックCPの第2のトランジスタT42、第4のトランジスタT44及び第6のトランジスタT46は、マイクロコントローラ12によって無効にされる。こうすることによって、電力貯蔵デバイスB、電力貯蔵デバイスB、電力貯蔵デバイスB及び電力貯蔵デバイスBは並列に結合され、そして閉ループ回路を形成する。結果として、電流(エネルギー)が、電力貯蔵デバイスBから電力貯蔵デバイスB、B及びBに送信される。具体的に、電力貯蔵デバイスB、電力貯蔵デバイスB、電力貯蔵デバイスB及び電力貯蔵デバイスBが閉ループ回路を形成するので、電力システム100が定常状態下にあるとき、電力貯蔵デバイスB、電力貯蔵デバイスB、電力貯蔵デバイスB及び電力貯蔵デバイスBは、キルヒホッフの回路の法則に従って、同じ電圧レベルを有する。こうして、電力システム100の作動時間(寿命)を延ばすことができる。
【0023】
図14は、電力システム100に係る、ネストされた構造に基づくセルアレイ(ネスト構造ベースセルアレイ)を示している。図14に示されるとおり、電力システム100のセルアレイ13は、ここでは、ネスト構造ベースセルアレイとみなされる。ネスト構造ベースセルアレイは、L個のネストされたセルパックBA乃至BAを含む。ここで、Lは、1より大きい正の整数である。各々のネストされたセルパックの構造は、上記の実施形態におけるセルパックの構造(又は、例えばサブ構造)と同様である。ゆえに、ネストされたセルパックの例示は、ここでは省略される。ネストされたセルパックとセルパックとにおける差は、ネストされたセルパックが電力貯蔵デバイス(すなわち、又は例えば、上位セットの電力貯蔵ユニット)を含むことである。ネストされたセルパックの電力貯蔵デバイスは、M個のセルパックを含む。例えば、第1のネストされたセルパックBAは、電力貯蔵デバイスSを含む。電力貯蔵デバイスSは、第1のセルパックCP乃至M番目のセルパックCPを含む。第2のネストされたセルパックBAは、電力貯蔵デバイスSを含む。電力貯蔵デバイスSは、第1のセルパックCP乃至M番目のセルパックCPを含む。同様にして、L番目のネストされたセルパックBAは、電力貯蔵デバイスSを含む。電力貯蔵デバイスSは、第1のセルパックCP乃至M番目のセルパックCPを含む。こうして、マイクロコントローラ12は、第1のネストされたセルパックBA乃至L番目のネストされたセルパックBAの電気接続を制御することができる。マイクロコントローラ12は、さらに、各々のネストされたセルパックの中の第1のセルパックCP乃至M番目のセルパックCPを制御することができる。こうして、M個のセルパックの各電力貯蔵ユニットがKボルトに等しい電気エネルギーを提供するとき、電力システムは、Kボルトと(M×L×K)ボルトとの間の電気エネルギーを提供することをサポートする。電力システム100のネスト構造ベースセルアレイ13は、2回再帰の(recursive)ネストされたセルアレイとして例示されている(すなわち、M個のセルパックが、ネストされたセルパックを形成し、L個のネストされたセルパックが、ネスト構造ベースセルアレイを形成する)が、本発明は、特定再帰数のネスト構造ベースセルアレイ13を用いることに限定されない。例えば、電力システム100の他の実施形態が、任意の再帰数を有するネスト構造ベースセルアレイ13を使用してもよい。
【0024】
単一のネスト構造ベースセルアレイ13を電力システム100に用いることに加えて、マルチレベルのネスト構造ベースセルアレイが下記において導入される。図15は、電力システム100のマルチレベルのネスト構造ベースセルアレイを示している。図15に示されるとおり、2つのレベルを有するネスト構造ベースセルアレイが電力システム100に適用される。第1のレベルのネスト構造ベースセルアレイLCと第2のレベルのネスト構造ベースセルアレイLCとが、互いに結合される。スイッチSWが、第1のレベルのネスト構造ベースセルアレイLCと第2のレベルのネスト構造ベースセルアレイLCとの間で通信することに使用される。ゆえに、マイクロコントローラ12は、スイッチSWを制御して、電力システム100の第1のレベルのネスト構造ベースセルアレイLC及び/又は第2のレベルのネスト構造ベースセルアレイLCを有効にすることができる。換言すると、電力システム100がR個のレベルを有するネスト構造ベースセルアレイ13を含み、ネスト構造ベースセルアレイ13の各レベルがL個のネストされたセルパックを含み、各々のネストされたセルパックがM個のセルパックを含み、M個のセルパックの各電力貯蔵ユニットがKボルトに等しい電気エネルギーを提供するとき、電力システム100は、Kボルトと(R×M×L×K)ボルトとの間の電気エネルギーを提供することをサポートすることができる。電力システム100のマルチレベルのネスト構造ベースセルアレイは、図15において2レベルのネストされたセルアレイとして例示されているが、本発明は、固定数のレベルを有するネスト構造ベースセルアレイ13を使用することに限定されない。例えば、電力システム100の他の実施形態が、任意数のレベルを有するネスト構造ベースセルアレイ13を使用することができる。マルチレベルのネスト構造ベースセルアレイを使用することによって、電力システム100はより大きい動的範囲の出力電圧を提供し、これにより互換性を向上させることができる。
【0025】
図11乃至図14の実施形態において、電力システム100は、いくつかの/すべての電力貯蔵ユニットからエネルギーを放電して外部の電子デバイスに充電することができる。他の実施形態において、電力システム100は、さらに、外部のパワーサプライによって充電されることもできる。具体的に、電力システム100が充電システムとみなされるとき、図1における電力コネクタ10は、Q個の入力端子を含む。Q個の入力端子は、少なくとも1つの入力電圧を受信するように使用される。セルアレイ13は、電力コネクタ10に結合されて、少なくとも1つの入力電圧のエネルギーを蓄える。しかしながら、セルアレイ13の構造と、マイクロコントローラ12によってセルアレイ13の電気接続を制御する方法と、セルアレイ13をネストされたセルパック、ネスト構造ベースセルアレイ及びマルチレベルのネスト構造ベースセルアレイに拡張する構造とは、図2乃至図15における例示と同様である。ゆえに、これらはここでは省略される。具体的に、電力システム100が充電システムとみなされるとき、すべての電流方向は、図3乃至図8において例示された電流方向と反対になる。知られているとおり、電流は、高電圧端子から、エネルギーを蓄えるいくつかの/すべての電力貯蔵ユニットに送信される。
【0026】
さらに、本発明の電力システム100は、複数のトランジスタを使用して電流経路を有効にし又は無効にすることに限定されない。例えば、電力システム100における複数のトランジスタのうちの各トランジスタは、任意の機械タイプの物理スイッチデバイス又は任意の電磁気タイプの物理スイッチデバイスで置換されてもよい。
【0027】
結論として、本発明は、エネルギーを充電し及び/又はエネルギーを放電する能力を有する電力システムを開示する。設計の発想は、電力システムのすべてのセルパックの電気接続を制御するマイクロコントローラを使用することである。こうすることによって、電力システムは、マルチ電圧レベルで電圧を入力し及び/又は出力する能力を有する。さらに、すべてのセルパックのすべての電気接続が調整可能であるため、いくつかの異常なセルパックはフローティングセルパックとしてルート変更され、これにより安全性レベルを増加させることができる。さらに、セルパックのすべての電力貯蔵ユニットは、自動均衡エネルギーメカニズムによって実行されることができる。こうして、電力システムの作動時間(寿命)を延ばすことができる。
【0028】
当業者は、本発明の教示を保持する間、装置及び方法についての多数の修正及び変更がなされ得ることに容易に気付くであろう。したがって、上記の開示は、別記の請求項に係る境界及び範囲によってのみ限定されるものとみなされるべきである。
【符号の説明】
【0029】
100 電力システム
10 電力コネクタ
11 電圧検出ユニット
12 マイクロコントローラ
13 セルアレイ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15