特許第6347787号(P6347787)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6347787移動体通信における利用可能帯域幅の推定
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6347787
(24)【登録日】2018年6月8日
(45)【発行日】2018年6月27日
(54)【発明の名称】移動体通信における利用可能帯域幅の推定
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/02 20090101AFI20180618BHJP
   H04W 24/06 20090101ALI20180618BHJP
【FI】
   H04W24/02
   H04W24/06
【請求項の数】8
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2015-544578(P2015-544578)
(86)(22)【出願日】2013年11月21日
(65)【公表番号】特表2016-503632(P2016-503632A)
(43)【公表日】2016年2月4日
(86)【国際出願番号】IB2013060313
(87)【国際公開番号】WO2014083483
(87)【国際公開日】20140605
【審査請求日】2016年11月1日
(31)【優先権主張番号】13/688,723
(32)【優先日】2012年11月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100108501
【弁理士】
【氏名又は名称】上野 剛史
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【弁理士】
【氏名又は名称】太佐 種一
(72)【発明者】
【氏名】デヴィ、ウンマヘスワリ
(72)【発明者】
【氏名】コック、ラビンドラナス
(72)【発明者】
【氏名】チェトラー、マローラン
【審査官】 ▲高▼木 裕子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−258877(JP,A)
【文献】 特開2010−213065(JP,A)
【文献】 特表2011−515978(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0164657(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 − 7/26
H04W 4/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯域幅を推定するための方法であって、前記方法は、
プロセッサを用いて、
第1のプローブ・フローをセルラー・トラフィック内に送るステップと、
前記第1のプローブ・フローが獲得する第1の帯域幅量を測定するステップと、
第2のプローブ・フローを前記セルラー・トラフィック内に送るステップと、
前記第2のプローブ・フローが前記セルラー・トラフィック内にある間に、前記第1のプローブ・フローが獲得する第2の帯域幅量を測定するステップと、
前記第1の帯域幅量と前記第2の帯域幅量とを比較するステップと、
前記比較するステップから少なくとも1つの結果を判定するステップと、
を実施するように構成されたコンピュータ・コードを実行することを含み、
前記比較するステップは、b1が前記第1の帯域幅量を表し、b1’が前記第2の帯域幅量を表し、Δが前記第2のプローブ・フローの帯域幅を表し、εがΔ/3である場合に、条件b1≧b1’+Δ−εが成立するかどうかを評価するステップを含み、
前記判定するステップは、b1≧b1’+Δ−εが成立する場合、利用可能帯域幅はb1であり、b1≧b1’+Δ−εが成立しない場合、前記利用可能帯域幅は不明である、と判定する、
方法。
【請求項2】
前記測定するステップは、先入れ先出しベースの帯域幅推定技術を用いて獲得可能帯域幅を測定するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記測定するステップは、所定の間隔で伝送される連続したパケット列の分散を計算することにより、獲得可能帯域幅を測定するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記セルラー・トラフィックはボトルネック・トラフィックを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
帯域幅を推定するための装置であって、前記装置は、
少なくとも1つのプロセッサと、
それにより具体化され、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なコンピュータ可読プログラム・コードを有するコンピュータ可読ストレージ媒体と、
を含み、前記コンピュータ可読プログラム・コードは、
第1のプローブ・フローをセルラー・トラフィック内に送るように構成されたコンピュータ可読プログラム・コードと、
前記第1のプローブ・フローが獲得する第1の帯域幅量を測定するように構成されたコンピュータ可読プログラム・コードと、
第2のプローブ・フローを前記セルラー・トラフィック内に送るように構成されたコンピュータ可読プログラム・コードと、
前記第2のプローブ・フローが前記セルラー・トラフィック内にある間に、前記第1のプローブ・フローが獲得する第2の帯域幅量を測定するように構成されたコンピュータ可読プログラム・コードと、
前記第1の帯域幅量と前記第2の帯域幅量とを比較するように構成されたコンピュータ可読プログラム・コードと、
前記比較から少なくとも1つの結果を判定するように構成されたコンピュータ可読プログラム・コードと、
を含み、
前記第1の帯域幅量と前記第2の帯域幅量とを比較するように構成されたコンピュータ可読プログラム・コードは、b1が前記第1の帯域幅量を表し、b1’が前記第2の帯域幅量を表し、Δが前記第2のプローブ・フローの帯域幅を表し、εがΔ/3である場合に、条件b1≧b1’+Δ−εが成立するかどうかを評価するコンピュータ可読プログラム・コードを含み、
前記比較から少なくとも1つの結果を判定するように構成されたコンピュータ可読プログラム・コードは、b1≧b1’+Δ−εが成立する場合、利用可能帯域幅はb1であり、b1≧b1’+Δ−εが成立しない場合、前記利用可能帯域幅は不明である、と判定するコンピュータ可読プログラム・コードを含む、
装置。
【請求項6】
帯域幅を推定するためのコンピュータ・プログラムであって、
第1のプローブ・フローをセルラー・トラフィック内に送るように構成されたコンピュータ可読プログラム・コードと、
前記第1のプローブ・フローによって得られる第1の帯域幅量を測定するように構成されたコンピュータ可読プログラム・コードと、
第2のプローブ・フローを前記セルラー・トラフィック内に送るように構成されたコンピュータ可読プログラム・コードと、
前記第2のプローブ・フローが前記セルラー・トラフィック内にある間に、前記第1のプローブ・フローによって得られる第2の帯域幅量を測定するように構成されたコンピュータ可読プログラム・コードと、
前記第1の帯域幅量と前記第2の帯域幅量を比較するように構成されたコンピュータ可読プログラム・コードと、
前記比較から少なくとも1つの結果を判定するように構成されたコンピュータ可読プログラム・コードと、
を含み、
前記第1の帯域幅量と前記第2の帯域幅量とを比較するように構成されたコンピュータ可読プログラム・コードは、b1が前記第1の帯域幅量を表し、b1’が前記第2の帯域幅量を表し、Δが前記第2のプローブ・フローの帯域幅を表し、εがΔ/3である場合に、条件b1≧b1’+Δ−εが成立するかどうかを評価するように構成され、
前記比較から少なくとも1つの結果を判定するように構成されたコンピュータ可読プログラム・コードは、b1≧b1’+Δ−εが成立する場合、利用可能帯域幅はb1であり、b1≧b1’+Δ−εが成立しない場合、前記利用可能帯域幅は不明である、と判定するように構成される、
コンピュータ・プログラム。
【請求項7】
前記コンピュータ可読プログラム・コードは、先入れ先出しベースの帯域幅推定技術を用いて獲得可能帯域幅を測定するように構成される、請求項に記載のコンピュータ・プログラム。
【請求項8】
前記コンピュータ可読プログラム・コードは、所定の間隔で伝送される連続したパケット列の分散を計算することにより、獲得可能帯域幅を測定するように構成される、請求項に記載のコンピュータ・プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体ネットワークの分野に関する。具体的には、本発明は、移動体電話(mobile telephone)ネットワークにおける利用可能帯域幅(available bandwidth)を推定するための方法、システム及びコンピュータ・プログラム製品に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、多数のモバイル・インターネット・アプリケーション、例えば、電子メール、ソーシャル・ネットワーキング(例えば、商標及び/又は登録済みの「Facebook」及び「Google+」)、ニュース・アグリゲータ(例えば、商標及び/又は登録済みの「Pulse」、「Google Reader」)、メディア共有(例えば、商標及び/又は登録済みの「Picasa」、「Pinterest」、「Soundcloud」)、及びクラウド・ストレージ(例えば、商標及び/又は登録済みの「iCloud」、「Ubuntu One」)は、人が連続的に待っていないデータ転送を伴う。移動体ユーザのユーザ体感品質(Quality of Experience、QoE)に悪影響を与えずに、そのような遅延耐性(delay-tolerant)データの通信をある程度まで遅らせることが可能である。同様に、例えばポッドキャスト(podcast)及びバッファリングされるビデオ再生などのオンデマンド式メディア・ストリーミング用途の場合は、データを適時的に(opportunistically)プリフェッチし、データを最適な時期にユーザの消費に利用可能にすることができる。
【0003】
特定の種類のデータを移動体装置との間でいつ転送するかの判断の柔軟性が与えられた場合、ネットワーク内の予備容量(spare capacity)が大きいと、そのような遅延耐性コンテンツの適時的通信は、移動体装置のエネルギー効率が大きく、ユーザQoEが改善されるという利点を有する。第1に、エネルギーを意識した(energy−aware)セルラー・データ・スケジューリングに関する従前の調査は、無線チャネル品質が高く、通信帯域幅が大きいと、移動体装置との間のデータ転送をスケジューリングすることによって、エネルギー効率を著しく改善できることを示している。第2に、予備容量が大きい場合、そうした非リアルタイム・トラフィック(バックグラウンド・フロー)のスケジューリングは、同じ又は他の移動体装置における他のリアルタイム・トラフィック(フォアグラウンド・フロー又はクロス・フロー)との弱め合う干渉(destructive interference)を回避するのを助け、従って、ユーザQoEを改善する。
【0004】
そのような適時的通信を可能にするセルラー・データ・スケジューリングにおける重要な構成要素は、利用可能帯域幅(Available Bandwidth、AB)の、即ち予備容量のオンデマンド推定である。セルラー・ネットワークにおいてQoE管理に対処する従来の技術は、本質的に受動型(reactive)のものである(即ち、単に、問題が生じたときに問題に応答して行動を開始する)ことが多く、本明細書で論じるような目的には、大きい効果がないことが分かっている。従って、予測されるネットワークの未来の状態に基づいたQoE管理を推進するために、予測ネットワーク分析論を用いる能動型(proactive)技術が開発されている。そのような技術の例としては、短期間の動的サービス認識、遅延耐性コンテンツの非同期配信、輻輳ベースのポリシー制御、及び帯域幅割り当てに関するインテリジェントな決定を行うことができる強化されたミドルウェアが挙げられる。
【0005】
未来の状態の予測には、ネットワークの現在の状態の測定及び記録も必要である。ネットワーク状態の重要な構成要素は、基地局(base station、BS)に存在するフローに悪影響を与えずに使用できる、セルラー基地局における予備容量である。そうした予備容量は、利用可能帯域幅(AB)とも呼ばれる。一般に、本明細書では、少なくとも1つの実施形態により、そうした情報がBSなどのネットワーク要素によって明らかにされていない場合にセルラーBSにおけるABを求めるための技術が広く検討される。従って、ここで本開示は、幾つかの既存の技術及びそれらの欠点、並びにデータ・パケット・スケジューリングに関する幾つかの一般的な考慮事項の考察を簡単に参照する。
【0006】
重み付き公正キューイング(weighted fair queuing、WFQ)は、統計的に多重化されたデータ・フロー(本明細書では、「フロー」又は「データ・フロー」に関する言及は交換可能であると考えることができる)に対する異なるスケジューリング優先度の割り当てを可能にする、データ・パケット・スケジューリング技術である。WFQは、1つのタイプの公正キューイング(FQ)である。WFQ及びFQにおいて、各フローは、別個のFIFO(first−in,first−out、先入れ先出し)キューを有する。FQを用いて、リンク速度R及びN個のアクティブ・フローを仮定すると、N個のフローが同時に処理され、各々がR/Nのデータ速度で行われる。各フローがそれぞれのFIFOキューを有すると、どの単一のフローもセッション内の他のフローに影響を与えることはない。対照的に、WFQは、個々のフローの全帯域幅における様々なシェア(share)を定める。この場合、N個のフローがセッション内にあり(即ち、アクティブであり)、各々が重みw1、w2、...wNを有する場合、フローfは、R×w/(w1+w2+、...+wN)の平均データ速度で行われる。WFQ重みをアクティブに制御することによって、QoEを、帯域幅ニーズ及び/又はデータ・フロー速度に適合させることができる。
【0007】
比例公正(Proportional Fairness、PF)スケジューリングにおいては、フローの重みがそれぞれw=1/cに設定され、ここで、cはフローfのデータビット毎のコストである。Cは、同一チャネル干渉を回避するために同一チャネルを使用することができない近接した基地局の数、そのフローに関して現在のSNR(信号対雑音比)で特定のビット数を伝送するのに必要な通信時間(air time)、又は必要な干渉(エネルギー)レベルとすることができる。
【0008】
3G基地局は、WFQの変形である(PF)スケジューリングの何らかの変形を使用する。この技術は、リソース(例えば、BSにおける通信時間)を、既存のフローの間に公正に割り当て、「フロー分離(flow separation)」をもたらす。フロー分離とは、最高優先速度をもつ1つのフローが、既存フローから帯域幅を奪うことを防止する状況を表す。フロー分離を実現するために、PFスケジューラによって、別個のキューが各フローのパケットに対して使用される。対照的に、全てのフローが単一のキューを共有し、パケット到着時間によりパケット優先度が与えられるFIFOスケジューリングでは、1つのフローが異常動作し(misbehave)、ネットワーク・リソースを独占し、高速度の伝送により他のフローについての遅延及び損失を増大させることがある。フロー分離を用いる場合、各フローは公正な(fair)シェアを取得し、そのシェアは、高優先度のフロー又は異常動作しているフローに奪われることはない。
【0009】
利用可能帯域幅を推定するためのアクティブ・プロービング技術は、1つ又は複数のプローブ・フローに対するクロス・トラフィックの影響を判断することを伴う。例えば、pathLoad(非特許文献1に記載される)は、ストリーム速度が利用可能帯域幅より大きいときに、プローブ・ストリームのパケットが遭遇する片道遅延(one−way delay、OWD)の増加傾向に依拠する。しかしながら、セルラー基地局のPFスケジューラが、リソースを既存フローの間に公正に割り当て、フロー分離をもたらすので、プローブ・フローがその帯域幅の公正なシェアを取得するまで、クロス・トラフィックはプローブ・フローに影響を与えない。換言すれば、利用可能帯域幅が新しいフローによる公正なシェアより小さい場合、プローブ速度が少なくともその公正なシェアになるまで、プローブ・ストリームは、片道遅延又はパケット損失の増大といった悪影響を受けない。従って、既存の技術を用いて、プローブ・フローが獲得する帯域幅が利用可能帯域幅であるか又はその公正なシェアであるかを判断することはできない。
【0010】
基地局におけるPFスケジューリングを用いたセルラー・ネットワークに既存のFIFOベースの技術を適用できない理由を説明するために、以下の例を考えることができる。Cを10Mbpsの全帯域幅容量とし、フローの数をn=1とし、単一フローの速度を8Mbpsとする。この場合、利用可能帯域幅AB=2Mbpsである。ここで、PFスケジューリングの下で、第2のフローは、その公正なシェアであり、ABではない、5Mbpsまでの帯域幅を取得することができる。問題は、既存のFIFOベースの技術が、間違って、利用可能帯域幅として、そして、2Mbpsの実際の利用可能帯域幅ではなく、この公正なシェアを推定することである。
【0011】
無線ルータ用に特別に開発された1つの推定技術が、競合ベースの分散MACスケジューリング(アップリンク用)を用いた802.11ベースの無線ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)のための従来の「プローブ・ギャップ・モデル」(PGM)である。PGMは、ポアソン間隔(Poisson−spaced)のプローブのOWDを分析して、チャネルがアイドル状態にある時間の割合を推定する。PGMは、アイドル状態及び競合期間の間にパケットが遭遇する待ち時間の大きな相違(指数関数バックオフ(exponential backkoffの使用に起因する)のために、WLANにおいてうまく機能し得る。(指数関数バックオフは、幾つかのコンピュータ・ネットワークにおいて、データ・パケットの同じブロックの反復送信を減速して又は間隔をあけて、ネットワークの輻輳を防ぐために使用される。基本的には、現在の条件が与えられると、許容可能な速度が見出されるまで、フロー速度が低減される)。しかしながら、PFスケジューラは、プローブ・パケットの行列キューイング遅延がフォアグラウンド・フローのものと有意差がないことを確実にするので、PGMは、PFスケジューリングされたセルラー・ネットワークにおいてABを常に過大評価する。従って、プローブ・パケットのOWDは、異なる負荷条件の下で有意差がなく、間違ったAB推定をもたらす。
【0012】
近年、3G及び4Gの広帯域セルラー・ネットワークでの携帯電話の使用量が増大するにつれて、ユーザごとの平均トラフィック及びユーザのユーザ経験品質(QoE)への期待も増大している。セルラー・ネットワーク事業者の運営コストも増大している。その一方で、ユーザ一人当たりの平均売上(average revenue per user、APRU)は減少している。この傾向のため、ネットワーク事業者は、ユーザの経験とオフセット・コストを最適化するための技術を求めてきた。今日まで、そうした技術が全面的に有効であるとは証明されていない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】M.Jain及びC.Dovrolis著 「End−to−End Available Bandwidth:Measurement Methodology,Dynamics,and Realtion with TCP Throughput」IEEE/ACM Transactions on Networking、11巻、4号、537−549頁、2003年8月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
帯域幅を推定するための方法、装置、及びコンピュータ・プログラム製品を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
要約すると、本発明の一態様は、帯域幅を推定する方法を提供し、この方法は、プロセッサを用いて、第1のプローブ・フローをセルラー・トラフィック内に送るステップと、第1のプローブ・フローが獲得する第1の帯域幅量を測定するステップと、第2のプローブ・フローをセルラー・トラフィック内に送るステップと、第2のプローブ・フローがセルラー・トラフィック内にある間に、第1のプローブ・フローが獲得する第2の帯域幅量を測定するステップと、第1の帯域幅量と第2の帯域幅量とを比較するステップと、比較するステップから少なくとも1つの結果を判定するステップとを実施するように構成されたコンピュータ・コードを実行することを含む。
【0016】
従来の技術により提示される欠点を考慮して、本明細書では、本発明の少なくとも1つの実施形態により、セッション内の既にあるあらゆるフローに与えられたサービスに影響を与えずに、セルラー・ネットワークの無線ダウンリンクにおいて利用可能な予備容量を判定するための方法及び装置を広く検討する。同様に、2つの段階で2つのプローブ・フローを基地局トラフィック内に向けることによって、利用可能帯域幅の判定を実現することができる。第1の段階で第1のプローブ・フローを基地局トラフィック内に向け、その後に第2の段階で1つの付加的なプローブ・フローが続く。次に、それぞれのプローブ・フローの各々の得られた帯域幅を用いて、その基地局における利用可能帯域幅をリアルタイムで計算することができる。
【0017】
好ましくは、本発明は、第2のプローブ・フローを送るステップが、bは第1の帯域幅量を表し、Δは第2のプローブ・フローに起因する帯域幅を表す場合に、第2のプローブ・フローをΔ<b/2の速度で送るステップを含む、方法を提供する。
【0018】
好ましくは、本発明は、測定するステップが、先入れ先出しベースの帯域幅推定技術を用いて獲得可能帯域幅を測定するステップを含む、方法を提供する。
【0019】
好ましくは、本発明は、測定するステップが、所定の間隔で伝送される連続したパケットの列(train of back−to−back packet)の分散を計算することによって獲得可能帯域幅を測定するステップを含む、方法を提供する。
【0020】
好ましくは、本発明は、比較するステップが、bが第1の帯域幅量を表し、b’が第2の帯域幅量を表し、Δが第2のプローブ・フローの帯域幅を表し、εがΔ/3である場合に、条件b≧b’+Δ−εが成立するかどうかを評価するステップを含む、方法を提供する。
【0021】
好ましくは、本発明は、少なくとも1つの結果が、利用可能帯域幅がbであること、及び利用可能帯域幅が不明であることのうちの一方を含む、方法を提供する。
【0022】
好ましくは、本発明は、b≧b’+Δ−εが成立する場合、利用可能帯域幅がbであり、b≧b’+Δ−εが成立しない場合、使用帯域幅が不明である、方法を提供する。
【0023】
好ましくは、本発明は、セルラー・トラフィックがボトルネック・トラフィックを含む、方法を提供する。
【0024】
好ましくは、本発明は、セルラー・トラフィックが1つの優先度クラスのフローだけを含む方法を提供し、この方法は、比例公平(proportional fair)方式で各フローについてのチャネル条件に基づいて利用可能帯域幅リソースを割り当てるステップを含む。
【0025】
好ましくは、本発明は、セルラー・トラフィックが複数の優先度クラスのフローを含む方法を提供し、この方法は、比例公正スケジューリングによってリソースを最低優先度クラスのフローに割り当てることにより、利用可能帯域幅を割り当てるステップを含む。
【0026】
本発明の別の態様は、帯域幅を推定するための装置を提供し、この装置は、少なくとも1つのプロセッサと、それにより具体化され、少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なコンピュータ可読プログラム・コードを有するコンピュータ可読ストレージ媒体とを含み、コンピュータ可読プログラム・コードは、第1のプローブ・フローをセルラー・トラフィック内に送るように構成されたコンピュータ可読プログラム・コードと、第1のプローブ・フローによって得られる第1の帯域幅量を測定するように構成されたコンピュータ可読プログラム・コードと、第2のプローブ・フローをセルラー・トラフィック内に送るように構成されたコンピュータ可読プログラム・コードと、第2のプローブ・フローがセルラー・トラフィック内にある間に、第1のプローブ・フローによって得られる第2の帯域幅量を測定するように構成されたコンピュータ可読プログラム・コードと、第1の帯域幅量と第2の帯域幅量とを比較するように構成されたコンピュータ可読プログラム・コードと、比較から少なくとも1つの結果を判定するように構成されたコンピュータ可読プログラム・コードとを含む。
【0027】
本発明の付加的な態様は、それにより具体化されたコンピュータ可読プログラム・コードを有するコンピュータ可読ストレージ媒体を含む、帯域幅を推定するためのコンピュータ・プログラム製品を提供し、このコンピュータ可読プログラム・コードは、第1のプローブ・フローをセルラー・トラフィック内に送るように構成されたコンピュータ可読プログラム・コードと、第1のプローブ・フローによって得られる第1の帯域幅量を測定するように構成されたコンピュータ可読プログラム・コードと、第2のプローブ・フローをセルラー・トラフィック内に送るように構成されたコンピュータ可読プログラム・コードと、第2のプローブ・フローがセルラー・トラフィック内にある間に、第1のプローブ・フローによって得られる第2の帯域幅量を測定するように構成されたコンピュータ可読プログラム・コードと、第1の帯域幅量と第2の帯域幅量とを比較するように構成されたコンピュータ可読プログラム・コードと、比較から少なくとも1つの結果を判定するように構成されたコンピュータ可読プログラム・コードとを含む。
【0028】
好ましくは、本発明は、コンピュータ可読プログラム・コードが、bは第1の帯域幅量を表し、Δは第2のプローブ・フローに起因する帯域幅を表す場合に、第2のプローブ・フローをΔ<b/2の速度で送るように構成された、コンピュータ・プログラム製品を提供する。
【0029】
好ましくは、本発明は、コンピュータ可読プログラム・コードが、先入れ先出しベースの帯域幅推定技術を用いて獲得可能帯域幅を測定するように構成された、コンピュータ・プログラム製品を提供する。
【0030】
好ましくは、本発明は、コンピュータ可読プログラム・コードが、所定の間隔で伝送される連続したパケット列の分散を計算することによって獲得可能帯域幅を測定するように構成された、コンピュータ・プログラム製品を提供する。
【0031】
好ましくは、本発明は、コンピュータ可読プログラム・コードが、bは第1の帯域幅量を表し、b’は第2の帯域幅量を表し、Δが第2のプローブ・フローの帯域幅を表し、εがΔ/3である場合に、条件b≧b’+Δ−εが成立するかどうかを評価するように構成された、コンピュータ・プログラム製品を提供する。
【0032】
好ましくは、本発明は、少なくとも1つの結果が、利用可能帯域幅がbであること、及び利用可能帯域幅が不明であることのうちの一方を含む、コンピュータ・プログラム製品を提供する。
【0033】
好ましくは、本発明は、セルラー・トラフィックが1つの優先度クラスのフローだけを含み、コンピュータ可読プログラム・コードが、比例公正スケジューリングによって各フローについてのチャネル条件に基づいて利用可能帯域幅リソースを割り当てるように構成される、コンピュータ・プログラム製品を提供する。
【0034】
好ましくは、本発明は、セルラー・トラフィックが複数の優先度クラスのフローを含み、コンピュータ可読プログラム・コードが、比例公正方式でリソースを最低優先度クラスのフローに割り当てることによって、利用可能帯域幅を割り当てるように構成される、コンピュータ・プログラム製品を提供する。
【0035】
本発明のさらに別の態様は、第1のプローブ・フローを現在のセルラー・トラフィック内に送るステップと、第2のプローブ・フローを現在のセルラー・トラフィック内に送るステップと、第1のプローブ・フロー及び第2のプローブ・フローの両方とも現在のセルラー・トラフィック内にあるときに受ける帯域幅変化を測定するステップと、現在のセルラー・トラフィックに対する帯域幅変化の定量効果を確認するステップとを含む方法を提供する。
【0036】
本発明をより良く理解するために、本発明の他の及びさらに別の特徴及び利点と共に、添付の図面に関連して用いられる以下の説明を参照し、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲において示される。
ここで、単なる例として、添付の図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】一実施形態による1つの例を示す。
図2】一実施形態による1つの例を示す。
図3】一実施形態による1つの例を示す。
図4】1つの例示的な実施形態を示す。
図5】利用可能帯域幅の下限のプロットである。
図6】利用可能帯域幅が検出可能であるための基地局(BS)の負荷の上限のプロットである。
図7】帯域幅を推定するためのより一般的なプロセスを示す。
図8】コンピュータ・システムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本明細書で一般的に説明され、示されるように、本発明の実施形態の構成要素は、説明される例示的な実施形態に加えて、様々な異なる構成で配置し、設計できることが容易に理解されるであろう。従って、図に示されるような本発明の実施形態の以下のより詳細な説明は、特許請求される本発明の実施形態の範囲を限定することを意図したものではなく、単に本発明の例示的な実施形態を表すものにすぎない。
【0039】
本明細書を通して、「一実施形態」又は「1つの実施形態」(又は類似のもの)への言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。従って、本明細書全体を通して様々な箇所にある「一実施形態において」又は「1つの実施形態において」等という句の出現は、必ずしも全てが同じ実施形態を指すものではない。
【0040】
さらに説明される特徴、構造、又は特性は、少なくとも1つの実施形態において、任意の適切な方法で組み合わせることができる。以下の説明において、本発明の実施形態の十分な理解を与えるために、多くの具体的な詳細が説明される。しかしながら、当業者であれば、本発明の実施形態は、1つ又は複数の具体的な詳細なしに、又は他の方法、構成要素、材料などを用いて、実施できることを良く認識できるであろう。他の例では、本発明の態様を分かりにくくしないように、周知の構造、材料、又は動作は示されず、又は詳細に説明されない。
【0041】
次に、図の説明を始める。図を参照することによって、本発明の例証される実施形態が最も良く理解されるであろう。以下の説明は、単なる一例であることを意図したものであり、単に、本明細書で特許請求される本発明の特定の選択された例示的実施形態を示すにすぎない。
【0042】
図面内のフローチャート及びブロック図は、本発明の種々の実施形態による、システム、装置、方法及びコンピュータ・プログラム製品の可能な実施のアーキテクチャ、機能及び動作を示すことに留意されたい。この点に関して、フローチャート又はブロック図内の各ブロックは、指定された論理機能を実装するための少なくとも1つの実行可能な命令を含む、モジュール、セグメント、又はコードの一部を表すことができる。また、幾つかの代替的な実施において、ブロック内に記された機能は、図面内に記された順序以外の順序で行われることがあることにも留意されたい。例えば、連続して示された2つのブロックは、関与する機能に応じて、実際には実質的に同時に行われることもあり、又はこれらのブロックは、ときには逆の順序で実行されることもある。ブロック図及び/又はフローチャート図内の各ブロック、並びにブロック図及び/又はフローチャート図内のブロックの組み合わせは、指定された機能又は動作を行う専用ハードウェア・ベースのシステム、又は専用ハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせによって実装できることにも留意されたい。
【0043】
ここで、以下の図1図6を具体的に参照する。図中に大まかに示されるプロセス、装置及び製品は、例証的且つ限定されない例として図8の12’で示されるもののようなシステム又はサーバを含むことができる、基本的に任意の適切なコンピュータ・システム又はコンピュータ・システムの組上で又はそれらに従って、実施できることを認識されたい。例示的な1つの実施形態によると、図1図6に関して論じられるプロセス・ステップ、構成要素及び出力の全てではないにしても大部分は、サーバ・コンピュータ上、クライアント・コンピュータ上、分散ネットワーク内のノード・コンピュータ上、又はこれらの任意の組み合わせで、それぞれ図8の16’及び28’に示されるもののような処理ユニット及びシステム・メモリを介して実行又は利用することができる。
【0044】
ここで、図1図3を参照すると、本発明の少なくとも1つの実施形態による限定されない例が示される。3つの図全てを同時に参照することができる。一般に、図1に示すように、帯域幅に関する基地局の全容量は、利用可能帯域幅(100)に、1より大きい又は1に等しい既存フロー(105)を加えたものである。図2の110で示すように、基地局における既存フローが115で示されるので、bは、これに応じて、第1のプローブ・フロー(プローブ・フロー1)について獲得することができる帯域幅を示す。次に、図3の120において、125で示されるように、第2のプローブ・フロー(プローブ・フロー2)が速度Δでトラフィック内に向けられており、b’は、第1のプローブ・フローが獲得する帯域幅である。130において、既存フローは、第1及び第2のプローブ・フローを基地局のトラフィック内に向けることに影響を受けていないことが分かる。具体的には、第1のプローブ・フローによって得られる帯域幅に、第2のプローブ・フローによって得られる帯域幅を加えたものが、基地局の現存の過剰帯域幅を表すので、既存フローは動作し続け、第1及び第2のプローブ・フローにより影響を受けない。
【0045】
ここで図4を参照すると、本発明の少なくとも1つの実施形態による限定されない例が示される。200に示されるのは、現在の基地局のクロス・トラフィックに入れられるプローブ・フローが取得する帯域幅をリアルタイムで計算することができる推定レシーバである。推定レシーバ200は、ソフトウェア又はハードウェアの形で、又はこれら2つの組み合わせで、及びセルラー・ネットワークに接続できる任意の移動体コンピューティング・デバイス上に、配備することができる。そうした移動体コンピューティング・デバイスは、例えば、携帯電話、スマートフォン、又はラップトップ型コンピュータなどの、いずれかの3G又は4G対応装置とすることができる。
【0046】
本発明の少なくとも1つの実施形態によると、推定センダー201が提供され、これは、セルラー・ネットワーク内の種々の場所に配備することができる。換言すれば、センダー201が送る送信(例えば、データ・パケット)は、種々の場所から伝送することができる。従って、センダー201は、セルラー・ネットワーク206の基地局に(202)、バックホール及び無線ネットワーク・コントローラ207に(203)、コア・ネットワーク208に(204)、及び/又は、セルラー・ネットワークと1つ又は複数のインターネット位置との間のインターネット210内の任意の場所に(205)配備することができる。
【0047】
本発明の少なくとも1つの実施形態による利用可能帯域幅を計算する方法によれば、第1のプローブ・フローが所定のリンクを通じて送られ、第1のプローブ・フローが獲得する帯域幅b1が測定される。次に、第2のプローブ・フローが所定のリンクを通じて送られ、それに従って、関連した付加的なフローが、速度Δ<<b/2で伝送される。次に、第2のプローブ・フローの存在下で第1のプローブ・フローが獲得する帯域幅b1’が測定される。εは第2のプローブ・フローを収容するための安全な「クッション」に対応する場合、b1≧b’+Δ−εであれば、利用可能帯域幅(AB)はbで表される。説明に役立つ例として、εについての「安全な」値はΔ/3である。他の場合には、利用可能帯域幅は不明であると認識することができる。FIFOと関連した既知の技術を用いて、又は約30秒の間隔で伝送される連続したパケット列の分散を計算することによって、獲得可能帯域幅(例えば、プローブ・フロー1が獲得する帯域幅)を求めることができる。
【0048】
本発明の少なくとも1つの実施形態によると、プローブ・フローを任意のノードから送ることができ、所定のリンク(無線インターネット)は、送信元から宛先への経路内のボトルネック(狭く細い)リンクを表すことができる。さらに、2つのプローブ・フローは、おおむね同様のチャンネル条件で装置に向ける必要がある。
【0049】
本発明の少なくとも1つの実施形態によると、チャネル品質の違いに照らして、利用可能帯域幅を推定することができる。2つのプローブ・フローが同様のチャネル条件を見出す限り、本発明の少なくとも1つの実施形態による手法を適用することができる。従って、クロス・トラフィック又は他の影響を考慮すると、既存フローは、様々な時間に様々なチャネル条件に遭遇することがある。
【0050】
本発明の少なくとも1つの実施形態によると、優先度クラスの番号が1であるとき、全帯域幅が進行中のセッションのチャネル品質に依存するので、基地局の帯域幅とは対照的に、スケジューラにより(優先度の)重みを用いて、セッションにわたって全スペクトル・リソース(即ち、通信時間)を割り当てることができることを認識することができる。その場合、所与のセッションが取得する帯域幅は、そのチャネル品質に依存する。しかしながら、UGS、rtPS、BEなどの複数の優先度クラスがあるとき、最低優先度クラスのフローがPF方式でスケジューリングされる場合、本発明の実施形態を適用することができる。最低優先度のフローがFIFO方式でスケジューリングされた場合は、FIFOネットワーク用に提案された技術のいずれかを用いることができる。そのため、制御された環境内に宛先装置(プローブ・フローに関する)を有することにより、同様のチャネル条件が保証されることを認識することができる。また、宛先装置の受信信号強度表示(RSSI)に関して利用可能帯域幅が求められるので、帯域幅は、異なるRSSIを有する宛先に合わせて適切にスケーリング(拡大縮小)する必要がある。
【0051】
ここで図5図6を参照すると、本発明の少なくとも1つの実施形態により、CがMbps単位の基地局容量であり、nが既存フローの数であり、Wが、(第2のプローブ・フローの存在下での)第1のプローブ・フローf1のものに対するn個の既存フローの累積重みであるときに、帯域幅を計算するための方法を適用することができ、利用可能帯域幅は、n=0、又はW<1.0、つまり各フローの重みが1.0より小さい、又はAB≧(C+WΔ)/(W+1)、又は同等に、最高速度を有するいずれかのk個のフローについて、AB≧(C−残りのフローの速度の和+WΔ)/(W+1)である場合に、求めることができ、ここでWはf1の累積重みに対するk個のフローの累積重みである。
【0052】
1つの限定されない例において、以下の問題を解決することができる。2つのフローが基地局のセッション内に存在し、各々が1Mbpsのスループットを取得するとする。そのチャネル品質(CQ)での装置Dへのフローについての基地局の利用可能帯域幅を1Mbpsとする。この装置についてのCQI(チャネル品質インジケータ)を、他のフローのもののおおよそ半分とする(従って、基地局は50%利用される)。この場合、Dについての獲得可能帯域幅は1Mbpsである。ここで、Δ=0.3Mbpsの速度で第4のフローを開始する。第4のフローの存在下で、装置Dが取得するスループットは、(4−2×0.3−2×1)/2=0.7Mbpsとなり、(0.7)+0.3=1.0であるので、利用可能帯域幅を正確に推定することができる。
【0053】
別の限定されない例において、セッション内の2つのフローが1.5Mbpsの速度であるとする。装置Dについての利用可能帯域幅(第1の例と同じCQIの)は、0.5bpsである。Dについての獲得可能スループット=(1.5×2+2×0.5)/(3×2)=4/6=0.667Mbpsとなる。ここで、Δ=0.3Mbpsの速度で第4のフローを開始する。第4のフローの存在下で、装置Dが取得するスループットは、(4−2×0.3)/(3×2)=3.4/(3×2)=0.57Mbpsとなり、(0.3)+0.57>0.667であるので、利用可能帯域幅を正確に推定することはできない。
【0054】
従って、幾つかの実施形態は、クロス・トラフィック・フロー及び/又はそれらの負荷を受けるチャネルが、推定プロセスの第1のステップからプロセスの第2のステップへと変化する状況に対処する。そうした場合、新しいフローの到着及び既存フローの出発を含む、クロス・トラフィック・フローにより受ける全ての変化の正味の影響は、全クロス・トラフィックにおける増加/減少となる。幾つかの実施形態は、そうした変動条件下で、利用可能帯域幅は、以下の限定されない例において与えられる正味の変化の限度を求めることによって、推定できることを規定する。
ステップ1:元の手法におけるようにb1及びb1’を求める(それぞれ、1つ及び2つのプローブ・フローを用いて)。
ステップ2:If(b1==b1’)、then AB is not known.GO TO STEP 11.
ステップ3:If (Δ−(b1−b1’))/(b1−b1’)≧1、then AB is not known.GO TO STEP 11.
ステップ4:If 0≦(Δ−(b1−b1’))/(b1−b1’)<1,then AB=b1.GO TO STEP 11.
ステップ5:Compute 2×(b1’−b1)+Δ and (b1’−b1)+Δ
2×(b1’−b1)+Δは、第1のステップにおいて未処理であったクロス・トラフィック・フローの数が少なくとも1である場合、(計算された値の符号に応じて)クロス・トラフィックに起きたはずの最小総増減を示す。
b1’−b1+Δは、b1が実際に利用可能帯域幅であった場合に、クロス・トラフィックに起きたはずの変化を示す。
ステップ6:Let N1=|2×(b1’−b1)+Δ| and N0=|(b1’−b1)+Δ|
ステップ7:If(N0<N1−δ)or((k×N0<N1)AND(N1−N0>ε)),then b1 is the AB.
ステップ8:Else if(N1<N0-δ)or((k×N1<N0)AND(N0−N1>ε)),then AB is not known(少なくとも1つの未処理フローが存在する).
ステップ9:Else if(N0<N1),then b1 is very likely the AB.
ステップ10:Else if(N1<N0),then AB is very likely not known(少なくとも1つの未処理フローが存在する可能性が高い)
δ、ε及びkは設定可能である。
ステップ11:上記のステップ(ステップ1−ステップ10)をあと2回繰り返す。
【0055】
2の連続した測定毎に、ABの推定値を求める。3回の測定により、測定値の総数は6となり、考えられる測定値の対の数、従って推定値の数は5となる。
【0056】
最後の限定されない例に関して、幾つかの実施形態は、同一である、2つの連続した確定推定値が得られると、方法を終了させ得ることを規定する。幾つかの実施形態は、2つの連続した推定値が未確定かつ同一である場合、支配的条件を最終結論とすることができると規定する。
幾つかの実施形態は、短い時間スケールにわたるチャネル品質の変化を無視するために、獲得可能なスループットを、例えば3乃至5秒などの妥当な長さの時間にわたって測定すべきであることを規定する。幾つかの実施形態は、プローブ・フローが3−5秒毎に1回の速度で現在の基地局トラフィックに注入される場合、1回の推定は、約30秒にわたって行うことができることを規定する。
【0057】
一実施形態において、2つのプローブ・フローが異なるチャネル品質で処理されるとき、ABを推定するために、以下の変形手順を用いることができる。
ステップ1:プローブ・トラフィックを用いて、所定のリンクを通じて送られる単一の新しいフロー(f1)についての獲得可能帯域幅b1を求める。
ステップ2:第2のプローブ・フロー(f2)を開始し、それにより基地局容量の公正なシェアを獲得できるようにし、第2のプローブ・フローの存在下で、f1についての獲得可能帯域幅b1’を求める。
ステップ3: 式C/(W+1)=b1及びC/(W+2)=b1’を用いて、Wを求める。即ち、W=(2×b1’−b1)/(b1’−b1)。
ステップ4:W<1であれば、bはABである。そうでなければ、ABは不明である。
【0058】
図5及び図6は、本発明の少なくとも1つの実施形態に従って上記に大まかに提示したような方法によってABを成功裏に求めることができる、識別領域と呼ばれる領域を示す。図5は、Wの関数として成功裏に求めることができるABの下限を示す。図の曲線を下回る場合には、ABを求めることができない。図6は、基地局負荷の下限を示す。基地局負荷が曲線を上回る場合、ABを求めることができない。
【0059】
実施形態は、上述した4ステップの例証的な方法の識別領域(それぞれ、図5及び図6のグラフ線の上方及び下方の空間によって表される)は、元の手法のものより僅かに低くなるが、推定の精度を高めることができることを規定する。
【0060】
上記を考慮すると、本開示で説明される実施形態とは対照的に、セルラー・ネットワークにおける帯域幅を計算する従来の方法は、データ・フローのリアルタイム・データではなく履歴データに依拠することを認識することができる。そのような受動的監視技術は、セルラー基地局からのフィードバックを必要とする。従って、基地局にデータ・トラフィック・モニタを配備する必要があり、将来の使用量要件を予測するために、データ・トラフィック及び帯域幅使用量の過去の測定値が記録される。そうした情報は、基地局が入手できるようになっていないことがある。従って、本明細書における実施形態は、基地局オペレータのサポート及びオーバーヘッドなしに配備することができる能動的監視法を含む。
【0061】
図7は、本発明の少なくとも1つの実施形態による、帯域幅を推定するためのより一般的なプロセスを示す。図7に大まかに示されるようなプロセスは、基本的に、例証的及び限定されない例として図8の12’で示されるもののようなシステムを含むことができる任意の適切なコンピュータ・システム上又はコンピュータ・システムの組上で実行することができることを認識されたい。例示的な実施形態によると、図7に関して論じられたプロセス・ステップの全てではないにしても大部分は、処理ユニットを介して実行することができる。
【0062】
図7に示すように、本発明の少なくとも1つの実施形態によると、第1のプローブ・フローがセルラー・トラフィック内に送られ(402)、第1のプローブ・フローが獲得する第1の帯域幅量が測定される(404)。第2のプローブ・フローがセルラー・トラフィック内に送られ(406)、第2のプローブ・フローがセルラー・トラフィック内にある間に、第1のプローブ・フローが獲得する第2の帯域幅量が測定される(408)。第1の帯域幅量と第2の帯域幅量とを比較し(410)、比較から少なくとも1つの結果を判定する(412)。
【0063】
ここで図8を参照すると、クラウド・コンピューティング・ノードの1つの例の概略図が示される。クラウド・コンピューティング・ノード10’は好適なクラウド・コンピューティング・ノードの一例にすぎず、且つ、本明細書で与えられる本発明の実施形態の使用又は機能の範囲に関する何らかの制限を示唆することを意図したものではない。とにかく、クラウド・コンピューティング・ノード10’は、上述した機能のいずれも実装及び/又は実施することができる。本発明の実施形態によると、コンピューティング・ノード10’は、必ずしもクラウド・ネットワークの部分でなくてもよく、代わりに、別のタイプの分散型ネットワーク又は他のネットワークの部分であってもよく、又はスタンドアロン型ノードを表すことができる。しかしながら、説明及び例証のために、ノード10’は、本明細書では「クラウド・コンピューティング・ノード」として様々に言及される。
【0064】
クラウド・コンピューティング・ノード10’内には、多数の他の汎用又は専用コンピューティング・システム環境又は構成と共に動作可能なコンピュータ・システム/サーバ12’が存在する。コンピュータ・システム/サーバ12’と共に使用するのに適切であり得る周知のコンピューティング・システム、環境、及び/又は構成の例として、これらに限定されるものではないが、パーソナル・コンピュータ・システム、サーバ・コンピュータ・システム、シン・クライアント、シック・クライアント、手持ち式又はラップトップ・デバイス、マルチプロセッサ・システム、マイクロプロセッサ・ベースのシステム、セット・トップ・ボックス、プログラム可能な家庭用電化製品、ネットワークPC、ミニコンピュータ・システム、メインフレーム・コンピュータ・システム、並びに上記のシステム又はデバイスのいずれかを含む分散型クラウド・コンピューティング環境などが挙げられる。
【0065】
コンピュータ・システム/サーバ12’は、コンピュータ・システムによって実行される、プログラム・モジュールなどのコンピュータ・システム実行可能命令の一般的状況で設けることができる。一般に、プログラム・モジュールは、特定のタスクを実行する又は特定の抽象データ型を実装する、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、論理、データ構造体などを含むことができる。コンピュータ・システム/サーバ12’は、タスクが通信ネットワークを通じてつながる遠隔処理装置によって実行される分散型クラウド・コンピューティング環境において実施することができる。分散型クラウド・コンピューティング環境において、プログラム・モジュールは、メモリ・ストレージ・デバイスを含む、ローカル及び遠隔両方のコンピュータ・システム・ストレージ媒体内に配置することができる。
【0066】
図8に示すように、クラウド・コンピューティング・ノード10’内のコンピュータ・システム/サーバ12’が、汎用コンピューティング・デバイスの形態で示される。コンピュータ・システム/サーバ12’のコンポーネントは、これらに限定されるものではないが、少なくとも1つのプロセッサ又は処理ユニット16’、システム・メモリ28’、及びシステム・メモリ28’を含む種々のシステム・コンポーネントをプロセッサ16’に結合するバス18’を含むことができる。
【0067】
バス18’は、メモリ・バス又はメモリ・コントローラ、周辺バス、アクセラレーテッド・グラフィックス・ポート、及び種々のバス・アーキテクチャのいずれかを用いたプロセッサ又はローカル・バスを含む、幾つかのタイプのバス構造体のいずれかの少なくとも1つを表す。限定ではなく一例として、そうしたアーキテクチャは、業界標準アーキテクチャ(ISA)バス、Micro Channel Architecture(MCA)バス、Enhanced ISA(EISA)バス、ビデオ電子装置規格化協会(VESA)ローカル・バス、及びPeripheral Component Interconnect(PCI)バスを含む。
【0068】
コンピュータ・システム/サーバ12’は、一般的には、種々のコンピュータ・システム可読媒体を含む。そうした媒体は、コンピュータ・システム/サーバ12’によってアクセス可能な任意の利用可能媒体とすることができ、揮発性媒体及び不揮発性媒体、取り外し可能媒体及び取り外し不能媒体の両方を含むことができる。システム・メモリ28’は、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)30’及び/又はキャッシュ・メモリ32’などの、揮発性メモリの形態のコンピュータ・システム可読媒体を含むことができる。コンピュータ・システム/サーバ12’は、他の取り外し可能/取り外し不能、揮発性/不揮発性のコンピュータ・システム記憶媒体をさらに含むことができる。単なる一例として、取り外し不能な不揮発性磁気媒体(図示せず、一般的には「ハード・ドライブ」と呼ばれる)との間の読み書きを行うためにストレージ・システム34’を設けることができる。図示しないが、取り外し可能な不揮発性磁気ディスク(例えば、「フロッピー・ディスク」)との間の読み書きを行うための磁気ディスク・ドライブと、CD−ROM、DVD−ROM又は他の光媒体などの取り外し可能不揮発性光ディスクとの間の読み書きを行うための光ディスク・ドライブとを設けることができる。こうした例において、少なくとも1つのデータ媒体インターフェースによって、各々をバス18’に接続することができる。以下でさらに示し、説明するように、メモリ28’は、本発明の実施形態の機能を実施するように構成された一組の(少なくとも1つの)プログラム・モジュールを有する少なくとも1つのプログラム製品を含むことができる。
【0069】
一組の(少なくとも1つの)プログラム・モジュール42’を有するプログラム/ユーティリティ40’を、メモリ28’(限定ではなく、一例として)、並びにオペレーティング・システム、少なくとも1つのアプリケーション・プログラム、他のプログラム・モジュール、及びプログラム・データ内に格納することができる。オペレーティング・システム、少なくとも1つのアプリケーション・プログラム、他のプログラム・モジュール、及びプログラム・データの各々、又はこれらの何らかの組み合わせは、ネットワーキング環境の実装を含むことができる。プログラム・モジュール42’は一般に、本明細書で説明されるような本発明の実施形態の機能及び/又は方法を実施する。
【0070】
コンピュータ・システム/サーバ12’はまた、キーボード、ポインティング・デバイス、ディスプレイ24’などの少なくとも1つの外部デバイス14’、ユーザがコンピュータ・システム/サーバ12’と相互作用するのを可能にする少なくとも1つのデバイス、及び/又はコンピュータ・システム/サーバ12’が少なくとも1つの他のコンピューティング・デバイスと通信するのを可能にする任意のデバイス(例えば、ネットワーク・カード、モデム等)と通信することもできる。そうした通信は、I/Oインターフェース22’を介して行うことができる。さらにまた、コンピュータ・システム/サーバ12’は、ネットワーク/アダプタ20’を介して、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、汎用広域ネットワーク(WAN)、及び/又はパブリック・ネットワーク(例えば、インターネット)などの少なくとも1つのネットワークと通信することができる。示されるように、ネットワーク・アダプタ20’は、バス18’を介して、コンピュータ・システム/サーバ12’の他のコンポーネントと通信する。図示しないが、他のハードウェア及び/又はソフトウェア・コンポーネントをコンピュータ・システム/サーバ12’と共に使用できることを理解されたい。例として、これらに限定されるものではないが、マイクロコード、デバイス・ドライバ、冗長処理ユニット、外部ディスク・ドライブ・アレイ、RAIDシステム、テープ・ドライブ、及びデータ・アーカイブ・ストレージ・システム等が挙げられる。
【0071】
本発明の態様は、システム、方法、又はコンピュータ・プログラム製品として具体化することができる。従って、本発明の態様は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコード等を含む)、又はソフトウェアの態様とハードウェアの態様とを組み合わせた実施形態の形態をとることができ、本明細書においては、これらは全て、一般的に「回路」、「モジュール」又は「システム」と呼ぶことがある。さらに、本発明の態様は、媒体内に具体化されたコンピュータ可読プログラム・コードを有する、1つ又は複数のコンピュータ可読媒体内に具体化されたコンピュータ・プログラム製品の形態をとることができる。
【0072】
1つ又は複数のコンピュータ可読媒体のいずれかの組み合わせを用いることもできる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体又はコンピュータ可読ストレージ媒体とすることができる。コンピュータ可読ストレージ媒体は、例えば、これらに限定されるものではないが、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線若しくは半導体のシステム、装置若しくはデバイス、又はこれらのいずれかの適切な組み合わせとすることができる。コンピュータ可読ストレージ媒体のより具体的な例(非網羅的なリスト)として、以下のもの、即ち、1つ又は複数の配線を有する電気的接続、ポータブル・コンピュータ・ディスケット、ハード・ディスク、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能なプログラム可能読み出し専用メモリ(EPROM又はフラッシュ・メモリ)、光ファイバ、ポータブル・コンパクト・ディスク型読み出し専用メモリ(CD−ROM)、光記憶装置、磁気記憶装置、又は上記のいずれかの適切な組み合わせが挙げられる。本明細書の文脈においては、コンピュータ可読ストレージ媒体は、命令実行システム、装置若しくはデバイスによって又はそれらと関連して用いるためのプログラムを収容又は格納することが可能な任意の有形媒体とすることができる。
【0073】
コンピュータ可読信号媒体は、例えばベースバンド内に、又は搬送波の一部として、具体化されたコンピュータ可読プログラム・コードをその中に有する、伝搬されるデータ信号を含むことができる。このような伝搬信号は、これらに限定されるものではないが、電磁気、光又はそれらのいずれかの適切な組み合わせを含む、種々の形態のいずれかを取ることができる。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読ストレージ媒体ではなく、且つ、命令実行システム、装置若しくはデバイスによって、又はこれらと関連して用いるためのプログラムを伝達し、伝搬し、又は搬送することができる任意のコンピュータ可読媒体とすることができる。コンピュータ可読媒体上に具体化されたプログラム・コードは、これらに限定されるものではないが、無線、有線、光ファイバ・ケーブル、RF等、又は上記のもののいずれかの適切な組み合わせを含む、任意の適切な媒体を用いて伝送することができる。
【0074】
本発明の態様の操作を実行するためのコンピュータ・プログラム・コードは、Java(登録商標)、SmallTalk、C++等のようなオブジェクト指向型プログラミング言語、及び、「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続き型プログラミング言語を含む、1つ又は複数のプログラミング言語のいずれかの組み合わせで記述することができる。プログラム・コードは、完全にユーザのコンピュータ上で実行される場合もあり、一部がユーザのコンピュータ上で、独立型ソフトウェア・パッケージとして実行される場合もあり、一部がユーザのコンピュータ上で実行され、一部が遠隔コンピュータ上で実行される場合もあり、又は完全に遠隔コンピュータ若しくはサーバ上で実行される場合もある。一番最後のシナリオにおいて、遠隔コンピュータは、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)若しくは広域ネットワーク(WAN)を含むいずれかのタイプのネットワークを通じてユーザのコンピュータに接続される場合もあり、又は外部コンピュータへの接続が為される場合もある(例えば、インターネット・サービス・プロバイダを用いたインターネットを通じて)。
【0075】
本発明の態様は、本明細書において、方法、装置(システム)及びコンピュータ・プログラム製品のフローチャート図及び/又はブロック図を参照して説明される。フローチャート図及び/又はブロック図の各ブロック、並びにフローチャート図及び/又はブロック図内のブロックの組み合わせは、コンピュータ・プログラム命令によって実装できることが理解されるであろう。これらのコンピュータ・プログラム命令を、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサに与えてマシンを製造し、それにより、コンピュータ又は他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサによって実行される命令が、フローチャート及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロック内で指定された機能/動作を実装するための手段を作り出すようにすることができる。
【0076】
これらのコンピュータ・プログラム命令を、コンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置、又は他のデバイスを特定の方式で機能させるように指示することができるコンピュータ可読媒体内に格納し、それにより、そのコンピュータ可読媒体内に格納された命令が、製品を製造するようにすることもできる。このような製品は、フローチャート及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックにおいて指定された機能/動作を実行するための命令を含むことができる。
【0077】
コンピュータ・プログラム命令を、コンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置、又は他のデバイス上にロードして、一連の動作ステップをコンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置、又は他のデバイス上で行わせてコンピュータ実施のプロセスを生成し、それにより、コンピュータ又は他のプログラム可能装置上で実行される命令が、フローチャート及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックにおいて指定された機能/動作を実行するためのプロセスを提供するようにすることもできる。
【0078】
本開示は、例証及び説明のために提示されたものであり、網羅的であること又は限定することを意図したものではない。当業者には、多くの修正及び変形が明らかとなるであろう。実施形態は、原理及び実際の適用を説明し、その他の当業者が本開示を理解できるように、選択され、与えられた。
【0079】
本発明の例証となる実施形態が添付図面を参照して本明細書に与えられたが、本発明の実施形態は、これらの正確な実施形態に限定されるものではないこと、及び本開示の範囲又は趣旨から逸脱することなく、当業者により種々の他の変更及び修正を行い得ることを理解されたい。
【符号の説明】
【0080】
1:第1のプローブ・フロー
2:第2のプローブ・フロー
10’:クラウド・コンピューティング・ノード
12’:コンピュータ・システム/サーバ
14’:外部デバイス
16’:プロセッサ
18’:バス
20’:ネットワーク・アダプタ
22’:I/Oインターフェース
28’:システム・メモリ
30’:ランダム・アクセス・メモリ(RAM)
32’:キャッシュ・メモリ
34’:ストレージ・システム
40’:プログラム/ユーティリティ
42’:プログラム・モジュール
100、110、120:利用可能帯域幅
105、115、130:既存フロー
125:第2のプローブ・フローの速度Δ
200:推定レシーバ
201:推定センダー
206:セルラー・ネットワーク
207:無線ネットワーク・コントローラ
208:コア・ネットワーク
210:インターネット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8