【実施例】
【0102】
化合物の合成
本発明の化合物は下記のように調製した。下記の合成スキームは、構造式(I)、(II)または(III)の化合物を合成するために使用される代表的な反応である。当業者であれば、本発明のBcl−2/Bcl−xL阻害薬を調製するために変更を加えたり、代替スキームを使用したりすることを容易に行うことができる。
溶媒および試薬は市販品を購入し、さらなる精製を行わずに使用した。NMRスペクトルの化学シフト(δ)は内部標準を基準にして低磁場側のδ値(ppm)を記録し、多重線は通常の方法で記録した。
【0103】
特に記載がない限り、温度はすべて摂氏で表す。
【0104】
本発明の化合物の合成において重要な特定の中間体は、以下に示すように、米国指定のWO2012/103059(この文献は参照によりその全体が本明細書に援用される)に記載の方法で合成し、リン酸塩誘導体に変換することができる。
【0105】
スキーム1 化合物1の合成
【化15】
【0106】
実験:(R)−1−(3−(4−(N−(4−(4−(3−(2−(4−クロロフェニル)−1−イソプロピル−5−メチル−4−(メチルスルホニル)−1H−ピロール−3−イル)−5−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)スルファモイル)−2−(トリフルオロメチルスルホニル)フェニルアミノ)−4−(フェニルチオ)ブチル)ピペリジン−4−イル 2−アミノアセタート(1)
BM−1197(113mg,0.10mmol)とFmoc−Gly−OSu(43mg,0.11mmol)のCH
2Cl
2(2mL)溶液を、BM−1197がTLCで確認されなくなるまで室温で1時間撹拌した。該溶液を減圧下で濃縮し、化合物1の粗前駆体を得て、精製することなく次の工程に使用した。得られた残渣をアセトニトリル(5mL)に溶解し、ジエチルアミン(0.2mL,2mmol)を加えた。TLCで出発原料が確認されなくなるまで混合物を室温で一晩撹拌し、減圧下で濃縮した。残渣をHPLCで精製して生成物1(TFA塩,83mg,2工程収率70%)を得た。グラジエント条件は、溶媒A:溶媒B=60%:40%から40分で溶媒A:溶媒B=20%:80%とした。
MS (ESI) m/z 1189.08 (M + H)
+.
【0107】
スキーム2 化合物2の合成
【化16】
【0108】
実験:(R)−2−(1−(3−(4−(N−(4−(4−(3−(2−(4−クロロフェニル)−1−イソプロピル−5−メチル−4−(メチルスルホニル)−1H−ピロール−3−イル)−5−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)スルファモイル)−2−(トリフルオロメチルスルホニル)フェニルアミノ)−4−(フェニルチオ)ブチル)ピペリジン−4−イルオキシ)−2−オキソ酢酸(2)
BM−1197(113mg,0.10mmol)とDMAP(2mg,0.02mmol)とEt
3N(42μL,0.3mmol)のCH
2Cl
2(2mL)溶液に2−クロロ−2−オキソ酢酸tert−ブチル(33mg,0.2mmol)を加えた。TLCでBM−1197が確認されなくなるまで該溶液を室温で1時間撹拌し、減圧下で濃縮した。粗残渣を5%MeOH/CH
2Cl
2を用いたシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製して化合物2の前駆体を得た。該前駆体をCH
2Cl
2(3mL)に溶解し、TFA(3mL)を加えた。TLCで出発原料が確認されなくなるまで混合物を室温で1時間撹拌し、減圧下で濃縮した。残渣をHPLCで精製して生成物2(TFA塩,66mg,2工程収率55%)を得た。グラジエント条件は、溶媒A:溶媒B=60%:40%から40分で溶媒A:溶媒B=20%:80%とした。
MS (ESI) m/z 1189.08 (M + H)
+.
【0109】
スキーム3 重要な中間体Bと中間体Dの調製
【化17】
【0110】
実験:N−(4−(4−(3−(2−(4−クロロフェニル)−1−イソプロピル−5−メチル−4−(メチルスルホニル)−1H−ピロール−3−イル)−5−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−4−フルオロ−3−(トリフルオロメチルスルホニル)ベンゼンスルホンアミド(B)
化合物A(3.0g,4.9mmol)のメタノール(150mL)溶液にPd/C 10重量%(300mg,0.1eq.m/m)を加えた。TLCで化合物Aが確認されなくなるまで、水素雰囲気下、室温で約20分間該溶液を撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を精製することなく次の工程にそのまま使用した。得られたアニリンをピリジンに溶解し、4−フルオロ−3−(トリフルオロメチルスルホニル)ベンゼン−1−スルホニルクロリド(1.8g,5.4mmol)を0℃で加えた。TLCでアニリンが確認されなくなるまで、混合物を0℃から室温に戻しながら1時間撹拌した。水(10mL)を加え、酢酸エチル(200mL×2)で抽出した。酢酸エチル溶液を合わせ、食塩水(150mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。濃縮物を40%EtOA/ヘキサンを用いたシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製して中間体B(3.2g,2工程収率75%)を得た。
MS (ESI) m/z 931.75 (M + K)
+.
【0111】
基本手順I (R)−(9H−フルオレン−9−イル)メチル−4−オキソ−1−(フェニルチオ)ブタン−2−イルカルバマート(D)
化合物C(5.0g,11.5mmol)のTHF(100mL)溶液に、トリエチルアミン(4.8mL,34.5mmol)およびクロロギ酸エチル(3.3mL,34.5mmol)をアルゴン雰囲気下、−10℃で加えた。混合物を−10℃で1時間撹拌し、NaBH
4(1.7g,46.1mmol)の水(60mL)溶液を−10℃で滴下した。混合物を−10℃で1時間撹拌した後、さらに室温で2時間撹拌した。1M KHSO
4水溶液(200mL)で反応をクエンチし、混合物をEtOAc(3×200mL)で抽出した。抽出物を食塩水(200mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物を50%EtOA/ヘキサンを用いたシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製して対応するアルコール(4.3g,収率90%)を得た。これとは別に、塩化オキサリル(2.6mL,31.1mmol)のDCM(100mL)溶液を−78℃に冷却し、ジメチルスルホキシド(3.7mL,51.8mmol)を加えた。該溶液を5分間かけて−40℃に昇温し、再度−78℃に冷却した後、前工程で得られたアルコール(4.3g,10.4mmol)のDCM(50mL)溶液を滴下した。該溶液をさらに40分間撹拌し、過剰量のトリエチルアミン(25mL)を加え、さらに30分間撹拌した。反応混合物を室温に昇温し、飽和塩化アンモニウム水溶液(100mL)を加え、DCM(2×200mL)で抽出した。DCM溶液を合わせ、食塩水(150mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣を20%EtOA/ヘキサンを用いたシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製して中間体D(3.7g,収率85%)を得た。
MS (ESI) m/z 418.25 (M + H)
+.
【0112】
スキーム4 化合物3の合成
【化18】
【0113】
実験:
ジ−tert−ブチル ピペリジン−4−イル ホスファート(F)
ジ−t−ブチル ジ−イソプロピル ホスホルアミダイト(832mg,3.0mmol)とテトラゾール(6.6mL,0.45Mアセトニトリル溶液)のTHF(15mL)溶液をN
2下、室温で約10分間撹拌した。化合物E(626mg,2.0mmol)の無水THF(2mL)溶液を15分間かけて反応に加え、化合物EがTLCで確認されなくなるまで、N
2下、室温で2時間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、14%過酸化t−ブチル水溶液(3.0mL,4.6mmol)を加えた。温度を室温に戻し、混合物を一晩撹拌した。飽和NaHCO
3水溶液(2mL)で反応をクエンチした。反応混合物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。酢酸エチル溶液を合わせ、食塩水(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮し、粗生成物を得て、精製することなく次の工程に使用した。得られた残渣をアセトニトリル(20mL)に溶解し、ジエチルアミン(4.1mL,40mmol)を加えた。TLCで出発原料が確認されなくなるまで混合物を室温で一晩撹拌し、減圧下で濃縮した。残渣を5%MeOH/DCMを用いたシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製して中間体F(452mg,2工程収率77%)を得た。
MS (ESI) m/z 295.17 (M + H)
+.
【0114】
基本手順II (R)−1−(3−アミノ−4−(フェニルチオ)ブチル)ピペリジン−4−イル ジ−tert−ブチル ホスファート(G)
中間体F(293mg,1.0mmol)と中間体D(500mg,1.2mmol)のDCE(10mL)溶液にNaBH(OAc)
3(636mg,3.0mmol)を加え、中間体FがTLCで確認されなくなるまで混合物を室温で一晩撹拌した。混合物をDCM(50mL)で希釈し、食塩水(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、粗生成物を得て、精製することなく次の工程に使用した。得られた残渣をアセトニトリル(10mL)に溶解し、ジエチルアミン(2.1mL,20mmol)を加えた。TLCで出発原料が確認されなくなるまで混合物を室温で一晩撹拌し、減圧下で濃縮した。残渣を10%MeOH/DCMを用いたシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製して中間体G(307mg,2工程収率65%)を得た。
MS (ESI) m/z 474.00 (M + H)
+.
【0115】
基本手順III (R)−1−(3−(4−(N−(4−(4−(3−(2−(4−クロロフェニル)−1−イソプロピル−5−メチル−4−(メチルスルホニル)−1H−ピロール−3−イル)−5−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)スルファモイル)−2−(トリフルオロメチルスルホニル)フェニルアミノ)−4−(フェニルチオ)ブチル)ピペリジン−4−イル 二水素ホスファート(3)
中間体B(100mg,0.11mmol)と中間体G(65mg,0.14mmol)のDMF(2mL)溶液にDIPEA(1mL)を加えた。TLCで中間体Bが確認されなくなるまで該溶液を室温で4時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、粗生成物を得て、精製することなく次の工程に使用した。得られた残渣をDCM(5mL)に溶解し、TFA(2.5mL)を加えた。TLCで原料が確認されなくなるまで該溶液を室温で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣をHPLCで精製して、純生成物3(TFA塩,88mg,2工程収率66%)を得た。グラジエント条件は、溶媒A:溶媒B=60%:40%から40分で溶媒A:溶媒B=20%:80%とした。
1H NMR (300 M Hz, CD
3OD): δ 7.96 (s, 1H), 7.73 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 7.32-7.07 (m, 13H), 6.93-6.41 (m, 4H), 4.61-4.41(m, 2H), 3.99 (s, 1H), 3.55-3.11 (m, 16H), 2.84 (s, 3H), 2.74 (s, 3H), 2.26-1.80 (m, 6H), 1.43 (d, J = 7.0 Hz, 6H). MS (ESI): m/z 1212.67 (M + H)
+.
【0116】
スキーム5 化合物4の合成
【化19】
【0117】
実験:
4−(メチルチオメトキシ)ピペリジン(H)
アルコールE(1.0g,3.1mmol)と硫化メチル(1.8mL,24.8mmol)のアセトニトリル(31mL)溶液を0℃に冷却し、過酸化ベンゾイル(3.0g,12.4mmol)を4等分し10分間かけて順次加え、化合物EがTLCで確認されなくなるまで混合物を0℃で1時間撹拌し、さらに室温で1時間撹拌した。混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、10%Na
2CO
3(100mL)、次いで食塩水(100mL)で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、粗生成物を得て、精製することなく次の工程に使用した。得られた残渣をアセトニトリル(10mL)に溶解し、ジエチルアミン(6.2mL,60mmol)を加えた。TLCで出発原料が確認されなくなるまで混合物を室温で一晩撹拌し、減圧下で濃縮した。残渣を5%MeOH/DCMを用いたシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製して中間体H(270mg,2工程収率54%)を得た。
MS (ESI) m/z 162.83 (M + H)
+.
【0118】
(R)−4−(4−(メチルチオメトキシ)ピペリジン−1−イル)−1−(フェニルチオ)ブタン−2−アミン(I)
基本手順IIに準じて、中間体Hおよび中間体Dから化合物Iを調製した。
MS (ESI) m/z 341.58 (M + H)
+.
【0119】
(R)−(1−(3−(4−(N−(4−(4−(3−(2−(4−クロロフェニル)−1−イソプロピル−5−メチル−4−(メチルスルホニル)−1H−ピロール−3−イル)−5−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)スルファモイル)−2−(トリフルオロメチルスルホニル)フェニルアミノ)−4−(フェニルチオ)ブチル)ピペリジン−4−イルオキシ)メチル 二水素ホスファート(4)
中間体B(200mg,0.23mmol)と化合物I(86mg,0.25mmol)のDMF(4mL)溶液にDIPEA(2mL)を加えた。TLCで中間体Bが確認されなくなるまで該溶液を室温で4時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣を5%MeOH/DCMを用いたシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製して対応するチオエーテル(241mg,収率88%)を得た。第1の工程で得られたチオエーテル(200mg,0.17mmol)とリン酸(117mg,1.2mmol)とモレキュラーシーブ(4Å,500mg)のTHF(6mL)溶液を0℃に冷却し、N−ヨードスクシンイミド(57mg,0.26mmol)を加え、TLCで出発原料が確認されなくなるまで混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物をセライトで濾過し、固形物をメタノールで洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、残渣をHPLCで精製して純生成物4(TFA塩,93mg,収率44%)を得た。グラジエント条件は、溶媒A:溶媒B=60%:40%から40分で溶媒A:溶媒B=20%:80%とした。
MS (ESI): m/z 1242.08 (M + H)
+.
【0120】
スキーム6 化合物5、化合物6および化合物7の合成
【化20】
【0121】
実験:
基本手順IV (R)−3−((5−(4−クロロフェニル)−1−エチル−4−(3−(4−(4−(4−((4−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−1−(フェニルチオ)ブタン−2−イル)アミノ)−3−((トリフルオロメチル)スルホニル)フェニルスルホンアミド)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−2−メチル−1H−ピロール−3−カルボニル)オキシ)プロパン酸(5)
化合物957(100mg,0.09mmol)とDIC(18mg,0.14mmol)とDMAP(20mg,0.14mmol)のDCM(2mL)溶液に3−ヒドロキシプロパン酸tert−ブチル(41mg,0.28mmol)を加えた。TLCでBM−957が確認されなくなるまで該溶液を室温で6時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(50mL)で希釈し、飽和NaHCO
3溶液(50mL)、食塩水(50mL)で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、粗生成物を得て、精製することなく次の工程に使用した。得られた残渣をDCM(5mL)に溶解し、TFA(2.5mL)を加えた。TLCで出発原料が確認されなくなるまで該溶液を室温で3時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣をHPLCで精製して純生成物5(TFA塩,75mg,2工程収率70%)を得た。グラジエント条件は、溶媒A:溶媒B=60%:40%から40分で溶媒A:溶媒B=20%:80%とした。
MS (ESI): m/z 1238.17 (M + H)
+.
【0122】
(R)−4−((5−(4−クロロフェニル)−1−エチル−4−(3−(4−(4−(4−((4−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−1−(フェニルチオ)ブタン−2−イル)アミノ)−3−((トリフルオロメチル)スルホニル)フェニルスルホンアミド)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−2−メチル−1H−ピロール−3−カルボニル)オキシ)安息香酸(6)
基本手順IVに準じて、BM−957および4−ヒドロキシ安息香酸tert−ブチルから化合物6を調製した。
MS (ESI): m/z 1186.00 (M + H)
+.
【0123】
(R)−4−((5−(4−クロロフェニル)−1−エチル−4−(3−(4−(4−(4−((4−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−1−(フェニルチオ)ブタン−2−イル)アミノ)−3−((トリフルオロメチル)スルホニル)フェニルスルホンアミド)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−2−メチル−1H−ピロール−3−カルボニル)オキシ)シクロヘキサンカルボン酸(7)
基本手順IVに準じて、BM−957および4−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸tert−ブチルから化合物7を調製した。
MS (ESI): m/z 1192.25 (M + H)
+.
【0124】
スキーム7 化合物8および化合物9の合成
【化21】
【0125】
実験:
基本手順V (R)−(((5−(4−クロロフェニル)−1−エチル−4−(3−(4−(4−(4−((4−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−1−(フェニルチオ)ブタン−2−イル)アミノ)−3−((トリフルオロメチル)スルホニル)フェニルスルホンアミド)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−2−メチル−1H−ピロール−3−カルボニル)オキシ)メチル)ホスホン酸(8)
BM−957(100mg,0.09mmol)とDIC(18mg,0.14mmol)とDMAP(20mg,0.14mmol)のDCM(2mL)溶液に(ヒドロキシメチル)ホスホン酸ジメチル(40mg,0.28mmol)を加えた。TLCでBM−957が確認されなくなるまで該溶液を室温で6時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(50mL)で希釈し、飽和NaHCO
3溶液(50mL)、食塩水(50mL)で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、粗生成物を得て、精製することなく次の工程に使用した。得られた残渣をDCM(5mL)に溶解し、TMSBr(248μL,1.9mmol)を加えた。MSで出発原料が確認されなくなるまで該溶液を室温で20時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣をHPLCで精製して純生成物8(TFA塩,74mg,2工程収率68%)を得た。グラジエント条件は、溶媒A:溶媒B=60%:40%から40分で溶媒A:溶媒B=20%:80%とした。
1H NMR (300 M Hz, CD
3OD): δ 7.92 (s, 1H), 7.73-7.70 (m, 2H), 7.34-6.82 (m, 17H), 4.28 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 4.06-3.35 (m, 14H), 3.20-2.92 (m, 5H), 2.65 (s, 3H), 2.24-1.67 (m, 6H), 1.10 (t, J = 7.0 Hz, 3H). MS (ESI): m/z 1259.50 (M + H)
+.
【0126】
(R)−(2−((5−(4−クロロフェニル)−1−エチル−4−(3−(4−(4−(4−((4−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−1−(フェニルチオ)ブタン−2−イル)アミノ)−3−((トリフルオロメチル)スルホニル)フェニルスルホンアミド)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−2−メチル−1H−ピロール−3−カルボニル)オキシ)エチル)ホスホン酸(9)
基本手順Vに準じて、BM−957および(2−ヒドロキシエチル)ホスホン酸ジメチルから化合物9を調製した。
MS (ESI): m/z 1173.42 (M + H)
+.
【0127】
スキーム8 化合物10の合成
【化22】
【0128】
((R)−4−(5−(4−クロロフェニル)−1−エチル−4−(3−(4−(4−(4−(4−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−1−(フェニルチオ)ブタン−2−イルアミノ)−3−(トリフルオロメチルスルホニル)フェニルスルホンアミド)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−2−メチル−1H−ピロール−3−カルボキサミド)シクロヘキサンカルボン酸(10)
BM−957(100mg,0.09mmol)とEDCI(27mg,0.14mmol)とHOBT(19mg,0.14mmol)のDCM(2mL)溶液に4−アミノシクロヘキサンカルボン酸メチル(44mg,0.28mmol)を加えた。TLCでBM−957が確認されなくなるまで該溶液を室温で2時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(50mL)で希釈し、飽和NaHCO
3溶液(50mL)、食塩水(50mL)で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、粗生成物を得て、精製することなく次の工程に使用した。得られた残渣をH
2OおよびMeOH(それぞれ5mLおよび5mL)に溶解し、NaOH(76mg,1.9mmol)を加えた。TLCで出発原料が確認されなくなるまで該溶液を室温で20時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣をHPLCで精製して純生成物10(TFA塩,61mg,2工程収率55%)を得た。グラジエント条件は、溶媒A:溶媒B=60%:40%から40分で溶媒A:溶媒B=20%:80%とした。
MS (ESI): m/z 1191.17 (M + H)
+.
【0129】
スキーム9 化合物11の合成
【化23】
【0130】
実験:(R)−(((5−(4−クロロフェニル)−4−(3−(4−(4−(4−((4−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−1−(フェニルチオ)ブタン−2−イル)アミノ)−3−((トリフルオロメチル)スルホニル)フェニルスルホンアミド)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1−イソプロピル−2−メチル−1H−ピロール−3−カルボニル)オキシ)メチル)ホスホン酸(11)
基本手順Vに準じて、BM−962および(ヒドロキシメチル)ホスホン酸ジメチルから化合物11を調製した。
1H NMR (300 M Hz, CD
3OD): δ 8.00 (s, 1H), 7.80-7.71 (m, 2H), 7.38-6.83 (m, 17H), 4.50-4.41 (m, 1H), 4.29 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 4.11-3.59 (m, 12H), 3.25-3.01 (m, 6H), 2.77 (s, 3H), 2.28-1.70 (m, 6H), 1.47 (d, J = 7.1 Hz, 6H). MS (ESI): m/z 1174.25 (M + H)
+.
【0131】
スキーム9 化合物12の合成
【化24】
【0132】
実験:(R)−(2−((1−(3−((4−(N−(4−(4−(3−(2−(4−クロロフェニル)−1−イソプロピル−5−メチル−4−(メチルスルホニル)−1H−ピロール−3−イル)−5−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)スルファモイル)−2−((トリフルオロメチル)スルホニル)フェニル)アミノ)−4−(フェニルチオ)ブチル)ピペリジン−4−イル)オキシ)−2−オキソエチル)ホスホン酸(12)
基本手順Vに準じて、BM−1197および2−(ジエトキシホスホリル)酢酸から化合物12を調製した。
1H NMR (300 M Hz, CD
3OD): δ 7.99 (s, 1H), 7.75 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.36-7.13 (m, 12H), 6.92-6.43 (m, 5H), 5.10 (s, 1H), 4.51-4.44 (m, 1H), 4.10 (s, 1H), 3.56-2.93 (m, 18H), 2.87 (s, 3H), 2.76 (s, 3H), 2.29-1.90 (m, 6H), 1.46 (d, J = 7.3 Hz, 6H). MS (ESI): m/z 1253.36 (M + H)
+.
【0133】
スキーム10 化合物13の合成
【化25】
【0134】
実験:
(R)−tert−ブチル 1−(3−アミノ−4−(フェニルチオ)ブチル)ピペリジン−4−カルボキシラート(K)
基本手順IIに準じて、ピペリジン−4−カルボン酸tert−ブチルおよび中間体Dから化合物Kを調製した。
MS (ESI): m/z 365.50 (M + H)
+.
【0135】
(R)−1−(3−(4−(N−(4−(4−(3−(2−(4−クロロフェニル)−1−イソプロピル−5−メチル−4−(メチルスルホニル)−1H−ピロール−3−イル)−5−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)スルファモイル)−2−(トリフルオロメチルスルホニル)フェニルアミノ)−4−(フェニルチオ)ブチル)ピペリジン−4−カルボン酸(13)
基本手順IIIに準じて、化合物Kおよび中間体Bから化合物13を調製した。
MS (ESI): m/z 365.50 (M + H)
+.
【0136】
スキーム11 化合物14、化合物15、化合物16および化合物17の合成
【化26】
【0137】
実験:(R)−(1−(3−(4−(N−(4−(4−(3−(2−(4−クロロフェニル)−1−イソプロピル−5−メチル−4−(メチルスルホニル)−1H−ピロール−3−イル)−5−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)スルファモイル)−2−(トリフルオロメチルスルホニル)フェニルアミノ)−4−(フェニルチオ)ブチル)ピペリジン−4−カルボニルオキシ)メチルホスホン酸(14)
基本手順Vに準じて、化合物13および(2−ヒドロキシメチル)ホスホン酸ジメチルから化合物14を調製した。
1H NMR (300 M Hz, CD
3OD): δ 7.94 (s, 1H), 7.72 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 7.30-7.09 (m, 13H), 6.91-6.42 (m, 4H), 4.49-4.40 (m, 1H), 3.99 (s, 1H), 3.55-2.90 (m, 16H), 2.84 (s, 3H), 2.72 (s, 3H), 2.63-2.55 (m, 1H), 2.23-1.81 (m, 6H), 1.41 (d, J = 4.3 Hz, 6H). MS (ESI): m/z 1160.34 (M + H)
+.
【0138】
(R)−2−(1−(3−(4−(N−(4−(4−(3−(2−(4−クロロフェニル)−1−イソプロピル−5−メチル−4−(メチルスルホニル)−1H−ピロール−3−イル)−5−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)スルファモイル)−2−(トリフルオロメチルスルホニル)フェニルアミノ)−4−(フェニルチオ)ブチル)ピペリジン−4−カルボニルオキシ)エチルホスホン酸(15)
基本手順Vに準じて、化合物13および(2−ヒドロキシエチル)ホスホン酸ジメチルから化合物15を調製した。
1H NMR (300 M Hz, CD
3OD): δ 7.93 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 7.72 (dd, J = 9.2, 1.8 Hz, 1H), 7.30-7.12 (m, 12H), 6.83-6.42 (m, 5H), 4.46-4.33 (m, 3H), 3.96 (s, 1H), 3.54-2.93 (m, 16H), 2.82 (s, 3H), 2.72 (s, 3H), 2.71-2.55 (m, 1H), 2.24-1.65 (m, 8H), 1.41 (d, J = 7.1 Hz, 6H). MS (ESI): m/z 1268.58 (M + H)
+.
【0139】
(R)−3−(1−(3−(4−(N−(4−(4−(3−(2−(4−クロロフェニル)−1−イソプロピル−5−メチル−4−(メチルスルホニル)−1H−ピロール−3−イル)−5−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)スルファモイル)−2−(トリフルオロメチルスルホニル)フェニルアミノ)−4−(フェニルチオ)ブチル)ピペリジン−4−カルボニルオキシ)プロピルホスホン酸(16)
基本手順Vに準じて、化合物13および3−ヒドロキシプロピルホスホン酸ジメチルから化合物16を調製した。
1H NMR (300 M Hz, CD
3OD): δ 7.95 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.73 (dd, J = 9.2, 2.1 Hz, 1H), 7.33-7.12 (m, 12H), 6.92-6.43 (m, 5H), 4.51-4.41 (m, 1H), 4.18-3.98 (m, 3H), 3.56-2.92 (m, 16H), 2.85 (s, 3H), 2.73 (s, 3H), 2.67-2.50 (m, 1H), 2.25-1.70 (m, 10H), 1.43 (d, J = 7.1 Hz, 6H). MS (ESI): m/z 1282.34 (M + H)
+.
【0140】
2−(1−((R)−3−(4−(N−(4−(4−(3−(2−(4−クロロフェニル)−1−イソプロピル−5−メチル−4−(メチルスルホニル)−1H−ピロール−3−イル)−5−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)スルファモイル)−2−(トリフルオロメチルスルホニル)フェニルアミノ)−4−(フェニルチオ)ブチル)ピペリジン−4−カルボニルオキシ)プロピルホスホン酸(17)
基本手順Vに準じて、化合物13および2−ヒドロキシプロピルホスホン酸ジメチルから化合物17を調製した。
1H NMR (300 M Hz, CD
3OD): δ 7.97 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 7.73 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.36-7.08 (m, 13H), 6.85-6.43 (m, 4H), 5.26 (s, 1H), 4.54-4.44 (m, 1H), 4.01 (s, 1H), 3.58-2.92 (m, 16H), 2.87 (s, 3H), 2.76 (s, 3H), 2.70-2.55 (m, 1H), 2.26-1.85 (m, 8H), 1.46 (d, J = 7.1 Hz, 6H), 1.38 (d, J = 5.9 Hz, 3H). MS (ESI): m/z 1281.34 (M + H)
+.
【0141】
スキーム12 化合物18の合成
【化27】
【0142】
実験:
(R)−メチル 1−(3−アミノ−4−(フェニルチオ)ブチル)−4−メチルピペリジン−4−カルボキシラート(M)
基本手順IIに準じて、4−メチルピペリジン−4−カルボン酸メチルおよび中間体Dから化合物Mを調製した。
MS (ESI): m/z 337.55 (M + H)
+.
【0143】
(R)−1−(3−(4−(N−(4−(4−(3−(2−(4−クロロフェニル)−1−イソプロピル−5−メチル−4−(メチルスルホニル)−1H−ピロール−3−イル)−5−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)スルファモイル)−2−(トリフルオロメチルスルホニル)フェニルアミノ)−4−(フェニルチオ)ブチル)−4−メチルピペリジン−4−カルボン酸(18)
中間体B(100mg,0.11mmol)と化合物M(47mg,0.14mmol)のDMF(2mL)溶液にDIPEA(1mL)を加えた。TLCで中間体Bが確認されなくなるまで該溶液を室温で4時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、粗生成物を得て、精製することなく次の工程に使用した。得られた残渣をH
2OおよびMeOH(それぞれ5mLおよび5mL)に溶解し、NaOH(88mg,2.2mmol)を加えた。TLCで出発原料が確認されなくなるまで該溶液を室温で20時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣をHPLCで精製して純生成物18(TFA塩,75mg,2工程収率58%)を得た。グラジエント条件は、溶媒A:溶媒B=60%:40%から40分で溶媒A:溶媒B=20%:80%とした。
1H NMR (300 M Hz, CD
3OD): δ 7.99 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.76 (dd, J = 9.1, 1.9 Hz, 1H), 7.37-6.84 (m, 14H), 6.68-6.45 (m, 3H), 4.55-4.45 (m, 1H), 4.02 (s, 1H), 3.58-2.92 (m, 17H), 2.88 (s, 3H), 2.77 (s, 3H), 2.41-1.86 (m, 5H), 1.47 (d, J = 7.1 Hz, 6H), 1.31 (s, 3H). MS (ESI): m/z 1173.73 (M + H)
+.
【0144】
スキーム13 化合物19の合成
【化28】
【0145】
実験:(R)−2−(1−(3−(4−(N−(4−(4−(3−(2−(4−クロロフェニル)−1−イソプロピル−5−メチル−4−(メチルスルホニル)−1H−ピロール−3−イル)−5−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)スルファモイル)−2−(トリフルオロメチルスルホニル)フェニルアミノ)−4−(フェニルチオ)ブチル)−4−メチルピペリジン−4−カルボニルオキシ)エチルホスホン酸(19)
基本手順Vに準じて、化合物18および(2−ヒドロキシエチル)ホスホン酸ジメチルから化合物19を調製した。
1H NMR (300 M Hz, CD
3OD): δ 7.98 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.73 (dd, J = 9.2, 2.0 Hz, 1H), 7.35-6.83 (m, 14H), 6.65-6.44 (m, 3H), 4.52-4.38 (m, 3H), 4.01 (s, 1H), 3.44-2.92 (m, 17H), 2.87 (s, 3H), 2.77 (s, 3H), 2.45-2.11 (m, 5H), 1.71 (t, J = 14.4 Hz, 2H), 1.46 (d, J = 7.1 Hz, 6H), 1.30 (s, 3H). MS (ESI): m/z 1281.92 (M + H)
+.
【0146】
スキーム14 化合物20の合成
【化29】
【0147】
実験:
(R)−3−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニルアミノ)−4−(2−フルオロフェニルチオ)ブタン酸(O)
Bu
3P(0.8mL,3.3mmol)とADDP(833mg,3.3mmol)のTHF(30mL)溶液を化合物N(1.2g,3.0mmol)およびチオフェノール(320μL,3.0mmol)で処理し、化合物NがTLCで確認されなくなるまで4時間撹拌した。混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、1M HCl水溶液(100mL)、食塩水(100mL)で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、粗生成物を得て、精製することなく次の工程に使用した。得られた残渣をDCM(10mL)に溶解し、TFA(5mL)を加えた。TLCで出発原料が確認されなくなるまで該溶液を室温で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣を5%MeOH/DCMを用いたシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製して中間体O(840mg,2工程収率62%)を得た。
MS (ESI) m/z 452.86 (M + H)
+.
【0148】
(R)−(9H−フルオレン−9−イル)メチル 1−(2−フルオロフェニルチオ)−4−オキソブタン−2−イルカルバマート(P)
基本手順Iに準じて、中間体Oから化合物Pを調製した。
MS (ESI) m/z 437.00 (M + H)
+.
【0149】
(R)−tert−ブチル 1−(3−アミノ−4−(2−フルオロフェニルチオ)ブチル)ピペリジン−4−カルボキシラート(Q)
基本手順IIに準じて、化合物Pおよび化合物Jから化合物Qを調製した。
MS (ESI) m/z 383.38 (M + H)
+.
【0150】
(R)−1−(3−(4−(N−(4−(4−(3−(2−(4−クロロフェニル)−1−イソプロピル−5−メチル−4−(メチルスルホニル)−1H−ピロール−3−イル)−5−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)スルファモイル)−2−(トリフルオロメチルスルホニル)フェニルアミノ)−4−(2−フルオロフェニルチオ)ブチル)ピペリジン−4−カルボン酸(20)
基本手順IIIに準じて、化合物Qおよび中間体Bから化合物20を調製した。
1H NMR (300 M Hz, CD
3OD): δ 7.97 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 7.76 (dd, J = 9.2, 2.0 Hz, 1H), 7.39-6.87 (m, 13H), 6.65-6.43 (m, 3H), 4.54-4.45 (m, 1H), 4.01 (s, 1H), 3.67-2.93 (m, 17H), 2.87 (s, 3H), 2.77 (s, 3H), 2.29-1.86 (m, 6H), 1.46 (d, J = 7.1 Hz, 6H). MS (ESI): m/z 1177.92 (M + H)
+.
【0151】
スキーム15 化合物21の合成
【化30】
【0152】
実験:(R)−2−(1−(3−(4−(N−(4−(4−(3−(2−(4−クロロフェニル)−1−イソプロピル−5−メチル−4−(メチルスルホニル)−1H−ピロール−3−イル)−5−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)スルファモイル)−2−(トリフルオロメチルスルホニル)フェニルアミノ)−4−(2−フルオロフェニルチオ)ブチル)ピペリジン−4−カルボニルオキシ)エチルホスホン酸(21)
基本手順Vに準じて、化合物20および(2−ヒドロキシエチル)ホスホン酸ジメチルから化合物21を調製した。
1H NMR (300 M Hz, CD
3OD): δ 7.95 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 7.77 (dd, J = 9.0, 2.0 Hz, 1H), 7.36-6.86 (m, 13H), 6.66-6.44 (m, 3H), 4.51-4.33 (m, 3H), 4.01 (s, 1H), 3.58-2.93 (m, 16H), 2.85 (s, 3H), 2.74 (s, 3H), 2.70-2.58 (m, 1H), 2.27-1.84 (m, 8H), 1.43 (d, J = 7.1 Hz, 6H). MS (ESI): m/z 1286.58 (M + H)
+.
【0153】
スキーム16 化合物22の合成
【化31】
【0154】
実験:(R)−tert−ブチル 1−(4−(フェニルチオ)−3−(4−スルファモイル−2−(トリフルオロメチルスルホニル)フェニルアミノ)ブチル)ピペリジン−4−カルボキシラート(S)
化合物K(1.1g,3.0mmol)と化合物R(922mg,3.0mmol)のDMF(15mL)溶液にDIPEA(3mL)を加えた。TLCで化合物Kが確認されなくなるまで該溶液を室温で4時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣を5%MeOH/DCMを用いたシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製して中間体S(1.7g,2工程収率88%)を得た。
MS (ESI) m/z 653.21 (M + H)
+.
【0155】
(R)−1−(3−(4−(N−(4−(4−((2−(4−クロロフェニル)−5,5−ジメチルシクロヘキサ−1−エンイル)メチル)ピペラジン−1−イル)ベンゾイル)スルファモイル)−2−(トリフルオロメチルスルホニル)フェニルアミノ)−4−(フェニルチオ)ブチル)ピペリジン−4−カルボン酸(22)
化合物T(438mg,1.0mmol)とEDCI(386mg,2.0mmol)とDMAP(121mg,1.0mmol)のDCM(10mL)溶液に中間体S(718mg,1.1mmol)を加えた。TLCで化合物Tが確認されなくなるまで該溶液を室温で2時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(50mL)で希釈し、飽和NaHCO
3溶液(50mL)、食塩水(50mL)で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、粗生成物を得て、精製することなく次の工程に使用した。得られた残渣をDCM(10mL)に溶解し、TFA(5mL)を加えた。TLCで出発原料が確認されなくなるまで該溶液を室温で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣をHPLCで精製して、純生成物22(TFA塩,742mg,2工程収率73%)を得た。グラジエント条件は、溶媒A:溶媒B=60%:40%から40分で溶媒A:溶媒B=20%:80%とした。
1H NMR (300 M Hz, CD
3OD): δ 8.30 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 8.02 (dd, J = 9.2, 2.5 Hz, 1H), 7.70 (d, J = 8.9 Hz, 2H), 7.40-6.88 (m, 12H), 4.04 (s, 1H), 3.67-2.82 (m, 19H), 2.58 (t, J = 14.4 Hz, 1H), 2.37-1.81 (m, 10H), 1.53 (t, J = 6.2 Hz, 2H), 1.03 (s, 6H). MS (ESI): m/z 1017.50 (M + H)
+.
【0156】
スキーム17 化合物23、化合物24および化合物25の合成
【化32】
【0157】
実験:(R)−(1−(3−(4−(N−(4−(4−((2−(4−クロロフェニル)−5,5−ジメチルシクロヘキサ−1−エンイル)メチル)ピペラジン−1−イル)ベンゾイル)スルファモイル)−2−(トリフルオロメチルスルホニル)フェニルアミノ)−4−(フェニルチオ)ブチル)ピペリジン−4−カルボニルオキシ)メチルホスホン酸(23)
基本手順Vに準じて、化合物22および(2−ヒドロキシメチル)ホスホン酸ジメチルから化合物23を調製した。
1H NMR (300 M Hz, CD
3OD): δ 8.35 (s, 1H), 8.09 (d, J = 6.7 Hz, 1H), 7.79 (d, J = 7.7 Hz, 2H), 7.44-6.82 (m, 12H), 4.30-4.10 (m, 3H), 3.74-2.73 (m, 19H), 2.43-1.44 (m, 12H), 1.10 (s, 6H). MS (ESI): m/z 1110.58 (M + H)
+.
【0158】
(R)−2−(1−(3−(4−(N−(4−(4−((2−(4−クロロフェニル)−5,5−ジメチルシクロヘキサ−1−エンイル)メチル)ピペラジン−1−イル)ベンゾイル)スルファモイル)−2−(トリフルオロメチルスルホニル)フェニルアミノ)−4−(フェニルチオ)ブチル)ピペリジン−4−カルボニルオキシ)エチルホスホン酸(24)
基本手順Vに準じて、化合物22および(2−ヒドロキシエチル)ホスホン酸ジメチルから化合物24を調製した。
1H NMR (300 M Hz, CD
3OD): δ 8.29 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.02 (dd, J = 9.2, 2.0 Hz, 1H), 7.71 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.37-6.84 (m, 12H), 4.34-4.30 (m, 2H), 4.03 (s, 1H), 3.66-2.88 (m, 18H), 2.62 (t, J = 14.4 Hz, 1H), 2.36-1.82 (m, 12H), 1.53 (t, J = 6.1 Hz, 2H), 1.03 (s, 6H). MS (ESI): m/z 1025.64 (M + H)
+.
【0159】
(R)−3−(1−(3−(4−(N−(4−(4−((2−(4−クロロフェニル)−5,5−ジメチルシクロヘキサ−1−エンイル)メチル)ピペラジン−1−イル)ベンゾイル)スルファモイル)−2−(トリフルオロメチルスルホニル)フェニルアミノ)−4−(フェニルチオ)ブチル)ピペリジン−4−カルボニルオキシ)プロピルホスホン酸(25)
基本手順Vに準じて、化合物22および3−ヒドロキシプロピルホスホン酸ジメチルから化合物25を調製した。
1H NMR (300 M Hz, CD
3OD): δ 7.95 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.73 (dd, J = 9.2, 2.1 Hz, 1H), 7.33-7.12 (m, 12H), 6.92-6.43 (m, 5H), 4.51-4.41 (m, 1H), 4.18-3.98 (m, 3H), 3.56-2.92 (m, 16H), 2.85 (s, 3H), 2.73 (s, 3H), 2.67-2.50 (m, 1H), 2.25-1.70 (m, 10H), 1.43 (d, J = 7.1 Hz, 6H). MS (ESI): m/z 1282.34 (M + H)
+.
【化33】
【0160】
5−(4−クロロフェニル)−4−(3−(4−(4−(4−フルオロ−3−(トリフルオロメチルスルホニル)フェニルスルホンアミド)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1−イソプロピル−2−メチル−N−(メチルスルホニル)−1H−ピロール−3−カルボキサミド(V)
化合物Bの調製について記載した手順に準じて、化合物Uから化合物Vを調製した。
【0161】
(R)−1−(3−(4−(N−(4−(4−(3−(2−(4−クロロフェニル)−1−イソプロピル−5−メチル−4−(メチルスルホニルカルバモイル)−1H−ピロール−3−イル)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)スルファモイル)−2−(トリフルオロメチルスルホニル)フェニルアミノ)−4−(フェニルチオ)ブチル)ピペリジン−4−カルボン酸(26)(BM−1077)
基本手順IIIに準じて、化合物Kおよび化合物Vから化合物26を調製した。
1H NMR (300 M Hz, CD
3OD): δ 7.94 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 7.71 (dd, J = 2.0, 9.2 Hz, 1H), 7.39-7.28 (m, 4H), 7.26-7.14 (m, 6H), 7.09-6.96 (m, 5H), 6.93-6.85 (m, 2H), 6.81 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 6.75 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 4.41 (quintet, J = 7.0 Hz, 1H), 4.06-3.88 (m, 1H), 3.66-3.33 (m, 8H), 3.25-2.79 (m, 10H), 2.63 (s, 3H), 2.36-1.71 (m, 8H), 1.43 (d, J = 7.1 Hz, 6H). MS (ESI): m/z 1184.42 (M + H)
+.
【0162】
(R)−2−(1−(3−(4−(N−(4−(4−(3−(2−(4−クロロフェニル)−1−イソプロピル−5−メチル−4−(メチルスルホニルカルバモイル)−1H−ピロール−3−イル)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)スルファモイル)−2−(トリフルオロメチルスルホニル)フェニルアミノ)−4−(フェニルチオ)ブチル)ピペリジン−4−カルボニルオキシ)エチルホスホン酸(27)(BM−1080)
基本手順Vに準じて、化合物26および(2−ヒドロキシエチル)ホスホン酸ジメチルから化合物27を調製した。
1H NMR (300 M Hz, CD
3OD): δ 7.95 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 7.69 (dd, J = 1.8, 9.3 Hz, 1H), 7.39-7.28 (m, 4H), 7.27-7.12 (m, 6H), 7.08-6.76 (m, 8H), 6.70 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 4.49-4.27 (m, 3H), 4.04-3.89 (m, 1H), 3.65-3.48 (m, 2H), 3.29-2.84 (m, 15H), 2.63 (s, 3H), 2.37-1.74 (m, 11H), 1.43 (d, J = 7.1 Hz, 6H). MS (ESI): m/z 1292.00 (M + H)
+.
【0163】
【化34】
【0164】
(R)−メチル 1−(3−アミノ−4−(フェニルチオ)ブチル)−3−メチルアゼチジン−3−カルボキシラート(X)
基本手順IIに準じて、3−メチルアゼチジン−3−カルボン酸メチル(W)および中間体Dから化合物Xを調製した。
【0165】
(R)−1−(3−(4−(N−(4−(4−(3−(2−(4−クロロフェニル)−1−イソプロピル−5−メチル−4−(メチルスルホニル)−1H−ピロール−3−イル)−5−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)スルファモイル)−2−(トリフルオロメチルスルホニル)フェニルアミノ)−4−(フェニルチオ)ブチル)−3−メチルアゼチジン−3−カルボン酸(28)(BM−1082)
化合物18の調製について記載した手順に準じて、化合物Xおよび中間体Bから化合物28を調製した。
1H NMR (300 M Hz, CD
3OD): δ 7.94 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 7.70 (dd, J = 2.1, 9.1 Hz, 1H), 7.35-7.24 (m, 4H), 7.23-7.12 (m, 5H), 7.07-6.91 (m, 4H), 6.87 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 6.81 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 6.63-6.47 (m, 2H), 6.41 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 4.55-4.38 (m, 2H), 3.97 (br. s., 3H), 3.29-3.08 (m, 13H), 2.84 (s, 3H), 2.74 (s, 3H), 2.12-1.81 (m, 2H), 1.56 (br. s., 3H), 1.43 (d, J = 7.1 Hz, 6H). MS (ESI): m/z 1144.75 (M + H)
+.
【0166】
(R)−2−(1−(3−(4−(N−(4−(4−(3−(2−(4−クロロフェニル)−1−イソプロピル−5−メチル−4−(メチルスルホニル)−1H−ピロール−3−イル)−5−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)スルファモイル)−2−(トリフルオロメチルスルホニル)フェニルアミノ)−4−(フェニルチオ)ブチル)−3−メチルアゼチジン−3−カルボニルオキシ)エチルホスホン酸(29)(BM−1083)
基本手順Vに準じて、化合物28および(2−ヒドロキシエチル)ホスホン酸ジメチルから化合物29を調製した。
1H NMR (300 M Hz, CD
3OD): δ 7.94 (d, J =1.8 Hz, 1H), 7.72 (dd, J = 2.0, 9.1 Hz, 1H), 7.36-7.26 (m, 4H), 7.25-7.15 (m, 5H), 7.10-7.00 (m, 4H), 6.92-6.83 (m, 1H), 6.63 (s, 1H), 6.57 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 6.42 (d, J = 9.2 Hz, 1H) 4.58-4.35 (m, 5H), 4.12-3.82 (m, 3H), 3.29-3.05 (m, 11H), 2.84 (s, 3H), 2.74 (s, 3H), 2.25-1.83 (m, 5H), 1.50 (br. s., 3H), 1.43 (d, J = 7.1 Hz, 6H). MS (ESI): m/z 1252.83 (M + H)
+.
【0167】
(R)−3−(1−(3−(4−(N−(4−(4−(3−(2−(4−クロロフェニル)−1−イソプロピル−5−メチル−4−(メチルスルホニル)−1H−ピロール−3−イル)−5−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)スルファモイル)−2−(トリフルオロメチルスルホニル)フェニルアミノ)−4−(フェニルチオ)ブチル)−3−メチルアゼチジン−3−カルボニルオキシ)プロピルホスホン酸(30)(BM−1084)
基本手順Vに準じて、化合物28および(3−ヒドロキシプロピル)ホスホン酸ジメチルから化合物30を調製した。
1H NMR (300 M Hz, CD
3OD): δ 7.94 (s, 1H), 7.71 (dd, 1.5, 9.0 Hz, 1H), 7.36-7.26 (m, 4H), 7.24-7.15 (m, 5H), 7.08-6.97 (m, 4H), 6.90-6.79 (m, 2H), 6.62 (s, 1H), 6.56 (d, J = 11.8 Hz, 1H), 6.41 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 4.54-4.37 (m, 3H), 4.33-4.21 (m, 2H), 3.99 (br. s., 3H), 3.28-3.05 (m, 11H), 2.84 (s, 3H), 2.74 (s, 3H), 2.15-1.71 (m, 7H), 1.57 (s, 3H), 1.43 (d, J = 7.0 Hz, 6H). MS (ESI): m/z 1266.92 (M + H)
+.
【0168】
Bcl−2タンパク質、Bcl−xLタンパク質およびMcl−1タンパク質の蛍光偏光ベース結合アッセイ
高感度かつ定量的な蛍光偏光(FP)ベースの結合アッセイを開発しそれを最適化して、組換えBcl−2タンパク質、組換えBcl−xLタンパク質および組換えMcl−1タンパク質に対するBcl−2ファミリータンパク質阻害薬の結合親和性を求めた。
【0169】
タンパク質に対する蛍光プローブのKd値の決定
フルオレセインで標識したBIM(81〜106)ペプチド、Bak(72〜87)ペプチド、およびBID(79〜99)ペプチド(それぞれFlu−BIM、Flu−BAKおよびFlu−BIDと命名)を作製し、これらの自家製ペプチドをそれぞれBcl−2、Bcl−xLおよびMcl−1に対するFPアッセイの蛍光プローブとして使用した。蛍光プローブの濃度を一定とし、タンパク質の濃度を完全飽和まで段階的に増加させて、蛍光プローブとタンパク質の混合物を複数調製し、それらの全蛍光偏光度をモニタリングすることによって、Bcl−2に対するFlu−BIMのK
d値、Bcl−xLに対するFlu−BAKのK
d値およびMcl−1に対するFlu−BIDのK
d値を求めたところ、それぞれ0.55±0.15nM、4.4±0.8nM、および6.8±1.5nMであった。蛍光偏光値は、インフィニットM-1000マルチモードプレートリーダー(Tecan U.S.社、ノースカロライナ州リサーチ・トライアングル・パーク)を用いて、Microfluor 2黒色96ウェル丸底プレート(サーモサイエンティフィック社)において測定した。各ウェルに1nMのFlu−BIM、2nMのFlu−BAKまたは2nMのFlu−BIDと、濃度を段階的に増加させたBcl−2、Bcl−xLまたはMcl−1とを加え、アッセイバッファー(0.01%トリトンX−100および4%DMSOを添加した、100mMリン酸カリウム、pH7.5、100μg/mLウシγ−グロブリン、0.02%アジ化ナトリウム、インビトロジェン社)中の最終容量を125μLとした。プレートを緩やかに振盪しながら室温で2時間インキュベートし、平衡状態とした。偏光値は、励起波長485nm、発光波長530nmにおいてミリ偏光単位(mP)で測定した。次いで、Graphpad Prism 5.0ソフトウェア(Graphpad Software社、カリフォルニア州サンディエゴ)を用いて、S字状の用量依存的なFP値の増加をタンパク質濃度の関数としてフィッティングすることにより平衡解離定数(K
d)を算出した。
【0170】
Bcl−2ファミリータンパク質阻害薬のKi値の決定
Bcl−2タンパク質、Bcl−xLタンパク質およびMcl−1タンパク質に対するBcl−2ファミリータンパク質阻害薬のK
i値は、一定濃度のタンパク質への結合に対して、段階希釈した阻害薬と一定濃度の蛍光プローブとを競合させた阻害薬用量依存的競合結合実験により求めた。DMSO中の試験阻害薬5μLと、プレインキュベートしたアッセイバッファー中タンパク質/プローブ複合体120μLとの混合物をアッセイプレートに加え、緩やかに振盪しながら室温で2時間インキュベートした。タンパク質とプローブの最終濃度は、Bcl−2アッセイではそれぞれ1.5nMおよび1nM、Bcl−xLアッセイではそれぞれ10nMおよび2nM、Mcl−1アッセイではそれぞれ20nMおよび2nMである。各アッセイプレートは、タンパク質/プローブ複合体のみを含有するネガティブコントロール(阻害率0%に相当)と、遊離のプローブのみを含有するポジティブコントロール(阻害率100%に相当)とを含んでいた。上記と同様にしてFP値を測定した。IC
50値は、非直線回帰により競合曲線をフィッティングすることにより求めた。阻害薬のK
i値は、得られたIC
50値、タンパク質に対するプローブのK
d値、ならびに競合アッセイにおけるタンパク質濃度およびプローブ濃度から、本発明者らが導き出した既報の式(Z. Nikolovska-Coleska et al., Analytical Biochemistry, 2004, 332, 261-273.)を用いて算出した。さらに、一般的によく使用される既報の別の式(X. Y. Huang, Journal of Biomolecular Screening, 2003, 8, 34-38)を用いてK
i値を再度算出し、この式から得られた結果と本発明者らが算出した結果とが極めてよく一致することを確認した。
【0171】
細胞増殖アッセイ
段階希釈した化合物とともに、RS4;11細胞およびH146細胞を10,000細胞/ウェルの密度で96ウェル細胞培養プレートに播種し、95%大気および5%CO
2の雰囲気下、37℃で4日間インキュベートした。WST−8(2−(2−メトキシ−4−ニトロフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム・一ナトリウム塩)をベースとしたCell Counting-8 Kit(Dojindo Molecular Technologies,Inc.、メリーランド州ロックビル)を製造業者の説明書に従って使用して細胞生存率を求めた。すなわち、最終濃度が10%(v/v)となるようにWST−8を各ウェルに加え、プレートを37℃で1〜2時間インキュベートして発色させた。SPECTRAmax PLUSプレートリーダー(Molecular Devices社、カリフォルニア州サニーベール)を用いて450nmで吸光度を測定した。GraphPad Prism 5ソフトウェア(GraphPad Software社、カリフォルニア州ラホヤ)を用いて半数阻害濃度(IC
50)を算出した。
【0172】
細胞死アッセイ
細胞生存率を測定するためのトリパンブルー色素排除試験法を用いて細胞死アッセイを行った。100万個の細胞を6ウェルプレートに播種し、化合物の存在下または非存在下において95%大気および5%CO
2の雰囲気下、37℃で所定の時点までインキュベートした。処理終了後、細胞を回収し、1000rpmで5分間遠心分離した。細胞ペレットをPBS中に再懸濁し、0.4%トリパンブルー(インビトロジェン社)と1:1の希釈率で混和し、オリンパスCKX41顕微鏡(オリンパス社、ペンシルベニア州センター・バレー)を用いて細胞生存率を求めた。
【0173】
アポトーシスアッセイ
アネキシン−V−FLUOSステイニングキット(ロシュ・ダイアグノスティックス社、インディアナ州インディアナポリス)を製造業者の説明書に従って使用してアポトーシスアッセイを行った。すなわち、所定の時点まで細胞を化合物で処理し、回収し、PBSで洗浄した。アネキシン V−FITCおよびヨウ化プロピジウムで細胞を暗所室温で15分間染色し、BDバイオサイエンスFACSCaliburs(ベクトン・ディッキンソン社)で分析した。
【0174】
ウェスタンブロット分析
プロテアーゼ阻害薬(α−コンプリート、ロシュ社)を添加した溶解バッファー(1%NP40、0.5%デオキシコール酸Naおよび0.1%SDSを含有するPBS)で細胞を溶解した。タンパク質抽出物を比色定量アッセイ(ブラッドフォード試薬)(バイオ・ラッド社、カリフォルニア州ハーキュリーズ)を用いて定量した。4〜20%SDS−PAGEゲル(インビトロジェン社)上でタンパク質を電気泳動し、二フッ化ポリビニリデン膜(バイオ・ラッド社)に転写した。5%ミルクでブロッキングした後、特異的一次抗体とともに膜をインキュベートし、洗浄し、西洋ワサビペルオキシダーゼ結合二次抗体(Pierce社)とともにインキュベートした。化学発光西洋ワサビペルオキシダーゼ抗体検出試薬(Denville Scientific社)でシグナルを可視化した。
【0175】
シトクロムcおよびSmac放出アッセイ
H146細胞またはRS4;11細胞400万個を95%大気および5%CO
2の雰囲気下、37℃で所定の時点まで化合物で処理し、PBSで洗浄し、ジギトニンバッファー(75mM NaCl、8mM Na
2HPO
4、1mM NaH
2PO
4、1mM EDTA、350μg/mLジギトニン、および250mMスクロース)100μL中に再懸濁した。13,000rpmで1分間遠心分離して、細胞質分画とオルガネラ膜分画とを分離した。細胞質分画を12%SDS−PAGE上で分離し、抗シトクロムc抗体(BDバイオサイエンス社)および抗Smac抗体(Cell Signaling Technology社、マサチューセッツ州ダンバース)を用いて検出した。
【0176】
詳細には、Bcl−2、Bcl−xLおよびMcl−1に対する親和性について本発明の化合物を分析した。得られた分析結果を、Bcl−2/Bcl−xLに対する公知の特許取得阻害薬であるABT−737の分析結果と比較し、さらに上記ペプチド間でも比較した。表1に結果を要約する。
【0177】
【表3】
【0178】
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