特許第6347847号(P6347847)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6347847内燃機関の流体通路ケーシングに制御弁を取り付けるためのユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6347847
(24)【登録日】2018年6月8日
(45)【発行日】2018年6月27日
(54)【発明の名称】内燃機関の流体通路ケーシングに制御弁を取り付けるためのユニット
(51)【国際特許分類】
   F02M 26/66 20160101AFI20180618BHJP
   F16K 27/00 20060101ALI20180618BHJP
   F02M 26/72 20160101ALI20180618BHJP
   F02B 37/18 20060101ALI20180618BHJP
【FI】
   F02M26/66
   F16K27/00 B
   F02M26/72
   F02B37/18 D
【請求項の数】10
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-554460(P2016-554460)
(86)(22)【出願日】2015年2月9日
(65)【公表番号】特表2017-514052(P2017-514052A)
(43)【公表日】2017年6月1日
(86)【国際出願番号】EP2015052600
(87)【国際公開番号】WO2015128175
(87)【国際公開日】20150903
【審査請求日】2016年10月26日
(31)【優先権主張番号】102014102524.5
(32)【優先日】2014年2月26日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】593209987
【氏名又は名称】ピールブルク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Pierburg GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ノアベアト ズィーモンス
【審査官】 齊藤 公志郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭61−247005(JP,A)
【文献】 特開平10−122404(JP,A)
【文献】 特開平07−224963(JP,A)
【文献】 実開平01−141979(JP,U)
【文献】 特開平10−332018(JP,A)
【文献】 実開昭59−150034(JP,U)
【文献】 特開2010−024998(JP,A)
【文献】 実開平06−063971(JP,U)
【文献】 特開平11−311169(JP,A)
【文献】 米国特許第4809742(US,A)
【文献】 米国特許第4630445(US,A)
【文献】 欧州特許出願公開第1394399(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 26/00−74
F02B 37/18
F16K 27/00−12
F16K 31/02−06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の流体通路ケーシング(18)に制御弁を取り付けるためのユニットであって、前記流体通路ケーシング(18)内に突出する差込みケーシング部分(14)と、内部にアクチュエータ(33)が配置されたアクチュエータケーシング(31)と、前記流体通路ケーシング(18)に載置されるケーシングプレート(22)とを備え、前記ケーシングプレート(22)から第1の側に向かって前記差込みケーシング部分(14)が延びており且つ反対の側に向かって前記アクチュエータケーシング(31)が延びている、ユニットにおいて、
前記ケーシングプレート(22)は、前記流体通路ケーシング(18)の接続穴パターンに対応するねじ孔パターン(53)が形成されたカラーフランジ(44)により、半径方向において包囲されており、前記制御弁は、前記カラーフランジ(44)の貫通孔(52)に挿通されたねじ(56)により、前記流体通路ケーシング(18)に取り付けられており、前記カラーフランジ(44)の、前記流体通路ケーシング(18)の方を向いている軸方向部分(46)は、前記ケーシングプレート(22)の外周に実質的に等しい内周を有しており、前記カラーフランジ(44)の、前記流体通路ケーシング(18)から離反する側を向いた軸方向部分(48)は、前記流体通路ケーシング(18)の方を向いた前記軸方向部分(46)よりも小さな内周を有しており、前記流体通路ケーシング(18)から離反する側を向いた前記軸方向部分(48)は、前記ケーシングプレート(22)に軸方向に当て付けられていることを特徴とする、内燃機関の流体通路ケーシング(18)に制御弁を取り付けるためのユニット。
【請求項2】
前記ケーシングプレート(22)と、前記差込みケーシング部分(14)と、前記ケーシングプレート(22)から延びるアクチュエータケーシング部分(20)とは、1つの軽金属鋳造部品であり、前記ケーシングプレート(22)から延びる前記アクチュエータケーシング部分(20)の周囲の長さは、前記カラーフランジ(44)の内周よりも小さくなっている、請求項1記載の、内燃機関の流体通路ケーシング(18)に制御弁を取り付けるためのユニット。
【請求項3】
前記流体通路ケーシング(18)の方を向いた前記軸方向部分(46)は、前記ケーシングプレート(22)よりも小さな軸方向高さを有している、請求項又は記載の、内燃機関の流体通路ケーシング(18)に制御弁を取り付けるためのユニット。
【請求項4】
前記流体通路ケーシング(18)と前記ケーシングプレート(22)との間にシール(58)が配置されており、該シール(58)は、前記カラーフランジ(44)の前記貫通孔(52)に挿通された前記ねじ(56)を用いて前記制御弁を取り付けることにより、弾性変形されている、請求項1からまでのいずれか1項記載の、内燃機関の流体通路ケーシング(18)に制御弁を取り付けるためのユニット。
【請求項5】
前記シールは、金属薄板エンボスシール(58)である、請求項記載の、内燃機関の流体通路ケーシング(18)に制御弁を取り付けるためのユニット。
【請求項6】
前記カラーフランジ(44)の前記貫通孔(52)は、螺合円頂部(50)に形成されており、該螺合円頂部(50)の、前記流体通路ケーシング(18)の方を向いている軸方向高さは、前記ケーシングプレート(22)の軸方向端部から測定して、前記ケーシングプレート(22)の軸方向高さと前記シール(58)の軸方向高さとの和よりも僅かに小さくなっている、請求項又は記載の、内燃機関の流体通路ケーシング(18)に制御弁を取り付けるためのユニット。
【請求項7】
前記螺合円頂部(50)の軸方向高さは、前記カラーフランジ(44)のその他の周範囲の軸方向高さよりも大きくなっている、請求項1からまでのいずれか1項記載の、内燃機関の流体通路ケーシング(18)に制御弁を取り付けるためのユニット。
【請求項8】
前記カラーフランジ(44)は、前記ケーシングプレート(22)に外れないように位置固定されて取り付けられている、請求項1からまでのいずれか1項記載の、内燃機関の流体通路ケーシング(18)に制御弁を取り付けるためのユニット。
【請求項9】
前記カラーフランジ(44)は、鋳造部品、打抜き部品、打抜き曲げ部品、又はエンボス加工部品である、請求項1からまでのいずれか1項記載の、内燃機関の流体通路ケーシング(18)に制御弁を取り付けるためのユニット。
【請求項10】
前記差込みケーシング部分(14)に流入部(40)と流出部(42)とが形成されており、これらの流入部(40)と流出部(42)との間の通流部(38)を、前記アクチュエータ(33)を介して動かすことのできる制御体(30)が制御する、請求項1からまでのいずれか1項記載の、内燃機関の流体通路ケーシング(18)に制御弁を取り付けるためのユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の流体通路ケーシングに制御弁を取り付けるためのユニットであって、流体通路ケーシング内に突出する差込みケーシング部分と、内部にアクチュエータが配置されたアクチュエータケーシングと、流体通路ケーシングに載置されるケーシングプレートとを備え、該ケーシングプレートから第1の側に向かって差込みケーシング部分が延びており且つ反対の側に向かってアクチュエータケーシングが延びているユニットに関する。
【0002】
このような制御弁は、例えば内燃機関内で、排気ガス再循環弁、排気ガスフラップ又はウェイストゲートバルブとして使用される。この場合は、流体通路ケーシングに差し込まれるべきケーシング部分に1つ又は複数の流入部及び流出部、並びにこれらの流入部と流出部との間に配置された1つ又は複数の弁座が形成された、いわゆる差込み弁であってよいか、又はケーシングが筒状の差込み部分を1つだけ有しており、この差込み部分から制御体が制御されるべき通路内に突出する弁であってよい。弁座により包囲された通流部は、弁ロッドに形成された前記制御体、特に弁皿により制御され、弁ロッドは伝動装置を介して、例えば電動モータにより作動させられるようになっていて、これにより、流入部と流出部との間の流体量を制御するようになっており、伝動装置は電動モータと共に、制御弁のアクチュエータを形成している。
【0003】
流体通路ケーシングに対する制御弁の取付けは、一般に流体通路ケーシングにおける孔パターンに対応した孔パターンを有するフランジを介して行われ、弁は、ねじを用いて流体通路ケーシングに取り付けることができる。前記フランジは、一般に差し込まれるべきケーシング部分、並びに弁のアクチュエータケーシングの少なくとも一部と一体的に形成される。
【0004】
本発明の実施例では差込み弁として形成された、このような内燃機関用の制御弁は、独国特許出願公開第102012104612号明細書から公知である。この制御弁は、差込みケーシング部分に形成された、軸方向の流入部と、半径方向の流出部とを有している。差込みケーシングは、伝動装置を少なくとも2つの側から取り囲んでいるアクチュエータケーシング部分と一体的に形成されており、この場合、アクチュエータケーシング部分と差込みケーシング部分との間にはフランジプレートが配置されており、フランジプレートはアクチュエータケーシング部分と差込みケーシング部分と一体的に、特にダイカストで軽金属から製造される。フランジプレートには、流体通路ケーシングの接続フランジに適合するねじ孔パターンが形成されており、制御弁はねじにより、一般にはシールを介在させて、流体通路ケーシングに取り付けられる。
【0005】
この構成の欠点は、それぞれ異なる穿孔パターンを有する如何なる新規の顧客に対しても、鋳造ケーシング全体を新たに適合させねばならないので、各顧客用に、個数とは関係なく、常に新たな弁ケーシング製造用の型が必要になる点である。
【0006】
よって、それぞれ異なる接続穴パターンについても、常に同じ弁ケーシングを使用可能な、内燃機関の流体通路ケーシングに制御弁を取り付けるためのユニットを提供する、という課題が生じる。製造及び組立が可能な限り簡単且つ廉価に実施可能であると共に、外部に対して十分なシールが保証されることが望ましい。
【0007】
この課題は、独立請求項1記載の特徴を有する、内燃機関の流体通路ケーシングに制御弁を取り付けるためのユニットにより解決される。
【0008】
ケーシングプレートが、流体通路ケーシングの接続穴パターンに対応するねじ孔パターンが形成されたカラーフランジにより、半径方向において包囲されており、この場合、制御弁は、カラーフランジの貫通孔に挿通されたねじにより、流体通路ケーシングに取り付けられていることに基づき、制御弁は規格構成部材として、流体通路ケーシングの接続穴パターンとは関係無く製造され得る。単に、別個に製造されるカラーフランジだけを適合させねばならないに過ぎない。これにより、製造コストを節約することができる一方で、組立は簡単なままであると共に、外部に対する確実なシールが保証され得る。
【0009】
好適には、ケーシングプレートと、差込みケーシング部分と、ケーシングプレートから延びるアクチュエータケーシング部分とは、1つの軽金属鋳造部品であり、この場合、ケーシングプレートから延びるアクチュエータケーシング部分の周囲の長さは、カラーフランジの内周よりも小さくなっている。各ケーシング部分の一体化により、組立コストが下げられる。鋳造に軽金属を使用することにより、熱的に高負荷される領域での使用が可能になる。カラーフランジは、アクチュエータケーシング部分側からベースプレート、即ちケーシングプレート上に簡単に被せ嵌めることができるので、組立が簡略化される。
【0010】
1つの有利な実施形態において、カラーフランジの、流体通路ケーシングの方を向いている軸方向部分は、ケーシングプレートの外周にほぼ等しい内周を有している。これに対応して、ベースプレートは半径方向において完全に当接するように、カラーフランジによって包囲される。このようにして弁ケーシングのずれが、形状接続(形状による結合、例えば係合)により半径方向において確実に回避される。
【0011】
本発明の特に好適な構成において、カラーフランジの、流体通路ケーシングから離反する側を向いた軸方向部分は、流体通路ケーシングの方を向いた軸方向部分よりも小さな内周を有しており、この場合、流体通路ケーシングから離反する側を向いた軸方向部分は、ケーシングプレートに軸方向に当て付けられている。このようにして、流体通路ケーシングの開口内での、弁ケーシングの軸方向の動きが回避される。カラーフランジと、ベースプレート延いては弁ケーシングとの間の、完全な相対的固定が達成される。
【0012】
1つの先進的な実施形態では、流体通路ケーシングの方を向いた軸方向部分は、ケーシングプレートよりも小さな軸方向高さを有している。このようにして、ねじを締付ける際に、流体通路ケーシングから離反する側を向いた軸方向部分がベースプレートに当て付けられることが保証され、これにより、軸方向の僅かな動きも排除される。流体通路ケーシングに対するベースプレートのこのような緊締によっても、半径方向の動きが回避される。
【0013】
1つの好適な構成では、流体通路ケーシングとケーシングプレートとの間にシールが配置されており、このシールは、カラーフランジの貫通孔に挿通されたねじを用いて制御弁を取り付けることにより、弾性変形されている。これにより、一方では緊締するように働く力がカラーフランジのねじ締結により高められ、且つ他方では内外に対する流体通路ケーシングの完全なシールが保証されることになる。
【0014】
これに関する1つの先進的な実施形態では、シールは金属薄板エンボスシールであり、これにより熱的に高負荷される領域での使用も可能になっている。他方では、金属薄板エンボスシールの使用により、極めて良好なシール作用も得られる。
【0015】
本発明の別の好適な構成において、カラーフランジの貫通孔は、螺合円頂部に形成されており、螺合円頂部の、流体通路ケーシングの方を向いている軸方向高さは、ケーシングプレートの軸方向端部から測定して、ケーシングプレートの軸方向高さとシールの軸方向高さとの和よりも僅かに小さくなっている。このようにして、ベースプレートに対するカラーフランジの十分な緊締が保証される。但し、緊締は螺合点を介してのみ行われるので、特に螺合によるフランジのねじれに基づく製造誤差問題は回避される。
【0016】
好適には、螺合円頂部の軸方向高さは、カラーフランジのその他の周範囲の軸方向高さよりも大きくなっている。これにより、緊締は螺合点を介してしか行われないので、特に螺合によるフランジのねじれに基づく、ベースプレートに対する製造誤差問題は回避される。
【0017】
流体通路ケーシングに対する制御弁の取付けを付加的に簡略化するために、カラーフランジはケーシングプレートに外れないように位置固定されて取り付けられているので、制御弁はフランジを備えて開口に挿入されてよい。このような位置固定は、ねじ又はリベットにより機械的に行われるか、又は溶接により材料接続的に行われてよい。
【0018】
廉価に製造するために、カラーフランジは、鋳造部品、打抜き部品、打抜き曲げ部品、又はエンボス加工部品である。これらの部品は高精度で製造可能であると共に、十分な強度を有している。
【0019】
別の好適な構成では、差込みケーシング部分に流入部と流出部とが形成されており、この場合、アクチュエータを介して動かすことのできる制御体が、流入部と流出部との間の通流部を制御する。このような差込み弁は、製造及び取付けが特に簡単である。それというのも、流体通路ケーシングへの挿入前に、弁全体を弁座に接するように予め取り付けておくことができるからである。
【0020】
これにより、簡単且つ廉価な製造において、流体通路ケーシングの種々様々な接続穴パターン、延いてはそれぞれ異なる顧客の要望に対する、制御弁の確実で密な取付けを保証する、内燃機関の流体通路ケーシングに制御弁を取り付けるためのユニットが提供されることになる。これに対応して、制御弁のケーシングは規格構成部材として、変更を必要とせずに、種々様々な用途に利用され得る。
【0021】
以下に、内燃機関の流体通路ケーシングに制御弁を取り付けるための、本発明によるユニットの1つの実施例を図示し、排気ガス再循環弁の取付けに基づいて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】流体通路ケーシングに別の制御弁を取り付けるための、本発明によるユニットの側方断面図である。
図2】制御弁のケーシングをカラーフランジと共に示す分解斜視図である。
【0023】
図1に示す、差込み弁として形成された制御弁は、一体的な弁ケーシング12を有しており、この弁ケーシング12は、軽金属からダイカスト法で製造されているが、ガスの温度が低い場合には、プラスチックから製造されていてもよい。弁ケーシング12は、流体通路ケーシング18により画定される流体通路内に突出する差込みケーシング部分14と、流体通路ケーシング18の外側に配置されたアクチュエータケーシング部分20とから成っている。弁ケーシング12は、アクチュエータケーシング部分20と差込みケーシング部分14との間に、アクチュエータケーシング部分20及び差込みケーシング部分14と一体的に形成されたケーシングプレート22を有しており、このケーシングプレート22で以て弁ケーシング12は、流体通路ケーシング18の接続フランジ24に載置される。
【0024】
アクチュエータケーシング部分20には、制御体30の駆動に用いられる電動モータ28を収容するための、電動モータケーシング26が取り付けられている。アクチュエータケーシング部分20は電動モータケーシング26と一緒に、制御弁のアクチュエータケーシング31を形成している。制御弁の駆動は、下流側に接続された伝動装置32と共にアクチュエータ33を形成する電動モータ28に給電することによって行われる。生じるモータ軸(図示せず)の回転は、同様にアクチュエータケーシング31内に配置された伝動装置32により、端部に制御体30が取り付けられた弁ロッド34の並進運動に変換される。
【0025】
制御体30は、弁座36により包囲された流体通流部38を制御するものであり、流体通流部38は、差込みケーシング部分14内に通じる流入部40と、差込みケーシング部分14から先に続く流体通路内へ通じる流出部42との間に形成されているので、流入部40と流出部42との間の流体接続は、制御体30が弁座36に載置されると中断され、且つ制御体30が弁座36から持ち上げられることにより、通じるように構成されている。
【0026】
制御弁若しくは弁ケーシング12の取付けは、本発明ではカラーフランジ44を用いて行われる。このカラーフランジ44は、流体通路ケーシング18の接続フランジ面24の方を向いている第1の軸方向部分46と、この第1の軸方向部分46に続く第2の軸方向部分48とを有しており、第2の軸方向部分48は、接続フランジ24とは反対の側に配置されている。第1の軸方向部分46の内周は、ケーシングプレート22の外周にほぼ等しいか、若しくは僅かに小さくなっている。例えば、これらの構成部材22,46間での隙間嵌めが想定され得る。第2の軸方向部分48の内周は、ケーシングプレート22の周よりも小さいので、カラーフランジ44の第2の軸方向部分48の半径方向内側の領域は、流体通路ケーシング18とは反対の側から、ケーシングプレート22に当て付けられることになる。両軸方向部分46,48の外周は、本実施例では同じである。
【0027】
カラーフランジ44には、貫通孔52を有する複数の螺合円頂部50が形成されている。貫通孔52のねじ孔パターン53は、流体通路ケーシング18の接続フランジ24に設けられたねじ山付き穴54により形成される接続穴パターンに対応している。これに対応して、流体通路ケーシング18に弁ケーシング12を挿入した後で、ケーシングプレート22延いては弁ケーシング12を、カラーフランジ44を介してねじ56により、流体通路ケーシング18の接続フランジ24に取り付けることができる。カラーフランジ44の外径は当然、各接続穴パターンに対応するねじ孔パターン53を形成することができるようにするために、流体通路ケーシング18の接続フランジ24に適合されているべきである。
【0028】
この取付けにより、流体通路ケーシング18に対して相対的な、弁ケーシング12の動きを完全に防ぐと共に、外部に対する流体通路の確実なシールが行われることを保証するために、接続フランジ24と、ケーシングプレート22との間には、ねじ56の締結時に緊締される、金属薄板エンボスシール58の形態の弾性的なシールが配置されている。この軸方向の緊締は、カラーフランジ44の第1の軸方向部分46及び螺合円頂部50の高さが、完全に加圧された状態のケーシングプレート22の高さと金属薄板エンボスシール58の厚さとの和より、少なくとも僅かに小さくなっているか、又はケーシングプレート22の高さよりも僅かに小さくなっていることにより達成される。付加的に、螺合円頂部50の高さは、残りのカラーフランジ44の高さよりもやや高くなっていることから、加圧時の力導入は、製造誤差問題を回避するために、大部分が螺合点を介して行われる。つまり、軸方向の動きはねじ締結により回避され、半径方向の動きは、取り付けられたカラーフランジ44の側方にケーシングプレート22を当て付けることによって回避される。
【0029】
図2では、弁ケーシング12の差込みケーシング部分14が単に短くしか形成されないように、弁ケーシング12の構成が行われてもよいことが分かる。これにより、制御弁は、流体通路ケーシング18内に形成された弁座36を制御することになり、差込みケーシング部分14は単に、流体通路ケーシング18の開口を、半径方向において十分に閉鎖しているに過ぎない。付加的に図2では、カラーフランジ44が、好適には電動モータケーシング26の取付け前に、弁ケーシング12のアクチュエータケーシング部分20の上方から、ケーシングプレート22に載置される、ということが分かる。この場合、カラーフランジ44は搬送を簡単にするために、予め例えば溶接点により固定されてもよい。次いで初めて、伝動装置32を備えた電動モータ28と、電動モータケーシング26と、制御体30を備えた弁ロッド34とが取り付けられる。続いて、カラーフランジ44を含む、組立の完了した制御弁は、差込みケーシング部分14で以て流体通路ケーシング18に挿入され、ねじ56により流体通路ケーシング18に取り付けられる。
【0030】
このような、流体通路ケーシングに制御弁を取り付けるためのカラーフランジを備えた前記のような本発明によるユニットを使用することにより、流体通路ケーシングの種々異なる複数の接続穴パターンにおいて、例えば種々異なる顧客の要望において、1つの規格化された弁ケーシングを使用することができ、これにより、同一の鋳型、図面、及び組立ラインを使用することができる。この場合、適合は専ら、付加的に取り付けられるべきカラーフランジのねじ孔パターンの変更によってのみ行われ、カラーフランジはダイカスト部品としてだけでなく、打抜き部品、打抜き曲げ部品、又はエンボス加工部品としても廉価に製造され得るので、小さな製造手間で変更することができる。更に、十分なシール作用が保証される。
【0031】
本発明が、説明した実施例に限定されるものではなく、独立請求項の保護範囲内で様々な変更が可能であることは明らかである。例えば、接続フランジは、貫通孔を備えて形成されていてもよく、これにより、ねじ締結は反対側から行われることになる。十分に小さな製造誤差で以て作業される場合には、均等な力導入を伴うカラーフランジの全面的な載置を生ぜしめることが、場合によっては有利であってもよく、これにより、選択されたシールの一様な緊締が行われる。当該ユニットは勿論、フラップ弁にも適している。
図1
図2