(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載された基板処理装置では、洗浄液として例えば純水が用いられる。しかしながら、配管等の内部の汚染物が純水のみで除去されない場合がある。その場合には、薬液からなる洗浄液を用いて洗浄を行う必要がある。例えば、複数の薬液の混合液からなる洗浄液を用いる場合には、洗浄液の準備に時間を要する。また、混合液での洗浄後に、洗浄液としてリンス液を用いて混合液を洗い流す必要がある。このように、複数の洗浄液を用いて配管等を洗浄する場合には、洗浄工程に要する時間が長くなる。
【0007】
本発明の目的は、複数の洗浄液を用いて配管を洗浄する場合の洗浄時間を短縮することが可能な基板処理システムおよび配管洗浄方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明に係る基板処理システムは、基板に処理を行う基板処理装置と、基板処理装置に
第1配管を通して処理液を供給する処理液供給ユニットと、
処理液供給ユニットに洗浄液とリンス液とを選択的に供給する洗浄ユニットとを備え、処理液供給ユニットは、
基板処理装置による基板の処理時に、処理液を貯留する処理液タンクを含み、基板処理装置は、基板に処理液を供給
して基板の処理を行う処理ユニットを含み、処理液タンクと処理ユニットとは
第1配管により接続され、
処理ユニットは、
基板を保持する基板保持部と、基板保持部を取り囲むカップと、
第1配管に接続されたノズルと、処理ユニットの排出口に接続された第2配管とを含み、
第2配管には比抵抗計が接続され、洗浄ユニットか
ら処理液
供給ユニットに
洗浄液を送り、処理液
タンクに洗浄液を
貯留する第1ステップと、処理液タンクに貯留
された洗浄液を
第1配管に向けて送り、第1配管を洗浄液で洗浄する第2ステップと、
第2ステップの終了後に、リンス液を洗浄ユニットから処理液供給ユニットの処理液タンクに供給する第3ステップと、第3ステップにより処理液タンクに供給されたリンス液を第1配管を通してノズルに供給しつつ、第2配管を通して処理ユニット
から排出されるリンス液の比抵抗値を比抵抗計で検出する第4ステップと、比抵抗計で検出された比抵抗が所定値になると処理液タンクからノズルに向けてのリンス液の供給
を停止する
第5ステップと、を
順次実行す
るものである。
(2)基板処理システムは、
第2ステップと並行して洗浄ユニット
にてリンス液を
準備す
る第6ステップをさらに
実行してもよい。
(3)基板処理システムは、
洗浄ユニットは洗浄液およびリンス液の両方が貯留可能な洗浄液タンクと、洗浄液タンクに接続されたドレイン管とを含み、
ドレイン管には、比抵抗計が介装されてもよい。
(4)処理液供給ユニットは、
第1ステップを開始する前に、
洗浄液
タンクに洗浄
液を貯留する工程を実行してもよい。
(5)洗浄ユニットは、洗浄
液タンク内の洗浄液をリンス液で置換する置換工程を、第3ステップの開始前に
実行してもよい。
(6)
置換工程は
比抵抗計が所定の
値になった段階で終了してもよい。
(7)洗
浄ユニットは、
洗浄
液を貯留可能な洗浄液
タンクと、
リンス液を貯留可能なリンス液タンク
とを含み、第1
ステップでは、洗浄液
タンクから処理液タンク
に洗浄液を送り、処理液タンクに
洗浄液を
貯留する
工程と、
リンス液タンク
にてリンス液を準備する工程とを並行して実行してもよい。
(8)処理液は、バッファードフッ酸、希フッ酸、フッ酸、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、シュウ酸もしくはアンモニア水、またはそれらの混合溶液、フォトレジスト液または現像液を含んでもよい。
(9)洗浄液は、アンモニアと過酸化水素水との混合液または塩酸と過酸化水素水との混合液を含んでもよい。
(10)リンス液は、炭酸水、オゾン水、磁気水、還元水もしくはイオン水、または有機溶剤を含んでもよい。
(11)本発明に係る配管洗浄方法は、基板処理装置および処理液供給ユニットにおける
第1配管を洗浄する配管洗浄方法であって、処理液タンクと処理ユニットとは
第1配管により接続され、
処理ユニットは、
基板を保持する基板保持部と、基板保持部を取り囲むカップと、
第1配管に接続されたノズルと、処理ユニットの排出口に接続された第2配管とを含み、
第2配管には比抵抗計が接続され、配管洗浄方法は、洗浄ユニットか
ら処理液
供給ユニットに
洗浄液を送り、処理液
タンクに洗浄液を
貯留する第1ステップと、処理液タンクに貯留
された洗浄液を
第1配管に向けて送り、第1配管を洗浄液で洗浄する第2ステップと、
第2ステップの終了後に、リンス液を洗浄ユニットから処理液供給ユニットの処理液タンクに供給する第3ステップと、第3ステップにより処理液タンクに供給されたリンス液を第1配管を通してノズルに供給しつつ、第2配管を通して処理ユニット
から排出されるリンス液の比抵抗値を比抵抗計で検出する第4ステップと、比抵抗計で検出された比抵抗が所定値になると処理液タンクからノズルに向けてのリンス液の供給
を停止する
第5ステップと、を
順次実行するものである。
【0009】
その基板処理システムにおいては、基板の処理時に、処理液供給ユニットの処理液タンクに処理液が貯留される。処理液タンクに貯留された処理液が配管を通して基板処理装置に供給される。基板処理装置においては、供給された処理液が処理ユニットにより基板に供給され、基板が処理される。
【0010】
配管の洗浄時には、洗浄ユニットから処理液供給ユニットの処理液タンクに第1洗浄液が供給される。処理液供給ユニットにおいては、洗浄ユニットから供給された第1洗浄液が処理液タンクに貯留された後、処理液タンク内の第1洗浄液が配管を通して処理ユニットに供給される。それにより、配管が第1洗浄液により洗浄される。
【0011】
洗浄ユニットにおいては、第1洗浄液が処理液タンクに供給された後、第1洗浄液による配管の洗浄と並行して第2洗浄液の準備が行われる。準備された第2洗浄液は処理液供給ユニットの処理液タンクに供給される。処理液供給ユニットにおいては、洗浄ユニットから供給された第2洗浄液が処理液タンクに貯留された後、処理液タンク内の第2洗浄液が配管を通して処理ユニットに供給される。それにより、配管が第2洗浄液により洗浄される。
【0012】
このように、第1洗浄液による配管の洗浄と第2洗浄液の準備とが並行して行われるので、第1洗浄液および第2洗浄液による配管の洗浄に要する時間を短縮することができる。その結果、複数の洗浄液を用いて配管を洗浄する場合の洗浄時間を短縮することが可能になる。
【0013】
(2)基板処理システムは、洗浄ユニットから処理液タンクへ第1洗浄液および第2洗浄液を供給するための供給経路と、供給経路を開閉する開閉装置とをさらに備え、開閉装置は、洗浄ユニットから処理液タンクへの第1洗浄液の供給時に供給経路を開き、処理液タンクへの第1洗浄液の供給後に供給経路を閉じてもよい。
【0014】
この場合、第1洗浄液の供給後に、洗浄ユニットと処理液タンクとが互いに分離される。そのため、洗浄ユニットから処理液タンクへの第1洗浄液の供給終了直後に洗浄ユニットにおいて第2洗浄液の準備を開始することができる。それにより、複数の洗浄液を用いて配管を洗浄する場合の洗浄時間をより短縮することが可能になる。
【0015】
(3)基板処理システムは、第2洗浄液による配管の洗浄後に、供給経路および洗浄ユニット内に不活性ガスを供給する不活性ガス供給部をさらに備えてもよい。
【0016】
この場合、配管の洗浄後に、供給経路および処理ユニット内に不活性ガスが封入されるので、パーティクル等の浸入による供給経路および洗浄ユニット内の汚染が防止される。
【0017】
(4)処理液供給ユニットは、処理液タンクの第1洗浄液をフィルタを通して循環させる循環経路をさらに含み、洗浄ユニットは、循環経路による第1洗浄液の循環と並行して第2洗浄液の準備を行ってもよい。
【0018】
この場合、第1洗浄液に混入したパーティクルがフィルタにより除去される。また、循環経路による第1洗浄液の循環および第1洗浄液による配管の洗浄と並行して第2洗浄液の準備が行われる。したがって、第2洗浄液の準備に比較的長い時間を要する場合でも、第1洗浄液および第2洗浄液による配管の洗浄に要する時間の増加が抑制される。
【0019】
(5)洗浄ユニットは、処理液供給ユニットに対して接続および切り離し可能に設けられてもよい。
【0020】
この場合、配管の洗浄時に洗浄ユニットを処理液供給ユニットに接続し、配管の洗浄後に洗浄ユニットを処理液供給ユニットから切り離すことができる。したがって、複数の処理液供給ユニットに洗浄ユニットを順次接続することにより複数の処理液供給ユニットおよび複数の基板処理装置における配管を順次洗浄することができる。また、基板の処理時には、洗浄ユニットを切り離すことができるので、基板処理システムの大型化が抑制される。
【0021】
(6)処理液供給ユニットは、複数の処理液タンクを含み、洗浄ユニットは、複数の処理液タンクに接続可能に構成されてもよい。
【0022】
この場合、複数の処理液タンクと基板処理装置とを接続する複数の配管を単一の洗浄ユニットにより洗浄することができる。
【0023】
(7)本発明に係る配管洗浄方法は、基板処理装置および処理液供給ユニットにおける配管を洗浄する配管洗浄方法であって、処理液供給ユニットは、基板の処理時に、処理液供給ユニットの処理液タンクから配管を通して基板処理装置の処理ユニットに処理液を供給するように構成され、配管洗浄方法は、配管の洗浄時に、洗浄ユニットから処理液供給ユニットの処理液タンクに第1洗浄液を供給するステップと、処理液タンクへの第1洗浄液の供給後、処理液タンクから配管を通して基板処理装置の処理ユニットに第1洗浄液を供給することにより配管を洗浄するステップと、第1洗浄液による配管の洗浄と並行して洗浄ユニットにおいて第2洗浄液の準備を行うステップと、第1洗浄液による配管の洗浄後、洗浄ユニットから処理液タンクに第2洗浄液を供給するステップと、処理液タンクへの第2洗浄液の供給後、処理液タンクから配管を通して処理ユニットに第2洗浄液を供給することにより配管を洗浄するステップとを含むものである。
【0024】
その配管洗浄方法においては、第1洗浄液による配管の洗浄と第2洗浄液の準備とが並行して行われるので、第1洗浄液および第2洗浄液による配管の洗浄に要する時間を短縮する場合における洗浄時間を短縮ことができる。その結果、複数の洗浄液を用いて配管を洗浄する場合における洗浄時間を短縮することが可能になる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、複数の洗浄液を用いて配管を洗浄する場合における洗浄時間を短縮することが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の一実施の形態に係る基板処理システムおよび配管洗浄方法について説明する。以下の説明において、基板とは、半導体ウエハ、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示装置用ガラス基板、プラズマディスプレイ用ガラス基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板等をいう。
【0028】
[1]第1の実施の形態
(1)基板処理システムの全体の構成
図1は本発明の第1の実施の形態に係る基板処理システムの構成を示す模式図である。
【0029】
図1の基板処理システム100は、可搬式の洗浄ユニット1、複数の処理液供給ユニット2および基板処理装置3により構成される。基板処理装置3は、複数の処理ユニット31を含む。
図1には、2つの処理ユニット31が図示される。各処理ユニット31では、基板Wに処理液を用いた処理が行われる。
【0030】
洗浄ユニット1は、洗浄液タンク11、秤量タンク12,13、ポンプ14、フィルタ15、比抵抗計16および制御部17を含む。洗浄液タンク11の液入口と液出口との間に液循環用の配管P1が接続される。配管P1には、バルブV1、ポンプ14およびフィルタ15が介挿される。配管P1から分岐するように配管P2が設けられる。配管P2は処理液供給ユニット2の接続部C1に接続される。
【0031】
秤量タンク12,13は、それぞれ配管P3,P4を通して洗浄液タンク11の液入口に接続される。配管P3,P4にはそれぞれバルブV2,V3が介挿される。秤量タンク12,13には、それぞれ配管P5,P6を通して薬液供給ユニット41,42が接続される。また、純水供給源43が配管P7を通して洗浄液タンク11の液入口に接続される。配管P7にはバルブV4が介挿される。
【0032】
薬液供給ユニット41から秤量タンク12に第1の薬液が供給され、薬液供給ユニット42から秤量タンク13に第2の薬液が供給される。この場合、バルブV2,V3が開くと、秤量タンク12,13の第1および第2の薬液が洗浄液タンク11に供給され、第1および第2の薬液が混合される。それにより、洗浄液が生成される。第1の薬液は、例えばアンモニアであり、第2の薬液は、例えば過酸化水素水である。この場合、アンモニアと過酸化水素水との混合液(以下、SC1と呼ぶ。)が洗浄液として生成される。第1の薬液が塩酸(HCl)であり、第2の薬液が過酸化水素水である場合には、塩酸と過酸化水素水との混合液(以下、SC2と呼ぶ)が洗浄液として生成される。
【0033】
バルブV4が開くと、純水供給源43から洗浄液タンク11に純水が供給される。その場合、純水が洗浄液として用いられる。純水の代わりに、純水以外のリンス液が洗浄液として用いられてもよい。この場合、リンス液としては、例えば炭酸水、オゾン水、磁気水、還元水(水素水)もしくはイオン水、またはIPA(イソプロピルアルコール)等の有機溶剤が用いられてもよい。
【0034】
洗浄液タンク11の液出口は配管P8を通して比抵抗計16に接続される。配管P8にはバルブV5が介挿される。比抵抗計16には配管P9が接続される。配管P9にはバルブV6が介挿される。配管P9は処理液供給ユニット2の接続部C2に接続される。また、比抵抗計16にはドレイン用の配管P10が接続される。制御部17は、バルブV1〜V6の開閉およびポンプ14の作動等の洗浄ユニット1の動作を制御する。
【0035】
処理液供給ユニット2は、一または複数の処理液タンク21および制御部24を含む。本実施の形態では、1つの処理液タンク21が設けられる。処理液タンク21の液入口と接続部C1との間に配管P11が接続される。配管P11にはバルブV7,V8が介挿される。バルブV7,V8間で配管P11の部分には配管P12が接続される。配管P12にはバルブV9が介挿される。配管P12を通して窒素ガスが配管P11に供給可能となっている。
【0036】
処理液タンク21の液入口と液出口との間に液循環用の配管P13が接続される。配管P13には、バルブV10、ポンプ22およびフィルタ23が介挿される。配管P13から分岐するように配管P14が設けられる。配管P14にはバルブV11が介挿される。配管P14は接続部C2に接続される。
【0037】
また、配管P13から分岐するように配管P15が設けられる。配管P15にはバルブV12が介挿される。配管P15から複数の配管P16が分岐している。
【0038】
基板処理装置3における基板の処理時には、処理液供給ユニット2の処理液タンク21に、処理液が貯留される。処理液としては、薬液またはリンス液が用いられる。薬液としては、例えばバッファードフッ酸(BHF)、希フッ酸(DHF)、フッ酸(フッ化水素水:HF)、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、シュウ酸もしくはアンモニア水等の水溶液、またはそれらの混合溶液等が用いられる。処理液がフォトレジスト液または現像液等であってもよい。
【0039】
制御部24は、バルブV7〜V12の開閉およびポンプ22の作動等の処理液供給ユニット2の動作を制御する。基板処理装置3は、複数の処理ユニット31を含む。各処理ユニット31は、基板Wを保持する基板保持部32、カップ33およびノズル34を含む。ノズル34は配管P16に接続される。各配管P16にはバルブV13が介挿される。各処理ユニット31の排出口には配管P17が接続される。配管P17にはバルブV14が介挿される。配管P17は洗浄ユニット1の比抵抗計16に接続される。制御部35は、バルブV13,V14の開閉等の基板処理装置3の動作を制御する。
【0040】
洗浄ユニット1は、接続部C1,C2で処理液供給ユニット2に対して接続および切り離し可能である。以下に説明する配管洗浄動作時には、洗浄ユニット1が処理液供給ユニット2に接続される。また、基板Wの処理時には、洗浄ユニット1が処理液供給ユニット2から切り離される。
【0041】
(2)配管洗浄動作
次に、基板処理システム100における配管洗浄動作について説明する。洗浄ユニット1の制御部17、処理液供給ユニット2の制御部24および基板処理装置3の制御部35は、相互に通信を行いつつそれぞれ洗浄ユニット1、処理液供給ユニット2および基板処理装置3の動作を制御する。
【0042】
図2は
図1の制御部17,24,35の制御による配管洗浄動作を示すフローチャートである。
図3〜
図11は
図2の各ステップにおける基板処理システム100の配管洗浄動作を示す模式図である。
【0043】
ここでは、第1洗浄液、第2洗浄液および第3洗浄液を用いて処理液供給ユニット2および基板処理装置3の配管を洗浄する例について説明する。本例では、第1洗浄液はSC1であり、第2洗浄液は純水であり、第3洗浄液も純水である。なお、初期状態では、バルブV1〜V14が閉じているものとする。
【0044】
まず、制御部17の制御により洗浄ユニット1が第1洗浄液の準備を行う(
図2のステップS1)。この場合、制御部17は、
図1のバルブV2,V3を開く。それにより、
図3に太い点線の矢印で示すように、秤量タンク12から第1の薬液としてアンモニアが洗浄液タンク11に供給されかつ秤量タンク13から第2の薬液として過酸化水素水が洗浄液タンク11に供給され、アンモニアと過酸化水素水とが混合される。その結果、第1洗浄液としてSC1が生成される。その後、制御部17は、バルブV2,V3を閉じ、
図1のバルブV1を開くとともにポンプ14を作動させる。それにより、
図3に太い実線の矢印で示すように、第1洗浄液が配管P1を循環する。その結果、洗浄液タンク11内のパーティクルおよび第1洗浄液に含まれるパーティクルがフィルタ15により除去される。
【0045】
次に、制御部24の制御により第1洗浄液を洗浄液タンク11から処理液タンク21に供給する(ステップS2)。この場合、制御部17が
図1のバルブV1を閉じて洗浄液タンク11への第1洗浄液の帰還を停止した上で、制御部24は
図1のバルブV7,V8を開く。それにより、
図4に太い実線の矢印で示すように、配管P1から配管P11を通して処理液タンク21に第1洗浄液が供給される。
【0046】
その後、制御部24の制御により第1洗浄液の循環および洗浄準備を行う(ステップS3)。この場合、制御部24は、
図1のバルブV7,V8を閉じ、バルブV10を開くとともに、ポンプ22を作動させる。それにより、
図5に太い実線の矢印で示すように、第1洗浄液が配管P13を循環し、処理液タンク21内のパーティクルおよび第1洗浄液に含まれるパーティクルがフィルタ23により除去される。
【0047】
次に、制御部24および制御部35の制御により配管洗浄を行う(ステップS4)。この場合、制御部24は
図1のバルブV12を開き、制御部35は
図1のバルブV13,V14を開く。それにより、
図6に太い実線の矢印で示すように、配管P13から配管P15,P16およびノズル34を通して第1洗浄液が各処理ユニット31内に供給される。各処理ユニット31内の第1洗浄液は、配管P17,P10を通して排出される。それにより、配管P13,P15〜P17、バルブV12〜V14およびノズル34が第1洗浄液により洗浄される。第1洗浄液による配管洗浄終了後に、制御部24はバルブV10,V12を閉じ、制御部35はバルブV13,V14を閉じる。
【0048】
ステップS3の第1洗浄液の循環および洗浄準備ならびにステップS4の配管洗浄と並行して、制御部17の制御により第2洗浄液の準備を行う(ステップS5)。この場合、制御部17は、
図1のバルブV1,V4,V5を開く。それにより、
図5および
図6に太い一点鎖線の矢印で示すように、純水供給源43から配管P7を通して洗浄液タンク11に第2洗浄液として純水が供給されるとともに、
図5および
図6に白抜きの矢印で示すように、洗浄液タンク11内の第1洗浄液が配管P8,P10を通して排出される。また、第2洗浄液が配管P1を循環する。その結果、洗浄液タンク11、配管P1、ポンプ14およびフィルタ15内の第1洗浄液が第2洗浄液で置換される。また、制御部17は、比抵抗計16により第2洗浄液の比抵抗を測定する。比抵抗が所定値になると、制御部17は
図1のバルブV5を閉じ、洗浄液タンク11に第2洗浄液を貯留する。その後、制御部17は
図1のバルブV4を閉じる。
【0049】
次に、制御部24の制御により第2洗浄液を洗浄液タンク11から処理液タンク21に供給する(ステップS6)。この場合、制御部17が
図1のバルブV1を閉じて洗浄液タンク11への第2洗浄液の帰還を停止した上で、制御部24は
図1のバルブV7,V8を開く。それにより、
図7に太い一点鎖線の矢印で示すように、配管P1から配管P11を通して処理液タンク21に第2洗浄液が供給される。また、制御部24は、バルブV10を開く。それにより、第2洗浄液が配管P13を循環し、洗浄液タンク11、配管P13、フィルタ15およびポンプ14の第1洗浄液が第2洗浄液で洗い流される。
【0050】
次に、制御部24および制御部35の制御により配管洗浄を行う(ステップS7)。この場合、制御部24は
図1のバルブV12を開き、制御部35は
図1のバルブV13,V14を開く。それにより、
図8に太い一点鎖線の矢印で示すように、配管P13から配管P15,P16およびノズル34を通して第2洗浄液が各処理ユニット31内に供給される。各処理ユニット31内の第2洗浄液は、配管P17,P10を通して排出される。それにより、配管P13,P15〜P17、バルブV12〜V14およびノズル34が第2洗浄液により洗浄される。
【0051】
また、制御部17の制御により第2洗浄液の比抵抗が所定値であるか否かを判定する(ステップS8)。この場合、制御部17は、比抵抗計16により第2洗浄液の比抵抗を測定する。比抵抗が所定値でない場合には、ステップS6に戻り、洗浄液タンク11から処理液タンク21への第2洗浄液の供給および第2洗浄液による配管洗浄を行う。比抵抗が所定値になると、制御部24は
図1のバルブV10,V12を閉じ、制御部35はバルブV13,V14を閉じる。
【0052】
ステップS7の配管洗浄と並行して、制御部17の制御により第3洗浄液の準備を行う(ステップS9)。この場合、制御部17は、
図1のバルブV1,V4,V5を開く。それにより、
図8に太い二点鎖線の矢印で示すように、純水供給源43から配管P7を通して洗浄液タンク11に第3洗浄液として純水が供給されるとともに、
図8に白抜きの矢印で示すように、洗浄液タンク11内の第2洗浄液が配管P8,P10を通して排出される。また、第3洗浄液が配管P1を循環する。その結果、洗浄液タンク11、配管P1、ポンプ14およびフィルタ15内の第2洗浄液が第3洗浄液で置換される。また、制御部17は、比抵抗計16により第3洗浄液の比抵抗を測定する。比抵抗が所定値になると、制御部17は
図1のバルブV5を閉じ、洗浄液タンク11に第3洗浄液を貯留する。その後、制御部17はバルブV4を閉じる。
【0053】
次に、制御部24の制御により洗浄液タンク11から処理液タンク21への第3洗浄液の供給および処理液タンク21の洗浄を行う(ステップS10)。この場合、制御部17が
図1のバルブV1を閉じて洗浄液タンク11への第3洗浄液の帰還を停止した上で、制御部24は
図1のバルブV7,V8を開く。それにより、
図9に太い二点鎖線の矢印で示すように、配管P1から配管P11を通して処理液タンク21に第3洗浄液が供給される。また、制御部24は、
図1のバルブV10を開く。それにより、第3洗浄液が配管P13を循環し、洗浄液タンク11、配管P13、フィルタ15およびポンプ14の第2洗浄液が第3洗浄液で洗い流される。
【0054】
また、制御部17および制御部24の制御により第3洗浄液の比抵抗が所定値であるか否かを判定する(ステップS11)。この場合、制御部17は
図1のバルブV6を開き、制御部24は
図1のバルブV11を開く。それにより、
図10に太い二点鎖線の矢印で示すように、処理液タンク21内および配管P13内の第3洗浄液が配管P14,P9,P10を通して排出される。制御部17は、比抵抗計16により第3洗浄液の比抵抗を測定する。比抵抗が所定値でない場合には、ステップS10に戻り、洗浄液タンク11から処理液タンク21への第3洗浄液の供給および第3洗浄液の循環を行う。
【0055】
比抵抗が所定値になると、制御部24および制御部17の制御により処理液タンク21、配管P13,P14,P9,P10内の第3洗浄液を排出する(ステップS12)。処理液タンク21、配管P13,P14,P9,P10内の第3洗浄液の排出後、制御部24は
図1のバルブV6,V10,V11を閉じる。
【0056】
上記のステップS9〜S12により処理液タンク21内を十分に洗浄することができる。
【0057】
その後、制御部24の制御により窒素ガスの封入を行う(ステップS13)。この場合、制御部24がバルブV7,V9を開き、制御部17がバルブV1を開く。それにより、
図11に太い破線の矢印で示すように、配管P11,P2,P1および洗浄液タンク11内に窒素ガスが封入される。
【0058】
(3)効果
本実施の形態に係る基板処理システム100においては、第1洗浄液による配管P13,P15〜P17の洗浄(ステップS4)と並行して、洗浄ユニット1において第2洗浄液の準備(ステップS5)を行うことができる。また、第2洗浄液による配管P13,P15〜P17の洗浄(ステップS7)と並行して、洗浄ユニット1において第3洗浄液の準備(ステップS9)を行うことができる。したがって、第1洗浄液および第2洗浄液による配管P13,P15〜P17の洗浄に要する時間を短縮することができる。その結果、複数の洗浄液を用いて短時間で配管P13,P15〜P17を洗浄することが可能になる。
【0059】
さらに、処理液供給ユニット2における第1洗浄液の循環および洗浄準備(ステップS3)と並行して、洗浄ユニット1において第3洗浄液の準備(ステップS9)を行うことも可能である。この場合、第1洗浄液および第2洗浄液による配管P13,P15〜P17の洗浄に要する時間をさらに短縮することができる。
【0060】
また、洗浄ユニット1から処理液タンク21への第1洗浄液の供給終了後に配管P11に介挿されたバルブV7,V8が閉じられるので、洗浄ユニット1から処理液タンク21への第1洗浄液の供給終了直後に洗浄ユニット1において第2洗浄液の準備を開始することができる。それにより、第1洗浄液および第2洗浄液による配管P13,P15〜P17の洗浄をより短時間で行うことが可能となる。
【0061】
また、配管P13,P15〜P17および処理液タンク21の洗浄後に、洗浄ユニット1の洗浄液タンク11内および配管P2,P11内に窒素ガスが封入されるので、パーティクル等の浸入による配管P2,P11および洗浄液タンク11内の汚染が防止される。
【0062】
さらに、洗浄ユニット1は、処理液供給ユニット2に対して接続および切り離し可能であるため、配管P13,P15〜P17の洗浄終了後に洗浄ユニット1を処理液供給ユニット2から切り離し、他の処理液供給ユニット2に接続することができる。それにより、単一の洗浄ユニット1により複数の処理液供給ユニット2および複数の基板処理装置3の配管を順次洗浄することができる。また、基板処理装置3による基板Wの処理時には、処理液供給ユニット2から洗浄ユニット1を切り離すことができるので、基板処理装置3の稼動時における基板処理システム100の大型化が抑制される。
【0063】
[2]第2の実施の形態
図12は本発明の第2の実施の形態に係る基板処理システムの構成を示す模式図である。第2の実施の形態に係る基板処理システム100の構成および動作は、以下の点を除いて第1の実施の形態に係る基板処理システム100の構成および動作と同様である。
【0064】
図12に示すように、本実施の形態では、処理液供給ユニット2に、
図1の処理液タンク21に加えて処理液タンク21aが設けられる。バルブV7と接続部C1との間の配管P11の部分から分岐するように、配管P11aが設けられる。
【0065】
配管P11aは処理液タンク21aの液入口に接続される。配管P11aには、バルブV7a,V8aが介挿される。バルブV9の上流側の配管P12の部分から分岐するように、配管P12aが設けられる。バルブV7a,V8a間で配管P11aの部分に配管P12aが接続される。配管P12aにはバルブV9aが介挿される。配管P12aを通して窒素ガスが配管P11aに供給可能となっている。
【0066】
処理液タンク21aの液入口と液出口との間に液循環用の配管P13aが接続される。配管P13aには、バルブV10a、ポンプ22aおよびフィルタ23aが介挿される。配管P13aから分岐するように配管P14aが設けられる。配管P14aにはバルブV11aが介挿される。配管P14aは接続部C2に接続される。また、配管P13aから分岐するように配管P15aが設けられる。配管P15aにはバルブV12aが介挿される。配管P15aから複数の配管P16aが分岐している。
【0067】
制御部24は、バルブV7〜V12,V7a〜V12aの開閉およびポンプ22,22aの作動等の処理液供給ユニット2の動作を制御する。
【0068】
基板処理装置3における基板の処理時には、処理液タンク21,21aに処理液が貯留される。処理液タンク21,21aに互いに異なる種類の処理液が貯留されてもよい。あるいは、処理液タンク21,21aに同じ成分を有しかつ互いに異なる濃度の処理液が貯留されてもよい。
【0069】
基板処理装置3の各処理ユニット31は、基板保持部32、カップ33およびノズル34に加えてノズル34aを含む。ノズル34aは配管P16aに接続される。各配管P16aにはバルブV13aが介挿される。制御部35は、バルブV13,V13a,V14の開閉等の基板処理装置3の動作を制御する。
【0070】
図12の基板処理システム100においては、バルブV7,V8,V7a,V8aが開かれると、洗浄ユニット1から2つの処理液タンク21,21aに洗浄液が同時に供給される。また、2つの処理液タンク21,21aに洗浄液が貯留された状態で、バルブV10,V10a,V12,V12aが開かれると、処理液タンク21,21a内の洗浄液が配管P15,P15a,P16,P16aおよびノズル34,34aを通して各処理ユニット31内に供給される。それにより、処理液供給ユニット2の2つの処理液タンク21,21aおよび配管P11〜P16,P11a〜P16aを同時に洗浄することができる。
【0071】
また、洗浄ユニット1から処理液供給ユニット2の処理液タンク21,21aにそれぞれ異なる洗浄液を供給することができる。この場合、バルブV7,V8を開くことにより、洗浄ユニット1から処理液タンク21に洗浄液を供給することができる。また、バルブV7a,V8aを開くことにより、洗浄ユニット1から処理液タンク21aに洗浄液を供給することができる。例えば、処理液タンク21に第1洗浄液としてSC1を供給した後、処理液タンク21に第2洗浄液として純水を供給する。その後、処理液タンク21aに第1洗浄液としてSC2を供給した後、処理液タンク21aに第2洗浄液として純水を供給する。
【0072】
この場合、SC1による配管洗浄と並行して洗浄ユニット1において純水を準備し、純水による配管洗浄と並行して洗浄ユニット1においてSC2を準備し、SC2による配管洗浄と並行して純水を準備することができる。それにより、SC1および純水による処理液タンク21および配管P13,P15〜P17の洗浄に要する時間を短縮することができるとともに、SC2および純水による処理液タンク21aおよび配管P13a,P15a〜P17aの洗浄に要する時間を短縮することができる。
【0073】
[3]第3の実施の形態
第3の実施の形態に係る基板処理システムは、洗浄ユニット1の構成を除いて第1の実施の形態に係る基板処理システム100と同じ構成を有する。
図13は本発明の第3の実施の形態における洗浄ユニットの主要部の構成を示す模式図である。
【0074】
図13に示すように、本実施の形態における洗浄ユニット1は、洗浄液タンク11に加えて洗浄液タンク11aを含む。洗浄液タンク11aには、液循環用の配管P1aが接続される。配管P1aには、バルブV1a、ポンプ14aおよびフィルタ15aが介挿される。配管P1aから分岐するように配管P2aが設けられる。配管P2aは配管P2に接続される。
【0075】
図13では、
図1の秤量タンク12,13、配管P5〜P10、バルブV4〜V6、比抵抗計16および制御部17の図示が省略されている。また、洗浄液タンク11aに接続される秤量タンク、バルブおよび配管の図示も省略されている。
【0076】
図13の洗浄ユニット1においては、洗浄液タンク11,11aに互いに異なる種類の洗浄液または互いに異なる濃度の洗浄液を貯留することができる。例えば、第1洗浄液としてSC1を用い、第2洗浄液として純水を用い、第3洗浄液としてSC2を用い、第4洗浄液として純水を用いる。この場合、第1洗浄液による配管洗浄と並行して洗浄液タンク11において第2洗浄液の準備を行うことができる。また、第3洗浄液による配管洗浄と並行して洗浄液タンク11aにおいて第4洗浄液の準備を行うことができる。したがって、複数の洗浄液を用いて短時間で配管を洗浄することが可能になる。
【0077】
[4]他の実施の形態
(a)上記の第1の実施の形態において、第1洗浄液としてSC1を用い、第2洗浄液として純水を用い、第3洗浄液としてSC2を用い、第4洗浄液として純水を用いてもよい。この場合には、第1洗浄液および第2洗浄液について
図2のステップS1〜S8を行った後、第3洗浄液および第4洗浄液についてステップS1〜S8を行い、その後、ステップS9〜S13を行う。それにより、SC1を用いて処理液タンク21および配管P13,P15〜P17のパーティクルを洗浄し、SC2を用いて処理液タンク21および配管P13,P15〜P17の金属系汚染物を洗浄することができる。
【0078】
(b)
図13の洗浄ユニット1において、配管P2と配管P2aとが接続されずにそれぞれ別個に設けられてもよい。また、
図12の処理液供給ユニット2において、配管P11と配管P11aとが接続されずにそれぞれ別個に設けられてもよい。この場合、洗浄ユニット1の配管P2,P2aを処理液供給ユニット2の配管P11,P11aにそれぞれ接続することができる。この場合、
図13の洗浄液タンク11から配管P2を通して
図12の処理液タンク21に洗浄液が供給され、
図13の洗浄液タンク11aから配管P2aを通して
図12の処理液タンク21aに処理液が供給される。
【0079】
(c)上記の実施の形態では、洗浄ユニット1、処理液供給ユニット2および基板処理装置3にそれぞれ制御部17,24,35が設けられるが、本発明はこれに限定されない。複数の制御部17,24,35に代わりに洗浄ユニット1、処理液供給ユニット2および基板処理装置3を制御する単一の制御部が設けられてもよい。
【0080】
[5]請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応関係
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
【0081】
上記実施の形態においては、基板処理装置3が基板処理装置の例であり、処理液供給ユニット2,2aが処理液供給ユニットの例であり、洗浄ユニット1が処理ユニットの例であり、処理液タンク21,21aが処理液タンクの例であり、処理ユニット31が処理ユニットの例であり、配管P13,P15.P16,P13a,P15a,P16aが
第1配管の例である。
配管P17が第2配管の例である。
【0082】
また、配管P2,P11,P2aが供給経路の例であり、バルブV7,V8,V7a,V8aが開閉装置の例であり、窒素ガスが不活性ガスの例であり、配管P12が不活性ガス供給部の例であり、配管P13,P13aが循環経路の例である。
【0083】
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。