(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6347893
(24)【登録日】2018年6月8日
(45)【発行日】2018年6月27日
(54)【発明の名称】翼長方向に延びる流れブロッカを備えるタービン翼冷却システム
(51)【国際特許分類】
F01D 9/02 20060101AFI20180618BHJP
F01D 5/18 20060101ALI20180618BHJP
F02C 7/18 20060101ALI20180618BHJP
F01D 25/12 20060101ALI20180618BHJP
【FI】
F01D9/02 102
F01D5/18
F02C7/18 A
F01D25/12 E
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-504049(P2017-504049)
(86)(22)【出願日】2014年7月24日
(65)【公表番号】特表2017-529479(P2017-529479A)
(43)【公表日】2017年10月5日
(86)【国際出願番号】US2014047934
(87)【国際公開番号】WO2016014056
(87)【国際公開日】20160128
【審査請求日】2017年3月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】390039413
【氏名又は名称】シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト
【氏名又は名称原語表記】Siemens Aktiengesellschaft
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ジョージ リアン
(72)【発明者】
【氏名】ナン ジアン
【審査官】
高吉 統久
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭61−205301(JP,A)
【文献】
特開昭54−160911(JP,A)
【文献】
特開昭56−034930(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0038735(US,A1)
【文献】
欧州特許出願公開第1947295(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D 5/18
F01D 9/02
F01D 25/12
F02C 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タービン翼(12)であって、
外壁(30)から形成され、かつ、前縁(32)と、後縁(34)と、正圧面(36)と、負圧面(38)と、翼(28)の第1の端部(40)および該第1の端部(40)とは反対側の第2の端部(42)と、全体として細長い中空の翼(28)の内部形態内に配置された冷却システム(10)とを有する、全体として細長い中空の翼(28)と、
該翼(28)の内径側端部(46)における横断面積よりも前記翼(28)の外径側端部(44)の近くでより大きな横断面積を有する、前記冷却システム(10)の少なくとも1つの冷却チャネル(16)と、
該少なくとも1つの冷却チャネル(16)を形成する内面(50)における第1の端部(48)から、翼長方向に延びる方向で前記第1の端部(48)よりも前記少なくとも1つの冷却チャネル(16)の中間点(54)により近く配置された第2の端部(52)に向かって延びており、かつ、前記内面(50)における基部(56)から、該基部(56)よりも前記少なくとも1つの冷却チャネル(16)の中心軸線(60)により近く配置された先端部(58)まで延びた、少なくとも1つの中間流れブロッカ(14)と、
を備え、
前記少なくとも1つの中間流れブロッカ(14)は、より大きな横断面積を有する、前記中間流れブロッカの前記第1の端部(48)から、前記少なくとも1つの冷却チャネル(16)の前記中間点(54)のより近くに配置されたより小さな横断面積を有する、前記中間流れブロッカの前記第2の端部(52)まで、先細になっていることを特徴とする、タービン翼(12)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの中間流れブロッカ(14)の前記基部(56)は、前記少なくとも1つの中間流れブロッカ(14)の前記第1の端部(48)から前記少なくとも1つの中間流れブロッカ(14)の前記第2の端部(52)まで、前記少なくとも1つの冷却チャネル(16)を形成した前記内面(50)と接触している、請求項1記載のタービン翼(12)。
【請求項3】
前記少なくとも1つの中間流れブロッカ(14)は、該少なくとも1つの中間流れブロッカ(14)の前記基部(56)から前記先端部(58)まで先細になっている、請求項1または2記載のタービン翼(12)。
【請求項4】
前記基部(56)から前記先端部(58)までの長さの、前記基部(56)から25%以内における前記少なくとも1つの中間流れブロッカ(14)の横断面積は、前記基部(56)から前記先端部(58)までの長さの、前記先端部(58)から25%以内における前記少なくとも1つの中間流れブロッカ(14)の横断面積よりも大きい、請求項1から3までのいずれか1項記載のタービン翼(12)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの中間流れブロッカ(14)は、前記全体として細長い中空の翼(28)を形成する材料とは異なる材料から形成されている、請求項1から4までのいずれか1項記載のタービン翼(12)。
【請求項6】
前記少なくとも1つの中間流れブロッカ(14)は、2つの中間流れブロッカ(14)を含み、第1の中間流れブロッカ(62)は、前記少なくとも1つの冷却チャネル(16)の第1の側(66)から延びており、第2の中間流れブロッカ(64)は、前記少なくとも1つの冷却チャネル(16)の第2の側(68)から延びている、請求項1から5までのいずれか1項記載のタービン翼(12)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの冷却チャネル(16)の第1の側(66)は、前記少なくとも1つの冷却チャネル(16)の第2の側(68)とは、前記少なくとも1つの冷却チャネル(16)の略反対側にある、請求項1から6までのいずれか1項記載のタービン翼(12)。
【請求項8】
前記少なくとも1つの冷却チャネル(16)の第1の側(66)は、前記正圧面(36)を形成する前記外壁(30)から、前記負圧面(38)を形成する前記外壁(30)まで延びており、前記少なくとも1つの冷却チャネル(16)の第2の側(68)は、前記正圧面(36)を形成する前記外壁(30)から、前記負圧面(38)を形成する前記外壁(30)まで延びている、請求項1から7までのいずれか1項記載のタービン翼(12)。
【請求項9】
前記少なくとも1つの中間流れブロッカ(14)の前記第1の端部(48)は、外径側プラットフォーム(78)に配置されている、請求項1から8までのいずれか1項記載のタービン翼(12)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にタービン翼に関し、より詳細には中空タービン翼内の冷却システムに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、ガスタービンエンジンは、空気を圧縮するための圧縮機と、圧縮空気を燃料と混合し混合物に点火するための燃焼器と、動力を発生するためのタービンブレードアセンブリとを有する。燃焼器は、多くの場合、華氏2260度を超過し得る高温で作動する。典型的なタービン燃焼器構成は、タービンベーンアセンブリをこのような高温に曝す。その結果、タービンベーンは、このような高温に耐えることができる材料から形成されなければならない。加えて、タービンベーンは、多くの場合、ベーンの寿命を延長しかつ過剰な温度の結果としての故障の可能性を減じるために、冷却システムを有する。
【0003】
通常、タービンベーンは、内側端部における内径(ID)側プラットフォームと、外側端部における外径(OD)側プラットフォームとを有する翼から形成されている。ベーンは通常、前縁および後縁を有しており、ほとんどのタービンベーンの内側形態は、通常、冷却システムを形成する冷却チャネルの入り組んだ迷路を含んでいる。ベーンにおける冷却チャネルは通常、タービンエンジンの圧縮機から空気を受け取り、空気をベーンに通過させる。冷却チャネルは多くの場合、タービンベーンの全ての形態を比較的均一な温度に維持するように設計された複数の流路を有している。IDおよびODにおける大きな断面流れ領域を有するタービンベーンに十分な冷却を提供することは困難であった。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
ガスタービンエンジンのタービン翼用の冷却システムが開示されており、冷却システムは、内部通流チャネルマッハ数を維持するために1つまたは複数の冷却チャネル内に配置された、翼長方向(spanwise)に延びる中間流れブロッカを有する。1つまたは複数の冷却チャネルは、内側端部よりも、翼の外側端部の近くでより大きな横断面積を有していてもよい。1つまたは複数の冷却チャネルは、冷却チャネル内へ延びる中間流れブロッカを有していてもよい。少なくとも1つの実施の形態では、中間流れブロッカは、翼の外側端部から半径方向内方へ延びていてもよい。中間流れブロッカは、正圧面(pressure side)から負圧面(suction side)へのまたはその逆向きの冷却流体の移動を制限してもよい。中間流れブロッカは、半径方向外側へ行くに従って、冷却チャネルの横断面積もまた増大するのに応じてサイズが増大していてもよい。このような構成は、内部通流チャネルマッハ数を設計限界内に維持する。
【0005】
少なくとも1つの実施の形態では、タービン翼は、外壁から形成され、かつ、前縁と、後縁と、正圧面と、負圧面と、翼の第1の端部と、第1の端部とは反対側の第2の端部とを有する全体として細長い(generally elongated)中空の翼と、全体として細長い中空の翼の内部形態内に配置された冷却システムとを有していてもよい。冷却システムの1つまたは複数の冷却チャネルは、翼の内径側端部よりも、翼の外径側端部の近くでより大きな横断面積を有していてもよい。1つまたは複数の中間流れブロッカは、少なくとも1つの冷却チャネルを形成する内面における第1の端部から、翼長延在方向で冷却チャネルの中間点により近く配置された第2の端部まで延びていてもよく、内面における基部から、少なくとも1つの冷却チャネルの中心軸線により近く配置された先端部まで延びている。中間流れブロッカは、より大きな横断面積を有する第1の端部から、冷却チャネルの中間点のより近くに配置されたより小さな横断面積を有する第2の端部まで先細になっていてもよい。中間流れブロッカの基部は、中間流れブロッカの第1の端部から中間流れブロッカの第2の端部まで、冷却チャネルを形成する内面と接触していてもよい。中間流れブロッカは、また、中間流れブロッカの基部から先端部まで先細になっていてもよい。基部から先端部までの長さの、基部から25%以内における中間流れブロッカの横断面積は、基部から先端部までの長さの、先端部から25%以内における中間流れブロッカの横断面積よりも大きくてもよい。少なくとも1つの実施の形態では、中間流れブロッカは、丸み付けられた先端部を有していてもよい。
【0006】
中間流れブロッカは2つの中間流れブロッカを含んでもよく、第1の中間流れブロッカは少なくとも1つの冷却チャネルの第1の側から延びていてもよく、第2の中間流れブロッカは少なくとも1つの冷却チャネルの第2の側から延びていてもよい。冷却チャネルの第1の側は、冷却チャネルの第2の側とは、冷却チャネルの略反対側にある。冷却チャネルの第1の側は、正圧面を形成する外壁から、負圧面を形成する外壁まで延びていてもよい。冷却チャネルの第2の側は、正圧面を形成する外壁から、負圧面を形成する外壁まで延びていてもよい。中間流れブロッカの第1の端部は、外径側プラットフォームに配置されていてもよい。
【0007】
冷却システムの冷却チャネルは、外径側プラットフォームにおける入口と、内径側プラットフォームにおける出口とを備える前縁冷却チャネルを含んでもよい。冷却システムの冷却チャネルは、翼弦方向に延びた冷却チャネル区間を備えた、外径側プラットフォームから内径側プラットフォームまで延びた翼弦中間蛇行冷却チャネルを含んでもよい。複数のトリップストリップは、正圧面を形成する外壁から冷却チャネル内へ延びていてもよく、複数のトリップストリップは、負圧面を形成する外壁から少なくとも1つの冷却チャネル内へ延びていてもよい。冷却チャネルは、翼長方向に延びる蛇行した冷却チャネルを形成する複数の冷却チャネルから形成されていてもよく、少なくとも1つの内方流れ冷却チャネルは、少なくとも1つの中間流れブロッカを有していてもよく、少なくとも1つの外方流れ冷却チャネルは、少なくとも1つの中間流れブロッカを有する。前縁内方流れ冷却チャネルは、1つまたは複数の中間流れブロッカを有していてもよく、少なくとも2つの内方流れ冷却チャネルおよび少なくとも2つの外方流れ冷却チャネルは、少なくとも1つの中間流れブロッカを有していてもよい。
【0008】
使用中、冷却流体は、前縁冷却チャネルの入口を通じて冷却流体供給源から冷却システム内へ流入してもよい。冷却流体が前縁冷却チャネルに流入するとき、流体は中間流れブロッカに衝突し、これは、冷却流体の速度を高める。なぜならば、中間流れブロッカは、前縁冷却チャネルの横断面積を減少させているからである。第1の区間を通流する流体の速度は、設計内部通流チャネルマッハ数以上である。冷却流体は、トリップストリップにも衝突し、トリップストリップは熱伝達の量を増大する。冷却流体は、前縁冷却チャネルを通って流れてもよく、第1の転回部を通じて第2の区間へ排出されてもよい。冷却流体が第2の区間において半径方向外方へ流れるとき、タービン翼の横断面積は、外端に向かって半径方向外方へ行くに従って拡大している。しかしながら、中間流れブロッカのサイズは、設計内部通流チャネルマッハ数を維持するように、半径方向外方へ行くに従って増大している。中間流れブロッカは、基本的に、設計内部通流チャネルマッハ数を維持するために、第2の区間を1つの開放流れチャネルから外端の近くにおける2つの狭い流れチャネルに変化させていてもよい。冷却流体は、第2の区間を通って半径方向外方へ流れてもよく、第2の転回部を通じて第3の区間へ排出されてもよい。第3の区間において、冷却流体は、第3の区間における中間流れブロッカによって形成された2つの狭い流れチャネルを通って半径方向内方へ流れ、第3の区間における中間流れブロッカの半径方向内側において合流させられる。中間流れブロッカは、第3、第4および第5の区間を通る冷却流体の流れを維持する。冷却流体は、第3、第4および第5の区間を通って流れ、そこで冷却流体の温度は上昇し、冷却流体は、後縁排出オリフィスを通じて排出される。
【0009】
冷却システムの利点は、内端よりも外端においてより大きな横断面積を備える冷却チャネルを有する第2段および第3段の翼において典型的なように、より大きな外端を備える翼を冷却するために冷却システムが格別によく機能するという点である。
【0010】
冷却システムの別の利点は、1つまたは複数の中間流れブロッカの使用がチャネル流マッハ数の激しい減少を回避するという点である。
【0011】
冷却システムのさらに別の利点は、通流チャネルマッハ数を維持するために蛇行チャネル流れ領域が大きくなりすぎている蛇行冷却チャネルの外側部分に1つまたは複数の中間流れブロッカを設けることによって、外径側プラットフォームにおける低質量フラックスのための拡散問題を排除することができる点である。
【0012】
冷却システムの別の利点は、本明細書に説明された中間流れブロッカの配列が、低質量フラックス流れチャネルにおいて一般的に見られる冷却流れ分配不良を排除し、その代わりに、冷却空気を翼壁の外壁に向かって押し付け、流れチャネル通流速度を押し上げ、これにより、チャネル熱伝達向上を増大させることができる点である。
【0013】
冷却システムのさらに別の利点は、中間流れブロッカのサイズ決めが、冷却チャネルの全てまたは一部において一定の冷却流れチャネル横断面積を達成するようにカスタマイズされてもよいという点である。
【0014】
これらの実施の形態およびその他の実施の形態を、以下でさらに詳細に説明する。
【0015】
明細書の一部に組み込まれ明細書の一部を形成する添付の図面は、ここに開示される本発明の実施の形態を例示し、詳細な説明と共に本発明の原理を開示する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図2】
図1における断面線2−2に沿った翼の断面図である。
【
図3】
図1における断面線3−3に沿った翼の断面切断図である。
【
図4】
図3における断面線4−4に沿った翼の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1〜
図4に示すように、ガスタービンエンジンのタービン翼12用の冷却システム10が開示されており、冷却システム10は、内部通流チャネルマッハ数を維持するために1つまたは複数の冷却チャネル16内に配置された、翼長方向に延びる中間流れブロッカ14を有する。1つまたは複数の冷却チャネル16は、内側端部20における横断面積よりも、翼12の外側端部18の近くでより大きな横断面積を有していてもよい。1つまたは複数の冷却チャネル16は、冷却チャネル16内へ延びる中間流れブロッカ14を有していてもよい。少なくとも1つの実施の形態では、中間流れブロッカ14は、翼12の外側端部18から半径方向内方へ延びていてもよい。中間流れブロッカ14は、正圧面22から負圧面24へのまたはその逆向きの冷却流体の移動を制限してもよい。中間流れブロッカ14は、半径方向外側へ行くに従って、冷却チャネル16の横断面積も増大するのに応じてサイズが増大していてもよい。このような構成は、内部通流チャネルマッハ数を設計限界内に維持する。
【0018】
少なくとも1つの実施の形態では、タービン翼12は、外壁30から形成され、かつ、前縁32と、後縁34と、正圧面22と、負圧面24と、翼26の第1の端部40および第1の端部40とは反対側の第2の端部42と、全体として細長い中空の翼28の内面内に配置された冷却システム10とを有する、全体として細長い中空の翼28から形成されていてもよい。冷却システム10の1つまたは複数の冷却チャネル16は、翼12の内径側端部46における横断面積よりも、翼12の外径側端部44の近くでより大きな横断面積を有していてもよい。1つまたは複数の中間流れブロッカ14は、冷却チャネル16を形成する内面50における第1の端部48から、翼長延在方向で冷却チャネル16の中間点54により近く配置された第2の端部52まで延びていてもよく、内面50における基部56から、冷却チャネル16の中心軸線60により近く配置された先端部58まで延びている。別の実施の形態では、1つまたは複数の中間流れブロッカ14は、翼26の第1の端部40から第2の端部42までなどの、1つまたは複数の冷却チャネル16の全長にわたって延びていてもよい。少なくとも1つの実施の形態では、1つまたは複数の中間流れブロッカ14は、翼12を形成するために使用されるのと同じ材料から形成されていてもよい。中間流れブロッカ14は、別個の構成部材であってもよいし、翼12と一体に形成されていてもよい。さらに別の実施の形態では、中間流れブロッカ14は、全体として細長い中空翼28を含む、翼12を形成するために使用される材料とは異なる材料から形成されていてもよい。中間流れブロッカ14を形成するために使用される材料は、チタン−アルミニウム(TiAl)などの、ただしこれに限定されない軽量材料であってもよいが、これに限定されない。
【0019】
少なくとも1つの実施の形態では、
図4に示すように、中間流れブロッカ14は、より大きな横断面積を有する第1の端部48から、冷却チャネル16の中間点54のより近くに配置されたより小さな横断面積を有する第2の端部52まで先細になっていてもよい。中間流れブロッカ14の基部56は、
図2および
図3に示すように、中間流れブロッカ14の第1の端部48から中間流れブロッカ14の第2の端部42まで冷却チャネル16を形成した内面50と接触していてもよい。中間流れブロッカ12は、また、中間流れブロッカ14の基部56から先端部58まで先細になっていてもよい。少なくとも1つの実施の形態では、基部56から先端部58までの長さの、基部56から25%以内における中間流れブロッカ14の横断面積は、基部56から先端部58までの長さの、先端部58から25%以内における中間流れブロッカ14の横断面積よりも大きくてもよい。少なくとも1つの実施の形態では、中間流れブロッカ14は、丸み付けられた先端部を有していてもよい。1つまたは複数の冷却チャネル16は、2つの中間流れブロッカ14を有していてもよい。第1の中間流れブロッカ62は冷却チャネル16の第1の側66から延びていてもよく、第2の中間流れブロッカ64は冷却チャネル16の第2の側68から延びていてもよい。冷却チャネル16の第1の側66は、冷却チャネル16の第2の側68とは、冷却チャネル16の略反対側にあってもよい。冷却チャネル16の第1の側66は、正圧面22を形成する外壁30から、負圧面24を形成する外壁30まで延びていてもよい。冷却チャネル16の第2の側68は、正圧面22を形成する外壁30から、負圧面24を形成する外壁30まで延びていてもよい。別の実施の形態では、複数の中間流れブロッカ62は、第1の側66または第2の側68、またはその両方から延びていてもよい。別の実施の形態では、1つの中間流れブロッカ62が第2の側68から延びている一方、2つ以上の中間流れブロッカ62が第1の側66から延びていてもよい。少なくとも1つの実施の形態では、中間流れブロッカ14の第1の端部48は、外径側プラットフォーム44に配置されていてもよい。
【0020】
図3に示すように、冷却システム10の冷却チャネル16は、外径側プラットフォーム78における入口72と、内径側プラットフォーム80における出口74とを備える前縁冷却チャネル70を含んでもよい。冷却システム10の冷却チャネル16は、翼弦方向に延びた冷却チャネル区間82を備えた、外径側プラットフォーム78から内径側プラットフォーム80まで延びた1つまたは複数の翼弦中間蛇行冷却チャネル76を含んでもよい。冷却システム10は、正圧面22を形成する外壁30から冷却チャネル16内へ延びる複数のトリップストリップ84と、負圧面22を形成する外壁30から冷却チャネル16内へ延びる複数のトリップストリップ84とを有していてもよい。冷却チャネル16は、翼長方向に延びる蛇行した冷却チャネル86を形成する1つまたは複数の冷却チャネル16を有していてもよい。1つまたは複数の内方流れ冷却チャネル88は、少なくとも1つの中間流れブロッカ14を有していてもよく、1つまたは複数の外方流れ冷却チャネル90は、少なくとも1つの中間流れブロッカ14を有していてもよい。少なくとも1つの実施の形態では、前縁内方流れ冷却チャネル70は、1つまたは複数の中間流れブロッカ14を有していてもよく、少なくとも2つの内方流れ冷却チャネル88および少なくとも2つの外方流れ冷却チャネル90は、1つまたは複数の中間流れブロッカ14を有していてもよい。前縁内方流れ冷却チャネル70は、内側リブ92から前縁32に向かって延びる1つの中間流れブロッカ14を有していてもよい。中間流れブロッカ14は、翼12の外径側端部44に配置された第1の端部48を有していてもよい。
【0021】
図3に示すように、冷却システム10は、少なくとも1つの実施の形態において、5パス翼長方向延在蛇行冷却チャネル86を有していてもよい。5パス翼長方向延在蛇行冷却チャネル86は、前縁内方流れ冷却チャネル70と、2つの内方流れ冷却チャネル88と、2つの外方流れ冷却チャネル90とを含んでもよい。前縁内方流れ冷却チャネル70は、入口96を有していてもよく、第1の区間98であってもよい。外方流れ冷却チャネル90は、第2の区間100を形成していてもよく、第1の転回部102を介して第1の区間98と流体連通していてもよい。内方流れ冷却チャネル88は、第3の区間104を形成していてもよく、第2の転回部106を介して第2の区間100と流体連通していてもよい。別の外方流れ冷却チャネル90は、第4の区間108を形成していてもよく、第3の転回部110を介して第3の区間104と流体連通していてもよい。最後の内方流れ冷却チャネル88は、第5の区間112を形成していてもよく、第4の転回部114を介して第4の区間108と流体連通していてもよい。第5の区間112は、冷却流体を冷却システム10から排出するために複数の後縁排出オリフィス116と流体連通していてもよい。
【0022】
2つの内方流れ冷却チャネル88は、それぞれ、内側リブ92から内方流れ冷却チャネル88の中心軸線60に向かって延びる2つの中間流れブロッカ14を有していてもよい。2つの中間流れブロッカ14は、互いに内方流れ冷却チャネル88の反対側に配置されていてもよい。2つの中間流れブロッカ14は、正圧面22と負圧面24との間の内方流れ冷却チャネル88の中間点94に配置されていてもよい。中間流れブロッカ14は、翼12の外径側端部44に配置された第1の端部48を有していてもよい。
【0023】
2つの外方流れ冷却チャネル90は、それぞれ、内側リブ92から外方流れ冷却チャネル90の中心軸線60に向かって延びる2つの中間流れブロッカ14を有していてもよい。2つの中間流れブロッカ14は、互いに外方流れ冷却チャネル90の反対側に配置されていてもよい。2つの中間流れブロッカ14は、正圧面22と負圧面24との間の外方流れ冷却チャネル90の中間点94に配置されていてもよい。別の実施の形態では、中間流れブロッカ14は、中間点94から正圧面22または負圧面24に向かってずれていてもよい。中間流れブロッカ14は、1つまたは複数の冷却チャネル16内の中間点94に沿って整列させられていても、正圧面22または負圧面24に向かって等しくずらされていても、または、異なる距離だけまたは異なる方向へずらされていてもよい。中間流れブロッカ14は、翼12の外径側端部44に配置された第1の端部48を有していてもよい。
【0024】
使用中、冷却流体は、前縁冷却チャネル70の入口72を通じて冷却流体供給源から冷却システム10内へ流入してもよい。冷却流体が前縁冷却チャネル70に流入するとき、流体は中間流れブロッカ14に衝突し、これは、冷却流体の速度を高める。なぜならば、中間流れブロッカ14は、前縁冷却チャネル70の横断面積を減少させているからである。第1の区間98を通流する流体の速度は、設計内部通流チャネルマッハ数以上である。冷却流体は、トリップストリップ84にも衝突し、トリップストリップは熱伝達の量を増大する。冷却流体は、前縁冷却チャネル70を通って流れてもよく、第1の転回部102を通じて第2の区間100へ排出されてもよい。冷却流体が第2の区間100において半径方向外方へ流れるとき、タービン翼12の横断面積は、外端18に向かって半径方向外方へ行くに従って拡大している。しかしながら、中間流れブロッカ14のサイズは、設計内部通流チャネルマッハ数を維持するように、半径方向外方へ行くに従って増大している。中間流れブロッカ14は、基本的に、設計内部通流チャネルマッハ数を維持するために第2の区間100を1つの開放流れチャネルから外端18の近くにおける2つの狭い流れチャネルに変化させていてもよい。冷却流体は、第2の区間100を通って半径方向外方へ流れてもよく、第2の転回部106を通じて第3の区間104へ排出されてもよい。第3の区間104において、冷却流体は、第3の区間104における中間流れブロッカ14によって形成された2つの狭い流れチャネルを通って半径方向内方へ流れ、第3の区間104における中間流れブロッカ14の半径方向内側において合流させられる。中間流れブロッカ14は、第3、第4および第5の区間104,108,112を通る冷却流体の流れを維持する。冷却流体は、第3、第4および第5の区間104,108,112を通って流れ、ここで冷却流体の温度は上昇し、冷却流体は、後縁排出オリフィス116を通じて排出される。
【0025】
少なくとも1つの実施の形態では、中間流れブロッカ14を備える冷却システム10の構成は、プリント部品製造技術の利用により構成されていてもよい。中間流れブロッカ14は翼内側リブに対して平行な同じ方向ではないので、セラミック中子ダイを介して、本明細書に開示されたこの複雑な冷却ジオメトリのためのセラミック中子を製造することは不可能である。プリント部品製造技術によって、セラミック中子はプリントされ、次いで、中間流れブロッカ14を備えた冷却システム10を備えた翼12を製造するために使用することができる。代替的に、中間流れブロッカ14を備えた冷却システム10を備えた翼12は、1つまたは複数の金属からプリントすることができる。
【0026】
上記説明は、本発明を例示、説明および記述するという目的で提供されている。これらの実施の形態に対する変更および適応は、当業者に明らかになるであろうし、本発明の範囲または思想から逸脱することなく成し得るものである。