特許第6347905号(P6347905)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6347905
(24)【登録日】2018年6月8日
(45)【発行日】2018年6月27日
(54)【発明の名称】マッサージ具
(51)【国際特許分類】
   A61H 7/00 20060101AFI20180618BHJP
【FI】
   A61H7/00 300E
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-26565(P2018-26565)
(22)【出願日】2018年2月19日
【審査請求日】2018年2月27日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】509063292
【氏名又は名称】ミツワ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074251
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 寛
(74)【代理人】
【識別番号】100066223
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 政美
(72)【発明者】
【氏名】三輪 隆一
【審査官】 和田 将彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−022552(JP,A)
【文献】 特開平09−122192(JP,A)
【文献】 特開2000−033105(JP,A)
【文献】 特開2006−141645(JP,A)
【文献】 特開2011−045706(JP,A)
【文献】 実開昭62−052440(JP,U)
【文献】 特開2009−165664(JP,A)
【文献】 特開2011−083593(JP,A)
【文献】 特開2016−123723(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 7/00
A45D 19/00
A46B 1/00
A46B 5/00
A46B 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭部に宛がわれる当接側面である揉み部と、この当接側面と反対がわの押圧側面である押圧部とが表裏に配されている盤状のマッサージ具本体を形成し、このマッサージ具本体の揉み部には、押圧部からの頭部側への押圧作用によってマッサージ具本体の中心側に向かって傾斜倒伏動する複数の揉み脚部を配列し、この揉み脚部の傾斜倒伏動によって頭皮を掴み揉み状にマッサージするようにして成り、揉み脚部の基部におけるマッサージ具本体の中心側に位置させて中心側の側面に連続する収縮凹所を揉み部面に形成してあることを特徴とするマッサージ具。
【請求項2】
収縮凹所は同心円状に配列されて隣接する揉み脚部それぞれのマッサージ具本体の中心側で連続した溝状に形成してある請求項1に記載のマッサージ具。
【請求項3】
揉み脚部は、ほぼ円錐柱状に形成されていて、マッサージ具本体の中心側の側面は揉み部面に対してほぼ直立状の平坦面に形成してある請求項1または2に記載のマッサージ具。
【請求項4】
揉み脚部は、マッサージ具本体の揉み部に同心円状に配列される請求項1乃至3のいずれかに記載のマッサージ具。
【請求項5】
中心側に配列された揉み脚部は、外周縁側に配列された揉み脚部に比し高く形成してある請求項1乃至4のいずれかに記載のマッサージ具。
【請求項6】
揉み脚部は、外周縁側に配列された揉み脚部から中心側に配列された揉み脚部に至るに伴い外径を順次に小さく形成してある請求項1乃至5のいずれかに記載のマッサージ具。
【請求項7】
揉み部の中心には、流通口を開口形成してある請求項1乃至6のいずれかに記載のマッサージ具。
【請求項8】
マッサージ具本体の押圧部には、マッサージ具本体の周縁部分を押圧する押圧カバー体を装着してあり、この押圧カバー体は、マッサージ具本体の周縁部分に形成してある装着溝に嵌め入れられる装着突部を設けて成る請求項1乃至7のいずれかに記載のマッサージ具。
【請求項9】
押圧カバー体は、掌で包み込み可能な空洞のドーム状に形成してある請求項8記載のマッサージ具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として頭部の地肌を掴み揉み状にマッサージすることで血行を良好にして頭髪等の育毛を促進させ、また頭髪洗浄時のブラシとしても使用可能なマッサージ具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、頭髪が美麗であることは若さをアピールできることから、頭髪の減少、薄毛等は本人が特に気にするところである。このような頭髪減少、薄毛等を防止すべく、従来から様々な育毛剤やマッサージ具が提案されている。特に頭皮をマッサージするものとして、例えば特許文献1に係るマッサージ用ブラシ、特許文献2に係るヘアブラシ、特許文献3に係るマッサージブラシ等がある。
【0003】
特許文献1のマッサージ用ブラシは、手指等で支持できるように支持部を備えた円盤状のブラシ本体の底面に配列されている多数の柱状突部下端面それぞれから束状の細径ブリースフルを臨ませて成る。特許文献2のヘアブラシは、可とう性を有する把持部にブラシ台座を設けて空洞状に形成しておき、把持部に対する把持力でブラシ台座を連動させることでブラシ台座の複数のブラシを移動可能にして人体頭部を押圧接触するようにして成る。特許文献3のマッサージブラシは、ほぼ円盤状を呈する基部から張り出した張出し梁部に押圧突起を設け、基部側からの押圧力で頭皮等に対して外側に広がる押圧突起の拡がりを制限するようにして成る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−60640号公報
【特許文献2】特開2016−123723号公報
【特許文献3】特開2017−108895号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これらの特許文献に示された頭部をマッサージするためのブラシは、特許文献1のマッサージ用ブラシでは頭皮を多数のスポット点状に分散して押圧するに過ぎず、頭皮における血流等を良好にするものではない。特許文献2のヘアブラシでは、複数のブラシを頭部面上で移動させるとしても、ブラシを頭部に宛がった状態で空洞状の把持部を把持するには頭部面と平行する向きの押圧作用とするから、ブラシは単に頭部面をなぞるに過ぎず、また頭髪に絡まってしまうことでブラシの移動が困難となることがある。特許文献3のマッージブラシでは、頭部に宛がった状態で基部側からの頭部面に対する押圧作用によって押圧突起が外側に広がることで、頭皮を外方に伸ばすとしても頭皮自体は伸張性がないから、結果として頭皮面上をなぞるに過ぎない。
【0006】
そこで本発明は叙上のような従来存した諸事情に鑑み創出されたもので、その目的は例えば頭部に宛がった状態で頭部面を押圧するように押し当てることで、宛てがい部分の頭皮を内側に絞るように掴み揉みして血行を促進させるようにし、またこの掴み揉みは本マッサージ具を頭部面に押し当てる押圧力によるから簡単に操作でき、頭髪の育毛促進に役立つばかりでなく、頭髪洗浄時のブラシとしても利用できるようにしたマッサージ具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するため、本発明にあっては、頭部Hに宛がわれる当接側面である揉み部2と、この当接側面と反対がわの押圧側面である押圧部6とが表裏に配されている盤状のマッサージ具本体1を形成し、このマッサージ具本体1の揉み部2には、押圧部6からの頭部H側への押圧作用によってマッサージ具本体1の中心側に向かって傾斜倒伏動する複数の揉み脚部3A,3B,3Cを配列し、この揉み脚部3A,3B,3Cの傾斜倒伏動によって頭皮を掴み揉み状にマッサージするようにして成ることを特徴とする。
揉み脚部3A,3B,3Cは、ほぼ円錐柱状に形成されていて、マッサージ具本体1の中心側の側面は揉み部2面に対してほぼ直立状の平坦面に形成して構成することができる。
揉み脚部3A,3B,3Cは、マッサージ具本体1の揉み部2に同心円状に配列されることで、また、中心側に配列された揉み脚部3Aは、外周縁側に配列された揉み脚部3B,3Cに比し高く形成すると共に、外周縁側に配列された揉み脚部3Cから中心側に配列された揉み脚部3B,3Aに至るに伴い外径を順次に小さくすることで形成して構成することができる。
揉み脚部3A,3B,3Cの基部におけるマッサージ具本体1の中心側に位置させて中心側の側面に連続する収縮凹所4を揉み部2面に形成して、また、この収縮凹所4は同心円状に配列されて隣接する揉み脚部3A,3B,3Cそれぞれのマッサージ具本体1の中心側で連続した溝状に形成して構成することができる。
揉み部2の中心には、流通口5を開口形成して構成することができる。
マッサージ具本体1の押圧部6には、マッサージ具本体1の周縁部分を押圧する押圧カバー体10を装着して構成でき、この押圧カバー体10は、マッサージ具本体1の周縁部分に形成してある装着溝7に嵌め入れられる装着突部11を設けて構成することができる。
押圧カバー体10は、掌で包み込み可能な空洞のドーム状に形成して構成することができる。
【0008】
以上のように構成された本発明に係るマッサージ具にあって、マッサージ具本体1の揉み部2を頭部Hに宛がった状態で押圧部6からの頭部H側に対する押圧作用で、揉み部2の揉み脚部3A,3B,3Cはマッサージ具本体1の中心側に向かって傾斜倒伏し、この傾斜倒伏によって頭皮への宛てがい部分を窄ませ、掴み揉み状にマッサージする。
配列された揉み脚部3A,3B,3Cにおいて、マッサージ具本体1の中心側に配列されたものでは高く、それぞれの中心側側面では直立した平坦面であること、また配列された中心側では外周縁側に比し外径が小さいことで、中心側では軟らかく撓み、外周縁側からのマッサージ具本体1の中心側への傾斜倒伏動を助長する。
また、揉み脚部3A,3B,3Cの基部におけるマッサージ具本体1の中心側に形成された収縮凹所4は、揉み脚部3A,3B,3Cそれぞれのマッサージ具本体1の中心側への傾斜倒伏動時に縮小することでその倒伏動を円滑にし、繰り返される掴み揉み作動を一層スムーズに行わせる。
マッサージ具本体1に装着された押圧カバー体10は、マッサージ具本体1の周縁部分でマッサージ具本体1を押圧することで、揉み部2における揉み脚部3A,3B,3Cそれぞれのマッサージ具本体1の中心側に向かう傾斜倒伏作動力を効率的に付与し、マッサージ具本体1自体の窄まり動作を簡単に実現させる。
マッサージ具本体1の中心に配した流通口5は、押圧カバー体10が装着されたマッサージ具本体1の表裏方向に沿うエアあるいは洗浄水を流通させることで、頭部Hに対するマッサージで撓み状に窄まったときの押圧カバー体10内に生じる負圧状態を回避させてマッサージ具本体1の撓み前への原形復帰を容易にする。また、頭髪洗浄時の洗浄水の押圧カバー体10内での貯留を防止し、衛生的に処置し得る。
【発明の効果】
【0009】
本発明は以上説明したように構成されているため、頭部Hに宛てがい、押圧カバー体10側からの頭部H側に向かうマッサージ具本体1に対する押圧作用とその解放とによって、宛がわれた頭皮部分を掴み揉み状にマッサージでき、掴み揉み状であることでエステシャン的なマッサージ作用を実現でき、これらによって育毛促進その他を図ることができる。また頭部Hに限らず、身体面の各部に宛てがい、押圧することで各部の皮膚下の血行を促進させることができ、経穴・ツボ等に対する揉み動作にも利用できる。
【0010】
また、揉み部2に同心円状に配列した揉み脚部3A,3B,3Cそれぞれは円錐柱状で、中心側の揉み脚部3Aは外周縁側の揉み脚部3B,3Cに比し高く形成してあることで、頭部Hに宛がわれた状態でマッサージ具本体1に対する押圧作用は、マッサージ具本体1の外周縁側を中心側に向かって窄ませることになって、外周縁側の揉み脚部3B,3Cの中心側に対する倒伏傾斜動を促すことができる。
【0011】
しかも、外周縁側の揉み脚部3Cから中心側の揉み脚部3B,3Aに至るに伴いそれらの外径を順次に小さく形成してあり、また中心側の揉み脚部3Aは外周縁側の揉み脚部3B,3Cに比し高く形成してあることで、中心側は外周縁側に比し軟らかく、撓みやすくなっているから、外周縁側の揉み脚部3Cは中心側の揉み脚部3B,3Aに比し大きく、やや硬い状態で強く傾斜倒伏し、これによって安定した確実な頭皮の掴み揉み動作を実現している。
【0012】
更に、揉み脚部3A,3B,3Cの基部におけるマッサージ具本体1の中心側に位置させて中心側の側面に連続する収縮凹所4を揉み部2面に形成してあることで、マッサージ具本体1に対する押圧作用が付与されるとき、揉み脚部3A,3B,3Cそれぞれのマッサージ具本体1の中心側への傾斜倒伏に伴い収縮凹所4が縮小し、隣接する揉み脚部3A,3B,3Cが連続する収縮凹所4によって溝状であることと相俟ち、揉み脚部3A,3B,3Cそれぞれの倒伏動を一層円滑、確実にすることができる。
【0013】
揉み部2の中心に流通口5を開口形成してあることで、揉み脚部3A,3B,3Cそれぞれの中心側への傾斜倒伏動を円滑にするばかりでなく、マッサージ具本体1に装着されている押圧カバー体10が例えば空洞状であってマッサージ具本体1が撓み、窄まり状となることで押圧カバー体10内が負圧状態となるのを防止し、繰り返しのマッサージ具本体1の窄まり・原形復帰、すなわち揉み脚部3A,3B,3Cの起伏動を阻害することがない。
【0014】
しかも、この流通口5によって、本発明マッサージ具を頭髪洗浄時のブラシとして使用するときの洗浄液等をマッサージ具本体1の表裏方向で流通させ、押圧カバー体10内に洗浄液を貯留させないから、衛生的に使用できる。
【0015】
マッサージ具本体1に装着される押圧カバー体10は、マッサージ具本体1の周縁部分に形成してある装着溝7に嵌め入れられる装着突部11を設けてあることで、マッサージ具本体1に押圧カバー体10を一体的に組み合わせることができる。そのため、押圧カバー体10に対する押圧力の付与は、マッサージ具本体1の周縁部分を押圧することになるから、頭部Hに宛がわれたマッサージ具本体1自体は周縁部分がマッサージ具本体1の中心側に窄まり状となり、揉み脚部3A,3B,3Cそれぞれを中心側に向かって効率良く、確実に傾斜倒伏させることができる。
【0016】
尚、上記の課題を解決するための手段、発明の効果の項それぞれにおいて付記した符号は、図面中に記載した構成各部を示す部分との参照を容易にするために付した。本発明は、これらの記載、図面中の符号等によって示された構造・形状等に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明を実施するための一形態を示す一部切欠の分解斜視図である。
図2】同じく揉み部側から見た斜視図である。
図3】同じく揉み部の平面図である。
図4】同じく一部の拡大図を含む断面図である。
図5】同じく頭部面に対する押圧使用時の一部の拡大図を含む断面図である。
図6】同じく使用状態の一例における斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明を実施するための一形態を説明すると、図において示される符号1は所定肉厚の軟弾性合成樹脂材、例えばエストラマ樹脂材にて、揉み部2、押圧部6を表裏に配した盤状に形成されたマッサージ具本体である。このマッサージ具本体1は、頭部Hに対して宛がわれるようにした当接側面である揉み部2に設けた突起柱状の複数の揉み脚部3A,3B,3Cが、当接面側と反対がわのマッサージ具本体1の押圧面側である押圧部6による押圧作用によってマッサージ具本体1の中心側に向かって傾斜するよう倒伏することで、宛がわれた頭部Hにおける頭皮が窄まるように掴み揉みするようになっている。このマッサージ具本体1における掴み揉み作動は、マッサージ具本体1の周縁に負荷される押圧作用で発揮されるようにしてあり、そのため、マッサージ具本体1の押圧面側である押圧部6には、マッサージ具本体1を覆うように空洞状の押圧カバー体10がマッサージ具本体1の周縁部分に装着されている。
【0019】
マッサージ具本体1は、例えば押圧カバー体10をマッサージ者自身の掌(てのひら)によって包み込んで掌握できる程度の大きさで形成されており(図5参照)、図に示すように、平面から見て、基本的には長円形で、一方縁部が他方縁部に比し広幅となっている丸みを帯びた略水滴形状を呈していて、適宜な肉厚、例えば5mm程度の肉厚を有する軟弾性合成樹脂材にて形成されている。
【0020】
マッサージ具本体1の揉み部2に設けた揉み脚部3A,3B,3Cは、例えばいわば同心円状に例えば3列の複数列で配列されている(図3参照)。
【0021】
揉み脚部3A,3B,3Cそれぞれは、基本的には頂端が丸みを帯びている円錐形状で、中心側の揉み脚部3Aは外周縁側の揉み脚部3B,3Cに比しやや高く形成されている(図4参照)。揉み脚部3A,3B,3C自体は、マッサージ具本体1の外周縁側の側面は彎曲しているのに対し、マッサージ具本体1の中心側に向かって傾斜する側面はマッサージ具本体1の揉み部2に対しほぼ直立した平坦面状に形成されていて、その横断面形状は略半月状を呈する。こうすることで、揉み脚部3A,3B,3C自体は、マッサージ具本体1の中心側に向かう傾斜倒伏傾向にいわば付勢されている。
【0022】
また、中心側に配列された揉み脚部3Aは外周縁側に配列された揉み脚部3B,3Cに比し、外径は順次に小径に形成してあることで、配列されたマッサージ具本体1の中心側では外周縁側に比し柔軟性があり、一層撓みやすくしてある。また、揉み脚部3A,3B,3Cの基部外径は、例えば最外周に配列した揉み脚部3Cは約10mm、中心側に配列した揉み脚部3Aは約8mm、中間に配列した揉み脚部3Bは約9mm程度としてある。こうすることでも、揉み脚部3A,3B,3C自体は、マッサージ具本体1の中心側に向かう傾斜倒伏傾向にいわば付勢される。
【0023】
すなわち、マッサージ具本体1の中心側の揉み脚部3Aは外周縁側の揉み脚部3B,3Cに比し小径で、高く形成されていることで、頭部Hに宛がわれ、押圧されたときには柔軟性があって撓みやすく、外周縁側が窄まって外周縁側の揉み脚部3Cが中心側の揉み脚部3B,3Aに向かって強い力で傾斜倒伏して、頭皮を窄めて掴み揉みするようにしてある。
【0024】
そしてまた、揉み脚部3A,3B,3Cそれぞれの中心側の側面の基部には、その基部位置に合致させたマッサージ具本体1の揉み部2に断面で角U字形の収縮凹所4を形成してあり、揉み脚部3A,3B,3Cそれぞれの中心側への傾斜倒伏動を一層促進するようにしている。図示にあって、この収縮凹所4は同心円状に配列されているそれぞれの揉み脚部3A,3B,3Cの中心側の側面位置で連続している溝状となって同心円状に配列形成してあることで、隣接する揉み脚部3A,3B,3Cそれぞれが相互に関連し、またマッサージ具本体1全体での中心側に向かう撓みが生じ、全体が窄まり状になって中心側への傾斜倒伏動を確実にしている。
【0025】
マッサージ具本体1の中心には、流通口5が開口形成されている。前記押圧カバー体10のマッサージ具本体1への装着によってマッサージ具本体1の押圧面側が覆われるとき、マッサージ具本体1を経た押圧カバー体10内外を流通口5によって流通させ、使用時に頭部Hがわに押圧されることで頭部Hがわから離れるようにマッサージ具本体1が彎曲して撓むことに伴い、空洞状の押圧カバー体10内部が負圧状態になるのを防止する。また、頭髪洗浄時の洗浄液が押圧カバー体10中に貯留されるのも防止し、頭髪洗浄作業を円滑にする。
【0026】
押圧カバー体10は、マッサージ具本体1の押圧部6の周縁部分に装着されることでマッサージ具本体1を覆っており、図示のように空洞のドーム状に形成されていて、外側面は掌(てのひら)で包み覆うことができるような彎曲面に形成されていて、マッサージ具本体1に対応させて例えば長辺幅員は約100mm前後、短辺幅員は約70mm前後、高さは20mm前後の大きさとなるようにしてある(図3参照)。この押圧カバー体10は、マッサージ具本体1の押圧部6の周縁に形成されている装着溝7内にやや強制的にでも嵌め入れられる装着突部11を開口部周縁の内側に形成してあり、装着溝7内に嵌め入れられたとき、装着溝7の外縁に押圧カバー体10の外周縁が当接することでマッサージ具本体1の押圧面を覆い、またマッサージ具本体1と一体状になるようにしている。もとより、マッサージ具本体1と共に押圧カバー体10自体の大きさは上記例に限定されないことは勿論である。
【0027】
押圧カバー体10の周縁がマッサージ具本体1の周縁部分に装着結合していることで、押圧カバー体10に対する押圧作用は、マッサージ具本体1における押圧部6の周縁部分のみを押圧し、頭部Hに宛がわられるマッサージ具本体1の当接面側を中心側に向かってスムーズに撓ませることができる。もとより、押圧カバー体10によってマッサージ具本体1の周縁部分を押圧できれば良いので、押圧カバー体10自体は、閉塞されたドーム状に形成されている必要はなく、例えばマッサージ具本体1の周縁部分に装着されるループ状部材を放射状部材によって連結することで形成することも可能である。
【0028】
また、図示のように、この押圧カバー体10には、マッサージ具全体を握持し、支持することで揉み作業、洗浄作業を容易に可能にするように、例えば手指相互間で挟み込むことができる断面で略T字形状の支持部12を設けてある。図示を省略したが、この挟み込み式の支持部12に代えて、例えば手指を挿入できるカバー状の覆い部を設けることも可能であり、本発明マッサージ具を容易に取り扱いできるようにするにはこれらに限定されないことも勿論である。
【0029】
次にこれの使用の一例を説明すると、頭皮をマッサージするとき、あるいは頭髪を洗浄するとき等で、押圧カバー体10を掌で包み込むようにして掌握し、マッサージ具本体1の揉み部2を頭皮に宛てがい、押圧カバー体10によってマッサージ具本体1を頭部H側に適宜押圧すれば良い。そうすると、図5に示すように、押圧カバー体10からの押圧作用はマッサージ具本体1の周縁部分を押圧し、揉み部2における中心側の揉み脚部3Aが外周側の揉み脚部3B,3C側に比し高く、小径であることで、マッサージ具本体1自体は中心側にいくらか窄まるように撓み、外周縁側の揉み脚部3B,3Cがマッサージ具本体1の中心側に向かって傾斜倒伏し、頭皮を周囲から掴み状に寄せ合わせ、揉みほぐすものとなる。
【0030】
このような押圧操作を頭部H全体で繰り返すことによって、頭部Hの血行を良好にし、例えば育毛その他を促進させるのであり、このような作動は、例えば頭髪に対して従来から実施されている頭髪洗浄時の頭皮に対する揉み動作を伴うエステシャンと同様な効果をもたらす。
【符号の説明】
【0031】
H…頭部
1…マッサージ具本体
2…揉み部
3A,3B,3C…揉み脚部
4…収縮凹所
5…流通口
6…押圧部
7…装着溝
10…押圧カバー体
11…装着突部
12…支持部
【要約】
【課題】主として頭部の地肌を掴み揉み状にマッサージすることで血行を良好にして頭髪等の育毛を促進させ、また頭髪洗浄時のブラシとしても使用可能にする。
【解決手段】頭部Hに宛がう当接側面である揉み部2と、この当接側面と反対がわの押圧側面である押圧部6とを表裏に配した盤状のマッサージ具本体1を形成する。揉み部2には、押圧部6からの頭部H側への押圧作用によってマッサージ具本体1の中心側に向かって傾斜倒伏動する複数の円錐柱状の揉み脚部3A,3B,3Cを3列の同心円状に配列し、この揉み脚部3A,3B,3Cの傾斜倒伏動によって頭皮を掴み揉み状にマッサージするようにして成る。押圧部6には、掌で包み込み可能な空洞のドーム状にして、マッサージ具本体1の周縁部分を押圧する押圧カバー体10を装着し、揉み部2の中心には流通口5を開口形成する。
【選択図】図5
図1
図2
図3
図4
図5
図6