(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
洗濯装置は、洗濯機及び乾燥機を含むことができる。洗濯機は、洗濯水と洗剤を用いて洗濯布から汚れを分離するための装置のことを意味する。洗濯水に溶解した洗剤を通じた化学的作用を用いて汚れを分離することができ、洗濯水の機械的作用または内槽(ドラム)の駆動による機械的作用によって汚れを分離することができる。
【0003】
乾燥機は、洗濯布を乾燥させるための装置のことを意味する。すなわち、洗濯布に乾燥熱風を供給して洗濯布を乾燥させるための装置を意味する。
【0004】
洗濯装置は、洗濯と乾燥を全て行うことができる洗濯兼乾燥機を含む。洗濯兼乾燥機も同様に、洗濯水と洗剤を用いて洗濯を行うことができる。したがって、洗濯兼乾燥機も洗濯機に含まれる。
【0005】
一般に、洗濯装置は、洗濯布が収容されるドラムが水平軸を基準に駆動されて洗濯が行われる水平軸洗濯装置を含む。このような水平軸洗濯装置は、ドラムの駆動を通じて洗濯布に機械的なエネルギーを加えて汚れを分離する。
【0006】
水平軸洗濯機の洗濯環境は、洗濯布が完全に洗濯水に浸からない状態といえる。したがって、機械的作用のほとんどは洗濯布間の摩擦、洗濯布とドラムとの摩擦、洗濯布に加えられる衝撃力などを通じて洗濯が行われるといえる。勿論、この場合にも、洗剤による化学的作用を通じて洗濯が行われるといえる。
【0007】
洗濯装置は、洗濯布が収容される内槽が垂直軸を基準に回転したり、内槽内のパルセーターが回転して洗濯が行われる垂直軸洗濯装置を含む。垂直軸洗濯装置も同様に、内槽またはパルセーターの駆動を通じて、洗濯布に機械的なエネルギーを加えて汚れを分離する。
【0008】
垂直軸洗濯機の洗濯環境は、洗濯布が完全に洗濯水に浸かることができる状態と言える。したがって、機械的作用はほとんど水勢と洗濯布との間の摩擦や衝撃力などを通じて発生し、このような機械的作用によって洗濯が行われるといえる。同様に、この場合にも、洗剤による化学的作用を通じて洗濯が行われるといえる。
【0009】
したがって、垂直軸洗濯機と水平軸洗濯機は、使用する洗濯水の量と洗濯メカニズムにおいて大きな差があるといえる。
【0010】
このような差にも関わらず、水平軸洗濯機と垂直軸洗濯機は、いずれも、洗濯水を加熱するための洗濯ヒータを含むことができる。洗濯水の加熱は、洗剤の活性化を促進して洗濯効果を高め、高温を通じて殺菌効果を高めるために行うことができる。したがって、洗濯ヒータを駆動して洗濯水の温度を設定温度まで高めることは一般的な事項といえる。すなわち、洗濯水の水温を上昇させて洗濯効果を高めることは一般的な事項といえる。
【0011】
最近は、エネルギー消耗を減らすと共に高温の洗濯環境を作るために、スチームを供給することができる洗濯機が多く普及している。すなわち、スチームを発生させた後、ドラムの内部に供給して、洗濯環境を高温多湿にして、洗濯効果を高めることができる洗濯装置が普及している。前記洗濯装置は、水洗いと共にスチームを用いるスチーム洗いコースを通じて、洗濯効果を高めるといえる。
【0012】
しかし、このような洗濯装置は、別途のスチーム発生器を備えるため、コストの上昇と制御の困難が伴う。スチーム発生器は、一般的な洗濯ヒータとは別途に、スチームを発生させるためのスチームヒータを有しているからである。このような理由で、別途のスチーム発生器を排除し、洗濯ヒータを用いる洗濯装置が試みられている。
【0013】
スチームは沸騰点以上に水を加熱して生成することができる。したがって、別途のスチーム発生器を有する洗濯装置は、水を沸騰点以上に加熱してスチームを発生させて、これを用いる洗濯装置といえる。また、スチームは沸騰点未満に水を加熱して生成することもできる。したがって、別途のスチーム発生器が排除され、洗濯ヒータを有する洗濯装置は、水を沸騰点未満に加熱してスチームを発生させて、これを用いる洗濯装置といえる。
【0014】
洗濯ヒータを用いてスチームを発生させる洗濯装置では、タブの内部でスチームが発生する。すなわち、相対的に大きい空間でスチームが発生することができる。したがって、洗濯ヒータを通じて沸騰点未満に水を加熱してスチームを発生させることが一般的である。
【0015】
また、洗濯ヒータを用いてスチームを発生させる洗濯装置では、構造的な限界によって、主に水洗いの時にスチームを使用するようになる。
【0016】
スチームは、水洗いにおいて洗濯効果の増進のために使用することができ、洗濯布のリフレッシュのために使用することができる。特に、乾燥機のような洗濯装置でリフレッシュコースを提供することができる。
【0017】
乾燥機でのスチームは、洗濯効果の増進よりは、シワ除去、臭い除去などのように洗濯布をリフレッシュするために使用されるといえる。
【0018】
以下では、
図1及び
図2を参照して、従来の一般的な洗濯装置について説明する。
【0019】
洗濯装置は、外形をなすキャビネット10、及びキャビネットの内部に備えられるタブ20を含むことができる。タブ20は、洗濯水を収容するように備えることができる。
【0020】
タブ20には、洗濯水を加熱できる洗濯ヒータ60を備えることができる。重力によって、洗濯水はタブ20の底面から水位が次第に上昇する。したがって、洗濯ヒータ60は、タブの最も低い部分に位置することが好ましい。
【0021】
タブ20内にはドラム30が備えられる。ドラム30は、タブ20内に回転可能に備えられる。ドラム30の内部に洗濯布が収容され、駆動装置71,72を通じて、ドラム30を駆動することができる。このようなドラム30の駆動を通じて、洗濯が行われるといえる。
【0022】
駆動装置はモータ71を含むことができる。モータ71の駆動を直接ドラム30の駆動に転換することができる。このような構造を一般的に直結式モータ構造と呼ぶ。しかし、図示のように、モータ71の回転がプーリー72を通じてドラム30の駆動に転換されてもよい。
【0023】
ドラム30の駆動などによって、タブ20に振動が伝達され得る。したがって、タブ20は、キャビネット10に対してダンパー21などを通じて支持することができる。
【0024】
ドラム30の前方にはドア40を備え、ドア40の後方にはガスケット50を備えることができる。ガスケット50は、キャビネット10及びタブ20と連結され得る。したがって、タブ20の前方は、ガスケット50を通じてキャビネット10に弾性支持されるといえる。
【0025】
洗濯を行うためには、まず、洗濯水を給水しなければならない。したがって、外部給水源から洗濯装置の内部に洗濯水を給水するための給水手段80が備えられる。
【0026】
給水手段80は、選択的に開閉される給水弁81、及び洗濯水流路82を含むことができる。洗濯水流路82は、洗剤を収容する洗剤ボックス83と連結することができる。そして、洗剤ボックス83は供給流路84と連結することができる。
【0027】
したがって、給水弁81が開放されると、外部の水が洗濯水流路82、洗剤ボックス83、そして供給流路84を経てドラム30の内部に供給され得る。
【0028】
具体的に、供給流路84は、ガスケット50を貫通するように備えることができる。したがって、供給流路84を通じて供給される洗濯水と洗剤はほとんどドラム30の内部に供給することができる。
【0029】
図2に示すように、ドラム30には複数個の通孔31が備えられる。通孔31を通じて、ドラム30の内部はタブ20の内部と互いに連通することができる。
【0030】
そして、タブ20の下部にはヒータ装着溝22を形成することができる。ヒータ装着溝22はタブ20の最下部に備えることができる。ヒータ装着溝22に洗濯ヒータ60が装着されるので、最小の水位でも洗濯ヒータ60が常に洗濯水に浸かるようにすることができる。
【0031】
ヒータ装着溝22は、排水流路23と連結されることが好ましい。したがって、タブ20の内部の洗濯水は、ヒータ装着溝22と排水流路23を経て、洗濯装置の外部に排水可能である。
【0032】
上述したように、洗濯ヒータ60を用いてスチームを発生させることは、水洗いを前提とすることが一般的である。これは、
図1及び
図2に示された洗濯装置の構造的な特徴からでもわかる。
【0033】
具体的に、洗濯のための洗濯水と洗剤はドラム30の内部に供給される。すなわち、給水が行われると、洗濯水と洗剤はドラム30の内部に収容される洗濯布を濡らすようになる。そして、一部の洗濯水と洗剤はドラム3の通孔31を通じてタブ20の下部から溜まるようになる。
【0034】
給水が続くと、洗濯水の水位は次第に上昇するようになり、このような給水は設定水位まで進行する。
【0035】
特に、水平軸洗濯機の場合、垂直軸洗濯機とは異なり、設定水位が相対的に低い。言い換えると、洗濯布が完全に洗濯水に浸からない状態で洗濯が行われる。したがって、洗濯布を速く濡らすために、洗濯水と洗剤が洗濯布に直接供給されるようにする構造が一般的である。
【0036】
そのため、洗濯ヒータを用いてスチームを発生させるためには、常にドラムの内部を通じて水が供給されなければならないという問題がある。すなわち、必然的に洗濯水の供給はドラムの内部に収容される洗濯布の少なくとも一部を濡らさなければならないという問題がある。
【0037】
したがって、スチームの使用は、水洗いを前提とせざるを得ないため、スチームを多様に利用するのに困難がある。具体的には、リフレッシュのためにのみスチームを利用するのに多くの問題がある。このような構造的な問題によって、リフレッシュされる洗濯布の含湿量が非常に高いため、リフレッシュの後にも別途の乾燥過程が伴わなければならないからである。
【0038】
一方、従来の洗濯装置でのリフレッシュは、単純に洗濯布にスチームを用いて水分を供給する水準にとどまっていた。すなわち、洗濯布に全体的で且つ均一にスチームを供給するために、ドラムをタンブリングさせる水準にとどまっている。したがって、スチームの発生と供給構造、スチームの温度、そしてドラムの駆動の間での最適の関係を導出して、より効果的なリフレッシュを行うことができる方案を設ける必要がある。
【0039】
さらに、リフレッシュの終了後に後続しなければならない乾燥過程をできる限り減らすことができる、リフレッシュが可能な洗濯装置を提供する必要がある。すなわち、乾燥機を通じた乾燥や自然乾燥を必要とせず、リフレッシュされた衣類を直ちに着用できる程度にリフレッシュ性能が具現される洗濯装置を提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0040】
本発明は、基本的に、前述した従来の洗濯装置の問題を解決することを目的とする。
【0041】
本発明の実施例を通じて、シワ除去効果及び臭い除去効果を著しく増進させることができる洗濯装置及びその制御方法を提供しようとする。
【0042】
本発明の実施例を通じて、安全で且つ信頼性が増進した洗濯装置及びその制御方法を提供しようとする。
【0043】
本発明の実施例を通じて、リフレッシュの終了後、別途の乾燥過程を省略し、リフレッシュされた衣類を直ちに着用できる程度にリフレッシュ性能が具現される洗濯装置及びその制御方法を提供しようとする。
【0044】
本発明の実施例を通じて、洗濯ヒータを用いて効果的なスチームの発生及び供給が可能な洗濯装置及びその制御方法を提供しようとする。
【0045】
本発明の実施例を通じて、スチームを用いた洗濯効果の増進だけでなく、スチームを用いたリフレッシュが可能な洗濯装置及びその制御方法を提供しようとする。
【0046】
本発明の実施例を通じて、洗濯水の給水を通じた強制冷却をより効果的に行うことができる洗濯装置及びその制御方法を提供しようとする。
【0047】
本発明の実施例を通じて、選択されるコースに応じて洗濯水の供給位置を異なるように制御して、選択されるコースに応じて最適の位置で洗濯水を供給することができる洗濯装置及びその制御方法を提供しようとする。
【0048】
本発明の実施例を通じて、洗濯ヒータを用いて、スチーム段階とは別途の洗濯水ヒーティング段階を行うことができる洗濯装置及びその制御方法を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0049】
前述した目的を具現するために、本発明の一実施例によれば、洗濯布にスチームを供給して、洗濯布のシワの除去または緩和のためのリフレッシュコースを行う洗濯機の制御方法において、外部給水源から、ドラムの内部を経ずに、スチーム発生のためのスチーム水位まで前記タブの内部に洗濯水を供給するスチーム給水段階と、タブに備えられる洗濯ヒータを駆動して前記洗濯水を加熱し、前記スチーム水位での洗濯水からスチームを発生させるスチーム段階と、前記スチーム段階の後に、洗濯布をリフレッシュするリフレッシュ段階とを含む洗濯機の制御方法を提供することができる。
【0050】
前記洗濯ヒータは、前記タブの下部に備えることができる。すなわち、タブの下部としてタブの内部下部または外部下部に前記洗濯ヒータを備えることができる。
【0051】
前記制御方法は、複数個の洗濯コースのいずれか一つが選択されるコース選択段階を含むことができる。前記複数個の洗濯コースは前記リフレッシュコースを含むことができる。前記コース選択段階で前記リフレッシュコースが選択されると、前記スチーム段階が行われる。
【0052】
また、前記リフレッシュ段階は、前記ドラムのタンブリング駆動区間とスピン駆動区間が交互に行われる段階を含むことができる。このような交互に行われる段階は、スチーム段階の終了後に行うことができる。
【0053】
前述した目的を具現するために、本発明の一実施例によれば、洗濯布にスチームを供給して、洗濯布のシワの除去または緩和のためのリフレッシュコースを行う洗濯機の制御方法において、複数個の洗濯コースのいずれか一つが選択されるコース選択段階と、前記コース選択段階で、前記リフレッシュコースが選択されると、外部給水源から、ドラムの内部を経ずに、スチーム発生のためのスチーム水位まで前記タブの内部に洗濯水を供給するスチーム給水段階と、タブの下部に備えられる洗濯ヒータを駆動して前記洗濯水を加熱し、前記スチーム水位での洗濯水からスチームを発生させるスチーム段階と、前記スチーム段階の後に、前記ドラムのタンブリング駆動区間とスピン駆動区間が行われて、洗濯布をリフレッシュするリフレッシュ段階とを含む洗濯機の制御方法を提供することができる。
【0054】
前記タンブリング駆動とスピン駆動は交互に行うことができる。前記タンブリング駆動は、ドラムの回転によりドラム内部の洗濯布が落下するドラム駆動と定義することができる。前記スピン駆動は、ドラムの高速回転によりドラム内部の洗濯布がドラムの内面に密着して前記ドラムと共に回転するドラム駆動と定義することができる。したがって、スピン駆動でのドラムの回転速度は、タンブリング駆動でのドラムの回転速度よりは大きくなければならない。
【0055】
ここで、前記スチーム水位は、前記ドラムの底面より低い水位であることが好ましい。そして、このようなスチーム水位は予め設定することができる。また、スチーム水位は、少なくとも前記洗濯ヒータが完全に洗濯水に浸かることができる水位であることが好ましい。
【0056】
前記複数個の洗濯コースは、本洗い水位まで洗濯水を供給して水洗いする洗濯が行われる水洗いコースを含むことができる。水洗いコースは、本洗い水位まで給水した後、ヒーティング段階を行うことができるヒーティング可能コース、及び前記ヒーティング段階が排除されるヒーティング排除コースを含むことができる。
【0057】
前記本洗い水位は、洗濯布の量(布量)及び選択される水洗いコースと関係なく、前記スチーム水位よりは常に高いことが好ましい。
【0058】
前記本洗い水位までの給水は、外部給水源から、洗剤ボックスを経て前記ドラムの内部に供給されることであることが好ましい。すなわち、給水を通じて、洗濯水と洗剤がドラムの内部に収容される洗濯布に供給されるようにすることが好ましい。したがって、本洗い水位までの給水を通じて洗濯布が濡れるようになる。
【0059】
前記スチーム給水は、タブとドラムとの間に備えられる流路、または前記タブの後側上部に備えられる後方給水口を通じて行われることが好ましい。前記流路は、前記タブの後面に沿って形成することができる。すなわち、給水される洗濯水が、ドラムの内部に収容される洗濯布に当たらないように供給されることが好ましい。好ましくは、純粋な水をスチーム発生のために使用することができる。すなわち、純粋な水をスチーム段階でスチームに転換し得る。したがって、洗剤が混じっていないきれいな水を用いてスチームを発生させることができる。
【0060】
前記スチーム段階において、前記ヒータの駆動時点から、前記ヒータの駆動が連続的に行われて停止するまでの時間区間は可変可能である。前記洗濯ヒータの容量及び前記スチーム水位での洗濯水の量を考慮して、前記時間区間の最大許容値は予め設定することが好ましい。
【0061】
前記時間区間は、予め設定された温度まで、連続的に前記洗濯ヒータが駆動される温度制御区間と、前記温度制御区間から予め設定された時間まで、連続的に前記洗濯ヒータが駆動される時間制御区間とを含むことができる。勿論、前記スチーム段階が前記温度制御区間と時間制御区間とを含むことができる。ここで、前記時間制御区間での予め設定された時間は、最大に許容可能な最大許容値であってもよい。すなわち、最大に行うことができる時間が、予め設定された時間であってもよい。
【0062】
したがって、スチーム段階での最大許容値が予め設定されるので、温度制御区間で必要とされる時間が長くなるにつれて、前記時間制御区間の所要時間は短くなり得る。
【0063】
前記温度制御区間での予め設定された温度は、約摂氏93度以上、摂氏97度以下であることが好ましい。前記予め設定された温度は、摂氏95度であることが好ましい。
【0064】
前記リフレッシュ段階は、予め設定された時間の間に行われることが好ましい。
【0065】
前記リフレッシュ段階では、ドラムのタンブリング駆動とスピン駆動が行われることが好ましい。前記タンブリング駆動区間とスピン駆動区間とからなるドラム駆動サイクルは、複数回繰り返されることが好ましい。ここで、前記タンブリング駆動とスピン駆動は交互に行うことができる。前記タンブリング駆動に必要とされる時間は、前記スピン駆動に必要とされる時間より10倍以上であってもよい。
【0066】
前記リフレッシュ段階が終了すると、排水段階を経てリフレッシュコースの実行が終了することができる。一方、リフレッシュ段階と排水段階との間に選択的に再給水段階を行うことができる。すなわち、リフレッシュ段階の終了時の洗濯水の温度及び/または前記ドラム内部の温度によって、このような再給水段階を行うことができる。
【0067】
再給水水位は、スチーム水位より高いことが好ましい。しかし、再給水水位もまた洗濯水が洗濯布に当たらない水位であることが好ましい。したがって、再給水水位は、ドラムの底面より低い水位に予め設定することが好ましい。
【0068】
再給水水位までの給水は、水を供給することによって強制的に洗濯装置の内部を冷却させる段階といえる。特に、タブの内部を冷却させる段階といえる。再給水は、冷水または純水(洗剤が混じっておらず、直接水道栓のような外部給水源から供給される水)が好ましい。したがって、再給水水位までの給水の完了後、冷却をさらに促進するために、タンブリング駆動が行われることが好ましい。
【0069】
好ましくは、前記再給水は、前記スチーム給水段階と同一の経路を通じて行うことができる。したがって、再給水を通じて洗濯物が濡れることを防止することができる。
【0070】
前述した目的を具現するために、本発明の一実施例によれば、タブと、前記タブ内に回転可能に備えられ、洗濯布が収容されるドラムと、前記タブに備えられて洗濯水を加熱する洗濯ヒータと、前述した洗濯方法が行われるように制御する制御部とを含む洗濯装置を提供することができる。
【0071】
前述した目的を具現するために、本発明の一実施例によれば、タブと、前記タブ内に回転可能に備えられ、洗濯布が収容されるドラムと、前記タブに備えられて洗濯水を加熱する洗濯ヒータと、外部給水源から、洗剤ボックスを経て前記ドラムに洗濯水を供給する第1洗濯水流路と、外部給水源から、前記ドラムの内部を経ずに、前記タブの内部に直接洗濯水を供給する第2洗濯水流路と、複数個の洗濯コースのいずれか一つを選択するように備えられるコース選択部と、前記コース選択部を通じて選択されたコースに応じて、前記第1洗濯水流路と第2洗濯水流路を択一的に開放するように制御する制御部とを含む洗濯装置を提供することができる。
【0072】
前記第1洗濯水流路を開閉する第1給水弁と、前記第2洗濯水流路を開閉する第2給水弁とを含み、前記第1給水弁と前記第2給水弁は別個に備えることが好ましい。言い換えると、前記第1洗濯水流路と第2洗濯水流路は互いに異なる位置に洗濯水を供給するように備えることができる。勿論、同一の外部給水源から洗濯水が供給されるように備えることができる。
【0073】
一方、3方弁のように同一の弁を通じて第1洗濯水流路と第2洗濯水流路を択一的に開放することが可能である。したがって、この場合、第1給水弁と第2給水弁は、前記制御部の制御信号に応じて選択的に第1洗濯水流路と第2洗濯水流路のいずれか一つに洗濯水が給水されるようにすることができる。
【0074】
前記第2洗濯水流路は、前記タブと前記ドラムとの間に形成された流路を通じて前記タブに洗濯水を供給する流路であることが好ましい。すなわち、タブとドラムとの間の空間を通じてタブに洗濯水を供給することが好ましい。具体的に、前記第2洗濯水流路を通じて、洗濯水が前記ドラムの外部から前記タブの内側面に沿って前記タブの下部に供給されることが好ましい。
【0075】
前記タブの後側上部に備えられ、前記第2洗濯水流路と連結される後方給水口を含むことができる。前記第2洗濯水流路は、前記後方給水口を含むことができる。したがって、タブの内部で落下する時間の間に冷却が効果的に行われるようにすることができる。
【0076】
より具体的には、前記後方給水口は、給水される洗濯水が前記ドラムの外部から前記タブの内側後面に沿って前記タブの下部に供給されるように形成することが好ましい。これを通じて、熱伝逹面積をさらに広げることで、効果的な冷却が可能となる。
【0077】
前記複数個の洗濯コースは、スチーム段階が行われる洗いコース(スチームコース)とスチーム段階が排除される洗いコース(スチーム排除コース)とを含むことが好ましい。
【0078】
前記制御部は、前記スチーム排除コースが選択されると、前記第1給水弁を通じて前記タブの内部に洗濯水が給水されるように制御することが好ましい。
【0079】
前記制御部は、前記スチームコースが選択されると、前記第2給水弁を通じて前記タブの内部に洗濯水が給水されるように制御することが好ましい。
【0080】
前記スチーム排除コースは、基本的に、洗濯水を洗濯布に供給して水洗いする本洗い段階を含むことが好ましい。
【0081】
前記スチームコースは、スチーム段階及び洗濯水を通じた水洗いが行われる本洗い段階を含むスチーム洗いコースと、スチーム段階を含み、前記本洗い段階が排除されて、スチームを通じて洗濯物をリフレッシュさせるリフレッシュコースとを含むことができる。
【0082】
前記制御部は、前記リフレッシュコースが選択されると、前記第2給水弁を通じて前記タブの内部に洗濯水が給水されるように制御することができる。
【0083】
前記制御部は、前記スチーム洗いコースのスチーム段階を行うために、前記第1給水弁を通じて前記ドラムの内部に洗濯水が給水されるように制御し、前記リフレッシュコースのスチーム段階を行うために、前記第2給水弁を通じて前記タブの内部に洗濯水が給水されるように制御することができる。すなわち、スチーム段階が含まれるスチームコースといっても、選択されたコースに応じて洗濯水の供給流路を異なるように制御することができる。
【0084】
前記スチーム段階は、前記ドラムの底面より低い、予め設定されたスチーム水位で前記洗濯ヒータを駆動して、前記ドラムの内部にスチームを供給する段階であることが好ましい。すなわち、ドラム内部の洗濯布が洗濯水と接触していない状態で、そしてドラム内部の洗濯布が洗濯水に接触しないように洗濯ヒータを駆動する段階といえる。
【0085】
前記スチーム水位は、前記洗濯ヒータが完全に浸かる水位であることが好ましい。
【0086】
前記スチーム段階で、前記ヒータの駆動時点から、前記ヒータの駆動が連続的に行われて停止するまでの時間区間は可変され、前記洗濯ヒータの容量及び前記スチーム水位での洗濯水の量を考慮して、前記時間区間の最大許容値は予め設定することが好ましい。
【0087】
前記時間区間は、予め設定された温度まで、連続的に前記洗濯ヒータが駆動される温度制御区間と、前記温度制御区間から予め設定された時間まで、連続的に前記洗濯ヒータが駆動される時間制御区間とを含むことができる。
【0088】
前記温度制御区間での予め設定された温度は、摂氏93度以上、摂氏97度以下であることが好ましい。具体的に、前記予め設定された温度は、約摂氏95度であってもよい。
【0089】
前記リフレッシュコースは、給水の終了後、洗濯水を加熱してドラムの内部にスチームを供給するスチーム段階と、前記スチーム段階の後に、前記ドラムを駆動して前記洗濯布をリフレッシュするリフレッシュ段階と、を含み、前記制御部は、前記リフレッシュコースが選択されると、前記スチーム段階とリフレッシュ段階が順次行われるように制御することが好ましい。
【0090】
前記制御部は、前記リフレッシュ段階が、予め設定された時間の間に行われるように制御することができる。
【0091】
前記制御部は、前記リフレッシュ段階において、前記ドラムのタンブリング駆動区間とスピン駆動区間とが交互に行われるように制御することが好ましい。
【0092】
前記制御部は、前記タンブリング駆動区間とスピン駆動区間とからなるドラム駆動サイクルが、複数回繰り返されるように制御することができる。
【0093】
前記リフレッシュ段階において、前記タンブリング駆動区間に必要とされる時間は、前記スピン駆動区間に必要とされる時間よりも10倍以上大きいことが好ましい。
【0094】
前記制御部は、前記リフレッシュ段階の終了後、前記第2給水弁を通じて、前記タブの内部に、予め設定された再給水水位まで洗濯水が給水されるように制御することが好ましい。
【0095】
前記再給水水位は、スチーム段階のためのスチーム水位よりは高く、前記ドラムの底面よりは低い水位であることが好ましい。
【0096】
前記制御部は、前記スチーム段階において、前記ドラムがタンブリング駆動するように制御することが好ましい。
【0097】
上記の実施例に対する具体的な特徴は互いに矛盾したり、排他的でない限り、他の実施例に複合的に具現可能である。
【発明の効果】
【0098】
本発明の実施例を通じて、シワ除去効果及び臭い除去効果を著しく増進させることができる洗濯装置及びその制御方法を提供することができる。
【0099】
本発明の実施例を通じて、安全で且つ信頼性が増進した洗濯装置及びその制御方法を提供することができる。
【0100】
本発明の実施例を通じて、リフレッシュの終了後、別途の乾燥過程を省略し、リフレッシュされた衣類を直ちに着用できる程度にリフレッシュ性能が具現される洗濯装置及びその制御方法を提供することができる。
【0101】
本発明の実施例を通じて、洗濯ヒータを用いて効果的なスチームの発生及び供給が可能な洗濯装置及びその制御方法を提供することができる。
【0102】
本発明の実施例を通じて、スチームを用いた洗濯効果の増進だけでなく、スチームを用いたリフレッシュが可能な洗濯装置及びその制御方法を提供することができる。
【0103】
本発明の実施例を通じて、洗濯水の給水を通じた強制冷却をより効果的に行うことができる洗濯装置及びその制御方法を提供することができる。
【0104】
本発明の実施例を通じて、選択されるコースに応じて洗濯水の供給位置を異なるように制御して、選択されるコースに応じて最適の位置で洗濯水を供給できる洗濯装置及びその制御方法を提供することができる。
【0105】
本発明の実施例を通じて、洗濯ヒータを用いて、スチーム段階とは別途の洗濯水ヒーティング段階を行うことができる洗濯装置及びその制御方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0107】
以下では、添付の図面を参照して、本発明の実施例に係る洗濯装置及びその制御方法について詳細に説明する。
【0108】
まず、
図3乃至
図4を参照して、本発明の実施例に適用できる洗濯装置の一例について詳細に説明する。ここで、洗濯装置は水平軸洗濯装置の場合を示す。しかし、本実施例に係る洗濯機及びその制御方法は、必ず水平軸洗濯機に限定されるものではない。
【0109】
図3乃至
図4に示されたように、本実施例に係る洗濯装置の基本的な構成は、従来の一般的な洗濯装置と同様であってもよい。基本的に、キャビネット100、タブ200、ドラム300、ドア400、ガスケット500、洗濯ヒータ600、駆動装置710,720のような構成は、従来の一般的な洗濯装置と同様であってもよい。
【0110】
さらに、本実施例に係る洗濯装置のダンパー210などのようなサスペンション構造も従来の洗濯装置と同様であってもよい。
【0111】
しかし、本実施例に係る洗濯装置は、第1洗濯水流路150と第2洗濯水流路160を含むことができる。第1洗濯水流路150と第2洗濯水流路160は別個に備えることができる。
【0112】
第1洗濯水流路150と第2洗濯水流路160は全て外部の給水源から洗濯水が供給されるように備えることができる。洗濯装置は、外部の給水源と連結された外部ホースを通じて洗濯水が供給され得る。したがって、外部から供給される洗濯水が、洗濯装置の内部で互いに異なる流路を通じて目標とする位置まで到達することができる。
【0113】
具体的に、第1洗濯水流路150と第2洗濯水流路160はタブ200と連通することができる。したがって、結果的に、どの流路を通じて洗濯水が供給されても、洗濯水はタブ200の下部から貯水され得る。しかし、このような供給経路の差によって、次のような差が生じうる。
【0114】
第1洗濯水流路150は、外部の給水源から、洗剤ボックス153を経てドラム300に洗濯水を供給するように設けることができる。そのために、第1洗濯水流路150は第1給水弁151を含むことができる。そして、第1給水弁151と洗剤ボックス153を連通させる第1給水ホース152を含むことができる。
【0115】
第1給水弁151は、選択的に開閉されるように備えられる。したがって、第1給水弁151が開放されると、第1洗濯水流路150が開放されるといえる。したがって、第1給水弁151が開放されると、第1洗濯水流路150を通じて洗濯水を供給することができる。
【0116】
また、第1洗濯水流路150は、洗剤ボックス153とドラム300の内部とを連通させる第1供給ホース154を含むことができる。第1供給ホース154は、ガスケット500を貫通するように備えることができる。したがって、第1供給ホース154を通じて洗濯水を直接ドラムの内部に供給することができる。また、第1供給ホース154はドア400の上部に位置するので、洗濯水はドラムの下面に収容される洗濯布の上部に落下するようになる。これを通じて、第1供給ホース154を通じて供給される洗濯水は洗濯布の少なくとも一部分を濡らすことになる。
【0117】
そして、ドラムの内部に供給された洗濯水は、
図4に示されたドラムの通孔310を通じてタブの下部に流入することができる。
【0118】
結局、第1洗濯水流路150は、外部の給水源から、洗剤ボックス153を経てドラムに、より具体的には、ドラムの上部に、洗濯水を供給する流路といえる。勿論、第1洗濯水流路150は、ドラムの内部からドラムの通孔310を通じて、タブ200の下部に洗濯水を供給する流路を含むことができる。
【0119】
このような第1洗濯水流路150を通じて、給水初期から洗濯布が濡らされる。したがって、速い布濡らしを通じて洗濯時間の短縮及び洗濯効果の増進を期待することができる。
【0120】
本実施例では、このような第1洗濯水流路150とは別個に第2洗濯水流路160を含むことが好ましい。すなわち、互いに異なる経路を有し洗濯水を供給する並列的な洗濯水流路が備えられることが好ましい。
【0121】
具体的に、第2洗濯水流路160は、外部の給水源から、ドラム300の内部を経ることなく、タブ200の内部に直接洗濯水を供給するように備えられることが好ましい。
【0122】
第2洗濯水流路160は、第2給水弁161を含んでなる。第2給水弁161は、選択的に開放されるように備えることができる。したがって、第2給水弁161を開放し、第2洗濯水流路160を開放して洗濯水を供給することができる。
【0123】
第2給水弁161は、第1給水弁151とは別個に備えることが好ましい。したがって、両者の制御は、互いに独立に行うことが可能となる。これは、両者の同時開放、そしていずれか一つのみを選択して開放することが可能であることを意味する。すなわち、第1洗濯水流路150と第2洗濯水流路160の択一的な開放が可能となる。
【0124】
第2洗濯水流路160は、第2供給ホース162を含んでなる。第2供給ホース162は第2給水弁161と連結されることで、第2給水弁161が開放されると、洗濯水をタブ200に供給するようになる。
【0125】
ここで、第2供給ホース162がタブ200と連通する位置は、第1供給ホース154がタブ300またはドラム200と連通する位置と異なることが好ましい。言い換えると、洗濯水を供給する位置が異なるように設けることが好ましい。
【0126】
具体的に、第2供給ホース162は、ドラム300の内部に洗濯水が流入しないように、タブ200と連通することが好ましい。言い換えると、供給される洗濯水がドラムの内部に収容される洗濯布に当たらないようにすることが好ましい。
【0127】
より具体的には、第2供給ホース162は後方給水口163と連通することが好ましい。したがって、第2洗濯水流路160は、後方給水口163を通じてタブ200の内部に洗濯水を供給することができる。
【0128】
図3に示されたように、後方給水口163は、タブ200の後方に位置することができる。具体的には、タブ200の後方上側に備えることができる。このような後方給水口163は、ドラムの最後方よりもさらに後方に位置することが好ましい。
【0129】
したがって、後方給水口163を通じて給水される洗濯水は、ドラム300の外部からタブ200の内側に流入する。流入する洗濯水は、タブ200の下側に貯水され得る。このような後方給水口163の位置によって、第2洗濯水流路160を通じて供給される洗濯水は、洗濯布を濡らすことなくタブの内部に供給され得る。
【0130】
一方、後方給水口163の位置及び形状は、タブ200の後面に対応するように形成することが好ましい。言い換えると、後方給水口163を通じて供給される洗濯水は、タブ200の後面に向かうようにすることが好ましい。そのために、後方給水口163は、タブ200の後面のすぐ上側に備えることができる。
【0131】
また、後方給水口163を傾斜するように形成してもよい。すなわち、後方に傾斜するように形成することも可能である。したがって、後方給水口163を通じて供給される洗濯水は、タブ200の後面に沿ってタブ200の下部に供給することができる。
【0132】
したがって、
図3に示された後方給水口163は、図示とは異なり、より一層タブの後方に位置してもよい。また、図示とは異なり、より一層傾斜するように形成してもよい。
【0133】
後方給水口163の位置及び洗濯水の供給方向は、前述したもの以外にも、様々な目的と効果を有するように意図されてもよい。これについての詳細な事項は後述する。
【0134】
図5は、本実施例に係る洗濯装置のブロック図である。
【0135】
洗濯装置の作動は、制御部805を通じて制御される。制御部805は、一般的にコントロールパネル800(
図6参照)の内部に備えることができる。コントロールパネルは、一般に、洗濯装置の上部に備えられ、使用者の操作及び状態の表示のために備えることができる。
【0136】
制御部805は、コントロールパネル800に備えられるコース選択部810などのような各種UIを通じて入力される信号に基づいて、洗濯装置の作動を制御することができる。すなわち、コース選択部810を通じて選択されるコース及びオプション選択部(図示せず)を通じて選択されるオプションに応じて、洗濯装置が作動するようになる。
【0137】
選択されたコース及びオプションに関する情報、時間情報、そして現在状態情報などは、制御部805の制御を通じてディスプレイ(図示せず)に表示することができる。
【0138】
制御部805は、第1給水弁151と第2給水弁161の駆動を制御することができる。給水弁151,161の制御を通じて、供給される洗濯水の量を制御することができる。また、制御部805は、これら給水弁の制御を通じて、洗濯水が給水される位置が変わるように制御することができる。
【0139】
制御部805は、洗濯ヒータ600の駆動を制御することができる。したがって、洗濯ヒータ600の過熱を防止することができ、洗濯水が所望の温度まで到達するように洗濯ヒータ600を駆動させることができる。
【0140】
制御部805は、モータ710の駆動を制御することができる。したがって、モータ710の制御を通じて、モータの駆動時点とモータの駆動パターン(例えば、ドラムのタンブリング駆動、ドラムのスピン駆動、ドラムの脱水駆動など)を適切に行うことができる。
【0141】
タンブリング駆動は、ドラムの回転によりドラム内部の洗濯布が落下するドラム駆動のことを意味する。スピン駆動は、ドラムの高速回転によりドラム内部の洗濯布がドラムの内面に密着してドラムと共に回転するドラム駆動のことを意味する。したがって、スピン駆動でのドラムの回転速度は、タンブリング駆動でのドラムの回転速度よりは大きくなければならない。
【0142】
脱水駆動は、スピン駆動と類似するが、スピン駆動でのドラム回転速度よりは大きいことが好ましい。脱水駆動は、遠心力を通じて水分を除去するための駆動であるからである。
【0143】
制御部805は、排水ポンプ620の駆動を制御することができる。したがって、排水が必要な時点に排水を行うことができる。
【0144】
制御部805は、水位センサ630及び温度センサ610に常に信号接続されている。したがって、センサ630,610を通じて特定時点で所望の水位情報及び温度情報を受けることができる。
【0145】
制御部805は、水位センサ630から供給される水位情報に基づいて、給水弁151,161の駆動を制御することができる。したがって、目標とする水位まで洗濯水を供給することが可能となる。
【0146】
制御部805は、温度センサ610から供給される温度情報に基づいて、洗濯ヒータ600の駆動を制御することができる。したがって、供給された洗濯水の温度を目標とする温度まで加熱することが可能となる。
【0147】
図5は、本実施例に係る洗濯装置のコントロールパネル800に対する一例を示している。
【0148】
洗濯装置は、様々な洗濯布を洗濯するために、複数個の洗濯コースを選択して行うことができる。また、洗濯のみならず、機能性を提供するために複数個の洗濯コースを選択して行うことができる。したがって、使用者が複数個の洗濯コースのうち、所望の洗濯コースを容易に選択するようにすることが好ましい。
【0149】
本実施例に係る洗濯装置は、洗濯水を加熱する洗濯ヒータ600を含むことができる。さらに、洗濯ヒータ600を通じてスチームを発生させ、スチームをドラム300の内部に供給することができる。具体的には、タブ200の下部で発生するスチームを、ドラム300の通孔310を通じてドラム300の内部に供給することができる。
【0150】
洗濯ヒータ600を通じたスチームの発生は、付加的なエネルギーの消耗を意味する。したがって、使用者が、スチームの使用有無を明確に把握できるようにすることが好ましい。そのために、本実施例では、スチームと関連して様々なコースを提供することができる。
【0151】
コース選択部810は、複数個のコースのうち、特定コースを選択するために設けることができる。
【0152】
複数個のコースは、ヒーティング可能コース820を含むことができる。すなわち、洗濯ヒータ600を駆動できるコースを含むことができる。使用者がヒーティング可能コース600のうちいずれか一つのコースを選択すると、選択されたコースが行われ得る。この場合、制御部805は、プログラミングされたところによって、洗濯装置がコースを行うように制御することができる。
【0153】
例えば、ヒーティング可能コース820は、一般(normal)コースを含むことができる。使用者が一般コースのみを選択する場合、プログラミングされたところによって、洗い、すすぎ、そして脱水を有する一般コースが行われる。
【0154】
しかし、使用者は、ヒーティング可能コース820の選択と共に、洗濯ヒータ600の使用をさらに選択することができる。すなわち、コースのオプションで洗濯ヒータ600の駆動を選択することができる。
【0155】
このようなヒーティング可能コース820は、洗濯水の温度を上げるために洗濯ヒータ600の駆動が自動的に行われたり、選択的に行われてもよい。すなわち、洗濯効率を高めるために、洗濯水の温度を上げることができる。
【0156】
一般に、このようなヒーティング可能コース820は、洗濯水温度オプションと並行することができる。一般コースを例に挙げて説明する。
【0157】
一般コースは、洗濯水の温度が摂氏40度に自動的に設定されたコースであってもよい。この場合、冷水が外部給水源から供給されると、自動的に洗濯水を摂氏40度までヒーティングする段階を行うことができる。反面、オプション選択で、洗濯水の温度を摂氏60度に選択すると、洗濯水を摂氏60度までヒーティングする段階を行うことができる。勿論、オプション選択で、洗濯水の温度を冷水(cold waterまたはtap water)で選択してもよい。この場合には、洗濯水ヒーティング過程を省略することができる。
【0158】
したがって、ヒーティング可能コース820は、洗濯効果を高めるために、洗濯水の温度を可変できるコースといえる。勿論、使用者が洗濯ヒータ600の駆動を選択できるコースといえる。
【0159】
複数個のコースは、ヒーティング排除コース840を含むことができる。すなわち、洗濯ヒータ600の駆動が排除されたり、または制限されるコースを含むことができる。ヒーティング排除コース840は、洗濯ヒータ600の駆動が排除されたコースといえる。すなわち、コース自体でヒーティング段階が含まれないようにプログラミングされてもよい。
【0160】
このようなヒーティング排除コース840は、熱損傷の虞がある機能性衣類やウール衣類などのための洗濯コースや、迅速な洗濯のための快速コースなどを含むことができる。したがって、場合によって、洗濯ヒータ600が摂氏30度〜40度までは洗濯水を加熱するように自動的に設定されてもよい。さらに、洗濯水の温度が、少なくても摂氏30度〜40度までは選択できるように設定されてもよい。勿論、洗濯ヒータ600の駆動が完全に排除されてもよい。
【0161】
複数個のコースは、スチームコース830を含むことができる。すなわち、スチームが自動的に用いられるコースを含むことができる。すなわち、コース自体でスチーム段階が含まれるようにプログラミングされてもよい。
図6には、アレルギーコース831及びリフレッシュコース832がスチームコース830の一例として示されている。
【0162】
使用者は、具体的に、ロータリーノブ815を回転させながら、所望の特定コースを選択することができる。特定コースが選択されると、洗濯装置がコースを自動的に行って終了する。ロータリーノブ815には点灯部816を設けることができ、点灯部816は、それぞれのコースと対応することができる。したがって、使用者は、ロータリーノブ815の回転によって順次点灯する点灯部816を通じて、どのコースを選択しているのか容易に把握することができる。
【0163】
そして、複数個のコースは、印刷された色によって直観的に区分することができる。例えば、スチームコース830は赤色で印刷して、高温のスチームを用いるコースであることを使用者が直観的に把握できるようにすることができる。
【0164】
ここで、本実施例に係る洗濯装置は、複数個の洗濯コースを、洗濯ヒータ600が駆動されるか否かによって区分できることがわかる。
【0165】
まず、洗濯ヒータ600の駆動が完全に排除されるヒーティング排除コースを備えることができる。また、洗濯ヒータ600の駆動が選択可能な、または自動的に含まれるコースを備えることができる。
【0166】
洗濯ヒータ600の駆動は、単純に洗濯ヒータ600を駆動して洗濯水の温度を上げることができるヒーティング可能コースと、スチームコースとに分けることができる。ヒーティング可能コースとスチームコースとの差について説明する。
【0167】
ヒーティング可能コースでのヒーティング段階は、スチームコースでのスチーム段階と同様であってもよい。すなわち、ヒーティング段階とスチーム段階の両方において、同一の洗濯ヒータ600を駆動することができる。しかし、ヒーティング段階とスチーム段階は、洗濯ヒータ600が駆動される時の水位において根本的な差があり得る。
【0168】
図4に示されたように、タブ200、ドラム300、及び洗濯ヒータ600の関係から、様々な水位を決定することができる。
【0169】
まず、水位が高くなるにつれて、洗濯ヒータ600が完全に浸かるA水位、ドラムの底面までのB水位、及びドラムの内部まで洗濯水が貯水されるC水位があってもよい。
【0170】
水平軸洗濯機は、ドラムの駆動を通じて洗濯が行われる。それにも関わらず、洗濯布を洗濯水に濡らした状態でドラムが駆動されることが好ましい。したがって、洗い、すなわち、水を用いた洗濯では、ドラムの内部にまで洗濯水が貯水されることが好ましい。したがって、洗いのための水位は、少なくともC水位以上であることが好ましい。
【0171】
一方、洗濯を行うための洗濯布の量(布量)が多いほど、多い量の洗濯水が供給されることが好ましい。したがって、布量が増加するにつれて、供給される洗濯水の量が増加するようになる。これは、布量が増加するにつれて、洗濯水の水位はC水位よりも次第に高くなるということを意味する。
【0172】
基本的に、洗濯装置で洗濯を行うためには、布量決定段階が行われる。すなわち、コースが選択されて、コースが開始されると、布量を決定する段階が行われる。このとき、決定された布量によって、水洗い(本洗い)のための洗濯水の水位が決定される。したがって、決定された洗濯水位まで給水が行われ、給水完了後に、必要によって洗濯ヒータ600を駆動して洗濯水の水温を上昇させる。給水完了後またはヒーティング完了後に、ドラムが駆動されながら本洗いが行われることが一般的である。
【0173】
したがって、ヒーティング段階は、ドラムの内部まで洗濯水位が形成された後に、洗濯ヒータが駆動される段階といえる。したがって、洗濯布の少なくとも一部は加熱される洗濯水に浸かるようになる。
【0174】
しかし、本実施例において、スチーム段階は、ヒーティング段階と明確に区分されることが好ましい。
【0175】
具体的に、スチーム段階での洗濯水の水位は、ヒーティング段階での水位よりも低いことが好ましい。
【0176】
図4に示されたように、スチーム段階での洗濯水の水位は、少なくともB水位よりは低く、A水位よりは高いことが好ましい。言い換えると、加熱される洗濯水とドラムの内部に収容される洗濯布とが互いに接触しないように、洗濯水の水位が設定されることが好ましい。また、洗濯ヒータ600が空気中に露出しないように洗濯水の水位が設定されることが好ましい。
【0177】
また、スチーム段階での洗濯水の水位は、水洗いを行う本洗いの水位よりは常に低く設定されることが好ましい。すなわち、コースと布量に関係なく、スチーム段階での洗濯水の水位は、A水位とB水位との間で決定することができ、本洗いの水位は、常にB水位よりは高く設定されることが好ましい。
【0178】
このようなヒーティング段階とスチーム段階との差によって、前述した複数個のコースは、次のように区分することができる。
【0179】
まず、スチーム段階が行われるコースまたは洗いコースをスチームコースといえる。そして、スチーム段階が排除されるコースまたは洗いコースをスチーム排除コースといえる。したがって、スチーム排除コースは、ヒーティング段階を含むことはできるが、スチーム段階が行われないコースといえる。
【0180】
スチームコースは、スチーム洗いコースとリフレッシュコースを含むことができる。スチーム洗いコースの一例が
図6に示されたアレルギーケアコース831であり、また他の一例がリフレッシュコース832であってもよい。
【0181】
スチーム洗いコースは、スチーム段階、及び洗濯水を通じた水洗いが行われる本洗い段階を含むコースであってもよい。すなわち、コースの実行中にスチーム段階及び本洗い段階が行われるコースであってもよい。
【0182】
ここで、スチーム段階ではスチーム水位で洗濯ヒータ600を駆動し、本洗い段階のためには本洗い水位で洗濯ヒータ600を駆動することができる。すなわち、本洗い段階のためにはヒーティング段階を行うことができる。勿論、スチーム段階とヒーティング段階との差は、前述したように洗濯水の水位と関連することができる。
【0183】
スチームコースは、スチーム段階を含み、本洗い段階が排除されるコースであってもよい。すなわち、コースの実行中に本洗い水位での本洗いが行われないコースであってもよい。具体的には、スチームを通じて洗濯布や洗濯物をリフレッシュするリフレッシュコースを含むことができる。
【0184】
以下では、
図7及び
図8を参照して、リフレッシュコースについて詳細に説明する。リフレッシュコースを通じてスチーム段階について詳細に説明することができる。
【0185】
図6に示されたように、コース選択部810を通じて複数個のコースのいずれか一つが選択され得る。コース選択部810を通じて、リフレッシュコース832が選択されると、リフレッシュコースを行うことができる。
【0186】
リフレッシュコースを行うために、一定時間t
0の間に、タブ200の内部の洗濯水を排水することができる(S1)。そして、スチーム段階を行うために、洗濯水を一定時間t
1の間に給水することができる。これを、スチーム給水段階(S2)といえる。
【0187】
前述したように、スチーム給水段階(S2)での給水は、スチーム水位まで行われる。したがって、水位センサ630がスチーム水位をセンシングするまで、スチーム給水段階(S2)を行うことができる。したがって、スチーム給水段階(S2)での一定時間t
1は、許容される期間を示すことができる。すなわち、最大に許容される給水期間といえる。これは、水圧の変動を勘案して決定することができ、一定時間t
1は、約2分程度に設定することができる。これは、最大2分まで給水を行うことができるということを意味する。ほとんどの場合、2分が経過する前に水位センサ630がスチーム水位をセンシングするので、給水は2分が経過する前に終了することができる。
【0188】
ここで、スチーム給水段階(S2)での給水は、一般的な洗濯コースでの給水とは異なるように行われることが好ましい。すなわち、リフレッシュコースでのスチーム段階を行うための給水は、スチーム排除コースでの給水とは異なるように行われることが好ましい。
【0189】
具体的に、制御部805は、リフレッシュコース832が選択されると、第2給水弁161が開放されるように制御して、第2洗濯水流路160を通じて洗濯水がタブ内に流入するように制御することが好ましい。言い換えると、給水される洗濯水がドラムの内部の洗濯布に当たらないように制御することが好ましい。
【0190】
リフレッシュコースは、水洗いを行わずに、乾いた洗濯布をリフレッシュするためのコースといえる。例えば、一度着用したシャツなどのような洗濯布を、水洗いせずにリフレッシュするためのコースといえる。したがって、洗濯布において、水洗いなしにシワや臭いを相対的に簡単で速い時間内にリフレッシュするコースといえる。
【0191】
このような理由で、リフレッシュコースを行うためには、洗濯布が洗濯水に濡れないようにすることが非常に好ましい。一旦洗濯布が洗濯水に濡れると、別途の時間の間に乾燥を行わなければならないからである。すなわち、洗濯布の着用を可能にするためには、乾燥機を通じた乾燥や自然乾燥が必ず先行しなければならない。
【0192】
前述したように、リフレッシュコースは、コースの終了後、リフレッシュされたシャツなどを直ちに着用できるように提供することが好ましい。したがって、第2洗濯水流路160を通じた給水が非常に好ましいといえる。
【0193】
一方、第2洗濯水流路160は、洗剤ボックス153とは関係のない流路といえる。したがって、第2洗濯水流路160を通じて常に水道の水のようなきれいな水を供給することができる。反面、第1洗濯水流路150は洗剤ボックス153を含む。そのため、第1洗濯水流路150上には洗剤カスなどが残っていることがある。このような洗剤カスが水洗いでは大きな問題を起こさない。相対的に多い量の洗濯水を通じた水洗いが行われるからである。
【0194】
しかし、第2洗濯水流路160は、このような洗剤カスなどとは関係がない。したがって、洗剤カスなどがタブの内部に流入しない。
【0195】
理論的には、第2洗濯水流路160を通じて流入する全ての洗濯水と洗濯布との接触が完全に遮断されるのは難しい。なぜなら、供給される洗濯水がタブ200とぶつかって小さな水滴がドラムの内部に流入する可能性も排除できないからである。
【0196】
この場合、水洗いのないリフレッシュコースで洗剤カスが洗濯布に流入することは非常に好ましくない。コースの終了後に洗濯布に洗剤カスが残留することがあるからである。
【0197】
そのため、前述したように、リフレッシュコースでの洗濯水の給水は、第2洗濯水流路160を通じて行われることが好ましい。これを通じて、純粋に水のみをタブの内部に供給することができる。したがって、もしかして洗剤カスなどのような汚染物が洗濯布に伝達されることを未然に防止できるようになる。
【0198】
スチーム給水(S2)が完了すると、スチーム段階(S3)が行われることが好ましい。
【0199】
スチーム段階(S3)は、スチーム水位で洗濯ヒータ600を駆動してスチームを発生させる段階といえる。さらに、スチームの発生と、スチームをドラム300の内部の洗濯布に伝達する過程を同時に行うことができる段階といえる。
【0200】
スチーム段階(S3)において、洗濯ヒータ600の駆動は断続的であってもよい。しかし、水温上昇だけでなく気化のためには多くのエネルギーの消耗が発生し得る。したがって、スチーム段階(S3)で洗濯ヒータ600は連続的に駆動されることが好ましい。これを通じて、スチーム段階(S3)では持続的にスチームが発生することができる。
【0201】
ここで、スチーム段階(S3)に必要とされる時間は可変可能である。スチーム発生のための洗濯水の量(水位と関連)、洗濯ヒータ600の容量及び設定温度によって、スチーム段階(S3)に必要とされる時間が変わることがあるからである。
【0202】
さらに、スチーム段階(S3)において洗濯ヒータ600の過熱を防止しなければならない。これは、洗濯ヒータ600が空気中に露出された状態で駆動されることを防止する必要があることを意味する。
【0203】
したがって、本実施例によれば、スチーム段階(S3)での洗濯ヒータ600の駆動時間は、可変されるように制御することが好ましい。すなわち、洗濯ヒータ600の駆動時点から、駆動が連続的に行われて停止するまでの時間区間は、可変されるように制御することが好ましい。さらに、時間区間の最大許容値は予め設定されることが好ましい。言い換えると、時間区間は可変できるが、最大に許容可能な値は予め設定されることが好ましい。このような、最大許容値は、洗濯ヒータ600の容量及びスチーム水位での洗濯水の量を考慮して決定することができる。
【0204】
まず、スチーム段階(S3)は、洗濯ヒータ600の制御の観点から見ると、温度制御区間と時間制御区間を含むことができる。このような温度制御区間に必要とされる時間t
2と時間制御区間に必要とされる時間t
3との和が、スチーム段階に必要とされる時間t
4といえる。
【0205】
ここで、時間制御区間は、設定された時間の間に、ヒータが駆動を維持する時間t
3といえる。そして、時間t
3は、予め設定された時間であってもよい。
【0206】
しかし、時間制御区間の所要時間t
3は、最大に許容する時間として予め設定されてもよい。すなわち、温度制御区間に必要とされる時間t
2に応じて可変できる上、最大許容される時間として予め設定されてもよい。したがって、スチーム段階に必要とされる可変時間t
4は、実質的にt
2とt
3によって可変されるといえる。
【0207】
具体的に、温度制御区間は、予め設定された温度T
1まで、洗濯ヒータ600が連続的に駆動される区間といえる。したがって、目標温度は固定値といえるが、目標に到達するまでの時間は可変されざるを得ない。洗濯水の量の偏差、ヒータに印加される電圧の偏差、初期洗濯水の温度偏差、そして洗濯布の偏差などの要因があり得るからである。
【0208】
また、予め設定された温度T
1は、水の沸騰点が摂氏100度未満に設定されることが好ましい。これは、温度制御区間の以降にも持続的に洗濯ヒータ600が駆動される時間制御区間が行われるからである。すなわち、洗濯水が過熱されることを防止する一方、スチーム発生時間を十分に保障するためである。
【0209】
図8に示されたように、スチーム段階(S3)で洗濯ヒータ600が駆動を開始すると、洗濯水の温度は次第に上昇する。洗濯水の温度は、沸騰点が摂氏100度に近接する時、温度の上昇勾配が可変する地点が存在する。
【0210】
洗濯装置の加熱環境での実験結果、摂氏95度程度で洗濯水の温度上昇勾配が緩やかになることを確認することができる。これは、加熱熱量の多くの部分が気化熱として用いられるので温度の上昇勾配が緩やかになることであると考えられる。
【0211】
したがって、本実施例では、温度制御区間の温度T
1を約摂氏95度に予め設定することができる。このような温度制御区間は、温度センサ610が予め設定された温度T
1をセンシングするまで行うことができる。このときに必要とされる時間、すなわち、T
1に至るまで必要とされる時間をt
2とすることができる。したがって、t
2は可変される時間といえる。
【0212】
予め設定された温度T
1は、洗濯ヒータ600に隣接して備えられる温度センサ610を通じてセンシングされることが好ましい。すなわち、発熱地点と非常に近接した位置での温度をセンシングするように温度センサ610が備えられることが好ましい。
図4では、洗濯ヒータ600の一側に備えられる温度センサ610の一例が示されている。
【0213】
したがって、温度センサ610は、洗濯ヒータ600の温度を直接センシングするものではなく、洗濯ヒータ600を通じて加熱される洗濯水の温度を非常に迅速にセンシングすることができる。
【0214】
一方、温度制御区間が終了すると、時間制御区間が行われる。勿論、洗濯ヒータ600は持続的に駆動される。言い換えると、温度制御区間が終了すると、予め設定された時間t
3の間に、ヒータの駆動が持続されるといえる。勿論、t
3は固定された値といえる。
【0215】
予め設定された時間t
3は、洗濯水または洗濯ヒータ600の過熱、洗濯水の量、及びスチーム発生時間を考慮して、適切に設定することができる。
【0216】
本発明の発明者は、実験を通じて、時間制御に必要とされる時間は約2分30秒に予め設定することが好ましいことがわかった。このような時間制御を行えば、洗濯水温度の最大上昇が摂氏103度未満に制御可能であることがわかった。
【0217】
勿論、これは、前述した温度制御区間での予め設定された温度T
1との関係によって変更可能である。T
1が小さくなるほどt
2は大きくなることが好ましいからである。
【0218】
結局、スチーム段階(S3)を、温度制御区間と、以降に連続的に行われる時間制御区間とで行うことによって、過熱防止及び十分なスチーム発生時間を保障することができる。
【0219】
前述したスチーム段階での温度制御区間と時間制御区間を一例として説明すると、次の通りである。
【0220】
温度制御区間は7分間持続することができる。ここで、7分は可変される時間といえる。その後、固定された時間である2分30秒間、時間制御区間が持続することができる。したがって、スチーム段階は、9分30秒間行われるといえる。
【0221】
一方、温度制御区間は8分間持続することができる。その後、時間制御区間が持続することができる。しかし、この場合には、固定された時間である2分30秒ではなく、2分間、時間制御区間が持続することができる。したがって、時間制御に必要とされる時間は、温度制御区間に必要とされる時間に応じて可変制御されるといえる。そして、許容する最大値は、固定であることが好ましい。一例として、2分30秒が、許容する最大値であってもよい。
【0222】
すなわち、時間制御区間の所要時間の最大許容値が定められることによって、スチーム段階での最大許容値を定めることができる。一例として、スチーム段階での最大許容値は10分であってもよい。前述したように、温度制御区間が7分間行われれば、結局、スチーム段階は9分30秒間行われるといえる。
【0223】
したがって、温度制御と時間制御を順次行うので、洗濯ヒータや洗濯水の過熱を防止することができる。また、スチーム発生時間を十分に保障することができる。さらに、時間制御区間に対して最大許容値が予め設定されるので、全体的にスチーム段階に必要とされる最大許容値も予め設定される。したがって、スチーム段階に必要とされる時間がさらに増加しない。
【0224】
例えば、時間制御が行われない場合、特定環境では、スチーム段階に必要とされる時間が過度に長くなる虞がある。例えば、過多な洗濯水の量、非常に低い洗濯水の初期温度、低い外部電圧、非常に寒い外部環境、そして過多な布量という極端な環境を仮定することができる。この場合には、スチーム段階で必要とされる時間が10分以上になることがある。
【0225】
前述したように、リフレッシュコースは、短い時間の間に洗濯布をリフレッシュするコースといえる。したがって、リフレッシュコース全体に必要とされる時間は、予め設定されることが好ましい。そのため、極端な環境でも、予め設定された時間よりも長い時間の間に、リフレッシュコースが行われることは好ましくない。
【0226】
このような理由で、スチーム段階で必要とされる時間の最大許容値は、予め設定されることが好ましい。そして、このような最大許容値内で、温度制御区間に必要とされる時間を考慮して、時間制御区間に必要とされる時間を可変することが好ましい。勿論、時間制御区間に必要とされる時間の最大許容値も予め設定されることが好ましい。
【0227】
したがって、場合によっては、時間制御区間を省略することができ、最大許容値よりも非常に短い時間の間のみ、時間制御区間が行われてもよい。勿論、最大許容値の間に、時間制御区間が行われてもよい。
【0228】
スチーム段階(S3)では、ドラム300がタンブリング駆動されるように制御することが好ましい。すなわち、撹拌段階が行われることが好ましい。
【0229】
このようなタンブリング駆動は、発生されるスチームが効果的に洗濯布に伝達されるようにするためである。そして、タンブリング駆動は、ドラム300の内部だけでなく、タブ200の内部の環境を全体的にスチーム環境に作るためのものである。したがって、タンブリング駆動を通じて、タブ内部やドラム内部の一部区域にのみスチームが集中せずに均一に拡散し得る。同様に、タンブリング駆動を通じて、洗濯布の特定部位ではなく、全体的にスチームを供給できるようになる。
【0230】
このようなスチーム段階(S3)を通じて、洗濯布は高温多湿な環境に露出される。高温多湿な環境を通じて、臭い分子を除去することができる。また、高温多湿な環境を通じて、洗濯布のシワを除去することができる。勿論、スチーム段階では、液体状態の水ではなく、スチーム状態の水が洗濯布に供給されるので、同一の量でも、非常に広範囲な領域まで水分を供給できるようになる。
【0231】
スチーム段階(S3)が終了すると、リフレッシュ段階(S4)が行われることが好ましい。すなわち、スチーム段階(S3)とリフレッシュ段階(S4)が順次行われることが好ましい。制御部805は、予め設定されたプログラムに応じて、スチーム段階(S3)とリフレッシュ段階(S4)が順次行われるように制御することができる。
【0232】
リフレッシュ段階(S4)は、スチームを通じた含湿量をさらに高めるための段階といえる。さらに、スチーム環境で洗濯布に均一にスチームを供給するための段階といえる。
【0233】
また、リフレッシュ段階(S4)は、ドラム300やタブ200の内部の温度を次第に下降させる段階といえる。したがって、リフレッシュ段階(S4)でも同様に、ドラムが駆動されることが好ましい。
【0234】
一般に、タンブリング駆動は、ドラムの底面から洗濯布がドラムに沿って上昇した後、落下するようにするドラム駆動を意味する。したがって、一定の部分、洗濯布が畳まれるようになる。勿論、タンブリング駆動を通じて洗濯布が流動して、外部に露出される面が変更され得る。
【0235】
しかし、スチーム段階(S3)でのスチームは、高圧で洗濯布に直接噴射される形態ではない。言い換えると、スチーム環境で、洗濯布がスチームを吸収する形態といえる。したがって、洗濯布の表面積が均一に、また可能な限り外部のスチーム環境に露出されるようにすることが好ましい。
【0236】
さらに、シワ除去のためには、洗濯布に一定の張力を加えることがより効果的である。言い換えると、シワ部分に水分を供給して両方から引っ張ると、より効果的にシワを除去することができる。
【0237】
したがって、より効果的に洗濯布に均一にスチームを供給し、より効果的に洗濯布のシワを除去するために、リフレッシュ段階(S4)でのドラム駆動は、スピン駆動を含むことが好ましい。
【0238】
スピン駆動は、タンブリング駆動に比べてドラム300の回転数が相対的に高い。すなわち、洗濯布が重力に勝てるようにドラム300を回転させる駆動を意味する。一般的には、80RMP程度の回転数を通じてこのようなスピン駆動を具現することができる。
【0239】
スピン駆動では、洗濯布がドラムの内壁に密着してドラムと一体に回転するようになる。したがって、ドラムの回転を通じて洗濯布に引張力を加えることができる。また、ドラムの通孔310を通じてタブにあるスチームと接することができる。そして、ドラム内部のスチームを流動させて、スチームがより円滑に洗濯布に供給されるようにすることができる。
【0240】
すなわち、スピン駆動を通じて洗濯布が拡がり得るので、スチームとの接触面積が増加することができる。また、洗濯布に引張力を加えることができるので、シワ除去の効果がより増加することができる。
【0241】
一方、本発明者は、リフレッシュ段階(S4)におけるスピン駆動は、タンブリング駆動と共に行われることがより好ましいということがわかった。これは、タンブリング駆動が洗濯布の撹拌を通じて、洗濯布を裏返したり、外部表面を変更させる駆動であるからだと判断される。すなわち、特定部分だけでなく、洗濯布の全体的な外面がスチーム環境に露出されるようにする駆動であるからだと判断される。
【0242】
このような理由で、リフレッシュ段階(S4)でタンブリング駆動のみを行う場合を考えることができる。しかし、前述したように、スピン駆動によって、含水率の増加及びシワ除去の効果が上昇することができる。言い換えると、タンブリング駆動のみを行うことよりは、スピン駆動を追加することによって含水率の増加、すなわち、洗濯布が相対的に多い量の水分を吸収できるということがわかった。そして、シワ除去の効果も増進できることがわかった。
【0243】
したがって、リフレッシュ段階(S4)で、ドラムのタンブリング駆動区間とスピン駆動区間が交互に行われるようにすることが好ましい。すなわち、一定区間の間、タンブリング駆動が行われ、また一定区間の間、スピン駆動が行われることが好ましい。このようなタンブリング駆動区間とスピン駆動区間はそれぞれ複数回行うことができる。言い換えると、タンブリング駆動区間及びスピン駆動区間からなるドラム駆動サイクルは、複数回繰り返されることが好ましい。
【0244】
このようなドラム駆動の様々な制御を容易に具現するためには、ドラムを駆動する駆動装置は、
図4とは異なり、直結式駆動装置であることが好ましい。直結式駆動装置は、当業界で一般的な事項であるから、詳細な説明は省略する。
【0245】
具体的には、タンブリング駆動区間に必要とされる時間が、スピン駆動区間に必要とされる時間よりも大きいことが好ましい。一例として、リフレッシュ段階(S4)において、タンブリング駆動区間に必要とされる全体時間は、スピン駆動区間に必要とされる全体時間よりも約10倍以上長いことが好ましい。これは、スピン駆動時間が次第に長くなるにつれて、むしろシワが発生する虞があるからである。
【0246】
したがって、リフレッシュ段階(S4)は、タンブリング駆動から始まってタンブリング駆動で終了することが好ましい。さらに、スピン駆動は、相対的に非常に短い時間の間のみ、タンブリング駆動とタンブリング駆動との間に行われることが好ましい。
【0247】
前述したように、スピン駆動は、複数回行われることが好ましい。ここで、スピン駆動は、その時点によって性格が異なるといえる。まず、リフレッシュ段階(S4)の初期に行われるスピン駆動は、含湿率を高めるための駆動であるといえる。勿論、シワ除去のための駆動であるともいえる。初期にスピン駆動が行われる時には、高温多湿な環境であるからである。
【0248】
しかし、リフレッシュ段階(S4)の後半に行くほど、温度が下降し、湿度が低くならざるを得ない。これは、タブ200の内部が完全に外部と密閉された構造ではないからである。したがって、リフレッシュ段階(S4)の後半に行くほど、ドラムやタブの内部の水分が減少するようになる。これは、洗濯布の含湿率も減少するということを意味する。
【0249】
したがって、リフレッシュ段階(S4)の後半でのスピン駆動は、洗濯布の含水率をむしろ減少させるように行われるといえる。すなわち、ドラムやタブの内部の空気流動を通じて、洗濯布から水分を除去するためのスピン駆動といえる。
【0250】
したがって、リフレッシュコースの終了後には、後続する乾燥過程を実質的に省略することができる。言い換えると、シャツのような洗濯布は、リフレッシュコースの終了後に直ちに着用することもできる。したがって、リフレッシュコースを非常に効果的に使用することが可能となる。
【0251】
一方、リフレッシュコース832は、一般的な水洗いコースとは性格が非常に異なる。すなわち、乾いた洗濯布を液状の水に濡らしていない状態で迅速に洗濯布をリフレッシュするコースである。
【0252】
したがって、洗濯装置の信頼性や使用者の満足感を高めるために、リフレッシュ段階(S4)でのスピン駆動は非常に効果的であるといえる。すなわち、一般的な洗濯でのタンブリング駆動と共にスピン駆動を繰り返すことによって、使用者は、リフレッシュ段階(S4)が行われることを視覚的に且つ直観的に把握することができる。使用者は、ドアに備えられる透明な窓を通じて、ドラムの内部で流動する洗濯布を外部で見られるからである。
【0253】
リフレッシュ段階(S4)は、予め設定された時間t
5の間に行うことができる。前述したように、全体的なリフレッシュコースの所要時間は、予め設定されることが好ましい。使用者は、リフレッシュコースの終了後に直ちに洗濯布を着用しようとすることがあるからである。したがって、リフレッシュ段階(S4)に必要とされる時間も予め設定されることが好ましい。
【0254】
このような予め設定された時間t
5に基づいて、前述したタンブリング駆動区間の回数、スピン駆動区間の回数、各駆動区間の所要時間、タンブリング駆動区間とスピン駆動区間との間の所要時間の差などを決定することができる。
【0255】
リフレッシュ段階(S4)を通じて、ドラムの内部の温度または洗濯水の温度は次第に下降するはずである。したがって、リフレッシュ段階(S4)が終了すると、排水(S5)を経てリフレッシュコースを終了(S6)することができる。排水(S5)に必要とされる時間t
6も予め設定することができる。
【0256】
前述したように、リフレッシュコースは、リフレッシュ段階(S4)の終了後、追加的な給水なしに終了することができる。そして、リフレッシュ段階(S4)は、約15分乃至20分間行うことができる。
【0257】
したがって、リフレッシュコースの終了後、ドラム300の内部の温度や洗濯布の温度が高いことがある。そのため、リフレッシュコースの終了後、ドア400を開放すると、使用者が熱気によって不便さを感じることがある。このような理由で、タブ200やドラム300の内部の温度を低くする冷却過程が必要となり得る。勿論、温度を下げる冷却段階は、常に行わなければならないことではない。布量または洗濯水の最高温度によって、冷却段階を必要としない場合もあるからである。
【0258】
本実施例によれば、リフレッシュ段階(S4)の終了後、必要に応じて冷却段階を行うことができる。
【0259】
すなわち、リフレッシュ段階(S4)と排水段階(S5)との間に冷却過程を行うことができる。このような冷却過程は、冷水を用いて強制的に洗濯水の温度及び洗濯機の内部雰囲気温度を低くする過程といえる。
【0260】
具体的に、リフレッシュ段階(S4)が終了すると、温度センサ610を通じて洗濯水の温度をセンシングすることができる。温度センサ610は、洗濯ヒータ600に隣接して備えることができるので、タブ内の最高温度をセンシングすることができる。したがって、温度センサ610を通じてセンシングされる温度と予め設定された温度T
2とを比較する段階を行うことができる。
【0261】
このような予め設定された温度は、例えば、約摂氏60度であってもよい。
【0262】
センシングされた温度が予め設定された温度T
2よりも低い場合には、前述したように、別途の冷却過程を行わずに、排水段階(S5)を行うことができる。しかし、センシングされた温度が予め設定された温度T
2よりも高い場合には、冷却段階を行うことが好ましい。
【0263】
図9に示されたように、温度がセンシングされる区間は非常に短く行うことができ、このときの水位は変更されないはずである。実質的に、温度がセンシングされる区間での水位は、スチーム水位よりは低いはずである。すなわち、A水位よりは低い。
【0264】
仮に、センシングされた温度が予め設定された温度T
2よりも高い場合には、外部給水源を通じて冷水が給水されることが好ましい。すなわち、再給水が行われることが好ましい。
【0265】
この場合にもスチーム給水と同様に、第2洗濯水流路を通じて冷水が供給されることが好ましい。再給水もスチーム水位まで進行することができる。例えば、再給水水位もスチーム水位の一例であるA水位であってもよい。しかし、冷却をより迅速に行うために、追加給水水位はスチーム水位Aよりは高いことが好ましい。すなわち、ドラムの最下部または底面に近接するB水位まで追加給水することができる。
【0266】
すなわち、追加給水水位は、スチーム水位よりは高いことが好ましい。同様に、追加給水水位は本洗い水位よりは低いことが好ましい。したがって、追加給水水位まで給水が行われても、洗濯布が洗濯水に濡れないようになる。なぜなら、洗濯水が再び加熱されないからである。
【0267】
これに反して、スチーム水位では洗濯水が加熱されるので、加熱による気泡の発生を考慮して、スチーム水位がB水位よりは低く設定されることが好ましい。
【0268】
このようなスチーム水位と追加給水水位との差によって、より多い量の洗濯水が洗濯布を濡らさないように給水され得る。これを通じて、より迅速にドラムの内部の温度を下降させることができる。
【0269】
ここで、前述したように、後方給水口163の位置と給水方向が重要であることがわかる。追加給水は、単純にタブの下部に貯水される洗濯水の温度を下げるためではなく、タブの内部とドラムの内部の温度を迅速に低くするために行うことができる。したがって、追加給水される洗濯水が外部と熱交換面積をできる限り高めることが好ましい。
【0270】
後方給水口163は、給水される洗濯水がタブ200の後壁に沿って流れるように設けることができる。すなわち、給水される洗濯水がタブ200の多くの面積と熱交換するようになる。したがって、より迅速な冷却が可能となる。
【0271】
追加給水が完了すると、設定された時間の間、例えば、2分ないし3分間、タンブリング駆動を行うことができる。タンブリング駆動を通じて、タブとドラムの内部の空気の流動が発生して、迅速な冷却が可能となる。
【0272】
タンブリング駆動の終了後、排水が行われ、リフレッシュコースが終了することができる。
【0273】
以上では、スチームコースの一例として、リフレッシュコースについて詳細に説明した。
【0274】
以下では、スチーム洗いコースについて詳細に説明する。
【0275】
図6には、スチーム洗いコースの一例として、アレルギーケアコース831が示されている。アレルギーケアコース831は、水洗いと共にスチーム段階が行われるコースといえる。水洗いが行われる本洗いのための給水、すなわち、本洗い水位までの給水は、第1洗濯水流路150を通じて行われることが好ましい。言い換えると、コースの初期から洗濯水と洗剤で洗濯布を濡らすことにより、洗濯効果を増進させることができる。
【0276】
アレルギーケアコース831でのスチーム段階は、本洗いの前に行うことができる。したがって、スチーム水位までの給水、及びスチーム段階の終了後に追加給水を行うことができる。ここでの追加給水は、本洗い水位までの給水を意味することができる。
【0277】
アレルギーケアコース831でのスチーム段階を行うための給水は、リフレッシュコースと同様に、第2洗濯水流路160を通じて行うことができる。しかし、アレルギーケアコース831は、水洗いを含むので、第1洗濯水流路150を通じて洗濯水を給水することがより好ましい。
【0278】
すなわち、スチーム水位まで、洗濯水と洗剤を第1洗濯水流路150を通じて供給することが好ましい。したがって、初期から洗濯水と洗剤を洗濯布に供給することができる。その後、スチーム段階を行うことによって、スチームを洗濯布に供給することができる。
【0279】
アレルギーケアコース831では、少なくとも一部の洗濯布が洗濯水と洗剤に濡らされた後、スチーム段階が行われるといえる。したがって、スチーム段階を通じて、汚れと洗濯布の浮かし及び洗剤の浮かしがより活発に行われ得る。
【0280】
したがって、水洗いが行われるスチーム洗いコースでは、常に第1洗濯水流路150を通じて洗濯水が供給されることが好ましい。反面、水洗いが排除されるスチームコースでは、常に第2洗濯水流路160を通じて洗濯水が供給されることが好ましい。
【0281】
言い換えると、スチーム段階が行われるコースといっても、水洗いが行われるか否かによって洗濯水が給水される流路が変わるといえる。また、同一のスチーム段階を行うための洗濯水の給水といっても、選択されたコースに応じて、洗濯水が給水される流路が変わることが好ましい。
【0282】
具体的に、水を用いる本洗いのための給水は、選択されたコースと関係なく、第1洗濯水流路150を通じて行われることが好ましい。そして、スチーム段階を行うための給水は、常に第2洗濯水流路160を通じて行われてもよく、コースに応じて第1洗濯水流路を通じて行われてもよい。
【0283】
例えば、水洗い段階とスチーム段階が含まれるコースでは、スチーム段階を行うための給水は、第1洗濯水流路150を通じて行われることが好ましい。しかし、水洗いが排除され、スチーム段階のみが含まれるコースでは、スチーム段階を行うための給水は、第2洗濯水流路160を通じて行われることが好ましい。
【0284】
したがって、本実施例に係る洗濯装置の制御部805は、コース選択部810を通じて選択されたコースに応じて、第1洗濯水流路150と第2洗濯水流路160を択一的に開放するように制御するといえる。特定流路の選択は、それぞれの給水弁151,161を択一的に開放するように制御することによって行うことができる。
【0285】
具体的に、本洗い水位まで洗濯水を供給して水洗いを行う水洗いコース(スチーム洗いコース、ヒーティング可能コース、及びヒーティング排除コースを含む)は、常に第1洗濯水流路150を通じて洗濯水が給水されるように制御することができる。これを通じて、初期から洗濯布に洗濯水と洗剤を供給して迅速な布濡らし、及びこれを通じた洗濯効果の増進を期待することができる。ここで、本洗い水位は、選択されるコース及び洗濯布の量とは関係なく、常に前述したスチーム水位よりは高いことが好ましい。
【0286】
本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更せずに他の具体的な形態で実施できるということを理解できるはずである。したがって、以上記述した実施例は、すべての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解しなければならない。本発明の範囲は、上記詳細な説明よりは、後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、そしてその等価概念から導かれる全ての変更又は変形された形態が本発明の範囲に属するものと解さねばならない。