特許第6347957号(P6347957)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6347957表示装置、表示パネルドライバ、及び、表示パネルの駆動方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6347957
(24)【登録日】2018年6月8日
(45)【発行日】2018年6月27日
(54)【発明の名称】表示装置、表示パネルドライバ、及び、表示パネルの駆動方法
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/36 20060101AFI20180618BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20180618BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20180618BHJP
【FI】
   G09G3/36
   G09G3/20 623B
   G09G3/20 612U
   G09G3/20 632G
   G09G3/20 641Q
   G09G3/20 642B
   G02F1/133 575
【請求項の数】10
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2014-7156(P2014-7156)
(22)【出願日】2014年1月17日
(65)【公開番号】特開2015-135432(P2015-135432A)
(43)【公開日】2015年7月27日
【審査請求日】2017年1月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】308017571
【氏名又は名称】シナプティクス・ジャパン合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】100205350
【弁理士】
【氏名又は名称】狩野 芳正
(74)【代理人】
【識別番号】100102864
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 実
(74)【代理人】
【識別番号】100117617
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭策
(72)【発明者】
【氏名】能勢 崇
(72)【発明者】
【氏名】降旗 弘史
(72)【発明者】
【氏名】杉山 明生
【審査官】 越川 康弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−076980(JP,A)
【文献】 特許第4198720(JP,B2)
【文献】 特開2009−181323(JP,A)
【文献】 特開2013−210510(JP,A)
【文献】 特開2008−203292(JP,A)
【文献】 特開2012−053415(JP,A)
【文献】 特開2008−015225(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0245397(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/20−5/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域を有する表示パネルと、
入力画像データに応答して前記表示領域の各画素を駆動するドライバ
とを具備し、
前記ドライバは、前記表示領域に規定された複数のエリアのそれぞれに表示される画像の特徴量を示すエリア別特徴データを前記入力画像データに基づいて前記複数のエリアのそれぞれについて算出し、前記各画素に対応する画素別特徴データを、前記各画素が配置されたエリアに対応する前記エリア別特徴データと前記各画素が配置されたエリアに隣接するエリアに対応する前記エリア別特徴データとに対してフィルタリング処理を行うことで生成し、前記各画素に対応する前記入力画像データを前記各画素に対応する前記画素別特徴データに応答して補正して前記各画素に対応する出力画像データを生成し、前記各画素を、前記各画素に対応する前記出力画像データに応答して駆動するように構成され
前記ドライバは、前記複数のエリアのそれぞれについて、前記複数のエリアの頂点に対応するフィルタ処理後特徴データを前記頂点が属するエリアの前記エリア別特徴データに基づいて算出し、前記各画素に対応する前記画素別特徴データを、前記各画素の前記各画素が配置されたエリアにおける位置と、前記各画素が配置されたエリアに属する頂点に対応するフィルタ処理後特徴データとに基づいて算出する
表示装置。
【請求項2】
請求項に記載の表示装置であって、
前記ドライバは、前記各画素の前記各画素が配置されたエリアにおける位置に基づいて、前記各画素が配置されたエリアに属する頂点に対応するフィルタ処理後特徴データに対して直線補間を行うことにより、前記各画素に対応する前記画素別特徴データを算出する
表示装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の表示装置であって、
前記エリア別特徴データは、
前記複数のエリアのそれぞれに表示される画像のAverage Picture Levelを示すAPLデータと、
前記複数のエリアのそれぞれに配置された画素の輝度の分散を示す分散データ
とを含む
表示装置。
【請求項4】
表示領域を有する表示パネルと、
入力画像データに応答して前記表示領域の各画素を駆動するドライバ
とを具備し、
前記ドライバは、前記表示領域に規定された複数のエリアのそれぞれに表示される画像の特徴量を示すエリア別特徴データを前記入力画像データに基づいて前記複数のエリアのそれぞれについて算出し、前記各画素に対応する画素別特徴データを、前記各画素が配置されたエリアに対応する前記エリア別特徴データと前記各画素が配置されたエリアに隣接するエリアに対応する前記エリア別特徴データとに対してフィルタリング処理を行うことで生成し、前記各画素に対応する前記入力画像データを前記各画素に対応する前記画素別特徴データに応答して補正して前記各画素に対応する出力画像データを生成し、前記各画素を、前記各画素に対応する前記出力画像データに応答して駆動するように構成され、
前記エリア別特徴データは、
前記複数のエリアのそれぞれに表示される画像のAverage Picture Levelを示す第1APLデータと、前記複数のエリアのそれぞれに配置された画素の輝度の分散を示す第1分散データとを含み、
前記各画素に対応する前記画素別特徴データは、
前記各画素が配置されたエリアに対応する前記エリア別特徴データの前記第1APLデータと前記各画素が配置されたエリアに隣接するエリアに対応する前記エリア別特徴データの前記第1APLデータとに対してフィルタリング処理を行って得られる第2APLデータと、
前記各画素が配置されたエリアに対応する前記エリア別特徴データの前記第1分散データと前記各画素が配置されたエリアに隣接するエリアに対応する前記エリア別特徴データの前記第1分散データとに対してフィルタリング処理を行って得られる第2分散データ
とを含み、
前記ドライバは、前記各画素に対応する前記画素別特徴データの前記第2APLデータに応答して前記各画素に対応するガンマカーブのガンマ値を選択し、前記各画素に対応する前記画素別特徴データの前記第2分散データに応答して前記ガンマカーブを修正し、前記修正されたガンマカーブに従って前記各画素に対応する前記入力画像データを補正して前記各画素に対応する前記出力画像データを生成する
表示装置。
【請求項5】
表示パネルの表示領域の各画素を入力画像データに応答して駆動する表示パネルドライバであって、
前記表示領域に規定された複数のエリアのそれぞれに表示される画像の特徴量を示すエリア別特徴データを前記入力画像データに基づいて前記複数のエリアのそれぞれについて算出するエリア別特徴データ算出部と、
前記各画素に対応する画素別特徴データを、前記各画素が配置されたエリアに対応する前記エリア別特徴データと前記各画素が配置されたエリアに隣接するエリアに対応する前記エリア別特徴データとに対してフィルタリング処理を行うことで生成する画素別特徴データ算出部と、
前記各画素に対応する前記入力画像データを前記各画素に対応する前記画素別特徴データに応答して補正することで前記各画素に対応する出力画像データを生成する補正回路部と、
前記各画素を、前記各画素に対応する前記出力画像データに応答して駆動する駆動回路部
とを具備し、
前記画素別特徴データ算出部は、前記複数のエリアのそれぞれについて、前記複数のエリアの頂点に対応するフィルタ処理後特徴データを前記頂点が属するエリアの前記エリア別特徴データに基づいて算出し、前記各画素に対応する前記画素別特徴データを、前記各画素の前記各画素が配置されたエリアにおける位置と、前記各画素が配置されたエリアに属する頂点に対応するフィルタ処理後特徴データとに基づいて算出する
表示パネルドライバ。
【請求項6】
請求項に記載の表示パネルドライバであって、
前記画素別特徴データ算出部は、前記各画素の前記各画素が配置されたエリアにおける位置に基づいて、前記各画素が配置されたエリアに属する頂点に対応するフィルタ処理後特徴データに対して直線補間を行うことにより、前記各画素に対応する前記画素別特徴データを算出する
表示パネルドライバ。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の表示パネルドライバであって、
前記エリア別特徴データは、前記複数のエリアのそれぞれに表示される画像のAverage Picture Levelを示すAPLデータと、前記複数のエリアのそれぞれに配置された画素の輝度の分散を示す分散データとを含む
表示パネルドライバ。
【請求項8】
表示パネルの表示領域の各画素を入力画像データに応答して駆動する表示パネルドライバであって、
前記表示領域に規定された複数のエリアのそれぞれに表示される画像の特徴量を示すエリア別特徴データを前記入力画像データに基づいて前記複数のエリアのそれぞれについて算出するエリア別特徴データ算出部と、
前記各画素に対応する画素別特徴データを、前記各画素が配置されたエリアに対応する前記エリア別特徴データと前記各画素が配置されたエリアに隣接するエリアに対応する前記エリア別特徴データとに対してフィルタリング処理を行うことで生成する画素別特徴データ算出部と、
前記各画素に対応する前記入力画像データを前記各画素に対応する前記画素別特徴データに応答して補正することで前記各画素に対応する出力画像データを生成する補正回路部と、
前記各画素を、前記各画素に対応する前記出力画像データに応答して駆動する駆動回路部
とを具備し、
前記エリア別特徴データは、
前記複数のエリアのそれぞれに表示される画像のAverage Picture Levelを示す第1APLデータと、前記複数のエリアのそれぞれに配置された画素の輝度の分散を示す第1分散データとを含み、
前記各画素に対応する前記画素別特徴データは、
前記各画素が配置されたエリアに対応する前記エリア別特徴データの前記第1APLデータと前記各画素が配置されたエリアに隣接するエリアに対応する前記エリア別特徴データの前記第1APLデータとに対してフィルタリング処理を行って得られる第2APLデータと、
前記各画素が配置されたエリアに対応する前記エリア別特徴データの前記第1分散データと前記各画素が配置されたエリアに隣接するエリアに対応する前記エリア別特徴データの前記第1分散データとに対してフィルタリング処理を行って得られる第2分散データ
とを含み、
前記補正回路部は、前記各画素に対応する前記画素別特徴データの前記第2APLデータに応答して前記各画素に対応するガンマカーブのガンマ値を選択し、前記各画素に対応する前記画素別特徴データの前記第2分散データに応答して前記ガンマカーブを修正し、前記修正されたガンマカーブに従って前記各画素に対応する前記入力画像データを補正して前記各画素に対応する前記出力画像データを生成する
表示パネルドライバ。
【請求項9】
表示領域を有する表示パネルを駆動する駆動方法であって、
前記表示領域に規定された複数のエリアのそれぞれに表示される画像の特徴量を示すエリア別特徴データを力画像データに基づいて前記複数のエリアのそれぞれについて算出するステップと、
前記複数のエリアのそれぞれについて、前記複数のエリアの頂点に対応するフィルタ処理後特徴データを前記頂点が属するエリアの前記エリア別特徴データに基づいて算出するステップと、
前記表示領域の各画素に対応する画素別特徴データを、前記各画素が配置されたエリアに対応するエリア別特徴データと前記各画素が配置されたエリアに隣接するエリアに対応するエリア別特徴データとに対してフィルタリング処理を行うことで生成するステップと、
前記各画素に対応する前記入力画像データを、前記各画素に対応する前記画素別特徴データに応答して補正して前記各画素に対応する力画像データを生成するステップと、
前記各画素を、前記各画素に対応する前記出力画像データに応答して駆動するステップ
とを含み、
前記各画素に対応する前記画素別特徴データが、前記各画素の前記各画素が配置されたエリアにおける位置と、前記各画素が配置されたエリアに属する頂点に対応するフィルタ処理後特徴データとに基づいて算出される
駆動方法。
【請求項10】
表示領域を有する表示パネルを駆動する駆動方法であって、
前記表示領域に規定された複数のエリアのそれぞれに表示される画像の特徴量を示すエリア別特徴データを入力画像データに基づいて前記複数のエリアのそれぞれについて算出するステップと、
前記表示領域の各画素に対応する画素別特徴データを、前記各画素が配置されたエリアに対応するエリア別特徴データと前記各画素が配置されたエリアに隣接するエリアに対応するエリア別特徴データとに対してフィルタリング処理を行うことで生成するステップと、
前記各画素に対応する前記入力画像データを、前記各画素に対応する前記画素別特徴データに応答して補正して前記各画素に対応する出力画像データを生成するステップと
前記各画素を、前記各画素に対応する前記出力画像データに応答して駆動するステップ
とを含み、
前記エリア別特徴データは、
前記複数のエリアのそれぞれに表示される画像のAverage Picture Levelを示す第1APLデータと、
前記複数のエリアのそれぞれに配置された画素の輝度の分散を示す第1分散データとを含み、
前記各画素に対応する前記画素別特徴データは、
前記各画素が配置されたエリアに対応する前記エリア別特徴データの前記第1APLデータと前記各画素が配置されたエリアに隣接するエリアに対応する前記エリア別特徴データの前記第1APLデータとに対してフィルタリング処理を行って得られる第2APLデータと、
前記各画素が配置されたエリアに対応する前記エリア別特徴データの前記第1分散データと前記各画素が配置されたエリアに隣接するエリアに対応する前記エリア別特徴データの前記第1分散データとに対してフィルタリング処理を行って得られる第2分散データ
とを含み、
前記各画素に対応する前記出力画像データを生成するステップが、
前記各画素に対応する前記画素別特徴データの前記第2APLデータに応答して前記各画素に対応するガンマカーブのガンマ値を選択するステップと、
前記各画素に対応する前記画素別特徴データの前記第2分散データに応答して前記ガンマカーブを修正するステップと、
前記修正されたガンマカーブに従って前記各画素に対応する前記入力画像データを補正することによって前記各画素に対応する前記出力画像データを生成するステップ
とを含む
駆動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パネル表示装置、表示パネルドライバ、及び、表示パネルの駆動方法に関し、特に、画像データに対して補正演算を行うパネル表示装置、表示パネルドライバ、及び、表示パネルの駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動コントラスト強調(ACO:auto contrast optimization)は、液晶表示装置その他のパネル表示装置の表示品質を向上するために広く採用されている技術の一つである。例えば、バックライトの輝度の抑制が求められる状況において暗い画像のコントラストを強調することで、液晶表示装置の消費電力を低減しながら表示品質の劣化を抑制することができる。コントラスト強調は、例えば、画像データ(各画素の階調を指定するデータ)に対して補正演算を行うことによって行われる。コントラスト強調を行う技術については、例えば、特許第4198720号公報(特許文献1)に開示されている。
【0003】
現在、一般的に行われている自動コントラスト強調は、画面全体の画像データを分析し、全画素について共通の補正演算を行うことによって行われる。しかしながら、発明者の検討によれば、このような手法による自動コントラスト強調では、強調度を強くすると、画像の暗い領域又は明るい領域において表現可能な階調数が減少するという問題が発生し得る。強調度が強い場合、暗い領域においては、いわゆる黒つぶれ(即ち、本来的には階調表現で表示すべき画像要素が存在するにも関わらず、階調がほぼ均一な黒領域として表示される現象)が発生する可能性があり、また、明るい領域においては、いわゆる白つぶれが発生する可能性がある。
【0004】
一方、特開2004−23522号公報(特許文献2)は、映像内容にかかわらず、コントラストが高い映像を再現できるようになるコントラスト補正回路を提供する技術を開示している。当該コントラスト補正回路は、この1画面を分割して定義された複数のエリアごとに輝度の度数分布情報を算出し、算出された度数分布情報に基づいて階調補正部の入出力特性を制御する。
【0005】
しかしながら、特許文献2に記載されたコントラスト補正回路では、エリア毎にコントラスト補正が行われるため、ブロックノイズが発生するという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4198720号
【特許文献2】特開2004−23522号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の課題の一つは、このような問題に対処し、より適正な自動コントラスト強調を実現することにある。本発明の他の課題や新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一の観点では、表示装置が、表示領域を有する表示パネルと、入力画像データに応答して表示領域の各画素を駆動するドライバとを具備する。ドライバは、表示領域に規定された複数のエリアのそれぞれに表示される画像の特徴量を示すエリア別特徴データを入力画像データに基づいて複数のエリアのそれぞれについて算出する。該ドライバは、更に、各画素に対応する画素別特徴データを、各画素が配置されたエリアに対応するエリア別特徴データと各画素が配置されたエリアに隣接するエリアに対応するエリア別特徴データとに対してフィルタリング処理を行うことで生成する。該ドライバは、更に、各画素に対応する入力画像データを各画素に対応する画素別特徴データに応答して補正して各画素に対応する出力画像データを生成し、各画素を、各画素に対応する出力画像データに応答して駆動する。
【0009】
本発明の他の観点では、表示パネルの表示領域の各画素を入力画像データに応答して駆動する表示パネルドライバが提供される。該表示パネルドライバは、表示領域に規定された複数のエリアのそれぞれに表示される画像の特徴量を示すエリア別特徴データを入力画像データに基づいて複数のエリアのそれぞれについて算出するエリア別特徴データ算出部と、各画素に対応する画素別特徴データを、各画素が配置されたエリアに対応するエリア別特徴データと各画素が配置されたエリアに隣接するエリアに対応するエリア別特徴データとに対してフィルタリング処理を行うことで生成する画素別特徴データ算出部と、各画素に対応する入力画像データを各画素に対応する画素別特徴データに応答して補正することで各画素に対応する出力画像データを生成する補正回路部と、各画素を、各画素に対応する出力画像データに応答して駆動する駆動回路部とを具備する。
【0010】
本発明の更に他の観点では、表示領域を有する表示パネルを駆動する駆動方法が提供される。該駆動方法は、表示領域に規定された複数のエリアのそれぞれに表示される画像の特徴量を示すエリア別特徴データを入力画像データに基づいて複数のエリアのそれぞれについて算出するステップと、表示領域の各画素に対応する画素別特徴データを、各画素が配置されたエリアに対応するエリア別特徴データと各画素が配置されたエリアに隣接するエリアに対応するエリア別特徴データとに対してフィルタリング処理を行うことで生成するステップと、各画素に対応する入力画像データを、各画素に対応する画素別特徴データに応答して補正して各画素に対応する出力画像データを生成するステップと、各画素を、各画素に対応する出力画像データに応答して駆動するステップとを具備する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、より適正な自動コントラスト強調を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態のパネル表示装置の構成を示すブロック図である。
図2】各副画素の構造を概念的に示す回路図である。
図3】本実施形態のドライバICの構成の例を示すブロック図である。
図4】各補正点データ組により指定されるガンマカーブ、及び、該カンマカーブに従った補正演算(ガンマ補正)の内容を示している。
図5】本実施形態における近似演算補正回路の構成の例を示すブロック図である。
図6】本実施形態において、入力画像データに対して行われる補正演算の手順を示すフローチャートである。
図7】LCDパネルの表示領域に規定されるエリア、及び、各エリアについて算出されたエリア別特徴データの内容を説明する図である。
図8】本実施形態におけるエリア別特徴データ算出部の好適な構成の一例を示すブロック図である。
図9】本実施形態におけるフィルタ処理後特徴データの内容を説明する図である。
図10】本実施形態における画素別特徴データの算出方法を示す概念図である。
図11】本実施形態における画素別特徴データ算出部の好適な構成の一例を示すブロック図である。
図12】一実施形態における、APL_PIXEL(y,x)、γ_PIXEL、及び、補正点データ組CP_Lの関係を説明するグラフである。
図13】他の実施形態における、APL_PIXEL(y,x)、γ_PIXEL、及び、補正点データ組CP_Lの関係を説明するグラフである。
図14】補正点データ組CP#q、CP#(q+1)にそれぞれに対応するガンマカーブの形状と、補正点データ組CP_Lに対応するガンマカーブの形状を概念的に示すグラフである。
図15】補正点データ組CP_Lを、分散データσ_PIXEL(y,x)に基づいて修正することの技術的意義を示す概念図である。
図16】本実施形態における補正点データ算出回路の好適な構成の例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明の一実施形態のパネル表示装置の構成を示すブロック図である。本実施形態のパネル表示装置は、液晶表示装置1として構成されており、LCD(liquid crystal display)パネル2と、ドライバIC(integrated circuit:集積回路)3とを備えている。
【0014】
LCDパネル2は、表示領域5とゲート線駆動回路6(GIP(gate in panel)回路とも呼ばれる)を備えている。表示領域5には、複数のゲート線7(走査線、アドレス線とも呼ばれる)と、複数のデータ線8(信号線、ソース線とも呼ばれる)が配置されると共に、画素9が配置されている。本実施形態では、ゲート線7の数はv本であり、データ線8の数は3h本であり、画素9は、v行h列で表示領域5に配置されている。v、hは、いずれも、2以上の整数である。
【0015】
本実施形態では、各画素9は、3つの副画素:R副画素11R、G副画素11G、B副画素11Bを備えている。ここで、R副画素11Rとは、赤色に対応する(即ち、赤色を表示する)副画素であり、G副画素11Gとは、緑色に対応する(即ち、緑色を表示する)副画素であり、B副画素11Bとは、青色に対応する(即ち、青色を表示する)副画素である。なお、以下において、R副画素11R、G副画素11G、B副画素11Bを区別しない場合、副画素11と表記することがある。本実施形態では、副画素11が、v行3h列でLCDパネル2に配置される。各副画素11は、対応する一のゲート線7と一のデータ線8に接続される。LCDパネル2の各副画素11の駆動においては、ゲート線7が順次に選択され、選択されたゲート線7に接続された副画素11にデータ線8から所望の駆動電圧が書き込まれる。これにより、各副画素11が所望の階調に設定され、所望の画像がLCDパネル2の表示領域5に表示される。
【0016】
図2は、各副画素11の構造を概念的に示す回路図である。各副画素11は、TFT(thin film transistor)12と、画素電極13とを備えている。TFT11は、そのゲートがゲート線7に接続され、ソースがデータ線8に接続され、ドレインが画素電極13に接続される。画素電極13は、LCDパネル2の対向電極(共通電極とも呼ばれる)14に対向するように設けられており、画素電極13と対向電極14の間には液晶が満たされている。なお、図2では、対向電極14が副画素11毎に設けられているように図示されているが、実際には、LCDパネル2全体で共通の対向電極14が設けられることは、当業者には容易に理解されよう。
【0017】
図1に戻り、ドライバIC3は、データ線8を駆動すると共にゲート線駆動回路6を制御するゲート線制御信号SGIPを生成する。データ線8の駆動は、演算装置4から受け取った入力画像データDIN及び同期データDSYNCに応答して行われる。ここで、入力画像データDINとは、LCDパネル2の表示領域5に表示される画像に対応するデータであり、より具体的には、各画素9の各副画素11の階調を指定するデータである。本実施形態では、入力画像データDINにおいて、各画素9の各副画素11の階調が8ビットで表わされる。即ち、入力画像データDINは、LCDパネル2の各画素9の階調を24ビットで表わすデータである。以下において、入力画像データDINのうち、R副画素11Rの階調を示すデータを入力画像データDINと記載することがある。同様に、入力画像データDINのうち、G副画素11Gの階調を示すデータを入力画像データDINと記載し、B副画素11Bの階調を示すデータを入力画像データDINと記載することがある。また、同期データDSYNCは、ドライバIC3の動作タイミングの制御に用いられるデータであり、ドライバIC3において発生されるタイミング制御信号、例えば、垂直同期信号VSYNC及び水平同期信号HSYNCの生成タイミングを制御するデータである。また、ゲート線制御信号SGIPの生成は、同期データDSYNCに応答して行われる。ドライバIC3は、COG(Chip on Glass)のような表面実装技術を用いてLCDパネル2に搭載されている。
【0018】
図3は、ドライバIC3の構成の例を示すブロック図である。ドライバIC3は、インターフェース回路21と、近似演算補正回路22と、減色処理回路23と、ラッチ回路24と、階調電圧発生回路25と、データ線駆動回路26と、タイミング制御回路27と、特徴データ算出回路28と、補正点データ算出回路29とを備えている。
【0019】
インターフェース回路21は、演算装置4から送られてくる入力画像データDIN及び同期データDSYNCを受け取り、入力画像データDINを近似演算補正回路22に、同期データDSYNCをタイミング制御回路27に転送する。
【0020】
近似演算補正回路22は、補正点データ算出回路29から送られてくる補正点データ組CP_selによって指定されたガンマカーブに従った補正演算(ガンマ補正)を入力画像データDINに対して行い、出力画像データDOUTを生成する。以下において、出力画像データDOUTのうち、R副画素11Rの階調を示すデータを出力画像データDOUTと記載することがある。同様に、出力画像データDOUTのうち、G副画素11Gの階調を示すデータを出力画像データDOUTと記載し、B副画素11Bの階調を示すデータを出力画像データDOUTと記載することがある。
【0021】
出力画像データDOUTは、入力画像データDINよりも多いビット数を有するデータである。出力画像データDOUTのビット数を入力画像データDINよりも多くすることは、補正演算によって画素の階調の情報が失われないために有効である。入力画像データDINが各画素9の各副画素11の階調を8ビットで表わすデータである本実施形態では、出力画像データDOUTは、例えば、各画素9の各副画素11の階調を10ビットで表わすデータとして生成される。
【0022】
ガンマ補正は、最も典型的には、LUT(lookup table)を用いて実行されるが、本実施形態の近似演算補正回路22によって行われるガンマ補正では、LUTを用いずに演算式が用いられる。近似演算補正回路22からLUTを排除することは、近似演算補正回路22の回路規模を小さくし、更に、ガンマ値を切り換えるのに必要な消費電力を低減させるために有効である。ただし、近似演算補正回路22によるガンマ補正には、厳密式ではなく近似式が用いられる。近似演算補正回路22は、ガンマ補正に使用される近似式の係数を、所望のガンマカーブに応じて決定し、これにより、所望のガンマ値によるガンマ補正を行う。厳密式によってガンマ補正を行うためには、べき乗の演算を行う必要があり、これは、回路規模を増大させる。本実施形態では、べき乗を含まない近似式によってガンマ補正を行うことにより、回路規模が小さくされている。
【0023】
近似演算補正回路22によるガンマ補正におけるガンマカーブの形状は、補正点データ算出回路29から供給される補正点データ組CP_sel、CP_sel、CP_selによって指定される。ここで、R副画素11R、G副画素11G、B副画素11Bについて異なるガンマ値を用いてガンマ補正を行うことを可能にするために、本実施形態では、R副画素11R、G副画素11G、B副画素11Bそれぞれについて補正点データ組が供給される。補正点データ組CP_selは、R副画素11Rに対応する入力画像データDINのガンマ補正に用いられる。同様に、補正点データ組CP_selは、G副画素11Gに対応する入力画像データDINのガンマ補正に用いられ、補正点データ組CP_selは、B副画素11Bに対応する入力画像データDINのガンマ補正に用いられる。
【0024】
図4は、各補正点データ組CP_selにより指定されるガンマカーブ、及び、該カンマカーブに従ったガンマ補正の内容を示している。各補正点データ組CP_selは、補正点データCP0〜CP5を含んでいる。補正点データCP0〜CP5は、それぞれ、入力画像データDINを横軸(第1軸)、出力画像データDOUTを縦軸(第2軸)とする座標系の上の点として定義される。ここで、補正点データCP0、CP5は、カンマカーブの両端の位置にある。補正点データCP2、CP3は、カンマカーブの中央付近の位置にある。また、補正点データCP1は、補正点データCP0、CP2の間の位置にあり、補正点データCP4は、補正点データCP3、CP5の間の位置にある。補正点データCP1〜CP4の位置を適切に決定することにより、カンマカーブの形状が指定される。
【0025】
例えば、図4に示されているように、補正点データCP1〜CP4の位置を、カンマカーブの両端の位置を結ぶ直線より下の位置に定めることで、ガンマカーブを下に凸の形状に決定できる。近似演算補正回路22においては、補正点データ組CP_selに含まれる補正点データCP0〜CP5により指定される形状のガンマカーブによるガンマ補正が行われて出力画像データDOUTが生成される。
【0026】
図5は、近似演算補正回路22の構成の例を示すブロック図である。近似演算補正回路22は、R副画素11R、G副画素11G、B副画素11Bについてそれぞれ用意された近似演算ユニット22R、22G、22Bを備えている。近似演算ユニット22R、22G、22Bは、それぞれ、入力画像データDIN、DIN、及びDINについて演算式によるガンマ補正を行い、出力画像データDOUT、DOUT、及びDOUTを生成する。上述のように、出力画像データDOUT、DOUT、及びDOUTのビット数は、入力画像データDIN、DIN、及びDINのビット数よりも多く、10ビットである。
【0027】
近似演算ユニット22Rがガンマ補正に使用する演算式の係数は、補正点データ組CP_selの補正点データCP0〜CP5によって決定される。同様に、近似演算ユニット22G、22Bがガンマ補正に使用する演算式の係数は、それぞれ、補正点データ組CP_sel、CP_selの補正点データCP0〜CP5によって決定される。
【0028】
近似演算ユニット22R、22G、22Bの機能は、それに入力される入力画像データと補正点データ組が異なること以外は同一である。以下では、近似演算ユニット22R、22G、22Bを、相互に区別しない場合、近似演算ユニット22kと記載することがある。
【0029】
図3に戻り、減色処理回路23、ラッチ回路24、階調電圧発生回路25及びデータ線駆動回路26は、近似演算補正回路22から出力される出力画像データDOUTに応じてLCDパネル2の表示領域5のデータ線8を駆動する駆動回路部として機能する。具体的には、減色処理回路23は、近似演算補正回路22によって生成された出力画像データDOUTに対して減色処理を行い、減色画像データDOUT_Dを生成する。ラッチ回路24は、タイミング制御回路27から供給されるラッチ信号SSTBに応答して減色画像データDOUT_Dを減色処理回路23からラッチし、ラッチした減色画像データDOUT_Dをデータ線駆動回路26に転送する。階調電圧発生回路25は、複数の階調電圧をデータ線駆動回路26に供給する。本実施形態では、各画素9の各副画素11の階調が8ビットで表わされていることから、階調電圧発生回路25から供給される階調電圧の数は256(=2)である。データ線駆動回路26は、ラッチ回路24から送られてくる減色画像データDOUT_Dに応答して、LCDパネル2の表示領域5のデータ線8を駆動する。詳細には、データ線駆動回路26は、減色画像データDOUT_Dに応答して階調電圧発生回路25から供給される複数の階調電圧のうちから対応する階調電圧を選択し、対応するLCDパネル2のデータ線8を、選択された階調電圧に駆動する。
【0030】
タイミング制御回路27は、同期データDSYNCに応答してドライバIC3のタイミング制御を行う。詳細には、タイミング制御回路27は、同期データDSYNCに応答してラッチ信号SSTBを生成し、生成したラッチ信号SSTBをラッチ回路24に供給する。ラッチ信号SSTBは、減色画像データDOUT_Dのラッチをラッチ回路24に許可する信号である。更に、タイミング制御回路27は、同期データDSYNCに応答してフレーム信号SFRMを生成し、生成したフレーム信号SFRMを特徴データ算出回路28及び補正点データ算出回路29に供給する。ここで、フレーム信号SFRMは、各フレーム期間の開始を特徴データ算出回路28及び補正点データ算出回路29に通知するための信号であり、各フレーム期間の開始時にアサートされる。フレーム信号SFRMとしては、同期データDSYNCに応答して生成される垂直同期信号VSYNCを用いても良い。更に、タイミング制御回路27は、入力画像データDINに各副画素の階調が記述された画素9の座標を示す座標データD(X,Y)を同期データDSYNCから生成し、特徴データ算出回路28に供給する。あるタイミングにおいて、ある画素9の各副画素11の階調が記述されている入力画像データDINが特徴データ算出回路28に供給される場合、当該画素9の表示領域5における座標を示す座標データD(X,Y)がタイミング制御回路27から特徴データ算出回路28に供給される。
【0031】
特徴データ算出回路28、及び、補正点データ算出回路29は、入力画像データDINに応答して補正点データ組CP_sel、CP_sel、CP_selを生成し、生成した補正点データ組CP_sel、CP_sel、CP_selを近似演算補正回路22に供給する回路部を構成している。
【0032】
詳細には、特徴データ算出回路28は、エリア別特徴データ算出部31と画素別特徴データ算出部32とを備えている。エリア別特徴データ算出部31は、LCDパネル2の表示領域5を区分して定義された複数のエリアのそれぞれについてエリア別特徴データDCHR_AREAを算出する回路である。ここで、エリア別特徴データDCHR_AREAとは、各エリアに表示される画像の特徴量を示すデータである。後に詳細に説明されるように、本実施形態では、各補正点データ組CP_selをエリア別特徴データDCHR_AREAに応じて生成し、生成した補正点データ組CP_selで指定されたガンマカーブに従った補正演算(ガンマ補正)を行うことにより、各エリア毎に適正なコントラスト強調を行うことができる。エリア別特徴データDCHR_AREAの内容や生成方法については、後に詳細に説明する。
【0033】
画素別特徴データ算出部32は、エリア別特徴データ算出部31から受け取ったエリア別特徴データDCHR_AREAから画素別特徴データDCHR_PIXELを算出する。画素別特徴データDCHR_PIXELは、表示領域5の画素9のそれぞれについて算出されるデータであり、ある画素9の画素別特徴データDCHR_PIXELは、該画素9が属するエリアについて算出されたエリア別特徴データDCHR_AREA、及び、該エリアの周辺に位置するエリア(該エリアに隣接するエリア)について算出されたエリア別特徴データDCHR_AREAに対してフィルタリング処理を行うことで算出される。これは、ある画素9の画素別特徴データDCHR_PIXELが、該画素9の近傍の領域に表示される画像の特徴量を示すデータであることを意味している。画素別特徴データDCHR_PIXELの内容や生成方法については、後に詳細に説明する。
【0034】
補正点データ算出回路29は、画素別特徴データ算出部32から受け取った画素別特徴データDCHR_PIXELに応答して補正点データ組CP_sel、CP_sel、CP_selを生成し、生成した補正点データ組CP_sel、CP_sel、CP_selを近似演算補正回路22に供給する。この補正点データ算出回路29と近似演算補正回路22とは、画素別特徴データDCHR_PIXELに応答して入力画像データDINを補正して出力画像データDOUTを生成する補正回路部を構成している。
【0035】
続いて、本実施形態の液晶表示装置1の動作、特に、入力画像データDINに対して行われる補正演算(即ち、特徴データ算出回路28、補正点データ算出回路29、及び、近似演算補正回路22の動作)について説明する。
【0036】
本実施形態の液晶表示装置1の一つの特徴は、LCDパネル2の表示領域5のLCDパネル2の表示領域5を区分して定義された複数のエリアのそれぞれについて、該エリアに表示される画像の特徴量を示すエリア別特徴データDCHR_AREAが算出され、該エリアに属する画素9に対応する入力画像データDINに対する補正演算(コントラスト強調)が、該エリアについて算出されたエリア別特徴データDCHR_AREAに依存して行われるということである。このような動作によれば、個々のエリアに最適な補正演算を行うことができる。例えば、表示領域5に、暗い画像が表示されるエリアと明るい画像が表示されるエリアがある場合、それぞれのエリアに対して最適な画質補正を行うことができる。これは、画質の向上に寄与する。
【0037】
この一方で、複数のエリアのそれぞれについてエリア別特徴データDCHR_AREAを算出し、算出したエリア別特徴データDCHR_AREAに応じて補正演算を行う手法では、隣接したエリアの画素について異なる補正演算が行われ得ることから、上述の特開2004−23522号公報に記載の技術と同様に、エリアの境界におけるブロックノイズの発生が問題になり得る。
【0038】
このような問題に対処するために、本実施形態では、エリア別特徴データDCHR_AREAに対してフィルタリング処理を行うことで各画素9に対応する画素別特徴データDCHR_PIXELが算出され、各画素9に対応する入力画像データDINの補正演算では、該画素9について算出された画素別特徴データDCHR_PIXELに依存した補正演算が行われる。詳細には、ある画素9の画素別特徴データDCHR_PIXELは、該画素9が属するエリアについて算出されたエリア別特徴データDCHR_AREA、及び、該エリアの周辺に位置するエリア(該エリアに隣接するエリア)について算出されたエリア別特徴データDCHR_AREAに対してフィルタリング処理を行うことで算出される。このような手法によれば、エリアの境界付近におけるブロックノイズを低減することができる。以下、入力画像データDINに対して行われる補正演算の詳細について説明する。
【0039】
図6は、入力画像データDINに行われる補正演算の手順を示すフローチャートである。入力画像データDINは、特徴データ算出回路28のエリア別特徴データ算出部31に供給され、エリア別特徴データ算出部31は、入力画像データDINからエリア別特徴データDCHR_AREAを算出する(ステップS11)。上述されているように、エリア別特徴データDCHR_AREAとは、LCDパネル2の表示領域5を区分して定義された複数のエリアのそれぞれについて、各エリアに表示される画像の特徴量を示すデータである。
【0040】
図7は、表示領域5に規定されるエリア、及び、各エリアについて算出されたエリア別特徴データDCHR_AREAの内容を説明する図である。以下において、表示領域5の水平方向(ゲート線7が延伸する方向)をX軸方向と呼び、表示領域5の垂直方向(データ線8が延伸する方向)をY軸方向と呼ぶ。
【0041】
LCDパネル2の表示領域5は、複数のエリアに区分される。図7の例では、表示領域5が6行6列に配置された36個の矩形のエリアに区分されている。以下において、表示領域5の各エリアは、“A(N,M)”で参照されることがある。ここで、Nは、エリアが位置する行を示すインデックスであり、Mは、エリアが位置する列を示すインデックスである。図6の例では、N、Mは、いずれも、0以上5以下の整数である。LCDパネル2が、1920×1080画素の表示領域5を有するように構成されている場合、各エリアのX軸方向の画素9の数(X軸方向画素数)Xareaは、320(=1920/6)であり、Y軸方向の画素9の数(Y軸方向画素数)Yareaは、180(=1080/6)である。また、各エリアに含まれる画素9の数(エリア全画素数)Data_Countは、57600(=1920/6×1080/6)である。
【0042】
本実施形態では、エリア別特徴データDCHR_AREAは、各エリアに表示される画像のAPL(average picture level)を示すAPLデータと、各エリアの画素9の輝度の分散σを示す分散データと含んでいる。各エリアのAPLは、各エリアの画素9の輝度Yの平均値として算出される。ここで、各画素9の輝度Yは、入力画像データDINに記述されている該画素9のR副画素11R、G副画素11G、B副画素11Bの階調に対して、色空間の変換(例えば、RGB−YUV変換や、RGB−YCbCr変換)を行うことで算出される。以下において、エリアA(N,M)のAPLをAPL(N,M)、エリアA(N,M)の画素9の輝度Yの分散を、σ(N,M)と表記することがある。
【0043】
一実施形態では、エリアA(N,M)のAPLデータと分散データ(即ち、エリアA(N,M)のAPL(N,M)、及び、エリアA(N,M)の画素9の輝度の分散σ(N,M))は、下記式(1)、(2)で算出される:
【数1】
ここで、Data_Countは、エリアA(N,M)に含まれる画素9の数であり、Yは、各画素9の輝度であり、Σは、エリアA(N,M)についての和を表している。
【0044】
図8は、エリア別特徴データDCHR_AREAを算出するエリア別特徴データ算出部31の好適な構成の一例を示すブロック図である。一実施形態では、エリア別特徴データ算出部31は、データ分析回路33と、特徴データ計算結果格納メモリ34と、エリア別特徴データ格納メモリ35とを備えている。
【0045】
データ分析回路33は、各エリアA(N,M)について、該エリアに含まれる画素9の入力画像データDINから、APL(N,M)及び分散σ(N,M)を算出する。このとき、データ分析回路33は、どの画素9に対応する入力画像データDINがエリア別特徴データ算出部31に供給されたかを、タイミング制御回路27から供給されたフレーム信号SFRM及び座標データD(X,Y)から認識する。
【0046】
特徴データ計算結果格納メモリ34は、データ分析回路33によって算出されたAPL(N,M)及び分散σ(N,M)を順次に受け取って保存する。特徴データ計算結果格納メモリ34は、1行のエリアA(N,0)〜A(N,5)のエリア別特徴データDCHR_AREA(即ち、APL(N,0)〜APL(N,5)及びσ(N,0)〜σ(N,0))を格納するように構成されている。また、特徴データ計算結果格納メモリ34は、格納した1行のエリアA(N,0)〜A(N,5)のエリア別特徴データDCHR_AREAをエリア別特徴データ格納メモリ35に転送する機能を有している。
【0047】
エリア別特徴データ格納メモリ35は、特徴データ計算結果格納メモリ34から、エリア別特徴データDCHR_AREAを、1行のエリアA(N,0)〜A(N,5)を単位として順次に受け取って保存する。エリア別特徴データ格納メモリ35は、表示領域5の全エリアA(0,0)〜A(5,5)のエリア別特徴データDCHR_AREAを格納するように構成されている。また、エリア別特徴データ格納メモリ35は、格納したエリア別特徴データDCHR_AREAのうち、隣接する2行のエリアA(N,0)〜A(N,5)、エリアA(N+1,0)〜A(N+1,5)に対応するエリア別特徴データDCHR_AREAを出力する機能を有している。
【0048】
図6を再度に参照して、エリア別特徴データDCHR_AREAは、画素別特徴データ算出部32に供給される。画素別特徴データ算出部32においてエリア別特徴データDCHR_AREAに対してフィルタリング処理が行われて画素別特徴データDCHR_PIXELが算出される(ステップS12、S13)。
【0049】
詳細には、まず、エリア別特徴データDCHR_AREAからフィルタ処理後特徴データDCHR_FILTERが算出される。(ステップS12)。ここで、フィルタ処理後特徴データDCHR_FILTERとは、エリアの頂点のそれぞれについて算出される特徴量を示すデータである。ある頂点のフィルタ処理後特徴データDCHR_FILTERは、該頂点が属するエリアのエリア別特徴データDCHR_AREAから算出される。これは、ある頂点のフィルタ処理後特徴データDCHR_FILTERが、該頂点の近傍の領域に表示される画像の特徴量を示すデータであることを意味している。
【0050】
図9は、フィルタ処理後特徴データDCHR_FILTERの内容を説明する図である。本実施形態では、各エリアは矩形であり、4つの頂点を有している。隣接するエリアで頂点が共有されるから、表示領域5には、エリアの頂点が行列に配置されることになる。例えば、表示領域5が6行6列のエリアを含む場合には、頂点は、7行7列に配置されることになる。以下において、表示領域5の各頂点は、“VTX(N,M)”で参照されることがある。ここで、Nは、該頂点が位置する行を示すインデックスであり、Mは、該頂点が位置する列を示すインデックスである。
【0051】
ある頂点に対応するフィルタ処理後特徴データDCHR_FILTERは、該頂点が属するエリアのエリア別特徴データDCHR_AREAから算出される。本実施形態では、エリア別特徴データDCHR_AREAがAPLデータ及び分散データを含んでおり、これに合わせて、フィルタ処理後特徴データDCHR_FILTERも、各頂点について算出されたAPLデータ及び分散データを含んでいる。
【0052】
ここで、表示領域5には、3種類の頂点が存在する。フィルタ処理後特徴データDCHR_FILTERの算出方法は、頂点の種類に応じて異なっている。
【0053】
(1)表示領域5の4隅に位置する頂点
表示領域5の4隅に位置する頂点VTX(0,0)、VTX(0,Mmax)、VTX(0,0)、VTX(Nmax,0)、VTX(Nmax,Mmax)は、単一のエリアに属している。ここで、Nmax、Mmaxは、それぞれ、頂点が位置する行、列を示すインデックスN、Mの最大値であり、頂点が7行7列に配置される本実施形態では、Nmax、Mmaxは、いずれも、6である。
【0054】
表示領域5の4隅に位置する頂点については、該頂点が属するエリアのエリア別特徴データDCHR_AREAが、そのまま、該頂点に対応するフィルタ処理後特徴データDCHR_FILTERとして用いられる。即ち、フィルタ処理後特徴データDCHR_FILTERのAPLデータ、及び、分散データは、下記式で表わされる:
APL_FILTER (0, 0) =APL(0,0) …(3a)
σ2_FILTER (0, 0) =σ(0,0) …(3b)
APL_FILTER (0, Mmax) =APL(0,Mmax−1) …(3c)
σ2_FILTER (0, Mmax) =σ(0,Mmax−1) …(3d)
APL_FILTER (Nmax, 0) =APL(Nmax−1,0) …(3e)
σ2_FILTER (Nmax, 0) =σ(Nmax−1,0) …(3f)
APL_FILTER (Nmax, Mmax) =APL(Nmax−1,Mmax−1) …(3g)
σ2_FILTER (Nmax, Mmax) =σ(Nmax−1,Mmax−1) …(3h)
ここで、APL_FILTER(i, j)、は、頂点VTX(i,j)に対応するAPLデータの値であり、σ2_FILTER(i, j)は、頂点VTX(i,j)に対応する分散データの値である。なお、上述の通り、APL(i,j)は、エリアA(i,j)のAPLであり、σ(i,j)は、エリアA(i,j)の画素9の輝度の分散である。
【0055】
(2)表示領域5の4辺に位置する頂点
表示領域5の4辺に位置する頂点(図9の例では、頂点VTX(0,1)〜VTX(0,Mmax−1)、VTX(Nmax,1)〜VTX(Nmax,Mmax−1)、VTX(1,0)〜VTX(Nmax−1,0)及びVTX(1,Mmax)〜VTX(Nmax−1,Mmax))は、隣接する2つのエリアに属している。表示領域5の4辺に位置する頂点については、それが属する2つのエリアのAPLデータ及び分散データの平均値が、それぞれ、フィルタ処理後特徴データDCHR_FILTERのAPLデータ及び分散データとして用いられる。即ち、このような頂点のフィルタ処理後特徴データDCHR_FILTERのAPLデータ及び分散データは、下記式で表わされる:
APL_FILTER (0, M) ={APL(0,M−1)+APL(0,M)}/2 …(4a)
σ2_FILTER (0, M) ={σ(0,M−1)+σ(0,M)}/2 …(4b)
APL_FILTER (N, 0) ={APL(N−1,0)+APL(N,0)}/2 …(4c)
σ2_FILTER (N, 0) ={σ(N−1,0)+σ(N,0)}/2 …(4d)
APL_FILTER (Nmax, M) ={APL(Nmax,M−1)+APL(Nmax,M)}/2
…(4e)
σ2_FILTER (Nmax, M) ={σ(Nmax,M−1)+σ(Nmax,M)}/2
…(4f)
APL_FILTER (N, Mmax) ={APL(N−1,Mmax)+APL(N,Mmax)}/2
…(4g)
σ2_FILTER (N, Mmax) ={σ(N−1,Mmax)+σ(N,Mmax)}/2
…(4h)
ここで、Mは、1以上Mmax−1以下の整数であり、Nは、1以上Nmax−1以下の整数である。
【0056】
(3)上記の頂点以外の頂点
表示領域5の4隅に位置せず、4辺にも位置していない頂点(中央部分の頂点)は、2行2列に配置された4つのエリアに属している。このような頂点については、それが属する4つのエリアのAPLデータ及び分散データの平均値が、それぞれ、フィルタ処理後特徴データDCHR_FILTERのAPLデータ及び分散データとして用いられる。即ち、このような頂点VTX(N,M)に対応するフィルタ処理後特徴データDCHR_FILTERのAPLデータ及び分散データは、下記式で表わされる:
APL_FILTER (N, M) ={APL(N−1,M−1)+APL(N−1,M)+
APL(N,M−1)+APL(N,M)}/4 …(5a)
σ2_FILTER (N, M) ={σ(N−1,M−1)+σ(N−1,M)+
σ(N,M−1)+σ(N,M)}/4 …(5b)
【0057】
図6に戻り、画素別特徴データ算出部32は、更に、上述のようにして算出されたフィルタ処理後特徴データDCHR_FILTERから直線補間により画素別特徴データDCHR_PIXELを算出する(ステップS13)。上述のように、画素別特徴データDCHR_PIXELは、表示領域5の画素9のそれぞれについて算出された特徴量を示すデータである。本実施形態では、フィルタ処理後特徴データDCHR_FILTERがAPLデータ及び分散データを含んでおり、これに合わせて、画素別特徴データDCHR_PIXELも、各画素9について算出されたAPLデータ及び分散データを含んでいる。
【0058】
図10は、エリアA(N,M)に位置する画素9の画素別特徴データDCHR_PIXELの算出方法を示す概念図である。
【0059】
図10において、sは、エリアA(N,M)内における画素9のX軸方向の位置を示しており、tは、エリアA(N,M)内における画素9のY軸方向の位置を示している。s、tは、下記式で表わされる:
s=x−(Xarea×M) …(6a)
t=y−(Yarea×N) …(6b)
ここで、xは、表示領域5における画素9のX軸方向の位置を、画素を単位として表わしたものであり、Xareaは、各エリアのX軸方向画素数である。また、yは、表示領域5における画素9のY軸方向の位置を、画素を単位として表わしたものであり、Yareaは、各エリアのY軸方向画素数である。上述の通り、LCDパネル2が、1920×1080画素の表示領域5を有し、且つ、6行6列のエリアに分割されている場合、X軸方向画素数Xareaは、320(=1920/6)であり、Y軸方向画素数Yareaは、180(=1080/6)である。
【0060】
エリアA(N,M)に位置する特定の画素9の画素別特徴データDCHR_PIXELは、該エリアA(N,M)の4つの頂点に対応するフィルタ処理後特徴データDCHR_FILTERを特定の画素9の該エリアA(N,M)内での位置に応じて直線補間することによって算出される。より具体的には、エリアA(N,M)の画素9の画素別特徴データDCHR_PIXELは、下記式で算出される:
【数2】
ここで、APL_PIXEL (y, x)は、表示領域5におけるX軸方向の位置がxであり、Y軸方向の位置がyである画素9について算出されたAPLデータの値であり、σ_PIXEL (y, x)は、当該画素9について算出された分散データの値である。
【0061】
上述されたステップS12、S13の処理は、全体としては、該画素9が属するエリアについて算出されたエリア別特徴データDCHR_AREA、及び、該エリアの周辺に位置するエリア(該エリアに隣接するエリア)について算出されたエリア別特徴データDCHR_AREAに対して該画素9のエリア内の位置に依存したフィルタリング処理を行い、これにより、該画素9の画素別特徴データDCHR_PIXELを算出することに相当する。ここで、エリア別特徴データDCHR_AREAは、APLデータと分散データを含んでおり、画素別特徴データDCHR_PIXELも、APLデータと分散データを含んでいることに留意されたい。上述されたステップS12、S13の処理では、各画素9の画素別特徴データDCHR_PIXELのAPLデータは、該画素9が属するエリアについて算出されたエリア別特徴データDCHR_AREAのAPLデータ、及び、該エリアの周辺に位置するエリア(該エリアに隣接するエリア)について算出されたエリア別特徴データDCHR_AREAのAPLデータに対して該画素9のエリア内の位置に依存したフィルタリング処理を行うことによって算出される。同様に、各画素9の画素別特徴データDCHR_PIXELの分散データは、該画素9が属するエリアについて算出されたエリア別特徴データDCHR_AREAの分散データ、及び、該エリアの周辺に位置するエリア(該エリアに隣接するエリア)について算出されたエリア別特徴データDCHR_AREAの分散データに対して該画素9のエリア内の位置に依存したフィルタリング処理を行うことによって算出される。
【0062】
図11は、ステップS12、S13の処理を行う画素別特徴データ算出部32の好適な構成の一例を示すブロック図である。画素別特徴データ算出部32は、フィルタ処理後特徴データ算出回路36と、フィルタ処理後特徴データ格納メモリ37と、画素別特徴データ算出回路38とを備えている。フィルタ処理後特徴データ算出回路36は、エリア別特徴データ算出部31のエリア別特徴データ格納メモリ35から読み出されたエリア別特徴データDCHR_AREAから、各頂点に対応するフィルタ処理後特徴データDCHR_FILTERを算出する。上述のように、フィルタ処理後特徴データDCHR_FILTERは、APLデータ及び分散データを含んでいる。フィルタ処理後特徴データ格納メモリ37は、算出されたフィルタ処理後特徴データDCHR_FILTERを格納する。フィルタ処理後特徴データ格納メモリ37は、2行の頂点に対応するフィルタ処理後特徴データDCHR_FILTERを格納する容量を有している。画素別特徴データ算出回路38は、上記式(7a)、(7b)に従って、各画素9に対応する画素別特徴データDCHR_PIXELを算出する。画素別特徴データDCHR_PIXELは、補正点データ算出回路29に送られる。
【0063】
図6に戻り、補正点データ算出回路29においては、各画素9の画素別特徴データDCHR_PIXELのAPLデータから、各画素9の入力画像データDINのガンマ補正に用いるべきガンマ値が算出される(ステップS14)。ここで、R副画素11R、G副画素11G、B副画素11Bについて異なるガンマ値が算出される。詳細には、表示領域5におけるX軸方向の位置がxであり、Y軸方向の位置がyである画素9のR副画素11Rの入力画像データDINについて行われるガンマ補正に用いるべきガンマ値は、下記式に従って算出される:
γ_PIXEL=γ_STD+APL_PIXEL(y,x)・η …(8a)
ここで、γ_PIXELは、該画素9のR副画素11Rの入力画像データDINについて行われるガンマ補正に用いるべきガンマ値であり、γ_STDは、基準となるガンマ値であり、また、ηは、所定の正の比例定数である。式(8a)では、APL_PIXEL(y,x)が増大するほどガンマ値γ_PIXELが増大されることに留意されたい。
【0064】
同様に、表示領域5におけるX軸方向の位置がxであり、Y軸方向の位置がyである画素9のG副画素11G、B副画素11Bの入力画像データDINについて行われるガンマ補正に用いるべきガンマ値は、それぞれ、下記式に従って算出される:
γ_PIXEL=γ_STD+APL_PIXEL(y,x)・η …(8b)
γ_PIXEL=γ_STD+APL_PIXEL(y,x)・η …(8c)
ここで、γ_PIXEL、γ_PIXELは、該画素9のG副画素11G、B副画素11Bの入力画像データDINについて行われるガンマ補正に用いるべきガンマ値であり、γ_STDγ_STDは、基準となるガンマ値であり、また、η、ηは、所定の比例定数である。γ_STD、γ_STDγ_STDは、互いに同一でもよいし、異なっていても良い。また、η、η、ηは、互いに同一でもよいし、異なっていても良い。ガンマ値γ_PIXEL、γ_PIXEL、γ_PIXELは、各画素9について算出されることに留意されたい。
【0065】
更に、算出されたガンマ値γ_PIXEL、γ_PIXEL、γ_PIXELに応じて、それぞれ、補正点データ組CP_L、CP_L、CP_Lが選択される(ステップS15)。ここで、補正点データ組CP_L、CP_L、CP_Lは、それぞれ、最終的に近似演算補正回路22に供給される補正点データ組CP_sel、CP_sel、CP_selを算出するために用いられる元データである。補正点データ組CP_L、CP_L、CP_Lは、各画素9について選択される。後述のように、補正点データ組CP_L、CP_L、CP_Lを、画素別特徴データDCHR_PIXELの分散データに応じて修正することで、最終的に近似演算補正回路22に供給される補正点データ組CP_sel、CP_sel、CP_selが決定される。
【0066】
一実施形態では、補正点データ組CP_L、CP_L、CP_Lの選択は、下記のようにして行われる。補正点データ算出回路29には、複数の補正点データ組CP#1〜CP#mが格納され、補正点データ組CP_L、CP_L、CP_Lのそれぞれは、複数の補正点データ組CP#1〜CP#mのうちから選択される。補正点データ組CP#1〜CP#mは、異なるガンマ値γに対応しており、補正点データ組CP#1〜CP#mのそれぞれは、補正点データCP0〜CP5から構成されている。
【0067】
あるガンマ値γに対応する補正点データ組CP#jの補正点データCP0〜CP5は、下記のように決定されている。
(1)γ<1の場合
【数3】
(2)γ≧1の場合
【数4】
ここで、DINMAXは、入力画像データDINの許容最大値であり、DOUTMAXは、出力画像データDOUTの許容最大値である。Kは、下記式:
K=(DINMAX+1)/2, ・・・(10)
で与えられる定数である。また、Gamma[x]は、ガンマ補正の厳密式を表す関数であり、下記式によって定義される:
【数5】
【0068】
本実施形態では、補正点データ組CP#1〜CP#mは、補正点データ組CP#1〜CP#mから任意に選択された補正点データ組CP#jについて、jが大きいほど式(11)のγが大きくなるように決定されている。即ち、補正点データ組CP#jについて定められたガンマ値をγとすると、
γ<γ<・・・<γm−1<γ ・・・(12)
が成立する。
【0069】
一実施形態では、補正点データ組CP_Lは、ガンマ値γ_PIXELに応じて補正点データ組CP#1〜CP#mのうちから選択される。ガンマ値γ_PIXELが大きいほど、よりjの値が大きいような補正点データ組CP#jが選択される。同様に、補正点データ組CP_L、CP_Lは、それぞれ、ガンマ値γ_PIXEL、γ_PIXELに応じて補正点データ組CP#1〜CP#mのうちから選択される。
【0070】
図12は、このようにして補正点データ組CP_Lが決定された場合のAPL_PIXEL(y,x)、γ_PIXEL、及び、補正点データ組CP_Lの関係を説明するグラフである。APL_PIXEL(y,x)が大きいほど、ガンマ値γ_PIXELは大きく設定され、よりjの値が大きいような補正点データ組CP#jが選択される。
【0071】
他の実施形態では、補正点データ組CP_L、CP_L、CP_Lは、次のように決定されてもよい。上記と同様に、補正点データ算出回路29に補正点データ組CP#1〜CP#mが保存される。ここで、補正点データ算出回路29に保存される補正点データ組CP#1〜CP#mの数は、2P−(Q−1)組である。Pは、APL_PIXEL(y,x)を記述するために使用されるビットの数であり、Qは、Pよりも小さく2以上の所定の整数である。すなわち、m=2P−(Q−1)である。補正点データ算出回路29に格納される補正点データ組CP#1〜CP#mは、初期設定として、演算装置4からドライバIC3に供給されてもよい。
【0072】
更に、ガンマ値γ_PIXEL(kは、”R”、”G”、”B”の任意)に応じて、補正点データ算出回路29に格納されている補正点データ組CP#1〜CP#mのうちの2つの補正点データ組:補正点データ組CP#q、CP#(q+1)が選択される。qは、1以上、m−1の整数である。ここで、
γ<γ_PIXEL<γq+1
となるように補正点データ組CP#q、CP#(q+1)が選択される。
【0073】
補正点データ組CP_Lの補正点データCP0〜CP5は、それぞれ、選択した2つの補正点データ組CP#q、CP#(q+1)の補正点データCP0〜CP5の補間計算によって算出される。
【0074】
より具体的には、補正点データ組CP_L(kは、”R”、”G”、”B”の任意)の補正点データCP0〜CP5は、選択した2つの補正点データ組CP#q、CP#(q+1)の補正点データCP0〜CP5から、下記式で算出される。
CPα_L=CPα(#q)+
{(CPα(#(q+1))−CPα(#q)/2β}×APL_PIXEL[Q−1:0],
・・・(13)
α:0以上、5以下の整数
CPα_L:補正点データ組CP_Lの補正点データCPα
CPα(#q):選択された補正点データ組CP#qの補正点データCPα
CPα(#(q+1)):選択された補正点データ組CP#(q+1)の補正点データCPα
APL_PIXEL[N−1:0]:APL_PIXEL(y,x)の下位Qビット
【0075】
図13は、このようにして補正点データ組CP_Lが決定された時のAPL_PIXEL(y,x)、γ_PIXEL、及び、補正点データ組CP_Lの関係を説明するグラフである。APL_PIXEL(y,x)が大きいほど、ガンマ値γ_PIXELは大きく設定され、よりqの値が大きいような補正点データ組CP#q、CP#(q+1)が選択される。そして、補正点データ組CP_Lは、補正点データ組CP#q、CP#(q+1)が対応するガンマ値γ、γq+1の中間の値のガンマ値に対応するように決定されることになる。
【0076】
図14は、補正点データ組CP#q、CP#(q+1)にそれぞれに対応するガンマカーブの形状と、補正点データ組CP_Lに対応するガンマカーブの形状を概念的に示すグラフである。補正点データ組CP_Lの補正点データCPαが、補正点データ組CP#q、CP#(q+1)それぞれの補正点データCPα(#q)、CPα(#q+1)の補間計算により算出される結果(αは、0以上5以下の整数)、補正点データ組CP_Lに対応するガンマカーブは、補正点データ組CP#q、CP#(q+1)にそれぞれに対応するガンマカーブの間にあるような形状になる。補正点データ組CP_Lの補正点データCP0〜CP5を、選択した2つの補正点データ組CP#q、CP#(q+1)の補正点データCP0〜CP5の補間計算によって算出することは、補正点データ算出回路29に保存される補正点データ組CP#1〜CP#mの数が少なくても、ガンマ補正に使用されるガンマ値を細かく調節することを可能にする点で有用である。
【0077】
図6に戻り、補正点データ組CP_L(kは、“R”、“G”、“B”の任意)が決定された後、補正点データ組CP_Lが、画素別特徴データDCHR_PIXELに含まれる分散データσ_PIXEL(y,x)に応じて修正され、これにより、近似演算補正回路22に供給される補正点データ組CP_selが算出される(ステップS16)。補正点データ組CP_selは、各画素9について算出される。ここで、上述されているように、補正点データ組CP_Lは、特定のガンマカーブの形状を表すデータ組であるから、補正点データ組CP_Lを分散データσ_PIXEL(y,x)に応じて修正することは、技術的には、ガンマ補正に使用されるガンマカーブの形状を分散データσ_PIXEL(y,x)に応じて修正することと等価であることに留意されたい。
【0078】
図15は、補正点データ組CP_Lを、分散データσ_PIXEL(y,x)に基づいて修正することの技術的意義を示す概念図である。分散データσ_PIXEL(y,x)の値が大きいことは、当該画素9の周囲の領域にAPL_PIXEL(y,x)から離れた輝度の画素9が多いことを意味しており、言い換えれば、画像のコントラストが大きいことを意味している。画像のコントラストが大きい場合には、コントラストを強調するように近似演算補正回路22における補正演算を行うことで、当該画像のコントラストを表現できるようになる。
【0079】
補正点データ組CP_Lの補正点データCP1、CP4は、コントラストに及ぼす影響が大きいので、本実施形態では、補正点データ組CP_Lの補正点データCP1、CP4が分散データσ_PIXEL(y,x)の値に応じて制御される。補正点データ組CP_Lの補正点データCP1の修正は、分散データσ_PIXEL(y,x)の値が大きいほど、最終的に近似演算補正回路22に供給される補正点データ組CP_selの補正点データCP1が小さくなるように行われる。また、補正点データ組CP_Lの補正点データCP4の修正は、分散データσ_PIXEL(y,x)の値が大きいほど、最終的に近似演算補正回路22に供給される補正点データ組CP_selの補正点データCP4が小さくなるように行われる。このような修正により、画像のコントラストが大きい場合には、コントラストを強調するように近似演算補正回路22における補正演算が行われることになる。なお、本実施形態では、補正点データ組CP_Lの補正点データCP0、CP2、CP3、CP5については修正が行われない。即ち、補正点データ組CP_selの補正点データCP0、CP2、CP3、CP5は、補正点データ組CP_Lの補正点データCP0、CP2、CP3、CP5と同一の値である。
【0080】
一実施形態では、補正点データ組CP_selの補正点データCP1、CP4は、次式で算出される:
CP1_sel=CP1_L−(DINMAX−σ_PIXEL(y,x))・ξ
・・・(14a)
CP1_sel=CP1_L−(DINMAX−σ_PIXEL(y,x))・ξ
・・・(14b)
CP1_sel=CP1_L−(DINMAX−σ_PIXEL(y,x))・ξ
・・・(14c)
CP4_sel=CP4_L+(DINMAX−σ_PIXEL(y,x))・ξ
・・・(15a)
CP4_sel=CP4_L+(DINMAX−σ_PIXEL(y,x))・ξ
・・・(15b)
CP4_sel=CP4_L+(DINMAX−σ_PIXEL(y,x))・ξ
・・・(15c)
ここで、DINMAXは、入力画像データDINの許容最大値である。また、ξ、ξ、ξは、所定の比例定数である。ξ、ξ、ξは、同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。また、CP1_sel、CP4_selは、それぞれ、補正点データ組CP_selの補正点データCP1、CP4であり、CP1_L、CP4_Lは、それぞれ、補正点データ組CP_Lの補正点データCP1、CP4である。
【0081】
図16は、上述のステップS14〜S16の処理を行う補正点データ算出回路29の好適な構成の例を示すブロック図である。図16の例では、補正点データ算出回路29は、補正点データ組格納レジスタ41と、補間演算/選択回路42と、補正点データ加減算回路43とを備えている。
【0082】
補正点データ組格納レジスタ41は、上述の複数の補正点データ組CP#1〜CP#mを格納している。上述されているように、補正点データ組CP#1〜CP#mは、補正点データ組CP_L、CP_L、CP_Lを決定する元データとして使用される。
【0083】
補間演算/選択回路42は、画素別特徴データDCHR_PIXELに含まれているAPLデータAPL_PIXEL(y,x)に応じて補正点データ組CP_L、CP_L、CP_Lを決定する。上述されるように、一実施形態では、APLデータAPL_PIXEL(y,x)から、式(8a)〜(8c)に従ってγ_PIXEL(kは、“R”、“G”、“B”の任意)が算出され、ガンマ値γ_PIXELに応じて、それぞれ、補正点データ組CP_Lが、補正点データ組CP#1〜CP#mのうちから選択される。他の実施形態では、ガンマ値γ_PIXELに応じて補正点データ組CP#1〜CP#mのうちから2つが選択され、選択された2つの補正点データ組に対し、APLデータAPL_PIXEL(y,x)に依存した補間演算(より具体的には、式(13)の演算)を行うことで、補正点データ組CP_Lが算出される。補間演算/選択回路42によって決定された補正点データ組CP_L、CP_L、CP_Lは、補正点データ加減算回路39に送られる。
【0084】
補正点データ加減算回路39は、画素別特徴データDCHR_PIXELに含まれる分散データσ_PIXEL(y,x)に応じて補正点データ組CP_L、CP_L、CP_Lを修正し、最終的に近似演算補正回路22に供給される補正点データ組CP_sel、CP_sel、CP_selを算出する。補正点データ組CP_L、CP_L、CP_Lの修正は、例えば、式(14a)〜(14c)、(15a)〜(15c)に従って行われる。
【0085】
図6に戻り、近似演算補正回路22の近似演算ユニット22R、22G、22Bは、それぞれ、各画素9について補正点データ算出回路29によって算出された補正点データ組CP_sel、CP_sel、CP_selを用いて当該画素9に対応する入力画像データDIN、DIN、及びDINに対して補正演算を行い、出力画像データDOUT、DOUT、及びDOUTを生成する(ステップS17)。
【0086】
各近似演算ユニット22k(kは、“R”、“G”、“B”の任意)は、下記式によって入力画像データDINから出力画像データDOUTを演算する:
(1)DIN<DINCenter、且つ、CP1>CP0の場合:
【数6】
補正点データCP1が補正点データCP0よりも大きいということは、ガンマ補正に使用されるガンマ値γ_DPINが1より小さいことを意味していることに留意されたい。
【0087】
(2)DIN<DINCenter、且つ、CP1≦CP0の場合:
【数7】
補正点データCP1が補正点データCP0以下であるということは、ガンマ補正に使用されるガンマ値γが1以上であることを意味していることに留意されたい。
【0088】
(3)DIN>DINCenterの場合:
【数8】
【0089】
ここで、中間データ値DINCenterとは、入力画像データDINの許容最大値DINMAXを用いて下記式:
INCenter=DINMAX/2, ・・・(17)
で定義される値である。また、Kは、上述の式(10)で与えられるパラメータである。更に、式(16a)〜(16c)に現れるDINS、PDINS、NDINSは、下記のように定義される値である。
【0090】
(a)DINS
INSは、入力画像データDINに依存して決まる値であり、下記式で与えられる:
【数9】
【0091】
(b)PDINS
PDINSは、式(19b)で定義されるパラメータRを用いて、下記式(19a)で定義される:
【数10】
式(18a)、(18b)、(19b)から理解されるように、パラメータRは、DINの1/2乗に比例する値であり、従って、PDINSは、入力画像データDINの1/2乗に比例する項、及び1乗に比例する項を含む式で算出される値である。
【0092】
(c)NDINS
NDINSは、下記式で与えられる:
【数11】
式(18a)、(18b)、(20)から理解されるように、NDINSは、入力画像データDINの2乗に比例する項を含む式で算出される値である。
【0093】
近似演算補正回路22において上記の一連の式によって算出された出力画像データDOUT、DOUT、及びDOUTが、減色処理回路23に送られる。減色処理回路23では、出力画像データDOUT、DOUT、及びDOUTに対して減色処理を行われ、減色画像データDOUT_Dが生成される。減色画像データDOUT_Dは、ラッチ回路24を介してデータ線駆動回路26に送られ、LCDパネル2のデータ線8は、減色画像データDOUT_Dに応じて駆動される。
【0094】
以上に説明されているように、本実施形態では、LCDパネル2の表示領域5のLCDパネル2の表示領域5を区分して定義された複数のエリアのそれぞれについてエリア別特徴データDCHR_AREAが算出され、該エリアに属する画素9に対応する入力画像データDINに対する補正演算(コントラスト強調)が、該エリアについて算出されたエリア別特徴データDCHR_AREAに依存して行われる。このような動作によれば、個々のエリアに最適な補正演算を行うことができる。例えば、表示領域5に、暗い画像が表示されるエリアと明るい画像が表示されるエリアがある場合、それぞれのエリアに対して最適な画質補正を行うことができる。これは、画質の向上に寄与する。
【0095】
この一方で、本実施形態では、エリア別特徴データDCHR_AREAに対してフィルタリング処理を行うことで各画素9について画素別特徴データDCHR_PIXELが算出され、各画素9の入力画像データDINの補正演算では、該画素9について算出された画素別特徴データDCHR_PIXELに依存した補正演算が行われる。詳細には、ある画素9の画素別特徴データDCHR_PIXELは、該画素9が属するエリアについて算出されたエリア別特徴データDCHR_AREA、及び、該エリアの周辺に位置するエリア(該エリアに隣接するエリア)について算出されたエリア別特徴データDCHR_AREAに対してフィルタリング処理を行うことで算出される。このような手法によれば、エリアの境界付近におけるブロックノイズを低減することができる。
【0096】
なお、上記の実施形態では、エリア別特徴データDCHR_AREA、フィルタ処理後特徴データDCHR_FILTER、画素別特徴データDCHR_PIXELが、いずれも、APLデータ及び分散データを含んでいるが、エリア別特徴データDCHR_AREA、フィルタ処理後特徴データDCHR_FILTER、画素別特徴データDCHR_PIXELの内容は、APLデータ及び分散データの組み合わせに限定されない。エリア別特徴データDCHR_AREA、フィルタ処理後特徴データDCHR_FILTER、画素別特徴データDCHR_PIXELは、APLデータ及び分散データ以外の特徴量を示すデータを含んでいても良い。
【0097】
また、エリア別特徴データDCHR_AREA、フィルタ処理後特徴データDCHR_FILTER、画素別特徴データDCHR_PIXELが、APLデータのみを含んでいてもよい。この場合には、画素別特徴データDCHR_PIXELの分散データに基づく補正点データ組CP_Lの修正は行われず、補正点データ組CP_Lが、そのまま、近似演算補正回路22に供給される補正点データ組CP_selとして用いられる。このような構成でも、個々のエリアに最適なガンマ値を選択し、最適なガンマ値による補正演算(ガンマ補正)を行うことができる。
【0098】
また、上記の実施形態では、R副画素11R、G副画素11G、B副画素11Bについて、別々にガンマ値γ_PIXEL、γ_PIXEL、γ_PIXELが算出され、算出されたガンマ値γ_PIXEL、γ_PIXEL、γ_PIXELに応じて補正演算が行われる。しかしながら、R副画素11R、G副画素11G、B副画素11Bに共通のガンマ値γ_PIXELが算出され、同一の補正演算が行われても良い。この場合、ある画素9のAPLデータAPL_PIXEL(y,x)から、下記式
γ_PIXEL=γ_STD+APL_PIXEL(y,x)・η …(8a’)
によってR副画素11R、G副画素11G、B副画素11Bに共通のガンマ値γ_PIXELが算出される。更に、ガンマ値γ_PIXELから、共通の補正点データ組CP_Lが算出される。補正点データ組CP_Lのガンマ値γ_PIXELからの算出は、上述された、補正点データ組CP_Lのガンマ値γ_PIXEL(kは、“R”、“G”、“B”の任意)からの算出と同様にして行われる。更に、補正点データ組CP_Lが当該画素9の分散データσ_PIXEL(y,x)に基づいて修正されて、共通の補正点データ組CP_selが算出される。補正点データ組CP_selの算出は、上述された、補正点データ組CP_Lを当該画素9の分散データσ_PIXEL(y,x)に基づいて修正することによる補正点データ組CP_selの算出と同様にして行われる。R副画素11R、G副画素11G、B副画素11Bのいずれに対応する入力画像データDINに対しても補正点データ組CP_selに基づく補正演算が行われて出力画像データDOUTが算出される。
【0099】
また、上記では、LCDパネル2を備えた液晶表示装置1の実施形態が記載されているが、本発明は、他の表示パネルを備えたパネル表示装置(例えば、有機EL(electroluminescence)表示パネルを備えた表示装置)に適用され得ることに留意されたい。
【符号の説明】
【0100】
1 :液晶表示装置
2 :LCDパネル
3 :ドライバIC
4 :演算装置
5 :表示領域
6 :ゲート線駆動回路
7 :ゲート線
8 :データ線
9 :画素
11 :副画素
11B :B副画素
11G :G副画素
11R :R副画素
12 :TFT
13 :画素電極
14 :対向電極
21 :インターフェース回路
22 :近似演算補正回路
22R、22G、22B、22k:近似演算ユニット
23 :減色処理回路
24 :ラッチ回路
25 :階調電圧発生回路
26 :データ線駆動回路
27 :タイミング制御回路
28 :特徴データ算出回路
29 :補正点データ算出回路
31 :エリア別特徴データ算出部
32 :画素別特徴データ算出部
33 :データ分析回路
34 :特徴データ計算結果格納メモリ
35 :エリア別特徴データ格納メモリ
36 :フィルタ処理後特徴データ算出回路
37 :フィルタ処理後特徴データ格納メモリ
38 :画素別特徴データ算出回路
39 :補正点データ加減算回路
41 :補正点データ組格納レジスタ
42 :選択回路
43 :補正点データ加減算回路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16