特許第6347992号(P6347992)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6347992内航海運管理システム、サーバー、方法、及び、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6347992
(24)【登録日】2018年6月8日
(45)【発行日】2018年6月27日
(54)【発明の名称】内航海運管理システム、サーバー、方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/30 20120101AFI20180618BHJP
   G06Q 20/14 20120101ALI20180618BHJP
【FI】
   G06Q50/30
   G06Q20/14
【請求項の数】6
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-113754(P2014-113754)
(22)【出願日】2014年6月2日
(65)【公開番号】特開2015-228148(P2015-228148A)
(43)【公開日】2015年12月17日
【審査請求日】2017年6月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】100110777
【弁理士】
【氏名又は名称】宇都宮 正明
(74)【代理人】
【識別番号】100110858
【弁理士】
【氏名又は名称】柳瀬 睦肇
(74)【代理人】
【識別番号】100100413
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 温
(72)【発明者】
【氏名】中村 祐介
(72)【発明者】
【氏名】芹澤 邦明
【審査官】 松野 広一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−157309(JP,A)
【文献】 特開2010−257370(JP,A)
【文献】 特開2005−301397(JP,A)
【文献】 特開2002−108995(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
海運会社において内航海運に関するデータを管理するために、ネットワークを介して接続された少なくとも1つのクライアント端末と共に用いられる内航海運管理サーバーであって、
海運会社の内航海運に関するデータを格納する管理データベースを記録する記録部と、
海運会社が燃料を購入した購入先を特定する購入先コード、燃料出荷日を特定する日付データ、購入した燃料が供給される船舶の船名を特定する船名コード、燃料の品名を特定する品名コード、及び、燃料購入量を特定する購入量データを含む燃料購入データを前記少なくとも1つのクライアント端末から受信して、燃料購入データに含まれている複数の項目を互いに関連付けて前記管理データベースに格納するデータ処理部と、
燃料購入データの検索要求と共に、購入先コード、設定期間の開始日を特定する第1のデータ、及び、設定期間の終了日を特定する第2のデータをクライアント端末から受信したときに、受信された購入先コードを検索キーワードとして用いて燃料購入データを検索して購入先コードに関連付けられた日付データを読み出し、読み出された日付データを第1及び第2のデータと比較することにより、設定期間の開始日から終了日までの日付に該当する日付データを抽出すると共に、抽出された日付データに関連付けられた船名コード、品名コード、及び、購入量データを読み出すデータ検索部と、
受信された購入先コードによって特定される燃料購入先、及び、第1及び第2のデータによって特定される設定期間の開始日及び終了日と共に、抽出された日付データに関連付けられた船名コード、品名コード、及び、購入量データによってそれぞれ特定される船名、燃料の品名、及び、燃料購入量を含む燃料購入情報を前記クライアント端末の表示部に表示させるネットワーク接続部と、
を備える内航海運管理サーバー。
【請求項2】
前記データ検索部が、抽出された日付データを、設定期間内の最後の月に該当する第1の期間における燃料出荷日を特定する日付データと、設定期間内の最後の月よりも前の月に該当する第2の期間における燃料出荷日を特定する日付データとに分類し、
前記ネットワーク接続部が、受信された購入先コードによって特定される燃料購入先、及び、第1及び第2のデータによって特定される設定期間の開始日及び終了日と共に、第1の期間における燃料購入情報に対応して、燃料の単価を表す単価データを入力するための入力欄と、第2の期間における燃料購入情報に対応して、燃料の価格改定に伴う差額単価を表す差額単価データを入力するための入力欄とを含む燃料購入入力画面を前記クライアント端末の表示部に表示させる、
請求項1記載の内航海運管理サーバー。
【請求項3】
前記クライアント端末に入力された単価データ及び差額単価データを受信し、受信された単価データによって表される燃料の単価と対応する燃料購入量との積である購入金額を求めて合計することにより、合計購入金額を表す合計購入金額データを算出すると共に、受信された差額単価データによって表される差額単価と対応する燃料購入量との積である調整金額を求めて合計することにより、合計調整金額を表す合計調整金額データを算出して、合計購入金額と合計調整金額とを加算することにより、総合計金額を表す総合計金額データを算出するデータ演算部をさらに備え、
前記ネットワーク接続部が、燃料購入情報と共に、合計購入金額データ、合計調整金額データ、及び、総合計金額データによってそれぞれ表される合計購入金額、合計調整金額、及び、総合計金額をさらに含む更新された燃料購入入力画面を前記クライアント端末の表示部に表示させる、
請求項2記載の内航海運管理サーバー。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項記載の内航海運管理サーバーと、
海運会社が燃料を購入した購入先を特定する購入先コード、設定期間の開始日を特定する第1のデータ、及び、設定期間の終了日を特定する第2のデータが入力されたときに、検索命令に応答して、燃料購入データの検索要求と共に、購入先コード、及び、第1及び第2のデータを前記内航海運管理サーバーに送信し、前記内航海運管理サーバーから受信したファイルに基づいて、燃料購入先、及び、設定期間の開始日及び終了日と共に、購入した燃料が供給される船舶の船名、燃料の品名、及び、燃料購入量を含む燃料購入情報を表示部に表示する少なくとも1つのクライアント端末と、
を備える内航海運管理システム。
【請求項5】
海運会社において内航海運に関するデータを管理するために用いられる内航海運管理方法であって、
海運会社が燃料を購入した購入先を特定する購入先コード、燃料出荷日を特定する日付データ、購入した燃料が供給される船舶の船名を特定する船名コード、燃料の品名を特定する品名コード、及び、燃料購入量を特定する購入量データを含む燃料購入データを少なくとも1つのクライアント端末から受信して、燃料購入データに含まれている複数の項目を互いに関連付けて管理データベースに格納するステップ(a)と、
燃料購入データの検索要求と共に、購入先コード、設定期間の開始日を特定する第1のデータ、及び、設定期間の終了日を特定する第2のデータをクライアント端末から受信したときに、受信された購入先コードを検索キーワードとして用いて燃料購入データを検索して購入先コードに関連付けられた日付データを読み出し、読み出された日付データを第1及び第2のデータと比較することにより、設定期間の開始日から終了日までの日付に該当する日付データを抽出すると共に、抽出された日付データに関連付けられた船名コード、品名コード、及び、購入量データを読み出すステップ(b)と、
受信された購入先コードによって特定される燃料購入先、及び、第1及び第2のデータによって特定される設定期間の開始日及び終了日と共に、抽出された日付データに関連付けられた船名コード、品名コード、及び、購入量データによってそれぞれ特定される船名、燃料の品名、及び、燃料購入量を含む燃料購入情報を前記クライアント端末の表示部に表示させるステップ(c)と、
を備える内航海運管理方法。
【請求項6】
海運会社において内航海運に関するデータを管理するための内航海運管理サーバーにおいて用いられる内航海運管理プログラムであって、
海運会社が燃料を購入した購入先を特定する購入先コード、燃料出荷日を特定する日付データ、購入した燃料が供給される船舶の船名を特定する船名コード、燃料の品名を特定する品名コード、及び、燃料購入量を特定する購入量データを含む燃料購入データを少なくとも1つのクライアント端末から受信して、燃料購入データに含まれている複数の項目を互いに関連付けて管理データベースに格納する手順(a)と、
燃料購入データの検索要求と共に、購入先コード、設定期間の開始日を特定する第1のデータ、及び、設定期間の終了日を特定する第2のデータをクライアント端末から受信したときに、受信された購入先コードを検索キーワードとして用いて燃料購入データを検索して購入先コードに関連付けられた日付データを読み出し、読み出された日付データを第1及び第2のデータと比較することにより、設定期間の開始日から終了日までの日付に該当する日付データを抽出すると共に、抽出された日付データに関連付けられた船名コード、品名コード、及び、購入量データを読み出す手順(b)と、
受信された購入先コードによって特定される燃料購入先、及び、第1及び第2のデータによって特定される設定期間の開始日及び終了日と共に、抽出された日付データに関連付けられた船名コード、品名コード、及び、購入量データによってそれぞれ特定される船名、燃料の品名、及び、燃料購入量を含む燃料購入情報を前記クライアント端末の表示部に表示させる手順(c)と、
をCPUに実行させる内航海運管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海運会社において内航海運に関するデータを管理するための内航海運管理システムに関する。さらに、本発明は、そのような内航海運管理システムにおいて用いられる内航海運管理サーバー、内航海運管理方法、及び、内航海運管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
内航海運業においては、1つの航海について、荷物の運搬の依頼元である荷主に対する請求や、燃料業者、港代理店、及び、修理業者に対する支払を含む様々な債権債務が発生する。しかしながら、従来は、請求情報や支払情報を単にリストに格納しておくだけのことが多く、海運会社は、それらの内容の正確性を十分に確認することができなかった。
【0003】
例えば、海運会社に重油等の燃料を販売した燃料業者は、販売した燃料について、海運会社に対して1カ月毎に請求書を発行する。燃料の価格は3カ月毎に遡及的に改定されるので、例えば、3月末に燃料の価格が改定されたとしたら、燃料業者が3月分の請求書を発行する際に、3月中に出荷された燃料の請求額は改定後の価格で算出され、1月中と2月中に出荷された燃料については、燃料の価格改定に従って、1月分及び2月分の請求書における請求額と改定後の価格で算出された請求額との差額が請求又は減額される。
【0004】
燃料業者が発行する請求書の内容には誤りが存在することもあるが、燃料を購入した海運会社が燃料購入量を正確に把握していない場合には、請求書の内容が妥当であるか否かの判断が困難であった。従って、多くの海運会社は、請求書ベースで支払いを行っており、実際に支払うべき額よりも多くの額を支払うことによって損失を被っても、それに気付くことができなかった。
【0005】
関連する技術として、特許文献1には、流通過程における商品の履歴を管理でき、業者及び消費者にとって安全な決済処理が可能であり、また、複数の商品の配達状況を注文主が容易に確認できることを目的とする物流管理システムが開示されている。
【0006】
この物流管理システムは、商品情報を記憶する商品情報記憶手段と、商品情報に関する商品の受注情報毎に受注情報に基づく支払い請求額と受注情報に関する商品の配達状況情報とを記憶する宅配荷物情報記憶手段と、外部装置との通信手段と、これらの手段の動作を制御する処理手段とを備え、処理手段は、商品情報を受信した商品の受取人側端末から商品情報に関する商品の受注情報を受け付け、受け付けた受注情報毎に受注情報に基づく支払い請求額を宅配荷物情報記憶手段に記憶し、配達者側端末から受注情報に関する商品の配達状況情報を受注情報毎に受け付け、受け付けた配達状況情報を受注情報毎に宅配荷物情報記憶手段に記憶し、受取人側端末又は商品の受注者側端末から宅配荷物情報記憶手段が記憶した記憶結果の送信要求を受け付けた場合に、宅配荷物情報記憶手段が記憶した記憶結果を参照し、受注情報毎に受注情報に基づく支払い請求額と受注情報に関する商品の配達状況情報とを、送信要求した受取人側端末又は受注者側端末に送信する。
【0007】
特許文献1の物流管理システムによれば、受取人は、自己の注文した商品を一元的に確認することができる。しかしながら、特許文献1の物流管理システムは、受取人側端末と、配達者側端末と、商品の受注者側端末との間で通信を行うことによって動作するものであり、受取人側に蓄積された情報のみに基づいて、商品の受注者からの請求額が適切であるか否かを判断することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−196550号公報(段落0006−0007、図1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、上記の点に鑑み、本発明の第1の目的は、海運会社に蓄積された情報に基づいて、燃料購入先から海運会社に対して発行された請求書の内容が適切であるか否かの判断を容易にすることができる内航海運管理システムを提供することである。また、本発明の第2の目的は、そのような内航海運管理システムにおいて用いられる内航海運管理サーバー、内航海運管理方法、及び、内航海運管理プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以上の課題を解決するため、本発明の1つの観点に係る内航海運管理サーバーは、海運会社において内航海運に関するデータを管理するために、ネットワークを介して接続された少なくとも1つのクライアント端末と共に用いられる内航海運管理サーバーであって、海運会社の内航海運に関するデータを格納する管理データベースを記録する記録部と、海運会社が燃料を購入した購入先を特定する購入先コード、燃料出荷日を特定する日付データ、購入した燃料が供給される船舶の船名を特定する船名コード、燃料の品名を特定する品名コード、及び、燃料購入量を特定する購入量データを含む燃料購入データを前記少なくとも1つのクライアント端末から受信して、燃料購入データに含まれている複数の項目を互いに関連付けて前記管理データベースに格納するデータ処理部と、燃料購入データの検索要求と共に、購入先コード、設定期間の開始日を特定する第1のデータ、及び、設定期間の終了日を特定する第2のデータをクライアント端末から受信したときに、受信された購入先コードを検索キーワードとして用いて燃料購入データを検索して購入先コードに関連付けられた日付データを読み出し、読み出された日付データを第1及び第2のデータと比較することにより、設定期間の開始日から終了日までの日付に該当する日付データを抽出すると共に、抽出された日付データに関連付けられた船名コード、品名コード、及び、購入量データを読み出すデータ検索部と、受信された購入先コードによって特定される燃料購入先、及び、第1及び第2のデータによって特定される設定期間の開始日及び終了日と共に、抽出された日付データに関連付けられた船名コード、品名コード、及び、購入量データによってそれぞれ特定される船名、燃料の品名、及び、燃料購入量を含む燃料購入情報を前記クライアント端末の表示部に表示させるネットワーク接続部とを備える。
【0011】
本発明の1つの観点に係る内航海運管理システムは、本発明のいずれかの観点に係る内航海運管理サーバーと、海運会社が燃料を購入した購入先を特定する購入先コード、設定期間の開始日を特定する第1のデータ、及び、設定期間の終了日を特定する第2のデータが入力されたときに、検索命令に応答して、燃料購入データの検索要求と共に、購入先コード、及び、第1及び第2のデータを前記内航海運管理サーバーに送信し、前記内航海運管理サーバーから受信したファイルに基づいて、燃料購入先、及び、設定期間の開始日及び終了日と共に、購入した燃料が供給される船舶の船名、燃料の品名、及び、燃料購入量を含む燃料購入情報を表示部に表示する少なくとも1つのクライアント端末とを備える。
【0012】
本発明の1つの観点に係る内航海運管理方法は、海運会社において内航海運に関するデータを管理するために用いられる内航海運管理方法であって、海運会社が燃料を購入した購入先を特定する購入先コード、燃料出荷日を特定する日付データ、購入した燃料が供給される船舶の船名を特定する船名コード、燃料の品名を特定する品名コード、及び、燃料購入量を特定する購入量データを含む燃料購入データを少なくとも1つのクライアント端末から受信して、燃料購入データに含まれている複数の項目を互いに関連付けて管理データベースに格納するステップ(a)と、燃料購入データの検索要求と共に、購入先コード、設定期間の開始日を特定する第1のデータ、及び、設定期間の終了日を特定する第2のデータをクライアント端末から受信したときに、受信された購入先コードを検索キーワードとして用いて燃料購入データを検索して購入先コードに関連付けられた日付データを読み出し、読み出された日付データを第1及び第2のデータと比較することにより、設定期間の開始日から終了日までの日付に該当する日付データを抽出すると共に、抽出された日付データに関連付けられた船名コード、品名コード、及び、購入量データを読み出すステップ(b)と、受信された購入先コードによって特定される燃料購入先、及び、第1及び第2のデータによって特定される設定期間の開始日及び終了日と共に、抽出された日付データに関連付けられた船名コード、品名コード、及び、購入量データによってそれぞれ特定される船名、燃料の品名、及び、燃料購入量を含む燃料購入情報を前記クライアント端末の表示部に表示させるステップ(c)とを備える。
【0013】
本発明の1つの観点に係る内航海運管理プログラムは、海運会社において内航海運に関するデータを管理するための内航海運管理サーバーにおいて用いられる内航海運管理プログラムであって、海運会社が燃料を購入した購入先を特定する購入先コード、燃料出荷日を特定する日付データ、購入した燃料が供給される船舶の船名を特定する船名コード、燃料の品名を特定する品名コード、及び、燃料購入量を特定する購入量データを含む燃料購入データを少なくとも1つのクライアント端末から受信して、燃料購入データに含まれている複数の項目を互いに関連付けて管理データベースに格納する手順(a)と、燃料購入データの検索要求と共に、購入先コード、設定期間の開始日を特定する第1のデータ、及び、設定期間の終了日を特定する第2のデータをクライアント端末から受信したときに、受信された購入先コードを検索キーワードとして用いて燃料購入データを検索して購入先コードに関連付けられた日付データを読み出し、読み出された日付データを第1及び第2のデータと比較することにより、設定期間の開始日から終了日までの日付に該当する日付データを抽出すると共に、抽出された日付データに関連付けられた船名コード、品名コード、及び、購入量データを読み出す手順(b)と、受信された購入先コードによって特定される燃料購入先、及び、第1及び第2のデータによって特定される設定期間の開始日及び終了日と共に、抽出された日付データに関連付けられた船名コード、品名コード、及び、購入量データによってそれぞれ特定される船名、燃料の品名、及び、燃料購入量を含む燃料購入情報を前記クライアント端末の表示部に表示させる手順(c)とをCPUに実行させる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の1つの観点によれば、海運会社において燃料購入に関する情報を購入先コードに関連付けて管理データベースに蓄積しておき、燃料購入先から届いた請求書の内容をチェックする際に、購入先コード及び設定期間をクライアント端末に入力することにより、その燃料購入先から設定期間において出荷された燃料について、購入した燃料が供給される船舶の船名、燃料の品名、及び、燃料購入量を含む燃料購入情報がクライアント端末の表示部に表示されるので、燃料購入先から海運会社に対して発行された請求書の内容が適切であるか否かの判断を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係る内航海運管理システムの構成例を示す図。
図2】クライアント端末の表示部に表示される燃料購入入力画面の例を示す図。
図3】管理データベースの支払テーブルに格納されている燃料購入データ等の構造を示す図。
図4】クライアント端末の表示部に表示される検索時の燃料購入入力画面の例を示す図。
図5図1に示す内航海運管理サーバーの動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。
<システムの構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る内航海運管理システムの構成例を示す図である。この内航海運管理システムは、内航海運業を営む海運会社に設けられている。図1に示すように、内航海運管理システムは、内航海運に関するデータを管理するための内航海運管理サーバー10と、LAN(ローカルエリア・ネットワーク)等のネットワークを介して内航海運管理サーバー10に接続された少なくとも1つのクライアント端末20と、ネットワーク等を介してクライアント端末20に接続された少なくとも1つのプリンター30とを備えている。
【0017】
クライアント端末20としては、例えば、各種のデータや命令等を入力するために用いられるキーボードやマウスを含む操作部と、入力画面や検索結果画面等の画像を表示する表示部とを備えたパーソナル・コンピューターを使用することができる。プリンター30は、船舶に対する航海指示書や、燃料業者に対する出荷依頼書や、荷主に対する運賃請求書等を作成するために用いられる。
【0018】
内航海運管理サーバー10は、操作部11と、ネットワーク接続部12と、データ処理部13と、データ検索部14と、データ演算部15と、記録部16と、表示部17とを含んでいる。ここで、ネットワーク接続部12〜データ演算部15の内の少なくとも一部は、中央演算装置(CPU)と、CPUに各種の処理を行わせるためのソフトウェア(内航海運管理プログラム)とによって構成されても良い。ソフトウェアは、記録部16の記録媒体に記録される。
【0019】
記録部16は、上記のソフトウェアに加えて、海運会社の内航海運に関するデータを格納する管理データベースを記録している。記録部16における記録媒体としては、内蔵のハードディスクの他に、外付けハードディスク、フレキシブルディスク、各種のメモリー、CD−ROM、又は、DVD−ROM等を用いることができる。
【0020】
操作部11は、例えば、キーボードやマウスを含み、内航海運管理サーバー10を操作するために用いられる。ネットワーク接続部12は、例えば、HTTP(ハイパーテキスト・トランスファープロトコル)サーバー部やTCP/IP(トランスポート制御プロトコル/インターネットプロトコル)制御部等を含み、クライアント端末20の表示部に入力画面や検索結果画面等を表示させたり、ネットワークを介してクライアント端末20との間でデータの送受信を行う。
【0021】
データ処理部13は、クライアント端末20からネットワーク接続部12を介して受信したデータを処理したり、必要なデータを生成したり、データを管理データベースに格納して記録部16に記録する。データ検索部14は、記録部16に記録されている管理データベースにおいてデータを検索することができる。データ演算部15は、データ検索部14によって読み出されたデータ等に基づいて演算を行う。表示部17は、LCDディスプレイ等を含み、操作画面等の画像を表示する。
【0022】
記録部16に記録されている管理データベースは、業務日報に関する業務データを蓄積する業務日報テーブルと、燃料業者、港代理店、及び、修理業者等に対する支払に関する支払データを蓄積する支払テーブルと、荷主に対する請求に関する請求データを蓄積する請求テーブルとを含んでいる。支払データには、燃料購入データと支払金額データとが含まれている。
【0023】
また、管理データベースは、取引先コードと取引先に関するデータとを対応して格納する取引先マスターテーブルと、船名コードと船名に関するデータとを対応して格納する船名マスターテーブルと、品名コードと品名に関するデータとを対応して格納する品名マスターテーブルと、港コードと港名を表す文字データとを対応して格納すると共に、場所コードと港における場所名を表す文字データとを対応して格納する寄港地マスターテーブルとを含んでいる。
【0024】
次に、図1に示す内航海運管理システムの動作について説明する。
<燃料購入データの入力>
海運会社が燃料業者から燃料を購入すると、海運会社のオペレーターは、クライアント端末20の操作部を操作することにより、ネットワークを介して内航海運管理サーバー10にアクセスする。
【0025】
内航海運管理サーバー10のネットワーク接続部12は、クライアント端末20からネットワークを介してアクセスを受けたときに、メニューをクライアント端末20の表示部に表示させる。オペレーターが、クライアント端末20の表示部に表示されたメニューの中から「燃料購入入力」を選択すると、内航海運管理サーバー10のネットワーク接続部12は、燃料購入入力画面をクライアント端末20の表示部に表示させる。
【0026】
図2は、クライアント端末の表示部に表示される燃料購入入力画面の例を示す図である。燃料購入入力画面がクライアント端末20の表示部に表示されると、オペレーターは、クライアント端末20の操作部を操作することにより、海運会社が燃料を購入した購入先を特定する購入先コード、燃料出荷日を特定する日付データ、購入した燃料が供給される船舶の船名を特定する船名コード、燃料の品名を特定する品名コード、燃料購入量(数量)を特定する購入量データ等を含む燃料購入データを、燃料購入入力画面に入力する。
【0027】
例えば、海運会社が、燃料業者である日本○○(株)から2008年3月10日にAFO(A重油)10キロリットルを購入し、購入されたAFOが日本丸という船舶に供給される場合について説明する。海運会社のオペレーターは、燃料購入先「日本○○(株)」を特定する購入先コード「001111」、燃料出荷日を特定する日付データ「2008/03/10」、購入した燃料が供給される船舶の船名「日本丸」を特定する船名コード「001234」、燃料の品名「AFO」を特定する品名コード「00123」、燃料購入量(数量)を特定する購入量データ「10.000」キロリットル等を含む燃料購入データを燃料購入入力画面に入力する。
【0028】
なお、購入先コードと同じ支払先コード「001111」がデフォルトとして表示されても良いし、オペレーターが支払先コードを入力しても良い。また、オペレーターが発注番号「00001310」を入力しても良いし、内航海運管理サーバー10のデータ処理部13が発注番号を自動的に連番で発行するようにしても良い。
【0029】
海運会社は、自社の船舶を用いて積荷を運搬することもあり、船主(船のオーナー)から船舶を借りて積荷を運搬することもある。また、燃料購入費用の負担に関しては、海運会社と船主と荷主との間で取決めが定められることもある。燃料購入費用の負担に関する取決めに従って、海運会社が燃料購入費用を負担する場合と、船主が燃料購入費用を負担する場合と、荷主が燃料購入費用を負担する場合とが存在する。船主が燃料購入費用を負担する場合には、海運会社が船主に対して燃料購入費用を立て替えることになり、荷主が燃料購入費用を負担する場合には、海運会社が荷主に対して燃料購入費用を立て替えることになる。
【0030】
そこで、オペレーターは、必要に応じて、立替区分を表す立替区分コードと、船主又は荷主を特定する船主コード又は荷主コードとを燃料購入入力画面に入力する。例えば、海運会社が燃料購入費用を負担する場合には、オペレーターは、海運会社の負担(通常)を表す立替区分コード「0」を入力する。あるいは、デフォルトとして立替区分コード「0」が予め入力されていても良い。
【0031】
一方、海運会社が船主に対して燃料購入費用を立て替える場合には、オペレーターは、船主への立替を表す立替区分コード「1」と、例えば、船主が日本海運(株)である場合に、船主「日本海運(株)」を特定する船主コード「002222」とを入力する(図2を参照)。あるいは、海運会社が荷主に対して燃料購入費用を立て替える場合には、オペレーターは、荷主への立替を表す立替区分コード「2」と、例えば、荷主が東京タンカーである場合に、荷主「東京タンカー」を表す荷主コード「003333」とを入力する。
【0032】
オペレーターが、マウス等を用いて、燃料購入入力画面内の「検索」ボタンをクリックすると、クライアント端末20は、ネットワークを介して内航海運管理サーバー10に燃料購入データを送信する。内航海運管理サーバー10のデータ処理部13及びデータ検索部14は、クライアント端末20からネットワーク接続部12を介して、燃料購入データを受信する。
【0033】
データ検索部14は、購入先コード「001111」及び船主コード「002222」に基づいて取引先マスターテーブルを参照することにより、燃料購入先「日本○○(株)」及び船主「日本海運(株)」を表す文字データを読み出す。また、データ検索部14は、船名コード「001234」に基づいて船名マスターテーブルを参照することにより、船名「日本丸」を表す文字データを読み出し、品名コード「00123」に基づいて品名マスターテーブルを参照することにより、燃料の品名「AFO」を表す文字データを読み出す。
【0034】
ネットワーク接続部12は、受信された燃料購入データ及び読み出された文字データに基づいて、更新された燃料購入入力画面を表すファイル(HTML(ハイパーテキスト・マークアップランゲージ)ファイル等)を生成して、ネットワークを介してクライアント端末20に送信する。これにより、クライアント端末20の表示部において、燃料購入先「日本○○(株)」、購入した燃料が供給される船舶の船名「日本丸」、船主「日本海運(株)」、燃料の品名「AFO」等を含む燃料購入入力画面が表示される。
【0035】
オペレーターが、マウス等を用いて、燃料購入入力画面内の「登録」ボタンをクリックすると、登録命令がクライアント端末20からネットワークを介して内航海運管理サーバー10に送信される。内航海運管理サーバー10のネットワーク接続部12を介して登録命令を受信したデータ処理部13は、燃料購入データを管理データベースの支払テーブルに格納して登録する。このようにして、過去に購入された燃料に関する燃料購入データが、管理データベースの支払テーブルに蓄積される。
【0036】
図3は、管理データベースの支払テーブルに格納されている燃料購入データ等の構造を示す図である。図3に示すように、燃料購入データに含まれている複数の項目が、互いに関連付けられて管理データベースの支払テーブルに格納されている。また、支払テーブルには、後で説明する支払金額データも、燃料購入データに関連付けて格納される。図3においては、一例として、消費税抜きの支払金額を表す支払金額データが示されている。
【0037】
<燃料購入データの検索>
図1に示す内航海運管理システムを用いることにより、燃料業者からの請求額が適正なものであるか否かを判断すると共に、支払金額の算出を行うことができる。オペレーターは、クライアント端末20の操作部を操作することにより、ネットワークを介して内航海運管理サーバー10にアクセスする。
【0038】
内航海運管理サーバー10のネットワーク接続部12は、クライアント端末20からネットワークを介してアクセスを受けたときに、メニューをクライアント端末20の表示部に表示させる。オペレーターが、クライアント端末20の表示部に表示されたメニューの中から「燃料購入入力」を選択すると、内航海運管理サーバー10のネットワーク接続部12は、燃料購入入力画面をクライアント端末20の表示部に表示させる。
【0039】
オペレーターは、クライアント端末20の操作部を操作することにより、海運会社が燃料を購入した購入先を特定する購入先コード、検索対象となる燃料出荷日の範囲を設定する設定期間の開始日を特定する第1のデータ、及び、設定期間の終了日を特定する第2のデータを燃料購入入力画面に入力する。オペレーターが、マウス等を用いて、燃料購入入力画面内の「検索」ボタンをクリックすると、クライアント端末20は、検索命令に応答して、燃料購入データの検索要求と共に、購入先コード、第1のデータ、及び、第2のデータを、ネットワークを介して内航海運管理サーバー10に送信する。
【0040】
内航海運管理サーバー10のデータ検索部14は、クライアント端末20からネットワーク接続部12を介して、燃料購入データの検索要求と共に、購入先コード、第1のデータ、及び、第2のデータを受信する。データ検索部14は、受信された購入先コードを検索キーワードとして用いて、管理データベースの支払テーブルに格納されている燃料購入データを検索することにより、購入先コードに関連付けられた日付データを読み出す。
【0041】
また、データ検索部14は、読み出された日付データを第1及び第2のデータと比較することにより、設定期間の開始日から終了日までの日付に該当する日付データを抽出すると共に、抽出された日付データに関連付けられた船名コード、品名コード、購入量データ等を読み出す。抽出された日付データ、及び、抽出された日付データに関連付けられた船名コード、品名コード、購入量データ等は、ネットワーク接続部12に供給される。
【0042】
さらに、データ検索部14は、受信された購入先コードに基づいて取引先マスターテーブルを参照することにより、燃料購入先を表す文字データを読み出す。また、データ検索部14は、抽出された日付データに関連付けられた船名コードに基づいて船名マスターテーブルを参照することにより、船名を表す文字データを読み出す。さらに、データ検索部14は、抽出された日付データに関連付けられた品名コードに基づいて品名マスターテーブルを参照することにより、燃料の品名を表す文字データを読み出す。読み出された文字データは、ネットワーク接続部12に供給される。
【0043】
ネットワーク接続部12は、受信された購入先コードによって特定される燃料購入先、及び、第1及び第2のデータによって特定される設定期間の開始日及び終了日と共に、抽出された日付データに関連付けられた船名コード、品名コード、購入量データ等によってそれぞれ特定される船名、燃料の品名、燃料購入量等を含む燃料購入情報を表すファイル(HTMLファイル等)を生成する。ネットワーク接続部12は、生成したファイルを、ネットワークを介してクライアント端末20に送信することにより、検索結果を表す燃料購入入力画面をクライアント端末20の表示部に表示させる。
【0044】
クライアント端末20は、内航海運管理サーバー10から受信したファイルに基づいて、燃料購入先、及び、設定期間の開始日及び終了日と共に、購入した燃料が供給される船舶の船名、燃料の品名、燃料購入量等を含む燃料購入情報を表す燃料購入入力画面を表示部に表示する。オペレーターは、クライアント端末20の表示部に表示された燃料購入情報と、燃料業者から海運会社に対して発行された請求書の内容とを比較することにより、請求書の内容に誤りがあるか否かを判断することができる。例えば、請求書に記載されている燃料購入量がクライアント端末20の表示部に表示された燃料購入量と異なる場合には、請求書に記載されている燃料購入量が誤りであると判断することができる。
【0045】
検索対象となる燃料出荷日の範囲を設定する設定期間は1カ月でも良いが、燃料の価格は3カ月毎に遡及的に改定されるので、設定期間を3カ月とすることが望ましい。例えば、2008年3月末に燃料の価格が改定されたとしたら、燃料業者が2008年3月分の請求書を発行する際に、2008年3月中に出荷された燃料の請求額は改定後の価格で算出され、2008年1月中と2月中に出荷された燃料については、燃料の価格改定に従って、2008年1月分及び2月分の請求書における請求額と改定後の価格で算出された請求額との差額が請求又は減額される。そこで、以下においては、設定期間を3カ月とする場合について説明する。
【0046】
図4は、クライアント端末の表示部に表示される検索時の燃料購入入力画面の例を示す図である。例えば、2008年4月になって、燃料業者である日本○○(株)から海運会社に2008年3月分の請求書が届いた際に、海運会社のオペレーターは、燃料購入先「日本○○(株)」を特定する購入先コード「001111」と、「購入日」の欄において設定期間の開始日を特定する第1のデータ「2008/01/01」及び設定期間の終了日を特定する第2のデータ「2008/03/31」とを燃料購入入力画面に入力する。
【0047】
オペレーターが、マウス等を用いて、燃料購入入力画面内の「検索」ボタンをクリックすると、クライアント端末20は、検索命令に応答して、燃料購入データの検索要求と共に、購入先コード、第1のデータ、及び、第2のデータを、ネットワークを介して内航海運管理サーバー10に送信する。内航海運管理サーバー10のデータ検索部14は、クライアント端末20からネットワーク接続部12を介して、燃料購入データの検索要求と共に、購入先コード、第1のデータ、及び、第2のデータを受信する。
【0048】
データ検索部14は、受信された購入先コードを検索キーワードとして用いて、管理データベースの支払テーブルに格納されている燃料購入データを検索することにより、購入先コードに関連付けられた日付データを読み出す。また、データ検索部14は、読み出された日付データを第1及び第2のデータと比較することにより、設定期間の開始日から終了日までの日付に該当する日付データを抽出する。
【0049】
ここで、データ検索部14は、抽出された日付データを、改定後の燃料価格に従って購入金額が算出される第1の期間(設定期間中の最後の月に該当する2008年3月)における燃料出荷日を特定する日付データと、改定前の燃料価格と改定後の燃料価格との差額に従って調整金額が算出される第2の期間(設定期間中の最後の月よりも前の月に該当する2008年1月及び2月)における燃料出荷日を特定する日付データとに分類する。
【0050】
さらに、データ検索部14は、第1の期間における燃料出荷日を特定する日付データに関連付けられた発注番号、船名コード、立替区分コード、船主/荷主コード、品名コード、購入量データ等を読み出して、それらを日付データと共にネットワーク接続部12に供給する。また、データ検索部14は、第2の期間における燃料出荷日を特定する日付データに関連付けられた船名コード、立替区分コード、船主/荷主コード、品名コード、購入量データ等を読み出して、それらをネットワーク接続部12に供給する。
【0051】
それと共に、データ検索部14は、受信された購入先コード「001111」、抽出された日付データに関連付けられた船主コード「002222」、及び、荷主コード「003333」に基づいて取引先マスターテーブルを参照することにより、燃料購入先「日本○○(株)」、船主「日本海運(株)」、及び、荷主「東京タンカー」を表す文字データを読み出す。
【0052】
また、データ検索部14は、抽出された日付データに関連付けられた船名コード「001234」に基づいて船名マスターテーブルを参照することにより、船名「日本丸」を表す文字データを読み出す。さらに、データ検索部14は、抽出された日付データに関連付けられた品名コード「00123」に基づいて品名マスターテーブルを参照することにより、燃料の品名「AFO」を表す文字データを読み出す。読み出された文字データは、ネットワーク接続部12に供給される。
【0053】
ネットワーク接続部12は、受信された購入先コードによって特定される燃料購入先、及び、第1及び第2のデータによって特定される設定期間の開始日及び終了日と共に、第1の期間における燃料購入情報に対応して、燃料の単価を表す単価データを入力するための入力欄と、第2の期間における燃料購入情報に対応して、燃料の価格改定に伴う差額単価を表す差額単価データを入力するための入力欄とを含む燃料購入入力画面を表すファイル(HTMLファイル等)を生成する。ネットワーク接続部12は、生成したファイルを、ネットワークを介してクライアント端末20に送信することにより、更新された燃料購入入力画面をクライアント端末20の表示部に表示させる。
【0054】
例えば、図4に示すように、クライアント端末20は、内航海運管理サーバー10から受信したファイルに基づいて、購入先コード「001111」、燃料購入先「日本○○(株)」、設定期間の開始日「2008/01/01」〜設定期間の終了日「2008/03/31」を表す「購入日」の欄、第1の期間における燃料購入情報に対応して単価データの入力欄を表す「通常」の欄、及び、第2の期間における燃料購入情報に対応して差額単価データの入力欄を表す「調整」の欄を含む燃料購入入力画面を表示部に表示する。なお、購入番号「00000100」は、オペレーターが入力しても良いし、内航海運管理サーバー10のデータ処理部13が自動的に連番で発行するようにしても良い。
【0055】
「通常」の欄においては、発注番号「00001310」の燃料購入に関して、燃料出荷日「2008/03/10」、船名コード「001234」、購入した燃料が供給される船舶の船名「日本丸」、立替区分コード「1」、船主コード「002222」、船主「日本海運(株)」、品名コード「00123」、燃料の品名「AFO」、燃料購入量(数量)「10.000」キロリットル等を含む燃料購入情報と、燃料購入情報に対応して単価データを入力するための「単価」の欄とが表されている。
【0056】
同様に、「通常」の欄における発注番号「00001311」〜「00001313」の燃料購入に関しても、燃料出荷日、船名コード、購入した燃料が供給される船舶の船名、立替区分コード、船主/荷主コード(存在する場合)、船主/荷主(存在する場合)、品名コード、燃料の品名、燃料購入量(数量)等を含む燃料購入情報と、燃料購入情報に対応して単価データを入力するための「単価」の欄とが表されている。
【0057】
一方、「調整」の欄においては、計上日「2008/04/10」、船名コード「001234」、購入した燃料が供給される船舶の船名「日本丸」、立替区分コード「0」、品名コード「00123」、燃料の品名「AFO」、燃料購入量(数量)「60.000」キロリットル等を含む燃料購入情報と、燃料購入情報に対応して差額単価データを入力するための「単価」の欄とが表されている。
【0058】
<支払金額の算出>
さらに、オペレーターが、燃料業者から海運会社に対して発行された請求書に基づいて、燃料の単価を表す単価データや、燃料の価格改定に伴う差額単価を表す差額単価データをクライアント端末20に入力すると、内航海運管理サーバー10は、支払金額を算出することができる。なお、差額単価は、今回の価格改定時における単価から前回の価格改定時における単価を引いた値である。従って、差額単価は、前回の価格改定時における単価よりも今回の価格改定時における単価の方が高くなった場合に正の値となり、前回の価格改定時における単価よりも今回の価格改定時における単価の方が低くなった場合に負の値となる。
【0059】
オペレーターは、クライアント端末20の操作部を操作することにより、「通常」の欄において燃料購入情報に対応する「単価」の欄に単価データを入力し、「調整」の欄において燃料購入情報に対応する「単価」の欄に差額単価データを入力する。さらに、オペレーターが、マウス等を用いて、燃料購入入力画面内の「検索」ボタンをクリックすると、クライアント端末20は、ネットワークを介して内航海運管理サーバー10に、それぞれの入力欄に対応する単価データ及び差額単価データを送信する。
【0060】
内航海運管理サーバー10のデータ処理部13及びデータ演算部15は、クライアント端末20からネットワーク接続部12を介して、それぞれの入力欄に対応する単価データ及び差額単価データを受信する。また、データ演算部15は、データ検索部14から、それぞれの入力欄に対応する購入量データを取得する。
【0061】
データ演算部15は、受信された単価データによって表される燃料の単価と対応する燃料購入量との積である購入金額を求めることにより、購入金額を表す購入金額データを算出する。ここで、データ演算部15は、消費税抜きの購入金額を表す購入金額データと、消費税の金額を表す購入金額データと、消費税込の購入金額を表す購入金額データとを算出するようにしても良い。
【0062】
また、データ演算部15は、受信された差額単価データによって表される差額単価と対応する燃料購入量との積である調整金額を求めることにより、調整金額を表す調整金額データを算出する。ここで、データ演算部15は、消費税抜きの調整金額を表す調整金額データと、消費税の金額を表す調整金額データと、消費税込の調整金額を表す調整金額データとを算出するようにしても良い。
【0063】
さらに、データ演算部15は、第1の期間において出荷された燃料の購入金額を合計することにより、合計購入金額を表す合計購入金額データを算出する。ここで、データ演算部15は、消費税抜きの合計購入金額を表す合計購入金額データと、消費税の合計金額を表す合計購入金額データと、消費税込の合計購入金額を表す合計購入金額データとを算出するようにしても良い。
【0064】
また、データ演算部15は、第2の期間において出荷された燃料の調整金額を合計することにより、合計調整金額を表す合計調整金額データを算出する。ここで、データ演算部15は、消費税抜きの合計調整金額を表す合計調整金額データと、消費税の合計金額を表す合計調整金額データと、消費税込の合計調整金額を表す合計調整金額データとを算出するようにしても良い。
【0065】
次に、データ演算部15は、合計購入金額と合計調整金額とを加算することにより、総合計金額を表す総合計金額データを算出する。ここで、データ演算部15は、消費税抜きの総合計金額を表す総合計金額データと、消費税の総合計金額を表す総合計金額データと、消費税込の総合計金額を表す総合計金額データとを算出するようにしても良い。
【0066】
ネットワーク接続部12は、燃料購入情報と共に、受信された単価データ及び差額単価データによってそれぞれ表される単価及び差額単価と、データ演算部15によって算出された購入金額データ、合計購入金額データ、調整金額データ、合計調整金額データ、及び、総合計金額データによってそれぞれ表される購入金額、合計購入金額、調整金額、合計調整金額、及び、総合計金額とをさらに含む燃料購入入力画面を表すファイル(HTMLファイル等)を生成する。ネットワーク接続部12は、生成したファイルを、ネットワークを介してクライアント端末20に送信することにより、更新された燃料購入入力画面をクライアント端末20の表示部に表示させる。
【0067】
図4に示す燃料購入入力画面においては、「通常」の欄において、発注番号「00001310」〜「00001313」の燃料購入に関して、単価「50,000」円と、消費税抜きの購入金額「500,000」円と、消費税の金額「25,000」円と、消費税込の購入金額「525,000」円とが表示されている。さらに、「通常」の欄の下側において、消費税抜きの合計購入金額「2,000,000」円と、消費税の合計金額「100,000」円と、消費税込の合計購入金額「2,100,000」円とが表示されている。
【0068】
また、「調整」の欄において、2008年1月分及び2月分の燃料購入に関して、差額単価「500」円と、消費税抜きの調整金額「30,000」円と、消費税の金額「1,500」円と、消費税込の調整金額「31,500」円とが表示されている。さらに、「調整」の欄の下側において、消費税抜きの合計調整金額「30,000」円と、消費税の合計金額「1,500」円と、消費税込の合計調整金額「31,500」円とが表示されている。さらに、その下側において、消費税抜きの総合計金額「2,030,000」円と、消費税の総合計金額「101,500」円と、消費税込の総合計金額「2,131,500」円とが表示されている。
【0069】
オペレーターは、クライアント端末20の表示部に表示された燃料購入情報及び支払金額と、燃料業者である日本○○(株)から海運会社に対して発行された2008年3月分の請求書の内容と比較することにより、請求書の内容に誤りがあるか否かを判断することができる。例えば、請求書に記載されている請求金額がクライアント端末20の表示部に表示された総合計金額と異なる場合には、請求書に記載されている請求金額が誤りであると判断することができる。
【0070】
オペレーターが、マウス等を用いて、検索結果を表す燃料購入入力画面内の「登録」ボタンをクリックすると、登録命令がクライアント端末20からネットワークを介して内航海運管理サーバー10に送信される。内航海運管理サーバー10のデータ処理部13は、クライアント端末20からネットワーク接続部12を介して受信した単価データ及び差額単価データと、データ演算部15によって算出された購入金額データ及び調整金額データとを、対応する燃料購入データに関連付けて、支払金額データとして管理データベースの支払テーブルに格納して登録する(図3を参照)。また、データ処理部13は、データ演算部15によって算出された合計購入金額データ、合計調整金額データ、及び、総合計金額データを、購入番号に関連付けて管理データベースの支払テーブルに格納して登録しても良い。
【0071】
<内航海運管理方法>
次に、本発明の一実施形態に係る内航海運管理方法について、図1及び図5を参照しながら説明する。図5は、図1に示す内航海運管理サーバーの動作を示すフローチャートである。海運会社のオペレーターが、内航海運管理サーバー10の電源を立ち上げて内航海運管理プログラムを起動させると、内航海運管理サーバー10のCPUが一連の動作を開始する。
【0072】
図5のステップS1において、データ処理部13は、海運会社が燃料を購入した購入先を特定する購入先コード、燃料出荷日を特定する日付データ、購入した燃料が供給される船舶の船名を特定する船名コード、燃料の品名を特定する品名コード、及び、燃料購入量を特定する購入量データを含む燃料購入データを少なくとも1つのクライアント端末20から受信して、燃料購入データに含まれている複数の項目を互いに関連付けて管理データベースに格納する。
【0073】
ステップS2において、データ検索部14は、燃料購入データの検索要求と共に、購入先コード、設定期間の開始日を特定する第1のデータ、及び、設定期間の終了日を特定する第2のデータをクライアント端末20から受信したときに、受信された購入先コードを検索キーワードとして用いて燃料購入データを検索して購入先コードに関連付けられた日付データを読み出し、読み出された日付データを第1及び第2のデータと比較することにより、設定期間の開始日から終了日までの日付に該当する日付データを抽出すると共に、抽出された日付データに関連付けられた船名コード、品名コード、及び、購入量データを読み出す。
【0074】
ステップS3において、ネットワーク接続部12は、受信された購入先コードによって特定される燃料購入先、及び、第1及び第2のデータによって特定される設定期間の開始日及び終了日と共に、抽出された日付データに関連付けられた船名コード、品名コード、及び、購入量データによってそれぞれ特定される船名、燃料の品名、及び、燃料購入量を含む燃料購入情報をクライアント端末20の表示部に表示させる。
【0075】
以上の実施形態においては、内航海運管理サーバーを1つの端末によって構成する場合について説明したが、本発明は、この実施形態に限定されるものではなく、内航海運管理サーバーを複数の端末によって構成しても良い。このように、当該技術分野において通常の知識を有する者によって、本発明の技術的思想内で多くの変形が可能である。
【符号の説明】
【0076】
10…内航海運管理サーバー、11…操作部、12…ネットワーク接続部、13…データ処理部、14…データ検索部、15…データ演算部、16…記録部、17…表示部、20…クライアント端末、30…プリンター
図1
図2
図3
図4
図5