(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
海運会社において内航海運に関するデータを管理するために、ネットワークを介して接続された少なくとも1つのクライアント端末と共に用いられる内航海運管理サーバーであって、
海運会社の内航海運に関するデータを格納する管理データベースを記録する記録部と、
海運会社が購入した燃料の出荷日を特定する日付データ、購入した燃料が供給される船舶の船名を特定する船名コード、燃料の品名を特定する品名コード、及び、燃料購入量を特定する購入量データを含む燃料購入データを前記少なくとも1つのクライアント端末から受信して、燃料購入データに含まれている複数の項目を互いに関連付けて前記管理データベースに格納すると共に、海運会社が使用する船舶において燃料残高が計測された計測年月を特定する計測年月データ、燃料残高が計測された船舶の船名を特定する船名コード、燃料の品名を特定する品名コード、及び、燃料の品名毎に月末における燃料残高を特定する残高データを含む燃料計測データを前記少なくとも1つのクライアント端末から受信して、燃料計測データに含まれている複数の項目を互いに関連付けて前記管理データベースに格納するデータ処理部と、
燃料購入データ及び燃料計測データの検索要求と共に、当月の燃料計測データをクライアント端末から受信したときに、受信された船名コード及び品名コードを検索キーワードとして用いて燃料購入データを検索して船名コード及び品名コードに関連付けられた日付データを読み出し、受信された計測年月データによって特定される計測年月に該当する日付データを抽出して、抽出された日付データに関連付けられた購入量データを読み出すと共に、受信された船名コード及び品名コードを検索キーワードとして用いて燃料計測データを検索して船名コード及び品名コードに関連付けられた計測年月データを読み出し、受信された計測年月データによって特定される計測年月の前月に該当する計測年月データを抽出して、抽出された計測年月データに関連付けられた前月の残高データを読み出すデータ検索部と、
受信された品名コードによって特定される燃料の品名毎に、読み出された購入量データによって特定される燃料購入量を合計することにより、当月燃料購入量を表す当月の合計購入量データを算出し、前月の残高データによって特定される前月燃料残高に対して、当月燃料購入量を加算すると共に、受信された当月の残高データによって特定される当月燃料残高を減算することにより、当月燃料消費量を特定する当月の消費量データを算出するデータ演算部と、
受信された計測年月データ及び船名コードによってそれぞれ特定される計測年月及び船名と共に、受信された品名コードによって特定される燃料の品名毎に、前月の残高データ、当月の合計購入量データ、当月の残高データ、及び、当月の消費量データによってそれぞれ特定される前月燃料残高、当月燃料購入量、当月燃料残高、及び、当月燃料消費量を含む燃料情報を前記クライアント端末の表示部に表示させるネットワーク接続部と、
を備える内航海運管理サーバー。
前記ネットワーク接続部が、燃料の品名毎に、当月単価を表す当月単価データを入力するための入力欄と、前月単価を表す前月単価データを必要に応じて入力するための入力欄とを含む入力画面を前記クライアント端末の表示部に表示させて、
前記データ演算部が、当月単価データ及び前月単価データを受信して、燃料の品名毎に、前月燃料残高と前月単価との積である前月燃料残高金額を表す前月残高金額データ、当月燃料購入量と当月単価との積である当月燃料購入金額を表す当月購入金額データ、及び、当月燃料残高と当月単価との積である当月燃料残高金額を表す当月残高金額データを算出し、さらに、前月燃料残高金額に対して当月燃料購入金額を加算すると共に当月燃料残高金額を減算することにより、当月燃料消費金額を表す当月消費金額データを算出して、
ネットワーク接続部が、燃料情報と共に、燃料の品名毎に、前月残高金額データ、当月購入金額データ、当月残高金額データ、及び、当月消費金額データによってそれぞれ表される前月燃料残高金額、当月燃料購入金額、当月燃料残高金額、及び、当月燃料消費金額をさらに含む更新された入力画面を前記クライアント端末の表示部に表示させる、
請求項1記載の内航海運管理サーバー。
前記管理データベースが、海運会社の貸借対照表を作成するために用いられる第1の会計テーブルと、海運会社の損益計算書を作成するために用いられる第2の会計テーブルとをさらに格納しており、
前記データ処理部が、前記第1の会計テーブルにおける借方の欄に、保有燃料の増加を表すデータとして当月購入金額データを格納し、前記第1の会計テーブルにおける貸方の欄に、保有金額の減少を表すデータとして当月購入金額データを格納すると共に、前記第1の会計テーブルにおける貸方の欄に、保有燃料の減少を表すデータとして当月消費金額データを格納し、前記第2の会計テーブルにおける費用の欄に、費用の増加を表すデータとして当月消費金額データを格納する、
請求項2記載の内航海運管理サーバー。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。
<システムの構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る内航海運管理システムの構成例を示す図である。この内航海運管理システムは、内航海運業を営む海運会社に設けられている。
図1に示すように、内航海運管理システムは、内航海運に関するデータを管理するための内航海運管理サーバー10と、LAN(ローカルエリア・ネットワーク)等のネットワークを介して内航海運管理サーバー10に接続された少なくとも1つのクライアント端末20と、ネットワーク等を介してクライアント端末20に接続された少なくとも1つのプリンター30とを備えている。
【0017】
クライアント端末20としては、例えば、各種のデータや命令等を入力するために用いられるキーボードやマウスを含む操作部と、入力画面や検索結果画面等の画像を表示する表示部とを備えたパーソナル・コンピューターを使用することができる。プリンター30は、船舶に対する航海指示書や、燃料業者に対する出荷依頼書や、荷主に対する運賃請求書等を作成するために用いられる。
【0018】
内航海運管理サーバー10は、操作部11と、ネットワーク接続部12と、データ処理部13と、データ検索部14と、データ演算部15と、記録部16と、表示部17とを含んでいる。ここで、ネットワーク接続部12〜データ演算部15の内の少なくとも一部は、中央演算装置(CPU)と、CPUに各種の処理を行わせるためのソフトウェア(内航海運管理プログラム)とによって構成されても良い。ソフトウェアは、記録部16の記録媒体に記録される。
【0019】
記録部16は、上記のソフトウェアに加えて、海運会社の内航海運に関するデータを格納する管理データベースを記録している。記録部16における記録媒体としては、内蔵のハードディスクの他に、外付けハードディスク、フレキシブルディスク、各種のメモリー、CD−ROM、又は、DVD−ROM等を用いることができる。
【0020】
操作部11は、例えば、キーボードやマウスを含み、内航海運管理サーバー10を操作するために用いられる。ネットワーク接続部12は、例えば、HTTP(ハイパーテキスト・トランスファープロトコル)サーバー部やTCP/IP(トランスポート制御プロトコル/インターネットプロトコル)制御部等を含み、クライアント端末20の表示部に入力画面や検索結果画面等を表示させたり、ネットワークを介してクライアント端末20との間でデータの送受信を行う。
【0021】
データ処理部13は、クライアント端末20からネットワーク接続部12を介して受信したデータを処理したり、必要なデータを生成したり、データを管理データベースに格納して記録部16に記録する。データ検索部14は、記録部16に記録されている管理データベースにおいてデータを検索することができる。データ演算部15は、データ検索部14によって読み出されたデータ等に基づいて演算を行う。表示部17は、LCDディスプレイ等を含み、操作画面等の画像を表示する。
【0022】
記録部16に記録されている管理データベースは、業務日報に関する業務データを蓄積する業務日報テーブルと、燃料業者、港代理店、及び、修理業者等に対する支払に関する支払データを蓄積する支払テーブルと、荷主に対する請求に関する請求データを蓄積する請求テーブルと、貸借対照表を作成するために用いられる第1の会計テーブルと、損益計算書を作成するために用いられる第2の会計テーブルとを含んでいる。支払データには、燃料購入データと、支払金額データと、燃料計測データと、燃料増減データと、燃料金額データとが含まれている。
【0023】
また、管理データベースは、取引先コードと取引先に関するデータとを対応して格納する取引先マスターテーブルと、船名コードと船名に関するデータとを対応して格納する船名マスターテーブルと、品名コードと品名に関するデータとを対応して格納する品名マスターテーブルと、港コードと港名を表す文字データとを対応して格納すると共に、場所コードと港における場所名を表す文字データとを対応して格納する寄港地マスターテーブルとを含んでいる。
【0024】
次に、
図1に示す内航海運管理システムの動作について説明する。
<燃料購入データの入力>
海運会社が燃料業者から燃料を購入すると、海運会社のオペレーターは、クライアント端末20の操作部を操作することにより、ネットワークを介して内航海運管理サーバー10にアクセスする。
【0025】
内航海運管理サーバー10のネットワーク接続部12は、クライアント端末20からネットワークを介してアクセスを受けたときに、メニューをクライアント端末20の表示部に表示させる。オペレーターが、クライアント端末20の表示部に表示されたメニューの中から「燃料購入入力」を選択すると、内航海運管理サーバー10のネットワーク接続部12は、燃料購入入力画面をクライアント端末20の表示部に表示させる。
【0026】
図2は、クライアント端末の表示部に表示される燃料購入入力画面の例を示す図である。燃料購入入力画面がクライアント端末20の表示部に表示されると、オペレーターは、クライアント端末20の操作部を操作することにより、海運会社が燃料を購入した購入先を特定する購入先コード、燃料出荷日を特定する日付データ、購入した燃料が供給される船舶の船名を特定する船名コード、燃料の品名を特定する品名コード、燃料購入量(数量)を特定する購入量データ等を含む燃料購入データを、燃料購入入力画面に入力する。
【0027】
例えば、海運会社が、燃料業者である日本○○(株)から2008年3月10日にA重油65キロリットル及びC重油65キロリットルを購入し、購入されたA重油及びC重油が日本丸という船舶に供給される場合について説明する。海運会社のオペレーターは、燃料購入先「日本○○(株)」を特定する購入先コード「001111」を燃料購入入力画面に入力する。
【0028】
さらに、オペレーターは、A重油について、燃料出荷日を特定する日付データ「2008/03/10」、購入した燃料が供給される船舶の船名「日本丸」を特定する船名コード「001234」、燃料の品名「A重油」を特定する品名コード「00123」、燃料購入量(数量)を特定する購入量データ「65.000」キロリットル等を燃料購入入力画面に入力する。
【0029】
また、オペレーターは、C重油について、燃料出荷日を特定する日付データ「2008/03/10」、購入した燃料が供給される船舶の船名「日本丸」を特定する船名コード「001234」、燃料の品名「C重油」を特定する品名コード「00124」、燃料購入量(数量)を特定する購入量データ「65.000」キロリットル等を燃料購入入力画面に入力する。
【0030】
なお、購入先コードと同じ支払先コード「001111」がデフォルトとして表示されても良いし、オペレーターが支払先コードを入力しても良い。また、オペレーターが発注番号「00001310」及び「00001311」を入力しても良いし、内航海運管理サーバー10のデータ処理部13が発注番号を自動的に連番で発行するようにしても良い。
【0031】
海運会社は、自社の船舶を用いて積荷を運搬することもあり、船主(船のオーナー)から船舶を借りて積荷を運搬することもある。また、燃料購入費用の負担に関しては、海運会社と船主と荷主との間で取決めが定められることもある。燃料購入費用の負担に関する取決めに従って、海運会社が燃料購入費用を負担する場合と、船主が燃料購入費用を負担する場合と、荷主が燃料購入費用を負担する場合とが存在する。船主が燃料購入費用を負担する場合には、海運会社が船主に対して燃料購入費用を立て替えることになり、荷主が燃料購入費用を負担する場合には、海運会社が荷主に対して燃料購入費用を立て替えることになる。
【0032】
そこで、オペレーターは、必要に応じて、立替区分を表す立替区分コードと、船主又は荷主を特定する船主コード又は荷主コードとを燃料購入入力画面に入力する。例えば、海運会社が燃料購入費用を負担する場合には、オペレーターは、海運会社の負担(通常)を表す立替区分コード「0」を入力する。あるいは、デフォルトとして立替区分コード「0」が予め入力されていても良い。
【0033】
一方、海運会社が船主に対して燃料購入費用を立て替える場合には、オペレーターは、船主への立替を表す立替区分コード「1」と、船主を特定する船主コードとを入力する。あるいは、海運会社が荷主に対して燃料購入費用を立て替える場合には、オペレーターは、荷主への立替を表す立替区分コード「2」と、荷主を表す荷主コードとを入力する。
【0034】
オペレーターが、マウス等を用いて、燃料購入入力画面内の「検索」ボタンをクリックすると、クライアント端末20は、ネットワークを介して内航海運管理サーバー10に燃料購入データを送信する。内航海運管理サーバー10のデータ処理部13及びデータ検索部14は、クライアント端末20からネットワーク接続部12を介して、燃料購入データを受信する。
【0035】
データ検索部14は、購入先コード「001111」に基づいて取引先マスターテーブルを参照することにより、燃料購入先「日本○○(株)」を表す文字データを読み出す。また、データ検索部14は、船名コード「001234」に基づいて船名マスターテーブルを参照することにより、船名「日本丸」を表す文字データを読み出す。さらに、データ検索部14は、品名コード「00123」及び「00124」に基づいて品名マスターテーブルを参照することにより、燃料の品名「A重油」及び「C重油」を表す文字データを読み出す。
【0036】
ネットワーク接続部12は、受信された燃料購入データ及び読み出された文字データに基づいて、更新された燃料購入入力画面を表すファイル(HTML(ハイパーテキスト・マークアップランゲージ)ファイル等)を生成して、ネットワークを介してクライアント端末20に送信する。これにより、クライアント端末20の表示部において、燃料購入先「日本○○(株)」、購入した燃料が供給される船舶の船名「日本丸」、燃料の品名「A重油」及び「C重油」等を含む燃料購入入力画面が表示される。
【0037】
オペレーターが、マウス等を用いて、燃料購入入力画面内の「登録」ボタンをクリックすると、登録命令がクライアント端末20からネットワークを介して内航海運管理サーバー10に送信される。内航海運管理サーバー10のネットワーク接続部12を介して登録命令を受信したデータ処理部13は、燃料購入データを管理データベースの支払テーブルに格納して登録する。このようにして、過去に購入された燃料に関する燃料購入データが、管理データベースの支払テーブルに蓄積される。
【0038】
図3は、管理データベースの支払テーブルに格納されている燃料購入データ等の構造を示す図である。
図3に示すように、燃料購入データに含まれている複数の項目が、互いに関連付けられて管理データベースの支払テーブルに格納されている。また、支払テーブルには、後で説明する支払金額データも、燃料購入データに関連付けて格納される。
図3においては、一例として、消費税抜きの支払金額を表す支払金額データが示されている。
【0039】
<燃料購入データの検索>
図1に示す内航海運管理システムを用いることにより、過去に購入された燃料に関する燃料購入データを検索すると共に、支払金額の算出を行うことができる。オペレーターは、クライアント端末20の操作部を操作することにより、ネットワークを介して内航海運管理サーバー10にアクセスする。
【0040】
内航海運管理サーバー10のネットワーク接続部12は、クライアント端末20からネットワークを介してアクセスを受けたときに、メニューをクライアント端末20の表示部に表示させる。オペレーターが、クライアント端末20の表示部に表示されたメニューの中から「燃料購入入力」を選択すると、内航海運管理サーバー10のネットワーク接続部12は、燃料購入入力画面をクライアント端末20の表示部に表示させる。
【0041】
オペレーターは、クライアント端末20の操作部を操作することにより、海運会社が燃料を購入した購入先を特定する購入先コード、検索対象となる燃料出荷日の範囲を設定する設定期間の開始日を特定する第1のデータ、及び、設定期間の終了日を特定する第2のデータを燃料購入入力画面に入力する。検索対象となる燃料出荷日の範囲を設定する設定期間は1カ月でも良いが、燃料の価格は3カ月毎に遡及的に改定されるので、設定期間を3カ月とすることが望ましい。
【0042】
例えば、2008年3月末に燃料の価格が改定されたとしたら、燃料業者が2008年3月分の請求書を発行する際に、2008年3月中に出荷された燃料の請求額は改定後の価格で算出され、2008年1月中と2月中に出荷された燃料については、燃料の価格改定に従って、2008年1月分及び2月分の請求書における請求額と改定後の価格で算出された請求額との差額が請求又は減額される。そこで、以下においては、設定期間を3カ月とする場合について説明する。
【0043】
図4は、クライアント端末の表示部に表示される検索時の燃料購入入力画面の例を示す図である。例えば、2008年4月になって、燃料業者である日本○○(株)から海運会社に2008年3月分の請求書が届いた際に、海運会社のオペレーターは、燃料購入先「日本○○(株)」を特定する購入先コード「001111」と、「購入日」の欄において設定期間の開始日を特定する第1のデータ「2008/01/01」及び設定期間の終了日を特定する第2のデータ「2008/03/31」とを燃料購入入力画面に入力する。
【0044】
オペレーターが、マウス等を用いて、燃料購入入力画面内の「検索」ボタンをクリックすると、クライアント端末20は、検索命令に応答して、燃料購入データの検索要求と共に、購入先コード、第1のデータ、及び、第2のデータを、ネットワークを介して内航海運管理サーバー10に送信する。内航海運管理サーバー10のデータ検索部14は、クライアント端末20からネットワーク接続部12を介して、燃料購入データの検索要求と共に、購入先コード、第1のデータ、及び、第2のデータを受信する。
【0045】
データ検索部14は、受信された購入先コードを検索キーワードとして用いて、管理データベースの支払テーブルに格納されている燃料購入データを検索することにより、購入先コードに関連付けられた日付データを読み出す。また、データ検索部14は、読み出された日付データを第1及び第2のデータと比較することにより、設定期間の開始日から終了日までの日付に該当する日付データを抽出する。
【0046】
ここで、データ検索部14は、抽出された日付データを、改定後の燃料価格に従って購入金額が算出される第1の期間(設定期間中の最後の月に該当する2008年3月)における燃料出荷日を特定する日付データと、改定前の燃料価格と改定後の燃料価格との差額に従って調整金額が算出される第2の期間(設定期間中の最後の月よりも前の月に該当する2008年1月及び2月)における燃料出荷日を特定する日付データとに分類する。
【0047】
さらに、データ検索部14は、第1の期間における燃料出荷日を特定する日付データに関連付けられた発注番号、船名コード、立替区分コード、船主/荷主コード、品名コード、購入量データ等を読み出して、それらを日付データと共にネットワーク接続部12に供給する。また、データ検索部14は、第2の期間における燃料出荷日を特定する日付データに関連付けられた船名コード、立替区分コード、船主/荷主コード、品名コード、購入量データ等を読み出して、それらをネットワーク接続部12に供給する。
【0048】
それと共に、データ検索部14は、受信された購入先コード「001111」に基づいて取引先マスターテーブルを参照することにより、燃料購入先「日本○○(株)」を表す文字データを読み出す。また、データ検索部14は、抽出された日付データに関連付けられた船名コード「001234」に基づいて船名マスターテーブルを参照することにより、船名「日本丸」を表す文字データを読み出す。さらに、データ検索部14は、抽出された日付データに関連付けられた品名コード「00123」及び「00124」に基づいて品名マスターテーブルを参照することにより、燃料の品名「A重油」及び「C重油」を表す文字データを読み出す。読み出された文字データは、ネットワーク接続部12に供給される。
【0049】
ネットワーク接続部12は、受信された購入先コードによって特定される燃料購入先、及び、第1及び第2のデータによって特定される設定期間の開始日及び終了日と共に、第1の期間における燃料購入情報に対応して、燃料の単価を表す単価データを入力するための入力欄と、第2の期間における燃料購入情報に対応して、燃料の価格改定に伴う差額単価を表す差額単価データを入力するための入力欄とを含む燃料購入入力画面を表すファイル(HTMLファイル等)を生成する。ネットワーク接続部12は、生成したファイルを、ネットワークを介してクライアント端末20に送信することにより、更新された燃料購入入力画面をクライアント端末20の表示部に表示させる。
【0050】
例えば、
図4に示すように、クライアント端末20は、内航海運管理サーバー10から受信したファイルに基づいて、購入先コード「001111」、燃料購入先「日本○○(株)」、設定期間の開始日「2008/01/01」〜設定期間の終了日「2008/03/31」を表す「購入日」の欄、第1の期間における燃料購入情報に対応して単価データの入力欄を表す「通常」の欄、及び、第2の期間における燃料購入情報に対応して差額単価データの入力欄を表す「調整」の欄を含む燃料購入入力画面を表示部に表示する。なお、購入番号「00000100」は、オペレーターが入力しても良いし、内航海運管理サーバー10のデータ処理部13が自動的に連番で発行するようにしても良い。
【0051】
<支払金額の算出>
さらに、オペレーターが、燃料業者から海運会社に対して発行された請求書に基づいて、燃料の単価を表す単価データや、燃料の価格改定に伴う差額単価を表す差額単価データをクライアント端末20に入力すると、内航海運管理サーバー10は、支払金額を算出することができる。なお、差額単価は、今回の価格改定時における単価から前回の価格改定時における単価を引いた値である。従って、差額単価は、前回の価格改定時における単価よりも今回の価格改定時における単価の方が高くなった場合に正の値となり、前回の価格改定時における単価よりも今回の価格改定時における単価の方が低くなった場合に負の値となる。
【0052】
オペレーターは、クライアント端末20の操作部を操作することにより、「通常」の欄において燃料購入情報に対応する「単価」の欄に単価データを入力し、「調整」の欄において燃料購入情報に対応する「単価」の欄に差額単価データを入力する。さらに、オペレーターが、マウス等を用いて、燃料購入入力画面内の「検索」ボタンをクリックすると、クライアント端末20は、ネットワークを介して内航海運管理サーバー10に、それぞれの入力欄に対応する単価データ及び差額単価データを送信する。
【0053】
内航海運管理サーバー10のデータ処理部13及びデータ演算部15は、クライアント端末20からネットワーク接続部12を介して、それぞれの入力欄に対応する単価データ及び差額単価データを受信する。また、データ演算部15は、データ検索部14から、それぞれの入力欄に対応する購入量データを取得する。
【0054】
データ演算部15は、受信された単価データによって表される燃料の単価と対応する燃料購入量との積である購入金額を求めることにより、購入金額を表す購入金額データを算出する。ここで、データ演算部15は、消費税抜きの購入金額を表す購入金額データと、消費税の金額を表す購入金額データと、消費税込の購入金額を表す購入金額データとを算出するようにしても良い。
【0055】
また、データ演算部15は、受信された差額単価データによって表される差額単価と対応する燃料購入量との積である調整金額を求めることにより、調整金額を表す調整金額データを算出する。ここで、データ演算部15は、消費税抜きの調整金額を表す調整金額データと、消費税の金額を表す調整金額データと、消費税込の調整金額を表す調整金額データとを算出するようにしても良い。
【0056】
さらに、データ演算部15は、第1の期間において出荷された燃料の購入金額を合計することにより、合計購入金額を表す合計購入金額データを算出する。また、データ演算部15は、第2の期間において出荷された燃料の調整金額を合計することにより、合計調整金額を表す合計調整金額データを算出する。次に、データ演算部15は、合計購入金額と合計調整金額とを加算することにより、総合計金額を表す総合計金額データを算出する。
【0057】
ネットワーク接続部12は、燃料購入情報と共に、受信された単価データ及び差額単価データによってそれぞれ表される単価及び差額単価と、データ演算部15によって算出された購入金額データ、合計購入金額データ、調整金額データ、合計調整金額データ、及び、総合計金額データによってそれぞれ表される購入金額、合計購入金額、調整金額、合計調整金額、及び、総合計金額とをさらに含む燃料購入入力画面を表すファイル(HTMLファイル等)を生成する。ネットワーク接続部12は、生成したファイルを、ネットワークを介してクライアント端末20に送信することにより、更新された燃料購入入力画面をクライアント端末20の表示部に表示させる。
【0058】
オペレーターが、マウス等を用いて、検索結果を表す燃料購入入力画面内の「登録」ボタンをクリックすると、登録命令がクライアント端末20からネットワークを介して内航海運管理サーバー10に送信される。内航海運管理サーバー10のデータ処理部13は、クライアント端末20からネットワーク接続部12を介して受信した単価データ及び差額単価データと、データ演算部15によって算出された購入金額データ及び調整金額データとを、対応する燃料購入データに関連付けて、支払金額データとして管理データベースの支払テーブルに格納して登録する(
図3を参照)。
【0059】
<燃料計測データの入力>
海運会社が荷物を運搬するために使用するそれぞれの船舶からは、月末における燃料貯蔵量(燃料残高)が海運会社に対して報告される。海運会社がそれぞれの船舶から燃料残高の報告を受けると、海運会社のオペレーターは、クライアント端末20の操作部を操作することにより、ネットワークを介して内航海運管理サーバー10にアクセスする。
【0060】
内航海運管理サーバー10のネットワーク接続部12は、クライアント端末20からネットワークを介してアクセスを受けたときに、メニューをクライアント端末20の表示部に表示させる。オペレーターが、クライアント端末20の表示部に表示されたメニューの中から「貯蔵品入力」を選択すると、内航海運管理サーバー10のネットワーク接続部12は、貯蔵品入力画面をクライアント端末20の表示部に表示させる。
【0061】
図5は、クライアント端末の表示部に表示される貯蔵品入力画面の例を示す図である。
図5に示す貯蔵品入力画面は、計測年月(処理年月)を特定する計測年月データを入力するための入力欄と、船舶の船名を特定する船名コードを入力するための入力欄と、燃料の品名を特定する品名コードを入力するための入力欄と、当月燃料残高(当月末残高)を特定する当月の残高データを燃料の品名毎に入力するための入力欄とを含んでいる。
【0062】
貯蔵品入力画面がクライアント端末20の表示部に表示されると、オペレーターは、クライアント端末20の操作部を操作することにより、海運会社が使用する船舶において燃料残高が計測された計測年月(処理年月)を特定する計測年月データ、燃料残高が計測された船舶の船名を特定する船名コード、燃料の品名を特定する品名コード、及び、燃料の品名毎に計測年月の月末における当月燃料残高(当月末残高)を特定する当月の残高データを含む燃料計測データを貯蔵品入力画面に入力する。
【0063】
例えば、2008年3月末に、海運会社が使用する日本丸という船舶において、A重油の残高35.880キロリットルと、C重油の残高34.120キロリットルとが計測された場合について説明する。海運会社のオペレーターは、日本丸において燃料残高が計測された計測年月(処理年月)を特定する計測年月データ「2008/03」、及び、燃料残高が計測された船舶の船名「日本丸」を特定する船名コード「001234」を貯蔵品入力画面に入力する。なお、オペレーターは、計上年月日を特定する日付データ「2008/03/31」等を貯蔵品入力画面に入力しても良い。
【0064】
さらに、オペレーターは、燃料の品名「A重油」を特定する品名コード「00123」、及び、2008年3月末におけるA重油の燃料残高(当月末残高)を特定する残高データ「35.880」キロリットルを貯蔵品入力画面に入力する。また、オペレーターは、燃料の品名「C重油」を特定する品名コード「00124」、及び、2008年3月末におけるC重油の燃料残高を特定する残高データ「34.120」キロリットルを貯蔵品入力画面に入力する。
【0065】
<燃料購入データ及び燃料計測データの検索>
管理データベースの支払テーブルには、過去に登録された燃料購入データ及び燃料計測データ等が格納されている。オペレーターが、マウス等を用いて、貯蔵品入力画面内の「検索」ボタンをクリックすると、クライアント端末20は、ネットワークを介して内航海運管理サーバー10に、燃料購入データ及び燃料計測データの検索要求と共に、当月の燃料計測データを送信する。
【0066】
内航海運管理サーバー10のデータ処理部13及びデータ検索部14は、クライアント端末20からネットワーク接続部12を介して、燃料購入データ及び燃料計測データの検索要求と共に、当月の燃料計測データを受信する。当月の燃料計測データは、計測年月データ、船名コード、品名コード、及び、当月の残高データを含んでいる。データ検索部14は、受信された当月の残高データを品名コードと共に、データ演算部15に供給する。
【0067】
また、データ検索部14は、受信された船名コード及び品名コードを検索キーワードとして用いて燃料購入データを検索して、船名コード及び品名コードに関連付けられた日付データを読み出し、受信された計測年月データによって特定される計測年月に該当する日付データを抽出して、抽出された日付データに関連付けられた購入量データを読み出す。データ検索部14は、読み出された購入量データを品名コードと共に、データ演算部15に供給する。
【0068】
さらに、データ検索部14は、受信された船名コード及び品名コードを検索キーワードとして用いて燃料計測データを検索して、船名コード及び品名コードに関連付けられた計測年月データを読み出し、受信された計測年月データによって特定される計測年月の前月に該当する計測年月データを抽出して、抽出された計測年月データに関連付けられた前月の残高データを読み出す。データ検索部14は、読み出された前月の残高データを品名コードと共に、ネットワーク接続部12、データ処理部13、及び、データ演算部15に供給する。
【0069】
データ演算部15は、受信された品名コードによって特定される燃料の品名毎に、読み出された購入量データによって特定される燃料購入量を合計することにより、当月燃料購入量を表す当月の合計購入量データを算出する。さらに、データ演算部15は、前月の残高データによって特定される前月燃料残高に対して、当月燃料購入量を加算すると共に、受信された当月の残高データによって特定される当月燃料残高を減算することにより、当月燃料消費量を特定する当月の消費量データを算出する。データ演算部15は、当月の合計購入量データ及び消費量データを燃料増減データとして品名コードと共に、ネットワーク接続部12及びデータ処理部13に供給する。
【0070】
データ検索部14は、船名コード「001234」に基づいて船名マスターテーブルを参照することにより、船名「日本丸」を表す文字データを読み出す。また、データ検索部14は、品名コード「00123」及び「00124」に基づいて品名マスターテーブルを参照することにより、燃料の品名「A重油」及び「C重油」を表す文字データを読み出す。読み出された文字データは、ネットワーク接続部12に供給される。
【0071】
ネットワーク接続部12は、受信された計測年月データ及び船名コードによってそれぞれ特定される計測年月及び船名と共に、受信された品名コードによって特定される燃料の品名毎に、前月の残高データ、当月の合計購入量データ、当月の残高データ、及び、当月の消費量データによってそれぞれ特定される前月燃料残高、当月燃料購入量、当月燃料残高、及び、当月燃料消費量を含む燃料情報を表すファイル(HTMLファイル等)を生成する。ネットワーク接続部12は、生成したファイルを、ネットワークを介してクライアント端末20に送信することにより、検索結果を表す貯蔵品入力画面をクライアント端末20の表示部に表示させる。
【0072】
クライアント端末20は、内航海運管理サーバー10から受信したファイルに基づいて、計測年月及び船名と共に、燃料の品名毎に、前月燃料残高、当月燃料購入量、当月燃料残高、及び、当月燃料消費量を含む燃料情報を表示部に表示する。これにより、それぞれの船舶における燃料購入量、燃料残高、及び、燃料消費量を一元管理することができる。
【0073】
例えば、
図5に示すように、検索結果を表す貯蔵品入力画面は、計測年月(処理年月)「2008/03」、船名コード「001234」、船名「日本丸」、計上年月日「2008/03/31」、A重油に関する燃料情報、及び、C重油に関する燃料情報を含んでいる。
【0074】
A重油に関する燃料情報は、品名コード「00123」、品名「A重油」、前月燃料残高(前月繰越)「29.520」キロリットル、当月燃料購入量(当月購入)「65.000」キロリットル、当月燃料残高(当月末残高)「35.880」キロリットル、及び、当月燃料消費量(当月消費)「58.640」キロリットルを含んでいる。
【0075】
また、C重油に関する燃料情報は、品名コード「00124」、品名「C重油」、前月燃料残高(前月繰越)「23.670」キロリットル、当月燃料購入量(当月購入)「65.000」キロリットル、当月燃料残高(当月末残高)「34.120」キロリットル、及び、当月燃料消費量(当月消費)「54.550」キロリットルを含んでいる。
【0076】
オペレーターが、マウス等を用いて、貯蔵品入力画面内の「登録」ボタンをクリックすると、登録命令がクライアント端末20からネットワークを介して内航海運管理サーバー10に送信される。内航海運管理サーバー10のネットワーク接続部12を介して登録命令を受信したデータ処理部13は、燃料計測データを、燃料増減データと共に、管理データベースの支払テーブルに格納して登録する。このようにして、過去に計測された燃料に関する燃料計測データ及び燃料増減データが、管理データベースの支払テーブルに格納される。
【0077】
図6は、管理データベースの支払テーブルに格納されている燃料計測データ等の構造を示す図である。
図6に示すように、燃料購入データに含まれている複数の項目が、互いに関連付けられて管理データベースの支払テーブルに格納されている。また、支払テーブルには、合計購入量データ及び消費量データを含む燃料増減データや、後で説明する燃料金額データも、燃料計測データに関連付けて格納される。
図6においては、一例として、消費税抜きの燃料金額を表す燃料金額データが示されている。
【0078】
<燃料金額の算出>
燃料業者から発行された請求書が海運会社に届くと、燃料業者のオペレーターは、燃料業者からの請求書に基づいて、燃料の単価を表す単価データをクライアント端末20に入力することができる。オペレーターは、クライアント端末20の操作部を操作することにより、ネットワークを介して内航海運管理サーバー10にアクセスする。
【0079】
内航海運管理サーバー10のネットワーク接続部12は、クライアント端末20からネットワークを介してアクセスを受けたときに、メニューをクライアント端末20の表示部に表示させる。オペレーターが、クライアント端末20の表示部に表示されたメニューの中から「貯蔵品入力」を選択すると、内航海運管理サーバー10のネットワーク接続部12は、貯蔵品入力画面をクライアント端末20の表示部に表示させる。
【0080】
貯蔵品入力画面がクライアント端末20の表示部に表示されると、オペレーターは、クライアント端末20の操作部を操作することにより、例えば、計測年月(処理年月)を表す計測年月データ「2008/03」、及び、燃料残高が計測された船舶「日本丸」の船名を特定する船名コード「001234」を貯蔵品入力画面に入力する。
【0081】
オペレーターが、マウス等を用いて、貯蔵品入力画面内の「検索」ボタンをクリックすると、クライアント端末20は、ネットワークを介して内航海運管理サーバー10に、計測年月データ及び船名コードを送信する。内航海運管理サーバー10のデータ検索部14は、クライアント端末20からネットワーク接続部12を介して、計測年月データ及び船名コードを受信する。
【0082】
データ検索部14は、受信された計測年月データ及び船名コードに基づいて、管理データベースの支払テーブルに格納されている燃料計測データ及び燃料増減データを検索することにより、該当する燃料計測データ及び燃料増減データを読み出して、ネットワーク接続部12に供給する。
【0083】
また、データ検索部14は、受信された船名コード「001234」に基づいて船名マスターテーブルを参照することにより、船名「日本丸」を表す文字データを読み出す。さらに、データ検索部14は、読み出された品名コード「00123」及び「00124」に基づいて品名マスターテーブルを参照することにより、燃料の品名「A重油」及び「C重油」を表す文字データを読み出す。読み出された文字データは、ネットワーク接続部12に供給される。
【0084】
ネットワーク接続部12は、データ検索部14から供給された燃料計測データ、燃料増減データ、及び、文字データに基づいて、該当する貯蔵品入力画面を表すファイル(HTMLファイル等)を生成し、ネットワークを介してクライアント端末20に送信する。これにより、
図5に示す貯蔵品入力画面がクライアント端末20の表示部に表示される。
【0085】
図5に示す貯蔵品入力画面は、燃料の品名毎に、当月単価を表す当月単価データを入力するための入力欄と、前月単価を表す前月単価データを必要に応じて入力するための入力欄とをさらに含んでいる。オペレーターは、クライアント端末20の操作部を操作することにより、改定後の当月単価を表す当月単価データを貯蔵品入力画面に入力し、前月単価が改定されている場合には、改定後の前月単価を表す前月単価データを貯蔵品入力画面に入力する。
【0086】
例えば、オペレーターは、2008年3月におけるA重油の改定後の単価「60,000」円を貯蔵品入力画面に入力する。さらに、2008年2月におけるA重油の単価が改定されている場合には、オペレーターは、2008年2月におけるA重油の改定後の単価「59,400」円を貯蔵品入力画面に入力する。
【0087】
また、オペレーターは、2008年3月におけるC重油の改定後の単価「60,000」円を貯蔵品入力画面に入力する。さらに、2008年2月におけるC重油の単価が改定されている場合には、オペレーターは、2008年2月におけるC重油の改定後の単価「59,400」円を貯蔵品入力画面に入力する。
【0088】
オペレーターが、マウス等を用いて、貯蔵品入力画面内の「検索」ボタンをクリックすると、クライアント端末20は、ネットワークを介して内航海運管理サーバー10に、当月単価データ、及び、前月単価データ(入力された場合)を送信する。内航海運管理サーバー10のデータ処理部13及びデータ演算部15は、クライアント端末20からネットワーク接続部12を介して、読み出された品名コードによって特定される燃料の品名毎に、当月単価データ、及び、前月単価データ(入力された場合)を受信する。
【0089】
データ処理部13がクライアント端末20から前月単価データを受信しない場合に、データ検索部14は、受信された計測年月データによって特定される計測年月の前月に該当する計測年月データ及び受信された船名コードに関連付けられた燃料金額データから、読み出された品名コードによって特定される燃料の品名毎に前月単価データを読み出す。データ検索部14は、読み出された前月単価データをデータ演算部15に供給し、データ演算部15は、データ検索部14から前月単価データを受信する。
【0090】
データ演算部15は、読み出された品名コードによって特定される燃料の品名毎に、前月燃料残高と前月単価との積である前月燃料残高金額を表す前月残高金額データ、当月燃料購入量と当月単価との積である当月燃料購入金額を表す当月購入金額データ、及び、当月燃料残高と当月単価との積である当月燃料残高金額を表す当月残高金額データを算出する。
【0091】
また、データ演算部15は、前月燃料残高金額に対して当月燃料購入金額を加算すると共に当月燃料残高金額を減算することにより、当月燃料消費金額を表す当月消費金額データを算出する。単価データ、残高金額データ、購入金額データ、及び、消費金額データを含む燃料金額データは、ネットワーク接続部12及びデータ処理部13に供給される。
【0092】
ネットワーク接続部12は、燃料情報と共に、読み出された品名コードによって特定される燃料の品名毎に、前月残高金額データ、当月購入金額データ、当月残高金額データ、及び、当月消費金額データによってそれぞれ特定される前月燃料残高金額、当月燃料購入金額、当月燃料残高金額、及び、当月燃料消費金額をさらに含む更新された貯蔵品入力画面を表すファイル(HTMLファイル等)を生成する。ネットワーク接続部12は、生成したファイルを、ネットワークを介してクライアント端末20に送信することにより、更新された貯蔵品入力画面をクライアント端末20の表示部に表示させる。
【0093】
クライアント端末20は、内航海運管理サーバー10から受信したファイルに基づいて、例えば、
図7に示す更新された貯蔵品入力画面を表示部に表示する。
図7に示す更新された貯蔵品入力画面においては、A重油に関して、前月単価「59,400」円、前月燃料残高金額「1,753,488」円、当月単価「60,000」円、当月燃料購入金額「3,900,000」円、当月燃料残高金額「2,152,800」円、及び、当月燃料消費金額「3,500,688」円が表示される。
【0094】
また、C重油に関して、前月単価「59,400」円、前月燃料残高金額「1,405,998」円、当月単価「60,000」円、当月燃料購入金額「3,900,000」円、当月燃料残高金額「2,047,200」円、及び、当月燃料消費金額「3,258,798」円が表示される。
【0095】
オペレーターが、マウス等を用いて、貯蔵品入力画面内の「登録」ボタンをクリックすると、登録命令がクライアント端末20からネットワークを介して内航海運管理サーバー10に送信される。内航海運管理サーバー10のネットワーク接続部12を介して登録命令を受信したデータ処理部13は、当月の燃料金額データを管理データベースの支払テーブルに格納して登録する(
図6を参照)。このようにして、燃料の金額に関する燃料金額データが、燃料計測データ及び燃料増減データと共に、管理データベースの支払テーブルに蓄積される。
【0096】
<会計テーブルへの金額データの格納>
図1に示す記録部16に記録されている管理データベースは、海運会社の貸借対照表を作成するために用いられる第1の会計テーブルと、海運会社の損益計算書を作成するために用いられる第2の会計テーブルとを格納している。
【0097】
図8は、第1の会計テーブルの例を示す図である。第1の会計テーブルは、仕訳帳に対応するものである。また、
図9は、第2の会計テーブルの例を示す図である。データ演算部15が当月購入金額データを算出すると、データ処理部13は、第1の会計テーブルにおける借方の欄に、保有燃料の増加を表すデータとして当月購入金額データを格納し、第1の会計テーブルにおける貸方の欄に、保有金額の減少を表すデータとして当月購入金額データを格納する。
【0098】
例えば、海運会社が2008年3月にA重油を現金で購入し、A重油の購入金額3,900,000円が2008年3月31日に計上された場合に、データ処理部13は、A重油の購入金額の計上日を特定する日付データを第1の会計テーブルに格納すると共に、A重油の購入金額3,900,000円を表す当月購入金額データを、「貯蔵品」の増加を表すデータとして第1の会計テーブルにおける借方の欄に格納し、「現金」の減少を表すデータとして第1の会計テーブルにおける貸方の欄に格納する。
【0099】
また、海運会社が2008年3月にC重油を現金で購入し、C重油の購入金額3,900,000円が2008年3月31日に計上された場合に、データ処理部13は、C重油の購入金額の計上日を特定する日付データを第1の会計テーブルに格納すると共に、C重油の購入金額3,900,000円を表す当月購入金額データを、「貯蔵品」の増加を表すデータとして第1の会計テーブルにおける借方の欄に格納し、「現金」の減少を表すデータとして第1の会計テーブルにおける貸方の欄に格納する。
【0100】
さらに、データ演算部15が当月消費金額データを算出すると、データ処理部13は、第1の会計テーブルにおける貸方の欄に、保有燃料の減少を表すデータとして当月消費金額データを格納すると共に、第2の会計テーブルにおける費用の欄に、費用の増加を表すデータとして当月消費金額データを格納する。
【0101】
例えば、A重油の消費金額3,500,688円が2008年3月31日に計上された場合に、データ処理部13は、計上日を特定する日付データを第1の会計テーブルに格納すると共に、A重油の消費金額3,500,688円を表す当月購入金額データを、「損益」を表すデータとして第1の会計テーブルにおける借方の欄に格納し、「貯蔵品」の減少を表すデータとして第1の会計テーブルにおける貸方の欄に格納する。
【0102】
さらに、データ処理部13は、計上日を特定する日付データを第2の会計テーブルに格納すると共に、A重油の消費金額3,500,688円を表す当月購入金額データを、「A重油の消費金額」を表すデータとして第2の会計テーブルにおける費用の欄に格納する。これにより、A重油の消費金額は、費用に振り替えられる。
【0103】
また、C重油の消費金額3,258,798円が2008年3月31日に計上された場合に、データ処理部13は、計上日を特定する日付データを第1の会計テーブルに格納すると共に、C重油の消費金額3,258,798円を表す当月購入金額データを、「損益」を表すデータとして第1の会計テーブルにおける借方の欄に格納し、「貯蔵品」の減少を表すデータとして第1の会計テーブルにおける貸方の欄に格納する。
【0104】
さらに、データ処理部13は、計上日を特定する日付データを第2の会計テーブルに格納すると共に、C重油の消費金額3,258,798円を表す当月購入金額データを、「C重油の消費金額」を表すデータとして第2の会計テーブルにおける費用の欄に格納する。これにより、C重油の消費金額は、費用に振り替えられる。
【0105】
このようにして、それぞれの船舶における燃料購入金額や燃料消費金額に基づいて、会計システムにおいて利用できる会計テーブルが自動的に作成される。従って、会計システムに燃料購入金額や燃料消費金額を手作業で別途入力して仕訳作業を行う必要がなくなり、会計処理の省力化を図ることができる。
【0106】
<内航海運管理方法>
次に、本発明の一実施形態に係る内航海運管理方法について、
図1及び
図10を参照しながら説明する。
図10は、
図1に示す内航海運管理サーバーの動作を示すフローチャートである。海運会社のオペレーターが、内航海運管理サーバー10の電源を立ち上げて内航海運管理プログラムを起動させると、内航海運管理サーバー10のCPUが一連の動作を開始する。
【0107】
図10のステップS1において、データ処理部13は、海運会社が購入した燃料の出荷日を特定する日付データ、購入した燃料が供給される船舶の船名を特定する船名コード、燃料の品名を特定する品名コード、及び、燃料購入量を特定する購入量データを含む燃料購入データを少なくとも1つのクライアント端末20から受信して、燃料購入データに含まれている複数の項目を互いに関連付けて管理データベースに格納する。
【0108】
ステップS2において、データ処理部13は、海運会社が使用する船舶において燃料残高が計測された計測年月を特定する計測年月データ、燃料残高が計測された船舶の船名を特定する船名コード、燃料の品名を特定する品名コード、及び、燃料の品名毎に月末における燃料残高を特定する残高データを含む燃料計測データを少なくとも1つのクライアント端末20から受信して、燃料計測データに含まれている複数の項目を互いに関連付けて管理データベースに格納する。
【0109】
ステップS3において、データ検索部14は、燃料購入データ及び燃料計測データの検索要求と共に、当月の燃料計測データをクライアント端末20から受信したときに、受信された船名コード及び品名コードを検索キーワードとして用いて燃料購入データを検索して船名コード及び品名コードに関連付けられた日付データを読み出し、受信された計測年月データによって特定される計測年月に該当する日付データを抽出して、抽出された日付データに関連付けられた購入量データを読み出す。
【0110】
また、データ検索部14は、受信された船名コード及び品名コードを検索キーワードとして用いて燃料計測データを検索して船名コード及び品名コードに関連付けられた計測年月データを読み出し、受信された計測年月データによって特定される計測年月の前月に該当する計測年月データを抽出して、抽出された計測年月データに関連付けられた前月の残高データを読み出す。
【0111】
ステップS4において、データ演算部15は、受信された品名コードによって特定される燃料の品名毎に、読み出された購入量データによって特定される燃料購入量を合計することにより、当月燃料購入量を表す当月の合計購入量データを算出し、前月の残高データによって特定される前月燃料残高に対して、当月燃料購入量を加算すると共に、受信された当月の残高データによって特定される当月燃料残高を減算することにより、当月燃料消費量を特定する当月の消費量データを算出する。
【0112】
ステップS5において、ネットワーク接続部12は、受信された計測年月データ及び船名コードによってそれぞれ特定される計測年月及び船名と共に、受信された品名コードによって特定される燃料の品名毎に、前月の残高データ、当月の合計購入量データ、当月の残高データ、及び、当月の消費量データによってそれぞれ特定される前月燃料残高、当月燃料購入量、当月燃料残高、及び、当月燃料消費量を含む燃料情報をクライアント端末20の表示部に表示させる。
【0113】
以上の実施形態においては、内航海運管理サーバーを1つの端末によって構成する場合について説明したが、本発明は、この実施形態に限定されるものではなく、内航海運管理サーバーを複数の端末によって構成しても良い。このように、当該技術分野において通常の知識を有する者によって、本発明の技術的思想内で多くの変形が可能である。