(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
〔成分(A):モノマー(a)及びモノマー(b)を共重合してなるポリマー〕
本発明で使用されるモノマー(a)は、一般式(1)で表される(メタ)アクリレート系モノマーである。
【0016】
一般式(1)中、R
1は水素原子又はメチル基を示し、R
2は炭素数1〜8のアルキル基を示す。アルキル基は、直鎖又は分岐鎖のいずれであってもよく、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基等の直鎖アルキル基、イソプロピル基、イソブチル基、tert-ブチル基、イソヘキシル基等の分岐鎖アルキル基が挙げられる。R
2としては、毛髪の弾力性、キープ力、再整髪性の点から、炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が更に好ましい。具体的なモノマー(a)としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸tert-ブチル、アクリル酸メチル、アクリル酸イソブチル等が挙げられる。なお、モノマー(a)は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0017】
本発明で使用されるモノマー(b)は、一般式(2)で表されるエチレンオキシド基含有(メタ)アクリレート系モノマーである。
【0019】
一般式(2)中、R
3は水素原子又はメチル基を示し、R
4は炭素数1〜4のアルキル基を示す。具体的なアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基等の直鎖アルキル基が挙げられ、特にメチル基が好ましい。pはエチレンオキシド基の付加モル数を表し、良好な毛髪のセット性、キープ力及び再整髪性を得る点から、20〜90の整数であり、好ましくは23〜90の整数である。具体的なモノマー(b)としては、アクリル酸メトキシPEG(23)、メタクリル酸メトキシPEG(23)、メタクリル酸メトキシPEG(45)、メタクリル酸メトキシPEG(90)等が挙げられる。モノマー(b)は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。モノマー(b)は、例えば、アクリル酸クロリド又はメタクリル酸クロリドとポリエチレングリコールメチルエーテルを反応させて得ることができる。
【0020】
本発明で使用される成分(A)のポリマーは、モノマー(a)及びモノマー(b)を含有するモノマー成分を共重合させて得られるノニオン性ポリマーである。モノマー成分中のモノマー(a)の含有量は、優れた毛髪のコンディショニング性、セット性、キープ力及び再整髪性を得る点から、モノマーの総量を基準として、35質量%以上、好ましくは38質量%以上であり、また、50質量%以下、好ましくは47質量%以下である。同様にモノマー成分中のモノマー(b)の含有量は、優れた毛髪のコンディショニング性、セット性、キープ力及び再整髪性を得る点から、モノマーの総量を基準として、50質量%以上、好ましくは53質量%以上であり、また、65質量%以下、好ましくは62質量%以下である。モノマー(a)及びモノマー(b)の含有量をこれらの範囲とすることにより、得られたポリマーを配合する本発明の整髪剤組成物が優れた効果を発揮することが可能となる。モノマー(a)及びモノマー(b)以外のモノマーであっても、共重合が可能で、かつ本発明の効果を損なわない範囲であればモノマー成分中に適宜含有させても構わないが、本発明では、モノマー(a)とモノマー(b)の合計量を、好ましくはモノマー総量の85質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上とする。また、成分(A)のポリマーは、ノニオン性ポリマーであり、モノマー(a)及びモノマー(b)以外のモノマー成分として、イオン性モノマーを含まないことが好ましい。
【0021】
モノマー(a)及びモノマー(b)の共重合は、常法に従って行えばよく、例えば、モノマー(a)及びモノマー(b)を適当な溶媒に溶解させたモノマー溶液を、適当な重合開始剤の存在下で加熱し、重合反応させることにより実施することができる。重合開始剤としては、例えば2,2'-アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。また、成分(A)として、市販されている原料を使用することも可能であり、例えばプラスサイズL-188K(互応化学工業社製)が挙げられる。
【0022】
本発明の整髪剤組成物中における成分(A)の含有量は、一つ一つの小さな毛束についてウェーブの位相を揃えつつ伸びたウェーブのカール半径を小さくしてウェーブを乱れる前の状態に回復する点、目的とする立体感を得る点、より優れた効果を得る観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上であり、また、塗布時のきしみ感や仕上がり後のべたつきを軽減し、仕上がり後に滑らかな感触を与え、更に目的とする立体感を得る観点から、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2質量%以下、更に好ましくは1質量%以下である。具体的な範囲としては、好ましくは0.01〜3質量%、より好ましくは0.05〜2質量%、更に好ましくは0.1〜1質量%である。
【0023】
〔成分(B):ポリ(N-アシルアルキレンイミン)変性オルガノポリシロキサン〕
成分(B)のポリ(N-アシルアルキレンイミン)変性オルガノポリシロキサン(以下、単に「オルガノポリシロキサン」とも称する)は、ウェーブを乱れる前の状態に戻す効果に寄与する。成分(B)のオルガノポリシロキサンとしては、以下に示すものが好ましい。
【0024】
主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントのケイ素原子の少なくとも2つに、ヘテロ原子を含むアルキレン基を介して、下記一般式(3);
【0026】
〔式中、R
5は水素原子、炭素数1〜22のアルキル基、アラルキル基又はアリール基を示し、aは2又は3を示す。〕
で表される繰り返し単位からなるポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメントが結合してなるオルガノポリシロキサンであって、
ポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメントの数平均分子量が500〜5,500であり、
主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメント(a)と、ポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメント(b)との質量比(a/b)が35/65以上98/2以下であり、
主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントの重量平均分子量が7,000以上120,000以下である、
オルガノポリシロキサン
【0027】
成分(B)において、ポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメントは、オルガノポリシロキサンセグメントを構成する任意のケイ素原子に、ヘテロ原子を含むアルキレン基を介して少なくとも2つ結合することが可能であるが、両末端を除く1以上のケイ素原子に上記アルキレン基を介して結合していることが好ましく、両末端を除く2以上のケイ素原子に上記アルキレン基を介して結合していることがより好ましい。
【0028】
オルガノポリシロキサンセグメントとポリ(N-アシルアルキレンイミン)との結合において介在するヘテロ原子を含むアルキレン基としては、窒素原子、酸素原子及び/又はイオウ原子を1〜3個含む炭素数2〜20のアルキレン基が挙げられる。その具体例としては、以下のものが挙げられる。
【0030】
ポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメントを構成するN-アシルアルキレンイミン単位は前記一般式(3)で表されるものであるが、一般式(3)において、R
5の炭素数1〜22のアルキル基としては、例えば、炭素数1〜22の直鎖、分岐状又は環状のアルキル基が例示され、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロへキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ドコシル基等が例示される。中でも、炭素数1〜10、特に炭素数1〜6のアルキル基がより好ましい。
【0031】
アラルキル基としては、例えば、炭素数7〜15のアラルキル基が例示され、具体的には、ベンジル基、フェネチル基、トリチル基、ナフチルメチル基、アントラセニルメチル基等が例示される。中でも、炭素数7〜14、特に炭素数7〜10のアラルキル基がより好ましい。
【0032】
アリール基としては、例えば、炭素数6〜14のアリール基が例示され、具体的には、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントリル基、フェナントリル基等が例示され、中でも、炭素数6〜12、特に炭素数6〜9のアリール基がより好ましい。
【0033】
これらの中でも、R
5としては、炭素数1〜6のアルキル基が特に好ましい。
【0034】
オルガノポリシロキサンセグメント(a)と、ポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメント(b)との質量比(a/b)は35/65以上98/2以下であるが、べたつかず、かつ毛髪にしっとりとした滑らかさを与え、ウェーブのカールや束の揃いを乱れる前の状態に回復する効果が優れたものとする観点から、好ましくは40/60以上、より好ましくは45/55以上、更に好ましくは55/45以上、更に好ましくは65/35以上、更に好ましくは70/30以上、更に好ましくは73/27以上であり、また好ましくは90/10以下、より好ましくは82/18以下、更に好ましくは80/20以下、更に好ましくは79/21以下である。
【0035】
なお、本明細書において、質量比(a/b)は、成分(B)のオルガノポリシロキサンを重クロロホルム中に5質量%溶解させ、核磁気共鳴(
1H-NMR)分析により、オルガノポリシロキサンセグメント中のアルキル基又はフェニル基と、ポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメント中のメチレン基の積分比より求めた値をいう。
【0036】
また、隣接するポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメント間におけるオルガノポリシロキサンセグメントの重量平均分子量(MWg)は、好ましくは1,300以上、より好ましくは1,500以上、更に好ましくは1,800以上、更に好ましくは2,000以上であり、また、好ましくは32,000以下、より好ましくは10,000以下、更に好ましくは5,000以下、更に好ましくは3,500以下、更に好ましくは3,200以下、更に好ましくは3,000以下である。これにより、べたつかず、かつウェーブのカールや束の揃いを乱れる前の状態に回復する効果が優れたものとすることができる。
【0037】
本明細書において、「隣接するポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメント間におけるオルガノポリシロキサンセグメント」とは、下記式(4)に示すように、ポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメントのオルガノポリシロキサンセグメントに対する結合点(結合点A)から、これに隣接するポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメントの結合点(結合点B)までの2点間において破線で囲まれた部分であって、1つのR
2SiO単位と、1つのR
6と、b+1個のR
22SiO単位とから構成されるセグメントをいう。また、「ポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメント」とは、上記R
6に結合する−Z−R
11をいう。
【0039】
上記一般式(4)中、R
6はそれぞれ独立に炭素数1〜22のアルキル基又はフェニル基を示し、R
10はヘテロ原子を含むアルキレン基を示し、R
11は重合開始剤の残基を示し、−Z−R
11はポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメントを示し、bは正の数を示す。
【0040】
MWgは、上記一般式(4)において破線で囲まれた部分の分子量であるが、ポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメント1モル当たりのオルガノポリシロキサンセグメントの質量(g/mol)と解することができ、原料化合物である変性オルガノポリシロキサンの官能基がポリ(N-アシルアルキレンイミン)で100%置換されると、変性オルガノポリシロキサンの官能基当量(g/mol)と一致する。また、原料化合物である変性オルガノポリシロキサンの官能基当量(g/mol)が分かっている場合には、その官能基がポリ(N-アシルアルキレンイミン)で100%置換されなかった場合であっても、MWgを以下の式で算出することができる。
MWg=[変性オルガノポリシロキサンの官能基当量(g/mol)]÷[置換率(%)/100(%)]
【0041】
ポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメントの分子量(MWox)は、N-アシルアルキレンイミン単位の分子量と重合度とから算出する方法又は後述するゲルパーミエションクロマトグラフィ(GPC)測定法により測定することが可能であるが、本発明においてはGPC測定法により測定される数平均分子量をいうものとする。成分(B)のMWoxは、好ましくは500以上、より好ましくは600以上、更に好ましくは700以上、更に好ましくは800以上であり、また、好ましくは5,500以下、より好ましくは3,500以下、更に好ましくは3,000以下、更に好ましくは2,500以下、更に好ましくは2,000以下、更に好ましくは1,500以下、更に好ましくは1,400以下である。これにより、べたつかず、ウェーブのカールや束の揃いを乱れる前の状態に回復する効果がより優れたものとすることができる。
【0042】
また、変性オルガノポリシロキサンの官能基当量が分からない場合、MWgは、主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントの含有率(Csi)を用いて下記式により求めることができる。
【0044】
主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントの重量平均分子量(MWsi)は、好ましくは7,000以上、より好ましくは10,000以上、更に好ましくは20,000以上、更に好ましくは24,000以上であり、また、好ましくは120,000以下、より好ましくは80,000以下、更に好ましくは60,000以下である。これにより十分な皮膜強度、水等の極性溶媒への溶解性と溶解後の取り扱いやすさに優れたものにできる。MWsiは、原料化合物である変性オルガノポリシロキサンと共通の骨格を有するため、MWsiは原料化合物である変性オルガノポリシロキサンの重量平均分子量と略同一である。なお、原料化合物である変性オルガノポリシロキサンの重量平均分子量は、下記測定条件によるGPCで測定し、ポリスチレン換算したものである。
【0045】
カラム :Super HZ4000+Super HZ2000(東ソー株式会社製)
溶離液 :1mMトリエチルアミン/THF
流量 :0.35mL/min
カラム温度:40℃
検出器 :UV
サンプル :50μL
【0046】
成分(B)のオルガノポリシロキサンの重量平均分子量(MWt)は、好ましくは10,000以上、より好ましくは12,000以上、更に好ましくは24,000以上、更に好ましくは37,000以上であり、また、好ましくは200,000以下、より好ましくは150,000以下、更に好ましくは120,000以下、更に好ましくは92,000以下、更に好ましくは80,000以下、更に好ましくは75,000以下である。これにより、十分な皮膜強度を確保でき、加えて水等の極性溶媒に対する溶解性が優れるようになる。また、べたつかず、かつウェーブのカールや束の揃いを乱れる前の状態に回復する効果がより一層向上したものとすることができる。本明細書において、MWtは、原料化合物である変性オルガノポリシロキサンの重量平均分子量と、前述の質量比(a/b)とから求めることができる。
【0047】
また、塗布時の感触やウェーブのカールや束の揃いを乱れる前の状態に回復する効果、立体感を出す観点から、成分(B)のオルガノポリシロキサンは、オルガノポリシロキサンセグメント(a)と、ポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメント(b)との質量比(a/b)が65/35〜82/18であり、かつ、隣接するポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメント間におけるオルガノポリシロキサンセグメントの重量平均分子量(MWg)が1,500〜3,500であり、かつポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメントの分子量(MWox)が700〜1,500であり、かつ主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントの重量平均分子量(MWsi)が24,000〜80,000であるオルガノポリシロキサンであることが好ましい。
【0048】
成分(B)のオルガノポリシロキサンは、例えば特開2009-024114号公報や国際公開第2011/062210号パンフレットで開示されている方法のような公知の製造方法により、製造することができる。
【0049】
成分(B)のオルガノポリシロキサンとしては、ポリ(N-ホルミルエチレンイミン)オルガノシロキサン、ポリ(N-アセチルエチレンイミン)オルガノシロキサン、ポリ(N-プロピオニルエチレンイミン)オルガノシロキサン等が挙げられる。
【0050】
成分(B)のオルガノポリシロキサンは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明の整髪剤組成物中における成分(B)の含有量は、ウェーブを乱れる前の状態に戻す効果とべたつき抑制の観点から、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.2質量%以上であり、また、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは2質量%以下である。
【0051】
本発明の整髪剤組成物中における成分(A)及び成分(B)の質量比(A)/(B)は、適度な粘着力と弾性力によって目的とする立体感を出し、ウェーブを乱れる前の状態に戻す点、塗布時のきしみ感や仕上がり後のべたつきを軽減する点、仕上がり後のなめからさ観点から、0.05以上であって、好ましくは0.08以上、より好ましくは0.1以上、更に好ましくは0.15以上であり、また、セットした髪の良好な感触の観点から、2.4以下であって、好ましくは2.0以下、より好ましくは1.5以下、更に好ましくは1.0以下である。
【0052】
〔成分(C):非イオン性界面活性剤又はカチオン性界面活性剤〕
更に本発明の整髪剤組成物には、成分(C)として、非イオン性界面活性剤(成分(D)に該当するものを除く)及びカチオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましい。
【0053】
成分(D)以外の非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、高級脂肪酸ショ糖エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、高級脂肪酸モノ又はジエタノールアミド、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、アルキルサッカライド系界面活性剤、アルキルアミンオキサイド、アルキルアミドアミンオキサイド等が挙げられる。これらのうち、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が好ましく、ポリオキシエチレンアルキルエーテルが特に好ましい。
【0054】
カチオン性界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩が挙げられ、中でもモノ長鎖アルキル4級アンモニウム塩が好ましい。具体的には、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化アラキルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム等が挙げられ、特に塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウムが好ましい。
【0055】
成分(C)は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用でき、非イオン性界面活性剤及びカチオン性界面活性剤からなる群より選ばれる1種又は2種以上の界面活性剤を含有することが好ましく、更には当該群より選ばれる2種以上の界面活性剤を含有することが好ましく、更には非イオン性界面活性剤を少なくとも1種及びカチオン界面活性剤を少なくとも1種含有することが好ましい。また、成分(B)の良好な分散性及び塗布時のきしみ感抑制の観点から、本発明の整髪剤組成物中における成分(C)の含有量は、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上であり、また、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下、更に好ましくは5質量%以下である。
【0056】
〔成分(D):酸化アルキレン付加重合体〕
本発明の整髪剤組成物には、塗布時に乾いた髪へのなじみ感を良くし、きしみ感を低減し、更に所望の立体感を与えるため、更に成分(D)として、下記一般式(7)で表される酸化アルキレン付加重合体を含有させることができる。なじみ感付与のために、通常用いられる油剤を配合した場合には、界面活性剤を配合しても成分(B)の十分な分散性を確保することができないが、成分(D)は、成分(B)の分散性を低下させることなく、髪にしっとり感を与えることができる。
【0058】
一般式(7)中のR
12及びR
13はそれぞれ水素原子、又は炭素数1〜24の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基若しくはアルケニル基を示すが、両者が同時に水素原子となることはない。mは1以上の整数、nは0以上の整数であるが、m≧nであるのがセット状及びまとまり感の点で好ましい。また、特にnが1以上であることが好ましい。m+nは3以上であるが、セット性及びまとまり感の点で20〜200が好ましく、更に30〜200が好ましく、特に30〜150が好ましい。更に、整髪剤が泡状である場合、泡もちの観点からR
12及びR
13のアルキル基又はアルケニル基の炭素数は1〜16、更には1〜14、更には1〜12が好ましい。
【0059】
成分(D)の具体例としては、例えばポリオキシプロピレン(30)ブチルエーテル、ポリオキシプロピレン(33)ブチルエーテル、ポリオキシプロピレン(40)ブチルエーテル、ポリオキシプロピレン(52)ブチルエーテル、ポリオキシプロピレン(30)オレイルエーテル、ポリオキシプロピレン(40)リシノイルエーテル、ポリオキシプロピレン(30)イソセチルエーテル等のポリオキシプロピレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレン(17)ポリオキシプロピレン(17)ブチルエーテル、ポリオキシエチレン(3)ポリオキシプロピレン(35)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(3)ポリオキシプロピレン(20)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(5)ポリオキシプロピレン(40)ベヘニルエーテル等のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレン(14)ポリオキシプロピレン(7)ジメチルエーテル等のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンジアルキルエーテルが挙げられる。
【0060】
上記の酸化アルキレン付加重合体は市販されており、例えば(株)ADEKAから販売されているアデカプルロニックLシリーズ、三洋化成工業(株)から販売されているニューポールPEシリーズ、日本油脂(株)から販売されているユニルーブ10MSシリーズやユニセーフシリーズ、ユニルーブ50MBシリーズ、東邦化学(株)から販売されているベポールシリーズ、NOFアメリカ社から販売されているマクビオブライドEシリーズ等の市販品を使用することができる。
【0061】
本発明の整髪剤組成物中における成分(D)の含有量は、毛髪への良好なしっとり感付与効果と、べたつき感及びきしみ感抑制の観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上であり、また、好ましくは10質量%以下、より好ましくは7質量%以下、更に好ましくは5質量%以下、更に好ましくは2.5質量%以下である。また一般式(7)において、m+nが30以上、かつm≧nであるものは、特に良好なセット性とまとまり感を付与する効果に優れる。
【0062】
〔媒体〕
本発明の整髪剤組成物は、水を媒体とする。媒体としては、水に加え、必要により上記特定有機溶剤以外の有機溶剤を使用することもできる。このような有機溶剤としては、エタノール、2-プロパノール等の低級アルカノール類、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン等のポリオール類、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ベンジルセロソルブ等のセロソルブ類、エチルカルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類が挙げられる。
【0063】
〔その他の成分〕
本発明の整髪剤組成物には、通常整髪剤に使用される各種成分、例えば、キレート剤、ビタミン類、蛋白質、アミノ酸類、生薬類、冷涼感付与剤(メントール等)、防腐剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、香料等を、目的に応じて配合することができる。
【0064】
〔剤型〕
本発明の整髪剤組成物の形態は、泡状、液状、霧状、ゲル状、ペースト状、クリーム状等、適宜選択できるが、特に泡状整髪剤として好適であり、中でもノンエアゾールフォーマー容器に収容して、泡状に吐出して用いるのが好ましい。
【0065】
〔粘度〕
本発明の整髪剤組成物をノンエアゾールフォーマー容器に収容する場合、ノンエアゾールフォーマー容器から泡として好適に吐出できるものとする観点から、ノンエアゾール容器中に存在する状態で(泡として吐出させる前の液状の状態で)、1〜100mPa・s、更には2〜30mPa・s、特に3〜20mPa・sが好ましい。なお、ここでの粘度はB型粘度計TVB-10M(東機産業社)で、30℃で、以下のローター、回転数を用いて測定するものとする。
回転数は粘度が10mPa・sまでは30rpm、10〜20mPa・sまでは60rpm、20mPa・s以上は30rpmを使用し、また、ローターは、粘度が10mPa・sまではL/Adp、10〜200mPa・sまではM1、粘度が200mPa・sから1,000mPa・sまではM2のローターを使用する。
【0066】
〔ノンエアゾールフォーマー容器〕
ノンエアゾールフォーマー容器は、容器内に充填された整髪剤組成物を、噴射剤を使用することなく空気と混合して泡状に吐出させるために使用する。フォーマー容器の使用により、吐出させた剤の飛び散りを防止できるという効果も得られる。特に、ノンエアゾールタイプの容器は、エアゾールタイプの容器に比べて、製品を安価に製造可能であり、高圧ガスの噴射剤が不要であるため、製品を流通においてより安全に取り扱うことができる。
【0067】
フォーマー容器としては、泡吐出手段を有する公知のポンプフォーマー容器、スクイズフォーマー容器、電動式泡立て器、蓄圧式ポンプフォーマー容器等を使用することができる。より具体的には、例えば、食品と容器(vol.35, No.10, p588〜593(1994); vol.35, No.11, p624〜627(1994); vol.36, No.3, p154〜158(1995))に記載のポンプフォーマーE3タイプ、同F2タイプ(以上、大和製罐社)、スクイズフォーマー(大和製罐社)、電動泡立て器(松下電工社)、エアスプレーフォーマー(エアスプレーインターナショナル社)等が挙げられる。本発明の整髪剤組成物に用いるフォーマー容器としては、安価で使い勝手が良いことから、ポンプフォーマー容器及びスクイズフォーマー容器が好ましい。
【0068】
ポンプフォーマー容器又はスクイズフォーマー容器は、ネット等の泡均質化手段を有するものであり、目詰まりの発生防止の観点から薄肉のネットを有することが好ましい。この場合、ネットのネット穴サイズとしては、50〜400メッシュ、更には70〜350メッシュ、更には80〜320メッシュが好ましい。ここで、メッシュという単位は、1インチ当たりの目の数を持って表すものである。この範囲のメッシュのネットを使用することにより、クリーミーな泡を生成することができる。また、このようなネットの材質としては、ナイロン(登録商標)、ポリエステル等を好ましく例示することができる。
【0069】
本発明の整髪剤組成物を収容するノンエアゾールフォーマー容器には、このようなネットを少なくとも一枚、好ましくは複数枚配設し、特に経済性、泡のきめ細かさ、目詰まりにくさ等の点から2枚配設することが好ましい。
【0070】
〔整髪方法〕
本発明の整髪剤組成物を用いた整髪方法は、整髪剤組成物を手又は整髪するための道具にとり、乾いた毛髪に塗布して行えばよい。整髪性の点からは、本発明の整髪剤組成物を毛髪に塗布した後、毛髪にもみこむのが好ましい。本発明の整髪剤組成物を用いた整髪方法は、パーマネント・ウェーブ処理された毛髪に対して行うことが好ましく、中でも毛髪が乾いたことでウェーブのカール径が大きくなり、毛束の揃いが悪くなった毛髪に対して行うことが好ましい。パーマネント・ウェーブ処理された毛髪に対して本整髪方法を行う際には、本発明の整髪剤組成物を毛髪に塗布した後、毛束を手で握って持ち上げるようにしてくせ付けしながら剤をもみこむのが好ましい。
【0071】
以上述べた実施形態に関し、以下に本発明の好ましい態様を更に開示する。
【0072】
<1>
次の成分(A)及び(B)を含有し、これらの質量比(A)/(B)が0.05以上2.4以下である整髪剤組成物。
(A) モノマー(a)及びモノマー(b)を含有するモノマー成分を共重合して得られるポリマー
(a) 一般式(1)で表される(メタ)アクリレート系モノマー;35質量%以上50質量%以下
【0074】
〔式中、R
1は水素原子又はメチル基を示し、R
2は炭素数1〜8のアルキル基を示す。〕
(b) 一般式(2)で表されるエチレンオキシド基含有(メタ)アクリレート系モノマー;50質量%以上65質量%以下
【0076】
〔式中、R
3は水素原子又はメチル基を示し、R
4は炭素数1〜4のアルキル基を示し、pは20〜90の整数を示す。〕
(B) ポリ(N-アシルアルキレンイミン)変性オルガノポリシロキサン
【0077】
<2>
成分(A)のモノマー(a)が、好ましくはメタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸tert-ブチル、アクリル酸メチル及びアクリル酸イソブチルから選ばれる1種又は2種以上である<1>に記載の整髪剤組成物。
【0078】
<3>
成分(A)のモノマー(b)が、好ましくはアクリル酸メトキシPEG(23)、メタクリル酸メトキシPEG(23)、メタクリル酸メトキシPEG(45)及びメタクリル酸メトキシPEG(90)から選ばれる1種又は2種以上である<1>又は<2>に記載の整髪剤組成物。
【0079】
<4>
成分(A)において、のモノマー(a)とモノマー(b)の合計量が、好ましくはモノマー総量の85質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上である<1>〜<3>のいずれか1に記載の整髪剤組成物。
【0080】
<5>
成分(A)において、モノマー成分中のモノマー(a)の含有量が、モノマーの総量を基準として、好ましくは38質量%以上であり、また、好ましくは47質量%以下である<1>〜<4>のいずれか1に記載の整髪剤組成物。
【0081】
<6>
成分(A)において、モノマー成分中のモノマー(b)の含有量が、モノマーの総量を基準として、好ましくは53質量%以上であり、また、好ましくは62質量%以下である<1>〜<5>のいずれか1に記載の整髪剤組成物。
【0082】
<7>
成分(A)の含有量が、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上であり、また、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2質量%以下、更に好ましくは1質量%以下である<1>〜<6>のいずれか1に記載の整髪剤組成物。
【0083】
<8>
成分(B)が、好ましくは主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントのケイ素原子の少なくとも2つに、ヘテロ原子を含むアルキレン基を介して、下記一般式(3);
【0085】
〔式中、R
5は水素原子、炭素数1〜22のアルキル基、アラルキル基又はアリール基を示し、aは2又は3を示す。〕
で表される繰り返し単位からなるポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメントが結合してなるオルガノポリシロキサンであって、
ポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメントの数平均分子量が500以上5,500以下であり、
主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメント(a)と、ポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメント(b)との質量比(a/b)が35/65以上98/2以下であり、
主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントの重量平均分子量が7,000以上120,000以下である、
オルガノポリシロキサンである、<1>〜<7>のいずれか1に記載の整髪剤組成物。
【0086】
<9>
成分(B)において、ポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメントの数平均分子量が、好ましくは500以上、より好ましくは600以上、更に好ましくは700以上、更に好ましくは800以上であり、また、好ましくは5,500以下、より好ましくは3,500以下、更に好ましくは3,000以下、更に好ましくは2,500以下、更に好ましくは2,000以下、更に好ましくは1,500以下、更に好ましくは1,400以下である<8>に記載の整髪剤組成物。
【0087】
<10>
成分(B)において、主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメント(a)と、ポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメント(b)との質量比(a/b)が、好ましくは40/60以上、より好ましくは45/55以上、更に好ましくは55/45以上、更に好ましくは65/35以上、更に好ましくは70/30以上、更に好ましくは73/27以上であり、また好ましくは90/10以下、より好ましくは82/18以下、更に好ましくは80/20以下、更に好ましくは79/21以下である<8>又は<9>に記載の整髪剤組成物
【0088】
<11>
成分(B)において、主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントの重量平均分子量が、好ましくは7,000以上、より好ましくは10,000以上、更に好ましくは20,000以上、更に好ましくは24,000以上であり、また、好ましくは120,000以下、より好ましくは80,000以下、更に好ましくは60,000以下である<8>〜<10>のいずれか1に記載の整髪剤組成物。
【0089】
<12>
成分(B)において、隣接するポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメント間におけるオルガノポリシロキサンセグメントの重量平均分子量(MWg)が、好ましくは1,300以上、より好ましくは1,500以上、更に好ましくは1,800以上、更に好ましくは2,000以上であり、また、好ましくは32,000以下、より好ましくは10,000以下、更に好ましくは5,000以下、更に好ましくは3,500以下、更に好ましくは3,200以下、更に好ましくは3,000以下である<8>〜<11>のいずれか1に記載の整髪剤組成物。
【0090】
<13>
成分(B)のオルガノポリシロキサンの重量平均分子量(MWt)が、好ましくは10,000以上、より好ましくは12,000以上、更に好ましくは24,000以上、更に好ましくは37,000以上であり、また、好ましくは200,000以下、より好ましくは150,000以下、更に好ましくは120,000以下、更に好ましくは92,000以下、更に好ましくは80,000以下、更に好ましくは75,000以下である<1>〜<12>のいずれか1に記載の整髪剤組成物。
【0091】
<14>
成分(B)において、好ましくは、ヘテロ原子を含むアルキレン基が以下の式で表される<8>〜<13>のいずれか1に記載の整髪剤組成物。
−(CH
2)
3−
+NH
2− An
- 〔式中、An
-はアニオンを示す。〕
【0092】
<15>
成分(B)の含有量が、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.2質量%以上であり、また、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは2質量%以下である<1>〜<14>のいずれか1に記載の整髪剤組成物。
【0093】
<16>
成分(A)と成分(B)の質量比(A)/(B)が、好ましくは0.08以上、より好ましくは0.1以上、更に好ましくは0.15以上であり、また、2.4以下であって、好ましくは2.0以下、より好ましくは1.5以下、更に好ましくは1.0以下である<1>〜<15>のいずれか1に記載の整髪剤組成物。
【0094】
<17>
好ましくは、更に、次の成分(C)を含有する<1>〜<16>のいずれか1に記載の整髪剤組成物。
(C) 非イオン界面活性剤(成分(D)に該当するものを除く)及びカチオン界面活性剤から選ばれる少なくとも1種、好ましくは2種以上、より好ましくは非イオン性界面活性剤を少なくとも1種及びカチオン界面活性剤を少なくとも1種
【0095】
<18>
成分(C)の含有量が、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上であり、また、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下、更に好ましくは5質量%以下である<1>〜<17>のいずれか1に記載の整髪剤組成物。
【0096】
<19>
好ましくは、更に、次の成分(D)を含有する<1>〜<18>のいずれか1に記載の整髪剤組成物。
(D) 下記一般式(7)で表される酸化アルキレン付加重合体
【0098】
〔式中、R
12及びR
13は水素原子、又は炭素数1〜24の直鎖若しくは分岐のアルキル基若しくはアルケニル基を示し、mは1以上の整数、nは0以上の整数を示し、m+nは3以上である。ただし、R
12及びR
13が同時に水素原子となることはない。〕
【0099】
<20>
好ましくは一般式(7)において、m+nが30以上、かつm≧nである<19>に記載の整髪剤組成物。
【0100】
<21>
成分(D)の含有量が、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上であり、また、好ましくは10質量%以下、より好ましくは7質量%以下、更に好ましくは5質量%以下、更に好ましくは2.5質量%以下である<1>〜<20>のいずれか1に記載の整髪剤組成物。
【0101】
<22>
好ましくは、泡状整髪剤組成物である<1>〜<21>のいずれか1に記載の整髪剤組成物。
【0102】
<23>
好ましくは、ノンエアゾールフォーマー容器に収容して、泡状に吐出して使用される<1>〜<22>のいずれか1に記載の整髪剤組成物。
【0103】
<24>
粘度が、好ましくは1〜100mPa・s、より好ましくは2〜30mPa・s、更に好ましくは3〜20mPa・sである<1>〜<23>のいずれか1に記載の整髪剤組成物
【0104】
<25>
<1>〜<24>のいずれか1に記載の整髪剤組成物を乾いた髪に塗布する整髪方法。
【0105】
<26>
好ましくは、乾いた髪が、パーマネント・ウェーブ処理された髪である<25>記載の整髪方法。
【0106】
<27>
<1>〜<24>のいずれか1に記載の組成物の整髪剤としての使用。
【実施例】
【0107】
実施例1〜7、比較例1〜7
表1に示す整髪剤組成物(液剤)を調製し、株式会社吉野製作所製ポンプフォーマー容器(ネット部は、ネット穴サイズ200/200である2枚のネットを持つ。1回の押し込みによる液剤の吐出量は1.0g)に充填して、以下の方法及び基準に従って、性能評価を行った。なお、調製した組成物の粘度は20mPa・s以下であった。
なお、200/200の表記は組成物をネット穴サイズ200メッシュのネットを通過させた後にネット穴サイズ200メッシュのネットを通過させることを意味する。
この液剤をポンプフォーマーから1.0g吐出して手に取り、以下の方法及び基準に従って、「乾き髪へのなじみ」、「塗布時の髪のきしみ感のなさ」、「伸ばしたウェーブのカールの戻り」、「ウェーブの束の揃い」、「ウェーブ束のなめらかさ・しっとり感」、「べたつきのなさ」、「ウェーブのふんわりとした立体感」について性能評価を行った。
【0108】
なお、実施例及び比較例で使用した成分(B)は、以下の合成例によって得られたものを使用した。
【0109】
合成例1:オルガノポリシロキサンA
国際公開第2011/062210号パンフレットに記載の方法に従い、硫酸ジエチル6.17g(0.04モル)と2-エチル-2-オキサゾリン93.8g(0.947モル)を脱水した酢酸エチル203gに溶解し、窒素雰囲気下8時間加熱還流し、末端反応性ポリ(N-プロピオニルエチレンイミン)を合成した。数平均分子量をGPCにより測定したところ、2500であった。ここに、側鎖一級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン(重量平均分子量30,000、アミン当量2,000)100gの33%酢酸エチル溶液を一括して加え、10時間加熱還流した。反応混合物を減圧濃縮し、N-プロピオニルエチレンイミン・ジメチルシロキサン共重合体を淡黄色固体(190g、収率95%)として得た。最終生成物のオルガノポリシロキサンセグメントの含有率は50質量%、重量平均分子量は60,000であった。溶媒としてメタノールを使用した塩酸による中和滴定の結果、約20モル%のアミノ基が残存していることがわかった。隣接するポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメント間におけるオルガノポリシロキサンセグメントは2,500と算出された。
【0110】
合成例2:オルガノポリシロキサンB
特開2009-24114号公報に記載の方法により、硫酸ジエチル19.0g(0.12モル)と2-エチル-2-オキサゾリン81.0g(0.82モル)を脱水した酢酸エチル203.0gに溶解し、窒素雰囲気下8時間加熱還流し、末端反応性ポリ(N-プロピオニルエチレンイミン)を合成した。数平均分子量をGPCにより測定したところ、800であった。ここに、側鎖一級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン(重量平均分子量50,000、アミン当量2000)300gの33%酢酸エチル溶液を一括して加え、10時間加熱還流した。反応混合物を減圧濃縮し、N-プロピオニルエチレンイミン・ジメチルシロキサン共重合体を、淡黄色ゴム状固体(390g、収率97%)として得た。最終生成物のシリコーンセグメントの含有率は75質量%、重量平均分子量は67,000であった。溶媒としてメタノールを使用した塩酸による中和滴定の結果によると、約20モル%のアミノ基が残存していた。隣接するポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメント間におけるオルガノポリシロキサンセグメントは2,500と算出された。
【0111】
<評価用毛束>
重さ15g、幅5cm、長さ25cmの日本人毛髪パーマ施術毛束(自然乾燥時カール径4cm)の毛束をモデルシャンプーで洗浄後、タオルドライした後、ドライヤーとブラシで毛束がストレートになるように形づけをして、そのまま完全に乾燥させたものを評価用毛束として使用した。
【0112】
<評価方法及び評価基準>
「乾いた髪へのなじみ」
パネラー7名に対し、ポンプフォーマーから吐出した泡を評価用毛束に塗り広げた際の「乾いた髪へのなじみ」について、「泡が素早く均一になじむ」/「どちらともいえない」/「泡がなじみにくく、均一に塗布できない」のいずれに該当するかを択一的に選択させた。表1に各選択肢の選択人数を示した。
【0113】
「塗布時の髪のきしみ感のなさ」
パネラー7名に対し、ポンプフォーマーから吐出した泡を評価用毛束に塗り広げた際の「塗布時の髪のきしみ感」について、「きしみを感じない」/「どちらともいえない」/「きしみを感じる」のいずれに該当するかを択一的に選択させた。表1に各選択肢の選択人数を示した。
【0114】
「ストレート状に形づけしたウェーブ毛束のカール半径の戻り」
パネラー7名に対し、ポンプフォーマーから吐出した泡を評価用毛束に塗り広げ、毛束を毛先から根元へ向かって、持ち上げながら手で握り、毛束にウェーブのくせ付けしながら剤をもみこむ動作を10回行い、自然乾燥した。この操作により、ストレート状に形づけした毛束の形づけが解除され、ウエーブ状に戻る。
このときの毛束の「ウェーブのカール半径の戻り」について、シャンプー・タオルドライ後自然乾燥で6時間経過後の毛束を基準として、「自然乾燥時のウェーブ径と同程度に戻る」/「自然乾燥時のウェーブ径よりもやや大きくなる」/「自然乾燥時のウェーブ径よりも有意に大きくなる」のいずれに該当するかを択一的に選択させた。表1に各選択肢の選択人数を示した。
【0115】
「ウェーブの束の揃い」
パネラー7名に対し、「ストレート状に形づけしたウェーブ毛束のカール半径の戻り」と同様の操作を行ったときの毛束の「ウェーブの束の揃い」について、シャンプー・タオルドライ後自然乾燥で6時間経過後の毛束を基準として、「自然乾燥時の束より揃いが良い」/「自然乾燥時の束の揃いと同程度」/「自然乾燥時の束の揃いより悪い」のいずれに該当するかを択一的に選択させた。表1に各選択肢の選択人数を示した。
【0116】
「ウェーブ束のなめらかさ」
パネラー7名に対し、「ストレート状に形づけしたウェーブ毛束のカール半径の戻り」と同様の操作を行ったときの、自然乾燥後における毛束の「ウェーブの束のなめらかさ」について、「なめらかさを感じる」/「どちらともいえない」/「なめらかさを感じない」のいずれに該当するかを択一的に選択させた。表1に各選択肢の選択人数を示した。
【0117】
「べたつきのなさ」
パネラー7名に対し、「ストレート状に形づけしたウェーブ毛束のカール半径の戻り」と同様の操作を行ったときの、自然乾燥後における毛束の「べたつきのなさ」について、「べたつきを感じない」/「どちらともいえない」/「べたつきを感じる」のいずれに該当するかを択一的に選択させた。表1に各選択肢の選択人数を示した。
【0118】
「ウェーブのふんわりとした立体感)
パネラー7名に対し、「ストレート状に形づけしたウェーブ毛束のカール半径の戻り」と同様の操作を行ったときの毛束の「ウェーブのふんわりとした立体感」について、「ふんわりとした立体感がある」/「どちらともいえない」/「ふんわりとした立体感がない」のいずれに該当するかを択一的に選択させた。表1に各選択肢の選択人数を示した。
【0119】
【表1】
【0120】
*1:プラスサイズL-188K(互応化学工業社製)
*2:プラスサイズL-9540B(互応化学工業社製)の未中和物
*3:合成例1により製造されたN-プロピオニルエチレンイミン・ジメチルシロキサン共重合体
*4:合成例2により製造されたN-プロピオニルエチレンイミン・ジメチルシロキサン共重合体
*5:ソフタノール90(日本触媒社製)
*6:コータミン86W(花王社製)
*7:ユニルーブ50MB-26(日本油脂社製)
【0121】
処方例
(質量%)
ポリシリコーン-9(*3) 0.65
(アクリレーツ/メタクリル酸メトキシPEG-23)コポリマー(*1) 0.12
PPG-10メチルグルコース(*8) 2.0
PPG-17ブテス-17(*7) 1.0
グリセリン 1.2
ポリエチレングリコール600 1.5
ラノリン脂肪酸 0.01
(C12-14)-s-パレス-9(*5) 2.0
ステアルトリモニウムクロリド 0.24
香料 0.09
エタノール 11.0
水 (バランス)
*8:マクビオブライドMG-10P(日油社製)