(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
成分(C)が、非イオン性界面活性剤及びカチオン性界面活性剤からなる群より選ばれる1種又は2種以上の界面活性剤を含有するものである請求項1又は2記載のノンエアゾールフォーマー容器入り整髪剤。
【発明を実施するための形態】
【0016】
〔成分(A):モノマー(a)及びモノマー(b)を共重合してなるポリマー〕
成分(A)は被膜形成ポリマーであり、整髪性能に寄与する成分である。
本発明で使用されるモノマー(a)は、一般式(1)で表される(メタ)アクリレート系モノマーである。
【0018】
一般式(1)中、R
1は水素原子又はメチル基を示し、R
2は炭素数1〜8のアルキル基を示す。アルキル基は、直鎖又は分岐鎖のいずれであってもよく、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基等の直鎖アルキル基、イソプロピル基、イソブチル基、tert-ブチル基、イソヘキシル基等の分岐鎖アルキル基が挙げられる。R
2としては、毛髪の弾力性、キープ力、再整髪性の点から、炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が更に好ましい。具体的なモノマー(a)としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸tert-ブチル、アクリル酸メチル、アクリル酸イソブチル等が挙げられる。なお、モノマー(a)は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0019】
本発明で使用されるモノマー(b)は、一般式(2)で表されるエチレンオキシド基含有(メタ)アクリレート系モノマーである。
【0021】
一般式(2)中、R
3は水素原子又はメチル基を示し、R
4は炭素数1〜4のアルキル基を示す。具体的なアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基等の直鎖アルキル基が挙げられ、特にメチル基が好ましい。pはエチレンオキシド基の付加モル数を表し、良好な毛髪のセット性、キープ力及び再整髪性を得る点から、20〜90の整数であり、好ましくは23〜90の整数である。具体的なモノマー(b)としては、アクリル酸メトキシPEG(23)、メタクリル酸メトキシPEG(23)、メタクリル酸メトキシPEG(45)、メタクリル酸メトキシPEG(90)等が挙げられる。モノマー(b)は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。モノマー(b)は、例えば、アクリル酸クロリド又はメタクリル酸クロリドとポリエチレングリコールメチルエーテルを反応させて得ることができる。
【0022】
本発明で使用される成分(A)のポリマーは、モノマー(a)及びモノマー(b)を含有するモノマー成分を共重合させて得られるノニオン性ポリマーである。モノマー成分中のモノマー(a)の含有量は、優れた毛髪のコンディショニング性、セット性、キープ力及び再整髪性を得る点から、モノマーの総量を基準として、35質量%以上、好ましくは38質量%以上であり、また、50質量%以下、好ましくは47質量%以下である。同様にモノマー成分中のモノマー(b)の含有量は、優れた毛髪のコンディショニング性、セット性、キープ力及び再整髪性を得る点から、モノマーの総量を基準として、50質量%以上、好ましくは53質量%以上であり、また、65質量%以下、好ましくは62質量%以下である。モノマー(a)及びモノマー(b)の含有量をこれらの範囲とすることにより、得られたポリマーを配合する本発明の整髪剤が優れた効果を発揮することが可能となる。モノマー(a)及びモノマー(b)以外のモノマーであっても、共重合が可能で、かつ本発明の効果を損なわない範囲であればモノマー成分中に適宜含有させても構わないが、本発明では、モノマー(a)とモノマー(b)の合計量を、好ましくはモノマー総量の85質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上とする。また、成分(A)のポリマーは、ノニオン性ポリマーであり、モノマー(a)及びモノマー(b)以外のモノマー成分として、イオン性モノマーを含まないことが好ましい。
【0023】
モノマー(a)及びモノマー(b)の共重合は、常法に従って行えばよく、例えば、モノマー(a)及びモノマー(b)を適当な溶媒に溶解させたモノマー溶液を、適当な重合開始剤の存在下で加熱し、重合反応させることにより実施することができる。重合開始剤としては、例えば2,2'-アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。また、成分(A)として、市販されている原料を使用することも可能であり、例えばプラスサイズL-188K(互応化学工業社製)が挙げられる。
【0024】
本発明の整髪剤中における成分(A)の含有量は、一つ一つの小さな毛束についてウェーブの位相を揃えパーマウェーブの束の揃いを回復する効果、乾いた髪へのなじみやすさの点で、より優れた効果を得る観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.2質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1質量%以上であり、また、好ましくは6質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは4質量%以下、更に好ましくは3質量%以下である。具体的な範囲としては、好ましくは0.01〜5質量%、より好ましくは0.1〜5質量%、更に好ましくは0.2〜3質量%である。
【0025】
〔成分(B):ポリオキシアルキレンアルキルグルコシド〕
成分(B)のポリオキシアルキレンアルキルグルコシドは、ノンエアゾールフォーマー容器から吐出された泡の持ち、かさ高さといった泡質の向上に寄与する。ポリオキシアルキレンアルキルグルコシドは、アルキルグルコシドにアルキレンオキサイドを付加重合させたものであり、例えば、ポリオキシアルキレンメチルグルコシドは、グルコースを出発原料としてメチルグルコシドを合成し、次いでアルキレンオキサイドを付加すれば得られる。このアルキルグルコシドのアルキル基としては、炭素数1〜4のアルキル基が挙げられる。
【0026】
また、成分(B)におけるポリオキシアルキレン鎖は、式(PO)
m(EO)
n〔式中、POはプロピレンオキシ基、EOはエチレンオキシ基を示し、mはPO平均付加モル数を示す0以上30以下の数、nはEO平均付加モル数を示す0以上30以下の数であって、m及びnの少なくとも一方は0ではない〕で表されるものであることが好ましい。成分(B)におけるオキシアルキレン基の平均付加モル数(すなわちm+n)は、好ましくは5以上、より好ましくは10以上であり、また、好ましくは50以下、より好ましくは30以下である
【0027】
成分(B)の具体例としては、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド、ポリオキシプロピレンエチルグルコシド、ポリオキシプロピレンプロピルグルコシド、ポリオキシエチレンメチルグルコシド等が挙げられ、このうちポリオキシプロピレンメチルグルコシド、ポリオキシプロピレンエチルグルコシドが好ましく、特にポリオキシプロピレンメチルグルコシドが好ましい。成分(A)のポリオキシプロピレンアルキルグルコシドとして、マクビオブライドMG-10P、マクビオブライドMG-20P(以上、日油社製)や、グルカムP-10、P-20(以上、アマコール社製)等の市販品を用いることができる。
【0028】
成分(B)のポリオキシアルキレンアルキルグルコシドは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。本発明の整髪剤中における成分(B)の含有量は、毛髪に対してよりなじみやすい泡にする観点より、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上であり、また、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下、更に好ましくは5質量%以下である。
【0029】
本発明の整髪剤中における成分(B)と成分(A)の質量比(B)/(A)は、泡の持ち、かさ高さなどの泡質、乾いた髪に対するなじみの良さの観点より、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、更に好ましくは、0.5以上、更に好ましくは1以上であり、また、好ましくは25以下、より好ましくは15以下、更に好ましくは10以下、更に好ましくは5以下である。
【0030】
〔(C):界面活性剤〕
成分(C)の界面活性剤としては、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、アニオン性界面活性剤のいずれをも使用できる。
【0031】
カチオン性界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩が挙げられ、なかでもモノ長鎖アルキル四級アンモニウム塩が好ましい。具体的には、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化アラキルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム等が挙げられ、特に塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウムが好ましい。
【0032】
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、高級脂肪酸ショ糖エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、高級脂肪酸モノ又はジエタノールアミド、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、アルキルサッカライド系界面活性剤、アルキルアミンオキサイド、アルキルアミドアミンオキサイド等が挙げられる。これらのうち、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が好ましく、ポリオキシエチレンアルキルエーテルが特に好ましい。
【0033】
両性界面活性剤としてはイミダゾリン系、カルボベタイン系、アミドベタイン系、スルホベタイン系、ヒドロキシスルホベタイン系、アミドスルホベタイン系等が挙げられる。
【0034】
アニオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル又はアルケニルエーテル硫酸塩、アルキル又はアルケニル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、飽和又は不飽和脂肪酸塩、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、α-スルホ脂肪酸塩、N-アシルアミノ酸型界面活性剤、リン酸モノ又はジエステル型界面活性剤、スルホコハク酸エステル塩等が挙げられる。
【0035】
上記アニオン性界面活性剤のアニオン性残基の対イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオン;カルシウムイオン、マグネシウムイオン等のアルカリ土類金属イオン;アンモニウムイオン;炭素数2又は3のアルカノール基を1〜3個有するアルカノールアミン(例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等)のプロトン化物を挙げることができる。またカチオン性残基の対イオンとしては、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等のハロゲン化物イオン、メトサルフェートイオン、エトサルフェートイオン、サッカリネートイオンを挙げることができる。
【0036】
成分(C)の界面活性剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用でき、非イオン性界面活性剤及びカチオン性界面活性剤からなる群より選ばれる1種又は2種以上の界面活性剤を含有することが好ましく、更には当該群より選ばれる2種以上の界面活性剤を含有することが好ましく、更には非イオン性界面活性剤を少なくとも1種及びカチオン性界面活性剤を少なくとも1種含有することが好ましい。
【0037】
本発明の整髪剤中における成分(C)の含有量は、成分(A)及びその他の皮膜形成ポリマーによる高いウェーブの再現力を維持しつつ、良好な泡を形成することができ、かつ整髪剤の粘度をノンエアゾール容器から吐出できる範囲のものとする観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上であり、また、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下、更に好ましくは5質量%以下である。
【0038】
本発明の整髪剤における成分(B)の成分(C)に対する質量比(B)/(C)は、きしみ感とべたつきを低減する観点及び乾いた髪へのなじみを良好にする観点より、好ましくは2.3以下、より好ましくは2.0以下、更に好ましくは1.8以下であり、また、好ましくは0.1以上である。
【0039】
〔成分(A)以外の皮膜形成ポリマー〕
本発明においては、成分(A)のほかに、更にエアゾール式の整髪剤に一般的に使用される成分(A)以外の皮膜形成ポリマーを使用することができる。皮膜形成ポリマーの具体例としては、ポリ(N-ホルミルエチレンイミン)オルガノポリシロキサン、ポリ(N-アセチルエチレンイミン)オルガノポリシロキサン、ポリ(N-プロピオニルエチレンイミン)オルガノポリシロキサン等のポリシリコーン-9;特開平2-180911号公報に記載のアルキルアクリルアミド/アクリレート/アルキルアミノアルキルアクリルアミド/ポリエチレングリコールメタクリレート共重合体;特開平8-291206号公報に記載のアルキルアクリルアミド/アルキルアミノアルキルアクリルアミド/ポリエチレングリコールメタクリレート共重合体;ユカフォーマーR205、同M-75(三菱化学社)、RAMレジン(大阪有機化学社)等の(メタクリロイルオキシエチルカルボキシベタイン/メタクリル酸アルキル)コポリマー;ダイヤフォーマーZ-712(三菱化学社)等の(アクリレーツ/アクリル酸ラウリル/アクリル酸ステアリル/メタクリル酸エチルアミンオキシド)コポリマー;ダイヤフォーマーZ-632(三菱化学社)等の(アクリレーツ/アクリル酸ステアリル/メタクリル酸エチルアミンオキシド)コポリマー;ダイヤフィックスC-601(三菱化学社)等の(ビニルアミン/ビニルアルコール)コポリマー;プラスサイズL-9540B(互応化学工業社)等のアクリル樹脂アルカノールアミン液;ウルトラホールド8、同Strong(以上、BASF社)等のアクリル酸/アクリル酸アミド/アルキル酸エチル共重合体;ルビフレックスSilk(BASF社)等の(PEG/PPG-25/25ジメチコン/アクリレーツ)コポリマー;ルビセットShape(BASF社)等のポリアクリレート-22;ルビセットP.U.R.(BASF社)等のポリウレタン-1;バイキュサンC1000、C1001(バイエルマテリアルサイエンス社)等のポリウレタン-34;バイキュサン1003(バイエルマテリアルサイエンス社)等のポリウレタン-32;バイキュサン1004(バイエルマテリアルサイエンス社)等のポリウレタン-35;ルビスコールプラス(BASF社)等のポリビニルカプロラクタム;ルビマー100P、同30E(以上、BASF社)等のアクリル酸アルキル共重合体;アンフォーマーSH-701、同28-4910、同LV-71、同LV-47(以上、アクゾノーベル社)等の(オクチルアクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシプロピル/メタクリル酸ブチルアミノエチル)コポリマー;アンフォーマーV-42(アクゾノーベル社)等の(アクリル酸アルキル/オクチルアクリルアミド)コポリマー;レジン28-2930(アクゾノーベル社)等の(VA/クロトン酸/ネオデカン酸ビニル)コポリマー;ダイナムX(アクゾノーベル社)等のポリウレタン-14・AMP-アクリレーツコポリマー;ガフカット440、同734(アシュランド社)等のポリクオタニウム-11;ガフカット HS-100(アシュランド社)等のポリクオタニウム-28;ガントレッツES-225(アシュランド社)等の(ビニルメチルエーテル/マレイン酸エチル)コポリマー;アクアフレックスSF-40(アシュランド社)等の(PVP/ビニルカプロラクタム/アクリル酸DMAPA)コポリマー;アクアフレックスFX-64(アシュランド社)等の(イソブチレン/エチルマレイミド/ヒドロキシエチルマレイミド)コポリマー;スタイリーゼW-20(アシュランド社)等のポリクオタニウム-55;スタイリーゼCC-10(アシュランド社)等の(ビニルピロリドン/アクリル酸DMAPA)コポリマー;PVP/VA735(アシュランド社)等の(ビニルピロリドン/VA)コポリマー;ルビスコールK-12、17、30、60、80、90(以上、BASF社)、PVP K-15、30、60、90(以上、アシュランド社)等のポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
【0040】
上記成分(A)以外の皮膜形成ポリマーの中でも、特に良好なウェーブの再現効果を得る観点から、ポリシリコーン-9;アルキルアクリルアミド/アクリレート/アルキルアミノアルキルアクリルアミド/ポリエチレングリコールメタクリレート共重合体;アルキルアクリルアミド/アルキルアミノアルキルアクリルアミド/ポリエチレングリコールメタクリレート共重合体;(メタクリロイルオキシエチルカルボキシベタイン/メタクリル酸アルキル)コポリマー;(アクリレーツ/アクリル酸ラウリル/アクリル酸ステアリル/メタクリル酸エチルアミンオキシド)コポリマー;(アクリレーツ/アクリル酸ステアリル/メタクリル酸エチルアミンオキシド)コポリマー;(ビニルアミン/ビニルアルコール)コポリマー;アクリル樹脂アルカノールアミン液;アクリル酸/アクリル酸アミド/アルキル酸エチル共重合体;(PEG/PPG-25/25ジメチコン/アクリレーツ)コポリマー;ポリアクリレート-22;ポリウレタン-1;ポリウレタン-34;バイキュサン1003(バイエルマテリアルサイエンス社)等のポリウレタン-32;ポリウレタン-35;ポリビニルカプロラクタム;アクリル酸アルキル共重合体;(オクチルアクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシプロピル/メタクリル酸ブチルアミノエチル)コポリマー;(アクリル酸アルキル/オクチルアクリルアミド)コポリマー;(VA/クロトン酸/ネオデカン酸ビニル)コポリマー;ポリウレタン-14・AMP-アクリレーツコポリマー;ポリクオタニウム-11;ポリクオタニウム-28;(ビニルメチルエーテル/マレイン酸エチル)コポリマー;(PVP/ビニルカプロラクタム/アクリル酸DMAPA)コポリマー;(イソブチレン/エチルマレイミド/ヒドロキシエチルマレイミド)コポリマー;ポリクオタニウム-55;(ビニルピロリドン/アクリル酸DMAPA)コポリマー;ポリビニルピロリドンが好ましい。
【0041】
更には、ポリシリコーン-9;アルキルアクリルアミド/アクリレート/アルキルアミノアルキルアクリルアミド/ポリエチレングリコールメタクリレート共重合体;アルキルアクリルアミド/アルキルアミノアルキルアクリルアミド/ポリエチレングリコールメタクリレート共重合体;(メタクリロイルオキシエチルカルボキシベタイン/メタクリル酸アルキル)コポリマー;(アクリレーツ/アクリル酸ラウリル/アクリル酸ステアリル/メタクリル酸エチルアミンオキシド)コポリマー;(アクリレーツ/アクリル酸ステアリル/メタクリル酸エチルアミンオキシド)コポリマー;アクリル樹脂アルカノールアミン液;(PEG/PPG-25/25ジメチコン/アクリレーツ)コポリマー;ポリアクリレート-22;ポリウレタン-1;ポリウレタン-34;バイキュサン1003(バイエルマテリアルサイエンス社)等のポリウレタン-32;ポリウレタン-35;(VA/クロトン酸/ネオデカン酸ビニル)コポリマー;ポリウレタン-14・AMP-アクリレーツコポリマー;ポリクオタニウム-11;ポリクオタニウム-55;(ビニルピロリドン/アクリル酸DMAPA)コポリマー;ポリビニルピロリドンが好ましい。
【0042】
更には、ポリシリコーン-9、アルキルアクリルアミド/アルキルアミノアルキルアクリルアミド/ポリエチレングリコールメタクリレート共重合体、(メタクリロイルオキシエチルカルボキシベタイン/メタクリル酸アルキル)コポリマー、(アクリレーツ/アクリル酸ステアリル/メタクリル酸エチルアミンオキシド)コポリマー、アクリル樹脂アルカノールアミン液、ポリアクリレート-22、ポリクオタニウム-11;ポリビニルピロリドンが好ましい。
【0043】
これら成分(A)以外の皮膜形成ポリマーは、2種以上を併用することもできる。本発明の整髪剤中における成分(A)以外の比較形成ポリマーの含有量は、ウェーブを再現する効果を確保する一方で、泡の形成を可能とするため整髪剤の粘度を低く保ち、しかもノンエアゾールフォーマー容器の目詰まりが無く、保存安定性も良いものとする観点より、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上であり、また、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは2質量%以下である。
【0044】
〔媒体〕
本発明の整髪剤には、媒体として、水及び必要により上記特定有機溶剤以外の有機溶剤が使用される。このような有機溶剤としては、エタノール、2-プロパノール等の低級アルカノール類、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン等のポリオール類、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ベンジルセロソルブ等のセロソルブ類、エチルカルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類が挙げられる。
【0045】
〔その他の成分〕
本発明の整髪剤には、通常整髪剤に使用される各種成分、例えば、キレート剤、ビタミン類、蛋白質、アミノ酸類、生薬類、冷涼感付与剤(メントール等)、防腐剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、香料等を、目的に応じて配合することができる。
【0046】
〔粘度〕
本発明の整髪剤の粘度は、ノンエアゾールフォーマー容器から泡として好適に吐出できるものとする観点から、ノンエアゾール容器中に存在する状態で(泡として吐出させる前の液状の状態で)、1〜100mPa・s、更には2〜30mPa・s、特に3〜20mPa・sが好ましい。なお、ここでの粘度はB型粘度計TVB-10M(東機産業社)で、30℃で、以下のローター、回転数を用いて測定するものとする。
回転数は粘度が10mPa・sまでは30rpm、10〜20mPa・sまでは60rpm、20mPa・s以上は30rpmを使用し、また、ローターは、粘度が10mPa・sまではL/Adp、10〜200mPa・sまではM1、粘度が200mPa・sから1,000mPa・sまではM2のローターを使用する。
【0047】
〔ノンエアゾールフォーマー容器〕
本発明において、ノンエアゾールフォーマー容器は、容器内に充填された整髪剤を、噴射剤を使用することなく空気と混合して泡状に吐出させるために使用する。フォーマー容器の使用により、吐出させた剤の飛び散りを防止できるという効果も得られる。特に、ノンエアゾールタイプの容器は、エアゾールタイプの容器に比べて、製品を安価に製造可能であり、高圧ガスの噴射剤が不要であるため、製品を流通においてより安全に取り扱うことができる。
【0048】
フォーマー容器としては、泡吐出手段を有する公知のポンプフォーマー容器、スクイズフォーマー容器、電動式泡立て器、蓄圧式ポンプフォーマー容器等を使用することができる。より具体的には、例えば、食品と容器(vol.35, No.10, p588〜593(1994); vol.35, No.11, p624〜627(1994); vol.36, No.3, p154〜158(1995))に記載のポンプフォーマーE3タイプ、同F2タイプ(以上、大和製罐社)、スクイズフォーマー(大和製罐社)、電動泡立て器(松下電工社)、エアスプレーフォーマー(エアスプレーインターナショナル社)等が挙げられる。本発明の整髪剤に用いるフォーマー容器としては、安価で使い勝手が良いことから、ポンプフォーマー容器及びスクイズフォーマー容器が好ましい。
【0049】
ポンプフォーマー容器又はスクイズフォーマー容器は、ネット等の泡均質化手段を有するものであり、目詰まりの発生防止の観点から薄肉のネットを有することが好ましい。本発明の整髪剤組成物はきめが粗い、かさが低い、保形性が低い等といった質の悪い泡になる傾向の強い、ネット穴サイズが50メッシュ〜120メッシュのネットを用いた場合においても良好な泡質が得られる点で有利である。また、クリーミーな泡を生成する観点からは、ネットのネット穴サイズとしては、50〜400メッシュ、更には70〜350メッシュ、更には80〜320メッシュが好ましい。ここで、メッシュという単位は、1インチ当たりの目の数をもって表すものである。また、このようなネットの材質としては、ナイロン(登録商標)、ポリエステル等を好ましく例示することができる。
【0050】
本発明の整髪剤において使用するノンエアゾールフォーマー容器には、このようなネットを少なくとも一枚、好ましくは複数枚配設し、特に経済性、泡のきめ細かさ、目詰まりにくさ等の点から2枚配設することが好ましい。
【実施例】
【0051】
実施例1〜7・比較例1〜6
表1に示す整髪剤組成物を調製し、株式会社吉野製作所製ポンプフォーマー容器(ネット部は、目の大きさが表中に示すとおりである2枚のネットを持つ。1回の押し込みによる剤の吐出量は1.0g)に充填して、以下の方法及び基準に従って、性能評価を行った。なお、調製した組成物の粘度は20mPa・s以下であった。
なお、以下の実施例のメッシュサイズの表記において、「200/200」は組成物をネット穴サイズ200メッシュのネットを通過させた後にネット穴サイズ200メッシュのネットを通過させることを、また、「90/200」は組成物をネット穴サイズ90メッシュのネットを通過させた後にネット穴サイズ200メッシュのネットを通過させることを意味する。
【0052】
<泡のかさ高さ>
パネラー7名により、ポンプを2回押した後、3回目の泡を手のひら上に吐出してその外観を目視観察した。その際各パネラーに、比較例1に比較して「かさ高い」/「どちらともいえない」/「かさ高くない」のいずれに該当するかを択一的に選択させた。表1に各選択肢の選択人数を示した。評価は、常温、40℃、5℃の各環境下で1日保持させた後、その環境下で泡を吐出した。常温においてはネット穴サイズが200メッシュのネットを2枚通過させるタイプのポンプフォーマー容器と、ネット穴サイズが90メッシュのネットと200メッシュのネットを通過させるタイプのポンプフォーマー容器の2種のポンプフォーマー容器を用いて評価した。
【0053】
<泡のきめ細かさ>
パネラー7名により、40℃環境下において、ポンプを2回押した後、3回目の泡を手のひら上に吐出してその外観を目視観察した。その際各パネラーに、比較例1に比較して「きめが細かい」/「どちらともいえない」/「きめが粗い」のいずれに該当するかを択一的に選択させた。表1に各選択肢の選択人数を示した。
【0054】
<泡の持ちの良さ>
パネラー7名により、40℃環境下において、ポンプを2回押した後、3回目の泡を手のひら上に吐出して30秒放置後の外観を目視観察した。その際各パネラーに、比較例1に比較して「泡もちがよい」/「どちらともいえない」/「泡もちが悪い」のいずれに該当するかを択一的に選択させた。表1に各選択肢の選択人数を示した。
【0055】
以下の評価は下記の評価用毛束を用いて行った。
重さ15g、幅5cm、長さ25cmの日本人毛髪パーマ施術毛束(自然乾燥時カール径4cm)をモデルシャンプーで洗浄し、タオルドライした後、ドライヤーとブラシでストレートにブローし、完全に乾燥させたものを評価用毛束とした。
【0056】
・モデルシャンプー処方 (質量%)
ポリオキシエチレン(2.5)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム25質量%水溶液 62.00
ラウリン酸ジエタノールアミド 2.28
エデト酸二ナトリウム 0.10
安息香酸ナトリウム 0.50
オキシベンゾン 0.03
リン酸(75質量%水溶液) 0.10
ジブチルヒドロキシトルエン 0.01
塩化ナトリウム 0.80
赤色106号 0.00012
香料 0.26
精製水 バランス
【0057】
<髪へのなじみ>
パネラー7名により、ポンプを2回押した後、3回目の泡を手のひら上に吐出し、1.0gの泡を評価用毛束に塗り広げた。この際各パネラーに、泡が毛髪に均一に素早くなじむ効果について、「泡が素早く均一になじむ」/「どちらともいえない」/「泡がなじみにくく、均一に塗布できない」のいずれに該当するかを択一的に選択させた。表1に各選択肢の選択人数を示した。
【0058】
<ウェーブの再現性>
パネラー7名により、ポンプを2回押した後、3回目の泡を手のひら上に吐出し、1.0gの泡を評価用毛束に塗り広げた。この際各パネラーに、仕上がり後における、ウェーブの再現性の良さ(乾燥過程でウェーブ径が大きくなった状態からウェーブ径を小さくする効果)について、「自然乾燥時のウェーブ径と同程度に再現できている」/「自然乾燥時のウェーブ径よりもやや大きくなる」/「自然乾燥時のウェーブ径よりも有意に大きくなる」のいずれに該当するかを択一的に選択させた。表1に各選択肢の選択人数を示した。なお、評価はシャンプー・タオルドライ後、自然乾燥で6時間経過後の毛束と比較して行った。
【0059】
【表1】
【0060】
*1:プラスサイズL-188K(互応化学工業社製)
*2:PVP-K30(アシュランド社製)
*3:ガフカット734(アシュランド社製)
*4:マクビオブライドMG-10P(日油社製)
*5:マクビオブライドMG-10E(日油社製)
*6:ソフタノール90(日本触媒社製)
*7:コータミン86W(花王社製)
【0061】
処方例
(質量%)
ポリシリコーン-9 0.65
(アクリレーツ/メタクリル酸メトキシPEG-23)コポリマー(*1) 0.12
PPG-10メチルグルコース(*4) 2.0
PPG-17ブテス-17(*8) 1.0
グリセリン 1.2
ポリエチレングリコール600 1.5
ラノリン脂肪酸 0.01
(C12-14)-s-パレス-9(*6) 2.0
ステアルトリモニウムクロリド 0.24
香料 0.09
エタノール 11.0
水 (バランス)
*8:ユニルーブ50MB-26(日油社製)