(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記負圧調整手段は、前記吸着状態判定手段で判定した部品の吸着状態が所定範囲内に収まらないときに前記負圧源の負圧(大気圧との差圧)を増大させて前記吸着ノズルの吸引力を増大させ、前記部品の吸着状態が所定範囲内に収まっているときに前記負圧源の負圧(大気圧との差圧)を減少させて前記吸着ノズルの吸引力を減少させることを特徴とする請求項1又は2に記載の部品実装機。
前記負圧調整手段は、前記実装位置ずれ量判定手段で判定した部品の実装位置ずれ量が所定範囲内に収まらないときに前記負圧源の負圧(大気圧との差圧)を増大させて前記吸着ノズルの吸引力を増大させ、前記部品の実装位置ずれ量が所定範囲内に収まっているときに前記負圧源の負圧(大気圧との差圧)を減少させて前記吸着ノズルの吸引力を減少させることを特徴とする請求項2に記載の部品実装機。
前記負圧調整手段は、生産開始時の負圧初期値を前記吸着ノズルに吸着する部品の種類及び/又は該吸着ノズルのノズル径に応じて設定することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の部品実装機。
生産開始前に回路基板に実装する部品の実装順序を負圧初期値の大きい順又は小さい順に並び替えて設定する生産管理手段を備えていることを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の部品実装機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1の構成では、真空ポンプから吸着ノズルに供給される負圧を予め設定した所定範囲内に収まるように真空ポンプの駆動/停止を制御するだけであるため、生産中に吸着ノズルに吸着する部品の吸着状態のばらつきに対応できない。例えば、吸着ノズルに吸着する部品の種類が同じであっても、部品の吸着位置のずれ量が大きくなると、部品吸着ミスや部品吸着姿勢の異常(立ち吸着、斜め吸着等)が発生しやすくなったり、吸着ノズルに吸着した部品を吸着位置から回路基板の実装位置へ搬送する際に、吸着ノズルに吸着した部品に作用する慣性力により部品の吸着位置がずれて部品の実装位置がずれる現象が発生しやすくなる。このような部品吸着ミスや、部品吸着姿勢の異常、搬送時の部品の吸着位置のずれを防ぐには、真空ポンプから吸着ノズルに供給する負圧(大気圧との差圧)を増大させて吸着ノズルの吸引力を増大させて部品の吸着状態を安定させることが有効であるため、真空ポンプの負圧を常に大きめの一定負圧に維持するようにしているが、生産中に真空ポンプの負圧を常に大きめの一定負圧に維持すると、真空ポンプを駆動するのに要する消費電力量が嵩むという欠点があった。
【0005】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、吸着ノズルに吸着する部品の吸着状態を安定させる制御を低消費電力で実現できる部品実装機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、負圧源から負圧を吸着ノズルに供給し、該吸着ノズルで部品を吸着して回路基板に実装する部品実装機において、前記吸着ノズルに吸着した部品の吸着状態(吸着位置のずれ量や部品吸着姿勢等)を判定する吸着状態判定手段と、前記吸着状態判定手段で判定した部品の吸着状態に基づいて前記負圧源の負圧を調整して前記吸着ノズルの吸引力を調整する負圧調整手段とを備えた構成としたものである。この構成では、吸着ノズルに吸着した部品の吸着状態を判定して、その判定結果に応じて負圧源の負圧を調整して吸着ノズルの吸引力を調整するようにしているため、生産中に負圧源の負圧を常に大きめの一定負圧に維持する必要がなくなり、吸着ノズルに吸着する部品の吸着状態を安定させる制御を低消費電力で実現できる。
【0007】
また、吸着ノズルに吸着した部品を吸着位置から回路基板の実装位置へ搬送する際に、部品の吸着状態が安定していないと、部品に作用する慣性力により部品の吸着位置がずれて回路基板の部品の実装位置がずれる可能性がある。部品の実装位置ずれ量は、部品の吸着状態の不安定性(搬送時の部品の吸着位置ずれ量)を反映したパラメータとなる。
【0008】
そこで、請求項2のように、回路基板に実装した部品の実装位置ずれ量を判定する実装位置ずれ量判定手段を備え、前記負圧調整手段は、前記吸着状態判定手段で判定した部品の吸着状態と前記実装位置ずれ量判定手段で判定した部品の実装位置ずれ量とに基づいて負圧源の負圧を調整するようにしても良い。このようにすれば、回路基板の部品の実装位置ずれの原因となる搬送時の部品の吸着位置のずれも防止するように吸着ノズルの吸引力(負圧)を調整して搬送時の部品の吸着状態を安定させる制御も、低消費電力で実現できる。
【0009】
具体的には、請求項3のように、前記負圧調整手段は、前記吸着状態判定手段で判定した部品の吸着状態が安定とみなせる所定範囲内に収まらないときに負圧源の負圧(大気圧との差圧)を増大させて吸着ノズルの吸引力を増大させ、部品の吸着状態が安定とみなせる所定範囲内に収まっているときに負圧源の負圧を減少させて吸着ノズルの吸引力を減少させるようにすれば良い。
【0010】
また、請求項4のように、前記負圧調整手段は、前記実装位置ずれ量判定手段で判定した部品の実装位置ずれ量が搬送時の吸着位置ずれの影響を無視できる所定範囲内(つまり安定吸着とみなせる所定範囲内)に収まらないときに負圧源の負圧を増大させて吸着ノズルの吸引力を増大させ、部品の実装位置ずれ量が搬送時の吸着位置ずれの影響を無視できる所定範囲内に収まっているときに負圧源の負圧を減少させて吸着ノズルの吸引力を減少させるようにすれば良い。
【0011】
また、請求項5のように、吸着ノズルに吸着した部品を吸着位置から回路基板の実装位置へ搬送する搬送速度を制御する搬送速度制御手段を備え、前記搬送速度制御手段は、前記負圧調整手段により調整した負圧源の負圧が調整可能な最大負圧に達しているときに前記吸着状態判定手段で判定した部品の吸着状態が安定とみなせる所定範囲内に収まらない場合には、回路基板の実装位置への部品の搬送速度を低下させるようにしても良い。要するに、負圧源の負圧が調整可能な最大負圧に達していて、それ以上、負圧を増大できない状態になっているときに、部品の吸着状態が不安定と判断される場合には、回路基板の実装位置への部品の搬送速度を低下させて、吸着ノズルに吸着した部品に作用する慣性力を減少させることで、部品の吸着状態を安定させて、搬送時の部品の吸着位置のずれを防止するものである。
【0012】
また、請求項6のように、前記搬送速度制御手段は、前記負圧調整手段により調整した負圧源の負圧が調整可能な最大負圧に達しているときに前記実装位置ずれ量判定手段で判定した部品の実装位置ずれ量が搬送時の吸着位置ずれの影響を無視できる所定範囲内に収まらない場合には、回路基板の実装位置への部品の搬送速度を低下させるようにしても良い。要するに、負圧源の負圧が調整可能な最大負圧に達していて、それ以上、負圧を増大できない状態になっているときに、部品の実装位置ずれ量が搬送時の吸着位置ずれの影響を無視できる所定範囲内に収まらない場合には、搬送時に部品の吸着位置ずれが発生していると判断して、回路基板の実装位置への部品の搬送速度を低下させて、吸着ノズルに吸着した部品に作用する慣性力を減少させることで、部品の吸着状態を安定させて、搬送時の部品の吸着位置ずれを防止するものである。
【0013】
本発明は、請求項7のように、生産開始時の負圧初期値を吸着ノズルに吸着する部品の種類及び/又は吸着ノズルのノズル径に応じて設定するようにしても良い(ここで、「部品の種類及び/又は吸着ノズルのノズル径」とは、「部品の種類と吸着ノズルのノズル径の両方又はいずれか一方」を意味する)。要するに、吸着ノズルに吸着する部品の種類や吸着ノズルのノズル径によって、部品を安定して吸着するのに必要な負圧が異なるため、生産開始時の負圧初期値を部品の種類や吸着ノズルのノズル径に応じて設定するようにすれば、生産開始時の負圧初期値と適正な負圧との差を小さくすることができて、生産開始後に短時間で負圧を部品の種類や吸着ノズルのノズル径に応じた適正な負圧に調整することができる。
【0014】
また、請求項8のように、前記負圧調整手段により調整した負圧源の負圧のデータを部品の種類及び/又は吸着ノズルのノズル径と関連付けて記憶する記憶手段を備え、前記負圧調整手段は、前記記憶手段に記憶された部品の種類毎及び/又は吸着ノズルのノズル径毎の負圧のデータの中から吸着ノズルに吸着する部品の種類及び/又は吸着ノズルのノズル径に応じた負圧のデータを選んで生産開始時の負圧初期値に設定するようにしても良い。このようにすれば、生産中に調整した負圧を学習して、その学習値を次回の生産開始時の負圧初期値に設定することができ、生産開始後に短時間で負圧を部品の種類や吸着ノズルのノズル径に応じた適正な負圧に調整することができる。
【0015】
また、請求項9のように、前記負圧調整手段により調整した前記負圧源の負圧の履歴データを部品の種類及び/又は吸着ノズルのノズル径と関連付けて記憶する記憶手段を備え、前記負圧調整手段は、前記記憶手段に記憶された部品の種類毎及び/又は吸着ノズルのノズル径毎の負圧の履歴データの中から吸着ノズルに吸着する部品の種類及び/又は吸着ノズルのノズル径に応じた負圧の履歴データを選んで統計処理して生産開始時の負圧初期値を設定するようにしても良い。このようにすれば、過去の生産中に吸着動作毎に調整した負圧にばらつきがあっても、その履歴データを統計処理することで、吸着動作毎に調整した負圧のばらつきの影響を少なくして生産開始時の負圧初期値を設定することができる。
【0016】
また、請求項10のように、生産開始前に回路基板に実装する部品の実装順序を負圧初期値の大きい順又は小さい順に並び替えて設定する生産管理手段を備えた構成としても良い。要するに、負圧調整毎の負圧変化量が大きいほど負圧源の消費電力量が増えるため、部品の実装順序を負圧初期値の大きい順又は小さい順に並び替えて、負圧調整毎の負圧変化量を小さくするものであり、これにより、負圧源の消費電力量を更に節減することができる。
【0017】
また、請求項11のように、吸着ノズルに供給する負圧を検出する圧力センサを備え、前記負圧調整手段は、前記圧力センサにより検出した負圧に基づいて前記負圧源の負圧を調整するようにしても良い。このようにすれば、吸着ノズルに供給する実際の負圧を確実に目標とする負圧に調整することができる。
【0018】
本発明は、1台の部品実装機に複数の実装ヘッドを設けた構成にも適用可能であるが、この場合、吸着ノズルを保持する実装ヘッド毎に負圧を調整する必要がある。
そこで、請求項12のように、実装ヘッド毎に負圧源として真空ポンプを設けた構成とすると良い。この場合、真空ポンプは、ポンプ回転数を調整することで負圧を調整する構成のものを使用すれば良い。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための形態を具体化した一実施例を説明する。
まず、
図1に基づいて部品実装機の構成を説明する。
部品実装機10のベース台11上には、回路基板12を搬送するコンベア13が設けられている(以下、このコンベア13による回路基板12の搬送方向をX方向とする)。このコンベア13を構成する2本のコンベアレール13a,13bとコンベアベルト14a,14bを支持する支持部材15a,15bのうち、一方の支持部材15aを、一定位置に固定し、その反対側の支持部材15bのY方向位置を送りねじ機構(図示せず)等によってガイドレール16に沿って調整することで、コンベア13の幅(コンベアレール13a,13bの間隔)を回路基板12の幅に合わせて調整できるようになっている。
【0021】
また、ベース台11上のコンベア13の側方には、デバイスパレット22が着脱可能に取り付けられ、このデバイスパレット22上に、部品を供給する複数のフィーダ23が着脱可能に取り付けられている。
【0022】
この部品実装機10には、実装ヘッド24を水平方向(XY方向)及び上下方向(Z方向)に移動させるヘッド移動装置25が設けられている。実装ヘッド24には、フィーダ23により吸着位置に送られた部品を吸着する1本又は複数本の吸着ノズル26が保持されている。
【0023】
吸着ノズル26を保持する実装ヘッド24には、負圧源である真空ポンプ27から負圧が供給される。1台の部品実装機10に複数の実装ヘッド24が設けられた構成の場合は、実装ヘッド24毎に真空ポンプ27が1台ずつ設けられる。また、
図3に示すように、複数台の部品実装機10を並べて配列した部品実装ラインでは、各部品実装機10の実装ヘッド24毎に真空ポンプ27が1台ずつ設けられる。要するに、1つの実装ヘッド24に対して1台の真空ポンプ27が割り当てられる。真空ポンプ27は、ポンプ回転数を調整することで負圧を調整するように構成されている。
【0024】
実装ヘッド24には、真空ポンプ27から供給される負圧を吸着ノズル26に供給するエアー通路(図示せず)と、該エアー通路を開閉する開閉弁(図示せず)と、吸着ノズル26に供給する負圧を検出する圧力センサ28とが設けられている。
【0025】
図2に示すように、部品実装機10の制御装置31には、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力装置32と、液晶ディスプレイ、CRT等の表示装置34と、後述する
図7及び
図8の負圧調整プログラムや後述する調整後の負圧のデータ等を記憶するROM、RAM、ハードディスク等の記憶装置33(記憶手段)と、吸着ノズル26に吸着した部品をその下方から撮像するパーツカメラ35(部品撮像用のカメラ)と、回路基板12の上面の基準マーク(図示せず)をその上方から撮像するマークカメラ36(基準マーク撮像用のカメラ)等が接続されている。パーツカメラ35は、吸着ノズル26に吸着した部品を吸着位置から回路基板12の実装位置へ搬送する途中の位置で該部品をその下方から撮像する位置に設置され、一方、マークカメラ36は、ヘッド移動装置25によって実装ヘッド24と一体的に移動するように設置されている。尚、パーツカメラ35もヘッド移動装置25によって実装ヘッド24と一体的に移動するように設置して、吸着ノズル26に吸着した部品をプリズム(図示せず)等を介して該パーツカメラ35で撮像するように構成しても良い。
【0026】
部品実装機10の制御装置31は、パーツカメラ35やマークカメラ36で撮像した画像を処理する画像処理機能を備え、吸着ノズル26に吸着した部品がパーツカメラ35の上方の撮像エリアを通過する際に、該吸着ノズル26に吸着した部品をパーツカメラ35で撮像して、該吸着ノズル26に吸着した部品の吸着状態を画像処理により判定する吸着状態判定手段として機能する。この際、部品の吸着状態として、吸着ノズル26に対する部品の吸着位置のずれ量や部品吸着姿勢の異常(立ち吸着、斜め吸着等)の有無を判定する。また、部品実装機10の制御装置31は、吸着ノズル26に吸着した部品を吸着位置から回路基板12の実装位置へ搬送する搬送速度を制御する搬送速度制御手段としても機能する。
【0027】
図3に示すように、回路基板12を搬送する搬送経路41に複数の部品実装機10を配列して部品実装ラインが構成されている。部品実装ラインには、上流側に半田印刷機42が設置され、下流側に検査装置43とリフロー装置44が設置されている。検査装置43は、回路基板12に実装した部品の実装位置ずれ量を判定する実装位置ずれ量判定手段として機能し、回路基板12の部品の実装位置ずれ量等の実装状態を画像処理により検査し、その検査結果の情報を生産管理コンピュータ45に送信する。生産管理コンピュータ45は、部品実装ラインを構成する各部品実装機10、半田印刷機42及び検査装置43の動作を管理すると共に、検査装置43から送信されてくる部品の実装位置ずれ量の情報を、当該部品を実装した部品実装機10の制御装置31へ送信する。
【0028】
ところで、吸着ノズル26に吸着する部品の種類が同じであっても、部品の吸着位置のずれ量が大きくなると、部品吸着ミス(部品吸着失敗)や部品吸着姿勢の異常(立ち吸着、斜め吸着等)が発生しやすくなったり、吸着ノズル26に吸着した部品を吸着位置から回路基板12の実装位置へ搬送する際に、吸着ノズル26に吸着した部品に作用する慣性力により部品の吸着位置がずれて部品の実装位置がずれる現象が発生しやすくなる。このような部品吸着ミス、部品吸着姿勢の異常や部品搬送時の吸着位置のずれを防ぐには、真空ポンプ27から吸着ノズル26に供給する負圧(大気圧との差圧)を増大させて吸着ノズル26の吸引力を増大させて部品の吸着状態を安定させることが有効であるが、従来のように、生産中に真空ポンプ27の負圧を常に大きめの一定負圧に維持するようにすると、真空ポンプ27を駆動するのに要する消費電力量が嵩むという欠点があった。
【0029】
そこで、本実施例では、部品実装機10の制御装置31は、後述する
図7及び
図8の負圧調整プログラムを実行することで、吸着ノズル26に吸着した部品の吸着状態(吸着位置のずれ量や部品吸着姿勢等)を判定して、その判定結果に応じて真空ポンプ27のポンプ回転数を調整することで真空ポンプ27から実装ヘッド24に供給する負圧を調整して吸着ノズル26の吸引力を調整する負圧調整手段として機能する。尚、本実施例では、真空ポンプ27が発生する負圧とポンプ回転数との間に相関関係があることを考慮して、ポンプ回転数を調整して真空ポンプ27の負圧を目標とする負圧に調整するようにしているが、真空ポンプ27のポンプ回転数とその駆動モータの電流や電圧との間にも相関関係があるため、真空ポンプ27の駆動モータの電流又は電圧を調整することで、ポンプ回転数を調整して真空ポンプ27の負圧を目標とする負圧に調整するようにしても良い。
【0030】
例えば、吸着ノズル26に吸着した部品の吸着状態が安定とみなせる所定範囲内に収まらない場合(つまり部品の吸着位置のずれ量が安定吸着可能な所定範囲内に収まらない場合や、部品吸着姿勢が正常とみなせる所定範囲内に収まらない場合)には、真空ポンプ27のポンプ回転数を上昇させて真空ポンプ27の負圧を増大させることで、吸着ノズル26の吸引力を増大させて、吸着ノズル26に吸着した部品が落下するのを防止したり、搬送時の部品の吸着位置ずれを防止する。次サイクルでは、同じ種類の部品を吸着する際には、前回増大させた負圧で部品を吸着し、再び、部品の吸着状態が安定とみなせる所定範囲内に収まらない場合には、再び、真空ポンプ27の負圧を増大させる。これにより、部品の吸着状態が安定するまで、真空ポンプ27のポンプ回転数を徐々に上昇させて真空ポンプ27の負圧を徐々に増大させて吸着ノズル26の吸引力を徐々に増大させる。
【0031】
逆に、部品の吸着状態が安定とみなせる所定範囲内に収まっている場合には、真空ポンプ27のポンプ回転数を徐々に低下させて真空ポンプ27の負圧を徐々に減少させて吸着ノズル26の吸引力を徐々に減少させる。これにより、真空ポンプ27の消費電力量を節減する。
【0032】
また、真空ポンプ27の負圧が調整可能な最大負圧に達しているときに、部品の吸着状態が安定とみなせる所定範囲内に収まらない場合には、吸着ノズル26に吸着した部品を吸着位置から回路基板12の実装位置へ搬送する搬送速度を低下させて、搬送時に部品に作用する慣性力を低下させることで、部品の吸着状態を安定させる。要するに、真空ポンプ27の負圧が調整可能な最大負圧に達していて、それ以上、負圧を増大できない状態になっているときに、部品の吸着状態が不安定と判断される場合には、回路基板12の実装位置への部品の搬送速度を低下させて、吸着ノズル26に吸着した部品に作用する慣性力を減少させることで、部品の吸着状態を安定させて、搬送時の部品の吸着位置のずれを防止するものである。
【0033】
ここで、
図4及び
図5を用いて、吸着ノズル26に吸着した部品の吸着位置のずれ量と吸着状態の安定性との関係を説明する。
図4はXY方向の部品吸着位置ずれの判定例を示し、
図5はθ方向(回転方向)の部品吸着位置ずれの判定例を示している。
【0034】
図4及び
図5に示すように、XY方向、θ方向のいずれの方向の部品の吸着位置ずれであっても、部品吸着位置ずれ量が部品吸着中心から安定吸着可能な位置ずれライン内(安定吸着とみなせる所定範囲内)に収まっていれば、真空ポンプ27の負圧を増大させることなく、部品の吸着状態の安定性を確保できるが、部品吸着位置ずれ量が安定吸着可能な位置ずれラインを越えると、部品の吸着状態の安定性を確保するためには、真空ポンプ27の負圧を増大させて吸着ノズル26の吸引力を増大させる必要がある。しかし、部品吸着位置ずれ量が許容最大吸着位置ずれライン(許容される所定範囲)を越えると、真空ポンプ27の負圧を増大させても、部品の吸着状態の安定性を確保できないため、吸着異常として廃棄処分される。尚、パーツカメラ35の撮像画像で認識した部品吸着姿勢が異常(立ち吸着、斜め吸着等)の場合も、吸着異常として廃棄処分される。
【0035】
また、吸着ノズル26に吸着した部品を吸着位置から回路基板12の実装位置へ搬送する際に、部品の吸着状態が安定していないと、部品に作用する慣性力により部品の吸着位置がずれて部品の実装位置がずれる可能性がある。部品の実装位置ずれ量は、部品の吸着状態の不安定性(搬送時の部品の吸着位置ずれ量)を反映したパラメータとなる。
【0036】
そこで、本実施例では、部品実装機10の制御装置31は、後述する
図7及び
図8の負圧調整プログラムを実行することで、検査装置43で検査した回路基板12の部品の実装位置ずれ量の情報を生産管理コンピュータ45を経由して受信して、上述した部品の吸着状態の他に部品の実装位置ずれ量も考慮して真空ポンプ27のポンプ回転数を調整することで真空ポンプ27の負圧を調整して吸着ノズル26の吸引力を調整する。例えば、部品の実装位置ずれ量が搬送時の吸着位置ずれの影響を無視できる所定範囲内(つまり安定吸着とみなせる所定範囲内)に収まらない場合には、真空ポンプ27の負圧を増大させて吸着ノズル26の吸引力を増大させて、搬送時の部品の吸着位置のずれを防止し、部品の実装位置ずれ量が搬送時の吸着位置ずれの影響を無視できる所定範囲内に収まっている場合には、真空ポンプ27の負圧を減少させて吸着ノズル26の吸引力を減少させる。このようにすれば、回路基板12の部品の実装位置ずれの原因となる搬送時の部品の吸着位置のずれも防止するように吸着ノズル26の吸引力(負圧)を調整して搬送時の部品の吸着状態を安定させる制御も、低消費電力で実現できる。
【0037】
また、真空ポンプ27の負圧が調整可能な最大負圧に達しているときに、回路基板12の部品の実装位置ずれ量が搬送時の吸着位置ずれの影響を無視できる所定範囲内に収まらない場合には、吸着ノズル26に吸着した部品を吸着位置から回路基板12の実装位置へ搬送する搬送速度を低下させて、搬送時に部品に作用する慣性力を低下させることで、部品の吸着状態を安定させる。要するに、真空ポンプ27の負圧が調整可能な最大負圧に達していて、それ以上、負圧を増大できない状態になっているときに、回路基板12の部品の実装位置ずれ量が搬送時の吸着位置ずれの影響を無視できる所定範囲内に収まらない場合には、搬送時に部品の吸着位置のずれが生じていると判断して、回路基板12の実装位置への部品の搬送速度を低下させることで、吸着ノズル26に吸着した部品の吸着状態を安定させて搬送時の部品の吸着位置のずれを防止するものである。
【0038】
本発明は、生産開始時に真空ポンプ27の負圧を毎回同じ初期値(例えば標準値)から調整するようにしても良いが、負圧を初期値から適正な負圧に調整するまでの負圧調整量が大きくなると、負圧調整完了までの時間(部品の吸着状態が安定するまでの時間)が長くなり、その分、生産開始後に、部品吸着ミスや、搬送時の吸着部品の落下や部品吸着位置ずれによる部品実装不良が発生する頻度が増加する。
この対策として、本実施例では、次のいずれかの方法で生産開始時の負圧初期値を設定する。
【0039】
[負圧初期値設定方法(その1)]
生産開始時の負圧初期値を、吸着ノズル26に吸着する部品の種類及び/又は吸着ノズル26のノズル径に応じて設定する(ここで、「部品の種類及び/又は吸着ノズル26のノズル径」とは、「部品の種類と吸着ノズル26のノズル径の両方又はいずれか一方」を意味する)。要するに、吸着ノズル26に吸着する部品の種類や吸着ノズル26のノズル径によって、部品を安定して吸着するのに必要な負圧が異なるため、生産開始時の負圧初期値を部品の種類や吸着ノズル26のノズル径に応じて設定するようにすれば、生産開始時の負圧初期値と適正な負圧との差を小さくすることができて、生産開始後に短時間で負圧を部品の種類や吸着ノズル26のノズル径に応じた適正な負圧に調整することができる。
【0040】
[負圧初期値設定方法(その2)]
生産中に調整した真空ポンプ27の負圧のデータを、部品の種類及び/又は吸着ノズル26のノズル径と関連付けて記憶装置33に記憶しておき、記憶された部品の種類毎及び/又は吸着ノズル26のノズル径毎の負圧のデータの中から吸着ノズル26に吸着する部品の種類及び/又は吸着ノズル26のノズル径に応じた負圧のデータを選んで生産開始時の負圧初期値に設定する。このようにすれば、生産中に調整した負圧を学習して、その学習値を次回の生産開始時の負圧初期値に設定することができ、生産開始後に短時間で負圧を部品の種類や吸着ノズル26のノズル径に応じた適正な負圧に調整することができる。
【0041】
[負圧初期値設定方法(その3)]
生産中に調整した真空ポンプ27の負圧の履歴データを、部品の種類及び/又は吸着ノズル26のノズル径と関連付けて記憶装置33に記憶しておき、記憶された部品の種類毎及び/又は吸着ノズル26のノズル径毎の負圧の履歴データの中から吸着ノズル26に吸着する部品の種類及び/又は吸着ノズル26のノズル径に応じた負圧の履歴データを選んで統計処理して生産開始時の負圧初期値を設定する。
【0042】
ここで、統計処理とは、例えば、平均値、中央値、最頻値等の代表値を算出する処理を意味し、平均値の算出処理は、相加平均、相乗平均、調和平均等であっても良いし、負圧の履歴データにそれぞれ重みを付けて平均化する加重平均値(重み付き平均値)であっても良く、例えば、新しいデータほど重みを大きくして加重平均値を算出するようにしても良い。このようにすれば、過去の生産中に吸着動作毎に調整した負圧にばらつきがあっても、その履歴データを統計処理することで、吸着動作毎に調整した負圧のばらつきの影響を少なくして生産開始時の負圧初期値を設定することができる。
【0043】
また、本実施例では、部品実装機10の制御装置31(又は生産管理コンピュータ45)は、
図6に示すように、生産開始前に回路基板12に実装する部品の実装順序を負圧初期値(ポンプ回転数、電流、電圧)の大きい順又は小さい順に並び替えて設定する生産管理手段としても機能する。要するに、負圧調整毎の負圧変化量が大きいほど真空ポンプ27の消費電力量が増えるため、部品の実装順序を負圧初期値の大きい順又は小さい順に並び替えて、負圧調整毎の負圧変化量を小さくするものであり、これにより、真空ポンプ27の消費電力量を更に節減することができる。
【0044】
また、部品実装機10の制御装置31は、実装ヘッド24に設けた圧力センサ28の出力を読み込んで、吸着ノズル26に供給する負圧を常時監視し、部品吸着ミス等により負圧が急激に減少したときには、同時に吸着している部品や次の吸着サイクルの吸着に影響が出ないように真空ポンプ27のポンプ回転数を上昇させて負圧を速やかに回復して、同時に吸着している部品や次の吸着サイクルで部品を安定して吸着できるようにする。負圧回復後は、速やかに真空ポンプ27のポンプ回転数を上昇前の状態に戻して、次の吸着サイクルの負圧が過大になることを防止する。
【0045】
更に、部品実装機10の制御装置31は、真空ポンプ27から吸着ノズル26に供給する負圧を圧力センサ28の負圧検出値に基づいて常時監視し、負圧検出値が目標とする負圧からずれていると判断した場合には、そのずれ量に応じて真空ポンプ27のポンプ回転数を調整して、吸着ノズル26に供給する実際の負圧を確実に目標とする負圧に調整する。つまり、圧力センサ28の負圧検出値が目標とする負圧に一致するように真空ポンプ27のポンプ回転数をフィードバック制御する。
【0046】
以上説明した本実施例の負圧調整の一例を
図7及び
図8の負圧調整プログラムを用いて説明する。
図7及び
図8の負圧調整プログラムは、部品実装機10の制御装置31(又は生産管理コンピュータ45)によって実行され、特許請求の範囲でいう負圧調整手段としての役割を果たす。本プログラムは、生産開始時に起動され、まず、ステップ101で、負圧学習モードが選択されているか否かを判定する。ここで、負圧学習モードとは、生産中に調整した負圧(真空ポンプ27のポンプ回転数)を学習して生産開始時の負圧初期値を負圧学習値に設定するモードである。このステップ101で、負圧学習モードが選択されていると判定された場合は、ステップ102に進み、生産開始時の負圧初期値を、後述する
図8のステップ118で記憶装置33に記憶した前回の生産終了時の負圧(前回の生産中に最後に調整した負圧)に設定する。この際、部品の種類毎及び/又は吸着ノズル26のノズル径毎の負圧の記憶データの中から吸着ノズル26に吸着する部品の種類及び/又は吸着ノズル26のノズル径に応じた負圧の記憶データを選んで生産開始時の負圧初期値に設定する。尚、負圧初期値としては、真空ポンプ27のポンプ回転数、電流、電圧のいずれかに換算した値を用いれば良い。
【0047】
一方、上記ステップ101で、負圧学習モードが選択されていないと判定された場合は、ステップ103に進み、生産開始時の負圧初期値を標準値に設定する。この際、標準値は常に一定の値を用いても良いが、吸着ノズル26に吸着する部品の種類や吸着ノズル26のノズル径に応じた標準値を予め設定しておき、部品の種類や吸着ノズル26のノズル径に応じた標準値を生産開始時の負圧初期値に設定するようにしても良い。
【0048】
生産開始時の負圧初期値の設定後、ステップ104に進み、真空ポンプ27の負圧を生産開始時の負圧初期値に一致させるように真空ポンプ27のポンプ回転数を調整する。この後、ステップ105に進み、実装ヘッド24の吸着ノズル26を吸着位置へ移動させて、フィーダ23により吸着位置に送られた部品を該吸着ノズル26に吸着する。そして、次のステップ106で、吸着ノズル26に吸着した部品がパーツカメラ35の上方の撮像エリアを通過する際に、該吸着ノズル26に吸着した部品をパーツカメラ35で撮像して、該吸着ノズル26に吸着した部品の吸着状態(吸着位置ずれ量や部品吸着姿勢)を画像処理により判定する。
【0049】
この後、ステップ107に進み、次の(1) 〜(3) のいずれかに該当するか否かで吸着異常であるか否か判定する。
(1) 部品の吸着位置ずれ量が許容最大吸着位置ずれラインを越えていること
(2) 部品の吸着姿勢が異常(立ち吸着、斜め吸着等)であること
(3) 部品吸着ミスにより吸着ノズル26に部品が吸着されていないこと
【0050】
このステップ107で、吸着異常と判定されば、ステップ108に進み、吸着ノズル26に吸着した部品を所定の回収ボックス(図示せず)に廃棄して、上記ステップ105に戻り、次の部品を吸着する。尚、部品吸着ミスの場合は、上記ステップ108の処理を省略して上記ステップ105に戻る。
【0051】
一方、上記ステップ107で、吸着異常ではないと判定されば、ステップ109に進み、検査装置43で検査した回路基板12の部品の実装位置ずれ量の情報を生産管理コンピュータ45を経由して受信する。この際、受信する部品の実装位置ずれ量の情報は、同じ吸着ノズル26で実装した同じ部品の実装位置ずれ量の情報である。
【0052】
この後、ステップ110に進み、部品の吸着状態(吸着位置ずれ量や部品吸着姿勢)及び実装位置ずれ量が安定吸着とみなせる所定範囲内であるか否かを判定する。その結果、部品の吸着状態及び実装位置ずれ量が安定吸着とみなせる所定範囲内であると判定されれば、ステップ111に進み、真空ポンプ27の負圧を所定量減少させて、
図8のステップ115に進み、吸着ノズル26に吸着した部品を回路基板12の実装位置へ搬送して該部品を該実装位置に実装する。
【0053】
これに対し、上記ステップ110で、部品の吸着状態や実装位置ずれ量が安定吸着とみなせる所定範囲内であると判定されれば、ステップ112に進み、真空ポンプ27の負圧が調整可能な最大負圧に達しているか否かを判定し、その結果、調整可能な最大負圧に達していないと判定されれば、ステップ113に進み、真空ポンプ27の負圧を所定量増大させて、吸着ノズル26の吸引力を増大させることで、部品の吸着状態を安定させて、
図8のステップ115に進み、吸着ノズル26に吸着した部品を回路基板12の実装位置へ搬送して該部品を該実装位置に実装する。
【0054】
一方、上記ステップ112で、真空ポンプ27の負圧が調整可能な最大負圧に達していると判定されれば、それ以上、負圧を増大できない状態になっているため、ステップ114に進み、吸着ノズル26に吸着した部品を回路基板12の実装位置へ搬送する搬送速度を所定量低下させて、吸着ノズル26に吸着した部品に作用する慣性力を減少させることで、部品の吸着状態を安定させて、搬送時の部品の吸着位置のずれを防止する。そして、
図8のステップ115に進み、吸着ノズル26に吸着した部品を回路基板12の実装位置に実装する。
【0055】
部品実装後、ステップ116に進み、生産終了か否かを判定し、まだ生産終了ではないと判定されれば、前述したステップ105以降の処理を再び実行する。これにより、部品の吸着状態が安定するまで、真空ポンプ27のポンプ回転数を徐々に上昇させて真空ポンプ27の負圧を徐々に増大させて吸着ノズル26の吸引力を徐々に増大させる。
【0056】
その後、上記ステップ116で、生産終了と判定されれば、ステップ117に進み、負圧学習モードが選択されているか否かを判定し、負圧学習モードが選択されていると判定されれば、ステップ118に進み、生産終了時の負圧の情報(生産終了時の真空ポンプ27のポンプ回転数、電流、電圧のいずれか)を部品の種類及び/又は吸着ノズル26のノズル径と関連付けて記憶装置33に記憶して、本プログラムを終了する。
一方、上記ステップ117で、負圧学習モードが選択されていないと判定されれば、上記ステップ118の負圧学習処理を行わずに、本プログラムを終了する。
【0057】
以上説明した本実施例では、吸着ノズル26に吸着した部品の吸着状態を判定して、その判定結果に応じて真空ポンプ27の負圧を調整して吸着ノズル26の吸引力を調整するようにしているため、生産中に真空ポンプ27の負圧を常に大きめの一定負圧に維持する必要がなくなり、吸着ノズル26に吸着する部品の吸着状態を安定させる制御を低消費電力で実現できる。
【0058】
しかも、本実施例では、回路基板12に実装した部品の実装位置ずれ量を検査装置43で検査し、部品の吸着状態に加えて、部品の実装位置ずれ量も考慮して、真空ポンプ27の負圧を調整して吸着ノズル26の吸引力を調整するようにしているため、部品の実装位置ずれの原因となる搬送時の部品の吸着位置のずれも防止するように吸着ノズル26の吸引力(負圧)を調整して搬送時の部品の吸着状態を安定させる制御も、低消費電力で実現できる。
【0059】
また、真空ポンプ27の負圧が調整可能な最大負圧に達していて、それ以上、負圧を増大できない状態になっているときに、部品の吸着状態が不安定と判断される場合には、回路基板の実装位置への部品の搬送速度を低下させるようにしたので、この場合でも、吸着ノズル26に吸着した部品に作用する慣性力を減少させて部品の吸着状態を安定させることができ、搬送時の部品の吸着位置のずれを防止することができる。
【0060】
同様に、真空ポンプ27の負圧が調整可能な最大負圧に達していて、それ以上、負圧を増大できない状態になっているときに、検査装置43で検査した部品の実装位置ずれ量が搬送時の吸着位置ずれの影響を無視できる所定範囲内に収まらない場合には、搬送時に部品の吸着位置ずれが発生していると判断して、回路基板の実装位置への部品の搬送速度を低下させるようにしたので、この場合でも、搬送時に吸着ノズル26に吸着した部品に作用する慣性力を減少させて部品の吸着状態を安定させることができ、搬送時の部品の吸着位置ずれを防止することができる。
【0061】
また、本実施例では、生産開始前に回路基板12に実装する部品の実装順序を負圧初期値(ポンプ回転数、電流、電圧)の大きい順又は小さい順に並び替えて設定するようにしたので、負圧調整毎の負圧変化量を小さくすることができて、真空ポンプ27の消費電力節減効果を増大させることができる。
【0062】
尚、本発明は、上記実施例に限定されず、部品実装機10の構成を変更しても良い等、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できることは言うまでもない。