(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6348046
(24)【登録日】2018年6月8日
(45)【発行日】2018年6月27日
(54)【発明の名称】竪型振動乾燥機及び振動乾燥方法
(51)【国際特許分類】
F26B 3/22 20060101AFI20180618BHJP
F26B 9/08 20060101ALI20180618BHJP
B01D 29/01 20060101ALI20180618BHJP
B01D 29/62 20060101ALI20180618BHJP
B01D 24/42 20060101ALI20180618BHJP
B01D 29/92 20060101ALI20180618BHJP
B01D 24/44 20060101ALI20180618BHJP
B01D 29/94 20060101ALI20180618BHJP
【FI】
F26B3/22
F26B9/08
B01D29/04 510A
B01D29/04 520C
B01D29/04 520Z
B01D29/04 520F
B01D29/04 530A
B01D29/38 580J
B01D29/42 510
B01D29/42 520
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-213050(P2014-213050)
(22)【出願日】2014年10月17日
(65)【公開番号】特開2016-80278(P2016-80278A)
(43)【公開日】2016年5月16日
【審査請求日】2017年6月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】390008084
【氏名又は名称】中央化工機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076473
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100112900
【弁理士】
【氏名又は名称】江間 路子
(74)【代理人】
【識別番号】100136995
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 千織
(74)【代理人】
【識別番号】100163164
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 敏之
(72)【発明者】
【氏名】千賀 昭
(72)【発明者】
【氏名】加藤 寿紀
(72)【発明者】
【氏名】岡田 康孝
(72)【発明者】
【氏名】船津 一裕
(72)【発明者】
【氏名】鬼頭 孝嘉
【審査官】
黒田 正法
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−080011(JP,A)
【文献】
特開2001−347107(JP,A)
【文献】
特開2007−001672(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F26B 1/00−25/22
C02F 11/00−11/20
B01D 29/00−29/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状の濾材が配された処理容器内で濾過工程および乾燥工程を経て製品とするのに使用する竪型振動乾燥機であって、
前記処理容器及び加振手段を含む一体振動部構成体が、静止部構成体上に配された弾性支持体を介して支持されてなるとともに、前記処理容器の反転機構を備えているものにおいて、
前記反転機構は、前記処理容器の両側から外方へ突出する一対の反転軸、前記弾性支持体に回転不可に支持され前記反転軸を軸支する軸受け部材を有して前記処理容器を支持する振動台、及び、前記反転軸の一方(被駆動側反転軸)に接続される反転駆動手段を備えて構成されている、
ことを特徴とする竪型振動乾燥機。
【請求項2】
前記軸受け部材は、前記振動台に一体化される下軸受けと、該下軸受けから簡易離脱可能に固着される上軸受けとで構成されていることを特徴とする請求項1記載の竪型振動乾燥機。
【請求項3】
前記反転駆動手段が反転駆動モータとされ、該反転駆動モータの駆動軸が前記被駆動側反転軸に対してクラッチ方式で断続可能とされていることを特徴とする請求項1又は2記載の竪型振動乾燥機。
【請求項4】
前記処理容器がジャケットを備えるとともに、底部側に該ジャケットの内壁を構成する隆起部を備え、該隆起部の周囲にドーナツ状の乾燥処理部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の竪型振動乾燥機。
【請求項5】
前記処理容器の倒立状態時に前記濾材の両側空間に差圧を発生させる差圧発生手段が接続可能とされていることを特徴とする請求項1又は2記載の竪型振動乾燥機。
【請求項6】
請求項1記載の竪型振動乾燥機を用いて、濾過工程および乾燥工程を経て含液原料から製品を得る振動乾燥方法であって、
前記処理容器を反転させて倒立状態として、含液原料を底部側に形成された原料投入口から投入後、濾材上に濾滓を堆積させる濾過工程、及び、
前記処理容器を再反転させて正立状態として、前記濾滓を、処理容器の底部側の乾燥処理部に落下させて振動乾燥処理をする乾燥工程を含む、
ことを特徴とする振動乾燥方法。
【請求項7】
前記濾過工程を、前記処理容器の倒立状態時に前記濾材の両側空間に差圧を発生させながら行うことを特徴とする請求項6記載の振動乾燥方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理容器に板状の濾材が配された竪型振動乾燥機を用いて、濾過工程および乾燥工程を経て含液原料から製品を得る処理に使用する竪型振動乾燥機及びそれを用いた振動乾燥方法に関する。ここで、製品の形態が、粉粒状(以下「粉状」という。)の場合を主として例に採るが、顆粒状、ペレット状(造粒体)さらには短繊維状の場合も本発明は適用可能である。
【背景技術】
【0002】
スラリー等の含液原料から粉状の製品を得るには、通常、濾過工程と乾燥工程とを別装置で行っていた。
【0003】
しかし、別装置で行うと、濾過工程から乾燥工程に移行するに際して、不純物(異物)の混入・接触による汚染(コンタミネーション)や、空気との接触による酸化変質が発生し易い。
【0004】
さらに、スラリー中に有害物が含まれている場合、作業環境や大気汚染の問題が発生し易く、それらを防止するための別の装備や設備を必要とした。
【0005】
これらの問題点を解決するために、特許文献1に下記構成の濾過乾燥装置が提案されている(請求項1等参照)。
【0006】
「スラリー中の固形物を濾過分離し乾燥するための温度調節手段を備えた濾過乾燥装置であって、上下端面が開口面とされている胴部と、前記胴部の上下の開口面を各各覆うように配置され濾過によりスラリー中の固形物を分離する濾材と、前記胴部にスラリーの供給口及び乾燥固形物の排出口と、前記胴部の上側の開口面に脱着可能に被せられる上蓋と、前記胴部の下側の開口面に脱着可能に被せられる下蓋とを備え、前記上蓋及び下蓋は各々前記濾材を経た濾液を排出すること及び乾燥用ガスの給排気に用いるノズルを有し、前記胴部及び濾材及び上蓋及び下蓋の組み合わせを振動させる振動発生手段を備えたことを特徴とする濾過乾燥装置。」
【0007】
しかし、当該濾過乾燥装置は、上下濾材に対して両側に吸引するため、上下濾材の両側の圧力差が発生し難いと考えられる。すなわち、上下濾材の間も減圧状態となり圧力差が相殺されやすい。このため、大きな濾過速度を得難い。
【0008】
また、濾過で下濾材上に堆積される濾滓(ケーク)を落下させないため、下濾材の上の濾滓の破砕が発生し難く(特に、粒子相互が付着性を有して固化強度の大きなケークの場合)、振動による良好な解砕・乾燥効率を得難い。
【0009】
さらに、下濾材の上面位置より製品排出口の下端を高く設定する必要があり、下濾材上面と製品排出口の下端との間に段差ができ、製品排出に際して製品が下濾材上に残りやすい。このため、多様な原料をバッチ的に処理しようとする場合、原料の変更に際して製品汚染(コンタミネーション)が発生しやすい。
【0010】
また、乾燥工程で乾燥効率等の見地から加熱温度を高くすると製品の加熱変質が発生し易い。この際、処理容器内を減圧(真空)とすることも考えられるが、別装置で乾燥を行う必要があるためエネルギー効率が良好でなかつた。
【0011】
これらの理由から、製品が薬品等の汚染および変質を可及的に回避したいような場合、望ましくなかった。
【0012】
なお、本発明の特許性に影響を与えるものではないが、一つの乾燥機で濾過・乾燥が行える装置として、特許文献2に下記構成の濾過乾燥機が提案されている(特許請求の範囲、第1・2図参照)。
【0013】
「内部に攪拌羽根を有する筒状の本体に、その周壁内部において濾材を取り付け、上記本体は、上記濾材が上方にある位置と下方にある位置との間に回転させ得るように支持し、上記濾材が下方にある状態でスラリーの濾過をおこない、上方にある状態で乾燥を行うように構成してなる濾過乾燥機。」
【0014】
この装置は、処理容器(筒状の本体)が竪型ではなく、かつ、濾材に形成されたケークの乾燥は、ジャケット加熱で行うが、その際の粉砕は攪拌羽根で行うものであり、異質的である。
【0015】
さらに、本願発明と同様な課題を解決するための竪型振動乾燥機及び振動乾燥方法に係る発明について本願出願人の先願「特願2014−122182(出願時未公開)」に係る発明(以下「先願発明」という。)がある。本願発明と当該先願発明は、後述の如く、竪型振動乾燥機の反転機構(反転手段)において、処理容器を支持する回転しない振動台を備える、等異質的である。したがって両発明は同一とは言えず、本願は特許法第39条第1項の規定により拒絶されるものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開2003−80011号公報
【特許文献2】特公昭52−17898号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は、上記にかんがみて、処理容器内で含液原料の濾過による濾滓生成及び解砕・振動乾燥処理を効率よくできるとともに製品に汚染や変質が発生し難い新規な構成の竪型振動乾燥機及び振動乾燥方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明に係る竪型振動乾燥機は、上記課題を下記構成で解決するものである。
【0019】
板状の濾材が配された処理容器内で濾過工程および乾燥工程を経て製品とするのに使用する竪型振動乾燥機であって、
前記処理容器及び加振手段を含む一体振動部構成体が、静止部構成体上に配された弾性支持体を介して支持されてなるとともに、前記処理容器の反転機構を備えているものにおいて、
前記反転機構は、前記処理容器の両側から外方へ突出する一対の反転軸、前記弾性支持体に回転不可に支持され前記反転軸を軸支する軸受け部材を有して前記処理容器を支持する振動台、及び、前記反転軸の一方(被駆動側反転軸)に接続される反転駆動手段を備えて構成されている、ことを特徴とする。
【0020】
本発明に係る振動乾燥方法は、上記構成の振動乾燥装置を用いて、濾過工程および乾燥工程を経て含液原料から製品を得る振動乾燥方法であって、
前記処理容器を反転させて倒立状態として、含液原料を底部側に形成された原料投入口から投入後、濾材上に濾滓を堆積させる濾過工程、及び、
前記処理容器を再反転させて正立状態として、前記濾滓を、処理容器の底部側の乾燥処理部に落下させて振動乾燥処理をする乾燥工程を含む、ことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明に係る振動乾燥方法における乾燥時フロー図(本体の概略正面半断面図)である。
【
図2】
図1における竪型振動乾燥機の2−2線矢視図である。
【
図5】本発明に係る振動乾燥方法における濾過時フロー図(本体の概略正面半断面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態について、図例に基づいて、説明する。以下の説明で、上・下(底面・天井)は、特に断らない限り、正立位置(正立状態)を基準とする(
図1基準)。
【0023】
本実施形態の竪型振動乾燥機Dは、含液原料(被処理物)を、板状の濾材10が配された処理容器11内で濾過工程および乾燥工程を経て製品とするのに使用すること、及び、処理容器11及び振動モータ(加振手段)12を含む一体振動部構成体が、静止部構成体(架台本体17)上に配された弾性支持体14を介して支持されてなるとともに、処理容器11の反転機構を備えていることを前提とする。
【0024】
上記処理容器11は、通常、乾燥促進されるように加熱可能乃至加熱手段が付設されているとともに、濾過促進させるために処理容器11の倒立状態時に濾材10の両側空間に差圧を発生させる差圧発生手段が接続可能とされている。
【0025】
処理容器11は、筒状の本体部21と鏡板状の蓋部23とからなり、本体部21と蓋体部23との間に濾材10が着脱可能に挟まれて配される。このとき、濾材10の配置位置は処理量(原料および製品)を確保するために、通常、処理容器の中間高さより上側とする。
【0026】
蓋部23は、本体部21に対して、開閉可能かつ密閉可能とされている。蓋部23の開閉方式は任意であり、慣用方式を使用できる。例えば、ヒンジ開閉で倒しボルト等で締結する方式としたり、被せ式やねじ嵌合式としたりすることができる。
【0027】
上記加熱手段は、本体部21の周面はジャケット25A、25Bで形成されている。なお、蓋部23側のジャケット25Bは螺旋加熱配管とされている。また、ジャケット25A、25Bの外周面は断熱材26で覆われている。
【0028】
各ジャケット25A、25Bには、詳細は図示しないが、後述のロータリジョィント27を介して熱媒が導入/排出可能とされている。そして、ロータリジョィント27には一対の熱媒供給/排出ホース28A、28Bが接続されている。ここで、熱媒とは、スチーム、温水や有機熱媒体ばかりでなく、冷却水も含むものである。乾燥工程後の製品を冷却することもあるためである。
【0029】
すなわち、熱媒がスチームの場合、一方のホース28Aからスチームが供給され、他方のホース28Bからドレンが排出される。熱媒が温水や冷却水又は有機熱媒体の場合、導入/排出は逆となる。
【0030】
なお、加熱手段は、他の加熱手段でもよく、それらを単独使用又は併用できる。他の加熱手段としては、抵抗加熱、マイクロ波加熱、誘導加熱等を挙げることができ、更には、竪型振動乾燥機Dを搬出・搬入できる乾燥室としてもよい。したがって、必ずしも、加熱手段が処理容器11に付設されている必要はない。さらに、加熱を嫌う原料・製品の場合は、加熱乾燥を行わずに、振動乾燥に際して、真空乾燥のみとしてもよい。
【0031】
また、本体部ジャケット25Aの底部側に該ジャケット25Aの内壁を構成する隆起部21aを備え、該隆起部21aの周囲にドーナツ状の乾燥処理部Tが形成されている。当該構成により、被処理物に対する加熱が底部や周囲部に加えて中央部からも行われて、乾燥処理の効率が向上する。
【0032】
ドーナツ状の乾燥処理部Tの底部側の最低位置には、開閉ノズル(原料投入/製品排出口)29が接続されている。乾燥処理後の粉粒状の製品の排出が容易となる。ここで、開閉ノズル29の開閉する開閉弁30は図例ではボールバルブであるが、処理容器内を加圧や減圧可能な密閉性を確保できれば、慣用の開閉弁でもよい。
【0033】
なお、乾燥処理部Tの底部側の開閉ノズル29の形成部位とは別位置に、加熱媒体の温度制御のための測温抵抗体31が装着されている。
【0034】
図5に示す濾液回収ラインL1は、濾過工程時の吸引ノズル33に接続される濾液受槽34と、該濾液受槽34の上部側に接続される真空ポンプ35Aとで構成されている。他方、
図1に示す蒸気回収ラインL2は、乾燥工程時のコンデンサ(凝縮器)37と、該コンデンサ37の出口側に接続される凝縮液受槽38と、該凝縮液受槽38の天井側に接続される真空ポンプ35Bとで構成されている。
【0035】
加振手段は、本実施形態では、弾性支持体14に支持される振動台40に取付けられている。ここで、振動台40は、振動モータを処理容器11に直結させる場合は、振動モータのためには必要ないが、後述の反転軸45A、45Bを軸支するために必要である。
【0036】
また、弾性支持体14は、本実施形態では、架台本体17上に配された4本の支柱ばね座14aにそれぞれ取り付けられたばね14bで形成されている。なお、ばね14bは、ラバースプリングとすることが鉄粉の発生等がなくて望ましいが、空気ばね、エリゴスプリング等であってもよい。また、架台本体17の右側部は後述の反転駆動モータ51のモータケース49が取り付けられるモータ台18とされている。
【0037】
ここで、加振手段は、後述の如く、振動台40に取り付けられた1対の振動モータ12、12で形成されている。処理容器11のみを分離して次工程に移動させることを容易にするためである。そのような場合を想定しなければ、振動モータ12を処理容器11に直接取り付ける構成としてもよい。
【0038】
なお、加振手段は、振動モータ12に限られず、他の慣用の加振手段であってもよい。なお、振動形態は、(楕)円運動型、直線運動型を問わない。他の慣用の加振手段としては、機械式発振機(アンバランスウェイトをモータで強制回転させるもの)、電磁発振機、等を挙げることができる。
【0039】
濾材10としては、被処理物の種類により異なるが、布帛、不織布(フェルト)、金網、ガラス繊維、セラミック、焼結金属等を、単独又は適宜組み合わせたものを使用できる。
【0040】
そして、通常、ろ過促進のために、処理容器の倒立状態時に前記濾材の両側空間に差圧を発生させる差圧発生手段を接続可能とすることが望ましい。
【0041】
上記差圧発生手段は、本実施形態では、蓋部23の首部23aに接続された吸引ノズル33に、真空ポンプ35Aの吸引口を、コンデンサ37及び凝縮液受槽38を介して接続させて、差圧を発生させるようになっている。含液原料の種類により異なるが、差圧は通常、0.1〜1MPaとする。なお、図示しないが、濾過室側に加圧エアを吹き込む手段を設けてもよい。
【0042】
ここまでは、前記先願発明と同様の構成である。次に、本発明の最大特徴である反転機構について説明する。
【0043】
反転機構は、処理容器11の両側から外方へ突出する一対の反転軸45A、45Bと、弾性支持体14に回転不可に支持され処理容器11を支持する振動台40、及び、一方の反転軸(被駆動側反転軸)45Aに接続される駆動軸51aを有する反転駆動モータ(反転駆動手段)51を備えて構成されている。振動台40は、反転軸45A、45Bを軸支する一対の軸受部材47を有するともに、下方側に一対の振動モータ51を取り付けるモータ座41、41を有している。
【0044】
ここで、軸受部材47は、前記振動台に一体化される下軸受け47aと、該下軸受け47bから簡易離脱可能に固着される上軸受け47bとで構成されている。図例では、軸受部材47は軸受合金とされている。また、上軸受け47bは、ねじ込みボルト48等を振動台40の軸受保持部43の上端面に形成された雌ねじ43aにねじ込んで取り付け可能とされている。こうして、処理容器11のみ振動台40から簡易に取り外して次工程や処理容器メンテナンスも容易となる。
【0045】
また、反転駆動モータ51の駆動軸51aは、被駆動側反転軸45Aに対してクラッチ方式で断続可能とされている。ハンドル等を被駆動側反転軸45Aに取り付けて反転駆動手段を手動式としてもよい。この場合は、クラッチ方式とする必要はない。
【0046】
上記クラッチ方式はかみ合いクラッチでも摩擦クラッチでもよい。そして、クラッチの断続、すなわち回転力の伝達・遮断は、モータケース49を前後移動(スライド)やスイングさせることにより行うことができる。当該スライドの方式は、例えば、モータ台18とモータケース49との間に形成したレール対を介して行うことができる。なお、モータ台18の前後移動は、エアシリンダ等で行うことができ、また、ばね付勢して手動でクラッチの断続を行ってもよい。
【0047】
そして、本実施形態では、熱媒供給/排出ホース28A,28Bは、各ホース28A,28Bからジャケット25A、25Bに各熱媒を供給・排出可能とするために、ロータリジョイント27に接続されている。
【0048】
次に、上記竪型振動乾燥機を使用しての本発明の振動乾燥方法について、説明する。
【0049】
下記の説明で処理容器の倒立状態及び正立状態は、垂直方向ばかりでなく垂直方向からずれている傾斜方向も含むものである。処理容器を傾斜させることにより多様な振動形態を創出することができる。なお、処理容器の振動時の固定は振動台に設けた慣用の角度固定手段で固定することができる。
【0050】
上記竪型振動機の吸引ノズル33には、それぞれ、濾過工程における濾液回収ラインL1又は振動乾燥工程における蒸気回収ラインL2と切り替え可能に接続されている。なお、下記の各工程間の移行に際して処理容器を反転させる場合には、通常、吸引ノズル33を開閉弁(図示せず)で閉じておき、該吸引ノズル33と濾液回収ラインL1又は蒸気回収ラインL2との、接続は外しておく。また、処理容器11が小型の場合は、吸引ノズル33に、処理容器11を反転可能な長めのホースを接続しておき、各ラインL1又はL2との接続をしたまま、反転・再反転をしてもよい。その場合は、ホースの先端にチーズを接続し、分岐部に切り替え弁を配すればよい。
【0051】
(1)濾過工程(
図5):
まず、モータケース49を前進させて、反転駆動モータ51の駆動軸51aを被駆動側反転軸45Aとクラッチ接続させる。
【0052】
つぎに、反転駆動モータ51を稼働させ、反転軸を180°駆動回動させ、処理容器を反転させて倒立状態とする。このあと、濾過工程でも、振動をさせる場合は、モータケース49を後退させて駆動軸51aを被駆動側反転軸45Aとのクラッチ接続を解除(駆動軸51a及び被駆動側反転軸45Aの対面間が離隔している。)しておく(
図5参照)。濾過工程で処理容器の加振を行わない場合は、クラッチ接続解除の必要はない。
【0053】
そして、倒立状態の処理容器11における開閉ノズル(原料投入口)29を開閉弁30により開として、含液原料(被処理物)を投入する。その後、開閉ノズル29を閉として、吸引ノズル33を濾液回収ラインL1と接続する。
【0054】
ここで含液原料の形態は、サスペンション、スラリー、ペースト等、任意であり、投入方式も、常圧開放ばかりでなく、原料投入口(開閉ノズル)29に原料供給ホースを接続して加圧乃至吸引(1〜−0.1Mpa)する方式でもよい。後者の方式の場合、クローズ投入でき原料汚染を回避しやすい。
【0055】
また、原料投入量は、処理容器11の処理容量の25〜80%となるような量とする。乾燥時の容量は、20〜50%となる。
【0056】
この状態で、濾液回収ラインL1の真空ポンプ(吸引用の気体輸送機)35Aを稼働させて吸引する。ここで、加圧ガスを濾材10の上側空間に図示しない加圧ガス口等から吹き込んで加圧することもできる。加圧ガスとしては、通常、エアを用いるが、製品が酸化変質を嫌う場合は、窒素等の不活性ガスを用いる。
【0057】
すると、濾材10の両面空間の間に差圧が発生して、含液原料の濾過が促進される。このとき、濾液は、濾液回収ラインL1の真空ポンプ35Aの吸引作用で、蓋部23の首部23aの端面に形成された吸引ノズル33から濾液受槽34に移送され回収される。
【0058】
そして、濾材10上面に堆積する濾滓(ケーク)Cが濾材10の目詰まりを発生させるおそれがある場合は、開閉ノズル29を開とし間欠的に洗浄液(水又は溶剤)を投入して洗浄することが望ましい。このとき、濾過操作と同じように、開閉ノズル29を閉じて、濾材10の両面に差圧を発生さて濾材乃至濾滓の洗浄を行う。
【0059】
なお、濾過工程における濾過・洗浄操作を、処理容器を連続的乃至間欠的に振動させながら行ってもよい。このときの加振条件は、被処理物の種類(固体粒子比重・含有率、スラリー粘度等)により異なるが、振動数:16.2〜29.2Hz、振幅:2〜3mmの範囲から適宜選定する。
【0060】
このとき、間欠的に振動させた場合は、含液原料の種類によっては、液中の固体粒子の分散が促進されて濾過・洗浄効率が向上する。また、濾過の初期・中期において、振動を加えることにより、投入スラリー(被処理物)の固体粒子の偏在が是正される被処理物が均質化される。固体粒子の偏在は、濾過効率の低下、乃至、濾滓(ケーク)の含水率バラツキの発生につながる。
【0061】
濾過工程の終了時においては、駆動軸51aと被駆動側反転軸45Aとが離隔してクラッチ接続が解除されている場合は、再度、モータケース49を前進させて駆動軸51aとを被駆動側反転軸45Aとをクラッチ接続させる。
【0062】
(2)振動乾燥工程(
図1〜3)
次に、被駆動側反転軸45Aを駆動軸51aで駆動させて、処理容器11を再反転させ正立状態とする。ここで、反転駆動モータ51の駆動軸51aと被駆動側反転軸45Aとのクラッチ接続を解除しておく。すなわち、駆動軸51aと被駆動側反転軸45Aの端面間には隙間がある。
【0063】
上記処理容器11の再反転により、濾材10も反転される。このため、濾材10上に堆積した濾滓(ケーク)Cが自重落下する。自重落下しない場合は、振動モータ12を稼働させて処理容器11を加振させれば、濾滓Cは容易に落下する。落下した濾滓Cは、処理容器11の底面上で衝撃を受けて破砕(粗砕)される。本実施形態では、処理容器11の底部中央に隆起部21aが形成されているため、より解砕されやすくなる。
【0064】
そして、開閉ノズル29の開閉弁30を閉じたままで、処理容器11の蓋部首部23aの吸引ノズル33を蒸気回収ラインL2に接続した状態として、真空ポンプ35Bを稼働させる。同時に、一対の熱媒供給・排出ホース28A、28Bを介して熱媒を、ジャケット25A、25Bの空間を通過させ、さらに、振動モータ12を稼働させる。
【0065】
すると、処理容器11の乾燥処理部Tに落下した被処理物(濾滓)は、振動乾燥され製品(通常粉状)Pとなる。このとき、発生する蒸気は蒸気回収ラインL2に真空ポンプ35Bの作用で吸引されて回収される。この際、真空ポンプ35Bの出力(吸引能力)を、発生蒸気量を超えるものとすれば、処理容器11内も減圧となる。製品が熱影響を受けやすいものの場合、加熱温度を高くしなくても、乾燥処理が可能となる。
【0066】
なお、上記振動乾燥における振動条件は、前述の濾過工程におけるものと同様とする。
【0067】
そして、乾燥処理が完了したなら、真空ポンプ35B及び振動モータ12を停止し、乾燥処理部の底面に形成された開閉ノズル29を開閉弁30により開とすると、自重により開閉ノズル29から製品Pが排出される。この製品排出時にも振動モータ12を稼働させれば、製品排出の速度が増大する。
【0068】
こうして、本実施形態では、一つの竪型乾燥機の処理容器内で、濾過・乾燥工程を効率よく行うことができ、結果的に、処理製品の汚染や酸化変質を回避できる。特に、濾過工程から前記乾燥工程までを、前記処理容器内の真空(減圧)状態を連続的に維持して行った場合は、処理製品の熱・酸化変質をより確実に回避できる。
【0069】
以上、本発明を実施形態に基づいて、説明したが、本発明の振動乾燥装置は、前記先願発明における下記構成の振動乾燥方法に好適に使用できる。
【0070】
「濾過工程および乾燥工程を経て含液原料から製品を得る振動乾燥方法であって、前記処理容器を反転させて倒立状態として、含液原料を底部側に形成された原料投入口から投入後、濾材上に濾滓を堆積させる濾過工程、及び、前記処理容器を再反転させて正立状態として、前記濾滓を、処理容器の底部側の乾燥処理部に落下させて振動乾燥処理をする乾燥工程を含む、ことを特徴とする。」
【0071】
そして、本発明の振動乾燥装置は、先願発明に係る振動乾燥装置と対比すると、反転処理機構(反転処理手段)において、下記のような相違点を有する。
【0072】
弾性支持体(ばね)上の処理容器を反転させるに際して、先願発明は、弾性支持体から浮かした軸受部材に反転軸を軸支して反転させ、再度、弾性支持体にセットするのに対し、本願発明においては、弾性支持体14に回転不可に支持されている振動台40が有する軸受部材47に反転軸45A、45Bを軸支して駆動回転させる。
【0073】
このため、本願発明においては、先願発明の如く、処理容器の上下にばね受け座を設ける必要がないとともに、処理容器の正立・倒立における角度を任意にできる。すなわち、本願発明では処理容器11が相対的に軽量となるとともに、被処理物に多様な形態の振動を付与可能となる。
【0074】
また、本発明では、被駆動側反転軸45Aと反転駆動モータの駆動軸51a間の断続をクラッチ方式としたため、乾燥工程における処理容器の間欠加振や途中反転を容易にできる。
【0075】
これらの作用は先願発明からは奏し得ない。
【符号の説明】
【0076】
11 処理容器
12 振動モータ
14 弾性支持体
14a 支柱ばね座
14b ばね
21 処理容器の本体部
23 処理容器の蓋部
25A、25B ジャケット(加熱手段)
28A、28B 熱媒供給/排出ホース
29 開閉ノズル
33 吸引ノズル
35A、35B 真空ポンプ
40 振動台
45A、45B 反転軸
47 軸受部材
47a 下軸受け
47b 上軸受け
51 反転駆動モータ
51a 駆動軸
L1 濾液回収ライン
L2 蒸気回収ライン