特許第6348336号(P6348336)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6348336
(24)【登録日】2018年6月8日
(45)【発行日】2018年6月27日
(54)【発明の名称】索体巻取装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 75/36 20060101AFI20180618BHJP
   B65H 75/02 20060101ALI20180618BHJP
【FI】
   B65H75/36 F
   B65H75/02 Z
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-102323(P2014-102323)
(22)【出願日】2014年5月16日
(65)【公開番号】特開2015-218025(P2015-218025A)
(43)【公開日】2015年12月7日
【審査請求日】2017年3月16日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 刊行物(カタログ)の配布による公開(平成26年4月1日)
(73)【特許権者】
【識別番号】592159966
【氏名又は名称】中発販売株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】512141736
【氏名又は名称】株式会社リーレックス
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】小林 謙二
【審査官】 大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第05402551(US,A)
【文献】 特開平09−253386(JP,A)
【文献】 実公昭48−025233(JP,Y1)
【文献】 特開2005−060046(JP,A)
【文献】 実公昭26−012198(JP,Y1)
【文献】 実開昭51−037617(JP,U)
【文献】 実開昭56−107769(JP,U)
【文献】 特公昭40−015792(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 75/34−75/50
H02G 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性を有する索体を巻き取る回転可能な巻取部、及び当該巻取部の回転軸線方向両端側に設けられた板状のフランジ部を有する巻取ドラムと、
前記巻取ドラムを支持するフレームと、
前記巻取部内のうち前記回転軸線方向一端側に設けられた直線状の接続部であって、前記索体の長手方向一端が接続された接続部とを備え、
前記索体のうち前記接続部側は、
前記接続部から前記回転軸線方向他端側に延びて当該他端側で屈曲した屈曲部、並びに
前記屈曲部から前記接続部側に向けて螺旋状に屈曲しながら延びて前記巻取部の内周側から前記巻取部の外周側に至る螺旋部が設けられており、
さらに、前記螺旋部のうち前記巻取部の外周を横切る第1部位を前記巻取ドラムに固定する第1固定部、及び前記屈曲部及び前記螺旋部のうち前記巻取部の内周に接触する第2部位を前記巻取部に固定する第2固定部を備えていることを特徴とする索体巻取装置。
【請求項2】
前記回転軸線方向と直交する第1仮想面に投影された前記第1固定部と、当該第1仮想面に投影された前記第2固定部とは、前記回転軸線周りに90度以上、180度以下ずれていることを特徴とする請求項に記載の索体巻取装置。
【請求項3】
前記回転軸線を含み、かつ、当該回転軸線方向と平行な第2仮想面に投影された前記第1固定部と、当該第2仮想面に投影された前記第2固定部とは、前記索体の最小曲げ半径寸法以上を離隔していることを特徴とする請求項又はに記載の索体巻取装置。
【請求項4】
前記巻取部の内周半径は、前記索体の最小曲げ半径寸法に前記索体の外径寸法を加えた値以上であることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の索体巻取装置。
【請求項5】
前記巻取部は、前記回転軸線と平行に延びるとともに、前記回転軸線周りに配設された複数のロータバーを有して構成されており、
前記複数のロータバーの延び方向両端が前記フランジ部に固定されて構成されているとともに、それら複数のロータバーのうち少なくとも1本は、前記フランジ部に対して着脱自在であることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の索体巻取装置。
【請求項6】
前記巻取ドラムを回転させる電動モータを備えることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の索体巻取装置。
【請求項7】
前記回転軸線と平行な方向に延びるとともに、前記フレームに対して変位可能スイッチバーであって、前記索体により押圧されて変位したときに、前記電動モータの回転を停止させるスイッチバーを備えることを特徴とする請求項に記載の索体巻取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホース、ロープ、ワイヤー及びケーブル等の可撓性を有する索体を巻き取るとともに、その巻き取られた索体を引き出すことが可能な索体巻取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載の発明では、利用者がホースを引き出す際の引き出し力をリールモータの回生電圧に基づいて検出し、その検出された引き出し力に応じてリールモータによる制動力を調整している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−127182号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、曲げ剛性が大きいホース等では、小さな曲率半径で索体を曲げることができない。このため、回転軸線と平行な方向から巻取ドラムの巻取部内に至る流体経路は、一般的に、巻取部内に設けられたエルボ等の管継ぎ手にて、その方向が曲げられる。
【0005】
そして、ホースの一端は当該エルボ等に接続される。つまり、この構成では、巻取部内にエルボ等の管継ぎ手を設ける必要があるので、部品点数の増加を招いてしまう。
また、巻取部内にエルボ等の管継ぎ手を設けることなく、ホース等の索体を曲げるには、巻取部を大きくして巻取部内で索体を緩やかに曲げる必要があるので、巻取部、つまり巻取ドラムの大型化を招いてしまう。
【0006】
本発明は、上記点に鑑み、巻取ドラムの大型化を抑制しつつ、巻取部内にエルボ等の管継ぎ手を設けることなく、索体の延び方向を略90度曲げることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するために、可撓性を有する索体(3)を巻き取る回転可能な巻取部(5A)、及び当該巻取部(5A)の回転軸線方向両端側に設けられた板状のフランジ部(5B)を有する巻取ドラム(5)と、巻取ドラム(5)を回転可能に支持するフレーム(11)と、巻取部(5A)内のうち回転軸線方向一端側に設けられた直線状の接続部(9)であって、索体(3)の長手方向一端が接続された接続部(9)とを備え、索体(3)のうち接続部(9)側は、接続部(9)から回転軸線方向他端側に延びて当該他端側で屈曲した屈曲部(31)、屈曲部(31)から接続部(9)側に向けて螺旋状に屈曲しながら延びて巻取部(5A)の内周側から巻取部(5A)の外周側に至る螺旋部(32)が設けられていることを特徴とする。
【0008】
これにより、本発明では、巻取ドラム(5)の大型化を抑制しつつ、巻取部(5A)内にエルボ等の管継ぎ手を設けることなく、索体(3)の延び方向を略90度曲げることが可能となる。
【0009】
因みに、上記各手段等の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段等との対応関係を示す一例であり、本発明は上記各手段等の括弧内の符号に示された具体的手段等に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係る索体巻取装置1の側面図である。
図2】本発明の実施形態に係る索体巻取装置1の背面図である。
図3】本発明の実施形態に係る索体巻取装置1の正面図である。
図4】第1仮想面S1に投影された索体3等を示す図である。
図5】第2仮想面S2に投影された索体3等を示す図である。
図6】第1仮想面S1及び第2仮想面S2と直交する仮想面に投影された索体3等を示す図である。
図7】スイッチバー7Bの作動を示す図である。
図8】スイッチバー7Bの作動を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に説明する「発明の実施形態」は実施形態の一例を示すものである。つまり、特許請求の範囲に記載された発明特定事項等は、下記の実施形態に示された具体的手段や構造等に限定されるものではない。
【0012】
そして、本実施形態は、電動式の索体巻取装置に本発明を適用したものである。以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。なお、以下、可撓性を有する索体として、水、空気及びオイル等の流体を移送するホースを例に本実施形態を説明する。
【0013】
(第1実施形態)
1.索体巻取装置の概要
本実施形態に係る索体巻取装置1は、図1に示すように、索体3を巻き取る巻取ドラム5、巻取ドラム5を支持するフレーム11、及び巻取ドラム5を回転させる駆動源7(図2参照)等を備えている。
【0014】
なお、本実施形態に係る駆動源7は、電動モータ等の回転電機にて構成されている。フレーム11は、図2に示すように、巻取部5Aの回転軸線L1方向両側それぞれに設けられている。なお、巻取部5Aの回転軸は、各フレーム11に設けられた軸受部11Aを介して回転可能にフレーム11に支持される。
【0015】
巻取ドラム5は、巻取部5A及びフランジ部5B等を有して構成されている。巻取部5Aは、回転することにより索体3を巻き取る部位である。フランジ部5Bは、巻取部5Aの回転軸線L1方向の両端側に設けられた円板状の部材である。
【0016】
本実施形態に係る巻取部5Aは、図5に示すように、複数のロータバー5Cを有して構成されている。複数のロータバー5Cの多くは、図4に示すように、巻取部5Aの回転軸線L1を中心とする円周上に配設されている。
【0017】
つまり、複数のロータバー5Cの多くは、仮想の円筒部材を構成するように配置されている。そして、巻取部5Aの内周半径R1は、索体3の最小曲げ半径寸法R2に索体3の外径寸法D1を加えた値以上となっている。このため、巻取部5Aの外周半径R3は、索体3の最小曲げ半径寸法R2より大きい。
【0018】
「複数のロータバー5Cの多く」とは、複数のロータバー5Cのうち、第1固定部33Aより逆転側に位置する少なくとも1本のロータバー5C(以下、このロータバー5Cを内側ロータバー5Cという。)除くロータバー5Cをいう。「逆転」とは、後述する「逆転」と同じ意味である。
【0019】
「巻取部5Aの内周半径R1」とは、内側ロータバー5C以外のロータバー5Cに内接する仮想内接円の半径をいう。ロータバー5Cに内接するとは、ロータバー5Cの外周面のうち回転軸線L1側にて当該仮想内接円が接触することをいう。
【0020】
「巻取部5Aの外周半径R3」とは、内側ロータバー5C以外のロータバー5Cに外接する仮想外接円の半径をいう。ロータバー5Cに外接するとは、ロータバー5Cの外周面のうち回転軸線L1と反対側にて当該仮想外接円が接触することをいう。
【0021】
索体3の最小曲げ半径寸法R2とは、索体3の製造メーカが指定する最小曲率半径をいう。通常、索体3の剛性及び外径寸法D1が大きくなるほど、索体3の最小曲げ半径寸法R2は大きな値となる。
【0022】
各ロータバー5Cは、図3に示すように、回転軸線L1と平行に延びているとともに、その延び方向両端がフランジ部5Bに固定されている。そして、複数のロータバー5Cのうち少なくとも1本は、フランジ部5Bに対して着脱自在となっている。
【0023】
因みに、着脱自在のロータバー5Cの本数は、接続部9に索体3を装着するする作業、及び接続部9から索体3を取り外す作業を行う際に、ロータバー5Cが大きな障害とならない程度の本数である。
【0024】
接続部9は、図2に示すように、巻取部5A内のうち回転軸線L1方向一端側に設けられた直線状の部材であって、索体3の長手方向一端が着脱自在に接続される部材である。本実施形態に係る接続部9は管用ねじが設けられた継手部であって、フランジ部5Bに固定された継手部9Aにねじ込み固定されている。
【0025】
継手部9Aのうちフランジ部5Bを挟んで巻取部5Aと反対側には回転継手(スイベル)9Bが接続されている。回転継手9Bは、巻取部5Aと共に回転する接続部9側と巻取部5Aに対して不動であるホース(図示せず。)と接続し、巻取部5Aの回転を吸収する継手である。
【0026】
索体3のうち接続部9側は、図3に示すように、巻取部5A内で屈曲(湾曲)した状態で巻取部5A内に収納されている。そして、索体3のうち巻取部5A内に収納されていない部位は、巻取部5Aの外周側に巻き付けられる。索体3のうち巻取部5A内に収納された部位の収納状態は後述する。
【0027】
図2に示すように、駆動源7は、チェーン等の動力伝達部材7Aを介して巻取部5A(巻取ドラム5)を回転させる。駆動源7は、リモートコントローラ等の作業者により操作される遠隔操作端末(図示せず。)からの操作信号に基づいて正転、逆転又は停止する。ここで、「正転」とは索体3を送り出す向きの回転をいう。「逆転」とは索体3を巻き取る向きの回転をいう。
【0028】
図3に示すように、フレーム11の前方側にはスイッチバー7Bが設けられている。スイッチバー7Bは、図7及び図8に示すように、上下方向に揺動可能な部材であって、当該揺動により、リミットスイッチ7Cを介して駆動源7への通電回路を開閉する。なお、フレーム11の前方側とは、索体3を送り出すときの索体移動方向前進側をいう。
【0029】
駆動源7が正転している状態で、スイッチバー7Bが図7に示す状態から図8に示す状態に揺動すると、天秤棒7Dが下がってリミットスイッチ7Cが押されるため、上記通電回路が開き、駆動源7が停止する。
【0030】
一方、スイッチバー7Bが図8に示す状態から図7に示す状態に揺動すると、天秤棒7Dが上がるため、上記通電回路が閉じ、駆動源7への通電が可能な状態に復帰する。なお、スイッチバー7Bは、天秤棒7Dの長手方向一端に押圧力F1を作用させる。
【0031】
天秤棒7Dの揺動中心O1を挟んでスイッチバー7Bと反対側には錘部7Eが設けられている。この錘部7Eは、リミットスイッチ7C及びスイッチバー7Bが復帰するために必要な力を発生する。
【0032】
なお、本実施形態では、駆動源7が逆転している場合には、リミットスイッチ7Cの状態によらず、駆動源7は逆転する。つまり、逆転時には、スイッチバー7Bが図7に示す状態から図8に示す状態に揺動しても駆動源7は停止しない。
【0033】
2.巻取部内における索体の収納状態
索体3のうち巻取部5A内に収納された部位は、図4図6に示すように、概ね屈曲部31及び螺旋部32を有している。屈曲部31は、図5に示すように、接続部9から回転軸線L1方向他端側に延びて当該他端側で屈曲して略U字状に屈曲している。
【0034】
螺旋部32は、図4に示すように、屈曲部31から接続部9側に向けて螺旋状に屈曲しながら延びて巻取部5Aの内周側から巻取部5Aの外周側に至るように螺旋状の屈曲している。なお、「巻取部5Aの内周」とは、上記「仮想内接円」を意図する。「巻取部5Aの外周」とは、上記「仮想外接円」を意図する。
【0035】
螺旋部32のうち巻取部5Aの外周を横切る第1部位Aは、第1固定部33Aにより巻取ドラム5(本実施形態では、フランジ部5B)に固定されている。屈曲部31及び螺旋部32のうち巻取部5Aの内周に接触する第2部位B1、B2は、第2固定部33B、33Cにより巻取部5Aに固定されている。
【0036】
なお、第1部位Aの逆転側に内側ロータバー5Cが設けられている。内側ロータバー5Cは、その他のロータバー5Cに比べて回転軸線L1側、つまり内側に位置している。このため、第1部位Aの逆転側における巻取部5Aの外周位置は、その他の部位にくべて内側に位置する。
【0037】
本実施形態では、第2部位B1、B2それぞれが第2固定部33B、33Cにより巻取部5Aに固定されている。しかし、本発明は、少なくとも第2部位B1が巻取部5Aに固定されていれば十分である。
【0038】
つまり、第2固定部33Cを廃止してもよい。そこで、以下、第2固定部とは、少なくとも第2固定部33Bを意図する。なお、第2部位B2は、螺旋部32、屈曲部31のうち螺旋部32に近い部位である。
【0039】
そして、図4に示すように、回転軸線L1方向と直交する第1仮想面S1に投影された第1固定部33Aと、当該第1仮想面S1に投影された第2固定部33Bとは、回転軸線L1周りに90度以上、180度以下ずれている。
【0040】
さらに、図5に示すように、回転軸線L1を含み、かつ、当該回転軸線L1方向と平行な第2仮想面S2に投影された第1固定部33Aと、当該第2仮想面S2に投影された第2固定部33Bとは、索体3の最小曲げ半径寸法R2以上を離隔している。
【0041】
なお、本実施形態では、第1固定部33Aと第2固定部33Bとのずれ角は略180度である。このため、第1固定部33Aと第2固定部33Bとの離隔長さは、最小曲げ半径寸法R2の略2倍である。
【0042】
3.本実施形態に係る索体巻取装置の特徴
本実施形態では、索体3のうち巻取部5A内に収納された部位は、屈曲部31及び螺旋部32を有している。そして、屈曲部31は、接続部9から回転軸線L1方向他端側に延びて当該他端側で屈曲して略U字状に屈曲している。螺旋部32は、屈曲部31から接続部9側に向けて螺旋状に屈曲しながら延びて巻取部5Aの外周側から巻取部5Aの外側に至るように螺旋状の屈曲している。
【0043】
これにより、本実施形態では、巻取ドラム5の大型化を抑制しつつ、巻取部5A内にエルボ等の管継ぎ手を設けることなく、索体3の延び方向を略90度曲げることが可能となる。
【0044】
本実施形態では、複数のロータバー5Cのうち少なくとも1本が着脱自在であるので、索体3と接続部9との接続作業又は取外作業を容易に行うことができる。したがって、索体巻取装置1の組立作業性及びメンテナンス作業性を向上させることができる。
【0045】
ところで、索体3が送り出される際には、図1の矢印で示すように、巻取ドラム5の前方側は下方側に向けて回転する。このため、巻取部5Aに巻かれていた索体3が全て送り出された状態で巻取部5Aが更に正転し続けると、索体3は下方側に移動してスイッチバー7Bを下方側に押圧する。
【0046】
このときに、本実施形態では、駆動源7が正転しているときに、スイッチバー7Bが下がると、駆動源7の回転が停止するように構成されているので、巻取部5Aが過度に正転し続けることを未然に防止でき得る。
【0047】
本実施形態では、内側ロータバー5Cは、その他のロータバー5Cに比べて内側に位置していることを特徴としている。これにより、索体3(螺旋部32)が巻取部5Aの内周側から巻取部5Aの外周側に至る部位において、局所的に索体3が大きく屈曲してしまうことを抑制できる。
【0048】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、駆動源7として電動モータを採用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、油圧モータや内燃機関等の熱機関を用いてもよい。
【0049】
上述の実施形態では、チェーン7Aにて駆動源7の駆動力を巻取ドラム5に伝達したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、Vベルトや歯付きベルト、若しくはドライブシャフトや歯車等を介して伝達する、又は巻取ドラム5の軸端に駆動源7を配設して巻取ドラム5を直接駆動する等してもよい。
【0050】
上述の実施形態に係る巻取部5Aは、複数のロータバー5Cにより構成されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば円筒状の部材にて巻取部5Aを構成し、索体3と接続部9との接続作業又は取外作業を行うための穴部を当該円筒状の部材に設けてもよい。
【0051】
なお、屈曲部31及び螺旋部32の範囲は、図4図6に示す範囲に限定されるものではない。つまり、図4図6に示す屈曲部31及び螺旋部32の範囲は、本発明の一例である。このため、例えば、屈曲部31の範囲と螺旋部32の範囲とが一部重複する場合もあり得る。
【0052】
また、本発明は、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0053】
1… 索体巻取装置 3… 索体 5… 巻取ドラム 5A… 巻取部
5B… フランジ部 5C… ロータバー 7… 駆動源 7A… 動力伝達部材
7B… スイッチバー 7C… リミットスイッチ 7D… 天秤棒 7E… 錘部
7A… チェーン 9… 接続部 9A… 継手部 9B… 回転継手
11… フレーム 11A… 軸受部 31… 屈曲部 32… 螺旋部
33A… 第1固定部 33B… 第2固定部 33C… 第2固定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8