(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1のベースと前記第1のプレート、又は前記第2のベースと前記第2のプレートは、前記第1のプレート又は前記第2のプレートの長手方向の両端側にある両端締結部材と該両端締結部材の間にある中間締結部材とから構成される締結部材によって締結されており、
前記係合部又は前記被係合部は、前記中間締結部材の近傍に配置されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の収納容器。
前記側壁は、前記第1のプレート又は前記第2のプレートに一部を固定され、前記第1のプレート又は前記第2のプレートから、前記第1の壁と前記第2の壁と前記側壁とによって形成された収納空間側に引き出されており、
前記締結部材は、前記第1のプレート又は前記第2のプレートにおいて中心よりも前記収納空間側の逆側に配設されていることを特徴とする請求項4に記載の収納容器。
前記肉厚部は、前記係合部が形成された前記第1のプレート又は前記第2のプレートにおける前記係合部が突出する側の反対側に形成されており、前記第1のベース又は前記第2のベースのいずれか一部に当接して、前記第1のプレート又は前記第2のプレートが前記第1のベース又は前記第2のベースに取り付けられる位置を定める位置決め部として機能することを特徴とする請求項6に記載の収納容器。
前記第1の壁又は前記第2の壁における前記第1のプレート又は前記第2のプレートによって前記側壁を挟持している部分の近傍には、前記側壁の一部を収容する窪み部が設けられていることを特徴とする請求項2乃至7のいずれか一項に記載の収納容器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に示された荷物箱は、フラップを折り曲げることによってのみで折り畳み状態を保持しているため、経年使用することにより、好適に折り畳み状態を維持するのが困難となっていた。
また、折り畳み状態を保持するために別個の締結具を用いるようにすると、使い勝手が悪くなってしまう。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、折り畳み状態を好適に維持可能な収納容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題は、本発明に係る収納容器によれば、車両の部品に取り付けられる収納容器であって、前記部品に取り付けられる
前壁と、
前記前壁に回動可能に接続され、前記
前壁に対して折り畳み可能な
底壁と、前記
前壁と前記
底壁とに接続された可撓性部材を有する側壁と、
前記底壁に対し前記前壁とは反対側において、回動可能に接続された後壁と、を備え、
前記前壁に対して、前記底壁及び前記後壁を当接させて折り畳んだ状態において、前記前壁の短手方向の長さと、前記底壁及び前記後壁のそれぞれの短手方向の長さの合計とが略等しいことにより解決される。
【0007】
上記構成のように、収納容器が、第1の壁と第2の壁と側壁とを備え、第1の壁又は第2の壁の一方には、係合部が一体的に形成されており、他方には、係合部に係合する被係合部が形成されていることで、係合部と被係合部が係合することで収納容器の折り畳み状態を安定的に維持することができる。
なお、本発明において係合とは、収納容器を折り畳み状態から使用状態に変える際に、抵抗力が生じるように係わり合う関係をいう。
【0008】
また、前記課題は、車両の部品に取り付けられる収納容器であって、前記部品に取り付けられる第1の壁と、該第1の壁に回動可能に接続され、前記第1の壁に対して折り畳み可能な第2の壁と、前記第1の壁と前記第2の壁とに接続された可撓性部材を有する側壁と、を備え、前記第1の壁又は前記第2の壁の一方には、係合部が一体的に形成されており、他方には、該係合部に係合する被係合部が形成され、前記第1の壁は、第1のベースと、該第1のベースにおける折り畳み状態において前記第2の壁に対向する面上に取り付けられ、前記第1のベースとの間で前記側壁の第1の端末を挟持する第1のプレートと、を有し、前記第2の壁は、第2のベースと、該第2のベースにおける前記第1の壁に折り畳み状態において対向する面上に取り付けられ、前記第2のベースとの間で前記側壁の第2の端末を挟持する第2のプレートと、を有し、前記係合部が前記第1のプレート又は前記第2のプレートの一方に一体的に形成されており、前記被係合部が他方に形成されている
ことにより解決される。
上記構成によれば、第1のベースと第1のプレートとの間、及び第2のベースと第2のプレートの間に側壁を挟持できるとともに、第1のプレート又は第2のプレートのいずれか一方に係合部、他方に被係合部を形成することで、部品点数の増加を避けることができる。
【0009】
また、前記係合部は、凸部から成り、前記第1のプレートと前記第2のプレートのうち薄い方に形成されており、前記被係合部は、凹部から成り、前記第1のプレートと前記第2のプレートのうち厚い方に形成されていると好ましい。
上記構成によれば、凸部である係合部近傍の厚みを抑えつつ、凹部である被係合部近傍の強度を確保できる。
【0010】
更に、前記第1のベースと前記第1のプレート、又は前記第2のベースと前記第2のプレートは、前記第1のプレート又は前記第2のプレートの長手方向の両端側にある両端締結部材と該両端締結部材の間にある中間締結部材とから構成される締結部材によって締結されており、前記係合部又は前記被係合部は、前記中間締結部材の近傍に配置されていると好ましい。
上記構成によれば、中間締結部材の近傍に係合部又は被係合部が配設されていることにより係合部又は被係合部の取付剛性を高めることができる。
【0011】
また、前記係合部が形成された前記第1のプレート又は前記第2のプレートにおける前記係合部を支持する部分は、周囲に比べて肉厚に形成された肉厚部であると好ましい。
上記構成によれば、係合部を支持する部分が周囲に比べて肉厚に形成されていることで、係合部の剛性を一層高めることができる。
【0012】
更に、前記肉厚部は、前記係合部が形成された前記第1のプレート又は前記第2のプレートにおける前記係合部が突出する側の反対側に形成されており、前記第1のベース又は前記第2のベースのいずれか一部に当接して、前記第1のプレート又は前記第2のプレートが前記第1のベース又は前記第2のベースに取り付けられる位置を定める位置決め部として機能すると好ましい。
上記構成によれば、肉厚部が、前記第1のプレート又は前記第2のプレートの第1のベース又は第2のベースへの取付位置を定める位置決め部として機能するので、第1のプレート又は第2のプレートを第1のベース又は第2のベースに組み付ける作業が容易となる。
【0013】
また、前記側壁は、前記第1のプレート又は前記第2のプレートに一部を固定され、前記第1のプレート又は前記第2のプレートから、前記第1の壁と前記第2の壁と前記側壁とによって形成された収納空間側に引き出されており、前記締結部材は、前記第1のプレート又は前記第2のプレートにおいて中心よりも前記収納空間側の逆側に配設されていると好ましい。
上記構成によれば、側壁は、第1のプレート又は第2のプレートに一部を固定され、第1のプレート又は第2プレートから、第1の壁と第2の壁と側壁とによって形成された収納空間側に引き出されており、締結部材が、第1のプレート又は第2のプレートにおいて中心よりも前記収納空間側の逆側に配設されていることで、側壁に締結部材が干渉することを抑制できる。
【0014】
更に、前記第1の壁又は前記第2の壁における前記第1のプレート又は前記第2のプレートによって前記側壁を挟持している部分の近傍には、前記側壁の一部を収容する窪み部が設けられていると好ましい。
上記構成によれば、窪み部が形成されていることにより、収納容器を折り畳んだ状態において側壁の厚みによって収納容器全体が厚くなることを抑制することができる。
【0015】
また、前記被係合部は、少なくとも2枚の断片と、該2枚の断片の隙間を閉じる方向に弾性力を付加する金属材料とを備え、前記係合部は、前記2枚の断片の隙間に挿入されて係合すると好ましい。
上記構成によれば、被係合部が弾性を有する金属材料を備えることで、被係合部の弾性変形量が大きくなり、係合部と被係合部との係合強度が大きくなる。
【0016】
また、前記課題は、本発明に係る収納容器によれば、車両の部品に取り付けられる収納容器であって、前記部品に取り付けられる第1の壁と、該第1の壁に回動可能に接続され、前記第1の壁に対して折り畳み可能な第2の壁と、前記第1の壁と前記第2の壁とに接続された可撓性部材を有する側壁と、前記側壁に接続され、前記第2の壁に対して折り畳み可能に接続された第3の壁と、を備え、前記第1の壁又は前記第2の壁の一方には、係合部が一体的に形成されており、他方には、該係合部に係合する被係合部が形成され、前記側壁に接続され、前記第2の壁に対して折り畳み可能に接続された第3の壁を備え、該第3の壁は、前記第2の壁における前記第1の壁が接続されている側の逆側に回動可能に接続されている
ことにより解決される。
上記構成によれば、第3の壁を備えることによって、安定的に収納物を保持できるとともに、第1の壁と第2の壁を折り畳むことに伴って、可撓性部材を有する側壁に接続された第3の壁が折り畳まれるため、係合部を被係合部に係合させることのみで、第3の壁の折り畳み状態を維持することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、第1のプレート及び第2のプレートによって側壁を挟持できるとともに、折り畳み状態を安定的に維持することができ、係合部及び被係合部が第1のプレート又は第2のプレートから外れることを回避することができる。
また、本発明によれば、凸部である係合部近傍の厚みを抑えつつ、凹部である被係合部近傍の強度を確保できる。
また、本発明によれば、係合部又は被係合部の取付剛性を高めることができる。
また、本発明によれば、係合部が形成された第1のプレート又は第2のプレートを第1のベース又は第2のベースに組み付ける作業が容易となる。
また、本発明によれば、側壁に締結部材が干渉することを抑制できる。
また、本発明によれば、収納容器全体が厚くなることを抑制することができる。
また、本発明によれば、被係合部の弾性変形量が大きくなり、係合部と被係合部との係合強度が大きくなる。
また、本発明によれば、安定的に収納物を保持でき、第1の壁と第2の壁を折り畳むことに伴って、可撓性部材を有する側壁に接続された第3の壁が折り畳まれるため、第3の壁の折り畳み状態を維持することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本願発明の実施形態に係る収納容器1について、図面を参照して説明する。まず、収納容器1の全体の概略構成について、
図1〜
図3を参照して説明する。ここで
図1は、本実施形態に係る収納容器1を示す後ろ側斜視図、
図2は、収納容器1を折り畳んだ状態を示す側面図、
図3は、収納容器1における
図1のIII-III断面を示す図である。
【0020】
収納容器1は、車両におけるシートバック、ドアトリム又は荷室の仕切り壁等の図示せぬ部品に取り付けられて、乗員の荷物などを収納するものである。
収納容器1は、部品に取り付けられる前壁2と、前壁2の下側端部に接続された底壁4と、底壁4における前壁2が接続されている側の逆側に接続された後壁3と、から構成される。より具体的には、前壁2は、鉛直方向であるZ方向から約10〜30度だけ後壁3側に傾いた方向(斜め上方向ともいう、以下同じ)に延在している。また、底壁4は、使用状態において下側端部からY方向(後ろ方向ともいう、以下同じ)に延在し、後壁3は、斜め上方向に使用状態において底壁4の後ろ側端部から延在している。
【0021】
なお、
図1等に示すX方向は、水平面上の一方向、Y方向は、水平面上にありX方向に垂直な方向、Z方向は、X方向及びY方向に垂直な方向を指す。また、使用状態とは、収納容器1を使用する状態のことをいい、収納容器1内に物を収納可能なように収納容器1が開かれた状態のことをいう。
【0022】
前壁2は、本願発明に係る第1の壁に相当し、収納容器1を車内の部品に取り付けるためのものである。前壁2は、樹脂製であり板状である前ベース11を基礎として構成されている。
前ベース11は、本発明に係る第1のベースに相当し、部品に取り付けられる部位であり、Y方向に厚みを有し、斜め上方向を短手方向、X方向を長手方向として延在している。
【0023】
更に、前壁2は、前ベース11のX方向の両端側において、使用状態においてY方向の後述する後壁3側に取り付けられて斜め上方向に延在する前プレート13を2枚備える。
2枚の前プレート13は、本発明に係る第1のプレートに相当し、後述する可撓性部材を有する2枚の側壁5のそれぞれの端末を前ベース11との間で挟持した状態で、締結ネジ14によって前ベース11にそれぞれ締結されている。なお、前プレート13にはネジ穴部11cが形成されており、前ベース11を挿通する締結ネジ14によって、前ベース11と前プレート13とが固定される。
【0024】
そして、前壁2の収納空間に面する側における2枚の側壁5の間には、化粧カバー16が取り付けられている。化粧カバー16は、車内の部品に取り付けるための取付具を収納空間側から覆って外観を良好にするためのものであり、図示せぬ複数のスナップフィットによって取り付けられている。
【0025】
底壁4は、本願発明に係る第2の壁に相当し、収納容器1に収納される収納物を下方から支持するためのものである。底壁4は、樹脂製であり板状である底ベース51を基礎として構成されている。
底ベース51は、本発明に係る第2のベースに相当し、前ベース11の下端側に前−底連結部30を介して一体的に接続されており、使用状態においてZ方向に厚みを有し、Y方向を短手方向、X方向を長手方向として延在している。
【0026】
図2に示す前−底連結部30は、薄肉ヒンジであり、前ベース11及び底ベース51の長手方向(X方向)の長さと略等しい長さで、前ベース11と底ベース51とに一体的に形成されている。
【0027】
更に、底壁4は、底ベース51におけるX方向の両端側に、使用状態においてZ方向上側に取り付けられてY方向に延在する底プレート53を2枚備える。
2枚の底プレート53は、本発明に係る第2のプレートに相当し、後述する可撓性部材を有する2枚の側壁5のそれぞれの端末を底ベース51との間で挟持した状態で、締結ネジ54によって底ベース51にそれぞれ締結されている。更に、底プレート53には、前壁2側であるZ方向に突出する係合突起56が一体的に形成されている。この係合突起56は、前プレート13において対応する位置に形成された後述する係合凹部20と係合して、収納容器1の折り畳まれた状態を保持するものである。
【0028】
後壁3は、本願発明に係る第3の壁に相当し、収納容器1に収納される収納物を後方から支持するためのものである。後壁3は、樹脂製であり板状である後ベース31を基礎として構成されている。
後ベース31は、本発明に係る第3のベースに相当し、底ベース51のY方向後端側に
図2に示す底−後連結部70を介して一体的に接続されており、使用状態においてY方向に厚みを有し、Z方向を短手方向、X方向を長手方向として延在している。
【0029】
底−後連結部70は、薄肉ヒンジであり、後ベース31及び底ベース51の長手方向(X方向)の長さと略等しい長さで、後ベース31と底ベース51と一体的に形成されている。
【0030】
更に、後壁3は、後ベース31におけるX方向の両端側に、使用状態において前側に取り付けられて斜め上方向に延在する後プレート33を2枚備える。
2枚の後プレート33は、本発明に係る第3のプレートに相当し、後述する可撓性部材を有する2枚の側壁5のそれぞれの端末を後ベース31との間で挟持した状態で、
図3に示す締結ネジ34によって後ベース31にそれぞれ締結されている。
【0031】
側壁5は、収納容器1に収納される収納物を側方(X方向)から支持するためのものである。側壁5は、樹脂製であり可撓性を有して形成されており、上記のようにその端末を前壁2、後壁3及び底壁4に接続固定されている。
【0032】
上記のように構成された前ベース11、後ベース31、底ベース51、前−底連結部30及び底−後連結部70は、ブロー成形によって一体的に形成されており、生産効率が高められている。このブロー成形によって、前ベース11に中空部11a、後ベース31に中空部31a、底ベース51に中空部51aが形成されており、軽量化が図られている。
【0033】
また、収納容器1を折り畳んだ状態、換言すると、前−底連結部30を屈曲させて、前壁2と底壁4とが当接する状態であって、底−後連結部70を屈曲させて、後壁3と底壁4とが当接する状態では、
図2に示すように、底プレート53に前プレート13と後プレート33とが当接した状態となる。
そして、後ベース31のZ方向長さと、前ベース11のZ方向長さの合計は、底ベース51のY方向長さと略等しく形成されていると好ましい。このように形成されていると、
図2に示す収納容器1を折り畳んだときに、前ベース11と後ベース31とが隣接した状態となるため空間が有効に活用される。
【0034】
更に、
図2に示すように、後ベース31における後プレート33に接する面の逆側の外面には外表皮41が形成され、底ベース51における底プレート53に接する面の逆側の外面には外表皮61が形成されている。
この外表皮41,61は、ニードルパンチを原反とし、前ベース11、後ベース31及び底ベース51と共に加熱軟化させて一体的にブロー成形することにより形成されている。
【0035】
次に、
図1〜
図3に加え、
図4〜
図9を参照して、前壁2と底壁4との係合部分に関わる詳細について説明する。ここで、
図4は、後壁3における
図1のIV-IV断面を示す図、
図5は、前壁2における
図1のV-V断面を示す図、
図6は、底壁4における
図1のVI-VI断面を示す図、
図7は、底プレート53を取り外した状態の収納容器1の一部を示す上面図、
図8は、底プレート53を示す斜視図、
図9は、前プレート13を取り外した状態の収納容器1の一部を示す背面図である。
【0036】
(係合突起56について)
底プレート53には、
図3及び
図6に示すように、使用状態においてZ方向に突出する係合突起56が一体的に形成されている。係合突起56は、本発明に係る係合部及び凸部に相当し、
図2に示す折り畳み状態において、前プレート13に形成された
図5に示す係合凹部20に係合して折り畳み状態を維持すものである。
【0037】
係合突起56は、使用状態におけるX−Z面においてZ方向に長軸、X方向に短軸を有する楕円形状を含み、Y方向に延在している。
係合突起56は、収納容器1が折り畳まれた状態において、前プレート13の中央近傍に形成された後述する係合凹部20に係合する位置に形成されている。
底プレート53において、係合突起56が突出している側の逆側、
図3においてZ方向下側には、突出部53aが形成されている。突出部53aは、本発明に係る肉厚部及び位置決め部に相当し、底プレート53の剛性を高めるための部位であり、また、後述する
図7又は
図8を参照して説明する底ベース51に対する位置決めするための部位である。突出部53aは、具体的には、X方向に厚みを有して、短手側をZ方向、長手側をY方向とする一つの壁に、垂直な二つ壁が所定の間隔を置いて交差する形状を有する。このような形状の突出部53aは、軽量で高い剛性を備えるものとなる。
【0038】
(締結ネジ14,34,54による締結について)
図1及び
図3に示すように、前ベース11のX方向両端側に配設された2枚の前プレート13のそれぞれは、長手方向に配された2本の締結ネジ14によって板厚方向にねじ止めされている。
また、底ベース51のX方向両端側に配設された2枚の底プレート53のそれぞれは、長手方向に配された3本の締結ネジ54によって板厚方向にねじ止めされている。
同様に、後ベース31のX方向両端側に配設された2枚の後プレート33のそれぞれは、長手方向に配された2本の締結ネジ34によって板厚方向にねじ止めされている。
【0039】
そして、前プレート13、底プレート53又は後プレート33におけるそれぞれに通された締結ネジ14,34,54の配置は、X方向において収納空間側の逆側である。このように、締結ネジ14,34,54が配置されていることにより、前プレート13、底プレート53、後プレート33からX方向において収納空間側に引き出された側壁5に干渉することを制限できる。なお、締結ネジ14,34,54と同様に、前プレート13、後プレート33におけるそれぞれに形成された係合突起56又は係合凹部20の配置も、X方向において収納空間側の逆側である。
【0040】
また、前ベース11における前プレート13に取り付けられる部分に対向する部位であって、収納空間に面する側には、周囲より低く形成された窪み部18cが形成されており、同様に、底ベース51における底プレート53に取り付けられる部分に対向する部位であって、収納空間に面する側には、周囲より低く形成された窪み部58cが形成されており、後ベース31にも同様に図示せぬ窪み部が形成されている。
このように前ベース11、後ベース31及び底ベース51に窪み部18c,58c等が形成されていることで、側壁5の端末部の肉厚の部分を、前ベース11、後ベース31及び底ベース51と、前プレート13、後プレート33及び底プレート53との間に好適に収容できることとなる。
そして、上記のように締結ネジ14,34,54は、前プレート13、後プレート33、底プレート53におけるX方向上、収納空間側の逆側に配置されて固定されていることで、窪み部18c,58c等によって前ベース11、後ベース31又は底ベース51の薄肉なる部分を避けて、締結ネジ14,34,54を安定して固定できることとなる。
【0041】
また、底ベース51を締結する3本の締結ネジ54のうち、真ん中の1本の締結ネジ54は、本発明に係る中間締結部材に相当し、係合突起56の近傍に配設されている。このように配設されていることで、係合突起56の近傍の剛性が高められ、係合に影響がでることを防止することができる。更に、3本の締結ネジ54と係合突起56とは同一直線状にあると好ましい。このように配置されていることで底プレート53に曲げ応力が生じることを抑制することができる。
【0042】
(係合凹部20について)
係合凹部20は、本発明に係る被係合部及び凹部に相当し、
図5に示すように、対向して設けられた2枚の断片20aと、断片20aに弾性力を付加する弾性材料から成る金属部材である弾性補強部20bと、から構成されている。
2枚の断片20aは、係合突起56を受け入れ可能なように、所定の間隔で離間して形成されている。弾性補強部20bは、断面略C字状に形成されており、2枚の断片20aを覆うように配設されている。弾性補強部20bは、係合突起56が断片20aの隙間に挿入されたときにその隙間を閉じる方向に弾性力を付加する。係合凹部20は、弾性補強部20bを備えることで、断片20aの弾性変形後の復元力が大きくなり、係合突起56との係合強度が大きくなる。
【0043】
そして、前ベース11における前プレート13が取り付けられる部位には、
図5に示すようにY方向の前方に突出する前肉厚部19が形成されている。そして、前ベース11は、
図6に示す底ベース51の厚さよりも厚く形成されている。このように前肉厚部19が形成されていることで、前プレート13の係合凹部20が前ベース11側に掘り下げられて形成されていても、前プレート13の肉厚が確保され、剛性を保つことができる。
【0044】
(前プレート13、後プレート33又は底プレート53の位置決めについて)
次に、前プレート13と前ベース11、後プレート33と後ベース31、及び底プレート53と底ベース51との取付位置の位置決めについて、
図7〜
図9を参照して説明する。
【0045】
底プレート53には、上記のように、係合突起56が突出している側の逆側に突出部53aが形成されている。このように形成されていることで、係合突起56が係合凹部20に係合することで応力の生じやすい部分が肉厚になり、その支持剛性を高めることができる。
更に、底プレート53の突出部53aからX方向に所定距離だけ離れた位置に突出部53bが形成されている。突出部53bは、突出部53aを水平面において約90度回転させた形状と略同一形状を有する。
底ベース51には、底プレート53が取り付けられたときに突出部53a,53bのそれぞれの位置に対応する位置に位置決め溝58a,58bがそれぞれ形成されている。位置決め溝58a、58bは、突出部53a,53bのそれぞれを収納可能な大きさでそれぞれ形成された略直方体状の溝から成る。
【0046】
底プレート53は、突出部53a,53bが位置決め溝58a,58bに嵌る又は当接することによって、底ベース51の所定の位置に位置決めされる。そして、底ベース51のネジ穴部51c,51d,51eのそれぞれの同心上に、底プレート53に形成された挿通孔53c,53d,53eが位置することとなる。このため、締結ネジ54を挿通孔53c,53d,53eに通してネジ穴部51c,51d,51eに留める作業が容易となる。
【0047】
なお、上記の位置決めは、底ベース51と底プレート53との位置決めについて例示したが、後ベース31と後プレート33との位置決めについても同様の構成を採用することが可能である。
更には、
図3に示すように締結ネジ14の取付向きの異なる前ベース11と前プレート13との位置決めについても同様に可能である。具体的には、
図9に示すように、前ベース11における前プレート13が取り付けられる部位に、位置決め溝18aを形成し、前プレート13に形成した図示せぬ突出部を嵌める又は当接させるようにする。このようにして、締結ネジ14の同心上に前プレート13の図示せぬネジ穴部を位置するようにして位置決めすることができる。
【0048】
(変形例)
上記実施形態においては、係合凹部20に係合突起56を係合させることで、前壁2と底壁4とが折り畳まれた状態を維持するものとして説明したが、本願発明はこの構成に限定されない。
変形例に係る係合突起26,66について、
図10を参照して説明する。ここで、
図10Aは、係合前段階の状態を示す模式図、
図10Bは、中間段階の状態を示す模式図、
図10Cは、係合段階の状態を示す模式図である。
【0049】
係合突起26は、弾性材料から成り、前プレート13から突出して延在しており、突出側端部26aの一部が断面円弧状に形成されている。
同様に係合突起66は、弾性材料から成り、底プレート53から突出して延在しており、突出側端部66aの一部が断面円弧状に形成されている。
係合突起26と、係合突起66は、前壁2と底壁4とを折り畳んだ状態において、突出側端部26aの断面円弧状の部位と突出側端部66aの断面円弧状の部位とが当接する向きで形成されている。
このように形成された係合突起26,66によれば、
図10Aに示す自然状態から、所定以上の荷重をかけて折り畳むことで、突出側端部26aと突出側端部66aとが当接して、相互に曲げ応力が加わり
図10Bに示す弾性変形状態となり、更に折り畳むことで
図10Cに示す自然状態となって係合状態となる。
上記の係合突起26,66のように、突起同士の係合によって、前壁2と底壁4の係合を維持するようにしてもよい。
【0050】
つまり、本発明に係る係合とは、収納容器12を折り畳み状態から使用状態に変える際に、抵抗力が生じるように係わり合う関係をいう。そして、係合は、係合突起56と係合凹部20との係わり合いよるものに限られず、係合突起26と係合突起66とによる係わり合いによっても成立する。
【0051】
上記の実施形態は、本願発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本願発明を限定するものではない。本願発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本願発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
【0052】
上記実施形態に係る収納容器1は、前壁2、後壁3、底壁4及び側壁5の4つの壁から成る構成であるものとして説明したが、この構成に本願発明は限定されない。
例えば、後壁が無く、前壁、底壁及び側壁から構成されるものとして、前壁と後壁とが開放状態でV字状に開くような構成であってもよい。
【0053】
例えば、上記実施形態においては、底壁4に係合突起56を配設し、折り畳み時に対向する前壁2に係合突起56に係合する係合凹部20を配置するものとして説明したが、両者が係合できればよく、この配置関係は逆であってもよい。
【0054】
なお、上記実施形態においては、前プレート13、後プレート33又は底プレート53と前ベース11、後ベース31又は底ベース51とは、締結ネジ54によって固定されると、固定解除が可能となるため側壁5を交換できる等メンテナンス性が良好であるがこれに限定されない。例えば、固定解除を想定しない一点もの等の場合には接着剤によって接着するようにしてもよい。
【0055】
また、前壁2と後壁3は、斜め上方向に延在するものとして説明した。この方向に延在するものであると、例えば、斜め上方向に延在するシートバックに取り付けるのに好適である。一方、シートバック以外のドアトリム、荷室の仕切り壁等に取り付ける場合には、取付部位の角度に合わせて任意に変更してもよい。更には、前壁2と後壁3は、使用状態時に平行に延出するものに限られず、上側に先細りとなるように異なる角度で延出するものであってもよい。
【0056】
また、上記実施形態においては、前壁2又は後壁4の1枚の前プレート13又は1枚の後プレート33をそれぞれ2つの締結ネジ14,34で前ベース11又は後ベース31に、底壁4の1枚の底プレート53を3つの締結ネジ54で底ベース51に固定するものとして説明したがこの構成に限定されない。締結ネジ14,34,54の数は、プレート取付の安定性を保つため2個以上が望ましく、それ以上の数は任意である。