【課題を解決するための手段】
【0008】
概要
本開示は、一部分において、アクチビン様キナーゼI(ALK1)媒介性制御系の特徴づけおよびインビボでの血管形成におけるこの系の役割を示す。一定の態様では、本開示は、ALK−1リガンドのアンタゴニストおよび抗血管新生薬としてのかかるアンタゴニストの使用を提供する。さらに、本開示は、ALK−1自体のアンタゴニストおよび抗血管新生薬としてのかかるアンタゴニストの使用を提供する。本明細書に記載されるように、ALK1は、リガンドのGDF5群(GDF6およびGDF7が含まれる)の受容体であり、リガンドのBMP9群(BMP10が含まれる)の受容体でもある。本開示は、ALK1によって媒介されるシグナル伝達および上記リガンドがインビボでの血管形成に関与し、この制御系の阻害が強い抗血管形成効果を有することを証明する。したがって、一定の態様では、本開示は、ALK1制御系のアンタゴニスト(血管形成阻害で用いる受容体または1つまたは複数のリガンドのアンタゴニストが含まれる)を提供する。一定の態様では、本開示は、癌(特に、多発性骨髄腫)、関節リウマチ、および眼における病理学的血管形成に関連する障害の治療のためのALK1リガンドのアンタゴニストを提供する。
【0009】
一定の態様では、本開示は、血管形成阻害で使用するALK1の細胞外ドメインのリガンド結合部分(「ALK1 ECDポリペプチド」)を含むポリペプチドを提供する。いかなる特定の作用機構にも拘束されることを望まないが、かかるポリペプチドはALK1リガンドへの結合ならびにこれらのリガンドがALK1および他の受容体と相互作用する能力の阻害によって作用すると予想される。一定の実施形態では、ALK1 ECDポリペプチドは、配列番号1のヒトALK1配列のアミノ酸22〜118の配列と少なくとも70%、80%、90%、95%、97%、99%、または100%同一であるアミノ酸配列を含む。ALK1 ECDポリペプチドを、特に、眼などの組織への局所投与のために小さな単量体タンパク質または二量体化形態(例えば、融合タンパク質として発現する)として使用することができる。ALK1 ECDを、第2のポリペプチド部分に融合して特性を改善することもできる(半減期の増加またはより容易な産生もしくは精製など)。免疫グロブリンのFc部分への融合またはポリオキシエチレン部分(例えば、ポリエチレングリコール)への連結は、全身投与(例えば、静脈内、動脈内、および腹腔内投与)におけるALK1 ECDポリペプチドの血清半減期の増加に特に有用であり得る。本明細書中で証明されるように、全身投与したALK1−Fcポリペプチドは眼に強い抗血管形成効果を有し、関節リウマチおよび多発性骨髄腫のマウスモデルでの好ましい効果も得られる。一定の実施形態では、ALK1−Fc融合タンパク質は、配列番号1のアミノ酸22〜118の配列と少なくとも70%、80%、90%、95%、97%、99%、または100%同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含み、このポリペプチドは、介入リンカーを使用し、または使用しないで、免疫グロブリンのFc部分に融合し、ALK1−Fc融合タンパク質は、1×10
−7M未満のK
DでGDF5、GDF7、およびBMP9に結合し、1×10
−6を超えるK
DでTGFβ−1に結合する。Fc部分を、生物に適切であるように選択することができる。任意選択的に、Fc部分は、ヒトIgG1のFc部分である。好ましい実施形態では、ALK1−Fc融合タンパク質は、配列番号1のアミノ酸22〜118を含む。任意選択的に、ALK1−Fc融合タンパク質は、配列番号3のアミノ酸配列を含む。任意選択的に、ALK1−Fc融合タンパク質は、哺乳動物細胞株、特に、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株中での配列番号4の核酸の発現によって産生されるタンパク質である。ALK1−ECDポリペプチドを、実質的に発熱物質を含まない薬学的調製物として処方することができる。薬学的調製物を、全身送達(例えば、静脈内、動脈内、または皮下送達)または局所送達(例えば、眼)のために調製することができる。
【0010】
一定の態様では、本開示は、本明細書に一般的または具体的に記載の任意のALK1 ECDポリペプチドの投与による哺乳動物における血管形成の阻害方法を提供する。1つの実施形態では、方法は、有効量のALK1−Fc融合タンパク質を哺乳動物に投与する工程であって、ALK1 Fc融合タンパク質が配列番号1のアミノ酸22〜118の配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含み、ポリペプチドが免疫グロブリンのFc部分に融合し、ALK1−Fc融合タンパク質が1×10
−6を超えるK
DでTGFβ−1に結合する工程を含む。任意選択的に、ALK1−Fc融合タンパク質は、GDF5、GDF6、GDF7、BMP9、およびBMP10からなる群から選択される1つまたは複数のALK1リガンドに結合する。任意選択的に、ALK1−Fc融合タンパク質は、配列番号3の配列を有する。ALK1 ECDポリペプチドを、局所(例えば、眼)または全身(例えば、静脈内、動脈内、または皮下)に送達することができる。特定の実施形態では、本開示は、哺乳動物の眼から離れた場所へのALK1−Fcタンパク質の投与(例えば、全身投与)による哺乳動物の眼の血管形成の阻害方法を提供する。
【0011】
一定の態様では、本開示は、ALK1、特に、細胞外ドメイン中に存在するエピトープ(配列番号1のアミノ酸22〜118)に結合し、GDF5、GDF6、GDF7、BMP9、およびBMP10からなる群から選択される少なくとも1つのALK1リガンドへのALK1の結合を阻害する抗体を提供する。これらのリガンドのALK1に対する親和性に基づいて、抗体は、5×10
−8M未満、任意選択的に、5×10
−8と1×10
−10との間のK
Dで結合することができる。この範囲内の親和性を有する抗体は、1つまたは複数のGDF5、6、および7によるシグナル伝達を阻害する一方で、BMP9および10によるシグナル伝達による影響が少ない予想されるであろう。かかる抗体は、好ましくは、GDF5、GDF6、およびGDF7からなる群から選択される少なくとも1つのALK1リガンドによって刺激された血管形成を阻害する。特定の機構に拘束されるのを望まないが、かかる抗体は、ALK1活性の直接的阻害によって作用すると予想され、ALK1リガンドの活性を阻害すると予想されるALK1−Fc融合タンパク質の活性と対照的なはずである。抗ALK1抗体は、GDF5、GDF6、GDF7、BMP9、またはBMP10が別の受容体系(BMPR1a、BMPR1b、およびBMPRII複合体など)によってシグナル伝達する能力を妨害しないと予想される。しかし、抗ALK1抗体は、ALK1 ECDがかかる低親和性リガンドを結合または阻害することができないにもかかわらず、ALK1の低親和性リガンド(例えば、結合が比較的弱いにもかかわらず、ALK−1を介した有意なシグナル伝達事象の誘発として一般に認識されるTGF−β)がALK1を介してシグナル伝達する能力を妨害すると予想される。抗体は、1×10
−10M未満のK
DでALK1ポリペプチドに結合することができる。この範囲内の親和性の抗体は、BMP9または10によるシグナル伝達を阻害すると予想されるであろう。かかる抗体は、好ましくは、BMP9およびBMP10のALK1への結合を阻害する。とりわけ、本明細書に開示のデータに基づいて、ALK1に比較的弱く結合する抗体は、ALK1へのTGFβ結合を阻害することができる一方で、GDF5またはBMP9などのより強く結合するリガンドを阻害することができない。本明細書に記載の抗体は、好ましくは、組換え抗体(分子生物学技術を使用して構築された核酸から発現した抗体(ヒト化抗体または単鎖抗体から発生した全ヒト抗体など)を意味する)である。Fv、Fab、および単鎖抗体も、用語「組換え抗体」の範囲内に含まれる。抗体はまた、ポリクローナル抗体または非組換えモノクローナル抗体(ヒトまたはマウス形態およびトランスジェニックマウスから得たヒト抗体が含まれる)であり得る。抗体およびALK1−ECDポリペプチドを、実質的に発熱物質を含まない薬学的調製物として処方することができる。薬学的調製物を、全身送達(例えば、静脈内、動脈内、または皮下送達)または局所送達(例えば、眼)のために調製することができる。
【0012】
一定の態様では、本開示は、本明細書に記載のALK1ポリペプチドに結合する有効量の抗体を、全身または特異的に哺乳動物に投与することによる哺乳動物における血管形成の阻害方法を提供する。この目的に有用な抗体は、ALK1の細胞外ドメイン(例えば、配列番号1のアミノ酸22〜118からなるポリペプチドに結合する)またはALK1の別の部分に結合することができる。抗体は、配列番号1のアミノ酸22〜118からなるポリペプチドに結合することができ、GDF5、GDF6、GDF7、BMP9、およびBMP10からなる群から選択される少なくとも1つのALK1リガンドの結合を阻害する。抗体は、5×10
−8M未満、任意選択的に、5×10
−8と1×10
−10との間のK
DでALK1ポリペプチドに結合することができる。抗体は、GDF5、GDF6、およびGDF7からなる群から選択される少なくとも1つのALK1リガンドによって刺激される血管形成を阻害することができる。BMP9または10によるシグナル伝達と比較してGDF5、6、または7によって媒介されるシグナル伝達を選択的に阻害する抗体を、GDF5、6、または7が局在する組織(主に、骨または関節)で起こる血管形成の選択的阻害剤として使用することができる。抗体は、1×10
−10M未満のK
DでALK1ポリペプチドに結合することができる。抗体は、ALK1リガンドへのALK1結合を阻害することができ、ALK1リガンドは、BMP9およびBMP10からなる群から選択される。抗ALK1抗体を、局所(例えば、眼)または全身(例えば、静脈内、動脈内、または皮下)に送達することができる。特定の実施形態では、本開示は、抗ALK1抗体の投与による哺乳動物の眼における血管形成の阻害方法を提供する。別の特定の実施形態では、本開示は、多発性骨髄腫患者の治療方法を提供する。特定の実施形態では、本開示は、複数の血管新生促進因子(VEGF、PDGF、および/またはFGFなど)の結果としての病理学的血管形成に関連する障害における血管形成の阻害方法を提供する。
【0013】
一定の態様では、本開示は、本明細書に開示のALK1リガンドに結合してALK1リガンドのALK1への結合を阻害する抗体を提供する。いかなる特定の作用機構にも拘束されることを望まないが、ALK1リガンドに結合する抗体が事実上ALK1 ECDポリペプチドに類似する効果を有すると予想される。これは、両方の型の作用因子が受容体自体よりもむしろリガンドに結合するからである。一定の実施形態では、抗体は、GDF5、GDF6、およびGDF7からなる群から選択されるリガンドに結合する。抗体は、5×10
−8M未満のK
DでALK1リガンドに結合することができる。抗体を、ALK1リガンドによって刺激される血管形成の阻害について選択することができる。CAMアッセイは、望ましい抗体の選択に適切なアッセイ系である。かかる抗体は、好ましくは、組換え抗体であり、実質的に発熱物質を含まない薬学的調製物として処方することができる。薬学的調製物を、全身送達(例えば、静脈内、動脈内、または皮下送達)または局所送達(例えば、眼)のために調製することができる。
【0014】
一定の態様では、本開示は、ALK1リガンドに結合してALK1リガンドのALK1への結合を阻害する抗体であって、ALK1リガンドがBMP9およびBMP10からなる群から選択される抗体を提供する。抗体は、1×10
−10M未満のK
DでALK1リガンドに結合することができる。かかる抗体は、好ましくは、組換え抗体であり、実質的に発熱物質を含まない薬学的調製物として処方することができる。薬学的調製物を、全身送達(例えば、静脈内、動脈内、または皮下送達)または局所送達(例えば、眼)のために調製することができる。
【0015】
一定の態様では、本開示は、哺乳動物の血管形成を阻害する方法であって、ALK1リガンドに結合してALK1リガンドのALK1への結合を阻害する有効量の抗体を哺乳動物に投与する工程を含み、ALK1リガンドが、GDF5、GDF6、GDF7、BMP9、およびBMP10からなる群から選択される方法を提供する。抗体は、GDF5、GDF6、およびGDF7からなる群から選択される少なくとも1つのALK1リガンドによって刺激される血管形成を阻害することができる。
【0016】
BMP/GDFファミリーのメンバー(BMP9、BMP10、GDF5、GDF6、およびGDF7が含まれる)は、I型およびII型受容体に結合して機能的なシグナル伝達複合体を形成する。これらの受容体の結合部位は異なる。したがって、一定の実施形態では、ALK1リガンドに結合してリガンドのALK1への結合を阻害する抗体は、リガンドのI型受容体結合部位またはその付近に結合する抗体である。
【0017】
一定の態様では、本開示は、本明細書に開示のALK1シグナル伝達系の他の阻害剤の投与による哺乳動物の血管形成の阻害方法を提供する。かかる阻害剤には、ALK1、GDF5、GDF6、GDF7、BMP9、またはBMP10の産生を減少させる核酸(例えば、アンチセンスまたはRNAi構築物)が含まれ得る。種々の親和性結合試薬(アプタマー、ランダムペプチド、選択した標的に結合するように修飾することができるタンパク質足場(かかる足場の例には、アンチカリン(anticalin)およびFNIIIドメインが含まれる)など)も使用することができる。いずれの場合にも、親和性結合試薬を、ALK1−リガンド相互作用の破壊または結合後に起こるシグナル伝達の阻害のいずれかによって本明細書に開示のALK1制御系を破壊する能力について選択されるであろう。
【0018】
さらなる実施形態では、本開示は、ALK1制御系のレギュレータとしてのDANの役割を記載する。本明細書に示されるように、DNAは、リガンドのGDF5群に結合するが、リガンドのBMP9群に結合できない。したがって、DANは、GDF5、GDF6、またはGDF7によって媒介される血管形成を阻害するが、BMP9またはBMP10によって媒介される血管形成を阻害しないと予想される。したがって、DANを、タンパク質のGDF5群が主に発現する骨または関節における血管形成のための選択的阻害剤として使用することができる。したがって、一定の実施形態では、本開示は、骨または関節の血管形成(関節リウマチおよび骨または関節に関与する癌(例えば、多発性骨髄腫および骨転移)が含まれる)の文脈における抗血管新生薬として使用するためのDANタンパク質を提供する。DANタンパク質は、一般に、GDF5、GDF6、およびGDF7からなる群から選択される1つまたは複数のALK1リガンドに結合する一方で、BMP9またはBMP10への結合は比較的低いであろう。DANタンパク質は、配列番号10のアミノ酸17〜180に対応するアミノ酸配列(成熟ヒトDAN)または配列番号10のアミノ酸21〜125(DANの保存システインknotドメイン)の配列と少なくとも70%、80%、90%、95%、97%、99%、または100%同一であるアミノ酸配列を含むことができる。DANタンパク質は、その相補物がストリンジェントなハイブリッド形成条件下で配列番号11のヌクレオチド153〜467または同一のコード配列を有する配列番号11のヌクレオチド153〜467の変異体(「静的」変異体(トリプレットコード中のゆらぎ位置に1つまたは複数の変更を含む変異体など))、または配列番号11のヌクレオチド93〜635またはその静的変異体とハイブリッド形成する配列を含む核酸によってもコードされ得る。一定の態様では、DANタンパク質は、Fc融合タンパク質などの融合タンパク質である。DANが骨および関節における血管形成(骨または関節中に存在する腫瘍(多発性骨髄腫および骨転移など)が含まれる)の阻害に特に有用であると予想されるが、他の文脈(他の場所または眼に存在する腫瘍など)でも有用であり得る。
【0019】
一定の態様では、本開示は、哺乳動物の関節リウマチを治療する方法であって、ALK1 ECDタンパク質;ALK1リガンドに結合してALK1リガンドのALK1への結合を阻害する抗体であって、ALK1リガンドがGDF5、GDF6、GDF7、BMP9、およびBMP10からなる群から選択される抗体;配列番号1のアミノ酸22〜118からなるALK1ポリペプチドに結合し、GDF5、GDF6、GDF7、BMP9、およびBMP10からなる群から選択される少なくとも1つのALK1リガンドの結合を阻害する抗体;およびDANポリペプチドからなる群から選択される有効量の薬剤を、関節リウマチを有する哺乳動物に投与する工程を含む方法を提供する。
【0020】
一定の態様では、本開示は、哺乳動物の腫瘍を治療する方法を提供する。かかる方法は、ALK1 ECDタンパク質;ALK1リガンドに結合してALK1リガンドのALK1への結合を阻害する抗体であって、ALK1リガンドがGDF5、GDF6、GDF7、BMP9、およびBMP10からなる群から選択される抗体;配列番号1のアミノ酸22〜118からなるALK1ポリペプチドに結合し、GDF5、GDF6、GDF7、BMP9、およびBMP10からなる群から選択される少なくとも1つのALK1リガンドの結合を阻害する抗体;およびDANポリペプチドからなる群から選択される有効量の薬剤を、腫瘍を有する哺乳動物に投与する工程を含むことができる。方法は、血管形成を阻害する第2の薬剤を投与する工程をさらに含むことができる。腫瘍は、白血病、骨髄腫瘍、多発性骨髄腫、または骨転移(乳癌または前立腺癌に付随する転移など)などの骨に関連する腫瘍であり得る。腫瘍はまた、複数の血管新生促進因子を使用する腫瘍(抗VEGF療法に耐性を示す腫瘍など)であり得る。
【0021】
一定の態様では、本開示は、眼科処方物を提供する。かかる処方物は、ALK1 ECDタンパク質;ALK1リガンドに結合してALK1リガンドのALK1への結合を阻害する抗体であって、ALK1リガンドがGDF5、GDF6、GDF7、BMP9、およびBMP10からなる群から選択される抗体;配列番号1のアミノ酸22〜118からなるALK1ポリペプチドに結合し、GDF5、GDF6、GDF7、BMP9、およびBMP10からなる群から選択される少なくとも1つのALK1リガンドの結合を阻害する抗体;およびDANポリペプチドからなる群から選択される薬剤を含むことができる。
【0022】
一定の態様では、本開示は、眼の血管形成関連疾患の治療方法を提供する。かかる方法は、ALK1 ECDタンパク質;ALK1リガンドに結合してALK1リガンドのALK1への結合を阻害する抗体であって、ALK1リガンドがGDF5、GDF6、GDF7、BMP9、およびBMP10からなる群から選択される抗体;配列番号1のアミノ酸22〜118からなるALK1ポリペプチドに結合し、GDF5、GDF6、GDF7、BMP9、およびBMP10からなる群から選択される少なくとも1つのALK1リガンドの結合を阻害する抗体;およびDANポリペプチドからなる群から選択される有効量の薬剤を含む薬学的処方物を全身または眼に投与する工程を含むことができる。
【0023】
各例では、本明細書に記載の薬剤を、血管形成を阻害する第2の薬剤と併せて投与することができる。腫瘍の血管形成を阻害することが望ましい場合、薬剤を、抗癌効果を有する第2の薬剤(例えば、化学療法薬または生物抗癌薬)と併せて投与することができる。
【0024】
本開示はまた、ポリペプチドが免疫グロブリンのFc部分に結合する、配列番号1のアミノ酸22〜118の配列と少なくとも97%同一であるアミノ酸配列を有するALK1−Fc融合タンパク質を含む眼科薬学的処方物であって、ALK1−Fc融合タンパク質が、1×10
−7M未満のK
Dで、GDF5、GDF7、およびBMP9に結合し、1×10
−6を超えるK
DでTGFβ−1に結合する眼科薬学的処方物を提供する。1つの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号3の配列を有する。1つの実施形態では、Fc部分は、ヒトIgG1に由来する。1つの実施形態では、融合タンパク質を、哺乳動物細胞株中の配列番号4の核酸の発現によって産生する。1つの実施形態では、細胞株は、チャイニーズハムスター卵巣細胞株である。処方物は、1つまたは複数の以下の薬物をさらに含むことができる:ペガプタニブ、ラニビズマブ、または糖質コルチコイド。1つの実施形態では、処方物は、実質的に発熱物質を含まない。
【0025】
本願はまた、配列番号1のアミノ酸22〜118からなるALK1ポリペプチドに結合し、GDF5、GDF6、GDF7、BMP9、およびBMP10からなる群から選択される少なくとも1つのALK1リガンドの結合を阻害する抗体を含む眼科薬学的処方物を提供する。1つの実施形態では、抗体は、GDF5、GDF6、およびGDF7からなる群から選択される少なくとも1つのALK1リガンドによって刺激される血管形成を阻害する。1つの実施形態では、抗体は、5×10
−8M未満のK
DでALK1ポリペプチドに結合する。別の実施形態では、抗体は、1×10
−10M未満のK
DでALK1ポリペプチドに結合する。1つの実施形態では、抗体は、GDF5、GDF6、GDF7、BMP9、またはBMP10によって刺激される血管形成を阻害する。処方物は、1つまたは複数の以下の薬物をさらに含むことができる:ペガプタニブ、ラニビズマブ、または糖質コルチコイド。1つの実施形態では、処方物は、実質的に発熱物質を含まない。
【0026】
一定の態様では、本開示は、本明細書に開示のALK1リガンドに結合してALK1リガンドのALK1への結合を阻害する抗体を含む眼科薬学的処方物を提供する。一定の実施形態では、抗体は、GDF5、GDF6、およびGDF7からなる群から選択されるリガンドに結合する。抗体は、5×10
−8M未満のK
DでALK1リガンドに結合することができる。抗体を、ALK1リガンドによって刺激される血管形成の阻害について選択することができる。CAMアッセイは、望ましい抗体の選択に適切なアッセイ系である。かかる抗体は、好ましくは、組換え抗体である。処方物は、1つまたは複数の以下の薬物をさらに含むことができる:ペガプタニブ、ラニビズマブ、または糖質コルチコイド。1つの実施形態では、処方物は、実質的に発熱物質を含まない。
【0027】
本願はまた、ポリペプチドが免疫グロブリンのFc部分に結合する、配列番号1のアミノ酸22〜118の配列と少なくとも97%同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含むALK1−Fc融合タンパク質を含む眼科薬学的処方物であって、ALK1−Fc融合タンパク質が、1×10
−7M未満のK
DでGDF5、GDF7、およびBMP9に結合し、1×10
−6を超えるK
DでTGFβ−1に結合する、眼科薬学的処方物を眼に投与する工程を含む、眼の血管形成関連疾患を治療する方法を提供する。1つの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号3の配列を有する。1つの実施形態では、Fc部分は、ヒトIgG1に由来する。1つの実施形態では、融合タンパク質を、哺乳動物細胞株中の配列番号4の核酸の発現によって産生する。1つの実施形態では、細胞株は、チャイニーズハムスター卵巣細胞株である。処方物は、1つまたは複数の以下の薬物をさらに含むことができる:ペガプタニブ、ラニビズマブ、または糖質コルチコイド。1つの実施形態では、処方物は、実質的に発熱物質を含まない。
【0028】
本願はまた、配列番号1のアミノ酸22〜118からなるALK1ポリペプチドに結合し、GDF5、GDF6、GDF7、BMP9、およびBMP10からなる群から選択される少なくとも1つのALK1リガンドの結合を阻害する抗体を含む眼科薬学的処方物を眼に投与する工程を含む、眼の血管形成関連疾患を治療する方法を提供する。1つの実施形態では、抗体は、GDF5、GDF6、およびGDF7からなる群から選択される少なくとも1つのALK1リガンドによって刺激される血管形成を阻害する。1つの実施形態では、抗体は、5×10
−8M未満のK
DでALK1ポリペプチドに結合する。別の実施形態では、抗体は、1×10
−10M未満のK
DでALK1ポリペプチドに結合する。1つの実施形態では、抗体は、GDF5、GDF6、GDF7、BMP9、またはBMP10によって刺激される血管形成を阻害する。処方物は、1つまたは複数の以下の薬物をさらに含むことができる:ペガプタニブ、ラニビズマブ、または糖質コルチコイド。1つの実施形態では、処方物は、実質的に発熱物質を含まない。
【0029】
開示の方法の1つの実施形態では、眼の血管形成関連疾患は、腫瘍、抗VEGF療法に耐性を示す腫瘍、多発性骨髄腫の腫瘍、骨に転移した腫瘍、骨または関節の炎症、関節リウマチ、糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、黄斑変性、角膜移植片拒絶、血管新生緑内障、および水晶体後線維増殖からなる群から選択される。
本発明はまた、以下の項目を提供する。
(項目1)
ポリペプチドが免疫グロブリンのFc部分に融合している、配列番号1のアミノ酸22〜118の配列と少なくとも97%同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含むALK1−Fc融合タンパク質であって、該ALK1−Fc融合タンパク質が、1×10
−7M未満のK
Dで、GDF5、GDF7、およびBMP9に結合し、1×10
−6を超えるK
DでTGFβ−1に結合するALK1−Fc融合タンパク質。
(項目2)
Fc部分がヒトIgG1のFc部分であるALK1−Fc融合タンパク質。
(項目3)
配列番号3のアミノ酸配列を含むALK1−Fc融合タンパク質。
(項目4)
哺乳動物細胞株中の配列番号4の核酸の発現によって産生されるALK1−Fc融合タンパク質。
(項目5)
哺乳動物細胞株がチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株である、項目4に記載のALK1−Fc融合タンパク質。
(項目6)
項目5に記載のALK1−Fc融合タンパク質を含む、実質的に発熱物質を含まない薬学的調製物。
(項目7)
配列番号1のアミノ酸22〜118からなるALK1ポリペプチドに結合し、GDF5、GDF6、GDF7、BMP9、およびBMP10からなる群から選択される少なくとも1つのALK1リガンドの結合を阻害する抗体。
(項目8)
抗体が5×10
−8M未満のK
DでALK1ポリペプチドに結合する、項目7に記載の抗体。
(項目9)
抗体が1×10
−10M未満のK
DでALK1ポリペプチドに結合する、項目7に記載の抗体。
(項目10)
抗体が、GDF5、GDF6、およびGDF7からなる群から選択される少なくとも1つのALK1リガンドによって刺激される血管形成を阻害する、項目8に記載の抗体。
(項目11)
抗体がBMP9およびBMP10のALK1への結合を阻害する、項目10に記載の抗体。
(項目12)
項目7に記載の抗体を含む、実質的に発熱物質を含まない薬学的調製物。
(項目13)
哺乳動物の血管形成を阻害する方法であって、有効量のALK1 ECDタンパク質を哺乳動物に投与する工程を含む方法。
(項目14)
ALK−1 ECDタンパク質がALK1−Fc融合タンパク質である、項目13に記載の方法。
(項目15)
ALK1−Fc融合タンパク質が配列番号1のアミノ酸22〜118の配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含み、ポリペプチドは免疫グロブリンのFc部分に融合しており、ALK1−Fc融合タンパク質が1×10
−6を超えるK
DでTGFβ−1に結合する、項目14に記載の方法。
(項目16)
ALK1 ECDタンパク質がGDF5、GDF6、GDF7、BMP9、およびBMP10からなる群から選択される1つまたは複数のALK1リガンドに結合する、項目13に記載の方法。
(項目17)
ALK1 ECDポリペプチドが配列番号1のアミノ酸34〜95に対応するアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、項目13に記載の方法。
(項目18)
ALK1 ECDが、ストリンジェントなハイブリッド形成条件下で配列番号2のヌクレオチド100〜285または同一のコード配列を有する配列番号2のヌクレオチド100〜285の変異体とハイブリッド形成する核酸によってコードされるアミノ酸配列を含む、項目13に記載の方法。
(項目19)
ALK1−Fc融合タンパク質が配列番号3の配列を有する、項目14に記載の方法。
(項目20)
ALK1 ECD融合タンパク質を静脈内または眼に局所送達する、項目13に記載の方法。
(項目21)
血管形成を阻害する第2の薬剤を投与する工程をさらに含む、項目13に記載の方法。
(項目22)
阻害すべき血管形成が、哺乳動物の眼内、腫瘍内、骨内、または関節内で生じる血管形成である、項目13に記載の方法。
(項目23)
配列番号1のアミノ酸22〜118からなるALK1ポリペプチドに結合し、GDF5、GDF6、GDF7、BMP9、およびBMP10からなる群から選択される少なくとも1つのALK1リガンドの結合を阻害する有効量の抗体を哺乳動物に投与する工程を含む、哺乳動物の血管形成を阻害する方法。
(項目24)
抗体が5×10
−8M未満のK
DでALK1ポリペプチドに結合する、項目23に記載の方法。
(項目25)
抗体が1×10
−10M未満のK
DでALK1ポリペプチドに結合する、項目23に記載の方法。
(項目26)
抗体が、GDF5、GDF6、およびGDF7からなる群から選択される少なくとも1つのALK1リガンドによって刺激される血管形成を阻害する、項目23に記載の方法。
(項目27)
抗体がALK1のALK1リガンドへの結合を阻害し、該ALK1リガンドがBMP9およびBMP10からなる群から選択される、項目23に記載の方法。
(項目28)
抗体を静脈内送達する、項目23に記載の方法。
(項目29)
血管形成を阻害する第2の薬剤を投与する工程をさらに含む、項目23に記載の方法。
(項目30)
阻害すべき血管形成が、哺乳動物の眼内、腫瘍内、骨内、または関節内で生じる血管形成である、項目23に記載の方法。
(項目31)
ALK1リガンドに結合してALK1リガンドのALK1への結合を阻害する抗体であって、該ALK1リガンドがGDF5、GDF6、およびGDF7からなる群から選択される抗体。
(項目32)
抗体が5×10
−8M未満のK
DでALK1リガンドに結合する、項目31に記載の抗体。
(項目33)
抗体がALK1リガンドによって刺激される血管形成を阻害する、項目31に記載の抗体。
(項目34)
項目31に記載の抗体を含む薬学的調製物。
(項目35)
ALK1リガンドに結合してALK1リガンドのALK1への結合を阻害する抗体であって、該ALK1リガンドがBMP9およびBMP10からなる群から選択される抗体。
(項目36)
抗体が1×10
−10M未満のK
DでALK1リガンドに結合する、項目35に記載の抗体。
(項目37)
項目35に記載の抗体を含む薬学的調製物。
(項目38)
哺乳動物の血管形成を阻害する方法であって、ALK1リガンドに結合してALK1リガンドのALK1への結合を阻害する有効量の抗体を哺乳動物に投与する工程を含み、該ALK1リガンドが、GDF5、GDF6、GDF7、BMP9、およびBMP10からなる群から選択される方法。
(項目39)
抗体が、GDF5、GDF6、およびGDF7からなる群から選択される少なくとも1つのALK1リガンドによって刺激される血管形成を阻害する、項目38に記載の方法。
(項目40)
抗体が、BMP9およびBMP10からなる群から選択される少なくとも1つのALK1リガンドによって刺激される血管形成を阻害する、項目38に記載の方法。
(項目41)
抗体を静脈内送達する、項目38に記載の方法。
(項目42)
血管形成を阻害する第2の薬剤を投与する工程をさらに含む、項目38に記載の方法。
(項目43)
阻害すべき血管形成が、哺乳動物の眼内、腫瘍内、骨内、または関節内で生じる血管形成である、項目38に記載の方法。
(項目44)
哺乳動物の血管形成の阻害薬の製造におけるALK1 ECDポリペプチドまたはALK1 ECDポリペプチドをコードする核酸の使用。
(項目45)
ALK1 ECDポリペプチドがALK−1Fc融合タンパク質である、項目44に記載の使用。
(項目46)
ALK1−Fc融合タンパク質が、配列番号1のアミノ酸22〜118の配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含み、ポリペプチドは免疫グロブリンのFc部分に融合しており、該ALK1−Fc融合タンパク質が1×10
−6を超えるK
DでTGFβ−1に結合する、項目45に記載の使用。
(項目47)
哺乳動物の血管形成の阻害薬の製造におけるALK1またはALK1をコードする核酸に結合する抗体の使用であって、該抗体が配列番号1のアミノ酸22〜118からなるALK1ポリペプチドに結合し、GDF5、GDF6、GDF7、BMP9、およびBMP10からなる群から選択される少なくとも1つのALK1リガンドの結合を阻害する使用。
(項目48)
哺乳動物の血管形成の阻害薬の製造におけるALK1リガンドに結合してALK1リガンドのALK1またはALK1をコードする核酸への結合を阻害する抗体の使用であって、該抗体がGDF5、GDF6、GDF7、BMP9、およびBMP10からなる群から選択されるALK1リガンドに結合する使用。
(項目49)
哺乳動物の血管形成を阻害する方法であって、有効量のDANタンパク質を哺乳動物に投与する工程を含む方法。
(項目50)
DANタンパク質がDAN−Fc融合タンパク質である、項目49に記載の方法。
(項目51)
DAN−Fc融合タンパク質が配列番号10のアミノ酸21〜125の配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含み、ポリペプチドは免疫グロブリンのFc部分に融合しており、ALK1−Fc融合タンパク質が1×10
−6を超えるK
DでTGFβ−1に結合する、項目49に記載の方法。
(項目52)
DANタンパク質が、GDF5、GDF6、およびGDF7からなる群から選択される1つまたは複数のALK1リガンドに結合する、項目49に記載の方法。
(項目53)
DANタンパク質が、配列番号10のアミノ酸17〜180に対応するアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、項目49に記載の方法。
(項目54)
DANタンパク質が、ストリンジェントなハイブリッド形成条件下で配列番号11のヌクレオチド153〜467または同一のコード配列を有する配列番号11のヌクレオチド153〜467の変異体とハイブリッド形成する核酸によってコードされるアミノ酸を含む、項目49に記載の方法。
(項目55)
血管形成を阻害する第2の薬剤を投与する工程をさらに含む、項目49に記載の方法。
(項目56)
阻害すべき血管形成が、哺乳動物の眼内、腫瘍内、骨内、または関節内で生じる血管形成である、項目49に記載の方法。
(項目57)
哺乳動物の関節リウマチを治療する方法であって、関節リウマチを有する哺乳動物に:
(a)ALK1 ECDタンパク質;
(b)ALK1リガンドに結合してALK1リガンドのALK1への結合を阻害する抗体であって、該ALK1リガンドがGDF5、GDF6、GDF7、BMP9、およびBMP10からなる群から選択される抗体;
(c)配列番号1のアミノ酸22〜118からなるALK1ポリペプチドに結合し、GDF5、GDF6、GDF7、BMP9、およびBMP10からなる群から選択される少なくとも1つのALK1リガンドの結合を阻害する抗体;および
(d)DANポリペプチド
からなる群から選択される有効量の薬剤を投与する工程を含む方法。
(項目58)
ALK−1 ECDタンパク質がALK1−Fc融合タンパク質である、項目57に記載の方法。
(項目59)
ALK1−Fc融合タンパク質が、配列番号1のアミノ酸22〜118の配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含み、ポリペプチドは免疫グロブリンのFc部分に融合しており、該ALK1−Fc融合タンパク質が1×10
−6を超えるK
DでTGFβ−1に結合する、項目57に記載の方法。
(項目60)
ALK1 ECDタンパク質がGDF5、GDF6、GDF7、BMP9、およびBMP10からなる群から選択される1つまたは複数のALK1リガンドに結合する、項目57に記載の方法。
(項目61)
ALK1−Fc融合タンパク質が配列番号3の配列を有する、項目58に記載の方法。
(項目62)
ALK1 ECDポリペプチドが配列番号1のアミノ酸34〜95に対応するアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、項目57に記載の方法。
(項目63)
ALK1 ECDが、ストリンジェントなハイブリッド形成条件下で配列番号2のヌクレオチド100〜285または同一のコード配列を有する配列番号2のヌクレオチド100〜285の変異体とハイブリッド形成する核酸によってコードされるアミノ酸配列を含む、項目57に記載の方法。
(項目64)
(b)の抗体が、5×10
−8M未満のK
DでALK1ポリペプチドに結合する、項目57に記載の方法。
(項目65)
(b)の抗体が、1×10
−10M未満のK
DでALK1ポリペプチドに結合する、項目57に記載の方法。
(項目66)
(b)の抗体が、GDF5、GDF6、およびGDF7からなる群から選択される少なくとも1つのALK1リガンドによって刺激される血管形成を阻害する、項目57に記載の方法。
(項目67)
(b)の抗体が、ALK1のALK1リガンドへの結合を阻害し、該ALK1リガンドがBMP9およびBMP10からなる群から選択される、項目57に記載の方法。
(項目68)
(c)の抗体が、GDF5、GDF6、およびGDF7からなる群から選択される少なくとも1つのALK1リガンドによって刺激される血管形成を阻害する、項目57に記載の方法。
(項目69)
(c)の抗体が、BMP9およびBMP10からなる群から選択される少なくとも1つのALK1リガンドによって刺激される血管形成を阻害する、項目57に記載の方法。
(項目70)
DANタンパク質がDAN−Fc融合タンパク質である、項目57に記載の方法。
(項目71)
DAN−Fc融合タンパク質が配列番号10のアミノ酸21〜125の配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含み、ポリペプチドは免疫グロブリンのFc部分に融合しており、ALK1−Fc融合タンパク質が1×10
−6を超えるK
DでTGFβ−1に結合する、項目70に記載の方法。
(項目72)
DANタンパク質が、GDF5、GDF6、およびGDF7からなる群から選択される1つまたは複数のALK1リガンドに結合する、項目57に記載の方法。
(項目73)
DANタンパク質が、配列番号10のアミノ酸17〜180に対応するアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、項目57に記載の方法。
(項目74)
DANタンパク質が、ストリンジェントなハイブリッド形成条件下で配列番号11のヌクレオチド153〜467または同一のコード配列を有する配列番号11のヌクレオチド153〜467の変異体とハイブリッド形成する核酸によってコードされるアミノ酸を含む、項目57に記載の方法。
(項目75)
薬剤を静脈内送達する、項目57に記載の方法。
(項目76)
血管形成を阻害する第2の薬剤を投与する工程をさらに含む、項目57に記載の方法。
(項目77)
哺乳動物の腫瘍を治療する方法であって、腫瘍を有する哺乳動物に:
(a)ALK1 ECDタンパク質;
(b)ALK1リガンドに結合してALK1リガンドのALK1への結合を阻害する抗体であって、該ALK1リガンドがGDF5、GDF6、GDF7、BMP9、およびBMP10からなる群から選択される抗体;
(c)配列番号1のアミノ酸22〜118からなるALK1ポリペプチドに結合し、GDF5、GDF6、GDF7、BMP9、およびBMP10からなる群から選択される少なくとも1つのALK1リガンドの結合を阻害する抗体;および
(d)DANポリペプチド
からなる群から選択される有効量の薬剤を投与する工程を含む方法。
(項目78)
ALK−1 ECDタンパク質がALK1−Fc融合タンパク質である、項目77に記載の方法。
(項目79)
ALK1−Fc融合タンパク質が、配列番号1のアミノ酸22〜118の配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含み、ポリペプチドは免疫グロブリンのFc部分に融合しており、該ALK1−Fc融合タンパク質が1×10
−6を超えるK
DでTGFβ−1に結合する、項目78に記載の方法。
(項目80)
ALK1 ECDタンパク質がGDF5、GDF6、GDF7、BMP9、およびBMP10からなる群から選択される1つまたは複数のALK1リガンドに結合する、項目77に記載の方法。
(項目81)
ALK1−Fc融合タンパク質が配列番号3の配列を有する、項目78に記載の方法。
(項目82)
ALK1 ECDポリペプチドが配列番号1のアミノ酸34〜95に対応するアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、項目77に記載の方法。
(項目83)
ALK1 ECDが、ストリンジェントなハイブリッド形成条件下で配列番号2のヌクレオチド100〜285または同一のコード配列を有する配列番号2のヌクレオチド100〜285の変異体とハイブリッド形成する核酸によってコードされるアミノ酸配列を含む、項目77に記載の方法。
(項目84)
(b)の抗体が、5×10
−8M未満のK
DでALK1ポリペプチドに結合する、項目77に記載の方法。
(項目85)
(b)の抗体が、1×10
−10M未満のK
DでALK1ポリペプチドに結合する、項目77に記載の方法。
(項目86)
(b)の抗体が、GDF5、GDF6、およびGDF7からなる群から選択される少なくとも1つのALK1リガンドによって刺激される血管形成を阻害する、項目77に記載の方法。
(項目87)
(b)の抗体が、ALK1のALK1リガンドへの結合を阻害し、該ALK1リガンドがBMP9およびBMP10からなる群から選択される、項目77に記載の方法。
(項目88)
(c)の抗体が、GDF5、GDF6、およびGDF7からなる群から選択される少なくとも1つのALK1リガンドによって刺激される血管形成を阻害する、項目77に記載の方法。
(項目89)
(c)の抗体が、BMP9およびBMP10からなる群から選択される少なくとも1つのALK1リガンドによって刺激される血管形成を阻害する、項目77に記載の方法。
(項目90)
DANタンパク質がDAN−Fc融合タンパク質である、項目77に記載の方法。
(項目91)
DAN−Fc融合タンパク質が配列番号10のアミノ酸21〜125の配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含み、ポリペプチドは免疫グロブリンのFc部分に融合しており、該ALK1−Fc融合タンパク質が1×10
−6を超えるK
DでTGFβ−1に結合する、項目90に記載の方法。
(項目92)
DANタンパク質が、GDF5、GDF6、およびGDF7からなる群から選択される1つまたは複数のALK1リガンドに結合する、項目77に記載の方法。
(項目93)
DANタンパク質が、配列番号10のアミノ酸17〜180に対応するアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、項目77に記載の方法。
(項目94)
DANタンパク質が、ストリンジェントなハイブリッド形成条件下で配列番号11のヌクレオチド153〜467または同一のコード配列を有する配列番号11のヌクレオチド153〜467の変異体とハイブリッド形成する核酸によってコードされるアミノ酸を含む、項目77に記載の方法。
(項目95)
薬剤を静脈内送達する、項目77に記載の方法。
(項目96)
血管形成を阻害する第2の薬剤を投与する工程をさらに含む、項目77に記載の方法。
(項目97)
血管形成を阻害する第2の薬剤を投与する工程をさらに含む、項目77に記載の方法。
(項目98)
腫瘍が骨に関連する、項目77に記載の方法。
(項目99)
腫瘍が骨髄腫または骨に転移した腫瘍である、項目77に記載の方法。
(項目100)
腫瘍が抗VEGF療法に耐性を示す、項目77に記載の方法。
(項目101)
(a)ALK1 ECDタンパク質;
(b)ALK1リガンドに結合してALK1リガンドのALK1への結合を阻害する抗体であって、該ALK1リガンドがGDF5、GDF6、GDF7、BMP9、およびBMP10からなる群から選択される抗体;
(c)配列番号1のアミノ酸22〜118からなるALK1ポリペプチドに結合し、GDF5、GDF6、GDF7、BMP9、およびBMP10からなる群から選択される少なくとも1つのALK1リガンドの結合を阻害する抗体;および
(d)DANポリペプチド
からなる群から選択される薬剤を含む眼科薬学的処方物。
(項目102)
眼科疾患に関連する血管形成を治療する方法であって、
(a)ALK1 ECDタンパク質;
(b)ALK1リガンドに結合してALK1リガンドのALK1への結合を阻害する抗体であって、該ALK1リガンドがGDF5、GDF6、GDF7、BMP9、およびBMP10からなる群から選択される抗体;
(c)配列番号1のアミノ酸22〜118からなるALK1ポリペプチドに結合し、GDF5、GDF6、GDF7、BMP9、およびBMP10からなる群から選択される少なくとも1つのALK1リガンドの結合を阻害する抗体;および
(d)DANポリペプチド
からなる群から選択される有効量の薬剤を含む薬学的処方物を全身または眼に投与する工程を含む方法。