(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6348458
(24)【登録日】2018年6月8日
(45)【発行日】2018年6月27日
(54)【発明の名称】縦軸クロスフロー水車発電機
(51)【国際特許分類】
F03B 1/00 20060101AFI20180618BHJP
F03B 7/00 20060101ALI20180618BHJP
【FI】
F03B1/00 A
F03B7/00
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-128295(P2015-128295)
(22)【出願日】2015年6月26日
(65)【公開番号】特開2017-8902(P2017-8902A)
(43)【公開日】2017年1月12日
【審査請求日】2017年5月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】599041606
【氏名又は名称】三菱電機プラントエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147500
【弁理士】
【氏名又は名称】田口 雅啓
(74)【代理人】
【識別番号】100166235
【弁理士】
【氏名又は名称】大井 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100179914
【弁理士】
【氏名又は名称】光永 和宏
(74)【代理人】
【識別番号】100179936
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 明日香
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 啓太
(72)【発明者】
【氏名】佐野 弘一
【審査官】
所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−094486(JP,A)
【文献】
特開2003−139035(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0333370(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03B 1/00
F03B 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
河川床の上を流通する水流によって回転させられる回転翼と、
前記回転翼に接続し、前記回転翼の回転による運動エネルギを電気エネルギに変換する発電機構とを備え、
前記回転翼は、
前記回転の中心軸が前記河川床に対して起立して設けられるように配置されるとともに、
前記中心軸を中心として前記回転翼の周方向に1枚ずつ交互に配置される複数の第一羽根部と複数の第二羽根部とを有し、
前記複数の第一羽根部及び前記複数の第二羽根部の各々は、前記中心軸の延長方向に対して垂直な方向に円弧形状の断面を有し、
前記第二羽根部の前記断面の円弧に沿った第二の幅方向長さは、前記第一羽根部の前記断面の円弧に沿った第一の幅方向長さよりも大きく、
前記第二羽根部の前記中心軸側の端部は、前記第一羽根部の前記中心軸側の端部よりも前記中心軸に近い位置に設けられる縦軸クロスフロー水車発電機。
【請求項2】
前記回転翼の前記複数の第一羽根部及び前記複数の第二羽根部の径方向内側であって、前記中心軸の延長方向には、前記水流が流通する空間が形成される請求項1に記載の縦軸クロスフロー水車発電機。
【請求項3】
前記第一羽根部の径方向外側の端部と、前記第二羽根部の径方向外側の端部とは、同一円周上に設けられる請求項1又は2に記載の縦軸クロスフロー水車発電機。
【請求項4】
前記第二羽根部の前記第二の幅方向長さは、前記第一羽根部の前記第一の幅方向長さの5〜35%分、前記第一羽根部の前記第一の幅方向長さよりも大きい請求項3に記載の縦軸クロスフロー水車発電機。
【請求項5】
前記第二羽根部の前記第二の幅方向長さは、前記第一羽根部の前記第一の幅方向長さの25%分、前記第一羽根部の前記第一の幅方向長さよりも大きい請求項3に記載の縦軸クロスフロー水車発電機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、縦軸クロスフロー水車発電機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、水流によって回転させられる羽根車の運動エネルギを電気エネルギに変換して発電を行う横軸型のクロスフロー水車発電機が記載されている。ここで、特許文献1のクロスフロー水車発電機の羽根車は、各々同一の形状をなす複数の羽根を有している。なお、このクロスフロー水車発電機は、河川の段差がある場所に設置されることにより、その段差から流れ落ちる水の位置エネルギを利用して発電を行う。
【0003】
一方、特許文献2には、回転翼の回転中心軸が水流に対して垂直になるように起立して配置される縦軸型のクロスフロー水車発電機が記載され、落差の少ない河川でも発電することができる。このクロスフロー水車発電機の回転翼も、各々同一の幅を有する短冊状の複数の羽根部を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−125906号公報
【特許文献2】特開2011−094486号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2に示すような縦軸型のクロスフロー水車発電機には、回転翼による流体エネルギの回収効率をさらに上げて、段差の少ない河川でも発電の効率を一層向上させたいという要請がある。
【0006】
この発明は、このような問題を解決するためになされ、発電効率をより向上させることができる縦軸クロスフロー水車発電機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、この発明に係る縦軸クロスフロー水車発電機は、河川床の上を流通する水流によって回転させられる回転翼と、回転翼に接続し、回転翼の回転による運動エネルギを電気エネルギに変換する発電機構とを備え、回転翼は、回転の中心軸が河川床に対して起立して設けられるように配置されるとともに、
中心軸を中心として回転翼の周方向に1枚ずつ交互に配置される複数の第一羽根部と複数の第二羽根部とを有し、複数の第一羽根部及び複数の第二羽根部の各々は、中心軸の延長方向に対して垂直な方向に円弧形状の断面を有し、第二羽根部の断面の円弧に沿った第二の幅方向長さは、第一羽根部の断面の円弧に沿った第一の幅方向長さよりも大きく、第二羽根部の中心軸側の端部は、第一羽根部の中心軸側の端部よりも中心軸に近い位置に設けられる。
【0008】
また、この発明に係る縦軸クロスフロー水車発電機の回転翼の複数の第一羽根部及び複数の第二羽根部の径方向内側であって、中心軸の延長方向には、水流が流通する空間が形成されてもよい。
【0009】
また、第一羽根部の径方向外側の端部と、第二羽根部の径方向外側の端部とは、同一円周上に設けられてもよい。
さらにその上で、第二羽根部の
第二の幅方向長さは、第一羽根部の
第一の幅方向長さの5〜35%分、第一羽根部の
第一の幅方向長さよりも大きくてもよい。
また、特に、第二羽根部の
第二の幅方向長さは、第一羽根部の
第一の幅方向長さの25%分、第一羽根部の
第一の幅方向長さよりも大きくてもよい。
【発明の効果】
【0010】
この発明に係る縦軸クロスフロー水車発電機によれば、発電効率をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】この発明の実施の形態1に係る縦軸クロスフロー水車発電機の使用状態を示す平面図である。
【
図2】
図1に示す縦軸クロスフロー水車発電機の外観形状を示す斜視図である。
【
図3】
図1に示す縦軸クロスフロー水車発電機を
図2に示す切断線III−IIIに沿って切断した断面図であり、当該縦軸クロスフロー水車発電機の内部構造を模試的に示す図である。
【
図4】
図3の断面図に示す縦軸クロスフロー水車発電機の回転翼の一部を拡大した図である。
【
図5】
図1に示す縦軸クロスフロー水車の側面図であり、当該縦軸クロスフロー水車発電機の内部構造を模式的に破線で示す図である。
【
図6】従来の縦軸クロスフロー水車発電機に使用される回転翼を水流が流通する様子をシュミレーションし、その結果得られた水流の速度分布を濃淡によって示す図である。
【
図7】
図1に示す縦軸クロスフロー水車発電機に使用される回転翼を水流が流通する様子をシュミレーションし、その結果得られた水流の速度分布を濃淡によって示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、この発明の実施の形態について添付図面に基づいて説明する。
図1に示すように、この実施の形態に係る縦軸クロスフロー水車発電機100は、河川や用水路等の水路Cの途中に設けられて使用される。すなわち、縦軸クロスフロー水車発電機100は、水路Cの河川床5の上に設けられる。ここで、水流は、河川床5の上を方向Dに沿って上流から下流に向かって流通する。
【0013】
水路Cには、水流の流通方向Dを横断して仕切り板4が固定して設けられる。そして、仕切り板4には縦軸クロスフロー水車発電機100が取り付けられている。ここで、縦軸クロスフロー水車発電機100は、後述する回転翼20、エネルギ回収プーリ40及び発電装置50を内部に収容する略箱形状のケーシング11と、ケーシング11に取り付けられる板状の取付枠13とを有している。すなわち、縦軸クロスフロー水車発電機100のケーシング11は取付枠13を介して仕切り板4に取り付けられる。さらに、取付枠13には、縦軸クロスフロー水車発電機100の上流側の開口である入側開口14が形成され、入側開口14はケーシング11の内部に連通する。また、ケーシング11には、縦軸クロスフロー水車発電機100の下流側の開口である出側開口15が形成されている。そしてさらに、仕切り板4には縦軸クロスフロー水車発電機100の入側開口14に合わせて仕切り板開口4aが形成されている。
【0014】
また
図2に示すように、縦軸クロスフロー水車発電機100のケーシング11の上部には発電部2が設けられ、発電部2の下部には、回転翼20が収容されるとともに水流が流通する流路部3が設けられる。ケーシング11の内部の流路部3の出側開口15寄りの箇所には複数の羽根部21を有する略円筒形状の回転翼20が配置されている。回転翼20は水流によって回転方向Rに沿って回転させられる。
【0015】
次に、縦軸クロスフロー水車発電機100の内部構造について、
図3〜5を参照して説明する。
図3に示すようにケーシング11の流路部3の内部には、水流を入側開口14から回転翼20まで案内する導水板31,32が設けられている。導水板31は、水流が回転翼20の回転方向Rに対応する方向に流れるよう、回転翼20の側部に回りこむように湾曲して延びている。また、導水板32も、導水板31の側に湾曲するように延びる。従って、水路Cの上流から河川床5の上を方向Dに向かって流通してくる水は、仕切り板4の仕切り板開口4a及び取付枠13の入側開口14からケーシング11内部に流入した後、導水板31,32に案内されて回転翼20に向かって流通する(水流W1)。さらに、水流は回転翼20の内部を流通して(水流W2)、出側開口15から流出する(水流W3)。
【0016】
また、
図5に示すように、回転翼20の中心軸Aは河川床5に対して起立して設けられる。そして、
図3に示すように、回転翼20は24枚の羽根部21を有しており、これらの羽根部21は中心軸Aを中心として回転翼の周方向に沿って略円筒形状に配置されている。さらに、24枚の羽根部21は、12枚の第一羽根部21aと、12枚の第二羽根部21bを含む。第一羽根部21a及び第二羽根部21bの各々は断面が円弧形状の細長い金属板である。それぞれの羽根部21は回転翼20の中心軸Aに平行に延びるとともに、円弧形状の凹部によって水の流れを受ける向きに配置され、全体で円筒形状をなすように配列されている。ここで、
図4に示すように、第一羽根部21aの幅方向長さL1と第二羽根部21bの羽根方向長さL2とを比較すると、第二羽根部21bの羽根方向長さL2は第一羽根部21aの幅方向長さL1よりも大きい。なお具体的には、第二羽根部21bの幅方向長さL2は第一羽根部21aの幅方向長さL1の25%分大きい。すなわち、第二羽根部21bは、第一羽根部21aの幅方向長さL1の125%分の幅方向長さL2を有する。また、第一羽根部21aと第二羽根部21bとは、回転翼20の中心軸Aを中心として、各々交互になるように回転翼20の周方向に配置されている。さらに、第二羽根部21bの径方向内側の端部、すなわち中心軸A側の端部E2は、第一羽根部21aの中心軸A側の端部E1よりも中心軸Aに近い位置に設けられる。一方、第一羽根部21aの径方向外側の端部E1’と第二羽根部21bの径方向外側の端部E2’とは、回転翼20の外周に沿って同一円周上に揃えられて設けられている。また、第一羽根部21a及び第二羽根部21bの各々の上端は及び下端は、各々、一対の羽根取付板23a,23bに固定されている。
なお、羽根部21の幅方向長さとは、一枚の羽根部21を長手方向に対して垂直に切断した際の断面の円弧に沿った長さをいう。
【0017】
また、
図5に示すようにケーシング11の発電部2の内部には、回転翼20の上端の羽根取付板23aに接続される回転軸部41と、回転軸部41に取り付けられるエネルギ回収プーリ40とが設けられている。すなわち、エネルギ回収プーリ40は、羽根取付板23a及び回転軸部41を介して回転翼20に接続される。また、発電部2の内部には発電装置50も設けられており、発電装置50に取り付けられる発電装置プーリ50aとエネルギ回収プーリ40との間にはベルト45が架け渡される。また、回転軸部41の回転中心は回転翼20の中心軸Aと一致し、回転翼20が水流によって回転させられると回転軸部41及びエネルギ回収プーリ40も共に回転する。そして、ベルト45を介して発電装置50の発電装置プーリ50aもエネルギ回収プーリ40に同期して増速して回転させられ、発電装置50において発電が行われる。すなわち、エネルギ回収プーリ40、回転軸部41、ベルト45及び発電装置50は、回転翼20の回転による運動エネルギを電気エネルギに変換する発電機構を構成する。
【0018】
また、回転翼20は上端において接続する回転軸部41を介して発電部2から吊り下げられるように支持されており、回転翼20の下端の羽根取付板23bとケーシング11の内部の下面との間には隙間が存在する。さらに、回転軸部41は回転翼20の上部に設けられるため、
図3に示すように、回転翼20の内部において中心軸Aに該当する部分には回転軸部41に相当する構造はなく、水流の流通の障害となるものは設けられていない。すなわち、回転翼20の複数の第一羽根部21a及び第二羽根部21bの径方向内側、かつ中心軸Aの延長方向には、水流が障害なく流通することができる水流流通空間Xが形成される。
【0019】
次に、
図6及び7を参照して、従来の縦軸クロスフロー水車発電機の例による回転翼120とこの実施形態に係る縦軸クロスフロー水車発電機100の回転翼20とを比較し、回転翼20を通過する水流の速度のシミュレーション結果について説明する。なお、
図6及び
図7において、回転翼120及び回転翼20はそれぞれ実験用のケーシング111に収納されている。そして、ケーシング111の内部には、縦軸クロスフロー水車発電機100の導水板31,32に対応する形状及び配置の導水板131,132が設けられ、導水板131,132によって水流は回転翼120又は回転翼20に案内される。
また、
図6及び7は、図面中の濃淡が濃い程水流の速さが速い箇所を示し、薄い程水流の速さが遅い箇所を示している。
【0020】
まず、
図6の回転翼120は、全て同じ幅方向長さを有する24枚の羽根部121を有し、これらの羽根部121は回転翼120の周方向に並べられて設けられる。水流は上流から下流に向かって羽根部121の間を通り、回転翼120の径方向内側を流通した後、再び羽根部121の間を通って回転翼120の下流側Yに流出する。ここで、回転翼120の下流側Yに面する6枚の羽根部121を回転方向Rへ向かう順に121a〜121fとする。
図6の濃淡分布を見ると、5枚の羽根部121a〜121eの各々の羽根部同士の間の途中までは濃淡が濃い箇所が延びているが、下流側Yに近づくにつれ濃淡が薄くなる。すなわち、水流は、羽根部121a〜121eの間では始めは比較的速い速さで流通しているものの下流側Yに放出されるまでに減速してしまうことが分かる。また、羽根部121eと121fとの間には、濃淡が濃い部分がほとんど見られない。
【0021】
一方、
図7の回転翼20でも、水流は上流から下流に向かって複数の第一羽根部21aと複数の第二羽根部21bとの間を通り、回転翼120の径方向内側の水流流通空間Xを流通する。そして、再び水流は、交互に並んだ複数の第一羽根部21aと複数の第二羽根部21bとの間を通って回転翼20の下流側Zに流出する。ここで、回転翼20の下流側Zに面する3枚の第一羽根部21aを回転方向Rへ向かう順に21a1,21a2及び21a3とする。また、同様に回転翼20の下流側Zに面し、第一羽根部21a1〜21a3と交互に配列される3枚の第二羽根部21bを、回転方向Rへ向かう順にそれぞれ21b1,21b2及び21b3とする。そして
図7の濃淡分布からは、水流は、それぞれ交互に配列される第一羽根部21a1〜21a3と第二羽根部21b1〜21b3との間を、比較的速い速度で流通していることが分かる。特に第一羽根部21a1と第二羽根部21b2との間、第二羽根部21b2と第一羽根部21a2との間、及び第一羽根部21a2と第二羽根部21b3との間では、水流は、
図6の回転翼120の場合と比べてより速い速度を保ったまま流通する。さらに水流は、2枚の第一羽根部21a1,21b1及び2枚の第二羽根部21b2,21b3のそれぞれの凸状の面に沿ってより速い速度で流通している。従って、これにより、回転翼20の第一羽根部21a及び第二羽根部21bには、従来の回転翼120の羽根部121に比べて大きな揚力が作用する。
【0022】
以上より、この実施の形態に係る縦軸クロスフロー水車発電機100では、複数の第一羽根部21aと複数の第二羽根部21bとが回転翼20の周方向に1枚ずつ交互に配置される。また、第二羽根部21bの中心軸A側の端部E2は、第一羽根部21aの中心軸A側の端部E1よりも径方向内側に設けられており、中心軸Aにより近い。さらに、第二羽根部21bの幅方向長さは第一羽根部21aの幅方向長さの25%分長い。そして、回転翼20がこのような形状をなすことにより、第一羽根部21a及び第二羽根部21bに作用する揚力が大きくなることが、シミュレーションによって確認されている。従って、水路Cを流通する所定の速度の水流に対する回転翼20の回転のトルクが大きくなるため、水流の運動エネルギの回収効率が上がり、発電装置50による発電効率が向上する。
【0023】
また、回転翼20の複数の第一羽根部21a及び複数の第二羽根部21bの径方向内側であって中心軸Aの延長方向には、水流が障害なく流通することができる水流流通空間Xが形成される。すなわち、水流流通空間Xにおいて回転翼20の中心軸の部分には、軸部材等が存在しない。そのため、水流流通空間Xでは水がスムーズに流通することができ、水流の運動エネルギの回収効率がより向上する。
【0024】
さらに、第一羽根部21aの径方向外側の端部E1’と、第二羽根部21bの径方向外側の端部E2’とは、回転翼20の外周に沿って同一円周上に設けられている。すなわち、第二羽根部21bの幅方向長さL2は第一羽根部21aの幅方向長さL1の25%分、回転翼20の径方向内側に向かって長い。そして、これによっても所定の速度の水流に対する回転翼20の回転のトルクがより大きくなり、回転翼20による水流の運動エネルギの回収効率が上がって、発電装置50による発電効率もより向上する。
【0025】
なお、実施の形態において、第二羽根部21bの幅方向長さL2が、第一羽根部21aの幅方向長さL1の25%に限られず5〜35%の範囲内で、第一羽根部21aの幅方向長さL1よりも長ければ、回転翼20の発電効率は向上する。
【0026】
また、この実施の形態において、回転翼20の羽根部21の数は24枚に限定されない。
さらにまた、発電機構に使用されるプーリは、発電部2のエネルギ回収プーリ40及び発電装置プーリ50aのような一段式のものに限定されず、3個のプーリの間に2本のベルトが架け渡されて二段式として用いられていてもよい。また、発電機構は増速ギヤを有していてもよい。
【符号の説明】
【0027】
5 河川床、20 回転翼、21a 第一羽根部、21b 第二羽根部、40 エネルギ回収プーリ(発電機構)、41 回転軸部(発電機構)、45 ベルト(発電機構)、50 発電装置(発電機構)、100 縦軸クロスフロー水車発電機、A 中心軸、E1 第一羽根部の中心軸側の端部、E2 第二羽根部の中心軸側の端部、E1’ 第一羽根部の径方向外側の端部、E2’ 第二羽根部の径方向外側の端部、X 空間(水流流通空間)。