特許第6348516号(P6348516)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6348516セクタセグメントからインペラを作製する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6348516
(24)【登録日】2018年6月8日
(45)【発行日】2018年6月27日
(54)【発明の名称】セクタセグメントからインペラを作製する方法
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/28 20060101AFI20180618BHJP
   F04D 29/62 20060101ALI20180618BHJP
   B23K 20/12 20060101ALI20180618BHJP
   B23K 26/34 20140101ALI20180618BHJP
   B23K 26/21 20140101ALI20180618BHJP
【FI】
   F04D29/28 R
   F04D29/28 C
   F04D29/62 C
   B23K20/12 G
   B23K26/34
   B23K26/21 Z
【請求項の数】7
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-557476(P2015-557476)
(86)(22)【出願日】2014年2月19日
(65)【公表番号】特表2016-513209(P2016-513209A)
(43)【公表日】2016年5月12日
(86)【国際出願番号】EP2014053246
(87)【国際公開番号】WO2014128169
(87)【国際公開日】20140828
【審査請求日】2017年2月8日
(31)【優先権主張番号】CO2013A000004
(32)【優先日】2013年2月20日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】513243790
【氏名又は名称】ヌオーヴォ ピニォーネ ソチエタ レスポンサビリタ リミタータ
【氏名又は名称原語表記】NUOVO PIGNONE S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】パロンバ,セルジオ
(72)【発明者】
【氏名】ロレンツィ,ロレンツォ
(72)【発明者】
【氏名】ビアンキ,ロレンツォ
【審査官】 松浦 久夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭56−066486(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/001324(WO,A1)
【文献】 特開2012−172645(JP,A)
【文献】 特開2005−291116(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/041651(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 29/28
F04D 29/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面および後面を有するほぼ円板状の本体(3)と、
前記本体(3)の前面から間隔を置いて配置された、前面(7)および後面を有するシュラウド(5)と、
前記本体(3)の前面(7)に取り付けられて、前記シュラウド(5)と前記本体(3)を接合する複数の翼(4)と、
によって構成され、
前記翼(4)の側面と、前記本体(3)の前面(7)と、前記シュラウド(5)の後面とが空気を圧縮するための流路(6)を形成する遠心回転機械用インペラ(100)を製造する方法であって、
単一の翼(4)と、前記本体(3)の一部分と、これに対応する前記シュラウド(5)の部分とを含む、前記インペラ(100)の単一のセグメント(100’)を作製するステップと、
前記複数のセグメントを互いに接合して前記インペラ(100)を形成するステップと、
前記インペラ(100)を、ダブテール継手によってハブ(1)またはロータ軸に取付けるステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記セグメント(100’)が、溶接または摩擦圧接によって互いに接合される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記セグメント(100’)が、前記本体(3)の後面に形成された溝(9)の中に配置されたリングによって一緒に締め付けられる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記単一のセグメント(100’)が、直接金属レーザ溶解によって生成される、請求項1乃至3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前面および後面を有するほぼ円板状の本体(3)と、
前記本体(3)の前面から間隔を置いて配置された、前面(7)および後面を有するシュラウド(5)と、
前記本体(3)の前面(7)に取り付けられて、前記シュラウド(5)と前記本体(3)を接合する複数の翼(4)と、
によって構成され、
前記翼(4)の側面と、前記本体(3)の前面(7)と、前記シュラウド(5)の後面とが空気を圧縮するための流路(6)を形成する
遠心回転機械用インペラ(100)であって、
単一の翼(4)と、前記本体(3)の一部分と、これに対応する前記シュラウド(5)の部分とによってなり、互いに接合されて、あるいは、前記ハブ(1)にまたは直接前記ロータ軸に、ダブテール継手によって固定される単一のセグメント(100’)によって構成される、
インペラ。
【請求項6】
前記単一のセグメント(100’)が、前記ハブ(1)の外面に面する側面に、側面が傾斜したダブテールキー(8)を有する、請求項5に記載のインペラ。
【請求項7】
前記ハブ(1)が、その外面に、前記セグメント(100’)のダブテールキー(8)と嵌合関係となる、側面が傾斜したダブテール溝(10)を有する、請求項6に記載のインペラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠心圧縮機用インペラの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
遠心圧縮機などの遠心回転機械用のインペラは一般に、流体の流れの方向に対して前面および後面を有し、回転軸に取り付けられたハブと嵌合する中央の円形の穴を備えるほぼ円板上の本体と、前面および後面を有し、本体の外側に間隔を置いて配置されるシュラウドと、本体の前面とシュラウドの後面を結合する一連の翼とで構成される。一連の通路が、本体の前面と、シュラウドの後面と、翼の側面とによって形成され、この通路は空気を圧縮する流路として働く。一般に、翼は、半径方向、軸方向ともに曲がっている曲線をたどる。したがって、本体の前面およびシュラウドの後面は、翼の湾曲に適合するように曲がっている。空気流は、本体の前面に対して接線方向にインペラに入り、インペラから軸方向に出る。シュラウド付きのインペラは、単一の一体の材料から製造することができる、あるいは、その代りに、完成品を形成するようにお互いに取り付けられる2つ以上の構成部品から組み立てることができる。一般に、様々な構成部品は溶接によって固定される。インペラは、すべてフライス加工で単一の一体品から作製することができるが、流路形状が複雑であればアクセスするのに制限があるため、このプロセスは、非常に難しく、時間がかかる。放電加工(EDM:ELECTRICAL DISCHARGE MACHINING)プロセスもまた、放電金属除去浸食による一体品の製作の選択肢である。このプロセスでは、放電は切削工具として使用されて、単一の一体の円板を浸食して設計形状に対する完成品を生成する。金属除去プロセスは、電極によって脈動する(オン−オフする)高周波数電流の電荷を被加工物に印加することによって実施される。この技法には、単一品を予めフライス加工するステップが含まれ、このあとにEDM粗加工およびEDM仕上げ加工が続く。前述の理由により、複雑な通路設計に対応するために特別な形状の電極と特別な形状の工具を使用しなければならない。このプロセスは非常に時間がかかり、1つのインペラを生成するには多くの作業日数が必要である。インペラは、はじめは2つの構成部品を製作することによっても生成することができる。すなわち、本体またはシュラウドをフライス加工することによって翼を得て、続いて2つの部品を溶接することによってインペラを生成することができる。良好にアクセスできなければ、翼と本体またはシュラウドとの間の内部接合部を溶接で充填することは非常に難しく、固定時に溶接欠陥が容易に生じ、したがって、亀裂および変形、すなわち局部的な高温による熱歪みの危険性が非常に高くなる場合がある。そのうえ、流路の表面は一般に、要求される滑らかさを有しないであろう。最終的には、要求される高い品質と信頼性を有するインペラを得ることは最新の技法を使用しても非常に困難である。これらの理由のため、高い品質を有するインペラを作製する方法で、製造時間がより短く、製造コストがより低い方法が強く求められている。
【0003】
したがって、本発明の主な目的は、簡単で、必要な加工時間がより短い、インペラを製造する新しい方法を提供することである。本発明の別の目的は、高品質、高信頼性を有するインペラを製造する方法である。
【0004】
本発明のさらなる目的は、先進的な製造技法を可能にする遠心圧縮機用インペラを提供することである。
【0005】
本発明のさらに別の範囲は、複雑な形状を有するインペラを作製することができる方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2012/041651号
【発明の概要】
【0007】
したがって、本発明は、遠心回転機械用インペラを製造するある方法によって、上記で考察した目的を達成する。すなわち、その方法は、請求項1によれば、前面および後面を有するほぼ円板状の本体と、本体の前面から間隔を置いて配置された、前面および後面を有するシュラウドと、本体の前面に取り付けられて、シュラウドと本体を接合する複数の翼によって構成され、翼の側面と、本体の前面と、シュラウドの後面とが空気を圧縮するための流路を形成する遠心回転機械用インペラを製造する方法であって、単一の翼と、本体の一部分と、これに対応するシュラウドの部分とからなる、インペラの単一のセグメントを作製するステップと、次いで、複数のセグメントを互いに接合してインペラを形成するステップとを備える方法である。
【0008】
本発明の別の態様は、請求項11による遠心回転機械用インペラを提供する。
【0009】
有利なことに、単一のセグメントは、直接金属レーザ溶解(DMLM:DIRECT METAL LASER MELTING)のような付加製造の方法を使用して生成することができる。有利なことに、単一のセグメントは、溶接または摩擦圧接によって互いに接合される。単一のセクタはまた、お互いに接合せずに、機械的な係止システムまたは溶接によって、ハブに取り付ける、または軸に直接取り付けることができる。有利なことに、単一のセクタまたはインペラ全体は、ダブテール継手のような機械的な継手によってハブに取り付けることができる。
【0010】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の図面を用いて、非限定的な例によって示される、好ましいが排他的ではない回転機械用インペラの実施形態の詳細な説明を参照すればより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明によるインペラの斜視図である。
図2】ハブに固定する前のインペラの断面の分解図である。
図3】ハブに接合されたインペラの横断面図である。
図4】ハブに取り付けられたインペラの単一のセグメントの図である。
図5】本発明の別の実施形態によるインペラのセグメントの斜視図である。
図6図5に示すセグメントを含むインペラの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図中の同じ参照符号は、同じ要素または構成部品とみなす。
【0013】
図1および2を参照すると、参照符号100で全体として示す3Dインペラの斜視図が示される。インペラ100は、後面および前面7を有する円板状の本体3によって形成される。前面7は、ほぼ平坦で機械の回転軸Zに対して垂直の外側の円形部分からはじまって、中央域に向かって徐々にZ軸の方向に曲がり、中央域は、ハブ1またはロータ軸の外面と係合するように構成された円形の開口である。本体3の前面7の形状にほぼ倣うシュラウド5は、翼4によって前面から隔てられる。空気が圧縮される空気通路6は、シュラウドの内面と、本体3の前面7と、翼4の側面とによって形成される。このタイプの遠心圧縮機用インペラでは、空気流は本体の平坦面に対して接線方向に通路に入って回転軸の方へ向かい、本体の前面7とシュラウドの内面との間に形成された円形通路から、前記回転軸に平行するほぼ鉛直方向に出る。図2に、本体3の中央域に挿入される別要素として示されるハブ1を有するこのタイプのインペラの断面分解図が示される。ハブ1は機械のロータ軸に取り付けられる。図3は、ハブ1を挿入したインペラの最終組立体を示す。翼4、したがって空気通路6は一般的に複雑な形状を有する。図1および2から分かるように、これらは、軸方向に湾曲した通路をたどるだけでなく、インペラの回転方向に対しても後退している。インペラのこれらの特徴によって、これらの空気通路6内に挿入して操作するのに適する特別な工具を使用する場合でさえ、フライス加工および溶接作業は非常に複雑で面倒になる。これらの困難さは、良好な精度、表面粗加工、および時間に対して有害である。本発明はこれらの欠点を克服するためにセグメント化の原理に基づいている。図4はこのような技法を示す。考え方は、本質的に、インペラの単一のセグメントを作製することにあり、各セグメントは、例えば、単一の翼を含み、それらをまとめて、溶接または機械的な係止システムによってインペラに組み立てる。セグメントはお互いに接合されるか、または軸に別々に固定することができる。図4において、参照符号100’はハブ1に溶接されるこれらのセグメントのうちの1つを示す。セグメントは、翼4によって接合されたシュラウド5のセグメントと本体3のセグメントによって構成される。図4ではまた、翼および通路の複雑な形状を見ることができる。セグメント化によって、アクセス性の問題は完全に解決されるであろう。インペラは、単一のセグメント100’を外部でのレーザ溶接によって互いに接合し、次いで、溶接されたセグメントを、CMT溶着によって、ハブに接合するか、または直接ロータ軸に接合することによって作製することができる。次いで、加熱および旋削の工程を経て完成品になる。
【0014】
また、図4に示すように、単一のセグメントを1つずつハブに、または直接ロータ軸に固定することは可能である。図5および図6に示すように、セグメント100’は、機械的な係止システムによってもまた、ハブに、または直接ロータ軸に取り付けることができる。図5には、ハブの外面に面する側面に、側壁が傾斜したダブテールキー8を有するセグメントが示される。これらのダブテールキー8は、図6に示すように、ハブの外面に形成された対応する嵌合ダブテール溝10に摺動的に嵌入する。図6は、この機械的な係止システムを使用することによって作製されたインペラの斜視断面図である。セグメントを溶接によって互いに接合し、次いで、中央部に滑り込ませるか、またはセグメントを1つずつハブのダブテール溝に滑り込ませることによって、ハブ上に単一品としてインペラを組み立てることができる。機械的な係止システムを使用するとき、図5および図6に示すように、単一のセグメントは本体3の後面の平坦な側面に溝9を設けることができ、インペラが組み立てられると、この溝は円形の溝を形成して、セグメントを一緒に締め付けるためにリングを設けることができる。単一の翼セグメントの製造は、容易で、迅速で、安価であるばかりではなく、先進的な製造技術を使用することができる。例えば、複合材料の使用、または直接金属レーザ溶解(DMLM)などの技法の使用などである。このDMLMでは、レーザで金属粉末を溶解して、層ごとに付加するプロセスで完全な3次元部品にする。放電加工(EDM:ELECTRICAL DISCHARGE MACHINING)などの最新の技術によってインペラを作製するのには多くの日数が必要であり、例えば、EDMでは、予めフライス加工してからEDM粗加工と仕上げ加工を行う段階が必要であり、これに比べると、予め製作した単一の翼セグメントを組み立てることはわずか数時間しかかからず、品質の改善の考慮なしに、かなりの時間とコストの節約になる。単一の翼セグメントを組み立てることによってインペラを作製することは、製作が簡単で、プロセスが高い汎用性をもっていれば、現時点ではまだ実現できていない革新的な形状の先進的な高性能流路の設計および製作をも可能にする。
【符号の説明】
【0015】
1 ハブ
3 本体
4 翼
5 シュラウド
6 空気通路、流路
7 本体の前面
8 ダブテールキー
9 溝
10 ダブテール溝
100 インペラ
100’ セグメント
Z 回転軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6