(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記コアが、少なくとも10dB/mのピーク吸収を有するようにエルビウム(Er)でドープされ、前記コアが、さらに、アルミニウム(Al)で共ドープされる、請求項3に記載の光ファイバ。
【発明を実施するための形態】
【0007】
近年、次世代光通信ネットワーク用途で使用するためのハイパワー広帯域光増幅器への要求が高まってきている。これらのネットワーク用途の例には、無中継海底システム、メッシュ・ネットワークにおける再構成可能光アド−ドロップ・マルチプレクサ(ROADM)などが含まれる。ハイパワー光増幅器への要求が存在するが、それは、超大面積伝送ファイバの使用の結果として高密度波長分割多重(DWDM)伝送システムへの送出パワーを増加させることによって光信号対雑音比(OSNR)を改善することができるからである。
【0008】
これらの次世代光伝送システムの用途のうちのいくつかは、少なくとも約25dBmの出力飽和パワーを必要とする。いくつかの例では、出力飽和パワーの要求は少なくとも約30dBmである。例えば、この高い出力飽和パワーは、長距離メッシュ・ネットワークにおいて、ROADMデバイス内の付加的な損失を補償するために必要とされる。
【0009】
従来のコア・ポンピング方式を使用するCバンドまたはLバンドいずれかのエルビウム・ドープ・ファイバ増幅器(EDFA)の現在の出力飽和パワーは約23dBmに制限されている。出力飽和パワーは、従来のコア・ポンピング方式では、パワー変換効率(PCE)の低減をもたらす励起状態吸収(ESA)およびエルビウム・イオン濃度消光などの様々な望ましくない非線形効果の結果として制限される。コアの980nmポンピングによって発生するESAのため、小さいコアでの高いポンプ強度に起因してハイパワーにおけるパワー変換効率が制限される。エルビウム(Er)などによる高い利得ドーピング密度は対誘起消光およびESAを引き起こすことがあり、それにより、出力飽和パワーおよびPCEの低下がもたらされる。
【0010】
加えて、現在のハイパワーLバンドEDFAは、コア・ポンピング方式が利用される場合、小さいコア直径に起因する四光波混合(FWM)の影響を受けやすい。四光波混合は、伝送容量を増加させるのに高密度波長分割多重(DWDM)を利用するシステムでは特に有害となることがある。そのような状況において、四光波混合は、異なる波長間の干渉クロストークおよび/または利得スペクトルのひずみを引き起こす。さらに、四光波混合の悪影響はファイバの長さに沿って蓄積することがある。
【0011】
ダブルクラッド(DC)・ポンピングが、コア・ポンピングの代替として、低コスト多モード・ポンプ・ダイオードを使用するハイパワー増幅のために使用される。電気通信用途でDCポンピングを使用することに由来する利点にもかかわらず、低いポンプ光吸収の結果としてDCポンピング増幅器設計に伴うかなり大きい困難が依然として存在する。加えて、低いポンプ光吸収のため、ファイバ長を増加させる必要があることがある。
【0012】
DCポンプ・システムのポンプ光吸収を改善するために、Erのイッテルビウム(Yb)およびリン(P)との共ドーピングが時には使用される。しかし、Pによる共ドーピングはErのクロス・スペクトルを変更し、短波長のWDM信号に悪影響を及ぼす。その上、P−ドーピングは、屈折率値および内側クラッドの変動へのそれの影響に起因して、アルミニウム(Al)などの他の共ドーパントの選択幅を狭める。要するに、DCポンプ増幅器の低いポンプ吸収に関連する問題を解決するために実施されるP−共ドーピング方式は利得スペクトルを変更し、それにより、WDMシステムの短波長範囲の利得を低下させる。WDMシステムにおける望ましい広利得スペクトル平坦性には、Pのゼロ濃度が望ましい。これは、通常、増幅の広利得スペクトルと、良好な利得平坦性とを達成するために、ファイバが本質的にYbフリーであり、代わりに、Alで共ドープされることを必要とする。
【0013】
DCポンプ増幅器のポンプ吸収を改善するために他の設計技法が実施されている。具体的には、DCファイバのポンプ吸収係数は、コア面積に対する内側クラッド面積の比に反比例する。したがって、内側クラッド直径が減少するとポンプ吸収が増加する。この技法はポンプ吸収の改善をもたらすことができるが、不利点がないわけではない。例えば、内側クラッド面積を低減すると、通常、より小さい直径のピグテイル・ファイバを用いてパッケージ化された特別設計の多モード・ポンプ・ダイオードが必要とされ、それは低いパワー変換効率をもたらす。理論的には、ポンプ吸収係数の改善は、コア直径を増加させることによって達成することもできる。しかし、これは、どちらも電気通信用途を含むいくつかの用途では望ましくない多モード動作または過度の曲げ損失などの重大な不利点もたらすことがある。
【0014】
このことから、電気通信用途の光増幅器設計で考慮すべき別の主要な問題は、単一モード動作を維持しながらファイバ・コア直径を最大化にすることであることを、通常の技術者は理解されよう。単一モード動作を得るには、コア屈折率(ステップ・インデックス・プロファイルを仮定する)およびコア直径が、典型的には、
πNA
cored
core/λ<V
c [式1]
によって定義される単一モード・ファイバ基準を満たしており、ここで、λは動作波長であり、NA
coreはコアの開口数(NA)であり、d
coreはコア直径であり、V
cはカットオフ周波数である。ステップ・インデックス・ファイバでは、V
cは2.405である。NAは、
NA=((n
2core)−(n
2inner_clad))
1/2 [式2]
のようにコア屈折率に関連し、ここで、n
coreはコア屈折率であり、n
inner_cladは内側クラッド屈折率である。式1および式2から、単一モード動作を維持するのに、固定カットオフ波長では、コアのNAが低いほど、コア直径が大きいことが通常必要とされることが分かる。言い換えれば、固定または低いカットオフ波長では、コアのNAを減少させることにより、コア・サイズの増加が補償され、したがって、単一モード機能が維持される。
【0015】
加えて、利得ドーパント濃度を増加させることにより、ポンプ吸収効率を改善することができるが、この方法は、利得ドーパントの増加により、ポンプ吸収効率への放物線効果がもたらされるので、やはり、ポンプ吸収を改善する能力に限界がある。高いドーパント密度では、ESAおよび対誘起消光の負性非線形効果がポンプ効率の低下をもたらす。したがって、利得ドーパントの量を独断的に増加させるのは、DCファイバ増幅器のポンプ吸収を増加させるための適切な設計解決策ではない。
【0016】
図1に示すように、テーパ化ファイバ束102は、DC EDFA設計(
図1)において多モード・ポンプ光と信号光とを結合させるのに使用することができる。信号光は、単一モード・ファイバ101に入力され、ピグテイル・ファイバ103を通して導入されたポンプ光と多重化される。次に、テーパ化ファイバ束は、DC EDF105とスプライス接続される(104)。内側クラッドのNAを増加させ、それによって、高い多モード・スループットおよび/または高いポンプ結合効率を得るために、ダブルクラッド・ファイバの外側クラッドは、通常、低屈折率(low index)軟質ポリマーで製作される。しかし、機械的特性が不十分であること、経年変化性能に関連する懸念があること、およびパッケージ化された信号/ポンプ・マルチプレクサに使用される値が制限されていることのために、ポリマー被覆は電気通信用途での使用には望ましくない。したがって、全シリカ・ファイバ組成が、やはり、電気通信用途の光増幅器の設計での考慮事項である。
【0017】
要するに、EDFAの性能は、利得ドーパント濃度、ドーパント・タイプ、およびファイバの導波路特性の全体的な効果の関数である。通常の技術者は、前述のパラメータが互いに密接に関連しており、設計パラメータとEDFA機能との間に複雑なトレードオフをもたらすことを理解されよう。したがって、WDM用途用の実用的なハイパワー化DCポンプEDFAを設計することが他のDCポンプEDFA設計に鑑みてささいなことではないことが、当業者なら分かるであろう。開示するハイパワー化DCポンプEDFAの様々な実施形態は少なくともこれら競合する利害関係を念頭において設計される。
【0018】
本明細書で開示するDC YbフリーのLバンドEDFAのいくつかの実施形態は、ポンプ変換効率を増加させ、パワー出力を改善しながら単一モード動作を維持するために、コア屈折率を最小にしながらコア直径を最大化しようと努める。1つの実施形態では、Alで共ドープされ、約19ミクロンのコア直径および約0.11のNAをもつコアと、約105μmの直径および約0.18のNAをもつ内側クラッドとを有するある長さのDC Ybフリーのエルビウム・ドープ・ファイバ(EDF)を、DC YbフリーのLバンドEDFAは含む。本明細書で開示する実施形態は、従来のLバンドEDFAと比較して、より低い非線形性と増加したパワー出力とを含むいくつかの利点を有する。別の実施形態では、コア面積は、コアを囲む低屈折率トレンチによって増加される。
【0019】
ハイパワーDCポンプYbフリーのLバンドEDFAのいくつかの実施形態を概括的に説明したが、次に、図面に示すような実施形態の説明を詳細に参照する。いくつかの実施形態をこれらの図面に関連して説明するが、本明細書で開示する1つまたは複数の実施形態に本開示を限定する意図はない。むしろ、代替形態、変形形態、および均等物をすべて範囲に含むことが意図されている。
【0020】
ダブルクラッド(DC)・ポンプ・エルビウム・ドープ・ファイバ増幅器(EDFA)
図2は、ハイパワーDCポンプYbフリーのLバンドEDFAの1つの実施形態を示す図である。信号光201は第1の単一モード・ファイバ202aに入力され、第1の光マルチプレクサ203aで多重化される。1つの実施形態では、第1の多モード・ポンプ源204aからのポンプ光が第1の光マルチプレクサ203aで多重化され、受動DCファイバ205aの内側クラッドに送り込まれる。別の実施形態では、第2のポンプ源204bからのポンプ光が第2の光マルチプレクサ203bで多重化され、受動DCファイバ205bの内側クラッドに送り込まれる。さらなる実施形態では、第1のポンプ源204aおよび第2のポンプ源204bの両方からのポンプ光を使用して、受動DCファイバ205aおよび205bのクラッドがポンプされる。
【0021】
受動DCファイバ205aは、DC EDF206の一方の端部にコアおよびクラッド整合スプライス接続される(207a)。いくつかの実施形態において、受動DCファイバ205aの一方の端部のファイバ・パラメータがDC EDF206へのコアおよびクラッド整合スプライス接続を可能にするように、受動DCファイバ205aはテーパ化される。DC EDF206に沿って伝搬された後、ポンプ源204aおよび204bからのポンプ光はDC EDFの内側クラッドに沿って伝送され、ポンプ光は希土類元素ドーパントに吸収される。これにより、誘導放出、したがって、信号の増幅利得がもたらされる。
図3に示されるような星形状などの内側クラッドの不規則な形状は、コア沿いのポンプ光と信号との相互作用を増加させ、それはポンプ光吸収を改善する。多重化された信号光およびポンプ光は、DC EDF206の他方の端部でスプライス接続された(207b)受動DCファイバ205bの第2のセグメントに沿って伝送される。信号光と、第1のポンプ源204aからのポンプ光とが、第1光マルチプレクサ203aで多重化される実施形態では、DC EDF206に沿って伝搬された後、多重化された信号光およびポンプ光は、DC EDF206の他方の端部でスプライス接続された(207b)受動DCファイバ205bの第2のセグメントに沿って伝送される。いくつかの実施形態では、第2のマルチプレクサ203bを使用して、DC EDF206を逆方向ポンプすることができる。次に、出力信号208は第2の単一モード・ファイバ202bに沿って伝搬され渡される。第2のポンプ源204bからのポンプ光が第2の光マルチプレクサ203bで多重化され、受動DCファイバ205bの内側クラッドに送り込まれる実施形態では、ポンプおよび信号は、第1の信号/ポンプ・マルチプレクサ203aで多重分離される。すべての実施形態について、次に、出力信号208は第2の単一モード・ファイバ202bに沿って伝搬される。いくつかの実施形態において、出力信号208は、利得平坦化フィルタ(GFF)209を通される。いくつかの実施形態では、システムは、入力部および出力部に光アイソレータをさらに含むことができる。
【0022】
図3Aは、YbフリーのDCエルビウム・ドープ・ファイバ(EDF)300の断面の1つの実施形態を示す図である。好ましい実施形態では、コア301はAlで共ドープされる。他の実施形態では、ゲルマニウム(Ge)、フッ素(F)など、またはこれらのドーパントの任意の組合せのような追加の共ドーパントが使用される。すべての実施形態について、Ybによるドーピングが実質的にない。この設計制限の結果、相対的なEr濃度を増加させることによる比較的高いコア・ピーク・ポンプ光吸収が必要であり、したがって、対誘起消光または励起状態吸収(ESA)を際立って誘起することなしにポンプ光の十分な吸収を可能にする。Erドープ・コア301は、より低い屈折率の内側クラッド302で囲まれ、より低い屈折率の内側クラッド302は、さらに低い屈折率の外側クラッド303(例えば、軟質ポリマー、空気、低屈折率ガラス、または他の好適な材料)で囲まれる。
【0023】
図3Bは、
図3AのDCポンプEDFの屈折率プロファイルを示す図である。多モード・ポンプ光は内側クラッド302によって導波される。通常、単一モードである信号光は、コア301によって導波される。1つまたは複数のポンプ源からの光は、ファイバ300の内側クラッド302に沿って伝送される。ポンプ光がコア301を横断するか、またはコア301と重なり合うとき、ポンプ光は希土類元素ドーパントによって吸収され、誘導放出がコア301中で発生し、それによって、コア301中の信号の増幅利得がもたらされる。本明細書で開示するDC設計は、低コストでハイパワーの980nm多モード・ポンプ源204a、204b(まとめて204)(
図2)の使用を可能にする。市販されていることに加えて、980nm多モード・ポンプ源204の使用は、単一モード・ポンプ・レーザ源と比較して、電気直列抵抗を低減させる。これは、従来の単一モード・コア・ポンピングEDFA設計と比べて、開示するEDFA設計にかなり大きいエネルギー節約の利点を与える。雑音指数は約5dBから約8dBになるはずであり、これは、WDM伝送システムのパワー・ブースタ増幅器として機能するのに十分であることが予想される。
【0024】
図4は、YbフリーのLバンドEDFA用のDCポンプEDFの主要パラメータの1つの実施形態を示す表である。言い換えれば、単純なステップ・インデックス設計で構成されたDCポンプYbフリーのLバンドEDFの1つの実施形態のいくつかの主要なファイバ・パラメータが
図4に示される。ピーク・コア吸収は、1530nmにおいて少なくとも10dB/mであるが、好ましくは25dB/mから50dB/mの間である。市販の多モード・ポンプ・ダイオードは、約105μmの直径をもち、約0.15から約0.22までのNAをもつコアを有する。したがって、
図4の実施形態では、
図3AのDCポンプYbフリーのLバンドEDFは、市販の低コスト多モード・ポンプ・ダイオードを使用して高いポンプ効率を達成するために約105μmの内側クラッド直径304(
図3A)を有するように構成される。
【0025】
1つの主要設計考慮事項は、単一モード動作を保持しながらコア直径を最大化することである。約13μmから約19μmの比較的大きいコア直径305(
図3A)は、Lバンドに対応している、0.11の低いNA(約0.0041のデルタn)に対して1520nmのカットオフ波長による単一モード動作を維持しながら、ポンプ吸収比の増加を可能にし、これは、電気通信用途にとって十分である。
【0026】
他の実施形態では、単一モード動作は、コア301(
図3A)中の基本モードのみを優先的に励起するように信号光を入力することによって達成される。数モード動作がErドープ・コアで生じることがある実施形態では、約0.11以上のNAをもつより大きいコア直径が高次モードをもたらすことがある。これらの実施形態では、入力単一モード・ファイバは、DCポンプYbフリーのLバンドEDFの中心に直接スプライス接続されることになる。いくつかの実施形態において、コア対内側クラッド比は約65:1から約70:1であり、約0.4から約0.5dB/mのクラッド吸収係数をもたらす。90パーセントのポンプ吸収効率を仮定すると、クラッド吸収係数は、約50mのファイバ長で効率的な増幅器(例えば、利得>25dB)を構築するのに十分である。他の実施形態では、より高いコア対内側クラッド比が使用される。これは、ポンプ吸収をさらに増加させ、それにより、さらに短いファイバ長を使用できるようにする。全体として、この設計は、四光波混合に起因する干渉可能性を制限し、その制限はファイバ長の減少とコア直径の増加からもたらされる。
【0027】
DC YbフリーのLバンドEDFAを設計する際、ファイバの実効カットオフ波長への屈曲の影響を考慮することが重要である。屈曲は、高次モードの伝搬に影響を与え、それにより、所望の単一モード伝搬に影響を及ぼす。ファイバはスプールに巻きつけられることになるので、ファイバの小さい曲げにより、カットオフがより低い波長の方に押し進められ、より大きい曲げ直径で観測されるよりも効率的な高次モードの除去が行われることになる。
【0028】
これを念頭において、基本および高次モードのマクロベンディング損失を示す
図5に注目する。具体的には、
図5は、0.0041のデルタnコア屈折率および13.5μmコア直径をもつファイバ設計(
図4)の75mm曲げ直径でのLP01およびLP11マクロベンディング損失をプロットしている。LP01モードは無視できるほどの小さい曲げ損失を有するが、LP11モードは1.55μmにおいて75mm曲げ直径で754dB/メートルの極端に高い曲げ損失を有する。それにより、LP11モードは、ファイバの数センチメートル以内で除去される。これにより、1.55μmより上の明白なカットオフを伴ってより大きいコア直径の使用が可能になる。以前に説明したように、コア直径が大きいほどポンプ吸収は増加する。そのような屈曲により、普通なら数モード・ファイバを実用的なものにすることができる。したがって、いくつかの実施形態において、コア直径305をさらに増加させて、多モード・ポンプ光の吸収を最大化させる。
【0029】
図5に示したLP01およびLP11モードのマクロベンディング損失の差により、LP11モードのベンディング損失を選択的に増加させるようにスプール直径を減少させることによって、LP11モードを除去することができる。
【0030】
加えて、他の実施形態はより複雑なコア設計を実施して、単一モード動作を維持しながらコア面積の増加と低NAとを達成する。これには、高次モードを抑制するために低屈折率トレンチおよび/または高屈折率リングを追加することが含まれる(
図6A)。低屈折率トレンチを使用すると、コア直径をさらに増加させることができ、コア対内側クラッド比は約28:1から約30:1とし、約0.7から約0.8dB/mのクラッド吸収係数をもたらすことができる。コアを囲む低屈折率トレンチを使用する実施形態では、改善した屈曲性能が達成され、それはLバンドEDFAにとって重要である。
図6Aは、トレンチのない11.6μmのコア直径(DCEDF0)と、トレンチをもつ11.6μmのコア直径(DCEDFA)と、トレンチをもつ13.6μmのコア直径(DCEDFB)とをもつファイバの屈折率プロファイルを示す図である。
【0031】
図6Bは、3つのファイバ設計のカットオフ波長およびベンディング損失への
図6Aのファイバ設計の影響を例証するシミュレーション結果を示す図である。
図6Bに示されるように、トレンチのない11.6μmのコア直径のカットオフ波長は1.456μmである。トレンチが11.6μmの直径をもつコアに加えられると、カットオフ波長は1.339μmに減少することが予測される(
図6B)。重要なことには、トレンチを利用するいくつかの実施形態は、約1520nmのカットオフ波長を依然として維持しながら約13.6μmの増加したコア直径をさらに含む。言い換えれば、トレンチを含む実施形態は、増加したコア直径205を有することができ、ポンプ光吸収の改善を可能にし、一方、
図6Bに示されるように著しい曲げ損失による影響を受けない。
【0032】
信号/ポンプ・マルチプレクサ
内側クラッド直径の低減に関連する1つの弱点は、特別なポンプ・ダイオードを必要とすることがあることである。具体的には、特別なポンプ・ダイオードは、使用するDC EDF205の内側クラッドと直径が一致する特別な多モード・ピグテイル・ファイバを必要とすることがある。例えば、DC EDF205の内側クラッドが50μmである場合、多モード・ピグテイル・ファイバの直径は、やはり、約50μmであるべきである。市販のポンプ・ダイオードの多モード・ピグテイル・ファイバは105μmの内側クラッド直径を有し、したがって、EDFの内側クラッド直径を約105μm未満まで減少させるのは、電気通信用途にとって経済上実用的ではない。これらの弱点に対処するために、開示する実施形態は、市販の低コスト・ポンプ・ダイオードを使用しながら高いポンプ吸収係数を達成するように設計される。
【0033】
ハイパワーDCポンプYbフリーのEDFA(
図2)のいくつかの実施形態は、信号およびポンプ光が干渉フィルタに基づく光マルチプレクサよって結合される光信号/ポンプ・マルチプレクサ203を含む。いくつかの実施形態では、信号/ポンプ・マルチプレクサは、信号ポートに配置された標準単一モード・ファイバ202a、202b(まとめて202)と、共通ポートに配置された受動DCファイバ205a、205b(まとめて205)とを含み、受動DCファイバ205は、それにスプライス接続されるDC EDF206と同様の導波路特性(例えば、コア直径、内側クラッド直径、および外側クラッド直径)を有する。受動DCファイバは、約12μmから15μmのコア直径を有する。加えて、受動DCファイバ205は、内側クラッドに対して約0.08から約0.10のNAをもつコアを有する。市販の低コスト多モード・ポンプ・ダイオードを活用するために、ポンプ・ポートは、約105μmのコア直径、約125μmの外側クラッド直径、およびクラッドに対して約0.15であるコアのNAをもつ多モード・ファイバを利用する。
【0034】
いくつかの実施形態では、受動DCファイバ205は、105μmの内側クラッド直径および125μmの外側クラッド直径を有する。受動DCファイバ205の内側クラッドは、外側クラッドに対して少なくとも0.18のNAを有する。受動DCファイバ205のコアの低いNAは、Lバンド波長の信号光の単一モード動作を維持する。さらに、受動DCファイバ205の内側クラッドの高いNAは、ポンプ光結合効率を改善するように働く。したがって、薄膜技法によって実証されているように、説明した実施形態は約95パーセントもの高いポンプ光結合効率を達成する。YbフリーのDC−EDFAは、例えば、テーパ化ファイバ束(
図1に示したような)、溶融カプラ、薄膜技術に基づく干渉デバイスなどの他のタイプの信号/ポンプ光マルチプレクサを使用することもできる。
【0035】
例
開示する実施形態は以下の例によってさらに明確にされ、その以下の例は、
図2および
図3で概括的に示したような実施形態を代表するものである。
【0036】
+32dBmの全出力パワーが、
図3に示した設計に基づくYbフリーのDC−EDFファイバを使用することによって達成された。この例では、YbフリーのDC−EDFは、17μmのコア直径、および内側クラッドに対して0.11のNAを有する。さらに、内側クラッドは、約125μm直径を有し、外側クラッドに対して0.45のNAをもつ。コアは、約1530nmにおける約14.5dB/mのピーク吸収と、1550nmにおける5dB/km未満のバックグラウンド損失とを有する。
【0037】
60メートルのYbフリーのDC EDFが、YbフリーのDC EDFAで使用され、
図2に示したように双方向でポンプされ、性能特性が評価された。
図7Aは、1570.4nmから1610.4nmまでの波長の関数としてDC EDFAの測定した利得を示す。測定したとき、利得は、5dB未満の利得偏差を伴ってLバンドの40nm帯域幅で約25dBもの高さであった。出力パワーは、9.7Wの総計の976nm多モード・ポンプ・パワーを使用して+32dBmであった。
【0038】
考慮すべき別の重要な特性はOSNRである。
図7Bは、波長の関数としてYbフリーのDC−EDFAの測定した雑音指数(NF)を示す。測定したとき、現在の例の60mのDC−EDFを利用して試験したYbフリーのDC−EDFAは、約4.6dBから9.6dBの範囲のNFを有していた。この範囲内のNFは、光ファイバ伝送のためのブースタ・ハイパワー増幅器では許容できる。DC−EDFとDC−EDFAの設計とのさらなる最適化により、増幅器システムの利得平坦性およびNFをさらに改善することができる。
【0039】
図8は、出力パワー+32dBmをもつDC−EDFAからの出力スペクトルを示し、2つの波長チャネルは遮断されている。使用した大きいコア直径のDC−EDFのために、FWM成分は、+32dBmの出力パワーで−45dBよりも少ない。約100GHzのチャネル間隔で、本開示のYbフリーのLバンドDC EDFAは従来のLバンドEDFAよりも非常に低い非線形性を有する。
【0040】
この例のYbフリーのDC−EDFは、1530から1615nmの信号バンドで2つの導波信号モード(LP01およびLP11)を許容する。現在開示したYbフリーのDC−EDFが標準単一モード・ファイバ(SSMF)に溶融スプライス接続されて、
図2に示したようなDC−EDFAが構築される場合、基本モード(LP01)のみが、利用可能な利得から大いに利益を得る。高次モード(この例ではLP11)は、高次モード除去プロセスによって除去することができる。ここで、2つのモード除去プロセスが含まれていた。第1の高次モード除去プロセスは、DC−EDFの入力部および出力部(
図2、207)で作用するDC−EDFとSSMFとの間のモード選択結合であった。高次モード除去は、DC−EDF利得媒体への大きい閉込めのために高次モードと比較してDC−EDF基本モードの利得係数が増加することからももたらされる。
【0041】
第1の高次モード(HOM)除去プロセスでは、SSMFからDC−EDFのLPモードに(逆の場合も同様に)移送されるパワーの量は、SMFの基本モードの横モード・フィールド・プロファイルとDC−EDFのLPモードの横モード・フィールド・プロファイルとの間の重なり積分(Ψ
lp)によって決定される。DC−EDFのHOM重なり積分値は、SMFを伝搬する基本モードの重なり積分値と密接に一致する基本モード(LP01)の重なり積分値よりも非常に小さい。数値計算が示すところによれば、SSMFの基本モードと開示したDC−EDFのLP01モードとの間の重なり積分は、Ψ
01≒0.99である。一方では、SSMFを伝搬する基本モードと開示したDC−EDFのLP11モードとの間に重なり積分は、Ψ
01≒0.0である。
【0042】
第2のHOM除去プロセスでは、開示するDC−EDFの利得係数は、開示するDC−EDFのコアのモードのいわゆる閉込め係数「Γ
lp」によって決定される。閉込め係数は、モード(LP01またはLP11)で伝搬する全パワーに対するドープ・コアに閉じ込められたパワーの比である。数値計算の示すところによれば、閉込め係数「Γ
lp」は、この例では、LP01に対して0.98(すなわち、Γ
01≒0.98)であり、LP11に対して0.88(すなわち、Γ
11≒0.88)である。
【0043】
これらの2つのモード除去プロセスを組み合わせることによって、LPモードのネット利得は、
【数1】
であり、ここで、gは単位長さ当たりの利得であり、LはDC−EDFAで使用されるDC−EDFの長さである。この計算によると、この例のLP11モードのネット利得は、−∞になることになる。したがって、理論上、高次モードのネット利得は、
図2の構成に基づく開示したDC−EDFAでは存在しない。実際は、スプライス接続プロセスの間に生成されたわずかなコア位置合わせ不良があっても、SSMFからパワーの大部分は開示したDC−EDFAの基本モードLP01に結合される。
【0044】
加えて、高速100Gb/sデジタル伝送実験が、開示したYbフリーのDC−EDFAに高次モードが存在することに起因した障害がないことを確認するために行われた。これを念頭において、
図9は、開示したYbフリーのDC−EDFAがある場合とない場合の100Gb/s偏光分割多重四位相偏移変調(PDM−QPSK)増幅伝送ファイバ・リンクでの光信号対雑音比(OSNR)の関数としてのビット誤り率(BER)を示す。全体として、開示したYbフリーのDC−EDFAは無視できるOSNRペナルティ(<0.3dB)を示している。このOSNRペナルティは、この実験で使用した測定器によって制限された測定誤差範囲内にある。
【0045】
例示の実施形態を図示し説明したが、説明したような本開示にいくつかの変更、修正、または改変を加えることができることが当業者には明らかであろう。ポンプ光は、単一のポンプ・ダイオード源または多数のダイオードから導入することができ、多数のダイオードは冗長性を介してあるレベルの頑健性を備えるように構成される。例えば、ポンプは異なる増幅器または利得段の間で共有することができる。ポンプは、利得媒体の吸収帯域幅内のどこかに出力があるラマン・レーザまたは増幅器などの他のレーザ・タイプとすることもできる。加えて、テーパ化ファイバ束がマルチプレクサの好ましい実施形態として示されているが、信号光を利得ファイバのコアに、およびポンプ光を利得ファイバの少なくとも内側クラッドに結合させるのに、任意のマルチプレクサを使用することもできることを理解されたい。例えば、溶融カプラに加えて、信号光およびポンプ光は、微小光学、側方結合法、および当技術分野の他の既知の方法に基づく自由空間デバイスを使用して結合させることができる。したがって、そのような変更形態、修正形態、および改変形態はすべて本開示の範囲内にあると見なされるべきである。