【実施例】
【0057】
一般的手順
以降、カラムを充填するための例示的な一般的手順、続いて具体的な実施例を記載する。これらは本発明の範囲に対して非限定的である。
【0058】
好ましくは、全体的に多孔質または表面的に多孔質の微粒子クロマトグラフィー媒体が充填に使用される。
【0059】
ステップ1:0.2μmまたは0.5μmのフリットなどのフリットを有するカラム本体と、一端部上の端部装着具とを組み立て、他方の端部を、充填ポンプに接続されているカラム充填リザーバーに接続されたアダプタに取り付ける。このカラムを、カラムの下端部上の端部装着具、ならびに上端部上のアダプタ及びカラム充填リザーバーと垂直に位置付ける。この充填ポンプは、好適には、定圧ポンプまたは定流量ポンプであってよい。この充填ポンプは、水系、または、メタノール、イソ−プロパノール、アセトン、アセトニトリル、塩化メチレン、クロロホルム、ヘキサン、ヘプタン類、及びその他、ならびにこれらのうち任意の2つ以上の混合物などの有機溶剤系であってよい充填溶液すなわち後押し用溶液を含むボトルまたはリザーバーを備える。しかしながら、本発明の態様に従って、水系の後押し用溶液、例えば、純水;界面活性剤、塩、酸、及び/もしくは塩基などの添加物を含有する水溶液;水と溶剤との混合物(水は少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも90重量%である);または、溶剤と、酸、塩基、界面活性剤、及び/もしくは塩などの添加物を含有する水溶液との混合物(水は混合物の少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも90重量%である)のうちの1つなどを使用することが好ましい。
【0060】
ステップ2:クロマトグラフィー媒体粒子の適量、すなわちカラムを満たすための量を測定する。該粒子は、多孔質、表面的に多孔質、または非多孔質であってよい。該粒子は、純シリカ、有機−シリカハイブリッド、金属酸化物、有機ポリマー系粒子から選択されるべきである。粒径は、0.5〜10μm、好ましくは1〜5μm、最も好ましくは1〜2μmであるべきである。次いで、媒体粒子は、不均一分散のスラリーが得られるまでスラリー溶液中に分散され得る。スラリー溶液は、水系、または、メタノール、イソ−プロパノール、アセトン、アセトニトリル、塩化メチレン、クロロホルム、ヘキサン、ヘプタン類、及びその他、ならびにこれらのうち任意の2つ以上の混合物などの有機溶剤系であってよい。しかしながら、本明細書に記載される態様に従って、水系の後押し用溶液、例えば、純水;界面活性剤、塩、酸、及び/もしくは塩基などの添加物を含有する水溶液;水と溶剤との混合物(この混合物は少なくとも50重量%水、好ましくは少なくとも90重量%水である);または、溶剤と、酸、塩基、界面活性剤、及び/もしくは塩などの添加物を含有する水溶液との混合物(この混合物は少なくとも50重量%水、好ましくは少なくとも90重量%水である)のうちの1つなどを使用することが好ましい。
【0061】
ステップ3:ステップ2から得られたスラリーを、充填リザーバーの底部に空のカラムが取り付けられている充填リザーバー内に注ぐ。粒子のスラリーは、この段階で(すなわち、ポンプ圧が加えられる前に)、重力によって空のカラム内に落ちる。次いで、充填リザーバーはキャップで閉じられ得る。
【0062】
ステップ4−第1の充填段階:選択された第1の圧力を加えるように制御された充填ポンプを用い、後押し用溶液を充填リザーバー及びカラム充填物に押し通し、この圧力を、ある特定の期間にわたって、選択された圧力で一定に保つ。十分に充填された層を形成するために、100〜1500バールの範囲内で選択された圧力が加えられる。選択された圧力は、急激または緩やかな圧力変化であり得る圧力勾配によって到達され、次いで、到達された選択された圧力を、20分間〜48時間(好ましくは2〜25時間、または5〜10時間、例えば約15時間)の範囲内の期間にわたって保つことが続く。
【0063】
ステップ5−第2の充填段階:充填ポンプを用い、より高い第2の圧力を加えて、後押し用溶液を充填リザーバー及びカラム充填物に押し通す。これは、カラム内の充填層をさらに安定化させることが見出された。より高い第2の圧力は、200〜4000バールの範囲内であるべきであり、充填圧力をより高い圧力に上昇させること、続いて、この圧力を、20分間〜48時間(好ましくは0.5〜25時間、特に0.5〜5時間、または0.5〜1時間)の範囲内のある特定の期間にわたって、より高い第2の圧力で一定に保つことによって到達される。
【0064】
ステップ6:この圧力を解放し、カラムを係脱し、フリット及び端部装着具をカラムの他方の端部上に置く。
【0065】
ステップ7:充填されたカラムを、洗浄溶剤または溶液で、例えばアセトニトリルで洗浄し、次いで、好ましくは使用及び/または試験前に移動相で洗浄する。
【0066】
以下の実施例では、2種類のクロマトグラフィー媒体をカラム内に充填した。
媒体1:1.5μmの表面的に多孔質のシリカ系C18粒子、及び
媒体2:1.9μmの全体的に多孔質のシリカ系C18粒子。
【0067】
実施例1−水系充填方法を使用して媒体1を100×2.1mmのカラム内に充填する
0.45gの媒体1粒子を、20mLのスラリー溶液(重量比により0.5:0.5:99のドデシル硫酸ナトリウム/エタノール/水)中に懸濁させた。得られたスラリーを、下端部に第1のフリット及び端部装着具が装着された100×2.1mmのブランクカラムに取り付けられた充填リザーバー内に注いだ。リザーバーキャップを閉じた後、後押し用溶液として水を用いて、圧力を600〜1000バールの範囲に上昇させた。この充填圧力を2〜24時間にわたって同じ圧力(800バール)に保った後、この充填圧力を1500〜3000バールの範囲に上昇させ、0.5〜24時間にわたって同じ圧力(2400バール)に保った。この圧力を解放し、第2のフリット及び端部装着具を充填リザーバーの代わりにカラム上で組み立てた。このカラムを、20カラム体積の100%のアセトニトリルで洗浄した。カラム性能を試験し、試験結果を
図3aのクロマトグラムaに示す(クロマトグラフィー性能)。カラムを頑強性試験に供する前及び後にもカラム性能を試験し、これを、それぞれ
図5のクロマトグラムa及びbに示す(頑強性)。
【0068】
実施例2−溶剤系充填方法を使用して媒体1を100×2.1mmのカラム内に充填する
0.45gの媒体1粒子を、20mLのスラリー溶液(重量比により10:90のメタノール/クロロホルム)中に懸濁させた。得られたスラリーを、下端部に第1のフリット及び端部装着具が装着された100×2.1mmのブランクカラムに取り付けられた充填リザーバー内に注いだ。リザーバーキャップを閉じた後、後押し用溶液としてメタノールを用いて、圧力を600〜1000バールの範囲に上昇させた。この充填圧力を2〜24時間にわたって同じ圧力(800バール)に保った後、この充填圧力を1500〜3000バールの範囲に上昇させ、0.5〜24時間にわたって同じ圧力(2400バール)に保った。この圧力を解放し、第2のフリット及び端部装着具を充填リザーバーの代わりにカラム上で組み立てた。このカラムを、20カラム体積の100%のアセトニトリルで洗浄した。次いで、カラム性能を試験し、試験結果を
図3のクロマトグラムbに示す。
【0069】
行ったクロマトグラフィー試験評価(カラム性能試験)及びカラム頑強性試験評価の詳細を以下に提示する。
【0070】
実施例3 820バールで水系充填方法を使用して媒体1を50×2.1mmのカラム内に充填する
0.25gの媒体1粒子を、20mLのスラリー溶液(重量比により0.25:0.25:95.5のドデシル硫酸ナトリウム/エタノール/水)中に懸濁させた。得られたスラリーを、50×2.1mmのブランクカラムに取り付けられた充填リザーバー内に注いだ。リザーバーキャップを閉じた後、後押し用溶液として水を用いて、圧力を600〜1000バールの範囲に上昇させた。この充填圧力を2〜24時間(この実施例では15時間)にわたって同じ圧力(820バール)に保った後、この圧力を開放し、フリット及び端部装着具を充填リザーバーの代わりにカラム上で組み立てた。このカラムを、20カラム体積の100%のアセトニトリルで洗浄した。カラムを頑強性試験に供する前及び後にもカラム性能を試験し、これを、それぞれ
図4aのクロマトグラムa及びbに示す。
【0071】
実施例4 2400バールで水系充填方法を使用して媒体1を50×2.1mmのカラム内に充填する
0.25gの媒体1粒子を、20mLのスラリー溶液(重量比により0.25:0.25:99.5のドデシル硫酸ナトリウム/エタノール/水)中に懸濁させた。得られたスラリーを、50×2.1mmのブランクカラムに取り付けられた充填リザーバー内に注いだ。リザーバーキャップを閉じた後、後押し用溶液として水を用いて、圧力を600〜1000バールの範囲に上昇させた。この充填圧力を2〜24時間(この実施例では15時間)にわたって同じ圧力(800バール)に保った後、この充填圧力を1500〜3000バールの範囲に上昇させ、0.5〜24時間(この実施例では1時間)にわたって同じ圧力(2400バール)に保った。次いで、この圧力を解放し、フリット及び端部装着具をカラム上で組み立てた。このカラムを、20カラム体積の100%のアセトニトリルで洗浄した。カラムを頑強性試験に供する前及び後にもカラム性能を試験し、これを、それぞれ
図4bのクロマトグラムa及びbに示す。
【0072】
実施例5−2段階の水系充填方法を使用して2400バールで媒体2を200×2.1mmのカラム内に充填する
0.60gの媒体2粒子を、20mLのスラリー溶液(重量比により0.5:0.25:99.25のドデシル硫酸ナトリウム/エタノール/水)中に懸濁させた。得られたスラリーを、200×2.1mmのブランクカラムに取り付けられた充填リザーバー内に注いだ。リザーバーキャップを閉じた後、後押し用溶液として水を用いて、圧力を600〜1000バールの範囲に上昇させた。この充填圧力を2〜24時間(15時間)にわたって同じ圧力に保った後、この充填圧力を1500〜3000バールの範囲に上昇させ、0.5〜24時間(1時間)にわたって同じ圧力に保った。次いで、この圧力を解放し、フリット及び端部装着具をカラム上で組み立てた。このカラムを、20カラム体積の100%のアセトニトリルで洗浄した。カラムを頑強性試験に供する前及び後にもカラム性能を試験し、これを、それぞれ
図6のクロマトグラムa及びbに示す。
【0073】
実施例6−2段階の溶剤系充填方法を使用して2400バールで媒体2を150×2.1mmのカラム内に充填する
0.42gの媒体2粒子を、20mLのスラリー溶液(重量比により10:90のメタノール/クロロホルム)中に懸濁させた。得られたスラリーを、150×2.1mmのブランクカラムに取り付けられた充填リザーバー内に注いだ。リザーバーキャップを閉じた後、後押し用溶液としてメタノールを用いて、圧力を600〜1000バールの範囲に上昇させた。この充填圧力を2〜24時間にわたって同じ圧力に保った後、この充填圧力を1500〜3000バールの範囲に上昇させ、0.5〜24時間にわたって同じ圧力に保った。次いで、この圧力を解放し、フリット及び端部装着具をカラム上で組み立てた。このカラムを、20カラム体積の100%のアセトニトリルで洗浄した。カラムを頑強性試験に供する前及び後にもカラム性能を試験し、これを、それぞれ
図7aのクロマトグラムa及びbに示す。
【0074】
実施例7−2段階の水系充填方法を使用して2400バールで媒体2(1.9μmの全体的に多孔質のシリカ系C18)粒子を150×2.1mmのカラム内に充填する
0.42gの媒体2粒子を、20mLのスラリー溶液(重量比により0.5:0.25:97.25のドデシル硫酸ナトリウム/エタノール/水)中に懸濁させた。得られたスラリーを、150×2.1mmのブランクカラムに取り付けられた充填リザーバー内に注いだ。リザーバーキャップを閉じた後、後押し用溶液として水を用いて、圧力を600〜1000バールの範囲に上昇させた。この充填圧力を2〜24時間にわたって同じ圧力に保った後、この充填圧力を1500〜3000バールの範囲に上昇させ、0.5〜24時間にわたって同じ圧力に保った。次いで、この圧力を解放し、フリット及び端部装着具をカラム上で組み立てた。このカラムを、20カラム体積の100%のアセトニトリルで洗浄した。カラムを頑強性試験に供する前及び後にもカラム性能を試験し、これを、それぞれ
図7bのクロマトグラムa及びbに示す。
【0075】
クロマトグラフィー試験評価
カラム性能試験
中性の疎水性プローブ(o−キシレン)を用いて、効率及びピークテーリング係数についてカラム性能を査定した。クロマトグラフィー条件は、以下に提示されるとおりであった。
【0076】
カラム:媒体1(1.5μmの表面的に多孔質のシリカ系C18)
寸法:2.1×50mm、2.1×100mm、及び2.1×150mm
移動相:MeCN/H2O=50/50(v/v)
温度:30℃
流速:0.40mL/分
注入体積:1μL
検出:UV(254nm)
【0077】
試料組成:
1.テオフィリン(0.008mg/mL
2.o−ニトロアニリン(0.025mg/mL)
3.安息香酸メチル(0.18mg/mL)
4.フェネトール(0.30mg/mL)
5.o−キシレン(0.48mg/mL)
【0078】
カラム:媒体2(1.9μmの全体的に多孔質のシリカ系C18)
寸法:2.1×50mm、2.1×100mm、2.1×150−mm、及び2.1×200−mm
移動相:MeCN/H2O=50/50(v/v)
温度:30℃
流速:0.50mL/分
注入体積:1μL
検出:UV(254nm)
【0079】
試料組成:
1.テオフィリン(0.032mg/mL
2.o−ニトロアニリン(0.10mg/mL)
3.安息香酸メチル(0.71mg/mL)
4.フェネトール(01.2mg/mL)
5.o−キシレン(1.92mg/mL)
【0080】
それぞれの媒体についてのカラム性能試験の結果を、
図3、4a、4b、5、6、7a、及び7bに示す。
【0081】
カラム充填頑強性評価(UHPLC条件模擬実験)
カラム充填の質を、以下の方法によって査定した。
【0082】
1.新たに充填されたカラム上でカラム性能試験を行った。
【0083】
2.1500バールの定格圧力のUHPLC機器上で、カラム圧力を、0(2分間保持)と1500バール(3分間保持)との間で100回往復させた。
図2は、典型的な圧力トレースを示す。
【0084】
3.このカラム性能試験を繰り返した。
【0085】
この頑強性試験の特定条件は次のとおりであった。
【0086】
カラム:媒体1(表面的に多孔質のC18、1.5μm)
寸法:2.1×100mm
移動相:50/50のA:B
A:水
B:アセトニトリル
温度:30℃
試料:なし
注入体積:なし
検出:圧力(バール)
流速:3分間1500バールにおいて各回0.675mL/分、
2分間0バールにおいて0mL/分
(100回;
図1に示される10)
【0087】
図2は、媒体1(1.5μmの表面的に多孔質のシリカ系C18)粒子が充填された100×2.1mmのカラムでのカラム充填頑強性試験に関する典型的な圧力トレースを示す。
【0088】
図3は、実施例1及び2の水系充填方法及び溶剤系充填方法の両方を使用して、2400バールで媒体1(1.5μmの表面的に多孔質のシリカ系C18)粒子が充填された100×2.1mmの2つのカラム間のカラム性能比較を示す。水性充填方法が、著しいテーリングが見られる溶剤充填と比較して改善された充填の質を提供することは明らかである。
【0089】
図4a及び4bは、水系充填方法を使用して、820バール(上記の実施例3)及び2400バール(上記の実施例4)で媒体1(1.5μmの表面的に多孔質のシリカ系C18)粒子が充填された2つの50×2.1mmのカラムでの頑強性試験の前及び後のカラム性能結果を示す。両方のカラムが良好な性能試験結果を最初は示すが、続く頑強性試験は、より低い圧力での1段階充填には重度のピーク分裂があるのに対して、より高い圧力(2400バール)での圧密ステップを用いて充填されたカラムが、カラム効率の減少が3%未満である優れたカラム充填の質をもたらすことを明らかにする。
【0090】
図5は、2400バールで2段階の水系充填方法を使用して、媒体1(1.5μmの表面的に多孔質のシリカ系C18)粒子が充填された100×2.1mmのカラム(上記の実施例1)での頑強性試験の前及び後のカラム性能結果を示す。長期間にわたり0〜1500バールの間を変動した後、カラム性能は良好なままである(例えば、効率の減少が10%未満である)。
【0091】
図6は、2400バールで2段階の水系充填方法を使用して、媒体2(1.9μmの多孔質シリカ系C18)粒子が充填された200×2.1mmのカラム(上記の実施例5)での頑強性試験の前及び後のカラム性能結果を示す。長期間にわたり0〜1500バールの間を変動した後、カラム性能は良好なままである。
【0092】
図7a及び7bは、2段階の溶剤系充填方法(
図7aのクロマトグラムa及びb)及び水系充填方法(
図7bのクロマトグラムa及びb)を使用して、2400バールで媒体2(1.9μmの多孔質シリカ系C18)粒子が充填された150×2.1mmの2つのカラム(それぞれ実施例6及び7)での頑強性試験の前及び後のカラム性能結果を示す。両方のカラムが良好な性能試験結果を最初は示すが、続く頑強性試験は、溶剤充填で充填されたカラム(頑強性試験後に35%の効率損失)と比較して、水性充填方法で充填されたカラムが、カラム効率の減少が4%未満である優れたカラム充填の質をもたらしたことを明らかにした。
【0093】
さらなる実験データを以下の表1に提供する。
【表1】
【0094】
上記の説明から、本発明が以下の番号の条項に従って提供され得ることが分かる。
【0095】
クロマトグラフィーカラムを充填する方法であって、
クロマトグラフィー媒体粒子を水系スラリー溶液中に分散させてスラリーを形成することと、
スラリーをカラムに導入することによってクロマトグラフィーカラムをクロマトグラフィー媒体粒子で満たすことと、
圧力を加えてクロマトグラフィー媒体粒子をクロマトグラフィーカラム内に充填することと、を含む、方法。
【0096】
水系スラリー溶液が、100重量%水、または少なくとも90重量%、または少なくとも95重量%、または少なくとも99重量%水である、条項iに記載の方法。
【0097】
水系スラリー溶液が、100重量部の水に基づいて、100重量部以下、50重量部以下、または40重量部以下、または30重量部以下、または20重量部以下、または10重量部以下、または5重量部以下、または1重量部以下の有機溶剤の量で、有機溶剤を含有する、任意の前項に記載の方法。
【0098】
水系スラリー溶液が、100重量部の水に基づいて、
0〜50重量部、または0〜40重量部、または0〜30重量部、または0〜20重量部、または0〜10重量部、または0〜5重量部、または0〜1重量部の界面活性剤と、
0〜50重量部、または0〜40重量部、または0〜30重量部、または0〜20重量部、または0〜10重量部、または0〜5重量部、または0〜1重量部の電解質もしくは塩(イオン性界面活性剤以外)と、
0〜100重量部、または0〜50重量部、または0〜30重量部、または0〜20重量部、または0〜10重量部、または0〜5重量部、または0〜1重量部の酸と、
0〜100重量部、または0〜50重量部、または0〜30重量部、または0〜20重量部、または0〜10重量部、または0〜5重量部、または0〜1重量部の塩基と、をさらに含む、任意の前項に記載の方法。
【0099】
加圧力が、ある期間にわたって少なくとも500バール、または少なくとも800バール、または少なくとも1000バール、または少なくとも1300バール、または少なくとも1500バール、または少なくとも2000バールの圧力を含む、任意の前項に記載の方法。
【0100】
圧力が、第1の期間にわたって第1の圧力で加えられ、かつ実質的に一定に保たれ、また、第1の期間の後、第2の期間にわたって第1の圧力よりも高い第2の圧力で加えられ、かつ実質的に一定に保たれる、任意の前項に記載の方法。
【0101】
第1の圧力が、100〜1500バール、または100〜1300バール、または100〜1000バール、または300〜1000バール、または500〜1000バールの範囲内であり、第2の圧力が、1500〜6000バール、または1500〜5000バール、または1500〜4000バール、または1500〜3000バールの範囲内である、任意の前項に記載の方法。
【0102】
第1の圧力が、100〜1500バールの範囲内であり、第2の圧力が、1500〜4000バールまたは1500〜4000バールの範囲内である、任意の前項に記載の方法。
【0103】
第1の期間が、0.1〜100時間、または0.2〜50時間の範囲内であり、第2の期間が、0.1〜100時間、または0.2〜50時間の範囲内である、任意の前項に記載の方法。
【0104】
カラムが、10μm〜5mm、または100μm〜5mmの内径を有し、カラムが、20mm〜10,000mm、または20mm〜1,000mmの長さを有する、任意の前項に記載の方法。
【0105】
クロマトグラフィー媒体粒子が、1〜5μmのメジアン粒径を有し、全体的に多孔質または表面的に多孔質である、任意の前項に記載の方法。
【0106】
クロマトグラフィーカラムを充填する方法であって、
クロマトグラフィー媒体粒子をスラリー溶液中に分散させてスラリーを形成することと、
スラリーをカラムに導入することによってクロマトグラフィーカラムをクロマトグラフィー媒体粒子で満たすことと、
圧力を加えてクロマトグラフィー媒体粒子をクロマトグラフィーカラム内に充填することと、を含み、この圧力が、第1の期間にわたって第1の圧力で加えられ、かつ実質的に一定に保たれ、また、第1の期間の後、第2の期間にわたって第1の圧力よりも高い第2の圧力で加えられ、かつ実質的に一定に保たれる、方法。
【0107】
第1の圧力が、100〜1500バール、または100〜1300バール、または100〜1000バール、または300〜1000バール、または500〜1000バールの範囲内であり、第2の圧力が、1500〜6000バール、または1500〜5000バール、または1500〜4000バール、または1500〜3000バールの範囲内である、条項xiiに記載の方法。
【0108】
第1の圧力が、100〜1500バールの範囲内であり、第2の圧力が、1500〜4000バールまたは1500〜3000バールの範囲内である、条項xii〜xiiiのいずれかに記載の方法。
【0109】
第1の期間が0.1〜100時間の範囲内であり、第2の期間が0.1〜100時間の範囲内である、条項xii〜xivのいずれかに記載の方法。
【0110】
カラムが、10μm〜5mm、または100μm〜5mmの内径を有し、カラムが、20mm〜10,000mm、または20mm〜1,000mmの長さを有する、条項xii〜xvのいずれかに記載の方法。
【0111】
クロマトグラフィー媒体粒子が、1〜5μmのメジアン粒径を有し、全体的に多孔質または表面的に多孔質である、条項xii〜xviのいずれかに記載の方法。
【0112】
少なくとも500バール、または少なくとも1000バール、または少なくとも1300バール、または少なくとも1500バールの液体圧における操作のための液体クロマトグラフィーカラムであって、クロマトグラフィー媒体粒子が、水系スラリー溶液からカラム内に充填されている、液体クロマトグラフィーカラム。
【0113】
第1の期間にわたって第1の圧力で実質的に一定であり、また、第1の期間の後、第2の期間にわたって第1の圧力よりも高い第2の圧力で実質的に一定であり、かつ実質的に一定に保たれる加圧力下で、クロマトグラフィー媒体粒子が水系スラリー溶液からカラム内に充填されている、条項xviiiに記載の液体クロマトグラフィーカラム。
【0114】
少なくとも500バール、または少なくとも1000バール、または少なくとも1300バール、または少なくとも1500バールの液体圧における操作のための液体クロマトグラフィーカラムであって、第1の期間にわたって第1の圧力で実質的に一定であり、また、第1の期間の後、第2の期間にわたって第1の圧力よりも高い第2の圧力で実質的に一定であり、かつ実質的に一定に保たれる加圧力下で、クロマトグラフィー媒体粒子がスラリー溶液からカラム内に充填されている、液体クロマトグラフィーカラム。
【0115】
カラム効率(1メートル当たりの理論段数、N/m)が、カラムに加えられる圧力が2分間0バールと3分間1500バールとの間で100回往復した後に10%未満変化する、条項xviii〜xxのいずれかに記載の液体クロマトグラフィーカラム。
【0116】
ピークテーリング係数が、カラムに加えられる圧力が2分間0バールと3分間1500バールとの間で100回往復した後に15%未満変化(上昇)する、条項xviii〜xxiのいずれかに記載の液体クロマトグラフィーカラム。
【0117】
背圧が、カラムに加えられる圧力が2分間0バールと3分間1500バールとの間で100回往復した後に10%未満変化(上昇)する、条項xviii〜xxiiのいずれかに記載の液体クロマトグラフィーカラム。
【0118】
特許請求の範囲を含め、本明細書において使用される場合、文脈による別段の指示がない限り、本明細書における用語の単数形は複数形を含むものと見なされるものとし、その逆も同様である。例えば、文脈による別段の指示がない限り、「1つの(a)」または「1つの(an)」などの単数形の言及は、「1つ以上」を意味する。
【0119】
本明細書の説明及び特許請求の範囲の全体にわたり、「備える(comprise)」、「含む(including)」、「有する(having)」、及び「含有する(contain)」という語、ならびにこれらの語の変形、例えば「備えている(comprising)」及び「備える(comprises)」、ならびに「など(etc.)」は、「限定されないが含む」ことを意味し、他の成分を除外することを意図しない(かつ除外しない)。
【0120】
本発明の前述の実施形態への変更が、依然として本発明の範囲内にありながら行われ得ることは理解されるであろう。本明細書に開示される各特徴は、別段の記載がない限り、同一、等価、または同様の目的を果たす代替的な特徴と置き換えられてもよい。したがって、別段の記載がない限り、開示される各特徴は、包括的な一連の等価または同様の特徴の一例に過ぎない。
【0121】
本明細書において提供されるありとあらゆる例、または例示的な言葉(「例えば(for instance)」、「など(such as)」、「例えば(for example)」、「例えば(e.g.)」及び同様の言葉)は、本発明をより良好に例示することのみを意図するものであり、別段の主張がない限り、本発明の範囲の限定を示すものではない。本明細書中のいかなる言葉も、特許請求されていない任意の要素を、本発明の実践に対して必須であるものとして示すものと解釈されるべきではない。
【0122】
本明細書に記載されるいかなるステップも、別段の記載がない限り、または文脈が別段必要としない限り、任意の順序で、または同時に行われてよい。
【0123】
本明細書に開示される特徴の全ては、かかる特徴及び/またはステップの少なくとも一部が相互排他的である組み合わせを除いて、任意の組み合わせで組み合わされてよい。特に、本発明の好ましい特徴は、本発明の全ての態様に適用可能であり、任意の組み合わせで使用されてよい。同様に、非本質的な組み合わせで記載される特徴は、別々に(組み合わせずに)使用されてよい。
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕クロマトグラフィーカラムを充填する方法であって、
クロマトグラフィー媒体粒子を水系スラリー溶液中に分散させてスラリーを形成することと、
前記スラリーを前記カラムに導入することによってクロマトグラフィーカラムを前記クロマトグラフィー媒体粒子で満たすことと、
圧力を加えて前記クロマトグラフィー媒体粒子を前記クロマトグラフィーカラム内に充填することと、を含む、前記方法。
〔2〕前記水系スラリー溶液が、100重量%水、または少なくとも90重量%、もしくは少なくとも95重量%、もしくは少なくとも99重量%水である、前記〔1〕に記載の前記方法。
〔3〕前記水系スラリー溶液が、100重量部の水に基づいて、100重量部以下、50重量部以下、または40重量部以下、または30重量部以下、または20重量部以下、または10重量部以下、または5重量部以下、または1重量部以下の有機溶剤の量で、有機溶剤を含有する、前記〔1〕に記載の前記方法。
〔4〕前記水系スラリー溶液が、100重量部の水に基づいて、
0〜50重量部の界面活性剤と、
0〜50重量部の電解質または塩(イオン性界面活性剤以外)と、
0〜100重量部の酸と、
0〜100重量部の塩基と、をさらに含む、前記〔1〕に記載の前記方法。
〔5〕前記加圧力が、ある期間にわたって少なくとも500バールの圧力を含む、前記〔1〕に記載の前記方法。
〔6〕前記圧力が、第1の期間にわたって第1の圧力で加えられ、かつ実質的に一定に保たれ、また、前記第1の期間の後、第2の期間にわたって前記第1の圧力よりも高い第2の圧力で加えられ、かつ実質的に一定に保たれる、前記〔1〕に記載の前記方法。
〔7〕前記第1の圧力が100〜1500バールの範囲内であり、前記第2の圧力が1500〜6000バールの範囲内である、前記〔6〕に記載の前記方法。
〔8〕前記第1の圧力が100〜1500バールの範囲内であり、前記第2の圧力が1500〜4000バールの範囲内である、前記〔7〕に記載の前記方法。
〔9〕前記第1の期間が0.1〜100時間の範囲内であり、前記第2の期間が0.1〜100時間の範囲内である、前記〔6〕に記載の前記方法。
〔10〕前記カラムが10μm〜5mmの内径を有し、前記カラムが20mm〜10,000mmの長さを有する、前記〔1〕に記載の前記方法。
〔11〕前記クロマトグラフィー媒体粒子が、1〜5μmのメジアン粒径を有し、全体的に多孔質または表面的に多孔質である、前記〔1〕に記載の前記方法。
〔12〕クロマトグラフィーカラムを充填する方法であって、
クロマトグラフィー媒体粒子をスラリー溶液中に分散させてスラリーを形成することと、
前記スラリーを前記カラムに導入することによってクロマトグラフィーカラムを前記クロマトグラフィー媒体粒子で満たすことと、
圧力を加えて前記クロマトグラフィー媒体粒子を前記クロマトグラフィーカラム内に充填することと、を含み、前記圧力が、第1の期間にわたって第1の圧力で加えられ、かつ実質的に一定に保たれ、また、前記第1の期間の後、第2の期間にわたって前記第1の圧力よりも高い第2の圧力で加えられ、かつ実質的に一定に保たれる、前記方法。
〔13〕前記第1の圧力が100〜1500バールの範囲内であり、前記第2の圧力が1500〜6000バールの範囲内である、前記〔12〕に記載の前記方法。
〔14〕前記第1の圧力が100〜1500バールの範囲内であり、前記第2の圧力が1500〜4000バールの範囲内である、前記〔13〕に記載の前記方法。
〔15〕前記第1の期間が0.1〜100時間の範囲内であり、前記第2の期間が0.1〜100時間の範囲内である、前記〔13〕に記載の前記方法。
〔16〕前記カラムが10μm〜5mmの内径を有し、前記カラムが20mm〜10,000mmの長さを有する、前記〔12〕に記載の前記方法。
〔17〕前記クロマトグラフィー媒体粒子が、1〜5μmのメジアン粒径を有し、全体的に多孔質または表面的に多孔質である、前記〔12〕に記載の前記方法。
〔18〕少なくとも500バールの液体圧における操作のための液体クロマトグラフィーカラムであって、クロマトグラフィー媒体粒子を含むカラム本体を備え、前記クロマトグラフィー媒体粒子が水系スラリー溶液から前記カラム内に充填されている、前記液体クロマトグラフィーカラム。
〔19〕第1の期間にわたって第1の圧力で実質的に一定であり、また、前記第1の期間の後、第2の期間にわたって前記第1の圧力よりも高い第2の圧力で実質的に一定であり、かつ実質的に一定に保たれる加圧力下で、クロマトグラフィー媒体粒子が前記水系スラリー溶液から前記カラム内に充填されている、前記〔18〕に記載の前記液体クロマトグラフィーカラム。
〔20〕カラム効率(1メートル当たりの理論段数、N/m)が、前記カラムに加えられる圧力が2分間0バールと3分間1500バールとの間で100回往復した後に10%未満変化する、前記〔18〕に記載の前記液体クロマトグラフィーカラム。
〔21〕ピークテーリング係数が、前記カラムに加えられる圧力が2分間0バールと3分間1500バールとの間で100回往復した後に15%未満上昇する、前記〔18〕に記載の前記液体クロマトグラフィーカラム。
〔22〕背圧が、前記カラムに加えられる圧力が2分間0バールと3分間1500バールとの間で100回往復した後に10%未満上昇する、前記〔18〕に記載の前記液体クロマトグラフィーカラム。
〔23〕少なくとも500バールの液体圧における操作のための液体クロマトグラフィーカラムであって、第1の期間にわたって第1の圧力で実質的に一定であり、また、前記第1の期間の後、第2の期間にわたって前記第1の圧力よりも高い第2の圧力で実質的に一定であり、かつ実質的に一定に保たれる加圧力下で、クロマトグラフィー媒体粒子がスラリー溶液から前記カラム内に充填されている、前記液体クロマトグラフィーカラム。
〔24〕前記カラム効率(1メートル当たりの理論段数、N/m)が、前記カラムに加えられる圧力が2分間0バールと3分間1500バールとの間で100回往復した後に10%未満変化する、前記〔23〕に記載の前記液体クロマトグラフィーカラム。
〔25〕前記ピークテーリング係数が、前記カラムに加えられる圧力が2分間0バールと3分間1500バールとの間で100回往復した後に15%未満上昇する、前記〔23〕に記載の前記液体クロマトグラフィーカラム。
〔26〕前記背圧が、前記カラムに加えられる圧力が2分間0バールと3分間1500バールとの間で100回往復した後に10%未満上昇する、前記〔23〕に記載の前記液体クロマトグラフィーカラム。