(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6348571
(24)【登録日】2018年6月8日
(45)【発行日】2018年6月27日
(54)【発明の名称】非接触式電位差計
(51)【国際特許分類】
G01D 5/12 20060101AFI20180618BHJP
G01D 5/246 20060101ALI20180618BHJP
【FI】
G01D5/12 A
G01D5/246
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-505693(P2016-505693)
(86)(22)【出願日】2014年4月1日
(65)【公表番号】特表2016-514840(P2016-514840A)
(43)【公表日】2016年5月23日
(86)【国際出願番号】CN2014074557
(87)【国際公開番号】WO2014161477
(87)【国際公開日】20141009
【審査請求日】2017年3月8日
(31)【優先権主張番号】201320158412.9
(32)【優先日】2013年4月1日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514116947
【氏名又は名称】江▲蘇▼多▲維▼科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】MULTIDIMENSION TECHNOLOGY CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン、チュンユン
(72)【発明者】
【氏名】ワン、フォン
(72)【発明者】
【氏名】チェン、シャオフォン
(72)【発明者】
【氏名】タイ、ユーリン
【審査官】
深田 高義
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−149924(JP,A)
【文献】
特開2008−064736(JP,A)
【文献】
特開平01−219611(JP,A)
【文献】
特開平01−032593(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0273784(US,A1)
【文献】
特表2011−501163(JP,A)
【文献】
米国特許第06326781(US,B1)
【文献】
米国特許第06584428(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 5/12
G01D 5/246
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非接触式電位差計であって、以下の構成要素:貫通穴を備えた機械的ハウジングと、上部端部と、固定された永久磁石を備えた磁気端部とを含む回転式棒であって、前記上部端部は、外部トルクを受け入れて、前記回転式シャフトおよび前記永久磁石を回転軸の周りで前記ハウジングに対して回転させることができる、回転式棒と、前記ハウジングに対して固定された磁気抵抗センサ組立体であって、1つまたは複数のセンサチップを含み、前記センサチップは、前記回転軸に対して垂直な平面内に感度軸を有し、前記回転軸に対して平行な方向に沿って前記永久磁石は、所定の距離だけ前記センサチップから分離され、前記センサチップは、前記永久磁石の、これが前記回転軸周りを回転するときの磁場を感知し、信号を生成する、磁気抵抗センサ組立体と、接地端子、電力供給端子、および信号出力端子それぞれである3つの電気端子とを備え、
さらに、位置決めのために使用されて、前記回転軸の周りの前記シャフトの前記回転を、360°未満の角度範囲に限定するピンを備え、
前記ハウジングには、少なくとも一つの連結ポストが設けられており、前記非接触式電位差計の磁気抵抗センサ組立体が前記連結ポストに連結され、前記ハウジングから突起しており、
さらに、前記非接触式電位差計の磁気抵抗センサ組立体が、前記感知信号をパルス幅変調された信号に変換するために制御回路に結合され、前記信号の前記負荷サイクルは、回転角度の比に比例することを特徴とする、非接触式電位差計。
【請求項2】
さらに、前記永久磁石の内部内の磁化方向が、前記回転式シャフトの前記軸方向に対して垂直である、請求項1に記載の非接触式電位差計。
【請求項3】
さらに、前記磁気抵抗センサ組立体内に2つのセンサを備え、前記2つのセンサの感度軸が、互いに直交し、前記回転軸に対して垂直である、請求項1に記載の非接触式電位差計。
【請求項4】
さらに、前記回転軸に対して垂直な方向の、前記回転式シャフトの周囲周りに切断された溝と、前記回転式シャフトの動作を前記回転軸周りのみに制限するための前記溝内に配設された保持クリップとを備える、請求項1に記載の非接触式電位差計。
【請求項5】
さらに、前記シャフトの前記回転動作を限定する前記ハウジングが、前記磁気抵抗センサ組立体が固定される、前記円筒状ハウジングのための底部プレートを有することを特徴とする、請求項1に記載の非接触式電位差計。
【請求項6】
さらに、電力制御回路に使用されるSP6201チップと、マイクロ制御装置ユニットに使用されるC8051F912チップと、前置増幅器回路に使用されるLMV324チップと、センサ回路に使用されるMMA243チップとを備える、請求項1に記載の非接触式電位差計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電位差計の技術分野に関し、より詳細には、機械的運動を電気信号に変換することができる非接触式電位差計に関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術では、電位差計は、一般に、3つの端子を含み、端子の2つは固定され、残りの端子は移動され得る。電位差計の移動端子は、しばしば、第3の端子と呼ばれる。電位差計の第3の端子からの電気信号出力の範囲は、入力電気信号電位差計によって制御される。電位差計の入力電気信号は、通常、電圧差または供給源によって提供される電流である。
【0003】
先行技術の電位差計の1つの実施形態では、電位差計は、単層ワイヤで均一に巻かれたシリンダを備え、シリンダの側部は露出され、シリンダの上部および底部各々には、端子が設けられ、電位差計への入力電圧は、上部および底部の端子間に提供される。電位差計の第3の端子は、金属スタイラスであり、この場合、金属スタイラスは、シリンダ表面に沿って上下に摺動することができ、シリンダ上に巻かれたワイヤは、スタイラスと接触する。金属スタイラス電圧は、金属スタイラスの、これがシリンダに沿って摺動するときの位置によって決まる。ワイヤの長さは、電位差計の総抵抗に比例し、ワイヤ直径は、抵抗に反比例する。この電位差計はまた、しばしば、「ワイヤ巻き付けされた可変抵抗器」とも称される。
【0004】
先行技術の電位差計の別の実施形態では、電位差計は、2つの端子および狭小導電バンドパターンをフィルムプレート上に有するフラットフィルムを備える。電位差計の第3の端子は、フィルムフラットと直接的に電気接触し、第3の端子の電圧は、薄いフィルム上の電気接触位置によって決まる第3の端子の位置によって決まる。この電位差計は、線形動作および角度動作を検出するために使用され得る。
【0005】
実際、これらの2つの電位差計の実施タイプは、いくつかの欠点を有する。2つの電位差計タイプの第3の端子は、良好な電気接触が、電位差計の第3の端子と抵抗要素の間に維持されながら、電位差計内で抵抗要素に沿って移動しなければならない。しかし、長期的使用は、接点腐食、物理的摩耗および破損、ならびにワイヤの緩みを伴い、それにより、第3の端子用の機械的構成要素を使用する電位差計は、経時的に電気パフォーマンスの劣化を示す。一般的な電位差計に対して改良された信頼性を有して、機械的動作を測定することができる機械的デバイスの必要性が存在する。残念ながら、摩耗機構は、これらの機械的デバイスにおいて回避できないものである。したがって、非接触式の電位差計に対する必要性が存在し、この場合、非接触式の電位差計の第3の端子は、スライダの位置を決定するために導電素子と直接的に接触する必要はない。
【0006】
先行技術において、非接触式電位差計は、しばしば、磁気センサと、第3の端子の代わりに磁石とを含み、これらの装置内の磁気センサは、磁石の相対運動および位置を検出する。先行技術の接触しない電位差計に使用される磁気センサは、しばしば、ホール効果、異方性磁気抵抗(AMR)、または巨大磁気抵抗(GMR)のセンサである。非接触式の電位差計用の磁気センサはまた、誘導性コイル磁気センサになることもできる。誘導性コイル磁気センサは、移動可能な軟強磁性構成要素の存在下で所与の周波数で電磁信号を送り、受け取り、次いで、アルゴリズムおよび較正によって軟磁性構成要素の位置を決定することによって作動する。このタイプの非接触タイプの電位差計はまた、線形可変差動変圧器(LVDT)としても知られている。このタイプの非接触式電位差計は、長期間の使用中の摩耗問題を解決する。
【0007】
しかし、このタイプの先行技術の非接触式電位差計は、低い正確性、高い電力消費、高いコスト、およびアナログセンサ信号をデジタル信号に変換するための回路が必要であることによって付加された複雑性を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、非接触式電位差計を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の非接触式電位差計は、
回転式シャフトが通る機械的ハウジングであって、回転式シャフトは、機械的トルクを受け取ることができる上端部と、底端部に取り付けられた磁石とを有し、磁石は、回転軸の周りでハウジングに対して回転する、機械的ハウジングを備え、
これは、さらに、ハウジングに対して固定された1つまたは複数の磁気抵抗センサチップであって、センサチップは、回転軸に対して垂直である平面内に感知軸を有し、センサチップは、永久磁石が回転軸に対して平行な線に沿って変位された状態で、シャフトの端部から所定距離を離して置かれ、それにより、前記永久磁石が前記回転軸の周りを回転するとき、その磁場は変化して信号を生み出す、磁気抵抗センサチップと、
3つの端子:接地端子、電力供給端子、および出力信号端子を備える。
【0010】
好ましくは、永久磁石の磁化は、シャフトの回転軸に対して垂直の方向に配向される。
【0011】
好ましくは、磁気抵抗センサ組立体は、2つのセンサを含み、2つのセンサの感度軸は、互いに対して直交し、回転軸に対して垂直である。
【0012】
好ましくは、位置決めピンを使用することにより、回転軸周りのシャフトの回転は、360°未満の角度範囲に限定される。
【0013】
好ましくは、回転式シャフトは、回転式シャフト軸に対して垂直に切断されたスロットを含み、スロットは、保持リングを保持し、それにより、シャフトは、その軸周りで回転式にのみ移動することができる。
【0014】
好ましくは、磁気抵抗センサ組立体のハウジングは、シャフトの動作を限定する円筒状ハウジングに加えて、底部プレートを備える。
【0015】
好ましくは、非接触式電位差計は、さらに、制御回路に結合された磁気抵抗センサ組立体を備え、それにより、感知信号は、パルス幅変調された出力波形に変換可能であり、この場合、この波形の負荷サイクルは、シャフトの回転軸に比例する。
【0016】
さらに、制御回路は、SP6201などの電力供給制御回路チップと、C8051F912マイクロ制御装置などのマイクロ制御装置と、LMV324などの前置増幅器チップと、MMA243磁気センサチップとを含む。
【0017】
本発明は、以下の有益な効果を有する。
【0018】
本発明は、良好なパフォーマンス、低電力損失、および低コストを伴う非接触式の精密電位差計を提供し、これは、磁場情報を含む複雑なアナログ信号が、標準的なデジタル信号に変換されることから、より速くより容易に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】分解された状態の非接触式電位差計の実施例1の断面図である。
【0020】
【
図2】完全に組み立てられた状態の非接触式電位差計の実施例1の断面図である。
【0021】
【
図3】非接触式電位差計の実施例1の上から見た図である。
【0022】
【
図4】非接触式電位差計の実施例1の永久磁石およびセンサチップの配置の三次元図である。
【0023】
【
図5】非接触式電位差計の実施例1の永久磁石およびセンサチップの配置を示す断面図である。
【0024】
【
図6】非接触式電位差計の実施例1の永久磁石の回転角度の関数としてセンサの出力電圧を示すプロット図である。
【0025】
【
図7】パルス幅変調された出力信号波形の図である。
【0026】
【
図8】PWM波形回転角度の負荷サイクル間の関係を示すグラフである。
【0027】
【
図9】非接触式電位差計の実施例1のマイクロ制御装置の回路図である。
【0028】
【
図10】非接触式電位差計の実施例1のクロック回路の回路図である。
【0029】
【
図11】非接触式電位差計の実施例1の定電圧回路の回路図である。
【0030】
【
図12】非接触式電位差計の実施例1のセンサチップの回路図である。
【0031】
【
図13】非接触式電位差計の実施例1の前置増幅器ユニットの回路図である。
【0032】
【
図14】非接触式電位差計の実施例1のコネクタユニットの回路図である。
【0033】
【
図15】完全に組み立てられた状態の非接触式電位差計の実施例2の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明の実施形態は、提供された添付の図と併せて、以下でさらに説明される。
【0035】
実施例1
図1および2は、回転式シャフト1、永久磁石2、センサチップ3、プリント回路基板(PCB)4、ハウジング5、カバー6、および制御回路モジュールを含む非接触式タイプの電位差計を提供する本発明の実施形態を提示する。ハウジング5は、凸形状を有し、内側が中空であり、底部開口部を備える。ハウジング5の上部には、貫通穴7が設けられる。回転式シャフト1には、中央凹部8が設けられ、回転式シャフトは底部空洞9を有する。永久磁石2は、回転式シャフト1上の空洞9内に置かれ、それにより、永久磁石2は回転式シャフト1と共に回転され得る。この実施形態では、永久磁石2は、ディスク形状のものでよい。回転式シャフト1は、ハウジング5内の貫通穴7に置かれ、回転式シャフトは、溝8を用いて貫通穴7の中央に固定され、それにより、レバー1の回転は、基部5に対して回転され得る。空洞9を有する回転式シャフト1の部分は、溝8の下方にあり、基部5内に位置し、回転式レバー1の残りの部分は、基部5の外側に配置される。連結ポスト10が、基部5の上側端部の内側壁上に位置する。プリント回路基板4は、連結ポスト10に連結され、それによってプリント回路基板4が、ハウジング5の上部表面から突起することを可能にする。センサチップ3は、プリント回路基板4に固定され、センサチップ3の位置は、永久磁石2が位置する内側空洞9と位置合わせされる。センサチップ3は、永久磁石2から適切な距離のところに置かれ、それにより、センサチップ3は、その線形範囲内で作動する。カバー6が、基部5の底部の開口部を閉じるために、ハウジング5の底部上に設けられる。
【0036】
図3に示されるように、好ましくは、回転式シャフトの外側壁は、ピン11を有し、ハウジング5には、位置決めピン12が設けられる。回転式シャフト1が、基部5に対して回転され、ピン11が位置決めピン12と接触する位置まで回転されたとき、位置決めピン12は、ピン11を停止させることができ、それにより、回転式シャフト1は、0〜360°の範囲内の角度でハウジング5に対して回転される。プリント回路基板4には、3つのパッド、すなわち第1のパッド13、第2のパッド14、および第3のパッド15が設けられ、第1のパッド13、第2のパッド14および第3の基部パッド15は、ハウジング5の外部に位置し、この場合、第1のパッド13は、電力供給装置(図示せず)に電気的に接続され、第2のパッド14は接地パッドであり、第3のパッド15は、パルス幅変調(PWM)デジタル信号を出力するための信号出力端子である。
【0037】
好ましくは、本発明の実施形態の非接触式電位差計は、凹部8を備えた回転式シャフト1を特徴として有し、凹部8内には、Oリング、サークリップ、またはプラスチックスライドディスクが中に挿入されて、回転シャフト1がハウジング5に対して回転だけを行うことができ、回転軸101に対して平行な方向には移動することができないことを確実にする。
【0038】
センサチップ3は、2つの磁気センサ(図には示さず)を含み、これらの2つのセンサは、回転軸101に対して垂直に配置され、2つのセンサの感知軸は、センサチップ3の平面内で互いに対して直交する。
図4および5に示されるように、本発明の実施形態では、回転式シャフト101は、Z軸方向に対して平行であり、また、センサチップ3の2つの磁気センサ3は、X軸およびY軸の方向に対して平行である感度方向を有する。
図3および
図4に示される永久磁石2の磁化方向は、N極およびS極で示され、すなわち永久磁石2の磁化方向は、回転軸101に対して垂直である。
図6に示されるように、永久磁石2が回転軸101の周りで回転されたとき、磁場センサチップ3のX軸およびY軸方向に沿った磁場は、回転角度の関数としてそれぞれ正弦曲線9および余弦曲線10を有する。
【0039】
センサチップ3上の2つのセンサは、永久磁石2によって生成された磁場の大きさの変化を測定するために、また、アナログ電圧信号を提供するために使用され、センサチップ3上の2つのセンサのアナログ電圧信号は、かけられた磁場との線形関係を有する。センサチップ3が、線形範囲内で作動しているとき、2つのセンサのセンサチップ3の出力電圧信号は、かけられた磁場のX軸およびY軸の成分に対して線形に比例する。センサチップ3上の2つのセンサのアナログ電圧信号は、これらをデジタル信号に変換するためにアナログデジタル変換器(ADC)に直接的に接続され得る。本発明の実施形態では、アナログデジタル変換器のデジタル信号は、次いで、パルス幅変調(PWM)(パルス幅変調)デジタル信号に変換され、その波形は、
図7に示され、この場合、水平軸は時間を表し、波形30は、固定期間T
サイクル21周期関数である。電圧波形30は、V
低24およびV
高25の値を有する。各々のサイクルでは、電圧波形30は、時間T
高22の間値V
高25にあり、時間T
低23の間電圧V
低24にある。ここで、T
高22およびT
低23は、それぞれ700マイクロ秒および300マイクロ秒であり、T
サイクル21は、1000マイクロ秒である。T
高22およびT
サイクル21の比は、「負荷サイクル」と呼ばれる。この場合、
図7は、波形出力負荷サイクル30が70%であることを示す。PWMデジタル信号は、高値と低値の間の変換を表し、高状態および低状態における持続時間を表すデジタル信号を提供する。デジタル信号のPWM負荷サイクルは、永久磁石2の回転角度に比例する。
【0040】
図8は、パルス幅変調(PWM)と同じである、(回転式シャフト1の、最大角度に対する現在の角度の比である)回転角度の関数として、いわゆる出力負荷比を表す曲線を示しており、これは、
図6の正弦波形9および10を線29に変換するカスタム設計された回路を用いて算出される。したがって、PWMは、任意振幅を有する不定形形状のアナログ信号を標準的なデジタル波形に変換するために使用される。
【0041】
本発明の実施形態による非接触式電位差計は、マイクロ制御装置51、クロック回路52、電圧調節器61、センサチップ回路62、前置増幅器ユニット63、およびコネクタユニット64からなる制御回路モジュールを備える。制御回路モジュールは、センサチップ3を用いて磁場を検出し、これを電気信号出力に変換するために使用される。
【0042】
図9に示されるように、マイクロ制御装置51は、プリント回路基板4に従来のやり方で固定された、第1の抵抗器R4、第2の抵抗器R5、第8のコンデンサC8および第9のコンデンサC9を含む周辺回路構成要素を有する。
【0043】
入力信号70〜73を増幅し、これらを出力PWM信号75に変換するために、マイクロ制御装置51は、以下の通りになる:第1に、センサのX軸およびY軸のセンサ出力によるアナログ信号が、アナログデジタル変換器(ADC)を用いてデジタル信号に変換され;第2に、デジタル回路内のアルゴリズムが、変換されたデジタル信号に基づいて回転式シャフトの角度位置を計算し;第3に、2の回転角度に比例する負荷サイクルを有するPWM波形を生成する。マイクロ制御装置51によって生成されたPWM波形は、出力端子75に送られ、端子75は、プリント回路基板4の第3のパッド15に電気的に接続される。
【0044】
図10は、これもまたプリント回路基板4に固定されたクロック回路52を示す。クロック回路52は、マイクロ制御装置51のC2CK 54コネクタに電気的に接続された出力C2CK 53を有する。電圧3.3Vを提供するためのクロック回路52 VDD3V3 56。クロック回路52は、接地端子55を有し、接地端子は、他の回路に電気的に接続される。遮断周波数を下回るクロック回路52は、振動電圧信号を生み出し、システムは、タイミング信号を他の回路に提供することができる。
【0045】
図11に示されるように、非定常状態の電圧レベルからの5ボルトVDD5V 57を低減させ、安定的な3.3ボルトを接続部材VDD3V3 56に出力するための電力調節器61。第1のコンデンサC1、第2のコンデンサC2、第3のコンデンサC3および第4のコンデンサC4の周辺構成要素の電力調節器が、プリント回路基板4に固定される。電力調節器61は、調節された電圧を高感度電子装置に提供する。
【0046】
図12に示されるように、センサチップ回路62は、ノードVDD3V3 56と接地端子55の間でセンサチップ3に電圧バイアスを提供する。センサチップ3の出力電圧は、X軸センサに関しては、X−_SENSOR66とX+_SENSOR67の間で測定され、一方でYセンサの電圧は、Y−_SENSOR68とY+_SENSOR69の間で測定される。これらの電圧信号は、
図6の曲線9および10によって示された、X軸センサおよびY軸センサの出力に相当する。センサチップ62への周辺回路が、C5を介してプリント回路基板4に連結される。センサチップ回路62は、外部磁場を電子電圧信号に変換する。
【0047】
図13に示されるように、前置増幅器63は、これを要素VDD3V3 56から接地55まで接続することによって電力供給される。前置増幅器ユニットは、4つの前置増幅器を備え;4つの前置増幅器の各々は、センサチップ回路62から入力信号を受け取る。4つの増幅された出力信号は、ノードX+_MCU70、X−_MCU71、Y+_MCU72、およびY−_MCU73に接続され、前置増幅器ユニット63の出力信号70〜73は、マイクロ制御装置51の対応するノードに電気的に接続される。前置増幅器63は、センサに隣接して位置して、アナログ電子信号の振幅を増大させる。
【0048】
図14に示されるように、コネクタユニット64は、図では4ワイヤ接続として示された、適切な位置に設定された電子入力および出力接続になり得る、外部コネクタ641および内部コネクタ642を含む。
【0049】
この実施形態では、非接触式電位差計は、先行技術における電位差計と同じ円筒形状を有する。したがって、実際には、この実施形態における非接触式電位差計は、先行技術の円筒形状の電位差計の代替策として使用され得る。
【0050】
実施例2
図15は、次のようにして、すなわち、カバープレート6に2つの連結ポスト10が装備され、プリント回路基板4が連結ポスト10に固定され、それ以外は実施例1のものと同じ設計である、実施例1とは別個の非接触式電位差計の代替の実施形態を示す。
【0051】
好ましい実施形態の本発明の技術的実施の上記の詳述された説明は、例示的であり、制限的ではないことを意味することを理解されたい。当業者は、本明細書を読み取ることにより、本明細書において説明された技術的解決策に基づき、実施形態を変更し、または、いくつかの技術的特徴に対して、等価の置き換えを可能にすることができ、本発明のさまざまな実施形態の適切な技術的解決策のそのような改変または置き換えは、本発明の趣旨および範囲から逸脱しない。