特許第6348580号(P6348580)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6348580自動車、電気電子機器、家電機器、事務機器または生活用品用の部品に適した成形品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6348580
(24)【登録日】2018年6月8日
(45)【発行日】2018年6月27日
(54)【発明の名称】自動車、電気電子機器、家電機器、事務機器または生活用品用の部品に適した成形品
(51)【国際特許分類】
   C08L 67/02 20060101AFI20180618BHJP
   C08L 51/00 20060101ALI20180618BHJP
   C08L 69/00 20060101ALI20180618BHJP
   C08L 53/02 20060101ALI20180618BHJP
【FI】
   C08L67/02
   C08L51/00
   C08L69/00
   C08L53/02
【請求項の数】12
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2016-519438(P2016-519438)
(86)(22)【出願日】2014年6月11日
(65)【公表番号】特表2016-521798(P2016-521798A)
(43)【公表日】2016年7月25日
(86)【国際出願番号】KR2014005126
(87)【国際公開番号】WO2014200264
(87)【国際公開日】20141218
【審査請求日】2017年6月5日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0066772
(32)【優先日】2013年6月11日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】513193923
【氏名又は名称】エスケー ケミカルズ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100087767
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 惠清
(74)【代理人】
【識別番号】100155745
【弁理士】
【氏名又は名称】水尻 勝久
(74)【代理人】
【識別番号】100143465
【弁理士】
【氏名又は名称】竹尾 由重
(74)【代理人】
【識別番号】100155756
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 武
(74)【代理人】
【識別番号】100161883
【弁理士】
【氏名又は名称】北出 英敏
(74)【代理人】
【識別番号】100167830
【弁理士】
【氏名又は名称】仲石 晴樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162248
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 豊
(72)【発明者】
【氏名】ソン ドンチェオル
(72)【発明者】
【氏名】イ テウン
(72)【発明者】
【氏名】シン ジョンウク
【審査官】 岡山 太一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特表2002−512289(JP,A)
【文献】 特開2013−082942(JP,A)
【文献】 特表2005−530000(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0232959(US,A1)
【文献】 特開2012−224666(JP,A)
【文献】 国際公開第00/004094(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 67/00−67/03
C08L 51/00−51/10
C08L 53/00−53/02
C08L 69/00
C08J 5/00−5/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレフタル酸−イソソルビド−1,4−シクロヘキサンジオール−エチレングリコール共重合体ポリエステルと、
不飽和ニトリル−ジエン系ゴム−芳香族ビニルグラフト共重合体
ポリカーボネートと、
ポリブチレンテレフタレートと、
スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体と、を含み、
前記テレフタル酸−イソソルビド−1,4−シクロヘキサンジオール−エチレングリコール共重合体ポリエステル、前記不飽和ニトリル−ジエン系ゴム−芳香族ビニルグラフト共重合体、前記ポリカーボネート、前記ポリブチレンテレフタレート、および前記スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体からなる樹脂100重量%に対して、前記テレフタル酸−イソソルビド−1,4−シクロヘキサンジオール−エチレングリコール共重合体ポリエステルの含有量が5〜90重量%、前記不飽和ニトリル−ジエン系ゴム−芳香族ビニルグラフト共重合体の含有量が1〜50重量%、前記ポリカーボネートの含有量が5〜90重量%、前記ポリブチレンテレフタレートの含有量が1〜30重量%、前記スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体の含有量が1〜20重量%であり、
下記の一般式1で表される引張強度損失率が0.5〜30%である高分子樹脂組成物を含み、
自動車用の部品、電気電子機器用の部品、家電機器用の部品、事務機器用の部品、および生活用品用の部品からなる群より選択される成形品。
[一般式1]
引張強度損失率(%)=[(テスト前の引張強度−テスト後の引張強度)/テスト前の引張強度]×100
【請求項2】
前記テレフタル酸−イソソルビド−1,4−シクロヘキサンジオール−エチレングリコール共重合体ポリエステルは、重量平均分子量が10,000〜100,000であり、ガラス転移温度が0〜200℃である、
請求項1に記載の成形品。
【請求項3】
前記テレフタル酸−イソソルビド−1,4−シクロヘキサンジオール−エチレングリコール共重合体ポリエステルにおけるイソソルビドの含有量は、全ジオール成分の含有量に対して5〜60モル%である、
請求項1または2に記載の成形品。
【請求項4】
前記不飽和ニトリル−ジエン系ゴム−芳香族ビニルグラフト共重合体は、コア−シェルゴム(Core−Shell Rubber)形態であり、平均粒径が0.01〜5μmであり、グラフト率が5〜90%であり、コア(Core)のガラス転移温度が−20℃以下であり、シェル(Shell)のガラス転移温度が20℃以上である、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の成形品。
【請求項5】
前記不飽和ニトリル−ジエン系ゴム−芳香族ビニルグラフト共重合体における不飽和ニトリルは、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、フェニルアクリロニトリル、およびα−クロロアクリロニトリルからなる群より選択される1種以上である、
請求項1〜4のいずれか一項に記載の成形品。
【請求項6】
前記不飽和ニトリル−ジエン系ゴム−芳香族ビニルグラフト共重合体におけるジエン系ゴムは、ブタジエン型ゴムまたはイソプレン型ゴムである、
請求項1〜5のいずれか一項に記載の成形品。
【請求項7】
前記不飽和ニトリル−ジエン系ゴム−芳香族ビニルグラフト共重合体における芳香族ビニルは、スチレン、α−メチルスチレンビニルトルエン、t−ブチルスチレン、ハロゲン置換スチレン、1,3−ジメチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、およびエチルスチレンからなる群より選択される1種以上である、
請求項1〜6のいずれか一項に記載の成形品。
【請求項8】
前記不飽和ニトリル−ジエン系ゴム−芳香族ビニルグラフト共重合体は、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレングラフト共重合体である、
請求項1〜7のいずれか一項に記載の成形品。
【請求項9】
前記ポリカーボネートは、ガラス転移温度が50〜200℃であり、重量平均分子量が10,000〜200,000である、
請求項1〜8のいずれか一項に記載の成形品。
【請求項10】
前記ポリブチレンテレフタレートは、重量平均分子量が10,000〜150,000である、
請求項1〜9のいずれか一項に記載の成形品。
【請求項11】
不飽和ニトリル−芳香族ビニル−グリシジルメタクリレート系相溶化剤、不飽和ニトリル−芳香族ビニル−無水マレイン酸系相溶化剤、飽和エチレン−アルキルアクリレート−グリシジルメタクリレート系相溶化剤、およびカルボジイミド系耐加水分解剤からなる群より選択される1種以上をさらに含む、
請求項1〜10のいずれか一項に記載の成形品。
【請求項12】
酸化防止剤、滑剤、光安定剤、光吸収剤、トランスエステル化反応抑制剤、および耐加水分解剤からなる群より選択される1種以上の添加剤をさらに含む、
請求項1〜11のいずれか一項に記載の成形品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、向上した耐薬品性を示す環境にやさしいバイオマス含有合成樹脂を提供することができる高分子樹脂組成物により製造された自動車、電気電子機器、家電機器、事務機器または生活用品用の部品に適した成形品に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリエステル樹脂は、相対的に優れた耐熱性、機械的強度および弾性強度を有する特徴により強化プラスチック、塗料、フィルム、成形用樹脂などとして幅広く使用されており、衣服の繊維材料としても使用されている。
【0003】
最近、ポリエステル樹脂は、その特徴的な物性によって、建築内装材または成形看板などの分野に使用する例が増えている。しかし、ポリエステル樹脂は、他の高分子材料、例えばアクリル系材料またはポリカーボネート系材料に比べて耐熱性が低いため、季節による温度変化が激しい屋外用外装材として使用するには不適合であるという問題があった。
【0004】
一方、ポリカーボネート樹脂は、耐衝撃性または耐熱性などの優れた特徴によって、各種建築材料と電子製品の外観、包装材質、ケース、ボックス、インテリア内外装材などの多様な分野に使用されている。このようなポリカーボネート樹脂は、優れた機械的物性により多くの需要があるが、市場でありふれて使用される各種洗浄剤、女性化粧品、乳児用手消毒剤などによりポリカーボネートの外観色相が変わったりクラックが発生し、多様な生活ケミカルにより製品の変質が誘発されるという問題点を有している。
【0005】
前記ポリエステル樹脂またはポリカーボネート樹脂の問題点を解決するための多様な試みがあり、ポリエステル樹脂とポリカーボネート樹脂をブレンドする方法に関する研究が継続して進められてきた。
【0006】
また、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系グラフト共重合体(ABS)などをポリカーボネート樹脂とブレンドして耐衝撃度と耐熱性を向上させた技術が開発されているが、これは環境にやさしいバイオマス製品でないという限界を有していた。一方、ポリエステル樹脂とポリカーボネート樹脂は、溶融粘度および分子構造が互いに異なるため、これらを単にブレンドすることでは、耐熱性を向上させるのに一定の限界があった。また、ポリカーボネートの機械的物性、特に耐熱性を維持しながら耐化学性を増大させるために多様な方法が使用されているが、耐化学性の向上程度が実際に産業上適用可能な程度に十分でなく、製造される樹脂製品の外観特性が低下するという問題点が発生した。そして、耐熱性と耐化学性を同時に向上させるために、追加的に一つ以上の材料を配合する方法も試みられたが、適正水準の耐化学性を発現させることは困難であった。
【0007】
一方、一般に自動車内装材、事務機器ハウジング類などにその使用が急激に増加しているエンジニアリングプラスチックとしては、ABS(acrylonitrile−butadiene−styrene)またはPC/ABS(polycarbonate/ABS)があり、PC/ABSは、PCの優れた耐熱性、耐衝撃性および自己消火性とABSの加工性および経済性を利用するために開発されたものである。しかし、このようなPC/ABSは、耐薬品性の側面から一部の化学薬品である芳香族炭化水素、アセトン、アルコール類にぜい弱であり、このような薬品が直接長期間接触するとき、変色(discoloration)、膨張(swelling)および亀裂が発生して製品としての価値を喪失するという問題点を有していた。したがって、既存の耐熱ABSまたはPC/ABSよりも耐薬品性に優れた自動車用樹脂組成物を製造しようとする研究が多く行われている実情であった。例えば、ABSの耐薬品性を向上させるために耐薬品性に優れたポリオレフィン系樹脂を混合して使用した例が報告されたことがあるが、非相溶性物質の相溶性向上のために相溶化剤としてブロック共重合体などを使用しなければならず、実際に適用する場合に相分離が発生して機械的物性が急激に低下するという問題点が存在した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、優れた耐衝撃性および耐熱性を発現しながら、向上した耐薬品性を示す環境にやさしいバイオマス含有合成樹脂を提供することができる高分子樹脂組成物により製造された自動車、電気電子機器、家電機器、事務機器または生活用品用の部品に適した成形品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、テレフタル酸−イソソルビド−1,4−シクロヘキサンジオール−エチレングリコール共重合体ポリエステルと、
不飽和ニトリル−ジエン系ゴム−芳香族ビニルグラフト共重合体
ポリカーボネートと、
ポリブチレンテレフタレートと、
スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体と、を含み、
前記テレフタル酸−イソソルビド−1,4−シクロヘキサンジオール−エチレングリコール共重合体ポリエステル、前記不飽和ニトリル−ジエン系ゴム−芳香族ビニルグラフト共重合体、前記ポリカーボネート、前記ポリブチレンテレフタレート、および前記スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体からなる樹脂100重量%に対して、前記テレフタル酸−イソソルビド−1,4−シクロヘキサンジオール−エチレングリコール共重合体ポリエステルの含有量が5〜90重量%、前記不飽和ニトリル−ジエン系ゴム−芳香族ビニルグラフト共重合体の含有量が1〜50重量%、前記ポリカーボネートの含有量が5〜90重量%、前記ポリブチレンテレフタレートの含有量が1〜30重量%、前記スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体の含有量が1〜20重量%であり、
下記の一般式1で表される引張強度損失率が0.5〜30%である高分子樹脂組成物により製造される、自動車、電気電子機器、家電機器、事務機器、または生活用品用の部品である成形品を提供する。
【0010】
[一般式1]
引張強度損失率(%)=[(テスト前の引張強度−テスト後の引張強度)/テスト前の引張強度]×100
【0015】
また、前記テレフタル酸−イソソルビド−1,4−シクロヘキサンジオール−エチレングリコール共重合体ポリエステルは、重量平均分子量が10,000〜100,000であり、ガラス転移温度が0〜200℃であってもよい。
【0018】
また、前記テレフタル酸−イソソルビド−1,4−シクロヘキサンジオール−エチレングリコール共重合体ポリエステルにおけるイソソルビドの含有量は、全ジオール成分の含有量に対して5〜60モル%であってもよい。
【0027】
また、前記不飽和ニトリル−ジエン系ゴム−芳香族ビニルグラフト共重合体は、コア−シェルゴム(Core−Shell Rubber)形態であり、平均粒径が0.01〜5μmであり、グラフト率が5〜90%であり、コア(Core)のガラス転移温度が−20℃以下であり、シェル(Shell)のガラス転移温度が20℃以上であってもよい。
【0028】
そして、前記不飽和ニトリル−ジエン系ゴム−芳香族ビニルグラフト共重合体における不飽和ニトリルは、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、フェニルアクリロニトリル、およびα−クロロアクリロニトリルからなる群より選択される1種以上であってもよい。
【0029】
また、前記不飽和ニトリル−ジエン系ゴム−芳香族ビニルグラフト共重合体におけるジエン系ゴムは、ブタジエン型ゴムまたはイソプレン型ゴムであってもよい。
【0030】
なおまた、前記不飽和ニトリル−ジエン系ゴム−芳香族ビニルグラフト共重合体における芳香族ビニルは、スチレン、α−メチルスチレンビニルトルエン、t−ブチルスチレン、ハロゲン置換スチレン、1,3−ジメチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、およびエチルスチレンからなる群より選択される1種以上であってもよい。
【0031】
そして、前記不飽和ニトリル−ジエン系ゴム−芳香族ビニルグラフト共重合体は、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレングラフト共重合体であってもよい。
【0034】
なおまた、前記ポリカーボネートは、ガラス転移温度が50〜200℃であり、重量平均分子量が10,000〜200,000であってもよい。
【0035】
そして、前記ポリブチレンテレフタレートは、重量平均分子量が10,000〜150,000であってもよい。
【0036】
そして、前記高分子樹脂組成物は、不飽和ニトリル−芳香族ビニル−グリシジルメタクリレート系相溶化剤、不飽和ニトリル−芳香族ビニル−無水マレイン酸系相溶化剤、飽和エチレン−アルキルアクリレート−グリシジルメタクリレート系相溶化剤、およびカルボジイミド系耐加水分解剤からなる群より選択される1種以上をさらに含むことができる。
【0037】
一方、前記高分子樹脂組成物は、酸化防止剤、滑剤、光安定剤、光吸収剤、トランスエステル化反応抑制剤、および耐加水分解剤からなる群より選択される1種以上の添加剤を全組成物に対して10重量%以下で含むことができる。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、優れた耐衝撃性および耐熱性を発現しながら、向上した耐薬品性を示す環境にやさしいバイオマス含有合成樹脂を提供することができる高分子樹脂組成物により製造される自動車、電気電子機器、家電機器、事務機器または生活用品用の部品に適した成形品が提供され得る。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本発明は、多様な変換を加えることができ、多数の実施形態を有することができるところ、特定の実施形態を詳細に説明する。しかし、これは本発明を特定の実施形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の思想および技術範囲に含まれるすべての変換、均等物または代替物を含むものと理解しなければならない。本発明を説明するに当たり、関連した公知の技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を不明にし得ると判断される場合、その詳細な説明を省略する。
【0040】
本発明は、テレフタル酸を含むジカルボン酸成分の残基、およびジアンヒドロヘキシトールを含むジオール成分の残基を含むポリエステル共重合体と、
不飽和ニトリル−ジエン系ゴム−芳香族ビニルグラフト共重合体、アルキルメタクリレート−ジエン系ゴム−芳香族ビニルグラフト共重合体、およびアルキルメタクリレート−シリコン/アルキルアクリレートグラフト共重合体からなる群より選択される1種以上の共重合体と、を含み、下記の一般式1で表される引張強度損失率が0.5〜30%である高分子樹脂組成物により製造される自動車、電気電子機器、家電機器、事務機器、または生活用品用の部品を提供する。
【0041】
[一般式1]
引張強度損失率(%)=[(テスト前の引張強度−テスト後の引張強度)/テスト前の引張強度]×100
【0042】
以下、発明の具体的な実施形態に係る高分子樹脂組成物についてより詳細に説明する。
【0043】
発明の一実施形態によれば、テレフタル酸を含むジカルボン酸成分の残基、およびジアンヒドロヘキシトールを含むジオール成分の残基を含むポリエステル共重合体と、
不飽和ニトリル−ジエン系ゴム−芳香族ビニルグラフト共重合体、アルキルメタクリレート−ジエン系ゴム−芳香族ビニルグラフト共重合体、およびアルキルメタクリレート−シリコン/アルキルアクリレートグラフト共重合体からなる群より選択される1種以上の共重合体と、を含み、下記の一般式1で表される引張強度損失率が0.5〜30%である高分子樹脂組成物により製造される自動車、電気電子機器、家電機器、事務機器、または生活用品用の部品が提供され得る。
【0044】
[一般式1]
引張強度損失率(%)=[(テスト前の引張強度−テスト後の引張強度)/テスト前の引張強度]×100
【0045】
従来、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系グラフト共重合体(ABS)などをポリカーボネート樹脂とブレンドして耐衝撃度と耐熱性を向上させた技術が開発されてきているが、これは耐薬品性または耐環境応力亀裂性がよくなく、環境にやさしいバイオマス製品でないという限界を有していた。
【0046】
そこで、本発明者らは、環境にやさしく、耐熱性または耐衝撃性に優れ、耐薬品性または耐環境応力亀裂性が向上した樹脂組成物に関する研究を進行して、特定のポリエステル共重合体と、不飽和ニトリル−ジエン系ゴム−芳香族ビニルグラフト共重合体、アルキルメタクリレート−ジエン系ゴム−芳香族ビニルグラフト共重合体、およびアルキルメタクリレート−シリコン/アルキルアクリレートグラフト共重合体からなる群より選択される1種以上の共重合体と、を含む高分子樹脂組成物が耐熱性または耐衝撃性などの物性を発現し、向上した耐薬品性または耐環境応力亀裂性を示すことができるという点を実験を通じて確認して発明を完成した。
【0047】
前記引張強度損失率は、下記の方法で測定することができる。
【0048】
本発明による高分子樹脂組成物を均一に混練押出して製造されたペレットを射出温度250℃で同一に射出した後、射出で得た引張強度試片を23±2℃、および50±5%相対湿度条件下で24時間、状態調節し、耐薬品性試験治具を臨界変形量2.2%で製作して前記試片を試験治具で固定させた後、芳香族/脂肪族化学薬品ブレンド製品またはUV遮断剤を前記試片に1分間塗布した後、23±2℃で72時間放置した。その後、テスト前/後の引張強度を測定し、引張強度損失率(%)を測定して耐薬品性の優秀な程度を比較および判断した。
【0049】
前記で芳香族/脂肪族化学薬品ブランド製品は、エタノール10〜90重量%、またはポリオール90〜99重量%を含み、細部成分として脂肪族および芳香族アルコール、脂肪族および芳香族エステル、芳香族アルデヒド、不飽和炭化水素、飽和炭化水素、脂肪族アミン、脂肪族ジアミン、およびテルペンからなる群より選択される1種以上をさらに含む。ただし、ポリオールをベースにした場合には脂肪族アミンまたはジアミン細部成分だけを含む。
【0050】
一方、前記において、引張強度損失率は、下記の一般式1で計算され、%で表示される。
【0051】
[一般式1]
引張強度損失率(%)=[(テスト前の引張強度−テスト後の引張強度)/テスト前の引張強度]×100
【0052】
前述のように、テスト後の引張強度損失率(%)が低いほど、高分子樹脂組成物は耐薬品性に優れた特性を有する。
【0053】
一方、前記高分子樹脂組成物は、自動車、電気電子機器、家電機器、事務機器または生活用品の部品に使用することができる。具体的に、自動車において、インストルメントパネルモジュール関連プラスチック部品、ドアトリム関連プラスチック部品、ランプハウジング関連部品、ホィールカバー関連部品、自動車内/外装用ガーニッシュ関連部品、ドアハンドルレバー部品などに使用することができ、電気電子機器において、携帯電話ハウジング部品、電子辞書ハウジング部品、CDプレーヤ部品、MP3関連部品、電子計算機ハウジング部品などに使用することができる。
【0054】
また、家電機器において、冷蔵庫内装関連部品、洗濯機関連プラスチック部品、エアコンハウジング部品、掃除機ハウジング部品、ミキサーハウジング部品、ビデ関連部品などに使用することができ、事務機器において、複合機内/外装関連部品、プリンタ内/外装関連部品、ファックス内/外装関連部品、スキャナー内/外装関連部品などに使用することができ、生活用品において、厨房用関連プラスチック部品、浴室用関連プラスチック部品などに使用することができる。
【0055】
前記高分子樹脂組成物を製造する過程では、高分子樹脂のブレンドまたは混合物を製造することに使用される通常の方法および装置を特別な制限なしに使用することができる。例えば、ポリエステル共重合体と、不飽和ニトリル−ジエン系ゴム−芳香族ビニルグラフト共重合体、アルキルメタクリレート−ジエン系ゴム−芳香族ビニルグラフト共重合体、およびアルキルメタクリレート−シリコン/アルキルアクリレートグラフト共重合体からなる群より選択される1種以上の共重合体と、を通常の混合器、ミキサーまたはタンブラーなどに入れて二軸混練押出機を通じて混合することによって前記高分子樹脂組成物が提供され得る。前記高分子樹脂組成物を製造する過程で、樹脂のそれぞれは十分に乾燥された状態で使用することが好ましい。
【0056】
前記高分子樹脂組成物は、ポリエステル共重合体5〜90重量%と、前記不飽和ニトリル−ジエン系ゴム−芳香族ビニルグラフト共重合体、アルキルメタクリレート−ジエン系ゴム−芳香族ビニルグラフト共重合体、およびアルキルメタクリレート−シリコン/アルキルアクリレートグラフト共重合体からなる群より選択される1種以上の共重合体1〜50重量%とを含むことができる。
【0057】
また、前記高分子樹脂組成物は、ポリカーボネート5〜90重量%をさらに含むことができる。
【0058】
なおまた、前記高分子樹脂組成物は、ポリブチレンテレフタレート1〜30重量%をさらに含む場合、高分子樹脂組成物の耐薬品性または耐環境応力亀裂性が向上することができる。
【0059】
そして、前記高分子樹脂組成物は、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体1〜20重量%をさらに含む場合、高分子樹脂組成物の耐薬品性または耐環境応力亀裂性がより向上することができる。
【0060】
本明細書で、「残基」は、特定の化合物が化学反応に参加したとき、その化学反応の結果物に含まれ、前記特定の化合物に由来する一定の部分または単位を意味する。例えば、前記ジカルボン酸成分の「残基」またはジオール成分の「残基」のそれぞれは、エステル化反応または縮重合反応で形成されるポリエステルにおいて、ジカルボン酸成分に由来する部分またはジオール成分に由来する部分を意味する。
【0061】
前記「ジカルボン酸成分」は、テレフタル酸などのジカルボン酸、そのアルキルエステル(モノメチル、モノエチル、ジメチル、ジエチルまたはジブチルエステルなど炭素数1〜4の低級アルキルエステル)および/またはこれらの酸無水物(acid anhydride)を含む意味で使用され、ジオール成分と反応して、テレフタロイル部分(terephthaloyl moiety)などのジカルボン酸部分(dicarboxylic acid moiety)を形成することができる。
【0062】
前記ポリエステルの合成に使用されるジカルボン酸成分がテレフタル酸を含むことによって、製造されるポリエステル樹脂の耐熱性、耐化学性または耐候性(例えば、UVによる分子量減少現象または黄変現象の防止)などの物性が向上することができる。
【0063】
前記ジカルボン酸成分は、その他のジカルボン酸成分であり、芳香族ジカルボン酸成分、脂肪族ジカルボン酸成分またはこれらの混合物をさらに含むことができる。この時「その他のジカルボン酸成分」は、前記ジカルボン酸成分中のテレフタル酸を除いた成分を意味する。
【0064】
一方、前記ポリエステル共重合体におけるジカルボン酸成分は、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸、および炭素数4〜20の脂肪族ジカルボン酸からなる群より選択される1種以上をさらに含むことができる。
【0065】
前記芳香族ジカルボン酸成分は、炭素数8〜20、好ましくは炭素数8〜14の芳香族ジカルボン酸またはこれらの混合物などであってもよい。前記芳香族ジカルボン酸の例としては、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などのナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、4,4’−スチルベンジカルボン酸、2,5−フランジカルボン酸、2,5−チオフェンジカルボン酸などがあるが、前記芳香族ジカルボン酸の具体的な例がこれに限定されるのではない。
【0066】
前記脂肪族ジカルボン酸成分は、炭素数4〜20、好ましくは炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸成分またはこれらの混合物などであってもよい。前記脂肪族ジカルボン酸の例としては、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸などのシクロヘキサンジカルボン酸、フタル酸、セバシン酸、コハク酸、イソデシルコハク酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、グルタル酸、アゼライン酸などの線状、分枝状または環状脂肪族ジカルボン酸成分などがあるが、前記脂肪族ジカルボン酸の具体的な例がこれに限定されるのではない。
【0067】
一方、前記ジカルボン酸成分は、テレフタル酸50〜100モル%、好ましくは70〜100モル%と、芳香族ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸からなる群より選択された1種以上のジカルボン酸0〜50モル%、好ましくは0〜30モル%とを含むことができる。前記ジカルボン酸成分中のテレフタル酸の含有量が過度に小さかったり過度に大きい場合、ポリエステル樹脂の耐熱性、耐化学性または耐候性などの物性が低下するおそれがある。
【0068】
一方、前記ポリエステルの合成に使用されるジオール成分(diol component)は、ジアンヒドロヘキシトール5〜60モル%、シクロヘキサンジメタノール5〜80モル%、および残量のその他のジオール化合物を含むことができる。
【0069】
前記ジオール成分が、好ましくはジアンヒドロヘキシトールであり、イソソルビド(isosorbide、1,4:3,6−dianhydroglucitol)を含むことによって、製造されるポリエステル樹脂の耐熱性が向上するだけでなく、耐化学性、耐薬品性などの物性が向上することができる。そして、前記ジオール成分(diol component)でシクロヘキサンジメタノール(例えば、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノールまたは1,4−シクロヘキサンジメタノール)の含有量が増加するほど、製造されるポリエステル樹脂の耐衝撃強度が大幅に増加することができる。
【0070】
また、前記ジオール成分は、前記イソソルビドおよびシクロヘキサンジメタノール以外に、その他のジオール成分をさらに含むことができる。前記「その他のジオール成分」は、前記イソソルビドおよびシクロヘキサンジメタノールを除いたジオール成分を意味し、例えば、脂肪族ジオール、芳香族ジオールまたはこれらの混合物であってもよい。
【0071】
前記ポリエステル共重合体におけるジオール成分は、下記の化学式1、2、および3で表される化合物からなる群より選択される1種以上をさらに含むことができる。
【0072】
【化4】
【0073】
前記式中、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素または炭素数1〜5の置換もしくは非置換のアルキル基であり、nおよびnは、それぞれ独立して、0〜3の整数である。
【0074】
【化5】
【0075】
前記式中、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素または炭素数1〜5の置換もしくは非置換のアルキル基である。
【0076】
【化6】
【0077】
前記式中、nは、1〜7の整数である。
【0078】
前述のように、前記ポリエステル樹脂のジオール成分は、5〜60モル%のジアンヒドロヘキシトールを含むことができる。前記ジオール成分中のジアンヒドロヘキシトールの含有量が5モル%未満であれば、製造されるポリエステル樹脂の耐熱性または耐化学性が不十分になるおそれがあり、前述したポリエステル樹脂の溶融粘度特性が現れないおそれがある。また、前記ジアンヒドロヘキシトールの含有量が60モル%を超えれば、ポリエステル樹脂または製品の外観特性が低下したり黄変(yellowing)現象が発生するおそれがある。
【0079】
また、前記ポリエステル共重合体は、重量平均分子量が10,000〜100,000であり、ガラス転移温度が0〜200℃であってもよい。
【0080】
また、前記ポリブチレンテレフタレートは、重量平均分子量が10,000〜150,000であってもよい。
【0081】
一方、前記ポリエステル樹脂は、ジアンヒドロヘキシトールであり、イソソルビド5〜60モル%、シクロヘキサンジメタノール5〜80モル%および残量のその他のジオール化合物を含むジオール成分と、テレフタル酸を含むジカルボン酸成分とをエステル化反応させる段階と、前記エステル化反応が80%以上進められた時点にリン系安定剤を添加する段階と、前記エステル化反応生成物を重縮合反応させる段階と、を含むポリエステル樹脂の製造方法により提供され得る。
【0082】
このようなポリエステル樹脂の製造方法により、亜鉛系化合物を含むエステル化反応触媒を使用し、前記エステル化反応の末期に、例えば、反応が80%以上進められた時点に反応液にリン系安定剤を添加し、前記エステル化反応の結果物を重縮合させると、高い耐熱性、難燃特性および耐衝撃性などの物性を示しながら、優れた外観特性、高透明度および優れた成形特性を有するポリエステル樹脂が提供され得る。
【0083】
前記テレフタル酸を含むジカルボン酸成分、シクロヘキサンジメタノール、イソソルビドおよびその他のジオール化合物に関する具体的な内容は前述したとおりである。
【0084】
前記エステル化反応段階は、ジカルボン酸成分およびジオール成分を0〜10.0kg/cmの圧力および150〜300℃の温度で反応させることによって行うことができる。前記エステル化反応条件は、製造されるポリエステルの具体的な特性、ジカルボン酸成分とグリコールのモル比、または工程条件などにより適切に調節され得る。具体的に、前記エステル化反応条件の好ましい例として、0〜5.0kg/cm、より好ましくは0.1〜3.0kg/cmの圧力と、200〜270℃、より好ましくは240〜260℃の温度が挙げられる。
【0085】
そして、前記エステル化反応は、バッチ(batch)式または連続式で行われてもよく、それぞれの原料は別途に投入されてもよいが、ジオール成分にジカルボン酸成分を混合したスラリー形態で投入することが好ましい。そして、常温で固形分であるジアンヒドロヘキシトールなどのジオール成分は、水またはエチレングリコールに溶解した後、テレフタル酸などのジカルボン酸成分に混合してスラリーを作ることができる。あるいは60℃以上でジアンヒドロヘキシトールが溶融された後、テレフタール酸などのジカルボン酸成分とその他ジオール成分を混合してスラリーを作ることもできる。また、ジカルボン酸成分、ジアンヒドロヘキシトールおよびエチレングリコールなどの共重合ジオール成分が混合されたスラリーに水を追加的に投入してスラリーの流動性増大を助けることもできる。
【0086】
前記エステル化反応に参加するジカルボン酸成分とジオール成分のモル比は、1:1.05〜1:3.0であってもよい。前記ジカルボン酸成分:ジオール成分のモル比が1.05未満であれば、重合反応時に未反応ジカルボン酸成分が残留して樹脂の透明性が低下するおそれがあり、前記モル比が3.0を超過すれば、重合反応速度が低くなったり樹脂の生産性が低下するおそれがある。
【0087】
前記エステル化反応生成物を重縮合(poly−condensation)反応させる段階は、前記ジカルボン酸成分およびジオール成分のエステル化反応生成物を150〜300℃の温度および600〜0.01mmHgの減圧条件で1〜24時間反応させる段階を含むことができる。
【0088】
このような重縮合反応は、150〜300℃、好ましくは200〜290℃、より好ましくは260〜280℃の反応温度と、600〜0.01mmHg、好ましくは200〜0.05mmHg、より好ましくは100〜0.1mmHgの減圧条件で行われてもよい。前記重縮合反応の減圧条件を適用することによって、重縮合反応の副産物であるグリコールを系外に除去することができるものであり、前記重縮合反応が400〜0.01mmHg減圧条件範囲を外れる場合、副産物の除去が不十分になるおそれがある。
【0089】
また、前記重縮合反応が150〜300℃の温度範囲外で起こる場合、縮重合反応が150℃以下で進められると、重縮合反応の副産物であるグリコールを効果的に系外に除去することができず、最終反応生成物の固有粘度が低いため、製造されるポリエステル樹脂の物性が低下するおそれがあり、300℃以上で反応が進行される場合、製造されるポリエステル樹脂の外観が黄変(yellow)する可能性が高まる。そして、前記重縮合反応は、最終反応生成物の固有粘度が適切な水準に至るまで必要な時間、例えば、平均滞留時間1〜24時間かけて行われてもよい。
【0090】
一方、前記ポリエステル樹脂組成物の製造方法は、重縮合触媒を追加的に添加する段階をさらに含むことができる。このような重縮合触媒は、前記重縮合反応の開示前にエステル化反応またはエステル交換反応の生成物に添加してもよく、前記エステル化反応前にジオール成分およびジカルボン酸成分を含む混合スラリーに添加してもよく、前記エステル化反応段階途中に添加してもよい。
【0091】
前記重縮合触媒としては、チタニウム系化合物、ゲルマニウム系化合物、アンチモン系化合物、アルミニウム系化合物、スズ系化合物またはこれらの混合物を使用することができる。前記チタニウム系化合物およびゲルマニウム系化合物の例は、前述したとおりである。
【0092】
一方、高分子樹脂組成物は、不飽和ニトリル−ジエン系ゴム−芳香族ビニルグラフト共重合体、アルキルメタクリレート−ジエン系ゴム−芳香族ビニルグラフト共重合体、およびアルキルメタクリレート−シリコン/アルキルアクリレートグラフト共重合体からなる群より選択される1種以上の共重合体を含む。
【0093】
前記不飽和ニトリル−ジエン系ゴム−芳香族ビニルグラフト共重合体は、コア−シェルゴム(Core−Shell Rubber)形態であり、平均粒径が0.01〜5μmであり、グラフト率が5〜90%であり、コア(Core)のガラス転移温度が−20℃以下であり、シェル(Shell)のガラス転移温度が20℃以上であってもよい。
【0094】
前記不飽和ニトリル−ジエン系ゴム−芳香族ビニルグラフト共重合体は、乳化重合またはバルク重合工程を通じて製造されたコア−シェルゴムであり、平均粒径が0.01〜5μm、グラフト率が5〜90%、コアのガラス転移温度が−20℃以下、シェルのガラス転移温度が20℃以上であり、選択的にシェルにグリシジルメタクリレートまたはマレイン酸無水物などの官能基を含んでも含まなくてもよい。
【0095】
そして、前記不飽和ニトリル−ジエン系ゴム−芳香族ビニルグラフト共重合体における不飽和ニトリルは、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、フェニルアクリロニトリル、およびα−クロロアクリロニトリルからなる群より選択される1種以上であってもよい。
【0096】
また、前記グラフト共重合体におけるジエン系ゴムは、ブタジエン型ゴムまたはイソプレン型ゴムであってもよい。
【0097】
なおまた、前記グラフト共重合体における芳香族ビニルは、スチレン、α−メチルスチレンビニルトルエン、t−ブチルスチレン、ハロゲン置換スチレン、1,3−ジメチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、およびエチルスチレンからなる群より選択される1種以上であってもよい。
【0098】
一方、前記コア−シェルゴムは、選択的に平均粒径が0.01〜5μmである単一粒子分布(Monomodal distribution)形態のモルフォロジー(Morphology)または平均粒径が0.01〜5μmである多重粒子分布(Multimodal distribution)形態のモルフォロジー(Morphology)を有することができる。
【0099】
また、前記アルキルメタクリレートは、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、およびブチルメタクリレートからなる群より選択される1種以上であってもよい。
【0100】
好ましくは、前記不飽和ニトリル−ジエン系ゴム−芳香族ビニルグラフト共重合体は、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレングラフト共重合体であってもよく、前記アルキルメタクリレート−ジエン系ゴム−芳香族ビニルグラフト共重合体は、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレングラフト共重合体であってもよい。なおまた、前記アルキルメタクリレート−シリコン/アルキルアクリレートグラフト共重合体は、メチルメタクリレート−シリコン/ブチルアクリレートグラフト共重合体であってもよい。
【0101】
一方、前記ポリカーボネートは、ガラス転移温度が50〜200℃であり、重量平均分子量が10,000〜200,000であってもよい。
【0102】
そして、前記高分子樹脂組成物は、不飽和ニトリル−芳香族ビニル−グリシジルメタクリレート系相溶化剤、不飽和ニトリル−芳香族ビニル−無水マレイン酸系相溶化剤、飽和エチレン−アルキルアクリレート−グリシジルメタクリレート系相溶化剤、およびカルボジイミド系耐加水分解剤からなる群より選択される1種以上をさらに含むことができる。
【0103】
前記において、不飽和ニトリル−芳香族ビニル−グリシジルメタクリレート系相溶化剤は15重量%以下、不飽和ニトリル−芳香族ビニル−無水マレイン酸系相溶化剤は15重量%以下、飽和エチレン−アルキルアクリレート−グリシジルメタクリレート系相溶化剤は15重量%以下、およびカルボジイミド系耐加水分解剤は10重量%以下で含まれてもよい。
【0104】
前記アルキルアクリレートは、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレートおよび2−エチルヘキシルアクリレートからなる群より選択される1種以上であってもよい。
【0105】
また、前記不飽和ニトリル−芳香族ビニル−グリシジルメタクリレート系相溶化剤は、ガラス転移温度が20〜200℃であり、重量平均分子量が200〜300,000であり、選択的に芳香族ビニル−グリシジルメタクリレートが代替することができる。
【0106】
前記において、不飽和ニトリル−芳香族ビニル−無水マレイン酸系相溶化剤は、ガラス転移温度が20〜200℃であり、重量平均分子量は200〜300,000であってもよく、前記飽和エチレン−アルキルアクリレート−グリシジルメタクリレート系相溶化剤は、ガラス転移温度が−150〜200℃であり、重量平均分子量が200〜300,000であってもよい。
【0107】
また、前記カルボジイミド系耐加水分解剤は、重量平均分子量が50〜300,000であり、下記の化学式4または化学式5で表されてもよい。
【0108】
【化7】
【0109】
前記式中、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基または炭素数6〜36のアリール基である。
【0110】
【化8】
【0111】
前記式中、Rは、炭素数1〜20のアルキル基または炭素数6〜36のアリール基であり、nは、2〜30,000整数であって、平均重合度を示す。
【0112】
一方、前記高分子樹脂組成物は、酸化防止剤、滑剤、光安定剤、光吸収剤、トランスエステル化反応抑制剤、および耐加水分解剤からなる群より選択される1種以上の添加剤を、テレフタル酸を含むジカルボン酸成分の残基、およびジアンヒドロヘキシトールを含むジオール成分の残基を含むポリエステル共重合体と、
不飽和ニトリル−ジエン系ゴム−芳香族ビニルグラフト共重合体、アルキルメタクリレート−ジエン系ゴム−芳香族ビニルグラフト共重合体、およびアルキルメタクリレート−シリコン/アルキルアクリレートグラフト共重合体からなる群より選択される1種以上の共重合体から構成される基本樹脂全体に対して10重量%以下で含むことができる。
【0113】
また、前記酸化防止剤は、ヒンダードフェノール系であって、重量平均分子量が50〜300,000であってもよい。
【0114】
そして、前記酸化防止剤は、ホスファート系であって、下記の化学式6、化学式7、および化学式8からなる群より選択されてもよい。
【0115】
【化9】
【0116】
前記式中、RおよびRは、それぞれ独立して、炭素数1〜40の置換もしくは非置換のアルキル基または炭素数6〜40の置換もしくは非置換のアリール基である。
【0117】
【化10】
【0118】
前記式中、RおよびRは、それぞれ独立して、炭素数1〜40の置換もしくは非置換のアルキル基または炭素数6〜40の置換もしくは非置換のアリール基であり、nは、1以上の整数であって、置換された繰り返し単位を示す。
【0119】
【化11】
【0120】
前記式中、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、炭素数1〜40の置換もしくは非置換のアルキル基または炭素数6〜40の置換もしくは非置換のアリール基である。
【0121】
一方、前記酸化防止剤は、チオエステル系であって、下記の化学式9または化学式10で表される化合物であってもよい。
【0122】
【化12】
【0123】
前記式中、RおよびRは、それぞれ独立して、炭素数1〜40の置換もしくは非置換のアルキル基または炭素数6〜40の置換もしくは非置換のアリール基である。
【0124】
前記滑剤は、金属ステアレート系滑剤、アミド系滑剤、パラフィン系滑剤、およびエステル系滑剤からなる群より選択された1種以上であってもよい。
【0125】
前記光安定剤および光吸収剤は、ハルス系光安定剤、ベンゾトリアゾール系光吸収剤またはベンゾフェノン系光吸収剤であってもよい。
【0126】
一方、前記トランスエステル化反応抑制剤は、最小限のヒドロキシル官能基およびアルキルエステル官能基を含むリン化合物または下記の化学式11で表される単位を含むヒドラジン化合物であってもよい。
【0127】
【化13】
【0128】
また、本発明による高分子樹脂組成物は、追加的にグリシジルメタクリレート単位を含む鎖延長剤またはカップリング剤、無機物添加剤、充填剤、染料、顔料、および着色剤からなる群より選択される添加剤をさらに含むことができる。
【0129】
[実施例]
以下、本発明の好ましい実施例を詳しく説明する。ただし、これらの実施例は本発明を例示するためのものに過ぎず、本発明の範囲はこれらの実施例により制限されると解釈されないといえる。
【0130】
参考例1)
二軸混練押出機(Φ:40mm、L/D=40)を用いてテレフタル酸−イソソルビド−1,4−シクロヘキサンジオール−エチレングリコール共重合体ポリエステル(Tg:120℃、重量平均分子量:5万)60重量%、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレングラフト共重合体10重量%、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレングラフト共重合体5重量%、およびポリカーボネート25重量%からなる樹脂100重量%に対して、アクリロニトリル−スチレン−グリシジルメタクリレート0.5重量%、フェノール系の1次酸化安定剤、ホスファート系の2次酸化安定剤をそれぞれ0.2重量%添加して、均一に混練押出を進行してペレットを製造した。
【0131】
前記で、テレフタル酸−イソソルビド−1,4−シクロヘキサンジオール−エチレングリコール共重合体ポリエステルは、韓国のSKケミカル社の環境にやさしい高衝撃樹脂であるECOZEN、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレングラフト共重合体は、錦湖石油化学社のコア−シェルゴム形態のグラフトABS製品であるHR−181、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレングラフト共重合体は、日本のKANEKA社のコア−シェルゴム形態のグラフトMBS製品であるM−511、ポリカーボネートは、韓国の三養社の3022PJ、アクリロニトリル−スチレン−グリシジルメタクリレートは、中国のSUNNY FC社のSAG−005、フェノール系の1次酸化安定剤は、日本のADEKA社のAO−60、ホスファート系の2次酸化安定剤は、米国のDOVER社のS−9228製品を用いた。
【0132】
参考例2)
二軸混練押出機(Φ:40mm、L/D=40)を用いてテレフタル酸−イソソルビド−1,4−シクロヘキサンジオール−エチレングリコール共重合体ポリエステル(Tg:120℃、重量平均分子量:5万)50重量%、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレングラフト共重合体15重量%、およびポリカーボネート35重量%からなる樹脂100重量%に対して、アクリロニトリル−スチレン−グリシジルメタクリレート0.5重量%、フェノール系の1次酸化安定剤、ホスファート系の2次酸化安定剤をそれぞれ0.2重量%添加して、均一に混練押出を進行してペレットを製造した。
【0133】
前記で、テレフタル酸−イソソルビド−1,4−シクロヘキサンジオール−エチレングリコール共重合体ポリエステルは、韓国のSKケミカル社の環境にやさしい高衝撃樹脂であるECOZEN、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレングラフト共重合体は、錦湖石油化学社のコア−シェルゴム形態のグラフトABS製品であるHR−181、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレングラフト共重合体は、日本のKANEKA社のコア−シェルゴム形態のグラフトMBS製品であるM−511、ポリカーボネートは、韓国の三養社の3025PJ、アクリロニトリル−スチレン−グリシジルメタクリレートは、中国のSUNNY FC社のSAG−005、フェノール系の1次酸化安定剤は、日本のADEKA社のAO−60、ホスファート系の2次酸化安定剤は、スイスのClariant社のIgarfos168製品を用いた。
【0134】
参考例3)
二軸混練押出機(Φ:40mm、L/D=40)を用いてテレフタル酸−イソソルビド−1,4−シクロヘキサンジオール−エチレングリコール共重合体ポリエステル(Tg:110℃、重量平均分子量:5.5万)40重量%、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレングラフト共重合体15重量%、およびポリカーボネート45重量%からなる樹脂100重量%に対して、アクリロニトリル−スチレン−グリシジルメタクリレート0.5重量%、フェノール系の1次酸化安定剤、ホスファート系の2次酸化安定剤をそれぞれ0.2重量%添加して、均一に混練押出を進行してペレットを製造した。
【0135】
前記で、テレフタル酸−イソソルビド−1,4−シクロヘキサンジオール−エチレングリコール共重合体ポリエステルは、韓国のSKケミカル社の環境にやさしい高衝撃樹脂であるECOZEN、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレングラフト共重合体は、錦湖石油化学社のコア−シェルゴム形態のグラフトABS製品であるHR−181、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレングラフト共重合体は、日本のKANEKA社のコア−シェルゴム形態のグラフトMBS製品であるM−511、ポリカーボネートは、韓国の三養社の3025PJ、アクリロニトリル−スチレン−グリシジルメタクリレートは、中国のSUNNY FC社のSAG−005、フェノール系の1次酸化安定剤は、日本のADEKA社のAO−60、ホスファート系の2次酸化安定剤は、スイスのClariant社のIgarfos168製品を用いた。
【0136】
(実施例4)
二軸混練押出機(Φ:40mm、L/D=40)を用いてテレフタル酸−イソソルビド−1,4−シクロヘキサンジオール−エチレングリコール共重合体ポリエステル(Tg:110℃、重量平均分子量:5.5万)22重量%、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレングラフト共重合体10重量%、ポリブチレンテレフタレート10重量%、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体3重量%、およびポリカーボネート55重量%からなる樹脂100重量%に対して、アクリロニトリル−スチレン−グリシジルメタクリレート0.5重量%、フェノール系の1次酸化安定剤、ホスファート系の2次酸化安定剤をそれぞれ0.2重量%添加して、均一に混練押出を進行してペレットを製造した。
【0137】
前記で、テレフタル酸−イソソルビド−1,4−シクロヘキサンジオール−エチレングリコール共重合体ポリエステルは、韓国のSKケミカル社の環境にやさしい高衝撃樹脂であるECOZEN、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレングラフト共重合体は、錦湖石油化学社のコア−シェルゴム形態のグラフトABS製品であるHR−181、ポリブチレンテレフタレートは、台湾の長春化工の1200−211M、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体は、日本のAsahi Kasei社のH−1052、ポリカーボネートは、韓国の三養社の3030PJ、アクリロニトリル−スチレン−グリシジルメタクリレートは、中国のSUNNY FC社のSAG−005、フェノール系の1次酸化安定剤は、日本のADEKA社のAO−60、ホスファート系の2次酸化安定剤は、米国のDOVER社のS−9228製品を用いた。
【0138】
(実施例5)
二軸混練押出機(Φ:40mm、L/D=40)を用いてテレフタル酸−イソソルビド−1,4−シクロヘキサンジオール−エチレングリコール共重合体ポリエステル(Tg:110℃、重量平均分子量:5.5万)24重量%、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレングラフト共重合体10重量%、ポリブチレンテレフタレート13重量%、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体3重量%、およびポリカーボネート50重量%からなる樹脂100重量%に対して、アクリロニトリル−スチレン−グリシジルメタクリレート0.5重量%、フェノール系の1次酸化安定剤、ホスファート系の2次酸化安定剤をそれぞれ0.2重量%添加して、均一に混練押出を進行してペレットを製造した。
【0139】
前記で、テレフタル酸−イソソルビド−1,4−シクロヘキサンジオール−エチレングリコール共重合体ポリエステルは、韓国のSKケミカル社の環境にやさしい高衝撃樹脂であるECOZEN、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレングラフト共重合体は、錦湖石油化学社のコア−シェルゴム形態のグラフトABS製品であるHR−181、ポリブチレンテレフタレートは、台湾の長春化工の1200−211M、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体は、日本のAsahi Kasei社のH−1052、ポリカーボネートは、韓国の三養社の3030PJ、アクリロニトリル−スチレン−グリシジルメタクリレートは、中国のSUNNY FC社のSAG−005、フェノール系の1次酸化安定剤は、日本のADEKA社のAO−60、ホスファート系の2次酸化安定剤は、米国のDOVER社のS−9228製品を用いた。
【0140】
(実施例6)
二軸混練押出機(Φ:40mm、L/D=40)を用いてテレフタル酸−イソソルビド−1,4−シクロヘキサンジオール−エチレングリコール共重合体ポリエステル(Tg:110℃、重量平均分子量:5.5万)14重量%、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレングラフト共重合体13重量%、ポリブチレンテレフタレート15重量、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体3重量%、およびポリカーボネート55重量%からなる樹脂100重量%に対して、アクリロニトリル−スチレン−グリシジルメタクリレート0.5重量%、カルボジイミド系耐加水分解剤0.5重量%、フェノール系の1次酸化安定剤およびホスファート系の2次酸化安定剤をそれぞれ0.2重量%添加して、均一に混練押出を進行してペレットを製造した。
【0141】
前記で、テレフタル酸−イソソルビド−1,4−シクロヘキサンジオール−エチレングリコール共重合体ポリエステルは、韓国のSKケミカル社の環境にやさしい高衝撃樹脂であるECOZEN、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレングラフト共重合体は、錦湖石油化学社のコア−シェルゴム形態のグラフトABS製品であるHR−181、ポリブチレンテレフタレートは、台湾の長春化工の1200−211M、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体は、日本のAsahi Kasei社のH−1052、ポリカーボネートは、韓国の三養社の3030PJ、アクリロニトリル−スチレン−グリシジルメタクリレートは、中国のSUNNY FC社のSAG−005、フェノール系の1次酸化安定剤は、日本のADEKA社のAO−60、ホスファート系の2次酸化安定剤は、米国のDOVER社のS−9228、カルボジイミド系耐加水分解剤は、ドイツのRaschig社の9000製品を用いた。
【0142】
(実施例7)
二軸混練押出機(Φ:40mm、L/D=40)を用いてテレフタル酸−イソソルビド−1,4−シクロヘキサンジオール−エチレングリコール共重合体ポリエステル(Tg:110℃、重量平均分子量:5.5万)10重量%、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレングラフト共重合体10重量%、ポリブチレンテレフタレート18重量%、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体2重量%、およびポリカーボネート60重量%からなる樹脂100重量%に対して、アクリロニトリル−スチレン−グリシジルメタクリレート0.5重量%、フェノール系の1次酸化安定剤およびホスファート系の2次酸化安定剤をそれぞれ0.2重量%添加して、均一に混練押出を進行してペレットを製造した。
【0143】
前記で、テレフタル酸−イソソルビド−1,4−シクロヘキサンジオール−エチレングリコール共重合体ポリエステルは、韓国のSKケミカル社の環境にやさしい高衝撃樹脂であるECOZEN、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレングラフト共重合体は、錦湖石油化学社のコア−シェルゴム形態のグラフトABS製品であるHR−181、ポリブチレンテレフタレートは、台湾の長春化工の1200−211M、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体は、日本のAsahi Kasei社のH−1052、ポリカーボネートは、韓国の三養社の3030PJ、アクリロニトリル−スチレン−グリシジルメタクリレートは、中国のSUNNY FC社のSAG−005、フェノール系の1次酸化安定剤は、日本のADEKA社のAO−60、ホスファート系の2次酸化安定剤は、スイスのClariant社のIgarfos168製品を用いた。
【0144】
(比較例1〜5)
従来の自動車、電気電子機器、事務機器、家電機器または生活用品として適用可能な耐熱ABSおよびPC/ABS製品を下記のとおり比較対象にした。
−比較例1:高荷重(1.82MPa)耐熱度95℃であるABS製品
−比較例2:高荷重(1.82MPa)耐熱度100℃であるABS製品
−比較例3:ポリカーボネート含有量が50%であるPC/ABS製品
−比較例4:ポリカーボネート含有量が60%であるPC/ABS製品
−比較例5:ポリカーボネート含有量が70%であるPC/ABS製品
【0145】
<実験例:高分子樹脂組成物から製造された成形品の物性測定>
前記参考例1〜3、前記実施例〜7、および比較例1〜5により製造されたペレットを射出機を用いて射出温度250℃で同一に射出した後、射出で得た試験片を23±2℃、50±5%相対湿度条件下で状態調節し、下記のとおり機械的物性を測定した。測定結果を下記表1〜3に示した。
【0146】
(実験例1:衝撃強度の測定)
ASTM D 256に準拠して、測定用試片を作ってアイゾッド衝撃機(Impact Tester、Toyoseiki)を用いて衝撃強度値を測定した。
【0147】
(実験例2:引張特性の測定)
ASTM D 638に準拠して、測定用試片を作って万能材料試験機(Universal Testing Machine、Zwick Roell Z010)を用いて引張強度、伸び率を測定した。
【0148】
(実験例3:屈曲特性の測定)
ASTM D 790に準拠して、測定用試片を作って万能材料試験機(Universal Testing Machine、Zwick Roell Z010)を用いて屈曲強度、屈曲弾性率を測定した。
【0149】
(実験例4:耐熱性の測定)
ASTM D 648に準拠して、測定用試片を作って耐熱度試験機(HDT Tester、Toyoseiki)を用いて耐熱性を測定した。
【0150】
(実験例5:高分子樹脂組成物から製造された成形品の耐薬品性の評価)
前記参考例1〜3、前記実施例〜7、および比較例1〜3により製造されたペレットを射出機を用いて射出温度250℃で同様に射出した後、射出で得た引張強度試片を23±2℃、50±5%相対湿度条件下で24時間、状態調節し、下記のような方法に準じて評価を実施した。
(1)耐薬品性試験治具を臨界変形量2.2%で製作して、引張試片を試験治具で固定させた。
(2)芳香族/脂肪族化学薬品ブレンド製品またはUV遮断剤を前記引張試片に1分間塗布した後、23±2℃で72時間放置した。
(3)23±2℃で72時間経過後、テスト前/後の引張強度を測定して下記の式で表される引張強度損失率(%)を測定して耐薬品性を比較および判断した。
【0151】
[一般式1]
引張強度損失率(%)=[(テスト前の引張強度−テスト後の引張強度)/テスト前の引張強度]×100
【0152】
前記で、芳香族/脂肪族化学薬品ブレンドは、エタノール10〜90重量%を含み、下記の細部成分から構成される群より選択される1種以上をさらに含むことを特徴とする。
【0153】
細部成分:脂肪族および芳香族アルコール、脂肪族および芳香族エステル、芳香族アルデヒド、不飽和炭化水素、飽和炭化水素、脂肪族アミン、脂肪族ジアミン、およびテルペン
ただし、ポリオールをベースにした場合には脂肪族アミンまたはジアミン細部成分だけを含む。また、前記でUV遮断剤は通常の流通製品を選定した。
【0154】
【表1】
【0155】
【表2】
【0156】
【表3】
【0157】
前記の測定結果から分かるように、実施例の場合は、比較例に比べて耐熱性および耐衝撃性に優れていることが分かった。これによって、本発明による高分子樹脂組成物は、その成分が環境にやさしく、且つ、向上した耐熱性または耐衝撃性などの物性だけでなく、環境応力亀裂性に対する優れた抵抗性を示すことができるという点が分かった。
【0158】
以上で、本発明の内容の特定部分を詳しく記述したところ、当業系の通常の知識を有する者においては、このような具体的記述は単に好ましい実施様態に過ぎず、これによって本発明の範囲が制限されるのではない点は明白であろう。したがって、本発明の実質的な範囲は、請求項とそれらの等価物により定義されるといえる。