【実施例】
【0055】
以下の実施例は本発明の実施形態を例解する。実施例中の全ての部及び割合は、別途記載されない限りは重量を基準とする。実施例では以下の材料を使用する。
【0056】
Beijing Huada Saigao Co.,Ltd.より入手可能なカシューナッツ殻液(「CNSL」)は、CNSLの全重量を基準として、カルダノールを約95重量%で含む。
【0057】
D.E.R.331エポキシ樹脂は、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルであり、182〜192g/eqのEEWを有する。
【0058】
D.E.R.383エポキシ樹脂は、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルであり、176〜183g/eqのEEWを有する。
【0059】
D.E.R.671エポキシ樹脂は、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルであり、470〜550g/eqのEEWを有する。
【0060】
D.E.R.671−X75は、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルのキシレン溶液であり、470〜550g/eqのEEWを有する。
【0061】
エチルトリフェニルホスホニウムアセテート(「触媒A1」)を触媒として使用する。
【0062】
PAPI27ポリマーMDIは、2.7のイソシアネート官能価を有する。
【0063】
D.E.R.331、D.E.R.383、D.E.R.671、D.E.R.671−X75、触媒A1、及びPAPI27は全て、The Dow Chemical Companyより入手可能である。
【0064】
Aldrichより入手可能なジブチル錫ジラウレート(DBTL)を触媒として使用する。
【0065】
キシレンは、Sinopharm Chemical Reagent Co.,Ltdより入手可能な溶媒である。
【0066】
VERSAMID(商標)115硬膜剤は、ポリアミド硬膜剤であり、Cognis Corporationより入手可能である。
【0067】
CARDOLITE(商標)NC 541LV硬膜材は、フェナルカミン硬膜材であり、Cardolite Corporationより入手可能である。
【0068】
BYK Chemicalより入手可能なBYK(商標)300は、ポリエーテルで修飾されたポリシロキサンであり、レベリング剤として使用する。
【0069】
BYK Chemicalより入手可能なDISPERBYK(商標)−163は、高分子量のセグメント化コポリマーであり、湿潤及び分散添加剤として使用する。
【0070】
BYK Chemicalより入手可能なBYK(商標)066Nは、ポリシロキサンであり、消泡剤として使用する。
【0071】
CRAYVALLEYより入手可能なCRAYVALLAC(商標)Ultraは、ポリアミドワックスであり、チキソトロープ剤として使用する。
【0072】
TiO
2は、顔料として使用し、DuPontより入手可能である。
【0073】
タルクは、顔料として使用し、Shanghai Wanjiang Chemical Companyより入手可能である。
【0074】
シリカは、顔料として使用し、Dongsheng Chemicalより入手可能である。
【0075】
以下の標準的な分析機器及び方法を実施例にて使用する。
【0076】
エポキシド当量(EEW)分析
標準滴定法を使用して、様々なエポキシ樹脂中のエポキシドパーセントを決定する。使用する滴定法は、Jay,R.R.,「Direct Titration of Epoxy Compounds and Aziridines」,Analytical Chemistry,36,3,667〜668(1964年3月)に記載の方法と類似している。この方法の本適合では、慎重に秤量した試料(試料重量は0.17〜0.25グラムの範囲に及ぶ)をジクロロメタン(15ミリリットル(mL))に溶解させ、続いて酢酸中の臭化テトラエチルアンモニウム溶液(15mL)を添加した。3滴のクリスタルバイオレット指示薬(酢酸中、0.1%重量/体積)で処理した結果として得られた溶液を、メトローム665ドジマット滴定装置(Brinkmann)上で、酢酸中の0.1N過塩素酸で滴定した。酢酸中(15mL)にジクロロメタン(15mL)及び臭化テトラエチルアンモニウム溶液から構成されるブランクを滴定することで、溶媒バックグラウンドに対する補正を提供した。エポキシドパーセント及びEEWは以下の等式を使用して計算する。
エポキシド%=[(滴定試料mL)−(滴定ブランクmL)]×(0.4303)/(滴定された試料のグラム)
EEW=43023/[エポキシド%]
【0077】
CMEポリオールの算出OHEW
CMEポリオールのOHEW値を、以下の等式に従って計算する。
OHEW=(m
1+m
2)/(n
1+n
2)、
式中、m
1は、エポキシ成分の質量(グラム)であり、m
2は、エポキシ反応性成分の質量(グラム)であり、n
1は、エポキシ成分中のヒドロキシル基のモルであり、n
2は、エポキシ成分のエポキシ基と理論的に反応するエポキシ反応性成分中のエポキシ反応性基のモルである。
【0078】
顔料体積濃度(「PVC」)
塗料のPVCを以下のように計算する。
【0079】
【数1】
【0080】
粘度
部分A及び部分Bを2分間完全に混合させた後、25℃でBrookfield粘度計(6#回転子、毎分750回転(rpm))を使用してコーティング組成物の初期混合粘度を測定する。
【0081】
引き剥がし接着強度
コーティング組成物を、サンドブラストで仕上げたパネル上に塗膜し、7日間室温で硬化させる。得られたコーティング膜は、80〜100μmの厚さを有する。膜の引き剥がし接着強度をISO 4624法に従って測定する。
【0082】
円錐形マンドレル可撓性試験
円錐形マンドレル可撓性を、ASTM D 522法に従って実施する。評価するコーティング組成物を、Qパネル上に直接噴霧し、7日間室温で硬化させる。亀裂長が小さいほど、コーティング膜の可撓性は良好である。
【0083】
塩水噴霧試験
コーティング組成物の塩水噴霧試験をASTM B117法に従って実施する。
【0084】
顔料含有コーティング組成物については、コーティング組成物を、サンドブラストで仕上げた鋼製パネル上に塗膜し、7日間室温で硬化させる。得られた膜は70〜100μmの厚さを有する。塗膜したパネルを、その後、膜を通過させてスクライブし、水平線をパネルの中心に合わせて裸の鋼を露わにする。スクライブしたパネルを、次に、塩水噴霧箱中に2,000時間定置する。次に、2000時間の塩水噴霧曝露後の切断端部からのクリーページの測定をASTM B117/D 1654−92法に従って実施した。クリーページが短いほど、防食特性は良好である。
【0085】
透明コーティング組成物については、透明コーティング組成物を、Qパネル上に塗膜し、7日間室温で硬化させる。得られた膜は、40〜60μmの厚さを有する。塗膜したパネルを、その後、塩水噴霧箱中に200時間定置する。その後、200時間の塩水噴霧曝露後の塗膜パネル上の錆びつきの程度を、ASTM D610−01試験方法に従って評価する。
【0086】
乾燥特性
BYK乾燥記録装置を使用して、ASTM D5895法に従いコーティング組成物の不粘着時間及び硬化乾燥時間を記録する。評価するコーティング組成物をガラスパネルに塗布し、次に、ガラスパネルを、室温にて乾燥させるためにBYK乾燥タイマーに設置する。
【0087】
低温硬化特性
コーティング組成物の低温硬化特性を、以下のように、溶媒二重擦り(double rub)技法によって評価する。
【0088】
コーティング組成物を、Qパネル上に塗布し、すぐに冷蔵庫に入れ、4日間0℃で硬化させて、40〜50μmの厚さの膜を形成させる。200グラム(g)のハンマーを綿布で包む。綿布を、まずメチルエチルケトン(MEK)で飽和させ、その後、膜全体に擦りつける。一定の前後運動を使用し、ハンマーの重量のみが塗膜パネルに力を適用するようにする。膜を貫通し裸の金属が露出するまで、この運動を続ける。1回の前後運動を1回のMEK二重擦りとみなす。最後に、MEK二重擦りの数を記録する。MEK二重擦りの数が多いほど、低温硬化特性は良好である。
【0089】
耐衝撃性
ASTM 2794法に従って、耐衝撃性を実施する。評価するコーティング組成物を錫プレート上に直接噴霧して、コーティング膜を形成する。コーティング膜は40〜50μmの平均厚さを有する。
【0090】
ポリオールAの合成
264gのD.E.R.331エポキシ樹脂及び418gのCNSL(エポキシ樹脂のCNSL/エポキシ基のOH基のモル比=1/1)を、機械攪拌器を持つ反応器中に充填し、90℃に加熱した。500ppmの触媒A1を反応器中に添加し、温度を160℃にゆっくりと上昇させた。約5時間後に反応を停止させた。得られたポリオールAは黄色がかった液体であった。
【0091】
ポリオールBの合成
400gのD.E.R.671エポキシ樹脂及び231gのCNSL(エポキシ樹脂のCNSL/エポキシ基のOH基のモル比=1/1)を、機械攪拌器を持つ反応器中に充填し、90℃に加熱した。500ppmの触媒A1を反応器中に添加し、温度を160℃にゆっくりと上昇させた。約5時間後に反応を停止させた。得られたポリオールBは黄色がかった樹脂であった。
【0092】
ポリオールCの合成
180gのD.E.R.383エポキシ樹脂及び300gのCNSL(エポキシ樹脂のCNSL/エポキシ基のOH基のモル比=1/1)を、機械攪拌器を持つ反応器中に充填し、90℃に加熱した。500ppmの触媒A1を反応器中に添加し、温度を180℃にゆっくりと上昇させた。約7時間後に反応を停止させた。ポリオールCを得た。
【0093】
ポリオールD−X70の合成
475gのD.E.R.671エポキシ樹脂及び300gのCNSL(エポキシ樹脂のCNSL/エポキシ基のOH基のモル比=1/1)を、機械攪拌器を持つ反応器中に充填し、90℃に加熱した。D.E.R.671エポキシ樹脂を溶解させた後、500ppmの触媒A1を反応器中に添加し、温度を180℃にゆっくりと上昇させた。約7時間後に反応を停止させた。次に、270gのキシレンを、結果として得られた反応生成物中に添加して、ポリオールD−X70を得た。
【0094】
ポリオールEの合成
73.7gのポリオールC及び26.3gのポリオールD−X70を混合することで、100gのポリオールEを調製した。
【0095】
ポリオールFの合成
180gのD.E.R.383エポキシ樹脂及び330gのCNSL(エポキシ樹脂のCNSL/エポキシ基のOH基のモル比=1.1/1)を、機械攪拌器を持つ反応器中に充填し、90℃に加熱した。500ppmの触媒A1を反応器中に添加し、温度を180℃にゆっくりと上昇させた。約9時間後に反応を停止させて、ポリオールFを得た。
【0096】
ポリオールG−X70の合成
475gのD.E.R.671エポキシ樹脂及び330gのCNSL(エポキシ樹脂のCNSL/エポキシ基のOH基のモル比=1.1/1)を、機械攪拌器を持つ反応器中に充填し、90℃に加熱した。D.E.R.671エポキシ樹脂を溶解させた後、500ppmの触媒A1を反応器中に添加し、温度を180℃にゆっくりと上昇させた。約9時間後に反応を停止させた。次に、270gのキシレンを、結果として得られた反応生成物に添加して、ポリオールG−X70を得た。
【0097】
上で得たこれらのポリオールの特性を表1に示した。
【0098】
【表1】
【0099】
実施例1〜6及び比較例A〜B 透明コーティング組成物
実施例1〜6のポリウレタンコーティング組成物及び比較例A〜Bのエポキシコーティング組成物を、表2に記載する配合に基づいて調製した。
【0100】
実施例1〜6のポリウレタンコーティング組成物を以下のように調製した。上で調製した特定のポリオール、PAPI27、及びキシレンを混合し、約10分間撹拌した。その後、DBTL触媒を、結果として得られた混合物中に添加し、2分間更に撹拌して、それぞれ、実施例1〜6のコーティング組成物を得た。
【0101】
比較例A〜Bのエポキシコーティング組成物を以下のように調製した。D.E.R.671−X75溶液、硬膜材(VERSAMID 115またはCARDOLITE NC 541LV)、及びキシレンを合わせて混合し、約10分間撹拌して、比較例A〜Bのコーティング組成物を得た。
【0102】
【表2】
【0103】
実施例1〜2及び比較例A〜Bのコーティング組成物を、上記の試験方法に従って、低温硬化特性について評価した。表3に示すように、実施例1のコーティング組成物から作製したコーティング膜は、本業界で低温硬化用途に一般に使用されるエポキシコーティング組成物を含有するフェナルカミンから作製した膜(比較例B)のMEK二重擦りの数と同様の数のMEK二重擦りを示した。具体的には、実施例2のコーティング組成物から作製した膜上のMEK二重擦りの数は、70に達した。対照的に、エポキシコーティング組成物を含有するポリアミドから作製したコーティング膜(比較例A)は、0℃での4日間の硬化後に割れた。表3における結果は、本発明のポリウレタンコーティング組成物が、比較例Bのエポキシコーティング組成物と比べて同等またはより良好な低温硬化特性を有し、比較例Aのエポキシコーティング組成物と比べてより良好な低温硬化特性を有することを示す。
【0104】
【表3】
【0105】
実施例1〜2及び比較例A〜Bのコーティング組成物を、透明コーティング組成物について上に記載した塩水噴霧試験に従って、防食特性についても評価した。200時間の塩水噴霧曝露後の塗膜パネル上の錆びつきの程度を表4中で報告した。表4に示すように、実施例1〜2のコーティング組成物から作製したコーティング膜は、200時間の塩水噴霧曝露後の比較例A〜Bのエポキシコーティング組成物から作製された膜のものよりも小さい錆びついた領域(それぞれ、0.03%及び0.1%)及び小さい錆びついたスポット(それぞれ、錆度9−S及び8−G)を示した。表4における結果は、発明のポリウレタンコーティング組成物が、比較例A〜Bのエポキシコーティング組成物よりも良好な防食特性を有することを示す。
【0106】
【表4】
【0107】
実施例1〜2及び比較例A〜Bのコーティング組成物を、それから作製したコーティング膜の耐亀裂性能についても、上記の円錐形可撓性試験に従って評価した。コーティング膜は、約50μmの平均厚さを有した。表5に示すように、実施例1及び2のコーティング組成物から作製した膜は、それぞれ、膜表面上の亀裂を示さなかったか、または1.5センチメートル(cm)未満の亀裂長を示した。対照的に、比較例Bのエポキシコーティング組成物から作製した膜は、14cm超の亀裂長を示した。表5における結果は、実施例1〜2のコーティング組成物が、比較例Aと同等の可撓性、及び比較例Bよりも良好な可撓性を提供することを示す。
【0108】
【表5】
【0109】
実施例1〜2及び比較例A〜Bのコーティング組成物を、それから作製したコーティング膜の耐衝撃性についても、上記の耐衝撃性試験に従って評価した。コーティング膜の耐衝撃特性を表6に報告した。実施例1のコーティング組成物から作製したコーティング膜の順衝撃強度と逆衝撃強度との両方は、比較例A〜Bのコーティング組成物から作製したコーティング膜のものよりもはるかに高かった。実施例2のコーティング組成物から作製した硬化した膜の耐衝撃性は、比較例Aの耐衝撃性と比較し、比較例Bの耐衝撃性よりもはるかに良好であった。
【0110】
【表6】
【0111】
実施例3〜6のコーティング組成物の乾燥特性を上記の方法に従って評価し、表7中で報告した。表7に示すように、実施例3〜6のコーティング組成物の不粘着時間及び硬化乾燥時間は全て短く、M&PC業界にとって許容可能であった。実施例3〜6のコーティング組成物から作製したコーティング膜も、M&PC業界の要件を満たすのに十分に短い亀裂長を示した。
【0112】
【表7】
【0113】
実施例7〜8 塗料
実施例7〜8の塗料を、表8に記載の配合に基づいて、部分Aと部分Bとを混合することによって調製した。部分Aは、高速分散器を使用して、部分A中の全ての成分を混合することによって調製した。PAPI27及びDBTLキシレン溶液を混合して、部分Bを得た。
【0114】
【表8】
【0115】
実施例7〜8の塗料及び結果として得られたコーティング膜の特性を、上記の試験方法に従って評価し、表9中で報告した。
【0116】
実施例7及び8の塗料の初期混合粘度は、それぞれ、76センチポアズ(cps)及び42cpsであり、これは低く、空気噴霧または無気噴霧のために許容可能であった。
【0117】
塗料を、顔料含有コーティング組成物について上に記載した塩水噴霧試験に従って評価した。得られたコーティング膜は、60〜80μmの厚さを有した。表9に示すように、実施例7の膜はわずか1.6cmの亀裂長を示し、実施例8の膜は表面亀裂を示さなかった。これは、本発明の塗料から作製されたコーティング膜が良好な可撓性を有し、業界の要件を満たすことを示す。
【0118】
加えて、これらの膜の引き剥がし接着強度は、20MPaより大きく、業界の要件(通常は5MPa)を満たした。これは、本発明のコーティング組成物が、鋼基板への良好な接着性を提供し得ることを示す。
【0119】
表9に示すように、2,000時間の塩水噴霧曝露後のこれらの膜は、スクライブしていない表面領域上の気泡または錆つき、及び短いクリーページを示さず、これは、実施例7〜8の塗料の良好な防食特性を示す。更に、実施例8の塗料から作製した膜のクリーページ(2mm)は、実施例7のクリーページ(3mm)よりも更に短く、これは、実施例8が、実施例7よりも更に良好な防食特性を有することを示す。
【0120】
【表9】
【0121】
US20100/331454A1に開示されているものと実質的に同一の比較ポリオールHの合成
180gのD.E.R.383エポキシ樹脂及び240gのCNSL(エポキシ樹脂のCNSL/エポキシ基のOH基のモル比=0.8/1)を、機械攪拌器を持つ反応器中に充填し、90℃に加熱した。500ppmの触媒A1を反応器中に添加し、温度を160℃にゆっくりと上昇させた。約5時間後に反応を停止させて、比較ポリオールHを得た。比較ポリオールHの特性を表10に示した。
【0122】
US20100/331454A1に開示されているものと実質的に同一の比較ポリオールIの合成
180gのD.E.R.383エポキシ樹脂及び150gのCNSL(エポキシ樹脂のCNSL/エポキシ基のOH基のモル比=0.5/1)を、機械攪拌器を持つ反応器中に充填し、90℃に加熱した。500ppmの触媒A1を反応器中に添加し、温度を160℃にゆっくりと上昇させた。約5時間後に反応を停止させて、比較ポリオールIを得た。比較ポリオールIの特性を表10に示した。
【0123】
比較ポリオールJの合成
180gのD.E.R.383エポキシ樹脂及び480gのCNSL(エポキシ樹脂のCNSL/エポキシ基のOH基のモル比=0.6/1)を、機械攪拌器を持つ反応器中に充填し、90℃に加熱した。500ppmの触媒A1を反応器中に添加し、温度を160℃にゆっくりと上昇させた。約7時間後に反応を停止させて、比較ポリオールJを得た。比較ポリオールJの特性を表10に示した。
【0124】
【表10】
【0125】
実施例9及び比較例C〜E 塗料
実施例9及び比較例C〜Eの塗料を、表11に記載の配合に基づいて、部分Aと部分Bとを混合することによって調製した。これらの塗料全ては、35%のPVC値、及び75%の固形分を有した。
【0126】
【表11】
【0127】
上の塗料の乾燥特性を、上記の試験方法に従って評価し、表12中で報告した。部分A及び部分Bの混合から10分後に、塗料をガラスストリップ上に塗布した。表12に示すように、ポリオールCを含む塗料は、比較ポリオールE、比較ポリオールF、または比較ポリオールJをそれぞれ含む比較例C〜Eの塗料よりもはるかに高速である室温での不粘着時間及び硬化乾燥時間を示した。
【0128】
【表12】